JP2530627B2 - 感熱記録用転写体 - Google Patents

感熱記録用転写体

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JP2530627B2
JP2530627B2 JP61243177A JP24317786A JP2530627B2 JP 2530627 B2 JP2530627 B2 JP 2530627B2 JP 61243177 A JP61243177 A JP 61243177A JP 24317786 A JP24317786 A JP 24317786A JP 2530627 B2 JP2530627 B2 JP 2530627B2
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    • B41M5/00Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
    • B41M5/26Thermography ; Marking by high energetic means, e.g. laser otherwise than by burning, and characterised by the material used
    • B41M5/40Thermography ; Marking by high energetic means, e.g. laser otherwise than by burning, and characterised by the material used characterised by the base backcoat, intermediate, or covering layers, e.g. for thermal transfer dye-donor or dye-receiver sheets; Heat, radiation filtering or absorbing means or layers; combined with other image registration layers or compositions; Special originals for reproduction by thermography
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、熱溶融転写あるいは熱昇華性転写によって
記録を行なうサーマルプリンタ等に使用される感熱記録
用転写体に関するものである。
〔従来の技術〕
熱印加によって色材を転写する方式の記録に用いられ
る感熱記録用転写体は、基本的には基材フィルムと感熱
転写層から構成されており、基材フィルムにはポリエス
テルフィルムが多用され、感熱転写層は転写方式によ
り、染料または顔料とワックス等の混合物、あるいは昇
華性染料とバインダー樹脂の混合物などから成ってい
る。しかし、記録速度の向上、印字品質の向上、色材選
択の多様化が指向される中では、サーマルヘッドの高温
化あるいは基材フィルムの薄葉化の要求があり、従来の
ポリエステルフィルムでは耐熱性等の特性上、十分に対
応できなくなりつつある。このような状況から、例えば
特開昭59-165695号公報では、ポリイミドフィルムを基
材フィルムとして使用することが示されている。また特
開昭61-86288号公報には、ポリイミドフィルムよりも安
価な芳香族ポリアミドフィルムを用いることが示されて
いる。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、一般にポリイミドフィルムは非常に高
価でありプリンターのランニングコストの面で不利であ
る。また一般に芳香族ポリアミドフィルムは、これを合
成する際のモノマーの選択およびフィルムを成形する条
件によって耐熱性等の物性は大きく変化するため、適当
な物性を有しない芳香族ポリアミドフィルムでは、高
温、高張力という条件下での使用では熱変形あるいはサ
ーマルヘッドとのスティッキング等が生じる。また芳香
族ポリアミドフィルムは静電気が生じやすく、フィルム
への感熱転写インク層の塗布工程あるいはサーマルプリ
ンターでの使用時等においてフィルムあるいはリボンに
しわが生じる等のトラブルが起き易い。
本発明は以上のような問題点を解決し、安価で従来以
上に厳しい条件下での使用に耐え得る感熱記録用転写体
を提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、 (1)芳香族ポリアミドフィルムの一面に感熱転写層を
設けた感熱記録用転写体において、該芳香族ポリアミド
フィルムの200℃、1.0kg/mm2荷重下における寸法変化率
が、少なくとも一方向において5.0%以下であり、かつ
ガラスとの動摩擦係数が0.2以上1.0以下で、フィルム厚
さが1.0μ以上10.0μ以下であることを特徴とする感熱
記録用転写体、 (2)カーボンブラックが1.0重量%以上10.0重量%未
満含有された芳香族ポリアミドフィルムの一面に感熱転
写層を設けた感熱記録用転写体において、該芳香族ポリ
アミドフィルムの200℃、1.0kg/mm2荷重下における寸法
変化率が、少なくとも一方向において5.0%以下であ
り、かつガラスとの動摩擦係数が0.2以上1.0以下で、フ
ィルム厚さが1.0μ以上10.0μ以下であることを特徴と
する感熱記録用転写体、 を特徴とするものである。
本発明における芳香族ポリアミドとは次式の構成単位
HN-Ar1‐NHOC-Ar2‐COを50モル%以上好ましくは70
モル%以上含む重合体から成るものである。ここでA
r1、Ar2は、 (1)Ar1で、R、Sはハロゲン基、ニトロ基、C1〜C3のアルキル
基、C1〜C3のアルコキシ基、p、qは0〜3の整数 (2)Ar1で、Xはハロゲン基、ニトロ基、C1〜C3のアルキル基、
C1〜C3のアルコキシ基、Yは −CH2−、−O−、−SO2−を表わし、またZはハロゲン
基、ニトロ基、C1〜C3のアルキル基、C1〜C3のアルコキ
シ基で、m、n、rは0〜3の整数、lは0または1 の(1)あるいは(2)のいずれかの構造を有するもの
である。この芳香族ポリアミドは酸クロリドとジアミン
の反応、あるいはイソシアネートとカルボン酸との反応
で得られる。
酸クロリドとジアミンの組合せを例にとると、単量体
としては、酸クロリド側は、テレフタル酸クロリド、イ
ソフタル酸クロリド、およびこれらの芳香核に、ハロゲ
ン、ニトロ、アルキル、アルコキシ基を有するもの、例
えば、2−クロルテレフタル酸クロリド、2−クロルイ
ソフタル酸クロリド、2,5−ジクロルテレフタル酸クロ
リド、2−ニトロテレフタル酸クロリド、2−メチルイ
ソフタル酸クロリドなどがある。またジアミン側は、p
−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,
4′−ジアミノジフェニルケトン、3,3′−ジアミノジフ
ェニルケトン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,
4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′−ジアミノジフ
ェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、
3,3′−ジアミノジフェニルエーテル、ベンチジン、お
よびこれらの芳香核に上記の置換基を有するもの、例え
ば、2−クロル−p−フェニレンジアミン、2−クロル
−メタフェニレンジアミン、2−メチル−メタフェニレ
ンジアミン、3,3−ジメチルベンチジンなどがある。
またイソシアネートとカルボン酸の組合せを例にとる
と、イソシアネート側は、フェニレン−1,4−ジイソシ
アネート、フェニレン−1,3−ジイソシアネート、ジフ
ェニルケトン−4,4′−ジイソシアネート、ジフェニル
メタン−4,4′−ジイソシアネート、ジフェニルエーテ
ル−4,4′−ジイソシアネート、ジフェニルスルホン−
4,4′−ジイソシアネート、およびこれらの芳香核に上
記の置換基を有するもの、例えば、トルイレン−2,6−
ジイソシアネート、トルイレン−2,4−ジイソシアネー
トなどがある。またカルボン酸側は、テレフタル酸、イ
ソフタル酸、およびこれらの芳香核に置換基を有するも
のなどがある。
これらのうち、酸クロリドとジアミンの組合せ、特に
テレフタル酸クロリドとp−フェニレンジアミンの芳香
核の少なくとも一方に塩素置換基を有するものが本発明
を達成する上で好ましいが、もちろんこの組合せ以外の
ものでも本発明の目的を満足するものである。
本発明は上記の一般式で示される基本構成単位を50モ
ル%以上、好ましくは70モル%以上含むことが必要であ
る。上記範囲より少ないと十分な機械特性をもつフィル
ムを形成することが不可能になり、また耐熱性も低下し
て本発明の目的を達成することができない。50モル%未
満の共重合成分は特に限定されるものではなく、エステ
ル結合、ウレタン結合、イミド結合、複素環結合などを
含有していてもよい。なお機械特性、耐熱性の優れたフ
ィルムを得るにはポリマとしては固有粘度(ポリマ0.5g
を臭化リチウム2.5wt%を含むN−メチルピロリドンで1
00mlの溶液として30℃で測定した値)は0.5〜6.0が好ま
しい。
また本発明の芳香族ポリアミドにはフィルムの物性を
損わない程度に、滑剤、酸化防止剤、その他添加剤等
や、また他のポリマがブレンドされていてもよい。
本発明のフィルムは縦方向あるいは横方向の少なくと
も一方向が、1kg/mm2荷重下、200℃での寸法変化が5%
以下、好ましくは2%以下である必要がある。5%より
大きい寸法変化(収縮あるいは伸長)があると、ヘッド
下部でフィルムにシワが発生しやすく鮮明な印刷ができ
なくなる。
また本発明の芳香族ポリアミドフィルムのガラスとの
動摩擦係数は0.2以上1.0以下であることが必要である。
サーマルヘッドのヒータマウント台は一般にセラミック
で作成されていて転写体の非色材面(フィルム面)と接
触するが、プリンター内での転写体の走行性と、セラミ
ックの一種であるガラスとフィルムの動摩擦係数との間
には非常に良好な相関があることが検討の結果判明し
た。即ち、ガラスとの動摩擦係数が1.0より大きいと転
写体がスティックしたり走行不能に陥ったりする。一
方、0.2より小さいつまりフィルム面が粗れていると、
フィルムがヘッドを削ったり、逆にフィルムが削られて
しまい実用に耐えなくなる。
本発明のフィルム厚さは1〜10μであることが必要で
あり、好ましくは2〜8μである。1μより薄いと強度
が低下し実用に耐えない。また、10μより厚いと熱の拡
散が大きくなり、インキの局部的な加熱ができなくなっ
て鮮明な印刷ができなくなったり、印刷のための必要エ
ネルギーが増し、高速化には適さなくなる。
本発明のフィルムは、長手方向または幅方向の少なく
とも一方向の強度が8kg/mm2以上であることが好まし
く、より好ましくは10kg/mm2以上である。上限は特に限
定されないが80kg/mm2程度である。強度が8kg/mm2未満
であると、転写体製造時の加工性が悪く、また転写体と
して使用する際に破れ、しわが発生しやすい。さらにフ
ィルムの伸度は好ましくは10%以上、より好ましくは15
〜100%であり、1kg/mm2荷重下での寸法変化率が、250
℃でも5%以下であることが好ましく、2%以下である
ことがより好ましい。
また、フィルムの吸湿率は5重量%以下が好ましく、
4重量%以下であることが特に好ましい。フィルムの吸
湿率が大きい場合にはサーマルヘッドで転写体が加熱さ
れる際にフィルムが発泡し、インキの転写が不均一にな
って印字品質が低下するという問題が生じるからであ
る。
フィルムの引裂き伝播抵抗は100g/mm以上であること
が感熱転写記録装置での使用中のフィルム切れを防止す
る点で好ましい。
次に本発明における感熱転写層とは、熱溶融性インキ
あるいは熱昇華性インキなどの感熱転写インキをフィル
ムに塗布し形成した層である。感熱転写インキは着色成
分とバインダ成分を主成分とし、必要に応じて柔軟剤、
可撓剤、平滑剤、分散剤、表面形成剤などを添加成分と
して構成される。感熱転写層の厚さは1〜20μ、好まし
くは2〜10μである。
バインダ成分としては、カルナウバワックス、パラフ
ィンワックス、エステルワックスなど周知のワックス類
や低融点の各種高分子類が有用であり、着色成分として
は、カーボンブラックや各種の有機、無機の顔料または
染料などが用いられるが、これらに限定はされない。
次に本発明の感熱記録用転写体の製造方法について説
明する。
芳香族ポリアミドフィルムは一般に有機溶媒中に芳香
族ポリアミド樹脂を溶解させたポリマ溶液から、溶液製
膜法によって成形される。
ポリマは、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトア
ミド、ヘキサメチルホスホルアミド、ジメチルホルムア
ミド、テトラメチル尿素、γ−ブチロラクトンなどの有
機溶媒中に、単量体を添加して行なう溶液重合法、ある
いは水系媒体を使用する界面重合法などによって重合さ
れる。また、特にジイソシアネートとジカルボン酸から
重合にする場合にはアミン触媒を添加する場合もある。
重合後のポリマ溶液は、これを製膜用原液として用い
る場合と、ポリマを水中などに投入して再沈させて単離
し、乾燥後再び有機溶媒に溶解させて製膜用原液を調製
する場合がある。
重合後のポリマ溶液をそのまま製膜用原液として使用
する場合において、単量体として酸クロリドとジアミン
を用いた時には、重合時に副生するハロゲン化水素を中
和する必要がある。中和剤としては水酸化カルシウム、
炭酸カルシウム、炭酸リチウムなどの無機塩基あるいは
それらの水和物や、アンモニア、エチレンオキサイド、
プロピレンオキサイド、トリエチルアミン、ジエタノー
ルアミンなどの有機塩基を用いることができる。
中和時に無機塩基等を使用した場合には、中和塩とし
て塩化リチウム、塩化カルシウム等が生成するが、これ
らの無機塩はポリマの溶解助剤として働く。これと同様
の理由で、前述の重合後にポリマを単離して有機溶媒に
再溶解する場合にも、上記の無機塩のようなアルカリあ
るいはアルカリ土類金属のハロゲン化物などを添加する
こともある。これら無機塩とポリマの割合は、製膜用原
液においてポリマのアミド基に対して150モル%以下で
あることが好ましい。
調製された製膜用原液に中和塩または溶解助剤として
の無機塩が含有されている場合、湿式法あるいは乾湿式
法でフィルムを製膜することが好ましい。
湿式法では、製膜用原液を口金から直接凝固浴中に押
し出すか、一旦ドラムやベルト等の支持体上に流延し、
支持体ごと浴中に導入する方法が採用される。この凝固
浴は一般に水系媒体からなるが、水の他に有機溶媒や無
機塩等を混合しておく場合もある。凝固浴中では製膜用
原液中の有機溶媒や無機塩などの抽出が行なわれ、水を
含有するゲルフィルムが成形される。ゲルフィルムは次
にテンターなどにおいて乾燥され、熱処理が行なわれて
最終フィルムとなる。
乾湿式法では、製膜用原液を口金からドラム、エンド
レスベルト等の支持体上に流延し、熱風等によって加熱
して溶媒を蒸発させ、原液が自己保持性を持ったゲルフ
ィルムとなるまで乾燥を行ない、このゲルフィルムを支
持体から剥離する。この際、原液表面から急激に溶媒が
蒸発しないように調整する必要があり、一般には室温〜
300℃、60分間以内で乾燥条件は設定される。乾式工程
を終えたゲルフィルムは、水を主体とする浴中で湿式法
と同様に溶媒、塩の抽出が行なわれ、次いでテンター内
で乾燥、熱処理されて最終フィルムとなる。
ポリマの基本構成単位、あるいは単量体の種類によっ
ては、無機塩を含有しない製膜用原液を調製することも
でき、この場合には乾式法で製膜することも可能であ
る。乾式法は乾湿式法における溶媒等の水抽出を省いた
方法であり、有機溶媒をすべて加熱によって蒸発させ最
終フィルムを得る。
以上の方法で成形されるフィルムは、製膜工程中で、
高温、荷重下の寸法変化率が本発明の範囲となるように
延伸および熱処理が施される。具体的には、延伸倍率は
面倍率で0.9〜9倍(面倍率とは延伸後のフィルム面積
を延伸前のフィルム面積で除した値であり、ここで1.0
未満の値は収縮を意味する)、熱処理は250℃〜350℃、
0.1〜5分間であり、これらの延伸、熱処理条件をポリ
マの基本構成単位に応じて設定することにより、所定の
寸法変化率を得ることが可能である。
本発明で芳香族ポリアミドフィルムのガラスとの動摩
擦係数が特許請求の範囲となるようにする方法には、例
えば、フィルムを成形するために用いる製膜用原液中に
微粒子を分散させておくことにより、成形されたフィル
ム表面を粗面化し、動摩擦係数を低下させる方法があ
る。ここで分散しておく微粒子としては、特に限定され
ないが、酸化ケイ素、酸化チタン、炭酸カルシウム、カ
ーボンブラック、アルミナなど、あるいはこれらの混合
物を用いることができる。微粒子の粒径は、0.005μ以
上5.0μ以下、好ましくは0.010μ以上3.5μ以下であ
り、粒径が小さすぎる場合には、フィルム表面を粗面化
できずサーマルヘッドとの動摩擦係数が大きくなり、粒
径が大きすぎるとフィルム表面から微粒子が脱離してサ
ーマルヘッド等に付着するなどの問題が起こる。微粒子
の添加量は、ポリマ重量に対して0.1重量%以上10.0重
量%未満、好ましくは0.2重量%以上8.0重量%未満であ
り、少量すぎると表面を粗面化する効果がなく、多量す
ぎるとフィルムの機械的物性を低下させることになる。
微粒子を製膜用原液中に分散させるには、重合用溶媒に
予め微粒子を分散させておく方法、製膜用原液調製後こ
れに微粒子を直接添加するあるいは微粒子を分散させた
溶媒あるいは稀薄ポリマ溶液を添加する方法などがあ
る。
なお、前記微粒子の中では、カーボンブラックが特に
好ましい。カーボンブラックは粒径がそろっているた
め、フィルム表面の面粗度を均一化でき、感熱転写体の
走行性を安定化させるのに非常に有効であり、またカー
ボンブラックの導電性によりフィルム表面が静電気を帯
びることを防止する効果を得ることができる。
本発明におけるカーボンブラックとは、導電性を有す
るものであればよいが、ファーネスブラック、アセチレ
ンブラックが好ましい。また電気伝導性改良のため表面
処理をしたカーボンブラックでもよい。また、これらの
カーボンブラックは比表面積が好ましくは5m2/g〜1000
m2/g、特に好ましくは10m2/g〜950m2/gであり、一次粒
子の平均粒径が好ましくは5mμ〜500mμ、特に10mμ〜1
00mμが好ましく、炭素純度は好ましくは90%以上、よ
り好ましくは97%以上のものを用いる。
次に上記のようにして得られた本発明の基材フィルム
に感熱転写層を形成するが、必要に応じてフィルムにコ
ロナ処理やグロー処理などの前処理を行なってもよい。
感熱転写インキには前記のようなものがあり、フィルム
の片面にホットメルト塗工するか、または溶剤に溶解さ
れた溶液としてグラビア、リバース、スリットダイなど
汎用的な塗工方式によって形成することができる。
〔発明の効果〕
本発明は、高温、高荷重下における寸法安定性および
サーマルヘッドとの動摩擦係数において優れた物性を持
つ芳香族ポリアミドフィルムを基材フィルムとして使用
した感熱記録用転写体であるので、サーマルヘッドとの
接触時に溶融、軟化などのトラブルすなわちスティッキ
ングの発生を防止することが可能であり、またしわのな
い状態で転写体が走行するため、良好な記録品位を実現
することが可能である。さらに、カーボンブラックを添
加すると、フィルム表面の面粗度を均一化できるため、
転写体の走行性安定に有効であり、また添加量が多い場
合には、静電防止にもなるため、走行性の一層の安定化
が計れ、記録品位も非常に向上する。また、これらの特
性が改善されたことによって、基材フィルムを従来より
も薄くすることができるため同じ型式のカセットにより
長尺な転写材を納められるという利点も有している。
以上のようにして得られた感熱記録用転写体は、一般
の感熱転写記録用のサーマルプリンターにおいて用いら
れ、シリアルプリンター、ラインプリンター、ビデオプ
リンターなどの種類別に、テープ状あるいはシート状の
形状で使用される。
〔測定法〕
本発明の特性値は次の測定法による。
(1)寸法変化率 フィルムを幅10mm、長さ250mmに切り取り、両端から2
5mmの位置に印をつけて試長を200mmとした。この試験片
の一端にフィルムの厚さに応じて、引張荷重が1.0kg/mm
2となるようにおもりをつけ、他端が固定して吊した。
これを200℃雰囲気下で5分間加熱し、放冷後下記の計
算式により寸法変化率を計算した。
(2)動摩擦係数 25℃、湿度55%RH雰囲気中に24時間放置した長方形
(75mm×100mm)のフィルムを表面の平滑なガラス板上
に置き、フィルムの一辺(75mmの辺)をUゲージを介し
て固定した。このフィルム上に底面が正方形(60mm×60
mm)で重量200gのおもりを乗せ、ガラス板を150mm/分の
一定速度でUゲージを接続した側と反対方向へ水平に移
動させた。この時Uゲージで検出された張力から動摩擦
係数を算出した。
(3)強度、伸度 ASTM-D-882によるテンシロン型引張試験機に試幅10m
m、試長50mmとなるようにセットし、引張速度300mm/分
で引張ってフィルムが破断する時の強度、伸度を測定す
る。雰囲気は25℃、55%RHである。
〔実施例〕
本発明を実施例に基づいて説明する。
実施例1 蒸溜したN−メチルピロリドン(NMP)60kgにメタフ
ェニレンジアミン50モル(5.41kg)を200lのジャケット
付攪拌機内で溶解させた。この溶液を10℃に冷却した
後、イソフタル酸クロリド50モル(10.15kg)を添加
し、液温を30℃以下となるよう冷却しながら2時間撹拌
を続けたところ粘稠なポリマ溶液を得た。次に重合中発
生した塩酸と等量の水酸化カルシウムを添加して中和を
行なった。中和後の溶液粘度は5100ポイズ(30℃)、固
有粘度は1.30であった。
一方別に用意したNMP中に粒径1.0μの酸化チタンを添
加撹拌し、分散させた。この分散液を上記ポリマ溶液の
うち40kgに、酸化チタン粒子がポリマに対して2.5重量
%となるように添加混合し製膜用原液を調製した。
この製膜用原液を金属ドラム上に流延し、120℃の雰
囲気中で10分乾燥して自己保持性を持つゲルフィルムを
得た。このゲルフィルムを連続的にドラムから剥離して
水槽中に導入し、脱溶媒と脱塩を行ない、次にテンター
内で水分の乾燥と熱処理を施して最終フィルムを得た。
この間にフィルムは水槽中で長手方法に1.3倍、テンタ
ー中で幅方向に2.0倍延伸され、また熱処理の条件は330
℃、2分間である。
得られたフィルムの200℃、1.0kg/mm2荷重下における
寸法変化率は1.5%、ガラスとの動摩擦係数は0.53、フ
ィルム厚さは6μであった。
このフィルムに次の組成からなる感熱転写インキを加
熱ロールによるホットメルトコーティング法により厚さ
4μに塗工し、感熱転写リボンを作製した。
カルナウバワックス 35部 エルテルワックス 30部 カーボンブラック 17部 ポリテトラヒドロフラン 12部 シリコーンオイル 3部 この感熱転写リボンを用いて、サーマルヘッド密度8
本/mm、パルス幅0.7msecの感熱転写テストを行なったと
ころ、リボンのしわ、切れ、スティッキング等を起こさ
ず良好なリボン走行状態で印字ができ、また印字品質も
品位の高いものであった。
比較例1 実施例1の製膜用原液を用いて、延伸倍率を長手方向
に2.0倍、幅方向に2.3倍、テンター温度を270℃とする
以外は実施例1と同様にフィルムを製膜した。得られた
フィルムの寸法変化率は5.5%、ガラスとの動摩擦係数
は0.52、フィルム厚さは6μであった。
このフィルムを基材フィルムとして実施例1と同様に
感熱転写記録テストを行なったところ、サーマルヘッド
との接触時にリボンにしわが入り、良好な印字が達成で
きなかった。
比較例2 実施例1の中和終了ポリマ溶液20kgについて、製膜用
原液中の酸化チタンをポリマに対して0.03重量%とする
こと以外は、原液の調製、フィルムの製膜、感熱転写リ
ボンの作成、感熱転写記録テストについて実施例1と同
様の操作を行なった。
得られたフィルムの200℃、1.0kg/mm2荷重下の寸法変
化率は1.7%、ガラスとの動摩擦係数は1.8で、非常に滑
りにくいフィルムであった。
このフィルムを基材として感熱転写リボンを作成する
際には、ロール等に張り付くなど操作性が悪く、感熱転
写記録テスト時には転写記録装置内でしわが入るなどリ
ボンの走行性に難点があった。また、記録した印字品位
も劣っており、印字の抜けやにじみが多く生じた。
実施例2 2−クロルパラフェニレンジアミン70モル%と4,4′
−ジアミノジフェニルエーテル30モル%をジアミン成分
とし、2−クロルテレフタル酸クロリド100モル%を酸
クロライド成分としてNMP中で重合し、水酸化リチウム
で中和してポリマ濃度9.0重量%、溶液粘度2500ポイズ
(30℃)、固有粘度2.4のポリマ溶液を得た。
これにカーボンブラックをポリマに対して5重量%添
加して製膜用原液とし、ドラム上での溶媒乾燥温度を15
0℃に、延伸倍率をフィルム長手方向に1.15倍、幅方向
に1.3倍としたこと以外は実施例1と同様にフィルムを
製膜した。
得られたフィルムは、200℃、1.0kg/mm2荷重下の寸法
変化率が0.2%、ガラスとの動摩擦係数が0.40、厚さ6
μで、静電気を帯びにくく取扱いの容易なフィルムであ
った。
このフィルムを用いて実施例1と同様の感熱転写記録
テストを行なったところ、転写リボンの走行性もよく、
非常に品位の高い印字が行なえた。
実施例3 4,4′−ジアミノジフェニルメタン10モル(1.9827k
g)とN−メチル−2−ピロリドン(NMP)12lをジャケ
ット付撹拌槽(容積20l)に仕込み、窒素雰囲気下で撹
拌し溶解させた。この溶液に2−クロルテレフタル酸ク
ロリド4モル(0.9498kg)とテレフタル酸クロリド6モ
ル(1.21818kg)を液温が30℃以上とならないように槽
を冷却しながら添加していき、添加終了後約2時間撹拌
を続けたところ粘稠なポリマ溶液が得られた。この溶液
に、炭酸リチウムを重合時の発生塩酸と等量添加して中
和を行なった。中和後のポリマ溶液は粘度9400ポイズ
(30℃)、固有粘度1.21であった。
一方、別に用意したNMP中に粒径2.5μの酸化ケイ素粒
子を添加し、撹拌分散させた。この分散液を上記ポリマ
溶液の半分に、酸化ケイ素粒子がポリマー重量に対して
2重量%となるように添加混合して、製膜用ポリマ溶液
を調製した。
この製膜用ポリマ溶液を幅50cm、直径1mのドラム上に
口金から流延し、130℃の熱風で加熱して溶媒を蒸発さ
せてゲル状のフィルムとし、これをドラムから連続に剥
離した。剥離後のフィルムは水槽に導かれ、水槽を通過
する間に、脱溶媒、脱塩がなされた。次にフィルムは30
0℃のテンター内で緊張下で乾燥され熱固定された。ま
たフィルムは水槽中でフィルム長手方向に1.2倍、テン
ター内で横方向に1.5倍延伸された。
得られたフィルムは、厚さ7μ、200℃、1kg/mm2荷重
下での寸法変化率は0.5%、ガラスとの動摩擦係数は0.4
2であった。
このフィルムに次の組成からなる各熱転写インキを加
熱ロールによるホットメルトコーティング法によって厚
さ3μに塗布し感熱転写リボンを得た。
カルナウバワックス 30部 エルテルワックス 35部 カーボンブラック 17部 ポリテトラヒドロフラン 12部 シリコーンオイル 3部 この感熱転写リボンを用いてサーマルヘッド密度8本
/mm、パルス幅0.7msecの感熱転写テストを行なったとこ
ろ、良好な転写記録ができ、テープのしわの発生、ステ
ィッキング等の問題も生じなかった。
実施例4 実施例3で重合、中和を行なったポリマ溶液の残り
に、酸化ケイ素粒子ではなく、カーボンブラックを添加
してフィルムを作成し、実施例3と同様に感熱転写イン
キ層を設け、転写記録テストを行なった。
カーボンブラックは粒径40mμで、添加量はポリマ重
量に対して8重量%である。
実施例3と同様にして製膜したフィルムは、200℃、1
kg/mm2荷重下の寸法変化率が0.5%、ガラスとの動摩擦
係数が0.25であった。
このフィルムは、製膜工程あるいは感熱転写インキの
塗布工程等において、表面に静電気を帯びることがなく
作業性が良好であった。またサーマルプリンターでの転
写記録中においても、作成して感熱転写テープの走行性
は良好であり、かつ品位の高い転写記録が行なえた。
比較例3 実施例3と同様に重合、中和を行ないポリマ溶液を得
た。ポリマ溶液の粘度は9200ポイズ(30℃)、固有粘度
1.19であった。
このポリマ溶液の半分には、粒径2.5μの酸化ケイ素
をポリマ重量に対して0.05重量%添加し、他の半分には
微粒子を添加せずに各々実施例3と同様にフィルムを製
膜した。
得られたフィルムは、酸化ケイ素を0.05%添加したも
のでは200℃、1kg/mm2荷重下の寸法変化率は0.4%、ガ
ラスとの動摩擦係数は1.8であり、微粒子無添加のもの
では寸法変化率0.6%、動摩擦係数は大きすぎて測定で
きなかった。
実施例3と同様の方法で転写記録を行なったところ、
両方のフィルムで作成した感熱転写リボンとも、サーマ
ルヘッド部でしわが発生したり、スティックが起こって
転写した像が非常に乱れたものとなった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−92893(JP,A) 特開 昭55−53587(JP,A) 特開 昭60−82385(JP,A) 特開 昭60−174689(JP,A) 特開 昭60−219094(JP,A) 特開 昭61−229593(JP,A) 特開 昭61−72588(JP,A) 実開 昭61−83956(JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族ポリアミドフィルムの一面に感熱転
    写層を設けた感熱記録用転写体において、該芳香族ポリ
    アミドフィルムの200℃、1.0kg/mm2荷重下における寸法
    変化率が、少なくとも一方向において5.0%以下であ
    り、かつガラスとの動摩擦係数が0.2以上1.0以下で、フ
    ィルム厚さが1.0μ以上10.0μ以下であることを特徴と
    する感熱記録用転写体。
  2. 【請求項2】カーボンブラックが1.0重量%以上10.0重
    量%未満含有された芳香族ポリアミドフィルムの一面に
    感熱転写層を設けた感熱記録用転写体において、該芳香
    族ポリアミドフィルムの200℃、1.0kg/mm2荷重下におけ
    る寸法変化率が、少なくとも一方向において5.0%以下
    であり、かつガラスとの動摩擦係数が0.2以上1.0以下
    で、フィルム厚さが1.0μ以上10.0μ以下であることを
    特徴とする感熱記録用転写体。
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