JP2743362B2 - 感熱記録用転写体 - Google Patents

感熱記録用転写体

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JP2743362B2
JP2743362B2 JP63011491A JP1149188A JP2743362B2 JP 2743362 B2 JP2743362 B2 JP 2743362B2 JP 63011491 A JP63011491 A JP 63011491A JP 1149188 A JP1149188 A JP 1149188A JP 2743362 B2 JP2743362 B2 JP 2743362B2
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    • B41M5/40Thermography ; Marking by high energetic means, e.g. laser otherwise than by burning, and characterised by the material used characterised by the base backcoat, intermediate, or covering layers, e.g. for thermal transfer dye-donor or dye-receiver sheets; Heat, radiation filtering or absorbing means or layers; combined with other image registration layers or compositions; Special originals for reproduction by thermography
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は通電熱転写方式の感熱記録用転写体(インキ
リボン、インキシート等)に関するものである。
[従来の技術] 電子写真、インクジェット、静電記録方式とならん
で、近年感熱転写による記録方式が用いられるようにな
っている。この感熱転写方式の1つとして通電方式が提
唱されている。これはサーマルヘッドによって熱エネル
ギーをインキ層に与えるかわりに、ある電気抵抗を有し
た導電フィルムに電流を通し、そこで発生するジュール
熱によりインキ層を溶融または昇華させる方式である。
例えば、特開昭54−58511によれば、ポリカーボネート
にカーボンブラックを混入し、この方式のフィルム基材
として使用されている。また、特開昭56−121786によれ
ばポリエステル樹脂にカーボンブラックを混入して、こ
の方式の基材として使用されている。しかし、ポリカー
ボネートやポリエステルでは耐熱性、機械特性が悪いの
で、これらを解決するために特開昭59−120495や特開昭
62−39288のように芳香族ポリアミド樹脂の使用が初ま
っている。その結果、基材の薄葉化が可能になりプリン
ターの小型化、ポータブル化が進み、屋内だけでなく屋
外でも使用できるようになってきた。
[発明が解決しようとする課題] 使用される環境が多様化してくると、従来のオフィス
ユースではなかった問題が顕在化してきている。たとえ
ば、屋外で使用される場合には、プリンターの運搬時、
あるいは使用時に転写体は高温、多湿など劣悪な環境に
晒されるようになり、従来の芳香族ポリアミド基材から
成る転写体では印刷時にスティッキングが発生したり、
通電ヘッドを汚したりする問題が生じてきた。
カーボンを多重含有するフィルムは一般に溶液製膜法
で作られるが、ガラス板など実験室的に製膜する場合は
ともかく、工業的には設備の経済性も考えると溶剤を完
全に除去することは難しい。特にカーボンを含有してい
ると、カーボンに溶剤やオリゴマが吸着され、これらの
除去が増々難しくなる。さらに芳香族ポリアミドなどの
耐熱フィルムは製膜温度が高いため製膜中にこれら溶剤
やオリゴマが分解してフィルム中に残存することもあ
る。これらの物質は転写体として使用される際には高温
で加熱されても加熱時間が瞬間的で非常に短いためにフ
ィルムの表層までにじみ出してくることはないが、高温
高湿下で長時間保存される場合にはしだいにフイルム表
面ににじみ出し、これが印刷時に通電ヘッドに付着して
スティッキングを発生させたりヘッド汚れ等の問題を引
き起こすことになる。
本発明は、工業的に経済的に製膜された上記のような
不純物を含むフィルムを基材として使用した場合でもス
ティッキングやヘッド汚れ等の問題を生じない薄物の感
熱記録用転写体を提供するものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、カーボンブラックを10〜40wt%含有した芳
香族ポリアミドフィルムあるいは芳香族ポリイミドフィ
ルムの一面にインキ層を設けた通電熱転写方式の感熱記
録用転写体において、該フィルムのクロロホルム抽出物
量E(%)が0.5wt%以下で、表面粗さRa(μm)とE
は下記(1)式の範囲にあり、かつ100〜250℃の温度範
囲における収縮反応力が2kg/mm2以下であることを特徴
とする感熱記録用転写体である。
0.05×E+0.01≦Ra≦0.3(μm) ……(1) 本発明の芳香族ポリアミドとは一般式 HN−Ar1−NHOC−Ar2−CO で示される繰り返し単位を70モル%以上含む重合体から
成るものが好ましい。
ここでAr1,Ar2は少なくとも1個の芳香環を含み、同
一でも異なっていてもよく、これらの代表例としては次
のものがあげられる。
また、これらの芳香環の環上の水素の一部が、ハロゲ
ン基(特に塩素)、ニトロ基、C1〜C3のアルキル基(特
にメチル基)、C1〜C3のアルコキシ基などの置換基で置
換されているものも含む。また、Xは −O−,−CH2−,−SO2−,−S−,−CO−などであ
る。これらは単独または共重合の形で含まれる。
本発明における芳香族ポリイミドとは、重合体の繰り
返し単位の中に芳香環とイミド環を各々1つ以上含むも
のであり、一般式 で示される繰り返し単位を70モル%以上含むものが好ま
しい。
ここでAr3、Ar5は少なくとも1個の芳香環を含み、イ
ミド環を形成する2つのカルボニル基は芳香環上の隣接
する炭素原子に結合している。このAr3は、芳香族テト
ラカルボン酸あるいはこの無水物に由来する。代表例と
しては、次のようなものが挙げられる。
ここで、Yは−O−、−CO−、−CH2−、−S−、−S
O2−などである。
また、Ar5は、トリカルボン酸、あるいはこの無水物
に由来する。
Ar4、Ar6は少なくとも1個の芳香環を含み、芳香族ジ
アミン、芳香族ジイソシアネートに由来する。また、ア
ミド結合、ウレタン結合等を含んでいてもよい。Ar4、A
r6の代表例としては、次にようなものが挙げられる。
ここで、これらの芳香環の環上の水素の一部が、ハロ
ゲン基、ニトロ基、C1〜C3のアルキル基、C1〜C3のアル
コキシ基などの置換基で置換されたものも含む。Zは、
−O−、−CH2−、−S−、SO2−、−CO−などである。
これらは単独または共重合の形で含まれる。
また、本発明の芳香族ポリアミド、芳香族ポリイミド
にはフイルムの物性を損わない程度に、滑剤、酸化防止
剤、その他の添加剤等や他のポリマーがブレンドされて
いてもよい。
本発明におけるカーボンブラックとは、導電性を有す
るものであればよいが、ファーネスブラック、アセチレ
ンブラックが好ましい。また電気伝導性改良のため表面
処理をしたカーボンブラックでもよい。また、これらの
カーボンブラックは比表面積が好ましくは5m2/g〜1000m
2/g、特に好ましくは10m2/g〜950m2/gであり、一次粒子
の平均粒径が好ましくは5mμ〜500mμ、特に10mμ〜100
mμが好ましく、炭素純度は好ましくは90%以上、より
好ましくは97%以上のものを用いる。
カーボンブラックの添加量は10〜40wt%、好ましくは
15〜35wt%である。10wt%未満では導電性が小さくな
り、フィルムが発熱しなくなる。逆に40wt%より多くな
ると導電性が良くなりすぎてフィルム中でジュール熱に
変換されにくくなり、フィルム温度が上昇しなくなった
り、フィルムの機械特性が悪化し、フィルム破れやシワ
が多発し実用に耐えなくなる。
本発明のフィルムは、クロロホルムに抽出される抽出
物量が0.5wt%以下であることが必要である。好ましく
は0.3wt%以下である。抽出物としては、製膜で使用す
る溶剤や、オリゴマ、さらにこれらの熱分解物などがあ
るが、これら不純物が0.5wt%より多いと転写体を高温
高湿下で保存しておく際にこれらの滲み出し量が多くな
り、印刷時にスティッキングが起こったり、ヘッド汚れ
の問題が出てくる。またフィルムや転写体の保存時にブ
ロッキングなどの問題を引き起こす。
さらにクロロホルム抽出物量Eが0.5wt%以下でもヘ
ッド側になるフィルム表面の表面粗さRaは(1)式の範
囲にある必要がある。好ましくは0.05×E+0.02≦Ra≦
0.2である。表面粗さが0.05×E+0.01より小さいと、
スティッキングやヘッド汚れが生じる。ヘッドは転写体
表面の凸部と点接触に近い状態で接触しているが、表面
粗さが小さくなると面接触部分が増し、転写体表面に滲
み出した不純物と広い面積で接触するようになって摩擦
係数が上昇し、その結果これらの問題を発生させるもの
と考えられる。不純物の量に応じてフィルムの表面粗さ
を0.05×E+0.01以上にしていけばこれらの問題が発生
することはない。一方経済性を度外視して不純物のない
フィルムを作り、これを転写体の基材として使用した場
合には、もはや不純物によるヘッド汚れの問題はなくな
るが、表面粗さが0.01μmより小さいと摩擦係数が大き
くなってヘッドとのステッキングが発生したり、印刷時
に走行トラブルが起こるようになる。また、転写体作製
時には作業性が悪化し、安定して転写体を製造できない
等の問題が起こる。
一方表面粗さが0.3μmを越えると、ヘッドの材質に
よって異なるが、転写体が削れたり、逆にヘッドが削れ
たりする問題が起こる。
さらにフィルムの100〜250℃における収縮応力は2kg/
mm2以下である必要がある。好ましくは1kg/mm2以下であ
る。2kg/mm2より大きいとヘッドで加熱した際の転写体
の変形が大きくなってヘッドとの密着性がよくなり、不
純物との接触面積が増加してスティッキングやヘッド汚
れを引き起こす。
さらに本発明のフィルムの厚みは1〜20μmが好まし
く、より好ましくは2〜10μmである。1μmより薄い
と強度が低下し実用に耐えない。また、20μmより厚い
とインキの局部的な加熱ができなくなって鮮明な印刷が
得られなくなり、また印刷のためのエネルギーが増加し
て高速化には適さなくなる。
フィルムの表面抵抗率Rs(KΩ)はフィルム厚みをt
(μm)とすると2≦Rs×t≦500が好ましく、より好
ましくは2≦Rs×t≦100である。Rs×tが上記範囲よ
り小さいと導電性が良くなりすぎてフィルムの発熱量が
減少し、逆に上記範囲を越えると導電性が小さくなりフ
ィルムが発熱しなくなる。なおカーボンブラックの分散
状態によって表面抵抗率がばらつく場合には安定化させ
るためにフィルムの物性を損わない程度に金属粉末を添
加してもよい。
さらに本発明のフィルムは縦方向あるいは横方向の少
なくとも一方の強度が12kg/mm2以上、より好ましくは15
kg/mm2以上であることが好ましい。強度が12kg/mm2より
小さいとフィルムの加工時や、転写体として使用する場
合にシワになったり切れたりする問題が発生しやすい。
また少なくとも一方向の伸度が10%以上、より好ましく
は15〜100%であり、ヤング率は400kg/mm2以上が好まし
い。
さらにフィルムの吸湿率(25℃、75%RH下に48時間放
置した後に測定)は4wt%以下が好ましく、より好まし
くは2wt%以下である。4wt%より大きいと、湿度により
抵抗値が変わり使用する環境で印刷品質が変化したり、
フィルムが加熱により発泡したりする。
次に本発明における感熱転写インキ層とは特に限定は
ないが、具体的には溶融性インキまたは昇華性インキな
どを挙げることができる。なお、インキは着色成分、バ
インダ成分を主成分とし、必要に応じ柔軟剤、可撓剤、
平滑剤、分散剤、表面形成剤などを添加成分として構成
される。インキ層の厚みは0.2〜20μm、好ましくは0.5
〜10μmである。
バインダ成分としては、カルナウバワックス、パラフ
ィンワックス、エステルワックスなど周知のワックス類
やセルロース系樹脂、ビニル系樹脂、低融点の各種高分
子類が有用であり、着色成分としては、カーボンブラッ
クや各種の有機、無機顔料または染料などが用いられる
が、もちろんこれに限定されるものではない。
次に、本発明の製法について説明するがこれに限定さ
れるものではない。本発明を達成するには、芳香族ポリ
アミドあるいは芳香族ポリイミドあるいはポリアミド酸
(ポリイミド前駆体)の溶液中に、カーボンブラックを
存在させ、この溶液を製膜することにより形成される。
まず、芳香族ポリアミドであるが、酸クロリドとジア
ミンとからの場合は、N−メチルピロリドン(NMP)、
ジメチルアセトアミド(DMAC)、ジメチルホルムアミド
(DMF)などの非プロトン性有機極性溶媒中で、溶液重
合したり、水系媒体を使用する界面重合などで合成され
る。ポリマ溶液は、単量体として酸クロリドとジアミン
を使用すると塩化水素が副生するため、これを中和する
ために水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸リチウ
ムなどの無機の中和剤、又はエチレンオキサイド、アン
モニア、トリエチルアミンなどの有機の中和剤を添加す
る。
また、イソシアネートとカルボン酸との反応は、非プ
ロトン性有機極性溶媒中、触媒の存在下で行なわれる。
これらのポリマ溶液はそのままフィルムを成形する製膜
原液にしてもよく、またポリマを一度単離してから上記
の溶媒に再溶解して製膜原液を調製してもよい。製膜原
液には溶解助剤として無機塩例えば塩化カルシウム、塩
化マグネシウム、塩化リチウムなどを添加する場合もあ
る。成膜原液中のポリマ濃度は2〜40wt%程度が好まし
い。
一方、芳香族ポリイミドあるいはポリアミド酸の溶液
は次のようにして得られる。即ち、ポリアミド酸はN−
メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホ
ルムアミドなどの非プロトン性有機極性溶媒中でテトラ
カルボン酸二無水物と芳香族ジアミンを反応させて、調
製することができる。又、芳香族ポリイミドは前記のポ
リアミド酸を含有する溶液を加熱したり、ピリジンなど
のイミド化剤を添加してポリイミドの粉末を得、これを
再度溶液に溶解して調製できる。製膜原液中のポリマ濃
度は、5〜40wt%程度が好ましい。
カーボンブラックとポリマの練込みは次の方法が挙げ
られるが、これらに限定されるものではない。
(1)カーボンブラックをポリマが可溶である溶媒に分
散しておいて、ポリマ溶液に加える、あるいは分散溶液
に、単離されたポリマを添加して分散する。
(2)重合前に重合溶媒にカーボンブラックを分散させ
ておいてから、重合を行なう。
(3)カーボンブラックを粉末のままあるいは溶媒とと
もにポリマ溶液に添加して分散する。
分散装置としては、コロイドミル、三本ロール、ニー
ダ、超音波分散機、サンドミル、ボールミルなどがあ
る。
さらにカーボンブラックの添加だけではフィルムの表
面性が平滑すぎる場合には製膜原液中に粒子を存在させ
ておくことが好ましい。ここで粒子とは特に限定されな
いが、SiO2、TiO2、ZnO、Al2O3、CaSO4、BaSO4、CaC
O3、ゼオライト、シリコーン粒子、テフロン粒子など無
機、有機のものが使用される。粒径は0.1〜10μm、添
加量は0.1〜5wt%が好ましい。
上記のように調製された製膜原液は、いわゆる溶液製
膜法によりフィルム化が行なわれる。溶液製膜法には乾
湿式法、乾式法、湿式法などがあるが、溶媒やオリゴマ
などの不純物を減らすには乾湿式法、湿式法がよい。
湿式法で製膜する場合には該原液を口金から直接製膜
用浴中に押し出すか、又は一旦ドラム等の支持体上に押
し出し、支持体ごと湿式浴中に導入する方法が採用され
る。この浴は一般に水系媒体からなるものであり、水の
他に有機溶媒や無機塩等を含有していてもよい。特に不
純物の除去効率を上げるには、水温を50℃以上に上げた
り、有機溶媒の浴を設けてこの中を通すことが有効であ
る。有機溶媒としては、塩化メチレン、クロロホルム、
二塩化エチレンなどのハロゲン化炭化水素や、アルコー
ル、エーテル、ケトン類などがある。これら湿式浴を通
すことでフィルム中に含有された塩類、製膜に使用され
た有機溶媒やオリゴマ等の抽出が行なわれるが、これら
湿式浴全体を通過する時間はフィルムの厚みにもよるが
10秒〜30分である。さらにフィルムの長手方向に延伸が
行なわる。次いで乾燥、横延伸、熱処理が行なわれるが
これらの処理は一般に100〜500℃で、合計で1秒〜30分
である。
乾湿式法で製膜する場合は該原液を口金からドラム、
エンドレスベルト等の支持体上に押し出して薄膜とし、
次いでかかる薄膜層から溶媒を飛散させ薄膜が自己保持
性をもつまで乾燥する。乾燥条件は室温〜300℃、60分
以内の範囲である。乾式工程を終えたフィルムは支持体
から剥離されて湿式工程に導入され、上記の湿式法と同
様に脱塩、脱溶媒などが行なわれ、さらに延伸、乾燥、
熱処理が行なわれてフィルムとなる。
乾式法のプロセスを採用した場合には、ドラム、ある
いはエンドレスベルト等の上で乾燥され、自己保持性を
もったフィルムを、これら支持体から剥離し、フィルム
の長手方向に延伸を行なう。さらに残存溶媒を除去する
ための乾燥や、延伸、熱処理が行なわれるが、これらの
処理は100〜500℃で1秒〜30分である。
以上のように形成されるフィルムはその製膜工程中で
延伸が行なわれるが、延伸倍率は面倍率で0.9〜3.0(面
倍率とは延伸後のフィルム面積を延伸前のフィルムの面
積で除した値で定義する。1以下はリラックスを意味す
る。)の範囲内にあることが導電性を向上させ、かつ機
械特性、熱特性を維持する上で好ましい。面倍率を3.0
より大きくすると機械特性は向上するが導電性が著しく
悪化し、また収縮応力も大きくなり好ましくない。
フィルムの表面粗さを調節する方法としては、カーボ
ンブラックの種類や添加量、その分散方法、有機あるい
は無機粒子の添加や製膜条件等のコントロールなどがあ
る。
次に上記のようにして得られた本発明のベースフィル
ムにインキ層を形成するが、必要に応じてコロナ処理や
グロー処理などの前処理を行なってもよい。インキとし
ては前記のようなものがあり、上記フィルムの片面にホ
ットメルト塗工するか、または溶剤に溶解された溶液と
してグラビア、リバース、スリットダイなど汎用的な塗
工方式によって形成することができる。
本発明の感熱記録用転写体の基本構成は、上記のベー
スフィルムとインキ層とから成るが、印刷性をさらに向
上させる目的で、フィルムとインキ層との間(中間層と
呼ぶ)に導電層、例えばAl、Au、Ag、Ni、Cr、Co、Zn、
Sn、Mo、W、あるいはこれらの合金や酸化物、窒化物を
200〜5000Å、好ましくは400〜3000Å設けてもよい。中
間層に導電層を設けると通電ヘッドからの電流密度を局
部的に高める上で非常に効果があり、Alを中間層とする
のがより好ましい。さらに、中間層には導電層以外の層
を例えば剥離層、滑剤層、耐熱層などを導電層と一緒
に、あるいは導電層なしで設けても本発明を阻げるもの
ではない。
[発明の効果] 本発明の転写体は、カーボンブラックと芳香族ポリア
ミドあるいは芳香族ポリイミドを主体とするフィルムを
基材とするため、耐熱性、機械特性が良好で、転写体の
薄葉化やプリンターの小型化ができ、また印刷の高速化
や高品質化が可能である。一方基材となるこれらのフィ
ルムは工業的に製膜した場合に設備の経済性や製膜条件
から不純物の残存はある程度やむを得ず、長時間高温高
湿下で保存しておくと、この不純物が転写体の表面に滲
み出してくるが、フィルムの表面粗さや収縮応力を本発
明の範囲にすることで、スティッキングやヘッドの汚れ
が防止できる。さらに吸湿率が4wt%以下の場合、湿度
変化があってもフィルムの抵抗値の変化がほとんどない
ため転写体を使用する環境を選ばない。
このように本発明の構成は、通電方式の転写体として
非常に優れた効果を奏する。
[特性の測定方法、評価方法] (1)クロロホロム抽出物量 細断したサンプルをソックスレー抽出器に仕込み、こ
の中へ精製したクロロホルムを入れて10時間、加熱抽出
を行なう。つぎにこの液をロータリーエバポレータに移
し、45〜50℃に保つよう減圧度を調節しながら恒量にな
るまで濃縮し、残留物の重量を測定して求める。
(2)表面粗さ Ra 小坂研究所製SE−3Eの表面粗さ測定機を用い、カット
オフ値0.08mmの条件で測定長4mmを測定し、中心線平均
粗さで表わす。フィルムは外径80mmのガラス円筒にセロ
テープで固定して測定を行なう。
(3)収縮応力 試幅10mm、試長100mmになるようにサンプルを切出
し、0.25kg/mm2の初期荷重をかけ、定長に保つ。これを
加熱炉で10℃/分の昇温速度で250℃まで昇温して応力
をチャートに書かせる。初期荷重をかける前を零点とし
て収縮応力を求める。
(4)表面抵抗率Rs 直径16mmの円形主電極と、内径30mm、外径34mmのリン
グ状対電極を、各々の円の中心が同一になるように固定
し、これをフィルム表面に1kgの荷重で置き、それに電
流を通じた時の抵抗値を読み、下式により算出した。
Rs=(P/g)×R ここで、Rs:表面抵抗率(KΩ) P:電極の有効円周長(7.23cm) g:電極間距離(0.7cm) R:抵抗の実測値(KΩ) (5)印刷テスト 高温高湿下(50℃、80%RH)の雰囲気中に一週間放置
した後行なった。
[実施例] 以下に実施例に基づいて本発明を説明するが、これら
に限定されるものではない。
実施例1 2−クロルパラフェニレンジアミン80モル(11.41k
g)と、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル20モル(4.
00kg)をアミン成分とし、2−クロルテレフタル酸クロ
リド100モル(23.75kg)を酸成分としてNMP300kg中で重
合した。さらに水酸化カルシウムを発生した塩化水素と
等量添加し中和を完結させて均一なポリマ溶液を得た。
この溶液を50kg取り、カーボンブラックを1.97kg添加し
てニーダで8時間分散した。
この溶液をエンドレスベルト上へ均一に流延し150℃
で自己保持性を持つまで乾燥した。その後ベルトから剥
離して連続的に30℃の水浴へ10分浸漬し、さらに30℃の
塩化メチレンの浴へ2分間浸漬した。これら浴中で縦方
向(MD方向)へ1.1倍延伸後、さらにテンターへ導入し
て300℃で幅方向(TD方向)へ1.1倍延伸して厚さ6μm
のMD、TDの物性がバランスした均一なフィルムを得た。
テンター内の滞留は1分である。このフィルムは強度20
kg/mm2、伸度18%、ヤング率630kg/mm2と機械特性は非
常に優れたものである。また吸湿率は1.3%である。さ
らに第1表に示すような特性を有していた。
このフィルムの非支持体面側(非ベルト面側)に次の
組成の混合物を塗布し、厚さ6μmのインキ層を形成し
て転写リボンを得た。
カーボンブラック 15部 パラフィンワックス 33部 エステルワックス 30部 ポリテトラヒドロフラン 10部 この転写リボンを高温高湿下(50℃、80%RH)の雰囲
気中に1週間放置してから25℃、60%RH雰囲気中で10本
/mmの通電ヘッドを用いて印字テストを行なったが、ス
ティッキングやヘッドの汚れもなく良好な印字が得られ
た。さらに40℃、90%RH雰囲気中で印字テストを行なっ
たが、上記の印字テストの場合と印字品質の差はほとん
どなく良好なものであった。またスティッキングやヘッ
ド汚れも認められなかった。
実施例2 実施例1で得られたポリマ溶液50kgにカーボンブラッ
ク1.97kgを添加してニーダで6時間分散した。これを延
伸倍率をMD=1.2倍、TD=1.2倍、塩化メチレン浴の浸漬
時間を1分とする以外は実施例1と同様に製膜して8μ
mのフィルムを得た。
このフィルムの非支持体面側にAlを1000Å蒸着し、実
施例1と同じインキ層を6μm形成して転写リボンを得
た。
高温高湿下に放置後実施例1と同様な印字テストを行
なったがスティッキングやヘッドの汚れは認められなか
った。
実施例3 パラフェニレンジアミン40モル%と3,4′−ジアミノ
ジフェニルエーテル60モル%をアミン成分とし、テレフ
タル酸クロリド100モル%を酸成分としてNMP中で重合
し、水酸化カルシウムで中和してポリマ溶液を得た。
これに第1表に示す濃度になるようにカーボンブラッ
クを添加し、ニーダで3時間分散した。さらに延伸倍率
をMD=1.2、TD=1.2、塩化メチレン浴の代りに80℃の水
浴中へ5分浸漬する以外は実施例1と同様に製膜して厚
さ6μmのフィルムを得た。吸湿率は2.0%であった。
これに実施例1と同様にインキ層を形成し、高温高湿
下に放置後印字テストを行なったが、スティッキングや
ヘッド汚れはなく良好な印字品質が得られた。さらに40
℃、90%RH雰囲気中で印字テストを行なったが上記の印
字テストと印字品質の差はほとんどなかった。
実施例4 4,4′−ジアミノジフェニルエーテル50モル%と、パ
ラフェニレンジアミン50モル%をアミン成分とし、3,
3′4,4′−ビスフェニルテトラカルボン酸二無水物100
モル%とをDMAc中で重合してポリアミド酸溶液を得た。
さらに第1表の濃度になるようにカーボンブラックを添
加し、ニーダで3時間分散した。これをエンドレスベル
ト上へ流延し、140℃で自己保持性を持つまで乾燥し、
さらにベルトから剥離して420℃のテンターで15分間熱
処理した。延伸倍率はMD、TDとも1.0倍である。このフ
ィルムの厚みは10μmで、強度は17kg/mm2、伸度は30
%、ヤング率は520kg/mm2、吸湿率は1.8%であった。ま
た第1表に示す特性を有していた。表面粗さRaは非支持
体面側が0.18μm、支持体面側が0.051μmであり、こ
の非支持体面側に実施例1と同様にインキ層を6μm形
成して転写リボンとした。
高温高湿下に放置した後印字テストを行なったが、ス
ティッキングやヘッド汚れは認められなかった。
比較例1 実施例1においてカーボンブラックの分散時間を30分
として以外は、実施例1と同様にして転写リボンを作製
した。フィルムの特性は第1表の通りである。次いでこ
のリボンを用いて実施例1と同様に印字テストを行なっ
たが、フィルムの表面粗さが粗いためヘッドがすぐ削れ
てしまい実用的ではないことが判明した。またインキ層
側のフィルムの表面粗さは0.38μmと粗いため、印字品
質は劣ったものとなった。
比較例2 実施例1で得られたポリマ溶液を水中へ投入し、水洗
乾燥してポリマだけを単離した。一方カーボンブラック
はNMP中へ添加して超音波分散機で100時間分散した。こ
のポリマとカーボンブラック分散液をニーダに入れ、さ
らにNMPを追加してポリマ濃度を9wt%、カーボンブラッ
クを第1表に示す濃度になるように調製した。
この溶液をエンドレスベルト上へ流延して130℃で乾
燥し、その後テンターへ導入して300℃で2分乾燥し、
6μmのフィルムを得た。延伸倍率はMD、TDとも1.1倍
である。得られたフィルムの特性は第1表の通りであ
る。
これに実施例1と同様にインキ層を設けて転写リボン
を作製し、実施例1と同様に高温高湿下に放置後印字テ
ストを行なったが、スティッキングが発生してスムーズ
な印字ができなかった。
比較例3 実施例4において、テンターでの熱処理時間を2分と
する以外は実施例4と同様にして転写リボンを作製し
た。フィルムの特性は第1表に示した通である。
次いでこれをすぐ印字テストしたところ走行性は問題
なく良好であった。しかし高温高湿下に放置してから印
字テストを実施したところ、スティッキングが発生し安
定した印字ができなかった。
比較例4 実施例1において、延伸倍率をMD=1.5倍、TDは270℃
で1.5倍とする以外は実施例1と同様にして転写リボン
を作製した。フィルムの特性は第1表に示す通りであ
る。
次いでこのリボンを用いて実施例1と同様に印字テス
トを行なったが、スティッキングが認められた。また印
字中にリボン切れが多発し、さらに印字テスト後のリボ
ンにはシワが発生していた。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カーボンブラックを10〜40wt%含有した芳
    香族ポリアミドフィルムあるいは芳香族ポリイミドフィ
    ルムの一面にインキ層を設けた通電熱転写方式の感熱記
    録用転写体において、該フィルムのクロロホルム抽出物
    量E(%)が0.5wt%以下で、表面粗さRa(μm)とE
    は下記(1)式の範囲にあり、かつ100〜250℃の温度範
    囲における収縮応力が2kg/mm2以下であることを特徴と
    する感熱記録用転写体。 0.05×E+0.01≦Ra≦0.3(μm) ……(1)
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JPS62286791A (ja) * 1986-06-05 1987-12-12 Hitachi Maxell Ltd 感熱転写記録材

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