JP2527844B2 - ガラス接合体およびその製造法 - Google Patents
ガラス接合体およびその製造法Info
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Description
特に、ナトリウム−硫黄電池のような高温2次電池もし
くはナトリウム熱電変換装置のβアルミナと絶縁用セラ
ミックスとの間のガラス接合体およびその製造法に関す
るものである。
て、ナトリウム・硫黄電池や熱電変換装置が知られてい
る。
型二次電池であり、溶融ナトリウムを陰極活物質、溶融
硫黄または多硫化ナトリウムもしくはその両方を陽極活
物質とし、固体電解質としてナトリウムイオン伝導性の
あるセラミックスおよび金属製容器より構成している。
典型的なナトリウム・硫黄電池の構造を第1図に示す。
ベータアルミナ管、2は陽極となる金属製容器、3は硫
黄または多硫化ナトリウム、4は陰極となる金属製容
器、5はナトリウム、6はαアルミナ等の絶縁体、7は
金属製の蓋、8は溶接部、9はベータアルミナ管1とα
アルミナ等の絶縁体6とを接合する接合ガラスである。
ベータアルミナ管1を形成するベータアルミナとして
は、β″アルミナ、βアルミナおよび両者が混在するも
の等がある。
準備したベータアルミナ管1をαアルミナなどの絶縁体
6にガラス半田などの接合ガラス9により接合し、ベー
タアルミナ管1と絶縁体6の接合体を金属製容器2およ
び4に高温高圧下で固相反応などにより接合後、ナトリ
ウム5および硫黄もしくは多硫化ナトリウム3を金属製
容器4および2に供給し、金属製容器4に蓋7を溶接等
により密閉して電池を得ている。
ータアルミナ管1とαアルミナからなる絶縁体6との接
合ガラス9がナトリウムにより腐食され、電池寿命低下
の原因となる問題があった。
ナトリウム性に優れた封止ガラスとして、アルカリ土類
金属酸化物を1wt%以下に抑え、SiO2:65〜75wt%、B
2O3:10〜25wt%、残部をAl2O3とアルカリ金属酸化物と
した接合ガラスが耐熱衝撃性、耐金属Na性に優れている
ことを開示している。
ガラスあるいは硼珪酸塩ガラスに比べて耐ナトリウム性
に優れるが、十分な耐食性を有するには至らず、ナトリ
ウムにより腐食され電池寿命の低下の原因となる問題が
あった。
れた組成のガラスを用い、ガラス接合体のガラス接合部
分の信頼性を向上させたガラス接合体およびその接合法
を提供しようとするものである。
以下のNa2O(0を含まず)、30wt%以下のAl2O3(0を
含まず)、20wt%以下のMgO(0を含まず)、残部がB2O
3からなるナトリウムに対する耐食性を有するガラスを
用いて、ナトリウムを電極として使用した高温2次電池
またはナトリウムを電極として使用した熱電変換装置の
ベータアルミナと絶縁性セラミックスとを接合した構造
を有することを特徴とするものである。
O2、20wt%以下のNa2O(0を含まず)、30wt%以下のAl
2O3(0を含まず)、20wt%以下のMgO(0を含まず)、
残部がB2O3からなるナトリウムに対する耐食性を有する
ガラスを準備し、準備したガラスを用いてナトリウムを
電極として使用した高温2次電池またはナトリウムを電
極として使用した熱電変換装置のベータアルミナと絶縁
性セラミックスとを接合したことを特徴とするものであ
る。
とを接合するのに使用するガラスとして、10〜65wt%の
SiO2、20wt%以下のNa2O(0を含まず)、30wt%以下の
Al2O3(0を含まず)、20wt%以下のMgO(0を含ま
ず)、残部がB2O3からなるガラスを使用することによ
り、ナトリウムによる腐食速度を抑制でき、ガラス接合
部分の信頼性を向上させ、ナトリウム・硫黄電池もしく
はナトリウム熱電変換装置の長寿命化を達成することが
できる。
Oを20wt%以下と限定したのは、以下の理由による。SiO
2が10wt%未満であると、熱膨張係数が小さく、接合残
留応力が大きくなり、接合時にクラックが発生する。ま
た、SiO2が65wt%を越えると、Naによる腐食が著しく、
Na接触状態で使用すると短時間でクラックが発生する。
Na2Oが20wt%を越えると、熱膨張係数が大きく接合残留
応力が大きくなり、接合時にクラックが発生する。な
お、SiO2の添加量は20〜40wt%が好ましい。
wt%以下としたのは、Al2O3が30wt%を超えるか或いはM
gOが20wt%を超えると、結晶化しクラックが発生するた
めである。
して、アルファアルミナとベータアルミナを本発明の所
定組成のガラスにより接合する方法としては、(1)フ
リット状のガラスをアルファアルミナとベータアルミナ
の間に入れて加熱し、ガラスを溶融し、ガラスとアルフ
ァアルミナおよびガラスとベータアルミナを反応させ接
合する方法、(2)アルファアルミナとベータアルミナ
を結合するすき間の上部にガラスブロックをおいて加熱
してガラスを溶融し、ガラスとアルファアルミナ、ベー
タアルミナのぬれ性をよくしてすき間に流し込み、ガラ
スとアルファアルミナおよびガラスとベータアルミナを
反応させ接合する方法が好適である。
ウム・硫黄電池に本発明を応用した例を示す図である。
その構成は上述した通りのもので、本発明で重要なの
は、接合ガラス9として10〜65wt%のSiO2、20wt%以下
のNa2O、30wt%以下のAl2O3、20wt%以下のMgO、残部が
B2O3からなるガラスを使用する点である。
明を応用した例を示す図である。第2図に示す実施例で
は、ナトリウムイオンが容易に移動するベータアルミナ
固体電解質を利用し熱エネルギーを電気エネルギーに直
接変換して発電する熱電変換装置を示しており、11はス
テンレス容器、12はステンレス容器11に設けたαアルミ
ナからなる絶縁体、13はベータアルミナ管、14はαアル
ミナからなる絶縁体12とベータアルミナ管13とを接合す
る接合ガラス、15はベータアルミナ管13の内部に供給さ
れるナトリウムを加熱するためのヒータ、16はベータア
ルミナ管13の外周部にスパッタにより形成したMoポーラ
ス電極、17はステンレス容器11内のナトリウムをベータ
アルミナ管13内に供給するための電磁ポンプ18を有する
管路、19−1,19−2は出力を取り出すための電極であ
る。本実施例でも、接合ガラス14として上述した組成の
ガラスを使用する必要がある。
るナトリウムはヒータ15により加熱され、イオン伝導に
よりMoポーラス電極16に達し電極19−1,19−2間に出力
電流として得るとともに、イオン伝導したナトリウムは
Moポーラス電極16から蒸発し、低温のステンレス容器17
の内面で液化してナトリウムが循環するように構成して
いる。
る接合状態を調べるため、以下のような試験を実施し
た。
料を電子天秤により秤量し、アルミナ製乳鉢により混合
粉砕し、白金るつぼにいれて白金るつぼ中で1400℃で溶
融し、溶融物をカーボンペーストを内側に塗布した鉄製
皿に流し込み急冷後、粉砕してガラスフリットを作製し
た。ガラスをより均質にするため、作製したガラスフリ
ットをアルミナ製乳鉢および乳棒により粉砕し、白金製
るつぼに入れ1400℃で再溶融し、溶融物を急冷した後、
さらにアルミナ製乳鉢および乳棒により粉砕し、接合用
ガラスフリットを得た。
すように、直径40mm、厚さ5mmのアルファアルミナ円板3
1と外径20.0mm、内径17.5mmのベータアルミナ管32とを1
000℃で接合し、700℃から300℃まで0.5℃/minで徐冷し
歪取りをおこなった。その後、作製したガラス接合体を
N2雰囲気中で450℃のナトリウム中に浸漬し、100時間毎
に取り出し、ナトリウムをメタノールで除去し、クラッ
クの有無を蛍光探傷にて調べた。試験結果および接合ガ
ラスの組成を表1に示す。
400時間はクラックの発生がなく耐食性が良好であるの
に対し、比較例試験No.18〜21では接合段階でクラック
が発生することがわかった。接合時にクラックが入って
しまうのは、ガラスの熱膨張係数がベータアルミナ、ア
ルファアルミナの熱膨張係数に合っていないか、結晶化
により収縮するためである。
として、実施例1の本発明のガラスとして試験No.1〜17
を用い、第1図に示すようなベータアルミナ管とアルフ
ァアルミナ製の絶縁体のガラス接合体を形成したナトリ
ウム・硫黄電池を作製し、350℃で電流密度150mA/cm2の
定電流充放電試験を実施した。その結果、いずれのナト
リウム・硫黄電池も1000サイクルまで破損することなく
充放電することができた。
No.4〜6,8,9,12〜14の接合体について、室温と350℃と
の間の昇降温試験をN2雰囲気中で実施し、5回試験を行
う毎に接合部の有無を調べた。その結果、全数10回後に
クラックの発生は見られなかった。15回目で、試験No.
4,6,12,13,14に微小クラックが見いだせたが、試験No.
5,8,9は30回まで試験したがクラックの発生はなかっ
た。
体およびその製造法によれば、セラミックスとセラミッ
クスとを接合するにあたり、所定の組成のガラスを使用
することにより、耐ナトリウム性を向上でき、特に、ナ
トリウム・硫黄電池のような高温2次電池やナトリウム
熱電変換装置のβアルミナと絶縁用セラミックスとの間
のガラスを使用すれば、装置の長寿命化を達成できる。
ム・硫黄電池に本発明を応用した例を示す図、 第2図は本発明のガラス接合体の他の例として、熱電変
換装置に本発明を応用した例を示す図、 第3図は耐ナトリウム性試験を実施した試験体の断面図
である。 1…ベータアルミナ管、2…金属製容器 3…硫黄あるいは多硫化ナトリウム 4…金属製容器、5…ナトリウム 6…絶縁体、7…蓋 8…溶接部、9…接合ガラス 11…ステンレス容器、12…絶縁体 13…ベータアルミナ管、14…絶縁体 15…ヒータ、16…Moポーラス電極 17…管路、18…電磁ポンプ 19−1,19−2…電極 31…アルファアルミナ円板 32…ベータアルミナチューブ 33…接合ガラス
Claims (2)
- 【請求項1】10〜65wt%のSiO2、20wt%以下のNa2O(0
を含まず)、30wt%以下のAl2O3(0を含まず)、20wt
%以下のMgO(0を含まず)、残部がB2O3からなるナト
リウムに対する耐食性を有するガラスを用いて、ナトリ
ウムを電極として使用した高温2次電池またはナトリウ
ムを電極として使用した熱電変換装置のベータアルミナ
と絶縁性セラミックスとを接合した構造を有することを
特徴とするガラス接合体。 - 【請求項2】10〜65wt%のSiO2、20wt%以下のNa2O(0
を含まず)、30wt%以下のAl2O3(0を含まず)、20wt
%以下のMgO(0を含まず)、残部がB2O3からなるナト
リウムに対する耐食性を有するガラスを準備し、準備し
たガラスを用いてナトリウムを電極として使用した高温
2次電池またはナトリウムを電極として使用した熱電変
換装置のベータアルミナと絶縁性セラミックスとを接合
したことを特徴とするガラス接合体の製造法。
Priority Applications (8)
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