JP2527549Y2 - 自動車用サンバイザ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 この考案は、天井凹部内にロック機構によりロック保
持され、且つ、板バネによりクリックアクションを付与
するようにした自動車用サンバイザに関し、特に、格納
状態時において、天井とサンバイザとの間の一体感を助
長でき、室内美観を向上させた自動車用サンバイザに関
する。

《従来の技術》 周知のように、自動車のフロントウィンドウの上方に
は、自動車用サンバイザが設けられており、直射日光や
夜間の対向車のライトから乗員の走行視界を確保し、も
って安全走行に大きく貢献している。

上記自動車用サンバイザは所望の遮光面積を得るよう
に形成されたサンバイザ本体の一側縁部にＬ字状シャフ
トの一端を回動自在に挿通し、且つ、このシャフトの他
端をブラケットを介して車体パネルに取り付けて構成さ
れている。

そして、このサンバイザの使用時には、フロントウィ
ンドウとほぼ平行状態に位置決めし、更にサンバイザの
格納時には、サンバイザ本体をシャフト廻りに上方へ回
動させて、天井面とほぼ平行状態に格納するようにして
いる。

ところで、最近では第３図に示すように、ルーフパネ
ルに内装されるルーフガーニッシュ１に、サンバイザ本
体２とほぼ等しい外形を備えた凹部３を形成し、この凹
部３内にサンバイザ本体２を収納し、サンバイザ本体２
の外表面とルーフガーニッシュ１の外表面とをほぼ面位
置に設定し、従来のように天井面からサンバイザ本体２
がその板厚分だけ突出するのを避け、両者の一体感をは
かり、美観の向上並びに室内スペースの有効利用を図る
ようにしている（実開昭60−55517号公報参照）。

そして、この種のサンバイザにあっては、サンバイザ
本体２を凹部３内に格納状態でロックするロック機構４
が備わっており、第４図に示すように、ロック機構４の
ロックピン4aがサンバイザ本体２の下縁に形成された係
合穴５内に係合することにより、サンバイザ本体２をル
ーフガーニッシュ１の凹部３内で確実にロック保持する
ようにしている。

更に、このサンバイザ本体２は上記ロック機構４を解
除したとき、すなわちロックピン4aを天井側に後退させ
たとき、サンバイザ本体２が下方に若干回動して、乗員
が操作しやすい箇所に位置させることが必要であるた
め、サンバイザ本体２を支承するシャフト６に板バネ７
を弾発保持させ、シャフト6,板バネ７の両者にそれぞれ
面取り6a,7aを形成し、ロック機構４を解除した際、シ
ャフト６と板バネ７との各面取り6a,7aが当接するさい
の係合力により、サンバイザ本体２は、第４図中一点鎖
線で示す位置まで回動し、この位置から乗員が手で任意
の位置まで下側に回動操作すれば良いことになる。

《考案が解決しようとする課題》 しかしながら、上述した従来のサンバイザにおいて
は、サンバイザ本体２の格納状態時、ロック機構４によ
るロック部分と板バネ７によりシャフト６が弾発される
クリックアクション付与部分とが離れているため、例え
ば、第５図に示す部分においては、サンバイザ本体２を
下側に回動させるクリックアクション力が強く作用し、
ルーフガーニッシュ１の表面に比べ、サンバイザ本体２
の表面が突出する状態となり、段差d₁が生じる。また、
逆に第６図に示す部分においては、ルーフガーニッシュ
１の表面とサンバイザ本体２の表面とでは、逆の段差d₂
が生じる結果となり、このようにサンバイザ本体２の表
面とルーフガーニッシュ１の表面との間に段差が生じて
しまい、両者の一体感が損なわれ、著しい美観の低下を
招くという欠点が指摘されている。

この考案は、このような事情に鑑みてなされたもの
で、本考案の目的とするところは、天井の凹部内にロッ
ク機構によりロック保持されて格納されるとともに、ロ
ック機構を解除した際、サンバイザ本体を若干下側に回
動させるためのクリックアクションを付与した自動車用
サンバイザにおいて、 サンバイザ本体格納時におけるサンバイザ本体に加わ
るクリックアクション力を緩和することにより、サンバ
イザ本体と天井との間に段差が生じることなく、両者の
一体感が得られ、室内美観の向上に貢献する自動車用サ
ンバイザを提供することにある。

《課題を解決するための手段》 上記目的を達成するために、本考案は、天井の凹部内
にロック機構を備えて格納されるサンバイザ本体を回動
用シャフトにより回動自在に支承するとともに、この回
動用シャフトを弾発保持する板バネをサンバイザ本体内
に設置して、上記板バネとシャフトとの係合力により、
サンバイザの回動トルクを現出させ、板バネ，シャフト
に相互に当接する平坦部を設け、この平坦部同士の係合
によりサンバイザ本体格納時、使用状態時におけるクリ
ックアクションを付与した自動車用サンバイザにおい
て、前記サンバイザ本体は平行状態より、下端縁がより
上方に持ち上がった姿勢で上記凹部内に格納、且つロッ
ク保持されるとともに、サンバイザ本体の格納状態時、
板バネの平坦部と当接するシャフトの平坦部にサンバイ
ザ本体の格納角度とほぼ同一角度で傾斜する切欠部を設
け、サンバイザ本体の格納状態におけるシャフトと板バ
ネとの係合力を弱めることにより、クリックアクション
を緩和したことを特徴とする。

《作用》 以上の構成から明らかなように、サンバイザ本体を天
井側凹部内に格納した際、板バネの平坦部に当接するシ
ャフトの平坦部にはサンバイザ本体の格納角度とほぼ同
一角度で傾斜する切欠部が形成されているため、サンバ
イザ本体の格納状態におけるシャフトと板バネとの係合
力を弱めることができ、サンバイザ本体の下端縁が板バ
ネのバネ圧により下側に強く押されることがなく、サン
バイザ本体表面と天井面との間に段差が生じない。

《実施例》 以下、本考案にかかる自動車用サンバイザの一実施例
について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。

第１図は本考案による自動車用サンバイザを天井面に
格納した状態を示す室内側からみた斜視図である、第２
図は同サンバイザの格納状態を示す断面図である。

第１図，第２図において、本考案による自動車用サン
バイザ10は所望の遮光面積を有し、適度のクッション
性，表面装飾性を備えたサンバイザ本体11とこのサンバ
イザ本体11を回動可能に支承するＬ字状に曲成されたシ
ャフト12と、このシャフト12を天井側に取り付けるため
のブラケット13とから大略構成されている。

そして、図面は天井側に格納した状態を示している
が、シャフト12廻りにこのサンバイザ本体11を回動操作
することにより、この格納状態時と、図示しないフロン
トウィンドウの前方のウィンドウとほぼ平行状態に位置
決めする使用状態時との間で任意の回動姿勢を取ること
が可能である。

また、このサンバイザ本体11を天井側に格納するに
は、ルーフトリム14にサンバイザ本体11の外形状より若
干大きな外形を備えた凹部15が形成されており、この凹
部15内にサンバイザ本体11を格納することにより、サン
バイザ本体11の表面とルーフトリム14の表面を面位置に
設定して、両者の一体感をはかり美観の向上に貢献する
ようになっている。

更に、ルーフトリム14にはロック機構16が備わってお
り、ロックピン17が図示しないバネ手段により凹部15内
に突出するようにバネ付勢されている。そして、このロ
ックピン17をサンバイザ本体11の下縁ほぼ中央に設定さ
れている受承部18の係合孔19内に挿通させて、サンバイ
ザ本体11を凹部15内の格納位置で格納させるようにして
いる。なお、この受承部18の構成は、係合孔19を備えた
樹脂成形体20をサンバイザ本体11の芯材に取付け構成す
れば良い。

更に、サンバイザ本体11を回動可能に支承するシャフ
ト12は断面略Ｕ字状をなす板バネ21により弾発的に保持
されており、この板バネ21のバネ力により、サンバイザ
本体11をシャフト12廻りに回動操作させる際の回動トル
クを現出するようにしているが、特に、サンバイザ本体
11の格納状態における節度感のある保持を行うように、
板バネ21の両側部に平坦部22を設けるとともに、シャフ
ト12に対しても上下側にそれぞれ平坦部23が設けられて
いる。そして、板バネ21とシャフト12の両平坦部22,23
の係合力により、クリックアクションを作用させ、節度
感のあるサンバイザ本体11の保持が可能となる。

ところで、本考案の特徴はこのシャフト12の一方側の
平坦部23aに切欠部24を設けることにより、サンバイザ
本体11の格納状態におけるシャフト12と板バネ21との形
合力を弱め、もって、サンバイザ本体11の格納状態にお
けるクリックアクションを緩和することにより、サンバ
イザ本体の下端縁をルーフトリム14の表面と面一に調整
することにある。

更に詳しくは、第２図から明らかなように、通常、サ
ンバイザ本体11を凹部15内に格納状態としたとき、水平
状態よりサンバイザ本体11の下端縁がやや上方に持ち上
げられた傾斜姿勢で格納され、本実施例ではこの傾斜角
度は水平面を基準として、10度に設定されている。

従って、これにともない、板バネ21の平坦部23aにお
いても、図示するように水平面を基準とした10度の角度
となるように、切欠部24を設定すれば、サンバイザ本体
11の格納状態におけるクリックアクション力を緩和で
き、サンバイザ本体11の表面とルーフトリム14の表面と
の間に段差が生じることがなく、しかも適度の回動トル
クも確保され、何等不具合は生じない。

なお、本実施例においては、シャフト12の平坦部23の
一方側23aにサンバイザ本体11の格納角度とほぼ等しい
角度の切欠部24を形成したが、この平坦部23の両側23a,
23bに同様の切欠部24を形成するようにしても良い。

また、サンバイザ本体11の格納状態から使用状態に操
作するには、サンバイザ本体11のロック部分近くを上方
に押し上げてやれば、ロックピン17の先端が傾斜状にな
っているため、ロックピン17がバネ圧に抗して後退し、
ロックピン17が係合孔19から外れるため、サンバイザ本
体11の自重並びに、板バネ21とシャフト12とクリックア
クションにより、サンバイザ本体11が乗員が操作できる
位置まで若干下側に回動する。

《考案の構成と効果》 以上説明したように、本考案による自動車用サンバイ
ザは、天井の凹部内にロック機構により格納ロックさ
れ、且つ、シャフト並びにこのシャフトを弾発保持する
板バネの両者に平坦部を設け、クリックアクションを付
与した自動車用サンバイザにおいて、シャフトの平坦部
分に、例えばサンバイザ本体の格納角度とほぼ同一角度
を持つような切欠部を設けることにより、サンバイザ本
体の格納状態における板バネとシャフトとの係合力を弱
め、クリックアクション力を緩和させるようにしたもの
であるから、サンバイザ本体を天井側の凹部内に格納状
態としたとき、過度のクリックアクションによりサンバ
イザ本体の表面と天井側表面との間に段差が生じること
がなく、サンバイザ本体と天井との間で一体感がはか
れ、室内美観を向上させるという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による自動車用サンバイザの格納状態を
示す車室内側から見た斜視図、第２図は第１図中II−II
線断面図、第３図は従来の自動車用サンバイザの格納状
態を示す斜視図、第４図は、第３図中IV−IV線断面図、
第５図は第３図中Ｖ−Ｖ線断面図、第６図は第３図中VI
−VI線断面図である。 10……自動車用サンバイザ 11……サンバイザ本体 12……シャフト 14……ルーフトリム 15……凹部 16……ロック機構 17……ロックピン 18……受承部 19……係合孔 21……板バネ 22,23……平坦部 24……切欠部

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】天井（14）の凹部（15）内にロック機構
   （16）を備えて格納されるサンバイザ本体（11）を回動
   用シャフト（12）により回動自在に支承するとともに、
   この回動用シャフト（12）を弾発保持する板バネ（21）
   をサンバイザ本体（11）内に設置して、上記板バネ（2
   1）とシャフト（12）との係合力により、サンバイザの
   回動トルクを現出させ、板バネ（21），シャフト（12）
   に相互に当接する平坦部（22,23）を設け、この平坦部
   （22,23）同士の係合によりサンバイザ本体（11）格納
   時、使用状態時におけるクリックアクションを付与した
   自動車用サンバイザにおいて、 前記サンバイザ本体（11）は平行状態より、下端縁がよ
   り上方に持ち上がった姿勢で上記凹部（15）内に格納、
   且つロック保持されるとともに、サンバイザ本体（11）
   の格納状態時、板バネ（21）の平坦部（22）と当接する
   シャフト（12）の平坦部（23）にサンバイザ本体（11）
   の格納角度とほぼ同一角度で傾斜する切欠部（24）を設
   け、サンバイザ本体（11）の格納状態におけるシャフト
   （12）と板バネ（21）との係合力を弱めることにより、
   クリックアクションを緩和したことを特徴とする自動車
   用サンバイザ。