JPH0247043Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 《考案の分野》 この考案は自動車用サンバイザに係り、特にサ
ンバイザ格納時、サンバイザ本体を中央側に向け
偏位させることで、サンバイザの格納操作を円滑
に行なえるようにした自動車用サンバイザに関す
る。

《従来技術とその問題点》 通常、自動車のフロントウインド上方には、サ
ンバイザが設定されており、太陽光線を遮蔽し、
乗員の走行視界を確保するようにしている。この
サンバイザは支承軸を介し天井面に取り付けら
れ、この支承軸を中心に回動し、使用時にフロン
トウインドとほぼ平行状態になるように回動さ
せ、格納時には天井面に沿つて格納するようにし
ている。

しかしながら、天井内面は特にその側方が湾曲
状に形成されているのが普通であり、この湾曲し
た天井内面にフラツトなサンバイザを格納させた
場合、乗員に違和感を与え、天井内面とサンバイ
ザとの間で大きな間隙が生じ、スペースの有効利
用という点では問題があつた。

このようなことから、第４図に示すように天井
内面の形状に沿つて湾曲状に成形したサンバイザ
が提案されている。

このものは、ループ状に曲成したワイヤ芯枠１
の側方端部１ａを天井内面の曲率に合わせ折曲形
成し、このワイヤ芯枠の外周をパツド材２、表皮
材３で被覆して構成している。

しかしながら、この種のサンバイザは成形加工
が面倒であり、コストアツプを招来するという問
題点がある。すなわちサンバイザは量産に適した
高周波溶着加工が通常用いられており、ワイヤ芯
枠の上下面にパツド材、表皮材をそれぞれ積層
し、所望の外形状に沿つてこれら積層したものを
高周波溶着により溶着、溶断するという簡易な方
法をとつているが、この加工方法を曲面形状に適
用するには、精密な金型精度が要求されるととも
に、この金型精度にバラツキが生じた場合、表皮
材が剥離してしまい、製品不良となる。

特に、折曲箇所の表皮材が、いわゆるテント張
り状態となり、感触、体裁共好ましいものではな
かつた。

さらにこの構造のサンバイザは格納状態にある
ときは、天井内面に沿つて格納されているので都
合が良いが、サンバイザ使用時には、フラツトな
状態ではないので、遮光性能が低下するとともに
使用時の見栄えが悪くなるという問題点が指摘さ
れていた。

また車種により天井の曲率が異なるので、車種
毎に、ワイヤ芯枠の折曲形状を変更しなければな
らないという不具合もあつた。

これらを考え合せれば、サンバイザ使用時はフ
ラツトな形状を維持し、サンバイザの格納時、天
井の湾曲面を避けて、フラツト部分に沿つて格納
できるようにすれば、上述の問題点がことごとく
解決することができる。考案者はこの点に着目し
て本願考案を完成するに至つた。

《考案の目的》 この考案は、上述の着眼点に基づきなされたも
ので、その目的とするところは、サンバイザ使用
時は所望の遮光性能を確保でき、天井面に格納す
るときは、ルーフサイド側の湾曲面を避け、ほぼ
フラツトな部位にのみ格納するようにした自動車
用サンバイザを提供することにある。

《考案の構成と効果》 前記目的を達成するために、本考案は、軸受部
材を内部に埋設固定してなるサンバイザ本体と、
一端を上記軸受部材内に回動自在に挿通し、他端
を車体側に固定してなる回動用シヤフトとを備
え、シヤフト廻りにサンバイザ本体を回動自在に
構成し、格納状態と使用状態とを交互に位置決め
するようにした自動車用サンバイザにおいて、 前記シヤフトの軸受部材挿通側に突起が突設さ
れ、かつ、軸受部材にはこの突起が受承する螺旋
状溝部が設けられていることにより、サンバイザ
本体を上方へ回動させ、格納状態としたときサン
バイザ本体がシヤフトに対して中央側に向けてス
ライドするようにしたことを特徴とする。

すなわち、本考案によれば、シヤフトの軸受部
材挿通側に突起が突設され、かつこの突起を受承
する螺旋状溝部を軸受部材に設けたものであり、
サンバイザ本体をシヤフト廻りに回動させた際、
軸受部材ならびにサンバイザ本体がシヤフトに対
して左右方向にスライドするというものであるか
ら、サンバイザ本体を使用位置から格納位置に移
すとき、格納位置を中央側にずらした位置に設定
することができ、ルーフサイド側の天井湾曲面を
回避して天井のフラツト面に沿つて格納できると
いうものである。

従つて折曲タイプのサンバイザに比べ、サンバ
イザ使用時の見栄えが良好となり、美観上好まし
いとともに、充分な遮光性能を備え、かつ廉価に
製作できる利点がある。

さらに最近法令により注目されているパツシブ
型シートベルトを装備した乗用車では、ルーフサ
イドが車室内側にかなり膨出して、通常のサンバ
イザでは格納操作時このルーフサイドがサンバイ
ザの側縁に干渉するという不具合があつたが、本
願の如くサンバイザの格納操作に伴い、サンバイ
ザ本体が中央側に偏位するものであるから、この
ようにパツシブ型シートベルトを装備した乗用車
に用いるサンバイザに極めて有効である等本願は
実用的価値が大きいものである。

《実施例の説明》 以下、本考案の一実施例につき添付図面を参照
しながら詳細に説明する。

第１図は本考案に係るサンバイザの一部破断正
面図、第２図は同断面図、第３図はサンバイサの
使用状態、格納状態をそれぞれ示す説明図であ
る。

第１図において、本願に係る自動車用サンバイ
ザ１０は、サンバイザ本体１１と、このサンバイ
ザ本体１１を回動自在に支持するＬ字状のシヤフ
ト１２とから大略構成され、さらに詳しくは、サ
ンバイザ本体１１は、ループ状に折曲形成された
ワイヤ芯枠１３と、ワイヤ芯枠１３の上下面に配
置されたウレタンフオーム等のパツド材１４と、
それらの外周を被覆するPVCシート等の表皮材
１５と、上記ワイヤ芯枠１３に固定され、シヤフ
ト１２を軸受する軸受部材１６とから構成されて
おり、シヤフト１２の一端が軸受部材１６内に回
動自在に挿通され、かつシヤフト１２の他端はブ
ラケツト１７内に同様に回動自在に挿通され、こ
のブラケツト１７は車体側にビス止め固定されて
いる。

そして本願サンバイザ１０にあつては、シヤフ
ト１２の軸受部材挿通側に突起１８が突設される
一方、軸受部材１６の内周面には上記突起１８を
受承する螺旋状溝部１９が設けられている。この
螺旋状溝部１９により、サンバイザ本体１１をそ
の使用状態から格納状態へと回動した際、サンバ
イザ本体１１が中央側にスライドするように、構
成されている。従つて、サンバイザ本体１１を格
納状態にしたとき第１図中ｄで示す寸法だけサン
バイザ本体１１が矢印Ａ方向にスライドする。

なお図中符号２０は調整ビスを示し、この調整
ビス２０を締付けることにより、、軸受部材１６
内に挿通されるシヤフト１２の回動トルクを増大
させることができる。

なお本実施例においてはシヤフト１２に突設す
る突起１８を１箇所設定したが、複数箇所に突起
を形成し、これら突起に対応する螺旋状溝部１９
を複数設定するようにしても良い。

このように本願サンバイザにあつては、第３図
に示すようにサンバイザの使用時、フロントウイ
ンドとほぼ平行状態に位置決めしてある点には所
望の遮光性能を維持し、サンバイザの非使用時こ
のサンバイザ本体１１を上方に回動させて、天井
面に格納する際、天井面２１の湾曲面２１ａなら
びにルーフサイド２２を避け、天井面の平坦面２
１ｂに沿つて格納できるものであるから、格納時
の格納操作が容易に行なえ、かつ美観上も好まし
い等実用的価値の大きいものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る自動車用サンバイザの使
用時を示す一部破断正面図、第２図は第１図中
−線断面図、第３図は本考案に係るサンバイザ
の使用時、格納時をそれぞれ示す説明図、第４図
は従来の折曲タイプのサンバイザを示す斜視図で
ある。 １０……自動車用サンバイザ、１１……サンバ
イザ本体、１２……シヤフト、１３……ワイヤ芯
枠、１４……パツド材、１５……表皮材、１６…
…軸受部材、１８……突起、１９……螺旋状溝
部、２１……天井面、２２……ルーフサイド。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 軸受部材を内部に埋設固定してなるサンバイザ
   本体と、一端を上記軸受部材内に回動自在に挿通
   し、他端を車体側に固定してなる回動用シヤフト
   を備え、シヤフト廻りにサンバイザ本体を回動自
   在に構成し、格納状態と使用状態とを交互に位置
   決めするようにした自動車用サンバイザにおい
   て、 前記シヤフトの軸受部材挿通側に突起が突設さ
   れ、かつ軸受部材にはこの突起を受承する螺旋状
   溝部が設けられていることにより、サンバイザ本
   体を上方へ回動させ、格納状態としたときサンバ
   イザ本体がシヤフトに対して中央側に向けてスラ
   イドするようにしたことを特徴とする自動車用サ
   ンバイザ。