JPH0329610B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 《発明の分野》 この発明は自動車用サンバイザに係り、サンバ
イザ格納時、側方端部が折曲するタイプのもの
で、特に操作性、意匠性に優れた自動車用サンバ
イザに関する。

《従爺技術とその問題点》 通常、自動車のフロントウインド上方には、サ
ンバイザが設定されており、太陽光線を遮蔽し、
乗員の走行視界を確保するようにしている。

このサンバイザは支承軸を介し天井面に取付け
られ、この支承軸を中心に回動させ、使用時にフ
ロントウインドとほぼ平行状態になるように位置
決めし、格納時には天井面に沿つて格納するよう
にしている。

しかしながら、天井内面は特にその側方が湾曲
状に形成されているのが普通であり、この湾曲形
状の天井内面にフラツトなサンバイザを格納させ
た場合、乗員に違和感を与え、天井内面とサンバ
イザとの間に大きな間隙が生じ、スペースの有効
利用という点では問題があつた。

このようなことから第６図に示すように天井内
面の形状に沿つて湾曲状に成形したサンバイザが
提案されている。

このものはループ状に曲成したワイヤ芯枠１の
側方端部１ａを天井内面の曲率に合せ折曲形成
し、このワイヤ芯枠１の外周をパツド材２、表皮
材３で被覆して構成している。

しかしながら、この種のサンバイザは成形加工
が面倒であり、コストアツプを招来するという問
題点がある。

すなわちサンバイザは量産に適した高周波溶着
加工が通常用いられており、ワイヤ芯枠の上下面
にパツド材、表皮材をそれぞれ積層し、製品形状
に沿つてこれら積層したものを高周波溶着により
溶着、溶断するという簡易な方法をとつている
が、この加工方法を曲面形状に適用するには、精
密な金型精度が要求されるとともに、この金型精
度にバラツキが生じた場合、表皮材が剥離してし
まい、製品不良となる。

特にこの種のサンバイザでは折曲箇所の表皮材
が、いわゆるテント張り状態となり、感触、体裁
とも好ましいものではなかつた。

さらにこの構造のサンバイザは、格納状態にあ
るときは、天井内面に沿つて格納されているので
都合がよいが、サンバイザ使用時には、フラツト
な状態ではないので、遮光性能が低下するととも
に、使用時の見栄が悪くなるという問題点も指摘
されていた。

また車種により天井の曲率が異なるので、車種
毎にワイヤ芯枠の折曲形状を変更しなければなら
ず、経済的にも好ましいものではない。

《発明の目的》 この発明は、上述の事情に鑑みてなされたもの
で、本発明の目的とするところは、サンバイザ使
用時にはほぼフラツトな状態であり、所望の遮光
性能を得ることができ、天井面に格納するときに
は、側方端部が折曲し、天井の湾曲面や、ルーフ
サイド等に追従して格納でき、特に天井面の曲率
がどのようなものであつても、良好な操作性が得
られ、かつ外観意匠を損うことがない自動車用サ
ンバイザを提供することにある。

《発明の構成と効果》 本発明は上記目的を達成するために、ループ状
に曲成したワイヤ芯枠をパツド材、表皮材により
被覆してなるサンバイザであつて、サンバイザ格
納時、サンバイザ本体に対して側方端部が所定の
折曲ラインに沿つて折曲自在となり、天井の湾曲
面形状に追従格納されるタイプのものにおいて、 前記サンバイザ本体ならびに側方端部に各々埋
設される補強板と、上記補強板間に橋掛け状に固
定される折曲自在なスプリング鋼板とを備え、上
記ワイヤ芯枠の端縁の一部に凸部を設け、この凸
部を折曲ラインの一部に位置決めするとともに、
この凸部により上記スプリング鋼板を折曲自在に
支承し、かつ上記凸部が位置する部分を除いた折
曲ラインに沿つて、表皮材とパツド材とがウエル
ダ溶着され、薄肉ヒンジ部が形成されていること
を特徴とする。

すなわち本願に係るサンバイザは、サンバイザ
本体に対して、所定の折曲ラインに沿つて、側方
端部が自在に折曲するというものであり、サンバ
イザ使用時は、ほぼフラツトな形状をなし、サン
バイザ格納時には、天井湾曲面等の形状に追従し
て格納されるというものであるから、第６図に示
す曲面サンバイザに比べ、サンバイザ使用時の遮
光性能が著しく向上するとともに、天井の湾曲面
やルーフサイド等にサンバイザの側方端部が当接
して、任意の形状に折曲するというものであり、
従来のフラツトなサンバイザのように、天井面と
の間に間隙が生じたり、天井湾曲面、ルーフサイ
ド等に干渉することがなく、第６図に示す曲面サ
ンバイザのように曲率の違いに対応できないとい
う不具合を有効に解決することができ、円滑な格
納操作が期待できるという利点がある。

さらに最近法令化により注目されているパツシ
ブ型シートベルトを装備した乗用車では、ルーフ
サイドを車室内側にかなり膨出して、通常のサン
バイザでは格納時このルーフサイドがサンバイザ
の側縁に干渉するという不具合があつたが、本願
の如くサンバイザの側方端部を折曲自在に形成す
れば、側方端部がルーフサイド膨出端に当接して
変形するものであるから、サンバイザ格納操作に
何等支障を与えることがないので、パツシブ型シ
ートベルトを装備した乗用車に用いるサンバイザ
において本願を有効に適用できる。

また本願サンバイザにあつては、サンバイザの
折曲ラインに沿つて、表皮材、パツド材がウエル
ダ溶着により薄肉状にされ、薄肉ヒンジ部を形成
しているため、第６図に示す曲面サンバイザで生
じていた折曲箇所の表皮材が、いわゆるテント張
り状態となり、感触、体裁面での不良という問題
を有効に解決することができる。

このように本願発明に係るサンバイザにあつて
は、サンバイザ使用時の遮光性能をいちいるしく
向上させ、ならびにサンバイザ格納時の操作性を
良好なものとする一方、製品の外観意匠を長期に
わたり美麗に維持することができる等種々の効果
を有する。

《実施例の説明》 以下、本発明に係る自動車用サンバイザの実施
例について添付図面を参照しながら詳細に説明す
る。

第１図は本発明に係る自動車用サンバイザの使
用状態を示す一部破断正面図、第２図、第３図は
同サンバイザの要部を示す断面図、第４図は同サ
ンバイザの格納状態を示す第２図と同様の要部断
面図、第５図は本発明の別実施例を示すサンバイ
ザの一部破断正面図である。

第１図ないし第３図に基づき、まずサンバイザ
の概略構成を説明する。

本願に係るサンバイザ１０は、ループ状に曲成
されたワイヤ芯枠１１の外周を、低融点ウレタン
フオーム等のパツド材１２ならびにPVCシート
等の表皮材１３により被覆して構成されており、
さらに上記ワイヤ芯枠１１には樹脂製のサポート
１４が圧入固定されており、このサポート４内に
シヤフト１５の一端が挿通され、かつこのシヤフ
ト１５の一端が挿通され、かつこのシヤフト１５
の他端は車体（図示せず）に固定されたブラケツ
ト１６内に回動自在に挿通されている。

したがつてサンバイザ１０はシヤフト１５を中
心にして上下方向に回動可能であるとともに、シ
ヤフト１５もブラケツト１６に対して左右方向に
回動可能なように構成されている。

さらに本願に係るサンバイザ１０にあつては、
サンバイザ本体１７に対して、側方端部１８が折
曲ライン１９に沿つて折曲自在に構成されてい
る。この構成について詳細に説明すると、まずサ
ンバイザ本体１７ならびに側方端部１８内部には
それぞれ段ボール、繊維板等からなる補強板２
０，２１がそれぞれ埋設されており、これら両補
強板２０，２１に対して橋掛け状にスプリング鋼
板２２が接着または機械止めにより固定されてい
る。なおこのスプリング鋼板２２のヒンジ軸は折
曲ライン１９上に設定するため、ワイヤ芯枠１１
の側縁１１ａをコ字状に曲折して、この側縁１１
ａを折曲ライン１９上に位置させるとともに、ス
プリング鋼板２２の軸受部２３内にこの側縁１１
ａを嵌込んで、スプリング鋼板２２を折曲自在に
支承している（第２図参照）。

さらに本願サンバイザ１０にあつては、この折
曲ライン１９を補強する目的で、第１図ないし第
３図に示すように表皮材１３とパツド材１２とを
高周波ウエルダ加工等により薄肉状に圧着し、薄
肉ヒンジ部２４を形成している。

したがつて本願サンバイザ１０をシヤフト１５
回りに上方に回動させ、格納状態としたとき、側
方端部１８が天井の湾曲面やルーフサイド等に当
たつても、スプリング鋼板２２の弾性ならびに薄
肉ヒンジ部２４により、側方端部１８は自在に折
曲するので、天井内面、ルーフサイド等に密着し
た状態で体裁よく格納できる（第４図参照）。

なお、サンバイザ使用時には、スプリング鋼板
２２の復帰作用により、第２図に示す如く側方端
部１８がサンバイザ本体１７に対して平行状態に
延在するので、良好な遮光性能が得られることは
いうまでもない。

また本実施例にあつてはサンバイザ本体１７、
側方端部１８にそれぞれ埋設された補強板２０，
２１によりパツド材１２の劣化等によるサンバイ
ザの垂れ下がり現象を防止することができ、長期
にわたりサンバイザのフラツト形状を維持すると
いう付随的な効果を有するとともに、またこれら
補強板２０，２１は適度の剛性を備えているの
で、サンバイザ１０の操作に際し、良好な操作性
も期待できる。

次に、第５図に示すものは上述実施例とは異な
る実施例を示すもので、この実施例にあつては、
スプリング鋼板２２がサンバイザの上下２箇所に
設定されており、さらにそれらスプリング鋼板２
２，２２の間、すなわち中央部に薄肉ヒンジ部２
４が設けられている。この実施例においても上述
と同様の作用効果が得られるとともに、スプリン
グ鋼板２２のバネ力をさらに確実なものとし、か
つ補強板２０，２１を２つのスプリング鋼板２２
で固定しているので、変形防止の点からいえばさ
らに効果があり、保形性をより一層向上させた実
施例である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る自動車用サンバイザの使
用状態を示す一部破断正面図、第２図は第１図中
−線断面図、第３図は第１図中−線断面
図、第４図は同サンバイザの格納状態を示す第２
図同様断面図、第５図は本発明の別実施例に係る
サンバイザの使用状態を示す一部破断正面図、第
６図は従来の曲面サンバイザを示す斜視図であ
る。 １０……自動車用サンバイザ、１１……ワイヤ
芯枠、１１ａ……側縁、１２……パツド材、１３
……表皮材、１７……サンバイザ本体、１８……
側方端部、１９……折曲ライン、２１，２１……
補強板、２２……スプリング鋼板、２３……軸
受、２４……薄肉ヒンジ部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ループ状に曲成したワイヤ芯枠をパツド材、
   表皮材により被覆してなるサンバイザであつて、
   サンバイザ格納時、サンバイザ本体に対して側方
   端部が所定の折曲ラインに沿つて折曲自在とな
   り、天井の湾曲面形状に追従格納されるタイプの
   ものにおいて、 前記サンバイザ本体ならびに側方端部に各々埋
   設される補強板と、上記補強板間に橋掛け状に固
   定される折曲自在なスプリング鋼板とを備え、上
   記ワイヤ芯枠の端縁の一部に凸部を設け、この凸
   部を折曲ラインの一部に位置決めするとともに、
   この凸部により上記スプリング鋼板を折曲自在に
   支承し、かつ上記凸部が位置する部分を除いた折
   曲ラインに沿つて、表皮材とパツド材とがウエル
   ダ溶着され、薄肉ヒンジ部が形成されていること
   を特徴とする自動車用サンバイザ。