JPH0671858B2 - 自動車用サンバイザ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ≪発明の技術分野≫ この発明は自動車用サンバイザにかかり、特にルーフト
リム凹部内に格納され、プッシュボタンの押圧操作によ
り開放するようにした自動車用サンバイザに関する。

≪従来技術とその問題点≫ 周知のように、自動車のフロントウィンド上方には、サ
ンバイザなる日除が設けられており、直射日光や夜間の
対向車のライトから乗員の走行視界を確保し、以て安全
走行に大きく貢献している。

このサンバイザは所望の遮光面積を得るように形成され
たサンバイザ本体の一側縁部にＬ字状シャフトの一端を
回動自在に挿通し、且このシャフトの他端をブラケット
を介して車体パネルに取付けて構成される。

そして、サンバイザの使用時には、フロントウィンドと
ほぼ平行状態に位置決めし、更にサンバイザの格納時に
は、サンバイザ本体をシャフト廻りに上方へ回動させ
て、天井面とほぼ平行状態に格納するようにしている。

ところで、最近では第６図に示すように、ルーフパネル
に内装されるルーフガーニッシュ１に、サンバイザ本体
２とほぼ等しい凹部３を形成し、この凹部３内にサンバ
イザ本体２を収納し、サンバイザ本体２の外表面とルー
フガーニッシュ１の外表面とをほぼ面一に設定し、従来
のように天井面からサンバイザ本体がその板厚分だけ突
出するのを避け、両者の一体感を図り、美観の向上並び
に室内スペースの有効利用を図るようにしている（実開
昭60−55517号公報参照）。

しかしながら、この種サンバイザにあっては、サンバイ
ザ本体２を一旦ルーフガーニッシュ１の凹部３内に格納
すれば、このサンバイザ本体２の外周と凹部３の周縁3a
との間には僅かな間隙しか残らないので、従来のように
サンバイザ本体の下方縁部を乗員の手で押し下げてサン
バイザを回動させることができず、そのためサンバイザ
本体２を格納状態から開放する機構が必要となってい
る。この機構について出願人は先に出願している。その
出願の内容を第７図〜第９図に基いて説明する。

第７図はサンバイザ本体２をルーフガーニッシュ１の凹
部３内に格納した状態を示している。この格納状態にあ
っては、サンバイザ本体２の下端縁部に凹設された係合
凹部５内にロックピン６が嵌合しサンバイザ本体２の格
納状態が維持されている。尚このロックピン６はスプリ
ング7aにより、常時前方側、即ち凹部３内へ先端が突出
するように付勢されている。

次に、乗員がサンバイザ本体２の回動を所望する場合、
プッシュボタン８を押圧すればよい。即ちプッシュボタ
ン８の先端はテーパ面8aに形成されており、プッシュボ
タン８の押圧操作により、このテーパ面8aがロックピン
６のテーパ面6aを押圧し、ロックピン６は第８図中右方
向へスプリング7aのばね力に対して後退する。この時ロ
ックピン６の先端とサンバイザ本体２下端縁の係合凹部
５との係合が解除され、同時にスプリング7bにより、下
方が付勢された押圧部材９により、サンバイザ本体２が
矢印方向に押圧され、第９図に示すようにサンバイザ本
体２が下方へ回動し、その後サンバイザ本体２を乗員の
所望角度に位置決めすればよい。

逆にサンバイザ本体２を使用状態から格納状態に移すに
は、サンバイザ本体２を上方に持ち上げこのサンバイザ
本体２により、押圧部材９を上方に押し上げ、所定位置
に達した時、サンバイザ本体２の下端縁に設けた係合凹
部５内にロックピン６の先端が嵌合し、第７図に示す状
態となり、サンバイザ本体２の格納状態が維持される。

しかしながら、このような構造のサンバイザにあって
は、押圧部材９をサンバイザ本体２でスプリング7bのば
ね力に抗して押し上げるため、サンバイザ本体２を構成
するウレタンフォーム等のパット材が変形したり、また
サンバイザ本体２の外周を被覆する表皮材のこの部分が
傷付いたり、汚れが付着したりする等の問題点があっ
た。

更に表皮材としてクロス等を用いた場合、表皮材の毛足
がロックピン６や押圧部材９に絡み、サンバイザ本体２
の円滑な回動操作が期待できないという欠点も指摘され
ていた。

≪発明の目的≫ この発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、本発
明の目的とするところは、ルーフトリム凹部に格納され
るサンバイザであって、サンバイザ本体の下端縁の係合
凹部にロックピンが係合することにより、サンバイザ本
体を凹部内に格納でき、ロックピンの係合を解除し、且
押圧部材の押圧により、サンバイザ本体を凹部から下方
へ突出させるようにしたものに於て、ロックピンの係合
並びに係合の解除操作を円滑に行い、サンバイザの操作
性を著しく向上させると共に、従来の如くサンバイザの
表面に汚損や変形が生じることがなく、その製品外観を
長期に亙り美麗に維持するようにした自動車用サンバイ
ザを提供することにある。

≪発明の構成と効果≫ 前記目的を達成するために、本発明はルーフトリム凹部
内にサンバイザ本体を格納すると共に、凹部側壁から凹
部内に進退するロックピンをサンバイザ下端縁に設けた
受承部に係合することによりサンバイザ本体の格納状態
を維持し、このロックピンの係合が解除されると、ルー
フトリムに設けられ、且下方に付勢された押圧部材によ
り、サンバイザ本体下端縁が下方に押圧され、サンバイ
ザ本体を凹部から押出すようにした自動車用サンバイザ
に於て、 前記受承部は、サンバイザ本体内の板状芯材に固定さ
れ、かつ上記ロックピンが係合する係合孔を前面に設け
た樹脂成形体により構成され、サンバイザ本体の格納
時、該樹脂成形体の上面が前記押圧部材と当接するよう
に取付けられていることを特徴とする。

即ち、本発明にかかるサンバイザは、ルーフトリム凹部
に、該トリムの外表面と面一になるように格納され、ル
ーフトリム側に設けたロックピンをサンバイザ本体下端
縁の受承部に係合させることでサンバイザの格納状態を
維持し、このロックピンの係合を解除し、且ルーフトリ
ム側に設け、下方に付勢された押圧部材によりサンバイ
ザ下端縁を下方に押圧し、ルーフトリム凹部内からサン
バイザ本体を下側に回動させるようにしたサンバイザに
於て、サンバイザ本体内に固定される樹脂成形体によ
り、上記受承部を構成し、この樹脂形成体の前面には上
記ロックピンを係合する係合孔が設けられ、且この樹脂
成形体の上面が押圧部材と当接するようにしたものであ
るから、押圧部材によるパット材の変形や、表皮材の汚
れ、損傷等従来の欠点を有効に解決でき、長期に亙りサ
ンバイザの製品外観を美麗に維持することができる効果
がある。

更にサンバイザの表皮材としてクロス等起毛部を有する
ものを用いたとしても、表皮材の毛足が押圧部材やロッ
クピンに絡み付くことなく、格納操作並びに格納解除操
作をスムーズに行うことができ、サンバイザの操作性を
著しく向上させることができる利点がある。

≪実施例の説明≫ 以下、本発明にかかる自動車用サンバイザの一実施例に
ついて添付図面を参照しながら詳細に説明する。

第１図は本発明のサンバイザの要部を示す説明斜視図、
第２図は同要部を示す斜視図、第３図は同断面図、第４
図並びに第５図は本発明の作用を説明するそれぞれ縦断
面図である。

尚サンバイザ本体に係合するロックピンの駆動手段並び
にサンバイザを下方に押圧する押圧部材の構成は本発明
の要部ではないので、その説明は省略する。

第１図において、サンバイザ本体２はサンバイザの製品
形状にトリムカットされたボード等の芯材10の上下面に
ウレタンフォーム等のパッド材11,11を配設し、更にそ
れらの外周を、クロス等の表皮材12により被覆し、サン
バイザの製品外周に沿って外周を接合してサンバイザ本
体２が形成されている。

なお、本願にあっては、上記芯材10の一側面にベース部
材13が取付けられている。このベース部材13は断面コ字
状に折曲し、更にその両端を外方に向けほぼ直角に曲成
したフランジ14,14を備え、且このフランジ14の裏面に
芯材10の取付孔10aに挿入固定するボス14aが突設されて
いる。そしてこのボス14aを取付孔10a内に挿入した後、
ビス、リベット止めもしくは熱カシメ等により確実に固
定されている。

更にこのベース部材13の側壁15には孔15aが設けられて
いる。

一方図中、符号16はエスカッションとしての樹脂成形体
を示し、この樹脂成形体16は表皮材12に設けたスリット
12aを貫通して上記ベース部材13内に嵌込み固定され
る。この樹脂成形体16は、前面にルーフトリム側のロッ
クピン６を係合する係合凹部17を凹設し、且その両側に
は、ベース部材13の側壁15の孔15aに係合する爪18,18が
突設されている。

従ってこの樹脂成形体16を表皮材12のスリット12aを通
してベース部材13に嵌込むことにより簡易に取付けるこ
とができる。

また、第２図ならびに第３図に示すように樹脂成形体16
の上面16aを含めてその外表面はサンバイザ本体２の外
表面より内側に位置するように設定されており、サンバ
イザ本体２の使用に際し、乗員頭部に樹脂成形体16があ
たっても、乗員が感じないように配慮されている。

次いで本発明にかかるサンバイザの作用について第４図
並びに第５図をもとに説明すると、 第４図は使用位置にあるサンバイザ本体２をルーフトリ
ム１の凹部３内に格納する前の状態を示すもので、第５
図はサンバイザ本体２を格納した状態を示している。

第４図において、サンバイザ本体２をルーフトリム１の
凹部３内に格納する時、押圧部材９は樹脂成形体16の上
面16aにより押圧され、押圧部材９が上方に持ち上が
り、同時にロックピン６が凹部３内に前進し、樹脂成形
体16の係合凹部17内に入り込み、第５図に示すようにサ
ンバイザ本体２の格納状態が維持される。

そして図示しないプッシュボタンの操作によりロックピ
ン６が後退し、ロックピン６と係合凹部17との係合が解
除されると、下方に付勢されて押圧部材９が樹脂成形体
16の上面16aを下側へ押圧し、サンバイザ本体２は凹部
３から突出するようになり、その後サンバイザ本体２を
手動により乗員の所望角度に位置決めすればよい。

このように、押圧部材９を上方に押し上げ、逆に押圧部
材９から下方に押圧されるのは、樹脂成形体16の上面16
aであり、この樹脂成形体16はABS樹脂、ポリオレフィン
樹脂等の射出成形品なので、高い剛性、表面硬度を備え
ている。従って従来の如くパット材の変形や表皮材の損
傷、汚れ等が発生するという従来の不具合を確実に解消
でき、サンバイザの製品外観を長期に亙り美麗に保つこ
とができる。

更にロックピン６は樹脂成形体16の前面に設けられた係
合凹部17に係合するというものなので、表皮材の起毛
部、毛足がロックピン６や押圧部材９に絡み付くことを
防止でき、ロックピン６並びに押圧部材９の作動に支障
を生じることがないため、サンバイザの回動操作がスム
ーズに行うことが可能となり、操作性を著しく向上する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明にかかる自動車用サンバイザの一実施例
を示す全体斜視図、第２図は同サンバイザの斜視図、第
３図は第２図中III−III線断面図、第４図並びに第５図
は本発明にかかるサンバイザの作用を説明する各断面
図、第６図は天井格納タイプのサンバイザを室内側から
見た斜視図、第７図乃至第９図は同サンバイザのロック
機構を説明する各縦断面図である。 １……ルーフガーニッシュ ２……サンバイザ本体 ３……凹部 ５……係合凹部 ６……ロックピン ８……プッシュボタン ９……押圧部材 10……芯材 13……ベース部材 16……樹脂成形体 17……係合凹部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭61−70126（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭62−82224（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭60−55517（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ルーフトリム凹部内にサンバイザ本体を格
   納すると共に、凹部側壁から凹部内に進退するロックピ
   ンをサンバイザ下端縁に設けた受承部に係合することに
   よりサンバイザ本体の格納状態を維持し、このロックピ
   ンの係合が解除されると、ルーフトリムに設けられ、且
   下方に付勢された押圧部材により、サンバイザ本体下端
   縁が下方に押圧され、サンバイザ本体を凹部から押出す
   ようにした自動車用サンバイザであって、 前記受承部は、サンバイザ本体内の板状芯材に固定さ
   れ、かつ上記ロックピンが係合する係合孔を前面に設け
   た樹脂成形体により構成され、サンバイザ本体の格納
   時、該樹脂成形体の上面が前記押圧部材と当接するよう
   に取付けられていることを特徴とする自動車用サンバイ
   ザ。