JPH0423051Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 《考案の分野》 この考案は充分な遮光面積を得るために補助バ
イザを設置した補助バイザ付サンバイザに係り、
特に、サンバイザ使用時サンバイザの回動に連動
させて、自動的に補助バイザを突出させるように
した補助バイザ付サンバイザに関する。

《従来技術とその問題点》 周知のように、自動車のフロントウインド上方
には直射日光を遮蔽する目的でサンバイザが設定
されている。

このサンバイザは、所望の遮光面積を備えたサ
ンバイザ本体と、このサンバイザ本体の一側縁内
に一端を回動自在に挿通させたシヤフトとからな
り、このシヤフトの他端を天井側に固定すること
により、通常はサンバイザ本体を天井面に沿うよ
うに格納し、サンバイザ使用時にはサンバイザ本
体をシヤフト廻りに下側に回動させ、フロントウ
インドとほぼ平行状態に位置決めし、所望の遮光
を図るというものである。

このようにサンバイザは、その格納状態にあつ
ては、天井面に密着状態で収納されるのが望まし
いが、天井面の側方は通常湾曲形成されており、
更に、パツシブシートベルト等を装備した車種に
おいては、ルーフサイド並びにフロントピラー等
が室内側に膨出し、これら車体側と干渉を防止す
るために、サンバイザ本体の側縁部を湾曲状に成
形することが必要となり、この種側縁部を曲面化
したサンバイザも種々提案されている。しかし、
これらのものは成形費用がかさみ、加えて使用時
の体裁もよくなく、改良の余地があつた。

これに関連して、サンバイザ本体の側縁を切欠
き、すなわち長手方向の寸法を小型に設定し、天
井側縁やルーフサイド、フロントピラー等との干
渉を防ぐ方式のサンバイザが検討されている。

しかしながら、このように小型化したサンバイ
ザにあつては、サンバイザの使用時にサンバイザ
本体の側縁とフロントピラーとの間に間隙が生
じ、充分な遮光面積が得られず、安全運転上必ず
しも満足のいくものではなかつた。

《考案の目的》 この考案は、上述の事情に鑑みてなされたもの
で、本考案の目的とするところは、サンバイザ使
用時にはサンバイザ本体から補助バイザを突出さ
せて、充分な遮光面積を得る一方、サンバイザ格
納時には補助バイザをサンバイザ本体内に収納し
て、天井面やルーフサイド等との干渉を回避する
よう小型にするとともに、補助バイザの突出動作
をサンバイザの回動に連繋して自動的に行なうよ
うにして操作性を著しく向上させた補助バイザ付
サンバイザを提供することにある。

《考案の構成と効果》 上記目的を達成するために、本考案は、車体側
に固定されたシヤフトに回動自在に支持されると
ともに、一方側縁に形成された開口から中央部に
向けて凹部が形成されたサンバイザ本体と、上記
サンバイザ本体の凹部内に収納され、外方に突出
するようにバネ付勢された補助バイザと、サンバ
イザ格納時サンバイザ本体の凹部内に補助バイザ
を収納し、所定位置で位置決め係合させるロツク
手段と、サンバイザ使用時上記ロツク手段を解除
して補助バイザを側方に突出させるロツク解除手
段とを備えた補助バイザ付サンバイザにおいて、 前記ロツク手段は、補助バイザに形成された係
合片と、サンバイザ本体内に設けられ、上記係合
片が嵌着する係合孔とからなり、前記ロツク解除
手段は、シヤフトの周面に形成された凸部と、一
端をバネ力によりシヤフトの周面に弾接させ、か
つ他端を上記係合孔内に臨ませるとともに、サン
バイザ本体の回動操作に伴い上記シヤフトの凸部
と当接して可動するロツク解除用ピンとから構成
され、 サンバイザ格納時、上記係合孔内に係合片が嵌
着することにより補助バイザがサンバイザ本体の
凹部内に収納ロツクされるとともに、サンバイザ
使用時、サンバイザ本体をシヤフト廻りに下側へ
回動させたとき、上記シヤフトの凸部がロツク解
除用ピンと当接し、バネ押圧方向と逆方向に該ロ
ツク解除用ピンを可動させ、上記係合片の先端を
解除側に押圧することにより、補助バイザのロツ
クが解除され、バネ力により側方に補助バイザが
突出するようにしたことを特徴とする。

すなわち、本考案によれば、サンバイザ本体内
の凹部内に補助バイザが収納ロツクされた状態で
天井面に格納されるものであるから、サンバイザ
を小型化することができ、天井側縁の曲面部やル
ーフサイド、フロントピラー等に何等干渉するこ
となく円滑な格納操作が行なえ、かつ、天井面と
密着状態で格納できる利点がある。

更に、このサンバイザ格納時から、サンバイザ
本体をシヤフト廻りに下側に回動させれば、ロツ
ク解除手段が作用して、補助バイザのロツクを自
動的に解除するものであり、サンバイザの回動操
作に伴い補助バイザが側方に向け突出して、遮光
面積の拡大を図るようにしたものであるから、補
助バイザの突出動作を自動化でき、操作が非常に
簡易なものとなり、かつ充分な遮光性能が得られ
るため、安全運転に大きく貢献することができる
効果がある。

《実施例の説明》 以下、本考案に係る補助バイザ付サンバイザの
一実施例について添付図面を参照しながら詳細に
説明する。

第１図は本考案に係る補助バイザ付サンバイザ
の使用状態を示す一部破断正面図、第２図は同補
助バイザ付サンバイザの断面図、第３図ないし第
５図は同補助バイザ付サンバイザのロツク手段、
ロツク解除手段の動作を説明する要部拡大断面
図、第６図は同補助バイザ付サンバイザの使用状
態、格納状態をそれぞれ示す正面図である。

第１図、第２図において、本願に係る補助バイ
ザ付サンバイザ１は、サンバイザ本体２と、この
サンバイザ本体２内に収納される補助バイザ３と
から大略構成され、更に、上記サンバイザ本体２
内に埋設固定された軸受用としてのホルダ４内に
は、略Ｌ字状に曲成されたシヤフト５の一端が回
動自在に挿通され、このシヤフト５の他端は車体
側に固定されるブラケツト６内に同様に回動自在
に挿通されている。

従つて、サンバイザ本体２は、シヤフト５廻り
に上下方向に回動自在であり、かつシヤフト５が
ブラケツト６内で回動自在であるため、サンバイ
ザ本体２は上下、左右方向にそれぞれ回動可能な
構成になつている。

そして、本願にあつては、補助バイザ３を収納
するため、サンバイザ本体２の一方側縁に穿設さ
れた開口７から本体中央部に向けて凹部８が形成
され、この凹部８内に前記補助バイザ３が収納さ
れている。なお、この凹部８を形成するため、本
実施例では一端を開口した有底箱状の樹脂成形体
９が上記開口７から凹部８内に嵌込まれ、サンバ
イザ本体２の芯部を構成するワイヤフレーム１０
に固定されている。

次に、補助バイザ３の収納構造について説明す
ると、この補助バイザ３は、プレート状の樹脂板
１１を表皮材１２により被覆して構成され、後端
縁３ａ側にガイド用ロツド１３が突設されてお
り、このガイド用ロツド１３は、樹脂成形体９に
設けた筒状のガイド孔１４内に案内されて、補助
バイザ３が円滑にスライド操作される。

また、このガイド用ロツド１３の廻りには押圧
バネ１５が巻装されており、この押圧バネ１５の
一端１５ａが樹脂成形体９の底面９ａに固定さ
れ、かつ押圧バネ１５の他端１５ｂが補助バイザ
３の後端縁３ａに固定されているため、この押圧
バネ１５のバネ力により、補助バイザ３は常時突
出方向に付勢されている。

次いで、補助バイザ３のロツク手段、ロツク解
除手段の構成について説明する。

まず、ロツク手段については、補助バイザ３の
樹脂板１１の後部側縁に係合片１６が一体に設け
られ、この係合片１６は、すぐ下方のスリツト１
７により第１図中矢印方向に容易に弾性変形す
る。そして、この係合片１６を受ける係合孔１８
が樹脂成形体９の側面に形成されているが、この
係合孔１８は、補助バイザ３がサンバイザ本体２
の凹部８内にその全体が収納された位置で上記係
合片１６に対応する箇所に設定されている。

そして、係合片１６が係合孔１８内に嵌着する
ことにより、所定位置で補助バイザ３がサンバイ
ザ本体２の凹部８内に確実にロツクされる。

一方、ロツク解除手段については、上記係合片
１６の先端を解除側に押圧するロツク解除用ピン
１９と、このロツク解除用ピン１９を可動させる
ためにシヤフト５の周面に設けられた凸部２０と
から構成される。更に詳しくは、このロツク解除
用ピン１９は、一端１９ａをシヤフト５の周面に
当接するようにバネ２１により付勢されており、
かつピン１９の他端１９ｂは上述したように係合
片１６を押圧すべく係合孔１８内に臨んでいる。
そして、サンバイザ本体２をシヤフト５廻りに回
動させて、第１図に示す使用状態にしたとき、ロ
ツク解除用ピン１９の一端１９ａとシヤフト５に
設けた凸部２０とが当接し、このロツク解除用ピ
ン１９が下側に押されて、ピン１９の他端１９ｂ
が係合片１６を解除側に押圧する構成である。

なお、図中符号２２は、開口７周縁部を縁取り
するためのホルダを示し、また符号２３は、シヤ
フト５を挾圧して回転トルクを生じさせる板バネ
である。

次に第３図ないし第５図に基づき、上記ロツク
手段並びにロツク解除手段の動作説明を行なう。

まず、サンバイザ本体２が天井面に格納されて
いるときは、第３図に示すように補助バイザ３が
サンバイザ本体２の凹部８、すなわち樹脂成形体
９内に確実に収納され、補助バイザ３に形成した
係合片１６が係合孔１８内に嵌着しており、補助
バイザ３が確実にロツクされている。このとき、
ロツク解除用ピン１９は上方位置に来ており、シ
ヤフト５の周面とロツク解除用ピン１９の一端１
９ａとがバネ２１により弾発状態で当接してい
る。

そして、次にサンバイザ本体２をシヤフト５を
中心にして下側に回動させたとき、シヤフト５に
設けた凸部２０がロツク解除用ピン１９の一端１
９ａに当接し、この凸部２０の寸法高さ分ロツク
解除用ピン１９は下方に押込まれ、このピン１９
の他端１９ｂは係合孔１８より外方に突出し係合
片１６を解除側に押しやるため、押圧バネ１５の
バネ力により、補助バイザ３は自動的に外方に突
出する（第４図参照）。

そして、補助バイザ３を収納させる際には、補
助バイザ３をサンバイザ本体２の凹部８内に押込
めば、第５図に示すように補助バイザ３の係合片
１６は係合孔１８の後部に設けた切欠部１８ａ内
にその先端が嵌まり込み、ロツク解除用ピン１９
に係止して、収納状態を維持することになり、サ
ンバイザ本体２をシヤフト５廻りに上方へ回動さ
せ、収納させれば、第３図に示すようにロツク解
除用ピン１９の一端１９ａとシヤフト５の凸部２
０とが当接しなくなり、係合孔１８を塞いでいた
ロツク解除用ピン１９が最上方位置に来ることに
なり、係合孔１８に係合片１６が嵌着して、補助
バイザ３の確実なロツクがなされる。

このように本願にあつては、第６図に示すよう
に、サンバイザ使用時には、サンバイザ本体２を
シヤフト５廻りに下側に回動させれば、本願のロ
ツク解除手段が作用して、補助バイザ３がサンバ
イザ本体２の側方に自動的に突出するというもの
であり、充分な遮光面積を得ることができ、安全
運転上好ましいものであり、また、サンバイザ格
納時には、補助バイザ３をサンバイザ本体２の凹
部内に収納されて、小型化した状態で天井面２４
に沿つて格納するようにしたものであるから、天
井面２４の側縁曲面部２４ａやルーフサイド２５
等に干渉することなく、円滑に格納操作が行な
え、天井面２４に密着した状態で格納できる利点
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る補助バイザ付サンバイザ
の使用状態を示す一部破断正面図、第２図は第１
図中−線断面図、第３図ないし第５図は同補
助バイザ付サンバイザのロツク手段、ロツク解除
手段の動作を説明する要部拡大図、第６図は本願
に係る補助バイザ付サンバイザの使用時、格納時
をそれぞれ示す説明図である。 １……補助バイザ付サンバイザ、２……サンバ
イザ本体、３……補助バイザ、４……ホルダ、５
……シヤフト、８……凹部、９……樹脂成形体、
１０……フレーム、１５……押圧バネ、１６……
係合片、１８……係合孔、１９……ロツク解除用
ピン、２０……凸部、２１……バネ、２４……天
井面、２５……ルーフサイド。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 車体側に固定されたシヤフトに回動自在に支持
   されるとともに、一方側縁に形成された開口から
   中央部に向けて凹部が形成されたサンバイザ本体
   と、上記サンバイザ本体の凹部内に収納され、外
   方に突出するようにバネ付勢された補助バイザ
   と、サンバイザ格納時サンバイザ本体の凹部内に
   補助バイザを収納し、所定位置で位置決め係合さ
   せるロツク手段と、サンバイザ使用時上記ロツク
   手段を解除して補助バイザを側方に突出させるロ
   ツク解除手段とを備えた補助バイザ付サンバイザ
   において、 前記ロツク手段は、補助バイザに形成された係
   合片と、サンバイザ本体内に設けられ、上記係合
   片が嵌着する係合孔とからなり、前記ロツク解除
   手段は、シヤフトの周面に形成された凸部と、一
   端をバネ力によりシヤフトの周面に弾接させ、か
   つ他端を上記係合孔内に臨ませるとともに、サン
   バイザ本体の回動操作に伴い上記シヤフトの凸部
   と当接して可動するロツク解除用ピンとから構成
   され、 サンバイザ格納時、上記係合孔内に係合片が嵌
   着することにより補助バイザがサンバイザ本体の
   凹部内に収納ロツクされるとともに、サンバイザ
   使用時、サンバイザ本体をシヤフト廻りに下側へ
   回動させたとき、上記シヤフトの凸部がロツク解
   除用ピンと当接し、バネ押圧方向と逆方向に該ロ
   ツク解除用ピンを可動させ、上記係合片の先端を
   解除側に押圧することにより、補助バイザのロツ
   クが解除され、バネ力により側方に補助バイザが
   突出するようにしたことを特徴とする補助バイザ
   付サンバイザ。