JP2523562B2 - 外来タンパク質を分泌することを目的としたbar1の使用法 - Google Patents

外来タンパク質を分泌することを目的としたbar1の使用法

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Description

【発明の詳細な説明】 本出願は、1985年10月25日に出願された出願番号791,
305号の一部継続出願である。
本発明は、少なくともサッカロミセス・セレビシアエ
(Sacharomyces cerevisiae)のBAR1のシグナルペプチ
ド領域及び本DNA構築物で形質転換される宿主細胞に対
して外来の少なくとも1つの構造遺伝子を含む新しいDN
A構築物に関するものである。上記構築物による宿主生
物の形質転換は、BAR1のシグナルペプチドに融合した外
来の遺伝子によりコードされる構造タンパク質を含む一
次翻訳生産物を発現し、その結果該タンパク質は宿主細
胞の分泌経路を通して処理され、宿主細胞から培地中も
しくはペリプラスミック間隔(periplasmic space)に
分泌される。
異種ポリペプチドの生産に対し、その宿主として種々
の原核及び真核性微生物が用いられている。即ち、その
宿主により自然界では生産されないポリペプチドを、組
換え技術によって生産させる。サッカロミセス・ゼレビ
シアエ(Sacharomyces cerevisiae)、シゾサッカロミ
セス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)、アスペ
ルギラス(Aspergillus)及びニューロスポラ(Newrosp
ora)等を含む種々の真核性菌類は特に興味深い。特
に、出芽イーストS.セレビシアエ(cerevisiae)につい
ては、多くの研究がなされてきている。プラスミドのよ
うな、適当なDNA構築物で形質転換すると、イースト細
胞はそのプラスミド中に含まれている異種遺伝子を発現
することができる。しかし、この技術における主要な限
界は、多くの場合、そのタンパク質生産物が宿主細胞に
よって培地中に分泌されず、その結果、その細胞を破壊
し、そのタンパク質を変性又は不活性化することなし
に、種々の混在する細胞成分からその望ましいタンパク
質を精製しなければならないことである。このように、
形質転換した細胞が、後の生産物の精製が簡単なよう
に、その異種生産物を分泌するようにさせることができ
るのが望ましい。加えて、あるタンパク質の場合には、
宿主細胞の分泌経路に入り、適当な処理、例えばジスル
フィド結合の形成等がなされれば一層好ましい。
S.セレビシアエ(cerevisiae)は、それが本来生産す
るタンパク質を分泌することが知られているが、その経
路に関する知見は、細菌やホ乳動物細胞からのタンパク
質の分泌に関して知られているものに比べると全く限ら
れたものである。酵素のインバターゼ及び酸ホスファタ
ーゼは、細胞壁にも組込まれているが、イーストの分泌
タンパク質の多くは、ペリプラズマ間隙に存在する酵素
である。S.セレビシアエ(cerevisiae)によって培地中
に分泌されることが分っているタンパク質は、接合ホル
モン(α−因子及びα−因子)、キラートキシン及びバ
リヤー活性に関するタンパク質(以後、“バリヤー”と
する)等である。細胞壁を通しての培地への分泌は“エ
キスポート”とも呼ばれる。S.セレビシアエ接合型α細
胞は、培地中に分泌されるα−因子を生産し、一方、a
細胞は、2つの分泌ポリペプチド、a−因子及びバリヤ
ーを生産する。α−因子に対する遺伝子はクローン化さ
れ、配列決定され、解析されている(カージャン(Kurj
an)及びハースコビッツ(Herskovitz)セル(Cell)、
30巻、933〜943頁(1982年))。α−因子遺伝子からの
シグナルペプチド(細胞に、それに付随するタンパク質
を分泌させると考えられている短かいペプチド配列)、
リーダー配列(成熟α−因子から切り離される前駆体ポ
リペプチドを含む)及び非翻訳遺伝子配列(プロモータ
ー及び制御領を含む)は、イースト中で生産された外来
タンパク質の分泌をうながすのに用いることができる
((ブレーク(Brake)等、プロシーディング・イン・
ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス(Proc.Nat
l,Acad.Sci.)USA、81巻、4642−4646頁、1984年)。α
−因子の遺伝子の発現は、MATα1遺伝子生産物により
制御されており、また、α−因子前駆体の成熟タンパク
質へのプロセッシングは、STE13及びKEX2遺伝子の制御
下にあると考えられている、少なくとも2つのステップ
が必要であるようだ。
α−因子とは対照的に、バリヤーは、コンカナバリン
Aに結合する能力に基づいて、グリコシル化されるよう
だ。バリヤーは、a細胞によって生産され、その発現
は、MATα2遺伝子の制御下にあるようである。シグナ
ルペプチドの切断は別として、バリヤー前駆体のプロセ
ッシングは今のところ示されてきていないし、また、ST
E13及びKEX2遺伝子は、バリヤーの発現に関係していな
いと考えられている。
α−因子及びバリヤーの発現とプロセッシングでの上
記の差異のために、これらイースト遺伝子のどれが、特
別な外来タンパク質の分泌をうながすのかにより適当で
あるか一概に言うことができない。この2つのタンパク
質は異なる分泌経路を通して処理されていくようである
ので、バリヤーの分泌系の特性を利用することは望まし
いようだ。
それ故、本発明の目的は、少なくともシグナルペプチ
ドをコードするBAR1遺伝子の一部を含み、かつ宿主細胞
の分泌経路を通してプロセッシングされる異種タンパク
質を微生物宿主内で発現させる外来構造遺伝子をも含む
DNA構築物を提供することにある。
さらに、本発明のもう1つの目的は、宿主細胞の分泌
経路を通してプロセッシングされる外来遺伝子によって
コードされる異種タンパク質又はその1部を生ずる微生
物宿主内での外来遺伝子を発現させる方法を提供するこ
とにある。
本発明のもう1つの目的は、微生物宿主から分泌され
る外来タンパク質を生産する方法を提供することにあ
る。
またもう1つの本発明の目的は、組換えDNA技術によ
る外来タンパク質の生産方法を提供することにある。
もう1つの目的は、組換えDNA技術によって、ヒトの
プロインシュリン及びインシュリンのアミノ酸配列を有
するタンパク質を生産する方法を提供することにある。
これらの及びその他の目的は、次に述べる特定の実施
態様及び請求の範囲から明らかであろう。
本発明は、少なくともサッカロミセス・セレビシアエ
(Sacharomyces cerevisiae)のBAR1遺伝子のシグナル
ペプチドをコードする配列、宿主生物に対して外来の少
なくとも1つの構造遺伝子及びBAR1シグナルペプチド及
び外来タンパク質を含む融合タンパク質の宿主生物内で
の発現を制御するプロモーターを含むDNA構築物及びそ
の使用方法に関するものである。
添 付 図 図1は、BAR1遺伝子のヌクレオチド配列及びそれによ
り誘導された、一次翻訳生産物のアミノ酸配列を示して
いる。MATα2結合部位は下線で示し、シグナルペプチ
ドの推定切断位置を矢印で示し、潜在的なグリコシル化
部位をアステリスクで印を付けた。
図2は、プラスミドpZV9の図である。
図3は、プラスミドp254の構築を説明している。
図4は、プラスミドpZV30、pZV31、pZV32及びpZV33の
構築を説明している。
図5A及び図5Bは、プラスミドpZV50の構築を説明して
いる。
図6は、プラスミドm115の構築を説明している。
図7は、プラスミドpZV49の構築を説明している。
図8は、TP11のプロモーターを含むプラスミドpZV134
の構築を説明している。
図9は、MFα1遺伝子の一部のサブクローニングを説
明している。
図10は、プラスミドpZV75の構築を説明している。
図11は、TPI1プロモーター及びBAR1−MFα1融合物を
含むプラスミドの構築を説明している。
図12は、プラスミドpSW22の構築を説明している。
図13は、BAR1−MFα1融合物を含むプラスミドの構築
を説明している。
図14は、pZV100の構築を説明している。
図15は、プラスミドpZ102の構築を説明している。
図16は、プラスミドpSW96の構築を説明している。
図17は、プラスミドpSW97の構築を説明している。
図18は、プラスミドpSW98及びpSW99の構築を説明して
いる。Δはコドン25の突然変異を示している。
ここで用いられているように、“DNA構築物”という
言葉はその分子中のヌクレオチド配列が天然のものと異
なるように、ヒトの介在により修正されたプラスミドを
含むDNAを意味している。またDNA構築物はそのように修
正を受けたDNA分子のクローンも含んでいる。“発現ベ
クター”及び“発現プラスミド”は、1つの転写開始部
位及び宿主生物中で発現される目的のタンパク質をコー
ドする少なくとも1つの構造遺伝子を含んでいるDNA構
築物として定義される。
通常、発現ベクターは宿主生物中で、目的のタンパク
質の発現及び複製の開始を誘導するプロモーター及びタ
ーミネーターのような適当な領域も含む。本発明に従う
発現ベクターは、通常抗生物質耐性又は栄養要求性マー
カーのための遺伝子のような選択マーカーも含む。
また“DNA構築物”という言葉は、宿主染色体中に組
込まれた発現ベクター領域をも含むと考えられる。
“プラスミド”という言葉は、例えば、通常閉環で自
己複製可能なDNA構築物であるというように、一般的な
意味で使われている。
“シグナルペプチド”という言葉は、生産物を作り出
した細胞の分泌経路中にその生産物を指向ける一次翻訳
生産物のある領域を示している。通常、シグナルペプチ
ドは、そのプロセス中、シグナルペプチダーゼにより、
発生したポリペプチドの残りの部分から切り離される。
シグナルペプチドは、疎水性アミノ酸のコアが存在する
のが特徴で、一次翻訳産物はアミノ基末端から作られ、
そして一般的にその長さは約17から25個のアミノ酸から
成り立っている。シグナルペプチダーゼ切断部位はフォ
ン・ヘインジ(Von Heinje)(ヨーロピアン・ジャーナ
ル・オブ・バイオケミストリー(Eur.J.Biochem.)133
巻、17頁(1983年)により特性が明らかにされた。ここ
で用いられるように、“シグナルペプチド”という言葉
は天然のシグナルペプチドの機能領域をも示している。
本発明は、イーストのBAR1遺伝子又は、少なくともBA
R1のシグナルペプチドをコードする領域と結合する外来
遺伝子を含むDNA構築物で宿主を形質転換することによ
り、その形質転換した細胞がその異種タンパク質を分泌
経路に指向けるようにする方法を提供する。そのように
プロセシングされたタンパク質はペリプラスミック間隙
又は培地中に分泌される。イーストのBAR1遺伝子は、S.
セレビシアエ(cerevisiae)a細菌により分泌されるグ
リコシル化されたタンパク質であると考えられているバ
リヤー活性をコードしている。分泌されたバリヤーは、
接合型a細胞がα因子により誘導されるG1アレスト(ar
rest)に打勝つように働く。バリヤーはプロテアーゼで
あると考えられている。(マネー(Manney)、ジャーナ
ル・オブ・バクテリオロジー(J.Bacteriol.)、155
巻、291〜301頁、1983年)BAR1遺伝子の転写はα−因子
により活性化される。バリヤー、又は類似の活性は、α
又は、a/α細胞中では検出されない。すなわち、BAR1遺
伝子は、これらの細胞中では転写されない。
BAR1遺伝子は2750塩基対配列にわたり、図1にその一
次翻訳産物のアミノ酸配列と共に示した。BAR1のATG翻
訳開始部位は、イーストの遺伝子ライブラリーから得ら
れるフラグメントからサブクローンした図1に示される
およそ2.75kbのフラグメントの681番目の位置に存在す
る。(ナスミス(Nasmyth)及びタッチェル(Tatchel
l)、セル(Cell)19巻、753〜764頁、1980年)。読み
取り枠は+1番のATGコドンで始まり、3′方向に1761
塩基対まで伸びている。BAR1の第一次翻訳産物の最初の
24ヶのアミノ酸は、既知のイースト及びホ乳類のシグナ
ルペプチドと同じであるようだ。このように、24番目の
アラニンはイーストのインバターゼや酸ホスファターゼ
におけるのと同様に切断部位とし使われている。また切
断は23番目のアミノ酸のあとにも起こりうるようだ。成
熟分泌バリヤーのグリコシル化の程度はまだ分っていな
いが、一次翻訳産物中には、少なくとも9個の潜在的な
アスパラギン結合のグリコシル化部位が存在する。BAR1
遺伝子のプロモーター及び制御領域は、その翻訳開始コ
ドンの5′側のおよそ680塩基対の領域内に存在する。
全プロモーター機能及びα−因子による刺激に対する応
答は5′側の非翻訳領域のATGに隣接したおよそ680塩基
対に局在化している。
本発明のDNA構築物は好ましくは、バリヤーと外来タ
ンパク質領域の結合部位に切断部位をコードしている。
その好ましい部位は、S.セレビシアエ(cerevisiae)の
KEX2遺伝子産物により認識され、切断されるアミノ酸配
列、KEX2切断部位である。(ジュリアス(Julius)等、
セル(Cell)37巻、1075〜1080頁、1984年)KEX2部位
は、リジン及びアルギニンのような1対の塩基性アミノ
酸により特徴づけられる。KEX2部位の配列は、Lys−Arg
又はArg−Argであることが望ましい。BAR1一次翻訳産物
は、その構造領域中にそのようなペアーを2組含んでい
る。177−178番目のArg−Argと、404−405番目のLys−L
ysである。上に記したようにKEX2遺伝子は、バリヤー前
駆体タンパク質のプロセッシングには関係していない。
このことは、潜在的なプロセッシング部位はタンパク質
のコンホメーション又は、グリコシル化により妨害され
ていること、さらに、バリヤーは通常α−因子のような
KEX2でプロセッシングされるタンパク質によって用いら
れるのとは異なる経路を通してプロセッシングされるの
かもしれないことを暗示している。しかし、出願社は、
目的のタンパク質と共に、BAR1遺伝子のシグナルペプチ
ドを含むBAR1遺伝子の一次翻訳産物を含む融合タンパク
質中にKEX2切断部位を含めることにより、融合タンパク
質は、KEX2部位で切断し、目的のタンパク質を分泌する
ことを発見した。また、KEX2切断部位を含む融合タンパ
ク質のバリヤー領域のシグナルペプチダーゼによる切断
の効率を減少させることにより、高濃度の目的タンパク
質を分泌することも分った。KEX2切断部位は、BAR1配列
又は目的の遺伝子により与えられることができるし、ま
た、リンカーの付加、特定部位の突然変異誘発、その他
の方法によりその融合物中に導入することができる。
このように、本発明に従って、ATG開始コドン及びシ
グナルペプチドをコードする配列を含むBAR1遺伝子の一
部を目的の外来遺伝子に結合し、真核性宿主細胞に形質
転換することができる。生成した融合遺伝子は、BAR1及
び外来配列の接合部分に、プロセッシング部位、好まし
くはKEX2切断部位を含むことになる。また、このような
構築物は、BAR1遺伝子の5′側非コーディング領域から
の制御領域及びプロモーターを含むことができ、又は、
他の遺伝子からの制御領域及び/又はプロモーターを含
むこともできる。BAR1遺伝子からのプロモーターに加え
て、用いられるその他のプロモーターは、S.セレビシア
エ(cerevisiae)のアルコールデヒドロゲナーゼ又はア
ルコールデヒドロゲナーゼII遺伝子由来のプロモータ
ー、TPI1プロモーターのような S.セレビシアエ(cere
visiae)の解糖系の遺伝子由来のプロモーター及び、分
体性イーストのシゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosa
ccharomyces pombe)を含む、他の種由来の相当する遺
伝子由来のプロモーターを含んでいる(ラッセル(Russ
el)とホール(Hall)、ジャーナル・オブ・バイオロジ
カル・ケミストリー(J.Biol.hem.)258巻、143〜149
頁、1983年、ラッセル(Russel)、ネーチャー(Natur
e)301巻、167〜167頁、1983年)。S.セレビシアエ(ce
revisiae)のアルコール・デヒドロゲナーゼIの遺伝子
は、アメラー(Ammerer)によって述べられている(メ
ソッドイン・エンザイモロジー(Methods in Enzymolog
y)101巻、192〜201頁(1983年)。アルコール・デヒド
ロゲナーゼIIの遺伝子は、ラッセル(Russel)等により
述べられている(ジャーナル・オブ・バイオロジカル・
ケミストリー(J.Biol.Chem.)258巻、2674〜2682頁、1
983年)。S.セレビシアエ(cerevisiae)の解糖遺伝子
については、カワサキ(Kawasaki)(ワシントン大学医
学博士論文、1979年)、ヒッツェマン(Hitzeman)等
(ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー
(J.Biol.Chem.)225巻、12073〜12080頁、1980年)、
カワサキ(Kawasaki)とフランケル(Fraenkel)、(バ
イオケミカル・アンドバイオフィジカル・リサーチ・コ
ミュニケーション(Biochem.Biophys.Res.Comm.)108
巻、1107〜1112頁、1982年)及び、アルバー(Alber)
とカワサキ(Kawasaki)(ジャーナル・オブ・モレキュ
ラーアンドアプライド・ジェネティスク(J.Mol.Appl.G
enet.)1巻、419〜434頁1982年)等により述べられて
いる。
好ましい態様においては、BAR1遺伝子のシグナル・ペ
プチドをコードする配列は、KEX2切断部位を含む融合タ
ンパク質のバリヤー領域のシグナルペプチダーゼ切断の
効率が減少するよう修正されている。これは、好ましく
は、アミノ酸23−24(バリヤータンパク質配列の)接合
部又はアミノ酸24−25接合部等の潜在的切断部位の特定
部位の突然変異誘発により行なわれる。
本発明に従ってDNA構築物を作るのに用いる方法は、
従来の技術を含んでいる。構造BAR1遺伝子又はその一部
及び、発現すべき構造遺伝子は単一のプロモーターの支
配下にあるのが好ましい。DNA断片の連結法は、広く述
べられており、これを成すことは、通常の当業者の能力
範囲にある。発現すべきタンパク質のDNAコード配列
は、基本的に、いかなるタンパク質のものでもよいが、
特に商業的に重要な、インターフェロン、インシュリ
ン、プロインシュリン、α−1−アンチトリプシン、成
長因子及び組織プラスミノーゲン活性化因子のようなタ
ンパク質のものである。BAR1遺伝子もしくはその一部
と、発現すべき構造遺伝子を含むDNA構築物の調製後、
その構築物を形質転換の条件下で、宿主生物へ形質転換
する。原核生物及び真核生物(ホ乳類を含む)を形質転
換する技術は文献的に知られている。
好ましくは、宿主生物は、出芽イーストのサッカロミ
セス・セレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae)の株
であろう。しかし、分体性イーストのシゾサッカロミセ
ス・ポンペ(Schizo−saccharomyces pombe)や、繊維
状菌類アスペルギラス・ニドウランス(Aspergillus ni
dulans)やニューロスポラ(Newrospora)spp.を含む他
の菌類も使用することができる。
次にあげる実施例は、例として与えられたもので、制
限として与えたものではない。特に記述していないかぎ
り、標準的な分子生物学的方法が全体を通し用いられて
いる。制限酵素はベセスダ・リサーチ・ラボラトリーズ
(Bethesda Research Laboratories)、ニューイングラ
ンドバイオラブス(New England Biolabs)及びベーリ
ンガーマンハイムバイオケミカルス(Boehringer Mannh
eim Biochemicals)から購入し、一般的には、膵臓のRN
ase(10μg/ml)を消化のために添加して、製造業者の
指定する方法に従い使用した。T4DNAリガーゼはベセス
ダ・リサーチ・ラボラトリーズ(Bethesda Research La
boratories)もしくはベーリンガーマンハイム(Boehri
nger Mannheim)から入手し、指示された方法に従い使
用した。M13及びpUC宿主株及びベクターはベセスダ・リ
サーチ・ラボラトリーズ(Bethesda Research Laborato
ries)から入手した。M13のクローニングはメッシング
(Messing)により、メソッド・イン・エンザイモロジ
ー(Methods in Enzymology)、101巻、20−77頁(1983
年)に報告した方法に従って行った。DNAポリメラーゼ
I(クレノ−フラグメント)は、マニアチス(Maniati
s)等により述べられた方法に従い使用した:ラボラト
リー・マニュアル(A.Laboratory Manual)、コールト
スプリング・ハーバー・ラボラトリー(Cold Spring Ha
rbor Laboratory)(1982年)。大腸菌培養物の形質転
換はボリバー(Bolivar)等の方法に従った;ジーン(G
ene)、2巻、95〜113頁(1977年)。S.セレビシアエ
(cerevisiae)の培養物はベッグス(Beggs)の方法
(ネイチャー(Nature)、275巻、104〜108頁(1978
年))にマッケイ(Mackay)の修正を加え(メソッド・
イン・エンザイモロジー(Methods in Enzymology)101
巻、325頁(1983年))で形質転換した。支配フェロモ
ンα−因子は、ダンゼ(Duntze)等の方法に(ヨーロピ
アン・ジャーナル・オブ・バイオケミストリー(Eur.J.
Biochem)、35巻、357〜365頁、1973年)、マネー(Man
ney)等の修正(ジャーナル・オブ・セル・バイオケミ
ストリー(J.Cell Biochem.)96巻、1592〜1600頁、198
3年)を加えた方法で調製するか、もしくはシグマ・ケ
ミカル・カンパニー(Sigma Chemical Co.)から購入し
た。オリゴヌクレオチド、アプライド・バイオシステム
(Applied Biosystem)モデル380A DNA合成機で合成
し、変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動により精製し
た。
方 法 (バリヤー活性の検定) 形質転換したイースト細胞によりバリヤー産生の検出
に用いた検定法はバリヤーがα−因子にさらされた感受
性a細胞の増殖の阻害を押さえる能力によっている。テ
スト株は、それがバリヤー活性をもたないという理由
で、RC629(MATαbar1)株のような、α−因子に異常に
感受性を示すものを用いた。寒天プレート上に重層した
乾寒天中に上記の株のローンを作った。十分なα−因子
量(0.05〜0.1ユニット;マネー(Manney)等により検
定された値、同誌)をその重層の上に添加し、細胞の生
育を阻止した。バリヤー産生でスクリーニングされた形
質転換をそのローン上にスポッティングし、形質転換さ
れた細胞によるバリヤーの分泌がスポットの周辺のα−
因子による生育阻害を押え、それにより感受性細胞が再
生することができる。その再生した細胞は形質転換した
細胞のコロニーの正常の滑らかなエッジのまわりの生育
のフリンジとして観察される。このフリッジの存在は、
形質転換した株中のプラスミドがバリヤーの発現及び分
泌をうながしていることを示している。
(IRI及びIRC検定) IRI及びIRC検定は、ノボ・インダストリ(Novo Indus
tri)(バグスバード(Bagsvaerd)、デンマーク)から
入手した市販のキットを使って行った。ギニア豚抗−豚
インシュリン及びギニア豚抗ヒトC−ペプチド抗体はキ
ットのものを使用した。
(IRI鑑定) (1) NaFAM(ウシ血清アルブミンを含むpH7.4の0.04
Mリン酸バッファ)中50μの試料 (2) 50μ抗体(ストックを30倍希釈) (3) 4℃で16〜24時間 (4) 50μの125I−インシュリン(100倍希釈) (5) 4℃で2時間 (6) NaFAM中1%のスタフィロコッカス・アウレウ
ス(Staphylococcus aureus)50μ (7) 0℃、45分間 (8) 1%BSA/TNENで2回洗浄 (9) 遠心及びペレット計数 ペレットをシンチレーション・バイアルに移すまで
は、便宜上各ステップは、マイクロプレート中で行っ
た。
* TNEN:20mM Tris pH8.0 100mM NaCl 1mM EDTA 0.5%NP−40 (IRC検定) (1) NaFAM中の試料50μ (2) 50μ抗体(ストック50倍希釈) (3) 4℃で16〜24時間 (4) 50μの125I−Cペプチド(ストック30倍希
釈) (5) 4℃、2〜4時間 (6) NaFAM中1%のS.アウレウス(aurus)50μ (7) 0℃で45分間 (8) 1%BSA/TNENで二度洗浄 (9) 遠心及びペレットの計数 (α−因子活性検定) 形質転換したイースト細胞によるα因子分泌の検出に
用いた検定法は、感受性a細胞の生育をα因子が阻害す
る能力を利用している。テスト株(S.セレビシアエ(ce
revisiae)RC629株(MATa bar1)のような)は、BAR1遺
伝子中に、バリヤー活性の生産を妨害し、その細胞をα
因子に対し、超感受性にする突然変異を含んでいる。テ
スト株のローンを標準イースト選択合成培地(例えば、
ロイシンを欠いた培地)のプレート上に乾寒天を重層し
たもので作った。α因子輸送でスクリーニングした形質
転換体をそのローン上にスポットし、30℃でインキュベ
ートした。その形質転換体によるα因子の分泌はそのコ
ロニーの周辺のローン内の生育を阻害するであろう。テ
スト細胞のローン中の生育阻害によるハローは、そのコ
ロニーが活性のあるα因子を分泌していることを示す。
ハローの大きさの比較で、各形質転換体により分泌され
るα−因子の相対的量を見積ることができる。
実施例 1 BAR1遺伝子を用いたS.セレビシアエ中でのプロインシュ
リンの発現 全イースト遺伝子を含む組換えプラスミドプールをシ
ャトルベクターYEp13(ブローチ(Broach)等、ジーン
(Gene)、8巻、121〜133頁、1979年)を用いて構築し
た(ナスミス(Nasmyth)及びタッチェル(Tatchel
l)、セル(Cell)、19巻、753〜764頁、1980年))。S
au3Aの部分分解によって生成したイーストのDNA断片をB
amH Iで消化したYEp13に挿入した。そのプラスミドプー
ルをS.セレビシアエ(cerevisiae)XP635−10C株(MATa
leu2−3leu2−112 bar−1−1 qa12:ATCC#20679)に
形質転換し、その形質転換体をロイシン原栄養性及びa
bar 1細胞に阻害的な濃度のα因子を含む培地での生育
により選択した。生じたコロニーはバリヤー活性を分泌
する能力でスクリーニングした。ロイシンへの非依存性
とバリヤー分泌能をもつ2つのコロニーが見つかった。
これらのコロニーはpBAR2及びpBAR3と命名したプラスミ
ドを有している。これら2つの形質転換体から単離した
プラスミドDNAを大腸菌のRRI株(ATCC#31343)を形質
転換するのに用いた。この形質転換体はアンピシリン耐
性により選択した。プラスミドpBAR2及びpBAR3を大腸菌
の形質転換体から精製し、制限エンドヌクレアーゼ消化
とアガローズ又はアクリルアミド電気泳動によりその特
性を明らかにした。プラスミドpBAR2はおよそ9.2キロ塩
基の挿入物を含むことが分った。プラスミドpBAR2で形
質転換した大腸菌RRIは、受理番号39410号としてATCCに
登録した。
サブクローニングによりpBAR3プラスミド挿入物は、p
BAR2の挿入物の一部であるが、ベクター上で、その方向
が逆であることが分った。さらにサブクローニングと、
バリヤー分泌に対するスクリーニングにより、機能性の
BAR1遺伝子配列をおよそ2.75kbの領域に絞ることができ
た。この断片は、コード配列、非翻訳の転写配列、プロ
モーター、制御領域、転写のターミネーター及び隣接す
る染色体配列を含んでいる。
プラスミドpBAR2を制限エンドヌクレアーゼHind III
及びXho Iで消化し、およそ3kbの断片をアガローズゲル
電気泳動で精製した。この断片をHind III及びSal Iで
消化したプラスミドpUC13中に挿入した。pZV9(図2)
と命名した。この組換えプラスミドを大腸菌への形質転
換に用いることができるが、複製に必要な開始点及びイ
ーストベクターに対する選択マーカーを欠いている。大
腸菌RRI株の形質転換体中のプラスミドpZV9を、受理番
号53283号としてATCCに登録した。
プロインシュリンの分泌をうながすのに用いるBAR1遺
伝子に対し、5′側制御領域及びコード配列領域を含む
BAR1遺伝子のフラグメントを用いた。BAR1とプロインシ
ュリン遺伝子断片の融合は、適切な読み枠となるよう
に、また、生成した融合ポリペプチドが望ましくは、生
体内で切断されうるBAR1配列中の個所で行なわれた。BA
R1遺伝子中の数部位が潜在的な切断個所となる;177〜17
8番のArg−Rrgをプロインシュリンの融合のテスト部位
として選んだ。従って、その5′側制御配列及びBAR1コ
ードの配列のおよそ800塩基対を、1.9kbのHind III−Sa
l I断片として、プラスミドから精製した。
図3に、ヒトのプレプロインシュリンのcDNAをサブク
ローニングする方法を示した。ヒトのプレプロインシュ
リンcDNA(pre BCA clone)、p27をPst1で消化したpBR3
22の末端をG−テーリングすること及び、ヒトの膵臓由
来の全RNAを逆転写することにより作った、C−テーリ
ングしたDNAの挿入により作った。プラスミドpBR327は
ソベロン(soberon)等により、ジーン(Gene)、9
巻、287−305頁(1980年)に報告されており、ヒトのプ
レプロインシュリンの配列はベル(Bell)等によりネイ
チャー(Nature)232巻、525−527頁(1979年)に報告
されている。完全な翻訳配列はNco I−Hga I断片として
切り出した。突き出た末端は、DNA−ポリメラーゼI
(クレノーフラグメント)で満たし、合成したEco RIリ
ンカー(GGAATTCC)及びXba Iリンカー(CTCTAGAC)を
同時に結合した。Eco RIとXba Iで切断したpUC13(ビエ
イラ(Vieira)及びメッシング(Messing)、ジーン(G
ene)19巻、259−268頁、1982年;及びメッシング(Mes
sing)メソット・イン・エンザイモロジー(Meth.in En
zymology)101巻、20−77頁(1983年))にそのフラグ
メントをサブクローンした。その5′端へのEco RIリン
カーの付加は、Nco I部位(CCATGG)をその開始コドン
中に維持させるので、プラスミドは340塩基対の挿入物
に隣在するEco RI、Nco I及びXba I部位の存在でスクリ
ーニングされる。これらの性質をもつプラスミドは、図
3に示すようにp47と命名した。5′ブラント末端をも
つプロインシュリン(BCA)断片をプラスミドp47のプラ
イマー修復合成により作った(ローン(Lawn)等、ヌレ
クイック・アシッズ・リサーチ(Nuc.Acids Res.)9
巻、6103−6114頁1981年)。さらにXba Iによる消化でp
UC12に挿入する270縁切対のフラグメントを生成した。
(ビエイラ(Vieira)及びメッシング(Messing)、同
誌、及びメッシング(Messing)同誌)。そのベクター
をHind IIIで消化し、DNAポリメラーゼI(クレノーフ
ラグメント)でブラントエンド化し、Xba Iで消化し、
そしてゲルによる精製をすることにより調製した。1つ
のブラントエンド及び1つのXba I粘着末端を含む、そ
のベクターフラグメントを、上述のBCAフラグメントに
連結した。成熟型のBCAはアミノ酸フェニルアラニンで
開始(コドンTTT)するので、その2つのフラグメント
のブラントエンドの連結は、その結合部にHind III部位
を生ずる。プラスミドは、まず、Hind III部位の再生に
よりスクリーニングし、さらに、M13シーケンシングプ
ライマーを用いて、その結合部を配列決定することによ
り、スクリーニングした。プラスミドp254は正しい配列
を有していた。
図4のように、プラスミドp254をHind III及びEco RI
で消化し、およそ270塩基対のプロインシュリン断片を
ゲルにより精製した。その断片の末端をDNAポリメラー
ゼ(クレノーフラグメント)とデオキシヌクレオチド三
リン酸を用いてブラント化した。Sal Iリンカー配列(G
GTCGACC)を、T4ポリヌクレオチドキナーゼとγ−32P−
ATPを用いて処理し、ブラントエンドをもつプロインシ
ュリン断片に連結した。Sal I及びBam H1による消化
と、1.5%アガロースゲル電気泳動により、Sal I及びBa
m H1粘着末端をもつプロインシュリン断片を生成した。
プロインシュリン断片及び1.9kbのBAR1断片をHind II
I及びBam H1で消化した。pUC13に一緒に連結した。この
構築物は大腸菌K12(JM83)を形質転換するのに用い
た。
形質転換した細胞をアンピシリン耐性及び白色コロニ
ーの産生によってスクリーニングした。さらにHind II
I、Bam H1及びSal Iを用いた制限エンドヌクレアーゼ消
化によるスクリーニングにより、適正な大きさのHind I
II−Bam H1断片及び単一のSal I部位を含むプラスミド
(pZV27)と同定された。
プロインシュリンの第1番目のアミノ酸をBAR1遺伝子
産物のArg−Argの潜在的プロセッシング部位を結合する
ために、BAR1−プロインシュリン融合物中の介在物は欠
失させた。次のような方法によってこの外来物質をルー
プアウトさせるために合成オリゴヌクレオチドを用い
た。図4のように、プラスミドpZV27をHind III及びBam
H1で消化し、およそ2.2kbのBAR1−プロインシュリン融
合物断片をゲルにより精製した。さらに、この断片を、
Hind III及びBam H1で消化した。複製型のファージベク
ターM13mp11(メッシング(Messing)、メソッド・イン
・エンザイモロジー(Meth.in Enzymology)、101巻、2
0−77頁(1983年)中に挿入した。この組換えDNAを大腸
菌K12(JM103)にトランスフェクトした。(メッシング
(Messing)、同誌)。白色プラークをピックアップ
し、その複製型の組換えファージを(Hind III+Sal
I)及び(Sal I+Bam H1)を用いた二重酵素消化による
適正な制限パターンでスクリーニングした。望ましいパ
ターンを示す構築物はmp11−ZV29として知られている。
オリゴヌクレオチドプライマー(配列:3′GGATCTTCTAAA
CACTTG5′)をγ−32P−ATP及びT4ポリヌクレオチドキ
ナーゼでラベルした。さらに7.5pmolのリン酸化プライ
マーを80ngのM13シーケンシングプライマー(ベセスダ
・リサーチ・ラボラトリーズ(Bethesda Research Labo
ratories,Inc.))と合わせ、この混合物を2μgの一
本鎖mp11−ZV29にアニールし、そしてゼラー(Zoller)
等によりオリゴヌクレオチドによる突然変異誘発(ツー
・プライマー法)に対し報告されたように(マニュアル
・フォー・アドバーンスド・テクニックス・イン・モレ
キュラー・クローニング(Manual For Advanced Techni
ques in Molecular Cloning Course)、コールド・スプ
リング・ハーバー・ラボラトリー(Cold Spring Harbor
Laboratory)、1983年)、第2の鎖をT4DNAリガーゼ及
びDNAポリメラーゼI(クレノーフラグメント)を用い
て伸長した。このように調製したDNAを大腸菌K12(JM10
3)にトランスフェクトし、そして、そのプラークを、
プローブとしてリン酸化したオリゴマーを用いてスクリ
ーニングした(ゼラー(Zoller)等、同誌)。
そのように同定されたプラークはファージの複製型
(RF)DNAの調製に用いた(メッシング(Messingu)同
誌)。RFDNAの制限酵素消化により、適正なXba I制限パ
ターン(7.5kb,0.81kb及び0.65kbの断片)及びSal I制
限部位の欠損(BAR1−プロインシュリン融合物の欠失領
域に存在した)を示す2つのクローンが同定された。
これら2つのクローンからのRFDNAをHind III及びBam
H1で消化し、さらに、その各々からの1.9kbの融合断片
をゲルで精製した。これらの断片をHind III及びBam H1
で消化したpUC13及びYEp13ベクター(ブローチ(Broac
h)等、ジーン(Gene)8巻、121−133頁(1979年))
に連結した。引きつづき配列決定するためにpUC/BAR1−
プロインシュリン・ハイブリッドプラスミドを大腸菌K1
2(JM83)を形質転換するために用いた。これら2つの
プラスミドをpZV32及びpZV33と名付けた。YEp13由来の
組換え体を大腸菌RR1に形質転換した(ナスミス(Nasmy
th)及びリード(Reed)、プロシーディング・イン・ナ
ショナル・アカデミー・オブ・サイエンス(Proc.Natl.
Acad.Scl)USA、77巻、2119−2123頁、1980年)。これ
ら2つのプラスミドをpZV30及びpZV31と命名した(図
4)。
pZV32及びpZV33の配列決定をマキサム(Maxam)及び
ギルバート(Gilbert)の方法(メソット・イン・エン
ザイモロジー(Meth.in Enzymology)65巻、57頁、1980
年)で行なった。そのBAR1−プロインシュリン融合体を
その結合部の5′側およそ190bpに位置するBgl II部位
から(プロインシュリン遺伝子中の)結合部の3′側お
よそ140bpのところに位置するSan961部位までの配列を
決定した。これらの実験データはBAR1及びプロインシュ
リン遺伝子間に望ましい融合体が構築されたことを確証
した。
S.セレビシアエ(cerevisiae)XP365−10C株をプラス
ミドpZV30及びpZV31で形質転換した。それをロイシンを
欠く標準イースト合成培地1中で増殖させた。34時間
後、各培養物10ml部分標本にα因子を添加した。さらに
11時間後、その培養物を遠心で収穫した。細胞ペレット
及び上清に対しインシュリン又は、インシュリン様物質
の存在についてテストした。プラスミドpZV31で形質転
換した培養物の上清に関するその2つの検定結果は、各
々、培養培地1ミリリットル当り、3pmoleのIRI物質及
び培養培地1ミリリットル当り、5.8pmolのIRC物質とい
う値を示した。IRIは、正しく折りたたまったインシュ
リン、プロインシュリンまたはその分解産物であり、IR
Cは遊離したC−ペプチド、不適切に折りたたまったプ
ロインシュリン又は、その分解産物である。
実施例2 アルコールデヒドロゲナーゼIのプロモーター、BAR1
遺伝子及びトリオース・ホスフェート・エソメラーゼの
ターミネーターを使用した、S.セレビシアエ(cerevisi
ae)中でのプロインシュリンの発現。
S.セレビシアエ(cerevisiae)のアルコール・デヒド
ロゲナーゼIのプロモーター(以後、ADHIプロモーター
とする。またADCIプロモーターとしても知られてい
る。)を、BARI配列に結合させた外来ポリペプチドの発
現に対して使用することのテストを行なった。これらの
配列を含むプラスミドを構築した。そのプラスミドpZV5
0(図5B)は、S.セレビシアエ(cerevisiae)のADH1プ
ロモーター、上述したBAR1−プロインシュリン融合物及
びS.セレビシアエ(cerevisiae)のトリオース・ホスフ
ェート・イソメラーゼ(TPI1)遺伝子ターミネータ領域
を含んでいる(アルバー(Alber)及びカワサキ(Kawas
aki)、ジャーナル・オブ・モレキュラー・アンド・ア
プライド・ジェネティクス(J.Molec.Appl.Genet.)1
巻、419〜434頁、1982年)それは次のような方法で構築
された。図5のように、プラスミドpAH5(アメラー(Am
merer)、同誌)をHind III及びBam H1で消化し、その
1.5kbのADH1プロモーター断片をゲルで精製した。pUC13
由来のHind III−Eco R1ポリリンカー断片と一緒に、こ
の断片をT4DNYリガーゼを用いて、Eco R1,Bam H1で処理
したpBR327中に挿入した。pAM5と命名したこのプラスミ
ドをSph I及びXba Iで消化し、およそ0.4kbのADHIプロ
モーター断片を2%のアガロースゲルで精製した。プラ
スミドpZV9をXba Iで消化し、そして、およそ2kbの全BA
Rコード領域を含むBAR1断片を同様にゲルで精製した。A
DHプロモーター及びBAR1配列の2つの断片をXba I、Sph
Iで消化したYEp13に連結し、プラスミドpZV24を生成し
た。pZV24のSph I及びBal IIによる消化と、ひきつづく
ゲルによる精製で、ATG翻訳開始コドンは有するが、Arg
−Rrgの潜在的プロセッシング部位を欠いたおよそ800bp
のADH1プロモーター−BAR1の融合体が生じた。BAR1−プ
ロインシュリン融合体を含むプラスミドpZV33をBgl II
及びXba Iで消化し、Arg−Argコドンを含む融合断片
(およそ500bp)を精製した。
図6のように、TPI1ターミネーター、プラスミドpFG1
から得た(アルバー(Alber)及びカワサキ(Kawasak
i)同誌)。pFG1をEco R1で消化し、線状となったプラ
スミド末端をDNAポリメラーゼI(クレノー・フラグメ
ント)でプラント化し、Bam H1リンカー配列(CGGATCC
A)を付加した。その断片をBam H1で消化し、再び連結
してプラスミドp136を生成した。700bpのTPI1ターミネ
ーターを、Xba I−Bam H1断片としてp136から精製し
た。この断片をXba I、Bam H1で消化したYEp13に挿入
し、それをHind IIIで切断、DNAポリメラーゼI(クレ
ノーフラグメント)を用いてブラントエンドとし、そし
て、再連結することにより、プラスミドp270を作った。
そのTPI1断片をp270からXba I−Bam H1断片として精製
しXba I、Bam H1で消化したpUC13に挿入し、プラスミド
m115を作った。
図5Bに示したように、TPI1ターミネーターをXba I及
びSst Iによるプラスミドm115の消化により取り除き、
ゲルによる精製を行った。その3つの断片:ADHI−BARI
融合体、BAR−プロインシュリン融合体及びTPI1ターミ
ネーターを、Sph I及びSst Iで消化したプラスミドpUC1
8に挿入した(ノランダー(Norrander)等、ジーン(Ce
ne)26巻、101〜106頁、1983年)。このDNAを大腸菌K12
(JM83)株を形質転換するのに用いた。
アンピシリン耐性による選択及び白色コロニーの生成
によるスクリーニングにより、望ましい挿入物を含むプ
ラスミド(pZV45)を同定した。つづいて、プラスミドp
ZV45をSph I及びBam H1で消化し、そのADHI−BAR1−プ
ロインシュリン−TPIターミネーター配列をゲルにより
精製した。この断片をSph1及びBam H1で消化したYEp13
に挿入し、S.セレビシアエ(cerevisiae)の発現ベクタ
ーpZV50を作った。
S.セレビシアエ(cerevisiae)XP635−10C株をpZV50
で形質転換し、それを培養、さらに上記実施例1に述べ
た検定を行った。培地中にIRI物質はみつからず、IRC物
質は、ミリリットル当り0.5pmol以下であった。0.1%ノ
ニデットP−40で抽出した細胞は、細胞抽出物ミリリッ
トル当り1pmolのIRC物質を示した。
実施例3 BAR1遺伝子及びS.ポンベのアルコール・デヒドロゲナ
ーゼのプロモーターを用いた、シゾサッカロミセス・ポ
ンベ中でのプロインシュリンの発現。
この実施例は、形質転換したシゾサッカロミセス・ポ
ンベ(Schizosaccharomyces pombe)宿主中で発現した
外来のポリペプチドの分泌をうながすためにBAR1遺伝子
の一部を使用することを示している。S.ポンベ(pomb
e)のアルコール・デヒドロゲナーゼ(ADH)遺伝子を、
BAR1−インシュリン遺伝子融合体に結合したプラスミド
を構築した。
S.ポンベ(pombe)−ADHプロモーターは、ラッセル
(Russell)及びホール(Hall)によって報告されてい
るように(ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミス
トリー(J.Biol.Chem.)258巻、143−149頁、1983
年)、YEp13にクローン化した、S.ポンベ(pombe)972h
-株(ATCC24843)からのDNA断片ライブラリーから得
た。そのプロモーター配列はそのライブラリーから、0.
75kb Sph I−Eco R1断片として精製した。この断片及び
pUC12のEco R1−Hind IIIポリリンカー断片を、Sph I及
びHind IIIで消化したYEp13中に連結した。生じたプラ
スミドはpEV−11として知られている。
S.ポンベ(pombe)の発現ベクターの構築を示した図
7に示すように、ADHプロモーターを、Sph I−Xba I断
片としてpEVP−11から精製した。プラスミドpZV33をXba
I及びBgl IIで消化し、およそ340bpのATG開始コドンを
もつBAR1断片を精製した。pZV33をBgl II及びSst Iで消
化し、BAR1−プロインシュリン融合配列を精製した。こ
の3つの断片をSph I、Sst Iで消化したpUC18に結合
し、プラスミドpZV46を作った。pUC18は、S.ポンベ(po
mbe)の形質転換には有効ではないので、そのプラスミ
ドを、2つの二重酵素消化をほどこした。1つのADHプ
ロモーター−BAR1融合断片をHind III+Bgl II消化によ
り精製し、そして、1つのBAR1−プロインシュリン融合
配列をBgl II+Xba I消化から精製した。これらの断片
をHind III、Xba Iで消化したYEp13に挿入し、S.ポンベ
(pombe)発現ベクターpZV49を作った。
形質転換したS.ポンベ(pombe)の118−4h-株(ATCC
#20680)の1リットル培養を200mg/のアスパラギン
酸及び100mg/のヒスチジン、アデニン、及びウラシル
を含む、標準イースト合成培地(−len D)中で30℃、3
6時間培養した。その培養物を遠心により集菌し、その
上清に対しIRI及びIRC検定を行った。pZV49で形質転換
した細胞からの試料は、IRI物質を1.6pmol/ml及びIRC−
反応性物質を0.5pmol/ml含んでいた。YEp13で形質転換
した培養物からの試料にはIRC反応性物質が検出されな
かった。
実施例4 BAR1シグナルペプチドを用いたアルファ因子の分泌 BAR1のシグナルペプチドに対しイーストの形質転換体
からα因子の分泌をうながす能力についてテストした。
種々の長さのBAR1タンパク質及び、成熟α因子の1個又
は4個のコピーをもつ融合タンパク質をコードするDNA
断片を含むいくつかのプラスミドを構築した。これらの
プラスミドを、a/αデプロイドの宿主にトランスフォー
ムし、その形質転換体に対し、ハロー検定法によりα因
子産生を検定した。
プラスミドpSW94、pSW95、pSW96及びpSW97はS.セレビ
シアエ(cerevisiae)のトリオース・ホスフェート・イ
ソメラーゼ(TPI1)のプロモーター、355bp又は767bpの
BAR1遺伝子断片(各々、BAR1 BAR1コード配列の5′側1
14又は251コドンを含む)、及び1個又は4個のアルフ
ァー因子(MFα1)コード配列を含んでいる。これらの
構築物を表1にあげた。
表 1 プラスミド BAR1断片 α因子 pSW94 355bp 4コピー pSW95 767bp 4コピー pSW96 355bp 1コピー pSW97 767bp 1コピー プスミドpM220(pM210としても知られている)を、TP
I1プロモーター断片源として用いた。pM220で形質転換
した大腸菌RRIを受理番号39853号としてATCCに保管し
た。プラスミドpM220をEcoR1で消化し、その0.9kbのTPI
1プロモーターを含む断片をアガローズゲル電気泳動に
より単離し、DNAポリメラーゼI(クレノーフラグメン
ト)によりブラントエンドとした。
キナーゼによりリン酸化を行ったXba Iリンカーをそ
の断片に結合し、さらにBgl II及びXba Iで消化した。
それからこの修正したTPI1プロモーター断片をpDR1107
の3.4kbBgl II−Xba Iベクター断片に連結し、pZV118を
作った。プラスミドpDR1101を生成する目的で、pIC7
に、900bpのpM220のBgl II−EcoR1 TPI1プロモーター断
片をサブクローニングすることにより(マーシュ(Mars
h)、アーフル(Erfle)及びワイクス(Wykes)、ジー
ン(Gene)、32巻、481−485頁、1984年)、プラスミド
pDR1107を構築した。プラスミドpDR1101をHind III及び
Sph Iで消化し、700bpの部分的なTPI1プロモーター断片
を単離した。pUC18中にサブクローンしたpM220の800bp
のXba I−BamHITPI1ターミネーター断片を含むプラスミ
ドpDR1100をHind IIIとSph Iで消化した。その700bpの
部分的TPI1プロモーターを線状にしたpDR1100に連結しp
DR1107を作った。
その後、pZV118中のTPI1プロモーターの3′端にある
EcoR1部位を破壊した。そのプラスミドをHind III及びE
coR Iで消化し、0.9kbのフラグメントを単離し、そし
て、オリゴヌクレオチドZC708(5′AATTGCTCGAGT3′)
及びZC709(3′CGAGCTCAGATC5′)をアニールすること
により構築した合成リンカーに連結した。そのリンカー
の付加はTPIプモーター断片の3′端のEcoR I部位を除
き、そして、Xho I及びXba I部位を与えた。この断片を
さらにHind III−Xba Iで切断したpUC13に結合した。生
成したプラスミドをpZV134と命名した(図8)。
イーストの接合フェロモンα因子(MFα1)遺伝子の
クローニングはカージャン(Kurjan)及びハースコビッ
ツ(Herskowitz)(同誌)により報告されている。その
遺伝子を同様の方法で、YEp13のBamH I部位にクローン
化した部分消化のSam3A断片のイースト遺伝子ライブラ
リーからこの研究室で単離した。(ナスミス(Nasmyt
h)及びタッチェル(Tachell)、セル(Cell)19巻、75
3−764頁、1980年)。このライブラリーから、mat α2
−34突然変異と同型のイーストの倍数体中でα−因子を
発現するものを単離した。(マネー(Manney)等ジャー
ナル・オブ・セラー・バイオロジー(J.Cell.Biol.96
巻、1592頁、1983年)。このクローンは、カージャン
(Kurjan)及びハースコビッツ(Herskowitz)により特
徴づけられたMFα1遺伝子と重複する挿入物を含んでい
た。pZA2として知られるこのプラスミドを、EcoR Iで消
化し、そのMFα1を含む1.7kbの断片を単離し、EcoR I
で切断したpUC13に連結した。p192と命名したそのプラ
スミドをEcoR Iで切断し、生じた1.7kbのMFα1断片を
単離し、さらにMbo IIで消化した。この550bpのMbo II
−EcoR1断片を単離し、キナーゼによるリン酸化を行っ
たSal Iリンカーに連結した。そのリンカー断片をSal I
で切断した。生じた0.3kbのSal I断片をSal Iで切断し
たpUC4に連結し(ビエイラ(Vieira)及びメッシング
(Messing)、ジーン(Gene)、19巻、259−268頁、198
2年)p489と命名したプラスミドを作った(図9)。
BAR1の一部(114コドン)及びMFα1コード配列を含
む遺伝子融合体を構築した。プラスミドpZV24(実施例
2)をSph I及びBgl IIで消化し、その0.8kbのプロモー
ター−BAR1断片を単離した。プラスミドp489をBamH1で
切断し、その0.3kbのMFα1断片を単離した。これら2
つの断片を(Sph I+BamH I)切断したYEp13に結合し
た。生じたプラスミドをpZV69と命名した(図11)。
α因子前駆体の一部に結合したバリヤーの251のアミ
ノ酸をコードする第2の融合遺伝子を構築した。(Xba
I+Sal I)で切断したpUC13に連結したpZU9由来の、767
bpのXba I+Sal I BAR1断片を含むプラスミドpZV16をSa
l Iによる消化で線状化した。この4.0kbの断片を4個の
α因子をコードする、p489由来の0.3kbのSal I断片と結
合した。正しい方向で、BAR1−MFα1融合体を有するプ
ラスミドをpZV71と命名した。さらに、pZV71由来のBAR1
−MFα1をADH1プロモーターに結合した。プラスミドpZ
V71をXba1及びPst1で消化し、その1.07kbの断片を単離
した。ADH1プロモーターを、pZV24から、0.42kbのSph1
−Xba I断片として単離した。これら2つの断片を(Sph
I+Pst I)で切断したpUC18に結合した。生じたプラス
ミドpZV73をSph1及びBamH1で消化し、発現ユニットを有
する1.5kbの断片を単離し、(Sph I+BamH1)で切断し
たYEp13に連結して、pZV75を作った(図10)。
操作を簡単にするために、pZV69及びpZV75由来のBAR1
−MFα1融合ユニットをTPI1プロモーターとともに、pU
C18にサブクローンした(図11)。プラスミドpZV69を、
EcoK1及びBamH1で消化し、その融合体を含む0.55kbの断
片を単離した。0.9kbのTPI1プロモーター断片はpZV118
をHind III及びEcoK1で消化することにより単離され
た。
0.55kbのBAR1−MFα1断片、0.9kbのTPI1プロモータ
ー断片及び、Hind III及びBamH1で切断したpUC15の三体
を連結した。生じたプラスミドをpSW59と命名した。プ
ラスミドpZV75をEcoR I及びBamH1で消化し、954bpのBAR
I−MFα1融合断片を単離した。このBAR1−MFα1断片
を0.9kbの(Hind III+EcoR1)のTPI1プロモーター断片
及び、Hind III及びBamH1で切断したpUC18と三体連結
し、プラスミドpSW60を作った。
発現プラスミドの構築において、BAR1コード配列の
5′側116bpの源は、次のような方法で構築したpSW22で
ある(図12)。pSW22中のBAR1コード領域はpZV9に由来
している。プラスミドpZV9(実施例1)を、Sal I及びB
amH1で切断し、1.3kbのBAR1断片を単離した。この断片
をSal I及びBamH Iで切断したpUC13にサブクローンし、
pZV17と命名したプラスミドを作った。プラスミドpZV17
をEcoR1で消化し、BAR1のコード領域の3′側0.5kbを除
いた。そのベクターBAR1断片を再連結し、pJH66と命名
したプラスミドを作った。プラスミドpJH66をEcoR1で線
状とし、クレノーフラグメントでブラントエンドとし
た。キナーゼによるリン酸化を行ったBamH Iリンカー
(5′CCGGATCCGG3′)を付加し、過剰のリンカーを再
連結前にBamH Iで消化することにより除いた。生じたプ
ラスミドpSW8をSal I及びBamH Iで切断し、BAR1の252か
ら525のアミノ酸をコードする824bpの断片を単離した。
このBAR1断片を物質P&C末端部分をコードする断片に
融合した(ムンロ(Munro)及びペルハム(Pelham)エ
ンボ・ジャーナル(EMBO.J.)、3巻、3087−3093頁、1
984年)。M13mp8中に物質Pの二量体型をコードする合
成オリゴヌクレオチド配列を含むプラスミドpPM2をムン
ロ(Munro)及びペルハム(pelham)から入手した。プ
ラスミドpPM2をBamH I及びSal Iで消化することにより
線状化し、824bpのBARI断片と連結した。生じたプラス
ミドpSW14をSal I及びSma Iで消化し、871bpのBAR1−物
質P断片を単離した。プラスミドpZV16(図10)をKba I
及びSal Iで切断し、767bpのBAR1 5′側コード配列を単
離した。この断片をXba I及びSma Iで切断したpUCと連
結した、871bpのBAR1−物質P断片と3体連結した。生
じたプラスミドをpSW15と命名した。プラスミドpSW15を
Xba I及びSma Iで消化し、1.64kbのBAR1−物質P断片を
単離した。ADH1プロモーターを、ADH1プロモーターと、
pUC18中のpZV24由来のBAR1 5′コード領域116bpを含む
0.54kbのSph−I−EcoR1断片を含むpRL029から得た。プ
ラスミドpRL029をSph I及びXba Iで消化し、0.42kbのAD
Hプロモーター断片を単離した。TPI1ターミネーター
(アルバー(Alber)及びカワサキ(Kawasaki)ジャー
ナル・オブ・モレキュラー・アンド・アプライド・ジェ
ネティックス(J.Mol.Appl.Gen.)1巻、419−434頁、1
982年)は、pUC18中の0.7kbの(Xba I+EcoR1)断片と
して得た。TPI1ターミネーター及び、クレノーで満たし
たXba I末端とSph I末端をもつpUCを含む線状断片は、
0.42kbのADH1プロモーター断片及び1.64kbのBAR1−物質
P断片と三体連結することによりプラスミドpSW22を作
った。
さらに、プラスミドpSW94を構築した(図13)。BAR1
−物質P融合体及びTPI1ターミネーターを含む2.3kbの
断片を、Xba I−Sst1断片としてプラスミドpSW22から単
離した。pZV134から単離したHind III−Xba I TPI1プロ
モーター断片を(Hind III+Sst I)で切断したpUC18と
ともに、BAR1−物質P−TPI1ターミネーター断片と三体
連結した。生じたプラスミドpSW81をHind III及びEcoR1
で切断し、TPI1プロモーター及びBAR1の5′側116bpを
含む1.02kbの断片を単離した。プラスミドpSW59をEcoR
I及びBamH1で切断し、0.55kbのBAR1−MFα1融合断片を
単離した。さらに、この断片を、pSW81由来のTPI1プロ
モーター−BAR1断片及びHind III及びBamH Iで線状化し
たYEp13と三体連結し、プラスミドpSW94を作った。
pSW95の構築を図13に説明した。プラスミドpSW60をEc
oR I及びBamH1で切断し、954bpのBAR1−MFα1融合断片
を単離した。プラスミドpSW81をHind III及びEcoR1で切
断し、1.02kbのTPI1プロモーター−BAR1断片を単離し、
これを、(Hind III+BamH I)で切断したYEp13にBAR1
−MFα1融合断片と三体連結した。生じたプラスミドを
pSW95と命名した。
唯一のα因子を含むTPI1プロモーター−BAR1−MFα1
融合構築物は、TPI1プロモーター及びMFα1プレプロ配
列を含む(図14、15及び16)BAR1−MFα1融合物(α因
子4コピーをコードする)由来のものである。プラスミ
ドpZV16をEcoR1及びSal Iで消化した。単離した651bpの
BAR1断片をHind III及びSal Iで切断したpUC13に、キナ
ーゼによるリン酸化を行ったHind III−EcoR1 BAR1特異
的アダプターを用いて(オリゴヌクレオチドZC566:5′A
GCTTTAACAAACGATGGCACTGGTCACTTAG3′及びZC567:5′AAT
TCTAAGTGACCAGTGCCATCGTTTGTTAA3′をアニールすること
によって作った)連結した。生じたプラスミドpZV96をH
ind III及びSal Iで消化し、684bpのBAR1断片を単離し
た。プラスミドpM220は、MFα1プレプロ配列に融合し
たTPI1プロモーターを提供した。プラスミドpM220をBgl
II及びHind IIIで消化し、1.2kbのTPI1プロモーター−
MFα1プロプロ断片を単離した。BAR1コード領域の3′
側部分をSal I及びBamH IでpZV9を切断することにより
生成し、1.3kbのBARI断片を単離した。684bpのHind III
−Sal I BAR1断片、1.2kbのBgl II−Hind III TPI1プロ
モーター−MFαプレプロ配列及び1.3kb Sal I−BamH1 B
AR1断片をBamH1で線状化したYEp13と四体の結合を行な
わせた。プロモーター及びMFα−1−BAR1融合物が望ま
しい方向性をもつ構築物をpZV100と命名した(図14)。
操作性のため、pZV100由来の端を切り取ったMFα1プ
レプロ配列−BAR1融合断片を、1.6kbのPst1−BamH1断片
としてpUC13にサブクローンした。生じたプラスミドpZV
101をPst I及びEcoR1で切断し、270bpのMFα1プレプロ
−BAR1断片を単離した。プラスミドpZV69をEcoR1及びBa
mH1で消化し、0.55kbのBAR1−MFα1融合断片(α因子
4コピーをコードしている)を単離した。この断片及び
270bpのMFα1プレプロ−BAR1断片を、Pst I及びBamH1
で切断したpUC13と三体の連結を行った。生成したプラ
スミドをpZV102と命名した(図15)。
さらに、TPI1プロモーター、BAR1の一部及びα因1コ
ピーをコードする配列を含む発現単位を構築した(図1
6)。プラスミドpZV102をPst I及びBamH1で切断し、0.8
2kbのMFα1プレプロ−BAR1断片を単離した。TPI1プロ
モーター及び、pM220由来の端を切り取ったMFα1プレ
プロ配列を含む1kbのHind III−Pst I断片を、Hind III
及びBamH1で切断したYEp13とともに、pZV102から単離し
た0.82kbのMFα1プレプロ−BAR1断片に三体連結した。
生じたプラスミドをpZV102と命名した。プラスミドpZV1
05をHind IIIで切断し、1.2kbのTPI1プロモーター−MF
α1プレプロ断片を単離した。プラスミドpZV102をHind
IIIで消化し、末端のα因子コピーを含むベクター断片
を単離した。この2.8kbのベクター−MFα1断片を1.2kb
のTPI1プロモーター−MFα1プレプロ断片と連結した。
正しい方向性及びMFα1コード配列の単一コピーを有す
るプラスミドをpSW61と命名した。プラスミドpSW61をHi
nd IIIの部分消化により線状化した。プラスミドpZV102
をHind IIIで消化し、0.3kbのBAR1−MFα1断片を単離
した。この断片を線状化したpSW61と連結した。MFα1
開始コドンの3′側264bpのHind III部位における挿入
物をもつプラスミドをpSW70と命名した。プラスミドpSW
70をEcoR I及びBamH1で切断し、361bpのBAR1−MFα1断
片を単離した。プラスミドpSW81(図13)を、Hind III
及びEcoR Iで切断し、1.02kbのTPI1プロモーター−BAR1
断片を単離した。この断片を、Hind III及びBamH1で線
状化したYEp13とともに、BAR1−MFα1断片と三体の連
結を行った。生じたプラスミドpSW96はTPI1プロモータ
ー及び1コピーのα因子コード配列に融合したBAR1の
5′側コード配列356kbを含んでいた。
MFα1コード配列1つと融合した767bpのBAR1を含む
第2のBAR1−MFα1構築物をpZV75からのBAR1断片を用
いて作った。(図17)プラスミドpZV75をEcoR1及びBamH
Iで消化し、954bpのBAR1−MFα1断片を単離した。BAR
1に融合したMFα1プレプロ配列を含むプラスミドpZV10
1をPst I及びEcoR1で切断し、0.27kbのMFα1プレプロ
−BAR1断片を単離した。この断片を、Pst I及びBamH I
で線状化したpUC13とともに、954bpのBAR1−MFα1断片
と三体の連結を行った。生じたプラスミドpZV104をHind
IIIで切断し、0.70kbのBAR1−MFα1断片を単離した。
この断片を、Hind IIIでの部分消化による線状化したpS
W61に連結した。MFα1の開始コドンの3′側264bpのHi
nd III部位における正しい方向の挿入物を含むプラスミ
ドをpSW74と命名した。プラスミドpSW74をEcoR I及びBa
mH Iで切断し、738bpのBAR1−MFα1断片を単離した。
プラスミドpSW81を、Hind III及びEcoR1で切断し、1.02
kbのTPI1プロモーター−BAR1断片を単離した。この断片
を、(Hind III+BamH I)で切断したYEp13とともに、7
38bpのBAR1−MFα1断片と三体の連結を行った。生じた
プラスミドpSW97は、TPI1プロモーター及び1つのα因
子コード配列に融合したBAR1の5′側の767bpを含んで
いる。
a/αデプロイドのS.セレビシアエ(cerevisiae)XP73
3株(MATa leu2−3 leu2−122 bar1−1 gal2/MAT
α leu2−3 leu2−112 bar1−1 gal2)をプラス
ミドpSW73、pSW94及びpSW95で形質転換した。プラスミ
ドpSW73は、TPI1プロモーター、MFα1のシグナルペプ
チド及びプレプロ配列、及びYEp13中の4コピーのα因
子コード領域を含んでいる。その形質転換体を、選択培
地のプレート上に重層した軟寒天中の、S.セレビシアエ
(cerevisiae)RC629細胞のローン上にスポッティング
し、30℃で1晩インキュベートした。pSW73及びコント
ロールを用いたハローの大きさの比較は、pSW94はpSW73
のα因子のおよそ15%を分泌させた。
1つのMFα1コード配列に融合したBAR1を含む構築物
に対し、同じ方法で、α因子の分泌の検定を行った。TP
I1プロモーター、MFα1シグナルペプチド、プレプロ及
びYEp13中の1つのα因子に対するコード領域を含むプ
ラスミドpSW67をプラスミドpSW96及びpSW97に対するコ
ントロールとして用いた。ハローの大きさの比較は、pS
W96がpSW67のα因子のおよそ30〜40%の分泌をうなが
し、そしてpSW97は、pSW67のα因子のおよそ10−15%の
分泌をうながすことを示した。
実施例5 BAR1シグナルペプチド切断部位の突然変異 上記のように、バリヤー前駆体のシグナルペプチド切
断部位を修正するとKEX2経路を通じたバリヤー含有融合
タンパク質のプロセッシング及び分泌が可能になること
が予想できると分った。潜在的な切断部位はアミノ酸23
と24、及びアミノ酸24と25の間にある。そこで、BAR1の
一次翻訳産物をコードするDNA配列を変異させ、25番目
の位置をプロリンとなるようにした。プラスミドpSW98
及びpSW99は、S.セレビシアエ(cerevisiae)のTPI1プ
ロモーター、変異したシグナルペプチド切断部位を含
む、355bp又は767bpのBAR1遺伝子の断片、及びα因子コ
ード配列1コピーを含む、YEp13を基礎としたプラスミ
ドである。
シグナルペプチドの突然変異を、ファージM13テンプ
レート及び変異性合成オリゴヌクレオチド(5′ATTACT
GGCCTACAAACGAT3′)を用いた試験管内標準突然変異誘
発法(ゼラー(Zoller)等、マニュアル・フォー・アド
バーンスド・テクニック・イン・モレキュラー・クロー
ニング・コース(Manual for Advanced Techniques in
Molecular Cloning Course)、コールド・スプリング・
ハーバー・ラボラトリー(Cold Spring Harbor Laborat
ory)1983年)により導入した。ファージテンプレートp
SW54を、0.54kbのpSW22のSph I−EcoR1断片と、Sph I−
EcoR Iで消化したM13mp19を連結することにより構築し
た。試験管内突然変異誘発につづいて、潜在的に変異を
起こしたプラークを、32P−標識した変異性オリゴヌク
レオチドとのプラークハイブリダイゼーションによりス
クリーニングし、突然変異の存在を確かめるために配列
を決定した。突然変異が明確となったファージの1つ、
mZC634−7の複製型DNAをShp I及びEcoR1で消化し、そ
の0.54kb断片を単離し、(Sph I+EcoR1)で切断したpU
C18と連結した。生じたプラスミドpSW66(図18)をHind
III及びXba Iで消化し、ADH1プロモーターを取除き、
そして、ベクター及びBAR1配列を含むその断片を、0.9k
bの、pZV134のHind III−Xba I TPI1プロモーター断片
と連結した。このTPI1プロモーター及びシグナルペプチ
ド切断部位に突然変異を含むBAR1の5端119bpを有する
プラスミドをpSW82と命名した。
図18に示すように、プラスミドpSW82をHind IIIとEco
R1、及びBgl II及びEcoR1で消化し、生じた1.02kbの断
片を単離した。pSW82のHind III−EcoR1断片をpSW74のE
coR1−BamH1断片及び(Hind III+BamH1)で消化したYE
p13と連結しpSW99を作った。pSW82のBal II−EcoR I断
片を、1.3kbのpSW70のEcoR I−BamH1断片及びBamH1で消
化したYEP13と連結し、pSW98を作った。プラスミドpSW9
8は、TPI1プロモーター、突然変異したBAR1配列の5′
側355bp及び単一のα因子コード配列を含んでいる。プ
ラスミドpSW99は、突然変異したBAR1配列767bpをもつこ
と以外は、同一の発現単位を含んでいる。
ハロー検定による分析により、1つのα因子をコード
するプラスミドを用いたときはその切断部位の突然変異
はα因子の分泌を促進させることが示された。pSW98を
含むトランスフォーマントは、野生型コントロールであ
るpSW96を含むものの約50%増のα因子を分泌する。

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下のアミノ酸配列を有するシグナルペプ
    チドをコードするサッカロミセス・セレビシアエBAR1遺
    伝子のコード配列と、 選ばれた宿主に対して外来の構造遺伝子の少なくとも1
    つと、 プロモーターと、 を含むDNA構築物であって、前記プロモーターによっ
    て、前記コード配列と前記構造遺伝子とから得られる融
    合ポリペプチド又はタンパク質の発現が、前記DNA構築
    物で形質転換される前記宿主の細胞中で制御されること
    を特徴とするDNA構築物。
  2. 【請求項2】前記融合ポリペプチド又はタンパク質がKE
    X2プロセッシング部位を含む請求の範囲1に記載の構築
    物。
  3. 【請求項3】前記コード配列が、前記融合ポリペプチド
    又はタンパク質のシグナルペプチダーゼによる切断効率
    を減少するよう修正したものである請求の範囲2に記載
    の構築物。
  4. 【請求項4】前記プロモーターが、イーストの解糖系遺
    伝子プロモーターである請求の範囲1に記載の構築物。
  5. 【請求項5】前記プロモーターが、サッカロミスセ・セ
    レビシアエのBAR1のプロモーター、サッカロミセス・セ
    レビシアエのアルコール・デヒドロゲナーゼIのプロモ
    ーター及びシゾサッカロミセス・ポンベのアルコール・
    デヒドロゲナーゼのプロモーターからなる群から選ばれ
    る請求の範囲1に記載の構築物。
  6. 【請求項6】前記構築物が、pZV30、pZV31、pZV49及びp
    ZV50からなる群から選ばれる請求の範囲5に記載の構築
    物。
  7. 【請求項7】サッカロミセス・セレビシアエのトリオー
    ス・ホスフェート・イソメラーゼ遺伝子の転写ターミネ
    ーター領域を更に含む、請求の範囲1に記載の構築物。
  8. 【請求項8】前記コード配列が、翻訳開始部位の5′側
    に隣接して680塩基対の非翻訳領域を含む請求の範囲1
    に記載の構築物。
  9. 【請求項9】前記コード配列が以下の配列: で示されるヌクレオチド配列を有する請求の範囲1に記
    載の構築物。
  10. 【請求項10】以下のアミノ配列を有するシグナルペプ
    チドをコードするサッカロミセス・セレビシアエBAR1遺
    伝子のコード配列と、 選ばれた宿主に対して外来の構造遺伝子の少なくとも1
    つと、 プロモーターと、 を含むDNA構築物を含有する形質転換真核細胞であっ
    て、前記プロモーターによって、前記コード配列と前記
    構造遺伝子とから得られる融合ポリペプチド又はタンパ
    ク質の発現が、該DNA構築物で形質転換した前記形質転
    換真核細胞中において制御されることを特徴とする形質
    転換真核細胞。
  11. 【請求項11】菌類の細胞である請求の範囲10に記載の
    形質転換真核細胞。
  12. 【請求項12】前記菌類がサッカロミセス・セレビシア
    エである請求の範囲11に記載の形質転換真核細胞。
  13. 【請求項13】前記菌類がシゾサッカロミセス・ポンベ
    である請求の範囲11に記載の形質転換細胞。
  14. 【請求項14】前記菌類がアスペルギラス又はニューロ
    スポラである請求の範囲11に記載の形質転換細胞
  15. 【請求項15】前記コード配列が以下の配列: で示されるヌクレオチド配列を有する請求の範囲10に記
    載の形質転換真核細胞。
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