JP2520895B2 - L―グルタミン酸の製造方法 - Google Patents

L―グルタミン酸の製造方法

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JP2520895B2 JP62047759A JP4775987A JP2520895B2 JP 2520895 B2 JP2520895 B2 JP 2520895B2 JP 62047759 A JP62047759 A JP 62047759A JP 4775987 A JP4775987 A JP 4775987A JP 2520895 B2 JP2520895 B2 JP 2520895B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用技術分野) 本発明は遺伝子工学的手法により育種したグルタミン
酸生産性コリネ型細菌と該細菌を用いるL−グルタミン
酸の製造方法に関する。
(従来の技術) L−グルタミン酸は調味料として幅広い用途があり、
グルタミン酸生産性コリネ型細菌を培養して該細菌にL
−グルタミン酸を生産せしめ、生成するL−グルタミン
酸を該細菌の培養物から分離する発酵法により工業的に
生産されている。発酵法により工業的にL−グルタミン
酸を生産するのに用いられているグルタミン酸生産性コ
リネ型細菌としては、ブレビバクテリウム属、コリネバ
クテリウム属およびミクロバクテリウム属細菌が知られ
ている。これらの細菌を用いてグルタミン酸を製造する
際には、発酵終了時のL−グルタミン酸の培地中への蓄
積濃度を高めること、および使用原料(糖)当りのグル
タミン酸の生成量(対糖収率)を向上させることが工業
的に重要である。上記目的を達成するために、生産菌の
育種改良が種々検討されている。たとえば、グルタミン
酸のアナログ(構造類似体)またはグルタミン酸生合成
経路の各種中間体のアナログ等に耐性を示す菌株を作製
することにより、各種酵素活性のフィードバック阻害や
抑制の解除された菌株を育種する方法、またグルタミン
酸生合成経路の途中より分岐して副生産物の合成に向か
う経路の酵素活性の低下した菌株を育種する方法等が試
みられている。一方、グルタミン酸生合成に関与する酵
素の活性を強化することによりL−グルタミン酸の生産
速度を高めるとともに効率良くL−グルタミン酸を生成
させる試みも近年行われるようになり、この目的を達成
するためにグルタミン酸の生合成経路に関与する各種酵
素遺伝子のクローニングが行われつつある。本発明者ら
は既にグルタミン酸生産性コリネ型細菌の一種であるコ
リネバクテリウム・メラセコラ(Corynebacterium mela
ssecola)801株(微工研条寄第558号)のグルタミン酸
デヒドロゲナーゼ遺伝子(特願昭60−29584),イソク
エン酸デヒドロゲナーゼ遺伝子(特願昭61−8158),ア
コニット酸ヒドラターゼ遺伝子(特願昭61−136083),
クエン酸シンターゼ遺伝子(特願昭61−279888),およ
びホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ遺伝子
(特願昭61−104768)のクローニングに成功しており、
これら遺伝子をそれぞれ単独で含むDNA断片とコリネバ
クテリウム・メラセコラ(Corynebacterium melassecol
a)のベクタープラスミドとの組換えプラスミドを各々
構築後、形質転換によりコリネバクテリウム・メラセコ
ラ(Corynebacterium melassecola)に移入して、各酵
素活性がそれぞ強化された菌株を各々作製することに成
功し、これらの菌株を用いて発酵法によりL−グルタミ
ン酸を製造することを試みた。
(本発明が解決しようとする問題点) しかしながら、上記の各酵素活性がそれぞれ強化され
た菌株を用いて発酵法により得られるL−グルタミン酸
の生産量や収率についてはまだまだ十分に満足のいくも
のではなく、更にL−グルタミン酸の生産性を向上させ
ることが望まれていた。しかしながら、L−グルタミン
酸発酵においてその生産性を十分向上することのできる
菌株については、これまでに報告された例がなかった。
(問題点を解決するための手段および作用) 本発明者らは上記問題を解決すべく鋭意研究を重ねた
結果、グルタミン酸生合成経路に関与する酵素遺伝子の
うち、少なくとも2種以上の酵素遺伝子を組換えDNA技
術を用いることにより同時に強化した種々の菌株を作製
することに成功し、これらの菌株を用いてグルタミン酸
発酵を行ったところ、少なくともグルタミン酸デヒドロ
ゲナーゼ(Glutamate dehydrogenase:GDH)遺伝子とイ
ソクエン酸デヒドロゲナーゼ(Isocitrate dehydrogena
se:ICDH)遺伝子を含む少なくとも2種以上のグルタミ
ン酸生合成経路に関与するグルタミン酸生産性コリネ型
細菌由来の酵素遺伝子を含む組換え体DNAで形質転換さ
れた菌株を用いてグルタミン酸発酵を行なった場合には
親株を使用した場合に比較して培地中へのL−グルタミ
ン酸の蓄積レベルのみならず対糖収率も著しく向上して
いることを見出し、本発明を完成するに到った。
即ち、本発明によれば、グルタミン酸デヒドロゲナー
ゼ(Glutamate dehydrogenase:GDH)遺伝子およびイソ
クエン酸デヒドロゲナーゼ(Isocitrate dehydrogenas
a:ICDH)遺伝子の2種の遺伝子を含み、更に別の酵素遺
伝子を含むかあるいは含まない組換え体DNAを保有する
グルタミン酸生産性コリネ型細菌を培地に摂取して培養
し、該培養物よりグルタミン酸を回収することを特徴と
するL−グルタミン酸の製造方法が提供される。
本発明において、グルタミン酸生合成経路に関与する
酵素遺伝子として用いる遺伝子としては、グルタミン酸
生産性コリネ型細菌由来のグルタミン酸デヒドロゲナー
ゼ(Glutamate dehydrogenase:GDH)遺伝子、イソクエ
ン酸デヒドロゲナーゼ(Isocitrate dehydrogenasa:ICD
H)遺伝子、アコニット酸ヒドラターゼ(Aconitate hyd
ratase:AH)遺伝子、およびクエン酸シンターゼ(Citra
te synthase:CS)遺伝子が挙げられる。本発明において
は、L−グルタミン酸の生産性の点から、これらの酵素
遺伝子のうち少なくともGDH遺伝子およびICDH遺伝子を
必ず含む2種類以上の酵素遺伝子を組合わせて用いる。
本発明のグルタミン酸生産性コリネ型細菌は前記酵素
遺伝子の少なくとも2種を含有する組換え体DNAを保有
する細菌である。前記酵素遺伝子の少なくとも2種を含
有する組換え体DNAは、前記酵素遺伝子の各々を含むDNA
断片を複製可能なベクターに組み入れることによって得
ることができる。複製可能なベクターとしては、グルタ
ミン酸生産性コリネ型細菌の宿主−ベクター系で用いら
れるベクター、例えば、プラスミドpAG1,プラスミドpAG
3,プラスミドpAG50及びそれらのプラスミドより由来す
るプラスミドなどが挙げられる。
前述の各酵素遺伝子を含むDNA断片は、通常の公知の
宿主−ベクター系を用いてグルタミン酸生産性コリネ型
細菌から分離することができる。用いることのできる宿
主−ベクター系の宿主としては、例えば、大腸菌〔エシ
ュリヒア・コリ(Escherichia cili)〕が挙げられる。
大腸菌としては例えばエシュリヒア・コリ(Eschrichia
coli)K12株及びその変異株を挙げることができる。そ
の大腸菌又はその変異株を宿主として用いる宿主−ベク
ター系において使用するベクターとしては上記大腸菌又
はその変異株を形質転換するために通常用いられる公知
のプラスミドを挙げることができる。また、宿主−ベク
ター系として枯草菌の宿主−ベクター系、例えば、バチ
ルス・スブチリス(Bacillus subtilis)168の変異株を
宿主として、そして該細菌に適合するプラスミドをベク
ターとして用いる宿主−ベクター系や、グルタミン酸生
産性コリネ型細菌を宿主として、そして該細菌に適合す
るプラスミドをベクターとして用いる宿主−ベクター系
を用いることもできる。グルタミン酸生産性コリネ型細
菌由来のGDH遺伝子、ICDH遺伝子、AH遺伝子及びCS遺伝
子をそれぞれ含むDNA断片は以下のようにして得ること
ができる。
(1) グルタミン酸生産性コリネ型細菌の菌体より全
DNAを抽出し、制限酵素で切断する。全DNAの抽出は、通
常用いられている方法(リゾチウム・SDS処理とフェノ
ール・クロロホルム処理)により行うことができる。全
DNAの切断に用いる制限酵素としては、上記細菌の全DNA
を適当に切断でき、かつ本目的に使用する大腸菌、枯草
菌又はグルタミン酸生産性コリネ型細菌等のベクターの
開裂に用いることができる制限酵素であればいずれも使
用可能である。この際用いる制限酵素が目的遺伝子の内
部を切断するかどうかは事前に不明なので適当な条件で
制限酵素を弱く作用させ、DNAを部分的に分解すること
により目的遺伝子を完全に含む様な適当な大きさのDNA
断片が得られる。
(2) ベクターDNAが制限酵素で切断・開裂させる。
ベクターDNAの開裂は、ベクターDNAに適当な制限酵素を
充分作用させることにより行なう。
(3) ベクターDNAの開裂部位に(1)で得たDNA断片
を組み込ませ、閉環した組換え体DNAをつくる。ベクタ
ーDNAの開裂部位にDNA断片を組み込ませるには、公知の
常法例えばマニアティスらの方法〔ティー・マニアティ
ス、イー・エフ・フリッチュ、ジュイ・サンブルック:
モレキュラー クローニング ア ラボラトリー マニ
ュアル コールド スプリング ハーバー ラボラトリ
ー コールド スプリング ハーバー エヌ・ワイ・19
82(T.Maniatis,E.F.Fritsch,J.Sambrook:Molecular Cl
oning A Laboratory Manual,Cold Sping Harbor Labora
tory,Cold Spring Harbor N.Y.1982)〕を用いることが
できる。
(4) 組換え体DNAを宿主に移入する。宿主となる菌
株は、目的遺伝子をクローニングした場合宿主の表現型
に変化が現れるものであれば、いずれでも用いることが
できる。一般には、この様な変異株を使用する必要があ
る。たとえば、GDH遺伝子をクローニングする場合に
は、宿主となる菌株はGDH活性を欠損している必要があ
る。同様に、ICDH遺伝子、AH遺伝子及びCS遺伝子をそれ
ぞれクローニンクする場合には、各々宿主としてはICD
H、AH及びCS活性を欠損している必要がある。そうすれ
ば宿主はグルタミン酸を生育の為に要求する。従って、
例えばGDH遺伝子のクローニングの場合前述のGDH欠損体
を用いると外来のGDH産生遺伝子を含むDNA断片が移入さ
れると、その宿主はグルタミン酸を生育に要求しなくな
り他の識別することができる。GDH欠損株を育種する場
合には細菌をN−メチル−N′−ニトロ−N−ニトロソ
グアニジン(N−Methyl−N′−nitro−N−nitrosogu
anidine,NTG)を用いて、公知の常法に従って変異処理
し、さらに公知の常法に従ってL−グルタミン酸要求株
を分離し、それらの酵素活性測定試験を経て、GDH欠損
株を取得することができる。NTG変異処理の代りに、他
の公知の変異誘導法〔例えば、紫外線照射、X線照射、
その他の変異誘起剤処理、挿入配列(Insertion sequen
ce:IS)やトランスポゾン(Transposon)による変異誘
導等〕を用いることもできる。ICDH欠損株、AH欠損株、
CS欠損株についても同様の方法により得ることができ
る。また、研究者や公約機関より分譲されたGDH欠損
株、ICDH欠損株、AH欠損株及びCS欠損株を使用すること
もできる。宿主に選定した菌株が、制限能を有している
場合には、その宿主にベクターDNAを一旦移入し、得ら
れた形質転換株より調製したベクターDNAを前記(2)
で用いる必要がある。組換え体DNAの移入は、公知の方
法例えばマンデルらの方法{マンデル,エム.,ヒガ,エ
イ.:ジェイ.モル.バイオル.,53巻159−162頁1970年
〔Mandel,M.,Higa,A.:J.Mol.Biol.53,159−162(1975
0)〕}あるいはチャングとコーエンの方法{チャン
グ、エス.、コーエン、エス.エヌ.:モレキュラーアン
ドジェネラルジェネティクス、168巻111−115頁、1979
年〔Chang,S.,Cohen,S.N.:Mol.Gen.Genet.,168,111−11
5(1979〕}プロトプラストを用いる方法によって行な
うことができる。
(5) 得られた形質転換体の中から目的遺伝子を有す
る菌株を選択分離する。上記の工程によって得られる菌
株の中で目的遺伝子を有するものはごくわずかなので目
的する菌株を選択する必要がある。一次選択方法として
は、目的遺伝子が移入された菌株の表現型の変化を検出
できる培地で前記(4)で得られた菌体を常法通り培養
する。その結果予定の変化の現れた菌体を選択分離する
ことができる。前記の宿主でGDH産生遺伝子をクローニ
ングする場合には、グルタミン酸無添加合成培地上で生
育する菌株を選択する。最終的に目的遺伝子をクローニ
ングした菌株を選択するには目的遺伝子の産物の有無を
調べる。その結果により目的の菌株が選択できる。目的
遺伝子が酸素遺伝子の場合にはその酵素活性を測定す
る。GDH産生遺伝子をクローニングする場合には、グル
タミン酸無添加合成培地で生育した菌株について、それ
らの細胞抽出液を用いて常法によりGDH活性を測定す
る。その結果、GDH活性を有する形質転換株を分離し、
該株を培養することによりGDH産生遺伝子を含むDNA断片
をクローニングすることができる。ICDH遺伝子、AH遺伝
子及びCS遺伝子をクローニングする場合は、それぞれIC
DH活性、AH活性及びCS活性を測定して、各活性をそれぞ
れ有する形質転換株を分離する以外は上記と同様の方法
によりそれぞれの遺伝子を含むDNA断片をクローニング
することができる。
目的の酸素遺伝子を含むDNA断片は、上述のようにし
て得られる形質転換株から次のようにして分離すること
ができる。まず、得られた形質転換体から該DNA断片を
含有する組換え体DNAを公知の常法によって分離する。
次に得られた組換え体DNAを制限酵素で処理して、ベク
ターDNAと目的の酵素遺伝子を含むDNA断片とに切断し、
次にこれらの制限酵素処理試料を、アガロ−スゲル電気
泳動に供する。その後、目的の分子の長さを有するDNA
断片をアガロースゲルを切り出し、それぞれのアガロー
スゲルを溶かした後、フェノール抽出、フェノール・ク
ロロホルム抽出、クロロホルム抽出、エタノール沈澱に
より、目的の酵素遺伝子を含むDNA断片を分離すること
ができる。
このようにして得られるGDH遺伝子、ICDH遺伝子、AH
遺伝子及びCS遺伝子をそれぞれ含むDNA断片を用いて本
発明の細菌を調製することができる。本発明の細菌の調
製は下記の方法によって行うことができる。
(1)グルタミン酸生合成経路に関与する前記酵素遺伝
子即ちGDH遺伝子、IGDH遺伝子、AH遺伝子及びCS遺伝子
をそれぞれ含有するDNA断片は前述したように、それら
の遺伝子を含む組換え体DNAをそれぞれ該組換え体DNAを
保持する形質転換株から分離生成する。組換え体DNAの
分離は、該菌株を適当な培地で培養後公知の常法たとえ
ば塩化セシウムとエチジウムブロマイドを用いた密度勾
配超遠心法により行うことができる。
(2)まずGDH遺伝子とICDH遺伝子を同時に保有した組
換え体DNAを作製する。この場合、前述のように目的の
酵素遺伝子を含む組換え体DNAから上記酵素遺伝子をそ
れぞれ含むDNA断片を分離し、上記酵素遺伝子を各々含
有するDNA断片を前述の複製可能なベクターに同時にあ
るいは順次組入れて目的とする組換え体DNAを作製する
ことができる。また、既にどちらか一方の酵素遺伝子を
含んだ前記(1)項で得られる組換え体DNAをベクター
として新たに付加すべき他方の酵素遺伝子を含むDNA断
片を該組換え体の適当な制限酵素切断部位に組込むこと
もできる。この場合に用いる制限酵素は、組込むべき遺
伝子を含む断片を切り出すことができ、かつベクタープ
ラスミドの機能発現や既に組み込まれている酵素遺伝子
の発現に影響を与えない部分を切断し開裂させるような
ものを選択する必要がある。組込むべきDNA断片と開裂
したベクタープラスミドDNAを混合後、T4−DNAリガーゼ
でこれら結合させ組換え体DNAを調製し、これを宿主菌
であるグルタミン酸生産性コリネ型細菌に移入する。DN
Aの宿主菌への移入は、プロトプラストを用いる形質転
換法により行うことができる。得られた形質転換株の中
に全て目的の組換え体DNAが含まれているとは限らない
ので、複数個の形質転換株からそれぞれ組換え体DNAを
抽出後、それらの構造を制限酵素を用いた解析により決
定する。目的の組換え体DNAは、数十個から数百個の形
質転換株を調べることにより分離することができる。
(3)目的の組換え体DNAを保持する形質転換株につい
て、確認のために組換え体DNA上の各遺伝子の形質発現
を調べる。形質発現は、形質転換株の目的とする各酵素
活性を、組換え体DNAを保持しない宿主菌の酵素活性と
比較することで簡単に調べることができる。
以上のようにして、GDH遺伝子及びICDH遺伝子の2種
の酵素遺伝子を含む組換え体DNAを保有するグルタミン
酸生産性コリネ型細菌が得られる。
(4) このようにして得られた本発明の組換え体DNA
を前記工程(2)においてベクターとして用いて、前記
(1)から(3)までの操作を繰返してAH遺伝子を含む
DNA断片および/またはCS遺伝子を含むDNA断片を更に組
入れることにより、少なくともGDHとICDHを含む2種乃
至4種の酵素が同時に強化された本発明の菌株(以下し
ばしば多重強化株と称する)を構築することができる。
以下に代表的な例として、コリネバクテリウム・メラ
セコラ(Corynebacterium melassecola)801(微工研条
寄第558号)を上記酵素遺伝子のDNA供与体および宿主と
して用いた場合の多重強化株の作製につき詳しく説明す
る。
多重強化株を作製する際の材料となる組換えプラスミ
ドとして、GDH遺伝子を含むpAG1001、ICDH遺伝子を含む
pAG3001、AH遺伝子を含むpA5001、およびCS遺伝子を含
むpAG4003等が挙げられる。これらプラスミドの制限酵
素による切断点地図は第6図、第10図、第13図、第18図
にそれぞれ示されている通りであり、グルタミン酸生産
性コリネ型細菌のベクタープラスミドpAG50の中にそれ
ぞれGDH遺伝子を含む断片、ICDH遺伝子を含む断片、AH
遺伝子を含む断片、またはCS遺伝子を含む断片が組込ま
れたものである。ベクタープラスミドpAG50は本発明者
らが特開昭61−104791で示したプラスミドであり、また
各種遺伝子を含む組換えプラスミドの詳細もそれぞれ特
願昭60−292584(GDH)、特願昭61−8158(ICDH)、特
願昭61−136083(AH)および特願昭61−279888(CS)に
本発明者らによって記述されている。尚、これらのプラ
スミドは後述の実施例に記載の方法によって調製するこ
とができる。最終的に構築されるべき組換え体DNAで、
本発明のグルタミン酸生産性コリネ型細菌が保有する組
換え体DNAの例としては、後述のプラスミドpIG101,pAIG
321,pCIG231,pCAIG4等が挙げられる。pIG101はpAG50に
グルタミン酸生産性コリネ型細菌由来のGDH遺伝子とICD
H遺伝子が同時に組込まれたものである。pAIG321はAH遺
伝子、ICDH遺伝子およびGDH遺伝子が同時に組込まれた
ものである。また、pCIG231はCS、ICDH、GDHの3種の酵
素の遺伝子がpAG50に同時に組込まれたものである。さ
らにpCAIG4はpAG50にCS、AH、ICDH、およびGDHの4種の
酵素の遺伝子が同時に組込まれたものである。これらプ
ラスミドを用いてグルタミン酸生産性コリネ型細菌を宿
主として形質転換することにより、本発明のグルタミン
酸生産性コリネ型細菌である目的の多重強化株を得るこ
とができる。上記組換えプラスミドpIG101,pAIG321,pCI
G231,pCAIG4に限らず、グルタミン酸生産性コリネ型細
菌のうち宿主−ベクター系として用いられているもので
あるならば該菌株をDNA供与菌としてかつ組換え体DNAの
宿主として使用することで上記と同様の多重強化株が作
製し得ることは明白である。本発明のグルタミン酸生産
性コリネ型細菌の宿主としては、上記のコリネバクテリ
ウム・メラセコラ(Corynebacterium melassecola)801
株及びその他のコリネバクテリウム属に属する細菌、ブ
レビバクテリウム(Brevibacterium)属に属する細菌お
よびミクロバクテリウム(Microbacterium)属に属する
細菌を用いることができる。
このようにして得られた本発明の多重強化株を用いて
グルタミン酸発酵を行なってL−グルタミン酸を製造す
る方法は、公知の従来のグルタミン酸生産菌を使用する
場合とほとんど同じである。すなわちグルコース、シュ
ークロース等の糖類もしくは糖類を含有したデンプンの
加水分解物または糖蜜、エタノール等のアルコール類、
酢酸等の有機酸を炭素源として、またアンモニアや尿素
等を窒素源として使用し、その他の副原料としてビオチ
ンやチアミン等のビタミン類、リン酸またはリン酸化合
物、無機金属塩等を添加した培地で培養すれば良い。ま
た組換え体DNAの脱落を防止する為に必要に応じて抗生
物質等の薬剤(複製可能なベクターとして用いられるベ
クタープラスミドに耐性因子としてコードされているも
の)を添加しても良い。培養を行う装置としては試験管
やフラスコ、ジャーファーメンター等が使用可能であり
工業化スケールで運転することも当然可能である。しか
しながら、実験室レベルで各種菌株のL−グルタミン酸
生産能力を比較する場合には、pHの自動調整ができ、か
つ原料の炭素源や窒素源を培養途中で容易に補添するこ
とのできるジャーファーメンターを用いることが望まし
い。グルタミン酸発酵においては、培地中に著量のL−
グルタミン酸を蓄積させる為に微生物の膜透過性を良く
する必要があるが、これも公知の従来の方法と同じく培
地中のビオチン濃度を制御する方法、培養途中にペニシ
リンや界面活性剤等の薬剤を添加する方法が有効であ
る。用いる培地のpHは通常6.0〜8.0、好ましくは7.0〜
7.6である。
本発明の製造方法において、本発明のグルタミン酸生
産性コリネ型細菌の培養を行なう際の温度は25〜40℃、
好ましくは30〜38℃であり、主培養として20〜50時間、
好ましくは28〜36時間培養を行なう。培養の方法として
は好気的であればよく、振盪培養でも通気撹拌振培養で
もよい。培養により、培養液中に本発明のグルタミン酸
生産性コリネ型細菌の発酵作用によってL−グルタミン
酸が蓄積される。
培養終了後、得られる培養発酵液からL−グルタミン
酸を単離する。L−グルタミン酸を培養液から単離する
方法としては、公知の常法で行うことができる。例え
ば、菌体を遠心分離等で除去した後、イオン交換樹脂を
用いる方法、等電点晶析する方法等公知の方法で効率良
く単離することができる。
以下実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明
が以下の実施例に限定されるものでないことは云うまで
もない。
(実施例) 実施例1 本実施例では、グルタミン酸生産性コリネ型細菌で、
GDHとIGDHの活性が同時に強化された2重強化株を作製
した例を示す。
GDH遺伝子およびICDH遺伝子を含む組換えプラスミド
としてそれぞれpAG1001およびpAG3001を使用した。これ
らプラスミドはそれぞれCorynebacterium melassecola8
01菌由来のGDH遺伝子を含む約5.4Kb(キロベース)のEc
oR I断片がCorynebacterium melassecola801菌のベクタ
ープラスミドpAG50のEcoR I切断部位に組込まれたも
の、およびCorynebacterium melassecola801由来のICDH
遺伝子を含む約3.3KbのSal I断片が上述のプラスミドpA
G50のSal I切断点に組込まれたものである。Corynebact
erium melassecola801は微生物工業技術研究所(微工
研)にに微工研条寄558号として寄託されている。組換
えプラスミドの作製は全て前述のCorynebacterium mela
ssecola801は宿主菌として使用した。
〔1〕 組換えプラスミドpAG1001の調製 (1)コリネバクテリウム・メラセコラ(Corynebacter
ium melassecola)801(微工研条寄第558号)からの全D
NAの調製とその切断 精蜜培地(ビート廃糖蜜80g/、MgSO4・7H2O0.5g/
、尿素8g/、リン酸1.5g/、を含む水溶液をpH6.2
に調整後120℃、15分間細菌して調製する)100mlに、コ
リネバクテリウム・メラセコラ(Corynebacterium mela
ssecola)801(微工研条寄第558号)を植菌し、32℃に
て一晩振盪培養した。得られた培養液より菌体を集め、
洗浄した後、10mMトリス(Tris)−HCl(pH8.0)1mM ED
TAの緩衝液8mlに懸濁した。これにリゾチウムを最終濃
度5mg/mlになるように加え、37℃にて4時間反応させ
た。これにプロナーゼE(シグマ社、米国より購入)を
最終濃度200μ/mlになるように加え、室温で15分間反
応させた。その後、ドデシル硫酸ナトリウムを最終濃度
1%になるように添加して37℃にて1時間反応させた。
反応終了後、反応液と等容のTNE緩衝液〔50mMトリス(T
ris)−HCl、5mM EDTA、100mM NaCl、pH8.0〕で飽和し
たフェノールを加え混合した後、10000rpm(11000g)で
10分間遠心分離して水層を回収した。この水層にフェノ
ール・クロロホルム(1:1、v/v)液を等容加えて混合の
後、10000rpm(11000g)で10分間遠心分離して水層を回
収した。この水層に等容のクロロホルムを加えて混合の
後、10000rpm(11000g)で10分間遠心分離して水層を回
収した。この水層にリボヌクレアーゼA(シグマ社、米
国より購入)を最終濃度40μg/mlになる様に加えて37℃
にて1時間反応させた。反応修了後、1/5容の5M NaCl水
溶液と1/4容の50%ポリエチレングリコール6000水溶液
を添加混合し、4℃にて4時間保持した。次に試料を50
00rpm(2700g)で20分間遠心分離し、沈殿を回収した。
得られた沈殿をTE緩衝液〔10mMトリス(Tris)−HCl、1
mM EDTA、pH7.5〕4mlに溶かし、酢酸ナトリウムを最終
濃度300mMになるように加えて、2培容のエタノールを
添加した。得られた混合物を撹拌の後、−30℃にて3時
間保持し、10000rpm(11000g)で20分間遠心分離し沈殿
を回収した。得られた沈殿を減圧乾燥の後、TE緩衝液2m
lに溶解し、DNA濃度0.85mg/mlの全DNA溶液を得た。
DNAの切断のためには、34μgのDNAに対して、160単
位の制限酵素EcoR I(ニッポンジーン社より購入)を加
え、50mMトリス(Tris)−HCl(pH7.4),10mM MgSO4、1
00mM NaClの緩衝液67μ中で37℃にて30分間反応を行
なわせた。その後、70℃で10分間加熱して、反応を停止
させた。
(2)ベクターpBR325の調製と開裂 エシュリヒア・コリ(Escherichia coli)K12PA340を
50mlのL−ブロス(ポリペプトン10g/、酵母エキス5g
/、NaCl5 g/、pH7.2)に植菌し、37℃にて菌濃度5
×109/mlまで増殖させた後、2℃で集菌した。得られた
菌体を50mlの氷冷した100mM MgCl2水溶液に懸濁した。
得られた懸濁液から菌体を集菌後更に25mlの氷冷した10
0mM CaCl2水溶液に懸濁した。懸濁液を氷中で30分間保
持した後、懸濁液から菌体を集菌して再度5mlの氷冷し
た100mM CaCl2水溶液に懸濁し、氷中で1時間保持し
た。得られた菌懸濁液200μ、0.1μgのpBR325DNA
(ベセスダ リサーチラボラトリー社製、米国)を添加
して、氷中で1時間保持した。その後42℃にて2分間保
持した後、5mlのL−ブロスを添加して、37℃にて90分
間静置培養した。得られた培養液を無菌水で適宜希釈し
て、10μg/mlのテトラサイクリンを含有するL−寒天培
地(L−ブロスに15g/の寒天で添加した培地)に塗布
し、37℃で一晩培養し、プラスミドpBR325で形質転換し
た大腸菌を得た。
ベクターpBR325を保持したエシェリヒア・コリ(Esch
erichia coli)K12PA340を、100mlのテトラサイクリン
(10μg/ml)を含むL−ブロスに植菌し、37℃にて一晩
培養した。同培養液より集菌し、TE緩衝液で洗浄後15%
(w/v)シュークロース、50mMトリス(Tris)−HCl(pH
8.5)、50mM EDTA、2mg/mlリゾチウム(シグマ社製、米
国より購入)よりなる水溶液2mlに懸濁し、37℃にて30
分間反応させた。次にトリトン(Triton)溶液〔0.1%
(w/v)トリトン(Triton)X−100、50mMトリス(Tri
s)−HCl、50mM EDTA、pH8.5〕2mlを加えて、37℃にて3
0分間保持した。次にこの溶液を、5℃にて30000rpm(6
4000g)で1時間遠心分離し上清を回収し、この上清にT
E緩衝液を加えて18mlとした。この液に、10mg/mlのエチ
ジウムブロマイド水溶液1.2mlと塩化セシウム18.64gと
を加えて静かに溶解し、40000rpm(100000g)15℃で48
時間遠心分離した。ベクターpBR325は、紫外線照射によ
り遠心チューブ中、2本のバンドの下方として見い出さ
れ、このバンドを遠心チューブの側壁から注射器で抜き
取ることにより、ベクターpBR325画分を得た。次にこの
分画液を等容量のイソプロピルアルコールで4回抽出し
てエチジウムブロマイドを除去し、その後にTE緩衝液に
対して透析して、DNA濃度130μg/mlのプラスミドpBR325
の透析完了液1mlを得た。
プラスミドpBR325DNA17μgを含む量の上記透析完了
液に対して40単位の制限酵素EcoR Iを加えて、50mMトリ
ス(Tris)−HCl(pH7.4)、10mM MgSO4、100mM NaClの
緩衝液150μ中で37℃にて2時間反応させた。
その後、70℃で10分間加熱して、反応を停止させた。
この反応液に酢酸ナトリウムを最終濃度300mMになる様
に加え、更に2倍容のエタノールを添加して、−30℃に
て3時間保持した。次に12000rpm(8900g)で室温で10
分間遠心分離してDNA沈澱を回収し、得られた沈澱を減
圧乾燥した。乾燥した沈殿をBAPT緩衝液〔50mMトリス
(Tris)−HCl、pH8.4〕200μに溶解し、バクテリア
ル・アルカリ・ホスファターゼ(Bacterial alkaline p
hosphatase)(宝酒造株式会社より購入)を1単位添加
して65℃にて30分間反応させた。更に同じ酵素を1単位
添加して、65℃で30分間反応させた。その後反応液に等
容のTNE緩衝液で飽和したフェノールを加え、混合した
後、12000rpm(8900g)で室温で10分遠心分離して水層
を回収し、更にもう一度同じ操作を繰り返した。次に水
層に等容のフェノール・クロロホルム(1:1、v/v)液を
添加して混合した後、12000rpm(8900g)で室温で10分
間遠心分離し、水層を回収した。更に水層に等容のクロ
ロホルムを添加して撹拌した後、12000rpm(8900g)で
室温で10分間遠心分離し、水層を回収した。該水層に酢
酸ナトリウムを最終濃度300mMになる様に加え、更に2
倍容のエタノールを添加し撹拌した後、−30℃にて3時
間保持した。その後、12000rpm(8900g)で10分間遠心
分離し、DNA沈澱を回収した。これを減圧乾燥した後、2
3μのTE緩衝液で溶解した。
(3)DNAの組換え反応 実施例1工程(1)のDNA2.4μgと前記実施例1工程
(2)のDNA1.4μgと3単位のT4ファージDNAリガーゼ
(ニッポンジーン社より購入)とを、50mMトリス(Tri
s)−HCl(pH7.4)、10mM MgCl2、10mMジチオトレイト
ール(Dithiothreitol)、1mMスペルミジン(Spermidin
e),1mM ATP,0.1mg/mlウシ血清アルブミン(Bovine ser
um albumin、以下しばしばBSAと略す)(ベセスダリサ
ーチラボラトリー社、米国より購入)の緩衝液100μ
中で、15℃にて一晩反応させた。その後、70℃にて10分
間加熱することにより、反応を停止させた。
(4)組換えプラスミドの大腸菌への移入 前記工程(2)の方法により、エシェリヒア・コリ
(Eecherichia coli)K12 PA340のコンピテント細胞
(Competent cell)を調製した。コンピテント細胞懸濁
液400μと前記工程(3)の反応液40μとを混合し
て、氷中に1時間保持した。
その後、42℃にて2分間加熱した後、5mlのL−ブロ
スを添加して37℃にて90分間静置培養した。次に、得ら
れた培養液から菌体を集菌し、無菌水に懸濁した。得ら
れた懸濁液を、合成寒天培地(Na2HPO46g/、KH2PO43g
/、NaCl0.5g/、NH4Cl1g/、MgSO41mM、CaCl20.1m
M、グルコース2g/、寒天15g/、L−スレオニン0.3m
M、L−ロイシン0.3mM、L−ヒスチジン0.1mM、L−ア
ルギニン0.6mM、チアミン0.05mM)に塗布して培養し
た。
(5)コリネバクテリウム・メラセコラ801 (Corynebacterium melassecola801)(微工研条寄第55
8号)のGDH産生遺伝子を有する大腸菌の選択分離 前記実施例1工程(4)で得られた菌体を、クロラム
フェニコール(20μg/ml)とテトラサイクリン(10μg/
ml)とを含む前記合成寒天培地と、テトラサイクリン
(10μg/ml)のみを含む前記合成寒天培地とでそれぞれ
培養し、生育の有無を調べた。クロラムフェニコール感
受性テトラサイクリン耐性グルタミン酸非要求性を示す
大腸菌の細胞を分離した。分離した細胞は目的のGDH産
生遺伝子を保持しており、これをエシェリヒア・コリ
(Escherichia coli)K12 PA340(pAG103)と命名し
た。
分離した大腸菌のGDH活性を、下記の方法で測定する
ことにより、クローニングした遺伝子がGDH産生遺伝子
であることを確認した。合成液体培地(KH2PO413.6g/
、K2SO42.61g/、MgSO4・7H2O0.2g/、CaCl210mg/
、FeSO4・7H2O0.5mg/、グルコース4g/、NH4Cl3g/
、L−スレオニン0.3mM、L−ロイシン0.3mM、L−ヒ
スチジン0.1mM、L−アルギニン0.6mM、チアミン0.05m
M、pH7.2)100mlに、エシェリヒア・コリ(Escherichia
coli)K12 PA340(pAG103)を植菌し、37℃で一日培
養した。該大腸菌を集菌後、2mlのTM緩衝液(50mMトリ
ス(Tris)−HCl、10mM2−メルカプトエタノール、pH7.
6)に懸濁した。これを超音波処理した後14000rpm(200
00g)で20分間遠心分離して、細胞抽出液(粗酵素液)
を調製した。尚、エシェリヒア・コリ(Escherichia co
li)K12 PA340やエシェリヒア・コリ(Escherichia co
li)K12 PA340(pBR325)を培養する場合には、前記合
成液体培地に、10mMグルタミン酸ナトリウムを添加し
た。
GDH活性は、2.5mlの酵素反応液〔50mMトリス(Tris)
−HCl、40mM NH4Cl、0.25mM NADPH、5mMα−ケトグルタ
ル酸、10〜100μ細胞抽出液、pH7.6〕の340nmの吸光
度の減少を、日立製作所製分光光度計(228型)で測定
することにより求めた。また細胞抽出液の蛋白質濃度の
測定にはローリー(Lowry)ら〔オー.エイチ.ローリ
ー(O.H.Lowry),エヌ.ジェイ.ローウェブロー(N.
J.Rowebrough),アール.ジェイ.ランダル(R.J.Rand
all),ジェイ.バイオル.ケム(J.Biol.Chem.)193巻
265頁(1951年)〕の方法を用いた。尚、上記測定の標
準蛋白質として、牛血清アルブミン(和光純薬工業社よ
り購入)を用いた。
結果を第1表に示す。
第1表のGDH比活性測定結果より、エシェリヒア・コ
リ(Escherichia coli)K12 PA340(pAG103)は、極め
て高いGDH比活性を有していた。
(6)複合プラスミドpAG103の分離と解析 プラスミドpBR325で形質転換されたエシェリヒア.コ
リK12PA340株の代わりにエシェリヒア・コリ(Escheric
hia coli)K12 PA340(pAG103)を用いる以外は前記工
程〔1〕−(2)と実質的に同じ方法でプラスミドpAG1
03のDNAを分離精製して150μgのプラスミドpAG103のDN
Aを得た。このDNAから各々0.3μgの試料を調製しこれ
に、各々10単位の制限酵素EcoR I、BamH I、Bal II、Hi
nd III(ニッポンジーン社より購入)Pst I(ベセスダ
リサーチラボラトリー社、米国より購入)、Sac I(宝
酒造株式会社より購入)、Sal I(ニッポンジーン社よ
り購入)、Xba I(ニッポンジーン社より購入)、Xho I
(宝酒造株式会社より購入)を単独でおよび組合せて、
それぞれの適正緩衝液20μ中にて37℃で2時間反応さ
せた。その消化した試料をマニアティスら(T.Maniati
s,E.F.Fritsch,J.Sambrook:Molecular Cloning ALabora
tory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spr
ing Harbor N.Y.P.150〜185,1982)の方法により、1%
(w/v)アガロースゲル電気泳動、および4%(w/v)ポ
リアクリルアミドゲル電気泳動に供した。泳動の終った
ゲルを1μg/mlエチジウムブロマイド水溶液に浸漬して
30分間染色した後、紫外線をゲルに照射して生成したDN
A断片に対応するバンドの数を判定し、各断片の泳動距
離から各々の分子の長さを算出した。尚、分子の長さ
は、アガロースゲル電気泳動の場合は同一アガロースゲ
ル上で同時に電気泳動したラムダファージ(λ phage)
DNA(ニッポンジーン社より購入)の制限酵素Hind III
による消化によって得られる既知の分子の長さ断片の泳
動距離との比較により、またポリアクリルアミドゲル電
気泳動の場合は同一ポリアクリルアミドゲル上で同時に
電気泳動したファイエックス174ファージ(φX174phag
e)DNAの制限酵素Hae IIIによる消化によって得られる
既知の分子の長さの断片(ベセスダリサーチラボラトリ
ー社、米国より購入)の泳動距離との比較により算出し
た。更に、複数の制限酵素処理によって生じた消化断片
を解析することにより、プラスミド分子中の各制限酵素
切断部位を決定した。この様にして得られたプラスミド
pAG103の制限酵素切断地図を第1図に示す。各DNA断片
の分子長さ決定には、約1.0kb以上の分子長さについて
は1%アガロースゲル電気泳動を用い、約0.1kbから約
1.0kb未満の分子長さについては4%ポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動を用いた。
その結果、プラスミドpAG103は、ベクターpBR325の制
限酵素EcoR I切断部位に約5.4キロベースの外来のEcoR
I断片が組込まれていた。このEcoR I断片が、コリネバ
クテリウム・メラセコラ(Corynebacterium melassecol
a)801(微工研条寄第558号)由来のGDH産生遺伝子を含
むDNA断片である。
プラスミドpAG103DNAをプラスミドpBR325の代わりに
用いる以外は前記実施例1工程(2)と実質的に同様の
方法でエシェリヒア・コリ(Escherichia coli)K12PA3
40を形質転換して形質転換体を得た。得られた形質転換
体を薬剤耐性及び栄養要求性に関して調べた結果、調べ
た形質転換株は、全てテトラサイクリン耐性アンピシリ
ン耐性クロラムフェニコール感受性グルタミン酸非要求
性であった。更に、該形質転換株について、それらが保
有するプラスミドを解析した結果、それらのプラスミド
は、供与プラスミドと比べて制限酵素切断様式で同一と
判定されるプラスミドであった。
(7)GDH産生遺伝子を含む約5.4キロベースのDNA断片
の分離 前記実施例1工程(6)で調製したプラスミドpAG103
のDNA20μgに対して、100単位の制限酵素EcoR I、Sal
Iをそれぞれ加えて、50mMトリス(Tris)−HCl(pH7.
4)、10mM MgSO4、100mM NaClの緩衝液100μ中で、37
℃にて2時間反応させた。消化して得られた試料は、ベ
セスダ・リサーチ・ラボラトリー社、米国より購入した
LMPアガロース(Agarose)を使用し、4℃で電気泳動を
行なう以外は前記と同様の方法により、1%アガロース
ゲル電気泳動に供した。次に、アガロースゲルをエチジ
ウムブロマイドで染色して紫外線照射下に置き、GDH産
生遺伝子を含む約5.4キロベースのDNA断片の存在を確認
し、その付近のアガロースゲルを切り出した。切り出し
たアガロースゲルにその重量の3倍量のTE緩衝液を加え
て、65℃で10分間保持し、アガロースゲルを完全にTE緩
衝液に溶解した。次に、等容のフェノールを添加して、
撹拌の後、水層を回収した。該水層に等容のフェノール
・クロロホルム(1:1,v/v)液を添加して、撹拌の後、
水層を回収した。得られた水層に等容のクロロホルムを
添加して、撹拌の後、水層を回収した。得られた水層に
酢酸ナトリウムを最終濃度300mMになるように添加し、
更に2倍容のエタノールを加えて撹拌の後、−30℃にて
3時間保持した。その後、10000rpm(9000g)で室温で1
0分間遠心分離して、DNAの沈澱を回収した。次に、得ら
れた沈澱を減圧乾燥後、GDH産生遺伝子を含む約5.4キロ
ベースのDNA断片を約2μg取得した。
(8)プラスミドpAG50の作成と該プラスミド保有コリ
ネバクテリウム・メラセコラ(Coryhebacterium melass
ecola)801(pAG50)からの該プラスミドの分離 プラスミドpAG50は、次の方法で作成した。先ずプラ
スミドpAG1を縮小化してプラスミドpAG14を作成し、該
プラスミドよりテトラサイクリン耐性遺伝子を含むDNA
断片を分離した。次に該DNA断片をプラスミドpAG3に組
込んでプラスミドpAG50を作成した。以下、上述の操作
について詳細に説明する。
コリネバクテリウム・メラセコラ(Coryhebacterium
melassecola)22243(微工研条寄第560号)菌体からの
プラスミドpaG1の分離 上記菌株を、半合成培地〔(NH42SO410g、尿素3g、
K2HPO41g、NaCl50mg、MgSO4・7H2O400mg、MnSO4・4−6
H2O2mg、FeSO4・4−6H2O2mg、グルコース20g、ビオチ
ン50μg、チアミン塩酸塩200μg、酵母エキス1gを純
水に溶かして1とし、pH7.2に調製した培地〕で、32
℃、1晩振盪培養し、得られた培養液8mlを200mlの前記
半合成培地に移植して、32℃で5時間振盪培養した。
培養液から菌体を集菌し、リゾチウム液〔50mMグルコ
ース、10mM EDTA、25mMトリス(ヒドロキシメチル)ア
ミノメタン〔Tris(hydroxymethyl)−aminomethane:Tr
is〕、10mg/mlリゾチウム(シグマ社、米国より購
入)、pH8.0〕10mlに懸濁し42℃で1時間反応させた。
本反応液にアルカリ−ドデシル硫酸ナトリウム(Sodium
Dodecylsulfte以下SDSと略す)液〔0.2N NaOH、1%
(w/v)SDS〕20mlを添加撹拌の後、氷中に5分間置い
た。次に本反応液に、氷冷した酢酸カリウム溶液(5M酢
酸カリウム水溶液60ml、酢酸11.5ml、純水28.5mlの混合
液)15mlを添加撹拌の後、氷中に10分間置いて溶菌物を
得た。溶菌物の全量を遠心管に移し、4℃、5分間、1
2,000rpm(13000g)の遠心分離を行い、上澄液を回収し
た。これを等容のフェノール・クロロホルム液(1:1)
で抽出して水層を回収した。これに2倍容のエタノール
を添加撹拌して、5分間室温に置き、20℃で10分間、1
0,000rpm(11,000g)の遠心分離を行い沈殿を得た。得
られた沈殿を、70%(v/v)エタノール水溶液で洗浄の
後減圧の後減圧乾燥して、TE緩衝液〔10mMトリス、1mM
EDTA、pH7.5〕20ml中に溶解した。この液に、10mg/mlエ
チジウムブロマイド水溶液1.2mgと塩化セシウム23.6gと
を加えて静かに溶解し、40,000rpm(100,000g)15℃で4
8時間遠心分離した。紫外線照射により遠心チューブ
中、2本のバンドが見出され、下方のバンドを遠心チュ
ーブの側壁から注射器で抜き取ることにより、プラスミ
ドpAG1を得た。次いでこの分画液を等容量のイソプロピ
ルアルコールで4回抽出してエチジウムブロマイドを除
去し、その後にTE緩衝液に対して透析して、DNA濃度50
μg/mlのプラスミドpAG1の透析完了液1mlを得た。プラ
スミドpAG1を前記工程〔1〕−(6)の方法により解析
して制限酵素切断地図を作成した。結果を第2図に示
す。
プラスミドpAG1の試験管内DNA組換え 前記工程(8)−で調製したプラスミドpAG1のDNA
0.5μgに対して10単位の制限酵素EcoR Iを加え、5mMト
リス(Tris)−HCl(pH7.4)、10mM MgSO4、100mM NaCl
の緩衝液40μ中で、37℃にて2時間反応させた。その
後70℃で10分間加熱して反応を停止させた。この反応液
20μと3単位のT4ファージDNAリガーゼ(ニッポンジ
ーン社より購入)とを、50mMトリス(Tris)−HCl(pH
7.4)、10mM MgCl2、10mMジチオトレイトール(Dithiot
hreitol)、1mMスペルミジン(Spermidine)、1mM AT
P、0.1mg/ml BSA(ベセスダ リサーチ ラボラトリー
社、米国より購入)の緩衝液50μ中で15℃にて1晩反
応させた。
プラスミドpAG14の取得 (プラスミドのキュアリング) コリネバクテリウム・メラセコラ(Corynebacterium
melassecola)22243(微工研条寄第560号)をLG培地
(トリプトン10g、酵母エキス5g、NaCl5g、グルコース2
gを純水に溶かして1とし、pH7.2に調整した培地)5m
lに一白金耳植菌して、37℃で1晩振盪培養した。この
培養液を無菌水で希釈してLG寒天培地(LG培地に1.5重
量%の寒天を添加した培地)に塗布し、32℃で2日間培
養した。生じたコロニー100個を取り、テトラサイクリ
ン10μg/mlを含有するLG寒天培地に釣菌した。32℃で2
日間培養して2株のテトラサイクリン感受性株を選択し
た。得られた2株のテトラサイクリン感受性株につい
て、前記と同様なプラスミドの単離法によりプラスミド
pAG1の存在を調べた。その結果得られた2株のテトラサ
イクリン感受性株は、いずれもプラスミドを保持してい
ないプラスミドキュアード(Plasmid−cured)株であっ
た。これらの一方の株を以後の形質転換実験の宿主とし
て用いた。
(形質転換) コリネバクテリウム・メラセコラ(Corynebacterium
melassecola)22243(微工研条寄第560号)より前記の
操作で分離したプラスミドキュアード株を、前記半合成
培地で32℃、12時間振盪培養し、その培養液0.5mlを同
じ半合成培地50mlに植菌して32℃で振盪培養した。日立
製作所製分光光度計(228型)で波長660nmにおける吸光
度(OD)を測定し、ODが0.2になった時点で培養液にペ
ニシリンGを0.3単位/mlの濃度になるように添加した。
添加後更に32℃で1.5時間培養を続けた。
その培養液より集菌し、R培地〔グルコース5g、カザ
ミノ酸10g、酵母エキス10g、K2HPO40.35g、KH2PO40.15
g、シュークロース137g、N−トリス(ハイドロキシメ
チル)メチル−2−アミノエタンスルホン酸(TES:N−T
ris(hydroxymethyl)methyl−2−aminoethansulfonic
acid)5.73g、MgCl20.95g、CaCl21.11gを純水に溶かし
て1とし、NaOHでpH7.2に調整した培地〕5mlに懸濁し
た。この菌懸濁液4.5mlに、3mg/ml濃度のリゾチウムを
含有するR培地(ミリポアフィルターで除菌した)0.5m
lを添加して、35℃で5時間静置し反応させてプロトプ
ラスト化細胞を得た。反応混合物を7,000rpm(4500g)
で5℃で7分間遠心分離してプロトプラスト化した細胞
を回収し、R培地5mlに懸濁した。同様の操作を更にも
う一度行った後、R培地5mlに再懸濁してプロトプラス
ト懸濁液とした。
前記工程(8)−で得られたリガーゼ反応液50μ
と2倍濃度TSMC液(TSMC液は、TES25mM、シュークロー
ス0.4M、MgCl210mM、CaCl230mMを含み、NaOHでpH7.2に
調整した水溶液である)50μとの混合液を上記プロト
プラスト懸濁液0.5mlに添加混合した。その後更にPEG液
〔TSMC液にポリエチレングリコール6,000(Polyethylen
eglycol6000)を40%(w/v)濃度に溶解する〕1.5mlを
添加してゆるやかに混和し、2分間室温で静置した。そ
の後R−PVP液〔R培地にポリビニルピロリドン(PVP:P
olyvinyl pyrrolidone)40g/を添加する〕5mlを添加
して、4,000rpm(1800g)で室温で10分間遠心分離して
上澄液を除去した。同様の遠心分離条件で洗浄操作を更
にもう一度行いプロトプラストを沈殿として得た。得ら
れたプロトプラストを0.5mlのR−PVP液にゆるやかに懸
濁した。得られた懸濁液を3時間、30℃に保った後、R
−PVP液で希釈し、希釈懸濁液を得た。一定量の希釈懸
濁液をテトラサイクリン10μg/ml濃度を含む再生培地に
植菌した。再生培地はR培地にPVP40g/、寒天15g/
を添加して得られる下層寒天培地と、その上に重層され
た、PVP40g/、寒天6g/を添加して得られる上層寒天
培地とからなる重層寒天培地である。植菌はプロトプラ
スト懸濁液を溶けた上層寒天培地3mlと混合して、下層
寒天培地上に重層することにより行なった。植菌した再
生培地を32℃で4日間培養してテトラサイクリン耐性形
質転換株を得た。
出現したテトラサイクリン耐性形転換株から任意に10
株を選び、テトラサイクリン10μg/ml濃度を含むLG寒天
培地上で純化した後、工程(8)−でプラスミドpAG1
を分離した方法と実質的に同様の方法により、各菌株か
らプラスミドを分離した。各プラスミドDNA0.5μgに対
して前記工程(6)の方法により、各プラスミド中の制
限酵素切断部位を決定した。その結果、プラスミドpAG1
4を取得した。このようにした得られたプラスミドpAG14
の制限酵素切断地図を第3図に示す。
このプラスミドDNAを用いて、前記と実質的に同様な
方法で、コリネバクテリウム・メラセコラ(Corynebact
erium melassecola)22243(微工研条寄第560号)のプ
ラスミドキュアード株を形質転換した。得られたテトラ
サイクリン耐性株について、それらが保有するプラスミ
ドを解析した結果、それらのプラスミドは、供与プラス
ミドと比べて、制限酵素切断様式で同一と判定されるプ
ラスミドであった。
プラスミドpAG14からのテトラサイクリン耐性遺伝子
を含むDNA断片の分離 前記工程(8)−で調整したプラスミドpAG14のDNA
20μgに対して、100単位の制限酵素BamH I、Bal IIを
同時に加えて、10mMトリス(Tris)−HCl(pH7.4)、10
mM MgSO4、50mM NaCl、1mMジチオトレイトール(Dithio
threitol)の緩衝液100ml中で、37℃にて2時間反応さ
せた。消化した試料は、前記工程(6)の方法により、
1%アガロースゲル電気泳動に供した。ただし、ベセス
ダ・リサーチ・ラボラトリー社、米国より購入したLMP
アガロース(Agarose)を使用し、4℃で電気泳動し
た。次に、エチジウムブロマイドで染色したアガロース
を紫外線照射下に置き、テトラサイクリン耐性遺伝子を
含む約3.1キロベースのDNA断片の存在を確認し、その付
近のアガロースゲルを切り出した。切り出したアガロー
スにその重量の3倍量のTE緩衝液を加えて、65℃で10分
間保持し、アガロースゲルを完全に溶かした。次に等容
のフェノールを添加して、撹拌の後、水層を回収した。
得られた水層に等容のフェノール・クロロホルム(1:
1)液を添加して、撹拌の後、水層を回収した。得られ
た水層に等容のクロロホルムを添加して、撹拌の後、水
層を回収した。得られた水層に、酢酸ナトリウムを最終
濃度300mMになるように添加し、更に2倍容のエタノー
ルを添加して3時間保持した。その後、10,000rpm(9,0
00g)で室温で10分間遠心分離して、DNAの沈殿を回収
し、得られた沈殿を減圧乾燥した。
プラスミドpAG3の調製と制限酵素BamH I処理 前記工程(8)−の方法により、コリネバクテリウ
ム・メラセコラ(Corynebacterium melassecola)22220
(微工研条寄第559号)から分離精製したプラスミドpAG
3のDNA4μgに対して、20単位の制限酵素BamH Iを加え
て、10mMトリス(Tris)−HCl(pH7.4)、10mM MgSO4
50mM NaCl、1mMジチオトレイトール(Dithiothreitol)
の緩衝液100ml中で、37℃にて2時間反応させた。そこ
へ等容のフェノール・クロロホルム(1:1)液を添加し
て撹拌の後、水層を回収した。更に等容のクロロホルム
を添加して撹拌の後、水層を回収した。そこへ酢酸ナト
リウムを最終濃度300mMになるように加え、次に2倍容
のエタノールを添加して、−30℃にて3時間保持した
後、12,000rpm(8900g)で室温で10分間遠心分離してDN
Aの沈殿を回収し、これを減圧乾燥した。尚、プラスミ
ドpAG3の制限酵素切断地図を第4図に示す。
プラスミドpAG50の取得 前記工程(8)−及びで調製した夫々のDNA全量
と3単位のT4ファージDNAリガーゼとを50mMトリス(Tri
s)−HCl(pH7.4)、10mM MgCl2、10mMジチオトレイト
ール(Dithiothreitol)、1mMスペルミジン(Spermidin
e)、1mM ATP、0.1mg/ml BSAを含む緩衝液50μ中で、
15℃にて一晩反応させた。その後70℃にて10分間加熱し
て反応を停止させた。
得られたリガーゲ反応液50μを用いて、前記工程
(8)−と同じ形質転換操作によりコリネバクテリウ
ム・メラセコラ(Corynebacterimu melassecola)801
(微工研条寄第558号)のテトラサイクリン耐性形質転
換株を取得した。ただし、再生培地による培養は、7日
間とした。得られたテトラサイクリン耐性形質転換株に
ついて、前記工程(8)の方法により、各株の保有する
プラスミドを分離し、前記工程(6)の方法によりそれ
ぞれのプラスミドを解析した。得られたプラスミドをpA
G50と命名した。
このプラスミドDNAを用いて、前記と実質的に同様の
方法で、コリネバクテリウム・メラセコラ(Corynebact
erium melassecola)801(微工研条寄第558号)を形質
転換してテトラサイクリン耐性形質転換体を得た。得ら
れたテトラサイクリン耐性形質転換体について、それら
が保有するプラスミドを解析した結果、それらのプラス
ミドは、供与プラスミドと比べて制限酵素切断様式で同
一と判定されるプラスミドであった。得られたプラスミ
ドpAG50の制限酵素切断地図を第5図に示す。
(9)プラスミドpAG50へのGDH産生遺伝子を含むDNA断
片の組込み 前記工程(8)−で調製したプラスミドpAG50のDNA
5μgに対して、制限酵素EcoR Iを15単位加えて、50mM
トリス(Tris)−HCl(pH7.4)、10mM MgSO4、100mM Na
Clを含む緩衝液60μ中で37℃にて2時間は反応させ
た。その後、70℃で10分間加熱して、反応を停止させ
た。この液に酢酸ナトリウムを最終濃度300mMになる様
に加え、更に2倍容のエタノールを添加して、−30℃に
て3時間保持した。次に12,000rpm(8,900g)で室温で1
0分間遠心分離してDNA沈殿を回収し、得られた沈殿を減
圧乾燥した。得られた試料をBAPT緩衝液(50mMトリス
(Tris)−HCl、pH8.4)200μに溶解し、バクテリア
ル・アルカリ・ホスファターゼ(Bacteiral alkaline p
hosphatase)(宝酒造株式会社より購入)を1単位添加
して65℃にて30分間反応させた。更に該酵素を1単位添
加して、65℃にて30分間反応させた。その後、反応液に
等容のTNE緩衝液で飽和したフェノールを加え、混合し
た後、12,000rpm(8,900g)で10分間遠心分離して水層
を回収し、更にもう1回同じ操作を繰り返した。次に水
層に等容のフェノール・クロロホルム(1:1、v/v)液を
添加して混合した後、12,000rpm(8,900g)で10分間遠
心分離し、水層を回収した。更に水層に等容のクロロホ
ルムを添加して撹拌した後、12,000rpm(8.900g)で室
温で10分間遠心分離し、水層を回収した。得られた水層
に酢酸ナトリウムを最終濃度300mMになる様に加え、2
倍容のエタノールを添加し撹拌した後、−30℃にて3時
間保持した。その後、12,000rpm(8,900g)で室温で10
分間遠心分離し、DNA沈殿を回収した。これを減圧乾燥
した。このDNA全量と前記工程(7)で調製したDNA1μ
gと3単位のT4ファージDNAリガーゼ(ニッポンジーン
社より購入)とを、50mMトリス(Tris)−HCl(pH7.
4)、10mM MgCl4、10mMジチオトレイトール(Dithiothr
eitol)、1mMスペルミジン(Spermidine)、1mM ATP、
0.1mg/ml BSA(ベセスダリサーチラボラトリー社、米国
より購入)の緩衝液50μ中で、15℃にて一晩反応させ
た。その後、70℃にて10分間加熱することにより、反応
を停止させた。
(10)GDH産生遺伝子を含有した複合プラスミドpAG1001
の取得 前記工程(9)で得られたリガーゼ反応液50μを用
いて前記工程(8)−と同じ形質転換操作によりコリ
ネバクテリウム・メラセコラ(Corynebacterium melass
ecola)801(微工研条寄第558号)の形質転換操作を行
なった。
得られたテトラサイクリン耐性形質転換体を、テトラ
サイクリン10μg/mlを含むLG寒天培地(L−寒天培地に
グルコース5g/を添加した培地)上で純化した後、各
菌株から前記工程(8)−の方法により、プラスミド
を分離し、前記工程(6)の方法によりそれらのプラス
ミドを解析した。得られたプラスミドをプラスミドpAG1
001と命名した。プラスミドpAG1001は、第6図に示した
様に、プラスミドpAG50の制限酵素EcoR I切断部位に、
グルタミン酸生産性コリネ型細菌由来のGDH産生遺伝子
を含む約5.4キロベースのDNA断片が組込まれた複合プラ
スミドである。
(11)プラスミドpAG1001保有菌株のGDH活性測定 プラスミドpAG1001を保有するコリネバクテリウム・
メラセコラ(Corynebacterium melassecola)を、テト
ラサイクリン10μg/ml含有前記糖蜜培地50mlで、32℃に
て一晩培養した。この培養液より集菌し、0.8%NaCl水
溶液20mlで2回洗浄後、MES緩衝液〔50mM2−(モルフォ
リノ)エタンスルホン酸(以下MESと略す)、10mM MnSO
4、10mM EDTA、pH7.0〕10mlに懸濁した。これを、ブラ
ウン社製(西独)のMSKセルホモチナイザー(853021
型)で処理した後、14000rpm(20000g)で4℃で20分間
遠心分離して細胞抽出液(粗酵素液)を調製した。
GDH活性は、3.0mlの酵素反応液〔100mMトリス(Tri
s)−HCl(pH8.1)、5mMα−ケトグルタール酸、10mM
(NH42SO4、0.15mM NADPH、50μ細胞抽出液〕の340
mmの吸光度の減少を日立製作所製分光光度計(228型)
で測定することにより求めた。また、細胞抽出液の蛋白
質濃度の測定には、前記実施例1工程(5)の方法を用
いた。結果を第2表に示す。
(12) pA1001の調製 コリネバクテリウム・メラセコラ(Corynebacterium
melasecola)801(pAG1001)より前記工程(8)−の
方法に従ってDNA濃度約55μg/mlのpAG1001DNA溶液を1ml
得た。
〔2〕組換えプラスミドpAG3001の調製 (1) コリネバクテリウム・メラセコラ801(Coryneb
acterium melasecola801)(微工研条寄第558号)のICD
H産生遺伝子を有する大腸菌の選択分離 コリネバクテリウム・メラセコラ(Corynebacterium
melasecola)801(微工研条寄第558号)からの全DNAの
調製とその切断 前記工程〔1〕−(1)に記載と同様なの方法により
DNA濃度0.85mg/mlの全DNA溶液を得た。
全DNAの切断のためには、40μgの全DNAに対して、16
0単位の制限酵素EcoR I(ニッポンジーン社より購入)
を加え、50mMトリス−HCl(pH7.4)、10mM MgCO4、100m
M NaClの緩衝液70μ中で37℃にて30分間反応させた。
その後70℃で10分間加熱して反応を停止させた。
ベクターpBR325の調製と開裂 先ず、ベクターpBR325をエシェリヒア・コリK12EB106
(Escherichia coli K12 EB106)に移入し、得られた
形質転換株からpBR325を調製した。エシェリヒア・コリ
K12EB106(Escherichia coli K12 EB106)を50mlのL
−ブロス(ポリペプトン10g/、酵母エキス5g/、NaC
l5g/pH7.2)に植菌し、37℃にて菌濃度5×108個/ml
または増殖させた後、2℃で集菌した。該菌体を50mlの
氷冷した100mM MgCl2水溶液に懸濁し、集菌後更に25ml
の氷冷した100ml CaCl2水溶液に懸濁した。氷中で30分
間保持した後、集菌して再度5mlの氷冷した100mM CaCl2
水溶液に懸濁し、氷中で1時間保持した〔コンピテント
セル(Competent cell)〕。この菌懸濁液200μに0.1
μgのpBR325DNAを添加して、氷中で1時間保持した。
その後42℃にて2分間保持した後、5mlのL−ブロスを
添加して、37℃にて90分間静置培養した。得られた培養
液を適当に希釈て、30μg/mlのアンピシリンを添加した
L−寒天培地(L−ブロスに15g/の寒天を添加した培
地)に塗布し37℃で一晩培養した。得られたpBR325によ
る形質転換株より、以下のようにして該ベクターの調製
を行った。
ベクターpBR325を保持したエシェリヒア・コリK12EB1
06(Escherichia coli K12 EB106)を、アンピシリン
(30μg/ml)を含むL−ブロス100mに植菌し、37℃にて
一晩振盪培養した。得られた培養液より集菌しTE緩衝液
で洗浄後、15%シュークロース、50mMトリス(Tris)−
HCl(pH8.5)、50mM EDTA、2mg/mlリゾチウム(シグマ
社、米国より購入)よりなる水溶液2mlに懸濁し、室温
にて30分間反応させた。次にトリトン(Triton)溶液
〔0.1%トリトン(Triton)X−100,50mMトリス(Tri
s)−HCl、50mM EDTA、pH8.5〕2mlを加えて37℃にて30
分間保持した。次にこの溶液を、5℃にて30,000rpm(6
4,000g)で1時間遠心分離し上清を回収し、しTE緩衝液
を加えて18mlとした。この液に、10mg/mlのエチジウム
ブロマイド溶液1.2mlと塩化セシウム18.64gとを加えて
静かに溶解し、40,000rpm(10,000g)、15℃で48時間遠
心分離した。ベクターpBR325は、紫外線照射により遠心
チューブ中、2本のバンドの下方として見い出され、こ
のバンドを遠心チューブの側面から注射器で抜き取るこ
とにより、ベクターpBR325を分離した。次にこの分画液
を等容量のイソプロピルアルコールで4回抽出して、エ
チジウムブロマイドを除去し、その後にTE緩衝液に対し
て透析して、DNA濃度180μg/mlのベクターpBR325の透析
完了液1mlを得た。
ベクターpBR325 DNA15μgに対して45単位の制限酵
素EcoR Iを加えて、50mMトリス(Tris)−HCl(pH7.
4)、10mM MgSO4、100mM NaClの緩衝液150μ中で37℃
にて2時間反応させた。その後、70℃で10分間加熱し
て、反応を停止させた。この液に酢酸ナトリウムを最終
濃度300mMになる様に加え、2倍容のエタノールを添加
して、−30℃にて3時間保持した。次に12,000rpm(8,9
00g)で10分間遠心分離してDNA沈殿を回収し、同沈殿を
減圧乾燥した。得られた試料をBAPT緩衝液(50mMトリス
−HCl,pH8.4)200μに溶解し、バクテリアル・アルカ
リ・ホスファターゼ(Bacterialalkaline phosphatas
e)(宝酒造株式会社より購入)を1単位添加して65℃
にて30分間反応させた。更に該酵素を1単位添加して65
℃にて30分間反応させた。その後、反応液に等容のTNE
緩衝液で飽和したフェノールを加え、混合した後、12,0
00rpm(8,900g)で10分間遠心分離して氷層を回収し、
更にもう一回同じ操作を繰り返した。次に水層に等容の
フェノール・クロロホルム(1:1,v/v)液を添加して混
合した後、12,000rpm(8,900g)で10分間遠心分離し、
水層を回収した。更に水層に等容のクロロホルムを添加
して撹拌した後、12,000rpm(8,900g)で10分間遠心分
離し、水層を回収した。該水層に酢酸ナトリウムを最終
濃度300mMになる様に加え、2倍容のエタノールを添加
し撹拌した後、−30℃にて3時間保持した。その後、1
2,000rpm(8,900g)で10分間遠心分離し、DNA沈殿を回
収した。これを減圧乾燥した後、30μのTE緩衝液で溶
解した。
DNAの組換え反応 前記工程〔2〕−(1)−のDNA4μgと前記工程
〔2〕−(1)−のDNA2μgと3単位のT4ファージDN
Aリガーゼ(ニッポンジーン社より購入)とを、50mMト
リス(Tris)−HCl(pH7.4)、10mM MgCl2、10mMジチオ
トレイトール(Dithiothreitol)、1mMスペルミジン(S
permidine)、1mM ATP、0.1mg/mlウシ血清アルブミン
(Bovine serum albumin、以下BSAと称す)(ベゼスダ
リサーチラボラトリー社、米国より購入)の緩衝液100
μ中で、15℃にて一晩反応させた。その後、70℃にて
10分間加熱することにより、反応を停止させた。
組換えプラスミドの大腸菌への移入 前記工程〔2〕−(1)−の方法により、エシェリ
ヒア・コリK12EB106(Escherichia coli K12 EB106)
のコンピテントセル(Competent cell)を調製した。得
られた細胞懸濁液400μと前記工程〔2〕−(1)−
の反応液40μとを混合して、氷中に1時間保持し
た。その後、42℃にて2分間加熱した後、5mlのL−ブ
ロスを添加して37℃にて90分間静置培養した。次に、得
られた培養液から集菌し、無菌水に懸濁した。得られた
懸濁液を、合成寒天培地(Na2HPO46g/、KH2PO43g/
、NaCl0.5g/、NH4Cl1g/、MgSO41mM,CaCl20.1mM,
グルコース2g/、寒天15g/、L−トリプトファン0.1
mM)を塗布して培養した。このようにして得られた菌株
を、クロラムフェニコール(20μg/ml)とテトラサイク
リン(10μg/ml)とを含む前記合成寒天培地と、テトラ
サイクリン(10μg/ml)のみを含む前記合成寒天培地と
でそれぞれ培養し、生育の有無を調べた。その結果、ク
ロラムフェニコール感受性テトラサイクリン耐性グルタ
ミン酸非要求性を示す菌株を、目的のICDH産生遺伝子を
保有した大腸菌エシェリヒア・コリ(Escherichia col
i)K12 EB106(pAG302)として分離した。
該大腸菌のIDCH活性を、下記の方法で測定することに
より、クローニングした遺伝子がICDH産生遺伝子である
ことを確認した。前記L−ブロス50mlで、エシェリヒア
・コリ(Escheri−chia coli)K12(pAG302)を32℃で
振盪培養した。該大腸菌を集菌後、2mlのMES緩衝液{50
mM2−(N−モルフォリノ)エタンスルホン酸〔2−
(N−Morpholino)ethansulfonicacid〕:MES,10mM MnS
O4,10mMEDTA,pH7.0}に懸濁した。これを超音波処理し
た後、14000rpm(20000g)で20分間遠心分離して、細胞
抽出液(粗酵素液)を調製した。尚、エシェリヒア・コ
リ(Escherichia coli)K12EB106(pBR325)、エシェリ
ヒア・コリ(Escherichia coli)K12EB106(pBR302)を
培養する場合には、前記L−ブロスにテトラサイクリン
10μg/mlを添加した。また、エシェリヒア・コリ(Esch
erichia coli)K12EB106やエシェリヒア・コリ(Escher
ichia coli)K12EB106(pBR325)を培養する場合には、
前記L−ブロスに、グルタミン酸ナトリウム(MSGと略
す)2g/を添加した。
ICDH活性は、2.9mlの酵母反応液〔103mMトリス(Tri
s)−HCl(pH7.4)1mMイソクエン酸塩(Isocitrate)、
1mM MnCl2、0.5mM酸化型ニコチンアミドアデニンジヌク
レオチドリン酸(Nicotinamide Adenine Dinucleotide
Phoshate,Oxidized Form,以下NADPと略す)、40μ細
胞抽出液〕の340nmの吸光度の増大を、日立分光光度計
(228型)で測定することとにより求めた。また、細胞
抽出液の蛋白質濃度の測定には、ローリー(Lowry)ら
〔オー・エイチ・ローリー(O.H.Lowry)、エヌ・ジェ
イ・ローウェブロー(N.J.Rowebrough)、アール・ジェ
イ・ランダル(R.J.Randall)、ジェイ・バイオル・ケ
ム(J.Biol.Chem.)193巻、265頁1951年〕の方法を用い
た。尚、同測定の標準蛋白質として、ウシ血清アルブミ
ン(和光純薬工業社より購入)を用いた。
測定結果を第3表に示す。第3表のICDH比活性測定結
果より、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)K12
EB106(pAG302)は、明らかにICDH活性を回復してい
た。
(2) 複合プラスミドpAG302の分離と解析エシェリヒ
ア・コリ(Escherichia coli)K12 EB106(pAG302)よ
り、前記工程〔1〕−(2)の方法でプラスミドpAG302
のDNAを、160μg分離精製した。このDNA0.3μgに、各
10単位の制限酵素〔EcoR I,BamH I(ニッポンジーン社
より購入)、Hind III(ニッポンジーン社より購入)、
pst I(ベゼスダリサーチラボトリー社、米国より購
入)、Sal I(ニッポンジーン社より購入)、Xba I(ニ
ッポンジーン社より購入)〕を、それぞれの適正条件に
て反応させ、その消化した試料を前述の方法に従い1%
アガロースゲル電気泳動、および4%ポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動に供した。泳動の終ったゲルを1μg/ml
エチジウムブロマイド水溶液に浸漬して30分間染色した
後、紫外線をゲルに照射して生成断片の数を判定し、各
断片の泳動距離から各々の分子量を算出した。尚、分子
量は、同一アガロースゲル上で同時に電気泳動したラム
ダファージ(λ phage)DNA(ニッポンジーン社より購
入)の制限酵素Hind IIIによる消化断片の既知分子量
に、または同一ポリアクリルアミドゲル上で同時に電気
泳動したファイエックス174ファージ(φX174phage)DN
Aの制限酵素Hae IIIによる消化断片(ベゼスダリサーチ
ラボラトリー社より購入)の既知分子量に、基づいて算
出した。更に、複数の制限酵素処理によって生じた消化
断片を解析することにより、プラスミド分子中の各制限
酵素切断部位を決定した。このようにして得られたプラ
スミドpaG302の制限酵素切断地図を第7図に示す。
その結果、プラスミドpaG302は、ベクターのpBR325の
制限酵素の切断部位に約5.1kbのICDH遺伝子を含む外来
のEcoR I断片が、組み込まれていた。このEcoR I断片が
コリネバクテリウム・メラセコラ(Corynebacterium me
lassecola)801(微工研条寄第558号)由来のICDH産生
遺伝子を含む断片である。
プラスミドpAG302DNAにより、前記工程〔1〕−
(2)の方法でエシェリヒア・コリ(Escherichia col
i)K12 EB106を形質転換した。その結果、調べた形質
転換株は、全てテトラサイクリン耐性アンピシリン耐性
クロラムフェニコール感受性グルタミン酸非要求性であ
った。更に、該形質転換株について、それらが保有する
プラスミドを解析した結果、それらのプラスミドは、供
与プラスミドと比べて制限酵素切断様式で同一と判定さ
れるプラスミドであった。
(3) ICDH生産遺伝子を約5.1キロベースのDNA断片の
縮小化 前記工程(2)で調製したプラスミドpaG302DNA3μg
に対して20単位の制限酵素Sal Iを加えて、50mMトリス
(Tris)−HCl(pH7.4)、10mM MgSO4、100mM NaClの緩
衝液50μ中で37℃にて2時間反応させた。そこへ等容
のフェノール・クロロホルム(1:1、v/v)液を添加して
撹拌の後、水層を回収した。更に等容のクロロホルムを
添加して撹拌の後、水層を回収した。そこへ酢酸ナトリ
ウムを最終濃度300mMになるように加え、次に2倍容の
エタノールを添加して、−30℃で3時間保存した後、1
2,000rpm(8,900g)で10分間遠心分離してDNAの沈殿を
回収し、これを減圧乾燥した(DNA試料I)。
前記のDNA試料Iの全量に対して、3単位のT4ファー
ジDNAリガーゼを50mMトリス(Tris)−HCl(pH7.4)、1
0mM MgCl2、10mMジチオトレイトール(Dithiothreito
l)、1mMスペルミジン(Spermidine)、1mM ATP、0.1m
g/ml BSAの緩衝液50μ中で、15℃にて一晩反応させ
た。その後、70℃にて10分間加熱することにより、反応
を停止させた。
このリガーゼ反応液を用いて、前記工程〔2〕−
(1)の方法により、エシェリヒア・コリ(Escherichi
a coli)K12 EB106の形質転換操作を行った。その結
果、アンピシリン耐性クロラムフェニコール感受性テト
ラサイクリン感受性グルタミン酸非要求性を示す形質転
換株を多数分離することができた。これらの菌株につい
て、前記工程(2)の方法により、各形質転換株の保有
するプラスミドを分離し解析した結果、プラスミドpAG3
03を取得することができた。得られたプラスミドpAG303
の制限酵素切断地図を第8図に示す。
プラスミドpAG303を保有する菌株エシェリヒア・コリ
(Escherichia coli)K12 EB106(pAG303)について、
前記工程(I)の方法により、ICDH活性を測定した。但
し、この場合には前記L−ブロスにアンピシリン30μg/
mlを添加した。その結果、第3表に示すように、ICDH活
性の明らかな回復が認められた。プラスミドpAG303はベ
クターpBR325由来のEcoR I−Sal I断片に約3.4キロベー
スの外来のEcoR I−SAl I断片が組込まれていた。このE
coR I−SAl I断片が、コリネバクテリウム・メラセコラ
(Corynebacterium melasecola)801(微工研条寄第558
号)由来のICDH生産遺伝子を含むDNA断片である。
プラスミドpAG303 DNAにより、前記工程〔2〕−
(1)の方法で、エシェリヒア・コリ(Escherichia co
li)K12 EB106を形質転換した。得られた形質転換株を
調べた結果、調べた形質転換株は、全てクロラムフェニ
コール感受性アンピシリン耐性テトラサイクリン感受性
グルタミン酸非要求性であった。更にそれら形質転換株
について、それらが保有するプラスミドを解析した結
果、それらのプラスミドは、供与プラスミドと比べて制
限酵素切断様式で同一と判定されるプラスミドであっ
た。
(4) ICDH生産遺伝子を含む約3.4キロベースのEcoR
I−Sal I断片におけるEcoR I末端からSal II末端への変
更 前記工程(2)で調製したプラスミドpAG302DNA5μg
に対して20単位の制限酵素EcoR Iを加えて50mMトリス
(Tris)−HCl(pH7.4)、10mM MgSO4、100mM NaClの
緩衝液100μで37℃にて、2時間反応させた。その
後、70℃で10分間加熱して、反応を停止させた。この液
に酢酸ナトリウムを最終濃度300mMになる様に加え、2
倍容のエタノールを添加して、−30℃にて3時間保持し
た。次に12,000rpm(8,900g)で10分間遠心分離してDNA
沈殿を回収し、得られた沈殿を減圧乾燥した(DNA試料I
I)。
DNA試料IIと3単位T4DNAポリメラーゼ(T4DNA polyme
rase)(宝酒造株式会社より購入)とを、33mMトリス
(Tris)−CH3COOH(pH7.9)、66mM CH3COOK、10mM(C
H3COO)2Mg、0.5mMジチオトレイトール(Dithiothreito
l)、0.1mg/ml BSA、0.1mM2′−デオキシアデノシン
5′−トリホスフェート(シグマ社、米国より購入)、
0.1mM2′−デオキシシチジン5′トリホスフェート(シ
グマ社、米国より購入)、0.1mM2′−デオキシグアノシ
ン5′−トリホスフェート(シグマ社、米国より購
入)、0.1mMチミジン5′−トリホスフェート(シグマ
社、米国より購入)の反応液44μ中で30℃にて20分間
反応させた。この液に酢酸ナトリウムを最終濃度300mM
になる様に加え、2倍容のエタノールを添加して、−30
℃にて3時間保持した。次に12,00rpm(8,900g)で10分
間遠心分離してDNA沈殿を回収し、得られた沈殿を減圧
乾燥した(DNA試料III)。
Sal Iリンカー(Sal I linker)(宝酒造株式会社よ
り購入)1.5μgとT4ポリヌクレオチドキナーゼ(T4pol
ynucleotide kinase)(宝酒造株式会社より購入)2.5
単位とを、66mMトリス(Tris)−HCl(pH7.6)、1mM A
TP、10mM MgCl2、1mMスペルミジン(Spermidine)、15
mMジチオトレイトール(Dithiothreitol)、0.2mg/ml B
SAの反応液10μ中で37℃にて1時間反応させた(DNA
試料IV)。
DNA試料IIIの1/2量とDNA試料IV全量とT4ファージDNA
リガーゼ(T4phage DNA ligase)6単位とを、66mMトリ
ス(Tris)−HCl(pH7.6)、1mM ATP、10mM、10M MgC
l2、1mMスペルミジン(Spermidine)、15mMジチオトレ
イトール(Dithiothreitol)、0.2mg/ml BSAの反応液22
μ中で22℃にて4時間反応させた。この反応液に等容
のフェノール・クロロホルム(1:1v/v)液を添加して撹
拌の後、水層を回収した。更に等容のクロロホルムを添
加して撹拌の後、水層を回収した。そこへ酢酸ナトリウ
ムを最終濃度300mMになる様に加え、次に2倍容のエタ
ノールを添加して、−30℃で3保持した後、12,000rpm
(8,900g)で10分間遠心分離してDNA沈殿を回収し、こ
れを減圧乾燥した(DNA試料V)。
DNA試料V全量に対して、15単位の制限酵素Sal Iを加
えて、50mMトリス(Tris)−HCl(pH7.4)、10mM MgSO
4、100mM NaClの緩衝液50μ中で37℃にて、2時間反
応させた。消化した試料は、前記の方法により、1%ア
ガロースゲル電気泳動に供した。ただし、電気泳動に
は、ベゼスダリサーチラボトリー社より購入したLMPア
ガロース(Agarose)を使用し、4℃で電気泳動した。
次にエチジウムブロマイドで染色したアガロースゲルを
紫外線照射下に置き、約3.4キロベースのDNA断片の存在
を確認し、その付近のアガロースゲルを切り出した。切
り出したアガロースゲルにその重量の3倍量のTE緩衝液
を加えて、65℃で10分間加熱し、アガロースゲルを完全
にとかした。次に等容のフェノールを添加して撹拌の
後、水層を回収した。得られた水層に等容のフェノール
・クロロホルム(1:1v/v)液を添加して撹拌の後、水層
を回収した。更に等容のクロロホルムを添加して撹拌の
後、水層を回収した。得られた水層に酢酸ナトリウムを
最終濃度300mMになるように添加し、更に2倍容のエタ
ノールを加えて撹拌の後、−30℃で3時間保持した。そ
の後、10,000rpm(9,000g)で10分間遠心分離してDNA沈
殿を回収した。次に、得られた沈殿を減圧乾燥した(DN
A試料VI)。
前記工程〔1〕−(2)で調製したプラスミドpBR325
のDNA4μgに対して、20単位の制限酵素Sal Iを加え
て、50mMトリス(Tris)−HCl(pH7.4)、10mM MgS
O4、100mM NaClの緩衝液50μ中で37℃で2時間反応
させた。そこへ等容のフェノール・クロロホルム(1:1v
/v)液を添加して撹拌の後、水層を回収した。更に等容
のクロロホルムを添加して撹拌の後、水層を回数した。
そこへ酢酸ナトリウムを最終濃度300mMになるように加
え、次に2倍容のエタノールを添加して、−30℃で3時
間保持した後、12,000rpm(8,900g)で10分間遠心分離
してDNAの沈殿を回収し、これを減圧乾燥した(DNA試料
VII)。
DNA試料VI全量とDNA試料VII全量と3単位のT4ファー
ジDNAリガーゼとを、50mMトリス(Tris)−HCl(pH7.
4)、10mM MgCl2、10mMジチオトレイトール(Dithioth
reitol)、1mMスペルミジン(Spermidine)、1mM ATP、
0.1mg/ml BSAの緩衝液100μ中で、15℃にて一晩反応
させた。その後70℃にて10分間加熱することにより、反
応を停止させた。このリガーゼ反応液40μを用いて、
前記工程〔2〕−(1)の操作を行った。その結果、得
られた菌株を、テトラサイクリン(10μg/ml)とクロラ
ムフェニコール(20μg/ml)とを含む前記合成寒天培地
と、クロラムフェニコール(20μg/ml)のみを含む前記
合成寒天培地とでそれぞれ培養し、生育の有無を調べ
た。その結果、グルタミン酸非要求性で、テトラサイク
リン感受性クロラムフェニコール耐性を示す菌株を分離
した。次に、これらの菌株から前記工程〔1〕−(2)
の方法により、それぞれの菌株の保有するプラスミドを
単離精製した。これらのプラスミドDNAを用いて、前記
工程〔2〕−(2)の方法により、各プラスミドの構造
を調べた結果、目的の複合プラスミドpAG311を取得し
た。プラスミドpAG311は、プラスミドpBR325の制限酵素
Sal I切断部位に、約3.4キロベースのICDH生産遺伝子を
含む外来のSal I断片が組込まれていた。得られたプラ
スミドpAG311の制限酵素切断地図を第9図に示す。この
Sal I断片が、コリネバクテリウム・メラセコラ(Coryn
ebacterium melassecola)801(微工研条寄第558号)由
来のICDH産生遺伝子を含む約3.4キロベースのEcoR I−S
al I断片のEcoR I末端をSal I末端に変更したDNA断片で
ある。
プラスミドpAG311を保有する菌株エシェリヒア・コリ
(Escherichia coli)K12 EB106(pAG311)について、
前記工程〔2〕−(1)の方法により、ICDH活性を測定
した。但し、この場合には前記L−ブロスにクロラムフ
ェニコール20μg/mlを添加した。その結果、第3表に示
すように、ICDH活性の明らかな回復が認められた。プラ
スミドpAG311DNAにより、前記工程〔2〕−(1)の方
法で、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)K12 E
B106を形質転換した。その結果、調べた形質転換株は、
全てテトラサイクリン感受性クロラムフェニコール耐性
アンピシリン耐性グルタミン酸非要求性であった。更に
該形質転換株について、それらが保有するプラスミドを
解析した結果、それらのプラスミドは、供与プラスミド
と比べて制限酵素切断様式で同一と判定されるプラスミ
ドであった。
(5) プラスミドpAG311からのICDH産生遺伝子を含む
約3.4キロベースのSal I断片の分離 前記工程〔2〕−(4)で調製したプラスミドpAG311
のDNA20μgに対して、制限酵素Sal Iを60単位加えて、
50mM Tris−HCl(pH7.4)、10mM MgSO4、100mM NaCl
の緩衝液100μ中で、37℃にて2時間反応させた。消
化した試料は、前記工程〔1〕−(7)の方法によりア
ガロースゲル電気泳動に供した。次にICDH産生遺伝子を
含む約3.4キローベースのDNA断片の存在を確認し、その
付近のアガロースゲルを切り出した。切り出したアガロ
ースゲルからのDNAの抽出は、前記工程〔1〕−(7)
の方法を用いた。その結果、グルタミン酸生産性コリネ
型細菌由来のICDH産生遺伝子を含む約3.4キロベースのE
coR I−Sal I断片の制限酵素EcoR I処理によって生じる
末端を制限酵素Sal I処理によって生じる末端に変更し
た断片を約4μg取得した。
(6) プラスミドpAG50へのICDH産生遺伝子を含むDNA
断片の組込み。
前記工程〔1〕−(8)−で調製したプラスミドpA
G50のDNA5μgに対して、制限酵素Sal Iを15単位加え
て、50mM Tris−HCl(pH7.4)、10mM MgSO4、100mM
NaClの緩衝液60μ中で、37℃にて2時間反応させた。
その後、70℃で10分間加熱して、反応を停止させた。こ
の液に酢酸ナトリウムを最終濃度300mMになる様に加
え、2倍容のエタノールを添加して、−30℃にて3時間
保持した。次に12,000rpm(8,900g)で10分間遠心分離
してDNA沈殿を回収し、同沈殿を減圧乾燥した。得られ
た試料をBAPT緩衝液〔50mMトリス(Tris)−HCl、pH8.
4〕200μに溶解し、バクテリアル・アルカリ・ホスフ
ァターゼ(Bacterial alkaline phosphatase)(宝酒造
株式会社より購入)を1単位添加して65℃にて30分間反
応させた。更に該酵素を1単位添加して65℃で30分間反
応させた。その後、反応液に等容のTNE緩衝液で飽和し
たフェノールを加え、混合した後、12,000rpm(8,900
g)で10分間遠心分離して水層を回収し、更にもう1回
同じ操作を繰り返した。次に水層に等容のフェノール・
クロロホルム(1:1、v/v)液を添加して混合した後、1
2,000rpm(8,900g)で10分間遠心分離し、水層を回収し
た。更に水層に等容のクロロホルムを添加して撹拌した
後、12,000rpm(8,900g)で10分間遠心分離し、水層を
回収した。該水層に酢酸ナトリウムを最終濃度300mMに
なる様に加え、2倍容のエタノールを添加し撹拌した
後、−30℃にて3時間保持した。その後、12,000rpm
(8,900g)で10分間遠心分離し、DNA沈殿を回収した。
これを減圧乾燥した。このDNA全量と前記工程〔2〕−
(5)で調製したDNA1μgと3単位のT4ファージDNAリ
ガーゼ(ニッポンジーン社より購入)とを50mMトリス
(Tris)−HCl(pH7.4)、10mM MgCl2、10mMジチオト
レイトール(Dithiothreitol)、1mMスペルミジン(Spe
rmidine)、1mM ATP、0.1mg/ml BSA(ベゼスダリサー
チラボラトリー社より購入)の緩衝液50μ中で、15℃
にて一晩反応させた。その後、70℃にて10分間加熱する
ことにより、反応を停止させた。
(7) ICDH産生遺伝子を含有した複合プラスミドpAG3
001の取得 前記工程〔2〕−(6)で得られたリガーゼ反応液50
μを用いて前記工程〔1〕−(8)−と同じ形質転
換操作によりコリネバクテリウム・メラセコラ(Coryne
bacterium melassecola)801(微工研条寄第558号)の
形質転換操作を行なった。
得られたテトラサイクリン耐性形質転換株を、テトラ
サイクリン10μg/mlを含むLG寒天培地(L−寒天培地に
グルコース5g/を添加した培地)上で純化した後、各
菌株から前記工程〔2〕−(6)の方法により、プラス
ミドを分離し、前記工程〔1〕−(6)の方法によりそ
れらのプラスミドを解析した。その結果、プラスミドpA
G3001を取得した。プラスミドpAG3001は第10図に示した
様に、プラスミドpAG50の制限酵素Sal I切断部位に、グ
ルタミン酸生産性コリネ型細菌由来ICDH産生遺伝子を含
む約3.4キロベースのDNA断片が組込まれた複合プラスミ
ドである。
(8)プラスミドpAG3001保有菌株のICDH活性の測定 プラスミドpAG3001保有のコリネバクテリウム・メラ
セコラ(Corynebacterium melassecola)801(pAG300
1)をテトラサイクリン10μg/ml含有LGリン酸培地(L
−ブロスに、グルコース2g/、K2HPO40.7g/、KH2PO4
0.3g/を加えてpH7.2に調整した培地)50mlで、32℃に
て一晩振盪培養した。この培養液より集菌し、0.8%NaC
l水溶液20mlで2回洗浄後、MES緩衝液10mlに懸濁した。
これを、ブラウン社製のMSKセルホモジナイザー(85302
1型)で処理した後、14000rpm(20000g)で20分間遠心
分離して、細胞抽出液(粗酵素液)を調製した。この細
胞抽出液を用いたICDH活性の測定は、前記工程〔2〕−
(1)の方法により行った。その結果、第4表に示した
様に、プラスミドpAG3001保持菌株は、ベクターpAG50保
持菌株やプラスミド非保持菌株に比べて、高いICDH比活
性を示した。尚、プラスミド非保持菌株の培養はテトラ
サイクリン無添加で行った。
(9) pAG3001の調製 Corynebacterium melassecola801(pAG3001)を糖蜜
培地100mlで培養し、前記工程〔1〕−(10)と同様の
方法で処理することによりpAG3001DNA溶液(約50μg/m
l)1.2mlを得た。
〔3〕GDH遺伝子とICDH遺伝子を含む組換えプラスミド
の作製 (1)GDH遺伝子を含むDNA断片の調製 前記工程〔1〕で得られたpAG1001DNA(2μg)を10
0μの50mM Tris−HCl(pH7.5)、100mM NaCl、10mM M
gSO4の緩衝液中で、10単位のSal Iにより37℃で2時間
反応させることにより切断した。本DNA溶液に等容のフ
ェノール/クロロホルム液を加えて撹拌、遠心分離〔1
2,000rpm(8,900g)、5分〕後、水層を回収し、さらに
等容のクロロホルムを加えて上記操作を繰り返した。水
層に1/10容の酢酸ナトリウム(3M)と2.5培容のエタノ
ールとを添加混合後−80℃で30分間静置し、遠心分離
〔12,000rpm(8,900g)、10分間〕により沈殿を分離し
た。これに70%エタノール水溶液を少量加えて遠心洗浄
後、沈殿を減圧乾燥させてpAG1001DNAのSal I分解物を
得た(DNA試料VIII)。
(2)ICDH遺伝子を含むDNA断片の調製 前記工程〔2〕で得られたpAG3001DNA溶液200μ(1
00μgDNA)を50mM Tris−HCl(pH7.5)、100mM NaCl、1
0mM MgSO4の緩衝液400μ中でSal I(20単位)で切断
した。反応は37℃で2時間行った。反応液を70℃で10分
間加熱して制限酵素を失活させた後、アガロースゲル電
気泳動によりICDH遺伝子を含むDNA断片(ICDH断片)を
分離した。すなわち、1%アガロースゲル(米国ベセス
ダ・リサーチ・ラボラトリー社〔BRLと略す〕製のLMP−
アガロースを使用)を用いて、80Vの定電圧、4℃で4
時間電気泳動を行った後、エチジウムブロマイド水溶液
(1mg/)に30分間浸して染色し、紫外線(UV)の照射
下に約3.4kbのDNAバンドの存在を確認した。本バンドの
部分のゲルを切出してゲルの重量の3倍のTE緩衝液を加
えて65℃で10分間加熱を行い、ゲルを完全に溶解させ
た。これに等容のフェノール液を加えて撹拌した後、20
℃で10,000rpm(9,000g)、10分間の遠心分離を行っ
て、水層を回収した。さらに同様にフェノール/クロロ
ホルム抽出、およびクロロホルム抽出を行った。尚、フ
ェノール液、フェノール/クロロホルム液及びクロロホ
ルム液の調製はマニアティス等の文献(T.Maniatis,E.
F.Fritsch,J.Sambrook,(1982)Molecular Cloning:A L
aboratory Manual,pp.458−459,Cold Spring Harbor La
boratory,Cold Spring Harbor,New York)に従った。水
層に1/10容の3M酢酸ナトリウムと2.5倍容のエタノール
とを添加混合の後、−80℃で30分間静置し、その後4℃
で10,000rpm(9,000g)、10分間の遠心分離を行って、
沈殿を回収した。沈殿に少量の70%エタノール水溶液を
静かに加えて洗浄した後、減圧乾燥してICDH断片を約2
μg得た(DNA試料IX)。
(3)組換えプラスミドの作製 DNA試料VIIIおよびDNA試料IXの全量をそれぞれ少量の
蒸留水で溶解後混合し、これを50mM Tris−HCl(pH7.
4)、10mM MgCl2、10mMジチオスレイトール、1mMスペル
ミジン、1mM ATP、0.1mg/ml BSA(BRL社製)の緩衝液50
μ中でリガーゼ反応を行った。反応は1単位のT4ファ
ージリガーゼを加えて8℃で1晩行った。反応終了後、
本反応液を70℃で10分間加熱処理を行いリガーゼを失活
させた。さらに上記と同様に酢酸ナトリウムとエタノー
ルを加えて遠心分離によりDNAの沈殿を得、これを50μ
のTE緩衝液に再溶解させて次の形質転換の操作に使用
した(DNA試料X)。
〔4〕Corynebacterium melassecola801の形質転換 前記DNA試料Xを用いて前記実施例1−(8)−と
同じ操作によりコリネバクテリウム・メラセコラ(Cory
nebacterium melassecola)801(微工研条寄第558合)
の形質転換を行なった。出現したテトラサイクリン耐性
コロニーをテトラサイクリン10μg/mlを含むLG寒天培地
(LG培地に寒天15g/を含む培地:LG培地とはペプトン1
0g、酵素エキス5g、NaCl5g、グルコース2gを純水1に
溶かしpH7.2に調整したもの)上で純化した後4℃で保
存した。
〔5〕組換えプラスミドの確認 上記形質転換体の中から目的の組換えプラスミドを保
持した菌株を選択するために、プラスミドの解析を行っ
た。上記形質転換株20株をテトラサイクリン10μg/mlを
含むLGP培地(LG培地にK2HPO40.7g/とKH2PO40.3gとを
添加したもの)5mlにそれぞれ植菌して32℃で1晩振と
う培養した。各培養液から常法に従いプラスミドDNAを
分離した(アルカリ溶菌法:T.Maniatis,E.F.Fritsc,J.S
ambrook,(1982),Molecular Cloning:A Laboratory Ma
nual,pp368−369、Cold Spring Harbor Laboratory,Col
d Spring Harbor,New York参照、但しリゾチーム濃度20
mg/ml、リゾチーム処理条件を42℃1時間に変更し
た)。各DNAをSal Iで切断後アガロースゲル電気泳動を
行い、Sal I処理で約13kbと約3.4kbの2本の断片が生じ
るものを目的のプラスミドとし、そのようなプラスミド
を含む菌株を2株分離した。
上記2株のうちの1株、Corynebacterium melassecol
a801(pIG101)より、前記工程〔1〕−(8)−の方
法に従って新規組換えプラスミドpIG101のDNA溶液(40
μg/ml)を1.5ml取得した。本プラスミドにつき、常法
に従って制限酵素による切断点地図を決定した。結果を
第11図に示す。その結果pIG101はpAG1001のSal I切断点
に3.4kbのICDH断片が組込まれた組換えプラスミドであ
ることが判明した。
〔6〕GDHおよびICDH活性の測定 前記糖蜜培地50mlにCorynebacterium melassecola801
(pIG101)を植菌し、32℃で1晩培養した。遠心分離に
より菌体を集め、0.8%(W/V)NaCl水溶液20mlで2回洗
浄後、MES緩衝液〔50mM2−(N−morpholino)ethanesu
lfonic acid:MES,10mM MnSO4、10mM EDTA〕12mlに懸濁
した。これをブラウン社(西独)製のMSKセルホモジナ
イザー(853012型)で処理した後、14,000rpm(20,000
g)で20分間遠心分離して細胞抽出液(粗酵素液)を調
製した。同様に比較対照としてプラスミドを保持しない
Corynebacterium melassecola801からも粗酵素液を得
た。但し、この場合の菌の培養はテトラサイクリンを含
まない糖蜜培地で行った。各粗酵素液を用いてこれらの
GDHおよびICDHの活性を以下の様にして測定した。GDH活
性は2.5mlの酵素反応液〔50mM Tris HCl(pH7.6)、20m
M(NH42SO4、25mM NADPH、5mM α−ケトグルタル酸、
10〜100μの細胞抽出液〕の30℃における340nmの吸光
度の減少を日立分光光度計(228型)で測定することで
求めた。またICDH活性は2.9mlの酵素反応液〔50mM Tris
−HCl(pH7.4)1mMイソクエン酸塩、1mM MnCl2、0.5mM
NADP+、10〜100μの細胞抽出液〕の30℃における340n
mにおける吸光度の増大を測定することで求めた。細胞
抽出液のタンパク質濃度はローリーら(O.H.Lowry,N.J.
Rowebrough,R.J.Randall,(1951)、J.Biol.Chem,193,2
65)の方法に従い、ウシ血清アルブミン(和光純薬工業
社製)を標準タンパク質として測定した。GDHおよびICD
Hの測定結果を第5表に示したが、この結果からCoryneb
acterium melassecola801(piG101)は明らかにGDHとIC
DHとが同時に強化されていることが確認された。
実施例2 本実施例ではAH+ICDH+GDHの3重強化株を作成した
例を示す。
AH遺伝子を含む組換えプラスミドとしてはpAG5001を
使用した。pAG5001はコリネバクテリウム・メラセコラ
(Corynebacterium melassecola)801由来のAH遺伝子を
含む約4.7kbのXba I断片がベクタープラスミドpAG50のX
ba I切断点に組込まれたものであり、本プラスミドの作
製方法は特願昭61−136083に詳細に記述されている。
ICDH遺伝子とGDH遺伝子を同時に保持するプラスミド
として、前記実施例1−〔5〕に記載したpIG101を使用
した。
〔1〕pAG5001からのAH遺伝子を含むDNA断片の調製 (1)AHを欠損し、かつ制限能を欠損した宿主菌の育種 AH欠損株からの染色体DNAの調製 バチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)168 608
71(米国エヌ・アイ・エイチのイー・フリース博士(D
r.E.Freese,NIH,USA)より分譲をうけた。をL−ブロス
(ポリペプトン10g/、酵母エキス5g/、NaCl10g/
、pH7.2)100mlに植菌し、37℃にて一晩振とう培養し
た。同培養液より菌体を集め、洗浄した後、10mMトリス
(Tris)−HCl(pH8.0)、1mM EDTAの緩衝液8mlに懸濁
した。これにリゾチウムを最終濃度5mg/mlになるように
加え、37℃にて1時間反応させた。これにプロナーゼE
(シグマ社より購入)を最終濃度200μg/mlになるよう
に加え、室温で15分間反応させた。その後、ドデシル硫
酸ナトリウムを最終濃度1%になるように添加して37℃
にて1時間反応させた。反応終了後、反応液との等容の
TNE緩衝液(50mMトリス−HCl、5mM EDTA、100mM NaCl、
pH8.0)で飽和したフェノールを加え混合した後、10,00
0rpm(11,000g)で10分間遠心分離して水層を回収し
た。この水層にフェノール・クロロホルム(1:1、v/v)
液を等容加えて混合の後、10,000rpm(11,000g)で10分
間遠心分離して水層を回収した。この水層に更に等容の
クロロホルムを加えて混合の後、10,000rpm(11,000g)
で10分間遠心分離して水層を回収した。この水層にリボ
ヌクレアーゼA(シグマ社より購入)を最終濃度40μg/
mlになる様に加えて37℃にて1時間反応させた。反応終
了後、1/5容の5M NaCl水溶液と1/4容の50%ポリエチレ
ングリコール6,000水溶液を添加混合し、4℃にて4時
間保持した。得られた試料を5,000rpm(2,700g)で20分
間遠心分離し、沈殿を回収した。沈殿をTE緩衝液(10mM
トリス−HCl、1mM EDTA、pH7.5)4mlに溶かし、酢酸ナ
トリウムを最終濃度300mMになるように加えて、2倍溶
のエタノールを添加した。同試料を撹拌の後、−30℃に
て3時間保持し、10,000rpm(11,000g)で20分間遠心分
離し、沈殿を回収した。同沈殿を減圧乾燥の後、TE緩衝
液5mlに溶解し、DNA濃度0.35mg/mlの全DNA溶液を得た。
(DNA試料XI) 制限能欠損株の形質転換 バチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)168MI11
3{アルギニン要求かつトリプトファン要求かつ制限能
欠損株}(大阪大学工学部、合葉修一教授より分譲をう
けた。〔今中ら、ジャーナル オブ バクテリオロジ
ー、第146巻、1091−1097頁、1981年(Imanaka et al.,
J.Bacteriol.,146,1091−1097,(1981)〕。をL−ブロ
ス5mlに植菌し、37℃にて1晩培養した。その培養液2ml
を14g/ K2HPO4、6g/ KH2PO4、2g/硫酸アンモニウ
ム、1g/クエン酸ナトリウム、5g/グルコース、0.2g
/ MgSO4・7H2O、0.2g/カザミノ酸(ディフコ社
製)、50mg/L−アルギニン、50mg/ L−トリプトフ
ァンを含む培地40mlに移植し、37℃で4時間振とう培養
後、その培養液4mlを14g/ K2HPO4、6g/ KH2PO4、2g
/硫酸アンモニウム、1g/クエン酸ナトリウム、5g/
グルコース、0.2g/ MgSO4・7H2O、0.1g/カザミノ
酸、5mg/ L−アルギニン、5mg/ L−トリプトファン
を含む培地36mlに移植してさらに37℃で90分間振とう培
養した。本培養液1mlに、前記工程で得られたDNA試料
XI100μを加えて37℃で30分間はげしく振とう培養
後、50mg/のL−トリプトファンと1g/のL−グルタ
ミン酸ナトリウムとを含むスプッツアイゼンの最少寒天
培地(14g/ K2HPO4、6g/ KH2PO4、2g/硫酸アンモ
ニウム、1g/クエン酸ナトリウム、5g/グルコース、
0.2g/ MgSO4・7H2O、15g/寒天{ディフコ社製}、
{ジェイ・スピッツアイゼン、プロシーディングス・オ
ブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス・ユー
・エス・エイ:第44巻、1072−1078頁、1958年〔J.Spez
izen,Proc,Nat,Acad,Sci,USA.,44,1072−1078(195
8)〕})上に塗布し、37℃で2日間培養した。生じた
アルギニン非要求性コロニーを、50mg/のL−トリプ
トファンと1g/のL−グルタミン酸ナトリウムを含む
スピッツアイゼンの最少寒天培地(A)と50g/のL−
トリプトファンのみを含むスピッツアイゼンの最少寒天
培地(B)とにつまようじで移植し、(A)上で増殖し
て(B)上で増殖できないコロニーをAH欠損かつ制限能
欠損株として単離し、バチルス・ズブチリス(Bacillus
subtilis)168MA3株と名づけた。尚、該菌株は、微生
物工業技術研究所に微工研条寄第1042号として寄託され
ている。
(2)コリネバクテリウム・メラセコラ801(Corynebac
terium melassecola)(微工研条寄第558号)からの全D
NAの調製とその切断 コリネバクテリウム・メラセコラ801(Corynebacteri
um melassecola801)(微工研条寄第558号)から前記実
施例1工程〔1〕−(1)と同様の方法によりDNA濃度
0.85mg/mlの全DNA溶液2mlを得た。全DNAの切断のために
は、128μgの全DNAに対して13単位の制限酵素Xba I(T
OYOBO社より購入)を加え、50mMトリス−HCl(pH7.
4)、10mM MgSO4、100mM NaClの緩衝液200μ中で37℃
にて2時間反応させた。その後70℃で10分間加熱して反
応を停止させた。(DNA試料XII) (3)プラスミドpUB110の調製 先づ、プラスミドpuB110をバチルス・スブチリス(Ba
cillus subtilis)168MA3に移入し、得られた形質転換
株からpUB110を調製した。即ち、バチルス・ズブチリス
(Bacillus subtilis)168MA3(微工研条寄第1042号)
を50mlのL−ブロスに植菌し、日立228型分光光度計で
波長660nmにおける吸光度が0.5となるまで増殖させた
後、集菌した。該菌体を5mlのSMM緩衝液(0.5Mシューク
ロース、0.02Mマレイン酸、0.02M MgCl2、pH6.5)で洗
浄後、5mlのSMM緩衝液に再懸濁した。この菌懸濁液4.5m
lに10mg/ml濃度のリゾチームを含有するSMM緩衝液(ミ
リポアフィルターで除菌した)0.5mlを添加して、42℃
で1時間静置反応させた。プロトプラスト化した細胞を
7,000rpm(4,500g)、5℃、7分間の遠心分離で回収
し、SMM緩衝液5mlに懸濁した。同様の操作を更にもう一
度行った後、SMM緩衝液5mlに再懸濁してプロトプラスト
菌液とした。
プラスミドpUB110(ベセスダ・リサーチ・ラボラトリ
ー社より購入)をTE緩衝液(10mMトリス−HCl(pH7.
0)、1mM EDTA)に100μg/mlの濃度となるように溶解
し、このDNA溶液50μと2倍濃度のSMM緩衝液50μと
の混合液を上記プロトプラスト菌液0.5mlに添加した。
その後更にPEG液〔SMM緩衝液にポリエチレングリコール
6000(Polyethylene glycol 6000)を40%濃度に溶解す
る〕1.5mlを添加してゆるやかに混合し、2分間室温で
静置した。その後SMML−PVP培地(L−ブロスと2倍濃
度のSMM緩衝液を等量混合し、更にポリビニルピロリド
ン〔PVP:Polyvinyl pyrolidone〕を終濃度40g/となる
ように添加したもの)を5ml添加して、4,000rpm(1,800
g)で10分間遠心分離して、上澄液を除去した。沈降し
たプロトプラストに0.5mlのSMML−PVP培地1mlを加えて
ゆるやかに懸濁液30℃で2時間ゆるやかに振とう培養
し、一定量をカナマイシン700μg/ml濃度を含む再生培
地(重層寒天培地を用いる。下層寒天培地はDMS培地
〔グルコース5g/、カザミノ酸5g/、K2HPO43.5g/
、KH2PO41.5g/、PVP30g/、MgCl20.4g/、コハク
酸2ナトリウム135g/〕に15g/の寒天を添加して作
成し、上層寒天培地は上記DMS培地に6g/の寒天を添加
して作成する。プロトプラスト懸濁液と溶解した上層寒
天培地3mlとを混合して、下層寒天培地上に重層する)
に植菌し、32℃で5日間培養した。出現したカナマイシ
ン耐性形質転換株を4μg/ml濃度のカナマイシンを含有
するL−寒天培地(L−ブロスに15g/の寒天を添加し
た培地)上で純化し、バチルス・スブチリス168MA3(pU
B110)を得た。
ベクターpUB110を保持したバチルス・スブチリス168M
3(Bacillus subtilis168MA3)をカナマイシン(4μg/
ml)を含む200mlL−ブロスに植菌し、37℃にて一晩培用
した。得られた培養液を集菌し、15%シュークロース、
50mMトリス−HCl(pH8.5)、50mM EDTA、5mg/mlリゾチ
ウム(シグマ社)よりなる水溶液2mlに懸濁し、37℃に
て30分間反応させた。次にトリトン溶液(0.1%トリト
ンX−100)、50mMトリス−HCl、50mM EDTA、pH8.5)2m
lを加えて37℃にて30分間保持した。次にこの溶液を5
℃にて30,000rpm(64,000g)で1時間遠心分離し上清を
回収し、TE緩衝液を加えて18mlとした。この液に、10mg
/mlのエチジウムブロマイド水溶液1.2mlと塩化セシウム
18.64gとを加えて静かに溶解し、40,000rpm(100,000
g)、15℃で48時間遠心分離した。プラスミドpUB110
は、紫外線照射により遠心チューブ中、2本のバンドの
下方として見い出され、このバンドを遠心チューブの側
面から注射器で抜き取ることにより、プラスミドpUB110
を分離した。次にこの分画液を等容量のイソプロピルア
ルコールで4回抽出し、エチジウムブロマイドを除去
し、その後のTE緩衝液に対して透析して、DNA濃度100μ
g/mlのプラスミドpUB110の透析完了液1mlを得た。
(4)プラスミドpUX2の作成と該プラスミド保有菌から
の該プラスミドの調製 プラスミドpUB110DNA5μgに対して20単位の制限酵素
BamH I(TOYOBO社より購入)を加えて、10mMトリス−HC
l(pH7.4)、10mM MgSO4、50mM NaCl、1mMジチオスレイ
トール(DTT)の緩衝液50μ中で37℃にて2時間反応
させた。この反応液に等容のフェノール・クロロホルム
(1:1v/v)液を添加して撹拌の後、水層を回収した。更
に等容のクロロホルムを添加して撹拌の後、水層を回収
した。そこへ酢酸ナトリウムを最終濃度0.3Mになる様に
加え、次に2倍容のエタノールを添加して−80℃で30分
間保持した後、12,000rpm(8,900g)で10分間遠心分離
してDNA沈殿を回収し、同沈殿を減圧乾燥した(DNA試料
XIII)。
DNA試料XIIIと3単位のT4DNAポリメラーゼ(T4DNA po
lymerase)(宝酒造株式会社より購入)とを、33mMトリ
ス−CH3COOK、66mM CH3COOK、10mM(CH3COO)2Mg、0.5m
Mジチオトレイトール、0.1mg/mlウシ血清アルブミン(B
SA)(ベゼスダリサーチラボラトリー社より購入)、0.
1mM2′−デオキシアデノシン5′−トリホスフェート
(シグマ社、米国より購入)、0.1mM2′−デオキシシチ
ジン5′−トリホスフェート(シグマ社、米国より購
入)、0.1mM2′−デオキシグアノシン5′−トリホスフ
ェート(シグマ社、米国より購入)、0.1mMチミジン
5′−トリホスフェート(シグマ社、米国より購入)の
反応液44μ中で30℃にて20分間反応させた。この液に
酢酸ナトリウムを最終濃度300mMになる様に加え、2倍
容のエタノールを添加して、−80℃にて3時間保持し
た。次に12,000rpm(8,900g)で10分間遠心分離してDNA
沈殿を回収し、得られた沈殿を減圧乾燥した(DNA試料X
IV)。
Xba Iリンカー(Xba I Iinker)(宝酒造株式会社よ
り購入)1.5μgとT4ポリヌクレオチドキナーゼ(T4Plo
ynucleotide kinase)(宝酒造株式会社より購入)2.5
単位とを、66mMトリス−HCl(pH7.6)、1mM ATP、10mM
MgCl2、1mMスペルミジン、15mMジチオトレイトール、0.
2mg/ml BSAの反応液10μの中で37℃にて1時間反応さ
せた(DNA試料XV)。
DNA試料XIV全量とDNA試料XV全量とT4ファージDNAガー
ゼ(T4Phage DNA ligase)(宝酒造株式会社より購入)
6単位とを、66mMトリス−HCl(pH7.6)、1mM ATP、10m
M MgCl2、1mMスペルミジン、15mMジチオトレイトール、
0.2mg/ml BSAの反応液22μ中で22℃にて4時間反応さ
せた。この反応液にTE緩衝液を加えて100μとし、こ
れに等容のフェノール・クロロホルム(1:1v/v)液を添
加して撹拌の後、水層を回収した。更に等容のクロロホ
ルムを添加して撹拌の後、水層を回収した。そこへ酢酸
ナトリウムを最終濃度300mMになる様に加え、次に2倍
容のエタノールを添加して、−80℃で30分間保持した
後、12,000rpm(8,900g)で室温で10分間遠心分離してD
NA沈殿を回収しこれを減圧乾燥した(DNA試料XVI)。
DNA試料XVI全量に対して、15単位の制限酵素Xba Iを
加えて、50mMトリス−HCl(pH7.4)、10mM MgSO4、100m
M NaClの緩衝液50μ中で37℃にて、4時間反応させ
た。消化した試料は、前述と実質的に同様の方法によ
り、1%アガロースゲル電気泳動に供した。ただし電気
泳動には、ベゼスダリサーチラボラトリー社より購入し
たLMPアガロースを使用し、4℃で電気泳動した。次に
エチジウムブロマイドで染色したアガロースゲルを紫外
線照射下に置き、4.1キロベースのDNA断片の存在を確認
し、その付近のアガロースゲルを切り出した。切り出し
たアガロースゲルにその重量の3倍量のTE緩衝液を加え
て、65℃で10分間加熱し、アガロースゲルを完全にとか
した。次に等容のフェノールを添加して撹拌後、水層を
回収した。得られた水層に、等容のフェノール・クロロ
ホルム(1:1v/v)液を添加して撹拌の後、水層を回収し
た。得られた水層に等容のクロロホルムを添加して撹拌
の後、水層を回収した。得られた水層に、酢酸ナトリウ
ムを最終濃度300mMになるように添加し、更に2倍容の
エタノールを加えて撹拌の後、−80℃で30分間保持し
た。その後10,000rpm(9,000g)で10分間遠心分離してD
NA沈殿を回収した。次に、得られた沈殿を減圧乾燥し
た。得られたDNA試料を50mMトリス−HCl(pH7.4)、10m
M MgCl2、10mMジチオトレイトール、1mMスペルミジン、
1mM ATP、0.1mg/ml BSAの緩衝液50μに溶解し、3単
位のT4ファージDNAリガーゼを添加して15℃にて一晩反
応させた。該反応液全量を用いて前記実施例2−〔1〕
−(4)の方法によりバチルス・スブチリス(Bacillus
subtilis)168M3(微工研条寄第1042号)のプロトプラ
ストを形質転換し、バチルス・ズブチリス168MA3(pUX
2)を得た。
バチルス・ズブチリス168MA3(pUX2)より、前記実施
例2−〔1〕−(4)と全く同様の方法でプラスミドpU
X2を調製し、90μg/ml濃度のプラスミドpUX2を含むTE緩
衝液1.6mlを得た。
プラスミドpUX25μgに対して20単位の制限酵素Xba I
を加えて、50mMトリス−HCl(pH7.4)、10mM MgSO4、10
0mM NaClの緩衝液50μ中で37℃にて2時間反応させ
た。この反応液に等容のフェノール・クロロホルム(1:
1v/v)液を添加して撹拌の後、水層を回収した。更に等
容のクロロホルムを添加して撹拌の後、水層を回収し
た。そこへ酢酸ナトリウムを最終濃度0.3Mとなる様に加
え、次に2倍容のエタノールを添加して−80℃で30分間
保持した後、12,000rpm(8,900g)で10分間遠心分離し
てDNA沈殿を回収し、同沈殿を減圧乾燥した(DNA試料XV
II)。
(5)組換え体プラスミドの作成と該プラスミドの枯草
菌への移入 DNA試料XII 2μgとDNA試料XVII 1μgと3単位のT4
ファージDNAリガーゼとを、50mMトリス−HCl(pH7.
4)、10mM MgCl2、10mMジチオトレイトール、1mMスペル
ミジン、1mM ATP、0.1mg/ml BSAの緩衝液50μ中で15
℃にて一晩反応させた。その後、70℃にて10分間加熱す
ることにより、反応を停止させた。この反応液全量を用
いて、前記実施例2−〔1〕−(4)と同様の方法によ
りバチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)168MA3
(微工研条寄第1042号)を形質転換し、得られたテトラ
サンクリン耐性形質転換株について下記のごとく試験し
た。
(6)コリネバクテリウム・メラセコラ(Corynebacter
ium melassecola)801(微工研条寄第558号)のAH産生
遺伝子を有する枯草菌の選択分離 前記実施例2−〔1〕−(5)で得られた菌株を、50
mg/のトリプトファンと4μg/mlのカナマイシンを含
有した、スピッツアイゼンの最少寒天培地で培養し、生
育の有無を調べた。その結果、カナマイシン耐性、グル
タミン酸非要求性を示す菌株が得られ、該菌株を目的の
AH遺伝子を保有した枯草菌バチルス・ズブチリス(Baci
llus subtilis)168MA3(paG501)として分離した。
該枯草菌のAH活性を、下記の方法で測定することによ
り、クローニングした遺伝子がAH産生遺伝子であること
を確認した。
L−ブロス(カナマイシン耐性株を培養する場合には
カナマイシン4μg/mlを添加した)200mlで、バチルス
・ズブチリス(Bacillus subtilis)168MI113、バチル
ス・ズブチリス(Bacillus subtilis)168MA3、バチル
ス・ズブチリス(Bacillus subtilis)168MA3(pUX2)
およびバチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)168
M3(pAG501)をそれぞれ振とう培養した。該培養液より
菌体を遠心分離により集め、0.8%のNaCl水溶液で洗浄
後、12mlのME緩衝液〔50mM2−(N−モルフォリノエタ
ンスルホン酸:MES、10mM MnSO4、10mM EDTA、pH7.0〕に
懸濁した。これを、ブラウン社(西独)製のMSKセルホ
モジナイザー(853021型)で処理した後、14,000rpm(2
0,000g)で20分間遠心分離して、細胞抽出液(粗酵素
液)を調製した。
AH活性は2.6mlの酵素反応液〔77mMトリス−HCl(pH7.
2)、115mM NaCl、0.115mMシス−アコニット酸、50μ
の細胞抽出液〕の30℃における240nmの吸光度の減少
を、日立分光光度計(228型)で測定することにより求
めた。
また、細胞抽出液の蛋白質濃度の測定には、ローリー
や{オー・エイチ・ローリー、エヌ・ジェイ・ローウェ
ブロー、アール・ジェイ・ランダム・ジェイ・バイオル
・ケム.193巻265頁1951年〔O.H.Lowry,N.J.Rowebrough,
R,J.Randall,J.Biol.Chem,193,265(1951)〕}の方法
を用いた。尚、同測定の標準蛋白質として、ウシ血清ア
ルブミン(和光純薬工業社より購入)を用いた。測定結
果を第6表に示した。第6表のAH比活性測定結果より、
バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)168MA3(p
AG501)は明らかにAH活性を回復していた。
(7)複合プラスミドpAG501の分離と解析 バチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)168MA3
(pAG501)より、前記実施例2−〔1〕−(3)と同様
の方法でプラスミドpAG501のDNAを120μg分離精製し
た。このDNA0.3μgに対して、各々過剰の制限酵素〔Ec
oR I、BamH I、Bal II、HInd III、Kpn I(TOY−OBO社
より購入)、Mlu I(宝酒造より購入)、Pst I,Pvu I
I、Sac I、Sal I、Xba I、Xho I(TOYOBO社より購
入)〕を、それぞれの適正条件にて反応させ、その消化
した試料を前述の方法により1%アガロースゲル電気泳
動および4%ポリアクリルアミドゲル電気泳動に供し
た。泳動の終ったゲルを1μg/mlエチジウムブロマイド
水溶液に浸漬して30分間染色した後、紫外線をゲルに照
射して生成断片の数を判定し、各断片の泳動距離から各
々の分子の長さを算出した。尚、分子の長さは、同一ア
ガロースゲル上で同時に電気泳動したラムダファージ
(λ phage)DNA(ニッポンジーン社より購入)の制限
酵素Hind IIIによる消化断片の既知の分子の長さに、ま
たは同一ポリアクリルアミドゲル上で同時に電気泳動し
たファイエックス174ファージ(φX174phage)DNAの制
限酵素Hae IIIによる消化断片(ベゼスダリサーチラボ
ラトリー社より購入)の既知の分子の長さに基づいて算
出した。更に、複数の制限酵素処理によって生じた消化
断片を解析することにより、プラスミド分子中の各制限
酵素切断部位を決定した。得られたプラスミドpAG501の
制限酵素切断地図を第12図に示す。
第12図から明らかなように、プラスミドpAG501はベク
ターpUX2の制限酵素Xba I切断部位に、約4.7キロベース
のAH酸生遺伝子を含む愛来のXba I断片が組込まれてい
た。このXba I断片がコリネバクテリウム・メラセコラ
(Corynebecterium melassecole)801(微光研条寄第55
8号)由来のAH産生遺伝子を含むDNA断片である。
プラスミドpAG501のDNAにより、前記実施例2−
〔1〕−(4)と同様の方法で、バチルス・ズブチリス
(Bacillus subtilis)168MA3を形質転換した。その結
果、調べた形質転換体株は、全てカナマイシン耐性かつ
グルタミン酸非要求性であった。更に、該形質転換株に
ついて、それらが保有するプラスミドを解析した結果、
それらのプラスミドは、供与プラスミドと比べて制限酵
素切断様式で同一と判定されるプラスミドであった。
(8)AH産生遺伝子を含む約4.7キロベースのDNA断片の
分離 前記実施例2−〔1〕−(7)で調製したプラスミド
pAG501のDNA20μgに対して、60単位の制限酵素Xba Iを
加えて、50mMトリス−HCl(pH7.4)、10mM MgSO4、100m
M NaClの緩衝液100μ中で37℃にて2時間反応させ
た。消化した試料は、前記の方法により、1%アガロー
スゲル電気泳動に供した。ただし、ベゼスダ・リサーチ
・ラボトリー社より購入したLMPアガロースを使用し、
4℃で電気泳動した。次にエチジウムブロマイドで染色
したアガロースゲルを紫外線照射下に置き、AH産生遺伝
子を含む約4.7キロベースのDNA断片の存在を確認し、そ
の付近のアガロースゲルを切り出した。該アガロースゲ
ルにその重量の2倍量のTE緩衝液を加えて、65℃で10分
間保持し、アガロースゲルを完全にとかした。次に等容
のフェノールを添加して撹拌の後、水層を回収した。得
られた水層に、等容のフェノール・クロロホルム(1:1v
/v)液を添加して撹拌の後、水層を回収した。得られた
水層に、等容のクロロホルムを添加して撹拌の後、水層
を回収した。得られた水層に、酢酸ナトリウムを最終濃
度300mMになるように添加し、更に2倍容のエタノール
を加えて撹拌の後、−80℃にて30分間保持した。その
後、10,000rpm(9,000g)で10分間遠心分離して、DNA沈
殿を回収した。次に、同沈殿を減圧乾燥後、TE緩衝液20
μに溶解した。以上の操作により、AH産生遺伝子を含
む約4.7キロベースのDNA断片を約6μg取得した。
(9)プラスミドpAG50へのAH産生遺伝子を含むDNA断片
の組込み 前記実施例1工程〔1〕−(8)−で調製したプラ
スミドpAG50のDNA5μgに対して、制限酵素Xba Iを15単
位加えて、50mMトリス−HCl(pH7.4)、10mM MgSO4、10
0mM NaClの緩衝液60μ中で、37℃にて2時間反応させ
た。その後、70℃で10分間加熱して、反応を停止させ
た。この液に酢酸ナトリウムを最終濃度300mMになる様
に加え、2倍容のエタノールを添加して、−30℃にて3
時間保持した。次に12,000rpm(8,900g)で10分間遠心
分離してDNA沈殿を回収し、同沈殿を減圧乾燥した。得
れた試料をBAPT緩衝液(50mMトリス−HCl、pH8.4)200
μに溶解し、バクテリアル・アリカリ・ホスファター
ゼ(Bacterial alkaline phosphatase)(宝酒造株式会
社より購入)を1単位添加して65℃にて30分間反応させ
た。更に同じ酵素を1単位添加して65℃で30分間反応さ
せた。その後、反応液に等容のTNE緩衝液で飽和したフ
ェノールを加え、混合した後12,000rpm(8,900g)で10
分間遠心分離して水層を回収し、更にもう1回同じ操作
を繰り返した。次に水層の等容のフェノール・クロロホ
ルム(1:1v/v)液を添加して混合した後、12,000rpm
(8,900g)で10分間遠心分離し、水層を回収した。更に
水層に等容のクロロホルムを添加して撹拌した後、12,0
0rpm(8,900g)で10分間遠心分離し、水層を回収した。
該水層に酢酸ナトリウムを最終濃度300mMになる様に加
え、2倍容のエタノールを添加し撹拌した後、−30℃に
て3時間保持した。その後、12,000rpm(8,900g)で10
分間遠心分離し、DNA沈殿を回収した。これを減圧乾燥
した。このDNA全量と前記実施例2−〔1〕−(8)で
調製したDNA1μgと3単位のT4ファージDNAリガーゼ
(ニッポンジーン社より購入)とを、50mMトリス−HCl
(pH7.4)、10mM MgCl2、10mMジチオトレイトール、1mM
スペルミジン、1mM ATP、0.1mg/ml BSA(Bovine serum
albumin)(ベゼスダリサーチラボラトリー社より購
入)の緩衝液50μ中で、15℃にて一晩反応させた。そ
の後、70℃にて10分間加熱することにより、反応を停止
させた。
(10)AH産生遺伝子を含有した複合プラスミドpAG5001
の取得 前記実施例2−〔1〕−(9)で作成した組換え体DN
Aにより、コリネバクテリウム・メラセコラ(Corynebec
terium melassecole)801(微光研条寄第558号)を形質
転換した。前記実施例1工程〔1〕−(8)−に記載
の方法で得られたテトラサイクリン耐性形質転換株の保
有するプラスミドを解析することにより、目的プラスミ
ドを取得した。得られたプラスミドをpAG5001と命名し
た。
得られたテトラサイクリン耐性形質転換株を、テトラ
サイクリン10μg/mlを含むLG寒天培地(L−寒天培地に
グルコース5g/を添加した培地)上で純化した後、各
菌株から前記実施例1工程〔1〕−(8)−と同様の
方法により、プラスミドを分離し、前記実施例1−
〔1〕−(6)と同様の方法によりそれらのプラスミド
を解析した。その結果、プラスミドpAG5001を取得し
た。プラスミドpAG5001は、第13図に示した様に、プラ
スミドpAG50の制限酵素Xba I切断部位に、グルタミン酸
生産製コリネ型細菌由来のAH産生遺伝子を含む約4.7キ
ロベースのDNA断片が組込まれた複合プラスミドであ
る。
(11)プラスミドpAG5001保有菌株のAH活性の測定 プラスミドpAG5001保有のコリネバクテリウム・メラ
セコラ(Corynebacterium melassecola)801を、テトラ
サイクリン10μg/ml含有の前記糖蜜培地50mlで、32℃に
て一晩振とう培養した。ただし、プラスミド非保持株
は、テトラサイクリン無添加で培養した。この培養液よ
り集菌し、0.8%NaCl水溶液20mlで2回洗浄後、前記MES
緩衝液10mlに懸濁した。これを、ブラウン社製(西独)
のMSKセルホモジナイザー(853021型)で処理した後、1
4,000rpm(20,000g)で20分間遠心分離して、細胞抽出
液(粗酵素液)を調製した。この細胞抽出液を用いて、
前記実施例2−〔1〕−(6)と同様の方法により、AH
活性を測定した。その結果、第7表に示した様に、プラ
スミドpAG5001保持菌株は、ベクターpAG50保持菌株やプ
ラスミド非保持菌に比べて、高いAH比活性を示した。
故に、プラスミドpAG5001にふくまれている約4.7キロ
ベースのXba I断片には、グルタミン酸生産性コリネ型
細菌由来のAH産生遺伝子が含まれていることは明らかで
ある。
(12)AH遺伝子を含むDNA断片の分離 pAG5001DNAを前記実施例1−〔3〕−(1)に記載の
方法で100mlの培養液から約60μg(DNA濃度約50μg/m
l)を得た。本プラスミドDNA約10μg相当分を、50mMTr
is−Hcl〔pH7.5〕、100mM NaCl、10mM MgCl2の緩衝液40
0μ中で20単位のXba Iを添加して37℃で2時間反応さ
せることにより切断し、前記実施例2−〔1〕−(8)
に記載のLMPアロガースを用いたアロガースゲル電気泳
動を行った。AH遺伝子を含む約4.7kbのDNA断片を実施例
2−〔1〕−(8)と同様にゲルから抽出し、該DNA断
片約2μgを取得した(AH断片:DNA試料XVIII)。
〔2〕pIG101からの6.9kbおよび6.5kbのXba I断片の調
製 実施例1で得られたpIG101DNA約10μgを20単位のXba
Iにより切断後LMPアガロースを用いたアガロースゲル
電気泳動を行った。pIG101はXba I断片により6.9kb、6.
5kbおよび3.0kbの3断片に分かれるが、6.9kbと6.5kbの
断片をそれぞれ別個に調製することは困難であったの
で、これら2断片を混合物のまま抽出した。すなわち、
6.9kbおよび6.5kbのバンドの部分のアガロースゲルをま
とめて切出し、前記実施例2−〔1〕−(8)の方法で
これら断片の混合物約5μgを得た(DNA試料XIX)。
〔3〕組換えプラスミドの作製 前記DNA試料XVIIIおよびDNA試料XIXの全量を用いて、
前記実施例2−〔1〕−(9)および2−〔1〕−(1
0)と実質的に同様の方法により、リガーゼ反応とコリ
ネバクテリウム・メラセコラ(Corynebacterium melass
ecola)801の形質転換を行った。得られたテトラサイク
リン耐性形質転換株約60株について前記実施例1−
〔5〕に記載したアルカリ溶菌法により、それぞれ小量
のプラスミドDNAを調製した。各プラスミドDNAサンプル
の半量をまずXba Iで切断し、電気泳動で6.9kb、6.5k
b、および4.7kbの3断片が確認できるものを選択後、こ
れらについて残り半量のサンプルを用いてSal I処理で
3.4kbの断片が生じるものをスクリーングした。その結
果、目的の構造を持つプラスミドが2種得られ、そのう
ちの1種をpAIG321と命名して詳しい解析を行った。
コリネバクテリウム・メラセコラ(Corynebacterium
melassecola)801(pAIG321)より前記実施例1−
〔3〕の方法でpAIG321DNAを約50μg(約45μg/ml)取
得した。本プラスミドDNAを用いて前述の方法により制
限酵素による切断点地図を決定した。その結果、pAIG32
1はpIG101の3.0kbのXba I断片の代わりにAH遺伝子を含
む4.7kbのXba I断片が組み込まれたプラスミドであるこ
とが判明した。得られたプラスミドpAIG321の制限酵素
切断地図を第14図に示す。
〔4〕pAIG321保持菌の酵素活性の測定 コリネバクテリウム・メラセコラ(Corynebacterium
melassecola)801(pAIG321)を50mlの糖蜜培地で培養
し、前記実施例1−〔6〕と全く同じ方法で細胞抽出液
を調製した。本細胞抽出液のGDH活性およびICDH活性を
前記実施例1−〔6〕の方法で測定した。またAH活性に
ついては下記の方法で測定を行なった。AH活性は、2.6m
lの酵素反応液〔77mM Tris−HCl(pH7.2)、115mM NaC
l、0.115mMシス−アコニット酸、10〜50μの細胞抽出
液〕の30℃における240nmの吸光度の減少を日立分光光
度計(228型)で測定することにより測定した。これら
の結果およびプラスミドを保持しないコリネバクテリウ
ム・メラセコラ(Corynebacterium melassecola)801の
細胞抽出液を用いた場合の結果を第2表に示した。本結
果より明らかなように、コリネバクテリウム・メラセコ
ラ(Corynebacterium melassecola)801(pAIG321)はA
H,ICDHおよびGDHの3種の酵素が同時に強化された菌株
であった。
実施例3 実施例では、CS+ICDH+GDHの3重強化株を作成した
例を示す。またCS+ICDHの2重強化株およびCS+GDHの
の2重強化株を作成した例についても同時に示す。
組換えプラスミドを作成する際の材料としては前述の
pAG1001,pAG3001の他にCS遺伝子を含む組換えプラスミ
ドpAG4003を用いた。pAG4003はコリネバクテリウム・メ
ラセコラ(Corynebacterium melassecola)801のベクタ
ープラスミドpAG50の約0.7kb BamH I−Sal H断片の代わ
りに、コリネバクテリウム・メラセコラ(Corynebacter
ium melassecola)801由来のCS遺伝子を含む約3.2kb Ba
mH I−Sal I断片が組み込まれた組換えプラスミドであ
り、本プラスミドの作製方法は特願昭61−279888に詳細
に記述されている。
〔1〕組換えプラスミドpAG4003の調製 (1)コリネバクテリウム・メラセコラ(Corynebacter
ium melassecola)801(微工研条寄558号)のCS産生遺
伝子を有する大腸菌の選択分離 コリネバクテリウム・メラセコラ(Corynebacteriu
m melassecola)801(微工研条寄第558号)からの全DNA
の調製とその切断 実施例1工程〔1〕−(1)に記載と同様の方法によ
りDNA濃度0.85mg/mlの全DNA溶液を得た。
全DNAの切断のためには、128μgの全DNAに対して、1
3単位の制限酵素Xba I(ニッポンジーン社より購入)を
加え、50mM Tris−HCl(pH7.4)、10mM MgSO74、100mM
NaCl、の緩衝液20μ0中で37℃にて2時間反応させ
た。その後70℃で10分間加熱して反応を停止させた。
(DNA試料XX) ベクターpBR325の調製と開裂とXba Iリンカーの組
込み 先づ、ベクターpBR325をエシェリヒア・コリ(Escher
ichia coli)K12 W620に移入し、得られた形質転換株
からpBR325を調製した。即ち、エシェリヒア・コリ(Es
cherichia coli)K12 W620を50mlのL−ブロス(ポリ
ペプトン10g/、酵母エキス5g/、NaCl5g/ pH7.2)
に植菌し、37℃にて菌濃度5×108個/mlまで増殖させた
後、2℃で集菌した。該菌体を50mlの氷冷した100mM Mg
Cl2水溶液に懸濁し、集菌後更に25mlの氷冷した100mM C
aCl2水溶液に懸濁した。氷中で30分保持した後、集菌し
て再度5mlの氷冷した100mM CaCl2水溶液に懸濁し、氷中
で1時間保持した〔コンペテントセル(Competent cel
l)〕。この菌懸濁液200μに0.1μgのpBR325DNAを添
加して、氷中で1時間保持した。その後42℃にて2分間
保持した後、5mlのL−ブロスを添加して、37℃にて90
分間静置培養した。得られた培養液を適当に希釈して、
10μg/mlのテトラサイクリンを添加したL−寒天培地
(L−ブロスに15g/の寒天を添加した培地)に塗布し
37℃で一晩培養した。得られたpBR325による形質転換株
エシェリヒア コリK12 W620(pBR325)より、以下の
ようにして該ベクターの調製を行った。
ベクターpBR325を保持したエシェリヒア・コリ(Esch
erichia coli)K12 W620を、100mlのテトラサイクリン
(10μg/ml)を含むL−ブロスに植菌し、37℃にて一晩
培養した。得られた培養液より集菌しTE緩衝液で洗浄
後、15%シュークロース、50mM Tris−HCl(pH8.5)、5
0mM EDTA、2mg/mlリゾチウム(シグマ社)よりなる水溶
液2mlに懸濁し、室温にて30分間反応させた。次にトリ
トン溶液〔0.1%トリトンX−100(Triton X−100)、5
0mM Tris−HCl、50mM EDTA、pH8.5〕2mlを加えて37℃に
て30分間保持した。次にこの溶液を、5℃にて30,000rp
m(64,000g)で1時間遠心分離し上清を回収し、TE緩衝
液を加えて18mlとした。この液に、10mg/mlのエチジウ
ムブロマイド水溶液1.2mlと塩化セシウム18.64gとを加
えて静かに溶解し、40,000rpm(100,000g)、15℃で48
時間遠心分離した。ベクターpBR325は、紫外線照射によ
り遠心チューブ中、2本のバンドの下方として見い出さ
れ、このバンドを遠心チューブの側面から注射器で抜き
取ることにより、ベクターpBR325を分離した。次にこの
分画液を等容量のイソプロピルアルコールで4回抽出し
て、エチジウムブロマイドを除去し、その後にTE緩衝液
に対して透析して、DNA濃度190μg/mlのベクターpBR325
の透析完了液1mlを得た。
ベクターpBR325DNA5μgに対して20単位の制限酵素Ec
oR Iを加えて、50mM Tris−HCl(pH7.4)、10mM MgS
O4、100mM NaCl、の緩衝液50μ中で37℃にて2時間反
応させた。その後、70℃で10分間加熱して反応を停止さ
せた。その液に酢酸ナトリウムを最終濃度300mMになる
様に加え、2倍容のエタノールを添加して、−30℃にて
3時間保持した。次に12,000rpm(8,900g)で10分間遠
心分離してDNA沈殿を回収し、同沈殿を減圧乾燥した(D
NA試料XXI)。
DNA試料XXIと3単位T4DNAポリメラーゼ(T4DNA polym
erase)(宝酒造株式会社より購入)とを、33mM Tris−
CH3COOH(pH7.9)、6.6mM CH3COOK、10mM(CH3COO)2M
g、0.5mMジチオトレイトール、0.1mg/ml BSA(Bovine s
erum albumin)(ベゼスダリサーチラボラトリー社より
購入)、0.1mM 2′−デオキシアデノシン5′−トリホ
スフェート(シグマ社、米国より購入)、0.1mM 2′−
デオキシシチジン 5′−トリホスフェート(シグマ
社、米国より購入)、0.1mM 2′−デオキシグアノシン
5′−トリホスフェート(シグマ社、米国より購
入)、0.1mM チミジン 5′−トリホスフェート(シグ
マ社、米国より購入)の反応液44μ中で30℃にて20分
間反応させた。この液に酢酸ナトリウムを最終濃度30mM
になる様に加え、2倍容のエタノールを添加して、−30
℃にて3時間保持した。次に12,000rpm(8,900g)で10
分間遠心分離してDNA沈殿を回収し、得られた沈殿を減
圧乾燥した(DNA試料XXII)。
Xba Iリンカー(Xba I linker)(宝酒造株式会社よ
り購入)1.5μgとT4ポリヌクレオチドキナーゼ(T4Pol
ynucleotide kinase)(宝酒造株式会社より購入)2.5
単位とを、66mM Tris−HCl(pH7.6)、1mM ATP、10mM M
gCl2、1mMスペルミジン、15mM ジチオトレイトール、0.
2mg/ml BSAの反応液10μ中で37℃にて1時間反応させ
た(DNA試料XXIII)。
DNA試料XXIIの1/2量とDNA試料XXIII全量とT4ファージ
DNAリガーゼ(T4Phage DNA ligase)(宝酒造株式会社
より購入)6単位とを、66mM Tris−HCl(pH7.6)、1mM
ATP、10mM MgCl2、1mMスペルミジン、15mMジチオトレ
イトール、0.2mg/ml BSAの反応液22μ中で22℃にて4
時間反応させた。この反応液に等容のフェノール・クロ
ロホルム(1:1,v/v)液を添加して撹拌の後、水層を回
収した。更に等容のクロロホルムを添加して撹拌の後、
水層を回収した。そこへ酢酸ナトリウムを最終濃度300m
Mになる様に加え、次に2倍容のエタノールを添加し
て、−30℃で3時間保持した後、12,000rpm(8,900g)
で10分間遠心分離してDNA沈殿を回収しこれを減圧乾燥
した(DNA試料XXIV)。
DNA試料XXIV全量に対して、15単位の制限酵素Xba Iを
加えて、50mM Tris−HCl(pH7.4)、10mM MgSO4、100mM
NaClの緩衝液50μ中で37℃にて、2時間反応させ
た。消化した試料は、前記の方法により、1%アガロー
スゲル電気泳動に供した。ただし電気泳動には、ベゼス
ダ・リサーチラボラトリー社より購入したLMPアガロー
スを使用し、4℃で電気泳動した。次にエチジウムブロ
マイドで染色したアガロースゲルを紫外線照射下に置
き、6.0キロベースのDNA断片の存在を確認し、その付近
のアガロースゲルを切り出した。切り出したアガロース
ゲルにその重量の3倍量のTE緩衝液を加えて、65℃で10
分間加熱し、アガロースゲルを完全にとかした。次に等
容のフェノールを添加して撹拌後、水層を回収した。得
られた水層に、等容のフェノール・クロロホルム(1:1,
v/v)液を添加して、撹拌の後水層を回収した。得られ
た水層に等容のクロロホルムを添加して撹拌後、水層を
回収した。得られた水層に、酢酸ナトリウムを最終濃度
300mMになるように添加し、更に2倍容のエタノールを
加えて撹拌の後、−30℃で3時間保持した。その後10,0
00rpm(9,000g)で10分間遠心分離してDNA沈殿を回収し
た。次に、得られた沈殿を減圧乾燥した(DNA試料XX
V)。
組換え体プラスミドの作成 DNA試料XX 2μgとDNA試料XXV全量と3単位のT4
ァージDNAリガーゼとを、50mM Tris−HCl(pH7.4)、10
mM MgCl2、10mM ジチオトレイトール、1mM スペルミジ
ン、1mM ATP、0.1mg/ml BSAの緩衝液40μ中で、15℃
にて一晩反応させた。その後70℃にて10分間加熱するこ
とにより、反応を停止させた。
組換え体プラスミドの大腸菌への移入 前記工程の方法により、エシェリヒア・コリ(Esch
erichia coli)K12 W620をコンピテントセル(Competen
t cell)を調製した。得られた細胞懸濁液400μと前
記工程の反応液40μとを混合して、氷中に1時間保
持した。その後、42℃にて2分間加熱した後、5mlのL
−ブロスを添加して37℃にて90分間静置培養した。次
に、得られた培養液から集菌し、無菌水に懸濁した。得
られた懸濁液を、テトラサイクリン(10μg/ml)を添加
した合成寒天培地〔MgSO4・7H2O 0.2g/、クエン酸(C
itric acid.1H2O)2g/、無水リン酸水素二カリウム
(K2HPO・anhydrous)10g/、NaHNH4PO4・4H2O 3.5g/
、グルコース1g/、寒天1.5g/、塩酸チアミン5mg/
、ウラシル3mg/〕に塗布して培養した。この様にし
て得られた菌株を、アンピシリン(30μg/ml)とテトラ
サイクリン(10μg/ml)とを含む前記合成寒天培地で培
養し、生育の有無を調べた。その結果、アンピシリン耐
性テトラサイクリン耐性グルタミン酸非要求性を示す菌
株を目的のCS産生遺伝子を保有した大腸菌エシェリヒア
・コリ(Escherichia coli)K12 W620(pAG401)として
分離した。
該大腸菌のCS活性を、下記の方法で測定することによ
り、クローニングした遺伝子がCS産生遺伝子であること
を確認した。合成液体培地(前記合成寒天培地より寒天
を削除した培地組成)50mlで、エシェリヒア・コリ(Es
cherichia coli)K12 W620(pAG401)を振盪培養した。
該大腸菌を集菌後、0.8%のNaCl水溶液10mlで洗浄し、2
mlのMES緩衝液〔50mM 2−(N−モリフォリノエタンス
ルホン酸:MES,10mM MnSO、10mM EDTA、pH7.0〕に懸濁し
た。これを超音波処理した後、14,000rpm(20,000g)で
20分間遠心分離して、細胞抽出液(粗酵素液)を調製し
た。尚、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)K12
W620、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)K12 W6
20(pBR325)を培養する場合には、前記合成液体培地に
グルタミン酸ナトリウム(MSG)0.5g/を添加した。エ
シェリヒア・コリ(Escherichia coli)K12 W620(pAG4
01)、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)K12 W6
20(pBR325)を培養する場合には、前記合成液体培地に
テトラサイクリン10μg/mlを添加した。
CS活性は、3.0mlの酵素反応液〔95mM Tris−HCl(pH
8.0)、0.2mMオキザロ酢酸、0.1mM 5,5′−ジオビス−
(2−ニトロ安息香酸)DTNB)、0.16mM アセチル−Co
A,10μ細胞抽出液〕の412nmの吸光度の増大を、日立
分光光度計(228型)で測定することにより求めた。
また、細胞抽出液の蛋白質濃度の測定には、ローリー
ら{オー.エイチ.ローリー、エヌ.ジェイ.ローウェ
ブロー、アール.ジェイ.ランダル、ジェイ.バイオ
ル.ケム.193巻265頁1951年〔O.H.Lowry,N.J.Rowebroug
h,R.J.Randall,J.Biol,Chem.193,265(1951)〕}の方
法を用いた。尚、同測定の標準蛋白質として、ウシ血清
アルブミン(和光純薬工業社より購入)を用いた。測定
結果を第1表に示した。第1表のCS比活性測定結果よ
り、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)K12 W620
(pAG401)は、明らかにCS活性を回復していた。
(2)複合プラスミドpAG401の分離と解析 エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)K12 W620
(pAG401)より、前記実施例1−〔1〕−(2)の方法
でプラスミドpAG401のDNAを、160μg分離精製した。こ
のDNA0.3μgに、10単位の制限酵素EcoR I(ニッポンジ
ーン社より購入)、10単位の制限酵素BamH I(ニッポン
ジーン社より購入)、10単位の制限酵素Hind III(ニッ
ポンジーン社より購入)、10単位の制限酵素Pst I(ベ
ゼスダリサーチラボラトリー社より購入)、10単位の制
限酵素Sal I(ニッポンジーン社より購入)、10単位の
制限酵素Xho I(ニッポンジーン社より購入)10単位の
制限酵素Xba I(ニッポンジーン社より購入)の少なく
とも1種類の制限酵素を加えて、それぞれの適正緩衝液
20μ中にて、37℃で2時間反応させた。消化した試料
は、マニアティスら〔ティー.マニアティス、イー.エ
フ.フリッチュ.ジェイ.サンブルック:モレキュラー
クローニング ア ラボラトリー マニュアル、コー
ルド スプリング ハーバー ラボラトリー、コールド
スプリング ハーバー エヌ.ワイ.(T.Maniatis,
E.F.Fritsch,J.Sambrook:Molecular Cloning A Laborat
or Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Sprin
g Harbor N.Y.)150〜185頁1982年)の方法により、1
%アガロースゲル電気泳動および4%ポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動に供した。泳動の終ったゲルを1μg/ml
エチジウムブロマイド水溶液に浸漬して30分間染色した
後、紫外線をゲルに照射してゲル上に観察されるバンド
の数から生成DNA断片の数を判定し、各断片の泳動距離
から各々の分子の長さを算出し、それらを加算してプラ
スミドpAG401の分子の長さを求めた。同時にそれらの結
果に基づき、プラスミドpAG401の分子中の各制限酵素切
断部位を決定した。各DNA断片の分子の長さの決定に
は、1kb以上の分子の長さについては1%アガロースゲ
ル電気泳動を用い、約0.1kbから1kb未満の分子の長さに
ついては4%ポリアクリルアミドゲル電気泳動を用い
た。尚、分子の長さのマーカーとしては、同一アガロー
スゲル上で同時に電気泳動したラムダファージDNA(ニ
ッポンジーン社より購入)の制限酵素Hind IIIによる消
化断片と、同一ポリアクリルアミドゲル上で同時に電気
泳動したファイエックス174ファージDNAの制限酵素Hae
IIIの消化断片(ベゼスダリサーチラボラトリー社より
購入)とを用いた。このようにして得られたプラスミド
pAG401の制限酵素切断地図を第15図に示す。
第15図から明らかなように、プラスミドpAG401は、ベ
クターpBR325の制限酵素EcoR I切断部位にXba Iリンカ
ーを組込んで作成したベクターの制限酵素Xba I切断部
位に、約4.9キロベースのCS産生遺伝子を含む外来のXba
I断片が組込まれていた。このXba I断片が、コリネバ
クテリウム・メラセコラ(Corynebacterium melassecol
a)801(微工研条寄第558号)由来のCS産生遺伝子を含
むDNA断片である。
プラスミドpAG401のDNAにより、前記実施例1−
〔1〕−(2)の方法で、エシェリヒア・コリ(Escher
ichia coli)K12 W620を形質転換した。その結果、調べ
た形質転換株は、全てテトラサイクリン耐性アンピシリ
ン耐性グルタミン酸非要求性であった。更に、該形質転
換株について、それらが保有するプラスミドを解析した
結果、それらのプラスミドは、供与プラスミドと比べて
制限酵素切断様式で同一と判定されるプラスミドであっ
た。
(3)CS産生遺伝子を含む約4.9キロベースのDNA断片の
分離 前記工程〔1〕−(2)で調製したプラスミドpAG401
のDNA20μgに対して、60単位の制限酵素Xba Iを加え
て、50mM Tris−HCl(pH7.4)、10mM MgSO4、100mM NaC
lの緩衝液100μ中で37℃にて2時間反応させた。消化
した試料は、前記の方法により、1%アガロースゲル電
気泳動に供した。ただし、ベゼスダ・リサーチ・ラボラ
トリー社より購入したLMPアガロースを使用し、4℃で
電気泳動した。次にエチジウムブロマイドで染色したア
ガロースゲルを紫外線照射下に置き、CS産生遺伝子を含
む約4.9キロベースのDNA断片の存在を確認し、その付近
のアガロースゲルを切り出した。該アガロースゲルにそ
の重量の3倍量のTE緩衝液を加えて、65℃で10分間保持
し、アガロースゲルを完全にとかした。次に、等容のフ
ェノールを添加して、撹拌の後、水層を回収した。得ら
れた水層に、等容のフェノール・クロロホルム(1:1,v
/;v)液を添加して、撹拌の後、水層を回収した。得ら
れた水層に、等容のクロロホルムを添加して、撹拌の
後、水層を回収した。得られた水層に、酢酸ナトリウム
を最終濃度300mMになるように添加し、更に2倍容のエ
タノールを加えて撹拌の後、−30℃にて3時間保持し
た。その後、10,000rpm(9,000g)で10分間遠心分離し
て、DNAの沈澱を回収した。次に、同沈澱を減圧乾燥
後、TE緩衝液20μに溶解した。以上の操作により、CS
産生遺伝子を含む約4.9キロベースのDNA断片を、約3μ
g取得した。
(4)プラスミドpAG50へのCS産生遺伝子を含むDNA断片
の組込み 前記実施例1工程〔1〕−(8)−で調製したプラ
スミドpAG50のDNA5μgに対して、制限酵素Xba Iを15単
位加えて、50mM Tris−HCl(pH7.4)、10mM MgSO4、100
mM NaClの緩衝液60μ中で、37℃にて2時間反応させ
た。その後、70℃で10分間加熱して、反応を停止させ
た。この液に酢酸ナトリウムを最終濃度300mMになる様
に加え、2倍容のエタノールを添加して、−30℃にて3
時間保持した。次に12,000rpm(8,900g)で10分間遠心
分離してDNA沈澱を回収し、同沈澱を減圧乾燥した。得
られた試料をBAPT緩衝液(50mM Tris−HCl、pH8.4)200
μに溶解し、バクテリアル・アルカリ・ホスファター
ゼ(Bacterial alkaline phosphatase)(宝酒造株式会
社より購入)を1単位添加して65℃にて30分間反応させ
た。更に該酵素を1単位添加して、65℃で30分間反応さ
せた。その後、反応液に等容のTNE緩衝液で飽和したフ
ェノールを加え、混合した液、12,000rpm(8,900g)で1
0分間遠心分離して水層を回収し、更にもう1回同じ操
作を繰り返した。次に水層に等容のフェノール・クロロ
ホルム(1:1、v/v)液を添加して混合した後、12,000rp
m(8,900g)で10分間遠心分離し、水層を回収した。更
に水層に等容のクロロホルムを添加して撹拌した後、1
2,000rpm(8,900g)で10分間遠心分離し、水層を回収し
た。該水層に酢酸ナトリウムを最終濃度300mMになる様
に加え、2倍容のエタノールを添加し撹拌した後、−30
℃にて3時間保持した。その後、12,000rpm(8,900g)
で10分間遠心分離し、DNA沈澱を回収した。これを減圧
乾燥した。このDNA全量と前記実施例3−〔1〕−
(3)で調製したDNA1μgと3単位のT4ファージDNAリ
ガーゼ(ニッポンジーン社より購入)とを、50mM Tris
−HCl(pH7.4)、10mM MgCl2、10mMジチオトレイトー
ル、1mMスペルミジン、1mM ATP、0.1mg/ml BSA(Bo−vi
ne serum albumin)(ベゼスダリサーチラボラトリー社
より購入)の緩衝液50μ中で、15℃にて一晩反応させ
た。その後、70℃にて10分間加熱することにより、反応
を停止させた。
(5)CS産生遺伝子を含有した複合プラスミドpAG4001
の取得 前記実施例3−〔1〕−(4)で作成した組換え体DN
Aにより、コリネバクテリウム・メラセコラ(Corynebac
terium melassecola)801(微工研条寄第558号)を形質
転換した。実施例1工程〔1〕−(8)−に記載と同
様の方法で得られたテトラサイクリン耐性形質転換株の
保有するプラスミドを解析することにより、目的プラス
ミドを取得した。得られたプラスミドをpAG4001と命名
した。
得られたテトラサイクリン耐性形質転換株を、テトラ
サイクリン10μg/mlを含むLG寒天培地(L−寒天培地に
グルコース5g/を添加した培地)上で純化した後、各
菌株から前記実施例1−〔1〕−(8)と同様の方法に
より、プラスミドを分離し、前記実施例1−〔1〕−
(6)と同様の方法により制限酵素EcoR I、Hind III、
Pst I、Sal I、Xba Iを用いて、それらのプラスミドを
解析した。その結果、プラスミドpAG4001を取得した。
プラスミドpAG4001は、プラスミドpAG50の制限酵素Xba
I切断部位に、グルタミン酸生産性コリネ型細菌由来のC
S産生遺伝子を含む約4.9キロベースのDNA断片が組込ま
れた複合プラスミドである。得られたプラスミドpAG400
1の制限酵素切断地図を第16図に示す。
(6)プラスミドpAG4001保有菌株のCS活性の測定 プラスミドpAG4001の保有のコリネバクテリウム・メ
ラセコラ(Corynebacteruim melassecola)801を、テト
ラサイクリン10μg/ml含有の前記糖蜜培地50mlで、32℃
にて一晩振盪培養した。ただし、プラスミド非保持株
は、テトラサイクリン無添加で培養した。この培養液よ
り集菌し、0.8% NaCl水溶液20mlで2回洗浄後、前記ME
S緩衝液10mlに懸濁した。これを、ブラウン社製(西
独)のMSKセルホモジナイザー(853021型)で処理した
後、14000rpm(20000g)で20分間遠心分離して、細胞抽
出液(粗酵素液)を調整した。この細胞抽出液を用い
て、前記工程〔1〕−(2)の方法により、CS活性を測
定した。その結果、第10表に示した様に、プラスミドpA
G4001保持菌株は、ベクターpAG50保持菌株やプラスミド
非保持菌に比べて、高いCS比活性を示した。
(7)CS産生遺伝子を含む約4.9キロベースのDNA断片の
縮小化 前記実施例3−〔1〕−(5)で調製したプラスミド
pAG4001のDNA5μgに対して、制限酵素BamH Iを15単位
加えて、10mM Tris−HCl(pH7.4)、10mM MgSO4、50mM
NaCl、1mMジチオトレイトールの緩衝液50μ中で、37
℃にて2時間反応させた。そこへ等要のフェノール・ク
ロロホルム(1:1 v/v)液を添加して撹拌の後、水層を
回収した。更に等容のクロロホルムを添加して撹拌の
後、水層を回収した。そこへ酢酸ナトリウムを最終濃度
300mMになるように加え、次に2倍容のエタノールを添
加して、−30℃で3時間保持した後、12000rpm(8900
g)で10分間遠心分離してDNAの沈澱を回収し、これを減
圧乾燥した(DNA試料XXVI)。前記実施例1工程〔1〕
−(8)−で調製したプラスミドpAG50のDNA5μgに
対して、制限酵素BamH Iを15単位加えて、10mM Tris−H
Cl(pH7.4)、10mM MgSO4、50mM NaCl、1mMジチオトレ
イトールの緩衝液50μ中で、37℃にて2時間反応させ
た。その後、前記実施例1−〔1〕−(9)の方法によ
り、バクテリアル・アルカリ・ホスファターゼ処理、エ
タノール沈殿を行なった(DNA試料XXVII)。
前記のDNA試料XXVIとDNA試料XXVIIとの全量に対し
て、3単位のT4ファージDNAリガーゼを50mM Tris−HCl
(pH7.4)、10mM MgCl2、10mMジチオトレイトール、1mM
スペルミジン、1mM ATP、0.1mg/ml BSAの緩衝液50μ
中で、15℃にて一晩反応させた。その後、70℃にて10分
間加熱することにより、反応を停止させた。このリガー
ゼ反応液を用いて、前記実施例1工程〔1〕−(8)−
の方法により、コリネバクテリウム・メラセコラ(Co
rynebacteruim melassecola)801(微工研条寄第558
号)を形質転換した。得られたテトラサイクリン耐性形
質転換株をテトラサイクリン10μg/mlを含む前記LG寒天
培地上で純化した後、各株から前記実施例1工程〔1〕
−(8)−の方法によりプラスミドを分離し、制限酵
素としてEcoR I、Hind III、Pst I、Sal I及びXba Iを
用いる以外は前記実施例1−〔1〕−(6)と同様の方
法によりそれらのプラスミドを解析した。その結果、プ
ラスミドpAG4002を取得した。プラスミドpAG4002は、プ
ラスミドpAG50の制限酵素BamH I切断部位に、グルタミ
ン酸生産性コリネ型細菌由来のCS産生遺伝子を含む約4.
9キロベースのDNA断片に含まれている約3.2キロベース
のBamH I断片が組込まれた複合プラスミドである。得ら
れたプラスミドpAG4002の制限酵素切断地図を第17図に
示す。
コリネバクテリウム・メラセコラ(Corynebacterium
melassecola)801(pAG4002)について、前記実施例3
−〔1〕−(6)の方法によりCS活性を測定した結果、
第10表に示した様に高いCS比活性が認められた。故に、
プラスミドpAG4002に含まれている3.2キロベースのBamH
I断片には、グルタミン酸生産性コリネ型細菌由来のCS
産生遺伝子が含まれていることは明らかである。
(8)CS産生遺伝子を含む約3.2キロベースのDNA断片の
縮小化 前記実施例3−〔1〕−(7)で調製したプラスミド
pAG4002のDNA5μgに対して、20単位の制限酵素Sal Iを
加えて、50mM Tris−HCl(pH7.4)、10mM MgSO4、100mM
NaClの緩衝液50μ中で37℃にて2時間反応させた。
そこへ等容のフェノール・クロロホルム(1:1 v/v)液
を添加して、撹拌の後、水層を回収した。更に等容のク
ロロホルムを添加して撹拌の後、水層を回収した。そこ
へ酢酸ナトリウムを最終濃度300mMになるように加え、
次に2倍容のエタノールを添加して、−30℃で3時間保
持した後、12,000rpm(8,900g)で10分間遠心分離してD
NAの沈殿を回収し、これを減圧乾燥した。このDNA全量
に対して、3単位のT4ファージDNAリガーゼを50mM Tris
−HCl(pH7.4)、10mM MgCl2、10mMジチオトレイトー
ル、1mMスペルミジン、1mM ATP 0.1mg/ml BSAの緩衝液
50μ中で、15℃にて一晩反応させた。その後、70℃に
て10分間加熱することにより、反応を停止させた。この
リガーゼ反応液を用いて、前記実施例1工程〔1〕−
(8)−の方法により、コリネバクテリウム・メラセ
コラ(Corynebacterium melassecola)801(微工研条寄
第558号)を形質転換した。
得られたテトラサイクリン耐性形質転換株を、テトラ
サイクリン10μg/mlを含む前記LG寒天培地上で純化した
後、各株から前記実施例1工程〔1〕−(8)−の方
法によりプラスミドを分離し、制限酵素としてBcoR I、
Hind III、Pst I、Sal I及びXba Iを用いる以外は前記
実施例1−〔1〕−(6)と同様の方法によりそれらの
プラスミドを解析した。得られたプラスミドをプラスミ
ドpAG4003と命名した。第18図に示した様にプラスミドp
AG4003はプラスミドpAG4002の約0.7キロベースのSal I
断片が欠失したプラスミドである。
コリネバクテリウム・メラセコラ(Corynebacterium
melassecola)801(pAG4003)について、前記実施例3
−〔1〕−(6)の方法によりCS活性を測定した結果、
第10表に示した様に高いCS比活性が認められた。故に、
プラスミドpAG4003にふくまれている約3.2キロベースの
BamH I−Sal I断片には、グルタミン酸生産性コリネ型
細菌由来のCS産性遺伝子が含まれていることは明らかで
ある。
〔2〕GDH遺伝子、ICDH遺伝子及びCS遺伝子を含む組換
え体DNAの作製 前記実施例3−〔1〕で得られたpAG4003を前記実施
例1−〔3〕に記載と同様の方法で100mlの培養液から
約60μg(60μg/ml)を調製した。またICDH断片および
GDH断片は前記実施例1−〔3〕の方法に従いそれぞれ
約2μgおよび約3μgを調製後、実施例1−〔3〕に
記載の方法に従いpAG4003のSal I切断点にICDH断片を組
み込むことによりpCI31を得た。またpAG4003のEcoR I切
断点にGDH断片を組み込むことによりpCG5を得た。pCI31
およびpCG5はそれぞれCSとICDHを同時に含む組換えプラ
スミドおよびCSとGDH同時に含む組換えプラスミドであ
る。CS+ICDH+GDHの組換えプラスミドはpCI31のEcoR I
切断点にGDH断片を組み込むことにより得られ、本発明
のプラスミドpCIG231についてさらに詳細な解析を行っ
た。
〔3〕組換え体DNAの解析 前記実施例3−〔2〕で得られた組換え体DNAである
プラスミドpCI31,pCI5,およびpCIG231を前記実施例1−
〔3〕に記載した方法によりそれぞれの保持菌から調製
し、実施例1−〔1〕−(6)に記載の方法に従ってそ
れぞれの制限酵素による切断点地図を作成した。結果を
第19〜21図に示す。その結果これら3種の組換えプラス
ミドは全て目的の構造を持っていることが確認された。
〔4〕酵素活性の測定 前記実施例1−〔6〕記載の方法に従ってpCI31,pCG
5,およびpCIG231の各プラスミドを保持する宿主菌(Cor
ynebacterium melassecola 801)よりそれぞれ細胞抽出
液を調製し、CS,ICDH,GDHの酵素活性をプラスミドを保
持しない宿主菌の細胞抽出液を用いた場合と比較した。
CS活性は、3.0mlの酵素反応液〔95mM Tris−HCl(pH8.
0),0.2mMオキザロ酢酸、0.1mM 5.5′−ジチオビス−
(2−ニトロ安息香酸)(DTNB),0.16mMアセチル−Co
A,10μ細胞抽出液〕の412nmにおける吸光度の増加を
日立分光光度計(228型)で測定することにより求め
た。ICDH活性およびGDH活性の測定は前記実施例1−
〔6〕記載の方法で行った。
第11表の結果によりpCI31保持株、pCG5保持株、pCIG2
31保持株はそれぞれ目的の酵素活性が全て強化されてい
ることが確認された。
実施例4 本実施例では、CS,AH,ICDH,およびGDHの4種の酵素が
同時に強化された菌株を作成した例を示す。この場合、
4種の酵素遺伝子を同時に含む組換えプラスミドの構築
は、前記実施例2と実質的に同様の方法で行った。
(1)組換えプラスミドの作製 まず、前記実施例2−〔1〕に記載の方法でAH遺伝子
を含む約4.7kbのXba I断片を調製し、約2μgの該断片
を得た。また、pCIG231をXba Iで消化することにより得
られる3断片のうち、約9.4kbの断片と約6.5kbの断片を
pCIG231DNA10μgからそれぞれ約3μgおよび約2μg
の収量で別個に調製した。得られた3種のXba I断片
(4.7kb、9.4kb、および6.5kb)を全量混合し、1単位
のT4DNAリガーゼを用いてこれらを結合させた。本リガ
ーゼ反応液を用いてコリネバクテリウム・メラセコラ
(Corynebacterium melassecola)801を形質転換し、得
られたテトラサイクリン耐性形質転換株約300株につい
てそれらが各々の保有する組換えプラスミドの解析を行
い、Xba I処理により9.4kb、6.5kb、および4.7kbの3断
片が生じる組換えプラスミドを14種選択し、これらのう
ち更にSal I処理で3.4kbの断片が生じるもの2種を目的
の組換えプラスミドとして分離した。これらのうち1
種、pCAIG4を保有する形質転換株コリネバクテリウム・
メラセコラ(Corynebacterium melassecola)801(pCAI
G4)と称する〕を培養し、その培養液200mlから収量約1
00μg(濃度約50μg/ml)のプラスミドpCAIG4を調製
し、制限酵素による切断点地図を作成した。その結果、
第22図に示したとおりpCAIG4はpGA50にCS、AH、ICDH、
およびGDHの各断片が組込まれた目的のプラスミドであ
ることが確認された。
(2)酵素活性の測定 コリネバクテリウム・メラセコラ(Corynebacterium
melassecola)801およびコリネバクテリウム・メラセコ
ラ(Corynebacterium melassecola)801(pCAIG4)より
それぞれ細胞抽出液を調製後、CS、AH、ICDH、およびGD
Hの各酵素活性を比較した。酵素活性の測定はそれぞれ
前記実施例3−〔1〕、2−〔1〕及び1−〔1〕およ
び〔2〕に記載の方法で行った。第12表にその結果を示
すが、コリネバクテリウム・メラセコラ(Corynebacter
ium melassecola)801(pCAIG4)が明らかに目的の4種
の酵素が全て強化されていた。
実施例5 本実施例では、実施例1〜4で得られた多重強化株を
用いたグルタミン酸発酵の例を示す。これらの菌株の培
養は2ジャーファーメンターを用い、実際の工業プロ
セス同様に培養液の残糖濃度を一定に保つように糖液を
連続的に添加して行った。
各菌株をそれぞれ50mlのケーン廃糖蜜4g/dl(全糖と
して)、尿素0.8g/dl、MgSO4・7H2O 0.05g/dl、リン酸
0.15g/dl(殺菌前pH7.0、120℃20分殺菌)を含む培地に
接種し、32℃で16時間培養後、その全量をケーン廃糖蜜
5.4g/dl(全糖として)、MgSO4・7H2O 0.05g/dl、リン
酸0.23g/dl(殺菌前pH8.0、120℃30分殺菌)を含む培地
1を含む2容ジャーファーメンターに接種し、32
℃、800rpm、1vvm pH7.8(アンモニア水で自動調整)の
条件で培養した。乾燥菌体重量が約1.5g/dlになった時
点で(約7時間)培養液40mlを主培養液に接種した。主
培養はケーン廃糖蜜8g/dl(全糖として)、MgSO4・7H2O
0.05g/dl、リン酸0.213g/dl、120℃20分殺菌の培地1
を含む培地2容ジャーファーメンターを用いて、32
〜34℃、900rpm、1vvm、pH7.3(アンモニア水で自動調
整)条件で行い、乾燥菌体重量が約1.2g/dlになった時
点でニッサンノニオンp−6(日本油脂製)を1g添加
し、さらに乾燥菌体重量が約1.4g/dlになった時点でニ
ッサンカチオンMA(日本油脂製)を0.2g〜0.3g添加し
た。また培養15時間目にペニシリンGを4,000単位添加
した。培養中の残糖濃度はテクニコン社製オートアナラ
イザーにより適宜測定し、糖濃度45g/dl(全糖として)
の補糖液を連続添加することにより培養液の残糖濃度を
1〜2g/dl前後に制御した。尚、組換えプラスミドの脱
落を防ぐため、主培養液と補糖液以外にはテトラサイク
リンを10μg/ml添加した。培養は36時間行い、培養終了
後、各菌株培養液の一部を分取し、L−グルタミン酸の
濃度をテクニコン社製オートアナライザーを使用して測
定した。また、それまでの全使用糖量とL−グルタミン
酸生産量より収率を求めた。得られた結果を第13表に示
す。また、各菌株の培養液1を取り、遠心分離により
菌体を除去した後、塩酸を加えてpH3.2に調整するいわ
ゆる等電点法により粗グルタミン酸結晶を取得した。そ
の結果、菌株801(pIG104)、801(PAIG321)、801(pC
IG231)および801(pCAIG5)から粗グルタミン酸結晶を
それぞれ76g、71g、79gおよび78gが得られた。
第13表から明らかなように、少なくともGDHとICDHの
両酵素が同時に強化された菌株では、他の菌株に比較し
てグルタミン酸蓄積量、対糖収率ともに高い成績を示し
た。
(発明の効果) 本発明によりL−グルタミン酸を著量蓄積する新規な
グルタミン酸生産性コリネ型細菌が供給され、またその
細菌を用いることによりL−グルタミン酸を大量に製造
することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
第1図は組換えプラスミドpAG103の、第2図はpAG1の、
第3図はpAG14の、第4図はpAG3の、第5図はpAG50の、
第6図はpAG1001の、第7図はpAG302の、第8図はpAG30
3の、第9図はpAG311の、第10図はpAG3001の、第11図は
pIG101の、第12図はpAG501の、第13図はpAG5001の、第1
4図はpAIG321の、第15図はpAG401の、第16図はpAG4001
の、第17図はpAG4002の、第18図はpAG4003の、第19図は
pCI31の、第20図はpCG5の、第21図はpCIG231の、第22図
はpCAIG4の制限酵素切断地図をそれぞれ示す。図中の英
文字はそれぞれ下記の制限酵素による切断点を示す。 B:BamH I,E:EcoR I,H:Hind III, P:Pst I,S:Sal I,X:Xba I 第6、10、11、13、14、18、19、20、21及び22図中、内
側の円と数値は各プラスミドの基準となるXba I切断点
からの距離をキロベース(kb)で示している。AH,CS,IC
DH,GDHはそれぞれAH遺伝子を含むDNA断片、CS遺伝子を
含むDNA断片、ICDH遺伝子を含むDNA断片、GDH遺伝子を
含むDNA断片であることを示している。また、第1図に
おいてDNA−(A)はGDH遺伝子を含むDNA断片、pBR325
−(A)はプラスミドpBR325をEcoR Iで開環したDNA断
片を示し、第5図においてDNA−(a)はプラスミドpAG
1由来のテトラサイクリン耐性遺伝子含有DNA断片を示
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:15) C12R 1:15) (C12N 15/09 9162−4B C12N 15/00 A C12R 1:15) (C12N 15/00 A C12R 1:15) (72)発明者 深見 克哉 延岡市旭町6丁目4100番地 旭化成工業 株式会社内 (72)発明者 本町 武徳 延岡市旭町6丁目4100番地 旭化成工業 株式会社内 審査官 谷口 博

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】グルタミン酸生産性コリネ型細菌由来のグ
    ルタミン酸デヒドロゲナーゼ(Glutamate dehydrogenas
    e:GDH)遺伝子およびイソクエン酸デヒドロゲナーゼ(I
    socitrate dehydrogenasa:ICDH)遺伝子の2種の遺伝子
    を含み、更にグルタミン酸生産性コリネ型細菌由来の別
    の酵素遺伝子を含むかあるいは含まない組換え体DNAを
    保有するグルタミン酸生産性コリネ型細菌を培地に摂取
    して培養し、該培養物よりグルタミン酸を回収すること
    を特徴とするL−グルタミン酸の製造方法。
  2. 【請求項2】上記の組換え体DNAがグルタミン酸生産性
    コリネ型細菌由来の別の酵素遺伝子を含まない請求項1
    に記載のL−グルタミン酸の製造方法。
  3. 【請求項3】上記の組換え体DNAがグルタミン酸生産性
    コリネ型細菌由来の別の酵素遺伝子としてアコニット酸
    ヒドラターゼ(Aconitate hydratase:AH)遺伝子を含む
    請求項1に記載のL−グルタミン酸の製造方法。
  4. 【請求項4】上記の組換え体DNAがグルタミン酸生産性
    コリネ型細菌由来の別の酵素遺伝子としてクエン酸シン
    ターゼ(Gitrate synthase:CS)遺伝子を含む請求項1
    に記載のL−グルタミン酸の製造方法。
  5. 【請求項5】上記の組換え体DNAがグルタミン酸生産性
    コリネ型細菌由来の別の酵素遺伝子としてアコニット酸
    ヒドラターゼ(AH)およびクエン酸シンターゼ(CS)を
    含む請求項1に記載のL−グルタミン酸の製造方法。
  6. 【請求項6】グルタミン酸生産性コリネ型細菌がコネリ
    バクテリウム属細菌である請求項1〜5のいずれかに記
    載のL−グルタミン酸の製造方法。
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