JP2516715Y2 - 植栽構築体 - Google Patents

植栽構築体

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JP2516715Y2
JP2516715Y2 JP1992023229U JP2322992U JP2516715Y2 JP 2516715 Y2 JP2516715 Y2 JP 2516715Y2 JP 1992023229 U JP1992023229 U JP 1992023229U JP 2322992 U JP2322992 U JP 2322992U JP 2516715 Y2 JP2516715 Y2 JP 2516715Y2
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一雄 高橋
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、建造物の屋上、汚水処
理場、駐車場、その他の任意の個所の人工地盤を緑化す
るための植栽構築体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、建造物の屋上、その他の人工地盤
の緑化、即ち、造園化のための植栽構築が注目されてい
る。その植栽構築手段として、該人工地盤の上面に、草
花、植林などによる造園用の盛土層を形成するに当た
り、該人工地盤と該盛土層との間に、排水機構を設ける
必要がある。従来、その排水機構として、その1つの手
段は、砕石や玉石などの水はけのよい砕石層を所望の厚
さに敷設した構成のもの、他の手段は、多数の通水孔を
設けた波形の成形板を該人工地盤上に載置し、その上向
きに突出する山形板部の頂部に通水孔を開け、その上面
の盛土層からの水が該通水孔よりその山形板部の下面の
凹状排水用通路を通り側方外部へ排水せしめるように構
成したものがある。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】しかし乍ら、上記従来
の前者の排水機構をもつ植栽構築体では、該砕石層の砕
石間の通水用間隙は植物の根や細かい土砂により塞が
り、水はけが低下し、その結果、盛土層に水が溜まり、
植物の根腐れを起し易い。また、該砕石層は、相当の広
い面域に而も相当の厚さに砂利石、玉石などの粗石を敷
き積み重ねるので、その構築作業に相当の時間と労力を
要する。後者の排水機構をもつ植栽構築体では、該成形
板に配設した通水孔に植物の根や土砂が侵入して、その
通水性を低下し或いは阻止するため、盛土層の水分が過
剰となり、同様に根腐れを起し易い。また、従来の植栽
構築体では、盛土層に植えた立木が強風などにより倒伏
することがしばしば見られた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本考案は、上記従来の植
栽構築体の欠点を解消し、作業が容易迅速且つ高能率
でき且つ長期の使用に亘り良好な防根機能と排水機能を
確保し得る安定堅牢な植栽構築体を提供するもので、人
工地盤面に、板を上下に貫通する多数の通水孔と板の下
面に各通水孔の下端と連通する排水通路用空間の多数条
を配設して成る排水機能を有する成形板の多数枚を敷設
し、その上面に透水性防根シートの多数枚を敷設すると
共に、その各相隣るシートの端縁部を重ね合わせ且つそ
の上位のシートの端縁に跨がり、その端縁部に沿ってそ
の全長に亘り粘着テープを貼着し、その重ね合わせ端縁
部間の間隙を封口し、その多数枚の敷設シートの上面に
所望厚さの盛土層を形成して成る。
【0005】
【作用】該盛土層内の過剰の水は、該透水性防根シート
を透過し、その下面の敷設された該成形の多数の通水
孔を通り、その下面の排水通路用空間を通り外部のドレ
ンに排出される。また一方、植物の根が、各該透水性防
根シート面を通過することが防止されるばかりでなく、
各相隣るシートの重ね合わせの間隙から該シートの裏側
に侵入することが防止される優れた防根機能を有し、こ
れにより、通水孔の通水は常に良好に保持され、安定堅
牢な排水機能が確保される。また、従来のような砂利の
敷設作業が省かれ、構築作業が容易、迅速に行える。こ
の場合、排水機能を有する該成形板を平坦な上面とする
ときは、その上面に該透水性防根シートを安定良好に載
置できる。また、その成形板の下面に、下方に突出し且
つ該人工地盤面に載置される突起を多数個配設するとき
は、該成形板の基面と該人工地盤面との間に互いに交叉
する多数条の排水通路用空間を形成することができる。
またその成形板の上面に両端が該板の端面に開口する排
水用凹溝の多数条を形成し、これら凹溝の適当個所に、
該通水孔をその下面の排水通路用空間に連通するように
配設するときは、該盛土層内の水分は、該透水性防根シ
ートを通り、該凹溝内に落下し、該凹溝内に設けた通水
孔を介し、その下方の排水用通路空間に排出でき、広い
面域に亘り排水機能を向上できる。該透水性防根シート
としては、合成繊維製のフィラメントで織製して成る織
布から成り、その透水係数は10−4cm/sec以
上、その目の寸法は30μm以下として成るものを使用
するときは、強靭であり、耐久性を有し、また、土砂や
植物の根の通過は良好に防止されると同時に、良好な通
水性を確保することができる。更に、該盛土層に植立し
た立木と敷設された成形板の所望の複数個所に取り付け
た複数個のワイヤー固定具の夫々との間に倒伏防止用ワ
イヤーを張設するときは、強風などによる立木の倒伏の
防止作用を安定堅牢に行うことができる。また、敷設さ
れた該成形板に配設した通水孔のうち、適当な個所のも
のを該ワイヤー固定具を挿入係着するための孔として利
用するときは、これらワイヤーの張設作業を簡単且つ堅
牢に行うことができ便利である。
【0006】
【実施例】次に本考案の実施例を詳述する。本考案の植
栽構築体は、既設の建造物の屋上、駐車場、汚水処理
場、その他の緑化すべき任意の人工地盤面上に構築され
る。本考案において人工地盤とは、コンクリート施工
面、モルタル塗装面、その他の無機質の人工地盤、或い
はその表面に防水層、防水層及び防水保護層、アスファ
ルト舗装などの防水施工層を施したものを意味し、本考
案は、かゝる人工地盤面を新設し、その上面に本考案の
植栽構築体を構成することは勿論、既設の建造物の屋上
など上記の所望の人工地盤に本考案の植栽構築体を構成
し、人工地盤面の緑化を計ることができる。
【0007】次に、本考案の実施例の1例を添付図面に
基づき詳述する。
【0008】図面で1は、建造物の屋上などのコンクリ
ートスラブを示し、そのコンクリートスラブ1の上面
に、常法に従って、防水シート2aを敷設し、防水層2
を形成する。例えばアスファルトシート2aを敷設貼着
してアスファルト防水層2を形成する。更に、該アスフ
ァルト防水層2の上面に防水層保護板3aなどの敷設に
より、防水層保護層3を形成することが一般である。該
防水層保護層3は、従来のようにコンクリートブロック
などの無機質板の多数枚を敷設貼着することにより形成
しても差支えないが、比較的軽量であり、耐久性、耐水
性で経済的に製造でき、而も持ち運びなどの取扱いに便
利な適度の大きさの例えば、1m×50cm角、厚さ4
mm〜6mm程度の大きさの瀝青質成形板3aにより形
成することが好ましい。該瀝青質成形板から成る防水層
保護板3aは、アスファルトを主体とし、これに有機質
繊維または無機質繊維またはこれらの混合繊維と必要に
応じ無機質充填材とを添加、混練し、これを板状に加圧
成形して成るものである。而して、かゝる軽量な防水層
保護板3aの多数枚を用い、該防水層2の上面全面に敷
設貼着することにより、比較的軽量な防水層保護層3が
容易迅速に形成することができる。本考案は、かゝるコ
ンクリートスラブ1面に該防水層2と該防水保護層3を
備えた人工地盤を構築後、その上面に、全面に後に詳述
する本考案の排水機能を有する成形板4の多数枚を敷設
し、その上面に透水性防根シート5の多数枚を敷設する
と共に、各相隣るシート5,5の端縁部5a,5aを重
ね合わせ、その上位のシート5の端縁部5aに跨がり、
その端縁部に沿いその全長に亘り粘着テープ9を貼着し
てその重ね合わせ端縁部間の間隙を封口し、その多数枚
の敷設シートの上面全面に所定厚さの盛土層6を形成す
ることにより、本考案の植栽構築体を完成するものであ
る。
【0009】上記の本考案の植栽構築体の構築におい
て、図2示の防水層保護板3aは、その両面に予め粘着
剤の塗布面7,7を介して剥離紙8,8を貼着具備せし
めたものに作製したものである。かくして、各該防水層
保護板3aは、その取り扱いが円滑にでき、その使用に
当たり、その片面の剥離紙8を除去し、その露出した粘
着剤塗布面7により該防水層2面に貼着し、次で、その
露出した粘着剤塗布面7に該排水機能を有する成形板4
を貼着することができるので、該防水層2の上面に該防
水層保護板3aの敷設貼着作業を容易、迅速に行うこと
ができると共に、このように敷設固定された該防水層保
護板3aの敷設面全面に固定した安定堅牢な排水機能を
有する成形板4の敷設面を容易迅速に形成できる。尚、
上記の防水層保護板3aの強度を高めるために、その少
なくとも片面に、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹
脂などの合成樹脂製の延伸クロスを貼着して成るものに
構成することができる。
【0010】本考案に用いる排水機能を有する成形板4
は、天然ゴム、合成ゴムまたは合成樹脂から成る。合成
ゴムとしては、スチレン・ブタジエンゴム、クロロプレ
ンゴム、エチレン・プロピレンゴム、ブチルゴム、アク
リロニトリルゴムなどがあげられ、これらのゴムを加硫
したもの、合成樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリ塩化ビニール、ポリスチレンなどがあげら
れ、これらはいずれも好適に使用できる。該成形板4
は、該板の下面に配設した多数条の排水用通路空間4a
と該板を上下貫通し且つ該排水用通路空間4bにその下
端が連通する多数の通水孔4b,4b,…とを設けるこ
とによって排水機能を構成した。
【0011】本考案の排水機能を有する成形板4の好ま
しい例を図3乃至図5に示す。即ち、該成形板4は、そ
の1側面を平坦面とし、その他側面にその基板の下面よ
り下向きに突出するスペース用突起4cの多数個を縦横
に一定間隔、例えば50mm間隔を存して多数個、例え
ば200個を整列配設して、これら突起4c,4c,…
間に縦横に、即ち、板の長さ方向並に幅方向に延び且つ
互いに縦横に交叉する多数条の排水用通路空間4a,4
a,…を形成し、これら突起4c,4c,…のない基板
部において上下に貫通して多数条の該排水用通路空間4
a,4a,…に連通開口する通水孔4b,4b,…を多
数個、適当個所に配設して成り、その成形板4の寸法
は、例えば前記の防水層保護板3aと同じ大きさの1m
×50cm角とし、その基板の厚さは4mm、基板から
突出する該突起4cのスペース用高さは10mm程度と
する。その各突起4cの形状は任意であるが、図示の例
は、重量負荷に対し堅牢な平坦頂面が10mmの裁頭円
柱状とし、安定に該防水層保護層3上面にその平坦な頂
面で安定に貼着できるようにし、その間に所定の高さの
スペースを確保された多数条の排水用通路空間4a,4
a,…を確保するようにした。尚、該突起6cの配設密
度は、例えば400個以上/m程度とする。このよう
に成形した成形板4の多数枚を用意し、その夫々を、そ
の突起4c,4c,…を有する面側を下向きにし、これ
ら突起4c,4c,…を介し、該防水層保護層3を構成
する各防水層保護板3a,3a,…上に夫々敷設するこ
とにより、その成形板4の基板の下面と該防水層保護層
3面との間に、該突起4cの高さに応じたスぺースをも
っ前記の排水通路用空間4a,4a,…が縦横に多数条
交叉し、且つその多数個の通水孔4b,4b,…が該通
路空間4aに下端で連通して成る排水機構が形成され
る。而してその上面は平坦であるので、その上面に、前
記の透水性防根シート5を安定良好に敷設することがで
きる。
【0012】尚、排水機構を更に向上せしめるため、図
示の成形板4には、その平坦面に両端が板の端面に開口
する排水用凹溝4dの多数条を、例えば、縦横に、即
ち、成形板4の長さ方向と幅方向に交叉させて配設し、
これらの凹溝4d,4d,…内に、適当個所に多数個の
通水孔4b,4b,…を配設するようにした。尚、図示
のように、凹溝4d,4d,…の交叉部に通水孔4bを
設けるときは、縦、横の凹溝内の水の排水を兼ねるの
で、その分、通水孔4bの数を少なくすることができ
る。該凹溝4d内に配設することに加え、突起4c,4
c,…のない基板部の所望個別に所望数個更に配設する
ことが好ましい。これらの通水孔4bのうち、該凹溝4
d内以外に配設した通水孔4b,4b,…のいずれか
を、後記するように、立木の倒伏防止用ワイヤーのワイ
ヤー固定具を取り付ける孔に使用することができる。図
示の場合、該成形板4の中央部に設けた通水孔4b,4
b,…のいずれかを、ワイヤー固定具取り付け用に兼用
できる。多数条の凹溝4d,4d,…は、該成形板4の
長さ方向または横方向に夫々平行に配設した例を示した
が、斜め方向に延びるものを形成しても良い。また必ず
しも交叉する必要はなく、横方向のみ又は縦方向のみに
多数本平行に配設するようにしても良い。該凹溝4dの
寸法は、例えば、深さ1mm、幅10mmとし、その断
面形状は、方形、円弧状等任意である。尚、図示の例で
は、複数条の凹溝4dを平行に配設する場合は、その凹
溝4d,4d,…間の間隙は、300mm程度とし、凹
溝4dの幅が10mmの場合、該凹溝4d内に設ける該
通水孔4bの径は、9mm〜5mm程度とした例を示
す。
【0013】上記の成形板4の多数枚を該防水層保護層
3の上面全面に敷設する仕様は、図6に示すように、各
成形板4を縦横に突き合わせ敷設するときは、その突き
合わされた成形板4,4,…の上面の縦横に交叉する平
行する凹溝4d,4d,…は互いに連通し、その敷設面
の全長に亘り、縦横に多数交叉する凹溝をもつ排水機構
をもち且つ又その裏面には、成形板4,4,…の縦横の
排水通路用空間4a,4a,…が互いに連通された成形
板4の敷設層が得られる。
【0014】尚、各成形板4の四隅に、図3に示す如
く、くさび形金具などの連結固定用具8(図7示参照)
の脚8aを挿し込むための連結用孔4eを設けるとき
は、その多数枚を図6示のように縦横方向に配設し、そ
の各隅角部で突き合わされる各4枚の成形板4を、その
各隅角部に設けた連結固定用孔4eの4つの孔に、図7
に明示の4っの脚を持ったくさび形連結固定具8の脚8
aを挿し込むことにより、これら成形板4はその設定位
置に安定に設置固定される。従って、この場合は、必ず
しも各成形板4をその下面の該防水層保護層3の上面
に、接着剤を介して固定する必要がなく、敷設固定され
た敷設面が得られる。従って、この場合は、該防水層保
護層3としてその上面に接着剤を有しないより安価なも
ので足りる。
【0015】このように、排水機能を有する成形板4の
多数枚を敷設して得られた敷設面の上面全面には、上記
したように、該透水性防根シート5を敷設するのである
が、その透水性防根シート5の多数枚を前記の防水機能
を有する成形板4の敷設面全面に図9並に図10に明示
のように敷き並べる。該透水性防根シート5は、塩ビ、
ポリエステル、ナイロン、ビニロン、アクリル等の任意
の合成繊維のフィラメントを材料として織った耐水性、
耐久性に優れた平織などの織布から成り、目付量61g
/m程度、厚さ0.1mm程度の極めて肉薄でJIS
1218土の透水試験方法に規定する透水係数1
−4cm/sec以上、目の寸法30μm以下である
ことが特に好ましい。これにより、植物の毛根が各シー
ト5の目を通過することを防止できる一方、優れた透水
性を有する。
【0016】更に、本考案によれば、例えば、図8示の
ような透水性防根シート5のロール状のものを多数用意
し、前記の排水機能を有する成形板4の敷設面全面に図
9に示すように、相隣るシート5,5の端縁部5a,
5aを少なくとも200mm程度重ね合わせた状態に敷
設し、更に、各相隣るシート5,5の端縁部5a,5a
の重ね合わせ、その上位の、即ち外側のシート5の端縁
部5aに跨がり、その端縁部5aに沿ってその全長に亘
り粘着テープ9を貼着し、その重ね合わせ端縁部5a,
5a間の間隙を封口する。これにより、植物の根がその
重ね合わせ端縁部5a,5aの間隙から、シート5の裏
側に侵入することを防止した。該粘着テープ9は、防根
性のある材質のものとして、例えば合成樹脂製フィルム
などが好ましい。尚、各シート5の位置ずれを防止する
ために、部分的に、適当な両面接着テープの短片、その
他の適当な固定部材を介し該成形板4敷設面に固定する
ことが好ましい。
【0017】このように、透水性防根シート5の多数枚
により、上記のように、該成形板敷設面全面に敷設を完
了後、その上面に、所望の厚さに盛土を行い、盛土層6
を形成して本考案の植栽構築体の構築を完了する。尚、
該盛土層6の厚さは、植栽する植物の草、木などの種類
により異なるが、芝草などの場合は30mm以上、ツツ
ジ類などの小低木の場合は45cm以上、大低木、中木
では60cm以上、浅根性の高木では90cm以上、深
根性の高木では150cm以上が必要になる。また、盛
土としては、通常、造園に用いられるものと同じもので
良く、黒土と保水性をある程度維持するため、パーライ
ト、バーミキュライトなど多孔質の軽量土壌を適宜配合
して使用することができる。
【0018】而して、その盛土層6の上面を緑化するた
め、芝、草木、立木などを適当に植える。立木10を植
えた場合、従来、これを強風による倒伏を防止する手段
が見当たらなかった。本考案は、更に、上記の植栽構築
体に用いた成形板4を利用し、安定堅牢な立木倒伏防止
手段を次のように設けることを特徴とする。即ち、例え
ば図11示の如く、該立木10と敷設該成形板4,4,
…に予め凹溝4d内以外に配設してある適当な通水孔4
b,4b,…の複数個を選択し、これら夫々適当なワイ
ヤー固定具11を挿し込み係着し、立木10と各ワイヤ
ー固定具11との間に、倒伏防止用ワイヤー12を張設
することにより構成される。而して各該ワイヤー12
は、立木10と盛土層6を挿通してその下面の固定具1
2との間に張設されるので、立木10を強風に対し、強
固な倒伏防止効果をもたらす。尚、該ワイヤー固定具1
1としては、例えば、アンカー付き吊金具を用い、その
アンカー11aを該成形板4の該通水孔4bに挿し込
み、螺孔にねじ込むときは、該アンカー11aが外側に
開いてその成形板4の裏面に係止固定される。而して、
該吊金具11bに該ワイヤー12の下端を緊結してワイ
ヤーの張設を完了する。13は該吊金具11bの上部の
係止用鍔、14はその外周に施されたシール材を示す。
【0019】而して、この場合、敷設された排水機能を
有する成形板4,4,…のいずれにもその中央部にいく
つかの通水孔4bが設けられているので、該立木10を
中心として、その四周の所望の個所の複数個の通水孔4
bを選択して複数個の該ワイヤー固定具11の係着に利
用でき、別個にワイヤー固定具の固定場所を必要とせ
ず、便利であり、容易に而も構造簡単な倒伏防止ができ
る。
【0020】図1示の本考案の植栽構築体の排水機構
は、次のように機能する。雨水などが該盛土層6に滲み
込んで、該盛土層6に吸収されない過剰の水は、その下
面の該透水性防根シートト5の目を通過し、その下面の
該排水機能を有する成形板敷設面3a,3a,…に形成
された縦横に交叉する多数条の凹溝4d,4d,…内に
流入し、更に、これら凹溝4d,4d,…内に配設され
た多数の通水孔4b,4b,…を通りその下面に形成さ
れている縦横に交叉する多数条の排水通路用空間4a,
4a,…内に流入し、その下面の該人工地盤の表面上面
を流れて予め、屋上などの片隅に設けられたドレン(図
示しない)に排出される。また同時に、該透水性防根シ
ートト5の目を通過した水は、該排水機能を有する成形
板敷設面3a,3a,…の該凹溝4dのない個所に配設
した多数の通水孔4b,4b,…を介して、その下面の
上記の排水通路用空間4a,4a,…に流入し、同様に
該人工地盤面を流れてドレンへ排出される。かくして、
該盛土層6に溜水することがないので、根腐れが防止さ
れる。また、該シートは、植物の根並に微細な土粒の通
過を阻止するので、該成形板4に配設された全ての凹溝
4d並に通水孔4b,4b,…が塞がれることがなく、
長期に亘り良好な排水機能が確保される。また、立木1
1は、敷設固定された該成形板に固定された複数本のワ
イヤーで保持されているので、強風による立木11の倒
伏が防止される。
【0021】
【考案の効果】このように本考案によるときは、人工地
盤面に多数の通水孔とその下面の各通水孔で連通する排
水通路用空間の多数条を配設して成る排水機能を有する
成形板の多数枚を敷設し、その上面に透水性防根シート
の多数枚を敷設すると共に、各相隣るシートの端縁部の
重ね合わせの間隙をその上位のシートの端縁部を跨がり
且つその全長に亘り粘着テープを貼着して端縁部間の間
隙を封口し、その多数枚の敷設シートの上面に所望の厚
さの盛土層を形成して成る植栽構築体を構成したので、
その構築作業は容易且つ高能率に行うことができると共
に、長期に亘り良好な信頼性の高い防根機能並に排水機
能を確保することができる等の効果を有する。この場
合、該排水機能を有する成形板の上面を平坦面に形成す
るときは、該透水性防根シートの敷設を安定良好に行う
ことができ、更に該成形板の上面を平坦面に排水用凹溝
の交叉する多数条を形成し、且つこれら該凹溝内に該通
水孔を配設するときは、その成形板敷設面全面の排水機
能を向上することができ、また、該成形板の下面に多数
のスペース用突起を配設するときは、これらの間の空間
を、その下面の人工地盤面に対し、間隙を存した互いに
交叉する排水通路用空間を確保することができる。更
に、該透水性防根シートとして、特に透水係数10−4
cm/sec以上、目の大きさ30μm以下の合成繊維
から成る織布で形成したものを使用するときは、耐久性
が良く、而も良好な透水性と防根性を確保し得られ、ま
た土壌粒子の通過を良好に防止でき、長期に亘り、優れ
たこれらの性能を発揮できる。更に、本考案によるとき
は、該盛土層に植木した立木と敷設された該成形板に複
数個所に取り付けたワイヤー固定具との間に倒伏防止用
ワイヤーを張設したので、強風などによる立木の倒伏を
防止できる。この場合、該成形板に配設した通水孔のう
ち、適当な個所のものを該ワイヤー固定具を挿入係止す
るための固定用孔として選択使用するようにするとき
は、容易に所望のワイヤー張設ができ便利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施の1例の植栽構築体の一部を裁除
した斜面図である。
【図2】本考案に用いる防水層保護板の1例の斜面図で
ある。
【図3】本考案に用いる排水機能を有する成形板の1例
の上面図である。
【図4】図3示の成形板の端面図である。
【図5】図3のV−V線裁断面図である。
【図6】本考案の植栽構築体の一部を裁除した防水機能
を有する成形板の敷設固定状態を示す一部の上面図であ
る。
【図7】成形板の連結固定用具の1例の斜面図である。
【図8】本考案に用いる透水性防根シートの斜面図であ
る。
【図9】本考案の植栽構築体の一部を裁除した透水性防
根シートの敷設状態を示す一部の上面図である。
【図10】図9のX−X線裁断面図である。
【図11】本考案の植栽構築体の一部の縦断面図であ
る。
【符号の説明】
1 コンクリートスラブ 2 防水層 2a 防水シート 3 防水層保護
層 3a 防水層保護板 4 排水機能を
有する成形板 4a 排水用通路空間 4b 通水孔 4c 突起 4d 排水用凹溝 5 透水性防根シート 5a 端縁部 6 盛土層 粘着テープ 10 立木 11 ワイヤー
固定具 12 倒伏防止用ワイヤー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−99491(JP,A) 特開 平5−115220(JP,A) 特開 平5−146221(JP,A) 実開 平4−60029(JP,U)

Claims (5)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 人工地盤面に、板を上下に貫通する多数
    の通水孔と板の下面に各通水孔の下端と連通する排水通
    路用空間の多数条を配設して成る排水機能を有する成形
    板の多数枚を敷設し、その上面に透水性防根シートの多
    数枚を敷設すると共に、その各相隣るシートの端縁部を
    重ね合わせ且つその上位のシートの端縁に跨がり、その
    端縁部に沿ってその全長に亘り粘着テープを貼着し、そ
    の重ね合わせ端縁部間の間隙を封口し、その多数枚の敷
    設シートの上面に所望厚さの盛土層を形成して成る植栽
    構築体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の排水機能を有する成形板
    は、上面を平坦とし且つその上面に、両端が該板の端面
    に開口する排水用凹溝を多数条配設する一方、該板の下
    面に下方に突出し且つ該人工地盤面に対しスペースを存
    せしめる突起を多数条配設し、その板の基面と該人工地
    盤面との間に互いに交叉する多数条の排水通路用空間を
    形成し、多数の該通水孔を多数条の排水用凹溝内の適当
    個所に配設してその各通水孔の下端を該排水通路用空間
    に連通せしめて成る請求項1記載の植栽構築体。
  3. 【請求項3】 該透水性防根シートは、合成繊維製のフ
    ィラメント糸で織製して成る織布から成り、その透水係
    数は10−4cm/sec以上、その目の寸法は30μ
    m以下である請求項1記載の植栽構築体。
  4. 【請求項4】 請求項1,2又は3記載の植栽構築体に
    おいて、該盛土層に植木した立木と敷設された成形板の
    所望の複数個所に取り付けた複数個のワイヤ一固定具の
    夫々との間に倒伏防止用ワイヤーを張設して成る植栽構
    築体。
  5. 【請求項5】 敷設した成形板に夫々配設された通水孔
    のうち、その所望個所の複数個を該ワイヤー固定具を挿
    入係着するための孔として使用して成る請求項4記載の
    植栽構築体。
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