JP4980560B2 - 人工土壌構成基材、それを用いた植物育成用人工土壌構造及び建築物屋上緑地化構造 - Google Patents

人工土壌構成基材、それを用いた植物育成用人工土壌構造及び建築物屋上緑地化構造 Download PDF

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Description

構成基材及びそれを用いた植物育成用人工土壌構造並びに建築物の屋上に設置し、建築物
の屋上やベランダで芝草等の植物を栽培するのに適した建築物屋上緑地化構造に関する。
従来から、公園、校庭、競技場、道路周辺、家庭の庭等の緑地化は、住環境や都市環境
を向上させるための重要ポイントであり、盛んに行われている。特に、最近は芝生を植え
ることが盛んに行われているが、芝草は適度の通気性、排水性、温度管理等が要求される
ので管理が困難であり、美しく植生することは困難であった。
又、都市部においては緑地化対策として、建築物の屋上やベランダの利用が検討されてお
り、例えば、建築物の屋上やベランダの上に防水シートや防根シートを敷き、モルタル加
工したり合成樹脂板を敷き詰めた後、その上に土壌を積層して植物を栽培していた。
しかし、上記方法では植物の根が成長すると、防水シートや防根シートを通り抜け屋上や
ベランダに到達し、屋上やベランダのコンクリ−トに浸入して建築物に水漏れをおこすと
いう欠点があった。又、上記方法では、施工や補修に時間とコストがかかるという欠点が
あった。
上記欠点を解消するため、植物栽培用容器を敷き詰めた植物栽培装置が提案されている。
例えば、ビルの屋上、ベランダ等の建物床上等に植物栽培用の土床を一定範囲に亘って形
成する際に適用され、前記土床をその下方から支持する複数の相互に連結された薄箱状の
容器ユニットからなる植物栽培装置であって、前記各容器ユニットは、前記土床の支持範
囲を画する周枠と、この周枠の下端から下方に向かって緩やかな角度で下降傾斜し、前記
周枠の下方全範囲を閉塞するとともに、その下端位置に水抜き孔を有する底壁と、この底
壁の上面に複数のリブを介して前記周枠内で水平に配置され、前記土床を下方から支持す
る通水可能な土床支持板と、前記底壁の前記水抜き孔に設けられた防根用の蓋体と、前記
底壁の下面複数箇所から垂下し、前記建物床上等に固定載置される支持脚とを備えたこと
を特徴とする植物栽培装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−253052号公報
しかしながら、上記植物栽培装置においては、薄箱状の容器ユニットに土壌を充填するの
であるから、容器ユニットは重く、施工も困難であった。又、最近は建築物の耐震性向上
のために、薄層軽量化が要求されているが、上記植物栽培装置を薄層軽量化すると、土壌
中温度のバランスの不具合の発生、土壌自然排水と通気構造の環境構築不全又は土壌構造
保水量に起因した土壌硬度軟弱化、植物栽培装置上での重機材の使用や重資材を搬入によ
る容器ユニットの破壊等の欠点があった。
本発明の目的は、上記欠点に鑑み、薄層で軽量であり、組立、解体、移動等の作業性や施
工性が優れており、機械的強度が大きく、大きな荷重が負荷されても破壊されず、通気性
、排水性、断熱性等が優れており、地中に埋設することにより植物を元気に育成すること
ができ、又、建築物の屋上やベランダに設置して植物を元気に育成することができる人工
土壌構成基材及びそれを用いた植物育成用人工土壌構造、緑地化構造並びに建築物の屋上
に設置し、建築物の屋上やベランダで芝生等の植物を栽培するのに適した建築物屋上緑地
化構造を提供することにある。
請求項1記載の人工土壌構成基材は、裏薄板と多数の帯状貫通孔が穿設されている表薄板とが、多数の円柱状、円筒状、角柱状、円錐台状、角錐台状のいずれかのリブを介して積層されてなる中空板状体からなり、前記表薄板と前記裏薄板と前記いずれかのリブとの間に排水路が形成されていることを特徴とする。
上記表薄板、裏薄板及びリブを構成する材料は、植物の育成の障害にならない材料であれ
ば、特に限定されず、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などのポリオレフ
ィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ABS
樹脂、ポリフッ素系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアリレー
ト系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコン系樹脂、ポリイミド系樹脂、合成ゴム等の熱可塑性
樹脂、熱硬化性樹脂及び光硬化性樹脂、金属、材木、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂又は光
硬化性樹脂で被覆された金属又は材木等が挙げられ、耐食性及び成形性に優れた熱可塑性
樹脂が好ましく、押出成形、射出成形等の成形方法により成形されるのが好ましい。
熱可塑性樹脂で成形された表薄板、裏薄板及びリブは、透明、半透明、不透明のいずれで
もよく、耐候性、耐光性、耐熱性、成形性等を向上させるために、熱可塑性樹脂の成形の
際に一般に使用されている熱安定剤、安定化助剤、滑剤、加工助剤、酸化防止剤、光安定
剤、顔料、無機充填剤、可塑剤等が添加されてもよい。
上記表薄板及び裏薄板の厚みは、特に限定されるものではないが、薄くなると機械的強度
が小さくなり、負荷がかかると破壊されやすくなり、厚くなると重くなるので0.5〜5
mmが好ましい。
又、表薄板には多数の帯状貫通孔が穿設されているが、その形状は特に限定されず、例えば、直線、曲線、蛇行線等の帯、三角形、四角形、六角形等の多角形、円形、楕円形、幾何学模様、渦巻き模様等が挙げられる。
上記リブの形状は、円柱状、円筒状、角柱状、円錐台状、角錐台状等が挙げられ、排水性をもたすために帯状貫通孔が穿設されていてもよい。又、帯状貫通孔を形成してもよい凹状、凸状、凹凸状も挙げられる。
上記人工土壌構成基材は、多数の帯状貫通孔が穿設されている表薄板と裏薄板とが多数のリブを介して積層されてなる中空板状体であるが、中空板状体の厚みは薄くなると断熱性、通気性、排水性等が低下し、厚くなると耐荷重性が低下するので、3〜30mmが好ましく、より好ましくは9〜18mmである。又、その重さは、帯状貫通孔の開口率により異なるが、一般に0.6kg/m2 〜6.0kg/m2 が好ましく、より好ましくは1.5kg/m2 〜5.6kg/m2 である。
又、上記中空板状体の形状は、特に限定されず、例えば、三角形、四角形、六角形等の多
角形、円形、楕円形等の形状が挙げられるが、接続して大板化して使用することがあるの
で、略矩形であるのが好ましく、その大きさは30〜130cm×30〜300cmが好
ましい。
請求項記載の人工土壌構成基材は、多数の貫通孔は帯状貫通孔である。
ち、表薄板と裏薄板とが多数のリブを介して積層されてなる中空板状体の表薄板と裏薄板との間に排水路が形成され、貫通孔は帯状貫通孔であり、多数の帯状貫通孔が表薄板に穿設されている。
図1は人工土壌構成基材の一例を示す斜視図である。図中1は縦90cm、横90cm、厚さ1.3mmの正方形の表薄板であり、2は縦90cm、横90cm、厚さ1.3mmの正方形の裏薄板である。表薄板1には幅2.5mmの直線状の帯状貫通孔3、3・・が30mmごとに平行に穿設されている。4、4・・は高さ9.4mm、厚さ1.3mmのリブであり、帯状貫通孔3が表薄板1と裏薄板2の間に30mmごとに設置され、排水路5、5・・が形成されて中空板状体6が形成されている。
上記帯状貫通孔3とリブ4の交差角度は、表薄板1に到達した水が帯状貫通孔3を通って
排水路5に侵入し、排水路5を通って外部に排出されればよく、特に限定されないが、水
の排出効率の優れた略垂直が好ましい。
帯状貫通孔3の幅は、特に限定されないが、幅が狭くなると表薄板1と排水路5間の排水
性や通気性が低下し、幅が広くなると耐荷重性が低下し、植物の根が侵入しやすくなり、
侵入した根により排水路5の排水性や通気性が低下するので、1〜3mmが好ましい。
又、帯状貫通孔3と帯状貫通孔3の間隔は、特に限定されないが、間隔が狭くなると耐荷
重性が低下し、広くなると排水性、通気性等が低下するので10〜40mmが好ましい。
又、帯状貫通孔3の断面形状も、特に限定されず、例えば、長方形状、U字状、V字状、
アリ溝状等が挙げられる。
上記中空板状体の製造方法は、従来公知の任意の方法が採用されてよく、熱可塑性樹脂で
製造する場合は、押出成形及び射出成形が好ましく、特に、請求項2における中空板状体
の製造はリブ方向に押出成形するのが好ましい。又、帯状貫通孔は従来公知の任意の電動機械、電動工具、切欠機械で穿設されればよいが、多数の帯状貫通孔を平行に穿設するには、一定の刃先幅を有する多数のチップソーを一定間隔に設置された主軸棒を金属製のテーブルの中央部に設け、主軸棒を動力回転させながら、テーブルに設置された移動補助ローラ上に中空板状体を載置し、排水路と交差する方向に移動させて、中空板状体の表薄板にチップソーにより、帯状貫通孔を穿設するのが好ましい。
上記請求項1又は2記載の人工土壌構成基材の表薄板及び裏薄板には、補強、耐候性、耐
光性、耐熱性等の付与のために、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などのポリオレ
フィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、AB
S樹脂、ポリフッ素系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアリレ
ート系樹脂、ポリイミド系樹脂等の合成樹脂フィルムやアルミ箔が積層されてもよい。又
、意匠性等の付与のために、合成樹脂フィルムに絵模様、写真等が印刷されていてもよい
。尚、合成樹脂フィルムやアルミ箔の積層は帯状貫通孔の部分を除いて行うか、表薄板に穿設されている帯状貫通孔の部分の合成樹脂フィルムに貫通孔を設ける必要がある。
請求項2記載の人工土壌構成基材は、多数の帯状貫通孔が少なくとも表薄板に穿設されている表薄板と裏薄板とが、帯状貫通孔が穿設されている多数のリブを介して積層されている中空板状体からなることを特徴とする請求項記載の人工土壌構成基材である。即ち、表薄板とリブに帯状貫通孔が穿設されていると、表薄板と裏薄板との間の通気性、排水性が効率よく水平にもたらすことができる。
請求項3記載の人工土壌構成基材は、排水路の端部が閉鎖されて、排水路が貯水可能にな
され、帯状貫通孔から溢れた水は表薄板もしくは帯状貫通孔からリブを超えて排水ができるようになされていることを特徴とする請求項1又は2記載の人工土壌構成基材である。即ち、排水路が貯水槽になり、散水された水又は降水を貯留することができる。この場合、閉鎖された端部に切欠き貫通孔を形成することにより、排水路に貯留される水の量を調整することができる。
上記排水路の端部を閉鎖する方法は、公知の任意の方法が採用されてよいが、上記人工土
壌構成基材の表薄板、裏薄板及びリブを構成する材料よりなる板状体、防水テープ、ビニ
ルテープ、アルミ箔テープ等で閉鎖されるのが好ましい。
図2は排水路の両端部を閉鎖された人工土壌構成基材の一例を示す側面図である。表薄板
1と裏薄板2は多数のリブを介して積層され、図2において横方向の排水路が形成されている。排水路の両端部は板状体7、7により閉鎖され、排水路が貯水可能になされている。表薄板1には、図2において垂直方向に、一定間隔に帯状貫通孔3、3・・が穿設されており、且つ、端部のリブ4’には帯状貫通孔3に連続して切欠き部8、8・・が穿設されて排水路から溢れた水が帯状貫通孔及び端部のリブの切欠き部8を越えて排水できるようになされている。
請求項記載の人工土壌構成基材は、請求項1又は2記載の人工土壌構成基材の表薄板上に請求項記載の人工土壌構成基材が積層されていることを特徴とする人工土壌構成材である。請求項1又は2記載の人工土壌構成基材の表薄板上に請求項記載の人工土壌構成基材を部分的に積層することにより、適当な位置に貯水することができる。
上記請求項1〜記載の人工土壌構成基材を複数枚並列に配設し接続することにより大板
化することができる。接続は、従来公知の任意の接続方法が採用されてよく、例えば、人
工土壌構成基材の端面を突合せ端面同士を接着剤で接着する方法、人工土壌構成基材の端
部を突合せ端部表面を防水粘着テープ、防根侵入接着シート等で接着する方法、端部に補
助部材を積層し、ビス、ボルト等で固定する方法、人工土壌構成基材の端部を嵌合しうる
継手に端部を嵌合固定する方法等が挙げられ、継手を用いて嵌合固定する方法が好ましい
請求項記載の人工土壌構成基材は、貫通孔が穿設された垂直壁よりなる、断面形状I型
の継手により、請求項1〜のいずれか1項記載の人工土壌構成基材が接続されて大板化
されていることを特徴とする。
上記継手は、垂直壁を介して上板と下板が積層された断面形状I型の継手であり、垂直壁
には貫通孔が穿設されている。上板、下板及び垂直壁を構成する材料は、上記請求項1〜
のいずれか1項記載の人工土壌構成基材の表薄板、裏薄板及びリブを構成する材料と同
一の材料が使用されてよく、その厚みも上記請求項1〜のいずれか1項記載の人工土壌
構成基材の表薄板、裏薄板及びリブと略同一であるのが好ましい。
継手の幅は、人工土壌構成基材を嵌合し接続するのであるから、7mm以上が好ましく、
より好ましくは10〜40mmであり、長さは人工土壌構成基材の長さにあわせて決定さ
れればよい。又、上板と下板の間隔も人工土壌構成基材を嵌合しうるように、人工土壌構
成基材の厚さに従って適宜決定されればよい。
又、垂直壁に穿設される貫通孔の形状は特に限定されず、例えば、直線、曲線、蛇行線等
の帯、三角形、四角形、六角形等の多角形、円形、楕円形、幾何学模様、渦巻き模様等が
挙げられる。
人工土壌構成基材の接続は、人工土壌構成基材を継手に単に嵌合するだけでも良いが、よ
り強固に固定したり、根が侵入することを防止するために、人工土壌構成基材と継手を嵌
合した接合部に防水粘着テープ、アルミ箔粘着テープ、防根侵入接着シート等を貼付して
もよいし、人工土壌構成基材と継手の間に合成樹脂発泡シート等の緩衝材を介装してもよ
いし、更に接着剤で接着してもよい。
又、大板化された人工土壌構成基材の形状は特に限定されず、大きな人工土壌構成基材を
作成し、その端部を電動のこぎり等の工具を使用して切断して、円形、楕円形、その他自
由な形状にしてもよいし、人工土壌構成基材を敷設する際に障害物が存在する場合は、障
害物の形状に整合する形状に切断してもよい。
図3は請求項記載の人工土壌構成基材の一例を示す平面図であり、図4は図3における
A−A断面図であり、図5は図3におけるB−B断面図である。図3に記載の人工土壌構
成基材は、図1で説明した4枚の中空板状体6a、6b、6c、6dが継手9a、9bに
より接続されて大板化されている。継手9aは垂直壁10を介して上板11と下板12が
積層された断面形状I型の継手であり、継手9bは、多数の長穴形の貫通孔13が穿設さ
れている垂直壁10’を介して上板11’と下板12’が積層された断面形状I型の継手
である。
中空板状体6aと6b及び中空板状体6cと6dは、それぞれ帯状貫通孔3の方向が平行
になるように、継手9aに嵌合されて接続されており、中空板状体6aと6c及び中空板
状体6bと6dは、それぞれ排水路5の方向が平行になるように、継手9bに嵌合されて
接続されている。即ち、中空板状体6aと6c及び中空板状体6bと6dの排水路5は継
手9bの垂直壁10’に穿設されている貫通孔13を通って連通されており、図3におい
て上から下方向又は下から上方向に排水可能になされている。
上記請求項1、2又は3項記載の人工土壌構成基材を地中に埋設すると、その部分の排水
性、通気性、断熱性、保温性等が向上する。従って、道路周辺やスポーツ競技場では排水
性が向上し水はけがよく水溜りが発生しにくくなる。又、畑、花壇、テニス場、ゴルフ場
、芝生の植生されたスポーツ競技場では、水はけがよく、通気性が優れ、夏は断熱され、
冬は保温されるので花、野菜、芝生等の生長が促進される。又、上記人工土壌構成基材を
植木鉢に挿入して植物の栽培に使用することも可能である。
又、上記請求項3、4又は5項記載の人工土壌構成基材を地中に埋設すると、地中に全体
的又は部分的に貯水することができ、保水性が向上するので畑、花壇、ゴルフ場、芝生の
植生されたスポーツ競技場等保水性が要求される場所で好適に使用できる。
尚、請求項記載の人工土壌構成基材の排水路の一部を閉鎖することにより、隣り合う又
は他の中空板状体の間で水貯留槽を形成してもよい。
請求項記載の人工土壌構成基材は、請求項1〜のいずれか1項記載の人工土壌構成基
材の表薄板に、すのこ状、波板状、凹凸状、箱状又は樋状であって、厚み方向に貫通孔が
穿設されている成形体が積層されていることを特徴とする。
上記成形体は、請求項1〜のいずれか1項記載の人工土壌構成基材の表薄板に積層する
ことにより、より機械的強度、断熱性、排水性、通気性等を向上させるためのものであっ
て、すのこ状、波板状、凹凸状、箱状又は樋状の成形体である。
上記成形体を構成する材料は、植物の育成の障害にならない材料であれば、特に限定され
ず、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン系樹脂、ポリ
塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ABS樹脂、ポリフッ素
系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアリレート系樹脂、エポキ
シ系樹脂、シリコン系樹脂、ポリイミド系樹脂等の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂及び光硬
化性樹脂等の合成樹脂及びその発泡体、ゴム、ヤシガラ、穀物、木、ガラス廃材等を原料
として接着剤で固着し成形されているのが好ましい。
板状基材は、透明、半透明、不透明のいずれでもよく、合成樹脂及びゴムで成形されてい
る場合は、耐候性、耐光性、耐熱性、成形性等を向上させるために、合成樹脂の成形の際
に一般に使用されている熱安定剤、安定化助剤、滑剤、加工助剤、酸化防止剤、光安定剤
、顔料、無機充填剤、可塑剤等が添加されてもよい。
上記成形体の厚みは、特に限定されるものではないが、薄くなると機械的強度が小さくな
り、負荷がかかると破壊されやすくなり、厚くなると重くなるので1〜4cmが好ましい
又、上記成形体には厚み方向に貫通孔が穿設されているが、貫通孔の形状は特に限定され
ず、例えば、直線、曲線、蛇行線等の帯、三角形、四角形、六角形等の多角形、円形、楕
円形、幾何学模様、渦巻き模様等が挙げられる。
請求項記載の人工土壌構成基材は、請求項1〜のいずれか1項記載の人工土壌構成基
材の表薄板に、不織布及び/又は活性炭が付着若しくは含浸されている不織布が積層され
ていることを特徴とする。
上記不織布は、土壌の流出を防止できたり、根が表薄板の貫通孔に侵入することを防止し
うるものが好ましく、例えば、綿、スフ等の天然繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレ
ン繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ビニロン繊維、アクリル繊維等の合成繊維、
ガラス繊維、炭素繊維等の無機繊維等の繊維からなる不織布が挙げられ、親水性のナイロ
ン繊維又はビニロン繊維よりなる不織布が好ましい。又、ポリエステル繊維にアクリル系
樹脂をコーティングしたポリエステルスパンボンド不織布も好適に使用される。又、不織
布の目付量、厚み等は、特に限定されるものではないが、一般に、目付量は10〜500
g/m2 が好ましく、厚みは0.03〜4mmが好ましく、透水係数は0.1〜5mm/
secが好ましい。
又、上記不織布は、活性炭が付着若しくは含浸されていてもよい。活性炭は微生物活性効
果を有しており、植物の生育に効果を有している。活性炭は不織布の表面に単に付着又は
不織布内に含浸されていてもよいが、セルロース、合成樹脂等の結着剤で不織布全体に均
一に結着されているのが好ましい。
不織布及び活性炭が付着若しくは含浸されている不織布は、少なくともいずれか1層が人
工土壌構成基材の表薄板に積層されているのであり、両方の不織布が1層ずつ積層されて
いてもよいし、いずれかの不織布又は両方の不織布が複数層積層されていてもよい。
請求項記載の人工土壌構成基材は、請求項1〜のいずれか1項記載の人工土壌構成基
材の表薄板側に、網状体が積層されていることを特徴とする。
上記網状体を構成する材料は、植物の育成の障害にならない材料であれば、特に限定され
ず、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ
アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂等の熱可塑性樹脂繊維から製造されているのが好ま
しい。
網状体が積層されていると、網状体に成長した植物の根がからまり、植物が抜けにくくな
るので、網状体の網目は植物の根の太さや伸長力により適宜決定されればよいが、一般に
小さいほうが好ましく、芝生の場合、縦目ピッチ、横目ピッチともに1〜10mmが好ま
しい。
請求項記載の人工土壌構成基材は、請求項1〜のいずれか1項記載の人工土壌構成
基材の表薄板側に、2枚の不織布が格子状に接合され、生じた格子目の上下不織布の間に
肥料又は肥料と活性炭の混合物が封入されてなる植物育成シートが積層されていることを
特徴とする。
上記不織布としては、通気性及び通水性を有する不織布が好ましく、前述の不織布が使用
される。上記植物育成シートは、2枚の不織布が格子状に接合され、生じた格子目の上下
不織布の間に肥料又は肥料と活性炭の混合物が封入されてなる。
不織布の接合は従来公知の任意の方法が採用されてよいが、熱溶着により接合されるのが
好ましく、接合と同時に肥料又は肥料と活性炭の混合物が格子目の上下不織布の間に封入
されるのが好ましい。特に、幅200〜600mmの不織布を格子目の大きさ(熱溶着内
寸)が縦55〜95mm、横30〜58mmに連続的に溶着できると共に同時に肥料又は
肥料と活性炭の混合物が格子目の上下不織布の間に充填できる機能を有する機械装置で成
形されるのが好ましい。
上記肥料としては、植物の育成に一般に使用されている肥料であれば特に限定されず、例
えば、窒素、リン、カリウムのいずれかを含む肥料又はその混合物が挙げられ、肥料の形
状も粉末、粒状、細棒、固形状、籾殻状等特に限定されない。又、一つの格子目に封入さ
れる肥料又は肥料と活性炭の混合物の量は一般に1〜10gである。
又、上記植物育成シートを構成する2枚の不織布の少なくとも1枚の不織布に活性炭が付
着若しくは含浸されていてもよいし、上記植物育成シートに更に活性炭が付着若しくは含
浸されている不織布が積層されてもよい。
図5は上記植物育成シート18の一例を示す斜視図である。図中14は幅45cm、長さ
158cmのポリエステルスパンボンド不織布(目付量40g/m2 )であり、15は活
性炭付着ポリエステルスパンボンド不織布(目付量80g/m2 )である。不織布14と
15は格子目16の大きさが縦60mm、横36mmになるように熱溶着されている。格
子の数は230であり、各格子には窒素、リン及びカリウムを混和した顆粒状の肥料17
が1g封入されている。
請求項11記載の人工土壌構成基材は、請求項1〜10のいずれか1項記載の人工土壌構
成基材の表薄板側に、ロックウール繊維又はその成形体が積層されていることを特徴とす
る。
上記ロックウール繊維は、溶銑炉で高炉スラグ、玄武岩等を1300〜1500℃で溶融
し、繊維化したものであって、その成分(化学組成)はSiO2 約35〜45重量%、A
l2 O3 約10〜20重量%、CaO約20〜40重量%、MgO約4〜8重量%、Mn
O約1〜4重量%及びFe2 O3 約0〜10重量%よりなる。ロックウール繊維は、病原
菌や雑草の種子を含有せず、自重の約5倍の保水性を有しており、植物を植えると丈夫に
育つ。又、ロックウール繊維は、断熱性が優れ、国土交通省から認定を受けている不燃材
料であり、火災の延焼防止効果を有するものである。
上記ロックウール繊維の成形体の密度は25kg/m3 以上が好ましく、芝草(ソッド)
を植えつける場合は60kg/m3 以上が好ましい。成形体の形状は使用しやすい形状で
ある、不織布、フェルト状体、板状体、角棒、粒状物及び綿状体が好ましい。又、成形体
には凹部又は貫通孔が形成されているのが好ましい。
上記凹部の形状は、特に限定されず、例えば、開口部の形状が円形、楕円形、三角形、四
角形、六角形、八角形、十文字形等の穴、線状切り欠き、帯状溝等が挙げられる。又、貫
通孔の形状も、特に限定されず、例えば、円形、楕円形、三角形、四角形、六角形、八角
形、十文字形等が挙げられる。更に、線状切り欠きや帯状溝を交差するように形成し、交
差した点に穴や貫通孔を設けてもよい。穴及び貫通孔の開口部の直径は3mm以上が好ま
しく、線状切り欠きや帯状溝の幅は0.5〜10mmが好ましい。上記凹部及び貫通孔は
10〜30mm程度の一定間隔で設けられてもよいしランダムに設けられてもよく、又、
成形体全面に形成されてもよいし、部分的に形成されてもよい。
上記ロックウール繊維の粒状物を積層する場合は、植栽する植物のサイズに見合う高さと
ロックウール繊維の最大保水量等から適宜決定されればよいが、一般に20mm以上の厚
さに積層されるのが好ましい。
上記ロックウール繊維の角棒を積層する場合は、角棒を一定方向に隙間なく連続して又は
等間隔に並列に並べて積層するのが好ましく、作業を容易にするために、予め一定方向に
隙間なく連続して又は等間隔に並列に並べられた角棒の一面又は上下両面に、不織布、紙
、布、網、多数の貫通孔が穿設されている合成樹脂シート又はアルミニウム箔等のシート
を接着剤で接着積層したベルト形状ロックウール繊維成形体を用いてもよい。
上記ロックウール繊維及びその成形体には水や肥料が含浸されていてもよい。又、上記ロ
ックウール繊維及びその成形体、特に粒状物に直接植物を植栽して生育することも可能で
ある。
上記不織布及び/又は活性炭が付着若しくは含浸されている不織布、網状体、植物育成シ
ート及びロックウール繊維又はその成形体は、それぞれ複数積層されてもよいし、併用し
て積層されてもよい。又、それぞれの積層順序も特に限定されるものではないが、不織布
及び/又は活性炭が付着若しくは含浸されている不織布とそれ以外のものを併用する際に
は、不織布及び/又は活性炭が付着若しくは含浸されている不織布を中空板状体の表薄板
に積層し、その上にそれ以外のものを積層するのが好ましい。
又、上記不織布及び/又は活性炭が付着若しくは含浸されている不織布、網状体、植物育
成シート及びロックウール繊維又はその成形体を中空板状体に積層する際に、積層後のず
れの発生等を防ぐ必要がある場合には、接着剤、粘着剤、粘着テープ等で貼付したり、熱
溶着したり、ビス留めして固定してもよい。
請求項14記載の人工土壌構成基材は、請求項1〜13のいずれか1項記載の人工土壌構
成基材の端部に側壁が立設されて箱状になされていることを特徴とする。
上記底壁となる人工土壌構成基材の形状は、特に限定されず、例えば、四角形、六角形、
八角形、円形等の形状が挙げられる。又、上記側壁としては、機械的強度を有する任意の
板状体が使用可能であるが、通気性、排水性、断熱性等の優れた、上記中空板状体が好ま
しい。側壁は中空板状体の端部を折り曲げることにより立設されてもよいし、他の中空板
状体を組み立てて立設されてもよい。
図7は箱状の人工土壌構成基材の一例を示す斜視図であり、図8は図7におけるC−C断
面図であり、図9は図7におけるD−D断面図である。
図中19は中空板状体からなる、縦45cm、横45cm、厚さ15mmの平面正方形の
底壁であり、底壁19の4辺に中空板状体からなる側壁20a、20b、20c及び20
dが立設されて箱状の人工土壌構成基材が形成されている。側壁20a及び20cは縦3
0cm、横42cm、厚さ15mmの中空板状体であり、側壁20b及び20dは縦30
cm、横45cm、厚さ15mmの中空板状体である。各中空板状体には厚さ1.5mm
の板状体であるリブ4が10mm間隔に設置されて排水路5が形成されている。側壁20
a、20b、20c及び20dは、それぞれのリブ4が水平になるように、即ち、排水路
5が水平方向になるように設置されている。又、底壁19はリブ4(排水路5)が、側壁
20aから側壁20dの方向になるように設置されている。
底壁19の両端部の排水路5には、一定間隔に帯状貫通孔が穿設されている、縦8mm、横8mm、長さ420mmのアルミニウム製角棒である接合部材21aが挿入されており、側壁20aと側壁20cの下端部の排水路5には、両端部に雌ネジ穴が穿設されていると共に一定間隔に雌ネジ穴が穿設されている、縦8mm、横8mm、長さ420mmのアルミニウム製角棒である接合部材21bが挿入されている。側壁20aと側壁20cの上端部と中間部の排水路5、5には、両端部に雌ネジ穴が穿設されている、縦8mm、横8mm、長さ420mmのアルミニウム製角棒である接合部材21cが挿入されており、側壁20b及び20dの上端部、中間部及び下端部の排水路6には、両端部に帯状貫通孔が穿設されている、縦8mm、横8mm、長さ420mmのアルミニウム製角棒である接合部材21dが挿入されている。
図8に示したように、接合部材21aと接合部材21bは、ビス22、22・・によりビ
ス留めされて、底壁19と側壁20a及び側壁20cが固定されている。又、図9に示し
たように、接合部材21dと接合部材21cはビス22、22・・によりビス留めされて
、側壁20b及び20dと側壁20a及び側壁20cが固定されている。
上記接合部材21としては、円管体、角管体、角棒、円棒、板体、アングル、チャンネル
、ハット等が挙げられ、その材料は金属、合成樹脂、材木等が挙げられるが強度が要求さ
れる場合は金属や合成樹脂が好ましい。
又、箱状の人工土壌構成基材を補強するために、側壁と側壁で形成される稜線に断面形状
L字型材をボルト、ナット、ビス、ネジ等で固定してもよいし、側壁と側壁で形成される
上端部にチャンネルを固定してもよい。上記断面形状L字型材及びチャンネルは、金属、
合成樹脂、材木等が任意の材料で製造されればよいが、強度が要求される場合は金属製が
好ましい。
底壁19と側壁20a、20b、20c、20dの間及び側壁20a、20b、20c、
20d同士の間には、防水、防根侵入等の目的のために、不織布、合成樹脂発泡体等の緩
衝材が介在されてもよいし、接着剤、粘着剤、接着テープ、粘着テープ等が介在されても
よい。
又、底壁19と側壁20aを固定する場合、側壁20aの表薄板1又は裏薄板2を下から
2〜10番目のリブ4の位置まで20〜50mmの間隔で取り除き、リブ4及び底壁19
に貫通孔を穿設し、ボルト、ナット、ビス等を嵌入して固定してもよい。又、側壁同士を
固定する場合も、一方の側壁の表薄板又は裏薄板の一部を取り除き、リブに固定具を設置
し、他方の側壁に貫通孔を穿設し、ボルト、ナット、ビス等を嵌入して固定してもよい。
この方法を採用することにより箱状の人工土壌構成基材を短時間で容易に組み立てたり、
分解することができる。
図10〜図13は底壁と側壁又は側壁と側壁を固定する異なる方法を示す説明図である。
図10において、19は表薄板1と裏薄板2が略平行に設置された板状体のリブ4を介し
て積層されている中空板状体からなる底壁であり、表薄板1と裏薄板2には貫通孔46が
穿設されている。尚、3は表薄板1に穿設された帯状貫通孔である。20は表薄板と裏薄
板が略平行に設置された板状体のリブ4を介して積層されている中空板状体からなる側壁
であり、表薄板に一部が刳り抜かれて刳り抜き部44が形成されると共に刳り抜き部44
に接するリブ4は切除されている。又、刳り抜き部44より下方のリブ4には貫通孔45
が穿設されている。47はボルトであり、貫通孔45及び貫通孔46に挿入され、底壁1
9の裏薄板2の下方に位置するナット48で固定されることにより、底壁19と側壁20
が固定されている。尚、49、49は座金である。
図11においては、底壁19の表薄板1の下方に位置するナット48でボルト47が固定
されることにより、底壁19と側壁20が固定されている。その他は図10と同一である
図12において、19は表薄板1と裏薄板2が略平行に設置された板状体のリブ4を介し
て積層されている中空板状体からなる底壁であり、表薄板1と裏薄板2には貫通孔46が
穿設されている。尚、3は表薄板1に穿設された帯状貫通孔である。20aは表薄板と裏
薄板が略平行に設置された板状体のリブ4を介して積層されて排水路4が形成されている
中空板状体からなる側壁であり、表薄板に一部が刳り抜かれて刳り抜き部44が形成され
ると共に刳り抜き部44に接するリブ4は切除されている。
又、刳り抜き部44より下方のリブ4には貫通孔45が穿設され、リブ4の切除された端
部にコ字状のボルト固定具50が設置されている。尚、ボルト固定具50の略中央部にボ
ルトが挿入可能な貫通孔が穿設されている。
20bは表薄板1aと裏薄板2aが略平行に設置された板状体のリブ4aを介して積層さ
れている中空板状体からなる側壁であり、表薄板1aと裏薄板2aには貫通孔46aが穿
設されている。47はボルトであり、貫通孔45及び貫通孔46に挿入され、底壁19の
表薄板1の下方に位置するナット48で固定されることにより、底壁19と側壁20aが
固定されている。又、47aはボルトであり、ボルト固定具50の貫通孔、側壁20aの
排水路5及び貫通孔46aに挿入され、側壁20bの表薄板1aの側方に位置するナット
48aで固定されることにより、側壁20bと側壁20aが固定されている。尚、49、
49aは座金である。
図13において、19は表薄板1と裏薄板2が略平行に設置された板状体のリブ4を介し
て積層されている中空板状体からなる底壁であり、表薄板1と裏薄板2には貫通孔46が
穿設されている。尚、3は表薄板1に穿設された帯状貫通孔である。20aは表薄板と裏
薄板が略平行に設置された板状体のリブ4を介して積層されて排水路
4が形成されている中空板状体からなる側壁であり、表薄板に一部が刳り抜かれて刳り抜
き部44a及び刳り抜き部44bが形成されると共に刳り抜き部44a及び刳り抜き部4
4bに接するリブ4は切除されている。
又、刳り抜き部44aより下方のリブ4には貫通孔45が穿設され、刳り抜き部44bに
おけるリブ4の切除された端部にコ字状のボルト固定具50が設置されている。尚、ボル
ト固定具50の略中央部にボルトが挿入可能な貫通孔が穿設されており、ボルト固定具5
0は足部が側壁20aの側端部と略面一になるように設置されている。20bは表薄板1aと裏薄板2aが略平行に設置された板状体のリブ4aを介して積層されている中空板状体からなる側壁であり、表薄板1aと裏薄板2aには貫通孔46aが穿設されている。
47はボルトであり、貫通孔45及び貫通孔46に挿入され、底壁19の表薄板1の下方
に位置するナット48で固定されることにより、底壁19と側壁20aが固定されている
。又、47aはボルトであり、ボルト固定具50の貫通孔、側壁20aの排水路5及び貫
通孔46aに挿入され、側壁20bの表薄板1aの側方に位置するナット48aで固定さ
れることにより、側壁20bと側壁20aが固定されている。尚、49、49aは座金で
ある。上記ボルト固定具50としては、機械的強度が高いものが好ましく、金属、熱可塑
性樹脂、熱硬化性樹脂等の素材で製造されるのが好ましい。尚、刳り抜き部は表薄板及び裏薄板の両面を刳り抜き、一方の薄板の開口部をゴム成形品等の他部材で閉鎖して形成されてもよい。
更に、上記箱状になされている人工土壌構成基材は、その内部に壁材を立設することによ
り小部屋を形成してもよく、該壁材としては上記請求項1〜12に記載の人工土壌構成基
材が使用される。上記人工土壌構成基材を、箱の展開図の形状に切断し折り畳んで箱に成
形してもよい。例えば、略矩形の底壁の各辺に側壁が接続されている形状に人工土壌構成
基材を打抜き、各側壁を折り畳むことにより、立設して箱を形成することができる。この
場合、側壁の側面に嵌合用突起又は凹凸部を形成しておくことにより、より容易に組み立
てることができる。又、表裏薄板の少なくとも一方の薄板に切り込みを形成して屈曲など
を容易にしてもよい。
上記人工土壌構成基材は箱状になされているので、植木鉢として使用可能であり、中に土
壌等を充填して植物を栽培することができる。又、箱状の人工土壌構成基材が大きい場合
は重くなるので底部にキャスターを設置したり、側壁に把手を設置してもよい。こうする
ことにより、人工土壌構成基材中に土壌等を充填して植物を栽培しながら自由に移動し位
置を変えることができる。
請求項15記載の人工土壌構成基材は、請求項1〜13のいずれか1項記載の人工土壌構
成基材が屈曲されるか又は人工土壌構成基材の端部に側壁が立設されて溝状になされて畑
又は折板屋根に設置することを特徴とする緑地化装置である。
上記側壁としては、機械的強度を有する任意の板状体が使用可能であるが、通気性、排水
性、断熱性等の優れた、上記中空板状体が好ましい。側壁は中空板状体の端部を折り曲げ
ることにより立設されてもよいし、他の中空板状体を組み立てて立設されてもよい。
図14は、溝状の人工土壌構成基材の一例を示す分解斜視図である。6は縦80cm、横
90cm、厚さ12mmの中空板状体であり、リブ4(排出路5)は縦方向に設置されて
いる。中空板状体6の横方向の両端部から18cm内側の裏薄板2がリブ4方向に切断さ
れ、表薄板1が折り曲げられて溝状に形成されている。20は縦18cm、横50cm、
厚さ12mmの中空板状体からなる側壁であり、上記溝状の人工土壌構成基材の開口端部
にビス、ボルト等で固定することにより、溝状の人工土壌構成基材の端部が閉鎖されると
共に補強される。
上記人工土壌構成基材は樋状になされているので、畑等で一個又は複数個並べて、中に土
壌等を充填して畦を形成し植物を栽培することができる。又、庭や畑の端部に埋設するこ
とにより、植物の枯葉や土壌が外部に流出することを防止したり、植物の芽や根が外部に
伸長することを防止することができ土壌見切り材として好適に使用できる。この場合、人
工土壌構成基材を補強するために、人工土壌構成基材の周囲に前記中空板状体を積層して
もよいし、両側壁をボルト、断面形状L型材等で固定してもよい。
更に、上記樋状の人工土壌構成基材は、折板屋根の凹溝に整合する大きさに成形し、凹溝
に嵌入固定することにより折板屋根を緑化することができる。尚、折板屋根への樋状の人
工土壌構成基材の固定は任意の方法が採用されてよく、例えば、ボルト・ ナット、ビス
、永久磁石等で固定する方法が挙げられる。永久磁石で固定する場合は、中空板状体の排
水路に複数の棒状永久磁石を挿入しておけばよい。
請求項16記載の人工土壌構成基材は、裏薄板に多数の帯状貫通孔が穿設されていることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項記載の人工土壌構成基板である。
上記帯状貫通孔の形状は、特に限定されず、例えば、直線、曲線、蛇行線等の帯、三角形、四角形、六角形等の多角形、円形、楕円形、幾何学模様、渦巻き模様等が挙げられ、帯状貫通孔が好ましく、リブと交差するように設けられるのが好ましい。交差角度は、表薄板に到達した水が表薄板の帯状貫通孔を通って排水路に侵入し、更に、裏薄板の帯状貫通孔を通って下方に排出されるので、水の排出効率の優れた略垂直が好ましい。
帯状貫通孔の幅は、特に限定されないが、幅が狭くなると裏薄板と排水路間の排水性や通
気性が低下し、幅が広くなると植物の根が侵入しやすくなり、侵入した根により排水路の
排水性や通気性が低下するので、1〜3mmが好ましい。又、帯状貫通孔と帯状貫通孔の
間隔は、間隔が狭くなると耐荷重性が低下し、広くなると排水性、通気性等が低下するの
で10〜40mmが好ましい。
請求項17記載の植物育成用人工土壌構造は、請求項1〜16のいずれか1項記載の人工
土壌構成基材の上面に土壌層が積層されていることを特徴とする。
上記土壌としては、特に限定されず従来公知の任意の土壌が使用可能であるが、土壌に砂
、砂利、石、人工多孔質体(ガラス廃材を原料にして製造された軽石等の人工石)等が添
加されていてもよいし、砂、砂利、石又は人工多孔質体単独又はその混合物であってもよ
い。又、植物の育成に好適な土壌が好ましいので、植物の種類に応じた肥料が配合されて
いるのが好ましく、例えば、窒素、リン、カリ等を含む肥料、腐葉土、鉱物、海藻物、活
性炭、乾燥剤、穀物、ロックウール繊維等を含む土壌が好ましい。
請求項18記載の植物育成用人工土壌構造は、石材層、ロックウール繊維又はその成形体
層の上面に請求項17記載の人工土壌構成基材が積層され、更に、該人工土壌構成基材の
上面に土壌層が積層されていることを特徴とする。
上記石材層は、排水効果を向上させる層であり、例えば、砂利、砕石、人工石材等で構成
され、5cm以上の厚さが好ましい。上記ロックウール繊維又はその成形体層は前述のロ
ックウール繊維又はその成形体からなる層である。
上記土壌層中には、多数の帯状貫通孔が穿設されている表薄板と多数の帯状貫通孔が穿設されている裏薄板とが多数のリブを介して積層されてなる中空板状体が積層されてもよい。上記中空板状体は、請求項1又は2で説明した中空板状体の裏薄板に多数の帯状貫通孔が穿設されている中空板状体であって、これを積層することにより土壌層の排水性、通気性、断熱性等が向上し、特に、排水性の要求される競技場で好適に使用できる。
請求項20記載の植物育成用人工土壌構造は、土壌層に芝草が植えつけられていることを
特徴とする請求項17、18又は19記載の植物育成用人工土壌構造である。上記植物育
成用人工土壌構造は、通気性、排水性、断熱性等が優れており、栄養が豊富にあるので土
壌層に植えつけられた芝草(ソッド)や芝草の種は元気に育成することができる。
又、土壌層の上に、更に、前述のロックウール繊維又はその成形体と土壌層が交互に積層
されるのが好ましく、最上面はロックウール繊維又はその成形体であってもよいし土壌層
であってもよい。このロックウール繊維又はその成形体若しくは土壌層に植物を植えたり
種を蒔くことにより、植物を育成することができる。上記ロックウール繊維又はその成形
体と土壌層の間、ロックウール繊維又はその成形体中若しくは土壌中に、上記多数の貫通
孔が穿設されている表薄板と多数の貫通孔が穿設されている裏薄板とが多数のリブを介し
て積層されてなる中空板状体が積層されてもよく、こうすることによりロックウール繊維
又はその成形体と土壌層の通気性、断熱性等が向上す
る。
請求項23記載の植物育成用人工土壌構造は、表面のロックウール繊維又はその成形体若
しくは土壌層に芝草が植えつけられていることを特徴とする請求項21又は22記載の植
物育成用人工土壌構造である。上記植物育成用人工土壌構造は、通気性、排水性、断熱性
等が優れており、栄養が豊富にあるのでロックウール繊維又はその成形体若しくは土壌層
に植えつけられた芝草(ソッド)や芝草の種は元気に育成することができる。
図15は、植物育成用人工土壌構造の一例を示す斜視図である。図中6は縦90cm、横
45cm、厚さ9mmの中空板状体であり、縦90cm、横2cm、高さ11.6mmの
断面形状I型の継手9aにより、2枚の中空板状体6、6が排水路5、5が平行になるよ
うに接続されている。3は表薄板1に穿設された帯状貫通孔であり、排水路5と直交する
方向に一定間隔に多数穿設されている。
縦90cm、横90cmのポリエステルスパンボンド不織布(目付量40g/m2 )と縦
90cm、横90cmの活性炭付着ポリエステルスパンボンド不織布(目付量80g/m
2 )が、格子目の大きさが縦60mm、横36mmになるように熱溶着され、各格子に窒
素、リン及びカリウムを混和した顆粒状の肥料1gが封入されている植物育成シート18
が、活性炭付着ポリエステルスパンボンド不織布が上方になるように中空板状体6に積層
されている。
植物育成シート18上には、縦目ピッチ、横目ピッチ共に5mmであるポリプロピレン製
網状体23が積層され、その上に肥料の配合された土壌24が積層されて、厚さ6cmの
植物育成用人工土壌構造が形成されている。尚、網状体23は粘着テープで植物育成シー
ト18に固定されており、全体の重量は、乾燥時52kg/m2 であり、最大保水時は5
6kg/m2 であった。又、25は芝草(ソッド)であり、芝草が植生されている状態を
示している。
図16は、植物育成用人工土壌構造の異なる例を示す斜視図である。図中6は縦100c
m、横100cm、厚さ12mmの中空板状体であり、帯状貫通孔3が排水路5と直交す
る方向に一定間隔に表薄板1に多数穿設されている。中空板状体6上にはロックウール繊
維の角棒26、26・・が並列に配置され、角棒26の上に肥料の配合された土壌24が
積層されて、厚さ7cmの植物育成用人工土壌構造が形成されている。
角棒26は、ロックウール繊維に接合剤を加えて圧縮成形された高さ5cm、幅5cm、
長さ50cmの直方体であって、その密度は250kg/m3 であった。全体の重量は、
乾燥時32kg/m2 であり、最大保水時は88kg/m2 であった。又、25は芝草(
ソッド)であり、芝草が植生されている状態を示している。
図17は、植物育成用人工土壌構造の異なる例を示す斜視図である。図中6は縦90cm
、横90cm、厚さ12mmの中空板状体であり、帯状貫通孔3が排水路5と直交する方
向に一定間隔に表薄板1に多数穿設されている。中空板状体6、6・・は、縦90cm、
横2cm、高さ14.6mmの断面形状I型の継手9a及び縦90cm、横2cm、高さ
14.6mmで、垂直壁に略楕円形の貫通孔が多数穿設されている断面形状I型の継手9
bにより、排水路5、5が平行になるように接続されている。
中空板状体6、6・・の表薄板1には、活性炭付着ポリエステルスパンボンド不織布(目
付量80g/m2 )15が積層され、その上にはロックウール繊維の板状体27、27・
・が積層され、板状体27の上に肥料の配合された土壌24が積層されて、厚さ7cmの
植物育成用人工土壌構造が形成されている。尚、中空板状体6の表薄板1と活性炭付着ポ
リエステルスパンボンド不織布15は粘着テープで固定されている。
板状体27は、ロックウール繊維に接合剤を加えて圧縮成形された縦20cm、横20c
m、厚さ5cmの直方体であって、その密度は200kg/m3 であり、直径25mmの
貫通孔28が30mm間隔で穿設されている。全体の重量は、乾燥時29kg/m2 であ
り、最大保水時は50kg/m2 であった。又、25は芝草(ソッド)であり、芝草が植
生されている状態を示している。
図18は、植物育成用人工土壌構造の一例を示す斜視図である。図中6は縦100cm、
横100cm、厚さ12mmの中空板状体であり、帯状貫通孔が排水路5と直交する方向
に一定間隔に多数穿設されている。中空板状体6の端部は裏薄板2が排水路5に沿って切
断され、上方向に折り曲げられて高さ約10cmの側壁20が形成されている。
中空板状体6、6・・の表薄板には、活性炭付着ポリエステルスパンボンド不織布(目付
量80g/m2 )15が積層され、その上に厚さ10mmの肥料の配合された土壌24、
厚さ25mmのロックウール繊維の板状体27、厚さ10mmの肥料の配合された土壌2
4、厚さ25mmのロックウール繊維の板状体27及び厚さ10mmの肥料の配合された
土壌24が順次積層されて、厚さ約9cmの植物育成用人工土壌構造が形成されている。
尚、中空板状体6の表薄板1と活性炭付着ポリエステルスパンボンド不織布15は粘着テ
ープで固定されている。
板状体27は、ロックウール繊維に接合剤を加えて圧縮成形された縦20cm、横20c
m、厚さ25mmの直方体であって、その密度は200kg/m3 であり、直径25mm
の貫通孔28が開口率10%になるように穿設されている。全体の重量は、乾燥時55k
g/m2 であり、最大保水時は85kg/m2 であった。又、25は芝草(ソッド)であ
り、芝草が植生されている状態を示している。
図19は、植物育成用人工土壌構造の異なる例を示す斜視図である。図中6は縦100c
m、横100cm、厚さ12mmの中空板状体であり、表薄板1に円形の貫通孔29が一
定間隔に多数穿設されている。
中空板状体6、6・・の表薄板1には、活性炭付着ポリエステルスパンボンド不織布(目
付量80g/m2 )15が積層され、その上に縦目ピッチ、横目ピッチ共に5mmである
ポリプロピレン製網状体23が積層され、更に、その上に、厚さ25mmのロックウール
繊維の板状体27、厚さ10mmの肥料の配合された土壌24、厚さ25mmのロックウ
ール繊維の板状体27及び厚さ10mmの肥料の配合された土壌24が順次積層されて、
厚さ約85mmの植物育成用人工土壌構造が形成されている。尚、中空板状体6の表薄板
1と活性炭付着ポリエステルスパンボンド不織布15と網状体23は粘着テープで固定さ
れている。
板状体27は、ロックウール繊維に接合剤を加えて圧縮成形された縦20cm、横20c
m、厚さ25mmの直方体であって、その密度は200kg/m3 であり、直径25mm
の貫通孔28が開口率10%になるように穿設されている。全体の重量は、乾燥時40k
g/m2 であり、最大保水時は70kg/m2 であった。又、25は芝草(ソッド)であ
り、芝草が植生されている状態を示している。
上記請求項17〜23に記載の植物育成用人工土壌構造は、庭、花壇、畑、ゴルフ場、芝
生の植生されたスポーツ競技場等に設置すると、その部分の排水性、通気性、断熱性、保
温性等が向上し、花、野菜、芝生等の生長が促進されるが、人が通行する場合には、植物
を育成する植栽部と人が通行する歩行部が設けられるのが好ましい。
歩行部は、単に土壌で形成する、土壌の上に石材を敷き詰める、土壌をコンクリートで固
める等、従来公知の任意の方法で形成されればよいが、請求項17〜23に記載の植物育
成用人工土壌構造よりなる植栽部を形成した場合は、植栽部の排水が好適に排水され、通
気性が優れているのが好ましい。
従って、請求項24記載の緑地化構造は、請求項17〜23のいずれか1項記載の植物育
成用人工土壌構造に構成された人工構成基材の排水路リブ側面に、請求項1又は2のいずれか1項記載の人工土壌構成基材又は表薄板及び裏薄板とが多数のリブを介して積層されている中空板状体のリブ側面を当椄した中空板状体の上面に、透水性アスファルト、タイル、煉瓦、コンクリート、石材、人工石材、ゴムブロック、ゴムシート、木材の建築用部材のいずれかを積層してなる歩行部が配置されていることを特徴とする。
上記建築用部材を構成する中空板状体は、表薄板と裏薄板とが多数のリブを介して積層さ
れており、リブは略平行に設置されて、排水路が形成されている中空板状体であって、表
薄板と裏薄板には多数の貫通孔が穿設されていてもよい。上記中空板状体の構造、構成す
る材料等は請求項1及び2で説明した通りであり、表薄板と裏薄板に穿設されている多数
の貫通孔の形状も請求項1及び2で説明した通りであり、排水路に交差するように穿設さ
れた帯状貫通孔が好ましく、より好ましくは排水路と直交するように穿設された帯状貫通
孔である。又、リブに貫通孔が穿設されていてもよい。
上記建築用部材は、上記中空板状体の表薄板上面に、透水性アスファルト、タイル、煉瓦
、コンクリート、石材、人工石材、ゴムブロック、ゴムシート又は木材が積層されてなる
が、積層方法は従来公知の任意の方法が採用されてよく、例えば、コンクリ−ト、セメン
ト、エポキシ樹脂系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤等で接着する方法が挙げられる。又、
建築用部材と中空板状体の表薄板の間に不織布、ロックウール繊維からなる不織布などの
成形体を前述の接着剤等で接着して積層されてもよい。
植栽部と歩行部は中空板状体の排水路が略平行であって連通するように配置されている。
植栽部と歩行部は単に排水路が略平行であって連通するように端部をつき合わせて配置す
るだけでもよいが、より排水がスムーズにいくように、例えば、中空板状体の端面を突合
せ端面同士を接着剤で接着する方法、中空板状体の端部を突合せ端部表面を防水粘着テー
プ、防根侵入接着シート等で接着する方法、端部に補助部材を積層し、ビス、ボルト等で
固定する方法、端部付近の表薄板と板状リブを刳り抜き削除され、刳り抜き部より端部の
板状リブに穿設された貫通孔にボルト、ナットで固定する方法、人工土壌構成基材の端部
を嵌合しうる継手に端部を嵌合固定する方法等の方法で植栽部の中空板状体と歩行部の中
空板状体を接合するのが好ましい。
図20は請求項20記載の緑地化構造の一例を示す平面模式図である。図中30、30は
植栽部であり、歩行部31を介して配置されている。植栽部30は請求項17〜23のい
ずれか1項記載の植物育成用人工土壌構造であり、歩行部31は中空板状体の表薄板に石
材32、32・・が接着されて形成されており、植栽部30の中空板状体の排水路5aと
歩行部31の中空板状体の排水路5bは破線で示したように略平行であって連通されてい
る。
請求項25記載の建築物屋上緑地化構造は、建築物屋上の、防水層が形成されている躯体
上に、断熱材層を介して請求項17〜24のいずれか1項記載の植物育成用人工土壌構造
が積層されていることを特徴とする。
上記防水層は、特に限定されず、従来公知の任意の防水層が採用されてよく、例えば、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂等の合成樹脂シート;ゴムシート;ポリエ
チレン、ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン、ポリウレタン等の合成樹脂発
泡シート;ゴム発泡シート;改質アスファルト、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の液体樹
脂等が挙げられ、単独又は複合して被覆、敷設又は塗布されればよい。
上記断熱材は、建築物の躯体と植物育成用人工土壌構造との間を断熱し、躯体の温度が植
物育成用人工土壌構造に伝わらないようにするものであるが、植物育成用人工土壌構造か
らの排水が躯体に侵入したり、植物の根が躯体を破壊しないように、断熱性、非透水性、
機械的強度等が優れているものが好ましく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩
化ビニル樹脂等の合成樹脂シート;ゴムシート;ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビ
ニル樹脂、ポリスチレン、ポリウレタン等の合成樹脂発泡シート;ゴム発泡シート;改質
アスファルト、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。
又、断熱材として、表薄板と裏薄板とが多数のリブを介して積層されてなる中空板状体及
び表薄板と裏薄板とが多数の板状体リブを介して積層され、板状体リブにより気体通路が
形成されている中空板状体が好適に使用できる。これら中空板状体の構造、構成する材料
等は請求項1で説明した中空板状体と同一であるが、表薄板に貫通孔が穿設されていない
ほうが断熱性、減音性が優れているので好ましい。上記断熱材は2種以上が積層して使用
されてもよい。
図21は請求項26記載の建築物屋上緑地化構造の一例を示す断面図である。図中33は
建築物の、防水層が形成されている躯体であり、躯体33には、縦90cm、横90cm
、厚さ1.3mmの正方形の表薄板と裏薄板の間に、高さ9.4mm、厚さ1.3mmの
板状体のリブが30mmごとに設置され、排水路が形成されている中空板状体よりなる断
熱材層34が積層されている。
断熱材層34には中空板状体6が積層されている。中空板状体6は縦90cm、横90c
m、厚さ1.3mmの正方形の表薄板と裏薄板の間に、高さ9.4mm、厚さ1.3mm
の板状体のリブが30mmごとに設置され、排水路が形成されていると共に、表薄板には
幅2.5mmの直線状の帯状貫通孔が30mmごとに平行に穿設されている。
中空板状体6には、活性炭付着ポリエステルスパンボンド不織布(目付量80g/m2 )
15が積層され、その上に縦目ピッチ、横目ピッチ共に5mmであるポリプロピレン製網
状体23が積層され、更に、その上に、直径略5mmのロックウール繊維の粒状体35が
順次積層されて、建築物屋上緑地化構造が形成されている。尚、中空板状体6と活性炭付
着ポリエステルスパンボンド不織布15と網状体23は粘着テープで固定されている。
ロックウール繊維の粒状体35は、ロックウール繊維に接合剤を加えて圧縮成形された成
形体を粉砕したものであって、その密度は200kg/m3 である。このロックウール繊
維の粒状体35に芝草(ソッド)等の植物を植生することができる。
植物育成用人工土壌構造として、請求項16記載の人工土壌構成基材を構成要素として含
む植物育成用人工土壌構造を積層する場合は、該人工土壌構成基材は裏薄板に多数の貫通
孔が穿設されているから、土壌層に散布された水や雨水が断熱材まで浸透するので、建築
物の躯体まで水が浸透しないように非透水性の断熱材が使用されるのが好ましく、断熱材
まで浸透してきた水が好適に排水できるように植物育成用人工土壌構造と断熱材の間に請
求項1〜のいずれか1項記載の人工土壌構成基材が積層されるのがより好ましい。
即ち、請求項26記載の建築物屋上緑地化構造は、建築物屋上の、防水層が形成されてい
る躯体上に、断熱材層を介して請求項1〜のいずれか1項記載の人工土壌構成基材、請
求項16記載の人工土壌構成基材及び土壌層が、順次積層されていることを特徴とする。
土壌層の上に、更に、ロックウール繊維又はその成形体と土壌層が交互に積層され、最上
面がロックウール繊維又はその成形体若しくは土壌層であってもよい。
更に、土壌層とロックウール繊維又はその成形体の間、ロックウール繊維又はその成形体
中若しくは土壌層の中に前述の多数の貫通孔が穿設されている表薄板と多数の貫通孔が穿
設されている裏薄板とが多数のリブを介して積層されてなる中空板状体が積層されてもよ
く、こうすることによりロックウール繊維又はその成形体と土壌層の間、ロックウール繊
維又はその成形体及び土壌層の通気性、断熱性等が向上する。
図22は請求項27記載の建築物屋上緑地化構造の一例を示す断面図である。図中33は
建築物の、防水層が形成されている躯体であり、躯体33には、縦90cm、横90cm
、厚さ1.3mmの正方形の表薄板と裏薄板の間に、高さ9.4mm、厚さ1.3mmの
板状体のリブが30mmごとに設置され、排水路が形成されている中空板状体よりなる断
熱材層34が積層されている。
断熱材層34には人工土壌構成基材36が積層されている。人工土壌構成基材36は縦9
0cm、横90cm、厚さ1.3mmの正方形の表薄板と裏薄板の間に、高さ9.4mm
、厚さ1.3mmの板状体のリブが30mmごとに設置され、排水路が形成されていると
共に、表薄板には幅2.5mmの直線状の帯状貫通孔が30mmごとに平行に穿設されて
いる。
人工土壌構成基材36には、表薄板と裏薄板の両方に帯状貫通孔が穿設されている中空板
状体37が積層されている。中空板状体37は縦90cm、横90cm、厚さ1.3mm
の正方形の表薄板と裏薄板の間に、高さ9.4mm、厚さ1.3mmの板状体のリブが3
0mmごとに設置され、排水路が形成されていると共に、表薄板及び裏薄板には幅2.5
mmの直線状の帯状貫通孔が30mmごとに平行に穿設されている。
中空板状体37には、活性炭付着ポリエステルスパンボンド不織布(目付量80g/m2
)15が積層され、その上に、縦90cm、横90cmのポリエステルスパンボンド不織
布(目付量40g/m2 )と縦90cm、横90cmの活性炭付着ポリエステルスパンボ
ンド不織布(目付量80g/m2 )が、格子目の大きさが縦60mm、横36mmになる
ように熱溶着され、各格子に窒素、リン及びカリウムを混和した顆粒状の肥料1gが封入
されている植物育成シート18が積層されている。
植物育成シート18には、縦目ピッチ、横目ピッチ共に5mmであるポリプロピレン製網
状体23が積層され、その上に、直径略5mmのロックウール繊維の粒状体35が順次積
層され、更に、その上に土壌24が積層されて、建築物屋上緑地化構造が形成されている
。尚、中空板状体37と活性炭付着ポリエステルスパンボンド不織布15と植物育成シー
ト18と網状体23は粘着テープで固定されている。
ロックウール繊維の粒状体35は、ロックウール繊維に接合剤を加えて圧縮成形された成
形体を粉砕したものであって、その密度は200kg/m3 である。土壌24が表面であ
り、この土壌24に芝草(ソッド)等の植物を植生することができる。
請求項27記載の建築物屋上緑地化構造は、建築物屋上の躯体上に、断熱材層を介して、
請求項17〜23のいずれか1項記載の植物育成用人工土壌構造の排水路リブ側面に、請
求項1〜3のいずれか1項記載の人工土壌構成基材又は表薄板及び裏薄板とが多数のリブ
を介して積層されている中空板状体のリブ側面を当椄した中空板状体の上面に、透水性ア
スファルト、タイル、煉瓦、コンクリート、石材、ゴムブロック、ゴムシート又は木材が
積層されてなる建築用部材よりなる歩行部とが、中空板状体の排水路が略平行であって連
通するように配置されていることを特徴とする。
請求項28記載の建築物屋上緑地化構造は、建築物屋上の防水層が形成されている躯体上
に、断熱材層を介して、請求項1〜のいずれか1項記載の人工土壌構成基材、請求項
記載の人工土壌構成基材及び土壌層が、順次積層されてなる人工土壌構成基材の排水路
リブ側面に、請求項1記載の人工土壌構成基材又は表薄板及び裏薄板とが多数のリブを介
して積層されている中空板状体のリブ側面を当椄した中空板状体の上面に、透水性アスフ
ァルト、タイル、煉瓦、コンクリート、石材、ゴムブロック、ゴムシート又は木材が積層
されてなる建築用部材よりなる歩行部とが、中空板状体の排水路が略平行であって連通す
るように配置されていることを特徴とする。
建築物屋上緑地化構造においても、植物を育成する植栽面と人が通行する歩行部が設けら
れるのが好ましく、歩行部の構成は請求項24で説明した通りである。
又、植栽部の土壌層の上に、更に、ロックウール繊維又はその成形体と土壌層が交互に積
層され、最上面がロックウール繊維又はその成形体若しくは土壌層であってもよい。
更に、土壌層中、ロックウール繊維又はその成形体中、ロックウール繊維若しくはその成
形体と土壌層の間に前述の多数の貫通孔が穿設されている表薄板と多数の貫通孔が穿設さ
れている裏薄板とが多数のリブを介して積層されてなる中空板状体が積層されてもよく、
こうすることにより土壌層、ロックウール繊維又はその成形体及びロックウール繊維又は
その成形体と土壌層の間の通気性、断熱性等が向上する。
請求項17〜23記載の植物育成用人工土壌構造、請求項24記載の緑地化構造並びに請
求項25〜32記載の建築物屋上緑地化構造においては、土壌層及びロックウール繊維又
はその成形体層の通気性を向上させるために、表薄板と裏薄板とが多数のリブを介して積
層されてなる中空板状体又は表薄板と裏薄板が多数の板状体リブを介して積層され、板状
体リブにより気体通路が形成されている中空板状体が、気体通路が上下方向を向くように
、土壌層中、ロックウール繊維又はその成形体層中若しくはその周囲に立設されていても
よい。
該中空板状体を土壌層中若しくはロックウール繊維又はその成形体層中に立設する場合は
埋設されていてもよいし、一端が表面にでていてもよい。該中空板状体を土壌層及びロッ
クウール繊維又はその成形体層の周囲に立設する場合は、請求項17〜23記載の植物育
成用人工土壌構造及び請求項23記載の緑地化構造においては庭等の見切り材として作用
し、請求項25〜32記載の建築物屋上緑地化構造においては、建築物屋上緑地化構造の
周壁として作用するので、土壌層及びロックウール繊維又はその成形体層と同一高さ若し
くはそれより高くなるように立設するのが好ましい。
該中空板状体は、気体通路と土壌層及びロックウール繊維又はその成形体層の間で空気や
水分が流通するように、表薄板と裏薄板の少なくとも一方に貫通孔が穿設されていてもよ
く、貫通孔が穿設されている場合は、気体通路に土壌、ロックウール繊維又はその成形体
、植物の根等が入らないように不織布が積層されているのが好ましい。但し、請求項25
〜32記載の建築物屋上緑地化構造において、建築物屋上緑地化構造の周囲に立設される
場合は、排水が建築物屋上緑地化構造から建築物屋上に漏水しないように、少なくとも外
周に位置する薄板は貫通孔が穿設されないのが好ましい。上記中空板状体の構造、構成す
る材料等は請求項1及び2で説明した中空板状体と同一である。
請求項25〜32記載の建築物屋上緑地化構造においては、建築物屋上緑地化構造からの
排水を好適に排水し、土壌層及びロックウール繊維又はその成形体層の通気性を向上させ
るために、表薄板と裏薄板とが多数のリブを介して積層されてなる中空板状体又は表薄板
と裏薄板が多数の板状体リブを介して積層され、板状体リブにより排水路が形成されてお
り、表薄板に帯状貫通孔が穿設されている中空板状体を排水路が水平方向を向くように、且つ、表薄板が建築物屋上緑地化構造に接する(内側を向くように)その周囲に立設してもよい。
この場合、排水が下方に集まるように板状体リブには貫通孔が穿設されるのが好ましく、
排水路に土壌、ロックウール繊維又はその成形体、植物の根等が入らないように不織布が
積層されているのが好ましい。
上記中空板状体を建築物屋上緑地化構造に固定する方法は、従来公知の任意の方法が採用
されてよく、例えば、建築物屋上緑地化構造の断熱層又は人工土壌構成基材(中空板状体
)に請求項14で説明した方法で固定する方法が挙げられる。上記中空板状体の構造、構
成する材料等は請求項1及び2で説明した中空板状体と同一である。
請求項25〜32記載の建築物屋上緑地化構造においては、建築物屋上緑地化構造からの
排水を好適に排水するために、建築物屋上緑地化構造の排水用の中空板状体(図21にお
ける6、図22における36)の排水路が開口している端部に、該排水路からの排水を集
水し排水しうる、該排水路と略直交する排水路を有する排水用継手が設置されてもよい。
図23は上記排水用継手の一例を示す斜視図である。図中38は排水用継手であり、3枚
の垂直壁39、39’、39”を介して上板40と下板41が積層され、排水路42、4
2’が形成されている断面形状はしご型の継手であり、垂直壁39’及び39”には多数
の貫通孔43、43・・が穿設されている。排水用継手38は垂直壁39”側を建築物屋
上緑地化構造の排水用の中空板状体に接続することにより、建築物屋上緑地化構造から排
出された排水は排水路42,42’を通って排水される。
上記上板、下板及び垂直壁を構成する材料は、上記請求項1記載の中空板状体の表薄板、
裏薄板及びリブを構成する材料と同一の材料が使用されてよく、その厚みも上記請求項1
又は2記載の中空板状体の表薄板、裏薄板及びリブと略同一であるのが好ましい。
排水用継手38の幅は、建築物屋上緑地化構造の排水用の中空板状体に接続するのである
から、15mm以上が好ましく、より好ましくは30〜100mmであり、長さは建築物
屋上緑地化構造の幅にあわせて決定されればよく、複数の排水用継手を接続してもよい。
又、上板と下板の間隔も中空板状体に嵌合する場合は嵌合しうるように、突き合せて接続
する場合は中空板状体の厚さと略同一になるように、中空板状体の厚さに従って適宜決定
されればよい。
又、垂直壁に穿設される貫通孔の形状は特に限定されず、例えば、直線、曲線、蛇行線等
の帯、三角形、四角形、六角形等の多角形、円形、楕円形、幾何学模様、渦巻き模様等が
挙げられる。
排水用継手38と建築物屋上緑地化構造の排水用の中空板状体の接続は、中空板状体と排
水用継手を単に突き合わせたり、中空板状体を排水用継手に単に嵌合するだけでも良いが
、より強固に固定したり、根が侵入することを防止するために、中空板状体と排水用継手
の突合せ部や中空板状体と排水用継手を嵌合した接合部に防水粘着テープや防根侵入接着
シートを貼付してもよいし、中空板状体と排水用継手の間に合成樹脂発泡シート等の緩衝
材を介装してもよいし、更に接着剤で接着してもよい。
請求項1記載の人工土壌構成基材の構成は上述の通り貫通孔は帯状であり、通気性及び排水性がより優れている。又、薄層で軽量であり、組立、解体、移動等の作業性や施工性が優れており、又、機械的強度が大きく、作業用自動車等がその上を通過して大きな荷重が負荷されても破壊されることがない。表薄板と裏薄板の間は中空になされているので通気性がよく、この中空部を外気と連通すると常に新鮮な空気が保持できると共に、植物の成長に不具合を生じさせるガスを排出することができる。中空部には空気層が形成され、夏は断熱性が優れており、冬は保温性が優れている。又、表薄板には多数の帯状貫通孔が穿設されているので、人工土壌構成基材より上方の水は帯状貫通孔から表薄板と裏薄板の間の中空に入り効率よく排水される。従って、人工土壌構成基材を地中に埋設すると、その部分の排水性、通気性、断熱性、保温性等が向上するので、道路周辺では排水性が向上し水はけがよく水溜りが発生しにくくなり、畑、花壇、ゴルフ場、芝生の植生されたスポーツ競技場では、水はけがよく、通気性が優れ、夏は断熱され、冬は保温される、花、野菜、樹木、芝生等の生長が促進される。
すなわち、請求項1記載の人工土壌構成基材の構成は上述の通り、貫通孔は帯状であり、通気性及び排水性がより優れている。又、多数のリブが表薄板と裏薄板の間に設置されて排水路が形成されているから、より機械的強度が大きく、作業用自動車等がその上を通過して大きな荷重が負荷されても破壊されることがない。
請求項記載の人工土壌構成基材の構成は上述の通り、表薄板と多数のリブとに帯状貫通孔が穿設されているから、表薄板と裏薄板の間の中空には通気性が効率よくなり、水平方向に排水性が向上する。
請求項3又は4記載の人工土壌構成基材の構成は上述の通りであり、人工土壌構成基材の
排水路に水を貯留することができ、保水性に起因した散水省力化と断熱性が優れている。
従って、人工土壌構成基材を道路周辺などの地中に埋設すると、気化現象によりその部分
の地表温度が下がる。
請求項記載の人工土壌構成基材の構成は上述の通りであり、継手により大板化されてい
るので広い畑、花壇、ゴルフ場、芝生の植生されたスポーツ競技場等に容易に設置するこ
とができる。又、任意の形状に切断して使用することもでき、例えば、瓢箪のような場所
や三角形のような場所にも略隙間無く設置することができる。
請求項記載の人工土壌構成基材の構成は上述の通りであり、人工土壌構成基材の表薄板
に、すのこ状、波板状、凹凸状、箱状又は樋状であって、厚み方向に貫通孔が穿設されて
いる成形体が積層されているので、断熱性、排水性等がより優れている。
請求項記載の人工土壌構成基材の構成は上述の通りであり、人工土壌構成基材の表薄板
に不織布及び/又は活性炭が付着若しくは含浸されている不織布が積層されているので、
帯状貫通孔を通って排水路に土壌が流出することが防止されると共に植物の根が排水路に伸長することが防止され、排水路が詰まることなく長期間使用できる。又、活性炭が略面状均一的に付着若しくは含浸されていると、活性炭は微生物活性効果を有しており植物の育成効果が優れている。
請求項記載の人工土壌構成基材の構成は上述の通りであり、人工土壌構成基材の表薄板
に網状体が積層されているので、植物の根が網状体に絡まり、植物が抜けにくくなる。従
って、強風が吹く場所に木を植えたり、薄い土壌層に芝生を植える際に好適である。
請求項記載の人工土壌構成基材の構成は上述の通りであり、人工土壌構成基材の表薄
板側に、2枚の不織布が格子状に接合され、生じた格子目の上下不織布の間に肥料又は肥
料と活性炭の混合物が封入されてなる植物育成シートが積層されているので、人工土壌構
成基材上の全面に均一に肥料又は肥料と活性炭を設置することができ、その上に植えた植
物に均一に万遍なく栄養を長期間連続的に供給することができる。
請求項10記載の人工土壌構成基材の構成は上述の通りであり、植物育成シートの不織布
のうち少なくとも1枚に活性炭が付着若しくは含浸されているので、植物の育成効果が優
れている。
請求項11又は12記載の人工土壌構成基材の構成は上述の通りであり、人工土壌構成基
材の表薄板側に、ロックウール繊維又はその成形体が積層されており、その成形体の形状
は不織布、フェルト状体、板状体、角棒又は粒状物、綿状物であり、ロックウール繊維は
病原菌や雑草の種子を含まず、植物の育成に必要な栄養素を多く含み、且つ、断熱性、保
温性、保水性等が優れているので植物が丈夫に育つ。
請求項13記載の人工土壌構成基材の構成は上述の通りであり、ロックウール繊維又はそ
の成形体には凹部又は貫通孔が形成されているので、散水した際や大雨の際に水がスムーズに分散すると共に水が成形体内部にスムーズに保水することができる。又、ロックウール繊維又はその板状体に設けられた貫通孔に土壌を詰めることにより、板状体への荷重を低減することができ、保水時の耐荷重性が向上する。
請求項14記載の人工土壌構成基材の構成は上述の通りであり、人工土壌構成基材が箱状
になされているから、地中に埋設すると底面と側面から通気性効果と排水性効果と土壌の
温度に断熱効果が得られ、植物の育成が優れている。又、側方へ芽や根が広がろうとする
植物に対してはその広がりを制御する見切り材として使用ことができる。更に、この人工
土壌構成基材は中に土壌を充填することにより植木鉢として使用することも可能である。
請求項15記載の人工土壌構成基材の構成は上述の通りであり、人工土壌構成基材が溝状
になされているから、地中に埋設すると底面と側面から通気性効果と排水性効果が得られ
、植物の育成が優れている。又、庭等の端部に設置し、植物の芽や根が外に広がろうとす
ることを制御する見切り材として使用することができる。更に、この人工土壌構成基材は
中に土壌を充填し、畑の畝として使用すること、また、折板屋根に設置することにより折
板屋根用の緑地化装置(植木鉢)として使用することも可能である。
請求項16記載の人工土壌構成基材の構成は上述の通りであり、人工土壌構成基材の際下
層の中空板状体の裏薄板に多数の帯状貫通孔が穿設されているので、人工土壌構成基材より上方の水は帯状貫通孔から表薄板と裏薄板の間の排水路に入り排水路から排水されるだけでなく裏薄板の多数の帯状貫通孔からも排水されるのでより効率よく排水される。
請求項17記載の植物育成用人工土壌構造の構成は上述の通りであり、請求項1〜16
いずれか1項記載の人工土壌構成基材の上面に土壌層が積層されているのであるから、排
水性、通気性、断熱性、保温性、排水性等が優れており、花、野菜、芝生等の育成に適し
ており、特に根の成長が早く促成栽培に優れている。
請求項18記載の植物育成用人工土壌構造の構成は上述の通りであり、石材層、ロックウ
−ル繊維又はその成形体層及び請求項16項記載の植物育成用人工土壌構造が積層され、
更に、植物育成用人工土壌構造の上面に土壌層が積層されるのであるから、より通気性、
排水性、断熱性等がより優れ、植物の育成により好適であり、特に、排水性の要求される
競技場で好適に使用される。
請求項19記載の植物育成用人工土壌構造の構成は上述の通りであり、請求項17又は1
項記載の植物育成用人工土壌構造の土壌層に中空板状体が積層されるのであるから、土
壌層の通気性、断熱性等がより優れ、植物の育成により好適である。
請求項20記載の植物育成用人工土壌構造の構成は上述の通りであり、請求項17、18
又は19記載の植物育成用人工土壌構造の土壌層に芝草が植えつけられているのであるか
ら芝草(ソッド)、芝草の種は好適に育成される。
請求項21記載の植物育成用人工土壌構造の構成は上述の通りであり、請求項17、18
又は19記載の植物育成用人工土壌構造の土壌層の上に、更に、ロックウール繊維又はそ
の成形体と土壌層が交互に積層され、最上面がロックウール繊維又はその成形体若しくは
土壌層であるから、排水性、通気性、断熱性、保温性、排水性等が優れており、花、野菜
、芝生等の育成に更に適しており、特に根の成長が早く促成栽培に優れている。
請求項22記載の植物育成用人工土壌構造の構成は上述の通りであり、請求項21項記載
の植物育成用人工土壌構造のロックウール繊維又はその成形体と土壌層の間、ロックウー
ル繊維又はその成形体中若しくは土壌層中に中空板状体が積層されるのであるから、ロッ
クウール繊維又はその成形体及び土壌層の保水持続性、通気性、断熱性等がより優れ、植
物の育成により好適である。
請求項23記載の植物育成用人工土壌構造の構成は上述の通りであり、請求項21又は2
記載の植物育成用人工土壌構造における表面のロックウール繊維又はその成形体若しく
は土壌層に、芝草(ソッド)が植えつけられているのであるから芝草は好適に育成される
請求項24記載の緑地化構造の構成は上述の通りであり、植栽面は排水性、通気性、断熱
性、保温性、保水性等が優れており、花、野菜、芝生、樹木等の育成に更に適しており、
歩行部から植栽面への通気効果を発現し、歩行部は排水性、歩行性等にも優れているので
、庭や公園、道路周辺等に植栽部と歩行部を形成するのに好適である。
請求項25〜31記載の建築物屋上緑地化構造の構成は上述の通りであり、人工土壌構成
基材は薄層で軽量なので、組立、解体、移動等の作業性や施工性が優れており、建築物の
屋上に作業性よく容易に設置することができる。又、機械的強度が大きいので、大きな荷
重が負荷されても破壊されることがない。
又、この建築物屋上緑地化構造は通気性、排水性、断熱性、保水性、保温性等が優れてお
り、植物の育成に好適である。特に、中空板状体の中空部には空気層が形成されており、
例え、建築物が高温になってもその熱が植物の根まで伝導されることが防止され、耐熱性
の低い芝生でも好適に育成できる。
請求項32記載の建築物屋上緑地化構造の構成は上述の通りであり、断熱材層が、表薄板
と裏薄板が多数の板状体リブを介して積層され、板状体リブにより気体通路が形成されて
いる中空板状体であるから、断熱性、減音効果が優れおり、建築物屋上からの伝熱及び騒
音を効果的に遮断することができる。
人工土壌構成基材の一例を示す斜視図である。 排水路の両端部を閉鎖された人工土壌構成基材の一例を示す側面図である。 請求項記載の人工土壌構成基材の一例を示す平面図である。 図3におけるA−A断面図である。 図3におけるB−B断面図である。 植物育成シートの一例を示す斜視図である。 箱状の人工土壌構成基材の一例を示す斜視図である。 図6におけるC−C断面図である。 図6におけるD−D断面図である。 底壁と側壁を固定する異なる方法を示す説明図である。 底壁と側壁を固定する異なる方法を示す説明図である。 底壁と側壁及び側壁と側壁を固定する異なる方法を示す説明図である。 底壁と側壁及び側壁と側壁を固定する異なる方法を示す説明図である。 溝状の人工土壌構成基材の一例を示す分解斜視図である。 植物育成用人工土壌の一例を示す斜視図である。 植物育成用人工土壌の異なる例を示す斜視図である。 植物育成用人工土壌の異なる例を示す斜視図である。 植物育成用人工土壌の一例を示す斜視図である。 植物育成用人工土壌の異なる例を示す斜視図である。 緑地化構造の一例を示す平面模式図である。 建築物屋上緑地化構造の一例を示す断面図である。 建築物屋上緑地化構造の異なる例を示す断面図である。 排水用継手の一例を示す斜視図である。
1 表薄板
2 裏薄板
3 帯状貫通孔
4 リブ
5 排水路
6 中空板状体
7 板状体
8 切欠き部
9 継手
10 垂直壁
11 上板
12 下板
13 貫通孔
14 不織布
15 活性炭付着不織布
16 格子目
17 肥料
18 植物育成シート
19 底部材
20 側壁
21 接合部材
22 ビス
23 網状体
24 土壌
25 芝草
26 ロックウール繊維の角棒
27 ロックウール繊維の板状体
28 貫通孔
29 貫通孔
30 植栽部
31 歩行部
32 石材
33 躯体
34 断熱材層
35 ロックウール繊維の粒状物
36 人工土壌構成基材
37 中空板状体
38 排水用継手
39 垂直壁
40 上板
41 下板
42 排水路
43 貫通孔
44 刳り抜き部
45 貫通孔
46 貫通孔
47 ボルト
48 ナット
49 座金
50 ボルト固定具__




Claims (32)

  1. 裏薄板と多数の帯状貫通孔が穿設されている表薄板とが、多数の円柱状、円筒状、角柱状、円錐台状、角錐台状のいずれかのリブを介して積層されてなる中空板状体からなり、前記表薄板と前記裏薄板と前記いずれかのリブとの間に排水路が形成されていることを特徴とする人工土壌構成基材。
  2. 多数の帯状貫通孔が少なくとも表薄板に穿設されている表薄板と裏薄板とが、貫通孔が穿設されている多数のリブを介して積層されている中空板状体からなることを特徴とする請求項記載の人工土壌構成基材。
  3. 排水路の端部が閉鎖されて、排水路が貯水可能になされ、帯状貫通孔から溢れた水は表薄板もしくは帯状貫通孔からリブを超えて排水ができるようになされていることを特徴とする請求項1又は2記載の人工土壌構成基材。
  4. 請求項1又は2記載の人工土壌構成基材の表薄板上に請求項3記載の人工土壌構成基
    材が積層されていることを特徴とする人工土壌構成基材。
  5. 貫通孔が穿設された垂直壁よりなる、断面形状I型の継手により、請求項1〜4のいずれ
    か1項記載の人工土壌構成基材が接続されて大板化されていることを特徴とする人工土壌
    構成基材。
  6. 請求項1〜のいずれか1項記載の人工土壌構成基材の表薄板に、すのこ状、波板状、凹
    凸状、箱状又は樋状であって、厚み方向に貫通孔が穿設されている成形体が積層されてい
    ることを特徴とする人工土壌構成基材。
  7. 請求項1〜のいずれか1項記載の人工土壌構成基材の表薄板に、不織布及び/又は活性
    炭が付着若しくは含浸されている不織布が積層されていることを特徴とする人工土壌構成
    基材。
  8. 請求項1〜のいずれか1項記載の人工土壌構成基材の表薄板側に、網状体が積層されて
    いることを特徴とする人工土壌構成基材。
  9. 請求項1〜のいずれか1項記載の人工土壌構成基材の表薄板側に、2枚の不織布が格子
    状に接合され、生じた格子目の上下不織布の間に肥料又は肥料と活性炭の混合物が封入さ
    れてなる植物育成シートが積層されていることを特徴とする人工土壌構成基材。
  10. 少なくとも1枚の不織布に活性炭が付着若しくは含浸されていることを特徴とする請求項
    記載の人工土壌構成基材。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項記載の人工土壌構成基材の表薄板側に、ロックウール繊維
    又はその成形体が積層されていることを特徴とする人工土壌構成基材。
  12. ロックウール繊維の成形体が不織布、フェルト状体、板状体、角棒、粒状物又は綿状物で
    あることを特徴とする請求項11記載の人工土壌構成基材。
  13. ロックウール繊維の成形体に凹部又は貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項
    記載の人工土壌構成基材。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項記載の人工土壌構成基材の端部に側壁が立設されて箱状に
    なされていることを特徴とする人工土壌構成基材。
  15. 請求項1〜13のいずれか1項記載の人工土壌構成基材が屈曲されるか又は人工土壌構成
    基材の端部に側壁が立設されて溝状になされて畑又は折板屋根に設置することを特徴とす
    る緑地化装置。
  16. 裏薄板に多数の帯状貫通孔が穿設されていることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項記載の人工土壌構成基材。
  17. 請求項1〜16のいずれか1項記載の人工土壌構成基材の上面に土壌層が積層されている
    ことを特徴とする植物育成用人工土壌構造。
  18. 石材層、ロックウール繊維又はその成形体層の上面に請求項16記載の人工土壌構成基材
    が積層され、更に、該人工土壌構成基材の上面に土壌層が積層されていることを特徴とす
    る植物育成用人工土壌構造。
  19. 土壌層中に、多数の帯状貫通孔が穿設されている表薄板と多数の帯状貫通孔が穿設されている裏薄板とが多数のリブを介して積層されてなる中空板状体が積層されていることを特徴とする請求項17又は18記載の植物育成用人工土壌構造。
  20. 土壌層に芝草が植えつけられていることを特徴とする請求項17、18又は19記載の植
    物育成用人工土壌構造。
  21. 土壌層の上に、更に、ロックウール繊維又はその成形体と土壌層が交互に積層され、最上
    面がロックウール繊維又はその成形体若しくは土壌層であることを特徴とする請求項17
    、18又は19記載の植物育成用人工土壌構造。
  22. ロックウール繊維又はその成形体と土壌層の間、ロックウール繊維又はその成形体中若し
    くは土壌層中に、多数の帯状貫通孔が穿設されている表薄板と多数の帯状貫通孔が穿設されている裏薄板とが多数のリブを介して積層されてなる中空板状体が積層されていることを特徴とする請求項21記載の植物育成用人工土壌構造。
  23. 表面のロックウール繊維又はその成形体若しくは土壌層に芝草が植えつけられていること
    を特徴とする請求項21又は22記載の植物育成用人工土壌構造。
  24. 請求項17〜23のいずれか1項記載の植物育成用人工土壌構造に構成された人工構成基
    材の排水路リブ側面に、請求項1又は2のいずれか1項記載の人工土壌構成基材又は表薄板
    及び裏薄板とが多数のリブを介して積層されている中空板状体のリブ側面を当椄した中空
    板状体の上面に、透水性アスファルト、タイル、煉瓦、コンクリート、石材、人工石材、
    ゴムブロック、ゴムシート、木材の建築用部材のいずれかを積層してなる歩行部とが配置
    されていることを特徴とする緑地化構造。
  25. 建築物屋上の、防水層が形成されている躯体上に、断熱材層を介して請求項17〜23
    いずれか1項記載の植物育成用人工土壌構造が積層されていることを特徴とする建築物屋
    上緑地化構造。
  26. 建築物屋上の防水層が形成されている躯体上に、断熱材層を介して請求項1〜のいずれ
    か1項記載の人工土壌構成基材、請求項16記載の人工土壌構成基材及び土壌層が、順次
    積層されていることを特徴とする建築物屋上緑地化構造。
  27. 建築物屋上の躯体上に、断熱材層を介して、請求項17〜23のいずれか1項記載の植物
    育成用人工土壌構造の排水路リブ側面に、請求項1又は2のいずれか1項記載の人工土壌構成基材又は表薄板及び裏薄板とが多数のリブを介して積層されている中空板状体のリブ側面を当椄した中空板状体の上面に、透水性アスファルト、タイル、煉瓦、コンクリート、
    石材、ゴムブロック、ゴムシート又は木材が積層されてなる建築用部材よりなる歩行部と
    が、中空板状体の排水路が略平行であって連通するように配置されていることを特徴とす
    る建築物屋上緑地化構造。
  28. 建築物屋上の防水層が形成されている躯体上に、断熱材層を介して、請求項1〜のいず
    れか1項記載の人工土壌構成基材、請求項17記載の人工土壌構成基材及び土壌層が、順
    次積層されてなる人工土壌構成基材の排水路リブ側面に、請求項1記載の人工土壌構成基
    材又は表薄板及び裏薄板とが多数のリブを介して積層されている中空板状体のリブ側面を
    当椄した中空板状体の上面に、透水性アスファルト、タイル、煉瓦、コンクリート、石材
    、ゴムブロック、ゴムシート又は木材が積層されてなる建築用部材よりなる歩行部とが、
    中空板状体の排水路が略平行であって連通するように配置されていることを特徴とする建
    築物屋上緑地化構造。
  29. 土壌層中に、多数の帯状貫通孔が穿設されている表薄板と多数の帯状貫通孔が穿設されている裏薄板とが多数のリブを介して積層されてなる中空板状体が積層されていることを特徴とする請求項25〜28のいずれか1項記載の建築物屋上緑地化構造。
  30. 土壌層の上に、更に、ロックウール繊維又はその成形体と土壌層が交互に積層され、最上
    面がロックウール繊維又はその成形体若しくは土壌層であることを特徴とする請求項29
    記載の建築物屋上緑地化構造。
  31. ロックウール繊維又はその成形体と土壌層の間、ロックウール繊維又はその成形体中若し
    くは土壌層中に、多数の帯状貫通孔が穿設されている表薄板と多数の帯状貫通孔が穿設されている裏薄板とが多数のリブを介して積層されてなる中空板状体が積層されていることを特徴とする請求項30記載の建築物屋上緑地化構造。
  32. 断熱材層が、貫通孔が穿設されていない表薄板と裏薄板とが多数のリブを介して積層され、
    気体通路が形成されている中空板状体であることを特徴とする請求項25〜31のいずれ
    か1項記載の建築物屋上緑地化構造。
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