JP2000139211A - 独立型超薄層緑化用パネル及びその施工方法 - Google Patents

独立型超薄層緑化用パネル及びその施工方法

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JP2000139211A
JP2000139211A JP11100455A JP10045599A JP2000139211A JP 2000139211 A JP2000139211 A JP 2000139211A JP 11100455 A JP11100455 A JP 11100455A JP 10045599 A JP10045599 A JP 10045599A JP 2000139211 A JP2000139211 A JP 2000139211A
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    • Y02B80/32Roof garden systems

Landscapes

  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)
  • Cultivation Of Plants (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】緑化対象面を材質や形状で限定することなく、
簡素化された施工方法で、確実に効率よく緑化すること
を目的とし、生きた植物を材料にしながら管理手間のい
らない独立した軽量なる資材として使用でき、常緑を基
本に四季折々変化していく植物の特性を活かし季節によ
って移り変わるデザインを楽しめる独立型超薄層緑化用
パネルを提供する。 【解決手段】極めて乾燥に強い植物と、引っ張り強度、
耐用性、保水排水作用を有する高強度培地資材とによ
り、一定の大きさをした本発明をあらかじめまたは施工
現場で形成し、緑化対象面に張り付けて固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、自然の岩盤や採石
跡地、道路造成などによる法面、人工構造物の屋上や壁
面等を薄層緑化するために用いる独立型超薄層緑化用パ
ネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】環境問題への関心が高まる中、街に緑が
増え、コンクリートで構築された建築物や壁面、また河
川の護岸壁等の緑化が注目されている。当初は土壌に頼
る緑化のため、特に屋上や屋根を緑化する際には、建物
を補強して土壌の重さを支える必要があり、幅広い利用
には至らなかった。平成4年度日本緑化工学会都市緑化
技術部会で、耐乾燥性のある植物を不織布マットで生育
し、植物の根が絡んだマットをそのまま緑化対象面に張
り付けるという画期的な緑化方法が報告された。無土壌
でも生育可能な植物の発見は、張り付けて緑化するとい
う発想を促した。そのことは、植物は土で栽培するもの
というこれまでの思考を大きくくつがえし、壁面緑化に
新たな道を与えた。しかし前記報告は研究段階にあり課
題を多く抱えるものでもある。強力な糊による固定方法
は剥離をまねきやすい。アンカー等固定具を使用する方
法は、不織布マットが次第に腐食し強度を失うため特に
急傾斜面においては剥離脱落そして破壊の恐れがある。
いずれも長期間保持が現実問題として難しい。また緑化
対象面が根の進入可能な材質であるか相応の基盤を設置
したものでなければならないことなど改善すべき点も多
く、未だ実質的な利用までには至っていない。ドイツに
おいてはすでに30数年まえから、耐乾燥性のある植物
を使って土壌の軽量化をはかった薄層緑化方法が研究さ
れている。近年では風雨による土壌の流出を防ぐことを
目的に、立体網を組み込んだものが開発された。屋根面
が緩傾斜や水平面であるドイツの建築物においては効果
がみられているが、強風豪雨といったきびしい環境に対
する耐性はみられない。台風の多い日本においては、強
風に耐えうる強度と豪雨による土壌や繁殖材料の流出防
止は必須であり、日本の現状には合わない点が多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、軽量化をは
かることを中心に、きびしい気象条件や過酷な場所に耐
えうる強度と固定の確実性を有し、さらに緑化対象面の
材質に依存しない独立した資材性を持ち、緑化対象面の
形態、傾斜角度の如何に関わらず張り付けて緑化するこ
とを可能にする、独立型超薄層緑化用パネルを提供する
ものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するために、使用する植物を、耐乾燥性があり無土壌無
灌水でも生育可能な植物とする。本発明を独立した資材
たらしめる耐用性のある格子状の板を、上部下部とも保
水力のあるマットか保水排水をこなすマットで挟み込
み、水分を保持させ、格子状の板に十分根をからませ
る。高強度培地資材上に撒布した当該植物の繁殖材料
を、上から流亡防止用の網状体で被覆し流亡を防ぐ。必
要に応じ、固着性を高める根がらみ用のネットを組み込
む。必要に応じ、本発明を設置する前に、緑化対象面上
へ排水帯を設置し余分な水分が溜まらないようにする。
アンカー等固定具で固定する際、本発明が巻き込まれて
工事に支障をきたさないように、両端に一定間隔をおい
て巻き込み防止穴を設ける。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明は、一定の大きさをしたパ
ネルであり、必要枚数を敷き詰めて固定具で固定する
か、施工現場で直接本発明を形成・固定する緑化方法で
ある。ビルや高速道路、河川のコンクリート護岸等のコ
ンクリート壁面や、採石跡地でむき出しになった山肌や
岩盤など、緑化の対象となる面の材質や形態にこだわら
ず設置できる独立した資材としての使用を可能にするこ
とを特徴とする。
【0006】本発明に独立した資材性をもたせるため
に、二通りの形態を開発した。栽培をして植物の根で全
体を一体化させた本発明の形態と、全体を組み合わせた
まま必要のあるときまで栽培せずに保存する形態であ
る。図1−1は、栽培して本発明Mとするパネルの基本
的内部構造の一例を示す一部破断をした斜視図である。
図1−2のように畝の上に防根シートを準備し、その上
に高強度培地資材3を並べ、当該植物の繁殖材料を撒布
して、高強度培地資材3に十分根をからませるまで栽培
し全体を一体化させる。植物の根の結束力を利用したも
ので、高強度培地資材を構成するマット類とともに、耐
用性のある素材の格子状の板2に根がからむことによ
り、植物の脱落を防止し施工後の永続性もはかる。十分
根のはらない初期段階においては止金具の使用も有用で
ある。図2は、栽培せずそのまま保存を可能にする本発
明Mの基本的内部構造の一例を示す一部破断をした斜視
図である。耐用性のある格子状の板2が組み込まれた高
強度培地資材3上に当該植物の繁殖材料aを撒布し、繁
殖材料を抑えるための流亡防止用の網状体4で上から被
覆し、止金具5を利用して全体を一体化する。また図3
は、栽培をしない本発明Mの分解構成図である。高強度
培地資材の上部マットより上の部分が後述する植物マッ
トとなる部分である。本発明では1m×3mと1m×5
0cmの大きさを規格大とする。施工場所の状況や輸送
方法に合わせて大きさを変えることも可能である。図は
すべて1m×3mの本発明を想定したものである。 以
下、図1、図2、図3にそって本発明の構造を説明す
る。
【0007】本発明に使用する極めて乾燥に強い植物1
は、ベンケイソウ科セダム属に代表されるもので、種類
によっては無土壌でも生育可能なほど乾燥に強い植物で
ある。逆に言えば加湿を嫌うため、過度の灌水は根を傷
めさらには病気の発生や徒長の原因となり活力を低下さ
せる。少量の水分を保持する培地資材と雨程度の水が適
当な当該植物は、手間をかけず自然の状態に放置してあ
るのが望ましい環境であり、人工構造物等に張り付けて
緑化する本発明に適している。また植物の組み合わせ方
で、黄色や白、ピンクと花を咲かせ、緑は一年中絶える
ことがなく、季節ごとに変化するデザインや色彩を楽し
むことができる点からも適材といえる。
【0008】当該植物は実生繁殖また栄養繁殖をするの
で、繁殖材料としては、茎葉や根または植物全体を使用
する。また苗に少量の培土をもたせたものが根の活着力
がすぐれ枯死率も少ないので有用である。培土を持った
小型の苗は例えば一枚に162個のセルがあるプレート
や不織布のポット等を利用して作製する。
【0009】本発明においては、当該植物を高強度培地
資材上で生育する。高強度培地資材は、耐用性のある素
材の格子状の板とマットを組み合わせたものである。本
発明を独立型に導く重要な材料が耐用性のある素材の格
子状の板2である。高強度培地資材に組み込むことによ
り、本発明自体に耐久性と引っ張り強度をもたらす。格
子状になっているので植物の根をからませる。施工の際
も固定具を耐用性のある素材の格子状の板が受け止める
ので本発明が破れたり破壊することがない。また耐用性
のある素材の格子状の板は柔軟性があり緑化対象面の形
状に合わせて設置し固定できる。緑化対象面の保護補強
をもする。耐用性のある素材の格子状の板には、プラス
チック製網または高強度繊維製網を利用する。前記プラ
スチック製網または高強度繊維製網には、強度の段階、
格子の大小が多様にあり、実際に山間部の落石防止や岩
盤の補強に使用されている強力なものもある。
【0010】高強度培地資材3を構成するマットは、前
記耐用性のある素材の格子状の板を挟んで上下に設置す
る。格子状の板に根を十分にからませるように保水力の
あるマットかあるいは一枚で保水排水をこなすマットを
使用する。
【0011】保水力のあるマットには、不織布、スポン
ジ、アスベスト、ロックウール等がよく、材質は綿とパ
ルプ、麻とパルプの混合、セルロース等必要とする保水
力が得られればよい。また立体格子に土壌を充填したマ
ットも有用である。土壌には保水性の高い人工軽量培土
のピートモス、ココダスト等、そして一般土壌がある。
立体格子が土壌の流亡を防ぎ、特に垂直・急傾斜面にお
ける土壌の使用を可能にする。立体格子にはマット状の
ココナツ繊維等を利用する。
【0012】保水排水をこなすマットとして、本発明で
は新たに木クズマットを提供する。木クズの保水力を利
用し実験開発したもので、木クズをチップのままかある
いはビー玉程度の大きさに固めて保水球にし、排水力の
ある不織布を作る際に混在させると一枚で保水排水をバ
ランスよく行うマットとなる。保水力のある不織布に混
入すると保水の効果をさらに高めることになる。不織布
にする材料の素材と木クズの量を変化させることによ
り、状況に見合うマットを作製することができる。本来
廃棄される木クズの有効利用にもなり、大幅なコスト削
減となる。木クズと同様に保水球として、綿球やピート
モス球、パルプ球等も有用である。
【0013】不織布を製造する段階から、前記耐用性の
ある素材の格子状の板を中央付近に組み込み、高強度培
地資材を一体とする方法もある。
【0014】図2の栽培しない本発明を生産する際、高
強度培地資材上の当該植物の繁殖材料を抑えるために、
流亡防止用の網状体4で被覆する。前記網状体は繁殖材
料や生長した植物の飛散や流亡、脱落や移動を防止する
とともに、緑化対象面の補強をする。網状体にはネット
と耐用性のある素材の格子状の板がある。ネットあるい
は格子板の目合いは繁殖材料を抑える細かさと植物が生
長して抜け出る大きさが必要であり、実験結果に基づき
本発明では、25mmの目合いのものを使用する。流亡
防止用ネットeは設置場所の環境により、分解性素材の
綿ネットあるいは麻ネット、非分解性のポリエチレン、
ポリプロピレン等人工繊維素材のものを使い分ける。耐
用性のある素材の格子状の板2は、繁殖材料や植物その
ものを抑えるというよりも、緑化対象面を補強したい場
合に使用する。プラスチック製網や高強度繊維製網を利
用する。栽培をする本発明には基本的に流亡防止用の網
状体は使用しないが、緑化する場所が垂直面や急傾斜面
であったり風雨のきびしい場所などで、植物が脱落する
恐れのある場合は、必要に応じ、図1のように畝の上で
栽培を行う際に、最初の段階から上部へ前記流亡防止用
の網状体を組み込むことができる。
【0015】本発明の両端にアンカー等固定具の入る巻
き込み防止穴6を設ける。巻き込み防止穴には補強用の
金具を取り付ける。生育基盤の両端に一定間隔をおいて
作製し、接続をしたりアンカー等固定具を打ち込む目安
にする。アンカー等を打ち込む際は、高強度培地資材が
ドリルの歯に巻き込まれるのを防ぐ。また巻き込み防止
穴は本発明を補強もする。
【0016】必要に応じて耐用性のある素材の格子状の
板とともに、根がらみ用ネットを組み込む。耐用性のあ
る素材の格子状の板として本発明で使用し、一般に流通
もしている引っ張り強度の高いプラスチック製網や高強
度繊維製網は目合いが粗いため、植物の種類によっては
根がからみにくい。傾斜角度や風雨の状態によっては目
合いの小さい根がらみ用のネットを合わせて使用し、高
強度培地資材と植物の固着力を高め同時に本体を補強す
る。ネットの目合いは根のよく絡む4mmから10mm
とする。根がらみ用ネットの素材は、非分解性素材のポ
リエチレン、ポリプロピレン等を利用し、高強度培地資
材に使用しているマットが将来的に腐食分解した後も、
耐用性のある素材の格子状の板とともに植物の根を絡め
て固着し続けることを目的とする。
【0017】栽培をする本発明においては当該植物の根
で全体が一体化してあるものを出荷するのを基本とする
が、急な需要などで生育期間が十分でない場合や急傾
斜、垂直面に使用する場合など必要に応じては止金具を
併用するのが有用である。栽培をしない本発明において
は止金具5を利用して一体化する。
【0018】栽培をする本発明の出荷までの様子を説明
する。図1のように、高さ数cmの畝の上に防根シート
を敷き、高強度培地資材を載せる。その上に当該植物の
繁殖材料を撒布し栽培する。根が伸びて高強度培地資材
にからまり、植物が安定したところで本発明を畝からは
がし出荷する。1m×3mと1m×50cmを規格大と
する本発明は、それを入れる薄型の箱を準備し積み重ね
て運搬する。規格外の大きい本発明はロールにする。当
該植物は環境を整えることにより出荷可能な状態までに
生育するのに短斯間ですむので、生産の回転が速く、需
要に応じた対応ができる。新たに建築する建造物で、設
計に壁面緑化が組み込まれているものについては、施工
に必要な時期に必要分を搬入することもできる。次に栽
培をしない本発明の出荷までの様子を説明する。図2の
ように、止金具で全体を一体化した本発明は、前記同様
の薄箱に入れ低温の乾燥した場所に保存する。当該植物
の繁殖材料は、乾燥させることにより資材性を増し長期
間保持できる。需要に応じて箱ごと出荷し施工する。施
工後しだいに緑量が増えてくる。施工時から緑量が望ま
れる時は、前記図1の栽培した本発明を利用するか、図
2の保存してある本発明を栽培してから出荷する。
【0019】施工段階で緑量が求められる時のもう一つ
の方法に、植物マット8がある。図4のように、全体を
一体化する前に、高強度培地資材3の上部マットより上
の部分のみを栽培する。畝10の上に防根シート11を
設置し根がマットにからみ移動可能な状態まで栽培し、
植物マット8を作製する。流亡防止用の網状体4は、設
置環境に合わせネットと耐用性のある素材の格子状の板
を使い分ける。また設置環境によっては網状体を省略し
てもよい。早めに緑量が求められる場合以外にも、垂直
面や急傾斜面での施工においては、根がある程度活着し
ている植物マットの利用が有用である。出荷する直前
に、植物マット8と下の部分とを結合するか、現場で固
定しながら結合する。
【0020】施工をする際には、巻き込み防止穴にアン
カー等固定具を打ち込んで、重ねずに1枚ずつ並べて設
置する。ただし緑化対象面が垂直か急傾斜面である場
合、また常に強風にさらされている場所においては、隣
り合う穴同士を接続金具nで連結した後、アンカー等固
定具で固定する。ビルの屋上など防水層のある緑化対象
面では、のり付けアンカーkを使用するか、アンカー類
を打ち込んだ後防水処理を施す。のり付けアンカーk
は、図5や図6の断面図にあるように、画びょうを大き
くしたような形態をしており、逆さにして使用、傘の部
分が接着面で棒の部分が固定点となる。接着材を用いて
接着面を緑化対象面に張り付ける。底面から突き出てい
る棒状の固定点に本発明を巻き込み防止穴を利用して設
置し、ワッシャーとアンカーキャップで固定する。個人
住宅のポストや犬小屋など小型の緑化対象物には、本発
明を大きさに合わせて切断して使用する。
【0021】全体を一体化せず、施工現場で直接形成す
る方法もある。現場に別々にして持ち込んだ保水力のあ
るマットを、緑化対象面全体に敷き詰め、その上に耐用
性のある素材の格子状の板を並べ、その上に保水力のあ
るマットをもう一度敷き詰める。その上に当該植物の繁
殖材料を撒布し流亡防止用の網状体で全体を被覆し固定
具で固定する。または、緑化対象面に保水力のあるマッ
トを敷き詰め、その上に耐用性のある素材の格子状の板
を並べた上に、前記植物マットを重ねて固定する。
【0022】必要に応じて緑化対象面に、あらかじめ排
水を促す排水帯9を設置する。施工場所が屋上などの水
平面や緩傾斜面において、また一度に大量の排水を必要
とする大規模な施工場所において、排水が良好でないと
思われる場所に使用する。排水帯は、排水マットを20
cm前後幅の帯状にしたものであり、1mの間隔を開け
て設置する。ただし緑化対象面の求める排水能力に応じ
て排水帯の幅や設置間隔を変える。斜めに配し、両面テ
ープ、糊、アンカー等を利用して設置する。
【0023】
【実施例】図5−1は、緩傾斜の屋根面を緑化対象面G
としたもので、最も一般的で利用率の高い本発明Mの断
面図と使用例である。耐用性のある素材の格子状の板2
とともに根がらみ用ネット7が組み込まれた高強度培地
資材3に、当該植物の繁殖材料aを撒布し流亡防止用ネ
ットeで被覆した本発明Mを使用した。耐用性のある素
材の格子状の板2とともに根がらみ用のネット7を併用
し高強度培地資材と植物の固着を万全にしてある。緑化
対象面には排水帯9を設置している。図5−2は、上記
同様の緑化対象面Mに保水排水をこなすマットで構成し
た高強度培地資材を使用したものである。保水排水をこ
なすマットは排水力のある不織布fと木クズの保水球d
で構成した物である。マットに排水性があるので排水帯
を使用していないが、特に排水力が求められる場合には
排水帯を利用する。
【0024】図6は、ビルの壁面を緑化対象面Gとした
場合である。植物の脱落を防止するため、流亡防止用ネ
ットe及び根がらみ用ネット7に非分解性繊維素材のも
のを利用する。緑化対象面の面積を考慮し排水を良好に
するためにあらかじめ排水帯9を設置した。この図で
は、植物が高強度培地資材に安定している植物マット8
を使用したものであり利用率の高い施工方法である。施
工現場で植物マットの下に位置するもの(耐用性のある
素材の格子状の板2と下部の保水力のあるマット)と植
物マット8を合わせて固定する。
【0025】図7は、ビルの屋上を緑化対象面Gとした
場合である。水平面では水はけが悪いため、緑化対象面
にはできるだけ排水材を利用した方がよい。この図では
排水帯9を設置している。また高強度培地資材3には立
体格子gに土壌hを充填したマットを使用した。前記マ
ットの間に耐用性のある素材の格子状の板2を挟み、土
壌の流出を防ぐために全体を浸食防止用マットi(麻、
レーヨンなどを適用する)で包み、その上に当該植物の
繁殖材料1を撒布し流亡防止用ネットeで被覆する。固
定具jは、防水層をこわさないよう端部のみにホールイ
ンアンカーを使用し他はのり付けアンカーkを使用し
た。のり付けアンカーを使用する際は、ワッシャーとア
ンカーキャップを併用する。
【0026】図8は、採石跡地を緑化対象面Gとした場
合である。ここでは緑化対象面のある場所が例えば切り
立った岩場で落石の恐れがあったり、法面や壁面で崩壊
の恐れのあるなど、極端に強さが必要とされる場所にお
ける実施例を示すものである。採石跡地は緑化対象面の
面積が広くまた形状も不定形な場合が多く、現場で本発
明を形成しながら固定する方法が効率がよい。緑化対象
面Gに形状に合わせて保水力のあるマットaを敷き詰
め、その上に耐用性のある素材の格子状の板2を柔軟性
を利用して密着させながら設置する。設置場所が急斜面
であることなどを考慮し、耐用性のある素材の格子状の
板の上に非分解性繊維素材の根がらみ用ネットを重ねて
設置する。その上に植物マット8を重ねて固定をする。
この場合の植物マット8に使用する流亡防止用の網状体
4は、耐用性のある素材の格子状の板2である。すでに
緑化対象面に設置してある耐用性のある素材の格子状の
板2と合わせて、二重に使用することにより高い強度を
得る。
【0027】上記採石跡地のように、人工的に裸になっ
てしまった断面や自然にむき出しになった岩盤など将来
的に補強工事が行われる予定の場所においては、単にプ
ラスチック製網やコンクリート等で補強するだけでな
く、緑化を同時に行い景観をよくすることを可能にす
る。
【0028】根の活着を促進させるために、必要に応じ
て保護マットを組み込んでもよい。保護マットとは、生
育基盤上の培土を持った小型の苗と流亡防止用の網状体
の間に組み込み、日陰をつくって根の活着を促進させ
る。マット全面に生長した植物が抜け出る穴を持つ。マ
ットには通風がよく加湿にならないほどの水分を保持す
る素材のものがよく、わらとパルプを素材にしたものが
有用である。保護マットに糊をしみこませると、植物と
の密着度が高く効果的である。
【0029】前記培土を持った小型の苗にあらかじめ粒
材の緩行性肥料を混入することにより、早期に被覆率を
高めることができる。効期は760日と長期間のものも
あるが、通常80日から170日程度のものでよい。緩
行性肥料としては市販されているハイコントロール、I
B化成等が利用しやすい。
【0030】極めて乾燥に強い植物の中で、本発明で使
用するのは、ベンケイソウ科、カタバミ科、ツルナ科、
ユリ科などの多肉植物である。軽量にすることと同時に
雑草のはびこるのを防ぐため、土壌の厚さを2cm以下
でも育つ植物を使用する。以下に示すのは、30度の傾
斜面に5mm、1cm、2cmの土壌を設置した上に、
実験材料である21種類の植物を配置し、屋外で3年間
放置した実験による土壌の厚さと植物の関係であり、資
料として提供する。 5mm メキシコマンネングサ モリムラマンネングサ タイトゴメ 1cm オオバベンケイソウ オオバマルバベンケイソウ ツメレンゲ キリンソウ スプリュウム ミセバヤ カラフトミセバヤ オノマンネングサ ヨーロッパマンネングサ サカサマンネングサ メノマンネングサ フシチョウ (上記5mmの植物も含まれる) 2cm マツバギク アコンガワメセン マツバボタン ゼラニウム アロエ ツヤカタバミ ハナツルクサ(上記5mm、1cmの植物も含まれる)
【0031】
【発明の効果】軽量化が実現し、建物の補強工事の必要
をなくした。緑化対象面を根の進入できる材質にするこ
れまでの依存型から独立型となったことで、どのような
材質の上にも緑化が可能となった。本発明には耐用性の
ある素材の格子状の板が組み込まれているため、強く柔
軟性があり、設置場所の形状や角度に関係なく設置でき
る。特にこれまで困難とされていた垂直面の緑化が簡単
にできることになった。もう一点これまで困難とされて
いた植裁不可能な自然の岩盤や、コンクリートで強化し
ていた採石跡地などに設置し、補強と同時に緑化を可能
にした。当該植物を使用することで、灌水や除草、また
農薬散布など管理の手間がなくし衛生的となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】1は栽培した形態の本発明の基本的構造を示す
一部破断した斜視図であり、2は栽培の様子を示す図で
ある。
【図2】栽培しない形態の本発明の基本的構造を示す一
部破断した斜視図である。
【図3】栽培しない形態の本発明の基本的構造を示す分
解図である。
【図4】植物マットの形態と作製の様子を示す図であ
る。
【図5】屋根面(緩傾斜面)に施工した一例を示す施工
斜視図と使用した本発明の断面図1および排水帯を使用
しないで施工が可能な本発明の断面図2である。
【図6】ビルの壁面(垂直面)に施工した一例を示す施
工斜視図と使用した本発明の断面図である。
【図7】ビルの屋上面(水平面)に施工した一例を示す
施工断面図と使用した本発明の高強度培地資材の断面図
である。
【図8】採石跡地(不定形であり補強が必要な場所)に
施工した一例を示す施工図と使用した本発明の断面図で
ある。
【符号の説明】
1 極めて乾燥に強い植物 2 耐用性のある素材の格子状の板 3 高強度培地資材 4 網状体 5 止金具 6 巻き込み防止穴 7 根がらみ用マット 8 植物マット 9 排水帯 10 畝 11 防根シート a 極めて乾燥に強い植物の繁殖材料 b 保水力のあるマット c 保水排水をこなすマット d 保水球 e 流亡防止用ネット f 排水力のある不織布 g 立体格子 h 土壌 i 浸食防止用マット j 固定具 k のり付けアンカー n 接続金具 p 防水層 M 本発明 G 緑化対象面

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 極めて乾燥に強い植物を、耐用性のある
    素材の格子状の板を組み込んだ高強度培地資材に栽培
    し、当該植物の根が高強度培地資材にからむことにより
    一体化したものであり、緑化対象面の材質に依存するこ
    となく独立した資材性を有することを特徴とする独立型
    超薄層緑化用パネル。
  2. 【請求項2】 極めて乾燥に強い植物の繁殖材料を、耐
    用性のある素材の格子状の板を組み込んだ高強度培地資
    材に撒布し、その上を流亡防止用の網状体で被覆し、止
    金具で一体化したもので、緑化対象面の材質に依存する
    ことなく独立した資材性を有することを特徴とする独立
    型超薄層緑化用パネル。
  3. 【請求項3】 耐用性のある素材の格子状の板の上部か
    下部に位置して根がらみ用のネットを組み込んだ請求項
    1または請求項2記載の独立型超薄層緑化用パネル。
  4. 【請求項4】 前記高強度培地資材が、耐用性のある格
    子状の板を保水力のあるマットあるいは保水排水をこな
    すマットで挟み込んだものであり、前記保水排水をこな
    すマットが排水力のある不織布に保水力のあるチップか
    またはチップの固まりを混在させたマットである請求項
    1、請求項2または請求項3記載の独立型超薄層緑化用
    パネル。
  5. 【請求項5】 前記流亡防止用の網状体がネットである
    請求項2、請求項3または請求項4記載の独立型超薄層
    緑化用パネル。
  6. 【請求項6】 前記流亡防止用の網状体が耐用性のある
    素材の格子状の板である請求項2、請求項3または請求
    項4記載の独立型超薄層緑化用パネル。
  7. 【請求項7】 両端に、固定具を通す巻き込み防止穴を
    有する請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求
    項5または請求項6記載の独立型超薄層緑化用パネル
  8. 【請求項8】 一体化せず、緑化対象面上で直接形成す
    ることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請
    求項4、請求項5、請求項6または請求項7記載の独立
    型超薄層緑化用パネル。
  9. 【請求項9】 緑化対象面に必要枚数を敷き詰め、固定
    具を使用して固定をする請求項1、請求項2、請求項
    3、請求項4、請求項5、請求項6または請求項7記載
    の独立型超薄層緑化用パネルの施工方法。
  10. 【請求項10】 緑化対象面に排水帯を設置した後必要
    枚数を敷き詰め、固定具を使用して固定をする請求項
    1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項
    6または請求項7記載の独立型超薄層緑化用パネルの施
    工方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100580927B1 (ko) * 2004-05-03 2006-05-17 삼성에버랜드 주식회사 다공질 필름을 이용한 식생매트 제조방법
JP2006223113A (ja) * 2005-02-15 2006-08-31 Shinichiro Hayashi 緑化マットおよびそれを用いた緑化方法
CN104855071A (zh) * 2014-12-29 2015-08-26 邵阳学院 一种凹叶景天育秧盘育苗方法
CN111213534A (zh) * 2020-02-21 2020-06-02 福建省农业科学院植物保护研究所 一种轻简防控红心莲多肉石蒜绵粉蚧的方法

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