JP2514177B2 - 赤外線および熱風併用乾燥装置 - Google Patents

赤外線および熱風併用乾燥装置

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JP2514177B2 JP3072604A JP7260491A JP2514177B2 JP 2514177 B2 JP2514177 B2 JP 2514177B2 JP 3072604 A JP3072604 A JP 3072604A JP 7260491 A JP7260491 A JP 7260491A JP 2514177 B2 JP2514177 B2 JP 2514177B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 この発明は、赤外線および熱風
併用乾燥装置にかかる。更に詳細には、母材表面に塗布
された塗料の塗膜に対する赤外線透過率が高くかつ母材
の吸収率の高い領域の赤外線を照射する赤外線ランプ
と、熱風とを併用する乾燥装置にかかる。
【0002】
【従来の技術】 従来、各種塗料を塗布された被乾燥物
等を乾燥させる乾燥方法としては、いわゆる熱風炉、遠
赤外線利用の乾燥炉を用いた乾燥方法が知られている。
これら乾燥方法の乾燥メカニズムは以下のように理解さ
れている。
【0003】すなわち、まず溶剤、アクリル樹脂等の樹
脂からなる固形分からなる塗料を表面に塗布された金属
板等からなる被乾燥物を炉内に搬入する。次いで、熱風
を吹き付けあるいは遠赤外線を照射する。すると前者に
おいては、被乾燥物に塗布された塗料表面の溶剤がまず
蒸発し、表面が流動性を失い固形化する。
【0004】また、後者においては、表面及び表面近傍
の溶剤がまず蒸発し流動性を失い固化する。熱風等の熱
が内部に即ち母材側に伝播すると加熱により塗膜の固形
化が進む。すると母材に近い部分の塗膜中の溶剤は、す
でに固形化された塗膜表面を突き破って蒸発する。する
と、発泡の跡が表面に残りピンホールを生ずる。そのた
め、従来の熱風炉あるいは遠赤外線利用の乾燥炉では、
急激に加熱することなくセッティングルームによって溶
剤の発散を行った後小さな温度勾配で遠赤外線を照射し
或は熱風を吹き付けておこなう。
【0005】しかしながら、従来のこれら乾燥炉を使用
した乾燥方法では発泡を生じない程度の塗膜表面と母材
との界面部の温度差を小さく維持しながら乾燥させるた
め乾燥に時間がかかる課題を有した。
【0006】特に熱風炉と赤外線との組み合わせによる
短時間乾燥を目的とする加熱では、塗膜表面はより高温
となり、塗膜表面と塗膜との界面にあたる金属表面との
温度差が生じ発泡が生じ易い課題を有した。
【0007】他方、「近赤外線の液体、パウダ、コーテ
ィング、ストーブ」(実開平1ー151873)、「塗料焼付
炉専用の光板」(実開平2ー43217)、USP4,863,375「BA
KINGMETHOD FOR USE WITH LIQUID OR POWDER VARNISHIN
G FURNACE」(ベーキングメソッド フォー ユース
ウィズ リキッド オア パウダー ヴァーニシング
ファーニス)等が知られている。これら従来例には、
「一種近赤外線の液体、パウダ、コーティング、ストー
ブのベーキング方法」についての記載があり、「近赤外
線の快速高温と貫通力が強い特性を利用し、ストーブの
ベーキング物品の方法を改良して、ペイントを快速に乾
燥するとともにその付着力を増強する考案」、すなわち
「いわゆる液体、粉末液体の塗装どおりに、粉末液体状
態のパウダ、液体塗料、気体あるいは流体を運送媒介体
としてその物体表面に付着させて、しかるのち加熱熔融
をへて均等にコートの塗装法」についての記載がある。
【0008】あるいは、「近赤外線を使用した乾燥炉、
あるいは乾燥炉内に高温部と低温部とを順次形成して乾
燥する乾燥方法、あるいは近赤外線ランプの背後には陶
磁製反射板を設け、および陶磁製反射板の中にはヒータ
ーを設ける」旨の記載がある。
【0009】又塗装技術増刊10月号には「中波長赤外線
ラジエーター」ついての記載がある(1990年10月20日株
式会社理工出版社刊211〜213頁)。すなわち、「塗膜に
到達した放射エネルギーは、その一部は吸収され、一部
は反射し、一部は透過する。このうち吸収されたエネル
ギーが熱に変り塗膜を加熱、乾燥させる。塗装の場合は
母材、ボディがあるため塗膜を透過した放射エネルギー
が母材を加熱し、熱伝導で塗膜を内側から加熱する。
【0010】近赤外線:温度2000〜2200℃ 最大エネ
ルギー波長約1.2μm,エネルギー密度大、反射,透過エ
ネルギーが大きい,立上り速度が早い(1〜2秒),寿命
が約5000時間と短い。
【0011】中赤外線:温度850〜900℃ 最大エネル
ギー波長約2.5μm,エネルギー密度中,吸収.透過エネ
ルギーがバランスしてエネルギーが塗膜内に浸透,寿命
が長い。
【0012】遠赤外線:温度500〜600℃,最大エネル
ギー波長約3.5μm,エネルギー密度小,良く吸収される
が塗膜表面で吸収,加熱となりがち,立上り時間が長い
(5〜15分),対流損失が大きい。」とされる。
【0013】さらに、「2.最大効率の中波長赤外線
「より早く乾燥し,より良い塗膜品質を得る」には,つ
まり最大効率で加熱,乾燥させるには,次の二つの条件
を同時に満足している必要がある。
【0014】赤外線ラジェターの温度が高い放射エネ
ルギーはラジェターの絶対温度(T)の4乗に比例する。
【0015】Eb∝T4
【0016】温度が高いほど放射エネルギーは大きくな
る。
【0017】最大エネルギー波長が塗料のピーク吸収
率よりいくぶん短波長よりにあること
【0018】塗料の工業用赤外線加熱で利用できる最大
ピーク波長は例外なく3μm前後にある。よって2.5μm前
後に最大エネルギー波長を持つ赤外線ラジェターが吸収
も良く,透過し,母材も加熱し内部からも加熱できる。
【0019】上記の関連,赤外線ラジェターの温度
(T)と最大エネルギー波長(λm)の関係を表す,ウ
ィーンの変位則,
【0020】λm=2897/Tより
【0021】T=(t+273)=2897/2.5
【0022】t=880℃
【0023】中波長赤外線がこの条件を満足し有効エネ
ルギーが大きく最大効率となる。」とされる。
【0024】しかしながら、実開平1ー151873、実開平2
ー43217、USP4,863,375等には、近赤外線を使用して塗
膜乾燥をおこなう旨の記載はあるが、使用される近赤外
線の性質については一般的に記載されるに止どまり金属
表面に塗布される塗膜と近赤外線との関係による照射さ
れる赤外線の最適な範囲、選択ついては記載がない。
【0025】他方、従来の塗膜乾燥に使用されていた遠
赤外線、中赤外線では、塗膜の吸収率の高い領域、即ち
塗膜の赤外線吸収率の良い領域を選択して使用していた
が、これは塗膜自体の内部から加熱させる目的のためで
ある。しかしながら、塗膜の吸収率の高い赤外線を使用
すると、ピンホールの発生の課題を本質的に抱えること
になる。そのため、発泡を生じない程度の温度差を維持
しながら乾燥させるため急激な昇温をおこなえず乾燥に
時間がかかる課題を有した。
【0026】また、先の「塗装技術増刊10月号」の記載
には、赤外線と母材の吸収率との関係からする赤外線の
選択、あるいはピンホール発生原因からする赤外線の選
択についての記載はなく、そして塗装乾燥においては
「2.5μm前後に最大エネルギー波長を持つ赤外線ラジェ
ターが吸収も良く,透過し,母材も加熱し内部からも加
熱できる。」と結論している。
【0027】他方、発明者は近赤外線による母材表面に
塗布された塗膜の乾燥を行う過程において、塗布された
塗膜による赤外線吸収率の高い領域を選択するよりはむ
しろ塗膜の赤外線透過性の高い領域の近赤外線を選択す
ると、ピンホール発生を抑制することができることを知
見した。塗膜表面からではなく、塗膜に被覆された被塗
物において塗膜との界面に位置する母材表面を直接加熱
し、母材表面から逆に塗膜が乾燥されているため、と推
測される。
【0028】すなわち、一般に母材として金属を使用し
た場合金属は赤外線の波長が長くなるほど反射率が高く
なり、波長が短いほど金属の熱吸収率が高くなる。そし
て塗膜に関しては、近赤外線を使用して塗膜を乾燥させ
る場合は、むしろ塗膜に対して透過率の高い、即ち塗膜
の吸収率の悪い近赤外線を使用して乾燥させるとピンホ
ールが形成されることなく加熱されると推測される。
【0029】そこで、先に発明者は特願平2ー3109
16「塗膜の乾燥方法」において、「母材表面に塗布さ
れた塗料の塗膜に対する赤外線透過率が高くかつ母材の
吸収率の高い領域の赤外線を使用して、母材表面に形成
された塗膜を乾燥させることを特徴とする塗膜の乾燥方
法。」を提案した。$一方、自動車の塗膜の補正用等
に、いわゆる遠赤外線、中赤外線等からなる赤外線ラン
プを照射することは知られている。しかし赤外線ランプ
のみを使用して被塗装物に赤外線を照射すると、赤外線
の照射された範囲は一旦発熱するが、照射範囲外は低温
のままであるため、被塗装物の照射範囲外あるいは大気
側への熱移動により温度上昇に時間がかかり温度むらを
生ずる課題を有した。
【0030】さらに、雰囲気温度を上昇させる方法とし
ては、トンネル炉山型炉等の炉体を使用し、内部に赤外
線ランプを設置する方法が考えられる。しかしながら、
トンネル炉等の大きさには限界があり、船舶等の大きな
被塗装物の乾燥には適さない課題を有した。
【0031】他方、発明者は、母材表面に塗布された塗
料の塗膜に対する赤外線透過率が高くかつ母材の吸収率
の高い領域の赤外線を照射する赤外線ランプと、熱風と
を併用することで、被塗装物の乾燥時間を短くすること
が可能となることを知見した。
【0032】
【課題を解決するための手段】 この発明は、これら知
見に基づくものである。すなわち、
【0033】波長のピークが2μm以下の赤外線を照射
する赤外線ランプ(11)と、赤外線ランプ(11)の
有効照射範囲にわたって熱風を吹き付ける熱風噴射用口
(12)とからなることを特徴とする赤外線および熱風
併用乾燥装置、
【0034】および、
【0035】波長のピークが2μm以下の赤外線を照射
する複数の赤外線ランプ(11)と、赤外線ランプ(1
1)の間から赤外線ランプ(11)の有効照射範囲にわ
たって熱風を吹き付ける熱風噴射用口(12)とからな
ることを特徴とする赤外線および熱風併用乾燥装置、
【0036】を提供する。
【0037】
【作用】 被塗装物の表面に、母材表面に塗布された塗
料の塗膜に対する赤外線透過率が高くかつ母材の吸収率
の高い領域の赤外線を照射するとともに、赤外線の有効
照射範囲に熱風を吹き付ける。すると、赤外線の照射範
囲では、熱風によって一定以上の温度に維持されると共
に、塗膜を通過して母材と塗膜の間から赤外線により加
熱される。被塗装物の表面の熱風吹き付け箇所も、熱風
のみならず、母材表面に塗布された塗料の塗膜に対する
赤外線透過率が高くかつ母材の吸収率の高い領域の赤外
線を照射されているため、塗膜表面乾きにより溶剤の気
化発散時にピンホールや気泡を生じることはない。
【0038】複数の赤外線ランプと、赤外線ランプの間
から有効照射範囲に吹き付けられる熱風としたばあい
は、熱風の温度が赤外線の加熱より低温であれば併せて
赤外線ランプの冷却をおこなうことができる。
【0039】
【実施例】 塗膜を形成される母材として金属板を使用
する場合金属板としては、鉄、アルミニウム、銅、真ち
ゅう、金、ベリリウム、モリブデン、ニッケル、鉛、ロ
ジウム、銀、タンケル、アンチモン、カドミウム、クロ
ム、イリジウム、コバルト、マグネシウム、タングステ
ンそのほかの金属からなるが、とりわけ銅、アルミニウ
ム、鉄が望ましい。金属表面に塗布される塗膜を形成す
る塗料としては、アクリル系樹脂塗料、ウレタン樹脂系
塗料、エポキシ樹脂系塗料、メラミン樹脂系塗料、フッ
素系塗料その他の塗料が可能である。
【0040】表1〜表4に、各金属の各波長における反
射率を示す(AMERICAN INSTITUTE OF PHYSICS HANDBOO
K、アメリカン インスティテュート オブ フィジッ
クスハンドブック6ー120)。反射率の高いほど吸収率は
低く、反射率の低いほど吸収率は高くなる。
【0041】図1は、ブチル化尿素ーブチル化メラミン
樹脂の赤外吸収曲線である。図2は、ビスフェノールA
型エポキシ樹脂の赤外吸収曲線である。図3は、MMA
ホモポリマー(アクリル系)の赤外吸収曲線である。図
4はEMAホモポリマー(アクリル系)赤外吸収曲線で
ある。図5は、不飽和ポリエステル樹脂の赤外吸収曲線
である。図6は、この実施例に使用される近赤外線ラン
プの特性曲線および比較例に使用される遠赤外線ランプ
の特性曲線を表す。近赤外線ランプのピーク波長は1.4
μm、遠赤外線ランプのピーク波長は3.5μmである。
【0042】金属板として、鉄、アルミニウム、銅、真
ちゅう、金、ベリリウム、モリブデン、ニッケル、鉛、
ロジウム、銀、タンケル、アンチモン、カドミウム、ク
ロム、イリジウム、コバルト、マグネシウム、タングス
テンからなる金属板を使用し、塗料としてアクリル系樹
脂塗料、ウレタン樹脂系塗料、エポキシ樹脂系塗料、メ
ラミン樹脂系塗料を使用する場合は、波長のピークが2
μm以下の赤外線ランプ、望ましくは1.2μm〜1.5μm
のいわゆるの近赤外線ランプを使用するのが望ましい。
【0043】実施例1
【0044】近赤外線ランプ(出力ピーク1,4μm)
【0045】金属板 ボンデ鋼板(板厚1mm、寸法1
00mm×100mm)
【0046】塗料 メラミン系樹脂(関西ペイント
株式会社製アミラックNo1531、白、アルキド・メラミ
ン樹脂塗料、粘度20sec、イワタカップNK−2粘度
計)
【0047】比較例1
【0048】遠赤外線ランプ(出力ピーク3.5μm)
【0049】金属板 ボンデ鋼板(板厚1mm、寸法1
00mm×100mm)
【0050】塗料 メラミン系樹脂(関西ペイント
株式会社製アミラックNo1531、白、アルキド・メラミ
ン樹脂塗料、粘度20sec、イワタカップNK−2粘度
計)
【0051】実施例2
【0052】近赤外線ランプ(出力ピーク1,4μm)
【0053】金属板 ボンデ鋼板(板厚1mm、寸法1
00mm×100mm)
【0054】塗料 アクリル系樹脂(関西ペイント
株式会社製マジクロンNo1531、白、アクリル・メラミ
ン・エポキシ樹脂塗料、粘度20sec、イワタカップN
K−2粘度計)
【0055】比較例2
【0056】遠赤外線ランプ(出力ピーク3.5μm)
【0057】金属板 ボンデ鋼板(板厚1mm、寸法1
00mm×100mm)
【0058】塗料 アクリル系樹脂(関西ペイント
株式会社製マジクロンNo1531、白、アクリル・メラミ
ン・エポキシ樹脂塗料、粘度20sec、イワタカップN
K−2粘度計)
【0059】実施例1、実施例2、比較例1、比較例2につ
いてそれぞれの膜厚30μm、40μm、50μmについて雰
囲気温度及び照射時間が、130°C×12分、140°C×10
分、150°C×8分、160°C×6分、170°C×5分、180
°C×4分の各場合の発泡、ピンホール数を表5(実施
例1)、表6(比較例1)、表7(実施例2)、表8
(比較例2)に示す。
【0060】図7はこの発明の実施例の装置の正面斜視
図である。図8は同側面図、図9は同概略断面図、図1
0は同背面斜視図である。図11は使用状態図である。
【0061】11は、赤外線ランプである。赤外線ラン
プ11は、被塗装物21の金属板として、鉄、アルミニ
ウム、銅、真ちゅう、金、ベリリウム、モリブデン、ニ
ッケル、鉛、ロジウム、銀、タンケル、アンチモン、カ
ドミウム、クロム、イリジウム、コバルト、マグネシウ
ム、タングステンからなる金属板を使用し、塗料として
アクリル系樹脂塗料、ウレタン樹脂系塗料、エポキシ樹
脂系塗料、メラミン樹脂系塗料、フッソ系塗料を使用す
る場合は、波長のピークが2μm以下の赤外線ランプ、
望ましくは1.2μm〜1.5μmのいわゆるの近赤外線ラン
プからなる。赤外線ランプ11表面からワーク表面まで
は約250〜300mmに設置した。
【0062】12は、熱風噴射用口、13はランプ枠で
あり、熱風噴射用口12はスリット状からなる。ランプ
枠13には、赤外線ランプ11を複数本、この実施例で
は3本平行に設置する。熱風噴射用口12は、赤外線ラ
ンプ11の間に開口させる。さらに、赤外線ランプ11
の端部に赤外線ランプ11と直角に設置させてもよい。
その場合は、開口部を大きく取ることによって風量を大
きくすることが可能である。
【0063】14はフードであり、ランプ枠13の先端
に取り付ける。15は熱風供給管であり、メラミン系塗
料の場合130°C以上望ましくは150°C以上の熱
風を1.0m/sec以上、望ましくは2.0m/se
c以上で供給する。アクリル系樹脂の場合は、100℃
以上望ましくは170℃以上の熱風を1.0m/sec
以上望ましくは2.0m/sec以上で供給する。これ
ら、温度、風速は赤外線ランプ11と被塗装物21との
距離等により選択する。
【0064】次に、実施例の作用について説明する。被
塗装物21の表面に、母材表面に塗布された塗料の塗膜
に対する赤外線透過率が高くかつ母材の吸収率の高い領
域の赤外線を赤外線ランプ11により照射するととも
に、赤外線の有効照射範囲a内に熱風噴射用口12から
熱風吹付範囲bの範囲で熱風を吹き付ける。すると、赤
外線の有効照射範囲内では、熱風によって一定以上の温
度に維持されると共に、塗膜を通過して母材と塗膜の間
から赤外線により加熱される。なおかつ、赤外線有効照
射範囲a内に熱風吹付範囲bはあるため、赤外線を照射
させる前に加熱された熱風をあらかじめ、被乾燥物21
に吹き付けると母材側から加熱されることなく、熱風に
より塗膜表面側から加熱されるため、表面乾(表面固
化)を生じ、表面に薄い隔膜が発生し、その後母材側か
ら加熱されると表面より内部の溶剤は、すでに固形化さ
れた隔膜表面を突き破って蒸発し、発泡の跡が表面に残
りピンホールを生ずる。そこでこの実施例では、当該塗
膜に対して赤外線透過率が高く、母材の吸収率の高い領
域の赤外線からなる赤外線ランプ11を照射する。する
と、塗膜を透過した赤外線は、表面に塗膜形成された母
材に吸収され母材表面が加熱される。そのため、塗膜
は、母材表面に近い塗膜裏面から加熱され固化され、熱
風によっても表面塗膜は形成されていないため、塗膜中
の溶剤が蒸発しても固化した塗膜表面を破りピンホール
を形成することはない。被塗装物21の表面の熱風吹き
付け箇所も、熱風のみならず、母材表面に塗布された塗
料の塗膜に対する赤外線透過率が高くかつ母材の吸収率
の高い領域の赤外線を照射されているため、塗膜表面乾
きにより溶剤の気化発散時にピンホールや気泡を生じる
ことはない。
【0065】本実施例を、山型炉、トンネンル炉等の炉
体中に設置してもよい。その場合はエネルギーロスを少
なくすることが可能となり、また防臭上有効である。
【0066】次に、表9で、テスト使用機器及び材料及
びテスト時の室内条件を、表10で、熱風路および本実
施例使用における標準硬度に達するまでの温度および時
間の比較を、表11で、本実施例を使用した近赤外線お
よび熱風併用および近赤外線のみ使用の比較を、表12
でメラミン系塗料に本実施例を使用した熱風のみ噴射の
時間経過と塗膜硬度変化を、表13で、アクリル系塗料
に本実施例を使用した熱風のみ噴射の時間経過と塗膜硬
度変化をあらわす。
【0067】すなわち、表10に示されるように、熱硬
化塗料を本考案なる装置を用いて、その標準硬度に達す
るまでの温度と時間を従来の熱風方式と比較して調べ
た。
【0068】テスト共通条件
【0069】1.塗料粘度=16〜18sec
【0070】2.塗膜厚=20μ(±2)
【0071】3.硬度測定=鉛筆硬度
【0072】温度は熱風炉使用の場合は炉内雰囲気温
度、本実施例では、ワーク表面付近の雰囲気温度であ
る。その結果、それぞれの硬化に至る所要時間は、本装
置が従来の熱風炉に比較して下記の如くに短縮された。
【0073】1.メラミンで、1/10
【0074】2.アクリルで、1/18
【0075】3.ポリエステルで、約1/4.4
【0076】4.フッソで、約1/3.6
【0077】これら2種類の乾燥方法によるテスト結果
の比較によって本装置の効果が著しいことが判明した。
【0078】表11は、本装置を用いて近赤外線ランプ
照射のみと、近赤外線照射と熱風噴出を同時に行い温度
と時間と塗膜硬度の関係をアクリル塗料を選び温度条件
を110℃と170℃の二通りにしてテストした表を表
す。表11に示すように近赤外線照射のみに対して所要
時間は、以下の如くとなる。
【0079】イ.硬度Hを基準とすれば、
【0080】110℃の熱風を噴出させると、約1/
4.6
【0081】170℃の熱風を噴出させると、約1/
【0082】ロ.硬度2Hを基準とすれば、
【0083】110℃の熱風を噴出させると、約1/
4.5
【0084】170℃の熱風を噴出させると、約1/
【0085】上記の結果、近赤外線ランプ照射のみと熱
風+近赤外線照射では、塗膜の硬化速度には歴然とした
差があり、しかも熱風の温度が高ければ高いほど硬化の
時間短縮が進むことが判明した。
【0086】表11中の110℃、170℃は何れも熱
風ワーク表面付近の温度を示す。
【0087】次に、本装置を用いて熱風のみを噴射し
て、時間の経過と塗膜硬度の関係をメラミン塗料及びア
クリル塗料について調べた。
【0088】1.サンプル板 ボンデ鋼板0.8mm
(厚)サイズ600mm×700mm
【0089】2.熱風風速 2.0m/sec
【0090】3.塗料粘度 18〜19sec/NK−
2(粘度計)
【0091】9分間測定したが、両者とも硬度はB以下
で実用に適さなかった。
【0092】
【発明の効果】 したがって、比較的短時間に炉体を用
いることなくキュアリングが可能となり、発泡、ピンホ
ールを生じない。すなわち、熱風のみの加熱に比し急激
な加熱がおこなわれても近赤外線の照射により被塗装物
の母材側から加熱され、熱風により雰囲気温度は維持さ
れるため短時間で乾燥される。更に、近赤外線ランプの
表面温度は約500°Cにまで上昇するが、熱風を約3
00°C程度に押さえれば近赤外線ランプの冷却効果を
併せて与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】各樹脂の赤外線吸収曲線図
【図2】各樹脂の赤外線吸収曲線図
【図3】各樹脂の赤外線吸収曲線図
【図4】各樹脂の赤外線吸収曲線図
【図5】各樹脂の赤外線吸収曲線図
【図6】赤外線ランプの特性曲線図
【図7】この発明の実施例の装置の正面斜視図
【図8】この発明の実施例の装置の側面図
【図9】この発明の実施例の装置の概略断面図
【図10】この発明の実施例の装置の背面斜視図
【図11】この発明の実施例の装置の使用状態図
【表1】 金属の各波長における反射率
【表2】 金属の各波長における反射率
【表3】 金属の各波長における反射率
【表4】 金属の各波長における反射率
【表5】 実施例1におけるピンホール発生数
【表6】 比較例1におけるピンホール発生数
【表7】 実施例2におけるピンホール発生数
【表8】 比較例2におけるピンホール発生数
【表9】 テスト使用機器及び材料及びテスト時の室内条件
【表10】 熱風路および本実施例使用における標準硬度に達するま
での温度および時間の比較
【表11】 アクリル塗料に本実施例を使用した近赤外線および熱風
併用および近赤外線のみ使用の比較
【符号の説明】
11 赤外線ランプ 12 熱風噴射用口
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】
【表11】

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 波長のピークが2μm以下の赤外線を照
    射する赤外線ランプ(11)と、赤外線ランプ(11)
    の有効照射範囲にわたって熱風を吹き付ける熱風噴射用
    口(12)とからなることを特徴とする赤外線および熱
    風併用乾燥装置。
  2. 【請求項2】 波長のピークが2μm以下の赤外線を照
    射する複数の赤外線ランプ(11)と、赤外線ランプ
    (11)の間から赤外線ランプ(11)の有効照射範囲
    にわたって熱風を吹き付ける熱風噴射用口(12)とか
    らなることを特徴とする赤外線および熱風併用乾燥装
    置。
JP3072604A 1990-11-16 1991-03-12 赤外線および熱風併用乾燥装置 Expired - Lifetime JP2514177B2 (ja)

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KR1019910020087A KR0133510B1 (ko) 1990-11-16 1991-11-12 도막건조방법 및 도막건조장치

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