JP2514179B2 - 炉内気体吐出装置 - Google Patents

炉内気体吐出装置

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JP2514179B2
JP2514179B2 JP3137269A JP13726991A JP2514179B2 JP 2514179 B2 JP2514179 B2 JP 2514179B2 JP 3137269 A JP3137269 A JP 3137269A JP 13726991 A JP13726991 A JP 13726991A JP 2514179 B2 JP2514179 B2 JP 2514179B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 この発明は、炉内気体吐出装置
にかかる。さらに詳細には、熱風、あるいは冷風を炉内
に吐出させる炉内気体吐出装置にかかる。
【0002】
【従来の技術】 従来、各種塗料が塗布された被乾燥物
等を乾燥させる乾燥方法としては、いわゆる熱風炉、遠
赤外線利用の乾燥炉を用いた乾燥方法が知られている。
これら乾燥方法の乾燥メカニズムは以下のように理解さ
れている。
【0003】すなわち、まず溶剤、アクリル樹脂等の樹
脂からなる塗料を表面に塗布された金属板等からなる被
乾燥物を炉内に搬入する。次いで、熱風を吹き付けある
いは遠赤外線を照射する。すると前者においては、被乾
燥物に塗布された塗料表面の溶剤がまず蒸発し、表面が
流動性を失い固形化する。
【0004】また、後者においては、表面及び表面近傍
の溶剤がまず蒸発し流動性を失い固化する。熱風等の熱
が内部に即ち母材側に伝播すると加熱により塗膜の固形
化が進む。すると母材に近い部分の塗膜中の溶剤は、す
でに固形化された塗膜表面を突き破って蒸発する。する
と、発泡の跡が表面に残りピンホールを生ずる。そのた
め、従来の熱風炉あるいは遠赤外線利用の乾燥炉では、
急激に加熱することなくセッティングルームによって溶
剤の発散を行った後小さな温度勾配で遠赤外線を照射し
或は熱風を吹き付けておこなう。
【0005】しかしながら、従来のこれら乾燥炉を使用
した乾燥方法では発泡を生じない程度の塗膜表面と母材
との界面部の温度差を小さく維持しながら乾燥させるた
め乾燥に時間がかかる課題を有した。
【0006】特に熱風と赤外線との組み合わせによる短
時間乾燥を目的とする加熱炉では、塗膜表面はより高温
となり、塗膜表面と塗膜との界面にあたる金属表面との
温度差が生じ発泡が生じ易い課題を有した。
【0007】他方、「近赤外線の液体、パウダ、コーテ
ィング、ストーブ」(実開平1ー151873)、「塗料焼付
炉専用の光板」(実開平2ー43217)、USP4,863,375「BA
KINGMETHOD FOR USE WITH LIQUID OR POWDER VARNISHIN
G FURNACE」(ベーキングメソッド フォー ユース
ウィズ リキッド オア パウダー ヴァーニシング
ファーニス)等が知られている。これら従来例には、
「一種近赤外線の液体、パウダ、コーティング、ストー
ブのベーキング方法」についての記載があり、「近赤外
線の快速高温と貫通力が強い特性を利用し、ストーブの
ベーキング物品の方法を改良して、ペイントを快速に乾
燥するとともにその付着力を増強する考案」、すなわち
「いわゆる液体、粉末液体の塗装どおりに、粉末液体状
態のパウダ、液体塗料、気体あるいは流体を運送媒介体
としてその物体表面に付着させて、しかるのち加熱熔融
をへて均等にコートの塗装法」についての記載がある。
【0008】あるいは、「近赤外線を使用した乾燥炉、
あるいは乾燥炉内に高温部と低温部とを順次形成して乾
燥する乾燥方法、あるいは近赤外線ランプの背後には陶
磁製反射板を設け、および陶磁製反射板の中にはヒータ
ーを設ける」旨の記載がある。
【0009】又塗装技術増刊10月号には「中波長赤外線
ラジエーター」ついての記載がある(1990年10月20日株
式会社理工出版社刊211〜213頁)。すなわち、「塗膜に
到達した放射エネルギーは、その一部は吸収され、一部
は反射し、一部は透過する。このうち吸収されたエネル
ギーが熱に変り塗膜を加熱、乾燥させる。塗装の場合は
母材、ボディがあるため塗膜を透過した放射エネルギー
が母材を加熱し、熱伝導で塗膜を内側から加熱する。
【0010】近赤外線:温度2000〜2200℃ 最大エネ
ルギー波長約1.2μm,エネルギー密度大、反射,透過エネ
ルギーが大きい,立上り速度が早い(1〜2秒),寿命が約
5000時間と短い。
【0011】中赤外線:温度850〜900℃ 最大エネル
ギー波長約2.5μm,エネルギー密度中,吸収.透過エネル
ギーがバランスしてエネルギーが塗膜内に浸透,寿命が
長い。
【0012】遠赤外線:温度500〜600℃,最大エネル
ギー波長約3.5μm,エネルギー密度小,良く吸収されるが
塗膜表面で吸収,加熱となりがち,立上り時間が長い(5
〜15分),対流損失が大きい。」とされる。
【0013】さらに、「2.最大効率の中波長赤外線
「より早く乾燥し,より良い塗膜品質を得る」には,つま
り最大効率で加熱,乾燥させるには,次の二つの条件を同
時に満足している必要がある。
【0014】赤外線ラジェターの温度が高い放射エネ
ルギーはラジェターの絶対温度(T)の4乗に比例する。
【0015】Eb∝T4
【0016】温度が高いほど放射エネルギーは大きくな
る。
【0017】最大エネルギー波長が塗料のピーク吸収
率よりいくぶん短波長よりにあること
【0018】塗料の工業用赤外線加熱で利用できる最大
ピーク波長は例外なく3μm前後にある。よって2.5μm前
後に最大エネルギー波長を持つ赤外線ラジェターが吸収
も良く,透過し,母材も加熱し内部からも加熱できる。
【0019】上記の関連,赤外線ラジェターの温度
(T)と最大エネルギー波長(λm)の関係を表す,ウィ
ーンの変位則,
【0020】λm=2897/Tより
【0021】T=(t+273)=2897/2.5
【0022】t=880℃
【0023】中波長赤外線がこの条件を満足し有効エネ
ルギーが大きく最大効率となる。」とされる。
【0024】しかしながら、実開平1ー151873、実開平2
ー43217、USP4,863,375等には、近赤外線を使用して塗
膜乾燥をおこなう旨の記載はあるが、使用される近赤外
線の性質については一般的に記載されるに止どまり金属
表面に塗布される塗膜と近赤外線との関係による照射さ
れる赤外線の最適な範囲、選択ついては記載がない。
【0025】他方、従来の塗膜乾燥に使用されていた遠
赤外線、中赤外線では、塗膜の吸収率の高い領域、即ち
塗膜の赤外線吸収率の良い領域を選択して使用していた
が、これは塗膜自体の内部から加熱させる目的のためで
ある。しかしながら、塗膜の吸収率の高い赤外線を使用
すると、ピンホールの発生の課題を本質的に抱えること
になる。そのため、発泡を生じない程度の温度差を維持
しながら乾燥させるため急激な昇温をおこなえず乾燥に
時間がかかる課題を有した。
【0026】また、先の「塗装技術増刊10月号」の記載
には、赤外線と母材の吸収率との関係に基づくからする
赤外線の選択、あるいはピンホールの発生原因に基づく
赤外線の選択についての記載はなく、そして塗装乾燥に
おいては「2.5μm前後に最大エネルギー波長を持つ赤外
線ラジェターが吸収も良く,透過し,母材も加熱し内部か
らも加熱できる。」と結論している。
【0027】他方、発明者は近赤外線による母材表面に
塗布された塗膜の乾燥を行う過程において、塗布された
塗膜による赤外線吸収率の高い領域を選択するよりはむ
しろ塗膜の赤外線透過性の高い領域の近赤外線を選択す
ると、ピンホール発生を抑制することができることを知
見した。塗膜表面からではなく、塗膜に被覆された被塗
物において塗膜との界面に位置する母材表面を直接加熱
し、母材表面から逆に塗膜が乾燥されているため、と推
測される。
【0028】すなわち、一般に母材として金属を使用し
た場合金属は赤外線の波長が長くなるほど反射率が高く
なり、波長が短いほど金属の熱吸収率が高くなる。そし
て塗膜に関しては、近赤外線を使用して塗膜を乾燥させ
る場合は、むしろ塗膜に対して透過率の高い、即ち塗膜
の吸収率の低い近赤外線を使用して乾燥させるとピンホ
ールが形成されることなく加熱されると推測される。
【0029】そこで、先に発明者は特願平2ー3109
16「塗膜の乾燥方法」において、「母材表面に塗布さ
れた塗料の塗膜に対する赤外線透過率が高くかつ母材の
吸収率の高い領域の赤外線を使用して、母材表面に形成
された塗膜を乾燥させることを特徴とする塗膜の乾燥方
法。」を提案した。
【0030】一方、自動車の塗膜の補正用等に、いわゆ
る遠赤外線、中赤外線等からなる赤外線ランプを照射す
ることは知られている。しかし赤外線ランプのみを使用
して被塗装物に赤外線を照射すると、赤外線の照射され
た範囲は一旦発熱するが、照射範囲外は低温のままであ
るため、被塗装物の照射範囲外あるいは大気側への熱移
動により温度上昇に時間がかかり温度むらを生ずる課題
を有した。
【0031】他方、発明者は、母材表面に塗布された塗
料の塗膜に対する赤外線透過率が高くかつ母材の吸収率
の高い領域の赤外線を照射する赤外線ランプと、熱風と
を併用することで、被塗装物の乾燥時間を短くすること
が可能となることを知見した。そこで発明者は、平成3
年3月12日付特許出願の「赤外線および熱風併用乾燥
装置」を提案した。
【0032】同装置は、「母材表面に塗布された塗料の
塗膜に対する赤外線透過率が高くかつ母材の吸収率の高
い領域の赤外線を照射する赤外線ランプと、赤外線ラン
プの有効照射範囲に吹き付けられる熱風とからなること
を特徴とする赤外線および熱風併用乾燥装置。」およ
び、「母材表面に塗布された塗料の塗膜に対する赤外線
透過率が高くかつ母材の吸収率の高い領域の赤外線を照
射する複数の赤外線ランプと、赤外線ランプの間から有
効照射範囲に吹き付けられる熱風とからなることを特徴
とする赤外線および熱風併用乾燥装置。」からなる。
【0033】そのため、「被塗装物の表面に、母材表面
に塗布された塗料の塗膜に対する赤外線透過率が高くか
つ母材の吸収率の高い領域の赤外線を照射するととも
に、赤外線の有効照射範囲に熱風を吹き付ける。する
と、赤外線の照射範囲では、熱風によって一定以上の温
度に維持されると共に、塗膜を通過して母材と塗膜の間
から赤外線により加熱される。被塗装物の表面の熱風吹
き付け箇所も、熱風のみならず、母材表面に塗布された
塗料の塗膜に対する赤外線透過率が高くかつ母材の吸収
率の高い領域の赤外線を照射されているため、塗膜表面
乾きにより溶剤の気化発散時にピンホールや気泡を生じ
ることはない。複数の赤外線ランプと、赤外線ランプの
間から有効照射範囲に吹き付けられる熱風としたばあい
は、熱風の温度が赤外線の加熱より低温であれば併せて
赤外線ランプの冷却をおこなうことができる。」の作用
を有するものである。
【0034】他方、発明者は特願平3ー26950「冷
却装置」を提案した。同装置は、「母材表面に塗布され
た塗料の塗膜に対する赤外線透過率が高くかつ母材の吸
収率の高い領域の赤外線を使用して、母材表面に形成さ
れた塗膜を乾燥させることを特徴とする塗膜の乾燥方
法。」を使用する炉の外気への開口部に、従来のように
単純循環タイプのエアカーテンを設置し、炉で、母材に
塗布された塗膜を乾燥させると、ピンホールを多数発生
することが知見されたことに基づいてなされたものであ
る。
【0035】すなわち、従来の熱風炉等の乾燥炉に比
し、「母材表面に塗布された塗料の塗膜に対する赤外線
透過率が高くかつ母材の吸収率の高い領域の赤外線を使
用して、母材表面に形成された塗膜を乾燥させることを
特徴とする塗膜の乾燥方法。」を使用する炉は、効率が
良い。そのため、炉開口部からの放熱は大きくエアカー
テンに供給される気体は徐々に温度は上昇され、同赤外
線を照射させる前に炉内温度に近くまで加熱されたエア
カーテンの気体を炉の開口部であらかじめ、被乾燥物に
吹き付けると母材側から加熱されることなく、熱風によ
り塗膜表面側から加熱されるため、表面乾(表面固化)
を生じ、表面に薄い隔膜が発生し、その後母材側から加
熱されると表面より内部の溶剤は、すでに固形化された
隔膜表面を突き破って蒸発する。すると、発泡の跡が表
面に残りピンホールを生ずると推測される。すなわち、
赤外線の有効照射範囲外では、むしろワークには赤外線
照射により加熱された空気のの影響を与えないほうが有
効であることを知見した。
【0036】そこで、同装置は、「母材表面に塗布され
た塗料の塗膜に対する赤外線透過率が高くかつ母材の吸
収率の高い領域の赤外線を使用して、母材表面に形成さ
れた塗膜を乾燥させる赤外線の、少なくとも母材側から
の加熱の有効照射範囲外に位置される被乾燥物表面を冷
却させる冷却装置。」、「母材表面に塗布された塗料の
塗膜に対する赤外線透過率が高くかつ母材の吸収率の高
い領域の赤外線を使用して、母材表面に形成された塗膜
を乾燥させる炉の外気への開口部に設置されるエアカー
テンから吹出される気体を冷却させることを特徴とする
冷却装置。」および、「母材表面に塗布された塗料の塗
膜に対する赤外線透過率が高くかつ母材の吸収率の高い
領域の赤外線を使用して、母材表面に形成された塗膜を
乾燥させる炉の外気への開口部に設置されるエアカーテ
ンから吹出される気体を冷却させ、かつエアカーテン設
置箇所には、母材表面に塗布された塗料の塗膜に対する
赤外線透過率が高くかつ母材の吸収率の高い領域の赤外
線が設置されることを特徴とする冷却装置。」からな
る。
【0037】そのため、同装置は、「塗膜の形成された
母材表面に、当該塗膜に対して赤外線透過率が高く、母
材の吸収率の高い領域の赤外線を照射する。すると、塗
膜を透過した赤外線は、表面に塗膜を形成された母材に
吸収され母材表面が加熱される。他方、赤外線の少なく
とも母材側からの加熱の有効照射範囲外に位置される被
乾燥物は、冷却装置によって冷却されている。そのた
め、被乾燥物表面側は温度上昇が押さえられているため
冷却装置設置位置で塗膜表面に作用して隔膜を形成する
ことはない。そのため、塗膜は、母材表面に近い塗膜裏
面から加熱され固化され、塗膜中の溶剤が蒸発しても固
化した塗膜表面を破りピンホールを形成することはな
い。
【0038】炉の外気への開口部に設置されるエアカー
テンから吹き出される気体を冷却させる冷却装置を設け
られた場合は、塗膜の形成された母材表面に、当該塗膜
に対して赤外線透過率が高く、母材の吸収率の高い領域
の赤外線を照射する。すると、塗膜を透過した赤外線
は、表面に塗膜を形成された母材に吸収され母材表面が
加熱される。冷却装置で被乾燥物に吹き付けられる気体
は、温度上昇が押さえられているため冷却装置設置位置
で塗膜表面に作用して塗膜を形成することはない。その
ため、塗膜は、母材表面に近い塗膜裏面から加熱され固
化される。そのため、塗膜中の溶剤が蒸発しても固化し
た塗膜表面を破りピンホールを形成することはない。
【0039】更に、エアカーテンの冷却装置の設置箇所
に、母材表面に塗布された塗料の塗膜に対する赤外線透
過率が高くかつ母材の吸収率の高い領域の赤外線が設置
された場合は、冷却装置の設置箇所でも、塗膜の形成さ
れた母材表面に、当該塗膜に対して赤外線透過率が高
く、母材の吸収率の高い領域の赤外線を照射する。する
と、塗膜を透過した赤外線は、表面に塗膜を形成された
母材に吸収され母材表面が加熱される。そのため、塗膜
は、母材表面に近い塗膜裏面から加熱され固化され
る。」作用を有するものである。
【0040】しかしながら、これら発明者が先に提案し
た発明において、炉内に気体を吐出する場合、炉内の一
側からのみ気体を吐出させると、ワーク(被搬送物)
が、気体吐出口と気体吸入口との間に位置すると、ワー
ク自体が邪魔をしてワークの気体吸入口側には気体が当
たらなくなる課題を有した。
【0041】
【課題を解決するための手段】 この発明は、これら知
見に基づくものである。すなわち、
【0042】
【0043】
【0044】炉(31)の外気への開口部で、炉(3
1)内を照射するように設置された赤外線発生装置(1
1)の少なくとも有効照射範囲外に気体を吐出させる気
体吐出口(44)と、気体吐出口(44)が吐出させた
気体を吸入させる気体吸入口(45)とを、炉(31)
内を通過する被搬送物(21)の通過位置に対して対向
させて設置させるとともに、被搬送物(21)の通過位
置に対して気体吸入口(45)の同一側には、隣接させ
て炉(31)の外気への開口部で気体を赤外線発生装置
(11)の少なくとも有効照射範囲外に吐出させる他の
気体吐出口(44)を設置し、被搬送物(21)の通過
位置に対して気体吐出口(44)の同一側には、隣接さ
せて他の気体吐出口(44)が吐出する気体を吸入する
他の気体吸入口(45)を他の気体吐出口(44)に対
向させて設置させ、気体吐出口(44)から吐出される
気体は冷却装置(51)により冷却させたことを特徴と
する炉内気体吐出装置、
【0045】および、
【0046】炉(31)内を照射するように設置された
赤外線発生装置(11)の少なくとも有効照射範囲に気
体を吐出させる気体吐出口(44)と、気体吐出口(4
4)が吐出させた気体を吸入させる気体吸入口(45)
とを、炉(31)内を通過する被搬送物(21)の通過
位置に対して対向させて設置させるとともに、被搬送物
(21)の通過位置に対して気体吸入口(45)の同一
側には、隣接させて気体を炉(31)内の赤外線発生装
置(11)の少なくとも有効照射範囲に吐出させる他の
気体吐出口(44)を設置し、被搬送物(21)の通過
位置に対して気体吐出口(44)の同一側には、隣接さ
せて他の気体吐出口(44)が吐出する気体を吸入する
他の気体吸入口(45)を他の気体吐出口(44)に対
向させて設置させ、気体吐出口(44)から吐出させる
気体は加熱部(17)により加熱させたことを特徴とす
る炉内気体吐出装置、
【0047】を提供する。
【0048】
【作用】 炉内に被搬送物が搬入されると、気体吐出口
から吐出された気体は、被搬送物に遮られ被搬送物の気
体吸入口側には当たらず、被搬送物の気体吐出口側に沿
って移動した後、気体吐出口に隣接させて設置された気
体吸入口に吸われて気体吸入口に入る。
【0049】他方、気体吸入口側の被搬送物の通過位置
を挟んだ反対側には他の気体吐出口が設けられており、
被搬送物が他の気体吐出口から吐出された気体を遮ると
被搬送物の他の気体吸入口側には当たらず、被搬送物の
他の気体吐出口側に沿って移動した後、他の気体吐出口
に隣接させて設置された気体吸入口に吸われて気体吸入
口に入る。そのため、被搬送物の両面には、被搬送物が
炉内に搬入されても、気体が吹き付けられる。
【0050】炉の外気への開口部で、炉内を照射するよ
うに設置された赤外線発生装置の有効照射範囲外に気体
を吐出させる気体吐出口を設け、気体が冷却された冷風
の場合は、被搬送物両面は冷却され、塗膜表面が固化す
ることはない。
【0051】赤外線の有効照射範囲内に熱風が吹き付け
られた場合は、赤外線照射のみならず、熱風により温度
は上昇されるため、赤外線のみによる加熱では加熱が不
十分となるため生ずる温度むらの発生を避けることが可
能となる。
【0052】
【実施例】 21は被搬送物である。被搬送物21は、
母材表面に塗料を形成されるが、塗膜を形成される母材
として金属板を使用する場合金属板としては、鉄、アル
ミニウム、銅、真ちゅう、金、ベリリウム、モリブデ
ン、ニッケル、鉛、ロジウム、銀、タンケル、アンチモ
ン、カドミウム、クロム、イリジウム、コバルト、マグ
ネシウム、タングステンそのほかの金属からなるが、と
りわけ銅、アルミニウム、鉄が望ましい。被搬送物21
の、金属表面に塗布される塗膜を形成する塗料として
は、アクリル系樹脂塗料、ウレタン樹脂系塗料、エポキ
シ樹脂系塗料、メラミン樹脂系塗料、フッ素系塗料その
他の塗料が可能である。塗膜は、いわゆる粉体塗料(ポ
リエステル系、エポキシ系、アクリル系等)を溶融させ
てえられた塗膜でもよい。
【0053】表1〜表4に、各金属の各波長における反
射率を示す(AMERICAN INSTITUTE OF PHYSICS HANDBOO
K、アメリカン インスティテュート オブ フィジッ
クスハンドブック6ー120)。反射率の高いほど吸収率は
低く、反射率の低いほど吸収率は高くなる。
【0054】図1は、ブチル化尿素ーブチル化メラミン
樹脂の赤外吸収曲線である。図2は、ビスフェノールA
型エポキシ樹脂の赤外吸収曲線である。図3は、MMA
ホモポリマー(アクリル系)の赤外吸収曲線である。図
4はEMAホモポリマー(アクリル系)赤外吸収曲線で
ある。図5は、不飽和ポリエステル樹脂の赤外吸収曲線
である。図6は、この実施例に使用される近赤外線ラン
プの特性曲線および比較例に使用される遠赤外線ランプ
の特性曲線を表す。近赤外線ランプのピーク波長は1.4
μm、遠赤外線ランプのピーク波長は3.5μmである。
【0055】被搬送物21に使用する金属板として、
鉄、アルミニウム、銅、真ちゅう、金、ベリリウム、モ
リブデン、ニッケル、鉛、ロジウム、銀、タンケル、ア
ンチモン、カドミウム、クロム、イリジウム、コバル
ト、マグネシウム、タングステンからなる金属板を使用
し、塗料としてアクリル系樹脂塗料、ウレタン樹脂系塗
料、エポキシ樹脂系塗料、メラミン樹脂系塗料を使用す
る場合は、波長のピークが2μm以下の赤外線ランプ、
望ましくは1.2μm〜1.5μmのいわゆる近赤外線ランプ
を使用するのが望ましい。
【0056】実施例1
【0057】近赤外線ランプ(出力ピーク1,4μm)
【0058】金属板 ボンデ鋼板(板厚1mm、寸法1
00mm×100mm)
【0059】塗料 メラミン系樹脂(関西ペイント
株式会社製アミラックNo1531、白、アルキド・メラミ
ン樹脂塗料、粘度20sec、イワタカップNK−2粘度
計)
【0060】比較例1
【0061】遠赤外線ランプ(出力ピーク3.5μm)
【0062】金属板 ボンデ鋼板(板厚1mm、寸法1
00mm×100mm)
【0063】塗料 メラミン系樹脂(関西ペイント
株式会社製アミラックNo1531、白、アルキド・メラミ
ン樹脂塗料、粘度20sec、イワタカップNK−2粘度
計)
【0064】実施例2
【0065】近赤外線ランプ(出力ピーク1,4μm)
【0066】金属板 ボンデ鋼板(板厚1mm、寸法1
00mm×100mm)
【0067】塗料 アクリル系樹脂(関西ペイント
株式会社製マジクロンNo1531、白、アクリル・メラミ
ン・エポキシ樹脂塗料、粘度20sec、イワタカップN
K−2粘度計)
【0068】比較例2
【0069】遠赤外線ランプ(出力ピーク3.5μm)
【0070】金属板 ボンデ鋼板(板厚1mm、寸法1
00mm×100mm)
【0071】塗料 アクリル系樹脂(関西ペイント
株式会社製マジクロンNo1531、白、アクリル・メラミ
ン・エポキシ樹脂塗料、粘度20sec、イワタカップN
K−2粘度計)
【0072】実施例1、実施例2、比較例1、比較例2につ
いてそれぞれの膜厚30μm、40μm、50μmについて雰
囲気温度及び照射時間が、130°C×12分、140°C×10
分、150°C×8分、160°C×6分、170°C×5分、180
°C×4分の各場合の発泡、ピンホール数を表5(実施
例1)、表6(比較例1)、表7(実施例2)、表8
(比較例2)に示す。
【0073】図10、図11、図12は、この発明の実
施例の平面断面図、図13は同正面断面図であり、被搬
送物の移動による変化をあらわす。図14、図15、図
16はこの発明の他の実施例の平面断面図である。
【0074】11は、赤外線発生装置であり、この実施
例では赤外線ランプからなる。赤外線発生装置である赤
外線ランプ11は、被搬送物21の金属板として、鉄、
アルミニウム、銅、真ちゅう、金、ベリリウム、モリブ
デン、ニッケル、鉛、ロジウム、銀、タンタル、アンチ
モン、カドミウム、クロム、イリジウム、コバルト、マ
グネシウム、タングステンからなる金属板を使用し、塗
料としてアクリル系樹脂塗料、ウレタン樹脂系塗料、エ
ポキシ樹脂系塗料、メラミン樹脂系塗料、フッソ系塗料
を使用する場合は、波長のピークが2μm以下の赤外線
ランプ、望ましくは1.2μm〜1.5μmのいわゆる近赤外
線ランプからなる。赤外線ランプ11表面からワークで
ある被搬送物21表面までは約250〜300mmに設
置した。赤外線ランプ11は、水平方向に複数本設置さ
れる。複数本の赤外線ランプ11からなる各バンクは、
被搬送物21の搬送方向を挟んだ両側に被搬送物21を
挟んでトンネル炉31の内側面にそれぞれ対向させて設
置される。この実施例では、トンネル炉内31内に一対
のバンクを設置したが、2以上でもよい。Aは、ワーク
搬入口、Bはワーク搬出口である。
【0075】13aは、トンネル炉31の被搬送物21
を搬送するコンベア32を挟んだ側壁のうち一方の側壁
面に設置された気体吐出口である。14aはトンネル炉
31の他方の側壁面に気体吐出口13aに対向させて設
置された気体吸入口である。気体吐出口13aと気体吸
入口14aは循環ダクト15により連結される。循環ダ
クト15には、気体吸入口14aから気体を気体吐出口
13aを移動させるファン16、移動される気体を加熱
する加熱部17を設置する。加熱部17では、電気抵抗
による加熱を用いる熱源により加熱されるが、加熱可能
であれば他の手段によってもよい。気体吐出口13aで
は、図10、図14に図示するように赤外線ランプ11
の赤外線照射範囲C内に気体を吐出させる。18はフィ
ルタであり、循環ダクト15内にまじったダストを除去
する。
【0076】気体吐出口13aの被搬送物21を搬送す
るコンベア32設置箇所に対して同一壁面には、図10
に図示される実施例では赤外線発生装置11を挟んで、
図14に図示される実施例では、赤外線ランプ11の同
一端側にならべて他の気体吸入口14bを設置させる。
他の気体吸入口14bに対向させて、かつ気体吸入口1
4aと同一壁面には他の気体吐出口13bを、図10に
図示される実施例では赤外線発生装置11を挟んで、図
14に図示される実施例では赤外線発生装置11を挟む
ことなく赤外線発生装置11の一方側にならべて設置さ
せる。気体吐出口13bと気体吸入口14b間には、気
体吐出口13aと気体吸入口14aとを連結する循環ダ
クト15とは別個に循環ダクト15等を設け気体を循環
させる。
【0077】次に実施例の作用について説明する。図1
1、図15に図示されるように、トンネル炉31内に被
搬送物21が搬入されると、ワーク搬入口A側に位置す
る気体吐出口13aから吐出された気体は、被搬送物2
1に遮られ被搬送物21の気体吸入口14a側には当た
らず、被搬送物21の気体吐出口13a側に沿って移動
した後、気体吐出口13aに隣接させて設置された気体
吸入口14bに吸われて気体吸入口14bに入る。
【0078】他方、気体吸入口14b側の被搬送物21
を搬送するコンベア32設置位置を挟んだ反対側には他
の気体吐出口13bが設けられており、被搬送物21が
更に移動され、図12の位置にくると、被搬送物21が
他の気体吐出口13bから吐出された気体を遮り、被搬
送物21の他の気体吸入口14b側には当たらず、被搬
送物21の他の気体吐出口13b側に沿って移動した
後、他の気体吐出口13bに隣接させて設置された気体
吸入口14aに吸われて気体吸入口14aに入る。
【0079】そのため、被搬送物21の両面に気体が吹
き付けられる。図14に図示される実施例では、赤外線
発生装置11の両側に各々気体吐出口13a、13b、
気体吸入口14a、14bが設置されるのでより有効に
被搬送物21の両面に気体が吹き付けられる。
【0080】さらに、赤外線照射と熱風吹付は同時にさ
れる。そのため、赤外線を照射させる前に加熱された熱
風をあらかじめ、被搬送物21に吹き付けた場合は、母
材側から加熱され、熱風により塗膜表面側から加熱され
るため、表面乾(表面固化)を生じ、表面に薄い隔膜が
発生し、その後母材側から加熱されると表面より内部の
溶剤は、すでに固形化された隔膜表面を突き破って蒸発
し、発泡の跡が表面に残りピンホールを生ずるが、この
実施例ではそのようなことはない。
【0081】すなわち、当該塗膜に対して赤外線透過率
が高く、母材の吸収率の高い領域の赤外線からなる赤外
線ランプ11を照射する。すると、塗膜を透過した赤外
線は、表面に塗膜形成された母材に吸収され母材表面が
加熱される。そのため、塗膜は、母材表面に近い塗膜裏
面から加熱され固化され、熱風は赤外線照射範囲C内に
吹き付けられ、熱風によっても表面塗膜は形成されてい
ないため、塗膜中の溶剤が蒸発しても固化した塗膜表面
を破りピンホールを形成することはない。被搬送物21
の表面の熱風吹き付け箇所も、熱風のみならず、母材表
面に塗布された塗料の塗膜に対する赤外線透過率が高く
かつ母材の吸収率の高い領域の赤外線を照射されている
ため、塗膜表面乾きにより溶剤の気化発散時にピンホー
ルや気泡を生じることはない。すなわち、加熱は近赤外
線のみによらず、熱風による加熱を加えたいわゆるげた
をはかされた状態となるため、近赤外線の照射のみによ
る加熱のため温度上昇遅延による温度むらの発生はさけ
ることが可能である。
【0082】図7はこの発明の他の実施例の装置の中央
断面図である。図8は赤外線ランプ部分の一部拡大正面
図、図9は図7のXX断面図である。
【0083】11は、赤外線発生装置であり、図10、
図14に図示される実施例と同様の構成からなる。12
は、集光用鏡である。集光用鏡12は、水平方向に複数
本設置された赤外線ランプ11の背面に設置される。複
数本の赤外線ランプ11からなる各バンクは、被搬送物
21の搬送方向を挟んだ両側のトンネル炉31の内側面
にそれぞれ対向させて設置される。この実施例では、ト
ンネル炉内31内に一対のバンクを設置したが、2以上
でもよい。Aは、ワーク搬入口、Bはワーク搬出口であ
る。
【0084】13a、13bは、トンネル炉31の床面
あるいは天井面に設置された気体吐出口、14a、14
bはトンネル炉31の天井面あるいは床面に気体吐出口
13a、13bに対向させて設置された気体吸入口であ
る。両者は各々別個の循環ダクト15により、対向する
気体吐出口13aと気体吸入口14a、あるいは気体吐
出口13bと気体吸入口14b同士各々連結される。各
循環ダクト15には、図10、図14に図示される実施
例同様気体吸入口14aから気体を気体吐出口13aを
移動させるファン16、移動される気体を加熱する加熱
部17を設置する。
【0085】メラミン系塗料の場合130°C以上望ま
しくは150°C以上の熱風を1.0m/sec以上、
望ましくは2.0m/sec以上で供給する。アクリル
系樹脂の場合は、100℃以上望ましくは170℃以上
の熱風を1.0m/sec以上望ましくは2.0m/s
ec以上で供給する。これら、温度、風速は赤外線ラン
プ11と被搬送物21との距離等により選択する。
【0086】次に、図7〜図9に図示される実施例の作
用について説明する。図10、図14に図示される実施
例同様に熱風が被搬送物21表面に吹き付けられ、被搬
送物21自体が邪魔をすることなく、被搬送物21の上
下側に向けて熱風が吹き付けられる。被搬送物21の表
面に、母材表面に塗布された塗料の塗膜に対する赤外線
透過率が高くかつ母材の吸収率の高い領域の赤外線を赤
外線ランプ11により照射するとともに、赤外線の照射
方向と交差する方向、この実施例では被搬送物21の搬
送方向と平行な水平方向に赤外線の照射はなされ、熱風
の吹き付けは床面から天井面あるいは天井面から床面へ
の垂直方向になされ、両者の交差位置を被搬送物21が
通過するように、気体吐出口13a、13bから熱風を
吐出する。すると、赤外線の有効照射範囲C内では、熱
風によって一定以上の温度に維持されると共に、塗膜を
通過して母材と塗膜の間から赤外線により加熱される。
被搬送物21を加熱した熱風は気体吸入口14a、14
bに吸入され、循環ダクト15を循環して再度加熱され
気体吐出口13a、13bから吐出する。
【0087】加熱は近赤外線のみによらず、熱風による
加熱を加えたいわゆるげたをはかされた状態となるた
め、近赤外線の照射のみによる加熱のため温度上昇遅延
による温度むらの発生はさけることが可能である。
【0088】なおかつ、赤外線照射と熱風吹付は同時に
される。赤外線を照射させる前に加熱された熱風をあら
かじめ、被搬送物21に吹き付けた場合は、母材側から
加熱され、熱風により塗膜表面側から加熱されるため、
表面乾(表面固化)を生じ、表面に薄い隔膜が発生し、
その後母材側から加熱されると表面より内部の溶剤は、
すでに固形化された隔膜表面を突き破って蒸発し、発泡
の跡が表面に残りピンホールを生ずるが、この実施例で
はそのようなことはない。
【0089】本実施例を、山型炉、トンネンル炉等の炉
体中に設置してもよい。その場合はエネルギーロスを少
なくすることが可能となり、また防臭上有効である。
【0090】次に、表10で、テスト使用機器及び材料
及びテスト時の室内条件を、表11で、熱風路および本
実施例使用における標準硬度に達するまでの温度および
時間の比較を、表12で、本実施例を使用した近赤外線
および熱風併用および近赤外線のみ使用の比較をあらわ
す。
【0091】すなわち、表11に示されるように、熱硬
化塗料を本発明からなる装置を用いて、その標準硬度に
達するまでの温度と時間を従来の熱風方式と比較して調
べた。
【0092】テスト共通条件
【0093】1.塗料粘度=16〜18sec
【0094】2.塗膜厚=20μ(±2)
【0095】3.硬度測定=鉛筆硬度
【0096】温度は熱風炉使用の場合は炉内雰囲気温
度、本実施例では、ワーク表面付近の雰囲気温度であ
る。その結果、それぞれの硬化に至る所要時間は、本装
置が従来の熱風炉に比較して下記の如くに短縮された。
【0097】1.メラミンで、1/10
【0098】2.アクリルで、1/18
【0099】3.ポリエステルで、約1/4.4
【0100】4.フッソで、約1/3.6
【0101】これら2種類の乾燥方法によるテスト結果
の比較によって本装置の効果が著しいことが判明した。
【0102】表12は、本装置を用いて近赤外線ランプ
照射のみと、近赤外線照射と熱風噴出を同時に行い温度
と時間と塗膜硬度の関係をアクリル塗料を選び温度条件
を110℃と170℃の二通りにしてテストした表を表
す。表12に示すように近赤外線照射のみに対して所要
時間は、以下の如くとなる。
【0103】イ.硬度Hを基準とすれば、
【0104】110℃の熱風を噴出させると、約1/
4.6
【0105】170℃の熱風を噴出させると、約1/
【0106】ロ.硬度2Hを基準とすれば、
【0107】110℃の熱風を噴出させると、約1/
4.5
【0108】170℃の熱風を噴出させると、約1/
【0109】上記の結果、近赤外線ランプ照射のみと熱
風+近赤外線照射では、塗膜の硬化速度には歴然とした
差があり、しかも熱風の温度が高ければ高いほど硬化の
時間短縮が進むことが判明した。
【0110】表12中の110℃、170℃は何れも熱
風のワーク表面付近の温度を示す。
【0111】次に、本装置を用いて熱風のみを噴射し
て、時間の経過と塗膜硬度の関係をメラミン塗料及びア
クリル塗料について調べた。
【0112】1.サンプル板 ボンデ鋼板0.8mm
(厚)サイズ600mm×700mm
【0113】2.熱風風速 2.0m/sec
【0114】3.塗料粘度 18〜19sec/NK−
2(粘度計)
【0115】9分間測定したが、両者とも硬度はB以下
で実用に適さなかった。
【0116】次に、図17、図18に図示される実施例
について説明する。この実施例はいわば、図7に図示さ
れる実施例の開口部にエアカーテンを設置したものであ
る。41は、エアカーテンである。エアカーテン41
は、トンネル炉31のワーク搬入口A、ワーク搬出口B
にそれぞれ設置される。44a、44bは、エアカーテ
ンの気体吐出口、45a、45bは同気体吸入口であ
る。46はファン、47は気体吐出口44a、気体吸入
口45a、あるいは気体吐出口44b、気体吸入口45
bを各々連結させる循環ダクトである。48は、循環ダ
クト47のファン46より気体吐出口44a、44b側
に設置されるフィルターである。51は冷却装置であ
る。ファン46は、気体吸入口45で吸気された空気を
気体吐出口44から吹出るように気体を循環させる。
【0117】52、53はモジュストロールモータ、5
4は循環ダクト47のファン46より上流側に設置され
モジュストロールモータ52により作動されるたダンパ
ー、55はモジュストロールモータ53により駆動され
るダンパー、56は排気ファン、57は気体吐出口44
a、44bに各々設置され温度を感知しモジュストロー
ルモータ52、53の作動を制御する温度調節計であ
る。これらによりエアカーテンを構成するとともに、冷
却装置51を構成する。図18に図示されるように、冷
気の吹出しは赤外線有効照射範囲Cと一部重複してもよ
い。
【0118】次に、実施例の作用について説明する。塗
料を塗布された被搬送物21を、ワーク搬入口Aからト
ンネル炉31内に搬入する。すると、エアカーテン41
を通過し、気体吐出口44a、44bで気体を吹き付け
られるが、エアカーテンで供給される気体は冷却装置5
1よって冷却され、温度上昇が押さえられているため、
気体が被搬送物21表面に当接しても、塗膜表面に作用
して塗膜を形成することはない。すなわち、エアカーテ
ンを使用しているうちに、気体吐出口44a、44bの
温度を例えば110度と検知した温度調節計57は、例
えばトンネル炉31内が160度であり、気体吐出口4
4a、44bから吹出される気体の設定温度が80度の
場合、30度の温度差を修正すべくモジュストロールモ
ータ52、53を作動させる。
【0119】なお、この状態では気体吸入口45a、4
5bでは130°Cである。すると、モジュストロール
モータ52は、ダンパー54を開口させ、外気を循環ダ
クト47内に導入させる。モジュストロールモータ53
は、ダンパー55を開口させ、排気ファン56を作動さ
せ循環ダクト47内の気体を循環ダクト47外に排気さ
せる。温度調節計57が、気体吐出口44a、44bか
ら吹出された気体の温度が設定温度以下となったことを
感知すると、各ダンパー54、55はその開度で保持
し、気体ーカーテン41の温度を保持させる。
【0120】図17に図示されるように、トンネル炉内
に被搬送物21が搬入されると、ワーク搬入口A側に位
置する気体吐出口44aから吐出された気体は、被搬送
物21に遮られ被搬送物21の気体吸入口45a側には
当たらず、被搬送物21の気体吐出口44a側に沿って
移動した後、気体吐出口44aに隣接させて設置された
気体吸入口45bに吸われて気体吸入口45bに入る。
【0121】他方、気体吸入口44b側の被搬送物21
を搬送するコンベア32設置位置を挟んだ反対側には他
の気体吐出口44bが設けられており、被搬送物21が
他の気体吐出口13bから吐出された気体を遮ると被搬
送物21の他の気体吸入口45b側には当たらず、被搬
送物21の他の気体吐出口44b側に沿って移動した
後、他の気体吐出口44bに隣接させて設置された気体
吸入口14aに吸われて気体吸入口45aに入る。すな
わち、被搬送物21は、被搬送物21が邪魔をすること
なく被搬送物21の両面が冷風を吹き付けられ被搬送物
21表面は冷却される。
【0122】ところで、「母材表面に塗布された塗料の
塗膜に対する赤外線透過率が高くかつ母材の吸収率の高
い領域の赤外線を使用して、母材表面に形成された塗膜
を乾燥させることを特徴とする塗膜の乾燥方法。」を使
用する炉の外気への開口部に、従来のように単純循環タ
イプのエアカーテンを設置し、炉で、母材に塗布された
塗膜を乾燥させると、ピンホールを多数発生する。
【0123】従来の熱風炉等の乾燥炉に比し、「母材表
面に塗布された塗料の塗膜に対する赤外線透過率が高く
かつ母材の吸収率の高い領域の赤外線を使用して、母材
表面に形成された塗膜を乾燥させることを特徴とする塗
膜の乾燥方法。」を使用する炉は、効率が良い。そのた
め、炉開口部からの放熱は大きくエアカーテンに供給さ
れる気体は徐々に温度は上昇され、同赤外線を照射させ
る前に炉内温度に近くまで加熱されたエアカーテンの気
体を炉の開口部であらかじめ、被乾燥物に吹き付けると
母材側から加熱されることなく、熱風により塗膜表面側
から加熱されるため、表面乾(表面固化)を生じ、表面
に薄い隔膜が発生し、その後母材側から加熱されると表
面より内部の溶剤は、すでに固形化された隔膜表面を突
き破って蒸発する。すると、発泡の跡が表面に残りピン
ホールを生ずると推測される。すなわち、赤外線の有効
照射範囲外では、むしろワークには赤外線照射により加
熱された空気の影響を与えないほうが有効であることを
発明者は知見した。
【0124】したがって、この実施例のように構成され
ると、エアカーテン41によっても表面塗膜は形成され
ていないため、塗膜中の溶剤が蒸発しても固化した塗膜
表面を破りピンホールを形成することはない。
【0125】ついで、トンネル炉31内で、図7に図示
されるのと同様に、熱風および、被搬送物21の母材表
面に、当該塗膜に対して赤外線透過率が高く、母材の吸
収率の高い領域の赤外線からなる赤外線ランプ11を照
射するとともに熱風を吹き付ける。すると、塗膜を透過
した赤外線は、表面に塗膜を形成された母材に吸収され
母材表面が加熱される。同時に熱風により加熱されるた
め温度むらは生じない。そのため、塗膜は、母材表面に
近い塗膜裏面から加熱され固化される。しかも熱風は被
搬送物21自体に遮られることなく被搬送物21は上下
両面とも熱風が吹き付けられる。
【0126】表9は、図17に図示される実施例およ
び、冷却装置を使用しないエアカーテンを使用する比較
例における、エアカーテン風速と、温度における塗膜に
於けるピンホール発生状態をあらわす。ピンホールの発
生を防ぐにはほぼ80°C以下を保持することが望まし
い。
【0127】設定条件
【0128】塗料 メラミン樹脂
【0129】被搬送物 ボンデ鋼板 1.2t
【0130】塗膜厚 30ミクロン
【0131】室内温度 30゜C
【0132】炉内温度 160゜C
【0133】エアカーテン高さ(気体吐出口〜気体吸入
口) 2m
【0134】エアカーテン風速
【0135】気体吐出口で10m/sのとき気体吸入口
では4m/s、気体吐出口で7m/sのとき気体吸入口
では2.8m/s、気体吐出口で4m/sのとき気体吸
入口では1.2m/sであった。
【0136】したがって、図17、図18に図示される
実施例では、近赤外線照射と熱風、冷風を組み合わせて
使用することで、更に発泡、ピンホールの発生を防止す
ることが可能である。
【0137】
【発明の効果】 したがって、この発明では気体吐出口
と気体吸入口の間に被搬送物が位置しても被搬送物自体
に邪魔されることなく、両面に気体が吹き付けられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】各樹脂の赤外線吸収曲線図
【図2】各樹脂の赤外線吸収曲線図
【図3】各樹脂の赤外線吸収曲線図
【図4】各樹脂の赤外線吸収曲線図
【図5】各樹脂の赤外線吸収曲線図
【図6】赤外線ランプの特性曲線図
【図7】この発明の第2実施例の装置の中央断面図
【図8】この発明の第2実施例の装置の赤外線発生装置
部分の一部拡大図
【図9】図7のXX断面図
【図10】この発明の第1実施例の平面断面図
【図11】この発明の第1実施例の平面断面図
【図12】この発明の第1実施例の平面断面図
【図13】この発明の第1実施例の正面断面図
【図14】この発明の第3実施例の平面断面図
【図15】この発明の第3実施例の平面断面図
【図16】この発明の第3実施例の平面断面図
【図17】この発明の第4実施例の正面断面図
【図18】図17の一部拡大図
【表1】 金属の各波長における反射率
【表2】 金属の各波長における反射率
【表3】 金属の各波長における反射率
【表4】 金属の各波長における反射率
【表5】 実施例1におけるピンホール発生数
【表6】 比較例1におけるピンホール発生数
【表7】 実施例2におけるピンホール発生数
【表8】 比較例2におけるピンホール発生数
【表9】 実施例および、冷却装置を使用しないエアカーテンを使
用する比較例における、エアカーテン風速と、温度にお
ける塗膜於けるピンホール発生状態
【表10】 テスト使用機器及び材料及びテスト時の室内条件
【表11】 熱風路および本実施例使用における標準硬度に達するま
での温度および時間の比較
【表12】 アクリル塗料に本実施例を使用した近赤外線および熱風
併用および近赤外線のみ使用の比較
【符号の説明】
11 赤外線発生装置 13 気体吐出口 17 加熱部 31 炉 44 気体吐出口 45 気体吸入口 51 冷却装置 C 赤外線有効照射範囲

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炉(31)の外気への開口部で、炉(3
    1)内を照射するように設置された赤外線発生装置(1
    1)の少なくとも有効照射範囲外に気体を吐出させる気
    体吐出口(44)と、気体吐出口(44)が吐出させた
    気体を吸入させる気体吸入口(45)とを、炉(31)
    内を通過する被搬送物(21)の通過位置に対して対向
    させて設置させるとともに、被搬送物(21)の通過位
    置に対して気体吸入口(45)の同一側には、隣接させ
    て炉(31)の外気への開口部で気体を赤外線発生装置
    (11)の少なくとも有効照射範囲外に吐出させる他の
    気体吐出口(44)を設置し、被搬送物(21)の通過
    位置に対して気体吐出口(44)の同一側には、隣接さ
    せて他の気体吐出口(44)が吐出する気体を吸入する
    他の気体吸入口(45)を他の気体吐出口(44)に対
    向させて設置させ、気体吐出口(44)から吐出される
    気体は冷却装置(51)により冷却させたことを特徴と
    する炉内気体吐出装置。
  2. 【請求項2】 炉(31)内を照射するように設置され
    た赤外線発生装置(11)の少なくとも有効照射範囲に
    気体を吐出させる気体吐出口(44)と、気体吐出口
    (44)が吐出させた気体を吸入させる気体吸入口(4
    5)とを、炉(31)内を通過する被搬送物(21)の
    通過位置に対して対向させて設置させるとともに、被搬
    送物(21)の通過位置に対して気体吸入口(45)の
    同一側には、隣接させて気体を炉(31)内の赤外線発
    生装置(11)の少なくとも有効照射範囲に吐出させる
    他の気体吐出口(44)を設置し、被搬送物(21)の
    通過位置に対して気体吐出口(44)の同一側には、隣
    接させて他の気体吐出口(44)が吐出する気体を吸入
    する他の気体吸入口(45)を他の気体吐出口(44)
    に対向させて設置させ、気体吐出口(44)から吐出さ
    せる気体は加熱部(17)により加熱させたことを特徴
    とする炉内気体吐出装置。
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