JP3187926B2 - 赤外線加熱装置 - Google Patents

赤外線加熱装置

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JP3187926B2
JP3187926B2 JP09865692A JP9865692A JP3187926B2 JP 3187926 B2 JP3187926 B2 JP 3187926B2 JP 09865692 A JP09865692 A JP 09865692A JP 9865692 A JP9865692 A JP 9865692A JP 3187926 B2 JP3187926 B2 JP 3187926B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 この発明は、赤外線加熱装置に
係る。詳細には、赤外線を照射することで、被照射物を
加熱する加熱装置、更には加熱の結果被照射物に塗布さ
れた塗膜の乾燥に使用が可能な赤外線加熱装置に係る。
【0002】
【従来の技術】 従来、赤外線を使用して被照射物表面
に塗布された塗膜を乾燥させる赤外線加熱装置として
は、遠赤外線を使用した装置が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 乾燥炉に使用した同
装置では、遠赤外線ランプは炉面に固定されるため、炉
内を搬送される被照射物の大きさが変わると遠赤外線ラ
ンプと被照射物との距離は変化する。しかし、遠赤外線
はエネルギー密度が低いため、距離に対する減衰が大き
いので、被照射物と遠赤外線ランプとの距離が大きくな
ると、乾燥効率が低下する課題を有した。また、被照射
物表面に凹凸がある場合は、面による加熱度合いが異な
り、乾燥程度も異なる課題を有した。
【0004】更に、複数個の遠赤外線ランプ設置された
バンクを移動可能とし、を被照射物方向に移動させる赤
外線加熱装置も提案されたが、被照射物に凹凸がある場
合移動量は制限されたものとなり、遠赤外線は距離に対
する減衰率が大きいため、被照射物に近付く距離に限界
があると、乾燥時間が係る課題を有した。
【0005】他方、「近赤外線の液体、パウダ、コーテ
ィング、ストーブ」(実開平1ー151873)、「塗料焼付
炉専用の光板」(実開平2ー43217)、USP4,863,375「BA
KINGMETHOD FOR USE WITH LIQUID OR POWDER VARNISHIN
G FURNACE」(ベーキングメソッド フォー ユース
ウィズ リキッド オア パウダー ヴァーニシング
ファーニス)等が知られている。これら従来例には、
「一種近赤外線の液体、パウダ、コーティング、ストー
ブのベーキング方法」についての記載があり、「近赤外
線の快速高温と貫通力が強い特性を利用し、ストーブの
ベーキング物品の方法を改良して、ペイントを快速に乾
燥するとともにその付着力を増強する発明」、すなわち
「いわゆる液体、粉末液体の塗装どおりに、粉末液体状
態のパウダ、液体塗料、気体あるいは流体を運送媒介体
としてその物体表面に付着させて、しかるのち加熱熔融
をへて均等にコートの塗装法」についての記載がある。
【0006】あるいは、「近赤外線を使用した乾燥炉、
あるいは乾燥炉内に高温部と低温部とを順次形成して乾
燥する乾燥方法、あるいは近赤外線ランプの背後には陶
磁製反射板を設け、および陶磁製反射板の中にはヒータ
ーを設ける」旨の記載がある。
【0007】又塗装技術増刊10月号には「中波長赤外線
ラジエーター」ついての記載がある(1990年10月20日株
式会社理工出版社刊211〜213頁)。すなわち、「塗膜に
到達した放射エネルギーは、その一部は吸収され、一部
は反射し、一部は透過する。このうち吸収されたエネル
ギーが熱に変り塗膜を加熱、乾燥させる。塗装の場合は
母材、ボディがあるため塗膜を透過した放射エネルギー
が母材を加熱し、熱伝導で塗膜を内側から加熱する。
【0008】近赤外線:温度2000〜2200℃ 最大エネ
ルギー波長約1.2μm,エネルギー密度大、反射,透過エ
ネルギーが大きい,立上り速度が早い(1〜2秒),寿命
が約5000時間と短い。
【0009】中赤外線:温度850〜900℃ 最大エネル
ギー波長約2.5μm,エネルギー密度中,吸収.透過エネ
ルギーがバランスしてエネルギーが塗膜内に浸透,寿命
が長い。
【0010】遠赤外線:温度500〜600℃,最大エネル
ギー波長約3.5μm,エネルギー密度小,良く吸収される
が塗膜表面で吸収,加熱となりがち,立上り時間が長い
(5〜15分),対流損失が大きい。」とされる。
【0011】さらに、「2.最大効率の中波長赤外線
「より早く乾燥し,より良い塗膜品質を得る」には,つ
まり最大効率で加熱,乾燥させるには,次の二つの条件
を同時に満足している必要がある。
【0012】赤外線ラジェターの温度が高い放射エネ
ルギーはラジェターの絶対温度(T)の4乗に比例する。
【0013】Eb∝T4
【0014】温度が高いほど放射エネルギーは大きくな
る。
【0015】最大エネルギー波長が塗料のピーク吸収
率よりいくぶん短波長よりにあること
【0016】塗料の工業用赤外線加熱で利用できる最大
ピーク波長は例外なく3μm前後にある。よって2.5μm前
後に最大エネルギー波長を持つ赤外線ラジェターが吸収
も良く,透過し,母材も加熱し内部からも加熱できる。
【0017】上記の関連,赤外線ラジェターの温度
(T)と最大エネルギー波長(λm)の関係を表す,ウ
ィーンの変位則,
【0018】λm=2897/Tより
【0019】T=(t+273)=2897/2.5
【0020】t=880℃
【0021】中波長赤外線がこの条件を満足し有効エネ
ルギーが大きく最大効率となる。」とされる。
【0022】しかしながら、実開平1ー151873、実開平2
ー43217、USP4,863,375等には、近赤外線を使用して塗
膜乾燥をおこなう旨の記載はあるが、使用される近赤外
線の性質については一般的に記載されるに止どまり金属
表面に塗布される塗膜と近赤外線との関係による照射さ
れる赤外線の最適な範囲、選択ついては記載がない。
【0023】先の「塗装技術増刊10月号」の記載には、
赤外線と母材の吸収率との関係に基づく赤外線の選択、
あるいはピンホール発生原因に基づく赤外線の選択につ
いての記載はなく、そして塗装乾燥においては「2.5μm
前後に最大エネルギー波長を持つ赤外線ラジェターが吸
収も良く,透過し,母材も加熱し内部からも加熱でき
る。」と結論している。
【0024】
【課題を解決するための手段】 この発明は、
【0025】金属板あるいはプラスチック板からなる母
材と、母材表面に塗膜として塗料を塗布した被照射物を
加熱する赤外線加熱装置において、近赤外線ランプおよ
び/又は中赤外線ランプと、ランプの少なくとも両側に
設置された反射板とからなるとともに、赤外線ランプか
らは母材表面に塗布された塗料の塗膜に対する赤外線透
過率が高くかつ母材の吸収率の高い領域の赤外線を発生
する赤外線およびその反射光の照射により、塗膜を母材
表面に近い塗膜裏面から加熱して固化させることを特徴
とする赤外線加熱装置、及び、金属板あるいはプラスチ
ック板からなる母材と、母材表面に塗膜として塗料を塗
布した被照射物を加熱する赤外線加熱装置において、近
赤外線ランプおよび/又は中赤外線ランプと、ランプの
少なくとも両側に設置された反射板とからなるととも
に、赤外線ランプからは母材表面に塗布された塗料の塗
膜に対する赤外線透過率が高くかつ母材の吸収率の高い
領域の赤外線を発生する赤外線およびその反射光の照射
により、塗膜を母材表面に近い塗膜裏面から加熱して固
化させるとともに、反射板を移動可能に設け被照射物に
対する距離を近接離隔自在に移動することを特徴とする
赤外線加熱装置、及び、金属板あるいはプラスチック板
からなる母材と、母材表面に塗膜として塗料を塗布した
被照射物を加熱する赤外線加熱装置において、近赤外線
ランプおよび/又は中赤外線ランプと、ランプの少なく
とも両側に設置された反射板と、内面が反射面からなる
複数の筒状フードとからなり、赤外線ランプからは母材
表面に塗布された塗料の塗膜に対する赤外線透過率が高
くかつ母材の吸収率の高い領域の赤外線を発生する赤外
線およびその反射光の照射により、塗膜を母材表面に近
い塗膜裏面から加熱して固化させるとともに、筒状フー
ドは被照射物の形状に対応させて複数の筒状フードから
選択して赤外線ランプと被照射物の間に設置することを
特徴とする赤外線加熱装置、
【0026】を提供する。
【0027】
【作用】 近赤外線ランプおよび/または中赤外線ラン
プの照射光は反射板は反射されて、被照射物に照射され
る。赤外線ランプからは母材表面に塗布された塗料の塗
膜に対する赤外線透過率が高くかつ母材の吸収率の高い
領域の赤外線を発生する赤外線およびその反射光の照射
により、塗膜を母材表面に近い塗膜裏面から加熱して固
化させる。
【0028】
【実施例】 被乾燥物Wの塗膜を形成される母材として
金属板を使用する場合金属板としては、鉄、アルミニウ
ム、銅、真ちゅう、金、ベリリウム、モリブデン、ニッ
ケル、鉛、ロジウム、銀、タンケル、アンチモン、カド
ミウム、クロム、イリジウム、コバルト、マグネシウ
ム、タングステンそのほかの金属からなるが、とりわけ
銅、アルミニウム、鉄が望ましい。母材としては、プラ
スチックスも使用可能である。金属等表面に塗布される
塗膜を形成する塗料としては、アクリル系樹脂塗料、ウ
レタン樹脂系塗料、エポキシ樹脂系塗料、メラミン樹脂
系塗料、その他の塗料が可能である。塗膜は、いわゆる
粉体塗膜(ポリエステル系、エポキシ系、アクリル系
等)を溶融させて得られた塗膜でもよい。
【0029】図25〜図28に、各金属の各波長におけ
る反射率を示す(AMERICAN INSTITUTE OF PHYSICS HAND
BOOK、アメリカン インスティテュート オブ フィジ
ックス ハンドブック6ー120)。反射率の高いほど吸収
率は低く、反射率の低いほど吸収率は高くなる。
【0030】図1は、ブチル化尿素ーブチル化メラミン
樹脂の赤外吸収曲線である。図2は、ビスフェノールA
型エポキシ樹脂の赤外吸収曲線である。図3は、MMA
ホモポリマー(アクリル系)の赤外吸収曲線である。図
4はEMAホモポリマー(アクリル系)赤外吸収曲線で
ある。図5は、不飽和ポリエステル樹脂の赤外吸収曲線
である。図6は、この実施例に使用される近赤外線ラン
プの特性曲線および遠赤外線ランプの特性曲線を表す。
近赤外線ランプのピーク波長は1.4μm、遠赤外線ラン
プのピーク波長は3.5μmである。
【0031】被乾燥物Wの母材の金属板として、鉄、ア
ルミニウム、銅、真ちゅう、金、ベリリウム、モリブデ
ン、ニッケル、鉛、ロジウム、銀、タンケル、アンチモ
ン、カドミウム、クロム、イリジウム、コバルト、マグ
ネシウム、タングステンからなる金属板を使用し、塗料
としてアクリル系樹脂塗料、ウレタン樹脂系塗料、エポ
キシ樹脂系塗料、メラミン樹脂系塗料を使用する場合
は、母材表面に塗布された塗料の塗膜に対する赤外線透
過率が高くかつ母材の吸収率の高い領域の赤外線を発生
する赤外線としては、波長のピークが3.0μm以下の
赤外線ランプ、望ましくは1.2μm〜1.5μmのい
わゆる近赤外線ランプを使用するのが望ましい。
【0032】図10に平面断面図を、図11に正面断面
図をあらわすのは、ピーク波長が1.4μmの近赤外線
ランプ11(5.0kw)を上下に5本乾燥炉12内に
壁面に設置された実施例bである。この実施例では近赤
外線ランプ11の左右SUS304ステンレス板を反射
板13として、被照射物W側が広がるように45度に広
げて設置する。
【0033】図12に平面断面図を、図13に正面断面
図をあらわすのは、同近赤外線ランプ11(5.0k
w)を上下に5本乾燥炉12内に壁面に設置され近赤外
線ランプ11の左右SUS304ステンレス板を被照射
物W側が広がるように45度に広げ、かつ天井面および
床面にも同ステンレス板からなる反射板13を設置され
た実施例dである。
【0034】図14に平面断面図を、図15に正面断面
図をあらわすのは、同近赤外線ランプ11(5.0k
w)を上下に5本乾燥炉12内に壁面に設置され近赤外
線ランプ11の左右SUS304ステンレス板からなる
反射板13を平行に設置する実施例dである。
【0035】図16に平面断面図を、図17に正面断面
図をあらわすのは、同近赤外線ランプ(5.0kw)を
上下に5本乾燥炉12内に壁面に設置され近赤外線ラン
プ11の左右SUS304ステンレス板を平行にかつ、
上下面も近赤外線ランプ11周囲を囲むように同ステン
レス板からなる反射板13を設置する実施例eである。
【0036】図20に平面断面図を、図21に正面断面
図をあらわすのは、ピーク波長が2.5μmの中赤外線
ランプ21(5.0kw)を上下に5本乾燥炉12内に
壁面に設置され中赤外線ランプの左右SUS304ステ
ンレス板を平行にかつ、上下面も近赤外線ランプ周囲を
囲むように同ステンレス板からなる反射板を設置する実
施例である。
【0037】ランプは近赤外線ランプ11、中赤外線ラ
ンプ21を混在させてもよい。
【0038】実施例eおよび実施例gでは、ステンレス
板からなる反射板13は1000mmの場合、被照射物
Wまで延長される。反射板13の移動は、中央断面図を
あらわす図22に図示するように、近赤外線ランプ11
あるいは中赤外線ランプ21の周囲に設置された反射板
13は内側反射板14と、外側反射板15とからなり、
外側反射板15はレール22等にガイドされモータによ
り移動する。あるいは、図23に図示するように、反射
板13は両面開口した直方体からなり、固定された赤外
線ランプ11の周囲を、レール22に従って移動する。
【0039】反射板13からなるフード16の移動は、
表面に凹凸形状を有する非照射物Wを照射する場合は、
表面の凹凸形状をセンサーで検知してマイクロモータで
非照射物Wに近接離隔移動させてもよい。あるいは、長
さに応じた直方体のフード状の反射板13を用意し、長
さに応じて交換しても良い。更に、じゃばら状のフード
16を使用して伸縮自在としてもよい。フード16の被
照射物W側先端を狭めることにより、赤外線を集中させ
ることが可能となる。
【0040】そして、図32に図示されるようにフード
16は各赤外線ランプごとに囲むように設置してもよ
い。この場合は、被照射物Wを乾燥炉内に収納して乾燥
させる必要はないので、ブルドーザー等大型建設機械の
塗装の乾燥に適する。その場合、被照射物Wの表面に凹
凸がある場合でも、反射板13先端から被照射物W表面
間での距離がどの地点でも等距離となるように設定可能
である。そのため、各表面を区別なく一定化し、平均し
て加熱し、乾燥することが可能となる。
【0041】更に、各フード16先端から被照射物Wま
での距離を調整することで各乾燥箇所を任意の温度で加
熱することが可能となり、部分的に塗膜厚が異なる場合
に適する。
【0042】実施例b、dの場合は、天井面は開口して
いるので熱風炉と併用すると有効である。
【0043】図24は、ガンタイプの赤外線加熱装置の
実施例の説明図である。ガンタイプの赤外線加熱装置で
は、長さ、あるいは先端が開口する形状の異なり、内面
が反射面からなる円筒状のフード16を必要に応じてア
タッチメントとして用意し、被照射物Wによりフード1
6を選択して赤外線ランプ11の前に取り付ける。この
場合は、奥の方を加熱し乾燥させるのに有効である。
【0044】図33に図示されるのは、部分的に肉厚部
分W1を有する被照射物Wを乾燥するのに適する赤外線
加熱装置の実施例の要部拡大図である。この実施例では
肉厚部分W1位置の近赤外線ランプ11正面から被照射
物Wに向けて内面が反射板13からなる筒状のフード1
6を突設させる。従来は、図33に図示されるような部
分的に設けられた肉厚部分W1を有する被照射物を加熱
させて塗膜を乾燥させる場合は、肉厚部分W1にあわせ
て加熱させると非肉厚部分ではオーバーベークとなり、
非肉厚部分にあわせて加熱させると肉厚部分W1では加
熱不足となる課題を有した。しかし、この実施例では各
近赤外線ランプ11を非肉厚部分にあわせて加熱して
も、肉厚部分W1には非肉厚部分よりも強いエネルギー
が与えられるため、肉厚部分W1が加熱不足となること
はない。
【0045】図34、図35は赤外線照射が不足しがち
な底部を集中的に加熱させる赤外線加熱装置の実施例の
説明図である。この実施例では、フード16の先端が折
り曲げられ被照射物Wの底部に開口される。
【0046】図36、図36の拡大図である図37に図
示される実施例では、乾燥炉12の壁面に複数の近赤外
線ランプ11、あるいは中赤外線ランプ21が設置され
たランプハウジング31の間に平行にレール等のガイド
32が設置される。33は、ランプホルダーであり、2
本の近赤外線ランプ11、あるいは中赤外線ランプが取
り付けられ、ガイド32に沿って上下に移動可能、かつ
ストッパー(図示せず)により位置決め可能である。ラ
ンプ先端には被照射物W方向に向けた筒状のフード16
が取り付けられる。そのため、ランプハウジング31の
位置を移動させ、被照射物Wの形状に合わせてフード1
6を取り替えることで被照射物Wの一部を集中的に加熱
させることが可能である。
【0047】図38に図示されるのは、例えば塗装前の
化成処理として水洗をおこなった場合の水切乾燥用の赤
外線加熱装置の一部拡大図である。被照射物Wに付着し
た水分は、次の塗装工程にまで残ると塗膜不良を生ずる
ので、水分は除く必要がある。しかし、図38の被照射
物Wの下端の折り曲げ部の内側や、凹部などには水のた
まりが生じやすく、これを乾燥させようと加熱装置をあ
まり高温にすると、被照射物Wに密着性や防錆力を向上
させるために付けた化成皮膜がダメージを受けてしま
う。この実施例では、フード16先端を被照射物W下端
がダメージを受けてしまう。この実施例では、フード1
6先端を被照射物W下端先端方向に向けることにより、
部分的に高いエネルギーを与え、折り曲げ部に溜まった
水分を乾燥させ、しかも他の部の化成皮膜にダメージを
与えることはない。
【0048】図33、図34、図35、図36、図3
7、図38に図示される実施例ともに、近赤外線ランプ
11のかわりに中赤外線ランプ21を使用してもよい。
【0049】塗膜の形成された被乾燥物Wの母材表面
に、当該塗膜に対する赤外線透過率が高くかつ母材の吸
収率の高い領域の赤外線を発生する赤外線およびその反
射光を照射する場合は、照射された赤外線は、塗膜を透
過し、表面に塗膜を形成された母材に吸収され母材表面
が加熱される。そのため、塗膜は母材表面に近い塗膜裏
面から加熱され固化される。そのため、塗膜中の溶剤が
蒸発しても固化した塗膜表面を破りピンホールを形成す
ることはない。
【0050】(実施例および比較例)
【0051】図8に平面断面図を図9に正面断面図をあ
らわすのは、ピーク波長が1.4μmの近赤外線ランプ
11(5.0kw)を上下に5本乾燥炉12内に壁面に
設置された比較例aをあらわす。この比較例では近赤外
線ランプ11の周囲に反射板13は設けていない。近赤
外線ランプ11から600mmおよび、1000mmの
位置に2.3mm厚鉄板を順次設置し、鉄板にはそれぞ
れ接触温度計(TAKARA タイプA−600)を接
触させて固定する。600mmのときの温度上昇変化を
図30にあらわす。1000mmのときの温度上昇変化
を図31にあらわす。更に両者を図29中にあらわす。
【0052】図10に平面断面図を、図11に正面断面
図をあらわすのは、ピーク波長が1.4μmの近赤外線
ランプ11(5.0kw)を上下に5本乾燥炉12内に
壁面に設置された実施例bをあらわす。この実施例では
近赤外線ランプ11の左右SUS304ステンレス板を
被照射物W側が広がるように45度に広げて設置する。
ランプ面から600mmおよび1000mmに設置され
た比較例aと同様の鉄板の温度変化を図30、図31に
あらわす。更に、両者を図29中にあらわす。
【0053】図12に平面断面図を、図13に正面断面
図をあらわすのは、ピーク波長が1.4μmの近赤外線
ランプ11(5.0kw)を上下に5本乾燥炉12内に
壁面に設置された実施例cをあらわす。この実施例では
近赤外線ランプ11の左右SUS304ステンレス板を
被照射物W側が広がるように45度に広げ、かつ天井面
および床面にも同ステンレス板を設置する。ランプ面か
ら600mmおよび1000mmに設置された比較例a
と同様の鉄板の温度変化を図30、図31にあらわす。
更に両者を図29中にあらわす。
【0054】図14に平面断面図を、図15に正面断面
図をあらわすのは、ピーク波長が1.4μmの近赤外線
ランプ11(5.0kw)を上下に5本乾燥炉12内に
壁面に設置された実施例dをあらわす。この実施例では
近赤外線ランプ11の左右SUS304ステンレス板を
平行に設置する。ランプ面から600mmおよび100
0mmに設置された比較例aと同様の鉄板の温度変化を
図30、図31にあらわす。更に、両者を図29中にあ
らわす。
【0055】図16に平面断面図を、図17に正面断面
図をあらわすのは、ピーク波長が1.4μmの近赤外線
ランプ11(5.0kw)を上下に5本乾燥炉12内に
壁面に設置された実施例eをあらわす。この実施例では
近赤外線ランプ11の左右SUS304ステンレス板を
平行にかつ、上下面も近赤外線ランプ11周囲を囲むよ
うに同ステンレス板を設置する。ランプ面から600m
mおよび1000mmに設置された比較例aと同様の鉄
板の温度変化を図30、図31にあらわす。1000m
mの場合は、ステンレス板は被照射物Wまで延長され
る。更に、両者を図29中にあらわす。1000の場
合、反射板13を延長しなかった場合は、以下の通りで
ある。0分、14度C、1.0分、22度C、2.0
分、32度C、3.0分、39度C、4.0分、47度
C、5.0分、55度C、6.0分、61度C、7.0
分、66度C、8.0分、70度C、9.0分、74度
C、10.0分、76度C。
【0056】図18に平面断面図を図19に正面断面図
をあらわすのは、ピーク波長が2.5μmの中赤外線ラ
ンプ21(5.0kw)を上下に5本乾燥炉12内に壁
面に設置された比較例fをあらわす。この比較例では中
赤外線ランプ21の周囲に反射板13は設けていない。
ランプ面から600mmおよび1000mmに設置され
た比較例aと同様の鉄板の温度変化を図30、図31に
あらわす。更に両者を図29中にあらわす。
【0057】図20に平面断面図を、図21に正面断面
図をあらわすのは、ピーク波長が2.5μmの中赤外線
ランプ21(5.0kw)を上下に5本乾燥炉12内に
壁面に設置された実施例gをあらわす。この実施例では
中赤外線ランプ21の左右SUS304ステンレス板を
平行にかつ、上下面も近赤外線ランプ11周囲を囲むよ
うに同ステンレス板を設置する。ランプ面から600m
mおよび1000mmに設置された比較例aと同様の鉄
板の温度変化を図30、図31にあらわす。1000m
mの場合は、ステンレス板は被照射物Wまで延長され
る。更に、両者を図29中にあらわす。
【0058】図29、図30、図31に図示されるよう
に近赤外線ランプ11を使用し、ランプ周囲をステンレ
ス板製反射板13でかこみかつ被照射物Wまで反射板1
3を延長させたんだ実施例eの温度上昇が最も有効であ
る。
【0059】
【発明の効果】 したがって、この発明では、被照射物
の大きさ表面の凹凸に拘らず、被照射物に有効に赤外線
を照射させる。
【図面の簡単な説明】
【図1】各樹脂の赤外線吸収曲線図
【図2】各樹脂の赤外線吸収曲線図
【図3】各樹脂の赤外線吸収曲線図
【図4】各樹脂の赤外線吸収曲線図
【図5】各樹脂の赤外線吸収曲線図
【図6】赤外線ランプの特性曲線図
【図7】この発明の実施例の乾燥炉の平面中央断面図
【図8】比較例の平面断面図
【図9】比較例の正面断面図
【図10】この発明の実施例の平面断面図
【図11】この発明の実施例の正面断面図
【図12】この発明の実施例の平面断面図
【図13】この発明の実施例の正面断面図
【図14】この発明の実施例の平面断面図
【図15】この発明の実施例の正面断面図
【図16】この発明の実施例の平面断面図
【図17】この発明の実施例の正面断面図
【図18】比較例の平面断面図
【図19】比較例の正面断面図
【図20】この発明の実施例の平面断面図
【図21】この発明の実施例の正面断面図
【図22】この発明の実施例のフードの平面断面図
【図23】この発明の実施例のフードの平面断面図
【図24】この発明の実施例の正面図
【図25】金属の各波長における反射率図
【図26】金属の各波長における反射率図
【図27】金属の各波長における反射率図
【図28】金属の各波長における反射率図
【図29】昇温図
【図30】昇温図
【図31】昇温図
【図32】この発明の実施例の正面図
【図33】この発明の実施例の要部拡大図
【図34】この発明の実施例の要部拡大図
【図35】この発明の実施例の要部拡大図
【図36】この発明の実施例の斜視図
【図37】図36に図示されるこの発明の実施例の拡大
【図38】この発明の実施例の要部拡大図
【符号の説明】
11 赤外線ランプ 13 反射板
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05B 3/10 B05C 9/14 F26B 23/04 F27D 11/02 H05B 3/44

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属板あるいはプラスチック板からなる
    母材と、母材表面に塗膜として塗料を塗布した被照射物
    を加熱する赤外線加熱装置において、近赤外線ランプお
    よび/又は中赤外線ランプと、ランプの少なくとも両側
    に設置された反射板とからなるとともに、赤外線ランプ
    からは母材表面に塗布された塗料の塗膜に対する赤外線
    透過率が高くかつ母材の吸収率の高い領域の赤外線を発
    生する赤外線およびその反射光の照射により、塗膜を母
    材表面に近い塗膜裏面から加熱して固化させることを特
    徴とする赤外線加熱装置。
  2. 【請求項2】 金属板あるいはプラスチック板からなる
    母材と、母材表面に塗膜として塗料を塗布した被照射物
    を加熱する赤外線加熱装置において、近赤外線ランプお
    よび/又は中赤外線ランプと、ランプの少なくとも両側
    に設置された反射板とからなるとともに、赤外線ランプ
    からは母材表面に塗布された塗料の塗膜に対する赤外線
    透過率が高くかつ母材の吸収率の高い領域の赤外線を発
    生する赤外線およびその反射光の照射により、塗膜を母
    材表面に近い塗膜裏面から加熱して固化させるととも
    に、反射板を移動可能に設け被照射物に対する距離を近
    接離隔自在に移動することを特徴とする赤外線加熱装
    置。
  3. 【請求項3】 金属板あるいはプラスチック板からなる
    母材と、母材表面に塗膜として塗料を塗布した被照射物
    を加熱する赤外線加熱装置において、近赤外線ランプお
    よび/又は中赤外線ランプと、ランプの少なくとも両側
    に設置された反射板と、内面が反射面からなる複数の筒
    状フードとからなり、赤外線ランプからは母材表面に塗
    布された塗料の塗膜に対する赤外線透過率が高くかつ母
    材の吸収率の高い領域の赤外線を発生する赤外線および
    その反射光の照射により、塗膜を母材表面に近い塗膜裏
    面から加熱して固化させるとともに、筒状フードは被照
    射物の形状に対応させて複数の筒状フードから選択して
    赤外線ランプと被照射物の間に設置することを特徴とす
    る赤外線加熱装置。
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