JP2512457Y2 - 圧延機ロ―ルスタンド搬送用吊具の着脱装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、クレーン等で圧延機ロールスタンドを搬送
するために使用される吊具を圧延機ロールスタンド側の
吊手に人的介入を要することなく着脱することができる
圧延機ロールスタンド搬送用吊具の着脱装置に関するも
のである。

〈従来の技術〉 従来、第５図乃至第７図に示すように吊具本体１に下
端にフック（この場合Ｃフック）３を有する吊持部材２
が４個設けられ、４個の吊持部材２のうち２個ずつが相
対向してピン４により揺動自在とした圧延機ロールスタ
ンド搬送用吊具が知られている。吊具本体１の中央部に
はピン６を介して吊り環５が取付けられており吊り環５
にはクレーンフック７を引っ掛けて吊具本体１を昇降す
るようになっている。

ところで各吊持部材２の下端フックの反対側にはコ字
形状の金具21が溶接により取付けられており、圧延機ロ
ールスタンド15に取付けられたフック掛止め用吊手部材
17にフック３を引っ掛けたり外したりする際には、作業
員が手かぎを金具21に引っ掛けて吊持部材２つまりフッ
ク３を両側に開きフック３をフック掛止め用吊手部材17
に掛けたり外したりしていた。

前記手かぎによる吊持部材２の開き作業は作業員が行
うため、フック掛止め用吊手部材17の位置が高くなり圧
延機ロールスタンド15の上に上がって吊具のフック３を
掛けたり外したりする必要があり、安全上の問題があっ
た。またフック３の位置を左右に開くには２人の作業員
が必要であり、クレーン運転士１人と合わせて合計３人
が必要であった。

前記の問題点を解決すべく例えば実開昭56−140580号
公報には吊具と吊手の着脱に人的介入を不要にした吊具
の着脱装置が提案されている。前記公報に提案されてい
る従来技術は確かに人手を必要としないという長所はあ
るが、吊具本体に取付けられた各吊持部材のフックが拡
開された状態で傾斜案内部材に沿って下降するのでフッ
ク着脱時に吊具本体が横振れするばかりでなくフックの
重心位置バランスのみによって作動するため作業が不安
定であり、安全上の問題点があった。

〈考案が解決しようとする課題〉 本考案は前記の事情に鑑みてなされたものであり、そ
の目的とするところは圧延機ロールスタンド搬送用の吊
具と圧延機ロールスタンド側の吊手部材との着脱に人的
介入を不要にすると共に安全かつ確実に着脱することが
できる圧延機ロールスタンド搬送用吊具の着脱装置を提
供することにある。

〈課題を解決するための手段〉 本考案は、下端にフックを有する４個の吊持部材のう
ち２個ずつが相対向して揺動自在に設けられた吊具本体
と、前記吊持部材の反フック側下端部にそれぞれ配設さ
れた軸受と前記相対向しないで隣接する吊持部材に配設
された軸受にかけ渡して支持された支持軸と、前記支持
軸の軸長手方向中央部に設けられた回動支点部材と、前
記回動支点部材の軸長手方向両端部に定常時水平な一対
の支持フレームと傾斜する一対のストッパ棒支持フレー
ムの各一端を取付けると共に前記支持フレームとストッ
パ棒支持フレームの各他端にフック外し傾斜ガイドフレ
ームの両端をそれぞれ連結して形成される三角形状のガ
イドブラケットと、前記一対のストッパ棒支持フレーム
の途上に設けられた前記隣接する吊持部材に係止可能な
長さを有するストッパ棒と、前記軸受近傍に取付けられ
たガイドブラケット倒れ止め金具と、圧延機ロールスタ
ンドに設けられ下向きに傾斜して拡開する一対のフック
案内板と、該フック案内板の下部に接続して設けられた
フック掛止め用吊手部材とからなることを特徴とする圧
延機ロールスタンド搬送用吊具の着脱装置である。な
お、支持フレームの他端にはローラを取付けるのが好ま
しい。

〈実施例〉 以下、本考案の構成および作用を第１図乃至第４図に
示す一実施例に基づき詳細に説明する。なお、第１図乃
至第４図において前述第５図乃至第７図に示すものと同
じものは同符号を付して説明の簡略化を図るものとす
る。

第１図および第２図において吊具本体１は第５図乃至
第７図に示す従来例と同じであるが、本考案においては
吊具本体１にピン４を介して揺動自在に設けられた４個
の吊持部材２の反フック側下端部にそれぞれ軸受８を設
けてある。そして相対向しないで隣接する吊持部材２に
設けられた軸受８同士にかけ渡して支持軸９が取付けら
れていると共に支持軸９の軸長手方向中央部に回動支点
部材10が設けてある。

回動支点部材10の軸長手方向両端部に定常時水平な一
対の支持フレーム11と傾斜するストッパ棒支持フレーム
12の各一端が取付けてあり、支持フレーム11とストッパ
棒支持フレーム12の各他端にフック外し傾斜ガイドフレ
ーム13の両端を連結してほぼ三角形状のガイドブラケッ
ト14が形成されている。なお、ストッパ棒支持フレーム
12の途上には隣接する吊持部材２に係止可能な長さを有
するストッパ棒19が取付けてある。また支持フレーム11
の先端部にはローラ18を設けてあるが、場合によっては
ローラ18を取付けなくても使用可能である。20は軸受８
の近傍に取付けられたガイドブラケット倒れ止め金具で
ある。

一方、第３図および第４図に示すように圧延機ロール
スタンド15には下向きに傾斜して拡開する一対のフック
案内板16が対向するフック３に対応して設けられている
と共に、該フック案内板16の下部に接続してフック掛止
め用吊手部材17が設けてある。16aは支持フレームを示
す。

前記のように構成されている装置の操作を説明する
と、まず第１図および第２図に示すように吊具本体１の
上部に設けた吊り環５にクレーンフック７を引っ掛けて
吊具本体１を吊り上げ圧延機ロールスタンドが置いてあ
る場所に移動する。ここでは第３図に示すように圧延機
ロールスタンド15を搬送する場合について説明すると、
まずクレーンを操作して吊具本体１を圧延機ロールスタ
ンド15の上方から下降させる。

そして吊持部材２の下端に位置するフック３を圧延機
ロールスタンド15に設けられたフック案内板16に対応さ
せて下降すると第３図において右半分に示すようにガイ
ドブラケット14のローラ18がガイドされ吊持部材２は徐
々に拡開すると共にガイドブラケット14は（イ）、
（ロ）、（ハ）の順序で示すように支持軸９を支点とし
て回動支点部材10と共に回動し、ストッパ棒19がガイド
ブラケット倒れ止め金具20により係止されそれ以上の回
動が停止される。

かくしてガイドブラケットのローラ18がフック掛止め
用吊手部材17の下部にくる（ハ）の状態では吊持部材２
の下端のフック３が（ニ）の位置すなわち圧延機ロール
スタンド15に設けられたフック掛止め用吊手部材17より
下方に位置するので、吊持部材２を上昇してフック３を
フック掛止め用吊手部材17に引っ掛けて（ホ）の状態に
したのち、クレーンにより圧延機ロールスタンド15を吊
上げ、所定の場所に搬送する。なお第４図は第３図にお
いて吊持部材２が（ハ）の状態にあるときのＡ−Ａ矢視
を示している。

かくして圧延機ロールスタンド15を所定の位置に搬送
してフック掛止め用吊手部材17よりフック３を外す場合
には、クレーンにより圧延機ロールスタンド15を吊下げ
て所定の位置に載置する。引続き第３図において左半分
に示すように吊持部材２を更に下降させてガイドブラケ
ット14のローラ18をフック掛止め用吊手部材17の下端を
通過させ、ガイドブラケット14をフック掛止め用吊手部
材17の下方に位置させると支持軸９を支点として回動
し、ストッパ棒19が吊持部材２の背面に係止されガイド
ブラケット14は（ヘ）に示す状態になり定常位置に戻
る。

この状態のとき、ガイドブラケット14の頂点は少なく
とも吊持部材２の内側と同一の位置か、外側に位置する
ようにしてあるので、吊持部材２を上昇させると、ガイ
ドブラケット14のフック外し傾斜ガイドフレーム13がフ
ック掛止め用吊手部材17の下端に接してスライドしなが
ら上昇するのでフック３はフック掛止め用吊手部材17を
回避して上昇することにある。フック外し傾斜ガイドフ
レーム13の角度θは摩擦によってフック３が拡開される
のを妨げない程度に選択すればよい。

かくしてガイドブラケット14のローラ18がフック案内
板16の下端部に到達するとローラ18がフック案内板16に
沿って上昇し（ト）の状態を経てフック３の取外し作業
を完了する。

〈考案の効果〉 以上説明したように本考案の着脱装置によれば吊手本
体に揺動自在に設けられた吊持部材の下端フックを圧延
機ロールスタンド側の吊手部材に着脱する際に、人的介
入が不要になるので従来のような地上作業員による困難
でかつ危険な作業を解消することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係る正面図、第２図は第１
図の側面図、第３図は本考案の作動を示す説明図、第４
図は第３図のＡ−Ａ矢視を（ハ）の状態について示す説
明図、第５図乃至第７図は従来例を示し、第５図は平面
図、第６図は正面図、第７図は側面図である。 １…吊具本体、２…吊持部材、３…フック、４…ピン、
７…クレーンフック、８…軸受、９…支持軸、10…回動
支点部材、11…支持フレーム、12…ストッパ棒支持フレ
ーム、13…フック外し傾斜ガイドフレーム、14…ガイド
ブラケット、15…圧延機ロールスタンド、16…フック案
内板、17…フック掛止め用吊手部材、18…ローラ、19…
ストッパ棒、20…ガイドブラケット倒れ止め金具、21…
金具。

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】下端にフックを有する４個の吊持部材のう
   ち２個ずつが相対向して揺動自在に設けられた吊具本体
   と、前記吊持部材の反フック側下端部にそれぞれ配設さ
   れた軸受と前記相対向しないで隣接する吊持部材に配設
   された軸受にかけ渡して支持された支持軸と、前記支持
   軸の軸長手方向中央部に設けられた回動支点部材と、前
   記回動支点部材の軸長手方向両端部に定常時水平な一対
   の支持フレームと傾斜する一対のストッパ棒支持フレー
   ムの各一端を取付けると共に前記支持フレームとストッ
   パ棒支持フレームの各他端にフック外し傾斜ガイドフレ
   ームの両端をそれぞれ連結して形成される三角形状のガ
   イドブラケットと、前記一対のストッパ棒支持フレーム
   の途上に設けられた前記隣接する吊持部材に係止可能な
   長さを有するストッパ棒と、前記軸受近傍に取付けられ
   たガイドブラケット倒れ止め金具と、圧延機ロールスタ
   ンドに設けられ下向きに傾斜して拡開する一対のフック
   案内板と、該フック案内板の下部に接続して設けられた
   フック掛止め用吊手部材とからなることを特徴とする圧
   延機ロールスタンド搬送用吊具の着脱装置。
2. 【請求項２】支持フレームの他端にローラを取付けたこ
   とを特徴とする請求項１記載の圧延機ロールスタンド搬
   送用吊具の着脱装置。