JP3010060U - 吊り金具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 被吊り物体に対する吊りワイヤーの吊り位置
を変えずに該被吊り物体を水平に吊り上げることができ
る吊り金具を提供する。 【構成】 所定間隔で平行に連結されている２枚の基板
２間の下部に円盤５を支持させる。円盤５の上部外周に
は１本の吊りワイヤー８を掛けて両端を垂れ下げる。吊
りワイヤー８の両端にはフック９を設ける。両基板２間
の上部には吊り杆１０の中間部を回転可能に支持させ
る。吊り杆１０の上部には吊り部１３を設ける。吊り杆
１０の下端部には円盤５の上部に位置する吊りワイヤー
８の部分を押圧してロックするロック部１４を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、クレーン等で、例えば複雑な形をした配管等の被吊り物体を吊り上 げるのに好適な吊り金具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、クレーンで被吊り物体を吊り上げる場合には、同寸法の２本の台付きの 吊りワイヤーの各一端をクレーンフックから吊り下げ、これら吊りワイヤーの他 端を目測で被吊り物体の２箇所に玉掛けして吊り上げ、玉掛けによる吊り位置の 不適性によるアンバランス分を吊り位置をずらしながらバランスさせ、被吊り物 体を水平に吊り上げるようにしている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、被吊り物体が例えば複雑な形をした配管等の場合には、被吊り 物体を水平に吊り上げられるような吊り位置を目測で決めるのが困難で、吊り位 置の修正に時間が掛り過ぎる問題点があった。

【０００４】 本考案の目的は、被吊り物体に対する吊りワイヤーの吊り位置を変えずに該被 吊り物体を水平に吊り上げることができる吊り金具を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案に係る吊り金具は、 所定間隔で平行に連結されている２枚の基板と、前記基板間の下部に支持されて いる外周に溝を形成した円盤と、前記円盤の上部外周に掛けられて両端で被吊り 物体を支持するための１本の吊りワイヤーと、前記基板間の上部に中間部が回転 可能に支持された吊り杆とを備え、前記吊り杆の上部には吊り部が設けられ、前 記吊り杆の下端部には前記円盤の上部に位置する前記吊りワイヤーの部分を押圧 してロックするロック部が設けられた構造になっている。

【０００６】 この場合、前記円盤は基板間の下部に回転自在に支持させることができる。ま た、前記吊りワイヤーの両端には、フックをそれぞれ設けることができる。また 、前記吊り杆の上部の前記吊り部は、吊り孔として構成することができる。

【０００７】

【作用】

このような吊り金具は、円盤の上部外周に掛けられた１本の吊りワイヤーの両 端を目測で被吊り物体に玉掛け等で支持させて吊り上げ、該被吊り物体を水平に 吊り上げることができないときには、上側に傾いた方の吊りワイヤーを下方に引 っ張って、吊りワイヤーを上側に傾いた方に移動させ、被吊り物体を水平に吊る し、この状態で、吊り杆の上部を吊り上げると、該吊り杆がその回転支持部を中 心として垂直向きになる方向に回転し、該吊り杆の下端のロック部が円盤の上部 に位置する吊りワイヤーの部分を押圧して自動的にロックする。この状態になる と、吊りワイヤーは円盤の上で動けなくなる。従って、被吊り物体を水平に保持 し且つ安全に吊って移動させることができる。このため、本考案に係る吊り金具 を用いると、被吊り物体に対する吊りワイヤーの吊り位置を変えずに該被吊り物 体を水平に吊り上げることができる。

【０００８】 前記円盤を基板間の下部に回転自在に支持させておくことにより、上側に傾い た方の吊りワイヤーを下方に引っ張る際に、吊りワイヤーの移動に伴い円盤が回 転するので吊りワイヤーの引っ張りを容易にすることができる。

【０００９】 吊りワイヤーの両端にフックをそれぞれ設けると、被吊り物体に対する玉掛け を容易に行うことができる。

【００１０】 また、吊り杆の上部の吊り部を吊り孔として構成すると、該吊り孔にクレーン フックを掛けて吊り上げることができる。

【００１１】

【実施例】 図１、図２及び図３は、本考案に係る吊り金具１の一実施例を示したものであ る。本実施例の吊り金具１は、所定間隔で平行に配置された２枚の基板２を有し 、これら基板２は両者の間にカラー３を介在させた状態で該カラー３を貫通する ボルト４で一体に連結されている。

【００１２】 両基板２間の下部には、円盤５が配置されて、両基板２と該円盤５を貫通する ピン６で支持されている。該ピン６はナット７の螺合で抜止めされている。該円 盤５の外周には、溝５ａが設けられている。該円盤５の上部外周には、１本の吊 りワイヤー８の中間部が掛けられて両端が垂れ下げられている。該吊りワイヤー ８の両端には、フック９がそれぞれ取り付けられている。

【００１３】 両基板２間の上部には、板状をした吊り杆１０のほぼ中央から下方の部分が配 置され、該吊り杆１０はその中間部が両基板２と該吊り杆１０を貫通するピン１ １で回転自在に支持されている。該ピン１１はナット１２の螺合で抜止めされて いる。

【００１４】 該吊り杆１０の上部には、吊り孔があけられて吊り部１３が設けられている。 該吊り部１３の箇所で該吊り杆１０の上部は、厚肉に補強されている。該吊り杆 １０の下端部には、円盤５の上部に位置する吊りワイヤー８の部分を押圧してロ ックするロック部１４が設けられている。該ロック部１４は、吊り杆１０の下端 部に浅溝を設けることにより構成されている。

【００１５】 次に、このような吊り金具１を用いた被吊り物体１５の吊り上げ作業について 説明する。図示の被吊り物体１５は配管である。 該吊り金具１は、図３に示すように、円盤５の上部外周に掛けられた１本の吊 りワイヤー８の両端を目測で被吊り物体１５に図示のような玉掛けで支持させ、 吊り杆１０の上部の吊り孔よりなる吊り部１３にクレーンフック１６を掛け、図 示しないクレーンで吊り上げる。該被吊り物体１５を水平に吊り上げることがで きないときには、上側に傾いた方の吊りワイヤー８を下方に引っ張って、吊りワ イヤー８を上側に傾いた方に移動させ、被吊り物体１５を水平に吊るす。

【００１６】 この状態で、吊り杆１０の上部をクレーンフック１６で吊り上げると、該吊り 杆１０がその回転支持部であるピン１１を中心として２点鎖線の姿勢から垂直向 きになる方向に回転して実線の姿勢になり、該吊り杆１０の下端のロック部１４ が円盤５の上部に位置する吊りワイヤー８の部分を押圧して自動的にロックする 。この状態になると、吊りワイヤー８は円盤５の上で強く挟着され動けなくなり 、被吊り物体１５を水平に保持し、安全に吊って移動させることができる。

【００１７】 なお、前記円盤８を基板２間の下部に回転自在に支持させておくことにより、 上側に傾いた方の吊りワイヤー８を下方に引っ張る際に、吊りワイヤー８の移動 に伴い円盤５が回転するので吊りワイヤー８の引っ張りを容易にすることができ る。

【００１８】

【考案の効果】

以上説明したように本考案に係る吊り金具は、所定間隔で平行に連結されてい る２枚の基板間の下部に回転自在にプーリを支持させ、該プーリの上部外周には １本の吊りワイヤーを掛けて両端を垂れ下げ、両基板間の上部には吊り杆の中間 部を回転可能に支持させ、該吊り杆の上部には吊り部を設け、該吊り杆の下端部 にはプーリの上部の吊りワイヤーの部分を押圧してロックするロック部を設けた 構造にしたので、該吊りワイヤーの両端を目測で被吊り物体に玉掛け等で支持さ せて吊り上げ、該被吊り物体を水平に吊り上げることができないときには、下側 に傾いた方の被吊り物体の側に該吊り金具をクレーン等で移動させと、下側に傾 いた方の被吊り物体の吊り位置からプーリまでの吊りワイヤーの長さが、反対側 の該吊りワイヤーの長さより短くなり、該被吊り物体を水平に吊り上げることが できる。この状態で、吊り杆の上部を吊り上げると、該吊り杆がその回転支持部 を中心として垂直向きになる方向に回転し、該吊り杆の下端のロック部がプーリ の上部の吊りワイヤーの部分を押圧して吊りワイヤーを自動的にロックすること ができる。このため、吊りワイヤーがプーリの上で滑り動けなくなり、被吊り物 体を水平に保持させて、安全に吊って移動させることができる。

【００１９】 このため、本考案の吊り金具によれば、被吊り物体に対する吊りワイヤーの吊 り位置を変える吊り位置の調整作業が不要になり、複雑な形状をした被吊り物体 でも能率よく水平に吊り上げることができる。

【００２０】 また、吊りワイヤーの両端にフックをそれぞれ設けることにより、被吊り物体 に対する玉掛けを容易に行うことができる。

【００２１】 また、吊り杆の上部の吊り部を吊り孔として構成することにより、該吊り孔に クレーンフックを掛けて吊り上げることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る吊り金具の一実施例を示す要部正
面図。

【図２】図１の一部省略側面図。

【図３】本実施例の吊り金具で被吊り物体を吊り上げた
状態を示す正面図。

【符号の説明】

１ 吊り金具 ２ 基板 ３ カラー ４ ボルト ５ 円盤 ５ａ 溝 ６ ピン ７ ナット ８ 吊りワイヤー ９ フック １０ 吊り杆 １１ ピン １２ ナット １３ 吊り部 １４ ロック部 １５ 被吊り物体 １６ クレーンフック

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 所定間隔で平行に連結されている２枚の
   基板と、前記基板間の下部に支持されている外周に溝を
   形成した円盤と、前記円盤の上部外周に掛けられて両端
   で被吊り物体を支持するための１本の吊りワイヤーと、
   前記基板間の上部に中間部が回転可能に支持された吊り
   杆とを備え、前記吊り杆の上部には吊り部が設けられ、
   前記吊り杆の下端部には前記円盤の上部に位置する前記
   吊りワイヤーの部分を押圧してロックするロック部が設
   けられていることを特徴とする吊り金具。
2. 【請求項２】 円盤が基板間の下部に回転自在に支持さ
   れていることを特徴とする請求項１記載の吊り金具。
3. 【請求項３】 前記吊りワイヤーの両端にはフックがそ
   れぞれ設けられている請求項１または２に記載の吊り金
   具。
4. 【請求項４】 前記吊り杆の上部の前記吊り部が吊り孔
   である請求項１，２または３に記載の吊り金具。