JP3003448U - 懸吊具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 リング状の重量物を内側から４点で吊り上げ
る懸吊具を提供する。 【構成】 取付金具１と、取付金具１の四隅にピン４で
吊着されたＬ型の吊板２と、取付金具１を貫通し上下に
自由に摺動できる懸吊軸３と、懸吊軸３の取付金具１よ
り下の位置に取り付けられた拡幅板５と、懸吊軸３の基
台と摺動する軸部分の上死点付近に設けた懸吊軸３を取
付金具１に係留する機構を備えてなる懸吊具において、
係留機構は、懸吊軸３側に固定されたシリンダーの中に
連結杆を差し込み、連結杆の先端の爪を取付金具１側に
形成した係留用の孔の中に差込むことによってなすこと
を特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は懸吊具、さらに詳しくはリング状の重量物を内側から４点で吊り上げ 懸吊する懸吊具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

リング状の重量物、例えばリング状の鋼塊等は通常３本のワイヤーを使って玉 掛けで懸吊される。 この際、ワイヤーは鋼塊の回りにバランス良く掛け渡し、ワイヤーが張る位置 まで、クレーンで注意深く引き上げる必要がある。 ワイヤーの長さが不揃いだったり、バランスが悪いと、持ち上げる際に鋼塊が ずれて思わぬ事故を引き起こすことがある。 この様な玉掛けの問題を解決する手段として特公昭５２−１７３１１号の発明 があるが、この発明は品物を吊り上げて地面に下ろして懸吊具を品物から抜き取 り、シャフト（本発明では懸吊軸と表現）を引上げる際、取付金具もシャフトと 一緒に吊り上げる必要がある為に、シャフトに取り付け金具を係留する必要があ り、これにはどうしても人手が必要であった。

【０００３】

【考案が解決する課題】

本考案は上記した特公昭５２−１７３１１号の発明の改良に係わるもので、人 手を介すことなく、シャフトと取付け金具の係留と、係留の解除を自動的に行う ことができる新規な構造の懸吊具を提供するものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案者は鋭意研究した結果、上記問題点は次の手段によって解決できること を見出だした。 すなわち、 １．取付金具と、該取付金具の四隅に、該取付金具の拡幅方向に自在に回動でき るように上端部がピンで吊着され、下端部に被懸吊物の内径胚部に引っ掛ける為 の爪を有するＬ型の吊板と、該基台を貫通し上下に自由に摺動できる懸吊軸と、 該軸の該基台より下の位置に取り付けられた吊板拡幅板と、該軸の該基台と摺動 する軸部分の上死点付近に設けた該軸を該取付金具に係留する機構を備えてなる 懸吊具において、該係留機構は、懸吊軸側に固定されたシリンダーの中に該懸吊 軸と取付金具を連結するための連結杆を差し込み、該連結杆の突起を該シリンダ ーの内面に形成した図５の展開図に示す形状のカム溝に差し込むことによって該 シリンダーの中で該連結杆が懸吊軸の昇降に合せてカム溝に倣って回転できるよ うにすると共に、取付金具と連結杆の連結は、取付金具側に形成した係留用の孔 の中に連結杆の先端の爪を差込み、該爪を９０度回転させることによって該孔に 爪が引っ掛かって連結されるようになし、爪と孔の関係は、連結杆が上記カム溝 に倣って動いて９０度回転するごとに引っ掛かりと引っ掛かりの解除が交互に現 れる関係にされてなることを特徴とする懸吊具。

【０００５】

【作用】

係留機構について述べる。 懸吊した品物を地面に下ろすときは、あらかじめ品物と地面の間に吊板の爪が スムースに抜けるようにスペーサーを置き、この上に品物を着地させ、さらにク レーンを下げ、懸吊軸をさらに下げる。 吊板の幅を押し広げた拡幅板をテーパーとの内接面よりも下に下げる。 拡幅板が下に下がると、拡幅板と吊板のテーパー内面とのあいだに隙間が生じ 、吊板を内側にすぼめることができるようになる。 爪の先端部がリング体の内径よりも小さい径にすぼめることができるようにな った所で、クレーンを持ち上げて、爪を持ち上げて引き抜くと、軸は取付金具の 部分を摺動して上に動くだけで、取付金具はそのまま残されたままで、再び品物 を吊り上げるときの状態に帰ってしまう。 したがってクレーンで軸を持ち上げる際に、取付金具も一緒に持ち上がるよう に軸と取付金具は係留しておく必要がある。 本考案の係留機構はこの目的の為にあるのである。 軸と取付金具の係留は、基本的な機構は、懸吊軸側に固定されたシリンダーと 取付金具に形成した係留用の孔を連結杆を使って係留する様にしたものである。 係留用の孔は横長形状、連結杆の爪も共に横長で、爪の長軸は孔の短軸よりも 長く、孔の長軸よりは若干小さめに作られている。 したがって同じ長軸同士を合せると、爪は孔にスムースにいれることができ、 これを９０度回転させると、爪の長軸は孔の短軸よりも長いために、今度は連結 杆が孔から抜けなくなる。 この状態で連結杆と取付金具が連結される。 次にこれを再度９０度回転させると、今度は長軸と長軸が重なり、孔からスム ースに抜けるようになる。 この様に係留と係留の解除が９０度毎交互に現れるようになっている。 実際の懸吊作業では、品物を地面に置いて、懸吊具だけを持ち上げる時は係留 の状態が、逆に品物を懸吊するときには、係留が解除されている状態が必要であ り、この状態は必ず交互に必要になるので、係留と係留の解除が９０度毎交互に 現れるようにすることによって，この作業が自動的にできるのである。 係留と係留の解除が９０度毎交互に現れる機構は、次のような機構によつて達 成される。 すなわち、懸吊軸に固定したシリンダーの内面に図５の展開図に示す形状のカ ム溝を形成し、この溝に連結杆の側面に形成した突起を差し込む。 懸吊軸が１回昇降する度に９０度回転する。つまり１度上がって４５度、又下 って４５度回転するので上がって下がる工程を経ると９０度回転するわけである 。 この回転によって連結杆の横長の爪は角度が変わり、係留の状態から解除の状 態へ、あるいは解除の状態から再び係留の状態へ変化するのである。 本考案の懸吊具で品物を吊り上げる時，降ろす時の作用を説明する。 先ず、懸吊する品物の内側に吊板を間挿し、品物は吊板の爪がいれる程度地面 から浮かして置く。 この状態では連結杆の係留は解除の状態である。 懸吊軸をクレーンで引き上げると、取付金具と軸は係留が解除されているので 、取り付け金具と取付金具に吊着した吊板は地面についたまま動かず、軸と軸に 取り付けた吊板拡幅板が一緒に上に上がってくる。 ある所まで上がると、拡幅板の外側が、吊板内面のテーパー面に接触し始める 。 拡幅板は吊板内面のテーパー面に沿って吊板を押し広げながら上昇する。 吊板は押し広げられ、ついには、下端の爪部が地面と品物の隙間に入り、さら に押し広げられて、爪の付け値部分の吊板の外形が最も大きくなった部分が品物 の内側に内接する様になる。 吊板がここまで上がると、もはやこれ以上開かなくなり、吊板に内接する拡幅 板もテーパー面を摺動できなくなり、ストップする。 軸と拡幅板、拡幅板が内接する吊板が一体的に上に持ち上がり、ついには吊板 の爪が品物の底面に引っ掛かり、これを持ち上げるようになる。 品物は４点で均等に支持されて持ち上がるので、傾くこと無く、地面に平行し て持ち上げられることとなる。 降ろすときは、このときもあらがじめ品物と地面に吊板の爪がスムースに抜け るようにスペーサーを置き、この上に品物を置き、クレーンを下げる。 吊板の爪の部分が着地した所でさらに軸を下げる。 拡幅板をテーパーとの内接面よりも下に下げる。 拡幅板が下に下がると、拡幅板と吊板のテーパー内面とのあいだに隙間が生じ 、吊板を内側にすぼめることができるようになる。 軸をさらに下げて、軸の上死点まで下げる。 この時、連結杆は４５度回転する。 次にクレーンを持ち上げ、軸を持ち上げると、連結杆のカムはさらに４５度回 転し、連結杆の先の爪は９０度回転して係留用の孔に引っ掛かる位置（長軸と短 軸が重なる位置）まで回転することとなり、軸と取付金具が一緒に持ち上がる。 以上の様な作用で係留と係留の解除が自動的に行われるのである。

【０００６】

【実施例】

図面によって本考案を説明する。 図１〜５は本考案構造の説明図である。 図１は全体の斜視図、図２はリング状の品物を懸吊する時の状況を説明する図 である。 図３は、連結杆の爪が係留された状態の説明図、図４は係留が解除された状態 の説明図である。 図５はシリンダーの内面に形成されたカム溝の３６０度の展開図である。 図１，２において、取付金具１の４隅には、４本の吊板２が吊着され、取付金 具には上から下に向って、懸吊軸３が貫通し、上下に自由に摺動できる。 吊板２は吊板を取付金具に吊着するピン４を中心にして取付金具の拡幅方向（ 外側に向かって）に自由に回動できる。 吊板２の内側は図に示すように、下に向かって、末広がりにテーパーがつけら れている。 軸３の下端部には、図に示すように円盤状の拡幅板５が取り付けられている。 拡幅板は軸３の上を上下に移動できるように取り付けられている。 品物を持ち上げる時は、連結杆の爪は図４の様に解除された状態であり、軸３ をクレーンでつると、軸と共に拡幅板も一緒に上に上がり、ついには、拡幅板の 外周部と吊板２のテーパー面が接触する様になり、軸が上昇するにつれて、吊板 が外に押し広げられる機構になっている。 リング体６を吊り上げるとき、図２に示す様に吊板をリングに間挿する。 次に軸３をクレーンで吊り上げ、吊板を押し広げ、吊板の爪７をリングと地面 の間の隙間に差し込む。 さらに軸を引き上げると、吊板の爪の付け値の部分がリングの内面に衝突し、 吊板はもはや拡幅しなくなり、拡幅リングと吊板が一体となって、軸３に引き上 げられるようになる。 リング体は４本の爪によって均等な間隔で支えられており、傾くこと無く、平 行に吊すことができる。 一方下ろすときは、地面に予めスペーサーを置き、この上にリング体を置き、 この上にリングを置く。 クレーンを下に降ろしていくと、軸と拡幅板は自重で下に下がっていき、拡幅 板は吊板のテーパー面から離れ、隙間ができる。さらに軸の摺動部分の上死点ま で下げ、再び軸を持ち上げると、連結杆は９０度回転して爪は図３の係留された 状態になる。 この状態で軸を持ち上げると、取付金具は軸と一緒に上に持ち上げられ、品物 から懸吊具が抜き取られる。

【０００７】

【考案の効果】

本考案は、以上詳記したように、鼎付金具の軸への係留と係留の解除を簡単な 機構で自動的に実施できる特徴を有し、玉掛け作業の事故防止と省力化に大いに 貢献できるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は全体の斜視図

【図２】図２はリング状の品物を懸吊する時の状況を説
明する図である。

【図３】図３は連結杆の爪が係留された状態の説明図

【図４】図４は係留が解除された状態の説明図

【図５】図５はシリンダーの内面に形成されたカム溝の
３６０度の展開図である。

【符号の説明】

１…取付金具 ２…吊板 ３…懸吊軸 ４…ピン ５…拡幅板 ６…リング体 ７…爪 ８…シリンダー ９…連結杆 １０…連結杆の突起 １１…係留用の孔

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 取付金具と、該取付金具の四隅に、該取
   付金具の拡幅方向に自在に回動できるように上端部がピ
   ンで吊着され、下端部に被懸吊物の内径底部に引っ掛け
   る為の爪を有するＬ型の吊板と、該取付金具を貫通し上
   下に自由に摺動できる懸吊軸と、該軸の該取付金具より
   下の位置に取り付けられた吊板拡幅板と、該軸の該取付
   金具と摺動する軸部分の上死点付近に設けた該軸を該取
   付金具に係留する機構を備えてなる懸吊具において、該
   係留機構は、懸吊軸側に固定されたシリンダーの中に該
   懸吊軸と取付金具を連結するための連結杆を差し込み、
   該連結杆の突紀を該シリンダーの内面に形成した図５の
   展開図に示す形状のカム溝に差し込むことによって該シ
   リンダーの中で該連結杆が懸吊軸の昇降に合せてカム溝
   に倣って回転できるようにすると共に、取付金具と連結
   杆の連結は、取付金具側に形成した係留用の孔の中に連
   結杆の先端の爪を差込み、該爪を９０度回転させること
   によって該孔に爪が引っ掛かって連結されるようにな
   し、爪と孔の関係は、連結杆が上記カム溝に倣って動い
   て９０度回転するごとに引っ掛かりと引っ掛かりの解除
   が交互に現れる関係にされてなることを特徴とする懸吊
   具。