JPS6022048Y2 - クランクスロ−吊り具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、舶用ディーゼル機関等のクランクスローを
吊り上げるために使用するクランクスロー吊り具に関す
るものである。

大出力の舶用ディーゼル機関等のクランク軸は極めて大
きいため一体成形することができず、通常はクランクジ
ャーナルとクランクスロー（すなわちクランクアーム）
とを別体に鋳造もしくは調造した後、機関議装時に両者
を組立てている。

このような舶用機関に於てはクランクスローやクランク
ジャーナルもまた、大形でかつ大重量であるため、工場
内の運搬や搬出穴の時にはロープで玉掛けをして天井走
行うレーン等で吊り上げているが、クランクスローは、
クランクジャーナルにくらべて大重量である上、非対称
形状をしているため、クランクスローの玉掛けには時間
と人手がかかり、また、危険も大きいという問題点があ
つた。

この考案の目的は前記問題点を解決して迅速にかつより
安全にクランクスローの玉掛は作業を行うことのできる
クランクスロー吊り具を提供することにある。

以下に添附図面を参照してこの考案の実施例について説
明する。

第１図はこの考案によるクランクスロー吊り具１とクラ
ンクスローＣとの関係を示したものである。

この考案のクランクスロー吊り具１は同図に示すように
、クランクスローＣのジャーナル孔ａの直径ｄよりも短
かい水平長１を有するフック部分２と、該フック部分２
の一端に連って上方に延在する吊り下は部分３と、該吊
り下げ部分３の一端に連って該フック部分２と平行に延
在する横行部分４と、から構成されている。

これらの部分２〜４は一枚の板として一体に構成され、
該部分をそれぞれ有した一対の板５を第２図に示すよう
に平行に配置して両者を数本のピン６〜９で一体に連結
することによって吊り具の本体部分が構成されている。

（なお、該部分２〜４を有する一枚の板のみで吊り具の
本体部分を構成してもよいし、また、該部分２〜４を有
する中空体で吊り具の本体部分を構成してもよい。

）吊り下げ部分３に設けられたピン７にはクランクスロ
ーのジャーナル孔ａの縁に係合する保合腕１０が遊嵌さ
れており、該係合腕１０の先端には係合用段部１０ａが
形成されている。

上方のピン８には吊りロープＲのためのロープ通し金具
１１が取付けられ、吊りロープＲが該ロープ通し金具１
１を介してクランクスロー吊り具１を吊っている。

第１図図示の如き概略構造を有するクランクスロー吊り
具１を用いてクランクスローＣを吊り上げようとする時
には、第１図の如く地表面に横倒しに置かれているクラ
ンクスローＣの上方から該クランクスロー吊り具１を鉛
直に降下させてフック部分２をクランクスローのジャー
ナル孔ａ内に挿入した後（この時には係合腕１０は図示
二点鎖線位置に保持しておく）、フック部分２をクラン
クスローＣの股間隙に沿って水平方向に移動させて第１
図に示す状態となし、更に係合腕１０を図示二点鎖線位
置から図示実線位置に回動してその先端の保合用段部１
０ａをジャーナル孔ａの縁に係合させる。

しかる後、吊りロープＲで吊り下げれば、クランクスロ
ーＣはフック部分２の上に支持された状態で持ち上げら
れるが、クランクスローＣの水平方向の動きは係合腕１
０によって抑制されているので安定して吊り上げること
ができる。

第３図は、この考案の他の実施例を示したものであり、
この実施例のクランクスロー吊り具１Ａは係合腕１０の
ほかに該係合腕１０を第３図の二点鎖線で示す非使用位
置に係止しておくための係止腕１２と、該係合腕１０及
び該係止腕１２を操作するためのロープ１３及び１４並
びに滑車１５などを備えている。

係合腕１０の先端には直径の異るジャーナル孔を有する
種々のクランクスローに使用できるようにジャーナル孔
の直径ｄ１〜ｄ４及びジャーナル孔の軸方向長さＬ１〜
Ｌ４に対応して数置の係合用段部１０ｂ〜１０ｅが形成
されており、また、係合腕１０の側面には係止用ピン１
０Ａ及びロープ係止具１０Ｂが突設されている。

係止腕１２は係合腕１０の上方位置に於て吊り下げ部分
３にピン１６を介して枢着されており、先端部下面に係
止用凹部１２ａを備え、また、先端部側面にはロープ係
止具１２Ａが突設されている。

吊り下げ部３には係止腕１２の上下に衝接するストッパ
ーピン１７．１８が突設され、係止腕１２の回動効果が
定められている。

横行部分４の上面に設けられた滑車１５には係合腕１０
と係止腕１２とを操作するためのロープ１３及び１４が
かけられており、該ロープ１３及び１４は滑車１５にか
けられるとともに下方に垂下されている。

係合腕１０を第３図に実線で示した位置から二点鎖線位
置に動かして該係合腕１０を二点鎖線位置に保持しよう
とする場合には、ロープ１３及び１４を図示矢印Ａのよ
うに強く下方に引く。

すると、係止腕１２は上方のストッパーピン１８に衝突
する位置まで上昇し同時に保合腕１０もまた図示二点鎖
線位置まで上昇する。

その際に係合腕１０の係止用ピン１７Ａが係止腕１２の
係止用凹部１２ａに入り込むので、ロープ１４をはなす
と、係止腕１２は下方のストッパーピン１７に当るまで
下降するが、係止用ピンＩＯＡは係止腕１２の係止用凹
部１２ａ内に係止されたままとなり、従って、係合腕１
０は係止腕１２によって二点鎖線位置に保持される。

逆に、係合腕１０を第３図の二点鎖線位置から実線位置
に回動させるためにはロープ１３を引いて保合腕１０を
上方のストッパーピン１８に当るまで回動させれば、係
止用ピンＩＯＡは係止腕１２の係止用凹部１２ａから抜
は出して、係合腕１０は自重により回動して実線位置へ
移動する。

以上のように、この考案のクランクスロー吊り具によれ
ば、玉掛は作業員の行う仕事は係合腕１０の掛は外し作
業とフック部分２とクランクスローとの保合状態の確認
だけになるので、クランクスローの玉掛けを従来よりも
迅速に行うことができるとともに、唯−人の玉掛は作業
員のみでも行うことができるようになり、しかも、従来
の玉掛は作業の時のようにクランクスローを引き起し且
つ吊り上げる際の危険及びロープのゆるみによる危険な
どがなくなるため、安全に玉掛は作業を行うことができ
るようになった。

なお、係合腕１０の掛は外し機構については前記実施例
のみに限定されることなく、種々の修正や変更を行うこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例の正面図、第２図は第１図に
於て右側から見た側面図、第３図はこの考案の他の実施
例の正面図である。 １、ＩＡ・・・・・・クランクスロー吊りＬ ２＊＊＊
＊＊ａフック部分、３・・・・・・吊り下げ部分、４・
・・・・・横行部分、 １０・・・・・・係合腕、 １２・・・・・・係止腕、 １３゜ ４・・・・・・ロープ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. クランクスローのジャーナル孔の直径よりも短かい水平
   長を有するフック部分と、前記フック部分の一端に連っ
   て上方に延在する吊り下げ部分と、前記吊り下げ部分の
   上端に連って前記フック部分と平行に延在する横行部分
   とから構成されるとともに、前記吊り下げ部分には前記
   ジャーナル孔の縁に係合する保合腕が枢着され、前記吊
   り下は部分もしくは前記横行部分にはロープ通し金具が
   取付けられていることを特徴とするクランクスロー吊り
   具。