JPH0617832Y2 - チェーンブロック - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、ロードチェーンを掛設するロードシーブと、
該ロードシーブの駆動機構とを備え、前記ロードシーブ
の駆動回転でロードチェーンを巻上げて荷物を吊上げた
り、吊下げたりするようにしたチェーンブロックに関す
る。

（従来の技術） 従来、この種チェーンブロックは、例えば実開昭６０−
１３０２９２号公報に示されている通り、ロードチェー
ンを掛設するロードシーブと、該ロードシーブの駆動機
構とを備えたチェーンブロック本体の上部に、フック状
吊下具を取付けて、該フック状吊下具を天井等に設ける
吊下用ロープなどの吊環部に引掛けて、前記チェーンブ
ロック本体を宙吊して使用するようにしている。

（考案が解決しようとする課題） ところが、前記した従来のチェーンブロックを、例えば
建築現場で足場組に用いる横パイプなどの被吊下杆状体
に吊下げて使用する場合、つまり、前記チェーンブロッ
ク本体上部のフック状吊下具を両端に吊環を有するワイ
ヤロープの中央部を前記横パイプに掛け回し、該ロープ
の各吊環部に前記フック状吊下具を引掛けて使用する場
合、前記横パイプが水平でなく傾斜していたり、荷物を
横吊りぎみに吊上げたりすると、前記チェーンブロック
の横パイプに対する傾きに伴って前記ロープが横パイプ
に対し軸方向に滑って移動し、荷物の吊上げ、吊下げ作
業が非常に行い難い問題があり、その上、前記ロープを
用いるため、チェーンブロック本体の吊下げ位置が低く
なって、チェーンブロックによる揚程が小さくなり、か
つ、前記横パイプへのチェーンブロックの取付作業性も
悪くなる問題があった。

本考案の目的は、チェーンブロック本体の被吊下杆状体
に対する軸方向への滑り移動を防止できて、荷物の吊上
げ、吊下げを容易にできる上、横引き作業も容易にで
き、更に、チェーンブロックによる揚程を大きくとるこ
とができると共に、チェーンブロック本体の被吊下杆状
体への取付作業性も良好にすることができるチェーンブ
ロックを提供しょうとするものである。

（課題を解決するための手段） 本考案は上記した目的を達成する手段として、ロードチ
ェーン（５）を掛設するロードシーブ（２）と、該ロー
ドシーブ（２）の駆動機構とを備えたチェーンブロック
本体（１）と、このチェーンブロック本体（１）の上部
に取付けられ、該チェーンブロック本体（１）を吊下げ
る被吊下杆状体に着脱可能に固定する固定具（７）とか
ら成り、この固定具（７）は、クランプ部（７０）と、
該クランプ部（７０）の基部から下方に延びる取付軸
（７９）とをもち、前記固定具（７）の前記取付軸（７
９）に、前記チェーンブロック本体（１）を前記ロード
シーブ（２）の軸心とほゞ平行な連結軸（８）を介して
揺動可能で、前記ロードシーブ（２）を、該ロードシー
ブ（２）に掛設するロードチェーン（５）の牽引方向に
変位可能に取付けたのである。

（作用） しかして、チェーンブロック本体（１）に固定具（７）
を取付けたから、この固定具（７）によりチェーンブロ
ック本体（１）を前記被吊下杆状体の任意位置に固定で
きるのである。この結果、ロードシーブ（２）の駆動回
転でロードチェーンを巻上げて荷物を吊上げる場合、チ
ェーンブロックが前記被吊下杆状体に対し滑るのを防止
でき、従って、前記被吊下杆状体が傾斜していたり、或
は荷物を横吊りぎみに引き上げたりする場合であって
も、チェーンブロックを滑り移動させることなく荷物の
巻上げ、巻下げ作業ができ、それだけこの巻上げ、巻下
げ作業が行い易いのである。

しかも、チェーンブロック本体（１）は、ロードシーブ
（２）の軸心とほゞ平行な連結軸（８）を介して揺動可
能で、前記ロードシーブ（２）を、該ロードシーブ
（２）に掛設するロードチェーン（５）の牽引方向に変
位可能に取付けたから、ロードシーブ（２）を駆動回転
してロードチェーンにより荷物を吊上げる場合、チェー
ンブロック本体（１）を固定具（７）に対し横引き方向
に揺動させることができ、このチェーンブロック本体
（１）の揺動によりロードシーブ（２）を横引き方向に
変位させることができるから、この横引き作業を、チェ
ーンブロック本体（１）に負荷を与えることなく有効に
できるのである。

また、チェーンブロック本体（１）に固定具（７）を取
付けて、この固定具（７）によりチェーンブロック本体
（１）を吊下げるから、チェーンブロックによる揚程を
大きくとることができ、被吊下杆状体に対し荷物を高位
置に巻上げることができるのであり、また、前記固定具
（７）には、クランプ部（７０）を設けているから、チ
ェーンブロック本体（１）の前記被吊下杆状体への取付
作業性も良好にできるのである。

（実施例） 図面は電動式チェーンブロックを示し、該チェーンブロ
ックは、第１図及び第２図に示すごとく、所定間隔を置
いて一対のベースプレート（１１）（１２）を相対向状
に配置し、これらベースプレート（１１）（１２）間に
ロードシーブ（２）を回転自由に支持すると共に、前記
ベースプレート（１１）（１２）のうち、一方側ベース
プレート（１１）の外側に前記ロードシーブ（２）の駆
動用モータ（３）を内装したモータケース（３０）を設
け、他方側ベースプレート（１２）の外側に前記モータ
（３）からの駆動力を前記ロードシーブ（２）に伝える
減速歯車機構（図示せず）と前記モータ（３）の回転を
制御する電装部品（図示せず）とを内装したギヤケース
兼電装ケース（４）を設け、かつ、前記ギヤケース兼電
装ケース（４）から前記モータ（３）の運転を制御する
操作スイッチ（９）を垂下して成る。

また、前記ロードシーブ（２）にはロードチェーン
（５）が掛設され、かつ、前記本体（１）から垂下する
前記チェーン（５）の負荷側遊端部には下フック（６）
が取付けられており、前記操作スイッチ（９）の操作に
よるモータ（３）の正逆転駆動に対応して、前記下フッ
クに吊下げる荷物の巻上げ、巻下げを行うべく構成して
いる。

しかして、本考案は以上のごとく構成するチェーンブロ
ックにおいて、チェーンブロック本体（１）の上部に、
主として、建築現場で足場組に使用する横パイプなどの
被吊下杆状体（以下横パイプと称す）（１０）に着脱自
由に取付可能としたクランプ部（７０）と該クランプ部
（７０）の基部から下方に延びる取付軸（７９）をもっ
た固定具（７）の前記取付軸（７９）を取付けたのであ
る。

前記固定具（７）のクランプ部（７０）は、第３図乃至
第６図に示すように両端に起立側壁（７２）（７２）も
った断面略コ字形の基部（７１）における前記各側壁
（７２）（７２）の中間部に、前記横パイプ（１０）を
保持する円弧状のパイプ保持面（７２ａ）（７２ａ）を
形成すると共に、前記両側壁（７２）（７２）の両端部
間に、円弧状のパイプ挾持面（７３ａ）（７４ａ）をも
つ挾持体（７３）（７４）を枢支ピン（７５ａ）（７５
ｂ）を介して揺動可能に支持して、これら両挾持体（７
３）（７４）のうち、一方側挾持体（７３）の遊端部
に、ねじ部（７６ａ）をもった締付用ボルト（７６）を
連結ピン（７７）を介して揺動自在に支持し、他方側挾
持体（７４）の遊端部に前記ボルト（７６）を挿入可能
な凹溝（７４ｂ）を形成して、前記締付用ボルト（７
６）を前記凹溝（７４ｂ）に挿入させ、前記凹溝（７４
ｂ）の外面側から前記ボルト（７６）のねじ部（７６
ａ）に平座金付のナット（７８）を螺合することによ
り、前記挾持体（７３）（７４）間の間隔を狭めて、つ
まり、前記各挾持体（７３）（７４）の各挾持面（７３
ａ）（７４ａ）と前記基部（７１）のパイプ保持面（７
２ａ）（７２ａ）とにより前記横パイプ（１０）を締付
けて固定するように構成している。

また、前記クランプ部（７０）における基部（７１）の
長さ方向中間部には、前記ベースプレート（１１）（１
２）間に挿通可能で、かつ、挿通孔（７９ａ）をもつ取
付軸（７９）を下方に延びるごとく固定する一方、前記
チェーンブロック本体（１）のロードシーブ（２）上方
におけるベースプレート（１１）間に、前記ロードシー
ブ（２）の軸心とほゞ平行で、前記取付軸（７９）の挿
通孔（７９ａ）に挿通される連結軸（８）を設けて、前
記取付軸（７９）に、前記チェーンブロック本体（１）
を、前記連結軸（８）を介して揺動可能で、前記ロード
シーブ（２）を、該ロードシーブ（２）に掛設するロー
ドチェーン（５）の牽引方向に変位可能に取付けてい
る。

図面中、（７１ａ）は前記基部（７１）の一方側挾持体
（７３）の下方位置に設けた前記挾持体（７３）の外側
への揺動量を規制する規制突部であって、該規制突部
（７１ａ）への挾持体（７３）一端部の当接で該挾持体
（７３）の外方への揺動量を規制することにより、前記
クランプ部（７０）の前記横パイプ（１０）への取付が
容易に行えるようにしている。

また、以上の実施例では、前記基部（７１）に取付軸
（７９）を固定したけれども、前記取付軸（７９）を基
部（７１）に対し回転自由に支持するようにしてもよ
い。

本考案は以上のごとく構成するもので、使用に際して
は、チェーンブロック本体（１）の上部に取付けた固定
具（７）の前記両挾持体（７３）（７４）を第６図に示
すごとく開放し、この開放状態でクランプ部（７０）に
おける基部（７１）のパイプ保持面（７２ａ）を、建築
現場で足場組に使用する横パイプ（１０）に宛がい、こ
の横パイプ（１０）を抱持するごとく前記両挾持体（７
３）（７４）を内側に揺動させ、かつ、前記締付用ボル
ト（７６）のねじ部（７６ａ）を前記凹溝（７４ｂ）に
挿入し、然かる後、該ボルト（７６）のねじ部（７６
ａ）にナット（７８）を螺合して、前記挾持体（７３）
（７４）間を狭め、つまり、前記各挾持体（７３）（７
４）の各挾持面（７３ａ）（７４ａ）と前記基部（７
１）のパイプ保持面（７２ａ）とで前記パイプ（１０）
を締付け、該クランプ部（７０）を前記横パイプ（１
０）に回転及び軸方向へ移動不能に固定するのである。
これにより、前記横パイプ（１０）が水平でなく傾斜し
ていたり、荷物を横吊りぎみに吊下げたりすることがあ
っても、前記固定具（７）が前記横パイプ（１０）に対
し、軸方向に滑って移動することがなく、荷物の吊上
げ、吊下げを容易に行うことができるのである。

また、前記チェーンブロック本体（１）を固定具（７）
により直接横パイプ（１０）に固定するので、従来のよ
うに吊下用のロープを用いる場合に比べて、揚程を大き
くとることができるので、前記横パイプに対し荷物を高
位置まで吊上げることができるのである。

また、前記チェーンブロック本体（１）は、ロードシー
ブ（２）の軸心とほゞ平行な連結軸（８）を介して揺動
可能で、前記ロードシーブ（２）を、該ロードシーブ
（２）に掛設するロードチェーン（５）の牽引方向に変
位可能に取付けたから、ロードシーブ（２）を駆動回転
してロードチェーンにより荷物を吊上げる場合、チェー
ンブロック本体（１）を固定具（７）に対し横引き方向
に揺動させることができ、このチェーンブロック本体
（１）の揺動によりロードシーブ（２）を横引き方向に
変位させることができるから、この横引き作業をチェー
ンブロック本体（１）に負荷を与えることなく有効にで
きるのである。

以上の実施例では、電動式チェーンブロックについて説
明したが、手動式チェーンブロックにも適用できること
は勿論である。

また、既述実施例では、前記クランプ部（７）として、
前記基部（７１）の両端部に一対の挾持体（７３）（７
４）を揺動可能に支持したけれども、一方の挾持体を前
記基部（７１）の一端部に一体的に設け、他方の挾持体
のみを前記基部（７１）の他端部に揺動可能に支持する
ようにし、これら両挾持体の遊端部間に締付手段を設け
てもよい。

更に、前記被吊下杆状体（１０）としては、パイプ部材
に限らず中実の杆体であってもよい。

また、前記固定具（７）は前記チェーンブロック本体
（１）に対し着脱可能に設け、該固定具（７）に代えて
フック状吊下具に交換できるように構成してもよい。

（考案の効果） 以上のごとく本考案によれば、ロードチェーン（５）を
掛設するロードシーブ（２）と、該ロードシーブ（２）
の駆動機構とを備えたチェーンブロック本体（１）の上
部に、クランプ部（７０）と、該クランプ部（７０）の
基部から下方に延びる取付軸（７９）とをもち、前記チ
ェーンブロック本体（１）を吊下げる被吊下杆状体に着
脱可能に固定する固定具（７）を取付けたから、例え
ば、建築現場の足場組に使用する横パイプなどの被吊下
杆状体にチェーンブロックを吊下げて使用する場合、前
記固定具（７）によりチェーンブロック本体（１）を前
記被吊下杆状体の任意位置に固定できるのである。この
結果、前記ロードシーブ（２）の駆動回転でロードチェ
ーンを巻上げて荷物を吊上げる場合、前記チェーンブロ
ックが前記被吊下杆状体に対し滑るのを防止でき、従っ
て、前記被吊下杆状体が傾斜していたり、或は荷物を横
吊りぎみに吊上げたりする場合であっても、チェーンブ
ロックを滑り移動させることなく荷物の吊上げ、吊下げ
作業ができ、それだけこの吊上げ、吊下げ作業が行い易
いのである。

しかも、前記固定具（７）にチェーンブロック本体
（１）を単に取付たのでなく、前記ロードシーブ（２）
の軸心とほゞ平行な連結軸（８）を介して取付けたか
ら、ロードシーブ（２）を駆動回転してロードチェーン
により荷物を吊上げる場合、チェーンブロック本体
（１）を被吊下杆状体に対し横引き方向に揺動させるこ
とができ、このチェーンブロック本体（１）の揺動によ
り、ロードシーブ（２）を横引き方向に変位させること
ができるから、横引き作業を、チェーンブロック本体
（１）に負荷を与えることなく有効にできるのである。

また、チェーンブロック本体（１）に固定具（７）を取
付けて、この固定具（７）によりチェーンブロック本体
（１）を吊下げるから、チェーンブロックによる揚程を
大きくとることができ、被吊下杆状体に対し荷物を高位
置に巻上げることができるのであり、また、前記固定具
（７）には、クランプ（７０）を設けているから、チェ
ーンブロック本体（１）の前記被吊下杆状体への取付作
業性も良好にできるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るチェーンブロックの実施例を示す
側面図、第２図は同正面図、第３図は固定具の正面図、
第４図は同側面図、第５図は同平面図、第６図は固定具
のパイプへの取付作業の説明図である。 （１）……チェーンブロック本体 （２）……ロードシーブ （７）……固定具 （７０）……クランプ部 （７９）……取付軸 （８）……連結軸

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ロードチェーン（５）を掛設するロードシ
   ーブ（２）と、該ロードシーブ（２）の駆動機構とを備
   えたチェーンブロック本体（１）と、このチェーンブロ
   ック本体（１）の上部に取付けられ、該チェーンブロッ
   ク本体（１）を吊下げる被吊下杆状体に着脱可能に固定
   する固定具（７）とから成り、この固定具（７）は、ク
   ランプ部（７０）と、該クランプ部（７０）の基部から
   下方に延びる取付軸（７９）とをもち、前記固定具
   （７）の前記取付軸（７９′）に、前記チェーンブロッ
   ク本体（１）を前記ロードシーブ（２）の軸心とほゞ平
   行な連結軸（８）を介して揺動可能で、前記ロードシー
   ブ（２）を、該ロードシーブ（２）に掛設するロードチ
   ェーン（５）の牽引方向に変位可能に取付けていること
   を特徴とするチェーンブロック。