JP2510468Y2 - 遮水シ―ト用保護材 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この考案は、ゴミ処理場もしくは溜池用水路等のコン
クリート底面に敷設する遮水シートの保護材に関するも
のである。

「従来の技術」 従来、水槽、ゴミ処理場もしくは溜池用水路等のコン
クリート底面に遮水シートを敷設する場合、その遮水シ
ートの下に一層の不織布または織布からなる保護材を敷
設している。

「考案が解決せんとする問題点」 従来の保護材として使用されている、例えば長繊維ポ
リエステル製不織布は、JIS引張り試験では70％の伸び
能力を有しているが、遮水シートを敷設するコンクリー
ト底面にひび割れや目地の変形などが生じた場合、その
伸び能力に拘らず保護材や遮水シートが簡単に破断して
漏水するという欠点があった。

これは、遮水シート上に水圧や土圧が作用すると、保
護材がコンクリート底面に圧着して強力な摩擦接触によ
り伸びのない拘束部と同様になり、コンクリートに接触
しないひび割れや変形目地部のごく短い部分において水
圧や土圧により過剰な伸び変形を余儀なくされるため、
破断するものと考えられる。

「問題点を解決するための手段」 この考案は前記従来の課題を解決するために、上下の
不織布または織布層1a,1bの間に合成樹脂層1cを介在さ
せ、それら1a,1b,1cを所定間隔を置いて部分的に接合し
てなる遮水シート用保護材を提案するものである。

「作用」 コンクリート底面に強力に摩擦接触している下層の不
織布または織布層1bは水圧や土圧により伸びを拘束され
ていても、その上の合成樹脂層1cおよび不織布または織
布層1aはそれら1a,1b,1cを所定間隔を置いて部分的に接
合されていてほとんど伸びを拘束されないため、その層
1a,1cに自由な伸びを生じて破断することなくひび割れ
や変形目地部に追従して変形する。

「実施例」 以下この考案を図面に示す実施例について説明する
と、第１図はこの考案の保護材１をゴミ処理場もしくは
溜池用水路等のコンクリート底面２上に敷設してその上
に合成樹脂等の遮水シート３を敷設した状態を示す。

保護材１は、上下の不織布または織布層1a,1bの間に
ポリエチレン、テフロン等の合成樹脂層1cを介在し、所
定間隔をおいて部分的にニードルパンチまたは接着剤等
により接合（それらの大部分は接合されることなく積層
されている）したもので、必要に応じてこの上にさらに
合成樹脂層1c及び不織布または織布層1aを二以上接合し
て形成されている。

なお、保護材１は敷設部の全体に敷設することが望ま
しいが、コンクリートにひび割れを生ずる可能性が低い
場合等、状況によっては変形を生じ易いコンクリート底
面の目地部の周辺にのみ設置してもよい。

「考案の効果」 以上の通りこの考案によれば、コンクリート底面に接
触している下層の不織布または織布層は水圧や土圧によ
り伸びを拘束されていても、その上の合成樹脂層、不織
布または織布層はそれらを所定間隔を置いて部分的に接
合されていて伸びをほとんど拘束されないため、その層
全体に伸びを生じ判断を生ずることなくひび割れや変形
目地部に追従して変形し、漏水を低減することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の保護材を敷設した状態を示す斜視
図、第２図は従来の保護材を敷設した状態を示す斜視
図、第３図は従来の保護材による破断状況を示す縦断正
面図である。 １……保護材、1a,1b……不織布または織布層、1c……
合成樹脂層、２……コンクリート底面、３……遮水シー
ト。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】上下の不織布または織布層の間に合成樹脂
   層を介在させ、それらを所定間隔を置いて部分的に接合
   してなることを特徴とする遮水シート用保護材。