JP3052175B2 - 土木用遮水工法 - Google Patents

土木用遮水工法

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JP3052175B2
JP3052175B2 JP5293480A JP29348093A JP3052175B2 JP 3052175 B2 JP3052175 B2 JP 3052175B2 JP 5293480 A JP5293480 A JP 5293480A JP 29348093 A JP29348093 A JP 29348093A JP 3052175 B2 JP3052175 B2 JP 3052175B2
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昭夫 中尾
修一 松本
守 神徳
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、廃棄物最終処分場や貯
水池の遮水層が損傷した場合でも、漏水を防止すること
のできる遮水工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】廃棄物の最終処分場として、地面に巨大
な穴を堀り、表面を防水層で覆って、この穴内に貯留し
た廃棄物から出る汚水が地中にしみ込むことを防止する
ことが従来から行われている。この防水層をゴム又は合
成樹脂をシート状に加工した防水シート1を用いた場合
について、図11,12によって、廃棄物貯留穴2に防水層
を形成した様子を以下に説明する。
【0003】一般に貯留穴2は、開口部面積が例えば
ヘクタールという規模に掘削したもので、底面3を平坦
に形成し、周壁を形成するダム面4を、ステップ高さh
が5m程度の段状になるように形成したものである。そ
して防水シート1は、一般に、所定の幅Wを有する長尺
の規格シートをロールにしたものを所定長さに切断して
使用する。
【0004】防水シート1を貯留穴2内に敷設するに
は、先ず底面3に、側端部aを互いに重ね合わせて防水
シート1を敷き詰める。ダム面4に敷設する防水シート
1は、通常、下端部bを、下側に敷設した防水シート1
に重ね合わせ、上端部cを図に示すように土中に埋め込
み、その上に上段のステップ5に敷設した防水シート1
の下端部bを重ね合わせ、前記同様に上端部cを地盤6
内に埋め込み、前記各重ね合わせ部分を接着又は融着
し、重ね合わせ部分から土中に水がしみ込まないように
している。なお、図11はダム面4のステップ5を2段と
したが、更に段数がある場合も同様に防水シートを敷設
すればよい。
【0005】そして図13に示すように、貯留穴2に廃棄
物7を貯留するには、先ず、底面3上に土8を30〜5
0cmほど敷き詰め、廃棄物運搬用トラック(図示せず)
が直接防水シート1上を走行しないようにする。更に当
日分の廃棄物7を投棄する際に、廃棄物7が直接ダム面
4に当たる部分には、予め土9を積み上げてから投棄す
る。この廃棄物7が生ゴミなど鳥やハエなどがたかるも
のの場合には、廃棄物7を土10で覆うことが一般的に行
われている。なお、トラックが貯留穴2内に出入りする
には、ダム面4に前記ステップ5の幅を広くした坂道
(図示せず)を設ける。
【0006】以上は、防水シートを使用して貯留穴2を
形成した場合について従来工法及び廃棄物の貯留方法を
説明をしたものであるが、その外の手段で防水層を形成
するものとしては、 土の締め固めによる不透水層を形成する方法。 粘土質の土を舗装する方法。
【0007】 コンクリートやアスファルトで舗装し
たり、モルタルやアスファルトを吹き付ける方法。 ベントナイトによる防水方法。 などの方法がある。これらの方法のうち前記及びの
方法は、透水係数kが、 k=1×10-5〜10-6cm/s 程度であるため、完全遮水工法とは言えないという本質
的難点がある。また、前記の方法は、下地の基盤整形
及び、斜面の舗装が困難であり、信頼できる方法とは言
えない。また、の方法は例えばアルカリ性高濃度溶液
による二次公害を起こしやすく、しかも斜面の施工が困
難であるという問題がある。これに対して前記防水シー
トは、製品自体は完全遮水性能が得られるので、前記
〜の方法より優れている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで前記防水シー
トは、木の根っこや石が突出するなど、下地に不良箇所
があると、穴が開いたり、防水シート接着の不良により
漏水が起こるという問題がある。したがって廃棄物最終
処分場の場合には、生ゴミ中の高BODの汚水や、有害
廃棄物からの汚染溶液が漏出し、環境汚染を起こすとい
う問題がある。また貯水池などにおいても、前記漏水問
題は、貯水効率を低下させるという問題がある。
【0009】したがって、前記漏水を防止する方法とし
て、従来から、前記防水シートの下地材として所定の厚
さ、例えば1cmの厚さ不織布をクッション材として
敷設し、固い突起物で前記シートが損傷しないよにする
ことが行われている。しかしながら、この方法は、漏水
したことを早期に検知することが不可能に近いため信頼
性に乏しいという問題があり、前記防水シートークッシ
ョン材層を複数層積層する方法が提案されている。しか
しながら、この方法はコストが高く、またメンテナンス
に手間が掛かるという問題がある。そこで、前記漏水を
早期に検知する手段として次のような提案がなされてい
る。即ち、 (1)防水シートで形成した袋内に加圧流体と圧力セン
サとを封入し、袋が破れて漏水が始まり袋内の圧力低下
をセンサが検出することにより漏水を早期に発見する特
開平1−25024号公報に記載の方法。 (2)漏水を熱に変換し、この熱を温度センサで検出し
漏水を早期に発見する特開平1−63834号公報に記
載の方法。 (3)防水シートの両側にそれぞれ電極を取り付け常時
電圧を印加しておき、電極間を流れる電流を検知して漏
水を発見する特開平4−134237号公報に記載の方
法。 (4)2枚の防水シートの間にラーメン状繊維を配置
し、シートそれぞれに電極を設け、流れる電流によりシ
ートの漏水箇所を検知し、その部分に外部から樹脂を注
入して止水する方法。などである。しかしながらこれら
の漏水検知方法は、いずれも設備費が高く、メンテナン
スに手間が掛かるなどコスト的に問題があり、なお改善
の必要が認められる。
【0010】本発明は、前記問題に着目してなされたも
のであり、廃棄物最終処分場や貯水池の防水層が損傷し
た場合に、その損傷部分から漏れ出した水で高吸水性樹
脂を膨潤させ、漏れ出した水が地盤内にしみ込むことを
防止し、メンテナンス不要にした土木用遮水工法を提供
することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
めの本発明の土木用遮水工法は、遮水すべき地盤表面
に、含水膨潤性の遮水シートをその上にゴム又は合成樹
脂からなる防水シートが被覆された状態に敷設し、前記
遮水シートをシート状基材とカバーシートとの間に粉粒
状の高吸水性高分子物質を200〜3000g/m2
割合で配置すると共に、該カバーシートと前記シート状
基材とを面内の全域にわたって互いに結合させて前記高
吸水性高分子物質を担持するように構成したことを特徴
とするものである。
【0012】前記遮水シートを敷設するに際し、遮水シ
ートと地盤表面との間に水不浸透性のシートを敷設し、
その上に前記遮水シートを敷設することができる。更
に、遮水シートより周囲がはみ出す大きさの水不浸透性
シートを敷設し、その上に遮水シートを敷設し、その上
を防水シートで覆い、前記はみ出し部分の防水シートを
その下側の防水シート又は水不浸透性シートと接着し、
前記遮水シート層をブロックに分けて形成することがで
きる。このようにすると防水層が損傷し遮水シート内に
水が侵入しても、それが全体に及ぶことを防止すること
ができる。ブロックの幅及び長さには特に限定はない
が、幅5〜10m、長さ10〜200mなどとすること
ができる。
【0013】前記高吸水性高分子物質は、膨潤状態で変
質せず、環境に悪影響を与えないものであれば特に限定
はないが、例えば、セルロース・アクリルニトリル重合
体、デンプン・アクリルニトリル重合体などの天然系の
もの、アクリル酸・ビニルアルコール共重合体、アクリ
ル酸ソーダ重合体、アクリル酸ソーダ・アクリルアミド
共重合体、ポリエチレンオキサイド変成物、イソブチレ
ン・無水マレイン酸共重合体などの合成系のものがある
が、土中、特に湿潤した土中で分解しにくい点で合成系
のものが好ましい。
【0014】前記シート状基材は、可撓性シートであ
り、輸送、敷設などに要求される強度を有し、土中で変
質しにくいものであれば特に限定はない。好ましいシー
ト状基材としては、不織布又は繊維を織編したもの、シ
ート状スポンジや合成樹脂網など連通性の多孔質材料で
あり、これらは高吸水性高分子物質が孔内に入り込み安
定したものが好ましい。使用しうる繊維としては、特に
限定はないが、好ましいものとしてはポリエチレンテレ
フタレート繊維、ポリプロピレン繊維、木綿、ヤシ繊維
などである。
【0015】前記カバーシートは、前記シート状基材と
同じ素材を使用してもよく、その他の合成樹脂フィルム
又はシートを使用することもできる。前記シート状基材
とカバーシートとのいずれも不織布を使用し、これらを
ニードルパンチにより互いの繊維を絡ませて連結する場
合には、長繊維材料を使用することが強度などの点で好
ましい。またシート状基材とカバーシートとを機械的に
連結させる他の手段として、例えばキルティングのよう
に両者を縫い付ける手段などを適宜用いることができ
る。また、前記シート状基材とカバーシートといずれ
も熱可塑性樹脂又は繊維からなる場合に、シート状基材
上に前記高吸水性高分子物質を散布し、その上をカバー
シートで覆い、シート状基材とカバーシートとを熱圧着
(熱融着)させて連結させることができる。
【0016】高吸水性高分子物質を固体として扱う場合
には粉状とするが、この場合の粉状とは、細かな粒子と
した状態を意味し、特に粒子径に限定はなく、水に触れ
て容易に膨潤できる程度であればよく、また粒子径が揃
っていなくともよい。
【0017】高吸水性高分子物質の使用量は、使用する
高吸水性高分子物質の吸水倍率、吸水膨潤速度、シート
状基材に担持させる方法などで異なるが、200〜30
00g/mの割合でシート状基材に担持させる必要が
あり、200〜1500g/mがより好ましい。高吸
水性高分子物質の使用量が200g/m以下では本発
明の目的としている遮水効果が発揮されず、また300
0g/mを越えると、必要以上にシートの膨潤圧が高
くなり不経済となる。
【0018】前記ゴム又は合成樹脂からなる防水シート
は特に限定はないが、一般には従来から使用される防水
シート、例えば天然又は合成ゴムシート、可撓性の合成
樹脂、例えば塩化ビニールシート、ポリエチレンシー
ト、アスファルト系シート、不飽和ポリエステル系など
の防水シートを使用することができる。これらのシート
により防水層を形成した上を、更にモルタルなどによる
保護層を設けることができる。
【0019】本発明の土木用遮水工法は、廃棄物最終処
理場、貯水池、堤防などの遮水層を形成することに適用
することができるが、本発明はこれらに限定されること
なく、その他の土木用遮水工事に有利に適用することが
できる。
【0020】
【作用】前記高吸水性高分子物質は、通常、水を吸収し
て体積が600〜1000倍に膨張することができる。
しかしながらシート状基材に担持された高吸水性高分子
物質は、防水層、水又は廃棄物などの堆積層などの圧力
により、自由体積状態にない。したがって、自由膨張が
できない状態では高吸水性高分子物質同士が互いに密着
し、隙間が全くない状態となるので強力な遮水層を形成
することがてきる。更に、シート状基材とカバーシート
とを互いに連結した場合には、前記膨潤の際の閉塞状態
が更に高まるので遮水効果は更に向上する。
【0021】したがって、防水層の下に前記遮水シート
を敷設する本発明の土木用遮水工法は、何らかの原因で
防水層に穴が開いたり亀裂が生じたりして漏水が始まる
と、その下に敷設された高吸水性高分子物質が膨潤し、
ゲル化して不透水層を形成することで、強固な遮水作用
を発揮させ、メンテナンスを不要にした遮水層を形成す
ることができる。
【0022】前記シート状基材に高吸水性高分子物質を
担持させる前記手段は、高吸水性高分子物質による均一
な遮水層を形成する。また、シート状基材に不織布など
多孔質素材を使用した場合には、クッション性が得ら
れ、防水シートなどの防水層を保護する作用が得られ
る。前記水不浸透性シートは、シート状基材を通して地
盤に含まれる水や、地表に溜まった水で高吸水性高分子
物質が膨潤することを防止し、漏水が起こらない限り長
期に渡り高吸水性高分子物質を乾燥状態のまま保持する
ことができる。
【0023】以下遮水シートの性能を実測した結果を示
す。遮水シート仕様 : シート状基材:ポリエステルスパンボンド不織布 厚さ5mm、160g/m 高吸水性物質:ST−500D70g/m カバーシート:ポリエステルスパンボンド不織布 厚さ3mm、300g/mのもの2枚使用 連結方法 :ニードルパンチによりシート状基材とカバ
ーシートとを連結水圧試験: 試験方法:遮水シートを目皿で挟み、一方の側から水圧
を掛けて漏水テストを行った。 結 果: i)水圧3.0kg/cm、24時間経過で漏水な
し。
【0024】ii)遮水シートに貫通穴を開けた場合 穴開け用具: 直径1mmの針金 直径6mmの
ドライバー 結 果: 用具刺したまま:針金、ドライバー共に、3.0kg/
cm で異常なし 貫通後引き抜き:針金、ドライバー共に、0.5kg/
cm で異常なし 以上の結果から本発明に係わる遮水シートの遮水能力は
極めて高いことが分かる。
【0025】なお、前記使用の高吸水性高分子物質は、
廃棄物最終処分場から出る通常の汚水に含まれる有害成
分に対し変質しないことが確認したものを使用した。シ
ート状基材に不織布などクッション性のあるものを使用
した場合には、防水層を保護する作用を得ることができ
る。
【0026】
【実施例】以下添付の図面を参照して実施例により本発
明を具体的に説明する。図1〜2によって前記作用の項
で説明した遮水シート11の製造法を説明する。即ち、
不織布から成るシート状基材12の上に高吸水性高分子
物質(粉末)13を散布し、その上を不織布から成るカ
バーシート14で覆い図2のの積層物を形成する。な
お、前記シート状基材12及びカバーシート14は、図
2に示すように、それぞれ互いに繊維16,17(識別
を容易にするため繊維16を太く記載している)を絡ま
せてフェルト状としたものである。また前記ニードル1
は、先端に複数の突起18を下に向けて突設した形状
をしている。
【0027】前記図2のの状態の積層物を、図2の
に示すように、ニードル15で突き刺すと、突起18が
シート状基材12及びカバーシート14内の繊維16,
17を引っかけて下方に引っ張り出し、次いでニードル
15を引き抜くと、引っかけられた繊維16は突起18
から離れると共に互いに絡まる。そして下向きに突設さ
れた突起18は、今度は繊維16,17を引っかけるこ
となく元の位置に戻り、シート状基材12とカバーシー
ト14とが縫合される。この操作を、多数のニードル1
を使用し、遮水シート11の全面に連結部を形成する
ことにより、シート状基材12とカバーシート14と
は、容易には引き剥がせないように密着し、強固に高吸
水性高分子物質13粉末を担持することができる。
【0028】このように形成した遮水シート11に水を注
ぐと、外力で両側から押さえなくとも、膨潤した高吸水
性高分子物質13は嵩高に膨れることなく、粒子同士を密
着させ、強力な遮水層を形成し、前記作用の項で説明し
た遮水性能を発揮させることができる。前記遮水シート
11は、例えば幅が1〜2m、長さが10〜200mの長
さとし、ロール状で保存する。
【0029】次に図3〜6によって実施例1の施工法を
説明する。図3は貯留穴2のダム面4から底面3に掛け
て敷設した場合について図示したものであり、地盤6の
上に幅広の水不浸透性シート19を敷き、その上に遮水シ
ート11(例えば幅は1m)を敷設し、更にその上に水不
浸透性シート19(例えば幅Aが5〜10m、長さBが1
0〜200m)と同様の大きさの防水シート1を敷設
し、遮水シート11からはみ出した防水シート1の周囲の
耳部dを、水不浸透性シート19又は別ブロックの防水シ
ート1に接着したものである。遮水シート11の敷設方法
及び前記接着方法の様子を図5〜6に示す。実施例で使
用した水不浸透性シート19は、布の両面に軟質合成樹脂
を被覆したものを使用したが、通常の防水シート1を使
用することもできる。
【0030】図4において、水不浸透性シート19の上に
遮水シート11を所定の幅A(通常5〜10m程度)、長
さB(通常10〜200m程度とし、A×Bの遮水シー
ト11の層をブロックという)となるように敷き詰め、そ
の上に遮水シート11を覆って防水シート1を重ね合わ
せ、遮水シート11層の外側にはみ出した端部を水不浸透
性シート19に直接重なるように重ね合わせ(重ね幅
1 :通常50〜200mm程度)、この部分を接着又は
融着により密封する。次いで、前記遮水シート11層の前
記ブロックの端部が、下層となる遮水シート11と重なる
ように次のブロックの遮水シート11層を重ねる。前記二
つのブロックの重ね幅W2 は通常50mm以上とする。そ
して、重ね合わせた前記第2ブロックの遮水シート11層
の上を前記と同様に防水シート1で覆い、はみ出した部
分を下の層に重ね合わせ、接着又は融着により密封す
る。この場合下の層は、防水シート1の場合と水不浸透
性シート19の場合とがあり、接着方法はそれぞれに適当
な方法を採用する。このようにして、互いに防水シート
1及び水不浸透性シート19によって遮断され、且つ互い
のブロックの遮水シート11が必ず重ね合わされた遮水層
を形成する。以上の操作を繰り返し、貯留孔2全体に渡
って遮水層を形成する。
【0031】なお、遮水シート11は十分幅広のものが供
給されない場合には、図5に示すように、2枚の遮水シ
ート11を直接接触させて重ね合わせ(重ね幅W2 )、連
続層を生成すればよい。また、水不浸透性シートも、途
中で繋ぐ場合には、図6に示すように、重ね幅W3 を通
常50〜200mm程度として連続させ、この部分を所定
の接着方法により水がしみ込まないように密着させる。
防水シート1を途中で接続する場合も前記に準じて繋ぎ
合わせる。
【0032】以上のように形成した遮水層の作用を以下
に説明する。いま何らかの原因で図3の貫通穴Pの遮水
層に穴が開き、ここから漏水が始まったとする。前記作
用の項で説明したように、防水シート1、遮水シート11
及び水不浸透性シート19のいずれにも貫通穴が開いた場
合でも、遮水シート11中の高吸水性高分子物質13が遮水
し、以後高吸水性高分子物質13は膨潤状態を続けるの
で、半永久的に漏水を防止することができる。しかも、
貫通穴Pが開いたブロック以外のブロックには漏水した
水は侵入しないので、乾燥状態を保つことができる。
【0033】以上のようにブロックごとに遮水層を形成
する手段は、前記効果と同時に、工事中に雨などにより
遮水シート11が濡れることを防止することができると
いう効果がある。遮水シート11の上に敷設する防水シ
ート1の代わりに例えば水不浸透性シート19を使用
し、その上に防水シート1を重ねるなど、本発明方法
は、実施例1の手段を適宜変形して実施することができ
る。
【0034】実施例1の土木遮水工法は、施工現場で三
重構造の遮水ブロックを形成したが、図7〜10に示す実
施例2の土木遮水工法は、予め三重構造のブロックに形
成した遮水シート11を使用したものである。即ち、図7
に示すように、車両で運搬可能な幅、例えば幅5〜10
mで、運送可能な大きさ、例えば10〜200mに形成
したもので、図8に示すように、遮水シート11からはみ
出させた部分の防水シート1と水不浸透シート19の周囲
の耳部dを接着又は融着し、布団状の遮水シート組立体
20としたものである。
【0035】前記布団状の遮水シート組立体20の施工方
法は、図10に示すように、一方の端部の上に他方の端部
を重ね、重ね合わせた部分を接着させることにより、一
挙に遮水層を形成することができる。この実施例2の土
木用遮水工法は、工事途中で雨が降るような場合にも、
遮水シート11が雨で濡れる心配がなく、工事管理を容易
にする。なお、図7,8から理解されるように、実施例
2の遮水シート組立体20は、水不浸透性シート19側が平
らになるように形成したが、これは本発明にとって本質
的ではなく、防水シート1と水不浸透性シート19とを互
いを寄せるように接合させるなど、他の手段によって組
み立てることができる。なお、各シートの重ね幅は、図
4〜6によって説明したものと同様とすることを目安と
する。
【0036】なお、本発明は、このようにブロック状に
施工しないで実施すること、及び水不浸透性シート19を
使用しないで施工すること、また防水シート1の上にコ
ンクリートブロックを置いたり、モルタルなどの保護層
を設けたりすることなど、適宜変形して実施することが
できる。
【0037】
【発明の効果】以上説明した本発明の土木用遮水工法
は、遮水シートのシート状基材とカバーシートとの間に
多量の高吸水性高分子物質を配置し、これらカバーシー
トとシート状基材とを面内の全域にわたって互いに結合
させることで高吸水性高分子物質を担持させ、その上に
防水層を形成するようにしたので、防水層が損傷し、漏
水が生じた場合でも、前記高吸水性高分子物質が漏水し
た水などで膨潤してゲル化し、強固な遮水層を形成し、
漏水を防止することができる。しかも遮水シートのメン
テナンスが不要であるので、メンテナンスが困難な廃棄
物最終処分場や貯水池などの漏水防止手段として効果的
に使用することができる。
【0038】また前記遮水シートをブロックに分け、そ
れぞれ防水シート及び水不浸透性シートによってくるむ
ように遮水層を形成する方法は、遮水工事中に雨で遮水
シートが濡れることを最小限度に押さえることができ
る。また、防水シート及び水不浸透性シートによって遮
水シートをくるんだ三重構造としたものを使用する場合
には、工事途中の雨で遮水シートの水濡れを完全に防止
することができる。また、シート状基材に不織布などク
ッション性のある素材を使用した場合には、その上の防
水層、特に防水シートを損傷から保護する効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に使用した遮水シートの分解斜
視図である。
【図2】図1の遮水シートを形成する過程を説明する図
である。
【図3】本発明の実施例1の土木用遮水工法を説明する
ための斜視図である。
【図4】図3のIV−IV線断面図である。
【図5】図3のV−V線断面図である。
【図6】図3のVI−VI線断面図である。
【図7】本発明の実施例2に使用した遮水シート組立体
の斜視図である。
【図8】図7のVIII-VIII 線断面図である。
【図9】図7のIX−IX線断面図である。
【図10】図7の遮水シート組立体を施工した場合の部分
断面図である。
【図11】従来の廃棄物最終処分場の概要を説明するため
の部分断面図である。
【図12】図11の部分平面図である。
【図13】図11の廃棄物最終処分場に生ゴミなどの廃棄物
を貯留する際の要領を説明するための断面図てある。
【符号の説明】
1 防水シート 2 貯留穴 6 地盤 11 遮水シート 12 シート状基材 13 高吸水性高分
子物質 14 カバーシート 15 ニードル 16 繊維 17 繊維
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中尾 昭夫 東京都中央区日本橋室町2丁目2番1号 東レ株式会社東京事業場内 (72)発明者 松本 修一 神奈川県鎌倉市大船1993番地の18 (72)発明者 神徳 守 神奈川県横浜市保土ケ谷区星川3丁目2 番7号 (56)参考文献 特開 平4−128410(JP,A) 特開 平5−1408(JP,A) 特開 平1−111999(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02B 3/12,3/18 B09B 1/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遮水すべき地盤表面に、含水膨潤性の遮
    水シートをその上にゴム又は合成樹脂からなる防水シー
    トが被覆された状態に敷設し、前記遮水シートをシート
    状基材とカバーシートとの間に粉粒状の高吸水性高分子
    物質を200〜3000g/m2 の割合で配置すると共
    に、該カバーシートと前記シート状基材とを面内の全域
    にわたって互いに結合させて前記高吸水性高分子物質を
    担持するように構成した土木用遮水工法。
  2. 【請求項2】 前記地盤表面と前記遮水シートとの間に
    水不浸透性シートを敷設する工程を有する請求項1の土
    木用遮水工法。
  3. 【請求項3】 前記水不浸透性シートと前記防水シート
    とを前記遮水シートの周縁よりはみ出すように形成し、
    該はみ出し部分を互いに接着して該遮水シートをブロッ
    ク状に形成する請求項2の土木用遮水工法。
  4. 【請求項4】 前記シート状基材と前記カバーシート
    不織布で形成し、該シート状基材の繊維と該カバーシ
    ートの繊維とをニードルパンチにより互いに絡合させた
    請求項1,2又は3の土木用遮水工法。
  5. 【請求項5】 前記シート状基材と前記カバーシート
    熱可塑性樹脂又は繊維から形成し、該シート状基材と
    カバーシートとを熱融着により互いに連結させた請求
    項1,2又は3の土木用遮水工法。
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