JP2502779C - - Google Patents

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JP2502779C
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はプリンタやデジタルコピア、ファクシミリなどに用いられ、電気信号
に応じて所望の画像または文字などを記録用紙上に記録するための記録方法及び
記録装置、特にカラー記録に有利な記録方法およびこれを用いた記録装置に関す
るものである。 従来の技術 近年、プリンタ等に用いられる記録方式として、特公昭62−47717号公
報や、特公昭63−50198号公報に示される如き、サーマルヘッドとインク
シートを用いた熱転写記録方式が実用化されている。以下、このような熱転写記
録方式を用いた従来の記録装置の一例について説明する。第4図は従来の記録装
置の構成図である。第4図において、51はサーマルヘッドであり記録用紙53 の幅方向に列状に配列した多数の発熱抵抗素子59を有している。54はインク
シートでありフィルム状基材の上に熱溶融性または熱軟化性(以下熱溶融性で代
表する)のインクが塗布されている。サーマルヘッド51はインクシート54の
インク面を記録用紙53と合わせた状態でプラテン52に押し当ててある。この
状態で、プラテン52、記録用紙53、及びインクシート54をそれぞれ矢印の
方向へ移動させながら記録信号にしたがって発熱抵抗素子59を発熱させてこれ
に対向した部分のインクを溶融または軟化(以下溶融で代表する)し記録用紙5
3に付着した後、インクシート54を記録用紙53から引き離しインク像55を
記録用紙53上に形成する。 発明が解決しようとする課題 しかしながらこのような従来の記録装置では、表面平滑性の悪い紙にはインク
が付着しにくくインクの抜けが多く画質が良好でない。特に特公昭63−501
98号公報に示すようなカラーの色重ね記録を行う場合に於いては、後から乗せ
る色ほどインク自身が作る凹凸により記録紙上に付着しにいく。また記録用紙が
ずれやすく色の位置合わせ精度が出しにくい。等の課題を有している。 また、普通紙への記録特性を改善する方法として、特公昭59−16932号
公報に示されるように、中間媒体上に一旦インク像を形成し、これを再度記録用
紙上に転写する方法もあるが、この場合中間媒体上のインクの記録用紙上への転
写率が低く、その結果中間媒体上に未転写のインクが多量に残留し、これをクリ
ーニングする事が困難であった。 また、記録と転写工程の間で中間媒体を加熱冷却を繰り返す必要があるためエ
ネルギー効率が悪い等の課題があった。本発明は上記の課題に鑑み、表面平滑性
の低い記録用紙に対しても良好な品質の画像を記録できるとともに、簡単な構成
で安定した動作が可能な記録装置を提供することを目的とする。 また、カラー記録において良好な色重ねと各色の位置合わせを高精度に行うこ
とができ、簡素な構成で高品質のカラー画像を記録できる記録装置を提供するこ
とを目的とする。 また、従来の中間転写媒体を用いた方式に比べエネルギー効率の良い記録装置
を提供することを目的とする。 課題を解決するための手段 2色以上の熱溶融または熱軟化性のインクが塗布されたインクシートと、弾力
性を有する中間転写媒体と、前記インクシートを前記中間転写媒体に押圧すると
ともに前記インクシートを加熱し前記中間転写媒体に対しインクを選択的に溶融
付着させる熱像形成手段と、前記熱像形成手段による熱像形成の後に前記インク
シートを前記中間転写媒体から剥離するインクシート駆動手段と、インク像の形
成された前記中間転写媒体に記録用紙を圧接する圧接転写手段と、前記インクの
凝集強度が前記インクと前記中間転写媒体の間の付着力よりも大であり、かつ前
記中間転写媒体上に記録されたインク像が軟化して記録用紙に付着可能となる所
定の温度に前記中間転写媒体を加熱保温する加熱保温手段を備え、 前記加熱保温手段により加熱保温された前記中間転写媒体に前記熱像形成手段に
より前記インクシート上のインクを転移させてインク像を形成する動作を各色の
インクに対して繰り返し行うことで前記中間転写媒体上に複数色のインク像を重
ねて形成した後、前記圧接転写手段によって前記インク像に記録用紙を圧接して
前記インク像を記録用紙上に付着転写させるよう構成された記録装置。 作用 本発明は上記したように、中間転写媒体を用いてこの上にインク像を形成しこ
れを記録用紙に転写する方式であるため、転写時においてインク像を表面の粗い
紙にもよく倣い転写させることができるためボイドの少ない良好な画質が得られ
る。また、中間転写媒体上に多色のインク像を重ねて記録し、これを一度に記録
用紙上に転写する構成であるため色ずれの少ない良好なカラー画像を記録できる
。また、紙送りに関連する機構を簡素化できる。さらには、加熱保温された中間
転写媒体上にインク像を記録するので小さなエネルギーで記録が可能でありかつ
、記録工程と転写工程を通じて中間転写媒体を保温しておくのみであり加熱冷却
を繰り返す必要がないためエネルギーのロスが小さく装置の構成も簡素化できる
。また、中間転写媒体にシリコーンゴムを用いることによって転写におけるイン
クの離型性が良好となり中間転写媒体上に未転写のまま残留するインクをほぼ完
全に無くすことができ中間転写媒体のクリーニングの頻度を極めて少なくできメ
ンテナンスも不要となる。 実施例 以下本発明の一実施例について、図面を参照しながら説明する。第1図は本発
明による一実施例としての記録装置の構成図であり、第2図は第1図に示す本発
明による記録装置の作像部の説明図、第3図は本発明による記録装置に用いる一
実施例としてのカラーインクシートの外観図である。第1図および第2図におい
て1は回転自在に保持された転写ドラムであり、記録用紙30のほぼ一画面に相
当する幅と周長を有するものでアルミ管4の外周にシリコーンゴム層2を形成し
たものである。シリコーンゴムの公知例としては米国特許公報3554836号
に記載されたものがある。ゴムの硬度としては30〜70度、ゴム厚としては0
.2mm以上であることが望ましいが、本実施例においてはゴム強度50度、ゴ
ム厚1mmのものを用いている。転写ドラム1の内部には転写ドラム1のほぼ全
長に相当する長さを有する赤外ランプ6を配置し、転写ドラム1の外周にはシリ
コーンゴム層2の表面温度を検知するためのサーミスタ8が画像を形成する部分
の外側に接触して設置されている。なお、この赤外ランプ6とサーミスタ8はそ
れぞれ温度制御回路24に接続されており、温度制御回路24はサーミスタ8の
検知する温度に応じて赤外ランプ6をON,OFFしてシリコーンゴム層2の表
面温度を所定の一定温度に保つように構成してある。第1図および第2図におい
て、3はインクシートであり、厚さが3〜9μm程度のプラスチックフィルムか
らなる基材31に熱溶融性のインク33が離型装置32を介して一様に塗布され
てなる。離型層としては溶融粘度が比較的低く離型性のよいワックスなどが用い
られる。熱溶融性インクとしては従来から用いられている天然または合成ワック
スやポリアミド樹脂、ポリアクリル樹脂等の熱可塑性樹脂をバインダーとして、
これにカーボンブラックやその他の着色材を分散したものを用いており、第3図
に示すようにシアン、マゼンダ、イエローの3原色(必要に応じてブラックを含
む)を面順次にくり返して塗布したものである。熱溶融性インクの融点としては
好ましくは50〜160℃、融点の不明確なバインダーを用いたインクについて
は環球法による軟化点が40〜180℃程度のものが用いられるが、本実施例に
おいてはワックスと熱可塑性樹脂の混合物を主バインダーとして融点68℃(D
SCによる融解ピーク温度)、融点における溶融粘度10万Pのものを用いてい
る。 10はサーマルヘッドであり、転写ドラム1の幅方向に多数配置された発熱素子
列13を有し、インクシート3を挟んで転写ドラム1に離接可能に保持されてい
る。記録時にはサーマルヘッド10が転写ドラム1を圧接した状態で転写ドラム
1とインクシート3はそれぞれ図示しない駆動手段により矢印方向に回転ないし
巻き取り駆動がなされるよう構成されている。16は転写用の圧接ローラであり
、レバー18により回転自在に保持されている。19は圧接ローラ16を転写ド
ラム1に押圧するためのばねである。圧接ローラ17は図示しない駆動機構によ
り通常は転写ドラム1から離れた位置に保持されており、転写時に記録用紙30
が挿入されると記録用紙30を挟んでインク像20の形成された転写ドラム1に
記録用紙30を圧接しながら転写ドラム1の回転にしたがって記録用紙30を順
次矢印の方向に送り出して行くように構成されている。次に動作の説明をする。
まず、装置の電源がONになると温度制御回路24が動作を始め赤外ランプ6が
点灯されて転写ドラム1を加熱し始める。シリコーンゴム層2の表面温度が所定
の温度に達するとその後は赤外ランプ6を適宜ON,OFFして転写ドラム1の
表面の温度は常時一定温度に保たれる。この転写ドラム1表面の保温温度は使用
するインクの特性や転写ドラム1の表面の材質、記録の条件などによって適正な
値は異なるが本実施例では70℃に保たれている。次に記録指令が入力されると
サーマルヘッド10がインクシート3を挟んで転写ドラム1を圧着し、同時に転
写ドラム1とインクシート3がそれぞれ矢印方向に移動を始める。この状態で順
次記録信号が発熱素子列13に入力されると加熱された部分に接するインクが他
の部分より顕著に溶融状態(低粘度)になり転写ドラム1の表面に付着する。そ
の後第2図に示されるようにインクシート3が直ちに転写ドラム1から引き離さ
れる。サーマルヘッド10によって加熱されない部分は転写ドラム1に接触して
融点近傍まで加熱され軟化するが、転写ドラム1の表面がシリコーンゴムであり
インクとの付着力が弱く、この付着力より融点近傍でのインクの凝集力および基
材31側への付着力のほうが高いため転写ドラム1側に転移することはない。一
方、サーマルヘッド10によって加熱溶融された部分のインクは他の部分より十
分に低粘度状態を保っているためインクの凝集力が付着力に負けて容易にインク
シート3から分断された転写ドラム1の表面にインク像20として転移される。
なお、 インクは層内部で凝集破壊する形態でもよいが、本実施例においては離型層32
を設けこの部分でインクが基材31から分離される形態としている。離型層32
はサーマルヘッド10によって転写ドラム1の保温温度以上に加熱されたときに
急激にその粘度が低下し離型効果を発揮する材料を用いている。このような構成
にすることによってインクとシリコーンゴムとの付着力が弱いものであってもイ
ンクを転写ドラム1側に転移しやすく微小ドットの記録も容易になる。またイン
ク像20の膜厚も均一になり安定した濃度が得られる。サーマルヘッド10によ
って加熱されたインクは加熱が終わると急速に温度が降下し始めるが、インクの
温度ができるだけ高い間にインクシート3を転写ドラム1から分離することが必
要であり、本実施例においては発熱素子列13をサーマルヘッド10の右端面(
インクを転写ドラム1から分離できる位置)から160μm(約2ラインピッチ
)左の上端面に形成し、記録スピードを50mm/秒として加熱後約3msec
で分離できるよう構成している。以上述べたようにインク像20の作像を順次行
い転写ドラム1が一回転して一色目(シアン)の記録を終えると、次に二色目(
マゼンダ)のインクがサーマルヘッド10の位置にきて記録を始める。二色目の
インク像は一色目のインク像20が形成された転写ドラム1の上に一色目と同様
のプロセスで順次記録がなされて行く。転写ドラム1が二回転して二色目の記録
を終えると次に三色目(イエロー)の記録、必要によって四色目(ブラック)の
記録というように転写ドラム1の上に多色のインク像20を重ね書きしてカラー
像を形成する。このように転写ドラム1上にカラーのインク像20を形成し終え
ると、記録用紙30が供給されるとともにカラーのインク像20の上に記録用紙
30を挟んで圧接ローラ16が転写ドラム1に押しつづけられ、転写ドラム1の
回転にともなって記録用紙30が矢印方向に順次送られて行く。圧接ローラ16
によって記録用紙30が転写ドラム1に押しつけられると、転写ドラム1の保温
温度70℃に加熱されたインク像20は軟化して接着力を有しているため記録用
紙30に付着し、次に転写ドラム1から記録用紙30が分離されるとインク像2
0は転写ドラム1表面から剥離されて記録用紙30に転写される。このとき転写
ドラム1の表面に形成されたシリコーンゴム層2は柔軟性と良好な離型性を有し
ているため、インク像20が紙面の凹凸によく倣い紙前面にインクがよく付着 するとともにインク像20はほぼ100%剥離されて記録用紙30に忠実に転写
される。なお本実施例においては二色目以降の記録においては、すでに記録され
て転写ドラム1の上にあるインク像20にインクシート3を重ねて行くが、この
とき転写ドラム1上のインク像20がインクシート3に付着してインクシート3
側に転写されてしまうことがないよう、しかも転写時には被転写材に付着し十分
に定着力が得られるよう転写部の記録用紙30と転写ドラム1の接触圧力と、記
録部のサーマルヘッド10と転写ドラム1の接触圧力とに差を設けた構成をとっ
ている。インクの付着力は接着対象物によっても異なるが一般に被記録材となる
紙やPETフィルム等に対する付着力は非常に大きくインク自身に対する付着力
とほぼ同じである。このインクのこれら接着対象物に対する付着力は、インクと
接着対象物との相互の接触圧によって異なり、接触圧が高くなるほど接着力は高
くなるが、接触圧力を低くして一定圧力以下にするとすでに付着しているインク
像20と転写ドラム1の表面の接着力より低い値となり、インク像20にインク
シート3を重ねてもインクシート側にインク像20が転写しない条件を作り得る
。この付着力と接触圧との関係は用いるインクの材料特性、特に転写ドラム1の
保温温度におけるタック性や粘度によって異なるが、本実施例では前述したイン
クを用い、かつサーマルヘッド10と転写ドラム1との接触圧を最大値で3Kg
/cm2とし、圧縮ローラ16と転写ドラム1の接触圧を最大値で16Kg/c
2に設定することによって良好な転写定着性と、転写ドラム1上へのインク像
の重ね書きを両立させることができた。なお、この転写部の接触圧力は表面が平
滑な記録用紙(例えばベック平滑度300秒程度の紙)を用いる場合には10K
g/cm2程度でも十分であるがボンド紙など低平滑度の記録用紙にほぼ100
%に近い転写率で転写を行うにはできるだけ高い値であることが望ましい。また
、記録部におけるサーマルヘッド10と転写ドラム1との接触圧力は5Kg/c
2以上になるとインク像20が部分的にインクシート3の側に剥ぎ取られ始め
る。カラーインク像の重ね記録と記録紙への転写定着を安定して行うには両者の
接触圧力を1対2以上に設定しておくことが必要である。次に転写ドラム1の保
温温度が転写性と重ね書きに及ぼす影響を調べた。まず、転写ドラム1上にイン
ク像20を形成した後、圧接ローラ16で記録用紙30を約16Kg/cm2
圧力で押し つけ転写速度は50mm/秒として、転写ドラム1の保温温度を変化させて転写
実験を行った。なお、このときシリコーンゴム層2には信越ポリマー社製KE9
51を用いた。実験の結果、インク像20は転写ドラム1の保温温度55℃付近
から記録用紙30に対し付着性を生じ部分的に転移を始める。保温温度が60℃
になると記録用紙30との接着力がシリコーンゴム層2との接着力より完全に大
きくなりインク像20はすべて記録用紙30側に転写される。このとき記録用紙
30に転写されたインク像20の定着力もほぼ実用の範囲に入ってくる。保温温
度65℃以上では転写、定着ともに十分な結果が得られた。なお、保温温度が8
5℃以上になるとインクの強度が小さくなりすぎるためインクが切れやすく、記
録用紙30へのインクの転写率が著しく低下するので好ましくない。以上の結果
から本実施例では転写ドラム1の保温温度を70℃に設定したが60℃から80
℃の範囲であれば適応可能である。なお、インク像の転写性や定着性等は使用す
るインクの特性によって変化するものであり、従って、転写ドラム1の保温温度
は上記の値に限定されるものでなく、用いるインクに応じて適正な値に設定すれ
ばよいことは言うまでもないが、実用性を考慮すれば50℃から120℃の範囲
内にあることが望ましい。また、この転写の可能な転写ドラム1の温度範囲は、
周囲の環境温度によって変化する。これは記録用紙にインクが触れた瞬間に、イ
ンクが記録用紙によって冷やされるためであり、記録用紙の温度すなわち環境温
度が低いと適正な温度範囲は高いほうにシフトし、高くなると低いほうにシフト
する。次に、重ね書きの実験を行った。重ね書きを行う場合には転写ドラム1の
温度が高すぎると転写ドラム1とインクシート3との接触圧を低くしても、イン
ク像20がインクシート側に付着し逆転写してしまうため、保温温度は転写定着
が可能な範囲でできるだけ低い値に設定するのがよかった。上記実験では環境温
度25℃において、保温温度75℃まで重ね書きが可能であったが、この重ね書
きが可能な上限の温度も環境温度によって変化する。これもインクシート3やサ
ーマルヘッド10が環境温度によってその温度が異なり、インクシート3が転写
ドラム1上のインク像に接触した瞬間にインク像の温度を若干下げる効果がある
ためで、環境温度が低いと、重ね書きのできる転写ドラム1の上限の温度は高く
なる。従って、本実施例では保温温度を環境温度にかかわらず一定としたが、環 境温度を検知する検知手段を設け、その結果に応じて予め定めた温度に転写ドラ
ム1の保温温度を制御してやれば、転写と重ね書きが両立できる温度範囲に余裕
ができ、転写ドラム1に加熱による多少の温度ムラなどが生じても安定した重ね
書きと転写を行うことが可能となる。なお、本実施例においては、インクシート
3に3色または1色のインクを面順次に塗工したものを用い、一本のサーマルヘ
ッドで転写ドラムを複数回回転させてカラー記録を行ったが、それぞれ単色塗工
されたカラーインクシートを複数本用い各色のインクシートごとにサーマルヘッ
ドを対応させ転写ドラムの周囲に配置し、同期に多色の記録を行う構成とするこ
とも可能である。また、中間転写媒体としての転写ドラム1もドラム形状ばかり
でなくローラー間に掛け回した無端ベルト状にすることも可能である。さらに、
サーマルヘッド10についてもこれに限定されるものではなく、抵抗シートとマ
ルチスタイラスヘッドを備えた通電記録方式や、レーザー光による加熱なども可
能である。また、単色記録する場合には、転写ドラム1の直径を30〜50mm
程度にして記録後直ちに転写を行う構成にして装置の小型化、熱効率の向上を計
ることもできる。このような構成でカラー記録を行う場合には、記録用紙を各色
の記録ごとに往復移動させて、転写ドラム1上にはインク像を重ね書きすること
なく、記録用紙上にカラーインク像を形成すればよい。 発明の効果 以上説明したように本発明の記録装置は、中間転写媒体を、インクの凝集強度
がインクと中間転写媒体の間の付着力よりも大であり、かつ中間転写媒体上に記
録されたインク像が軟化して記録用紙に付着可能となる温度に加熱保温しておき
、この加熱保温された中間転写媒体にインクを接触させて、この接触部のインク
をサーマルヘッド等の熱像形成手段でさらに選択的に加熱した後、インクを分離
して中間転写媒体上にインク像を形成し、その後、このインク像に記録用紙を圧
接してインク像を中間転写媒体から記録用紙上に転写するものである。従って、
インクを紙に直接記録する方式に比べて、弾力性のある中間転写媒体でインクを
紙に倣わして転写を行うので、表面平滑度の低い紙にも良好な像の記録ができる
。また、中間転写媒体の像の形成部と、像の紙への転写部との間に温度差を設け
る必要がなく中間転写媒体を加熱保温しておくだけでよいので装置を構成する上
で 非常に簡素なものが実現でき、しかも、中間転写媒体の加熱冷却を周期的にくり
返す必要がないためエネルギー効率が非常によい。また、インクは中間転写媒体
によって軟化する温度まで予熱されるので、サーマルヘッドに投入するエネルギ
ーも非常に小さくできるし、インク像形成部において、サーマルヘッドによって
いったん加熱されたインクは冷却されにくく、そのためインクの粘度が低いうち
にインクを中間転写媒体から分離する上で有利になる。さらに、中間転写媒体に
離型性にすぐれたシリコーンゴムを用いることによって、インクが中間転写媒体
に接触する作像部において、インクが軟化して付着性を生じてもサーマルヘッド
でさらに加熱されないかぎり中間転写媒体に付着してしまうことはなく、加熱さ
れた中間転写媒体上へインク像の形成が可能となり、しかも転写部においては容
易に中間転写媒体から剥離されるので記録プロセスの安定度が高まり、100%
近い転写率が得られ中間転写媒体のクリーニング等も無くすことができる。また
、中間転写媒体上に異なる色のインクを重ねて記録した後、転写を行う方式を用
いることによって各色の位置合わせが容易になり、かつ、記録用紙への像の転写
が一回で済み動作が安定かつ簡素になる。さらに、転写部の記録用紙と中間転写
媒体との接触圧よりも、作動部のインクと中間転写媒体との接触圧を低く設定す
ることにより、軟化して付着性を有するインク像が形成された中間転写媒体上に
さらにインクを重ね書きすることが可能となる。また、本実施例では、インクと
して中間転写媒体の保温温度における粘度が10万P以上のものを用いたが、好
ましくは保温温度から保温温度より20℃高い温度範囲での粘度が10000c
p以上のものを用いれば、作像部においてサーマルヘッドで加熱されない部分の
インクの凝集力が強く、作業プロセスが安定して行える。また、粘度が高いため
にサーマルヘッドで押えられた部分や、転写時に記録用紙と挟まれたときにイン
クが流動しにくく忠実な像が得られる。さらには、インクが切れにくいため記録
用紙へのインクの転写率が上がり100%に近い転写率が得られる。さらに、イ
ンク33と基材31の間に離型層32を形成することによりインクの膜厚が一定
で濃度の均一なインク像を得ることができるし、溶融粘度のかなり高いインクを
用いてもインクが基材31から離れやすくすることができ、離型性のよりシリコ
ーンゴム上にインク像を形成する上で非常に有利である。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明による一実施例としての記録装置の構成図、第2図は第1図に
示す記録装置の作像工程部の説明図、第3図は本発明による記録装置に用いる一
実施例としてのカラーインクシートの外観図、第4図は従来の記録装置の構成図
である。 1……転写ドラム、2……シリコーンゴム層、3……インクシート、8……赤外
ランプ、8……サーミスタ、10……サーマルヘッド、13……発熱素子例、1
6……圧接ローラ、20……インク像、30……記録用紙、31……基材、32
……離型層、33……インク。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】2色以上の熱溶融または熱軟化性のインクが塗布されたインクシ
    ートと、弾力性を有する中間転写媒体と、前記インクシートを前記中間転写媒体
    に押圧するとともに前記インクシートを加熱し前記中間転写媒体に対しインクを
    選択的に溶融付着させる熱像形成手段と、前記熱像形成手段による熱像形成の後
    に前記インクシートを前記中間転写媒体から剥離するインクシート駆動手段と、
    インク像の形成された前記中間転写媒体に記録用紙を圧接する圧接転写手段と、
    前記インクの凝集強度が前記インクと前記中間転写媒体の間の付着力よりも大で
    あり、かつ前記中間転写媒体上に記録されたインク像が軟化して記録用紙に付着
    可能となる所定の温度に前記中間転写媒体を加熱保温する加熱保温手段を備え、
    前記加熱保温手段により加熱保温された前記中間転写媒体に前記熱像形成手段に
    より前記インクシート上のインクを転移させてインク像を形成する動作を各色の
    インクに対して繰り返し行うことで前記中間転写媒体上に複数色のインク像を重
    ねて形成した後、前記圧接転写手段によって前記インク像に記録用紙を圧接して
    前記インク像を記録用紙上に付着転写させるよう構成された記録装置。

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