JP2501985Y2 - 破砕機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、産業廃棄物、冷蔵庫、洗濯機などの粗大
ごみや自動車ボディなどの中型や大型のスクラップを破
砕する破砕機に関する。

〔従来の技術〕 この種の従来の破砕機は、実公昭61−15963号公報、
実開昭60−124641号公報等に示されるように、前側上部
寄りに被破砕物の投入口を有し、下部に破砕物の排出口
を有する破砕室内に、第１軸と第２軸、又は第３軸を加
えて、各軸を上下にずらせて配置し、各軸外周には破砕
歯を周囲に有する円板状の複数のリッパホイルを固定
し、かつ、各軸の回転数を異ならせたものである。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、この破砕機においては、軸心に対し同
一円周上の破砕歯による引き裂き作用により、破砕を行
うため、十分な破砕作用、すなわち破砕効率で問題があ
った。

この考案は、以上の点に留意し、引き裂き作用に加
え、剪断作用によっても破砕を行い得るようにすること
を課題とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記の課題を解決するために、この考案にあっては、
前述の破砕機において、各軸外周に、協働により引き裂
き作用を行う破砕歯を周囲に有する円板状リッパホイル
をそれぞれ固定するとともに、協働により剪断作用を行
うスクリュー羽根をそれぞれ固定した構成としたのであ
る。

〔作用〕

このように構成するこの考案は、被破砕物が投入口か
ら破砕室内に投入されると、第１軸と第２軸のリッパホ
イル間に噛み込まれ、回転速度が異なる両リッパホイル
の歯により引き裂かれるとともに、スクリュー羽根によ
る剪断によってさらに細かく破砕される。

〔実施例〕

図面において、１は周囲を側壁２により囲んだ破砕室
であり、その前側、すなわち第１図の右側壁２の上部に
シュート３を設け、その上方を投入口４とし、また、破
砕室１の下端前後には斜向きの傾斜壁５を設けてその間
を破砕物の排出口６とする。

７は破砕室１の下部前寄りに設けた第１軸、８は破砕
室１の上部中央の第２軸であって、何れも大径中空状の
もので、この各軸の両端は小径となって側壁２に設けた
軸受けにより支承されている。

また、各軸７、８の一端は軸受を貫通して突出し、図
示省略してある駆動機構により駆動して、例えば第１軸
７を図の矢印方向に１分間２回転させ、第２軸８を図の
矢印方向へ１分間４回転させる。ただし、この回転数お
よび回転方向は１例である。

９は破砕室１の後部の側壁２の上端から、前上方へ向
い、前記投入口４の上端に達するガイド板である。

各軸７、８の外周にはそれぞれ複数の円板状リッパホ
イル10を固定するが、このリッパホイル10の外周には多
数の歯11が設けてある。この歯11はナイフエッジ12を有
するが、各リッパホイル10に設けた歯11のエッジ12は、
ホイル10の上方において、投入口４側へ向くように設け
られている。各ホイル10はその外周が相手ホイル10の外
周間に入り込むように配置してある。

第２図のように、第１軸７にはその両端近くにそれぞ
れリッパホイル10を固定し、この両端のリッパホイル10
の間に複数のスクリュー羽根13を固定する。また、第２
軸８はその中央に一個のリッパホイル10を固定し、その
両端には上記各スクリュー羽根13に対向する複数のスク
リュー羽根13を固定する。

14は破砕室１の後部上方に設けた支持軸で、この支持
軸14は排出巻上げウイング15の上端に回動自在に嵌合さ
れており、同ウイング15が支持軸15を中心に前後に揺動
できる。

19は破砕機の後部外側の下部に固定した支持台で、そ
の上部に固定した軸受20に油圧シンダ21をピン22により
揺動自在に取付ける。

上記油圧シリンダ21の前端から突出したピストンロッ
ド23は、側壁２の開口を貫通せしめ、その先端をピン24
により前記ウイング15に連結してピストンロッド23の進
退でウイング15が揺動する構造とする。

つぎに、この実施例の作用を説明すれば、洗濯機や冷
蔵庫のケース、あるいは自動車ボディなどの大きい被破
砕物をシュート３から投入口４へ投入すると、第１図の
矢印方向に回転している第１軸７と第２軸８のリッパホ
イル10間に噛み込まれる。

上記の第１と第２のリッパホイル10の歯11のナイフエ
ッジ12は何れも同じ方向に向かっているが、回転の速い
第２軸８のリッパホイル10の歯11に引っ張られて第１軸
７と第２軸８の間に噛み込まれ、第２軸８の歯11で引っ
張られる被破砕物がこれより遅い周速の第１軸７の歯11
に引っかけられて引き裂かれ、ここで最初の破砕が行な
われる。

また、相対向するスクリュー羽根13の間に入った被破
砕物25は第３図のようにスクリュー羽根13により剪断破
砕される。

こうして第１軸７と第２軸８のリッパホイル10および
スクリュー羽根13間を通過した被破砕物は第１軸７のリ
ッパホイル10とウイング15間に入る。

上記第１軸７と第２軸８のリッパホイル10及びスクリ
ュー羽根13により破砕されて細かくなった被破砕物は第
１軸７のリッパホイル10とウイング15間の間隙を通って
排出口６へと落下する。一方、上記間隙を通過できない
大きな被破砕物は、第１軸７より速い速度で回転してい
る第２軸８のリッパホイル10によりウイング15に沿って
上方へ巻き上げられ、リッパホイル10とともにガイド板
９に沿って第２軸８の上方を回り、再び投入口４側から
上下のリッパホイル10間に噛み込まれ、リッパホイル10
とスクリュー羽根13で再破砕される。

また、油圧シリンダ21のピストンロッド23を進退させ
て、第１図鎖線のごとく、ウイング15を揺動し、第１軸
７のリッパホイル10とウイング15間の隙間を変化させて
被破砕物の大きさを加減する。

なお、実施例は２軸のものであったが、この考案は、
３軸（実公昭61−15963号）のものにも採用できること
は勿論である。例えば、実施例において、ウイング15の
位置に第２軸８と同一構造の第３軸を設けて、第１軸７
と噛み合わせる。

〔考案の効果〕

この考案は、以上のように構成し、引き裂きにかえ、
剪断によっても破砕を行うようにしたので、破砕効率が
向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る破砕機の一実施例を示す縦断正
面図、第２図は同上縦断側面図、第３図はスクリュー羽
根の一部拡大正面図である。 １……破砕室、４……投入口、６……排出口、７……第
１軸、８……第２軸、９……ガイド板、10……リッパホ
イル、11……歯、12……ナイフエッジ、13……スクリュ
ー羽根、14……支持軸、15……排出巻上げウイング、21
……油圧シリンダ、25……被破砕物。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−75028（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−37400（ＪＰ，Ａ) 実開 昭63−168042（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭60−124641（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】前側上部寄りに被破砕物の投入口４を有
   し、下部に破砕物の排出口６を有する破砕室１内に、第
   １軸７と第２軸８とを上下にずらせて配置し、各軸７、
   ８外周には、協働により引き裂き作用を行う破砕歯を周
   囲に有する円板状リッパホイル10をそれぞれ固定すると
   ともに、協働により剪断作用を行うスクリュー羽根13を
   それぞれ固定し、第１軸７と第２軸８の回転数および回
   転方向を異ならせてなる破砕機。