JP2024015054A - 記録装置及び記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】両面記録の場合に、シートのカールを低減する技術を提供すること。【解決手段】本発明の記録装置は、シートを搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送される前記シートにインクを吐出して画像を記録する記録手段と、前記搬送手段により搬送され、前記記録手段により画像が記録された前記シートを加熱する加熱手段と、前記シートの第一面に画像を記録した後に前記シートの第二面に画像を記録する両面記録の場合に、前記第一面のインク吐出量と前記第二面のインク吐出量とに基づいて、前記第二面に対する前記加熱手段による加熱を制御する制御手段と、を備える。【選択図】図11

Description

本発明は記録技術に関する。
シートにインクを吐出して画像を記録する方式においては、インクに含まれる水分によってシートがカールする場合がある。そこで、シートを加熱して乾燥を促進する技術が提案されている。例えば、特許文献1には画像を記録したシートに温風を送風して乾燥を促進する技術が開示されている。
米国特許出願公開第2018/0050548号明細書
シートの両面に画像を記録する場合、各面のインクの水分量の差によりシートのカールが生じる場合がある。また、装置の構成上、シートの各面の乾燥能力にバラつきによって、シートのカールが生じる場合もある。
本発明は、両面記録の場合に、シートのカールを低減する技術を提供するものである。
本発明によれば、例えば、
シートを搬送する搬送手段と、
前記搬送手段により搬送される前記シートにインクを吐出して画像を記録する記録手段と、
前記搬送手段により搬送され、前記記録手段により画像が記録された前記シートを加熱する加熱手段と、
前記シートの第一面に画像を記録した後に前記シートの第二面に画像を記録する両面記録の場合に、前記第一面のインク吐出量と前記第二面のインク吐出量とに基づいて、前記第二面に対する前記加熱手段による加熱を制御する制御手段と、を備える、
ことを特徴とする記録装置が提供される。
本発明によれば、両面記録の場合に、シートのカールを低減する技術を提供することができる。
記録システムの正面図。 記録装置の概要図。 乾燥促進ユニットの説明図。 排気ユニットの説明図。 本体装置の制御ユニットのブロック図。 図2の記録装置の動作説明図。 図2の記録装置の動作説明図。 図2の記録装置の動作説明図。 図2の記録装置の動作説明図。 (A)及び(B)は乾燥促進ユニットによるシートの表裏面の乾燥度合の説明図。 (A)~(C)は制御ユニットの処理例を示すフローチャート。 (A)は制御ユニットの別の処理例を示すフローチャート、(B)はシートのエリアの例を示す説明図。 制御ユニットの処理例を示すフローチャート。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
<第一実施形態>
<記録システムの構成>
図1は本発明の一実施形態に係る記録システム1の正面図である。図1を含む各図において矢印Xは左右方向を、矢印Yは奥行き方向を示し、互いに直交する。矢印Zは上下方向を示す。
記録システム1は、本体装置2と後処理装置3とを含む。本実施形態の本体装置2は複合機を構成する装置であり、複写機能、スキャナ機能、プリンタ機能を有している。本体装置2は読取装置4と記録装置5と給送装置6とを含み、また、本体装置2の前部には操作部7が設けられている。操作部7はユーザとの入出力インタフェースであり、例えばハードキーと表示部、或いは、ユーザの入力を受け付けると共に情報を表示するタッチパネルを含み、また、音声発生器等の出力部を含む。
読取装置4はADF(自動原稿送り装置)を含み、積載された原稿の搬送と原稿画像の読み取りとを行う。給送装置6は記録装置5に記録媒体を給送する装置である。記録媒体は本実施形態の場合、紙、フィルムなどのシートであり、特にカットシートである。記録媒体のことをシートと呼ぶ場合がある。給送装置6はシートが積載される複数のカセット6aと、搬送経路RT上でカセット6aから記録装置5へシートを給送する給送機構(不図示)とを含む。
記録装置5はシートに画像を記録する。記録装置5は、インクをシートに吐出して画像を記録する記録ユニット30と、シートの乾燥を促進する乾燥促進ユニット40、50とを含む。記録装置5の詳細は後述する。
後処理装置3は、オプションの装置として本体装置2の側部に分離可能に取り付けられ、シートの後処理を行うフィニッシャ(シート処理装置)である。後処理としては、例えば、記録装置5から排出されるシートをトレイ3aに積載する積載処理、記録装置5から排出されたシートを順に複数枚取り込み、整合して束状にするソート処理、束ねたシート束をステイプラで綴じるステイプル処理、製本処理、穴あけ処理を挙げることができる。
<記録装置の構成>
図2は記録装置5の内部構造を示す説明図である。記録装置5は、その内部機構を支持するフレームとして、底壁部5a、上壁部5b、右壁部5c、左壁部5d、背壁部5eを含む。これら壁部は記録装置5の内部空間を画定している。記録装置5の内部空間は、更に、仕切壁5hによって上側の空間SP2と下側の空間SP1とに区画されている。空間SP1と空間SP2とは気密に区切られているわけではなく、互いに連通している。
底壁部5aは給送装置6から給送されるシートが通過する開口5fを有している。また、右壁部5cは後処理装置3へ排出されるシートが通過する開口5gを有している。左壁部5d及び右壁部5cは、メンテナンスのため、扉形式で開閉可能に支持されてもよい。
記録装置5は、搬送ユニット20、記録ユニット30、乾燥促進ユニット40及び50、矯正ユニット60、及び、排気ユニット70を含む。
<搬送ユニット>
搬送ユニット20は、搬送経路RTに沿ってシートを搬送する機構である。搬送経路RTは、本実施形態の場合、開口5fを上流端、開口5gを下流端として、シートが搬送される経路である。搬送経路RTは、主経路RT1及びRT2、スイッチバック経路RT3及び反転経路RT4を含む。主経路RT1及びRT2は、開口5fから中間点M1を通って開口5gに繋がる経路であり、開口5fから中間点M1までが主経路RT1、中間点M1から開口5gまでが主経路RT2である。主経路RT1及びRT2は、シートを左方向→上方向→右方向と搬送させる経路であり、シートは記録ユニット30→乾燥促進ユニット40→乾燥促進ユニット50→矯正ユニット60の順でこれらを通過する。シートの片面のみを記録する片面記録の場合、シートは主経路RT1及びR2を通って搬送される。
スイッチバック経路RT3及び反転経路RT4は、シートの両面を記録する両面記録の場合に、片面記録後のシートが搬送される経路である。スイッチバック経路RT3は、中間点M1から主経路RT2とは別の経路を形成している。また、反転経路RT4は中間点M1から主経路RT1の途中の合流点M2までの経路であり、反転経路RT4を経由することで、シートは表裏が反転されて再び主経路RT1に戻されることになる。
以下の説明において下流側、上流側と呼ぶ場合、搬送経路RTにおけるシートの搬送方向を基準とする。
搬送ユニット20は、シートに搬送力を付勢する駆動機構と、搬送経路RTに沿ったシートの搬送を案内するガイドとを含み、図2にはその一部が図示されている。駆動機構は、モータ等の駆動源により駆動される複数の搬送ローラ21を含む。各搬送ローラ21には従動ローラ又は拍車が対向して配置される。シートは搬送ローラ21と従動ローラ又は拍車との間に挟まれるようにして搬送される。拍車は、記録画像の品質保持のため、記録ユニット30よりも下流側の領域において、記録面の側に接するように配置される。ガイドは、ガイド部材22~24を含む。ガイド部材24は左壁部5dに支持されている。ガイド部材23とガイド部材24との間に搬送経路RTの一部が形成され、ガイド部材22とガイド部材24との間に経路RT1の一部が形成される。
搬送ユニット20は、また、経路切替ユニット25、26を含む。経路切替ユニット25、26はシートの案内経路を切り替えるユニットであり、電磁ソレノイドやモータ等の駆動源により作動する。経路切替ユニット25、26は片面記録の場合はシートを主経路RT1から主経路RT2へ案内し、両面記録の場合はシートを主経路RT1からスイッチバック経路RT3へ案内し、スイッチバックされたシートを反転経路RT4に案内する。図3は経路切替ユニット25、26の経路切替態様を示している。経路切替ユニット25、26は、それぞれ、回動自在なフラップを含み、フラップの位置により経路を切り替える。実線で示す位置が片面記録の場合の位置であり、破線で示す位置が両面記録の場合の位置である。
<記録ユニット>
図2に戻り、記録ユニット30は記録ヘッド31を含み、記録ヘッド31はインクをシートに吐出して画像(インク像)を形成するインクジェットヘッドである。記録ヘッド31が吐出するインクは、複数のインク貯留部Tに貯留される。インク貯留部Tはインクの種類毎に設けられており、インクの種類は例えば、色の種類として、イエロ、マゼンタ、シアン、ブラックである。
記録ヘッド31はインクの種類毎に設けられる。本実施形態の場合、各記録ヘッド31は、Y方向に延設されたフルラインヘッドであり、使用可能な最大サイズのシートの画像記録領域の幅をカバーする範囲にノズルが配列されている。記録ヘッドは、微小隙間(例えば数mm)を介してシートと対向する下面を含み、この下面はノズルが開口したインク吐出面を形成する。
各ノズルには吐出素子が設けられている。吐出素子は、例えば、ノズル内に圧力を発生させてノズル内のインクを吐出させる素子であり、公知のインクジェットヘッドの技術が適用可能である。吐出素子としては、例えば電気-熱変換体によりインクに膜沸騰を生じさせ気泡を形成することでインクを吐出する素子、電気-機械変換体によってインクを吐出する素子、静電気を利用してインクを吐出する素子等が挙げられる。電気-熱変換体を利用した吐出素子を用いることで、高速で高密度の記録を行うことができる。
なお、記録ユニット30は、キャリッジに搭載された記録ヘッドが、シートの幅方向に往復移動して記録を行うシリアル型の記録ユニットであってもよい。また、吐出されるインクは黒色のみ等、一種類であってもよい。記録ユニット30の記録モードとして、単一インクの記録モードと、複数種類のインクの記録モードが選択できてもよい。インクは、主として色剤(染料又は顔料)と溶媒成分を含有してもよい。溶媒成分は水系材料、油系材料のどちらでも用いることができる。染料としては、例えば直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料、食用色素などに代表される水溶性染料が好ましく、上記の記録媒体との組み合わせで定着性、発色性、鮮明性、安定性、耐光性その他の要求される性能を満たす画像を与えるものであれば何れであってもよい。顔料としては、カーボンブラックなどが好ましい。顔料と分散剤を併用する方法も自己分散型顔料を用いる方法、マイクロカプセル化する方法も可能である。また、インクには必要に応じて溶剤成分や可溶化剤、粘度調整剤、界面活性剤、表面張力調整剤、pH調整剤、比抵抗調整剤などの各種添加剤を加えて用いることもできる。また、記録ヘッド31をインクの種類毎に設けず、単一の記録ヘッドとしノズルをインクの種類毎に設けてもよい。
<乾燥促進ユニット>
記録ユニット30により画像が記録されたシートは、インクの液分によって膨張し、起伏を生じ得る。こうしたシートは、記録装置5内における紙ジャムや後処理装置3における積載性/整列性を悪化させる要因になる。シートの乾燥を促進することで、インクの液分によるシートの膨張を抑制することができる。本実施形態の記録装置5は、シートの乾燥方式が異なる複数の乾燥促進ユニット40及び50を備える。なお、インクの液分には所定の水分が含まれる。
乾燥促進ユニット40は、記録ユニット30よりも下流側に配置されており、温風をシートに送風することで、シートと非接触でシートの乾燥を促進するユニットである。その構造を図2と図3を参照して説明する。
乾燥促進ユニット40は、内部空間を画定する中空体41と、中空体41の内部に配置されたファン42及び発熱素子43とを含む。中空体41は、その右側部に空気の取入れ口41aを備える。中空体41の左側部を形成する壁部41bは、シートの搬送ガイドを兼用したガイド壁部であり、最大サイズのシートの幅をカバーするようにY方向に延設されている。ガイド壁部41bは、C字型の断面形状(X-Z平面上の断面)を有しており、ガイド部材22~24と対向する壁面を有する。この壁面とガイド部材22~24との間に、搬送経路RTの一部が形成され、また、中間点M1が設定されている。ガイド壁部41bには中空体41の内部空間と連通した温風の吹き出し孔Nが多数形成されている。
ファン42は、モータを駆動源とした電動ファンであり、例えばシロッコファンである。ファン42は取入れ口41aから中空体41内に空気を導入する。導入された空気により中空体41内の気圧が高まり、中空体41内の空気は吹き出し孔Nから中空体41外に吹き出る。ファン42は1つでもよいが、Y方向に複数のファン42が並設されてもよい。
発熱素子43は、ファン42によって取入れ口41aから中空体41内に導入される空気を加熱する。本実施形態の場合、発熱素子43は赤外線ランプヒータ等の棒状の発熱素子であり、Y方向に延設されている。また、複数の発熱素子43がZ方向に配列されている。複数の発熱素子43は、ファン43と取入れ口41aとの間に配置されており、取入れ口41aから中空体41内に導入される空気は、発熱素子43を通過する際に加熱されることになる。乾燥促進ユニット40には温度センサ44が設けられており、温度センサ44の検知結果により発熱素子43の駆動が制御される。
このような構成により、乾燥促進ユニット40は、図3において矢印で気流を示すように、温風を吹き出し孔Nから送風する。これにより、搬送経路RTを通過するシートを加熱し、シート上のインク像に含まれる液分の蒸発を促し、シートの乾燥を促進することができる。
乾燥促進ユニット50は、乾燥促進ユニット40よりも下流側に配置されており、シートと接触してシートを加熱し、その乾燥を促進する加熱定着器である。その構造を図2を参照して説明する。
乾燥促進ユニット50は、発熱体51とローラ56とを含み、これらは最大サイズのシートの幅をカバーするようにY方向に延設されている。発熱体51は、熱源である発熱素子54を支持する支持部材53を含む。発熱素子54は例えばセラミックヒータであり、Y方向に延設されている。発熱素子54の温度は、サーミスタに代表される温度センサ55により検知され、検知結果に基づき発熱素子54の駆動が制御される。
支持部材53は、また、フィルム52を支持する。フィルム52は円筒形状に構成され、Y方向に延設されている。フィルム52は支持部材53の回りを回転自在に支持部材53に支持され、かつ、ローラ56と発熱素子54との間に介在している。フィルム52は、例えば、膜厚が10μm以上100μm以下の単層フィルム或いは複合層フィルムである。単層フィルムの場合、その材料は、例えば、PTFE、PFA、FEPである。複合層フィルムの場合、例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PES、PPS等の層に、PTFE、PFA、FEP等を被覆するか、或いは、コーティングを施した層構造のフィルムである。
なお、発熱体51の構成としては、この構造に限られず、例えば、中空の金属の芯軸内部にハロゲンヒータなどの発熱素子を備え、芯軸の周囲をシリコンゴム等の弾性体で被覆した構造のものであってもよい。
ローラ56は芯金56aの周面をシリコンゴム等の弾性体56bで被覆して構成される。ローラ56は、所定の押圧力をもって発熱体51に圧接され、ローラ56と発熱体51とによってニップ部が形成される。ローラ56はモータを駆動源として回転され、フィルム52はローラ56に連れ回る。このような構成により、シートはニップ部において搬送されつつ加熱され、シートの乾燥を促進することができる。
本実施形態では、乾燥促進ユニット40及び50により二段階でシートを乾燥したが、乾燥促進ユニットはどちらか一つだけ設けてもよい。
<矯正ユニット>
矯正ユニット60はシートの湾曲(ここではカール)を矯正する機構である。本実施形態の場合、矯正ユニット60は、大径の駆動ローラ61と、小径の従動ローラ62とを含む。駆動ローラ61は、芯金の周囲をシリコンゴム等の弾性体で被覆したローラである。従動ローラ62は、金属ローラである。駆動ローラ61と従動ローラ62とは互いに圧接されている。駆動ローラ61と従動ローラ62との間をシートが通過する際、これらのローラによってシートに圧力を加え、シートのカールを矯正することができる。矯正ユニット60は、シートに対して、例えば上向きに凸となる方向の矯正力を付与することができる。この場合、下向きに凸のカールを有するシートを矯正ユニット60によって、より平坦な形態に矯正することができる。
<排気ユニット>
排気ユニット70は、記録装置5内の空気を装置外へ排気するユニットである。本実施形態の記録装置5は、乾燥促進ユニット40及び50を備えており、これらは装置内の気温を高める。また、これらはインクの水分を蒸発させるように作用する。多数のシートに対して連続的に記録を行う場合、装置内の湿度が上昇し得る。高湿度はシートの湾曲の要因となる。乾燥促進ユニット50から開口5gまでの間はシートの搬送距離が比較的長く、しかも、水蒸気が滞留しやすい上部の空間SP2内をシートが搬送される。空間SP2内においてシートが高湿度雰囲気に曝される場合がある。排気ユニット70によって空間SP2内の空気を装置外に排気することで装置内の湿度を下げることができる。
本実施形態の排気ユニット70は、複数の排気ダクト71~73により空間SP2内の空気を自然排気する構造である。しかし、排気ユニット70はファン等によって装置内の空気を強制排気するものであってもよい。図2及び図4を参照して排気ユニット70の構造について説明する。図4は排気ユニット70の周辺を示す平面図であり、上壁部5bは図示を省略している。
排気ダクト71は、Y方向に延設された延設部71aと、延設部71aのY方向奥側の端部からX方向右側に延設された延設部71bとを含む管部材である。延設部71aは、乾燥促進ユニット50におけるシートの排出位置近傍であって、かつ、主経路RT2よりも下側の位置において延設されている。延設部71aは、左側上部と、底部とに空気の取入れ口となる複数のスリットが形成された空気取入れ部である。左側上部のスリットからは、例えば、乾燥促進ユニット50で温められた空気が導入され、底部のスリットからは、例えば、乾燥促進ユニット40の吹き出し孔Nから吹き出された温風が導入され得る。延設部71aは、背壁部5eを横断して延設されており、そのY方向の奥側の端部と、延設部71bは空間SP2の外部(Y方向の奥側)に位置している。なお、延設部71aは、主経路RT2の上側の位置において延設される形態であってもよい。
排気ダクト72は、Y方向に延設された延設部72aと、延設部72aから右側へ延びる集合部72bと、集合部72bの右側端部からY方向奥側へ延設された延設部72cとを含む管部材である。延設部72aは、乾燥促進ユニット50におけるシートの排出位置近傍であって、かつ、主経路RT2よりも上側の位置において延設されている。延設部72aの底部は開口して空気の取入れ口を形成しており、例えば、乾燥促進ユニット50で温められた空気や空間SP2内の水蒸気が導入される。延設部72aは、上壁部5bを横断して上壁部5bの上方に突出している。
集合部72bは、平面視で延設部72a側が幅広の三角形状を有しており、その全体が上壁部5bの上方に位置している。集合部72bは延設部72aに導入された空気を、その右側端部においてY方向中央部に集合させる。集合した空気は延設部72cに流入する。延設部72cもその全体が上壁部5bの上方に位置しており、部分的に屈折して背壁部5eの奥側に延設されている。背壁部5eの奥側において、排気ダクト71の延設部71bが、排気ダクト72の延設部72cに接続され、これらの内部空間が連通している。延設部72cは、排気ダクト73に接続されている。
排気ダクト73は、X方向に延設され、かつ、Y方向で奥側に開口した排気部材である。排気ダクト73の開口は、本体装置2の背面側の外装を形成するカバー8に対向している。カバー8には多数のスリット(ルーバー)8aが形成されており、排気ダクト73に流入した空気はスリット8aを通って本体装置2の背面側から装置外へ排気される。
<制御ユニット>
本体装置2の制御系について説明する。図5は本体装置2の制御ユニット9のブロック図である。制御ユニット9は、処理部10と、記憶部11と、読取制御部13と、画像処理部14と、ヘッド制御部15と、エンジン制御部16と、乾燥制御部17と、を含む。処理部10はCPU(中央演算処理部)に代表されるプロセッサであり、本体装置2の各ユニットの動作を統合的に制御する。記憶部11は、例えば、ROM、RAM等の記憶デバイスである。記憶部11には、処理部10が実行するためのプログラム、本体装置2の各種動作に必要な固定データ(例えば、各カセット6aに収容されているシートの種類に関するデータ)を格納する。また、記憶部11は処理部10のワークエリアとして又は種々の受信データの一時格納領域として各種設定データを記憶する。
読取制御部13は読取装置4を制御する。画像処理部14は、本体装置2で扱う画像データの画像処理を行う。入力された画像データの色空間(例えばYCbCr)を、標準的なRGB色空間(例えばsRGB)に変換する。これらの画像処理によって得られた記録データは、記憶部11に格納される。ヘッド制御部15は、処理部10から受信した制御コマンドに基づいて記録データに応じて記録ユニット30の駆動制御を行なう。エンジン制御部16は、シートの搬送制御等を行う。乾燥制御部17は、乾燥促進ユニット40、50の駆動制御を行う。これらの各制御部は、CPU等のプロセッサ、RAMやROM等の記憶デバイス、外部デバイスとのインタフェースを含む。
I/O12は、制御ユニット9とホスト装置18及び後処理装置3と接続するためのインターフェース(I/F)であり、ローカルI/F又はネットワークI/Fである。ホスト装置18は、記録装置5に記録動作を行わせるための画像データの供給源となる装置である。ホスト装置18は、汎用又は専用のコンピュータであってもよいし、画像リーダ部を有する画像キャプチャ、デジタルカメラ、フォトストレージ等の専用の画像機器であってもよい。
<動作例>
制御ユニット9の制御による記録装置5の記録動作の例について図6~図9を参照して説明する。まず、図6及び図7を参照してシートの片面に画像を記録する場合の動作について説明する。シートの片面に画像を記録する場合、経路切替ユニット25、26が片面記録の場合の位置(図3における実線で示す位置)にセットされる。乾燥促進ユニット40の発熱素子43や乾燥促進ユニット50の発熱素子54は事前に所定の温度に維持される。
図6の状態ST1は、給送装置6から給送されたシートPが搬送ユニット20により主経路RT1上を記録ユニット30へ搬送され、記録ユニット30による記録が開始されている状態を示す。記録ユニット30は、矢印で示すようにシートPにインクを吐出して画像を記録する。シートPは乾燥促進ユニット40に向けて搬送される。乾燥促進ユニット40は作動を開始し、図6の状態ST2に示すように、搬送されるシートPに温風を送風する。温風により、インクにより湿ったシートPの乾燥が促進される。
シートPは更に主経路RT2上を乾燥促進ユニット50に向けて搬送される。乾燥促進ユニット50は作動を開始し、図7の状態ST3に示すようにローラ56が回転してシートPが搬送されると共に発熱体51によりシートPが加熱される。シートPの乾燥が更に促進される。
図7の状態ST4に示すようにシートPは更に主経路RT2上を矯正ユニット60に向けて搬送される。矯正ユニット60は作動を開始し、シートPはそのカールが矯正されつつ、開口5gから後処理装置3へ排出される。
次に、図8及び図9を参照してシートの両面に画像を記録する場合の動作について説明する。図8の状態ST11は、給送装置6から給送されたシートPが搬送ユニット20により主経路RT1上を記録ユニット30へ搬送され、記録ユニット30による記録が開始されている状態を示す。記録ユニット30は、矢印で示すようにシートPの表面にインクを吐出して画像を記録する。経路切替ユニット26が両面記録の場合の位置(図3における破線で示す位置)にセットされる。
シートPは乾燥促進ユニット40に向けて搬送される。乾燥促進ユニット40は作動を開始し、図8の状態ST12に示すように、搬送されるシートPに温風を送風する。温風により、インクにより湿ったシートPの乾燥が促進される。経路切替ユニット26の案内によりシートPは乾燥促進ユニット50には搬送されず、スイッチバック経路RT3に搬送される。シートPの後端が経路切替ユニット25の位置を通過すると、経路切替ユニット25が両面記録の場合の位置にセットされる。続いて搬送ユニット20はスイッチバック経路RT3上をシートPを逆方向に搬送する(スイッチバック搬送)。
経路切替ユニット25の案内により、シートPは図8の状態ST13に示すように反転経路RT4に搬送される。そして、シートPは図8の状態ST14に示すように、主経路RT1に戻される。経路切替ユニット25は片面記録の場合の位置(図3における実線で示す位置)にセットされる。記録ユニット30は、矢印で示すようにシートPの裏面にインクを吐出して画像を記録する。その後の動作は片面記録の場合の状態ST2~ST4と同じである。
<両面記録の場合の乾燥制御例>
両面記録の場合、シートPの表裏にインクの水分量の差が生じ得る。この水分量の差はシートPにカールを生じさせる要因となる。水分量の差は、シートPの表裏面にそれぞれ記録される画像の差(インクの量の差)や、シートPの乾燥に関わる記録装置5の構造、すなわち、乾燥促進ユニット40及び50による表面の乾燥能力、裏面の乾燥能力の差に起因する。本実施形態における乾燥促進ユニット40及び50の乾燥能力について説明する。以下の説明において、表面とはシートPの二面のうち、先に画像が記録される面を意味し、裏面とは後に画像が記録される面を意味する。
本実施形態の乾燥促進ユニット40は、シートPの搬送経路RTの一側方に配置されており、シートPの片面のみに温風を送風する構成である。したがって、両面の乾燥が促進されるものの、温風が直接あたる片面の方が乾燥が促進される。片面記録の場合、シートPの画像記録面に温風が送風される。両面記録の場合の場合、シートPの表面に画像が記録された段階では表面に温風が送風され、裏面に画像が記録された段階では裏面に温風が送風される。
本実施形態の乾燥促進ユニット50は、発熱体51(発熱素子54)がシートPの搬送経路RTの一側方に配置されており、発熱体51がシートPの片面のみに接触してこれを加熱する構成である。したがって、シートPの両面に熱が及んで乾燥が促進されるものの、発熱体51が直接接触する片面の乾燥がより促進される。片面記録の場合、シートPの画像記録面に発熱体51が接触する。両面記録の場合の場合、シートPの裏面に発熱素子54が対向し、裏面のみに発熱体51が接触し、シートPの表面に発熱体51が接触する段階はない。
図10(A)及び図10(B)は、両面記録において乾燥促進ユニット40及び50を表裏面で同じ条件で駆動した場合の各面の乾燥度合の相違を示している。
図10(A)は乾燥促進ユニット40の温風乾燥による乾燥度合の相違を示している。両面記録の場合、シートPの表面に画像が記録された後、スイッチバック経路RT3でシートPがスイッチバック搬送される(図8のS12)。本実施形態の場合、このスイッチバック搬送の際にも、乾燥促進ユニット40によってシートPの表面に温風が送風される。一方、シートPの裏面に画像が記録された後には、片面記録の場合と同様、スイッチバック経路RT3にシートPが搬送されることなく乾燥促進ユニット50に搬送される。したがって、表面と裏面とで比較すると表面の方が乾燥度合が高くなる傾向にある。
図10(B)は乾燥促進ユニット50の加熱乾燥による乾燥度合の相違を示している。両面記録の場合、シートPの裏面のみに発熱体51が接触する。したがって、表面と裏面とで比較すると裏面の方が乾燥度合が高くなる傾向にある。
そして、乾燥促進ユニット40及び50の合計で各面の乾燥度合の相違を見ると、温風乾燥度合が高いことに起因して、表面の乾燥度合の方が高くなる傾向にある。
こうした乾燥促進ユニット40及び50の傾向と、矯正ユニット60によるシートPのカールの矯正能力とを踏まえ、各面に記録する画像のインク吐出量に応じてシートPの各面の乾燥度合を制御すればシートのカールを低減することができる。
シートPの各面の乾燥度合、つまり、シートPの表裏面の水分量の差は、各面に記録する画像のインク吐出量に応じて乾燥促進ユニット40及び50を制御することにより、制御可能である。乾燥促進ユニット40及び50のいずれも制御対象とすることができるが、乾燥促進ユニット50は発熱体51が画像記録面に接触する点で乾燥促進ユニット40よりも応答性がよい。本実施形態では乾燥促進ユニット50によるシートPの画像記録面に対する加熱を制御することで、シートPの表裏面の水分量の差を制御する。図11(A)~図11(C)は、その制御例を示すフローチャートである。同図の処理は両面記録の場合に乾燥制御部17が実行する乾燥促進ユニット40及び50の制御処理である。
図11(A)を参照して、S1ではシートPの表面の乾燥制御が実行される。図11(B)はそのフローチャートである。S11で、シートPの表面に画像を形成するためのインクの吐出量αが取得される。吐出量αは例えば画像処理部14又はヘッド制御部15で演算し、演算結果を乾燥制御部17が取得してもよい。別の例として、乾燥制御部17が画像データ或いは記録データから演算してもよい。吐出量αは、例えば、記録ヘッド31が実際に吐出したインク吐出数をカウントすることにより演算してもよい。或いは、吐出量αは画像データ或いは記録データから演算した推測値であってもよい。
S12で、温風乾燥条件が予め定めた標準の値に設定される。温風乾燥条件とは乾燥促進ユニット40の駆動条件であり、例えば、発熱素子43の発熱量、ファン42の風量の少なくともいずれか一つである。S13では、S12で設定された条件により乾燥促進ユニット40が駆動され、乾燥促進ユニット40に搬送されるシートPの温風乾燥が実行される。これによりシートPの表面に形成された画像に温風が送風され、インクの乾燥が促される。S12の処理に並行して、シートPはスイッチバック経路RT3に搬送され(図8のST12)、その後、反転経路RT4に搬送される(図9のST13)。
図11(A)に戻り、S2ではシートPの裏面の乾燥制御が実行される。図11(C)はそのフローチャートである。S21で、シートPの裏面に画像を形成するためのインクの吐出量βが取得される。吐出量αと同様、吐出量βは例えば画像処理部14又はヘッド制御部15で演算し、演算結果を乾燥制御部17が取得してもよい。別の例として、乾燥制御部17が画像データ或いは記録データから演算してもよい。また、吐出量αと同様、吐出量βは、例えば、記録ヘッド31が実際に吐出したインク吐出数をカウントすることにより演算してもよいし、画像データ或いは記録データから演算した推測値であってもよい。
なお、吐出量α、吐出量βは、シートPの表面、裏面に記録される画像全体のインク吐出量であってもよいし、シートPのうち、予め定めた領域の表面、裏面に記録される画像のインク吐出量であってもよい。
S22では、S11で取得したインク吐出量αとS21で取得したインク吐出量βとを比較し、その差分(β-α)が閾値を超えるか否かが判定される。閾値は、差分によりシートPに大きなカールが生じるか否かを判定するための値であり、事前の実験により設定することができる。閾値は固定値であってもよいし、記録条件(例えばシートPの材質、厚さ)によって変更される可変値であってもよい。閾値は0であってもよく、この場合、インク吐出量αとインク吐出量βの大小関係のみを判定することになる。
差分が閾値を超えない場合はシートPに大きなカールが生じないとみなしてS23へ進む。差分が閾値を超える場合はシートPの表面のインクの水分量に対して、裏面のインク吐出量が過多の状態にあり、シートPに大きなカールが生じ得るとみなしてS24へ進む。
S23では温風乾燥条件及び加熱乾燥条件がそれぞれ予め定めた標準の値に設定される。加熱乾燥条件とは乾燥促進ユニット50の駆動条件であり、発熱素子54の発熱量、シートPの搬送速度(ローラ56の回転速度)の少なくともいずれか一つである。一方、S24では、温風乾燥条件は予め定めた標準の値に設定されるが、加熱乾燥条件は強の値に設定される。強の値とは、シートPに対する加熱度合が標準の値よりも増大される値である。例えば、発熱素子54の発熱量を大きくする、或いは、乾燥促進ユニット50を通過するシートPの搬送速度を遅くする、若しくは、これらを併用することが挙げられる。S23の設定よりも、S24の設定の方がシートPの裏面が乾燥促進ユニット50によって強く加熱されるため、その乾燥が促進される。これにより、シートPの表裏面の水分量の差を所定の範囲(大きなカールが生じない範囲)に収めることができる。
S25では、S23又はS24で設定された条件により乾燥促進ユニット40が駆動され、乾燥促進ユニット40に搬送されるシートPの温風乾燥が実行される。これによりシートPの裏面に形成された画像に温風が送風され、インクの乾燥が促される。S26では、S23又はS24で設定された条件により乾燥促進ユニット50が駆動され、乾燥促進ユニット50に搬送されるシートPの加熱乾燥が実行される。これによりシートPの裏面が加熱され、インクの乾燥が促される。
以上の通り、本実施形態によれば、シートPの表面のインク吐出量αと裏面のインク吐出量βとに基づいて、加熱乾燥条件を標準の値と強の値とで切り替えることで、シートPの表裏面の水分量の差を所定の範囲に収めることができる。したがって、両面記録の場合に、シートPのカールを低減することができる。
なお、本実施形態では加熱乾燥条件として、標準(S23)と強(S24)の二種類の値を設定可能としたが、三種類以上の値を設定可能としてもよい。例えば、標準、やや強、強の三種類とし、インク吐出量αとインク吐出量βの差分の大きさに応じて、いずれか一つを選択してもよい。複数種類の加熱乾燥条件は、発熱素子54の発熱量、シートPの搬送速度の組み合わせによって規定されてもよい。例えば、標準の設定として、発熱量:標準、搬送速度:標準とし、やや強の設定として、発熱量:強、搬送速度:標準とし、強の設定として、発熱量:強、搬送速度:遅い、としてもよい。
また、本実施形態では、温風乾燥条件についてはS23、S24のいずれの場合も標準としたが、加熱乾燥条件と同様に、インク吐出量αとインク吐出量βとに基づいて変更してもよい。例えば、S24においては、温風乾燥条件として、強の値を設定可能としてもよい。この設定としては、発熱素子43の発熱量を大きくする、ファン42の風量を大きくする、の少なくともいずれか一つであってあってもよい。
また、本実施形態では、シートPの表面の温風乾燥条件については、常に標準の値としたが(S12)、インク吐出量αに応じて変更してもよい。例えば、インク吐出量αが著しく少ない場合、インク吐出量αとインク吐出量βとの水分差が大きくなることが予想されるため、温風乾燥条件を弱の値としてもよい。弱の値とは、シートPの乾燥度合が標準の値よりも弱くなる値である。例えば、発熱素子43の発熱量を小さくする、或いは、ファン42の風量を小さくする、若しくは、これらを併用することが挙げられる。逆に、インク吐出量βが著しく多い場合、インク吐出量αとインク吐出量βとの水分差が大きくなることが予想されるため、温風乾燥条件を強の値としてもよい。強の値とは、シートPの乾燥度合が標準の値よりも強くなる値である。例えば、発熱素子43の発熱量を大きくする、或いは、ファン42の風量を大きくする、若しくは、これらを併用することが挙げられる。
また、両面記録の場合の乾燥促進ユニット50におけるシートPの加熱制御として、発熱素子54の発熱量は一定とし、インク吐出量αとインク吐出量βの差分の大きさに応じてシートPの搬送速度(ローラ56の回転速度)のみを変更してもよい。例えば、差分が大きい場合は搬送速度を相対的に遅くしてシートPの裏面への投入熱量を増大させ、差分が小さい場合は相対的に搬送速度を速くしてシートPの裏面への投入熱量を減少させる一方、スループットを向上する。図11(C)の処理例で言えば搬送速度はS23、S24の処理で二種類で設定可能であるが、これに限られず、インク吐出量αとインク吐出量βの差分の大きさに応じて三種類以上の搬送速度を設定可能としてもよい。
<第二実施形態>
シートPのカールは、一般に、シートPの周縁部等、局所的に生じやすい。よって、第一実施形態のS24の処理は、シートPに局所的にカールが発生する可能性が高い場合にのみ行ってもよい。図12(A)は本実施形態における、図11(A)のS2の処理の例を示し、図11(C)の処理例の別例である。以下、図12(A)の処理例について図11(C)の処理例と異なる処理のみ説明する。
本実施形態ではS22で、インク吐出量αとインク吐出量βとの差分(β-α)が閾値を超えたと判定された場合、S31でカール条件が判定される。カール条件とはシートPに局所的にカールが生じるか否かを判定するための条件であり、本実施形態では、シートPの所定のエリアにおける表裏面のインク吐出量によって判定する。図12(B)は判定の対象となるエリアの例を示している。シートPが表裏面の水分量の差によってカールを生じる場合の多くは、シートPの周縁部である。図12(B)の例ではシートPの四隅の領域P1を判定の対象とする。
S31では4つの領域P1毎に、その領域における表面のインク吐出量と裏面のインク吐出量とが比較される。いずれか一つの領域P1において両者の差が予め定めた閾値以上である場合は、カール条件を満たす(カールが発生し得る)と判定される。
S32では、S31の判定により、カール条件を満たすであれば、処理がS24へ進み、カール条件を満たさないのであれば処理がS23へ進む。その他の処理は図11(C)の処理例と同じである。
本実施形態によれば、局所的にカールが発生すると推測される場合に、シートPの表裏面の水分量の差を低減する制御(S24)が実行されるので、不必要に乾燥制御を変更することを防止できる。
<第三実施形態>
上記の通り、第一実施形態の記録装置5の構成例では、両面記録の場合、乾燥促進ユニット40及び50の合計で各面の乾燥度合の相違を見ると、温風乾燥度合が高いことに起因して、表面の乾燥度合の方が高くなる傾向にある(標準設定の場合)。シートPの表面よりも裏面の方がインクの水分量が多くなる場合、当初記録する予定であった表面の画像と、裏面の画像とを入れ替えてもよい。入れ替えにより、シートPの表面の水分量が裏面よりも多くなる。しかし、表面の乾燥能力が高いため、標準設定のままで、表裏面の水分量の差を所定の範囲に収めることができる。しかも、加熱を増大する機会(S24)を減らすことができ、消費電力を削減することができる。
図13は、シートPの表裏面の記録画像を入れ替える処理例を示すフローチャートである。同図の入替処理は、シートPの記録開始前に、例えば、処理部10或いは画像処理部14が実行する。以下の説明において、当初、シートPの表面に記録する予定である画像を画像Aとし、裏面に記録する予定である画像を画像Bと呼ぶことにする。
S41では、シートPの表面に記録する予定である画像Aのインク吐出量αと、裏面に記録する予定である画像Bのインク吐出量βとが、それらの画像データ或いは記録データから演算される。S42ではS41で演算されたインク吐出量αと、インク吐出量βとを比較し、閾値X<β-α≦閾値Yの関係を満たす場合はS43へ進み、満たさない場合は処理を終了する(画像の入れ替えはない)。S43ではシートPの表裏面と画像A及びBとの関係を入れ替える。すなわち、シートPの表面に画像Bを記録し、裏面に画像Aを記録することを設定する。
閾値X及び閾値Yは、乾燥制御の標準設定において、シートPの表面と裏面とに対する温風乾燥能力の差に基づいて設定される。詳しく述べると、閾値Xは、β-αの値が閾値X以下であれば、標準設定のままで、表裏面の水分量の差を所定の範囲に収めることができる値である。閾値Yは、β-αの値が閾値Yを超えると、乾燥促進ユニット50による加熱増大制御でなければ、表裏面の水分量の差を所定の範囲に収めることができない値である。
図13の処理により、表裏面の画像が入れかえられた場合も、第一実施形態の図11(A)~図11(C)の処理や、第二実施形態の図12(A)の処理を適用することができる。この場合、インク吐出量αとは、画像BをシートPの表面に記録するためのインク吐出量であり、インク吐出量βとは、画像AをシートPの裏面に記録するためのインク吐出量である。そして、S22の処理の閾値としては、図13のS42の閾値Yを適用すればよい。
本実施形態では、両面記録の場合において、記録後における表裏面の水分量の差が所定の範囲を少し超えると予想される場合は、S43の画像の入れ替えで対応して、水分量の差を所定の範囲に収めることができる。この場合、加熱乾燥制御の設定を変更する必要はない。そして、記録後における表裏面の水分量の差が所定の範囲を大きく超えると予想される場合は、S24の加熱乾燥制御の設定変更で対応して、水分量の差を所定の範囲に収めることができる。
なお、本実施形態では、図13に示した画像の入れ替え処理と、図11(C)や図12(A)に示した加熱乾燥制御の設定変更(S24)とを併用する例とした。しかし、変形例として加熱乾燥制御の設定変更は行わず(標準設定のままとする)、図13に示した画像の入れ替え処理のみで、シートPの表裏面の水分量の差を低減する処理であってもよい。この場合、S42の処理はβ-αの値が閾値Xを超えるか否かのみを判定すればよい。この変形例によると、シートPの水分量の差が大きい場合にはシートPのカールを低減できない場合があるものの、水分量の差が小さい場合にはシートPのカールを低減することができる。そして、温風・加熱乾燥制御の設定を変更しなくてよいので、処理の単純化や加熱増大に伴う消費電力の削減を図ることができる。
<他の実施形態>
本発明は、本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
5 記録装置、9 制御ユニット、20 搬送ユニット、30 記録ユニット、40 乾燥促進ユニット、50 乾燥促進ユニット、P シート
本発明によれば、
記録媒体を搬送する搬送手段により搬送される記録媒体にインクを吐出する吐出ヘッドと、
前記記録媒体に吐出されたインク量に基づいて、熱量が変化するように、前記記録媒体に付与する熱量を制御する制御手段と、を備える、
ことを特徴とする記録装置が提供される。

Claims (1)

  1. シートを搬送する搬送手段と、
    前記搬送手段により搬送される前記シートにインクを吐出して画像を記録する記録手段と、
    前記搬送手段により搬送され、前記記録手段により画像が記録された前記シートを加熱する加熱手段と、
    前記シートの第一面に画像を記録した後に前記シートの第二面に画像を記録する両面記録の場合に、前記第一面のインク吐出量と前記第二面のインク吐出量とに基づいて、前記第二面に対する前記加熱手段による加熱を制御する制御手段と、を備える、
    ことを特徴とする記録装置。
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