JP2021041603A - 記録装置、及び加熱装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】加熱ローラと対向ローラとで挟んで記録媒体を加熱する際に、記録媒体に発生している凹凸を潰して皺が発生することを防ぐこと。【解決手段】記録装置は、インクを吐出し記録媒体上に画像を形成する記録手段と、記録手段により画像が記録された記録媒体を搬送方向に搬送する搬送手段と、搬送手段により搬送される記録媒体を接触して加熱する加熱手段と、を備え、加熱手段は、記録媒体を加熱する加熱回転体と、加熱回転体とともに記録媒体を挟む対向回転体を備え、対向回転体は、搬送方向と交差する方向に離間して配置され、加熱回転体に対向する複数の対向ローラを備える。【選択図】 図10
Description
本発明は、記録装置、及びその加熱装置に関し、特に、例えば、インクジェット記録ヘッドを搭載した記録装置及びその加熱装置に関する。
従来のインクジェット記録装置の中には、記録ヘッドから記録媒体(例えば、記録紙)に吐出されたインクを乾燥させる機構(乾燥促進装置)を備えたものがある。例えば、引用文献1は、記録媒体上に吐出されたインクの乾燥手段として、記録媒体に対して接離可能な加熱ローラを備えた画像形成装置を開示している。引用文献1によれば、加熱ローラと、記録媒体を加熱ローラに当接させるための対向ローラとで挟むことで、記録媒体に吐出されたインクを加熱乾燥させている。
ここで、紙等の記録媒体は、搬送中に用紙上に凹凸が発生する場合がある。例えば搬送ローラの搬送速度がローラ長手方向に不均一であることにより発生するものや、インクジェット記録方式においては記録媒体がインクを吸収した際に、その水分により記録媒体が膨張することにより発生するものがある。このように、凹凸が発生した記録媒体を加熱ローラと対向ローラとで挟んで乾燥させる記録装置では、記録媒体全面を加熱ローラに密着させる際に記録媒体に発生している凹凸を潰してしまい、出力した記録媒体に潰し皺が発生する場合があった。
本発明の目的は、加熱ローラと対向ローラとで挟んで記録媒体を加熱する際に、記録媒体上に発生している凹凸を潰して皺が発生することを防ぐ技術を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の記録装置は、インクを吐出し記録媒体上に画像を形成する記録手段と、前記記録手段により画像が記録された前記記録媒体を搬送方向に搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送される前記記録媒体を接触して加熱する加熱手段と、を備える記録装置であって、前記加熱手段は、前記記録媒体を加熱する加熱回転体と、前記加熱回転体とともに前記記録媒体を挟む対向回転体を備え、前記対向回転体は、前記搬送方向と交差する方向に離間して配置され、前記加熱回転体に対向する複数の対向ローラを備える。
本発明によれば、加熱ローラと対向ローラとで挟んで記録媒体を加熱する際に、記録媒体上に発生している凹凸を潰して皺が発生することを防ぐことが可能になる。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
<記録システムの構成>
図1は本発明の一実施形態に係る記録システム1の正面図である。図1を含む各図において矢印Xは左右方向を、矢印Yは奥行き方向を示し、互いに直交する。矢印Zは上下方向を示す。
図1は本発明の一実施形態に係る記録システム1の正面図である。図1を含む各図において矢印Xは左右方向を、矢印Yは奥行き方向を示し、互いに直交する。矢印Zは上下方向を示す。
記録システム1は、本体装置2と後処理装置3とを含む。本実施形態の本体装置2は複合機を構成する装置であり、複写機能、スキャナ機能、プリンタ機能を有している。本体装置2は読取装置4と記録装置5と給送装置6とを含み、また、本体装置2の前部には操作部7が設けられている。操作部7はユーザとの入出力インタフェースであり、例えばハードキーと表示部、或いは、ユーザの入力を受け付けると共に情報を表示するタッチパネルを含み、また、音声発生器等の出力部を含む。
読取装置4はADF(自動原稿送り装置)を含み、積載された原稿の搬送と原稿画像の読み取りとを行う。給送装置6は記録装置5に記録媒体を給送する装置である。記録媒体は本実施形態の場合、紙、フィルムなどのシートであり、特にカットシートである。記録媒体のことをシートと呼ぶ場合がある。給送装置6はシートが積載される複数のカセット6aと、搬送経路RT上でカセット6aから記録装置5へシートを給送する給送機構(不図示)とを含む。
記録装置5はシートに画像を記録する。記録装置5は、インクをシートに吐出して画像を記録する記録ユニット30と、シートの乾燥を促進する乾燥促進ユニット40、50とを含む。記録装置5の詳細は後述する。
後処理装置3は、オプションの装置として本体装置2の側部に分離可能に取り付けられ、シートの後処理を行うフィニッシャ(シート処理装置)である。後処理としては、例えば、記録装置5から排出されるシートをトレイ3aに積載する積載処理、記録装置5から排出されたシートを順に複数枚取り込み、整合して束状にするソート処理、束ねたシート束をステイプラで綴じるステイプル処理、製本処理、穴あけ処理を挙げることができる。
<記録装置の構成>
図2は記録装置5の内部構造を示す説明図である。記録装置5は、その内部機構を支持するフレームとして、底壁部5a、上壁部5b、右壁部5c、左壁部5d、背壁部5eを含む。これら壁部は記録装置5の内部空間を画定している。記録装置5の内部空間は、更に、仕切壁5hによって下側の空間SP1と上側の空間SP2とに区画されている。空間SP1と空間SP2とは気密に区切られているわけではなく、互いに連通している。
図2は記録装置5の内部構造を示す説明図である。記録装置5は、その内部機構を支持するフレームとして、底壁部5a、上壁部5b、右壁部5c、左壁部5d、背壁部5eを含む。これら壁部は記録装置5の内部空間を画定している。記録装置5の内部空間は、更に、仕切壁5hによって下側の空間SP1と上側の空間SP2とに区画されている。空間SP1と空間SP2とは気密に区切られているわけではなく、互いに連通している。
底壁部5aは給送装置6から給送されるシートが通過する開口5fを有している。また、右壁部5cは後処理装置3へ排出されるシートが通過する開口5gを有している。左壁部5d及び右壁部5cは、メンテナンスのため、扉形式で開閉可能に支持されてもよい。
記録装置5は、搬送ユニット20、記録ユニット30、乾燥促進ユニット40及び50、矯正ユニット60、及び、排気ユニット70を含む。
<搬送ユニット>
搬送ユニット20は、搬送経路RTに沿ってシートを搬送する機構である。搬送経路RTは、本実施形態の場合、開口5fを上流端、開口5gを下流端として、シートが搬送される経路である。搬送経路RTは、主経路RT1及びRT2、スイッチバック経路RT3及び反転経路RT4を含む。主経路RT1及びRT2は、開口5fから中間点M1を通って開口5gに繋がる経路であり、開口5fから中間点M1までが主経路RT1、中間点M1から開口5gまでが主経路RT2である。主経路RT1及びRT2は、シートを左方向→上方向→右方向と搬送させる経路であり、シートは記録ユニット30→乾燥促進ユニット40→乾燥促進ユニット50→矯正ユニット60の順でこれらを通過する。シートの片面のみを記録する片面記録の場合、シートは主経路RT1及びR2を通って搬送される。
搬送ユニット20は、搬送経路RTに沿ってシートを搬送する機構である。搬送経路RTは、本実施形態の場合、開口5fを上流端、開口5gを下流端として、シートが搬送される経路である。搬送経路RTは、主経路RT1及びRT2、スイッチバック経路RT3及び反転経路RT4を含む。主経路RT1及びRT2は、開口5fから中間点M1を通って開口5gに繋がる経路であり、開口5fから中間点M1までが主経路RT1、中間点M1から開口5gまでが主経路RT2である。主経路RT1及びRT2は、シートを左方向→上方向→右方向と搬送させる経路であり、シートは記録ユニット30→乾燥促進ユニット40→乾燥促進ユニット50→矯正ユニット60の順でこれらを通過する。シートの片面のみを記録する片面記録の場合、シートは主経路RT1及びR2を通って搬送される。
スイッチバック経路RT3及び反転経路RT4は、シートの両面を記録する両面記録の場合に、片面記録後のシートが搬送される経路である。スイッチバック経路RT3は、中間点M1から主経路RT2とは別の経路を形成している。また、反転経路RT4は中間点M1から主経路RT1の途中の合流点M2までの経路であり、反転経路RT4を経由することで、シートは表裏が反転されて再び主経路RT1に戻されることになる。
以下の説明において下流側、上流側と呼ぶ場合、搬送経路RTにおけるシートの搬送方向を基準とする。
搬送ユニット20は、シートに搬送力を付勢する駆動機構と、搬送経路RTに沿ったシートの搬送を案内するガイドとを含み、図2にはその一部が図示されている。駆動機構は、モータ等の駆動源により駆動される複数の搬送ローラ21を含む。各搬送ローラ21には従動ローラ又は拍車が対向して配置される。シートは搬送ローラ21と従動ローラ又は拍車との間に挟まれるようにして搬送される。拍車は、記録画像の品質保持のため、記録ユニット30よりも下流側の領域において、記録面の側に接するように配置される。ガイドは、ガイド部材22〜24を含む。ガイド部材24は左壁部5dに支持されている。ガイド部材23とガイド部材24との間に搬送経路RTの一部が形成され、ガイド部材22とガイド部材24との間に経路RT1の一部が形成される。
搬送ユニット20は、また、経路切替ユニット25、26を含む。経路切替ユニット25、26はシートの案内経路を切り替えるユニットであり、電磁ソレノイドやモータ等の駆動源により作動する。経路切替ユニット25、26は片面記録の場合はシートを主経路RT1から主経路RT2へ案内し、両面記録の場合はシートを主経路RT1からスイッチバック経路RT3へ案内し、スイッチバックされたシートを反転経路RT4に案内する。図3は経路切替ユニット25、26の経路切替態様を示している。経路切替ユニット25、26は、それぞれ、回動自在なフラップを含み、フラップの位置により経路を切り替える。実線で示す位置が片面記録の場合の位置であり、破線で示す位置が両面記録の場合の位置である。
<記録ユニット>
図2に戻り、記録ユニット30は記録ヘッド31を含み、記録ヘッド31はインクをシートに吐出して画像(インク像)を形成するインクジェットヘッドである。記録ヘッド31が吐出するインクは、複数のインク貯留部Tに貯留される。インク貯留部Tはインクの種類毎に設けられており、インクの種類は例えば、色の種類として、イエロ、マゼンタ、シアン、ブラックである。
図2に戻り、記録ユニット30は記録ヘッド31を含み、記録ヘッド31はインクをシートに吐出して画像(インク像)を形成するインクジェットヘッドである。記録ヘッド31が吐出するインクは、複数のインク貯留部Tに貯留される。インク貯留部Tはインクの種類毎に設けられており、インクの種類は例えば、色の種類として、イエロ、マゼンタ、シアン、ブラックである。
記録ヘッド31はインクの種類毎に設けられる。本実施形態の場合、各記録ヘッド31は、Y方向に延設されたフルラインヘッドであり、使用可能な最大サイズのシートの画像記録領域の幅をカバーする範囲にノズルが配列されている。記録ヘッドは、微小隙間(例えば数mm)を介してシートと対向する下面を含み、この下面はノズルが開口したインク吐出面を形成する。
各ノズルには吐出素子が設けられている。吐出素子は、例えば、ノズル内に圧力を発生させてノズル内のインクを吐出させる素子であり、公知のインクジェットヘッドの技術が適用可能である。吐出素子としては、例えば電気−熱変換体によりインクに膜沸騰を生じさせ気泡を形成することでインクを吐出する素子、電気−機械変換体によってインクを吐出する素子、静電気を利用してインクを吐出する素子等が挙げられる。電気−熱変換体を利用した吐出素子を用いることで、高速で高密度の記録を行うことができる。
なお、記録ユニット30は、キャリッジに搭載された記録ヘッドが、シートの幅方向に往復移動して記録を行うシリアル型の記録ユニットであってもよい。また、吐出されるインクは黒色のみ等、一種類であってもよい。記録ユニット30の記録モードとして、単一インクの記録モードと、複数種類のインクの記録モードが選択できてもよい。インクは、主として色剤(染料又は顔料)と溶媒成分を含有してもよい。溶媒成分は水系材料を用いることができる。染料としては、例えば直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料、食用色素などに代表される水溶性染料が好ましく、上記の記録媒体との組み合わせで定着性、発色性、鮮明性、安定性、耐光性その他の要求される性能を満たす画像を与えるものであれば何れであってもよい。顔料としては、カーボンブラックなどが好ましい。顔料と分散剤を併用する方法も自己分散型顔料を用いる方法、マイクロカプセル化する方法も可能である。また、インクには必要に応じて溶剤成分や可溶化剤、粘度調整剤、界面活性剤、表面張力調整剤、pH調整剤、比抵抗調整剤などの各種添加剤を加えて用いることもできる。
<乾燥促進ユニット>
記録ユニット30により画像が記録されたシートは、インクの液分によって膨張し、起伏を生じ得る。こうしたシートは、記録装置5内における紙ジャムや後処理装置3における積載性/整列性を悪化させる要因になる。シートの乾燥を促進することで、インクの液分によるシートの膨張を抑制することができる。本実施形態の記録装置5は、シートの乾燥方式が異なる複数の乾燥促進ユニット40及び50を備える。
記録ユニット30により画像が記録されたシートは、インクの液分によって膨張し、起伏を生じ得る。こうしたシートは、記録装置5内における紙ジャムや後処理装置3における積載性/整列性を悪化させる要因になる。シートの乾燥を促進することで、インクの液分によるシートの膨張を抑制することができる。本実施形態の記録装置5は、シートの乾燥方式が異なる複数の乾燥促進ユニット40及び50を備える。
乾燥促進ユニット40は、記録ユニット30よりも下流側に配置されており、温風をシートに送風することで、シートと非接触でシートの乾燥を促進するユニットである。その構造を図2と図3を参照して説明する。
乾燥促進ユニット40は、内部空間を画定する中空体41と、中空体41の内部に配置されたファン42及び発熱素子43とを含む。中空体41は、その右側部に空気の取入れ口41aを備える。中空体41の左側部を形成する壁部41bは、シートの搬送ガイドを兼用したガイド壁部であり、最大サイズのシートの幅をカバーするようにY方向に延設されている。ガイド壁部41bは、C字型の断面形状(X−Z平面上の断面)を有しており、ガイド部材22〜24と対向する壁面を有する。この壁面とガイド部材22〜24との間に、搬送経路RTの一部が形成され、また、中間点M1が設定されている。ガイド壁部41bには中空体41の内部空間と連通した温風の吹き出し孔Nが多数形成されている。
ファン42は、モータを駆動源とした電動ファンであり、例えばシロッコファンである。ファン42は取入れ口41aから中空体41内に空気を導入する。導入された空気により中空体41内の気圧が高まり、中空体41内の空気は吹き出し孔Nから中空体41外に吹き出る。ファン42は1つでもよいが、Y方向に複数のファン42が並設されてもよい。
発熱素子43は、ファン42によって取入れ口41aから中空体41内に導入される空気を加熱する。本実施形態の場合、発熱素子43は赤外線ランプヒータ等の棒状の発熱素子であり、Y方向に延設されている。また、複数の発熱素子43がZ方向に配列されている。複数の発熱素子43は、ファン43と取入れ口41aとの間に配置されており、取入れ口41aから中空体41内に導入される空気は、発熱素子43を通過する際に加熱されることになる。乾燥促進ユニット40には温度センサ44が設けられており、温度センサ44の検知結果により発熱素子43の駆動が制御される。
このような構成により、乾燥促進ユニット40は、図3において矢印で気流を示すように、温風を吹き出し孔Nから送風する。これにより、搬送経路RTを通過するシートを加熱し、シート上のインク像に含まれる液分の蒸発を促し、シートの乾燥を促進することができる。
乾燥促進ユニット50は、乾燥促進ユニット40よりも下流側に配置されており、シートと接触してシートを加熱し、その乾燥を促進する加熱定着器である。その構造を図2を参照して説明する。
乾燥促進ユニット50は、発熱体51とローラ56とを含み、これらは最大サイズのシートの幅をカバーするようにY方向に延設されている。発熱体51は、発熱素子54を支持する支持部材53を含む。発熱素子54は例えばセラミックヒータであり、Y方向に延設されている。発熱素子54の温度は、サーミスタに代表される温度センサ55により検知され、検知結果に基づき発熱素子54の駆動が制御される。
支持部材53は、また、フィルム52を支持する。フィルム52は円筒形状に構成され、Y方向に延設されている。フィルム52は支持部材53の回りを回転自在に支持部材53に支持され、かつ、ローラ56と発熱素子54との間に介在している。フィルム52は、例えば、膜厚が10μm以上100μm以下の単層フィルム或いは複合層フィルムである。単層フィルムの場合、その材料は、例えば、PTFE、PFA、FEPである。複合層フィルムの場合、例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PES、PPS等の層に、PTFE、PFA、FEP等を被覆するか、或いは、コーティングを施した層構造のフィルムである。
なお、発熱体51の構成としては、この構造に限られず、例えば、中空の金属の芯軸内部にハロゲンヒータなどの発熱素子を備え、芯軸の周囲をシリコンゴム等の弾性体で被覆した構造のものであってもよい。
ローラ56は芯金56aの周面をシリコンゴム等の弾性体56bで被覆して構成されるゴムローラ、または周面がプラスチックで形成されるプラスチックローラである。ローラ56は、所定の押圧力をもって発熱体51に圧接され、ローラ56と発熱体51とによってニップ部が形成される。ローラ56はモータを駆動源として回転され、フィルム52はローラ56に連れ回る。このような構成により、シートはニップ部において搬送されつつ加熱され、シートの乾燥を促進することができる。
本実施形態では、乾燥促進ユニット40及び50により二段階でシートを乾燥したが、乾燥促進ユニット40はなくてもよい。
<矯正ユニット>
矯正ユニット60はシートの湾曲(ここではカール)を矯正する機構である。本実施形態の場合、矯正ユニット60は、大径の駆動ローラ61と、小径の従動ローラ62とを含む。駆動ローラ61は、芯金の周囲をシリコンゴム等の弾性体で被覆したローラである。従動ローラ62は、金属ローラである。駆動ローラ61と従動ローラ62とは互いに圧接されている。駆動ローラ61と従動ローラ62との間をシートが通過する際、これらのローラによってシートに圧力を加え、シートのカールを矯正することができる。矯正ユニット60は、シートに対して、例えば上向きに凸となる方向の矯正力を付与することができる。この場合、下向きに凸のカールを有するシートを矯正ユニット60によって、より平坦な形態に矯正することができる。
矯正ユニット60はシートの湾曲(ここではカール)を矯正する機構である。本実施形態の場合、矯正ユニット60は、大径の駆動ローラ61と、小径の従動ローラ62とを含む。駆動ローラ61は、芯金の周囲をシリコンゴム等の弾性体で被覆したローラである。従動ローラ62は、金属ローラである。駆動ローラ61と従動ローラ62とは互いに圧接されている。駆動ローラ61と従動ローラ62との間をシートが通過する際、これらのローラによってシートに圧力を加え、シートのカールを矯正することができる。矯正ユニット60は、シートに対して、例えば上向きに凸となる方向の矯正力を付与することができる。この場合、下向きに凸のカールを有するシートを矯正ユニット60によって、より平坦な形態に矯正することができる。
<排気ユニット>
排気ユニット70は、記録装置5内の空気を装置外へ排気するユニットである。本実施形態の記録装置5は、乾燥促進ユニット40及び50を備えており、これらは装置内の気温を高める。また、これらはインクの水分を蒸発させるように作用する。多数のシートに対して連続的に記録を行う場合、装置内の湿度が上昇し得る。高湿度はシートの湾曲の要因となる。乾燥促進ユニット50から開口5gまでの間はシートの搬送距離が比較的長く、しかも、水蒸気が滞留しやすい上部の空間SP2内をシートが搬送される。空間SP2内においてシートが高湿度雰囲気に曝される場合がある。排気ユニット70によって空間SP2内の空気を装置外に排気することで装置内の湿度を下げることができる。
排気ユニット70は、記録装置5内の空気を装置外へ排気するユニットである。本実施形態の記録装置5は、乾燥促進ユニット40及び50を備えており、これらは装置内の気温を高める。また、これらはインクの水分を蒸発させるように作用する。多数のシートに対して連続的に記録を行う場合、装置内の湿度が上昇し得る。高湿度はシートの湾曲の要因となる。乾燥促進ユニット50から開口5gまでの間はシートの搬送距離が比較的長く、しかも、水蒸気が滞留しやすい上部の空間SP2内をシートが搬送される。空間SP2内においてシートが高湿度雰囲気に曝される場合がある。排気ユニット70によって空間SP2内の空気を装置外に排気することで装置内の湿度を下げることができる。
本実施形態の排気ユニット70は、複数の排気ダクト71〜73により空間SP2内の空気を自然排気する構造である。しかし、排気ユニット70はファン等によって装置内の空気を強制排気するものであってもよい。図2及び図4を参照して排気ユニット70の構造について説明する。図4は排気ユニット70の周辺を示す平面図であり、上壁部5bは図示を省略している。
排気ダクト71は、Y方向に延設された延設部71aと、延設部71aのY方向奥側の端部からX方向右側に延設された延設部71bとを含む管部材である。延設部71aは、乾燥促進ユニット50におけるシートの排出位置近傍であって、かつ、主経路RT2よりも下側の位置において延設されている。延設部71aは、左側上部と、底部とに空気の取入れ口となる複数のスリットが形成された空気取入れ部である。左側上部のスリットからは、例えば、乾燥促進ユニット50で温められた空気が導入され、底部のスリットからは、例えば、乾燥促進ユニット40の吹き出し孔Nから吹き出された温風が導入され得る。延設部71aは、背壁部5eを横断して延設されており、そのY方向の奥側の端部と、延設部71bは空間SP2の外部(Y方向の奥側)に位置している。なお、延設部71aは、主経路RT2の上側の位置において延設される形態であってもよい。
排気ダクト72は、Y方向に延設された延設部72aと、延設部72aから右側へ延びる集合部72bと、集合部72bの右側端部からY方向奥側へ延設された延設部72cとを含む管部材である。延設部72aは、乾燥促進ユニット50におけるシートの排出位置近傍であって、かつ、主経路RT2よりも上側の位置において延設されている。延設部72aの底部は開口して空気の取入れ口を形成しており、例えば、乾燥促進ユニット50で温められた空気や空間SP2内の水蒸気が導入される。延設部72aは、上壁部5bを横断して上壁部5bの上方に突出している。
集合部72bは、平面視で延設部72a側が幅広の三角形状を有しており、その全体が上壁部5bの上方に位置している。集合部72bは延設部72aに導入された空気を、その右側端部においてY方向中央部に集合させる。集合した空気は延設部72cに流入する。延設部72cもその全体が上壁部5bの上方に位置しており、部分的に屈折して背壁部5eの奥側に延設されている。背壁部5eの奥側において、排気ダクト71の延設部71bが、排気ダクト72の延設部72cに接続され、これらの内部空間が連通している。延設部72cは、排気ダクト73に接続されている。
排気ダクト73は、X方向に延設され、かつ、Y方向で奥側に開口した排気部材である。排気ダクト73の開口は、本体装置2の背面側の外装を形成するカバー8に対向している。カバー8には多数のスリット(ルーバー)8aが形成されており、排気ダクト73に流入した空気はスリット8aを通って本体装置2の背面側から装置外へ排気される。
<制御ユニット>
本体装置2の制御系について説明する。図5は本体装置2の制御ユニット9のブロック図である。制御ユニット9は、処理部10と、記憶部11と、読取制御部13と、画像処理部14と、ヘッド制御部15と、エンジン制御部16と、乾燥制御部17と、を含む。処理部10はCPU(中央演算処理部)に代表されるプロセッサであり、本体装置2の各ユニットの動作を統合的に制御する。記憶部11は、例えば、ROM、RAM等の記憶デバイスである。記憶部11には、処理部10が実行するためのプログラム、本体装置2の各種動作に必要な固定データ(例えば、各カセット6aに収容されているシートの種類に関するデータ)を格納する。また、記憶部11は処理部10のワークエリアとして又は種々の受信データの一時格納領域として各種設定データを記憶する。
本体装置2の制御系について説明する。図5は本体装置2の制御ユニット9のブロック図である。制御ユニット9は、処理部10と、記憶部11と、読取制御部13と、画像処理部14と、ヘッド制御部15と、エンジン制御部16と、乾燥制御部17と、を含む。処理部10はCPU(中央演算処理部)に代表されるプロセッサであり、本体装置2の各ユニットの動作を統合的に制御する。記憶部11は、例えば、ROM、RAM等の記憶デバイスである。記憶部11には、処理部10が実行するためのプログラム、本体装置2の各種動作に必要な固定データ(例えば、各カセット6aに収容されているシートの種類に関するデータ)を格納する。また、記憶部11は処理部10のワークエリアとして又は種々の受信データの一時格納領域として各種設定データを記憶する。
読取制御部13は読取装置4を制御する。画像処理部14は、本体装置2で扱う画像データの画像処理を行う。入力された画像データの色空間(例えばYCbCr)を、標準的なRGB色空間(例えばsRGB)に変換する。これらの画像処理によって得られた記録データは、記憶部11に格納される。ヘッド制御部15は、処理部10から受信した制御コマンドに基づいて記録データに応じて記録ユニット30の駆動制御を行なう。エンジン制御部16は、シートの搬送制御等を行う。乾燥制御部17は、乾燥促進ユニット40、50の駆動制御を行う。これらの各制御部は、CPU等のプロセッサ、RAMやROM等の記憶デバイス、外部デバイスとのインタフェースを含む。
I/O12は、制御ユニット9とホスト装置18及び後処理装置3と接続するためのインターフェース(I/F)であり、ローカルI/F又はネットワークI/Fである。ホスト装置18は、記録装置5に記録動作を行わせるための画像データの供給源となる装置である。ホスト装置18は、汎用又は専用のコンピュータであってもよいし、画像リーダ部を有する画像キャプチャ、デジタルカメラ、フォトストレージ等の専用の画像機器であってもよい。
<動作例>
制御ユニット9の制御による記録装置5の記録動作の例について図6〜図9を参照して説明する。まず、図6及び図7を参照してシートの片面に画像を記録する場合の動作について説明する。シートの片面に画像を記録する場合、経路切替ユニット25、26が片面記録の場合の位置(図3における実線で示す位置)にセットされる。乾燥促進ユニット40の発熱素子43や乾燥促進ユニット50の発熱素子54は事前に所定の温度に維持される。
制御ユニット9の制御による記録装置5の記録動作の例について図6〜図9を参照して説明する。まず、図6及び図7を参照してシートの片面に画像を記録する場合の動作について説明する。シートの片面に画像を記録する場合、経路切替ユニット25、26が片面記録の場合の位置(図3における実線で示す位置)にセットされる。乾燥促進ユニット40の発熱素子43や乾燥促進ユニット50の発熱素子54は事前に所定の温度に維持される。
図6の状態ST1は、給送装置6から給送されたシートPが搬送ユニット20により主経路RT1上を記録ユニット30へ搬送され、記録ユニット30による記録が開始されている状態を示す。記録ユニット30は、矢印で示すようにシートPにインクを吐出して画像を記録する。シートPは乾燥促進ユニット40に向けて搬送される。乾燥促進ユニット40は作動を開始し、図6の状態ST2に示すように、搬送されるシートPに温風を送風する。温風により、インクにより湿ったシートPの乾燥が促進される。
シートPは更に主経路RT2上を乾燥促進ユニット50に向けて搬送される。乾燥促進ユニット50は作動を開始し、図7の状態ST3に示すようにローラ56が回転してシートPが搬送されると共に発熱体51によりシートPが加熱される。シートPの乾燥が更に促進される。
図7の状態ST4に示すようにシートPは更に主経路RT2上を矯正ユニット60に向けて搬送される。矯正ユニット60は作動を開始し、シートPはそのカールが矯正されつつ、開口5gから後処理装置3へ排出される。
次に、図8及び図9を参照してシートの両面に画像を記録する場合の動作について説明する。図8の状態ST11は、給送装置6から給送されたシートPが搬送ユニット20により主経路RT1上を記録ユニット30へ搬送され、記録ユニット30による記録が開始されている状態を示す。記録ユニット30は、矢印で示すようにシートPの表面にインクを吐出して画像を記録する。経路切替ユニット26が両面記録の場合の位置(図3における破線で示す位置)にセットされる。
シートPは乾燥促進ユニット40に向けて搬送される。乾燥促進ユニット40は作動を開始し、図8の状態ST12に示すように、搬送されるシートPに温風を送風する。温風により、インクにより湿ったシートPの乾燥が促進される。経路切替ユニット26の案内によりシートPは乾燥促進ユニット50には搬送されず、スイッチバック経路RT3に搬送される。シートPの後端が経路切替ユニット25の位置を通過すると、経路切替ユニット25が両面記録の場合の位置にセットされる。続いて搬送ユニット20はスイッチバック経路RT3上をシートPを逆方向に搬送する(スイッチバック搬送)。
経路切替ユニット25の案内により、シートPは図8の状態ST13に示すように反転経路RT4に搬送される。そして、シートPは図8の状態ST14に示すように、主経路RT1に戻される。経路切替ユニット25は片面記録の場合の位置(図3における実線で示す位置)にセットされる。記録ユニット30は、矢印で示すようにシートPの裏面にインクを吐出して画像を記録する。その後の動作は片面記録の場合の状態ST2〜ST4と同じである。
<乾燥促進ユニット50>
次に、図10〜図19を参照して、本実施形態に係る乾燥促進ユニット50の構成を説明する。本実施形態に係る乾燥促進ユニット50は、印刷中の用紙(記録媒体)を加熱ローラ51(加熱回転体)に当接させる際に、用紙に発生している凹凸を潰して皺を発生させることを防ぐためのローラ56(対向回転体)を有する加熱装置である。
次に、図10〜図19を参照して、本実施形態に係る乾燥促進ユニット50の構成を説明する。本実施形態に係る乾燥促進ユニット50は、印刷中の用紙(記録媒体)を加熱ローラ51(加熱回転体)に当接させる際に、用紙に発生している凹凸を潰して皺を発生させることを防ぐためのローラ56(対向回転体)を有する加熱装置である。
(第1実施例)
図10は、第1実施例に係る乾燥促進ユニット50の平面図を示す。本実施例に係る乾燥促進ユニット50は、芯金(支持部材)56aによって支持される弾性体(対向ローラ)56bが複数設けられ、複数の対向ローラ56bは、搬送方向と交差する方向に所定の間隔を空けて離間して支持されている。対向ローラ56bは、例えば周面がゴムやシリコンなどの素材で形成される。
図10は、第1実施例に係る乾燥促進ユニット50の平面図を示す。本実施例に係る乾燥促進ユニット50は、芯金(支持部材)56aによって支持される弾性体(対向ローラ)56bが複数設けられ、複数の対向ローラ56bは、搬送方向と交差する方向に所定の間隔を空けて離間して支持されている。対向ローラ56bは、例えば周面がゴムやシリコンなどの素材で形成される。
複数の対向ローラ56bが搬送方向と交差する方向に同一軸上で離間して配置されることで、搬送中に加熱ローラ51に用紙全面が押しつけられないようになるため、用紙に生じた凹凸が対向ローラ56bによって潰されて潰し皺が生じる可能性を低減させることができる。また、用紙の凹凸が対向ローラ56bの間に逃げることにより、潰し皺が発生することを防ぐことができる。
なお、対向ローラ56bの幅と、複数の対向ローラ56bの間隔は、対向ローラ56bによって得られる搬送能力(摩擦力)に基づいて決定されればよい。例えば、対向ローラ56bの幅が広くなると、潰し皺が発生する可能性が高まるものの、加熱ローラ51に対して用紙を均一に接触させることができ、搬送力を確保することが可能となる。一方、複数の対向ローラ56bの間隔が大きいと、潰し皺が発生する可能性を低減することができる。
なお、図10の例では、対向ローラ56bは、等間隔で芯金56aに固定されている。一例では、対向ローラ56bの間隔は一定でなくてもよく、例えば、図10のY方向の用紙の端部に凹凸が頻繁に生じる場合は、中央部に比べてより広い間隔で対向ローラ56bが配置されてもよい。
また、図10の例では、等しい幅の複数の対向ローラ56bが配置されている。一例では、対向ローラ56bの幅は一定でなくてもよい。例えば、加熱ローラ51の軸方向(図10のY方向)の端部でより高い搬送能力が必要な場合は、中央側に比べてより広い幅の対向ローラ56bが用紙端部に配置され、狭い幅の対向ローラ56bが加熱ローラ51の軸方向の中央側に配置されてもよい。
また、本実施例では、芯金56aによって複数の対向ローラ56bが離間して支持されており、それによって用紙の凹凸が潰されないローラについて説明したが、用紙の凹凸が潰されないのであれば、対向ローラ56bは1つのみであってもよい。すなわち、1つの対向ローラ56bが、間隔を空けて用紙を加熱ローラ51に接触させるための複数の当接部と、複数の当接部の間に配置された非当接部とを有する構成によって、用紙の凹凸が当接部に潰される可能性を低減するようにしてもよい。これによって、図10の例と同様に、用紙に発生している凹凸を潰して皺が発生することを防ぎながら、加熱ローラ51の軸方向における対向ローラ56bの強度を高めることができる。
以上説明したように、本実施例に係る加熱装置によれば、加熱ローラに対向する複数の対向ローラ56bが、搬送方向と交差する方向に離間して配置されることで、加熱装置において用紙に発生している凹凸を潰して皺が発生することを防ぐことができる。
(第2実施例)
図11は、第2実施例に係る乾燥促進ユニット50の正面図を示す。本実施例に係る乾燥促進ユニット50は、加熱ローラ51の円周方向にローラ56を複数配置し、複数のローラ56のそれぞれは、加熱ローラ51に接触するように支持されている。本実施例において、用紙は複数のローラ56と加熱ローラとの間に形成された搬送経路を通過する。
図11は、第2実施例に係る乾燥促進ユニット50の正面図を示す。本実施例に係る乾燥促進ユニット50は、加熱ローラ51の円周方向にローラ56を複数配置し、複数のローラ56のそれぞれは、加熱ローラ51に接触するように支持されている。本実施例において、用紙は複数のローラ56と加熱ローラとの間に形成された搬送経路を通過する。
図12は、第2実施例に係る乾燥促進ユニット50の平面図を示す。複数のローラ56のそれぞれは、芯金56aによって所定の間隔を空けて支持された複数の対向ローラ56bを備える。すなわち、加熱ローラ51の円周方向に複数の支持部材を有し、複数の支持部材のそれぞれが、間隔をあけて配置された複数の対向ローラ56bを備える。
このように、加熱ローラ51の円周方向に複数の支持部材を有することで、用紙が加熱ローラによって加熱される時間を長くすることができ、乾燥性能を確保することができる。
また、図12に示すように、複数の芯金56aが支持する複数の対向ローラ56bは、加熱ローラ51の軸方向で異なる位置に配置され、搬送方向の上流側で加熱ローラ51に当接しない部分が、下流側で加熱ローラ51に当接するように構成されている。これによって、用紙が搬送される際に、用紙のより多くの部分が加熱ローラに当接することになり、均一に用紙を乾燥させることができる。
図12の例では、複数の芯金56aが支持する複数の対向ローラ56bは、加熱ローラ51の軸方向で異なる位置に配置されるが、複数の対向ローラ56bが搬送方向で重畳するように図示されているが、これに限られない。
図13に、第2実施例に係る乾燥促進ユニット50の変形例を示す。図13(A)では、複数の芯金56aが支持する複数の対向ローラ56bは、加熱ローラ51の軸方向で異なる位置に配置され、搬送方向で複数の対向ローラ56bが重畳しないように配置される。図13(B)では、隣接する芯金56aが支持する複数の対向ローラ56bは、加熱ローラ51の軸方向で異なる位置に配置されるが、隣接しない芯金56aが支持する複数の対向ローラ56bは、搬送方向で複数の対向ローラ56bが重畳するように配置される。図13(C)では、隣接する芯金56aが支持する複数の対向ローラ56bの少なくともいずれかは、加熱ローラ51の軸方向で異なる位置に配置される。
なお、図11〜図13では、3つのローラ56が配置されているが、本実施例では複数のローラ56が配置されればこれに限定されない。また、本実施形態では、複数のローラ56は、同一の素材、寸法の対向ローラ56bを備えるものとして説明したが、複数のローラ56は、素材又は寸法が異なってもよい。例えば、上流側の対向ローラ56bは、用紙を乾燥させる前で湿度が高いため、比較的低い摩擦力によって搬送可能であるため、記録媒体に対して比較的低い摩擦係数の対向ローラ56bで構成されてもよい。同様に、下流側の対向ローラ56bは、用紙の乾燥が進み、湿度が低いため、比較的高い摩擦力でなければ記録媒体を搬送可能ではないため、記録媒体に対して比較的高い摩擦係数の対向ローラ56bによって構成されてもよい。
以上説明したように、本実施例に係る加熱装置によれば、インクジェット記録方式の出力を行う際に、用紙に発生している凹凸を潰して皺が発生することを防ぎながらも、用紙の乾燥性能を確保することができる。
(第3実施例)
図14は、第3実施例に係る乾燥促進ユニット50の平面図を示す。本実施例に係る乾燥促進ユニット50は、芯金56aによって複数の対向ローラ56bが支持されており、複数の対向ローラ56bは間隔を空けて支持されている。本実施例に係る複数の対向ローラ56bは、加熱ローラに対して当接する面が、軸方向中央側で大径で、端部側で小径である形状である。図14の例では、対向ローラ56bはトーラス形状であり、対向ローラの軸を含む平面の断面において、対向ローラ56bの周面が曲率を有している。対向ローラ56bの周面は、円筒状の形状を有する対向ローラ56bが加熱ローラに当接する面積を低減できればよく、例えば周面上の少なくとも一部に溝などの凹形状を有してもよいし、突起などの凸形状を有してもよい。
図14は、第3実施例に係る乾燥促進ユニット50の平面図を示す。本実施例に係る乾燥促進ユニット50は、芯金56aによって複数の対向ローラ56bが支持されており、複数の対向ローラ56bは間隔を空けて支持されている。本実施例に係る複数の対向ローラ56bは、加熱ローラに対して当接する面が、軸方向中央側で大径で、端部側で小径である形状である。図14の例では、対向ローラ56bはトーラス形状であり、対向ローラの軸を含む平面の断面において、対向ローラ56bの周面が曲率を有している。対向ローラ56bの周面は、円筒状の形状を有する対向ローラ56bが加熱ローラに当接する面積を低減できればよく、例えば周面上の少なくとも一部に溝などの凹形状を有してもよいし、突起などの凸形状を有してもよい。
これによって、対向ローラ56bが用紙に当接する面積を低減することができ、用紙の凹凸が当接部に潰される可能性をさらに低減することができる。また、対向ローラ56bに潰されそうになった用紙の凹凸が、対向ローラ56bから逃げるように対向ローラ56bの間に移動することができるようになる。
(第4実施例)
図15は、第4実施例に係る乾燥促進ユニット50の平面図を示す。本実施例に係る乾燥促進ユニット50は、芯金56aによって同軸上に複数の対向ローラ56b及び複数の補助ローラ56cが加熱ローラ51に当接するよう支持されており、複数の対向ローラ56b及び複数の補助ローラ56cは間隔を空けて配置される。
図15は、第4実施例に係る乾燥促進ユニット50の平面図を示す。本実施例に係る乾燥促進ユニット50は、芯金56aによって同軸上に複数の対向ローラ56b及び複数の補助ローラ56cが加熱ローラ51に当接するよう支持されており、複数の対向ローラ56b及び複数の補助ローラ56cは間隔を空けて配置される。
補助ローラ56cは、加熱ローラ51に当接し、補助ローラ56cの周面は、プラスチックなどの摩擦係数の小さい素材で形成される。一例では、補助ローラ56cの摩擦係数は、対向ローラ56bの摩擦係数の1/2から1/10の範囲、あるいは1/3から1/6である。対向ローラ56bより摩擦係数が低く、小さい摩擦力を生じさせるため、記録媒体の搬送というより、記録媒体を当接させるニップ圧を生じさせるために配置される。また、補助ローラ56cは摩擦係数が低く、記録媒体にニップ圧を加えつつ、軸方向に記録媒体が滑ることができる。このため、用紙の凹凸が補助ローラ56cで潰されないよう、補助ローラ56c間または補助ローラ56cと対向ローラ56bとの間に逃げることが可能になる。
また、対向ローラ56bは用紙との摩擦力が大きいため搬送力伝達には有利であるが、インク付着面が当接した場合に、インク転写による汚れが発生する場合がある。一方、当接補助に用いられる補助ローラ56cは、一般的に対向ローラ56bに対して用紙との摩擦力が小さいため、インク転写汚れがゴムローラと比較して発生しにくい。これによって、用紙の凹凸が当接部に潰される可能性を低減しながら、インク転写汚れが生じる可能性を低減することができる。
なお、補助ローラ56cは、対向ローラ56bより摩擦力を小さくするために、ローラ幅を小さくしてもよい。一例では、補助ローラ56cの軸方向の幅は、対向ローラ56bの軸方向の幅の1/2、1/4、又は1/6、あるいは、1/4から1/6の範囲であってもよい。
(第5実施例)
第5実施例に係る乾燥促進ユニット50は、補助ローラが、加熱ローラ51の半径方向に変位することができる構造を有する。
第5実施例に係る乾燥促進ユニット50は、補助ローラが、加熱ローラ51の半径方向に変位することができる構造を有する。
図16は、第5実施例に係る乾燥促進ユニット50の平面図を示す。本実施例に係る乾燥促進ユニット50は、芯金56aによって複数の対向ローラ56bが加熱ローラ51に当接するよう支持されるローラ56を備える。また、乾燥促進ユニット50は、弾性体である支持部材56dによって、複数の補助ローラ56cが加熱ローラ51に当接するよう支持される補助回転体を備える。支持部材56dの両端部は、複数の支持部材56eによって支持される。複数の補助ローラ56cはばねなどの弾性体である支持部材56dによって支持されるため、搬送中の記録媒体にニップ圧を与えつつ、凹凸を補助ローラ56cに潰されないように、補助ローラ56cは加熱ローラ51の半径方向に変位することができる。
図17は、図16に示す乾燥促進ユニット50の正面図を示す。支持部材56dの両端部は、複数の支持部材56eによって支持される。これによって、補助ローラ56cを拍車のような形状で挟むように支持することができ、補助ローラ56cは加熱ローラ51から離れる方向に変位することができる。
なお、図16の例では、1つの補助ローラ56cが支持部材56dによって支持されるものとして図示しているが、2つ以上の補助ローラ56cが支持部材56dによって支持されてもよい。また、本実施形態では、補助ローラ56cは加熱ローラ51の半径方向に変位するものとして説明を行ったが、半径方向に変位すれば、さらに加熱ローラ51の別の方向、例えば周面方向および軸方向の少なくとも何れかの方向に変位してもよい。すなわち、補助ローラ56cは少なくとも加熱ローラ51の半径方向に変位する。
図18は、第5実施例に係る乾燥促進ユニット50の平面図を示す。本実施例に係る乾燥促進ユニット50は、芯金56aによって複数の対向ローラ56bが加熱ローラ51に当接するよう支持されるローラ56を備える。また、乾燥促進ユニットは、芯金56eに配置されたシリコンなどの弾性体である支持部材56dによって、複数の補助ローラ56cが加熱ローラ51に当接するよう支持されるローラ57を備える。
複数の補助ローラ56cは、支持部材56dによって支持されるため、搬送中の用紙に、凹凸を潰さない程度のニップ圧を与えることができる。すなわち、複数の補助ローラ56cは、支持部材56dによって、加熱ローラ51から離れるように半径方向に変位可能に支持される。これによって、用紙を加熱ローラ51に当接させながら、用紙の凹凸が当接部に潰される可能性を低減することができる。なお、支持部材56dは、補助ローラ56cが用紙の凹凸に合わせて加熱ローラ51から離れる方向に補助ローラ56cを変位可能に支持すればよく、ウレタンゴムやシリコンゴムなどの弾性体であってもよい。
図19(A)は、図18に示す乾燥促進ユニット50の正面図を示す。図19(B)は、補助ローラ56cを含むローラ57の断面図を示す。芯金56eと補助ローラ56cとの間に、支持部材56dが充填されている。これによって、記録媒体の凹凸が補助ローラ56cに挟まれる場合に、支持部材56dが変形し、補助ローラ56cが加熱ローラ51から離れるように加熱ローラ51の半径方向に変位することで、記録媒体に生じた凹凸を潰すことを防ぐことができる。
これによって、インクジェット記録方式の出力を行う際に、記録媒体の凹凸を潰す可能性を低減しながら、記録媒体のより広い面積を加熱ローラに当接させることができる。
<他の実施形態>
上記第1〜第5実施例は、任意に組み合わせることができる。例えば、実施形態に係る加熱装置は、第4実施例のように複数の対向ローラと、摩擦力の小さい補助ローラとを備え、第3実施例のように、対向ローラは、加熱ローラに当接する中央側で大径で、軸方向端部側で小径である構造を有してもよい。
上記第1〜第5実施例は、任意に組み合わせることができる。例えば、実施形態に係る加熱装置は、第4実施例のように複数の対向ローラと、摩擦力の小さい補助ローラとを備え、第3実施例のように、対向ローラは、加熱ローラに当接する中央側で大径で、軸方向端部側で小径である構造を有してもよい。
本発明は、本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
1:記録システム、2:本体装置、3:後処理装置、20:搬送ユニット、30:記録ユニット、40:乾燥促進ユニット、50:乾燥促進ユニット、51:発熱体、52:フィルム、53:支持体、54:発熱素子、55:温度センサ、56:ローラ、56a:芯金、56b:弾性体
Claims (13)
- インクを吐出し記録媒体上に画像を形成する記録手段と、
前記記録手段により画像が記録された前記記録媒体を搬送方向に搬送する搬送手段と、
前記搬送手段により搬送される前記記録媒体を接触して加熱する加熱手段と、を備える記録装置であって、
前記加熱手段は、前記記録媒体を加熱する加熱回転体と、前記加熱回転体とともに前記記録媒体を挟む対向回転体を備え、
前記対向回転体は、前記搬送方向と交差する方向に離間して配置され、前記加熱回転体に対向する複数の対向ローラを備える、
ことを特徴とする記録装置。 - 前記対向回転体は、前記加熱回転体の周方向に複数設けられることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
- 複数の前記対向回転体は、第一の対向回転体と、該第一の対向回転体に隣接する第二の対向回転体とを含み、
前記第一の対向回転体の少なくとも1つの前記対向ローラは、前記第二の対向回転体の前記複数の対向ローラに対して、前記加熱回転体の軸方向に位置がずれていることを特徴とする請求項2に記載の記録装置。 - 前記第一の対向回転体の前記複数の対向ローラは、それぞれ、前記第二の対向回転体の前記複数の対向ローラに対して、前記加熱回転体の軸方向に位置がずれていることを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
- 各々の前記対向回転体の前記複数の対向ローラは、それぞれ、他の前記対向回転体の前記複数の対向ローラに対して、前記加熱回転体の軸方向に位置がずれていることを特徴とする請求項4に記載の記録装置。
- 前記複数の対向ローラのうちの少なくとも1つは、軸方向の端部と、前記加熱回転体に当接する、端部よりも中央側の当接部とを有し、
前記当接部よりも前記端部で小径であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の記録装置。 - 前記加熱手段は、補助回転体をさらに備え、
前記加熱回転体と前記補助回転体とは、前記記録媒体を挟み、
前記補助回転体は、前記複数の対向ローラよりも周面の摩擦係数が小さい少なくとも1つの補助ローラを備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の記録装置。 - 前記対向回転体は、同軸上で隣接する前記対向ローラの間に配置され、前記対向ローラよりも周面の摩擦係数が小さい少なくとも1つの補助ローラを備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の記録装置。
- 前記少なくとも1つの補助ローラは、軸方向の幅が対向ローラよりも狭いことを特徴とする請求項7又は8に記載の記録装置。
- 前記少なくとも1つの補助ローラは、少なくとも前記加熱回転体の半径方向に変位可能に設けられることを特徴とする請求項7から9のいずれか1項に記載の記録装置。
- 前記加熱回転体は、発熱素子を備えた加熱ローラであることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の記録装置。
- 前記複数の対向ローラは、同一軸上に離間して配置されていることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の記録装置。
- インクを吐出された記録媒体を加熱するための加熱装置であって、
前記記録媒体を挟む加熱回転体及び対向回転体を備え、
前記加熱回転体は、発熱素子を備えた加熱ローラであり、
前記対向回転体は、同一軸上で軸方向に離間して配置され、前記加熱ローラに対向する複数の対向ローラを備える、
ことを特徴とする加熱装置。
Priority Applications (1)
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JP2019164790A JP2021041603A (ja) | 2019-09-10 | 2019-09-10 | 記録装置、及び加熱装置 |
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