JP2021041596A - 記録装置及び制御方法 - Google Patents

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卓也 浜田
Takuya Hamada
卓也 浜田
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Abstract

【課題】両面記録の場合に、シートの加熱による乾燥状態の違いによる変形や、加熱されたシートの温度が記録ヘッドよりも高い場合にノズル面に生じる結露などの課題を解決する記録装置を提供する。【解決手段】シートPを搬送する搬送手段と、シートにインクを吐出して画像を記録する記録手段30と、搬送経路上の加熱区間においてシートを加熱する加熱手段40と加熱制御手段と、を備える。搬送手段は、両面記録の場合に、第一面に画像が記録されたシートの一部が加熱区間を通過した段階でシートをスイッチバックし、第二面に画像を記録するためにシートを記録手段に搬送するように構成される。加熱制御手段は、両面記録の場合に、シートの一部と、シートの残りの部分とに付与する熱量の差が小さくなるように加熱手段を制御する。【選択図】図11

Description

本発明は記録技術に関する。
シートにインクを吐出して画像を記録する方式においては、インクに含まれる水分によってシートがカールする場合がある。そこで、シートを加熱して乾燥を促進する技術が提案されている。例えば、特許文献1や特許文献2には画像を記録したシートの乾燥を促進する技術が開示されている。
米国特許出願公開第2018/0050548号明細書 特開2007−196513号公報
両面記録の場合、シートを加熱して乾燥を促進する機能に関連していくつかの問題が生じ得る。例えば、両面記録の場合、シートの搬送方式としてスイッチバック搬送が用いられる場合がある。スイッチバック搬送においてシートが折り返し地点に到達した際、シートの一部が加熱区間を通過している構成においては、シートの乾燥状態がその一部と残りの部分とで差が生じる場合がある。こうした乾燥状態の違いは、シートの変形を生じ得る。
また、別の問題として、両面記録の場合、片面の記録を終え、乾燥の促進のために加熱されたシートが、残りの一面の記録のために記録ヘッドに搬送される。シートの温度が記録ヘッドよりも高い場合があり、ノズル面に結露を生じる要因となる。
本発明は、両面記録の場合に、シートの加熱に関連した少なくとも一つの課題を解決するものである。
本発明によれば、例えば、
搬送経路に沿ってシートを搬送する搬送手段と、
前記搬送手段により搬送される前記シートにインクを吐出して画像を記録する記録手段と、
前記搬送経路上の加熱区間において、前記記録手段により画像が記録された前記シートを加熱する加熱手段と、
前記加熱手段を制御する加熱制御手段と、を備え、
前記搬送手段は、前記シートの第一面に画像を記録した後に前記シートの第二面に画像を記録する両面記録の場合に、前記第一面に画像が記録された前記シートの一部が前記加熱区間を通過した段階で該シートをスイッチバックし、前記第二面に画像を記録するために該シートを前記記録手段に搬送するように構成され、
前記加熱制御手段は、前記両面記録の場合に、前記シートの一部と前記シートの残りの部分とに付与する熱量の差が小さくなるように前記加熱手段を制御する、
ことを特徴とする記録装置が提供される。
両面記録の場合に、シートの加熱に関連した少なくとも一つの課題を解決することができる。
記録システムの正面図。 記録装置の概要図。 乾燥促進ユニットの説明図。 排気ユニットの説明図。 本体装置の制御ユニットのブロック図。 図2の記録装置の動作説明図。 図2の記録装置の動作説明図。 図2の記録装置の動作説明図。 図2の記録装置の動作説明図。 (A)はスイッチバック搬送時の問題点の説明図、(B)は熱量の付与が小さくなるシートの先端部分を示す図。 付与熱量の差を小さくする制御例を示す説明図。 付与熱量の差を小さくする制御例を示すフローチャート。 別例の乾燥促進ユニットの説明図。 図13の乾燥促進ユニットにおける付与熱量の差を小さくする制御例を示す説明図。 付与熱量の差を小さくする制御例を示すフローチャート。 (A)は、別の制御例を示すフローチャート、(B)はシートのエリアの例を示す説明図。 (A)は待機位置の例を示す説明図、(B)は搬送制御例を示すフローチャート。 停止時間の設定例を示す図。 (A)は判定領域の説明図、(B)及び(C)は画像記録例を示す図、(D)は判定領域の別例の説明図。 (A)及び(B)は別の搬送経路の例を示す図、(B)は判定領域の別例の説明図。 (A)〜(D)は別の搬送制御の例を示す図。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
<第一実施形態>
<記録システムの構成>
図1は本発明の一実施形態に係る記録システム1の正面図である。図1を含む各図において矢印Xは左右方向を、矢印Yは奥行き方向を示し、互いに直交する。矢印Zは上下方向を示す。
記録システム1は、本体装置2と後処理装置3とを含む。本実施形態の本体装置2は複合機を構成する装置であり、複写機能、スキャナ機能、プリンタ機能を有している。本体装置2は読取装置4と記録装置5と給送装置6とを含み、また、本体装置2の前部には操作部7が設けられている。操作部7はユーザとの入出力インタフェースであり、例えばハードキーと表示部、或いは、ユーザの入力を受け付けると共に情報を表示するタッチパネルを含み、また、音声発生器等の出力部を含む。
読取装置4はADF(自動原稿送り装置)を含み、積載された原稿の搬送と原稿画像の読み取りとを行う。給送装置6は記録装置5に記録媒体を給送する装置である。記録媒体は本実施形態の場合、紙、フィルムなどのシートであり、特にカットシートである。記録媒体のことをシートと呼ぶ場合がある。給送装置6はシートが積載される複数のカセット6aと、搬送経路RT上でカセット6aから記録装置5へシートを給送する給送機構(不図示)とを含む。
記録装置5はシートに画像を記録する。記録装置5は、インクをシートに吐出して画像を記録する記録ユニット30と、シートの乾燥を促進する乾燥促進ユニット40、50とを含む。記録装置5の詳細は後述する。
後処理装置3は、オプションの装置として本体装置2の側部に分離可能に取り付けられ、シートの後処理を行うフィニッシャ(シート処理装置)である。後処理としては、例えば、記録装置5から排出されるシートをトレイ3aに積載する積載処理、記録装置5から排出されたシートを順に複数枚取り込み、整合して束状にするソート処理、束ねたシート束をステイプラで綴じるステイプル処理、製本処理、穴あけ処理を挙げることができる。
<記録装置の構成>
図2は記録装置5の内部構造を示す説明図である。記録装置5は、その内部機構を支持するフレームとして、底壁部5a、上壁部5b、右壁部5c、左壁部5d、背壁部5eを含む。これら壁部は記録装置5の内部空間を画定している。記録装置5の内部空間は、更に、仕切壁5hによって下側の空間SP1と上側の空間SP2とに区画されている。空間SP1と空間SP2とは気密に区切られているわけではなく、互いに連通している。
底壁部5aは給送装置6から給送されるシートが通過する開口5fを有している。また、右壁部5cは後処理装置3へ排出されるシートが通過する開口5gを有している。左壁部5d及び右壁部5cは、メンテナンスのため、扉形式で開閉可能に支持されてもよい。
記録装置5は、搬送ユニット20、記録ユニット30、乾燥促進ユニット40及び50、矯正ユニット60、及び、排気ユニット70を含む。
<搬送ユニット>
搬送ユニット20は、搬送経路RTに沿ってシートを搬送する機構である。搬送経路RTは、本実施形態の場合、開口5fを上流端、開口5gを下流端として、シートが搬送される経路である。搬送経路RTは、主経路RT1及びRT2、スイッチバック経路RT3及び反転経路RT4を含む。主経路RT1及びRT2は、開口5fから中間点M1を通って開口5gに繋がる経路であり、開口5fから中間点M1までが主経路RT1、中間点M1から開口5gまでが主経路RT2である。主経路RT1及びRT2は、シートを左方向→上方向→右方向と搬送させる経路であり、シートは記録ユニット30→乾燥促進ユニット40→乾燥促進ユニット50→矯正ユニット60の順でこれらを通過する。シートの片面のみを記録する片面記録の場合、シートは主経路RT1及びR2を通って搬送される。
スイッチバック経路RT3及び反転経路RT4は、主経路RT1から分岐して形成されており、シートの両面を記録する両面記録の場合に、片面記録後のシートが搬送される経路である。スイッチバック経路RT3は、中間点M1から主経路RT2とは別の経路を形成している。また、反転経路RT4は中間点M1から主経路RT1の途中の合流点M2までの経路であり、反転経路RT4を経由することで、シートは表裏が反転されて再び主経路RT1に戻されることになる。
以下の説明において下流側、上流側と呼ぶ場合、搬送経路RTにおけるシートの搬送方向を基準とする。
搬送ユニット20は、シートに搬送力を付勢する駆動機構と、搬送経路RTに沿ったシートの搬送を案内するガイドとを含み、図2にはその一部が図示されている。駆動機構は、モータ等の駆動源により駆動される複数の搬送ローラ21を含む。各搬送ローラ21には従動ローラ又は拍車が対向して配置される。シートは搬送ローラ21と従動ローラ又は拍車との間に挟まれるようにして搬送される。拍車は、記録画像の品質保持のため、記録ユニット30よりも下流側の領域において、記録面の側に接するように配置される。ガイドは、ガイド部材22〜24を含む。ガイド部材24は左壁部5dに支持されている。ガイド部材23とガイド部材24との間に搬送経路RTの一部が形成され、ガイド部材22とガイド部材24との間に経路RT1の一部が形成される。
搬送ユニット20は、また、経路切替ユニット25、26を含む。経路切替ユニット25、26はシートの案内経路を切り替えるユニットであり、電磁ソレノイドやモータ等の駆動源により作動する。経路切替ユニット25、26は片面記録の場合はシートを主経路RT1から主経路RT2へ案内し、両面記録の場合はシートを主経路RT1からスイッチバック経路RT3へ案内し、スイッチバックされたシートを反転経路RT4に案内する。図3は経路切替ユニット25、26の経路切替態様を示している。経路切替ユニット25、26は、それぞれ、回動自在なフラップを含み、フラップの位置により経路を切り替える。実線で示す位置が片面記録の場合の位置であり、破線で示す位置が両面記録の場合の位置である。搬送経路RTの各所にはシートの有無を検知するシートセンサが配置され、シートセンサの検知結果により、搬送経路RT上のシートの位置が特定される。
<記録ユニット>
図2に戻り、記録ユニット30は記録ヘッド31を含み、記録ヘッド31はインクをシートに吐出して画像(インク像)を形成するインクジェットヘッドである。記録ヘッド31が吐出するインクは、複数のインク貯留部Tに貯留される。インク貯留部Tはインクの種類毎に設けられており、インクの種類は例えば、色の種類として、イエロ、マゼンタ、シアン、ブラックである。
記録ヘッド31はインクの種類毎に設けられる。本実施形態の場合、各記録ヘッド31は、Y方向に延設されたフルラインヘッドであり、使用可能な最大サイズのシートの画像記録領域の幅をカバーする範囲にノズルが配列されている。記録ヘッドは、微小隙間(例えば数mm)を介してシートと対向する下面を含み、この下面はノズルが開口したインク吐出面を形成する。
各ノズルには吐出素子が設けられている。吐出素子は、例えば、ノズル内に圧力を発生させてノズル内のインクを吐出させる素子であり、公知のインクジェットヘッドの技術が適用可能である。吐出素子としては、例えば電気−熱変換体によりインクに膜沸騰を生じさせ気泡を形成することでインクを吐出する素子、電気−機械変換体によってインクを吐出する素子、静電気を利用してインクを吐出する素子等が挙げられる。電気−熱変換体を利用した吐出素子を用いることで、高速で高密度の記録を行うことができる。
なお、記録ユニット30は、キャリッジに搭載された記録ヘッドが、シートの幅方向に往復移動して記録を行うシリアル型の記録ユニットであってもよい。また、吐出されるインクは黒色のみ等、一種類であってもよい。記録ユニット30の記録モードとして、単一インクの記録モードと、複数種類のインクの記録モードが選択できてもよい。インクは、主として色剤(染料又は顔料)と溶媒成分を含有してもよい。溶媒成分は水系材料を用いることができる。染料としては、例えば直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料、食用色素などに代表される水溶性染料が好ましく、上記の記録媒体との組み合わせで定着性、発色性、鮮明性、安定性、耐光性その他の要求される性能を満たす画像を与えるものであれば何れであってもよい。顔料としては、カーボンブラックなどが好ましい。顔料と分散剤を併用する方法も自己分散型顔料を用いる方法、マイクロカプセル化する方法も可能である。また、インクには必要に応じて溶剤成分や可溶化剤、粘度調整剤、界面活性剤、表面張力調整剤、pH調整剤、比抵抗調整剤などの各種添加剤を加えて用いることもできる。また、記録ヘッド31をインクの種類毎に設けず、単一の記録ヘッドとしノズルをインクの種類毎に設けてもよい。
<乾燥促進ユニット>
記録ユニット30により画像が記録されたシートは、インクの液分によって膨張し、起伏を生じ得る。こうしたシートは、記録装置5内における紙ジャムや後処理装置3における積載性/整列性を悪化させる要因になる。シートの乾燥を促進することで、インクの液分によるシートの膨張を抑制することができる。本実施形態の記録装置5は、シートを加熱する点では共通するものの、シートの乾燥方式が異なる複数の乾燥促進ユニット40及び50を備える。なお、インクの液分には所定の水分が含まれる。
乾燥促進ユニット40は、記録ユニット30よりも下流側に配置されており、シートの搬送経路上の所定の加熱区間Rにおいて温風をシートに送風することで、シートを加熱し、シートと非接触でシートの乾燥を促進するユニットである。その構造を図2と図3を参照して説明する。
乾燥促進ユニット40は、内部空間を画定する中空体41と、中空体41の内部に配置されたファン42及び発熱素子43とを含む。中空体41は、その右側部に空気の取入れ口41aを備える。中空体41の左側部を形成する壁部41bは、シートの搬送ガイドを兼用したガイド壁部であり、最大サイズのシートの幅をカバーするようにY方向に延設されている。ガイド壁部41bは、C字型の断面形状(X−Z平面上の断面)を有しており、ガイド部材22〜24と対向する壁面を有する。この壁面とガイド部材22〜24との間に、搬送経路RTの一部が形成され、また、中間点M1が設定されている。ガイド壁部41bには中空体41の内部空間と連通した温風の吹き出し孔Nが多数形成されている。
ファン42は、モータを駆動源とした電動ファンであり、例えばシロッコファンである。ファン42は取入れ口41aから中空体41内に空気を導入する。導入された空気により中空体41内の気圧が高まり、中空体41内の空気は吹き出し孔Nから中空体41外に吹き出る。ファン42は1つでもよいが、Y方向に複数のファン42が並設されてもよい。
発熱素子43は、ファン42によって取入れ口41aから中空体41内に導入される空気を加熱する。本実施形態の場合、発熱素子43は赤外線ランプヒータ等の棒状の発熱素子であり、Y方向に延設されている。また、複数の発熱素子43がZ方向に配列されている。複数の発熱素子43は、ファン43と取入れ口41aとの間に配置されており、取入れ口41aから中空体41内に導入される空気は、発熱素子43を通過する際に加熱されることになる。乾燥促進ユニット40には温度センサ44が設けられており、温度センサ44の検知結果により発熱素子43の駆動が制御される。
このような構成により、乾燥促進ユニット40は、図3において矢印で気流を示すように、温風を吹き出し孔Nから送風する。これにより、搬送経路RTを通過するシートを加熱し、シート上のインク像に含まれる液分の蒸発を促し、シートの乾燥を促進することができる。
加熱区間Rは温風が吹き出し孔Nからシートに送風される区間である。加熱区間Rは、主経路RT1の下流側部分(乾燥促進ユニット40による温風の送風開始地点から中間点M1まで)と、主経路RT2の上流側の部分(中間点M1周辺部分)と、スイッチバック経路RT3の一部とを含む。
次に、乾燥促進ユニット50は、乾燥促進ユニット40よりも下流側に配置されており、シートと接触してシートを加熱し、その乾燥を促進する加熱定着器である。その構造を図2を参照して説明する。
乾燥促進ユニット50は、発熱体51とローラ56とを含み、これらは最大サイズのシートの幅をカバーするようにY方向に延設されている。発熱体51は、熱源である発熱素子54を支持する支持部材53を含む。発熱素子54は例えばセラミックヒータであり、Y方向に延設されている。発熱素子54の温度は、サーミスタに代表される温度センサ55により検知され、検知結果に基づき発熱素子54の駆動が制御される。
支持部材53は、また、フィルム52を支持する。フィルム52は円筒形状に構成され、Y方向に延設されている。フィルム52は支持部材53の回りを回転自在に支持部材53に支持され、かつ、ローラ56と発熱素子54との間に介在している。フィルム52は、例えば、膜厚が10μm以上100μm以下の単層フィルム或いは複合層フィルムである。単層フィルムの場合、その材料は、例えば、PTFE、PFA、FEPである。複合層フィルムの場合、例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PES、PPS等の層に、PTFE、PFA、FEP等を被覆するか、或いは、コーティングを施した層構造のフィルムである。
なお、発熱体51の構成としては、この構造に限られず、例えば、中空の金属の芯軸内部にハロゲンヒータなどの発熱素子を備え、芯軸の周囲をシリコンゴム等の弾性体で被覆した構造のものであってもよい。
ローラ56は芯金56aの周面をシリコンゴム等の弾性体56bで被覆して構成される。ローラ56は、所定の押圧力をもって発熱体51に圧接され、ローラ56と発熱体51とによってニップ部が形成される。ローラ56はモータを駆動源として回転され、フィルム52はローラ56に連れ回る。このような構成により、シートはニップ部において搬送されつつ加熱され、シートの乾燥を促進することができる。
本実施形態では、乾燥促進ユニット40及び50により二段階でシートを乾燥したが、乾燥促進ユニットはどちらか一つだけ設けてもよい。
<矯正ユニット>
矯正ユニット60はシートの湾曲(ここではカール)を矯正する機構である。本実施形態の場合、矯正ユニット60は、大径の駆動ローラ61と、小径の従動ローラ62とを含む。駆動ローラ61は、芯金の周囲をシリコンゴム等の弾性体で被覆したローラである。従動ローラ62は、金属ローラである。駆動ローラ61と従動ローラ62とは互いに圧接されている。駆動ローラ61と従動ローラ62との間をシートが通過する際、これらのローラによってシートに圧力を加え、シートのカールを矯正することができる。矯正ユニット60は、シートに対して、例えば上向きに凸となる方向の矯正力を付与することができる。この場合、下向きに凸のカールを有するシートを矯正ユニット60によって、より平坦な形態に矯正することができる。
<排気ユニット>
排気ユニット70は、記録装置5内の空気を装置外へ排気するユニットである。本実施形態の記録装置5は、乾燥促進ユニット40及び50を備えており、これらは装置内の気温を高める。また、これらはインクの水分を蒸発させるように作用する。多数のシートに対して連続的に記録を行う場合、装置内の湿度が上昇し得る。高湿度はシートの湾曲の要因となる。乾燥促進ユニット50から開口5gまでの間はシートの搬送距離が比較的長く、しかも、水蒸気が滞留しやすい上部の空間SP2内をシートが搬送される。空間SP2内においてシートが高湿度雰囲気に曝される場合がある。排気ユニット70によって空間SP2内の空気を装置外に排気することで装置内の湿度を下げることができる。
本実施形態の排気ユニット70は、複数の排気ダクト71〜73により空間SP2内の空気を自然排気する構造である。しかし、排気ユニット70はファン等によって装置内の空気を強制排気するものであってもよい。図2及び図4を参照して排気ユニット70の構造について説明する。図4は排気ユニット70の周辺を示す平面図であり、上壁部5bは図示を省略している。
排気ダクト71は、Y方向に延設された延設部71aと、延設部71aのY方向奥側の端部からX方向右側に延設された延設部71bとを含む管部材である。延設部71aは、乾燥促進ユニット50におけるシートの排出位置近傍であって、かつ、主経路RT2よりも下側の位置において延設されている。延設部71aは、左側上部と、底部とに空気の取入れ口となる複数のスリットが形成された空気取入れ部である。左側上部のスリットからは、例えば、乾燥促進ユニット50で温められた空気が導入され、底部のスリットからは、例えば、乾燥促進ユニット40の吹き出し孔Nから吹き出された温風が導入され得る。延設部71aは、背壁部5eを横断して延設されており、そのY方向の奥側の端部と、延設部71bは空間SP2の外部(Y方向の奥側)に位置している。なお、延設部71aは、主経路RT2の上側の位置において延設される形態であってもよい。
排気ダクト72は、Y方向に延設された延設部72aと、延設部72aから右側へ延びる集合部72bと、集合部72bの右側端部からY方向奥側へ延設された延設部72cとを含む管部材である。延設部72aは、乾燥促進ユニット50におけるシートの排出位置近傍であって、かつ、主経路RT2よりも上側の位置において延設されている。延設部72aの底部は開口して空気の取入れ口を形成しており、例えば、乾燥促進ユニット50で温められた空気や空間SP2内の水蒸気が導入される。延設部72aは、上壁部5bを横断して上壁部5bの上方に突出している。
集合部72bは、平面視で延設部72a側が幅広の三角形状を有しており、その全体が上壁部5bの上方に位置している。集合部72bは延設部72aに導入された空気を、その右側端部においてY方向中央部に集合させる。集合した空気は延設部72cに流入する。延設部72cもその全体が上壁部5bの上方に位置しており、部分的に屈折して背壁部5eの奥側に延設されている。背壁部5eの奥側において、排気ダクト71の延設部71bが、排気ダクト72の延設部72cに接続され、これらの内部空間が連通している。延設部72cは、排気ダクト73に接続されている。
排気ダクト73は、X方向に延設され、かつ、Y方向で奥側に開口した排気部材である。排気ダクト73の開口は、本体装置2の背面側の外装を形成するカバー8に対向している。カバー8には多数のスリット(ルーバー)8aが形成されており、排気ダクト73に流入した空気はスリット8aを通って本体装置2の背面側から装置外へ排気される。
<制御ユニット>
本体装置2の制御系について説明する。図5は本体装置2の制御ユニット9のブロック図である。制御ユニット9は、処理部10と、記憶部11と、読取制御部13と、画像処理部14と、ヘッド制御部15と、エンジン制御部16と、乾燥制御部17と、を含む。処理部10はCPU(中央演算処理部)に代表されるプロセッサであり、本体装置2の各ユニットの動作を統合的に制御する。記憶部11は、例えば、ROM、RAM等の記憶デバイスである。記憶部11には、処理部10が実行するためのプログラム、本体装置2の各種動作に必要な固定データ(例えば、各カセット6aに収容されているシートの種類に関するデータ)を格納する。また、記憶部11は処理部10のワークエリアとして又は種々の受信データの一時格納領域として各種設定データを記憶する。
読取制御部13は読取装置4を制御する。画像処理部14は、本体装置2で扱う画像データの画像処理を行う。入力された画像データの色空間(例えばYCbCr)を、標準的なRGB色空間(例えばsRGB)に変換する。これらの画像処理によって得られた記録データは、記憶部11に格納される。ヘッド制御部15は、処理部10から受信した制御コマンドに基づいて記録データに応じて記録ユニット30の駆動制御を行なう。エンジン制御部16は、シートの搬送制御等を行う。乾燥制御部17は、乾燥促進ユニット40、50の駆動制御を行う。これらの各制御部は、CPU等のプロセッサ、RAMやROM等の記憶デバイス、外部デバイスとのインタフェースを含む。
I/O12は、制御ユニット9とホスト装置18及び後処理装置3と接続するためのインターフェース(I/F)であり、ローカルI/F又はネットワークI/Fである。ホスト装置18は、記録装置5に記録動作を行わせるための画像データの供給源となる装置である。ホスト装置18は、汎用又は専用のコンピュータであってもよいし、画像リーダ部を有する画像キャプチャ、デジタルカメラ、フォトストレージ等の専用の画像機器であってもよい。
<動作例>
制御ユニット9の制御による記録装置5の記録動作の例について図6〜図9を参照して説明する。まず、図6及び図7を参照してシートの片面に画像を記録する場合の動作について説明する。シートの片面に画像を記録する場合、経路切替ユニット25、26が片面記録の場合の位置(図3における実線で示す位置)にセットされる。乾燥促進ユニット40の発熱素子43や乾燥促進ユニット50の発熱素子54は事前に所定の温度に維持されてもよい。
図6の状態ST1は、給送装置6から給送されたシートPが搬送ユニット20により主経路RT1上を記録ユニット30へ搬送され、記録ユニット30による記録が開始されている状態を示す。記録ユニット30は、矢印で示すようにシートPにインクを吐出して画像を記録する。シートPは乾燥促進ユニット40に向けて搬送される。乾燥促進ユニット40は作動を開始して加熱区間RにおいてシートPに温風が送風される(図6の状態ST2)。温風により、インクにより湿ったシートPの乾燥が促進される。
シートPは更に主経路RT2上を乾燥促進ユニット50に向けて搬送される。乾燥促進ユニット50は作動を開始し、図7の状態ST3に示すようにローラ56が回転してシートPが搬送されると共に発熱体51によりシートPが加熱される。シートPの乾燥が更に促進される。
図7の状態ST4に示すようにシートPは更に主経路RT2上を矯正ユニット60に向けて搬送される。矯正ユニット60は作動を開始し、シートPはそのカールが矯正されつつ、開口5gから後処理装置3へ排出される。
次に、図8及び図9を参照してシートの両面に画像を記録する場合の動作について説明する。図8の状態ST11は、給送装置6から給送されたシートPが搬送ユニット20により主経路RT1上を記録ユニット30へ搬送され、記録ユニット30による記録が開始されている状態を示す。記録ユニット30は、矢印で示すようにシートPの表面(以下、第一面と呼ぶ場合がある。)にインクを吐出して画像を記録する。経路切替ユニット26が両面記録の場合の位置(図3における破線で示す位置)にセットされる。
シートPは乾燥促進ユニット40に向けて搬送される。乾燥促進ユニット40は作動を開始して加熱区間RにおいてシートPに温風が送風される(図8の状態ST12)。温風により、インクにより湿ったシートPの乾燥が促進される。経路切替ユニット26の案内によりシートPは乾燥促進ユニット50には搬送されず、スイッチバック経路RT3に搬送される。シートPの後端が経路切替ユニット25の位置を通過すると、経路切替ユニット25が両面記録の場合の位置にセットされる。続いて搬送ユニット20はスイッチバック経路RT3上をシートPを逆方向に搬送する(スイッチバック搬送)。
経路切替ユニット25の案内により、シートPは図8の状態ST13に示すように反転経路RT4に搬送される。そして、シートPは図8の状態ST14に示すように、主経路RT1に戻される。経路切替ユニット25は片面記録の場合の位置(図3における実線で示す位置)にセットされる。記録ユニット30は、矢印で示すようにシートPの裏面(以下、第二面と呼ぶ場合がある。)にインクを吐出して画像を記録する。その後の動作は片面記録の場合の状態ST2〜ST4と同じである。
<シートの乾燥状態の均一化>
両面記録の場合、第一面に画像を記録した後、シートPはスイッチバック経路RT3へ搬送される(図8のST12)。シートPが折り返し地点に到達した場合、シートPの一部が加熱区間Rを通過して加熱区間R外に出る場合がある。図10(A)はその説明図である。シートPの一部(先端部)Peは、加熱区間R外に出ている。乾燥促進ユニット40からの温風は一部Peに直接送風されない。つまり、シートPに付与される熱量差が生じる。この結果、シートPには、図10(B)に示すように、一部Peと残りの部分Prとで乾燥度合に差が生じ得る。シートPが折り返し地点に到達してから、逆方向への搬送再開までの時間が長ければ長い程、乾燥度合の差が高まる。こうした乾燥状態の違いは、シートPの変形を生じ得る。
そこで、本実施形態では、乾燥促進ユニット40によってシートPの一部Peと残りの部分Prとに付与する熱量の差が小さくなるように乾燥促進ユニット40の作動を制御する。図11はその一例を示す説明図である。図示の例では、シートPの先端が加熱区間Rを通過すると乾燥促進ユニット40の出力を低下させ、搬送再開により一部Peが加熱区間Rに戻り始めると乾燥促進ユニット40の出力を上昇する。
状態ST21は、第一面に画像が記録されたシートPがスイッチバック経路RT3に進入してきた状況を示す。シートPの全体が加熱区間Rに位置しており、乾燥促進ユニット40の出力は通常の出力である。シートPの搬送方向で先端が加熱区間Rを通過すると、乾燥促進ユニット40の出力を低下させる。状態ST22はシートPが折り返し地点に到達した状態を示しており、シートPの一部Peが加熱区間R外にある状態を示している。図示の例では、乾燥促進ユニット40の出力の低下の例として、出力を停止(ファン42と発熱素子43の作動停止)している。つまり、シートPの残りの部分Prに温風は送風されない。これにより、シートPの一部Peと残りの部分Prとで、付与熱量の差を小さくすることができ、乾燥度合の差を小さくすることができる。
本実施形態では乾燥促進ユニット40の出力の低下の一例として、ファン42と発熱素子43の双方の作動を停止することを例示したが、いずれか一方の作動を停止してもよい。また、乾燥促進ユニット40の出力の低下は、作動停止に限られず、ファン42又は発熱素子43の少なくともいずれか一方の出力を、通常時の50%〜10%にするものであってもよい。
図11の状態ST23に示すようにスイッチバック搬送が開始され、シートPの一部Peが加熱区間Rに戻り始めると、低下させていた乾燥促進ユニット40の出力を上昇させ、通常時の出力に戻す。これによりシートPの乾燥が促進される。
図12は、両面記録時に乾燥制御部17が実行する処理例を示すフローチャートであり、図11に例示した乾燥促進ユニット40の加熱制御のフローチャートである。乾燥制御部17は周期的にこの処理を実行する。
S11ではシートPの第一面に対する画像の記録が開始されたか否かが判定され、画像の記録が開始された場合はS12へ進み、開始されていない場合はS13へ進む。画像の記録の開始とはここではシートPに対するインクの吐出である。
S12では乾燥促進ユニット40の作動が開始される。これにより孔Nから温風が送出される。第一面に画像が記録されたシートPは加熱区間Rを搬送されつつ、温風により加熱され、第一面の乾燥が促進される。S13ではシートPの先端が加熱区間Rを通過したか否かが判定される。通過の判定はシートセンサの検知結果に基づいて又はエンジン制御部16から情報を取得して行うことができる。シートPの先端が加熱区間Rを通過したと判定された場合はS14へ進み、通過していないと判定された場合はS15へ進む。
S14では乾燥促進ユニット40の出力が低下される。図11の例に従えば、乾燥促進ユニット40の作動を停止する。シートPの残りの部分Prに対する付与熱量が低減され、一部Peと残りの部分Prとで付与熱量の差が小さくなる。S15では、折り返し地点に到達しているシートPのスイッチバック搬送(逆方向の搬送)が開始されたか否かが判定される。この判定はシートセンサの検知結果に基づいて又はエンジン制御部16から情報を取得して行われる。スイッチバック搬送が開始されたと判定された場合はS16へ進み、開始されていないと判定された場合はS17へ進む。
S16では乾燥促進ユニット40の出力が上昇される。図11の例に従えば、乾燥促進ユニット40の作動が再開される。S17では第一面に画像が記録されているシートPが反転経路RT4に進入し、シートP全体が中間点M1を通過した否かが判定される。この判定はシートセンサの検知結果に基づいて又はエンジン制御部16から情報を取得して行われる。シートP全体が中間点M1を通過したと判定された場合はS18へ進み、通過していないと判定された場合はS19へ進む。
S18では乾燥促進ユニット40の作動が停止される。シートPの第一面に対する乾燥促進ユニット40による加熱が終了する。シートPは反転経路RT4から主経路RT1へと搬送される。S19ではシートPの第二面に対する画像の記録が開始されたか否かが判定され、画像の記録が開始された場合はS20へ進み、開始されていない場合はS21へ進む。
S20では乾燥促進ユニット40の作動が開始される。これにより孔Nから温風が送出される。第二面に画像が記録されたシートPは加熱区間Rを搬送されつつ、温風により加熱され、第二面の乾燥が促進される。S21では第二面に画像が記録されているシートPが主経路RT2に進入し、シートP全体が中間点M1を通過した否かが判定される。この判定はシートセンサの検知結果に基づいて又はエンジン制御部16から情報を取得して行われる。シートP全体が中間点M1を通過したと判定された場合はS22へ進み、通過していないと判定された場合は処理を終了する。
S22では乾燥促進ユニット40の作動が停止される。シートPの第二面に対する乾燥促進ユニット40による加熱が終了する。シートPは乾燥促進ユニット50へ搬送される。
以上のように本実施形態では、乾燥促進ユニット40の制御によって、シートPの一部Peと残りの部分Prとに付与する熱量の差を小さくすることができる。なお、本実施形態では、乾燥促進ユニット40の出力を低下させるタイミングとして、シートPの先端が加熱区間Rを通過したことを例示したがこれに限られない。例えば、シートPがスイッチバック経路RT3の折り返し地点に到達したことを契機として乾燥促進ユニット40の出力を低下させてもよい。
<第二実施形態>
第一実施形態では、シートPの一部Peが加熱区間R外にある場合に、乾燥促進ユニット40の出力を低下させ、残りの部分Prに対する付与熱量を抑制したが、逆に一部Peに対する付与熱量を増加させてもよい。図13は本実施形態の乾燥促進ユニット40の構成例を示しており、加速区間Rの一部の区間において、その出力を上昇可能なユニットである。
図13の構成例では、中空体41の内部空間のうち、壁部41b付近の空間を部分的に上下に区画する仕切壁45が設けられている。第一実施形態のファン42及び発熱素子43に対応する構成として、独立して駆動されるメインファン42A及びサブファン42Bと、メイン発熱素子43A及びサブ発熱素子43Bとが設けられている。
仕切壁45は、送風方向でメインファン42Aから下流側に離れて設けられているため、メインファン42A及び発熱素子43Aにより生じる温風は、仕切壁45の上側、下側に関わりなく各孔N(孔N1も含む)から送出される。サブファン42Bはメインファン42Aよりも風量の小さい小型のファンであり、メインファン42Aよりも仕切壁45に近い位置で、仕切壁45の背後(上流側)に位置している。サブ発熱素子43Bはサブファン42Bに近接してその上流側に配置されている。サブファン42B及びサブ発熱素子43Bから生じる温風は、仕切壁45の上側に送風され、シートPの搬送方向で加熱区間Rの端部に位置する孔N1から噴出する。メインファン42A及びサブファン42Bと、メイン発熱素子43A及びサブ発熱素子43Bとを同時に駆動した場合、孔N1から送出される温風は風力が強く、また、温度も高くなる。このため、加熱区間Rの端部の区間(増大区間と呼ぶ)において、シートPの付与熱量を局所的に増大させることができる。
図14は本実施形態の乾燥促進ユニット40の動作例を示す説明図である。状態ST31は、第一面に画像が記録されたシートPがスイッチバック経路RT3に進入し、折返し地点に到達した状況を示す。乾燥促進ユニット40は、メインファン42Aとメイン発熱素子42Aが作動中であり、サブファン42Bとサブ発熱素子43Bは作動停止中である。シートPの一部Peには温風が直接あたらないので、残りの部分Prよりも乾燥が停滞する。
状態ST32はシートPのスイッチバック搬送が開始された状況を示す。メインファン42Aとメイン発熱素子42Aに加えてサブファン42Bとサブ発熱素子43Bも作動される。サブファン42Bとサブ発熱素子43Bの作動により、孔N1からの温風の出力が局所的に上昇され、増大区間を搬送されるシートPの一部Peに、より強力な温風が直接吹き付けられる。これにより、一部Peの乾燥が促進され、一部Peと残りの部分Prとに対する付与熱量の差が小さくなる。
状態ST33はしいーとPの一部Peが孔N1周辺を通過した状況を示す。サブファン42Bとサブ発熱素子43Bの作動が停止され、メインファン42Aとメイン発熱素子42Aの作動が継続される。シートPの均一な乾燥が促進される。
図15は、両面記録時に乾燥制御部17が実行する処理例を示すフローチャートであり、図13及び図14に例示した乾燥促進ユニット40の動作例の制御フローチャートである。乾燥制御部17は周期的にこの処理を実行する。
S31ではシートPの第一面に対する画像の記録が開始されたか否かが判定され、画像の記録が開始された場合はS32へ進み、開始されていない場合はS33へ進む。画像の記録の開始とはここではシートPに対するインクの吐出である。
S32では乾燥促進ユニット40の作動が開始される。ここではメインファン42Aとメイン発熱素子42Aの作動が開始される。これにより孔Nから温風が送出される。サブファン42Bとサブ発熱素子43Bは停止したままである。S33では、折り返し地点に到達しているシートPのスイッチバック搬送(逆方向の搬送)が開始されたか否かが判定される。この判定はシートセンサの検知結果に基づいて又はエンジン制御部16から情報を取得して行われる。スイッチバック搬送が開始されたと判定された場合はS34へ進み、開始されていないと判定された場合はS35へ進む。
S34ではサブファン42Bとサブ発熱素子43Bの作動が開始される。メインファン42Aとメイン発熱素子42Aの作動も継続される。加熱区間Rのうち、孔N1周辺の増大区間において温風の出力が増大し、この区間を通過するシートPの一部Peの乾燥が促進される。S35では、シートPの一部Peが増大区間を通過したか否かが判定される。この判定はシートセンサの検知結果に基づいて又はエンジン制御部16から情報を取得して行われる。シートPの一部Peが増大区間を通過したと判定された場合はS36へ進み、通過していないと判定された場合はS37へ進む。
S38ではサブファン42Bとサブ発熱素子43Bの作動を停止する。メインファン42Aとメイン発熱素子42Aの作動も継続される。S37では第一面に画像が記録されているシートPが反転経路RT4に進入し、シートP全体が中間点M1を通過した否かが判定される。この判定はシートセンサの検知結果に基づいて又はエンジン制御部16から情報を取得して行われる。シートP全体が中間点M1を通過したと判定された場合はS38へ進み、通過していないと判定された場合はS39へ進む。
S38ではメインファン42Aとメイン発熱素子42Aの作動が停止され、つまり、乾燥促進ユニット40の作動が停止される。シートPの第一面に対する乾燥促進ユニット40による加熱が終了する。シートPは反転経路RT4から主経路RT1へと搬送される。S39ではシートPの第二面に対する画像の記録が開始されたか否かが判定され、画像の記録が開始された場合はS40へ進み、開始されていない場合はS41へ進む。
S40では乾燥促進ユニット40の作動が開始される。ここではメインファン42Aとメイン発熱素子42Aの作動が開始される。これにより孔Nから温風が送出される。サブファン42Bとサブ発熱素子43Bは停止したままである。第二面に画像が記録されたシートPは加熱区間Rを搬送されつつ、温風により加熱され、第二面の乾燥が促進される。S41では第二面に画像が記録されているシートPが主経路RT2に進入し、シートP全体が中間点M1を通過した否かが判定される。この判定はシートセンサの検知結果に基づいて又はエンジン制御部16から情報を取得して行われる。シートP全体が中間点M1を通過したと判定された場合はS42へ進み、通過していないと判定された場合は処理を終了する。
S42ではメインファン42Aとメイン発熱素子42Aの作動が停止され、つまり、乾燥促進ユニット40の作動が停止される。シートPの第二面に対する乾燥促進ユニット40による加熱が終了する。シートPは乾燥促進ユニット50へ搬送される。
以上のように本実施形態では、乾燥促進ユニット40の制御によって、シートPの一部Peと残りの部分Prとに付与する熱量の差を小さくすることができる。なお、本実施形態では、サブファン42Bとサブ発熱素子43Bの作動を開始させるタイミングとして、シートPのスイッチバック搬送の開始時を例示したがこれに限られない。例えば、シートPがスイッチバック経路RT3に進入し、折り返し地点へ向かう過程において、シートPの一部Peが増大区間を通過する間、サブファン42Bとサブ発熱素子43Bの作動させてもよい。また、増大区間の位置は、シートPの搬送方向で加熱区間Rの端部の区間に限られず、途中の区間であってもよく、シートPの一部Peが増大区間を通過する間、サブファン42Bとサブ発熱素子43Bの作動ができればよい。
<第三実施形態>
シートPのカールは、一般に、シートPの周縁部等、局所的に生じやすい。第一実施形態や第二実施形態で例示した、両面記録におけるシートの乾燥状態の均一化に関わる乾燥促進ユニット40の制御はシートPにカールが発生すると予想される場合にのみ行ってもよい。
図16(A)は乾燥促進ユニット40の制御内容を選択する処理例を示すフローチャートであり、両面記録時に乾燥制御部17が実行する処理例を示すフローチャートである。乾燥制御部17は、例えば、シートPの給送開始時にシート毎にこの処理を実行する。
S51ではカール条件が判定される。カール条件とはシートPに局所的にカールが生じるか否かを判定するための条件であり、代表的には、装置が置かれている周辺環境(温度、湿度等)やシートPの記録条件である。記録条件としては、シートPの表裏面のインク吐出量、インクの種類、シートPの種類、シートPの厚みである。カール条件は、シートPの排出形態(ソート処理、ステイプル処理、製本処理、穴あけ処理等)によって、判断基準(例えば閾値等)を異ならせてもよい。
一例として、図16(B)は、シートPの所定のエリアにおける表裏面のインク吐出量によってカールの発生を判定する場合の判定の対象となるエリアを例示している。シートPが表裏面の水分量の差によってカールを生じる場合の多くは、シートPの周縁部である。図16(B)の例ではシートPの四隅の領域P1を判定の対象とする。カール条件の判定においては、4つの領域P1毎に、その領域における表面のインク吐出量と裏面のインク吐出量とが比較される。いずれか一つの領域P1において両者の差が予め定めた閾値以上である場合は、カール条件を満たす(カールが発生し得る)と判定される。
図16(A)に戻り、S52ではS51の判定の結果、カール条件を満たすか否かが判定され、満たす場合はS54へ満たなさい場合はS53へ進む。S54では、乾燥促進ユニット40の制御について乾燥ムラ抑制制御が設定される。この制御は、図11〜図15に例示した、シートPの一部Peと残りの部分Prとで付与熱量の差を小さくする制御である。S53では、通常の乾燥制御が設定される。通常の乾燥制御では、例えば、図12の処理例において、S13〜S16の処理を行わない制御であり、S11でNoであった場合はS17へ進む制御である。図15の処理例であれば、S33〜S36の処理を行わない制御であり、S31でNoであった場合はS37へ進む制御である。
本実施形態によれば、不必要に乾燥促進ユニット40の運転状態が切り替えられる頻度を低減することができる。
<第四実施形態>
両面記録の場合、第一面の記録を終え、乾燥の促進のために加熱されたシートPが、残りの第二面の記録のために記録ヘッド30に搬送される。シートPの温度が記録ヘッド30よりも高い場合があり、記録ヘッド30の下面(ノズル面)に結露を生じる要因となる。加熱されたシートPの冷却のために、冷却ローラ等の冷却機構を設けるとコストアップや装置の複雑化を招く。また、シートPの蓄熱状態は一様ではない。本実施形態では、シートPの記録条件に基づいて、第一面に画像が記録されたシートPが乾燥促進ユニット40による加熱が終了した後、記録ヘッド30へ到達する時間を変更する。この時間の変更方法としては、以下に説明するように、シートPの搬送を所定の待機位置で停止し、その停止時間を変更すること、を挙げることができる。
図17(A)はシートPの待機位置の例を示している。図示の例では反転経路RT4内に待機位置が設定されており、搬送方向でシートPの先端が、合流点M2の手前となる位置に設定されている。図17(B)は待機位置での搬送停止に関わるシートPの搬送制御例を示すフローチャートであり、例えばエンジン制御部16により両面記録時に周期的に実行される。
S61ではシートPの給送が開始されたか否かが判定される。給送が開始されたと判定された場合はS62へ進み、開始されていない、或いは、開始された後であると判定された場合はS63へ進む。S62では記録条件に基づいて待機位置での停止時間を設定する。停止時間の設定例は後述する。その後、シートPは、記録ヘッド30により第一面に画像が記録され、乾燥促進ユニット40で加熱され、スイッチバック搬送されて反転経路RT4へ搬送される。
S63では、シートPが図17(A)に例示した待機位置に到達したか否かが判定される。この判定はシートセンサの検知結果に基づいて行うことができる。シートPが待機位置に到達したと判定された場合はS64へ進み、到達していない又は到達ずみであると判定された場合はS67へ進む。S64ではS62で設定された停止時間が0時間であるか否かが判定され、0時間でない場合はS65へ進み、0時間である場合は処理が終了される。S65ではシートPの搬送が停止され、シートPは待機位置で待機する。S66ではS62で設定した停止時間の経過を判定するために経過時間の計時を開始する。シートPが待機位置で待機することで、シートPの自然冷却が促進される。
S67では、S66で計時を開始した経過時間がS62で設定した停止時間に達したか否かが判定され、停止時間に達していた場合はS68へ進み、達していない場合は処理を終了する。S68では待機位置に待機しているシートPの搬送を再開する。シートPは反転経路RT4から主経路RT1へ搬送され、記録ヘッド30へ搬送される。そして、記録ヘッド30によって第二面に画像が記録されることになる。
S62の停止時間の設定方法について説明する。停止時間は、長ければシートPの冷却度合が高まるが記録効率が低下し、短ければ記録効率は向上するがシートPの冷却度合は低下する。よって、停止時間を記録条件に対応して設定することで冷却度合と記録効率のバランスを図ることができる。停止時間は、例えば、シートPが高温である程、長く設定され、低温であるほど短く設定される。また、第二面に対するインクの吐出量が多い程、シートPから蒸発する水分量が多いため、記録ヘッド30の下面(ノズル面)に結露を生じやすくなる。また、第二面の記録時間が長い程、記録ヘッド30はシートPから熱の影響を受けやすくなる。よって、停止時間は、例えば、第二面の記録時間が長い程、長く設定され、また、例えば、第二面に対するインクの吐出量が多いほど長く設定される。停止時間の設定に関わる記録条件としては、シートPの表裏面に対するインクの吐出量、シートPの種類を挙げることができる。
具体的に例示すれば、シートPの第一面に対するインクの吐出量が多い程、シートPは水分の蒸発によって低温となり、逆に吐出量が少ない程、シートPは高温となる。つまり、第一面に対するインクの吐出量が多い程、停止時間を長くする。シートPの第二面に対するインクの吐出量が多い程、或いは、第二面の記録時間が長い程、停止時間を長くする。逆に吐出量が少ない程、或いは、第二面の記録時間が短い程、停止時間を短くする。シートPの坪量が大きい程、蓄熱量が大きく、逆に坪量が小さい程、蓄熱量が小さい。つまり、シートPの坪量が大きい程、停止時間を長くする。
図18は、記録条件に基づく停止時間の設定例を示す。図示の例の記録条件は、第一面の記録密度DY1、第二面の記録密度DY2、シートPの坪量Wの三種類である。記録密度DY1、DY2は記録データから導出され、坪量WはシートPの種類に対応づけて事前に設定される。記録密度DY1は、第一面の判定領域の単位面積あたりのインク吐出数の平均値である。図19(A)は判定領域IGの例を示し、判定領域IGは幅Wと高さHとを有し、画像が記録可能な最大の領域である。幅Wと高さHとは例えば1200dpiの解像度の画素数で表現される。DY1=第一面のインク吐出数÷(W×H)×100で導出される。この場合、一画素あたりのインク吐出数が1であるとするとDY1=100である。記録密度DY2は第二面の画像記録領域の単位面積あたりのインク吐出数であり、記録密度DY1と同様のパラメータである。DY2=第二面のインク吐出数÷(W×H)×100で導出される。
図18の例では、記録密度DY1の値が3つの領域に区分けされ、記録密度DY2の値が4つの領域に区分けされ、シートPの坪量Wの値が3つの領域に区分けされている。各領域の組み合わせによって停止時間が設定される。例えば、DY1<20、DY2<5、かつ、W<90であれば、停止時間は0秒である。また、DY1<20、50≦DY2、かつ、W<90であれば、停止時間は3秒である。各パラメータと停止時間との関係で言えば、記録密度DY1が大きい程、停止時間は短く設定される。記録密度DY2が大きい程、停止時間は長く設定される。坪量Wが重い程、停止時間は長く設定される。
インク吐出量はシートPを区画した複数の判定領域毎に評価して停止時間を設定してもよい。これにより、シートP上の画像の記録範囲に偏りがある場合に、より適切な停止時間を設定することができる。例えば、図19(B)はシートPの第一面の全画像記録領域に低密度の画像が記録された記録例を示し、図19(C)はシートPの第一面の画像記録領域の左半分に高密度の画像が記録された記録例を示している。上記の演算式によると、これらの記録密度DY1は等しくなる場合がある。しかし、図19(C)の例では画像記録領域の右半分の領域が未記録の状態であり、水分の蒸発がないので高温になる場合がある。よって、図19(C)の例では図19(B)の例よりも停止時間が長く設定されるべきである。
そこで、シートPを複数の判定領域に区切り、領域毎に記録密度DY1、DY2を演算する。そして、判定領域毎に停止時間を特定し、最も長い停止時間をそのシートP全体の停止時間として設定してもよい。図19(D)はシートPを4つの判定領域IG1〜IG4に均等に区切った例を示す。シートPの表裏で各判定領域の位置は対応するようにする。4つの判定領域IG1〜IG4に、DY1、DY2、坪量Wから停止時間を算出し、最も長い停止時間がシートPの停止時間として設定される。なお、判定領域の数は4つに限られず、3以下、5以上でもよい。また、単位面積あたりのインク吐出数を基準とするならば、必ずしも均等に判定領域を区切る必要もない。
<第五実施形態>
第四実施形態では、待機位置での停止時間により、第一面に画像が記録されたシートPが乾燥促進ユニット40による加熱が終了した後、記録ヘッド30へ到達する時間を変更したが、これに限られない。例えば、シートPの搬送速度を変更することを挙げることができる。搬送速度は、例えば、シートPが高温である程、遅く設定され、低温であるほど早く設定される。また、第二面の記録時間が長い程、記録ヘッド30はシートPから熱の影響を受けやすくなる。よって、搬送速度は、例えば、第二面の記録時間が長い程、遅く設定される。つまり、第四実施形態において停止時間を長く設定する状況では搬送速度は遅く設定され、停止時間を短く設定する状況では搬送速度は速く設定される。
<第六実施形態>
上記各実施形態では、両面記録の場合、乾燥促進ユニット40と乾燥促進ユニット50との間の搬送経路にスイッチバック経路RT3を設けたが、スイッチバック経路RT3を設けない構成も採用可能である。図20(A)はその一例を示す模式図である。図示の例では搬送経路RTは、主経路RT1及びRT2並びに反転経路RT4で構成されており、スイッチバック経路RT3は無い。両面記録の場合、図20(B)に示すように、第一面の記録が終わったシートPは、主経路RT2に向けて搬送され、その後、スイッチバックされて反転経路RT4へ搬送される。シートPのサイズによっては、図20(B)に示すように、その端部が乾燥促進ユニット50に到達し、加熱された後、スイッチバックされる場合が生じ得る。
本実施形態の搬送経路の構成においても、第四実施形態の搬送制御例は適用可能である。乾燥促進ユニット40と乾燥促進ユニット50の加熱能力は異なる。本実施形態の場合、乾燥促進ユニット50の方が加熱能力が高い。よって、シートPが乾燥促進ユニット50に到達する場合、到達しない場合に比べて停止時間(図17のS62)は長く設定してもよい。
また、図20(C)に例示するように、シートPの判定領域を、乾燥促進ユニット50に到達しない判定領域(IG1〜IG4)と、乾燥促進ユニット50に到達する判定領域(IG5〜IG8)とに区別してもよい。シートPが乾燥促進ユニット50に到達する範囲はシートPのサイズにより設定することができる。
そして、判定領域毎に停止時間を特定し、最も長い停止時間をそのシートP全体の停止時間として設定してもよい。この場合において、図18に例示した記録密度DY1、DY2及び坪量Wの関係から停止時間を導出する設定データを用いる場合、領域IG1〜IG4用の設定データと、領域IG5〜IG8用の設定データとを区別して用意してもよい。領域IG5〜IG8用の設定データは、領域IG1〜IG4用の設定データと比べて、同じ条件であれば停止時間が長く設定されるものであってもよい。
<第七実施形態>
第四実施形態では、両面記録の場合にシートPの冷却のため、シートPの加熱が終了した後、記録ヘッド30へ到達する時間を変更することとした。しかし、片面記録の場合であって、複数回に分けて画像を第一面に記録する片面複数回記録の場合にもこの制御は適用可能である。2回以上に分けて画像を記録することにより、1回の記録では表現できない高濃度の画像を記録することが可能となる。
図21(A)〜図21(D)は、シートPの搬送例を示す。図示の例では、図21(A)に示すように、記録ヘッド30によってシートPの第一面に対する一回目の記録が行われる。一回目の記録が終わったシートPは、乾燥促進ユニット40を通過してその温風により乾燥が促進される(シートPが長い場合乾燥促進ユニット50に到達する場合がある)。その後、図21(B)及び図21(C)に示すように主経路RT2から主経路RT1へスイッチバック搬送される。シートPは図21(D)に示すように、記録ヘッド30よりも上流側の待機位置において搬送が停止される。ここで第四実施形態として説明した手法で設定された停止時間だけシートPが待機し、その冷却が促進される。停止時間は、同じ条件であれば両面記録の場合よりも長く設定される。これは、片面複数回記録の場合の方が、両面記録の場合よりも、記録ヘッド30に戻る搬送経路長が短く、搬送中のシートPの冷却能力が劣るからである。
その後、シートPは記録ヘッド30に搬送され二回目の画像の記録が行われることになる。第一面に対する画像の記録が二回であれば、その後主経路RT2へ搬送され、乾燥促進ユニット40及び50を順次通過して排出されることになる。第一面に対する画像の記録が三回以上であれば、図21(A)〜図21(D)の搬送動作が繰り返される。
<第八実施形態>
第四実施形態から第七実施形態で述べた、シートPの冷却に関わる搬送制御は、第一実施形態から第三実施形態で述べた、シートPの乾燥状態の均一化に関わる乾燥促進ユニット40の制御を行わない装置構成においても採用可能である。
<他の実施形態>
本発明は、本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
5 記録装置、9 制御ユニット、20 搬送ユニット、30 記録ユニット、40 乾燥促進ユニット、RT 搬送経路、RT3 スイッチバック経路

Claims (17)

  1. 搬送経路に沿ってシートを搬送する搬送手段と、
    前記搬送手段により搬送される前記シートにインクを吐出して画像を記録する記録手段と、
    前記搬送経路上の加熱区間において、前記記録手段により画像が記録された前記シートを加熱する加熱手段と、
    前記加熱手段を制御する加熱制御手段と、を備え、
    前記搬送手段は、前記シートの第一面に画像を記録した後に前記シートの第二面に画像を記録する両面記録の場合に、前記第一面に画像が記録された前記シートの一部が前記加熱区間を通過した段階で該シートをスイッチバックし、前記第二面に画像を記録するために該シートを前記記録手段に搬送するように構成され、
    前記加熱制御手段は、前記両面記録の場合に、前記シートの一部と前記シートの残りの部分とに付与する熱量の差が小さくなるように前記加熱手段を制御する、
    ことを特徴とする記録装置。
  2. 請求項1に記載の記録装置であって、
    前記加熱制御手段は、前記両面記録の場合に、前記第一面に画像が記録された前記シートの先端が前記加熱区間を通過すると前記加熱手段の出力を低下させる、
    ことを特徴とする記録装置。
  3. 請求項2に記載の記録装置であって、
    前記加熱制御手段は、前記両面記録の場合に、スイッチバックによって前記第一面に画像が記録された前記シートの前記一部が前記加熱区間に戻り始めると前記加熱手段の出力を上昇させる、
    ことを特徴とする記録装置。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の記録装置であって、
    前記加熱手段の出力の低下とは、前記加熱手段の出力の停止である、
    ことを特徴とする記録装置。
  5. 請求項1に記載の記録装置であって、
    前記加熱制御手段は、前記両面記録の場合に、前記加熱区間の一部の区間を前記シートの前記一部が通過する場合に、前記一部の区間の出力を上昇させる、
    ことを特徴とする記録装置。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の記録装置であって、
    前記シートにカールが発生するか否かを判定する判定手段を備え、
    前記加熱制御手段は、前記判定手段が前記シートにカールが発生すると判定した場合に、前記シートの一部と前記シートの残りの部分とに付与する熱量の差が小さくなるように前記加熱手段を制御する、
    ことを特徴とする記録装置。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の記録装置であって、
    前記加熱手段は、温風を送風することにより前記シートを加熱する、
    ことを特徴とする記録装置。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の記録装置であって、
    前記搬送手段を制御する搬送制御手段を備え、
    前記搬送制御手段は、前記両面記録の場合に、前記シートの記録条件に基づいて、前記加熱手段による加熱が終了してから前記記録手段へ前記シートが到達する時間を変更する、
    ことを特徴とする記録装置。
  9. 請求項8に記載の記録装置であって、
    前記記録条件は、前記記録手段によるインクの吐出量に関する条件を少なくとも含む、
    ことを特徴とする記録装置。
  10. 請求項9に記載の記録装置であって、
    前記時間は、前記第一面に対する前記記録手段によるインクの吐出量が少ない程、長く設定される、
    ことを特徴とする記録装置。
  11. 請求項9に記載の記録装置であって、
    前記時間は、前記第二面に対する前記記録手段によるインクの吐出量が多い程、長く設定される、
    ことを特徴とする記録装置。
  12. 請求項8に記載の記録装置であって、
    前記記録条件は、前記シートの坪量に関する条件を少なくとも含む、
    ことを特徴とする記録装置。
  13. 請求項12に記載の記録装置であって、
    前記時間は、前記シートの坪量が重い程、長く設定される、
    ことを特徴とする記録装置。
  14. 請求項9に記載の記録装置であって、
    前記時間は、前記シートの複数の領域毎に特定された後、最も長い時間が設定される、
    ことを特徴とする記録装置。
  15. 搬送経路に沿ってシートを搬送する搬送手段と、
    前記搬送手段により搬送される前記シートにインクを吐出して画像を記録する記録手段と、
    前記搬送経路上の加熱区間において、前記記録手段により画像が記録された前記シートを加熱する加熱手段と、前記加熱手段を制御する加熱制御手段と、を備え、前記搬送手段は、前記シートの第一面に画像を記録した後に前記シートの第二面に画像を記録する両面記録の場合に、前記第一面に画像が記録された前記シートの一部が前記加熱区間を通過した段階で該シートをスイッチバックし、前記第二面に画像を記録するために該シートを前記記録手段に搬送するように構成された記録装置の制御方法であって、
    前記両面記録の場合に、前記シートの一部と前記シートの残りの部分とに付与する熱量の差が小さくなるように前記加熱手段を制御する工程を含む、
    ことを特徴とする制御方法。
  16. シートを搬送する搬送手段と、
    前記搬送手段により搬送される前記シートにインクを吐出して画像を記録する記録手段と、
    前記搬送手段により搬送され、前記記録手段により画像が記録された前記シートを加熱する加熱手段と、
    前記搬送手段を制御する搬送制御手段と、を備え、
    前記搬送手段は、前記シートの第一面に画像を記録した後に前記シートの第二面に画像を記録する両面記録の場合に、前記第一面に画像が記録された前記シートが前記加熱手段を通過した後、前記第二面に画像を記録するために該シートを前記記録手段に搬送するように構成され、
    前記搬送制御手段は、前記両面記録の場合に、前記シートの記録条件に基づいて、前記加熱手段による加熱が終了してから前記記録手段へ前記シートが到達する時間を変更する、
    ことを特徴とする記録装置。
  17. シートを搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送される前記シートにインクを吐出して画像を記録する記録手段と、前記搬送手段により搬送され、前記記録手段により画像が記録された前記シートを加熱する加熱手段と、を備え、前記搬送手段は、前記シートの第一面に画像を記録した後に前記シートの第二面に画像を記録する両面記録の場合に、前記第一面に画像が記録された前記シートが前記加熱手段を通過した後、前記第二面に画像を記録するために該シートを前記記録手段に搬送するように構成された記録装置の制御方法であって、
    前記両面記録の場合に、前記シートの記録条件に基づいて、前記加熱手段による加熱が終了してから前記記録手段へ前記シートが到達する時間を変更する工程を含む、
    ことを特徴とする制御方法。
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