JP2021041602A - 記録装置 - Google Patents
記録装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2021041602A JP2021041602A JP2019164789A JP2019164789A JP2021041602A JP 2021041602 A JP2021041602 A JP 2021041602A JP 2019164789 A JP2019164789 A JP 2019164789A JP 2019164789 A JP2019164789 A JP 2019164789A JP 2021041602 A JP2021041602 A JP 2021041602A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- transport
- recording
- roller
- recording medium
- unit
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Ink Jet (AREA)
Abstract
【課題】インクジェット記録装置において、記録媒体が加熱されたことで生じた蒸気成分が記録媒体を検知するための光学素子に当たり、検知性能が低下することを防ぐ技術を提供する。【解決手段】インクを吐出し記録媒体上に画像を形成する記録手段と、記録手段で画像が記録された記録媒体を加熱する加熱手段と、加熱手段で加熱される記録媒体を、第1の搬送ローラ212aと第1の搬送ローラと対向する第2の搬送ローラとで挟んで搬送する搬送手段と、搬送手段で搬送される記録媒体を検知する光学センサ210と、を備え、搬送手段は、第1の搬送ローラの軸方向における記録媒体が通過する範囲において、第1の搬送ローラが第2の搬送ローラに当接する当接部と、第1の搬送ローラが第2の搬送ローラに当接しない非当接部とを含み、光学センサは、軸方向において非当接部と異なる位置に配置される。【選択図】図11
Description
本発明は、記録装置に関し、特に、例えば、光学センサを搭載した記録装置に関する。
従来のインクジェット記録装置の中には、記録ヘッドから記録媒体(例えば、記録紙)に吐出されたインクを乾燥させる機構(加熱装置)を備えたものがある。例えば、引用文献1は、記録媒体上に吐出されたインクの乾燥手段として、記録媒体に対して接離可能な加熱ローラを備えた画像形成装置を開示している。引用文献1によれば、加熱ローラと、記録媒体を加熱ローラに当接させるための対向ローラとで挟むことで、記録媒体に吐出されたインクを加熱乾燥させている。このような加熱ローラの近傍、特に搬送方向下流側には、記録媒体が加熱されることによって生じた水蒸気などの蒸発成分が滞留する場合がある。これを防ぐために、加熱ローラ周囲から蒸発成分を排出するための構成が設けられる場合がある。
ここで、一般的な記録装置の内部においては、搬送される用紙が搬送経路上を正常に搬送されているかを検知するための検知センサが設置されることがある。検知センサには、紙面に接触することによる紙面へのダメージを防ぐために、非接触の光学センサが用いられることが多い。このような光学素子に加熱ローラで生じた蒸発成分が当たると、水分や汚れが付着し、光路が乱れて検知センサが正常に動作しない場合がある。
本発明の目的は、インクジェット記録装置において、記録媒体が加熱されたことで生じた蒸気成分が記録媒体を検知するための光学素子に当たり、検知性能が低下することを防ぐ技術を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の記録装置は、インクを吐出し記録媒体上に画像を形成する記録手段と、前記記録手段で画像が記録された前記記録媒体を加熱する加熱手段と、前記加熱手段で加熱される前記記録媒体を、第1の搬送ローラと前記第1の搬送ローラと対向する第2の搬送ローラとで挟んで搬送する搬送手段と、前記搬送手段で搬送される前記記録媒体を検知する光学センサと、を備え、前記搬送手段は、前記第1の搬送ローラの軸方向における前記記録媒体が通過する範囲において、前記第1の搬送ローラが前記第2の搬送ローラに当接する当接部と、前記第1の搬送ローラが前記第2の搬送ローラに当接しない非当接部とを含み、前記光学センサは、前記軸方向において前記非当接部と異なる位置に配置される。
本発明によれば、インクジェット記録装置において、記録媒体が加熱されたことで生じた蒸気成分が記録媒体を検知するための光学素子に当たり、検知性能が低下することを防ぐ技術を提供することが可能になる。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
<記録システムの構成>
図1は本発明の一実施形態に係る記録システム1の正面図である。図1を含む各図において矢印Xは左右方向を、矢印Yは奥行き方向を示し、互いに直交する。矢印Zは上下方向を示す。
図1は本発明の一実施形態に係る記録システム1の正面図である。図1を含む各図において矢印Xは左右方向を、矢印Yは奥行き方向を示し、互いに直交する。矢印Zは上下方向を示す。
記録システム1は、本体装置2と後処理装置3とを含む。本実施形態の本体装置2は複合機を構成する装置であり、複写機能、スキャナ機能、プリンタ機能を有している。本体装置2は読取装置4と記録装置5と給送装置6とを含み、また、本体装置2の前部には操作部7が設けられている。操作部7はユーザとの入出力インタフェースであり、例えばハードキーと表示部、或いは、ユーザの入力を受け付けると共に情報を表示するタッチパネルを含み、また、音声発生器等の出力部を含む。
読取装置4はADF(自動原稿送り装置)を含み、積載された原稿の搬送と原稿画像の読み取りとを行う。給送装置6は記録装置5に記録媒体を給送する装置である。記録媒体は本実施形態の場合、紙、フィルムなどのシートであり、特にカットシートである。記録媒体のことをシートと呼ぶ場合がある。給送装置6はシートが積載される複数のカセット6aと、搬送経路RT上でカセット6aから記録装置5へシートを給送する給送機構(不図示)とを含む。
記録装置5はシートに画像を記録する。記録装置5は、インクをシートに吐出して画像を記録する記録ユニット30と、シートの乾燥を促進する乾燥促進ユニット40、50とを含む。記録装置5の詳細は後述する。
後処理装置3は、オプションの装置として本体装置2の側部に分離可能に取り付けられ、シートの後処理を行うフィニッシャ(シート処理装置)である。後処理としては、例えば、記録装置5から排出されるシートをトレイ3aに積載する積載処理、記録装置5から排出されたシートを順に複数枚取り込み、整合して束状にするソート処理、束ねたシート束をステイプラで綴じるステイプル処理、製本処理、穴あけ処理を挙げることができる。
<記録装置の構成>
図2は記録装置5の内部構造を示す説明図である。記録装置5は、その内部機構を支持するフレームとして、底壁部5a、上壁部5b、右壁部5c、左壁部5d、背壁部5eを含む。これら壁部は記録装置5の内部空間を画定している。記録装置5の内部空間は、更に、仕切壁5hによって下側の空間SP1と上側の空間SP2とに区画されている。空間SP1と空間SP2とは気密に区切られているわけではなく、互いに連通している。
図2は記録装置5の内部構造を示す説明図である。記録装置5は、その内部機構を支持するフレームとして、底壁部5a、上壁部5b、右壁部5c、左壁部5d、背壁部5eを含む。これら壁部は記録装置5の内部空間を画定している。記録装置5の内部空間は、更に、仕切壁5hによって下側の空間SP1と上側の空間SP2とに区画されている。空間SP1と空間SP2とは気密に区切られているわけではなく、互いに連通している。
底壁部5aは給送装置6から給送されるシートが通過する開口5fを有している。また、右壁部5cは後処理装置3へ排出されるシートが通過する開口5gを有している。左壁部5d及び右壁部5cは、メンテナンスのため、扉形式で開閉可能に支持されてもよい。
記録装置5は、搬送ユニット20、記録ユニット30、乾燥促進ユニット40及び50、矯正ユニット60、及び、排気ユニット70を含む。
<搬送ユニット>
搬送ユニット20は、搬送経路RTに沿ってシートを搬送する機構である。搬送経路RTは、本実施形態の場合、開口5fを上流端、開口5gを下流端として、シートが搬送される経路である。搬送経路RTは、主経路RT1及びRT2、スイッチバック経路RT3及び反転経路RT4を含む。主経路RT1及びRT2は、開口5fから中間点M1を通って開口5gに繋がる経路であり、開口5fから中間点M1までが主経路RT1、中間点M1から開口5gまでが主経路RT2である。主経路RT1及びRT2は、シートを左方向→上方向→右方向と搬送させる経路であり、シートは記録ユニット30→乾燥促進ユニット40→乾燥促進ユニット50→矯正ユニット60の順でこれらを通過する。シートの片面のみを記録する片面記録の場合、シートは主経路RT1及びR2を通って搬送される。
搬送ユニット20は、搬送経路RTに沿ってシートを搬送する機構である。搬送経路RTは、本実施形態の場合、開口5fを上流端、開口5gを下流端として、シートが搬送される経路である。搬送経路RTは、主経路RT1及びRT2、スイッチバック経路RT3及び反転経路RT4を含む。主経路RT1及びRT2は、開口5fから中間点M1を通って開口5gに繋がる経路であり、開口5fから中間点M1までが主経路RT1、中間点M1から開口5gまでが主経路RT2である。主経路RT1及びRT2は、シートを左方向→上方向→右方向と搬送させる経路であり、シートは記録ユニット30→乾燥促進ユニット40→乾燥促進ユニット50→矯正ユニット60の順でこれらを通過する。シートの片面のみを記録する片面記録の場合、シートは主経路RT1及びR2を通って搬送される。
スイッチバック経路RT3及び反転経路RT4は、シートの両面を記録する両面記録の場合に、片面記録後のシートが搬送される経路である。スイッチバック経路RT3は、中間点M1から主経路RT2とは別の経路を形成している。また、反転経路RT4は中間点M1から主経路RT1の途中の合流点M2までの経路であり、反転経路RT4を経由することで、シートは表裏が反転されて再び主経路RT1に戻されることになる。
以下の説明において下流側、上流側と呼ぶ場合、搬送経路RTにおけるシートの搬送方向を基準とする。
搬送ユニット20は、シートに搬送力を付勢する駆動機構と、搬送経路RTに沿ったシートの搬送を案内するガイドとを含み、図2にはその一部が図示されている。駆動機構は、モータ等の駆動源により駆動される複数の搬送ローラ21を含む。各搬送ローラ21には従動ローラ又は拍車が対向して配置される。シートは搬送ローラ21と従動ローラ又は拍車との間に挟まれるようにして搬送される。拍車は、記録画像の品質保持のため、記録ユニット30よりも下流側の領域において、記録面の側に接するように配置される。ガイドは、ガイド部材22〜24を含む。ガイド部材24は左壁部5dに支持されている。ガイド部材23とガイド部材24との間に搬送経路RTの一部が形成され、ガイド部材22とガイド部材24との間に経路RT1の一部が形成される。
搬送ユニット20は、また、経路切替ユニット25、26を含む。経路切替ユニット25、26はシートの案内経路を切り替えるユニットであり、電磁ソレノイドやモータ等の駆動源により作動する。経路切替ユニット25、26は片面記録の場合はシートを主経路RT1から主経路RT2へ案内し、両面記録の場合はシートを主経路RT1からスイッチバック経路RT3へ案内し、スイッチバックされたシートを反転経路RT4に案内する。図3は経路切替ユニット25、26の経路切替態様を示している。経路切替ユニット25、26は、それぞれ、回動自在なフラップを含み、フラップの位置により経路を切り替える。実線で示す位置が片面記録の場合の位置であり、破線で示す位置が両面記録の場合の位置である。
<記録ユニット>
図2に戻り、記録ユニット30は記録ヘッド31を含み、記録ヘッド31はインクをシートに吐出して画像(インク像)を形成するインクジェットヘッドである。記録ヘッド31が吐出するインクは、複数のインク貯留部Tに貯留される。インク貯留部Tはインクの種類毎に設けられており、インクの種類は例えば、色の種類として、イエロ、マゼンタ、シアン、ブラックである。
図2に戻り、記録ユニット30は記録ヘッド31を含み、記録ヘッド31はインクをシートに吐出して画像(インク像)を形成するインクジェットヘッドである。記録ヘッド31が吐出するインクは、複数のインク貯留部Tに貯留される。インク貯留部Tはインクの種類毎に設けられており、インクの種類は例えば、色の種類として、イエロ、マゼンタ、シアン、ブラックである。
記録ヘッド31はインクの種類毎に設けられる。本実施形態の場合、各記録ヘッド31は、Y方向に延設されたフルラインヘッドであり、使用可能な最大サイズのシートの画像記録領域の幅をカバーする範囲にノズルが配列されている。記録ヘッドは、微小隙間(例えば数mm)を介してシートと対向する下面を含み、この下面はノズルが開口したインク吐出面を形成する。
各ノズルには吐出素子が設けられている。吐出素子は、例えば、ノズル内に圧力を発生させてノズル内のインクを吐出させる素子であり、公知のインクジェットヘッドの技術が適用可能である。吐出素子としては、例えば電気−熱変換体によりインクに膜沸騰を生じさせ気泡を形成することでインクを吐出する素子、電気−機械変換体によってインクを吐出する素子、静電気を利用してインクを吐出する素子等が挙げられる。電気−熱変換体を利用した吐出素子を用いることで、高速で高密度の記録を行うことができる。
なお、記録ユニット30は、キャリッジに搭載された記録ヘッドが、シートの幅方向に往復移動して記録を行うシリアル型の記録ユニットであってもよい。また、吐出されるインクは黒色のみ等、一種類であってもよい。記録ユニット30の記録モードとして、単一インクの記録モードと、複数種類のインクの記録モードが選択できてもよい。インクは、主として色剤(染料又は顔料)と溶媒成分を含有してもよい。溶媒成分は水系材料を用いることができる。染料としては、例えば直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料、食用色素などに代表される水溶性染料が好ましく、上記の記録媒体との組み合わせで定着性、発色性、鮮明性、安定性、耐光性その他の要求される性能を満たす画像を与えるものであれば何れであってもよい。顔料としては、カーボンブラックなどが好ましい。顔料と分散剤を併用する方法も自己分散型顔料を用いる方法、マイクロカプセル化する方法も可能である。また、インクには必要に応じて溶剤成分や可溶化剤、粘度調整剤、界面活性剤、表面張力調整剤、pH調整剤、比抵抗調整剤などの各種添加剤を加えて用いることもできる。
<乾燥促進ユニット>
記録ユニット30により画像が記録されたシートは、インクの液分によって膨張し、起伏を生じ得る。こうしたシートは、記録装置5内における紙ジャムや後処理装置3における積載性/整列性を悪化させる要因になる。シートの乾燥を促進することで、インクの液分によるシートの膨張を抑制することができる。本実施形態の記録装置5は、シートの乾燥方式が異なる複数の乾燥促進ユニット40及び50を備える。
記録ユニット30により画像が記録されたシートは、インクの液分によって膨張し、起伏を生じ得る。こうしたシートは、記録装置5内における紙ジャムや後処理装置3における積載性/整列性を悪化させる要因になる。シートの乾燥を促進することで、インクの液分によるシートの膨張を抑制することができる。本実施形態の記録装置5は、シートの乾燥方式が異なる複数の乾燥促進ユニット40及び50を備える。
乾燥促進ユニット40は、記録ユニット30よりも下流側に配置されており、温風をシートに送風することで、シートと非接触でシートの乾燥を促進するユニットである。その構造を図2と図3を参照して説明する。
乾燥促進ユニット40は、内部空間を画定する中空体41と、中空体41の内部に配置されたファン42及び発熱素子43とを含む。中空体41は、その右側部に空気の取入れ口41aを備える。中空体41の左側部を形成する壁部41bは、シートの搬送ガイドを兼用したガイド壁部であり、最大サイズのシートの幅をカバーするようにY方向に延設されている。ガイド壁部41bは、C字型の断面形状(X−Z平面上の断面)を有しており、ガイド部材22〜24と対向する壁面を有する。この壁面とガイド部材22〜24との間に、搬送経路RTの一部が形成され、また、中間点M1が設定されている。ガイド壁部41bには中空体41の内部空間と連通した温風の吹き出し孔Nが多数形成されている。
ファン42は、モータを駆動源とした電動ファンであり、例えばシロッコファンである。ファン42は取入れ口41aから中空体41内に空気を導入する。導入された空気により中空体41内の気圧が高まり、中空体41内の空気は吹き出し孔Nから中空体41外に吹き出る。ファン42は1つでもよいが、Y方向に複数のファン42が並設されてもよい。
発熱素子43は、ファン42によって取入れ口41aから中空体41内に導入される空気を加熱する。本実施形態の場合、発熱素子43は赤外線ランプヒータ等の棒状の発熱素子であり、Y方向に延設されている。また、複数の発熱素子43がZ方向に配列されている。複数の発熱素子43は、ファン43と取入れ口41aとの間に配置されており、取入れ口41aから中空体41内に導入される空気は、発熱素子43を通過する際に加熱されることになる。乾燥促進ユニット40には温度センサ44が設けられており、温度センサ44の検知結果により発熱素子43の駆動が制御される。
このような構成により、乾燥促進ユニット40は、図3において矢印で気流を示すように、温風を吹き出し孔Nから送風する。これにより、搬送経路RTを通過するシートを加熱し、シート上のインク像に含まれる液分の蒸発を促し、シートの乾燥を促進することができる。
乾燥促進ユニット50は、乾燥促進ユニット40よりも下流側に配置されており、シートと接触してシートを加熱し、その乾燥を促進する加熱定着器である。その構造を図2を参照して説明する。
乾燥促進ユニット50は、発熱体51とローラ56とを含み、これらは最大サイズのシートの幅をカバーするようにY方向に延設されている。発熱体51は、発熱素子54を支持する支持部材53を含む。発熱素子54は例えばセラミックヒータであり、Y方向に延設されている。発熱素子54の温度は、サーミスタに代表される温度センサ55により検知され、検知結果に基づき発熱素子54の駆動が制御される。
支持部材53は、また、フィルム52を支持する。フィルム52は円筒形状に構成され、Y方向に延設されている。フィルム52は支持部材53の回りを回転自在に支持部材53に支持され、かつ、ローラ56と発熱素子54との間に介在している。フィルム52は、例えば、膜厚が10μm以上100μm以下の単層フィルム或いは複合層フィルムである。単層フィルムの場合、その材料は、例えば、PTFE、PFA、FEPである。複合層フィルムの場合、例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PES、PPS等の層に、PTFE、PFA、FEP等を被覆するか、或いは、コーティングを施した層構造のフィルムである。
なお、発熱体51の構成としては、この構造に限られず、例えば、中空の金属の芯軸内部にハロゲンヒータなどの発熱素子を備え、芯軸の周囲をシリコンゴム等の弾性体で被覆した構造のものであってもよい。
ローラ56は芯金56aの周面をシリコンゴム等の弾性体56bで被覆して構成される。ローラ56は、所定の押圧力をもって発熱体51に圧接され、ローラ56と発熱体51とによってニップ部が形成される。ローラ56はモータを駆動源として回転され、フィルム52はローラ56に連れ回る。このような構成により、シートはニップ部において搬送されつつ加熱され、シートの乾燥を促進することができる。
本実施形態では、乾燥促進ユニット40及び50により二段階でシートを乾燥したが、乾燥促進ユニットはどちらか一つだけ設けてもよい。
<矯正ユニット>
矯正ユニット60はシートの湾曲(ここではカール)を矯正する機構である。本実施形態の場合、矯正ユニット60は、大径の駆動ローラ61と、小径の従動ローラ62とを含む。駆動ローラ61は、芯金の周囲をシリコンゴム等の弾性体で被覆したローラである。従動ローラ62は、金属ローラである。駆動ローラ61と従動ローラ62とは互いに圧接されている。駆動ローラ61と従動ローラ62との間をシートが通過する際、これらのローラによってシートに圧力を加え、シートのカールを矯正することができる。矯正ユニット60は、シートに対して、例えば上向きに凸となる方向の矯正力を付与することができる。この場合、下向きに凸のカールを有するシートを矯正ユニット60によって、より平坦な形態に矯正することができる。
矯正ユニット60はシートの湾曲(ここではカール)を矯正する機構である。本実施形態の場合、矯正ユニット60は、大径の駆動ローラ61と、小径の従動ローラ62とを含む。駆動ローラ61は、芯金の周囲をシリコンゴム等の弾性体で被覆したローラである。従動ローラ62は、金属ローラである。駆動ローラ61と従動ローラ62とは互いに圧接されている。駆動ローラ61と従動ローラ62との間をシートが通過する際、これらのローラによってシートに圧力を加え、シートのカールを矯正することができる。矯正ユニット60は、シートに対して、例えば上向きに凸となる方向の矯正力を付与することができる。この場合、下向きに凸のカールを有するシートを矯正ユニット60によって、より平坦な形態に矯正することができる。
<排気ユニット>
排気ユニット70は、記録装置内の空気を装置外へ排気するユニットである。本実施形態の記録装置5は、乾燥促進ユニット40及び50を備えており、これらは装置内の気温を高める。また、これらはインクの水分を蒸発させるように作用する。多数のシートに対して連続的に記録を行う場合、装置内の湿度が上昇し得る。高湿度はシートの湾曲の要因となる。乾燥促進ユニット50から開口5gまでの間はシートの搬送距離が比較的長く、しかも、水蒸気が滞留しやすい上部の空間SP2内をシートが搬送される。空間SP2内においてシートが高湿度雰囲気に曝される場合がある。排気ユニット70によって空間SP2内の空気を装置外に排気することで装置内の湿度を下げることができる。
排気ユニット70は、記録装置内の空気を装置外へ排気するユニットである。本実施形態の記録装置5は、乾燥促進ユニット40及び50を備えており、これらは装置内の気温を高める。また、これらはインクの水分を蒸発させるように作用する。多数のシートに対して連続的に記録を行う場合、装置内の湿度が上昇し得る。高湿度はシートの湾曲の要因となる。乾燥促進ユニット50から開口5gまでの間はシートの搬送距離が比較的長く、しかも、水蒸気が滞留しやすい上部の空間SP2内をシートが搬送される。空間SP2内においてシートが高湿度雰囲気に曝される場合がある。排気ユニット70によって空間SP2内の空気を装置外に排気することで装置内の湿度を下げることができる。
本実施形態の排気ユニット70は、複数の排気ダクト71〜73により空間SP2内の空気を自然排気する構造である。しかし、排気ユニット70はファン等によって装置内の空気を強制排気するものであってもよい。図2及び図4を参照して排気ユニット70の構造について説明する。図4は排気ユニット70の周辺を示す平面図であり、上壁部5bは図示を省略している。
排気ダクト71は、Y方向に延設された延設部71aと、延設部71aのY方向奥側の端部からX方向右側に延設された延設部71bとを含む管部材である。延設部71aは、乾燥促進ユニット50におけるシートの排出位置近傍であって、かつ、主経路RT2よりも下側の位置において延設されている。延設部71aは、左側上部と、底部とに空気の取入れ口となる複数のスリットが形成された空気取入れ部である。左側上部のスリットからは、例えば、乾燥促進ユニット50で温められた空気が導入され、底部のスリットからは、例えば、乾燥促進ユニット40の吹き出し孔Nから吹き出された温風が導入され得る。延設部71aは、背壁部5eを横断して延設されており、そのY方向の奥側の端部と、延設部71bは空間SP2の外部(Y方向の奥側)に位置している。なお、延設部71aは、主経路RT2の上側の位置において延設される形態であってもよい。
排気ダクト72は、Y方向に延設された延設部72aと、延設部72aから右側へ延びる集合部72bと、集合部72bの右側端部からY方向奥側へ延設された延設部72cとを含む管部材である。延設部72aは、乾燥促進ユニット50におけるシートの排出位置近傍であって、かつ、主経路RT2よりも上側の位置において延設されている。延設部72aの底部は開口して空気の取入れ口を形成しており、例えば、乾燥促進ユニット50で温められた空気や空間SP2内の水蒸気が導入される。延設部72aは、上壁部5bを横断して上壁部5bの上方に突出している。
集合部72bは、平面視で延設部72a側が幅広の三角形状を有しており、その全体が上壁部5bの上方に位置している。集合部72bは延設部72aに導入された空気を、その右側端部においてY方向中央部に集合させる。集合した空気は延設部72cに流入する。延設部72cもその全体が上壁部5bの上方に位置しており、部分的に屈折して背壁部5eの奥側に延設されている。背壁部5eの奥側において、排気ダクト71の延設部71bが、排気ダクト72の延設部72cに接続され、これらの内部空間が連通している。延設部72cは、排気ダクト73に接続されている。
排気ダクト73は、X方向に延設され、かつ、Y方向で奥側に開口した排気部材である。排気ダクト73の開口は、本体装置2の背面側の外装を形成するカバー8に対向している。カバー8には多数のスリット(ルーバー)8aが形成されており、排気ダクト73に流入した空気はスリット8aを通って本体装置2の背面側から装置外へ排気される。
<制御ユニット>
本体装置2の制御系について説明する。図5は本体装置2の制御ユニット9のブロック図である。制御ユニット9は、処理部10と、記憶部11と、読取制御部13と、画像処理部14と、ヘッド制御部15と、エンジン制御部16と、乾燥制御部17と、を含む。処理部10はCPU(中央演算処理部)に代表されるプロセッサであり、本体装置2の各ユニットの動作を統合的に制御する。記憶部11は、例えば、ROM、RAM等の記憶デバイスである。記憶部11には、処理部10が実行するためのプログラム、本体装置2の各種動作に必要な固定データ(例えば、各カセット6aに収容されているシートの種類に関するデータ)を格納する。また、記憶部11は処理部10のワークエリアとして又は種々の受信データの一時格納領域として各種設定データを記憶する。
本体装置2の制御系について説明する。図5は本体装置2の制御ユニット9のブロック図である。制御ユニット9は、処理部10と、記憶部11と、読取制御部13と、画像処理部14と、ヘッド制御部15と、エンジン制御部16と、乾燥制御部17と、を含む。処理部10はCPU(中央演算処理部)に代表されるプロセッサであり、本体装置2の各ユニットの動作を統合的に制御する。記憶部11は、例えば、ROM、RAM等の記憶デバイスである。記憶部11には、処理部10が実行するためのプログラム、本体装置2の各種動作に必要な固定データ(例えば、各カセット6aに収容されているシートの種類に関するデータ)を格納する。また、記憶部11は処理部10のワークエリアとして又は種々の受信データの一時格納領域として各種設定データを記憶する。
読取制御部13は読取装置4を制御する。画像処理部14は、本体装置2で扱う画像データの画像処理を行う。入力された画像データの色空間(例えばYCbCr)を、標準的なRGB色空間(例えばsRGB)に変換する。これらの画像処理によって得られた記録データは、記憶部11に格納される。ヘッド制御部15は、処理部10から受信した制御コマンドに基づいて記録データに応じて記録ユニット30の駆動制御を行なう。エンジン制御部16は、シートの搬送制御等を行う。乾燥制御部17は、乾燥促進ユニット40、50の駆動制御を行う。これらの各制御部は、CPU等のプロセッサ、RAMやROM等の記憶デバイス、外部デバイスとのインタフェースを含む。
I/O12は、制御ユニット9とホスト装置18及び後処理装置3と接続するためのインターフェース(I/F)であり、ローカルI/F又はネットワークI/Fである。ホスト装置18は、記録装置5に記録動作を行わせるための画像データの供給源となる装置である。ホスト装置18は、汎用又は専用のコンピュータであってもよいし、画像リーダ部を有する画像キャプチャ、デジタルカメラ、フォトストレージ等の専用の画像機器であってもよい。
<動作例>
制御ユニット9の制御による記録装置5の記録動作の例について図6〜図9を参照して説明する。まず、図6及び図7を参照してシートの片面に画像を記録する場合の動作について説明する。シートの片面に画像を記録する場合、経路切替ユニット25、26が片面記録の場合の位置(図3における実線で示す位置)にセットされる。乾燥促進ユニット40の発熱素子43や乾燥促進ユニット50の発熱素子54は事前に所定の温度に維持される。
制御ユニット9の制御による記録装置5の記録動作の例について図6〜図9を参照して説明する。まず、図6及び図7を参照してシートの片面に画像を記録する場合の動作について説明する。シートの片面に画像を記録する場合、経路切替ユニット25、26が片面記録の場合の位置(図3における実線で示す位置)にセットされる。乾燥促進ユニット40の発熱素子43や乾燥促進ユニット50の発熱素子54は事前に所定の温度に維持される。
図6の状態ST1は、給送装置6から給送されたシートPが搬送ユニット20により主経路RT1上を記録ユニット30へ搬送され、記録ユニット30による記録が開始されている状態を示す。記録ユニット30は、矢印で示すようにシートPにインクを吐出して画像を記録する。シートPは乾燥促進ユニット40に向けて搬送される。乾燥促進ユニット40は作動を開始し、図6の状態ST2に示すように、搬送されるシートPに温風を送風する。温風により、インクにより湿ったシートPの乾燥が促進される。
シートPは更に主経路RT2上を乾燥促進ユニット50に向けて搬送される。乾燥促進ユニット50は作動を開始し、図7の状態ST3に示すようにローラ56が回転してシートPが搬送されると共に発熱体51によりシートPが加熱される。シートPの乾燥が更に促進される。
図7の状態ST4に示すようにシートPは更に主経路RT2上を矯正ユニット60に向けて搬送される。矯正ユニット60は作動を開始し、シートPはそのカールが矯正されつつ、開口5gから後処理装置3へ排出される。
次に、図8及び図9を参照してシートの両面に画像を記録する場合の動作について説明する。図8の状態ST11は、給送装置6から給送されたシートPが搬送ユニット20により主経路RT1上を記録ユニット30へ搬送され、記録ユニット30による記録が開始されている状態を示す。記録ユニット30は、矢印で示すようにシートPの表面にインクを吐出して画像を記録する。経路切替ユニット26が両面記録の場合の位置(図3における破線で示す位置)にセットされる。
シートPは乾燥促進ユニット40に向けて搬送される。乾燥促進ユニット40は作動を開始し、図8の状態ST12に示すように、搬送されるシートPに温風を送風する。温風により、インクにより湿ったシートPの乾燥が促進される。経路切替ユニット26の案内によりシートPは乾燥促進ユニット50には搬送されず、スイッチバック経路RT3に搬送される。シートPの後端が経路切替ユニット25の位置を通過すると、経路切替ユニット25が両面記録の場合の位置にセットされる。続いて搬送ユニット20はスイッチバック経路RT3上をシートPを逆方向に搬送する(スイッチバック搬送)。
経路切替ユニット25の案内により、シートPは図8の状態ST13に示すように反転経路RT4に搬送される。そして、シートPは図8の状態ST14に示すように、主経路RT1に戻される。経路切替ユニット25は片面記録の場合の位置(図3における実線で示す位置)にセットされる。記録ユニット30は、矢印で示すようにシートPの裏面にインクを吐出して画像を記録する。その後の動作は片面記録の場合の状態ST2〜ST4と同じである。
<光学センサ>
次に、図10〜図14を参照して、本実施形態に係る乾燥促進ユニット、下流側搬送ローラ、及び光学センサの構成を説明する。本実施形態に係る構成は、乾燥促進ユニット50の下流側に記録媒体が正常に搬送されているかを確認するために記録媒体を検出する光学センサを有する。また、本実施形態に係る構成は、乾燥促進ユニット50によって加熱された記録媒体から生じた蒸発成分によって光学センサの検出性能が劣化することを防ぐ。
次に、図10〜図14を参照して、本実施形態に係る乾燥促進ユニット、下流側搬送ローラ、及び光学センサの構成を説明する。本実施形態に係る構成は、乾燥促進ユニット50の下流側に記録媒体が正常に搬送されているかを確認するために記録媒体を検出する光学センサを有する。また、本実施形態に係る構成は、乾燥促進ユニット50によって加熱された記録媒体から生じた蒸発成分によって光学センサの検出性能が劣化することを防ぐ。
図10は、本実施形態に係る乾燥促進ユニット50および下流側搬送ローラの構造を示す正面図である。
乾燥促進ユニット50は、発熱素子54を備える加熱ローラ52と、加熱ローラ52に当接する対向ローラ56を備え、加熱ローラ52と対向ローラ56とは、記録媒体を加熱し、搬送方向に搬送する。下流側搬送ローラは、加熱ローラ52の搬送方向下流側に位置する搬送部であり、搬送対向ローラ211および搬送対向ローラ211に当接する搬送ローラ212を含む。搬送ローラ212は、芯金の周囲をシリコンゴム等の弾性体で被覆した回転体である。搬送対向ローラ211は芯金の周囲をシリコンゴム等の弾性体で被覆したローラであり、回転体に対向する対向部である。搬送ローラ212の搬送方向下流側には、光学素子210が設けられる。また、光学素子210の搬送方向下流側には、搬送路内、特に加熱ローラ52の近傍の空気を吸気し、排気ダクト72を介して記録装置外に排出するための空気の取入れ口である吸気口71dが設けられる。
光学素子210は、搬送部によって、記録媒体の搬送が正常に行われていることを検知するための非接触センサであり、発光素子(発光部)および受光素子(受光部)、または発光素子、受光素子、および光路制御素子(光路制御部)を備える。なお、図10の光学素子210と、別個に設けられる光学素子(不図示)と併せて記録媒体の検出装置として機能してもよい。
ここで、図16を参照し、光学センサの配置例を説明する。図16(A)は、発光素子1601と受光素子1602とが、加熱ローラ52から搬送方向下流側を見た場合に、搬送ローラ212と重なる位置に配置される構成を示す図である。発光素子1601は、Z方向に光を照射する。本実施形態では、発光素子1601はレーザ方向を照射するものとして説明を行うが、これに限定されない。
図16(B)は、図16(A)のセンサ配置例において搬送される記録媒体1603が発光素子1601の上方に位置する場合の図を示す。搬送される記録媒体が発光素子1601の上方の検知位置に位置する場合、発光素子1601から照射された光は記録媒体によって反射または散乱され、受光素子1602は搬送される記録媒体が検知位置に位置しない場合と比較して高い強度の光を検出する。これによって、光学センサは搬送される記録媒体を検出することができる。
図16(C)は、発光素子1611が、加熱ローラ52から搬送方向下流側を見た場合に、搬送ローラ212と重なる位置に配置され、受光素子1612は、発光素子1611と受光素子1612とを結ぶ線がXZ平面上で記録媒体が通過する搬送路と交わるように配置される構成を示す図である。発光素子1611は、受光素子1612に向けて光を照射する。
図16(D)は、図16(C)のセンサ配置例において搬送される記録媒体1613が発光素子1611の上方に位置する場合の図を示す。搬送される記録媒体が発光素子1611の上方の検知位置に位置する場合、発光素子1611から照射された光は記録媒体によって反射または散乱され、受光素子1612は搬送される記録媒体が検知位置に位置しない場合と比較して低い強度の光を検出する。これによって、光学センサは搬送される記録媒体を検出することができる。なお、発光素子と受光素子とは逆の位置関係にあってもよい。
図16(E)は、ミラーなどの光路制御素子1622が、加熱ローラ52から搬送方向下流側を見た場合に、搬送ローラ212と重なる位置に配置され、発光素子1621および受光素子1623は、それぞれと光路制御素子1622とを結ぶ線がXZ平面上で記録媒体が通過する搬送路と交わるように配置される構成を示す図である。発光素子1621は、光路制御素子1622に向けて光を照射し、光路制御素子1622は受光素子1623に光が導かれるよう、光路を制御する。
図16(F)は、図16(E)のセンサは一例において、搬送される記録媒体1624が発光素子1611の上方に位置する場合の図を示す。搬送される記録媒体が光路制御素子1622の上方の検知位置に位置する場合、発光素子1621から照射された光が記録媒体に反射または散乱され、受光素子1623は搬送される記録媒体が検知位置に位置しない場合と比較して低い強度の光を検出する。これによって、光学センサは搬送される記録媒体を検出することができる。なお、発光素子および受光素子が、加熱ローラ52から搬送方向下流側を見た場合に、搬送ローラ212と重なる位置に配置され、光路制御素子がZ軸方向で上方に配置されてもよい。
ここで、乾燥促進ユニット50が、インクが吐出された記録媒体を加熱した結果、乾燥促進ユニット50の搬送方向下流では特に、水蒸気などの蒸発成分が発生する場合がある。蒸発成分が発光素子、受光素子、および光路制御素子の少なくとも何れかを含む光学素子210に接触すると、結露や汚れの付着などの、蒸発成分による汚染によって誤検知が生じたり、検知性能が低下しうる。これを防ぐために、吸気口71dから蒸発成分を含む空気を吸気し、排気ダクトを経由して記録装置外に排出するが、風路上に光学素子210が配置されると、蒸発成分によって光学素子210が汚染されうる。
図11に、本実施形態に係る乾燥促進ユニット50、下流側搬送ローラ、及び光学素子の配置を示す。ここで、搬送対向ローラ211は省略して示されている。
本実施形態に係る搬送ローラ212は、複数のローラ212aが同一軸上に離間して固定されている。そして、複数のローラ212aの間が風路1101となり、加熱ローラ52近傍で生じた蒸発成分が、吸気口71dまで流れることが可能になる。ここで、本実施形態に係る光学素子210は、風路1101を避けるように、すなわち、記録媒体の搬送方向において複数のローラ212aの間の延長線上に位置しないように配置される。また、光学素子210は、搬送ローラ212および搬送対向ローラ211によって搬送される記録媒体が通過する用紙通過幅の範囲内に配置される。つまり、光学素子210は、搬送方向から見て搬送ローラ212および搬送対向ローラ211と投影的に重なる位置にある。これによって、風路に沿って蒸発成分が光学素子210に吹きかからないようにしつつ、光学素子210上を通過する記録媒体を検出することができる。
図12は、本実施形態に係る下流側搬送ローラ及び光学素子を、光学素子の下流側から見た側面図である。上述したように、搬送ローラ212は複数のローラ212aが離間して配置され、搬送対向ローラ211は1つのローラ211aが芯金211bに支持されている。複数のローラ212a間の隙間と、搬送対向ローラ211とで形成される開口1201が風路となる。
なお、搬送ローラ212は、搬送対向ローラ211と当接しない部分が形成されればよく、例えば搬送ローラ212が備える1つのローラによって風路が形成されてもよい。
図13は、本実施形態の別の例に係る下流側搬送ローラ及び光学素子を、光学素子の下流側から見た側面図である。図13では、搬送ローラ212は、搬送対向ローラ211に当接する大径部212aと、大径部212aより小径であり、搬送対向ローラ211に当接しない小径部212cとを有する1つのローラを備える。小径部212cは搬送対向ローラ211に当接しないため、搬送ローラ212の軸方向において隣接する大径部212a間が風路(非当接部)として機能する。
一例では、複数の搬送ローラ212によって、搬送対向ローラ211と当接しない部分が形成されてもよい。
図14に、本実施形態の別の例に係る乾燥促進ユニット50、下流側搬送ローラ、及び光学素子の構成の平面図を示す。ここで、搬送対向ローラ211は省略して示されている。本実施形態に係る搬送ローラ212は、同一軸線上で離間して複数配置される。複数の搬送ローラ212の間が風路1101となり、加熱ローラ52近傍で生じた蒸発成分を含む、吸気口71dまで流れることが可能になる。この場合、光学素子210は、搬送方向で複数の搬送ローラ212間を避けて配置される。
なお、複数の搬送ローラは、搬送方向に複数配置されてもよい。図15に、搬送方向に複数の搬送ローラが配置される場合の光学素子の配置を示す平面図を示す。
図15では、加熱ローラ52の搬送方向下流に配置された上流側の第1搬送ローラ1501と下流側の第2搬送ローラ1502が配置される。それぞれの搬送ローラには、搬送対向ローラ(不図示)が配置される。この場合、第1搬送ローラ1501の風路と、第2搬送ローラ1502の風路とはローラの軸方向で異なる位置に設けられている。光学素子210は、第2搬送ローラ1502の風路からは避けた位置に配置されるが、第1搬送ローラ1501の風路からは避けた位置に配置されなくてもよい。これは、第1搬送ローラ1501の風路を通過した蒸発成分は、第2搬送ローラ1502に当たり、光学素子210には直接当たらず、第2搬送ローラ1502の風路を通過するよう風の流れが制御されるためである。すなわち、光学素子は、搬送方向で最も近い搬送ローラの風路を避けるように配置されればよい。
以上説明したように、本実施形態に係る記録装置では、搬送ローラが用紙通過幅において、対向ローラに当接しない非当接部を形成し、光学素子が非当接部を避けた位置に配置される。これによって、非当接部を通って加熱ローラ近傍から排出される蒸気成分が光学素子に当たり、光学センサの検知性能が低下することを防ぐことができる。
なお、本実施形態では、搬送ローラと対向するのは、搬送対向ローラであるものとして説明を行ったが、記録媒体を挟めば他の構造を適用することができる。例えば、搬送路の壁面と、搬送ローラとで記録媒体を搬送してもよい。
また、本実施形態では、1つの用紙通過幅のみを示しているが、記録装置が対応する用紙サイズに合わせて、複数の用紙通過幅があってもよい。そのような場合、光学素子は、記録装置が対応する用紙の用紙通過幅のうちで、最小の用紙通過幅の範囲内に配置されてもよい。これによって、様々なサイズの用紙を検出することができる。また、非当接部は、記録装置が対応する用紙の用紙通過幅のうちで、最大の用紙通過幅の範囲内に配置されればよい。
また、一例では、風路を形成する非当接部は、搬送ローラ212の小径部、搬送ローラが備える複数のローラ212aの間、および複数の搬送ローラ212の間、以外の構造によって形成されてもよい。例えば、搬送ローラ212は、芯金212bの軸から放射状に、芯金212bの軸に対して垂直方向に延びる複数の板状の部材を取り付けることによって形成された羽根車のような構造を有し、当該構造を非当接部としてもよい。この場合、当該構造が、隣接する複数のローラ212aの間に配置され、芯金212bの回転に合わせて回転することで、搬送ローラ212の上流側の空気を下流側に移動させることができ、より多くの量の空気を下流側に送ることができる。
<他の実施形態>
本実施形態では、風路は、図11の風路1101に示すように、非当接部から吸気口71dまで搬送方向に直線状であるものとして説明を行った。一例では、風路は、非当接部を中心として、搬送方向下流側の吸気口71に向けて広がる形状であるものとして光学センサ210の配置が決定されてもよい。図17に、非当接部から吸気口71まで、広がる形状である風路1701が形成される場合の光学センサ210の配置について説明する。1つの非当接部から、複数の吸気口71まで空気が移動することを想定すると、下流側になるほど空気が拡散し、風路1701が形成されうる。このような場合、搬送方向で非当接部と当接部との境界の近くに光学センサ210が配置されると、拡散した空気が光学センサ210に当たり、光学センサの検知性能の低下を引き起こす場合がある。これを避けるために、光学センサ210は、搬送方向において当接部、すなわち搬送ローラ212のローラ212aの近くに配置することで、空気の拡散による影響を抑えることができる。あるいは、光学センサ210を、搬送ローラ212の軸方向において、隣接する2つの非当接部の中央付近に配置することで、空気の拡散による影響を抑えることができる。
本実施形態では、風路は、図11の風路1101に示すように、非当接部から吸気口71dまで搬送方向に直線状であるものとして説明を行った。一例では、風路は、非当接部を中心として、搬送方向下流側の吸気口71に向けて広がる形状であるものとして光学センサ210の配置が決定されてもよい。図17に、非当接部から吸気口71まで、広がる形状である風路1701が形成される場合の光学センサ210の配置について説明する。1つの非当接部から、複数の吸気口71まで空気が移動することを想定すると、下流側になるほど空気が拡散し、風路1701が形成されうる。このような場合、搬送方向で非当接部と当接部との境界の近くに光学センサ210が配置されると、拡散した空気が光学センサ210に当たり、光学センサの検知性能の低下を引き起こす場合がある。これを避けるために、光学センサ210は、搬送方向において当接部、すなわち搬送ローラ212のローラ212aの近くに配置することで、空気の拡散による影響を抑えることができる。あるいは、光学センサ210を、搬送ローラ212の軸方向において、隣接する2つの非当接部の中央付近に配置することで、空気の拡散による影響を抑えることができる。
また、本実施形態では、吸気口は、光学素子の下流側に配置されるものとして説明を行ったが、一例では、吸気口は光学素子の上流側にも配置されてもよい。光学素子の上流側に吸気口が配置されることで、より光学素子に蒸発成分が当たることを防ぐことができる。また、乾燥促進ユニット40と乾燥促進ユニット50との間に吸気口が配置されてもよい。
本発明は、本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
1:記録システム、2:本体装置、3:後処理装置、20:搬送ユニット、30:記録ユニット、40:乾燥促進ユニット、50:乾燥促進ユニット、56:ローラ、72:排気ダクト、210:光学素子、212:搬送ローラ、211:搬送対向ローラ
Claims (6)
- インクを吐出し記録媒体上に画像を形成する記録手段と、
前記記録手段で画像が記録された前記記録媒体を加熱する加熱手段と、
前記加熱手段で加熱される前記記録媒体を、第1の搬送ローラと前記第1の搬送ローラと対向する第2の搬送ローラとで挟んで搬送する搬送手段と、
前記搬送手段で搬送される前記記録媒体を検知する光学センサと、
を備え、
前記搬送手段は、前記第1の搬送ローラの軸方向における前記記録媒体が通過する範囲において、前記第1の搬送ローラが前記第2の搬送ローラに当接する当接部と、前記第1の搬送ローラが前記第2の搬送ローラに当接しない非当接部とを含み、
前記光学センサは、前記軸方向において前記非当接部と異なる位置に配置されることを特徴とする記録装置。 - 前記第1の搬送ローラは同一軸上に配置された複数のローラを備え、
前記非当接部は、前記複数のローラが同一軸上で離間して配置されることで形成されることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。 - 前記第1の搬送ローラは、大径部と小径部とを含むローラを含み、
前記当接部は前記大径部によって形成され、前記非当接部は前記小径部によって形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の記録装置。 - 前記搬送手段は、同一軸線上に配置された複数の前記第1の搬送ローラを備え、
前記非当接部は、複数の前記第1の搬送ローラが離間して配置されることで形成されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の記録装置。 - 前記記録装置内の空気を排気する排気ダクトを備え、
前記排気ダクトの空気の取入れ口が、搬送方向で前記光学センサの下流側に位置していることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の記録装置。 - 前記光学センサは、発光部と、受光部と、前記発光部からの光を前記受光部へ導く光路制御部とのうちの少なくとも1つを含み、少なくとも1つが前記軸方向において前記非当接部と異なる位置に配置されることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019164789A JP2021041602A (ja) | 2019-09-10 | 2019-09-10 | 記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019164789A JP2021041602A (ja) | 2019-09-10 | 2019-09-10 | 記録装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021041602A true JP2021041602A (ja) | 2021-03-18 |
Family
ID=74861951
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019164789A Pending JP2021041602A (ja) | 2019-09-10 | 2019-09-10 | 記録装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2021041602A (ja) |
-
2019
- 2019-09-10 JP JP2019164789A patent/JP2021041602A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5038463B2 (ja) | シート乾燥装置およびプリント装置 | |
JP5728461B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP5361765B2 (ja) | プリント装置、プリント方法およびシート処理方法 | |
JP5153567B2 (ja) | 画像形成装置 | |
US6954602B2 (en) | Sheet transport apparatus and image forming apparatus | |
JP7112673B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP2024015054A (ja) | 記録装置及び記録方法 | |
JP2008090198A (ja) | 画像形成装置 | |
JP5901816B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP2010072170A (ja) | 画像形成装置 | |
JP2021041602A (ja) | 記録装置 | |
JP7394561B2 (ja) | 記録装置及びその制御方法 | |
JP2000075709A (ja) | 画像形成装置 | |
US11220115B2 (en) | Printing apparatus and control method therefor | |
JP7398908B2 (ja) | 記録装置及びその制御方法 | |
JP2021030632A (ja) | 記録装置及び制御方法 | |
JP2021041603A (ja) | 記録装置、及び加熱装置 | |
JP2021041601A (ja) | 記録装置 | |
JP2010039116A (ja) | 画像形成装置 | |
JP2021041596A (ja) | 記録装置及び制御方法 | |
JP2007206514A (ja) | 乾燥装置 | |
JP6072656B2 (ja) | 画像形成装置の排気構造 | |
JP7409805B2 (ja) | シート搬送装置及び画像形成システム | |
JP2021041598A (ja) | 記録装置 | |
JP2022134896A (ja) | 搬送装置、液体吐出装置、画像形成装置及び後処理装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD01 | Notification of change of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421 Effective date: 20210103 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210113 |