JP2023520510A - 複合膜及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、多孔質膜基材の表面に、少なくとも1つのポリアミンと少なくとも1つのリン脂質との混合物を含む水性懸濁液を含浸させることと、含浸表面とモノマーを含有する有機相とを接触させて、それにより該含浸表面上にポリアミド層を堆積させることとを含む、複合膜を作製する方法に関する。本発明は、ナノサイズ又はマイクロサイズの孔を有する少なくとも1つの多孔質膜基材と、多孔質膜基材の表面上に配置された少なくとも1つのポリアミド層とを備え、該ポリアミド層が、その中に分散した少なくとも1つのリン脂質を含み、該ポリアミド層が、界面重合生成物である、複合膜にも関する。

Description

[優先権の主張]
本願は、2020年4月2日付で出願されたシンガポール国特許出願第10202003091Q号(その全体があらゆる目的で引用することにより本明細書の一部をなす)に対する優先権を主張するものである。
本発明は水濾過用の膜に関する。特に、本発明は複合膜及びその製造方法に関する。
膜技術は、水回収、海水淡水化、浄水、食品加工、製薬業界における製造プロセス、及び医療用途を含むが、これらに限定されない様々な産業プロセス及び商業プロセスの不可欠な要素である。膜技術の重要な用途は、清浄水又は飲料水の生成にある。飲料水の供給は通例、逆浸透(RO)膜及び/又はナノ濾過(NF)膜の使用を伴う。特に水の浄化/処理の分野においては、一般に多数の利益から高透過性の膜を用いることが好ましい。例えば、高透過性膜の使用は、資本コストの削減をもたらす可能性があり(例えば、所望のレベルの透過出力に必要とされる膜面積がより小さいため)、その結果、膜装置の設置面積がより小さくなることによるスペースの節約、又は膜がより低圧の条件で操作可能であることによるエネルギー消費の削減等の他の利点がもたらされる可能性がある。
RO膜及びNF膜が直面する共通の課題は、溶質及び/又はイオンの許容可能な除去率を維持しながら水分子の透過性を高める必要性のバランスを取るための要件である。
この課題に対処するために、殆どの薄膜複合(TFC)RO膜及び/又はNF膜は、膜基材の表面上に堆積させた、膜の透水性を高めた選択層を有する。かかる選択層は、ナノ粒子/水チャネル化合物を含み得る。一例では、生体模倣TFC膜は、アクアポリン(AQP)等のタンパク質ベースの水選択性チャネルを含む。アクアポリンの存在は、安定した脱塩率のレベルを維持しながら膜の親水性の上昇をもたらすことが観察された。しかしながら、かかる膜のスケールアップ又は商業化には大きな障害がある。例えば、生体タンパク質の製造は、制御が困難なプロセスである、宿主生物によるタンパク質発現を伴う簡単でない試みである。続いて、膜に組み込む前に所望のタンパク質を得るために一連のタンパク質精製工程が必要とされ、他のタイプのRO膜/FO膜と比較して製造コストが相対的に高くなる場合がある。
ナノコンポジット膜も水処理産業に使用するために実験室規模で広く研究されてきた。かかる膜は通例、膜の生理化学的特性、例えば親水性、多孔性、電荷密度、耐久性等を変化させるためにナノ材料を膜に組み込むことを伴う。例えば、カーボンナノチューブは、浄水プロセスに使用される混合マトリックス膜の調製において高分子膜に埋め込まれている。しかしながら、かかるナノコンポジット膜も複雑な製作プロセスを必要とし、操作時に問題に直面することから、かかる膜の使用が妨げられる場合がある。かかるナノコンポジット膜の製作又は操作の際に直面する典型的な問題としては、例えばポリマーマトリックス中のナノ材料の不十分な分散性、膜表面に欠陥を引き起こすナノ粒子の凝集、並びに毒性及び/又は処理水の汚染を引き起こすナノ材料の漏出の可能性が挙げられる。
したがって、上記の問題を改善又は回避する、水の処理又は浄水への使用を目的とした膜を調製する代替方法を提供する必要がある。本開示の更に別の目的は、本明細書に開示される方法によって調製され、アクアポリン等の生体タンパク質を実質的に含まない新規の膜を提供することである。
本開示の一態様においては、a)多孔質膜基材の表面に、少なくとも1つのポリアミンと少なくとも1つのリン脂質との混合物を含む水性懸濁液を含浸させることと、b)含浸表面と少なくとも1つの架橋基を含むモノマーを含有する有機相とを接触させて、それにより該含浸表面上にポリアミド層を堆積させることとを含み、該ポリアミド層がその中に分散したリン脂質を含み、該ポリアミド層が界面重合生成物である、複合膜を調製する方法が提供される。
本発明の他の態様においては、ナノサイズ又はマイクロサイズの孔を有する少なくとも1つの多孔質膜基材と、多孔質膜基材の表面上に配置された少なくとも1つのポリアミド層とを備え、ポリアミド層がその中に分散したリン脂質を含み、ポリアミド層が界面重合生成物である、複合膜が提供される。
有利なことに、ポリアミド層へのリン脂質の組込みが、処理される水中の溶質及び不純物(例えば塩)を除去する膜の能力を損なわずに、膜の選択性の予期せぬ実質的な改善をもたらすことが観察された。特に、本開示に従って調製された膜は、約2バールの印加圧力で少なくとも90%以上、又は好ましくは約95%以上の塩(例えばNaCl)除去率を維持しながら、水に対する膜の透過性を実質的に増大させることができることが見出された。
膜透過性の改善は、ポリアミド選択層の独特のトポグラフィー及び脂質の存在に潜在的に起因し得る。一実施の形態においては、リン脂質の存在下で芳香族ポリアミン及び芳香族架橋剤から形成されたポリアミド層上に葉状構造又は葉状特徴の形成が観察された。これらの葉状構造は、ポリアミド層の底面から上方に伸びるブレード状の突起として特徴付けることができる。底面とは、下層の膜基材に結合したポリアミド層の表面を指し、異なるポリマー、例えばポリエーテルスルホンから構成されていてもよい。これらの突出した葉状構造は通例、高さが200nm~4000nmであり得る(ポリアミド層の底面から算出される)。全芳香族ポリアミド層上のこれらの表面構造の存在が水分子と接触する表面積を増大させ、それにより膜を通した水の輸送が促進されたと仮定される。
さらに、リン脂質の存在下で形成されたポリアミド層は、下層の膜基材に向かい、またそれを横切る水分子の輸送を集中させるのに役立つ大きな介在空間も形成し得る。かかる効果は、リン脂質の存在下で脂肪族ポリアミドと少なくとも1つの架橋基を有する芳香族モノマーとを用いて形成された、高さ100nm未満の半芳香族ポリアミド層について観察することができる。
本発明の幾つかの実施の形態においては、リン脂質が埋め込まれたポリアミド層を備える膜が、選択ポリアミド層中に脂質が存在しない比較膜よりも6倍~8倍高い透水性を達成可能であることが実証された。更に有利なことに、本発明による膜は、現在利用可能なアクアポリン含有膜と比較した場合に同様の透過性/除去性能を達成することができる一方で、製造が比較的容易かつ低コストであることが見出された。
定義
本明細書中で使用する以下の言葉及び用語は、以下の意味を有するものとする。
本明細書で使用される「架橋剤」という用語は、架橋能力のある官能基を有する任意の化合物又はモノマーを指すと広く解釈すべきである。これには、共有結合を介してポリマー鎖を連結し、ポリマーネットワークを形成するために使用され得るモノマーが含まれる。架橋剤は、共有結合を形成して1つ以上のモノマーを連結する反応性官能基を含んでいてもよい。架橋剤自体がポリマーネットワークに組み込まれてもよい。本発明の文脈においては、架橋能力のある官能基を有するモノマー又は少なくとも1つの架橋基を有するモノマーが「架橋剤」と称され得る。
本明細書で使用される「モノマー」という用語は、同じタイプであっても又は同じタイプでなくてもよい他の分子と化学的に反応して、より大きな分子を形成し得る化合物を指すことがある。モノマーは、共有結合を形成し、他の分子と反応することができる官能基を含んでいてもよい。
本明細書で使用される「ポリマー」という用語は、モノマーの複数の反復単位を含む化合物を指すことがある。ポリマーは、モノマーの無数の反復単位を含んでいてもよい。
本明細書で使用される「脂肪族」という用語は、非芳香族の炭化水素化合物、基又はラジカルを指すことがある。これらには一重、二重又は三重の炭素-炭素結合を有する飽和又は不飽和炭化水素が含まれ得る。脂肪族化合物には直鎖、分岐又は環式化合物も含まれ得る。
本明細書で使用される「アシル」という用語は、一般式-C(O)Rのラジカルを指すことがあり、ここで、Rはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロシクロアルキル基又はヘテロアリール基である。したがって、「ハロゲン化アシル」という用語は、一般式RC(O)Xを有する化合物を指し、ここで、Rはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロシクロアルキル基又はヘテロアリール基であり、Xはハロゲン化物原子、例えばF、Cl、Br又はIである。
本明細書で使用される「スルホニル」という用語は、-SO-ビラジカルを指すことがある。したがって、「ハロゲン化スルホニル」という用語は、式-SOXの官能基を指すことがあり、ここで、Xはハロゲン化物原子、例えばF、Cl、Br又はIである。
ポリアミド層を説明するために本明細書で使用される「半芳香族」という用語、すなわち「半芳香族ポリアミド層」は、少なくとも1つの芳香族モノマーと少なくとも1つの非芳香族モノマーとを用いて形成されたポリアミド層を指すことがある。例えば、半芳香族ポリアミド層は、脂肪族ポリアミンと芳香族架橋剤とを用いて又は芳香族ポリアミンと脂肪族架橋剤とを用いて形成され得る。
ポリアミド層を説明するために本明細書で使用される「全芳香族」という用語、すなわち「全芳香族ポリアミド層」は、芳香族モノマーから形成されたポリアミドネットワークを指すことがある。例えば、全芳香族ポリアミド層は、芳香族架橋剤と芳香族ポリアミンとから形成され得る。
本明細書で使用される場合、ポリアミド層を説明するために使用される「見かけの高さ」、「高さ」、「厚さ」という用語又はその文法的変形語は、ポリアミド層の底面とその上に配置された任意の構造又は特徴の先端との間の距離を指すことがある。
本明細書で使用される場合、「アルキル基」という用語は、特に、限定されるものではないが、少なくとも1つの炭素原子、又はC1~50アルキル、C1~40アルキル、C1~30アルキル、又はこれらの範囲内にある任意の数の炭素原子を有する一価(「アルキル」)及び二価(「アルキレン」)の直鎖又は分岐鎖飽和脂肪族基をその意味に含むことがある。例えば、C1~12アルキルとしては、メチル、エチル、1-プロピル、イソプロピル、1-ブチル、2-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、アミル、1,2-ジメチルプロピル、1,1-ジメチルプロピル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、4-メチルペンチル、1-メチルペンチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、2,2-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、1,2,2-トリメチルプロピル、1,1,2-トリメチルプロピル、2-エチルペンチル、3-エチルペンチル、ヘプチル、1-メチルヘキシル、2,2-ジメチルペンチル、3,3-ジメチルペンチル、4,4-ジメチルペンチル、1,2-ジメチルペンチル、1,3-ジメチルペンチル、1,4-ジメチルペンチル、1,2,3-トリメチルブチル、1,1,2-トリメチルブチル、1,1,3-トリメチルブチル、5-メチルヘプチル、1-メチルヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル等が挙げられるが、これらに限定されない。この基は、末端基又は架橋基であってもよい。
基又は基の一部としての「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含み、限定されるものではないが、少なくとも2個の炭素原子、2個~50個の炭素原子、2個~25個の炭素原子、12個~24個の炭素原子、又はこれらの範囲内にある任意の数の炭素を直鎖中に有する直鎖又は分岐であり得る脂肪族炭化水素基を表すことがある。この基は、直鎖中に複数の二重結合を含んでいてもよく、それぞれの配向は、適用可能な場合、独立してE、Z、シス又はトランスである。例示的なアルケニル基としては、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル及びノネニルが挙げられるが、これらに限定されない。この基は、末端基又は架橋基であってもよい。
本明細書で使用される「芳香族基」という用語、又は「アリール」若しくは「アリーレン」等のその変形語は、6個~10個の炭素原子を有する芳香族炭化水素の一価(「アリール」)及び二価(「アリーレン」)の単一、多核、共役及び縮合残基を指すことがある。かかる基の例としては、フェニル、ビフェニル、ナフチル、フェナントレニル等が挙げられる。
「実質的に」という語は、「完全に」を除外するものではなく、例えば、Yを「実質的に含まない」組成物は、Yを完全に含まなくてもよい。必要に応じて、「実質的に」という語は、本発明の定義から除外することができる。
特段の指示のない限り、「含んでいる(comprising)」及び「含む(comprise)」という用語、並びにその文法的変形語は、列挙した要素を含むだけでなく、追加の、非列挙の要素を含むことも許容するような「開放的」又は「包含的」な言葉を表すことを意図している。
配合物の成分の濃度と関連して本明細書中で使用する「約」という用語は、典型的には言及した値の±5%、より典型的には言及した値の±4%、より典型的には言及した値の±3%、より典型的には言及した値の±2%、更に典型的には言及した値の±1%、更に典型的には言及した値の±0.5%を意味する。
本開示を通して、或る特定の実施の形態が、範囲の形式で開示される場合がある。範囲の形式での記載は、単に便宜及び簡略のためであり、開示された範囲において変更できない限界値として解釈するべきではないと理解される。したがって、範囲の記載は、具体的に開示された全ての可能な下位範囲と、その範囲内の個々の数値とを有すると考えるべきである。例えば、1~6という範囲の記載は、1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6等の具体的に開示された下位範囲と、その範囲内の個々の数値、例えば、1、2、3、4、5、及び6とを有すると考えるべきである。これは、範囲の幅に関わらず、適用される。
或る特定の実施の形態は、本明細書に広く一般的に記載されてもよい。一般的開示に含まれるより狭い種及び亜属群(subgeneric groupings)のそれぞれも本開示の一部をなす。これは、削除される事柄が本明細書で具体的に挙げられているか否かに関わらず、その属から任意の対象を除く条件又は否定的な限定を伴う実施の形態の一般的記載を含む。
同様の参照符号が別々の図にわたって同一の又は機能的に同様の要素を指し、以下の詳細な説明とともに本明細書に組み込まれ、その一部をなす添付の図面は、様々な実施形態を例示し、本実施形態に従って様々な原理及び利点を説明する働きをする。
膜モジュール/セル、ポンプ、供給管L1、透過液管L2、保持液管L3、並びに圧力計P1、P2及びP3を備える例示的なクロスフロー膜濾過システムの概略図である。 リン脂質を含まない全芳香族ポリアミド層を備える対照膜の表面(左)と、m-フェニレンジアミン(MPD)及び1,3,5-ベンゼン-トリカルボニルトリクロリド(TMC)を用いて形成され、少なくとも1つのリン脂質である1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DOPC)が分散した全芳香族ポリアミド層を有する本明細書に記載の複合膜の表面とを比較する走査型電子顕微鏡写真である。 DOPCを用いずに形成された全芳香族ポリアミド層、並びにMPD及びTMCを用いて形成され、リン脂質であるDOPCが分散した全芳香族ポリアミド層の断面の走査型電子顕微鏡写真である。 原子間力顕微鏡法(AFM)を用いて得られた、DOPCを用いずに形成されたポリアミド層を備える対照膜の表面トモグラフィーを表す顕微鏡写真である。 DOPCが分散したポリアミド層を備える膜の表面トモグラフィーを示すAFM顕微鏡写真である。 3200本の繊維を含む例示的な4インチ膜モジュールを示す図である。 NEWater逆浸透供給水の濾過における膜モジュール1の性能のグラフ表示である。膜モジュール1は、DOPCを用いて調製され、300cmの有効膜面積を有する、本明細書に記載の複合膜を備える例示的な膜モジュールである。グラフに示されるように、Jvは水分流動の尺度であり(○によって表される)、P入口は入口での印加圧力であり(△によって表される)、Rは伝導度除去率である(□によって表される)。 NEWater逆浸透供給水の濾過における第2の膜モジュール(膜モジュール2)の性能のグラフ表示である。膜モジュール2は、DOPCを用いて調製され、70cmの有効膜面積を有する、本明細書に記載の複合膜を備える例示的な膜モジュールである。
図面中の要素が単純化及び明確化のために図示され、必ずしも縮尺通りに描かれていないことが当業者には理解される。例えば、図解、ブロック図又はフローチャートにおける幾つかの要素の寸法は、本実施形態の理解を深めるのを助けるために、他の要素に対して誇張されている場合がある。
以下の詳細な説明は、本質的には単なる例示であり、本発明又は本願及び本発明の使用を限定する意図はない。さらに、上述の本発明の背景又は以下の詳細な説明において提示されるいかなる理論にも制限されるべき意図はない。
本明細書には、
a)多孔質膜基材の表面に、少なくとも1つのポリアミンと少なくとも1つのリン脂質との混合物を含む水性懸濁液を含浸させることと、
b)含浸表面と少なくとも1つの架橋基を含むモノマー(すなわち、架橋能力を有する官能基を含むモノマー)を含有する有機相とを接触させて、それにより該含浸表面上にポリアミド層を堆積させることと
を含み、
該ポリアミド層が、その中に分散した少なくとも1つのリン脂質を含み、該ポリアミド層は界面重合生成物である、複合膜を調製する方法が提供される。
多孔質膜基材の表面に含浸させる工程は、多孔質膜基材の表面を少なくとも1つのポリアミンと少なくとも1つのリン脂質との混合物を含む水性懸濁液に曝露することによって行うことができる。水性懸濁液を多孔質膜基材の表面又は内腔表面と接触させ、多孔質膜基材の表面に含浸させることができる。接触工程の間に圧力勾配を任意に適用してもよい。代替的には、水性懸濁液を膜の表面上に噴霧するか、又は流し込んでもよい。水性懸濁液中に膜を浸漬し、多孔質膜基材の表面に含浸させることもできる。
実施形態においては、中空繊維複合膜を調製すべき場合、水性懸濁液を中空繊維複合膜の内腔に流すか、又は通過させ、内腔の表面に含浸させる。開示の方法によって平膜を調製する場合、水性懸濁液を平膜の表面上に流し込んだ。代替的には、水性懸濁液に平膜を浸漬させ、水性懸濁液を平膜の表面上に噴霧してもよい。
本明細書に記載の方法に使用される多孔質膜基材は、ナノサイズ又はマイクロサイズの孔を含み得る。多孔質膜基材は、合成であっても又は天然に得られるものであってもよい有機又は無機材料から作製することができる。酸化アルミニウム、炭化ケイ素、二酸化チタン及び二酸化ジルコニウム等のゼオライト及びセラミック膜を含む無機多孔質膜も本明細書に記載の方法に基材として使用することができる。
実施形態においては、膜基材は、好ましくは合成有機多孔質基材である。かかる膜は、当該技術分野で既知のスピニング法又はキャスティング法を用いて調製することができる。多孔質膜基材の調製時に、最終的な膜基材の多孔性及び/又は親水性を調整するのに十分な濃度で添加剤を使用することができる。本明細書で使用され得る膜材料の非限定的な例としては、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリスルホン(PSF)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリビニリデンジフルオリド(PVDF)、ポリ(テトラフルオロエチレン)(PTFE)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリイミド(PI)又はそれらのコポリマーが挙げられる。多孔質膜基材は、好ましくはポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリスルホン(PSF)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリビニリデンジフルオリド(PVDF)又はそれらのコポリマーを含み得る。実施形態においては、多孔質膜基材は、ポリエーテルイミド(PEI)又はポリエーテルスルホン(PES)から作製される。
多孔質膜基材の表面の含浸は、少なくとも1つのポリアミンと少なくとも1つのリン脂質とを含む水性懸濁液を用いて行うことができる。水性懸濁液は、膜貫通タンパク質又はその類似体を実質的に含まない場合がある。特に、水性懸濁液はアクアポリンを実質的に含まない場合があり、多孔質膜面の表面上に堆積した、得られたポリアミド層もアクアポリンを実質的に含まない場合がある。
有利なことに、本明細書に開示される方法に従って調製された複合膜は、アクアポリン等の膜貫通タンパク質の非存在下であっても良好な透水性及び溶質除去率の増大を示した。実施形態においては、5000cm又は32000cmの有効面積を有する例示的な膜モジュールについて、2バールの膜間圧力差で最大約6LMH/バールの透水性及び約94%~96%の塩化ナトリウム除去率が観察された。本明細書に開示される複合膜の性能は、同様の有効面積を有するアクアポリンベースの膜と同等である。これは、界面重合を促進し、有効膜面積が増加するか、又はポリアミド層と基材の表面との間の介在距離が増加したポリアミド層の堆積を可能にするリン脂質の存在によるものと考えられる。このため、アクアポリン等の生体分子の品質に依存することなく、膜の透水性も増大する。したがって、工業生産時に複合膜の製作及び品質を調節及び制御することができる。
ポリアミンは、水性懸濁液の重量に対して約0.001重量%~約10重量%の濃度で添加することができる。水性懸濁液は、水性懸濁液の重量に対して約0.001重量%~約10重量%、又は約0.005重量%~約10重量%、又は約0.01重量%~約10重量%、又は約0.05重量%~約10重量%、又は約0.1重量%~約10重量%、又は約0.1重量%~約9重量%、又は約0.1重量%~約8重量%、又は約0.1重量%~約7重量%、又は約0.1重量%~約6重量%、又は約0.1重量%~約5重量%、又は約0.1重量%~約4.5重量%、又は約0.1重量%~約4重量%、又は約0.15重量%~約4重量%、又は約0.2重量%~約4重量%、又は約0.25重量%~約3.5重量%、又は好ましくは約0.5重量%~約3重量%の濃度でポリアミンを含み得る。実施形態においては、水性懸濁液の重量に対して約1.2重量%の濃度でポリアミンを提供する。
ポリアミンは、水溶性ポリアミンであってもよい。ポリアミンは、少なくとも2個のアミン基を含み得る。ポリアミンは、2個~100個のアミン基、又は2個~90個のアミン基、又は2個~80個のアミン基、又は2個~70個のアミン基、又は2個~60個のアミン基、又は2個~50個のアミン基、又は2個~40個のアミン基、又は2個~30個のアミン基、又は2個~20個のアミン基、又は2個~18個のアミン基、又は2個~16個のアミン基、又は2個~14個のアミン基、又は2個~12個のアミン基、又は2個~10個のアミン基、又は2個~9個のアミン基、又は2個~8個のアミン基、又は2個~7個のアミン基、又は2個~6個のアミン基、又は2個~5個のアミン基、又は好ましくは2個~4個のアミン基を含み得る。実施形態においては、ポリアミンは2個のアミン基を含む。
ポリアミン中のアミン基は、独立して第一級アミン基又は第二級アミン基であり得る。実施形態においては、ポリアミンは、少なくとも2個のアミン基を含むモノマーであってもよく、ポリアミンは、少なくとも2個のアミン基を含むモノマーであり、該アミン基は、独立して第一級アミン基又は第二級アミン基である。例えば、含浸工程に使用されるポリアミンは、2個の第一級アミン基、2個の第二級アミン基、又は1個の第一級アミン基及び1個の第二級アミン基、すなわち第一級アミン基及び第二級アミン基の混合物を含み得る。実施形態においては、ポリアミンは2個の第一級アミン基を含む。
ポリアミンは、少なくとも2個の炭素原子を含み得る。例えば、ポリアミンは、2個~500個の炭素原子、又は2個~450個の炭素原子、又は2個~400個の炭素原子、又は2個~350個の炭素原子、又は2個~300個の炭素原子、又は2個~250個の炭素原子、又は2個~200個の炭素原子、又は2個~180個の炭素原子、又は2個~160個の炭素原子、又は2個~140個の炭素原子、又は2個~120個の炭素原子、又は2個~100個の炭素原子、又は2個~90個の炭素原子、又は2個~80個の炭素原子、又は2個~70個の炭素原子、又は2個~60個の炭素原子、又は2個~50個の炭素原子、又は2個~40個の炭素原子、又は2個~30個の炭素原子、又は2個~20個の炭素原子、又は2個~10個の炭素原子、好ましくは4個~10個の炭素原子を含み得る。幾つかの実施形態においては、ポリアミンは6個の炭素原子を含む。他の実施形態においては、ポリアミンは4個の炭素原子を含む。
ポリアミンは脂肪族、芳香族又は複素環式ポリアミンであり得る。本明細書に開示される方法に使用することができる脂肪族ポリアミンは、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アルキニル基を含んでいてもよい。ポリアミンは、好ましくは芳香族ポリアミン又は複素環式ポリアミンであり得る。実施例において実証されるように、芳香族ポリアミンと芳香族架橋剤との重合は、有利には、本明細書に開示される葉状構造の形成をもたらし、それにより膜の透水性を改善することができる。
ポリアミンは、m-フェニレンジアミン(MPD)、m-フェニレンジアミン-4-メチル、1,3-シクロヘキサンビス(メチルアミン)、o-フェニレンジアミン(OPD)、ピペラジン、p-フェニレンジアミン(PPD)、1,1’-ビフェニル-4,4’-ジアミン(ベンジジン)、ポリエチレンイミン、シクロヘキサン-1,2-ジアミン、3,3’,5,5’-テトラメチルベンジジン、N,N’-ジフェニルベンジジン、1,4-ジアミノナフタレン、1,5-ジアミノナフタレン、ベンゼン-1,2,4-トリアミン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、1,2,4,5-ベンゼンテトラミン、1,8-ジアミノナフタレン、9,10-ジアミノフェナントレン、N-メチル-1,2-フェニレンジアミン、2,5-ジメチル-1,4-フェニレンジアミン、2-メチル-1,3-ベンゼンジアミン、N,N-ジメチル-1,2-フェニレンジアミン、[4-(アミノメチル)シクロヘキシル]メチルアミン、2-アミノメチル-シクロヘキシルアミン及びそれらの混合物からなる群から選択することができる。
本明細書に開示される方法に好ましいポリアミンとしては、m-フェニレンジアミン(MPD)、m-フェニレンジアミン-4-メチル、1,3-シクロヘキサンビス(メチルアミン)、o-フェニレンジアミン(OPD)、ピペラジン、p-フェニレンジアミン(PPD)、1,1’-ビフェニル-4,4’-ジアミン(ベンジジン)、ポリエチレンイミン及びそれらの混合物が挙げられる。一実施形態においては、水性懸濁液はm-フェニレンジアミンを含む。別の実施形態においては、水性懸濁液中のポリアミンとしてピペラジンを使用した。
多孔質膜基材の表面に含浸させるための水性懸濁液は、少なくとも1つのリン脂質を含んでいてもよい。
リン脂質の濃度は、水相中で約10μM~約10mM、又は約10μM~約9.5mM、又は約10μM~約9.0mM、又は約10μM~約8.5mM、又は約10μM~約8.0mM、又は約10μM~約7.5mM、又は約10μM~約7.0mM、又は約10μM~約6.5mM、又は約10μM~約6.0mM、又は約10μM~約5.5mM、又は約10μM~約5.0mM、又は約20μM~約4.5mM、又は約30μM~約4.5mM、又は約40μM~約4.5mM、好ましくは約50μM~約4.0mMの範囲であり得る。
有利なことに、本明細書に記載の方法に従って調製された複合膜の透水性が、少なくとも1つのリン脂質を約50μM~約4.0mMの濃度で含む水性懸濁液を提供することによって最適化され得ることが見出された。実施形態においては、リン脂質である1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DOPC)を含む膜の透水係数は、DOPCを含まない膜と比較して少なくとも約60%、又は好ましくは少なくとも約80%増加する。界面重合反応を促進するためのリン脂質の使用により、有効膜面積が増加したポリアミド層が得られ、それにより複合膜の透水性が増大すると考えられる。堆積したポリアミド層内のリン脂質の分散は、ポリアミド層と基材との間の介在空間の拡大に寄与し、膜を介した水の輸送を促進すると考えられる。
天然若しくは合成リン脂質、又はそれらの混合物を本明細書に記載の複合膜の調製に使用することができる。これらには卵、大腸菌脂質抽出物、ダイズ脂質抽出物、酵母脂質抽出物及びそれらの混合物から得られる天然由来のリン脂質、並びにホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルエタノールアミン又はそれらの混合物等の合成リン脂質が含まれる。実施形態においては、天然ホスファチジルコリンを複合薄膜の調製に使用した。一実施形態においては、多孔質膜基材に卵ホスファチジルコリン(PC)の懸濁液を含浸させた。
水相中に懸濁したリン脂質は、飽和及び/又は不飽和炭素鎖を有するアシル基を含み得る。
リン脂質は、下記式(I):
Figure 2023520510000001
(式中、R及びRは、独立して10個~50個の炭素原子を有する飽和又は不飽和脂肪族基とすることができ、Rは、
Figure 2023520510000002
である)のものであり得る。
飽和又は不飽和脂肪族基R及びRは、独立して10個~50個の炭素原子、又は10個~45個の炭素原子、又は10個~40個の炭素原子、又は10個~35個の炭素原子、又は10個~30個の炭素原子、又は10個~28個の炭素原子、又は10個~26個の炭素原子、又は12個~26個の炭素、好ましくは12個~24個の炭素原子を含み得る。
置換基Rは、好ましくは14個~24個の炭素原子を有する飽和又は不飽和脂肪族基とすることができ、置換基Rは、好ましくは14個~24個の炭素原子を有する飽和又は不飽和脂肪族基とすることができる。一実施形態においては、R及びRは、どちらも17個の炭素原子を有する不飽和脂肪族基である。別の実施形態においては、Rは15個の炭素原子を有する飽和脂肪族基であり、Rは17個の炭素原子を有する不飽和脂肪族基である。
本明細書に記載の方法に使用することができるリン脂質は、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DOPC)、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(DOPE)、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホ-rac-(1-グリセロール)(DOPG)、L-α-ホスファチジルコリン(卵PC)、1,2-ジテトラデカノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DMPC)、2-オレオイル-1-パルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(POPC)、1,2-ジラウロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DLPC)、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DMPC)、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DPPC)、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DSPC)、1,2-ジラウロイル-sn-グリセロ-3-ホスホ-(1’-rac-グリセロール)(ナトリウム塩)(DLPG)、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホ-(1’-rac-グリセロール)(ナトリウム塩)(DMPG)、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホ-(1’-rac-グリセロール)(ナトリウム塩)(DPPG)、1-パルミトイル-2-オレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホ-(1’-rac-グリセロール)(ナトリウム塩)(POPG)、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホ-L-セリン(ナトリウム塩)(DMPS)、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホ-L-セリン(ナトリウム塩)(DPPS)、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホ-L-セリン(ナトリウム塩)(DSPS)、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホ-L-セリン(ナトリウム塩)(DOPS)、1-パルミトイル-2-オレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホ-L-セリン(ナトリウム塩)(POPS)、1,2-ジラウロイル-sn-グリセロ-3-ホスフェート(ナトリウム塩)(DLPA)、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスフェート(ナトリウム塩)(DMPA)、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスフェート(ナトリウム塩)(DPPA)、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスフェート(ナトリウム塩)(DSPA)、1-パルミトイル-2-オレオイル-sn-グリセロ-3-ホスフェート(ナトリウム塩)(POPA)、1,2-ジラウロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(DLPE)、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(DMPE)、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(DPPE)、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(DSPE)、1-パルミトイル-2-オレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(POPE)、1,2-ジ-O-オクタデセニル-3-トリメチルアンモニウムプロパン(塩化物塩)(DOTMA)、大腸菌脂質抽出物、ダイズ脂質抽出物、酵母脂質抽出物、1-パルミトイル-2-(ジピロメテンボロンジフルオリド)ウンデカノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホ-(1’-ミオ-イノシトール)(アンモニウム塩)(DOPI)、1-パルミトイル-2-オレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホイノシトール(アンモニウム塩)(POPI)、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホ-(1’-ミオ-イノシトール)(アンモニウム塩)(DPPI)、1,1’、2,2’-テトラオレオイルカルジオリピン(TOCL)、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノール(DOPEt)、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノール(DOPEt)(18:0 ジエチルPC)又はそれらの組合せからなる群から選択することができる。
好ましくは、リン脂質は、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DOPC)、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(DOPE)、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホ-rac-(1-グリセロール)(DOPG)、L-α-ホスファチジルコリン(卵PC)、1,2-ジテトラデカノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DMPC)、2-オレオイル-1-パルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(POPC)及びそれらの混合物からなる群から選択することができる。一実施形態においては、リン脂質は1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DOPC)である。別の実施形態においては、リン脂質は2-ジテトラデカノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DMPC)である。
含浸工程a)の後に、過剰な水性懸濁液を多孔質膜基材の表面から除去してもよい。過剰な水性懸濁液は、接触工程b)の前にリンス、ガスパージ又はブローによって除去することができる。ガス又は圧縮空気を用いて、含浸多孔質膜基材の表面から過剰な水性懸濁液をパージするか、又は吹き飛ばすことができる。
代替的には、過剰な水性懸濁液の除去は、含浸多孔質膜基材の表面を有機溶媒でリンスすることによっても行うことができる。リンスのための有機溶媒は、非極性有機溶媒であり得る。リンスに使用される有機溶媒は、接触工程b)において有機相に使用されるものと同じ溶媒であってもよい。含浸多孔質膜基材の表面のリンスに使用することができる有機溶媒の非限定的な例としては、シクロヘキサン、ヘキサン、ペンタン、トルエン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、クロロホルム又はジクロロメタンが挙げられる。実施形態においては、含浸膜基材と少なくとも1つの架橋剤を含有する有機相とを接触させる前に、シクロヘキサンを用いて多孔質膜基材の表面をリンスした。
含浸膜基材を、続いて少なくとも1つの架橋基を含むモノマー(すなわち、架橋剤)を含有する有機相と接触させ、多孔質膜基材の含浸表面上にポリアミド層を堆積させることができる。
接触工程b)に使用される有機相は、界面重合反応を促進するために、含浸工程a)の水性懸濁液とは不混和性であってもよい。したがって、有機相は、水と混和しないが、架橋剤を溶解することが可能な有機溶媒を含み得る。有機溶媒は、好ましくは少なくとも1つの架橋基を含むモノマーに対して非反応性又は不活性であり得る。有機相は、非極性有機溶媒を更に含んでいてもよい。シクロヘキサン、ヘキサン、ペンタン、トルエン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、クロロホルム又はジクロロメタン等の有機溶媒を有機相に使用することができる。実施形態においては、有機相はシクロヘキサンを含む。接触工程a)の水性懸濁液とは不混和性の有機溶媒を工程b)の有機相に使用することで、2つの不混和相間の界面重合反応が促進される。
接触工程b)は、約500nm~約4000nmの厚さを有するポリアミド層を堆積させるのに十分な時間にわたって行うことができる。接触工程b)は、約10秒間~10分間、又は約10秒間~9.5分間、又は約10秒間~9分間、又は約10秒間~8.5分間、又は約10秒間~8分間、又は約10秒間~7.5分間、又は約10秒間~7分間、又は約10秒間~6.5分間、又は約10秒間~6分間、又は約10秒間~5分間、又は約10秒間~4.5分間、又は約10秒間~4分間、又は約15秒間~4分間、又は約20秒間~4分間、又は約20秒間~3.5分間、又は約20秒間~3分間にわたって行うことができる。含浸膜基材は、好ましくは約30秒間~3分間にわたって有機相と接触させることができる。
有機相は、ポリアミンと反応する少なくとも1つの架橋剤を含んでいてもよい。本明細書で使用される場合、「架橋剤」という用語は、2つ以上の分子又はモノマーを共有結合してポリアミドネットワークを形成するために使用され得る、少なくとも1つの架橋官能基を含むモノマー(すなわち、架橋能力を有する官能基を含むモノマー)を指す。架橋剤は、基材上に堆積させたポリアミド層に組み込まれてもよい。
有機相は、有機相の重量に対して約0.00001重量%~2重量%、又は約0.00005重量%~2重量%、又は約0.0001重量%~2重量%、又は約0.0002重量%~2重量%、又は約0.0004重量%~2重量%、又は約0.0006重量%~2重量%、又は約0.0008重量%~2重量%、又は約0.001重量%~1.8重量%、又は約0.001重量%~1.6重量%、又は約0.001重量%~1.4重量%、又は約0.001重量%~1.2重量%、又は好ましくは約0.001重量%~1重量%、又は約0.005重量%~1重量%、又は約0.01重量%~1重量%、又は約0.01重量%~0.8重量%、又はより好ましくは約0.05重量%~0.8重量%、更により好ましくは約0.1重量%~0.8重量%の濃度で架橋剤を含み得る。実施形態においては、有機相の重量に対して約0.15重量%の濃度で架橋剤を提供する。
本明細書に記載の方法に使用される架橋剤は、ポリアミンと共有結合を形成することが可能な1つ以上の反応性官能基を含み得る。架橋剤は、少なくとも2個の反応性官能基、又は2個~10個の反応性官能基、又は2個~9個の反応性官能基、又は2個~8個の反応性官能基、又は2個~7個の反応性官能基、又は2個~6個の反応性官能基、又は2個~5個の反応性官能基、又は好ましくは2個~4個の反応性官能基を含み、それにより拡張したポリマーネットワークを形成することができる。実施形態においては、架橋剤は3個の反応性官能基を含む。
架橋剤は、ハロゲン化アシル基又はハロゲン化スルホニル基、好ましくは少なくとも2個のハロゲン化アシル基又はハロゲン化スルホニル基を含み得る。実施形態においては、3個のハロゲン化アシル基を有する架橋剤を有機相に溶解した。
架橋剤は、トリメソイルクロリド(1,3,5-ベンゼントリカルボニルトリクロリド)、テレフタル酸クロリド(テレフタロイルジクロリド)、イソフタル酸クロリド(イソフタロイルジクロリド)、ビフェニルジカルボン酸クロリド、ナフタレンジカルボン酸ジクロリド、ビフェニル-4,4-ジスルホニルクロリド、1,3,6-ナフタレントリスルホニルクロリド、フタロイルジクロリド、アジポイルクロリド、オキサリルクロリド、マロニルクロリド及びそれらの混合物からなる群から選択される。実施形態においては、架橋剤は、トリメソイルクロリド(1,3,5-ベンゼントリカルボニルトリクロリド)である。
少なくとも1つの架橋剤を含む有機相を、少なくとも1つのポリアミンと少なくとも1つのリン脂質との水性混合物を含浸させた膜の表面と接触させることで界面重合が起こる。界面重合が多孔質膜基材の表面上で起こり、その上にポリアミド層が堆積する。それにより、薄いポリアミド膜を有する複合膜構造が本明細書に記載の方法によって得られる。
したがって、本開示は、a)ナノサイズ又はマイクロサイズの孔を有する少なくとも1つの多孔質膜基材と、b)多孔質膜基材の表面上に配置された少なくとも1つのポリアミド層であって、その中に分散した少なくとも1つのリン脂質を含み、界面重合生成物である、ポリアミド層とを備える複合膜も提供する。
特に、ポリアミド層は、少なくとも1つのポリアミンを含有する水相と少なくとも1つの架橋基を含むモノマーを含有する有機相との2つの不混和相間の界面重合によって形成することができる。水相は、懸濁したリン脂質を更に含んでいてもよく、それにより得られるポリアミド層へのリン脂質の分散を可能にする。
少なくとも1つのポリアミンと少なくとも1つの懸濁したリン脂質とを含有する水相は、膜貫通タンパク質及びその類似体、例えばアクアポリンを実質的に含まない場合がある。これにより、同様にかかるタンパク質を実質的に含まない場合がある堆積ポリアミド層が得られる。具体的には、界面重合反応によって形成されたポリアミド層は、アクアポリンを含有しない。
本明細書に記載の界面重合反応は、粗い表面を有するポリアミド層の堆積をもたらし得る。実施形態においては、堆積ポリアミド層の表面上に隆起部及び谷部の形成が観察される。複合膜は、約50nm~4000nmの高さを有するポリアミド層を備えていてもよく、全芳香族又は半芳香族ポリアミド層であり得る。
驚くべきことに、少なくとも1つのリン脂質と1つの芳香族ポリアミンとを含む水相を芳香族架橋剤と組み合わせて界面重合反応に使用する場合、より大きな葉状特徴又は構造を備える全芳香族ポリアミド層が得られる。かかる「全芳香族」ポリアミド層の形成は、ポリアミド層の見かけの高さ又は厚さの増加をもたらす。具体的には、リン脂質の存在下で形成された全芳香族ポリアミド層の高さは、多孔質膜基材の表面(すなわち、ポリアミド層の底面)からポリアミド層の先端まで、約200nm~約4000nmの範囲であり得る。葉状特徴又は構造の存在は、複合体の有効膜面積を増加させ、それにより膜を通した水分子の通過を促進すると考えられる。このことは、全芳香族ポリアミド層を備える複合膜について、約60%以上の透水性の増大に有利に寄与する。
これらの葉状特徴の形成及びポリアミド層の厚さの増加は、界面重合反応時の水相中のリン脂質の分散によるものと考えられる。比較として、リン脂質の存在下で形成された、より大きな葉状構造を有する例示的なポリアミド層は、200nm~4000nmの高さ及び208±50nmの表面粗さを示す。これは、通常は約200nm~1000nmの見かけの高さ及び152±66nmの表面粗さを示す、リン脂質を用いずに形成された膜に対して顕著な改善である。
さらに、驚くべきことに、半芳香族ポリアミド層を備える複合膜の透水性が、リン脂質を用いずに形成された膜と比較して同様に増大することが見出された。上記の全芳香族ポリアミド層とは対照的に、リン脂質の存在下で脂肪族ピペラジンと芳香族架橋剤とから形成された、かかる半芳香族層の見かけの高さは、通常は100nm未満である。かかる半芳香族ポリアミド層の透過性の増大は、ポリアミド層と基材の表面との間の介在空間の拡大によるものであり、これにより膜を通した水分子の通過が可能になると仮定される。
したがって、本明細書に開示される複合膜は、リン脂質を含む全芳香族ポリアミド層が得られる場合には200nm~4000nmの厚さを有し、リン脂質が分散した半芳香族ポリアミド層が形成される場合には100nm未満の厚さを有し得る。全芳香族ポリアミド層は、大きな葉状構造又は特徴を備えることができ、半芳香族ポリアミド層は、薄い均一ないし波状の構造として観察され得る。
有利なことに、リン脂質の存在は、2つのモノマー間の反応を促進し、膜の透水性が高いにもかかわらず、約2バールの低い作動圧力で約94%~97%の高い溶質除去率に寄与する、高度に架橋したポリアミド層をもたらす。実施形態においては、5000cm及び32000cmの有効面積、並びに約6LMH/バールの透水性を有する膜モジュールが、塩化ナトリウム除去率を約94%~97%に維持することが実証された。複合膜の低い溶質通過率及び高い透水性は、溶質透過性と透水性との比(B/A比)からも観察することができ、これは、本明細書に記載の複合膜については約5kPa、本明細書に記載のリン脂質を用いずに形成された膜については17kPaである。
有機汚染物質を含む廃水の濾過に使用した場合、複合膜は、高い溶質除去率及び透水性を120日間にわたって有利に維持した。実施形態においては、70cm及び300cmの有効面積を有する膜モジュールは、約7mg/L~8mg/Lの全有機物量を含む廃水の濾過に使用した場合、2.9バール~3.5バールの印加圧力で約20LMHの水分流動、及び約96.5%の溶質除去率を示した。この性能は、膜を洗浄して交換する前に120日間にわたって維持された。
したがって、本開示は、ポリアミド層を多孔質膜基材の表面上に堆積させた複合膜を調製する方法を提供する。ポリアミド層は、少なくとも1つのポリアミンと少なくとも1つのリン脂質との混合物を含む水相及び架橋剤を含む有機相の2つの不混和相間の界面重合反応によって形成することができる。本明細書に記載の複合膜は、高い透水性であっても低い溶質通過率を有利に示す。
本明細書に記載の複合膜は、操作上所望される様々な膜モジュールの製作に使用することができる。実施形態においては、本明細書に記載の複合膜を含む中空繊維膜又は平膜を調製した。
〔実施例1〕
1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DOPC)を含むポリアミド層で内腔をコーティングしたポリエーテルイミド(PEI)中空繊維基材
材料及び方法
化学物質
1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DOPC、25mg/ml、Avanti Polar Lipids、米国アラバマ州)を用いて、MPD及び脂質の両方を含有する水性混合物を調製した。ポリエーテルイミド(PEI Ultem 1000、GE Plastic、米国)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP、99.5%超、CAS#872-50-4、Merck Chemicals、シンガポール)を、それぞれ基材材料及び溶媒として使用した。
超純水及び水道水を、それぞれボア液(bore fluid)及び外部凝固剤として使用した。
1,3,5-ベンゼン-トリカルボニルトリクロリド(TMC、CAS#4422-95-1、Sigma-Aldrich)及びm-フェニレンジアミン(MPD、CAS#108-45-2、Sigma-Aldrich)を界面重合のモノマーとして使用した。
シクロヘキサン(CAS#110-82-7、Merck Chemicals、シンガポール)をTMCの溶媒として使用した。
塩化ナトリウム(Merck)を脱塩率試験のための供給液に使用した。
膜調製
内径/外径が800μm/1000μmの中空繊維PEI基材を乾式/湿式スピニング条件下で製作した。異なる数の繊維を異なるサイズのモジュールに組み立てた。例えば、5本~30本の繊維を半インチのモジュールに組み立てた。次いで、モジュールを鉄支持体上に拡張クランプで垂直に固定した。20mMストック溶液からのDOPCをMPD溶液と混合した。界面重合工程においては、DOPCを約50μM~約4mMの濃度で含有する1.2重量%MPD溶液をPEI繊維の内腔表面と接触させた。続いて、新たなシクロヘキサンを内腔表面に送り込むことによって過剰なMPD溶液を除去した。次いで、0.15重量%TMCシクロヘキサン溶液を内腔表面に送り込み、MPD残留物と反応させた。調製された状態の膜モジュールを空気中で乾燥させた後、保管のために超純水に浸した。
膜性能
次いで、膜モジュールの透水性及び脱塩率を測定した。膜の透水性の試験には超純水を使用し、塩化ナトリウム除去率の測定には500mg/L NaCl供給液を使用した。
膜モジュール全体に2バールの圧力を印加し、ギアポンプを用いて約20cm/秒のクロスフロー速度を維持した。全ての測定を室温(23±1℃)で行った。
DOPCがMPD溶液中に存在しない以外は上記の方法に従って調製した対照膜の透水性及び脱塩率を測定する場合にも同一の条件(すなわち2バール、23±1℃)を適用した。
膜の透水性及び脱塩性能の結果を表1に示す。DOPCを組み込んだ膜(PEI-DOPC)が、はるかに高い透水性(8.5±1.5リットル/m/時間/バール(LMH/バール))を対照膜(1.1±0.2LMH/バール)と比較して有することが分かる。
DOPC脂質の添加によりNaCl除去率も90%から95%超に改善した。PEI-DOPC膜の溶質透過性と透水性との比(B/A)は、約5kPaまで低下した。この低い値は、このDOPCベースの膜の高い透水性にもかかわらず非常に低い溶質通過率を示す。対照的に、対照膜の対応する比率が17であり、少なくとも3倍高かったことが注目される。これは全く予期せぬ結果である。
Figure 2023520510000003
膜の特性評価
電界放出型走査電子顕微鏡(FESEM)及び原子間力顕微鏡(AFM)を用いて膜選択層の形態を特性評価した。
膜サンプルを凍結乾燥し(JSM-7600F、JEOL、日本)、2kVでのFESEMイメージングの前に白金の均一層でコーティングした(コーティングは、20mVの電圧及び45秒の時間で行った)。膜の断面を得るために、これを乾燥前に液体窒素中で破砕した。AFM(Park XE-100、韓国)を用いて膜の表面粗さを測定した。10μm×10μmのスキャンサイズ及び128ピクセルの解像度での顕微鏡写真をノンコンタクトモード(商標)で得た。
FESEM画像(図2)から、対照膜(DOPCなし)と比較した場合に、脂質ベースの膜のポリアミド選択層がより大きな葉状構造を有することが示される。
より大きな葉状構造は、約0.5μm~4μmの顕著に大きな全体の「厚さ」をもたらした。これは水フィードと接触する有効面積の拡大にも寄与し得る。AFM顕微鏡写真を図3a及び図3bに示す。特に、小さな「隆起部及び谷部」の構造が対照膜について観察された一方で、DOPCを組み込んだ膜は、より高く及び/又はより長い隆起部を有し、より深く、より広い溝(谷部)を有する比較的大きな表面構造を呈し、葉状特徴の外観が生じる。この結果は、FESEM画像による観察結果と一致している。結果から、脂質ベースの膜及び対照膜についての二乗平均平方根粗さが、それぞれ208±50nm及び152±66nmであることが示され、これはリン脂質を用いて形成された複合膜の表面がより粗いことを示している。リン脂質を用いて形成された複合膜のより粗い表面及び葉状特徴がより大きな有効膜面積に寄与し、膜を通した水の輸送が促進されると考えられる。
拡張性
異なる数の繊維で作製された膜モジュールの性能を表2にまとめる。膜面積は、26cm~3.2mの範囲である(4インチモジュール、図4を参照されたい)。本明細書に記載の本発明による膜合成方法を用いると、小さなモジュール(300cm以下の面積)について約8±1.5LMH/バールの透水性を維持することができ、より大きなモジュール(すなわち、2インチ及び4インチのモジュール)についても最大6LMH/バールの透過性を達成し得ることが見出された。
塩化ナトリウム除去率は、2バールの低い印加圧力で全てのモジュールサイズについて94%~96%に維持される。5バールの上昇させた作動圧力では、97%以上の脱塩率を達成することができる。
アクアポリンベースの膜の性能を本発明の脂質含有膜と比較した。データを下記表2に示す。
表2のABM_1及びABM_2の項目は、大腸菌(Escherichia coli)(K12株)に由来する市販のタンパク質(UniProtKB-P60844)であるタンパク質アクアポリンZ(AQP-Z)を含むポリアミド選択層でコーティング(内腔表面)したPEI膜基材を指す。AQP-Zは、膜選択層に組み込む前にベシクル/プロテオリポソームに再構成した。AQP-Zと脂質とのモル比は、ABM_1及びABM_2のそれぞれについて1:400であった。
PEI_500及びPEI_3200の項目は、上記の方法に従って調製された脂質含有ポリアミド層を備えるPEI膜を指し、PEI_500は、500本の中空繊維を含む2インチモジュールにスケールアップし、PEI_3200は、3200本の中空繊維を含む4インチモジュールにスケールアップしたものである。
特に、ABM及び本発明の脂質ベースの膜の両方が同等の透水性及び脱塩率を示すことが観察される。
両方の膜の製作に使用される基材が同一(すなわち、PEI)であるため、脂質又はAQPを添加して形成された薄膜層は、透過性及び溶質除去率に関して同様の性能をもたらすと推測され得る。しかしながら、本発明の脂質含有膜の利点の1つは、複合膜が生体分子の特性又は品質に依存しないことである。代わりに、本明細書に記載の複合膜の透過性/除去性能は、例えば合成時に水相中の脂質の濃度を調整することによって容易に微調整することができる。対照的に、AQPベースの膜の性能は、使用するタンパク質の生物学的特性及び純度に大きく依存する。
Figure 2023520510000004
上記の測定については、超純水を用いて2バールの印加圧力で透水性を試験した。塩化ナトリウム除去率は、500mg/L NaCl溶液を用いて2バールの印加圧力で、また1000mg/L NaCl溶液にて5バールの印加圧力で試験した。
工業試験
シンガポールの或る廃水処理場から採取した実際の廃水を用いて脂質ベースの膜の長期的な性能を試験した。これはNEWater ROフィードとも呼ばれる二次処理水のUF濾液であった。供給水の全有機炭素(TOC)含有量は、約7mg/L~8mg/Lであった。長期稼働中、供給水を10日~14日に1回交換した。システムのフラッシングは、供給水を交換する際に行い、化学洗浄(酸/塩基による)は月1回行った。
膜のフラックス及び除去性能を図5a及び図5bに示す。120日間の操作中、水分流動を2.9バール~3.5バールの印加圧力で20±1LMHに維持した。挿入したばかりの又は洗浄したばかりの膜は、96%の伝導度除去率を達成することができ、これは1日操作した後に約98%まで上昇する。これは、膜の微小欠陥を封止するか又は静電相互作用を増強するのに役立つ、膜表面上に堆積したファウラントの薄層の形成によるものであり得る。
洗浄するたびに除去率は約96%に戻り、洗浄の有効性が示される。稼働の間中、約96.5±0.5%のTOC除去率が維持された。
〔実施例2〕
L-α-ホスファチジルコリン(卵PC)を含むポリアミド選択層でコーティングしたポリエーテルイミド(PEI)中空繊維基材
膜調製の方法は、卵PCをDOPCの代わりに使用する以外は実施例1に用いたものと同じである。
卵PC含有膜の膜性能を表3に示す。DOPCベースの膜と同様、MPD溶液への卵PCの添加は、卵PCが存在しない以外は同様に調製した対照膜と比較して膜の透水性及び脱塩率を増大させることが見出された。
卵PCを添加した膜の透水性は、約8LMH/バールに達することができ、塩化ナトリウム除去率は、2バールの印加圧力で約94%に増大する。
Figure 2023520510000005
表3の測定値については、5本の繊維を半インチ膜モジュールに組み立てた(膜有効面積は約26cmであった)。透水性は超純水で測定し、脱塩率は500mg/L NaCl供給液で測定した。印加圧力は2バールであった。
〔実施例3〕
1,2-ジテトラデカノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DMPC)を含むポリアミド層でコーティングしたPEI中空繊維基材
本実施例においては、リン脂質である1,2-ジテトラデカノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(「DMPC」)を膜調製に使用した。合成方法は実施例1及び実施例2と同じであり、選択ポリアミド層をPEI中空繊維基材の内腔に形成する。唯一の違いは、脂質タイプの変更であった。
同様に、DMPCが水相中に存在しない以外は同じプロトコルを用いて対照膜を合成した。脂質を用いずに形成された対照膜と比較すると、DMPC含有膜は、対照膜の1.1LMH/バールに対して約6.3LMH/バールの透水性の増大を示す。NaCl除去率も90%から約95.5%に改善した。これを下記表4にまとめる。DMPC/PEI-1及びDMPC-PEI-2は、同じ条件下で製作した2つの複製物である。
Figure 2023520510000006
膜有効面積は、1モジュール当たりおよそ30.6cm(1モジュール当たり5本の繊維)であった。超純水を用いて透過性(LMH/バール)を測定した。500mg/L NaClフィードを脱塩率測定に使用した。印加圧力は2バールであった。
〔実施例4〕
卵PCを含むポリアミド層でコーティングしたポリエーテルスルホン(PES)中空繊維基材
膜調製手順は、ポリエーテルスルホン(PES)多孔質膜を支持層として使用した以外は実施例2と同様である。
非溶媒誘起相分離(NIPS)法に基づき、乾式ジェット-湿式スピニングによってPES中空繊維基材を製作した。得られた繊維は、780μm/1100μmの内径/外径を有する。選択層の形成に用いた界面重合は、実施例2に記載のものと同一である。
性能の評価には、それぞれ5本のPES繊維を有する2つの半インチ膜モジュールを使用した。膜有効面積は、どちらのモジュールについても約26cmである。一方のモジュールは、卵PCを含むポリアミド層でコーティングしたPES繊維を含み、他方のモジュールは、対照PES繊維(卵PCなし)を含んでいた。
透水性は超純水で測定し、脱塩率は500mg/L NaCl供給液で測定した。印加圧力は2バールであった。
表5に示すように、MPD溶液への卵PCの添加は、水輸送効率を大幅に高めることが見出された。透水性は、卵PCが存在しない場合の0.8LMH/バールに対して、PES基材を備える卵PCベースのRO膜では4LMH/バールに増大した。
先の実施例と同様に、卵PCが存在する場合、NaCl除去率は92%から96%に改善された。
Figure 2023520510000007
〔実施例5〕
DOPC含有ポリアミド層を備えるポリエーテルイミド(PEI)平板基材
本発明の脂質ベースの膜は、平板構成で提供することもできる。
本実施例においては、不織布上のPEI層からなる平板膜基材を使用した。PEIとNMPとからなるドープ溶液を不織布(ガラス板によって支持される)上に流し込み、高さ150μmのキャスティングブレードを当て、ガラス上に薄膜を作製した。次いで、塗布膜を迅速に水道水浴に浸漬すると、転相が起こり、膜基材が形成される。
次いで、MPD及びTMCを用いた界面重合によってポリアミド選択層を形成した。先の実施例と同様、界面重合反応に使用される水性混合物が脂質を含有するように、DOPCをMPD溶液に添加した。
DOPCベースの膜と対照膜(DOPC添加なし)との比較を表6に示す。透水係数が約60%増加し、NaCl除去率も脂質添加により91.5%から93.6%に改善したことが分かる。
Figure 2023520510000008
性能評価については、500mg/L NaClフィードを脱塩率測定に使用した。印加圧力は10バールであった。
膜濾過セルは、約42cmの有効膜面積を有する(SterlitechのCF042膜セル)。
標準偏差は、少なくとも2つの独立したサンプルの結果に基づくものである。
〔実施例6〕
DOPC含有ポリアミド層でコーティングしたPEI中空繊維基材を備えるナノ濾過(NF)膜
本実施例においては、PEI中空繊維を膜基材として使用した。
DOPCベースのNF膜(PEI-DOPC-NF)を製作するために、基材の内腔表面を、初めにDOPCを含有するピペラジン(PIP)溶液と30分間接触させた。
新たなシクロヘキサンを中空繊維に送り込むことによって過剰なPIP溶液を内腔表面から洗い流した。
最後に、TMCを含有するシクロヘキサン溶液を内腔の内表面に送り込み、PIP残留物と反応させてNF除去層を形成した。
対照としてDOPCを含まないNF膜も調製し、PEI-対照-NFと名付けた。
これらのNF膜の性能を表7に示す。比較のために2つの市販のNF膜も記載する。GE-Osmonics HLは、GEによって提供された市販のNF膜であり、NTR-7450 NF膜は日東電工株式会社によって供給された。
PEI-対照-NF膜(脂質なし)は、15LMH/バールの透水性を示したが、MgSOに対して80.2%の低い除去率を有していた。比較すると、本発明による膜(「PEI-DOPC-NF」)は、僅かに優れた透水性を示し(15.5LMH/バール)、大幅に良好な脱塩率を示した(MgSOに基づいて93.3%)。
さらに、両方のNF膜(対照及びDOPC含有)が透水性と溶質除去率とのバランスの点で市販の膜よりも優れており、大幅に低い作動圧力でもそれが可能であったことが注目に値する。
Figure 2023520510000009
a.上記の結果について、NF膜の透水性は、超純水を用いて2バールの印加圧力で測定した。
b.脱塩率の試験については、4つ全ての膜で1000mg/L MgSO供給液を脱塩率の測定に使用した。
c.膜有効面積は、PEI-DOPC-NF及びPEI-対照-NFについては約30.6cm(5本の繊維)、GE-Osmonics HL膜及びNTR-7450膜については42cmであった。
d.DOPC-PEI-NF膜に7.6バール以上の同様の作動圧力を用いた場合、MgSOに対する膜の除去率は98.5%以上となると推定される。
〔実施例7〕
DOPC含有ポリアミド層をコーティングしたPEI中空繊維基材をベースとする浸透圧駆動(Osmotically driven:OD)膜
脂質ベースの浸透圧駆動(OD)膜を製作するために、多孔質PEI基材を開発した。この基材は、RO/NF膜基材と比較して低密度の構造を有する。除去層の調製は、実施例1に記載のものと同様である。対照膜(脂質なし)及び脂質ベースの膜を、それぞれOD膜及びDOPC-OD膜と名付ける。
2つの膜の比較を表8に示す。DOPCの添加がより高透過性の選択層をもたらしたことが分かる(OD膜の4.1LMH/バールに対してDOPC-OD膜では約5.8LMH/バール)。
膜を正浸透(FO)モード(活性層が供給液側、AL-FS配向)で稼働した場合、水分流動は30LMH及び25LMHであり、すなわち、DOPCの添加が20%の水分流動の増大をもたらした。駆動液側に12.5バールの印加圧力を用いた浸透圧発電(pressure retarded osmosis:PRO)試験(活性層が駆動液側、AL-DS配向)においては、DOPCベースのOD膜について出力密度(W/m)の約8%の増大を得ることができる。
Figure 2023520510000010
上記の試験については、OD膜及びDOPC-OD膜を、各15本の繊維からなる膜モジュールにそれぞれ構成した。各モジュールは、約40.6cmの有効膜面積を有する(繊維の内径及び外径は、それぞれ392μm及び605μmである)。
RO試験には、200ml/分のクロスフロー速度で供給される500mg/L NaCl供給液を使用した。印加圧力は2バールであった。
FO試験については、供給超純水を100ml/分で循環させ(内腔)、1M NaCl駆動液を1000ml/分で循環させた(外殻)。
PRO試験については、供給超純水を1000ml/分で循環させ(外殻)、1M NaCl駆動液を100ml/分で循環させた(内腔)。駆動液側の印加圧力は12.5バールであった。
本明細書に記載の複合膜を調製する方法は、水濾過システムに使用され得る膜モジュールの工業生産及び組立てに用いることができる。本明細書に開示される複合膜の調製において膜貫通タンパク質が存在しないことで、複合膜の工業的製作の際により良好な品質管理を達成することが可能となる。
本明細書に記載の方法によって得られる複合膜は、水濾過及び浄水システムにおいてナノ濾過膜及び浸透圧駆動膜として使用することができる。
このため、本実施形態による複合膜及びその製造方法は、低い溶質通過率を維持しながら高い透水性を有する複合膜を提供するという利点を有することが分かる。本発明の上記の詳細な説明において例示的な実施形態を提示したが、多数の変形形態が存在することが理解されるべきである。
さらに、例示的な実施形態が例示に過ぎず、本発明の範囲、適用性、操作又は構成の限定を何ら意図するものではないことが理解されるべきである。むしろ、上記の詳細な説明は、当業者に本発明の例示的な実施形態を実行するための便利なロードマップを提供するものであり、添付の特許請求の範囲に規定される本発明の範囲から逸脱することなく、例示的な実施形態に記載の要素の機能及び配置、並びに操作方法に様々な変更を加えることができることが理解されよう。

Claims (44)

  1. 複合膜を調製する方法であって、
    a)多孔質膜基材の表面に、少なくとも1つのポリアミンと少なくとも1つのリン脂質との混合物を含む水性懸濁液を含浸させることと、
    b)含浸表面と少なくとも1つの架橋基を含むモノマーを含有する有機相とを接触させて、それにより該含浸表面上にポリアミド層を堆積させることと
    を含み、
    前記ポリアミド層は、その中に分散した前記少なくとも1つのリン脂質を含み、前記ポリアミド層は、界面重合生成物である、複合膜を調製する方法。
  2. 前記モノマーが、少なくとも2個のハロゲン化アシル基又はハロゲン化スルホニル基を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 接触工程b)の前に、過剰な水性懸濁液を、リンス工程、ガスパージ工程又はブロー工程によって除去する、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記水性懸濁液が、前記リン脂質を約10μM~約10mMのモル濃度で含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記水性懸濁液が、前記リン脂質を50μM~約4mMのモル濃度で含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記水性懸濁液が、前記ポリアミンを約0.001重量%~約10重量%の濃度で含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記水性懸濁液が、前記ポリアミンを約0.5重量%~約3重量%の濃度で含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記水性懸濁液が、膜貫通タンパク質又はその類似体を実質的に含まない、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記水性懸濁液が、アクアポリンを実質的に含まない、請求項8に記載の方法。
  10. 前記リン脂質が、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DOPC)、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(DOPE)、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホ-rac-(1-グリセロール)(DOPG)、L-α-ホスファチジルコリン(卵PC)、1,2-ジテトラデカノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DMPC)、2-オレオイル-1-パルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(POPC)、1,2-ジラウロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DLPC)、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DMPC)、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DPPC)、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DSPC)、1,2-ジラウロイル-sn-グリセロ-3-ホスホ-(1’-rac-グリセロール)(ナトリウム塩)(DLPG)、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホ-(1’-rac-グリセロール)(ナトリウム塩)(DMPG)、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホ-(1’-rac-グリセロール)(ナトリウム塩)(DPPG)、1-パルミトイル-2-オレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホ-(1’-rac-グリセロール)(ナトリウム塩)(POPG)、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホ-L-セリン(ナトリウム塩)(DMPS)、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホ-L-セリン(ナトリウム塩)(DPPS)、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホ-L-セリン(ナトリウム塩)(DSPS)、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホ-L-セリン(ナトリウム塩)(DOPS)、1-パルミトイル-2-オレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホ-L-セリン(ナトリウム塩)(POPS)、1,2-ジラウロイル-sn-グリセロ-3-ホスフェート(ナトリウム塩)(DLPA)、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスフェート(ナトリウム塩)(DMPA)、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスフェート(ナトリウム塩)(DPPA)、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスフェート(ナトリウム塩)(DSPA)、1-パルミトイル-2-オレオイル-sn-グリセロ-3-ホスフェート(ナトリウム塩)(POPA)、1,2-ジラウロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(DLPE)、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(DMPE)、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(DPPE)、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(DSPE)、1-パルミトイル-2-オレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(POPE)、1,2-ジ-O-オクタデセニル-3-トリメチルアンモニウムプロパン(塩化物塩)(DOTMA)、大腸菌脂質抽出物、ダイズ脂質抽出物、酵母脂質抽出物、1-パルミトイル-2-(ジピロメテンボロンジフルオリド)ウンデカノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホ-(1’-ミオ-イノシトール)(アンモニウム塩)(DOPI)、1-パルミトイル-2-オレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホイノシトール(アンモニウム塩)(POPI)、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホ-(1’-ミオ-イノシトール)(アンモニウム塩)(DPPI)、1,1’、2,2’-テトラオレオイルカルジオリピン(TOCL)、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノール(DOPEt)、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノール(DOPEt)(18:0 ジエチルPC)又はそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記リン脂質が、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DOPC)、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(DOPE)、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホ-rac-(1-グリセロール)(DOPG)、L-α-ホスファチジルコリン(卵PC)、1,2-ジテトラデカノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DMPC)、2-オレオイル-1-パルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(POPC)及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
  12. 前記リン脂質が、式(I):
    Figure 2023520510000011
    (式中、Rは、14個~24個の炭素原子を有する飽和又は不飽和脂肪族基を表し、
    は、14個~24個の炭素原子を有する飽和又は不飽和脂肪族基を表し、
    は、
    Figure 2023520510000012
    である)を有する、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記ポリアミンが、少なくとも2個のアミン基を含むモノマーであり、該アミン基が、独立して、第一級又は第二級アミン基である、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記ポリアミンが、m-フェニレンジアミン(MPD)、m-フェニレンジアミン-4-メチル、1,3-シクロヘキサンビス(メチルアミン)、o-フェニレンジアミン(OPD)、ピペラジン、p-フェニレンジアミン(PPD)、1,1’-ビフェニル-4,4’-ジアミン(ベンジジン)、ポリエチレンイミン及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項13に記載の方法。
  15. 前記少なくとも1つの架橋基を含むモノマーが、トリメソイルクロリド(1,3,5-ベンゼントリカルボニルトリクロリド)、テレフタル酸クロリド、イソフタル酸クロリド、ビフェニルジカルボン酸クロリド、ナフタレンジカルボン酸ジクロリド、ビフェニル-4,4’-ジスルホニルクロリド、1,3,6-ナフタレントリスルホニルクロリド及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記有機相が、前記少なくとも1つの架橋基を含むモノマーを約0.00001重量%~2重量%の濃度で含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記有機相が、前記少なくとも1つの架橋基を含むモノマーを約0.001重量%~1重量%の濃度で含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記ポリアミド層を約50nm~約4000nmの厚さで堆積させるのに十分な時間にわたって前記接触工程(b)を行う、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記接触工程b)を約10秒間~10分間にわたって行う、請求項18に記載の方法。
  20. 前記ポリアミド層が、見かけの高さが200nm~4000nmの葉状構造を備える全芳香族ポリアミド層であるか、又は前記ポリアミド層が、見かけの高さが100nm未満の半芳香族ポリアミド層である、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記有機相が、前記少なくとも1つの架橋基を含むモノマーとは反応しない有機溶媒を更に含む、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
  22. a)ナノサイズ又はマイクロサイズの孔を有する少なくとも1つの多孔質膜基材と、
    b)前記多孔質膜基材の表面上に配置された少なくとも1つのポリアミド層と
    を備え、
    前記ポリアミド層が、その中に分散した少なくとも1つのリン脂質を含み、前記ポリアミド層が、界面重合生成物である、複合膜。
  23. 前記ポリアミド層が、2つの不混和相間の界面重合によって形成される、請求項22に記載の複合膜。
  24. 前記2つの不混和相が、少なくとも1つのポリアミンを含有する水相と少なくとも1つの架橋基を含むモノマーを含有する有機相とを含む、請求項23に記載の複合膜。
  25. 前記モノマーが、少なくとも2個のハロゲン化アシル基又はハロゲン化スルホニル基を含む、請求項24に記載の複合膜。
  26. 前記水相が、その中に懸濁したリン脂質を更に含む、請求項24に記載の複合膜。
  27. 前記リン脂質が、前記水相中に約10μM~約10mMのモル濃度で提供される、請求項22~26のいずれか一項に記載の複合膜。
  28. 前記水性懸濁液が、前記リン脂質を50μM~約4mMのモル濃度で含む、請求項22~27のいずれか一項に記載の複合膜。
  29. 前記界面重合が、前記多孔質膜基材の表面上で起こり、それにより前記ポリアミド層がその上に堆積する、請求項22~28のいずれか一項に記載の複合膜。
  30. 前記リン脂質が、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DOPC)、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(DOPE)、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホ-rac-(1-グリセロール)(DOPG)、L-α-ホスファチジルコリン(卵PC)、1,2-ジテトラデカノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DMPC)、2-オレオイル-1-パルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(POPC)、1,2-ジラウロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DLPC)、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DMPC)、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DPPC)、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DSPC)、1,2-ジラウロイル-sn-グリセロ-3-ホスホ-(1’-rac-グリセロール)(ナトリウム塩)(DLPG)、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホ-(1’-rac-グリセロール)(ナトリウム塩)(DMPG)、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホ-(1’-rac-グリセロール)(ナトリウム塩)(DPPG)、1-パルミトイル-2-オレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホ-(1’-rac-グリセロール)(ナトリウム塩)(POPG)、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホ-L-セリン(ナトリウム塩)(DMPS)、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホ-L-セリン(ナトリウム塩)(DPPS)、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホ-L-セリン(ナトリウム塩)(DSPS)、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホ-L-セリン(ナトリウム塩)(DOPS)、1-パルミトイル-2-オレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホ-L-セリン(ナトリウム塩)(POPS)、1,2-ジラウロイル-sn-グリセロ-3-ホスフェート(ナトリウム塩)(DLPA)、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスフェート(ナトリウム塩)(DMPA)、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスフェート(ナトリウム塩)(DPPA)、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスフェート(ナトリウム塩)(DSPA)、1-パルミトイル-2-オレオイル-sn-グリセロ-3-ホスフェート(ナトリウム塩)(POPA)、1,2-ジラウロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(DLPE)、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(DMPE)、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(DPPE)、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(DSPE)、1-パルミトイル-2-オレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(POPE)、大腸菌脂質抽出物、ダイズ脂質抽出物、酵母脂質抽出物、1-パルミトイル-2-(ジピロメテンボロンジフルオリド)ウンデカノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホ-(1’-ミオ-イノシトール)(アンモニウム塩)(DOPI)、1-パルミトイル-2-オレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホイノシトール(アンモニウム塩)(POPI)、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホ-(1’-ミオ-イノシトール)(アンモニウム塩)(DPPI)、1,1’、2,2’-テトラオレオイルカルジオリピン(TOCL)、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノール(DOPEt)、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノール(DOPEt)(18:0 ジエチルPC)又はそれらの組合せからなる群から選択される、請求項22~29のいずれか一項に記載の複合膜。
  31. 前記リン脂質が、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DOPC)、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(DOPE)、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホ-rac-(1-グリセロール)(DOPG)、L-α-ホスファチジルコリン(卵PC)、1,2-ジテトラデカノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DMPC)、2-オレオイル-1-パルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(POPC)及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項22~30のいずれか一項に記載の複合膜。
  32. 前記リン脂質が、式(I):
    Figure 2023520510000013
    (式中、Rは、14個~24個の炭素原子を有する飽和又は不飽和脂肪族基を表し、
    は、14個~24個の炭素原子を有する飽和又は不飽和脂肪族基を表し、
    は、
    Figure 2023520510000014
    である)を有する、請求項22~31のいずれか一項に記載の複合膜。
  33. 前記ポリアミンが、少なくとも2個のアミン基を含み、該アミン基が、独立して、第一級アミン基又は第二級アミン基である、請求項22~32のいずれか一項に記載の複合膜。
  34. 前記ポリアミンが、m-フェニレンジアミン(MPD)、m-フェニレンジアミン-4-メチル、1,3-シクロヘキサンビス(メチルアミン)、o-フェニレンジアミン(OPD)、ピペラジン、p-フェニレンジアミン(PPD)、1,1’-ビフェニル-4,4’-ジアミン(ベンジジン)、ポリエチレンイミン及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項33に記載の複合膜。
  35. 前記少なくとも1つの架橋基を含むモノマーが、トリメソイルクロリド(1,3,5-ベンゼントリカルボニルトリクロリド)、テレフタル酸クロリド、イソフタル酸クロリド、ビフェニルジカルボン酸クロリド、ナフタレンジカルボン酸ジクロリド、ビフェニル-4,4’-ジスルホニルクロリド、1,3,6-ナフタレントリスルホニルクロリド及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項24に記載の複合膜。
  36. 前記有機相が、前記少なくとも1つの架橋基を含むモノマーとは反応しない有機溶媒を更に含む、請求項24に記載の複合膜。
  37. 前記有機相が、前記少なくとも1つの架橋基を含むモノマーを約0.00001重量%~約2重量%の濃度で含む、請求項24に記載の複合膜。
  38. 前記有機相が、前記少なくとも1つの架橋基を含むモノマーを約0.001重量%~1重量%の濃度で含む、請求項22~37のいずれか一項に記載の複合膜。
  39. 前記多孔質膜基材の表面に、初めに前記ポリアミンと前記リン脂質とを含む前記水相を含浸させた後、含浸多孔質膜基材と前記有機相とを接触させ、それにより界面重合をもたらす、請求項24~38のいずれか一項に記載の複合膜。
  40. 前記多孔質膜基材が、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリフッ化ビニリデン、ポリプロピレン、ポリ(テトラフルオロエチレン)又はそれらのコポリマーを含む、請求項22~39のいずれか一項に記載の複合膜。
  41. 前記ポリアミド層が、膜貫通タンパク質又はその類似体を含まない、請求項22~40のいずれか一項に記載の複合膜。
  42. 前記ポリアミド層が、アクアポリンを含有しない、請求項41に記載の複合膜。
  43. 前記ポリアミド層が、見かけの高さが200nm~4000nmの葉状特徴を備える全芳香族ポリアミド層であるか、又は前記ポリアミド層が、見かけの高さが100nm未満の半芳香族ポリアミド層である、請求項22~42のいずれか一項に記載の複合膜。
  44. 請求項22~43のいずれか一項に記載の複合膜を備える中空繊維膜又は平膜。
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