JP2023032836A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】ベアを抑制する。【解決手段】実施形態の空気入りタイヤ10において、サイドウォール16の表面に設けられた模様形成領域18には模様28が設けられている。模様28は、模様形成領域18の基準面30に対して隆起した凸条32と、基準面30に対して陥没した凹条34と、隣接する凸条32と凹条34との間に介在する基準面30に沿う平坦面36と、を含む。【選択図】図5
Description
本発明の実施形態は、空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤのサイドウォールの表面に、複数の小幅の凸条からなるセレーションを模様として設けて、模様を設けていない部分との間で、光の反射による暗部と明部とのコントラストを生じさせることが知られている。
例えば、特許文献1には、タイヤ表面に、稜線が平面視で曲部を有する突条が中心点を有する入れ子状に配置されたパターン部を設けることが開示されている。
上記のように従来の模様は複数の凸条で形成されているが、その場合、模様を設けていない部分との間でゴム量に差が生じることから、成型時に凸条にベア(欠肉)が発生することがある。
本発明の実施形態は、以上の点に鑑み、ベアを抑制することができる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係る空気入りタイヤは、サイドウォールの表面に設けられた模様形成領域に模様が設けられ、前記模様が、前記模様形成領域の基準面に対して隆起した凸条と、前記基準面に対して陥没した凹条と、隣接する前記凸条と前記凹条との間に介在する前記基準面に沿う平坦面と、を含むものである。
一実施形態において、前記凸条及び前記凹条が共通の中心点を持つ入れ子状に配置されてもよい。
一実施形態において、前記凸条及び前記凹条が環状に設けられてもよい。
一実施形態において、前記凸条及び前記凹条が1つ又は複数ずつ交互に配置されてもよい。
一実施形態において、前記模様形成領域のタイヤ半径方向外側に、タイヤ半径方向へ延びる複数の凸条がタイヤ周方向に等間隔に配置された領域であって、タイヤ半径方向における寸法が5mm以上12mm以下である領域が設けられてもよい。
本発明の実施形態に係る空気入りタイヤであると、模様が凸条だけでなく凸条と凹条を含んで構成されているため、模様を設けていない部分との間でゴム量を均等化することができ、成型時におけるベアの発生を抑制することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
図1~5は、第1実施形態に係る空気入りタイヤ10を示す図である。空気入りタイヤ10は、接地面をなすトレッド12と、リムに固定される左右一対のビード部14と、トレッド12とビード部14との間に介在する左右一対のサイドウォール16とを備える。図1は、タイヤ回転軸を含む子午線断面で空気入りタイヤ10を切断した、空気入りタイヤ10の半断面図である。
図1~5は、第1実施形態に係る空気入りタイヤ10を示す図である。空気入りタイヤ10は、接地面をなすトレッド12と、リムに固定される左右一対のビード部14と、トレッド12とビード部14との間に介在する左右一対のサイドウォール16とを備える。図1は、タイヤ回転軸を含む子午線断面で空気入りタイヤ10を切断した、空気入りタイヤ10の半断面図である。
図中、符号CLは、タイヤ軸方向中心に相当するタイヤ赤道面を示す。本明細書において、タイヤ軸方向とは、タイヤ幅方向とも称され、タイヤ回転軸に平行な方向をいい、図において符号ADで示す。タイヤ半径方向とは、タイヤ回転軸に垂直な方向をいい、図において符号RDで示す。タイヤ周方向とは、タイヤ回転軸を中心として回転する方向をいい、図において符号CDで示す。
空気入りタイヤ10の内部構造は特に限定されず、公知の構造を採用することができる。一般に、空気入りタイヤは、内部構造として、左右一対のビードコアと、該一対のビードコア間にトロイダル状に掛け渡されたカーカスプライと、カーカスプライのクラウン部外周に配置されたベルトとを備えるが、そのような内部構造を採用することができる。
少なくとも一方のサイドウォール16の表面(即ち、外面)には、模様形成領域18が設けられている。サイドウォール16の表面とは、トレッド12表面のタイヤ軸方向AD外側に位置し、空気入りタイヤ10をリムに装着したときにタイヤ軸方向ADにおいて視認可能なタイヤの側面をいう。サイドウォール16の表面は、サイドウォールゴムを加硫成型することにより形成される。
模様形成領域18は、図1に示すタイヤ断面形状において、サイドウォール16の表面におけるタイヤ半径方向RDの一部に設けられている。模様形成領域18のタイヤ半径方向RDにおける寸法(以下、「高さHA」という)は、特に限定されないが、タイヤ断面高さHの0.05~0.6倍であることが好ましく、より好ましくは0.1~0.35倍である。ここで、タイヤ断面高さHとは、ビードヒールEからタイヤ最大径点までの垂直高さ(タイヤ半径方向RDにおける距離)をいい、タイヤ外径とリム径との差の1/2である。
模様形成領域18の位置は、特に限定されないが、ベース径高さHBがタイヤ断面高さHの0.45~0.65倍であることが好ましい。ここで、ベース径高さHBとは、上記高さHAを二等分する中間位置からビードヒールEまでの垂直高さをいう。また、タイヤ回転軸から上記高さHAを二等分する中間位置までの距離をベース径RSという。図1に示す例では、模様形成領域18は、タイヤ最大幅位置PMを含む位置に設けられている。ここで、タイヤ最大幅位置PMとは、サイドウォール16におけるタイヤ表面のプロファイルラインが、タイヤ赤道面CLからタイヤ軸方向ADに最も離れる位置をいい、そのタイヤ半径方向RDにおける位置である。
模様形成領域18は、タイヤ周方向CDの全周にわたって形成されてもよいが、この例では、図2に示すように、タイヤ周方向CDの一部に形成されている。詳細には、複数(ここでは2つ)の湾曲帯状の模様形成領域18,18が、タイヤ周方向CDに隔設されている。複数の模様形成領域18,18の間には標章領域20,20が介設されており、模様形成領域18と標章領域20との間には平坦領域22が設けられている。これら模様形成領域18、標章領域20及び平坦領域22により、タイヤ周方向CDの全周にわたって延びる円環状の装飾領域24が形成されている。
標章領域20は、標章26が形成される領域である。標章26は、文字(数字も含む)、記号、図形、又はこれらの組合せ等からなり、例えば、タイヤの製造業者や銘柄、品種、サイズなどの様々の表示情報が挙げられる。標章26は、凸状でも凹状でもよく、また凸状の縁取り部の内側に凹状に設けられてもよく、特に限定されない。図2に示す例では、「TOTO」及び「TOTOTO」なる標章26が標章領域20に設けられている。
平坦領域22は、標章26や後述する模様28が形成されない平坦面からなる領域である。平坦領域22のタイヤ周方向CDにおける長さ(ベース径RS位置での長さ)LBは、特に限定しないが、3mm以上であることが好ましい。該長さLBは、また、標章領域20のタイヤ周方向CDにおける長さ(ベース径RS位置での長さ)LAの0.6倍以下であることが好ましい。LBがLAの0.6倍以下であることにより、模様形成領域18のタイヤ周方向CDにおける長さを確保して装飾効果を高めることができる。
図2に示すように、模様形成領域18には複数の模様28がタイヤ周方向CDに間隔をおいて設けられている。この例では、模様28は、タイヤ周方向CDに隔設された標章領域20,20の間を埋めて装飾するように設けられいる。そのため、模様形成領域18は、標章領域20,20の間を埋める装飾領域であるともいえる。なお、図2の例では、複数の模様28は、平面視で全て同じ形状であるが、互いに異なる形状であってもよい。
図5に示すように、模様28は、模様形成領域18の基準面30に対して隆起した複数の凸条32と、基準面30に対して陥没した複数の凹条34と、隣接する凸条32と凹条34との間に介在する平坦面36と、を備えて構成されている。詳細には、複数の凸条32と複数の凹条34が平坦面36を介して隣接して設けられている。
基準面30は、模様形成領域18において基準となる面であり、該基準面30に凸条32及び凹条34が設けられる。基準面30は、図1に示すようにサイドウォール16におけるタイヤ表面のプロファイルラインに沿う湾曲面であってもよく、また、該プロファイルラインから模様形成領域18全体を凹状に陥没させた湾曲面又は平面であってもよい。仮に湾曲面であるとしてもその曲率は小さいため、凸条32及び凹条34の凹凸形状との対比において、基準面30は平坦な面である。
凸条32は、細長く筋状に延びる隆起部であり、リッジとも称される。凸条32は、この例では図5に示すように断面三角形状に形成されている。凸条32の幅W1は、特に限定されず、例えば0.1~1mmでもよい。ここで、凸条32の幅W1とは、凸条32の断面形状における幅方向での最大寸法であり、通常は凸条32の付け根部分での幅である。凸条32の高さ(基準面30から頂までの距離)H1は、特に限定されないが、意匠性とそのためのゴム量を確保する観点から、0.1~0.8mmであることが好ましく、より好ましくは0.1~0.4mmである。
凹条34は、細長く筋状に延びる陥没部であり、細溝とも称される。凹条34は、この例では断面三角形状に形成されている。凹条34の幅W2は、特に限定されず、例えば0.1~1mmでもよい。ここで、凹条34の幅W2とは、凹条34の断面形状における幅方向での最大寸法であり、通常は凹条34の開口面での幅である。凹条34の深さ(基準面30から底までの距離)H2は、特に限定されないが、意匠性の観点から、0.1~0.8mmであることが好ましく、より好ましくは0.1~0.4mmである。
凸条32及び凹条34は、例えば、タイヤの加硫成型時に使用する金型に対して機械加工やレーザ加工により凹条及び凸条を設けておくことにより、加硫成型時にタイヤ表面に形成することができる。
凸条32の幅W1と凹条34の幅W2は同一でも異なってもよい。ゴム量の均等化の観点から、幅W1は、幅W2の0.6~1.5倍であることが好ましく、より好ましくは0.8~1.2倍である。凸条32の高さH1と凹条34の深さH2は同一でも異なってもよい。ゴム量の均等化の観点から、高さH1は、深さH2の0.6~1.2倍であることが好ましく、より好ましくは0.8~1.0倍である。
凸条32と凹条34は、平坦面36を挟んで隣接して設けられている。平坦面36は、基準面30に沿う面であり、即ち基準面30に一致する平らな面である。平坦面36は、凸条32と凹条34との間に介在するため、凸条32及び凹条34に沿って延びる細長い帯状の面である。平坦面36の幅W3は、特に限定されず、例えば0.1~2mmであることが好ましく、より好ましくは0.2~1.5mmである。
図3及び図4に示すように、各模様28において、凸条32及び凹条34は、平面視で共通の中心点38を持つ入れ子状に配置されている。平面視とは、模様28を平面的に見ることをいい、図3及び図4は平面視で模様28を表した図である。入れ子状に配置とは、同様の形状で大きさの異なる複数の凸条32及び凹条34が共通の点を中心として隣接して組み入れられた状態に配置することをいう。
第1実施形態では、凸条32及び凹条34はそれぞれ平面視で環状に設けられている。そのため、凸条32と凹条34との間に介在する平坦面36も環状に設けられている。環状とは、円形だけでなく、オーバル形(例えば、楕円、卵形)も包括する概念である。図3及び図4では凸条32及び凹条34は円形である。
入れ子状配置の一形態として、この例では、同心円状に配置された円弧に沿う複数の凸条32及び凹条34が円の半径方向に隣接して配置されている。すなわち、円形の凸条32の周りをそれよりも半径の大きな円形の凹条34が取り囲み、円形の凹条34の周りをそれよりも半径の大きな円形の凸条32が取り囲んでいる。そして、互いに隣接する凸条32と凹条34との間に円形の平坦面36が介設されている。なお、図3及び図4では、凸条32と凹条34をともに円形の線で表しており、詳細には、凸条32の稜線と凹条34の谷線を表示している。
この例では、図4に示すように、凸条32及び凹条34が1つずつ交互に配置されている。そのため、図5に示すように、凸条32の外周に平坦面36を介して凹条34が設けられ、凹条34の外周に平坦面36を介して凸条32が設けられ、これを順次繰り返すことにより、図4に示す円形の模様28が形成されている。
図3に示すように、中心点38は、ベース径RSに相当する、模様形成領域18の高さHAを二等分する中間位置に配されている。入れ子状に配置された凸条32及び凹条34のうち、最も内側に位置する凸条32又は凹条34の大きさは特に限定しないが、上記稜線又は谷線でのタイヤ半径方向RDにおける大きさ(円形の場合は直径)で、上記高さHAの0.1~0.5倍であることが好ましく、より好ましくは0.1~0.3倍である。
各模様28における凸条32及び凹条34の数は、特に限定されず、凸条32と凹条34の合計で8~30個でもよく、10~20個でもよい。
一実施例において、図4に示す模様28の各寸法は次のように設定してもよい。模様形成領域18の高さHA=25mm、凸条32の幅W1=0.6mm、高さH1=0.3mm、凹条34の幅W2=0.6mm、深さH2=0.3mm、平坦面36の幅W3=0.3mm、最小の凸条32の稜線での直径=2.5mm、凸条32及び凹条34の合計数=15個。
第1実施形態によれば、模様28が凸条32だけでなく凸条32と凹条34を含んで構成されている。そのため、模様28を設けていない部分との間でゴム量を均等化することができる。詳細には、凸条32を設けるためのゴム量を、凹条34を設ける部分で補うことができるので、タイヤ周方向CDにおいてゴム量が均等化される。そのため、空気入りタイヤ10の加硫成型時において凸条32でのベア(欠肉)の発生を抑制することができる。
また、凸条32と凹条34とが平坦面36を介して隣接していることにより、光を反射する面が増える。そのため、光の減衰効果を高めて、外観上、模様28をより暗く見せることができる。よって、模様28が設けられておらず外観上明るく見える部分(例えば、模様28と模様28との間や平坦領域22)と、暗く見える模様28とのコントラストをより高めることができる。
図2に示すように、第1実施形態では、模様形成領域18のタイヤ半径方向RD外側に、タイヤ半径方向RDへ延びる複数の凸条42がタイヤ周方向CDに等間隔に配置された帯状領域40が設けられている。一実施形態において、複数の凸条42は、タイヤ周方向CDに0.3~1.0mmの間隔をおいて等間隔に配置されている。帯状領域40は、タイヤ周方向CDの一部に設けられてもよいが、この例ではタイヤ周方向CDの全周にわたって設けられている。そのため、帯状領域40は、上記装飾領域24の外側に隣接し、かつその周りを全周にわたって取り囲む環状に形成されている。帯状領域40のタイヤ半径方向RDにおける寸法HC(図1参照)は、5~12mmであることが好ましい。
このような帯状領域40を設けることにより、トレッド12とサイドウォール16の部材間の界面凹凸やベアを抑制することができる。また、凸条42を設けたことによる光の減衰効果により黒い帯状領域40が形成され、模様形成領域18を際立たせることができる。
[第2実施形態]
図6は、第2実施形態に係る空気入りタイヤにおける模様28の断面形状を示した図である。第2実施形態は、凸条32及び凹条34が2つずつ交互に配置された点で、1つずつ交互に配置した第1実施形態と異なる。
図6は、第2実施形態に係る空気入りタイヤにおける模様28の断面形状を示した図である。第2実施形態は、凸条32及び凹条34が2つずつ交互に配置された点で、1つずつ交互に配置した第1実施形態と異なる。
図6に示すように、隣接する2つの凸条32,32の周りに、平坦面36を介して2つの凹条34,34が隣接して設けられ、その外周に平坦面36を介して2つの凸条32,32が隣接して設けられ、これを順次繰り返すことにより、円形の模様28が形成されている。
このように凸条32と凹条34は1つずつ交互に設ける場合に限定されず、複数ずつ交互に設けてもよい。図6に示す例では、2つの凸条32,32の間に平坦面を設けずに隣接させ、2つの凹条34,34の間にも平坦面を設けずに隣接させたが、これらの間には平坦面を介在させてもよい。また、凸条32と凹条34を設ける順番は特に限定されず、例えば、各模様28に、1つずつ交互に設けたものと複数ずつ交互に設けたものとを混在させてもよい。第2実施形態について、その他の構成及び効果は第1実施形態と同様であり、説明は省略する。
[第3実施形態]
図7は、第3実施形態に係る空気入りタイヤにおける模様形成領域18を拡大して示した図である。第3実施形態では、模様形成領域18に設けた各模様28Aが同心円状に設けられた複数の凸条32及び凹条34で構成されている点は、第1実施形態と同じである。しかしながら、模様28Aの周縁部に位置する凸条32及び凹条34が完全の円形ではなく、タイヤ半径方向RDの両側で途切れており、この点で第1実施形態とは異なる。
図7は、第3実施形態に係る空気入りタイヤにおける模様形成領域18を拡大して示した図である。第3実施形態では、模様形成領域18に設けた各模様28Aが同心円状に設けられた複数の凸条32及び凹条34で構成されている点は、第1実施形態と同じである。しかしながら、模様28Aの周縁部に位置する凸条32及び凹条34が完全の円形ではなく、タイヤ半径方向RDの両側で途切れており、この点で第1実施形態とは異なる。
このように、凸条32及び凹条34を入れ子状に配置する場合、凸条32は凹条34を、また凹条34は凸条32を、必ずしも全周にわたり取り囲む必要はなく、円弧や、オーバル形の一部、多角形の一部において隣接して組み入れられるように配置してもよい。第3実施形態について、その他の構成及び効果は第1実施形態と同様であり、説明は省略する。
[第4実施形態]
図8は、第4実施形態に係る空気入りタイヤにおける模様形成領域18を拡大して示した図である。第4実施形態では、模様形成領域18に形成された各模様28Bが、平面視で菱形の凸条32及び凹条34で構成されている点が第1実施形態と異なる。
図8は、第4実施形態に係る空気入りタイヤにおける模様形成領域18を拡大して示した図である。第4実施形態では、模様形成領域18に形成された各模様28Bが、平面視で菱形の凸条32及び凹条34で構成されている点が第1実施形態と異なる。
第4実施形態において、菱形で相似形の複数の凸条32及び凹条34が、凸条32と凹条34を隣接させつつ、中心点38を共通にして互いに組み入れられるように配置されている。詳細には、菱形の凸条32の周りをそれよりも大きい菱形の凹条34が取り囲み、菱形の凹条34の周りをそれよりも大きな菱形の凸条32が取り囲んでいる。なお、図8では、凸条32の稜線と凹条34の谷線を表示している。
凸条32と凹条34は交互に配置されており、凸条32の周りに平坦面36を介して凹条34が設けられ、凹条34の周りに平坦面36を介して凸条32が設けられ、これを順次繰り返すことにより、図8に示す菱形の模様28Bが形成されている。
一実施例において、図8に示す模様28Bの各寸法は次のように設定してもよい。模様形成領域18の高さHA=25mm、凸条32の幅W1=0.6mm、高さH1=0.3mm、凹条34の幅W2=0.6mm、深さH2=0.3mm、平坦面36の幅W3=0.3mm、最小の凸条32の稜線でのタイヤ半径方向における大きさ=5mm、凸条32及び凹条34の合計数=7個。
このように、凸条32と凹条34を入れ子状に配置する場合、それらの平面視の形状は環状には限定されず多角形でもよい。すなわち、例えば、平面視で相似形状の大小複数の凸条32及び凹条34を、凸条32と凹条34を隣接させつつ、中心点を共通にして互いに組み入れられるように配置してもよい。また、凸条32と凹条34の形状は、閉曲線には限定されない。例えば、共通の点を中心に螺旋状に巻回された凸条32と凹条34を、一方の螺旋に沿って他方の螺旋が組み入れられるようにして、螺旋の各部で凸条32と凹条34が隣接するようにした構成でもよい。
第4実施形態について、その他の構成及び効果は第1実施形態と同様であり、説明は省略する。
[その他の実施形態]
上記実施形態において、凸条32及び凹条34は断面三角形状であるが、凸条32及び凹条34の断面形状はこれに限定されず、種々の断面形状を採用することができる。また、凸条32と凹条34は同じ断面形状である必要はなく、互いに異なる断面形状であってもよい。
上記実施形態において、凸条32及び凹条34は断面三角形状であるが、凸条32及び凹条34の断面形状はこれに限定されず、種々の断面形状を採用することができる。また、凸条32と凹条34は同じ断面形状である必要はなく、互いに異なる断面形状であってもよい。
図9は、第1の変更例に係る断面形状を示した断面図である。第1の変更例において、凸条32及び凹条34は、断面半円形状である。この場合、該半円の曲率半径RAは、特に限定されず、例えば0.1~0.5mmでもよい。
図10は、第2の変更例に係る断面形状を示した断面図である。第2の変更例において、凸条32及び凹条34は、半円を矩形で嵩上げした断面形状を有する。この場合、該半円の曲率半径RAは、特に限定されず、例えば0.1mm以上、かつW1の0.5倍以下又はW2の0.5倍以下でもよい。また、矩形による嵩上げ量H3は、凸条32の高さH1又は凹条34の深さH2から上記曲率半径RAを差し引いた値であることが好ましい。
図11は、第3の変更例に係る断面形状を示した断面図である。第3の変更例において、凸条32及び凹条34は、断面台形状であり、一例として等脚台形の例を示している。この場合、凸条32の頂面及び凹条34の底面に相当する台形の底辺の寸法W4は、凸条32の幅W1及び凹条34の幅W2のそれぞれ0.2~0.5倍であることが好ましい。
図12は、第4の変更例に係る断面形状を示した断面図である。第4の変更例において、凸条32及び凹条34は、三角形の頂部を円弧により丸めた断面形状を有する。この場合、該円弧の曲率半径RBは、特に限定されず、例えば0.1mm以上、かつW1の0.5倍以下又はW2の0.5倍以下でもよい。
図13は、第5の変更例に係る断面形状を示した断面図である。第5の変更例において、凸条32及び凹条34は、断面矩形状である。
これらの図9~13の変更例において、凸条32の幅W1及び高さH1、並びに凹条34の幅W2及び深さH2は、第1実施形態と同様である。
上記実施形態では、凸条32及び凹条34を入れ子状に配置したが、凸条32及び凹条34の配置構成は、これに限定されず、種々の配置構成を採用することができる。
例えば、直線状又は湾曲状の凸条及び凹条を1つ又は複数ずつ交互に配置してもよい。一例として、タイヤ半径方向RDに平行又は傾斜して延びる互いに平行な直線状又は湾曲状の凸条及び凹条を、平坦面を介して隣接するように、タイヤ周方向CDに交互に配置してもよい。他の例として、タイヤ周方向CDに延びる互いに平行な凸条及び凹条を、平坦面を介して隣接するように、タイヤ半径方向RDに交互に配置してもよい。
上記実施形態では、模様形成領域18を標章領域20とは別に設けたが、模様形成領域18内に標章26を設けてもよい。すなわち、例えば、模様形成領域18に、複数の凸条32及び凹条34を、平坦面36を介して隣接されてなる模様28を設けた上で、該模様28中に平坦な表面を持つ標章26を組み込むように設けてもよい。
以上の実施形態の各構成は適宜に組み合わせてもよく、例えば、図6に示す第2実施形態に係る模様28の断面形状を、図7に係る第3実施形態の模様28Aや図8に示す第4実施形態に係る模様28Bに適用してもよい。
本実施形態に係る空気入りタイヤの種類は特に限定されず、乗用車用タイヤ、トラックやバスなどの重荷重用タイヤなど、各種タイヤに用いることができる。
なお、本明細書における上記各寸法は、空気入りタイヤを正規リムに装着して正規内圧を充填した無負荷の正規状態でのものである。正規リムとは、JATMA規格における「標準リム」、TRA規格及びETRTO規格における「Measuring Rim」である。正規内圧とは、JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の「最大値」、又はETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」である。但し、乗用車用タイヤの場合は通常180kPaとするが、タイヤに、Extra Load、又は、Reinforcedと記載されたタイヤの場合は220kPaとする。
なお、明細書に記載の種々の数値範囲は、それぞれそれらの上限値と下限値を任意に組み合わせることができ、それら全ての組み合わせが好ましい数値範囲として本明細書に記載されているものとする。また、「X~Y」との数値範囲の記載は、X以上Y以下を意味する。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10…空気入りタイヤ、16…サイドウォール、18…模様形成領域、28,28A,28B…模様、30…基準面、32…凸条、34…凹条、36…平坦面、38…中心点
Claims (5)
- サイドウォールの表面に設けられた模様形成領域に模様が設けられ、
前記模様が、前記模様形成領域の基準面に対して隆起した凸条と、前記基準面に対して陥没した凹条と、隣接する前記凸条と前記凹条との間に介在する前記基準面に沿う平坦面と、を含む、空気入りタイヤ。 - 前記凸条及び前記凹条が共通の中心点を持つ入れ子状に配置された、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記凸条及び前記凹条が環状に設けられた、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
- 前記凸条及び前記凹条が1つ又は複数ずつ交互に配置された、請求項1~3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
- 前記模様形成領域のタイヤ半径方向外側に、タイヤ半径方向へ延びる複数の凸条がタイヤ周方向に等間隔に配置された領域であって、タイヤ半径方向における寸法が5mm以上12mm以下である領域が設けられた、請求項1~4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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