JP2019119414A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】 サイドウォール部の表面形状に基づいて転がり抵抗を効果的に低減することを可能にした空気入りタイヤを提供する。【解決手段】 トレッド部1と一対のサイドウォール部2と一対のビード部3とを備えた空気入りタイヤにおいて、サイドウォール部2の表面にタイヤ径方向に沿って延在する複数本の凹部11と凹部11の相互間に区分される複数本の凸部12からなる装飾模様10が形成され、装飾模様10がサイドウォール部2の表面におけるタイヤ断面最大幅位置を含む領域に配置され、装飾模様10のタイヤ径方向の高さXがタイヤ断面高さSHの15%〜50%であり、サイドウォール部2の表面におけるタイヤ断面最大幅をSWOとし、タイヤ断面最大幅SWOとなる位置の断面高さをSWOHとし、凹部の底面におけるタイヤ断面最大幅をSWIとし、タイヤ断面最大幅SWIとなる位置の断面高さをSWIHとしたとき、SWIH>SWOHの関係を満足する。【選択図】図2
Description
本発明は、サイドウォール部に装飾模様を備えた空気入りタイヤに関し、更に詳しくは、サイドウォール部の表面形状に基づいて転がり抵抗を効果的に低減することを可能にした空気入りタイヤに関する。
車両の燃費を改善するために、空気入りタイヤの転がり抵抗を低減することが求められている。空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ外径方向内側に配置された一対のビード部とを備え、タイヤ転動時に各部に生じる歪が転がり抵抗を増大させる要因となる。また、各部のゴムボリュームが大きいほど転がり抵抗が大きくなる。
ところで、空気入りタイヤにおいて、サイドウォール部の表面にタイヤ径方向に沿って延在する複数本の凹部と該凹部の相互間に区分される複数本の凸部からなる装飾模様を設けることが提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
しかしながら、このような装飾模様はサイドウォール部の凹凸を目立たなくする等の装飾を目的とするものであって、上述した文献はサイドウォール部の表面形状に基づいて転がり抵抗を低減することを教えるものではない。
本発明の目的は、サイドウォール部の表面形状に基づいて転がり抵抗を効果的に低減することを可能にした空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ外径方向内側に配置された一対のビード部とを備えた空気入りタイヤにおいて、
前記サイドウォール部の表面にタイヤ径方向に沿って延在する複数本の凹部と該凹部の相互間に区分される複数本の凸部からなる装飾模様が形成され、該装飾模様が前記サイドウォール部の表面におけるタイヤ断面最大幅位置を含む領域に配置され、前記装飾模様のタイヤ径方向の高さがタイヤ断面高さの15%〜50%であり、前記サイドウォール部の表面におけるタイヤ断面最大幅をSWOとし、該タイヤ断面最大幅SWOとなる位置の断面高さをSWOHとし、前記凹部の底面におけるタイヤ断面最大幅をSWIとし、該タイヤ断面最大幅SWIとなる位置の断面高さをSWIHとしたとき、SWIH>SWOHの関係を満足することを特徴とするものである。
前記サイドウォール部の表面にタイヤ径方向に沿って延在する複数本の凹部と該凹部の相互間に区分される複数本の凸部からなる装飾模様が形成され、該装飾模様が前記サイドウォール部の表面におけるタイヤ断面最大幅位置を含む領域に配置され、前記装飾模様のタイヤ径方向の高さがタイヤ断面高さの15%〜50%であり、前記サイドウォール部の表面におけるタイヤ断面最大幅をSWOとし、該タイヤ断面最大幅SWOとなる位置の断面高さをSWOHとし、前記凹部の底面におけるタイヤ断面最大幅をSWIとし、該タイヤ断面最大幅SWIとなる位置の断面高さをSWIHとしたとき、SWIH>SWOHの関係を満足することを特徴とするものである。
本発明者は、サイドウォール部の表面形状とサイドウォール部の歪との関係を鋭意研究した結果、サイドウォール部の表面形状を工夫することにより、サイドウォール部のゴムボリュームを削減しながらサイドウォール部の歪を低減し、転がり抵抗を効果的に低減することが可能であることを知見し、本発明に至ったのである。
即ち、本発明では、サイドウォール部の表面にタイヤ径方向に沿って延在する複数本の凹部と該凹部の相互間に区分される複数本の凸部からなる装飾模様が形成され、装飾模様がサイドウォール部の表面におけるタイヤ断面最大幅位置を含む領域に配置され、装飾模様のタイヤ径方向の高さがタイヤ断面高さの15%〜50%であるので、サイドウォール部のゴムボリュームを削減すると共に、サイドウォール部の歪を低減し、転がり抵抗を低減することができる。しかも、サイドウォール部の表面でタイヤ断面最大幅SWOとなる位置の断面高さSWOHと、凹部の底面でタイヤ断面最大幅SWIとなる位置の断面高さSWIHについて、SWIH>SWOHの関係を満足することにより、転がり抵抗の低減効果を更に高めることが可能になる。
本発明において、装飾模様の面積は、タイヤ回転軸と同心であって装飾模様のタイヤ径方向最内端を通る内側仮想円とタイヤ回転軸と同心であって装飾模様のタイヤ径方向最外端を通る外側仮想円とで挟まれた領域の面積の35%〜100%であることが好ましい。これにより、転がり抵抗の低減効果を十分に発揮することができる。
タイヤ断面最大幅SWOとなる位置よりもタイヤ径方向外側におけるサイドウォール部の表面の曲率半径をrとし、(SWO−SWI)/2から算出される最大幅の差分をdとし、SWIH−SWOHから算出される最大幅位置のずれ量をhとしたとき、d×r×0.02<h<d×r×0.10の関係を満足することが好ましい。これにより、転がり抵抗を効果的に低減することができる。
凹部の最大深さをdmaxとし、(SWO−SWI)/2から算出される最大幅の差分をdとしたとき、0.5<d/dmax<1.0の関係を満足することが好ましい。これにより、転がり抵抗を効果的に低減することができる。
凸部の横断面において、該凸部の底辺の長さをaとし、該凸部の高さをbとし、該凸部の断面積をsとしたとき、0.65≦s/(a×b)≦1の関係を満足することが好ましい。これにより、サイドウォール部の歪を低減し、転がり抵抗を効果的に低減することができる。
装飾模様のタイヤ径方向最外端における凹部の相互間隔をPとし、凹部の最大深さをdmaxとしたとき、P>dmaxの関係を満足することが好ましい。これにより、サイドウォール部の歪を低減し、転がり抵抗を効果的に低減することができる。
装飾模様における凹部の配置領域の面積をABとし、装飾模様における凸部の配置領域の面積をADとしたとき、0.7≦AD/AB≦1.4の関係を満足することが好ましい。これにより、サイドウォール部の歪を低減し、転がり抵抗を効果的に低減することができる。
凹部からカーカス層までのサイドゴム厚さをG1とし、凸部からカーカス層までのサイドゴム厚さをG2としたとき、0.7≦G1/G2≦1.4の関係を満足することが好ましい。これにより、サイドウォール部の歪を低減し、転がり抵抗を効果的に低減することができる。
装飾模様を構成する凹部及び凸部はタイヤ径方向に対して傾斜することなくタイヤ中心軸に対して放射状に配置されていることが好ましい。これにより、転がり抵抗の低減効果を最大限に享受することができる。
本発明において、サイドウォール部の表面におけるタイヤ断面最大幅SWO、タイヤ断面最大幅SWOとなる位置の断面高さSWOH、凹部の底面におけるタイヤ断面最大幅SWI、タイヤ断面最大幅SWIとなる位置の断面高さSWIHを含む各種寸法は、タイヤを正規リムにリム組みして正規内圧の5%の内圧を充填した状態で測定されるものである。「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えば、JATMAであれば標準リム、TRAであれば“Design Rim”、或いはETRTOであれば“Measuring Rim”とする。「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表“TIRE ROAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば“INFLATION PRESSURE”であるが、タイヤが乗用車用である場合には180kPaとする。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の実施形態からなる空気入りタイヤを示すものである。図1においては、空気入りタイヤのタイヤ赤道CLを境とする半断面が描写されているが、この空気入りタイヤはタイヤ赤道CLの反対側にも対称的な構造を有している。勿論、タイヤ赤道CLの両側で非対称な構造を採用することも可能である。
図1から明らかなように、本実施形態の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部1と、該トレッド部1の両側に配置された一対のサイドウォール部2,2と、これらサイドウォール部2のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部3,3とを備えている。また、上記空気入りタイヤは、一対のビード部3,3間に装架されたカーカス層や、各ビード部3に埋設されたビードコアや、トレッド部1におけるカーカス層の外周側に埋設されたベルト層等の補強部材(不図示)を備えている。
上記空気入りタイヤにおいて、図1〜図3に示すように、サイドウォール部2の表面には、タイヤ径方向に沿って延在する複数本の凹部11と該凹部11の相互間に区分される複数本の凸部12からなる装飾模様10が形成されている。装飾模様10は、サイドウォール部2の表面におけるタイヤ断面最大幅位置POを含む領域に配置されている。また、装飾模様10のタイヤ径方向の高さXがタイヤ断面高さSHの15%〜50%の範囲に設定されている。図3の実施形態において、凹部11及び凸部12はタイヤ径方向に直線状に延びているが、これら凹部11及び凸部12はタイヤ径方向に連続的に繋がっていれば、その側面視形状は特に限定されるものではない。
ここで、サイドウォール部2の表面におけるタイヤ断面最大幅をSWOとし、該タイヤ断面最大幅SWOとなる位置POの断面高さをSWOHとし、凹部11の底面におけるタイヤ断面最大幅をSWIとし、該タイヤ断面最大幅SWIとなる位置PIの断面高さをSWIHとしたとき、SWIH>SWOHの関係を満足している。つまり、凹部11の底面が最もタイヤ幅方向外側に突き出した位置PIはサイドウォール部2の表面が最もタイヤ幅方向外側に突き出した位置POよりもタイヤ径方向外側に位置している。その結果、凹部11の深さは該凹部11の長手方向に沿って変化し、サイドウォール部2の表面が最もタイヤ幅方向外側に突き出した位置POよりもタイヤ径方向内側の位置で最大深さdmaxとなり、サイドウォール部2の表面が最もタイヤ幅方向外側に突き出した位置POよりもタイヤ径方向外側の位置で最小深さdminとなっている。なお、凹部11の深さは局所的に小さくなるものの、凹部11の底面がサイドウォール部2の表面から突き出すことはない。
本発明者は、サイドウォール部2の表面形状とサイドウォール部2の歪との関係を研究した。より具体的には、サイドウォール部2の表面形状を種々異ならせた空気入りタイヤについて、タイヤ転動時にサイドウォール部2に生じる歪を調査した。その結果、図4(a)に示すように、サイドウォール部2の表面にタイヤ周方向に沿って帯状に延在する凹部11Aを設けた場合、ゴムボリュームの削減が可能であるものの、サイドウォール部2の薄肉化により凹部11Aを設けていない場合に比べて歪が増大し、転がり抵抗の低減が必ずしも十分ではないことが判明した。また、図4(c)に示すように、サイドウォール部2の表面にディンプル状に点在する凹部11Cを設けた場合、凹部11Cの相互間に区画されるブロック部分の逃げ場がないため、サイドウォール部2の歪を低減する効果が十分に得られないことが判明した。一方、図4(b)に示すように、サイドウォール部2の表面にタイヤ径方向に沿って延在する凹部11Bを設けた場合、サイドウォール部2のゴムボリュームを削減しながらサイドウォール部2の歪を低減し、転がり抵抗の低減効果が大きいことが判明した。
本発明では、上記知見に鑑みて、サイドウォール部2の表面にタイヤ径方向に沿って延在する凹部11と該凹部11の相互間に区分される複数本の凸部12からなる装飾模様10を形成することにより、サイドウォール部2のゴムボリュームを削減すると共に、サイドウォール部2の歪を低減し、転がり抵抗を低減する。しかも、サイドウォール部2の表面でタイヤ断面最大幅SWOとなる位置POの断面高さSWOHと、凹部11の底面でタイヤ断面最大幅SWIとなる位置PIの断面高さSWIHについて、SWIH>SWOHの関係を満足することにより、転がり抵抗の低減効果を更に高めることができる。
つまり、タイヤ径方向に沿って延在する凹部11と該凹部11の相互間に区分される複数本の凸部12からなる装飾模様10を付加した場合、サイドウォール部2の表面でタイヤ断面最大幅SWOとなる位置POよりもタイヤ径方向外側の部位ではゴムゲージの減少により歪が増大して転がり抵抗が増加する傾向があるので、その部分のゴムゲージを確保して転がり抵抗を低減するために、凹部11の底面が最もタイヤ幅方向外側に突き出した位置PIをタイヤ径方向外側に移動させている。その一方で、サイドウォール部2の表面でタイヤ断面最大幅SWOとなる位置POよりもタイヤ径方向内側の部位では凹部11を相対的に深くしてゴムボリュームを削減することで転がり抵抗の低減を促進する。また、SWIH>SWOHの関係に応じてカーカスラインが変化することにより、縦バネ定数が低減し、これが転がり抵抗の低減に寄与する。
上記空気入りタイヤにおいて、装飾模様10のタイヤ径方向の高さXはタイヤ断面高さSHの15%〜50%の範囲に設定することが必要である。装飾模様10の高さXがタイヤ断面高さSHの15%よりも小さいと転がり抵抗の低減効果が十分に得られず、逆にタイヤ断面高さSHの15%よりも大きいとサイドウォール部2の放熱性が増大し、走行時のサイドウォール部2の温度が低下するため転がり抵抗の低減効果が十分に得られない。
また、装飾模様10はサイドウォール部2の表面におけるタイヤ断面最大幅位置POを含む領域に配置されるが、装飾模様10はタイヤ断面高さSHの25%の位置よりもタイヤ径方向外側かつタイヤ断面高さSHの75%の位置よりもタイヤ径方向内側の領域内に配置されることが好ましい。装飾模様10が上記領域から外れると転がり抵抗の低減効果が低下する。
図5〜図8はそれぞれ装飾模様の変形例を示すものである。図5において、装飾模様10を構成する凹部11及び凸部12はタイヤ径方向に対して一方向に傾斜している。図6において、装飾模様10を構成する凹部11及び凸部12は滑らかに蛇行しながらタイヤ径方向に延在している。図7において、装飾模様10を構成する凹部11及び凸部12はジグザグ状に屈曲しながらタイヤ径方向に延在している。図5〜図7のような種々の形状を採用することが可能であるが、図3のように装飾模様10を構成する凹部11及び凸部12がタイヤ径方向に対して傾斜することなくタイヤ中心軸に対して放射状に配置されている場合、転がり抵抗を最も効果的に低減することができる。
図8においては、装飾模様10がタイヤ周上の一部だけに形成されている。この場合、装飾模様10の面積は、タイヤ回転軸と同心であって装飾模様10のタイヤ径方向最内端を通る内側仮想円C1とタイヤ回転軸と同心であって装飾模様10のタイヤ径方向最外端を通る外側仮想円C2とで挟まれた領域の面積の35%〜100%であると良い。これにより、転がり抵抗の低減効果を十分に発揮することができる。装飾模様10の面積が内側仮想円C1と外側仮想円C2との間の領域の35%よりも小さいと転がり抵抗の低減効果が低下する。
図2に示すように、タイヤ断面最大幅SWOとなる位置POよりもタイヤ径方向外側におけるサイドウォール部2の表面の曲率半径をrとし、(SWO−SWI)/2から算出される最大幅の差分をd[d=(SWO−SWI)/2]とし、SWIH−SWOHから算出される最大幅位置のずれ量をh[h=SWIH−SWOH]としたとき、d×r×0.02<h<d×r×0.10の関係を満足すると良い。これにより、転がり抵抗を効果的に低減することができる。ここで、h≦d×r×0.02であると、凹部11の深さ変化が少なくなるため転がり抵抗の低減効果が低下し、逆にh≧d×r×0.10であると、タイヤ断面最大幅SWOとなる位置POよりもタイヤ径方向外側の部位で凹部11の深さが不足するため転がり抵抗の低減効果が低下する。
上記空気入りタイヤにおいて、凹部11の最大深さをdmaxとし、(SWO−SWI)/2から算出される最大幅の差分をdとしたとき、0.5<d/dmax<1.0の関係を満足することが好ましい。これにより、転がり抵抗を効果的に低減することができる。ここで、d/dmax≦0.5であると、最大深さdmaxを過度に大きくする必要があるため耐久性の悪化が懸念され、逆にd/dmax≧1.0であると、最大深さdmaxとなる位置でのゴムボリュームの削減が少なくなるため転がり抵抗の低減効果が低下する。
図9は装飾模様10を構成する凹部11及び凸部12を示す断面図であり、これら凹部11及び凸部12の延長方向と直行する断面における形状を示すものである。図9に示すように、凸部12の横断面において、該凸部12の底辺の長さをaとし、該凸部12の高さをbとし、該凸部12の断面積をsとしたとき、0.65≦s/(a×b)≦1の関係を満足することが望ましい。つまり、凸部12の断面形状は長さaと高さbを有する長方形よりも面積が小さい台形であると良い。このように凸部12が基端側を長辺とし、先端側に向かって先細りする断面形状を有することにより、サイドウォール部2の歪を低減し、転がり抵抗を効果的に低減することができる。ここで、s/(a×b)<0.65であるとせん断変形を低減する効果が小さくなり、逆にs/(a×b)>1であると隣り合う凸部11,11同士が接触し易くなるため歪の低減効果が減少し、転がり抵抗の低減効果が低下する。
上記空気入りタイヤにおいて、装飾模様10のタイヤ径方向最外端における凹部11の相互間隔をP(図3参照)とし、凹部11の最大深さをdmax(図2参照)としたとき、P>dmaxの関係を満足することが望ましい。これにより、サイドウォール部2の歪を低減し、転がり抵抗を効果的に低減することができる。ここで、凹部11の相互間隔Pが小さ過ぎると、隣り合う凸部11,11同士が接触し易くなるため歪の低減効果が減少し、転がり抵抗の低減効果が低下する。
上記空気入りタイヤにおいて、装飾模様10における凹部11の配置領域の面積(即ち、図3の装飾模様10における白抜き部分の面積の総和)をABとし、装飾模様10における凸部12の配置領域の面積(即ち、図3の装飾模様10における黒塗り部分の面積の総和)をADとしたとき、0.7≦AD/AB≦1.4の関係を満足することが望ましい。これにより、サイドウォール部の歪を低減し、転がり抵抗を効果的に低減することができる。ここで、AD/AB<0.7であるとサイドウォール部2のゴムボリュームが少なくなるため歪が増大し、逆にAD/AB大なり1.4であると凹部11に対して凸部12が多くなることに起因して歪の低減効果が低下する。
図10は装飾模様10を構成する凹部11及び凸部12をカーカス層13と共に示すものである。上記空気入りタイヤにおいて、一対のビード部3,3間にはタイヤ径方向に延びる複数本のカーカスコードを含むカーカス層13が装架されており、そのカーカス層13がトレッド部1、サイドウォール部2及びビード部3の内部に埋設されている。また、カーカス層13の内側にはインナーライナー層14が配置されている。図10に示すように、凹部11からカーカス層13までのサイドゴム厚さをG1とし、凸部12からカーカス層13までのサイドゴム厚さをG2としたとき、0.7≦G1/G2≦1.4の関係を満足することが望ましい。これにより、タイヤ内面に凹凸が形成されることになるので、インナーライナー層14のせん断歪が小さくなるため転がり抵抗を低減することができる。また、カーカスラインを装飾模様10に合わせて変更することで縦バネ定数が低減し、このことが転がり抵抗の低減に寄与する。ここで、G1/G2<0.7であるとサイドウォール部2のゴムゲージが薄くなるためサイドウォール部2のせん断歪が増加し、逆にG1/G2>1.4であるとサイドウォール部2のゴムゲージが厚くなるため転がり抵抗の低減効果が低下する。なお、サイドゴム厚さG1,G2はそれぞれ装飾模様10をタイヤ径方向に5等分したときの各領域で測定されるゴム厚さから算出される平均厚さを意味する。
タイヤサイズ195/65R15 91Hで、トレッド部と一対のサイドウォール部と一対のビード部とを備えた空気入りタイヤにおいて、サイドウォール部の表面にタイヤ径方向に沿って延在する複数本の凹部と該凹部の相互間に区分される複数本の凸部からなる装飾模様が形成され、該装飾模様がサイドウォール部の表面におけるタイヤ断面最大幅位置を含む領域に配置された従来例、比較例1及び実施例1〜9のタイヤを製作した。
従来例、比較例1及び実施例1〜9において、凹部の底面におけるタイヤ断面最大幅SWI、サイドウォール部の表面におけるタイヤ断面最大幅SWO、タイヤ断面最大幅SWIとなる位置の断面高さSWIH、タイヤ断面最大幅SWOとなる位置の断面高さSWOH、タイヤ断面最大幅SWOとなる位置よりもタイヤ径方向外側におけるサイドウォール部の表面の曲率半径r、タイヤ断面高さSHに対する装飾模様のタイヤ径方向の高さXの比率、装飾模様の内側仮想円と外側仮想円とで挟まれた領域の面積に対する装飾模様の面積の比率、d×r×0.02の値[d=(SWO−SWI)/2]、d×r×0.10の値、最大幅位置のずれ量h[h=SWIH−SWOH]、凹部の最大深さdmax、d/dmax、凸部の底辺の長さaと高さbと断面積をsから算出されるs/(a×b)の値、装飾模様のタイヤ径方向最外端における凹部の相互間隔P、装飾模様における凹部の配置領域の面積ABと凸部の配置領域の面積ADとの比AD/AB、凹部からカーカス層までのサイドゴム厚さG1と凸部からカーカス層までのサイドゴム厚さG2との比G1/G2、装飾模様の形状を表1のように設定した。装飾模様の形状については、図5のように凹部及び凸部がタイヤ径方向に対して一方向に傾斜している場合を「斜め」にて表示し、図3のように凹部及び凸部がタイヤ径方向に対して傾斜することなく放射状に延在している場合を「放射状」にて表示した。
これら試験タイヤについて、下記試験方法により、転がり抵抗を評価し、その結果を表1に併せて示した。
転がり抵抗:
試験タイヤをリムサイズ15×6Jのホイールに組み付けて転がり抵抗試験機に装着し、空気圧を210kPaとし、荷重を4.82kNとし、ISO条件に則って転がり抵抗を測定した。評価結果は、測定値の逆数を用い、従来例を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど転がり抵抗が小さいことを意味する。
試験タイヤをリムサイズ15×6Jのホイールに組み付けて転がり抵抗試験機に装着し、空気圧を210kPaとし、荷重を4.82kNとし、ISO条件に則って転がり抵抗を測定した。評価結果は、測定値の逆数を用い、従来例を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど転がり抵抗が小さいことを意味する。
この表1から判るように、実施例1〜9のタイヤは、従来例との対比において、サイドウォール部の表面形状に基づいて転がり抵抗を低減することができた。一方、比較例1のタイヤは、所定の寸法要件を満たしていないため転がり抵抗の低減効果が十分に得られなかった。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
10 装飾模様
11 凹部
12 凸部
13 カーカス層
14 インナーライナー層
CL タイヤ赤道
2 サイドウォール部
3 ビード部
10 装飾模様
11 凹部
12 凸部
13 カーカス層
14 インナーライナー層
CL タイヤ赤道
Claims (9)
- タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ外径方向内側に配置された一対のビード部とを備えた空気入りタイヤにおいて、
前記サイドウォール部の表面にタイヤ径方向に沿って延在する複数本の凹部と該凹部の相互間に区分される複数本の凸部からなる装飾模様が形成され、該装飾模様が前記サイドウォール部の表面におけるタイヤ断面最大幅位置を含む領域に配置され、前記装飾模様のタイヤ径方向の高さがタイヤ断面高さの15%〜50%であり、前記サイドウォール部の表面におけるタイヤ断面最大幅をSWOとし、該タイヤ断面最大幅SWOとなる位置の断面高さをSWOHとし、前記凹部の底面におけるタイヤ断面最大幅をSWIとし、該タイヤ断面最大幅SWIとなる位置の断面高さをSWIHとしたとき、SWIH>SWOHの関係を満足することを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記装飾模様の面積は、タイヤ回転軸と同心であって前記装飾模様のタイヤ径方向最内端を通る内側仮想円とタイヤ回転軸と同心であって前記装飾模様のタイヤ径方向最外端を通る外側仮想円とで挟まれた領域の面積の35%〜100%であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記タイヤ断面最大幅SWOとなる位置よりもタイヤ径方向外側における前記サイドウォール部の表面の曲率半径をrとし、(SWO−SWI)/2から算出される最大幅の差分をdとし、SWIH−SWOHから算出される最大幅位置のずれ量をhとしたとき、d×r×0.02<h<d×r×0.10の関係を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
- 前記凹部の最大深さをdmaxとし、(SWO−SWI)/2から算出される最大幅の差分をdとしたとき、0.5<d/dmax<1.0の関係を満足することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- 前記凸部の横断面において、該凸部の底辺の長さをaとし、該凸部の高さをbとし、該凸部の断面積をsとしたとき、0.65≦s/(a×b)≦1の関係を満足することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- 前記装飾模様のタイヤ径方向最外端における前記凹部の相互間隔をPとし、前記凹部の最大深さをdmaxとしたとき、P>dmaxの関係を満足することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- 前記装飾模様における凹部の配置領域の面積をABとし、前記装飾模様における凸部の配置領域の面積をADとしたとき、0.7≦AD/AB≦1.4の関係を満足することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- 前記凹部からカーカス層までのサイドゴム厚さをG1とし、前記凸部からカーカス層までのサイドゴム厚さをG2としたとき、0.7≦G1/G2≦1.4の関係を満足することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- 前記装飾模様を構成する凹部及び凸部がタイヤ径方向に対して傾斜することなくタイヤ中心軸に対して放射状に配置されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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2018
- 2018-01-11 JP JP2018002444A patent/JP2019119414A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112622528A (zh) * | 2019-10-08 | 2021-04-09 | 住友橡胶工业株式会社 | 充气轮胎 |
CN112622528B (zh) * | 2019-10-08 | 2023-12-15 | 住友橡胶工业株式会社 | 充气轮胎 |
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