JP2022176686A - 画像形成装置及び定着装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電力供給する発熱体を切り替えることで発生するフリッカを抑制すること。【解決手段】ヒータ制御回路108は、温度検知手段により検知したヒータ201の温度とヒータ201の目標温度とに基づいて、発熱体203に電力供給される期間Pにおいて、少なくとも一つの単位周期における商用交流電源101から発熱体203に供給される第1の電流と商用交流電源101から電源装置150に供給される第3の電流との合成電流は、第1の電流を供給しているタイミングと第3の電流の極大値及び極小値のタイミングとが重ならない電流であり、発熱体205に電力供給される期間Qにおいて、少なくとも一つの単位周期における商用交流電源101から発熱体205に供給される第2の電流と第3の電流との合成電流は、第2の電流を供給しているタイミングと第3の電流の極大値及び極小値のタイミングとが重なる電流である。【選択図】図4

Description

本発明は、画像形成装置、及び画像形成装置に用いる定着装置に関する。
記録材に画像形成を行う画像形成装置は、記録材上に転写されたトナー像を加熱、加圧して記録材に定着させる定着装置を備えている。定着装置では、記録材を加熱するための発熱源にセラミックヒータを用いた加熱装置を有している。加熱装置は、記録材の搬送方向に略直交する方向である幅方向(セラミックヒータの長手方向)の長さが異なる複数の発熱体を有し、各発熱体の発熱タイミングを切り替えてパフォーマンスを最大化する技術が、例えば特許文献1、2などで提案されている。特許文献1、2では、記録材の幅方向の長さが異なる発熱体を、排他的に高頻度で切り替えて、記録材が通過しない発熱体の非通紙部の昇温を抑制する技術が提案されている。これにより、幅の狭いB5サイズやA5サイズの記録材の印刷速度を速くさせ、小サイズの記録材の生産性を向上させている。
また、複数の発熱体を排他的に切り替える制御においては、電力供給する発熱体を切り替えるタイミングで、電流供給元の商用交流電源の交流電圧が変動してフリッカ(ちらつき)が発生することが知られている。
特開2020-115185号公報 特開2020-115186号公報
従来、フリッカが発生する要因としては、電力供給する発熱体を切り替えることで流れる電流が変化し、電源の交流電圧が変動することがある。また、電力供給する発熱体を切り替えることで電流が変化する周波数が、フリッカを不快と感じる周波数8.8Hzとなることがある。このように発生するフリッカを抑制することが求められている。
本発明は、このような状況のもとでなされたもので、電力供給する発熱体を切り替えることで発生するフリッカを抑制することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明では、以下の構成を備える。
(1)加熱回転体と、第1の発熱体と、抵抗値が前記第1の発熱体よりも大きい第2の発熱体と、を有し、前記加熱回転体の内部空間に配置され、前記加熱回転体を加熱するヒータと、前記加熱回転体とニップ部を形成する加圧回転体と、前記ヒータの温度を検知する検知手段と、交流電源から前記第1の発熱体又は前記第2の発熱体への電力供給路を切り替える切替手段と、前記切替手段を制御し、前記第1の発熱体又は前記第2の発熱体に電力を供給させる制御手段と、前記交流電源から供給される交流電圧から直流電圧を生成する電源装置と、を備え、前記第1の発熱体、前記第2の発熱体、前記電源装置は、前記交流電源に並列に接続されており、前記制御手段は、前記検知手段により検知した前記ヒータの温度と前記ヒータの目標温度とに基づいて、複数の単位周期を含む第1の期間において前記第1の発熱体に、複数の単位周期を含む第2の期間において前記第2の発熱体に、位相制御による電力供給を行うように制御し、前記切替手段により電力供給路を切り替えることで、前記第1の期間から前記第2の期間に、又は前記第2の期間から前記第1の期間に切り替わり、前記第1の期間において、前記第1の発熱体には、前記交流電源から前記第1の発熱体に供給される第1の電流と前記交流電源から前記電源装置に供給される第3の電流との合成電流が供給され、前記第1の期間における少なくとも一つの前記単位周期における合成電流は、前記第1の電流を供給しているタイミングと前記第3の電流の極大値及び極小値のタイミングとが重ならない電流であり、前記第2の期間において、前記第2の発熱体には、前記交流電源から前記第2の発熱体に供給される第2の電流と前記第3の電流との合成電流が供給され、前記第2の期間における少なくとも一つの前記単位周期における合成電流は、前記第2の電流を供給しているタイミングと前記第3の電流の極大値及び極小値のタイミングとが重なる電流であることを特徴とする画像形成装置。
(2)加熱回転体と、第1の発熱体と、抵抗値が前記第1の発熱体よりも大きい第2の発熱体と、を有し、前記加熱回転体の内部空間に配置され、前記加熱回転体を加熱するヒータと、前記加熱回転体とニップ部を形成する加圧回転体と、前記ヒータの温度を検知する検知手段と、交流電源から前記第1の発熱体又は前記第2の発熱体への電力供給路を切り替える切替手段と、前記切替手段を制御し、前記第1の発熱体又は前記第2の発熱体に電力を供給させる制御手段と、前記交流電源から供給される交流電圧から直流電圧を生成する電源装置と、を備え、前記第1の発熱体、前記第2の発熱体、前記電源装置は、前記交流電源に並列に接続されており、前記制御手段は、前記検知手段により検知した前記ヒータの温度と前記ヒータの目標温度とに基づいて、前記第1の発熱体及び前記第2の発熱体へ単位周期あたりに供給する電力量を決定し、前記第1の発熱体に位相制御により電力供給する第1の期間では、前記第1の発熱体に、導通を開始する位相角度が90degより大きく、導通を終了する位相角度が180degより小さい、又は導通を開始する角度が270degより大きく、導通を終了する角度が360degより小さい第1の電流を供給し、前記第1の期間に続く第2の期間であって、前記第2の発熱体に位相制御により電力供給する第2の期間では、前記第2の発熱体に導通を開始する角度が0deg以上、90deg以下であり、導通を終了する角度が180deg以下である、又は導通を開始する角度が180deg以上、270deg以下であり、導通を終了する角度が360deg以下である第2の電流を供給することを特徴とする画像形成装置。
(3)加熱回転体と、第1の発熱体と、抵抗値が前記第1の発熱体よりも大きい第2の発熱体と、を有し、前記加熱回転体の内部空間に配置され、前記加熱回転体を加熱するヒータと、前記加熱回転体とニップ部を形成する加圧回転体と、前記ヒータの温度を検知する検知手段と、交流電源から前記第1の発熱体又は前記第2の発熱体への電力供給路を切り替える切替手段と、前記切替手段を制御し、前記第1の発熱体又は前記第2の発熱体に電力を供給させる制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記検知手段により検知した前記ヒータの温度と前記ヒータの目標温度とに基づいて、前記第1の発熱体及び前記第2の発熱体へ単位周期あたりに供給する電力量を決定し、前記第1の発熱体への電力供給期間において前記第1の発熱体に供給される電流の最大電流値の平均値が、前記第2の発熱体への電力供給期間において前記第2の発熱体に供給される電流の最大電流値以下になるように前記電力量を制御することを特徴とする定着装置。
本発明によれば、電力供給する発熱体を切り替えることで発生するフリッカを抑制することができる。
実施例1~3の画像形成装置の構成を示す概略断面図 実施例1の加熱装置及び電源装置の回路構成を示す回路図 実施例1の電源装置のコンデンサインプット電流の波形図、及び発熱体切替制御を説明する図 実施例1の商用交流電源から画像形成装置に供給される電流波形を説明する図 実施例2の加熱装置及び電源装置の回路構成を示す回路図 実施例2の電源装置に入力される交流電流の波形図、及び商用交流電源から画像形成装置に供給される電流波形を説明する図 実施例3の画像形成装置の制御部の構成を示すブロック図 実施例3の定着装置の構成を説明する断面模式図 実施例3のヒータの構成を示す模式図 実施例3のヒータの断面を示す模式図 実施例3の定着装置の定着制御回路の構成を示す模式図 実施例3の発熱体の電力デューティの制御を説明する図 実施例3の発熱体の電力デューティの制御を行うフローチャート 実施例3の発熱体の電力デューティの制御方法を説明する図
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[画像形成装置の構成]
図1は、実施例1の定着装置50を備えた画像形成装置400の構成を示す概略断面図である。図1に示す画像形成装置400において、記録材Pにトナー像を形成する画像形成部401(図中、破線で囲まれた部分)は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色のトナー像を形成する、4つの画像形成ステーションPa、Pb、Pc、Pdを有している。更に、画像形成部401は、各画像形成ステーションPa、Pb、Pc、Pdに対応して設けられ、各画像形成ステーションの、後述する感光ドラム1に静電潜像を形成するレーザスキャナ3a、3b、3c、3dを有している。各画像形成ステーションPa、Pb、Pc、Pdは、それぞれ像担持体である筒状の感光ドラム1a、1b、1c、1dと、帯電ローラ2a、2b、2c、2dと、現像ローラ41a、41b、41c、41dを備える現像器4a、4b、4c、4dを有している。各画像形成ステーションPa、Pb、Pc、Pdは同一の構成であり、各部材の末尾に付したa、b、c、dは画像形成ステーションPa、Pb、Pc、Pdの部材であることを示している。以下では、特定の画像形成ステーションの部材を指す場合を除き、符号末尾のa、b、c、dを省略する。
帯電ローラ2は、感光ドラム1を一様な電位に帯電する。帯電ローラ2により一様な電位に帯電された感光ドラム1では、レーザスキャナ3が画像データに応じてレーザ光を照射することにより、感光ドラムの表面に画像データに応じた静電潜像が形成される。そして、現像器4の現像ローラ41が、感光ドラム1上に形成された静電潜像にトナーを付着させることにより、感光ドラム1上にトナー像が形成される。感光ドラム1上に形成されたトナー像は、感光ドラム1に対向する位置に設けられた1次転写部材6により、図中矢印方向(時計回り方向)に回転する中間転写ベルト7に順次、重畳して転写される。なお、中間転写ベルト7に転写されずに感光ドラム1上に残ったトナーは、クリーナ5のクリーニングブレード5Cによって除去される。中間転写ベルト7に転写されたトナー像は、記録材Pに転写するために、中間転写ベルト7と2次転写ローラ8とが当接して形成された2次転写ニップ部に搬送される。
一方、給紙カセット9には、記録材Pが収容されており、画像形成動作がスタートすると、給送ローラ10により1枚ずつ、搬送路へと給送される。給送ローラ10により給送された記録材Pは、搬送ローラ11によって2次転写ニップ部に搬送され、2次転写ニップ部において、中間転写ベルト7上のトナー像が記録材Pに転写される。記録材Pに転写されず、中間転写ベルト7上に残ったトナーは、中間転写ベルトクリーナ40の中間転写ベルトクリーニングブレード45によって除去される。
2次転写ニップ部にてトナー像が転写された記録材Pは、トナー像を記録材Pに定着させるため、定着装置50に搬送される。定着装置50は、筒状の定着フィルム51(フィルム51ともいう)の内部空間に配置され、定着フィルム51を加熱する加熱装置100(図2参照)と、定着フィルム51と当接してニップ部を形成し、記録材Pを加圧する加圧ローラ53と、を有している。定着装置50では、搬送された記録材Pがニップ部を通過する際に加熱、加圧処理が行われ、トナー像は記録材Pに定着される。そして、定着装置50を通過した記録材Pは、排出ローラ12によって、排出部13に排出される。また、電源装置150は、商用交流電源101(図2参照)から入力された交流電圧を用いて、画像形成装置400内部で必要な直流電圧を生成し、内部の各装置に供給する。なお、電源装置300は、後述する実施例2で用いる電源装置である。また、定着制御装置56は、後述する実施例3で用いる定着装置50の制御装置である。
[加熱装置の構成]
図2は、図1の画像形成装置400が備える加熱装置100、及び電源装置150の回路構成を示す回路図である。図2に示すように、加熱装置100は、複数の発熱体を有するヒータ201と、ヒータ201への電力供給を制御するヒータ制御回路108(以下、制御部108ともいう)等から構成されている。
図2において、交流電圧を供給する商用交流電源101、電流ヒューズ102、ヒータ201、双方向サイリスタ(以下、トライアックという)104、電磁リレー103によって、商用交流電源101からの電流が流れる第1の閉回路が構成されている。また、商用交流電源101、電流ヒューズ102、ヒータ201、電磁リレー106、トライアック105、電磁リレー103によって、商用交流電源101からの電流が流れる第2の閉回路が構成されている。商用交流電源101から第1の閉回路への電力供給は、制御部108がトライアック104の導通状態と非導通状態を切り替えることにより制御される。一方、商用交流電源101から第2の閉回路への電力供給は、制御部108がトライアック105の導通状態と非導通状態を切り替えることにより制御される。
[ヒータの構成]
ヒータ201は、本実施例の画像形成装置400の定着装置50に設けられた加熱装置100内部に配置され、定着フィルム51が未定着のトナー像を記録材Pに定着させる際にトナー像に加える熱を供給する。ヒータ201は、セラミック基板202と、セラミック基板202上に配置された発熱体203、204、205、接点206a、206b、206c、206dから構成されている。第1の閉回路の構成要素である発熱体203は、並列接続された2本の発熱体から構成され、接点206a、206dを介して商用交流電源101から電力を供給される。
また、発熱体204、205は、第2の閉回路の構成要素である。発熱体204は、接点206b、206dを介して商用交流電源101から電力を供給される。一方、発熱体205は、接点206b、206cを介して商用交流電源101から電力を供給される。第2の閉回路に発熱体204を接続するか、又は発熱体205を接続するか、すなわち、商用交流電源101から発熱体204、又は発熱体205のどちらに電力を供給するかは、C接点リレー106によって選択される。C接点リレー106において、接点106aと接点106bとが接続されている場合には、発熱体205がC接点リレー106によって短絡された状態となるため、第2の閉回路の構成要素として発熱体204が選択された状態となる。その結果、商用交流電源101から発熱体204に電力が供給される。一方、C接点リレー106において、接点106aと接点106cとが接続されている場合には、発熱体204がC接点リレー106によって短絡された状態となるため、第2の閉回路の構成要素として発熱体205が選択された状態となる。その結果、商用交流電源101から発熱体205に電力が供給される。このように、第2の閉回路の構成要素は、C接点リレー106を制御することにより、発熱体204又は発熱体205が適宜選択される。
なお、発熱体203、204、205の抵抗値の大小関係は、発熱体203の抵抗値<発熱体204の抵抗値<発熱体205の抵抗値の関係にある。本実施例では、発熱体204、205の抵抗値は、それぞれ発熱体203の抵抗値の1.92倍、2.25倍とする。
[ヒータ制御回路]
ヒータ制御回路108(制御部108ともいう)は、CPU109、SSR(ソリッドステートリレー)113、118、トランジスタ111、116、抵抗110、112、114、115、117、119を有している。トライアック104は、制御部108のCPU109によって制御される。CPU109は、トライアック104のT1端子-T2端子間を導通状態に設定する場合には、電流制限抵抗110を介してトランジスタ111のベース端子に供給する。これにより、トランジスタ111はオンし、トランジスタ111のコレクタ端子-エミッタ端子間が導通状態になる。トランジスタ111のコレクタ端子-エミッタ端子間が導通状態になると、電源電圧Vcc2から電流制限抵抗112を介してSSR(ソリッドステートリレー)113の発光ダイオードに電流が流れて発光状態となる。その結果、SSR113の受光部がオン状態(導通状態)となり、商用交流電源101から電流制限抵抗114を介してトライアック104のG端子(ゲート端子)にゲート電流が流れ、トライアック104のT1端子-T2端子間が導通状態となる。ここで、電源電圧Vcc2は、例えばDC3.3Vなどの2次側電位(商用交流電源101から絶縁された電位)の直流電圧であり、後述する電源装置150により生成される。
一方、トライアック105もトライアック104と同様に、CPU109によって制御される。CPU109はトライアック105のT1端子-T2端子間を導通状態に設定する場合には、電流制限抵抗115を介してトランジスタ116のベース端子に電流を供給する。これにより、トランジスタ116がオンし、トランジスタ116のコレクタ端子-エミッタ端子間は導通状態になる。トランジスタ116のコレクタ端子-エミッタ端子間が導通状態になると、電源電圧Vcc2から電流制限抵抗117を介してSSR118の発光ダイオードに電流が流れて発光状態となり、SSR118の受光部がオン状態(導通状態)となる。SSR118の受光部がオン状態となることにより、商用交流電源101から電流制限抵抗119を介してトライアック105のG端子にゲート電流が流れ、トライアック105のT1端子-T2端子間が導通状態となる。なお、CPU109は、トライアック104、105は、後述する電力供給制御テーブル(表1)に基づいて、トライアック104、105の導通状態、非導通状態を制御する。
ここで、本実施例の画像形成装置400では、第1の閉回路と第2の閉回路に対して商用交流電源101から同時に電力供給が行われないよう、制御部108はトライアック104の導通状態とトライアック105の導通状態を排他的に制御する。具体的には、制御部108は、トライアック104のT1端子-T2端子間が導通状態の場合は、トライアック105のT1端子-T2端子間を非導通状態に設定する。一方、制御部108は、トライアック105のT1端子-T2端子間が導通状態の場合には、トライアック104のT1端子-T2端子間が非導通状態になるように設定する。
これは、ヒータ201の長手方向(記録材Pが定着装置50に搬送される方向に略直交する方向である記録材Pの幅方向)の熱分布を均等にするため、ヒータ201の3種類の発熱体が、使用される記録材Pの用紙幅に応じて排他的に選択されるためである。例えば、B5サイズの記録材Pが定着装置50のニップ部を通過する場合には、制御部108は、ヒータ201の発熱体203と発熱体204に交互に電力供給を行い、発熱させる。また、A5サイズの記録材Pが定着装置50のニップ部を通過する場合には、制御部108は、発熱体203と発熱体205に交互に電力供給を行い、発熱させる。このような電力供給制御を行う理由は、各発熱体に対して排他的に電力供給が行われることを想定して、ヒータ201の設計がなされているため、複数の発熱体が同時に発熱する状態が継続すると、ヒータ201が過昇温し、破損するおそれがあるからである。
電磁リレー103は、ヒータ201への電力供給を行う必要がないとき(例えば、画像形成装置400が印刷を行っていない省電力状態のスリープモードの場合など)には、省エネルギー化のために、非導通状態に設定される。電磁リレー103は、トライアック104、105と同様に、CPU109によって制御される。CPU109は、電流制限抵抗120を介してトランジスタ121のベース端子に電流を供給することによりトランジスタ121をオンし、トランジスタ121のコレクタ端子-エミッタ端子間を導通状態にする。これにより、電源電圧Vcc1から電磁リレー103のコイルに電流が流れることにより、電磁リレー103の接点が導通状態に設定される。
[電源装置の構成]
次に、電源装置150について説明する。電源装置150は、商用交流電源101から出力される交流電圧から、画像形成装置400内で必要な直流電圧(例えば24V、12V、5V、3.3Vなど)を生成する、AC入力/DC出力タイプのスイッチングコンバータである。電源装置150は、ダイオードブリッジ151、1次平滑コンデンサ152、トランス153、電界効果トランジスタ(FET)154、FET154のスイッチング動作を制御する制御回路158を有している。更に、電源装置150は、整流ダイオード155、2次平滑コンデンサ156、DC/DCコンバータ157を有している。
電源装置150では、整流回路であるダイオードブリッジ151が、商用交流電源101から入力される交流電圧を全波整流し、全波整流された電圧を平滑回路である1次平滑コンデンサ152が平滑化する。1次平滑コンデンサ152により平滑化された電圧はトランス153の1次側に入力され、制御回路158によるFET154のスイッチング動作により、トランス153の2次側に電圧が誘起される。トランス153の2次側に誘起された電圧は、整流ダイオード155、2次平滑コンデンサ156などによって整流、平滑化され、直流電圧Vcc1(本実施例では24V)が生成される。直流電圧Vcc1は、DC/DCコンバータ157を介して、更に直流電圧Vcc2(本実施例では3.3V)に変換される。なお、電源装置150は本発明の特徴ではないので、回路動作詳細については説明を省略する。
図3(a)は、1次平滑コンデンサ152の両端電圧の電圧波形(図3(a)(i))と、1次平滑コンデンサ152に流れる電流の電流波形(図3(a)(ii))を示した図である。図3(a)(i)の縦軸は電圧を示し、図3(a)(ii)の縦軸は電流値を示す。また、図3(a)の横軸は時間を示す。
図3(a)(i)において、太い実線は1次平滑コンデンサ152の両端電圧の電圧波形を示し、破線は商用交流電源101から入力される交流電圧をダイオードブリッジ151で全波整流した電圧の電圧波形を示している。図3(a)(ii)において、太い実線は、1次平滑コンデンサ152に対して、商用交流電源101から供給される(出力される)電流の電流波形を示している。ここで、図3(a)(ii)に示す、1次平滑コンデンサ152に流れる電流(コンデンサインプット電流)は、次の期間のみ流れる。すなわち、コンデンサインプット電流は、1次平滑コンデンサ152の両端電圧が、商用交流電源101の電圧をダイオードブリッジ151で全波整流した電圧よりも低い期間(図3(a)(ii)に示す充電期間)のみ流れる。一方、1次平滑コンデンサ152の両端電圧が、商用交流電源101の電圧をダイオードブリッジ151で全波整流した電圧よりも高い期間(図3(a)(ii)に示す放電期間)では、コンデンサインプット電流は流れない。このように、コンデンサインプット電流は、商用交流電源101から出力される交流電圧の電圧波形の半周期(半波)の一部の期間のみ流れるという特徴を有している。
[発熱体への電力供給制御]
次に、A5サイズの記録材Pを例に、記録材Pの画像形成を行う場合の加熱装置100の動作について説明する。A5サイズの記録材Pに対して画像形成を行う場合、加熱装置100内のC接点リレー106(図2)は、接点106aと接点106cとが接続されている状態となり、発熱体205が第2の閉回路の構成要素として選択された状態となる。そして、加熱装置100は、ヒータ201の温度を所定温度に制御するように動作する。具体的には、加熱装置100では、ヒータ201の温度を温度検知素子(不図示)によって検知した温度に基づいて、ヒータ201の目標温度に対するPID制御を行うことによって、ヒータ201の温度制御(温度調整)が行われる。ヒータ201の温度制御(温度調整)は、画像形成する記録材Pのサイズに関係なく、共通に行われる。PID制御に基づいて、発熱体203への給電回路である第1の閉回路、及び発熱体205への給電回路である第2の閉回路に供給される電流値は、表1、表2に示す電力供給制御テーブルに従う。
[電力供給制御テーブル]
表1は、発熱体203に電力供給を行う場合の電力供給制御テーブルであり、表2は、発熱体204、205に電力供給を行う場合の電力供給制御テーブルである。
表1に示す電力供給制御テーブルに基づく発熱体203への電力供給制御は、表1の上部に示すように、商用交流電源101の交流電圧波形の8半波(4周期)を1制御周期(1制御サイクル)として行われる。一方、表1の下部に示す数値は、1制御周期における平均目標投入電力デューティに対する、各半波の期間における発熱体203に供給される電力デューティ(Duty)(単位:%)を示している。本実施例では、電力供給制御は、商用交流電源101から発熱体203へ供給可能な電力の電力デューティ(表1では電力Dutyと記載)を、2.50%刻みの40段階に分割して行われる。すなわち、上述したPID制御のゲイン更新周期は商用交流電源101の交流電圧波形の8半波単位であり、表1は、上述したPID制御によって、商用交流電源101から発熱体203に供給可能な電力のうちの何%を発熱体203に供給するかを示している。例えば、商用交流電源101から発熱体203に8半波トータルで、電力デューティ50.00%の電力を供給する場合には、表1に基づき、次のように、電力供給が制御される。すなわち、1半波目は電力デューティが33.75%、2半波目は電力デューティが33.75%、3半波目は電力デューティが100.00%、4半波目は電力デューティが33.75%の電力供給が行われる。そして、5半波目は電力デューティが33.75%、6半波目は電力デューティが100.00%、7半波目は電力デューティが33.75%、8半波目は電力デューティが33.75%の電力供給が行われるように、電力供給が制御される。なお、このように、表1に示すように、8半波の電力供給を行った場合の平均投入電力デューティは50.31%であり、厳密には50.00%ではないが、電力デューティ50.00%はあくまで目標値であり、このような微小な差は誤差の範囲である。
また、発熱体205への電力供給制御は、表2に示す電力供給制御テーブルに基づいて行われる。表2は、上述した表1とは、表内の1制御周期における平均目標投入電力デューティに対する、各半波の期間における発熱体205に供給される電力デューティ(Duty)(単位:%)の数値が異なるのみで、制御周期や制御分解能などは表1と同一である。
Figure 2022176686000002
Figure 2022176686000003
A5サイズの記録材Pに画像形成を行う場合、予め定められた制御シーケンスに基づいて、第1の閉回路を介して発熱体203に電力供給する期間と、第2の閉回路を介して発熱体205に電力供給する期間と、が排他的に切り替えられる。図3(b)は、商用交流電源101の交流電圧波形と、発熱体203、発熱体205に電力供給が行われる期間の関係を説明する図である。図3(b)において、(i)は、商用交流電源101から画像形成装置400に供給される交流電圧波形を示した図である。(ii)は、発熱体203への電力供給が行われる期間(図中、ONと表示)、発熱体203への電力供給が行われない期間(図中、OFFと表示)を示した図である。(iii)は、発熱体205への電力供給が行われる期間(図中、ONと表示)、発熱体205への電力供給が行われない期間(図中、OFFと表示)を示した図である。また、図3(b)の横軸は時間を示している。図3(b)に示すように、第1の閉回路を介して、発熱体203に1制御周期(=8半波)の期間、電力供給が行われ、続いて、第2の閉回路を介して、発熱体205に5制御周期(=40半波)の期間、電力供給が行われる。更に、第1の閉回路を介して、発熱体203に1制御周期(=8半波)の期間、電力供給が行われ、続いて、第2の閉回路を介して、発熱体205に5制御周期(=40半波)の期間、電力供給が行われるサイクルが繰り返される。このように、加熱装置100では、発熱体への電力供給を切り替えながら、ヒータ210の温度調整が行われる。なお、表1、表2についての詳細な説明は後述する。
[商用交流電源から画像形成装置に入力される電流の波形]
図3(b)に示す期間Uは、第1の閉回路を介して、発熱体203に電力供給される1制御周期(=8半波)の期間と、第2の閉回路を介して、発熱体205に電力供給される1制御周期(=8半波)の期間を示している。図4は、図3(b)に示す期間Uにおける商用交流電源101から画像形成装置に供給される交流電流の電流波形を説明する図である。
図4[A]は、期間Pにおいて、発熱体203に電力供給が行われたときの交流電流の電流波形と、期間Pに続く期間Qにおいて発熱体205に電力供給が行われたときの交流電流の電流波形を示した図である。図4[A]の横軸は時間を示している。期間Pは、第1の閉回路を介して発熱体203に電力供給を行っている8半波の1制御期間(第1の期間)であり、平均目標投入電力デューティは42.50%である。一方、期間Qは、第2の閉回路を介して発熱体205に電力供給を行っている8半波の1制御期間(第2の期間)であり、平均目標投入電力デューティは100%である。
図4[A](b)は、商用交流電源101から発熱体203に対して、平均目標投入電力デューティ42.50%の電力供給が行われているときの交流電流(第1の電流)の電流波形を示している。平均目標投入電力デューティが42.50%の場合、商用交流電源101から発熱体203に供給される電流は、表1の電力供給制御テーブルに示す値に基づいて、8半波の1制御サイクル全体を通して、常にデューティ42.50%で位相制御された波形となる。
図4[A](c)は、商用交流電源101から発熱体205に対して、平均目標投入電力デューティ100.00%の電力供給が行われているときの交流電流(第2の電流)の電流波形を示している。平均目標投入電力デューティが100.00%の場合、商用交流電源101から発熱体205に供給される電流は、表2の電力供給制御テーブルに示す値に基づいて、8半波の1制御サイクル全体を通して、常にデューティ100.00%のときの電流波形となる。
なお、上述したように、発熱体205の抵抗値は、発熱体203の抵抗値の2.25倍である。そのため、商用交流電源101から発熱体203に対して供給される電力デューティが42.50%の場合の電力量と、商用交流電源101から発熱体205に対して供給される電力デューティが100.00%の場合の電力量は、ほぼ同じである。
図4[A](d)は、商用交流電源101から電源装置150内の1次平滑コンデンサ152に充電する際に流れるコンデンサインプット電流(図3(a))(第3の電流)の電流波形を示している。図4[A](a)は、図4[A](b)、図4[A](c)、図4[A](d)に示す3つの交流電流の合成波形を示している。
期間P(商用交流電源101から発熱体203に電力供給が行われている期間)においては、発熱体203に供給される電流とコンデンサインプット電流の両方が商用交流電源101から供給されるため、これら2つの交流電流が合成された電流波形となる。一方、期間Q(商用交流電源101から発熱体205に電力供給が行われている期間)においては、発熱体205に供給される電流とコンデンサインプット電流の両方が商用交流電源101から供給されるため、これら2つの電流が合成された電流波形となる。期間Pにおいては、発熱体203に交流電流が流れているときの電流波形と、コンデンサインプット電流が流れているときの電流波形とは、終始重なっていない。そのため、期間Pにおいて、発熱体203に流れる交流電流とコンデンサインプット電流の合成電流の極大点の値(極大値)及び極小点の値(極小値)(以下、電流ピーク値、ピーク値ともいう)は、2つの電流波形が重なった場合よりも低く抑えられる。
一方、期間Qにおいては、発熱体205に交流電流が流れているときの電流波形とコンデンサインプット電流が流れているときの電流波形とは、終始重なっている。そのため、期間Qにおいて、発熱体205に流れる電流とコンデンサインプット電流の合成電流のピーク値は、2つの電流波形が重なっていない場合よりも大きくなる。その結果、図4[A](a)に示す合成電流における、期間Pの電流ピーク値と期間Qの電流ピーク値との差を示す差分△I1(図4[A](a))は、次のようになる。すなわち、差分△I1は、発熱体203に流れる交流電流のピーク値I203p(図4[A](b))と、発熱体205に流れる交流電流のピーク値I205p(図4[A](c))との差よりも小さくすることができる。すなわち、差分△I1<(ピーク値△I203p-ピーク値I205p)となる。差分△I1の値が小さい方が、画像形成装置400を動作させたときのフリッカを抑制できる。そのため、発熱体203に電力供給する期間(期間P)と発熱体205に電力供給する期間(期間Q)を排他的に高頻度で切り替える場合には、コンデンサインプット電流と各発熱体(発熱体203、205)に流れる交流電流とが重ならないように制御する。すなわち、期間Pの電流ピーク値と期間Qの電流ピーク値との差を示す差分△I1を小さくすることが、フリッカを抑制するために重要となる。別の見方をすると、発熱体205の抵抗値は発熱体203の抵抗値の2.25倍であり、抵抗値の差が大きいため、発熱体203と発熱体205に流れる交流電流の電流波形だけで差分△I1を小さくすることは難しい。そこで、本実施例では、各発熱体203、205に流れる交流電流同士だけに着目して、電流ピーク値の差を小さくするのではなく、コンデンサインプット電流と各発熱体203、205に流れる交流電流の合成波形に着目した。そして、合成電流同士の重なりをうまく制御して、交流電流のピーク値の差分△I1を小さく抑えることが本発明の特徴の一つである。
図4[B]は、期間Rにおいて発熱体203に電力供給が行われたときの交流電流の電流波形と、期間Rに続く期間Sにおいて発熱体205に電力供給が行われたときの交流電流の電流波形を示した図である。図4[B]の横軸は時間を示す。期間Rは、第1の閉回路を介して電力供給を行っている8半波の1制御期間であり、平均目標投入電力デューティは57.50%である。一方、期間Sは、第2の閉回路を介して電力供給を行っている8半波の1制御期間であり、平均目標投入電力デューティは100%である。
図4[B](g)は、商用交流電源101から発熱体203に対して、平均目標投入電力デューティ57.50%の電力供給が行われているときの交流電流の電流波形を示している。平均目標投入電力デューティが57.50%の場合、商用交流電源101から発熱体203に供給される電流は、表1の電力供給制御テーブルに示す値に基づいて制御される。具体的には、表1の平均目標投入電力デューティが57.50%の場合に示すように、1制御サイクルにおいて、1半波目の電力デューティは43.75%、2半波目の電力デューティは43.75%、3半波目の電力デューティは100.00%となる。続いて、4半波目の電力デューティは43.75%、5半波目の電力デューティは43.75%、6半波目の電力デューティは100.00%、7半波目の電力デューティは43.75%、8半波目の電力デューティは43.75%で、電力供給が制御される。
図4[B](h)は、商用交流電源101から発熱体205に対して、平均目標投入電力デューティ100.00%の電力供給が行われているときの交流電流の電流波形を示している。平均目標投入電力デューティが100.00%の場合、商用交流電源101から発熱体205に供給される電流は、表2の電力供給制御テーブルに示す値に基づいて、8半波の1制御サイクル全体を通して、常にデューティ100.00%のときの電流波形となる。
図4[B](i)は、商用交流電源101から電源装置150内の1次平滑コンデンサ152に充電する際に流れるコンデンサインプット電流(図3(a)(ii))の電流波形を示している。図4[B](e)は、図4[B](g)、図4[B](h)、図4[B](i)に示す3つの交流電流の合成波形を示している。
期間R(商用交流電源101から発熱体203に対して電力供給が行われている期間)においては、発熱体203への電流とコンデンサインプット電流の両方が商用交流電源101から供給されるため、これら2つの交流電流が合成された電流波形となる。一方、期間S(商用交流電源101から発熱体205に対して電力供給が行われている期間)においては、発熱体205への電流とコンデンサインプット電流の両方が商用交流電源101から供給されるため、これら2つの電流が合成された電流波形となる。
期間Rにおいては、発熱体203に流れる交流電流の電流ピーク値とコンデンサインプット電流の電流ピーク値とが重なる区間と、重ならない区間の両方が存在する。期間Rは、期間全体の平均投入目標電力デューティが57.50%であるため、期間全体を通して同じ位相角で位相制御を行うと、全ての半波において、発熱体203に流れる交流電流の電流波形とコンデンサインプット電流の電流波形との重なりが生じてしまう。すなわち、期間R全体を通して同じ位相角で位相制御を行うと、期間Rの電流ピーク値と期間Sの電流ピーク値の差△I2(図4[B](e))が大きくなるため、フリッカを抑制することができない。そのため、期間Rでは、発熱体203に供給される交流電流の電流波形とコンデンサインプット電流の電流波形との重なりに、メリハリをつけてフリッカ抑制を図っている。
図4[B](f)は、図4[B](e)に示す電流波形のピーク値の差分の絶対値を、半波ごとに表した波形を示している。期間Rでは、発熱体203に流れる交流電流とコンデンサインプット電流の関係において、2つの電流ピーク値が重なる区間と重ならない区間の2種類に分け、かつ、2種類の区間を偏って(連続して)配置せず、まばらに配置している。そのため、2つの電流ピーク値が重なる区間と重ならない区間を、偏って配置する場合と比べて、期間R内の電流ピークの変動周波数f1(電流変動周期t1)を高くすることができる。フリッカは、電流変動の周波数が8.8Hz(周期113.6msec)の場合に最も不快に感じるため、電流変動が生じる際には、電流変動の周波数を8.8Hzから離れた周波数にすることが望ましい。例えば、商用交流電源101の電源周波数が50Hzの場合は、1半波は10msec(ミリ秒)であるため、図4[B](f)に示す電流変動の周波数f1は33.3Hz(周期30msec)である。この場合には、フリッカを最も不快に感じる周波数8.8Hzに対して、約3.8倍という十分に高い周波数の電流変動になっていることがわかる。
図4[B](e)に示す期間Rにおいては、平均目標投入電力デューティ(=57.50%)が図4[A](a)に示す期間Pの場合の平均目標投入電力デューティ(=42.50%)よりも大きい。そのため、図4[B](e)の期間Rでは、図4[A](a)の期間Pのように、期間Rの期間全体で発熱体203に流れる交流電流のピークとコンデンサインプット電流のピークを重ねないことによって、差分△I2を小さくする方法を採用することができない。そこで、発熱体203に流れる電流とコンデンサインプット電流の関係を、2つの電流の電流ピーク値を重ねる区間と重ねない区間の2種類に分け、かつ2つの区間をまばらに配置する。これにより、電流ピーク値の変動周波数f1を高く設定することによりフリッカを抑制することが、本発明の特徴の一つである。なお、電流ピーク値の変動周波数f1を8.8Hzより低くするように、表1の電力供給制御テーブルのテーブル値を構成しても構わないが、そうすると必然的に1制御周期(本実施例では8半波)が長くなってしまう。その結果、PID制御のゲイン更新周期が長くなり、かつ発熱体203に電力供給する期間と発熱体205に電力供給する期間を切り替える頻度が低減されるため、ヒータ201の温度リプルが大きくなるなどの弊害が生じる。そのため、実用的には、図4[B](e)の期間Rでは、電流ピーク値の変動周波数f1を高くして、フリッカを抑制するという、本実施例の構成が望ましい。
ここで、発熱体203に電力供給が行われる期間Rと、発熱体205に電力供給が行われる期間Sのつなぎ目である、期間Rの最後の区間である8半波目の区間Nと、期間Sの最初の区間である1半波目の区間(N+1)について説明する。フリッカ抑制の観点から、区間Nと区間(N+1)においては、2つの区間の電流ピーク値の差△I3(図4[B](f))が小さいことが望ましい。そのため、区間Nでは、極力、発熱体203に流れる交流電流と、コンデンサインプット電流を重ねないことによって2つの電流の合成電流のピーク値を低く抑えることが望ましい。また、区間(N+1)では、極力、発熱体205に流れる交流電流と、コンデンサインプット電流を重ねることによって、2つの交流電流の合成電流のピーク値を高くすることが望ましい。このように、区間Nと区間(N+1)において、コンデンサインプット電流との重ね方を最適化することで、隣り合う2つの区間の電流ピーク値の差△I3を小さく抑えることができるため、フリッカを抑制することができる。
なお、ここでは、発熱体203に電力供給する期間(期間R)から発熱体205に電力供給する期間(期間S)に移行するタイミングで、電流ピーク値の差△I3を小さく抑える手法を説明した。発熱体205に電力供給する期間から発熱体203に電力供給する期間についても同様に、発熱体切替時の電流ピーク値の差が小さくなるように、交流電流の重ね方を最適化することが望ましい。
[発熱体203に適用される電力供給制御テーブル]
次に、表1の電力供給制御テーブルについて詳細に説明する。まず、表1に示す電力供給制御テーブルは、発熱体203への電力供給制御に用いるテーブルであり、大きく3つの区分から構成されている。区分1(第1の区分)は、平均目標投入電力デューティが0.00%~42.50%の範囲の領域である。区分1では、1制御サイクル(8半波)の全体を通して、常に平均目標投入電力デューティに等しい位相角で位相制御が行われる。平均目標投入電力デューティ0.00%~42.50%である区分1の範囲では、平均目標投入電力デューティと等しい位相角で制御を行っても、発熱体203に流れる交流電流の電流ピークとコンデンサインプット電流の電流ピークのタイミングは重ならない。その結果、発熱体203に流れる交流電流とコンデンサインプット電流の合成電流のピーク値が大きくならない。そのため、図4[A](a)で示すように、電流ピーク値の差△I1を小さくすることで、フリッカ抑制を図ることができる。
区分2(第2の区分)は、平均目標投入電力デューティが45.00%~72.50%の範囲の領域である。区分2では発熱体203に流れる交流電流の電流波形とコンデンサインプット電流の電流波形の関係において、2つの電流波形のピークを重ねる区間と重ねない区間の2種類に分け、かつ、2つの電流ピークをまばらに配置した電力供給制御テーブルとなっている。区分2の範囲では、制御周期全体を通して平均目標投入電力デューティと等しい位相角で制御を行うと、常に発熱体203に流れる交流電流の電流ピーク値とコンデンサインプット電流の電流ピーク値との重なりが生じてしまう。そのため、区分2の電力供給制御テーブルでは、図4[B](e)及び図4[B](f)に示すように、電流ピークの変動周波数f1を高くすることで、フリッカの抑制を図っている。
区分3(第3の区分)は、平均目標投入電力デューティが75.00%~100.00%の範囲の領域である。区分3に示す電力供給制御テーブルを用いて、発熱体203に電力供給を行うときの、商用交流電源101から画像形成装置400に供給される交流電流の電流波形を図4[C](j)に示す。図4[C](j)は、商用交流電源101から発熱体203に供給される電流の電流波形と、コンデンサインプット電流の電流波形とを合成した電流波形を示す図である。図4[C](j)において、前半の8半波の期間は、商用交流電源101から発熱体203に目標投入電力デューティ100%で電力供給されているときの電流波形である。後半の8半波の期間は、商用交流電源101から発熱体203に目標投入電力デューティ77.5%で電力供給されているときの電流波形である。
区分3では、平均目標投入電力デューティが非常に高いため、区分2のように、発熱体203に流れる交流電流の電流波形とコンデンサインプット電流の電流波形の関係において、2つの電流波形を重ねる区間と、重ねない区分の2種類に分けることができない。すなわち、区分3は、1制御サイクル(8半波)の全体を通して、発熱体203に流れる交流電流の電流波形とコンデンサインプット電流の電流波形が重なることが避けられない区間となる。しかしながら、区分3の平均目標投入電力デューティは、冷めている状態のヒータ201を急速に温めるとき(例えば画像形成装置400の起動時)の数秒間しか使用されない。更に、画像形成装置400の起動時には発熱体205には電力供給が行われず、発熱体203のみに電力供給が行われる。これは、ヒータ201が冷えた状態では、ヒータ201全体を均等かつ急速に温める必要があるため、発熱される長手方向の領域がより長く、発熱量が大きい発熱体203のみに電力供給することが求められるからである。区分3の平均目標投入電力デューティに従い、画像形成装置400の起動時に発熱体203のみに電力供給している状態では、交流電流のピーク値は高いものの、電力供給される発熱体の切替が行われない。そのため、交流電流の変動が余り生じず、フリッカも殆ど発生しない。
以上説明したように、発熱体203に適用される表1に示す電力供給制御テーブルは、発熱体切替制御時のフリッカ抑制策を施した区分1及び区分2、発熱体切替制御が行われない場合に適用される区分3という3つの区分から構成されている。表1に示す電力供給制御テーブルは、いずれの区分でもフリッカを抑制できる電力デューティ値となっている。
[発熱体205に適用される電力供給制御テーブル]
次に、表2の電力供給制御テーブルについて詳細に説明する。表2に示す電力供給制御テーブルは、発熱体205への電力供給制御に用いるテーブルである。
上述したように、発熱体205の抵抗値は、発熱体203の抵抗値の約2.25倍である。そのため、電力デューティが100.00%の場合に発熱体205に流れる交流電流のピーク値は、発熱体203に流れる交流電流のピーク値に対して、1/2.25程度となる。そこで、発熱体205に流れる交流電流のピーク値を補うため、発熱体205に流れる交流電流の電流波形のピークとコンデンサインプット電流の電流波形のピークのタイミングを積極的に重ね、2つの電流の合成電流のピーク電流値を大きくすることが望ましい。そのため、表2の電力供給制御テーブルでは、平均目標投入電力デューティ0.00%~100.00%の全ての範囲において、1制御サイクル(8半波)全体を通して、常に平均目標投入電力デューティに等しい位相角で位相制御が行われる。画像形成装置400の定常時(ヒータ201が十分に温まり、連続して画像形成を行っているとき)には、発熱体203には平均目標投入電力デューティ40%~50%程度の電力供給が行われている。一方、抵抗値が2.25倍程大きい発熱体205に対しては、平均目標投入電力デューティ90%~100%程度の電力供給が行われる。すなわち、画像形成装置400の定常時に発熱体205に流れる交流電流の導通角が大きいため、発熱体205に流れる交流電流の電流波形のピークとコンデンサインプット電流の電流波形のピークのタイミングが常に重なった状態となる。つまり、定常時は、発熱体205に流れる交流電流の電流波形のピークとコンデンサインプット電流の電流波形のピークのタイミングが常に重なることによって、2つの電流の合成電流のピーク値を常に大きくすることができる。これによって、発熱体203に電力供給している期間の電流ピーク値と、発熱体205に電力供給している期間の電流ピーク値の差(図4[A]に示す差△I1及び図4[B]に示す差△I2)を小さくすることができる。その結果、フリッカの抑制に効果を奏することができる。
[記録材のサイズに応じた電力供給制御テーブルの適用]
以上、A5サイズの記録材P(A5用紙ともいう)に画像形成する場合を例に、商用交流電源101から画像形成装置400に供給される交流電流に対するフリッカ抑制について説明してきた。ここでは、B5サイズの記録材P(B5用紙ともいう)、A4サイズの記録材P(A4用紙ともいう)や、LTR(レター)用紙に対する、発熱体の電力供給制御について説明する。
表3は、画像形成を行う記録材Pの種類(画像形成する対象の用紙)と、使用される発熱体と、使用する発熱体に適用される電力供給制御テーブルとの対応づけを示した表である。表3を用いて、LTR用紙、A4用紙、B5用紙、A5用紙に画像形成を行う場合に用いる電力供給制御テーブルについて説明する。
Figure 2022176686000004
A5用紙に画像形成を行う場合には、上述したように、発熱体203に対しては、表1の電力供給制御テーブルに基づいて電力供給制御を行い、発熱体205に対しては表2の電力供給制御テーブルに基づいて電力供給制御を行う。なお、A5用紙に画像形成を行う場合には、発熱体204は使用しないため、電力供給は行われない。
一方、B5用紙に画像形成を行う場合には、発熱体203に対しては、表1の電力供給制御テーブルに基づいて電力供給制御を行い、発熱体204に対しては、表2の電力供給制御テーブルに基づいて電力供給制御を行う。なお、B5用紙に画像形成を行う場合には、発熱体205は使用しないため、電力供給は行われない。
また、A4用紙及びLTR用紙に画像形成を行う場合には、発熱体203に対して表2の電力供給制御テーブルに基づいて電力供給制御を行い、発熱体204、205に対しては電力供給を行わない。A4用紙及びLTR用紙に画像形成を行う場合には、発熱体203のみに電力供給を行うため、発熱体への電力供給経路を切り替える際に生じる、電流ピーク値の差(図4[A]に示す差△I1及び図4[B]に示す差△I2)によるフリッカは発生しない。そのため、A4用紙及びLTR用紙に画像形成を行う場合には、発熱体203に流れる交流電流に対してのみ、フリッカをケアすればよい。表1の区分2の電力供給制御テーブルは、発熱体203に供給される交流電流の電流波形のピークと、コンデンサインプット電流の電流波形のピークのタイミングとが重なる場合と重ならない場合とが存在し、不必要な電流変化を生じる。そのため、発熱体203に流れる電流に対してのみフリッカをケアする面から見ると、不必要な電流変化を生じるため、望ましくない。そのため、A4用紙及びLTR用紙に画像形成する場合には、発熱体203に対して、表1よりも、表2の電力供給制御テーブルに基づいて電力供給制御を行う方が最適である。
このように、本実施例では、発熱体203と他の発熱体(発熱体204又は発熱体205)に電力供給経路を切り替える場合と、発熱体203のみに電力供給を行う場合とで、参照する発熱体203の電力供給制御テーブルを使い分けている。これにより、どちらの場合でも、フリッカ抑制の観点から最適な制御を行うことができる。
以上説明したように、本実施例によれば、電力供給する発熱体を切り替えることで発生するフリッカを抑制することができる。
実施例1では、商用交流電源からコンデンサインプット電流が供給される電源装置を用いた実施例について説明した。実施例2では、PFC(Power Factor Correction)回路を有する電源装置を用いた実施例について説明する。なお、画像形成装置の構成は、実施例1と同様であり、同じ装置には同じ符号を用いることで説明を省略する。
[加熱装置の構成]
図5は、図1の画像形成装置400が備える本実施例の加熱装置100、及び電源装置300の回路構成を示す回路図である。図5に示す加熱装置100の回路構成は、実施例1の図2に示す回路構成と同一であり、説明を省略する。一方、電源装置300は、実施例1の図2に示す電源装置150と比べて、ダイオードブリッジ151と1次平滑コンデンサ152との間に、PFC回路(力率改善回路)301を有している点が異なるが、その他の回路構成は電源装置150と同様である。PFC回路301は、インダクタ302、FET303、ダイオード304、FET303を制御する制御回路305を有している。PFC回路301の回路動作は本実施例の特徴ではないため、PFC回路301の動作詳細についての説明は省略する。
図6[A]は、商用交流電源101から画像形成装置400に入力される交流電圧の電圧波形(図6[A](i))と、電源装置300に商用交流電源101から供給される交流電流の電流波形(図6[A](ii))を示して図である。図6[A](i)の縦軸は電圧を示し、図6[A](ii)の縦軸は電流値を示す。また、図6[A]の横軸は時間を示す。電源装置300にはPFC回路301が搭載されているため、商用交流電源101から電源装置300に対して供給される電流の電流波形は、図6[A](ii)に示すような正弦波状の波形になる。PFC回路301以外の電源装置300の回路構成は、実施例1の図2に示す電源装置150と同様であるため、説明を省略する。
[発熱体への電力供給制御]
次に、A5サイズの記録材Pを例に、記録材Pの画像形成を行う場合の本実施例の加熱装置100の動作について説明する。実施例1で説明したように、A5サイズの記録材Pに対して画像形成を行う場合、加熱装置100内の発熱体203、205に商用交流電源101から電力供給が行われる。各発熱体への電力供給は、表4に示す電力供給制御テーブルに基づいて制御される。
表4は、第1の閉回路を介して発熱体203へ電力供給を行う場合、及び第2の閉回路を介して発熱体205へ電力供給を行う場合に参照する電力供給制御テーブルを示している。表4に示す電力供給制御テーブルに基づく発熱体203、205への電力供給制御は、表4の上部に示すように、実施例1と同様に、商用交流電源101の交流電圧波形の8半波(4周期)を1制御周期(1制御サイクル)として行われる。一方、表4の下部に示す数値は、1制御周期における平均目標投入電力デューティに対する、各半波の期間における発熱体203、205に供給される電力デューティ(表4では電力Dutyと記載)を示している。なお、導通開始位相角の詳細な説明は後述する。本実施例でも、実施例1と同様に、電力供給制御は、商用交流電源101から発熱体203、205へ供給可能な電力の電力デューティを、2.50%刻みの40段階に分割して行われる。実施例1では、発熱体203、発熱体205に対する電力供給制御において、それぞれ異なる電力供給制御テーブルを参照していた。本実施例では、発熱体203への電力供給制御についても、発熱体204及び発熱体205への電力供給制御についても、表4の電力供給制御テーブルを共通して用いる。
Figure 2022176686000005
[商用交流電源から画像形成装置に入力される電流の波形]
図6[B]は、A5サイズの記録材Pに画像形成する場合に、商用交流電源101から画像形成装置400に供給される交流電流の電流波形を示した図である。詳細には、期間Vにおいて、発熱体203に電力供給が行われたときの交流電流の電流波形と、期間Vに続く期間Wにおいて発熱体205に電力供給が行われたときの交流電流の電流波形を示した図である。期間Vは、第1の閉回路を介して発熱体203に電力供給を行っている8半波の1制御期間であり、期間Wは、第2の閉回路を介して発熱体205に電力供給を行っている8半波の1制御期間である。
図6[B](b)は、商用交流電源101から発熱体203に対して、平均目標投入電力デューティ42.50%の電力供給が行われているときの交流電流の電流波形を示している。平均目標投入電力デューティが42.50%の場合、商用交流電源101から発熱体203に供給される交流電流の電流波形は、表4の電力供給制御テーブルに基づいて、1制御サイクル全体を通して常に電力デューティ42.50%で位相制御された波形となる。
図6[B](c)は、商用交流電源101から発熱体205に対して、平均目標投入電力デューティ100.00%の電力供給が行われているときの交流電流の電流波形を示している。平均目標投入電力デューティが100.00%の場合、商用交流電源101から発熱体205に供給される交流電流の電流波形は、表4の電力供給制御テーブルにより、1制御サイクル全体を通し、常に電力デューティ100.00%で位相制御された波形となる。
図6[B](d)は、商用交流電源101から電源装置300に供給される交流電流の電流波形を示している。電源装置300にはPFC回路301が搭載されているため、商用交流電源101から電源装置300対して供給される交流電流の電流波形は、正弦波状となる(図6[A])。
図6[B](a)は、図6[B](b)、図6[B](c)、図6[B](d)に示す3つの交流電流を合成した、画像形成装置400に供給される電流の電流波形を示している。期間V(商用交流電源101から発熱体203に電力供給が行われている期間)では、発熱体203に供給される交流電流と電源装置300に供給される交流電流の両方が商用交流電源101から供給される。そのため、期間Vにおける電流波形は、これら2つの交流電流が合成された電流波形となる。一方、期間W(商用交流電源101から発熱体205に電力供給が行われている期間)においては、発熱体205に供給される交流電流と電源装置300に供給される交流電流の両方が商用交流電源101から供給される。そのため、期間Wにおける電流波形は、これら2つの交流電流が合成された電流波形となる。
ここで、図6[B](d)に示す電源装置300に供給される正弦波状の交流電流は、実施例1の図4[A](d)に示すコンデンサインプット電流とは異なり、商用交流電源101から電源装置300に電力供給されている間は、常に流れている。したがって、実施例1のように、各発熱体に流れる交流電流の電流波形のピークと電源装置300に供給される交流電流の正弦波状の電流波形のピークとを重ねないことによって、フリッカを抑制するという手段は採れない。そこで、本実施例では、各発熱体(発熱体203及び発熱体205)に流れる交流電流自体の電流ピーク値を制御してフリッカ抑制を図ることとする。本実施例では、電源装置300に供給される正弦波状の交流電流のピーク値のタイミング(概ね90degと270degの位相角タイミング)と、各発熱体に供給される交流電流の電流波形との関係を考慮することで、フリッカ抑制の相乗効果を発揮させる。
本実施例におけるフリッカ抑制の方法について、具体的に説明する。期間Vにおける交流電流のピーク値と期間Wにおける交流電流のピーク値との差を小さくするために、次のようにすることが望ましい。すなわち、図6[B]の期間Vにおいて、商用交流電源101から発熱体203に供給される交流電流は、電流ピーク値が最も大きい(高い)位相角である90degと270degを避けることにより、電流ピーク値を極力小さく(低く)することが望ましい。位相角を90degより大きく、270degより大きくすることにより、期間Vにおける交流電流のピーク値を極力小さく(低く)することができる。
一方、図6[B]の期間Wにおいては、商用交流電源101から発熱体205に供給される交流電流は、電流ピーク値が最も大きい(高い)位相角である90degと270degを含むことで、電流ピーク値を極力大きく(高く)することが望ましい。すなわち、位相角を0deg以上で90deg以下、180deg以上で270deg以下とすることで、期間Wにおける交流電流のピーク値を極力大きく(高く)することができる。なお、各発熱体203、205に流れる交流電流の電流値がピークとなる位相角90degと270degにおいては、電源装置300に供給される正弦波状の交流電流の電流値もほぼピークとなる。したがって、位相角90degと270degを避けて発熱体203に電力供給を行い、位相角90degと270degを含んで発熱体205に電力供給を行うことは、次のような効果を奏することができる。すなわち、各発熱体203、205の電流ピーク値の差以上に、期間Vと期間Wにおける合成電流のピーク値の差を小さくすることができるという効果を奏する。
図6[B]において、発熱体203に流れる交流電流のピーク値をI203p(図6[B](b))、発熱体203に流れる交流電流のピーク値をI205p(図6[B](c))と定義する。また、図6[B](a)に示す合成電流における期間Vの電流ピーク値と期間Wの電流ピーク値の差を△I4と定義する。すると、ピーク値I203p、ピーク値I205p、差△I4の大小関係は、(ピーク値I203p-ピーク値I205p)>差△I4という関係になる。ところで、ピーク値I203pが観測されるタイミングは、位相角90degと270degを含んでいない。そのため、ピーク値I203pが観測されるタイミングでの、電源装置300に供給される交流電流(正弦波電流)の瞬時電流値Is203は、正弦波電流のピーク電流値Ispよりも小さい(瞬時電流値Is203<ピーク電流値Isp)。また、ピーク値I205pが観測されるタイミングでの、電源装置300に供給される交流電流(正弦波電流)の瞬時電流値Is205は、正弦波電流のピーク電流値Ispと等しい(瞬時電流値Is205=ピーク電流値Isp)。その結果、瞬時電流値Is203と瞬時電流値Is205との大小関係は、瞬時電流値Is203<瞬時電流値Is205という関係になる。
[電力供給制御テーブルを用いた発熱体への電力供給制御]
上述したように、発熱体203に電力供給する際は、位相角90degと位相角270degを避ける電力供給制御を行うために、発熱体203への電力供給制御は、表4の区分4に表される平均目標投入電力デューティを主として用いる。表4において、区分4の平均目標投入電力デューティ(Duty)(単位:%)は、0.00%~47.50%の範囲となっている。平均目標投入電力デューティが0.00%のときの導通開始位相角(単位:deg)は、正の半波の場合は180degであり、負の半波の場合には360degとなる。なお、区分4には、平均目標投入電力デューティが50.00%を含まれないので、位相角90degと位相角270degは含まれず、導通開始位相角は、90deg、又は270degよりも大きくなる。なお、導通終了位相角(単位:deg)は、正の半波の場合は略180deg(180deg以下)であり、負の半波の場合には略360deg(360deg以下)となる。
一方、発熱体205に電力供給する際は、位相角90degと位相角270degを含む電力供給制御を行うために、発熱体205への電力供給制御は、表4の区分5に表される平均目標投入電力デューティを主として用いる。表4において、区分5の平均目標投入電力デューティ(Duty)(単位:%)は、50.00%~100.00%の範囲となっている。平均目標投入電力デューティが50.00%のときの導通開始位相角度(単位:deg)は、正の半波の場合は90degであり、負の半波の場合には270degとなる。そのため、導通開始位相角度は、90deg以下、又は270deg以下となる。また、平均目標投入電力デューティが100.00%のときの導通開始位相角度(単位:deg)は、正の半波の場合は0degであり、負の半波の場合には180degとなる。なお、導通終了位相角(単位:deg)は、正の半波の場合は略180degであり、負の半波の場合には略360degとなる。
発熱体203への電力供給制御では表4の区分4を用いて、発熱体205への電力供給制御では表4の区分5を主に用いるための手段として、最も単純で確実な方法は、電力供給する発熱体毎に平均目標投入電力デューティの値に制限を設けることである。
具体的には、前述したヒータ201の目標温度に対するPID制御によって算出される発熱体203への平均目標投入電力デューティが、表4の区分4の範囲内であるか否かを判断する。そして、算出された発熱体203への平均目標投入電力デューティが、表4の区分4の範囲外であった場合には、位相角90deg、270degを含まないように、選択する平均目標投入電力デューティを区分4の上限値である47.50%に設定する。発熱体205への電力供給制御についても同様に、選択する平均目標投入電力デューティを次のように設定する。すなわち、算出された発熱体205への平均目標投入電力デューティが表4の区分5の範囲外の場合には、位相角90deg、270degを含むように、選択する平均目標投入電力デューティを、表4の区分5の下限値である50.00%に設定する。ただし、画像形成装置400の起動時に冷えているヒータ201を急速に温めるときには、実施例1と同様に、発熱体203のみに電力供給を行い、その際には表4の区分5に含まれる電力デューティの範囲を用いて、発熱体203への電力供給制御を行う。
このように、画像形成装置400の起動時(冷えたヒータ201を急速に温めるとき)には、発熱体の切替を行わないことでフリッカを抑制することができる。一方、定常時の、ヒータ201が十分に温まり、連続して記録材Pに画像形成を行っているときには、電力供給する発熱体を、発熱体203と他の発熱体(発熱体204又は発熱体205)に切り替える場合には、表4に示す区分制限を設ける。これにより、フリッカを抑制することができる。
[記録材のサイズに応じた電力供給制御テーブルの適用]
以上、A5サイズの記録材P(A5用紙)に画像形成する場合を例に、商用交流電源101から画像形成装置400に供給される交流電流に対するフリッカ抑制について説明してきた。ここでは、B5サイズの記録材P(B5用紙ともいう)、A4サイズの記録材P(A4用紙ともいう)や、LTR(レター)用紙に対する、発熱体の電力供給制御について説明する。
表5は、画像形成を行う記録材Pの種類(画像形成する対象の用紙)と、使用される発熱体と、使用する発熱体に適用される電力供給制御テーブルとの対応づけを示した表である。表5を用いて、LTR用紙、A4用紙、B5用紙、A5用紙に画像形成を行う場合に用いる電力供給制御テーブルについて説明する。
Figure 2022176686000006
A5用紙に画像形成を行う場合には、上述したように、発熱体203に対しても、発熱体205に対しても、表4の電力供給制御テーブルを参照して電力供給制御を行う。なお、A5用紙に画像形成を行う場合には、発熱体204は使用しないため、電力供給は行われない。
B5用紙に画像形成を行う場合は、前述したように、発熱体203に対しても、発熱体204に対しても、表4の電力供給制御テーブルを参照して電力供給制御を行う。なお、B5用紙に画像形成を行う場合には、発熱体205は使用しないため、電力供給は行われない。A5用紙、B5用紙に画像形成を行う場合は、電力供給する発熱体の切替を頻繁に行うため、上述した、各発熱体への平均目標投入電力デューティの区分制限を行うことにより、フリッカ抑制を図る。
また、A4用紙及びLTR用紙に画像形成を行う場合には、表4の電力供給制御テーブルを用いて、発熱体203に対してのみ電力供給を行う。A4用紙及びLTR用紙に画像形成を行う場合は、発熱体203のみに電力供給を行うため、発熱体への電力供給経路を切り替える際に生じる、電流ピーク値の差によるフリッカは発生しない。そのため、A4用紙及びLTR用紙に画像形成を行う場合には、表4の電力供給制御テーブルを区分制限せずに用いることができる。
このように、発熱体203と他の発熱体(発熱体204又は発熱体205)に電力供給する発熱体を切り替える場合と、発熱体203のみに電力供給する場合とで、表4に示す区分制限を使い分けることにより、フリッカ抑制に最適な制御を行うことができる。
なお、本実施例における本発明の特徴は、発熱体203に電力供給する際は、位相角90degと270degを避け(含まず)、発熱体205に電力供給する際は位相角90degと270degを含むことである。また、これを実現する方法は、本実施例で説明した表4に示す区分制限の方法に限定されるわけではない。例えば発熱体203への電力供給時のPID制御ゲインと、発熱体205への電力供給時のPID制御ゲインを変更するなど、区分制限以外の方法も考えられる。
以上説明したように、本実施例によれば、電力供給する発熱体を切り替えることで発生するフリッカを抑制することができる。
実施例3では、抵抗値の小さい発熱体に電力供給される期間での制御周期毎の最大電流値の平均値が、抵抗値の大きい発熱体に電力供給される期間での最大電流値を上回らないように、電力供給を制御することで、フリッカ抑制を行う実施例について説明する。なお、画像形成装置の構成は、実施例1と同様であり、同じ装置には同じ符号を用いることで説明を省略する。
[画像形成装置の制御ブロック図]
図7は、図1に示す画像形成装置400の定着動作に関する、本実施例の制御部の構成を示すブロック図であり、図7を参照しながら画像形成装置400の定着動作について説明する。ホストコンピュータであるPC410は、画像形成装置400の内部にあるビデオコントローラ81に対して、印刷画像の画像データや印刷情報を含んだ印刷指令を送信する。
ビデオコントローラ81は、PC410から画像データを含む印刷指令を受信すると、印刷指令をエンジンコントローラ82に送信する。エンジンコントローラ82には、CPU83、メモリ84等が搭載されており、CPU83は、予めメモリ84に格納されたプログラムに従って、定着動作を含む、画像形成動作を制御する。また、CPU83は、時間を測定するタイマを有している。
定着制御装置56は、電力供給制御部であるトライアック57、電力を供給する発熱体を選択する切替部としての発熱体切替器58(図11参照)等から構成される。定着制御装置56は、定着装置50において電力供給する発熱体を選択し、供給する電力量を決定する。また、駆動装置85はメインモータ86、定着モータ87等から構成される。また、センサ88は定着装置50の温度を検知する温度検知手段である定着温度センサ59、記録材Pの幅を検知する紙幅センサ89等からなり、センサ88の検知結果はCPU83に送信される。CPU83は、取得したセンサ88の検知結果に基づいて、定着制御装置56、駆動装置85を制御することで、転写されたトナー像の記録材Pへの定着を行う。なお、本発明が適用される画像形成装置400は、図1で説明した構成の画像形成装置に限定されるものではなく、異なる幅の記録材Pを印刷することが可能で、後述するヒータ54を有する定着装置50を備える画像形成装置であればよい。
[定着装置の構成]
次に、発熱体により用紙P上のトナー像を加熱する加熱装置(ヒータ)を制御する定着装置50の構成について図8を用いて説明する。ここで「長手方向」とは、後述する用紙Pの搬送方向と略直交する加圧ローラ53の回転軸方向のことである。また、用紙Pの搬送方向に略直交する方向(長手方向)の記録材Pの長さを用紙幅という。
図8は、本実施例の定着装置50の構成を説明する断面模式図である。定着装置50では、図中左側から未定着のトナー像Tを担持した記録材Pは、定着フィルム51(以下、フィルム51という)と加圧ローラ53とが当接して構成される定着ニップ部Nに向かって、図中矢印方向に搬送される。定着ニップ部Nでは、定着フィルム51は加圧ローラ53とヒータ54により挟持される。そして、記録材Pは、定着ニップ部Nにおいて図中左側から右方向に搬送されながら加熱されることにより、トナー像Tが記録材Pに定着される。定着装置50は、円筒状のフィルム51、フィルム51を保持するニップ形成部材52、フィルム51と共に定着ニップ部Nを形成する加圧ローラ53、及び記録材Pを加熱する加熱装置であるヒータ54(ヒータ部)により構成されている。
フィルム51は加熱回転体としての定着フィルムである。フィルム51は、基層として、例えばポリイミドを用いており、基層の上にシリコーンゴムからなる弾性層、PFAからなる離型層が形成されている。フィルム51が回転することにより、ニップ形成部材52及びヒータ54とフィルム51との間に生じる摩擦力を低減するために、フィルム51の内面にはグリスが塗布されている。
ニップ形成部材52は、フィルム51を内側からガイドすると共に、フィルム51と加圧ローラ53との間で定着ニップ部Nを形成させる。ニップ形成部材52は剛性・耐熱性・断熱性を有する部材であり、液晶ポリマー等により形成されている。フィルム51は、ニップ形成部材52に対して外嵌されている。加圧ローラ53は、加圧回転体としてのローラであり、芯金53a、弾性層53b、離型層53cから構成されている。加圧ローラ53は、長手方向の両端部を回転可能に保持されており、定着モータ87(図7)によって回転駆動され、加圧ローラ53が回転することにより、フィルム51は従動回転する。加熱部材であるヒータ54は定着フィルム51の内部空間に配置されて、ニップ形成部材52に保持され、フィルム51の内面と接している。ヒータ54の詳細については後述する。
[ヒータの概要]
次に、加熱部であるヒータ54について説明する。図9は、発熱体が配置されたヒータ54を、図8に示す加圧ローラ53側から見たときのヒータ54の構成を示す模式図である。図9において、基準線aは、発熱体54b1a、54b1b、54b2、54b3の長手方向の中心線であり、定着装置50の定着ニップ部Nに搬送される用紙Pの長手方向(用紙幅方向)の中心線でもある。図9に示すように、ヒータ54は、基板54a、発熱体54b1a、54b1b、54b2、54b3、導体54c、接点54d1~54d4、保護ガラス層54eを有している。導体54cは、図中、黒く塗られた部分である。本実施例の基板54aには、セラミックであるアルミナ(Al)が用いられている。セラミック基板としては、アルミナ(Al)、窒化アルミ(AlN)、ジルコニア(ZrO)、炭化ケイ素(SiC)などが広く知られており、中でもアルミナ(Al)は、価格が安く、入手が容易である。また、基板54aには強度面に優れる金属を用いてもよい。金属基板を用いる場合には、ステンレス(SUS)が価格的にも強度的にも優れており、好適に用いられる。また、セラミック基板、金属基板のいずれにおいても、導電性を有する場合は絶縁層を設けて使用すればよい。基板54a上には、発熱体54b1a、54b1b、54b2、54b3、導体54c、接点54d1~54d4が配置され、その上に各発熱体とフィルム51との絶縁を確保するために、保護ガラス層54eがコーティングされている。
各発熱体は、長手方向の長さ(図9中の左右方向の長さ)が異なっており、発熱体54b1a、54b1bの長手方向の長さL1は222mm、発熱体54b2の長手方向の長さL2は188mm、発熱体54b3の長手方向の長さL3は154mmである。長手方向の長さL1、L2、L3の大小関係は、長さL1>長さL2>長さL3となっている。例えば、使用する用紙PがA4サイズの場合には、発熱体54b1a、54b1bが使用され、使用する用紙PがB5サイズの場合には、発熱体54b2が主に使用され、使用する用紙PがA5サイズの場合には、発熱体54b3が主に使用される。また、各発熱体は、短手方向(図9中の上下方向)に発熱体54b1a、54b2、54b3、54b1bの順に配置されている。
図9に示すように、発熱体54b1a、54b1bは、導体54cを介して、それぞれ一端を接点54d2(第1の接点)に、他端を接点54d4(第4の接点)に電気的に接続されている。また、発熱体54b2は、導体54cを介して、一端を接点54d2に、他端を接点54d3(第3の接点)に電気的に接続されている。同様に、発熱体54b3は、導体54cを介して、一端を接点54d1(第2の接点)に、他端を接点54d3に電気的に接続されている。なお、図9に示すように、発熱体54b1aと発熱体54b1bの長手方向の長さは略同じ長さL1であり、この2つの発熱体54b1a、54b1bは、常に同時に使用される。以下では、一対の発熱体54b1a、54b1bを合わせて発熱体54b1(第1の発熱体)と呼ぶ。また、発熱体の抵抗値は、発熱体54b1が10Ω(発熱体54b1aと54b1bの合成抵抗値)、発熱体54b2(第3の発熱体)が24Ω、発熱体54b3(第2の発熱体)が24Ωである。
図9において、破線で囲まれているのは、定着温度センサ59である。破線は、定着温度センサ59が、基板54aの裏面(発熱体54b1、54b2、54b3が配置されている面の反対側)に配置されていることを表すと共に、定着温度センサ59が基板54aに当接する位置を示している。定着温度センサ59の温度を検知するサーミスタ59aは、発熱体54b1、54b2、54b3の長手方向の中心線上で、かつ、定着装置50に搬送される用紙Pの中心線である基準線a上に配置されている。
[ヒータの構成]
図10は、図9に示すヒータ54を、定着装置50に搬送される記録材Pの長手方向の中心線(図9の基準線a)で切断したときのヒータ54の断面を示す模式図である。ヒータ54の温度を検知する温度検知手段である定着温度センサ59は、次の部材から構成されている。すなわち、定着温度センサ59は、サーミスタ59a、ホルダ59b、ホルダ59bとサーミスタ59aとの間の熱伝導を遮断するセラミックペーパー59c、サーミスタ59aを物理的、電気的に保護する絶縁樹脂シート59dで構成されている。サーミスタ59aは、ヒータ54の温度に応じて抵抗値が変化し、出力である電圧が変化する温度検知素子であり、ジュメット線(不図示)と配線によりCPU83と接続されており、ヒータ54の温度に応じた電圧をCPU83に出力する。CPU83は、定着温度センサ59(サーミスタ59a)の温度検知結果に基づいて、ヒータ54の温度制御を行う。定着温度センサ59は、保護ガラス層54eにより覆われた発熱体54b1、54b2、54b3が配置された基板54aの面とは反対側の面に配置され、基板54aと接している。
[電力制御回路]
図11は、定着装置50と定着制御装置56の構成を示す模式図である。本実施例の定着装置50は、記録材Pのサイズに応じて、電力供給を行う発熱体を切り替えることで、ヒータ54の長手方向における所望の温度分布を形成する。
定着装置50の定着制御装置56は、電力供給路の接続又は切断を行う切替手段であるトライアック57a、57b、発熱体切替器58、トライアック状態検知部55、及びすべての発熱体への電力供給を遮断するリレー70を有している。トライアック57a、57bは、商用交流電源101から各発熱体54b1、54b2、54b3への電力供給路の接続又は切断を行う。発熱体切替器58は、本実施例ではC接点リレーにより構成されている(以下、リレー58という)。また、トライアック状態検知部55は、トライアック57a、57bのオン状態・オフ状態の監視を行う。
トライアック57a(第1のスイッチ)は、商用交流電源101とヒータ54の接点54d4との間の電力供給路の接続(オン状態)、又は切断(オフ状態)を行う。一方、トライアック57b(第2のスイッチ)は、商用交流電源101とリレー58を介してヒータ54の接点54d3との間、又は商用交流電源101とヒータ54の接点54d1との間の電力供給路の接続(オン状態)、又は切断(オフ状態)を行う。リレー58(第1のリレー)は、ヒータ54の接点54d3をトライアック57b、又はリレー70を介して、商用交流電源101に接続するように切替可能である。
例えば、商用交流電源101から発熱体54b1に電力を供給する場合には、トライアック57aをオンして商用交流電源101とヒータ54の接点54d4とを接続し、トライアック57bをオフする。これにより、発熱体54b1(54b1a、54b1b)がヒータ54の接点54d2、54d4を介して、商用交流電源101と接続される。また、商用交流電源101から発熱体54b2に電力を供給する場合は、トライアック57bをオンして商用交流電源101とリレー58を接続し、リレー58を制御してヒータ54の接点54d3をトライアック57bと接続し、トライアック57aをオフする。これにより、発熱体54b2の一端がヒータ54の接点54d3、リレー58、トライアック57bを介して商用交流電源101と接続され、発熱体54b2の他端がヒータ54の接点54d2を介して、商用交流電源101と接続される。
また、商用交流電源101から発熱体54b3に電力を供給する場合には、トライアック57bをオンし、リレー58を制御してヒータ54の接点54d3を商用交流電源101と接続して、トライアック57aをオフする。これにより、発熱体54b3の一端がヒータ54の接点54d3、リレー58を介して商用交流電源101と接続され、発熱体54b3の他端がヒータ54の接点54d1、トライアック57bを介して、商用交流電源101と接続される。なお、トライアック57a、57bのオン・オフ動作は、CPU83からの指令(制御信号)によって行われる。
トライアック状態検知部55は、トライアック57a、57bのオン状態、オフ状態を検知する。例えばCPU83の予期せぬ故障等によって、トライアック57a、57bが同時にオン状態になった場合は、トライアック状態検知部55はリレー70をオフ状態に設定し、商用交流電源101から定着装置50(ヒータ54)への電力供給を強制的に遮断する。これにより、トライアック57a、57bは、どちらか一方のみがオン状態となる、両方ともオフ状態となる状態が保証され、定着装置50の故障を防止することができる。
このように、トライアック57a、57b、トライアック状態検知部55、リレー58は、3つの発熱体54b1、54b2、54b3のうちの1つの発熱体に、商用交流電源101から電力供給するように電力供給路の接続を切り替える切替部として動作する。本実施例では、このような構成の切替部を用いたが、いずれか一つの発熱体にのみ電力供給が可能となればよく、電力供給路を制御する構成は上述した構成に限定されない。
ここで、発熱体54b3より長手方向の幅が短い記録材Pを小サイズ紙といい、発熱体54b2より長手方向の幅が長い記録材Pを大サイズ紙という。大サイズ紙に印刷が行われる場合には、定着処理には発熱体54b1のみが使用される。一方、小サイズ紙に印刷が行われる場合には、フィルム51の変形の観点から、印刷枚数に応じて、発熱体54b1と発熱体54b3とが交互に切り替えられて使用される。本実施例では、連続印刷中の発熱体54bの切替動作は、例えば小サイズ紙の連続印刷の場合に行われる。
[発熱体の電力供給制御方法]
本実施例における発熱体への電力供給制御方法について説明する。本実施例では、発熱体54b1(第1の発熱体)へ一定期間、電力供給を行った後、発熱体54b1に比べ長手方向の端部の発熱量が小さい発熱体54b3(第2の発熱体)へ電力供給可能な状態に切り替える。このときの発熱体54b1への電力供給期間を第1供給期間とする。第1供給期間が終わると同時に、発熱体54b3への電力供給が開始される。発熱体54b3への電力供給量が発熱体54b1への電力供給量の所定の倍数になるまで、発熱体54b3への電力供給が行われる。このときの発熱体54b3への電力供給期間を第2供給期間とする。発熱体54b3への電力供給量が発熱体54b1への電力供給量の所定の倍数に達すると、再び発熱体54b1へ電力供給可能な状態に切り替えて、発熱体54b1へ電力供給が行われる。
本実施例では、発熱体54bの温度を目標温度に近づけるために、温度検知手段であるサーミスタ59aの検知結果を目標温度に近づけるように、電力供給制御を行う。発熱体54bへの電力供給制御として、発熱体54bの目標温度とサーミスタ59aによる検知温度との差分に応じて、発熱体54bに供給する電力を一定期間ごとに算出する。具体的には、CPU83が、サーミスタ59aが検知したヒータ54の温度情報に基づいて、ヒータ54の温度を記録材Pへの画像形成に適した目標温度に到達させるために必要な電力量を算出する。電力量の算出は、一定期間毎に行われる。また、本実施例では、交流電源の位相制御により発熱体54bへの電力供給を行う。本実施例では、電力量の算出にはPI制御を用いており、PI制御の電力量算出の単位周期は2半波(商用交流電源101の電源周波数の1周期分)である。これは、商用交流電源101の電源周波数が50Hzの場合、20msec(ミリ秒)毎にPI制御の電力量算出制御が行われることを意味する。
PI制御では、単位周期毎に、サーミスタ59aにより検知された温度と目標温度値をCPU83が比較し、2つの温度の差分に基づいて電力供給制御を行う。CPU83は、2つの温度の温度差の大きさに応じて、比例項と積分項を決定する。比例項は温度差分の大きさに比例した出力値であり、積分項は温度差分の積算値に応じた出力値である。CPU83は比例項の値と積分項の値に基づいて、発熱体へ供給する電力値を決定する。本実施例では、発熱体毎に比例項と積分項を設定し、選択された発熱体の比例項の値と積分項の値を用いて、PI制御の電力量の計算を行う。
具体的に、本実施例のPI制御について説明する。nをPI制御を行うタイミング(周期)番号、タイミング番号に対応する比例項をP(単位:%)、積分項をI(単位:%)とする。PI制御により発熱体に投入される電力デューティD(単位:%)は、次の(式1)~(式3)で表される。
=P+I(100%≧P+I≧0%のとき)・・・(式1)
=100 (P+I>100%のとき)・・・(式2)
=0 (0%>P+Iのとき)・・・(式3)
ここで、電力デューティDは、商用交流電源101の交流電圧波形に対して、どれだけの電力供給を行うかで決定される電力量の投入割合を表したものである。電力デューティDは、位相制御により決定される電力供給パターンに応じて、0%~100%の値を取りうる。位相制御による発熱体への電力供給パターンは、記憶部であるメモリ84に予め記憶されている。CPU83は、電力デューティDに応じて、メモリ84から該当する電力供給パターンを選択し、選択した電力供給パターンに応じて発熱体への電力供給を行う。
記録材Pへの印刷が開始されると、まず、積分制御によって操作される積分項Iの出力値の初期値Iが決定される。表6は、発熱体54b1、54b3の積分項Iの初期値I(単位:%)を示した表である。表6に示すように、発熱体54b1の初期値Iは32.5%であり、発熱体54b3の初期値Iは50%である。
Figure 2022176686000007
次に、電圧波形における2半波の周期毎に、サーミスタ59aによるヒータ54の温度検知が行われ、ヒータ54の目標温度とサーミスタ59aにより検知された温度との差分△T(=目標温度-サーミスタ59aの検知温度)が算出される。表7は、算出された差分△T(単位:℃)に対応する、発熱体54b1、54b3の比例項P(単位:%)の値を示した表である。表7では、差分△Tが-15℃から15℃までの差分△Tが1℃変化する毎の発熱体54b1、54b3の比例項Pの値が示されている。例えば、2つの温度差分△Tが-10℃の場合には、発熱体54b1の比例項Pは-27.5%となり、発熱体54b3の比例項Pは-42.5%となる。同様に、2つの温度差分△Tが5℃の場合には、発熱体54b1の比例項Pは15%となり、発熱体54b3の比例項Pは22.5%となる。
Figure 2022176686000008
また、CPU83は、2半波の周期で算出される温度の差分△Tを積算した積算値△Tをメモリ84に記憶させている。CPU83は、積分項Iを、次の(式4)を用いて算出する。
=In-1+△I・・・(式4)
例えば、積分項Iは、上述した積分項Iの初期値Iを用いて、I=I+△Iにより算出される。また、△Iの値は、差分△Tを積算した積算値△Tに応じて変化する。表8は、積算値△T(単位:℃)に応じた、発熱体54b1、54b3の△Iの値を示した表である。表8に示すように、積算値△Tの値が-400以上で400未満の場合には、発熱体54b1、54b3の△Iの値は0%となる。一方、積算値△Tの値が400以上の場合には、発熱体54b1の△Iの値は5%となり、発熱体54b3の△Iの値は10%となる。また、積算値△Tの値が-400未満の場合には、発熱体54b1の△Iの値は-5%となり、発熱体54b3の△Iの値は-10%となる。
Figure 2022176686000009
上述した処理により、各発熱体の比例項P、積分項Iの値が決定され、決定された比例項P、積分項Iの値により電力デューティDが決定され、決定された電力デューティDに応じた電力が該当の発熱体に供給される。本実施例では、上述した電力デューティDの決定は2半波周期で行われ、決定された電力デューティDに基づいた電力が、次の2半波の期間に供給される。また、電力デューティDに応じた電力は、上述した切替部によって選択された発熱体へ供給される。本実施例では、電力を供給する発熱体を切り替えるタイミングは、PI制御の更新タイミング、すなわち電力デューティDを更新するタイミングと一致させている。
[発熱体への電力供給制御]
本実施例では、抵抗値の小さい発熱体54b1の第1供給期間での制御周期毎の最大電流値の平均値が、抵抗値の大きい発熱体54b3の第2供給期間での最大電流値を上回らないように、発熱体54b1への電力供給を制御する。具体的な制御方法について、図12を用いて説明する。
図12では、上側にグラフが示され、下側にはグラフに対応した表が示されている。図12のグラフは、発熱体54b1、54b3に流れる電流量を模式的に表しており、横軸は時間、縦軸は電流値を示している。破線で示すグラフは、供給電力率(電力デューティともいう)が100%であった場合の電流値の動きを示しており、実線で示すグラフは、所望の供給電力量で制御された場合の電流値の動きを示している。また、図12のグラフの下の表は、グラフの横軸の時間に対応する、タイミングn、供給電力率(電力デューティ)、最大電流値、期間の名称、電力供給される選択された発熱体、比較する電流値の各項目を表している。小サイズ紙の連続印刷中は、図12に示すように、発熱体54b1と発熱体54b3を交互に切り替えながら、発熱体54b1、54b3を加熱する。発熱体の切替タイミングは、定着装置50の構成部材の温まり状態によって可変に制御することができる。
図12の発熱体54b3に電力供給される第2供給期間の最初の制御周期であるタイミング1(n=1)では、発熱体54b3へ供給電力率(Duty)は70%で電力供給されており、タイミング1における最大電流値は、7.1A(アンペア)である。これは、発熱体54b3の抵抗値が24Ω、商用交流電源101の実効電圧が120Vであることから算出することができる。本実施例では、供給電力率(電力デューティ)は、トライアック57a、57bのオン(ON)状態、オフ(OFF)状態によって制御される。トライアック57a、57bは、一度オン状態に設定されると、商用交流電源101から供給される交流電圧が0V(ゼロクロス)になるまで、オン状態が維持される。そのため、図12に示すような波形によって、発熱体への供給電力率が制御されることになる。すなわち、1半波の中で交流電圧がゼロクロスとなるまでの後半部分をオン状態に設定することで、供給電力率が制御される。
次の制御周期であるタイミング2(n=2)では、供給電力率(Duty)は40%であり、タイミング2における最大電流値は5.7Aであった。このように、発熱体54b3への電力供給を4単位周期分(n=1~4)行った後、電力供給先を発熱体54b1へ切り替える。ここで、発熱体54b3の第2供給期間における最大電流値は7.1Aである。本実施例では、次の発熱体54b1への第1供給期間における供給電力率(Duty)を決める際に、PI制御で導かれる供給電力率に対し、第1供給期間と第2供給期間との間で、大きな電流変動が起こらないように制限を設けている。すなわち、第1供給期間の最初の制御周期であるタイミング5(n=5)では、発熱体54b1へ供給電力率(Duty)が40%で電力供給しており、タイミング5における最大電流値は、7.2Aである。次の制御周期であるタイミング6(n=6)では、供給電力率(Duty)が30%で電力供給しており、タイミング6における最大電流値は、6.8Aである。第1供給期間内(n=5、6)で最大電流値の平均値を求めると、7.0Aとなり、直前の第2供給期間(n=1~4)における最大電流値7.1Aを下回っている。
[発熱体への電力供給制御の例]
次に、実際の記録材Pへの印刷時の発熱体への電力供給の制御について説明する。表9は、上述した図12に対応して、記録材Pへの印刷において、時間経過に応じて発熱体に供給される電力量がどのように決定されるかを説明した表である。
Figure 2022176686000010
表9は、上から順に、次の項目から構成されている。すなわち、表9は、タイミングn(図12のタイミングnに対応)、時間(単位:sec(秒))、目標温度(単位:℃)、サーミスタ検出値(単位:℃)、差分△T(単位:℃)、積算値△T(単位:℃)から構成されている。更に、表9は、電力供給される選択発熱体、発熱体54b1、54b3の電力計算結果(比例項P、積分項I、Duty(電力デューティ))、PI制御での電力Duty(デューティ)、実際の電力Duty(デューティ)、最大電流値から構成されている。
例えば、タイミングnが5のとき(時間は0.100secのとき)、サーミスタ59aによるヒータ54の検知温度を示すサーミスタ検出値は218℃であり、目標温度220℃との差分△Tは、2℃(=220℃-218℃)である。また、このときの差分△Tの積算値を示す△Tは399℃(=397℃+2℃)である。発熱体54b1の電力計算は、表7より差分△Tが2℃の場合の比例項Pは7.5%となり、積分項Iは表8より△Iは0%なので、(式4)よりI=I+△I=32.5%となる。その結果、電力デューティ(Duty)は、40%(=7.5%+32.5%)となる。同様に、発熱体54b3の電力計算は、表7より差分△Tが2℃の場合の比例項Pは10.0%となり、積分項Iは表8より△Iは0%なので、(式4)よりI=I(=I)+△I=50%となる。その結果、電力デューティ(Duty)は、60.0%(=10.0%+50%)となる。タイミングnが5のときの選択発熱体は54b1なので、ヒータ54に実際に供給される電力デューティは40%となり、このときの最大電流値は、7.2Aとなる。
次に、タイミングnが6のとき(時間は0.120secのとき)、サーミスタ59aによるヒータ54の検知温度を示すサーミスタ検出値は218℃であり、目標温度220℃との差分△Tは、2℃(=220℃-218℃)である。また、このときの差分△Tの積算値を示す△Tは401℃(=399℃+2℃)となる。ところが、上述した表8により、積算値△Tが400℃以上の場合には、△Iは0%ではなく、発熱体54b1の場合には5%、発熱体54b3の場合には10%となる。更に、積算値△Tは積算値が400℃を超えると一旦リセットされる。そのため、積算値△Tは1℃(=401℃-400℃)となっている。発熱体54b1の電力計算は、表7より差分△Tが2℃の場合の比例項Pは7.5%となり、積分項Iは表8より△Iは5%なので、(式4)よりI=I+△I=32.5%+5%=37.5%となる。その結果、電力デューティ(Duty)は、45%(=7.5%+37.5%)となる。同様に、発熱体54b3の電力計算は、表7より差分△Tが2℃の場合の比例項Pは10%となり、積分項Iは表3より△Iは10%なので、式4よりI=I+△I=50%+10%=60%となる。その結果、電力デューティ(Duty)は、70%(=10%+60%)となる。タイミングnが6のときの選択発熱体は54b1なので、ヒータ54に実際に供給される電力デューティは45%となる。タイミングnが6においては、電力投入を行う発熱体として、切替部によって発熱体54b1が選択されており、タイミングn=5とn=6の最大電流値の平均がタイミングn=1~4(第2供給期間)における最大電流値である7.1Aを超えることになる。そのため、発熱体54b3に実際に投入されるデューティを30%に制限する。これにより、タイミングn=5とn=6の最大電流値の平均は7.0A(=(7.2A+6.8A)/2)に抑えることができ、7.1Aより小さくすることができる。
[抵抗値の小さい発熱体へ供給する電力量の制御]
本実施例では、抵抗値の小さい発熱体54b1に電力供給される第1供給期間での制御周期毎の最大電流値の平均値が、抵抗値の大きい発熱体54b3の第2供給期間での最大電流値を上回らないように、発熱体54b1への電力供給が制御されている。図13は、抵抗値の小さい発熱体54b1へ供給する電力量を制御する制御シーケンスを示したフローチャートである。図13の処理は、記録材Pへの印刷を行う印刷ジョブが開始されると起動され、エンジンコントローラ82のCPU83によって実行される。
ステップ(以下、Sとする)100では、CPU83は、選択された発熱体への供給電力率(電力デューティ)のPI計算(PI制御による電力量の算出)を行う。S101では、CPU83は、次回は電力供給される発熱体を発熱体54b1から発熱体54b3に切り替えるタイミングかどうか判断する。CPU83は、次回は抵抗値の小さい発熱体54b1から抵抗値の大きい発熱体54b3に切り替えるタイミングであると判断した場合には処理をS102に進める。一方、CPU83は、次回は抵抗値の小さい発熱体54b1から抵抗値の大きい発熱体54b3に切り替えるタイミングではないと判断した場合には処理をS104に進める。
S102では、CPU83は、S100で算出したPI計算で電力供給したときの発熱体54b1の最大電流値の平均値は、発熱体54b3の最大電流値以下かどうか判断する。CPU83は、発熱体54b1の最大電流値の平均値は、発熱体54b3の最大電流値以下であると判断した場合には、処理をS104に進める。一方、CPU83は、発熱体54b1の最大電流値の平均値は、発熱体54b3の最大電流値以下ではない(発熱体54b1の最大電流値の平均値は、発熱体54b3の最大電流値より大きい)と判断した場合には、処理をS103に進める。
S103では、CPU83は、発熱体54b1の最大電流値の平均値が発熱体54b3の最大電流値以下になるように、発熱体54b1への供給電力を制限するため、発熱体54b1への電力デューティを低減した電力デューティ値に設定する。
S104では、CPU83は、選択された発熱体への供給電力量を決定する。S105では、CPU83は、S104で決定された供給電力量に応じて、定着制御装置56を制御して、選択された発熱体への電力供給を行う。S106では、CPU83は、印刷ジョブが終了したかどうか判断する。CPU83は、印刷ジョブが終了したと判断した場合には処理を終了し、印刷ジョブが終了していないと判断した場合には処理をS100に戻す。
なお、発熱体54b1への供給電力の制限値は、計算によって求めてもよいし、予め取り得る制限値を集めたテーブルをメモリ84に格納しておき、必要な場合に参照して制限値を決定する方法でもよい。ここでは、計算によって制限値を求める方法について、本実施例に沿って説明する。
第2供給期間において、抵抗値の大きい発熱体54b3に流れる最大電流値をI_maxとし、抵抗値の小さい発熱体54b1に供給可能な最大電流値をI_max_smallとする。また、図12に示す第1供給期間のタイミングn=5で、抵抗値の小さい発熱体54b1に流れる最大電流値をI_1、タイミングn=5でのデューティ(Duty)をDuty_1とする。更に、図12に示す第1供給期間のタイミングn=6で、抵抗値の小さい発熱体54b1に流れる最大電流値をI_2、タイミングn=6でのデューティ(Duty)をDuty_2とする。そして、発熱体54b1の抵抗値をR、商用交流電源101の実効電圧をVとする。
抵抗値の小さい発熱体54b1に供給される第1供給期間での制御周期ごとの最大電流値の平均値I_Avg_largeは、次の(式5)で表される。
I_Avg_large=(I_1+I_2)/2・・・(式5)
そして、本実施例での発熱体への電力供給制御は、次の(式6)を満たすように実行される。
I_max≧I_Avg_large=(I_1+I_2)/2・・・(式6)
ここで、商用交流電源101の電流波形を正弦波とすると、抵抗値の小さい発熱体54b1に供給されるDuty_1は、図14のように表される。図14において、実線とx軸で囲まれた領域の面積がDuty_1であり、一点鎖線とx軸で囲まれた範囲の領域は、実線とx軸で囲まれた範囲の領域の面積と等しくなるようにして描かれている。なお、図14の縦軸は電流値を示し、横軸は時間を示している。
図14において、Duty_1は、sin(x)を0(ゼロ)から所望の時間tまで積分した値に等しく、そのときの最大電流値I_1は、sin(t)×I_max_smallと表すことができる。そして、cos(t)=1-Duty_1、及びsin(t)+cos(t)=1の式を用いて、最大電流値I_1は、次の(式7)で表すことができる。
I_1=sin(t)×I_max_small
=(√(1-cos(t)))×I_max_small
=(√(1-(1-Duty_1))×I_max_small
=(√(Duty_1×(2-Duty_1)))×I_max_small
・・・(式7)
同様に、最大電流値I_2は、次の(式8)で表すことができる。
I_1=(√(Duty_2×(2-Duty_2)))×I_max_small
・・・(式8)
その結果、(式7)に示す最大電流値I_1と、(式8)に示す最大電流値I_2の平均値が、発熱体54b3に流れる最大電流値I_maxを超えないように、デューティDuty_1、Duty_2を決めればよい。これにより、抵抗値の小さい発熱体54b1に供給される第1供給期間での制御周期ごとの最大電流値の平均値が、抵抗値の大きい発熱体54b3の第2供給期間での最大電流値を上回らないように制御することができる。
このように、本実施例では、PI制御によって発熱体への電力供給の大きさを変更させながら、発熱体54b1に流れる最大電流値の平均値を制限している。発熱体に供給される電力の制御・制限は、具体的には、位相制御によって電力供給を制御する電力デューティの比率を変更することにより行われ、定着装置50の温度を調整している。
また、本実施例では2半波周期のPI制御を用いたが、PI制御の更新周期や制御方法はこれに限定されるものではない。また、本実施例では、位相制御による電力供給のオン/オフの比率を変更する方式を用いたが、電力制限方法はこれに限定されるものではない。例えば、電流制限回路を設けて商用交流電源101から供給される電流の振幅を制限することで、電力供給量を変更してもよい。
表10は、上述した本実施例の、発熱体54b1の電流値を抑制する制御を実施した場合と、実施しなかった場合における、発熱体54b3の最大電流値と発熱体54b1の最大電流値を示している。表10に示すように、発熱体54b1の電流値を抑制する制御を実施した場合には、発熱体54b3の最大電流値は7.1Aであり、発熱体54b1の最大電流値は7.2Aであった。一方、発熱体54b1の電流値を抑制する制御を実施しなかった場合には、発熱体54b3の最大電流値は7.1Aであり、発熱体54b1の最大電流値は12Aであった。このように、上述した本実施例の制御を用いた場合には、発熱体切替時の電流値変化が小さく、用いなかった場合には、発熱体切替時の電流値変化は大きくなっており、フリッカのレベルは、制御をしなかった場合に比べ良化していることがわかる。
Figure 2022176686000011
以上説明したように、本実施例によれば、電力供給する発熱体を切り替えることで発生するフリッカを抑制することができる。
101 商用交流電源
108 ヒータ制御回路
150 電源装置
201 ヒータ
203 発熱体
205 発熱体

Claims (19)

  1. 加熱回転体と、
    第1の発熱体と、抵抗値が前記第1の発熱体よりも大きい第2の発熱体と、を有し、前記加熱回転体の内部空間に配置され、前記加熱回転体を加熱するヒータと、
    前記加熱回転体とニップ部を形成する加圧回転体と、
    前記ヒータの温度を検知する検知手段と、
    交流電源から前記第1の発熱体又は前記第2の発熱体への電力供給路を切り替える切替手段と、
    前記切替手段を制御し、前記第1の発熱体又は前記第2の発熱体に電力を供給させる制御手段と、
    前記交流電源から供給される交流電圧から直流電圧を生成する電源装置と、
    を備え、
    前記第1の発熱体、前記第2の発熱体、前記電源装置は、前記交流電源に並列に接続されており、
    前記制御手段は、前記検知手段により検知した前記ヒータの温度と前記ヒータの目標温度とに基づいて、複数の単位周期を含む第1の期間において前記第1の発熱体に、複数の単位周期を含む第2の期間において前記第2の発熱体に、位相制御による電力供給を行うように制御し、
    前記切替手段により電力供給路を切り替えることで、前記第1の期間から前記第2の期間に、又は前記第2の期間から前記第1の期間に切り替わり、
    前記第1の期間において、前記第1の発熱体には、前記交流電源から前記第1の発熱体に供給される第1の電流と前記交流電源から前記電源装置に供給される第3の電流との合成電流が供給され、前記第1の期間における少なくとも一つの前記単位周期における合成電流は、前記第1の電流を供給しているタイミングと前記第3の電流の極大値及び極小値のタイミングとが重ならない電流であり、
    前記第2の期間において、前記第2の発熱体には、前記交流電源から前記第2の発熱体に供給される第2の電流と前記第3の電流との合成電流が供給され、前記第2の期間における少なくとも一つの前記単位周期における合成電流は、前記第2の電流を供給しているタイミングと前記第3の電流の極大値及び極小値のタイミングとが重なる電流であることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記電源装置は、前記交流電源から供給される交流電圧を整流する整流回路、及び整流された前記交流電圧を平滑化する平滑回路を有し、
    前記第3の電流は、前記平滑回路のコンデンサを充電する電流であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記第2の期間に連続する前記第1の期間の最初の前記単位周期では、前記第1の電流と前記第3の電流との合成電流において、前記第1の電流を供給しているタイミングと前記第3の電流の極大値及び極小値のタイミングとが重ならず、
    前記第1の期間に連続する前記第2の期間の最初の前記単位周期では、前記第2の電流と前記第3の電流との合成電流において、前記第2の電流を供給しているタイミングと前記第3の電流の極大値及び極小値のタイミングとが重なることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記第1の期間は、前記第1の電流と前記第3の電流との合成電流において、
    前記第1の電流を供給しているタイミングと前記第3の電流の極大値及び極小値のタイミングとが重ならない前記単位周期のみを有する第1の区分と、
    前記第1の電流を供給しているタイミングと前記第3の電流の極大値及び極小値のタイミングとが重ならない前記単位周期と、前記第1の電流を供給しているタイミングと前記第3の電流の極大値又は極小値のタイミングとが重なる前記単位周期とを有する第2の区分と、
    前記第1の電流を供給しているタイミングと前記第3の電流の極大値及び極小値のタイミングとが重なる前記単位周期のみを有する第3の区分と、
    を有し、
    前記制御手段は、3つの前記区分のうちのいずれか1つの区分を選択し、前記第1の発熱体への電力供給を行うことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記第2の区分では、前記第1の電流を供給しているタイミングと前記第3の電流の極大値及び極小値のタイミングとが重ならない複数の前記単位周期と、前記第1の電流を供給しているタイミングと前記第3の電流の極大値又は極小値のタイミングとが重なる前記単位周期と、が繰り返されることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記制御手段は、前記ヒータを急速に加熱する場合には、前記第3の区分を選択して、前記第1の発熱体に電力を供給することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 加熱回転体と、
    第1の発熱体と、抵抗値が前記第1の発熱体よりも大きい第2の発熱体と、を有し、前記加熱回転体の内部空間に配置され、前記加熱回転体を加熱するヒータと、
    前記加熱回転体とニップ部を形成する加圧回転体と、
    前記ヒータの温度を検知する検知手段と、
    交流電源から前記第1の発熱体又は前記第2の発熱体への電力供給路を切り替える切替手段と、
    前記切替手段を制御し、前記第1の発熱体又は前記第2の発熱体に電力を供給させる制御手段と、
    前記交流電源から供給される交流電圧から直流電圧を生成する電源装置と、
    を備え、
    前記第1の発熱体、前記第2の発熱体、前記電源装置は、前記交流電源に並列に接続されており、
    前記制御手段は、前記検知手段により検知した前記ヒータの温度と前記ヒータの目標温度とに基づいて、前記第1の発熱体及び前記第2の発熱体へ単位周期あたりに供給する電力量を決定し、
    前記第1の発熱体に位相制御により電力供給する第1の期間では、前記第1の発熱体に、導通を開始する位相角度が90degより大きく、導通を終了する位相角度が180degより小さい、又は導通を開始する角度が270degより大きく、導通を終了する角度が360degより小さい第1の電流を供給し、
    前記第1の期間に続く第2の期間であって、前記第2の発熱体に位相制御により電力供給する第2の期間では、前記第2の発熱体に導通を開始する角度が0deg以上、90deg以下であり、導通を終了する角度が180deg以下である、又は導通を開始する角度が180deg以上、270deg以下であり、導通を終了する角度が360deg以下である第2の電流を供給することを特徴とする画像形成装置。
  8. 前記電源装置は、前記交流電源から供給される交流電圧を整流する整流回路、及び整流された前記交流電圧を平滑化する平滑回路を有し、
    前記整流回路と前記平滑回路との間に力率改善回路が接続されていることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記第1の期間では、前記交流電源から前記第1の発熱体には前記第1の電流が供給され、前記電源装置には第3の電流が供給され、
    前記第2の期間では、前記交流電源から前記第2の発熱体には前記第2の電流が供給され、前記電源装置には前記第3の電流が供給されることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 前記制御手段は、
    前記第1の発熱体へ電力供給する際の導通を開始する角度が90deg以下、又は270deg以下の場合には、導通を開始する角度が90degより大きく、導通を終了する角度が180degより小さい、又は導通を開始する角度が270degより大きく、導通を終了する角度が360degより小さい前記第1の電流を供給し、
    前記第2の発熱体へ電力供給する際の導通を開始する角度が90degより大きい、又は270degより大きい場合には、導通を開始する角度が0deg以上、90deg以下であり、導通を終了する角度が180deg以下である、又は導通を開始する角度が180deg以上、270deg以下であり、導通を終了する角度が360deg以下である前記第2の電流を供給することを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
  11. 前記制御手段は、前記ヒータを急速に加熱する場合には、導通を開始する角度が0deg以上、90deg以下であり、導通を終了する角度が180deg以下である、又は導通を開始する角度が180deg以上、270deg以下であり、導通を終了する角度が360deg以下である前記第1の電流を供給することを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
  12. 加熱回転体と、
    第1の発熱体と、抵抗値が前記第1の発熱体よりも大きい第2の発熱体と、を有し、前記加熱回転体の内部空間に配置され、前記加熱回転体を加熱するヒータと、
    前記加熱回転体とニップ部を形成する加圧回転体と、
    前記ヒータの温度を検知する検知手段と、
    交流電源から前記第1の発熱体又は前記第2の発熱体への電力供給路を切り替える切替手段と、
    前記切替手段を制御し、前記第1の発熱体又は前記第2の発熱体に電力を供給させる制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記検知手段により検知した前記ヒータの温度と前記ヒータの目標温度とに基づいて、前記第1の発熱体及び前記第2の発熱体へ単位周期あたりに供給する電力量を決定し、
    前記第1の発熱体への電力供給期間において前記第1の発熱体に供給される電流の最大電流値の平均値が、前記第2の発熱体への電力供給期間において前記第2の発熱体に供給される電流の最大電流値以下になるように前記電力量を制御することを特徴とする定着装置。
  13. 前記電力供給期間は、複数の前記単位周期を有し、
    前記第1の発熱体に供給される電流の最大電流値の平均値は、各々の前記単位周期における前記最大電流値を平均した値であり、
    前記第2の発熱体に供給される電流の最大電流値は、前記電力供給期間における最大電流値であることを特徴とする請求項12に記載の定着装置。
  14. 記録材に画像形成を行う画像形成部と、
    請求項12又は請求項13に記載の定着装置と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  15. 前記第1の発熱体は、長手方向の長さが前記第2の発熱体よりも長く、
    前記ヒータは、前記長手方向の長さが前記第1の発熱体よりも短く、前記第2の発熱体よりも長い第3の発熱体をさらに有し、
    前記第1の発熱体は、長手方向の長さが略同じ長さの一対の発熱体であり、
    前記ヒータを有する基板の短手方向において、前記第1の発熱体、前記第2の発熱体、前記第3の発熱体、前記第1の発熱体の順に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項11、請求項14のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  16. 前記ヒータは、
    前記第1の発熱体の一端と前記第2の発熱体の一端とが電気的に接続される第1の接点と、
    前記第3の発熱体の一端が電気的に接続される第2の接点と、
    前記第2の発熱体の他端と前記第3の発熱体の他端とが電気的に接続される第3の接点と、
    前記第1の発熱体の他端が電気的に接続される第4の接点と、
    を有することを特徴とする請求項15に記載の画像形成装置。
  17. 前記切替手段は、第1のスイッチ、第2のスイッチ、及び第1のリレーを有し、
    前記第1のスイッチは、前記交流電源と前記第4の接点との接続又は切断を行い、
    前記第2のスイッチは、前記交流電源と前記第1のリレー、及び前記交流電源と前記第2の接点との接続又は切断を行い、
    前記第1のリレーは、前記第2のスイッチと前記第3の接点との接続、又は前記交流電源と前記第3の接点との接続を切替可能であることを特徴とする請求項16に記載の画像形成装置。
  18. 前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチは、双方向サイリスタであることを特徴とする請求項17に記載の画像形成装置。
  19. 前記加熱回転体は、筒状のフィルムであり、
    前記加圧回転体は、前記フィルムと前記ニップ部を形成する加圧ローラであり、
    前記ヒータは前記フィルムの内部空間に配置されており、前記ヒータと前記加圧ローラで前記フィルムを挟持しており、記録材上の画像は前記ニップ部で前記フィルムを介して加熱されることを特徴とする請求項1から請求項11、請求項14から請求項18のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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