JP7305357B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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    • G03G15/2039Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat using contact heat with means for controlling the fixing temperature

Description

本発明は、定着装置及びこの定着装置を備える画像形成装置に関する。
電子写真方式の複写機やプリンタには記録材に形成したトナー像を加熱定着する定着装置が搭載されている。このような定着装置において、画像形成装置で印刷できる最大サイズの記録材の幅より狭い幅の記録材(以下、小サイズ紙という)を連続印刷すると、次のような現象が発生する。すなわち、定着ニップ部の長手方向において小サイズ紙が通過しない領域(以下、非通紙部という)の温度が徐々に上昇するという現象(以下、非通紙部昇温という)が発生する。非通紙部の温度が高くなり過ぎると装置内の各部品に様々な影響を与え、非通紙部昇温が生じている状態で小サイズ紙よりも幅の広い大サイズ紙に印刷を行うと、小サイズ紙の場合の非通紙部に相当する領域で高温オフセットという現象が発生するおそれがある。
このような非通紙部昇温を防止する構成として、例えば特許文献1では、次のような構成が開示されている。すなわち、異なる長さの発熱体を複数備え、切替えリレーにより電力を供給する発熱体を排他的に切り替えることで、記録材のサイズに応じた長さの発熱体を選択的に用いる構成が開示されている。
特開2001-100558号公報
しかしながら、発熱体の長さと記録材のサイズは必ずしも一致するわけではなく、異なる長さの発熱体の中間のサイズの記録材(以下、中間サイズ紙という)を定着ニップ部において通過させる場合がある。このような場合には非通紙部昇温の発生を抑制するために、例えば単位時間当たりに通過させる記録材の枚数(以下、通紙枚数という)(以下、スループットという)を下げる等の手段が取られていた。このため、中間サイズ紙においてもスループットを下げることなく非通紙部昇温の発生を抑制することが求められている。
本発明は、このような状況のもとでなされたもので、定着ニップ部に中間サイズ紙を通過させた場合でも、スループットを下げることなく非通紙部昇温を抑制することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明は、以下の構成を備える。
(1)細長い基板と、複数の第1の発熱体と、前記第1の発熱体よりも前記基板の長手方向の長さが短い第2の発熱体と、前記第2の発熱体よりも前記長手方向の長さが短い第3の発熱体とを少なくとも有するヒータと、電力が供給される発熱体を、前記第1の発熱体、前記第2の発熱体、及び前記第3の発熱体のいずれかに切り替える切替手段と、前記切替手段を制御する制御手段と、を備え、記録材上の未定着のトナー像に定着処理を行う定着装置であって、前記基板の短手方向において、一方の前記第1の発熱体、前記第2の発熱体、前記第3の発熱体、他方の前記第1の発熱体の順に前記基板上に配置されており、前記制御手段は、記録材の前記長手方向における長さが第1の長さである場合は、前記第1の発熱体により前記定着処理を行わせ、記録材の前記長手方向における長さが前記第1の長さより短い第2の長さである場合は、前記第2の発熱体、又は前記第3の発熱体のいずれか一方により前記定着処理を行わせ、記録材の前記長手方向における長さが第3の長さである場合は、前記第1の発熱体と前記第2の発熱体を切り替えて前記定着処理を行わせ、又は前記第1の発熱体と前記第3の発熱体を切り替えて前記定着処理を行わせ、前記第3の長さは、前記第1の長さより短く、前記第2の長さより長いことを特徴とする定着装置
)第1の発熱体と、前記第1の発熱体よりも長手方向の長さが短い第2の発熱体と、を少なくとも有するヒータと、電力が供給される発熱体を、前記第1の発熱体及び前記第2の発熱体のいずれか一方に切り替える切替手段と、前記切替手段を制御する制御手段と、を備え、記録材上の未定着のトナー像に定着処理を行う定着装置であって、前記制御手段は、記録材の前記長手方向における長さが第1の長さである場合は、前記第1の発熱体により前記定着処理を行わせ、記録材の前記長手方向における長さが前記第1の長さより短い第2の長さである場合は、前記第2の発熱体により前記定着処理を行わせ、記録材の前記長手方向における長さが第3の長さである場合は、前記第1の発熱体と前記第2の発熱体を切り替えて前記定着処理を行わせ、前記第3の長さは、前記第1の長さより短く、前記第2の長さより長く、前記制御手段は、記録材に連続して前記定着処理が行われている間は記録材の枚数に応じて増加し、連続した前記定着処理が終了した後は前記ヒータの温度の低下に応じて減少するようにカウントされるカウント値、及び、記録材の幅及び長さの情報に基づいて、前記第1の発熱体と前記第2の発熱体を切り替えるタイミングを設定し、前記記録材の前記幅に基づいて前記第1の発熱体を用いて前記定着処理を行った場合に前記第1の発熱体と前記記録材とが接しない部分において発生する温度上昇の第1の程度を求め、前記記録材の前記幅に基づいて前記第2の発熱体を用いて前記定着処理を行った場合に前記第2の発熱体によって前記記録材を加熱しない部分の前記定着処理のために要する熱の程度及び前記接しない部分を冷却する程度である第2の程度を求め、前記第1の程度及び前記第2の程度に基づいて、前記タイミングを設定することを特徴とする定着装置。
)記録材に未定着のトナー像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段により記録材に形成された前記未定着のトナー像を記録材上に定着させる前記(1)又は前記(2)に記載の定着装置と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
本発明によれば、定着ニップ部に中間サイズ紙を通過させた場合でも、スループットを下げることなく非通紙部昇温を抑制することができる。
実施例1~4の画像形成装置の全体構成図 実施例1~4の画像形成装置の制御ブロック図 実施例1~3の定着装置の長手方向の中央部付近の断面模式図 実施例1~3のヒータの模式図及び断面図、定着装置の電力制御部の模式図 実施例1の印刷処理を示すフローチャート 実施例1の発熱体54bの切替えタイミングを示すグラフ 実施例1のヒータと用紙の長手方向の位置関係を示す図 実施例1の印刷枚数と非通紙部温度の関係を示すグラフ 実施例1に対する比較例のヒータと用紙の長手方向の位置関係を示す図 実施例1に対する比較例の印刷枚数と非通紙部温度の関係を示すグラフ 実施例2の印刷処理を示すフローチャート 実施例2の発熱体54bの切替えタイミングを示すグラフ 実施例2の印刷枚数と非通紙部温度の関係を示すグラフ 実施例3の印刷処理を示すフローチャート 実施例3の発熱体54bの切替えタイミングを示すグラフ 実施例3の印刷枚数と非通紙部温度の関係を示すグラフ 実施例4の定着装置の長手方向の中央部付近の断面模式図 実施例4のヒータ、均熱部材、用紙の長手方向の位置関係を示す図、印刷枚数と非通紙部温度を示すグラフ 変形例に記載のヒータ及びヒータ制御回路を示す図 変形例に記載のヒータ及びヒータ制御回路の電流経路を示す図
以下、図面を参照しながら本発明の実施例について説明する。なお、以下の実施例においても、記録紙を定着ニップ部に通すことを、通紙するともいう。また、定着ニップ部の長手方向において小サイズ紙が通過しない領域を非通紙部といい、非通紙部の温度が徐々に上昇するという現象を、非通紙部昇温という。
[全体構成]
図1は実施例1の定着装置を搭載した一例の画像形成装置である、インライン方式のカラー画像形成装置を示す構成図である。図1を用いて電子写真方式のカラー画像形成装置の動作を説明する。なお、第1ステーションをイエロー(Y)色のトナー画像形成用のステーション、第2ステーションをマゼンタ(M)色のトナー画像形成用のステーションとしている。また、第3ステーションをシアン(C)色のトナー画像形成用のステーション、第4ステーションをブラック(K)色のトナー画像形成用のステーションとしている。
第1ステーションで、像担持体である感光ドラム1aは、OPC感光ドラムである。感光ドラム1aは金属円筒上に感光して電荷を生成するキャリア生成層、発生した電荷を輸送する電荷輸送層等からなる機能性有機材料が複数層積層されたものであり、最外層は電気的導電性が低くほぼ絶縁である。帯電手段である帯電ローラ2aが感光ドラム1aに当接され、感光ドラム1aの回転に伴い、従動回転しながら感光ドラム1a表面を均一に帯電する。帯電ローラ2aには直流電圧又は交流電圧を重畳した電圧が印加され、帯電ローラ2aと感光ドラム1a表面とのニップ部から、回転方向の上流側及び下流側の微小な空気ギャップにおいて放電が発生することにより感光ドラム1aが帯電される。クリーニングユニット3aは、後述する転写後に感光ドラム1a上に残ったトナーをクリーニングするユニットである。現像手段である現像ユニット8aは、現像ローラ4a、非磁性一成分トナー5a、現像剤塗布ブレード7aからなる。感光ドラム1a、帯電ローラ2a、クリーニングユニット3a、現像ユニット8aは、画像形成装置に対して着脱自在な一体型のプロセスカートリッジ9aとなっている。
露光手段である露光装置11aは、レーザー光を多面鏡によって走査させるスキャナユニット又はLED(発光ダイオード)アレイから構成され、画像信号に基づいて変調された走査ビーム12aを感光ドラム1a上に照射する。また、帯電ローラ2aは、帯電ローラ2aへの電圧供給手段である帯電高電圧電源20aに接続されている。現像ローラ4aは、現像ローラ4aへの電圧供給手段である現像高電圧電源21aに接続されている。1次転写ローラ10aは、1次転写ローラ10aへの電圧供給手段である1次転写高電圧電源22aに接続されている。以上が第1ステーションの構成であり、第2、第3、第4ステーションも同様の構成をしている。他のステーションについて、第1ステーションと同一の機能を有する部品は同一の符号を付し、符号の添え字にステーション毎にb、c、dを付している。なお、以下の説明において、特定のステーションについて説明する場合を除き、添え字a、b、c、dを省略する。
中間転写ベルト13は、その張架部材として2次転写対向ローラ15、テンションローラ14、補助ローラ19の3本のローラにより支持されている。テンションローラ14のみバネで中間転写ベルト13を張る方向の力が加えられており、中間転写ベルト13に適切なテンション力が維持されるようになっている。2次転写対向ローラ15はメインモータ(不図示)からの回転駆動を受けて回転し、外周に巻かれた中間転写ベルト13が回動する。中間転写ベルト13は感光ドラム1a~1d(例えば、図1では反時計回り方向に回転)に対して順方向(例えば、図1では時計回り方向)に略同速度で移動する。また、中間転写ベルト13は、矢印方向(時計回り方向)に回転し、1次転写ローラ10は中間転写ベルト13をはさんで感光ドラム1と反対側に配置されて、中間転写ベルト13の移動に伴い従動回転する。中間転写ベルト13をはさんで感光ドラム1と1次転写ローラ10とが当接している位置を1次転写位置という。補助ローラ19、テンションローラ14及び2次転写対向ローラ15は電気的に接地されている。なお、第2~第4ステーションも1次転写ローラ10b~10dは第1ステーションの1次転写ローラ10aと同様の構成としているので説明を省略する。
次に実施例1の画像形成装置の画像形成動作を説明する。画像形成装置は待機状態時に印刷指令を受信すると、画像形成動作をスタートする。感光ドラム1や中間転写ベルト13等はメインモータ(不図示)によって所定のプロセススピードで矢印方向に回転を始める。実施例1では、プロセススピードは例えば100mm/s(ミリメートル毎秒)である。感光ドラム1aは、帯電高電圧電源20aにより電圧が印加された帯電ローラ2aによって一様に帯電され、続いて露光装置11aから照射された走査ビーム12aによって画像情報に従った静電潜像が形成される。現像ユニット8a内のトナー5aは、現像剤塗布ブレード7aによって負極性に帯電されて現像ローラ4aに塗布される。そして、現像ローラ4aには、現像高電圧電源21aより所定の現像電圧が供給される。感光ドラム1aが回転して感光ドラム1a上に形成された静電潜像が現像ローラ4aに到達すると、静電潜像は負極性のトナーが付着することによって可視化され、感光ドラム1a上には第1色目(例えば、Y(イエロー))のトナー像が形成される。他の色M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各ステーション(プロセスカートリッジ9b~9d)も同様に動作する。各色の1次転写位置間の距離に応じて、一定のタイミングでコントローラ(不図示)からの書き出し信号を遅らせながら、露光による静電潜像が各感光ドラム1a~1d上に形成される。それぞれの1次転写ローラ10a~10dにはトナーと逆極性の直流高電圧が印加される。以上の工程により、順に中間転写ベルト13にトナー像が転写されていき(以下、1次転写という)、中間転写ベルト13上に多重トナー像が形成される。
その後、トナー像の作像に合わせて、カセット16に積載されている記録材である用紙Pは、給紙ソレノイド(不図示)によって回転駆動される給紙ローラ17により給送(ピックアップ)される。給送された用紙Pは搬送ローラによりレジストレーションローラ(以下、レジストローラという)18に搬送される。用紙Pは、中間転写ベルト13上のトナー像に同期して、レジストローラ18によって中間転写ベルト13と2次転写ローラ25との当接部である転写ニップ部へ搬送される。レジストローラ18には、用紙Pの有無を検知するレジセンサ(不図示)が設けられている。2次転写ローラ25には2次転写高電圧電源26により、トナーと逆極性の電圧が印加され、中間転写ベルト13上に担持された4色の多重トナー像が一括して用紙P上(記録材上)に転写される(以下、2次転写という)。用紙P上に未定着のトナー像が形成されるまでに寄与した部材(例えば、感光ドラム1等)は画像形成手段として機能する。一方、2次転写を終えた後、中間転写ベルト13上に残留したトナーは、クリーニングユニット27によって清掃される。2次転写が終了した後の用紙Pは、定着手段である定着装置50へと搬送され、トナー像の定着を受けて画像形成物(プリント、コピー)として排出トレー30へと排出される。定着装置50のフィルム51、ニップ形成部材52、加圧ローラ53、ヒータ54については後述する。センサSは、定着装置50に対して用紙Pの搬送方向における下流側に設けられ、用紙Pの通過を検知するセンサである。
複数枚の用紙Pに連続して印刷する印刷モード(連続ジョブ)においては、先行する用紙Pの後端と後続の用紙Pの先端との距離が各実施例における設定値になるよう中間転写ベルト13上のトナー像Tと用紙Pとが同期して搬送され、印刷が行われる。
[画像形成装置のブロック図]
図2は画像形成装置の動作を説明するブロック図であり、この図を参照しながら画像形成装置の印刷動作について説明する。ホストコンピュータであるPC110は、画像形成装置の内部にあるビデオコントローラ91に対して印刷指令を出力し、印刷画像の画像データをビデオコントローラ91に転送する役割を担う。
ビデオコントローラ91はPC110からの画像データを露光データに変換し、エンジンコントローラ92内にある露光制御装置93に転送する。露光制御装置93はCPU94から制御され、露光データのオンオフ、露光装置11の制御を行う。制御手段であるCPU94は印刷指令を受信すると画像形成シーケンスをスタートさせる。
エンジンコントローラ92にはCPU94、メモリ95等が搭載されており、予めプログラムされた動作を行う。CPU94は、タイマ94aを有するものとする。メモリ95には、後述する発熱体の切替えタイミングに関する情報(後述する表1等)が記憶されている。高電圧電源96は上述の帯電高電圧電源20、現像高電圧電源21、1次転写高電圧電源22、2次転写高電圧電源26から構成される。また、電力制御部97は双方向サイリスタ(以下、トライアックという)56、電力を供給する発熱体を排他的に選択する切替手段としての発熱体切り替え器57等から構成される。電力制御部97は、定着装置50において発熱する発熱体を選択し、供給する電力量を決定する。実施例1において発熱体切り替え器57は例えばC接点リレーである。
また、駆動装置98はメインモータ99、定着モータ100等から構成される。またセンサ101は定着装置50の温度を検知する定着温度センサ59、フラグを有し用紙Pの有無を検知する紙有無センサ102等からなり、センサ101の検知結果はCPU94に送信される。上述したセンサSは、紙有無センサ102の1つである。CPU94は画像形成装置内のセンサ101の検知結果を取得し、露光装置11、高電圧電源96、電力制御部97、駆動装置98を制御する。これにより、CPU94は、静電潜像の形成、現像されたトナー像の転写、用紙Pへのトナー像の定着等を行い、露光データがトナー像として用紙P上に印刷される画像形成工程の制御を行う。なお、本発明が適用される画像形成装置は、図1で説明した構成の画像形成装置に限定されるものではなく、異なるサイズの用紙Pを連続して印刷することが可能で、後述するヒータ54(図3等参照)を有する定着装置50を備える画像形成装置であればよい。
[定着装置]
次に、実施例1における定着装置50の構成について図3、図4を用いて説明する。ここで、長手方向とは、後述する用紙Pの搬送方向と略直交する加圧ローラ53の回転軸方向のことである。また、搬送方向に略直交する方向(長手方向)の用紙Pの長さを幅という。図3は、定着装置50の断面模式図、図4(a)はヒータ54の模式図、図4(b)はヒータ54の断面模式図、図4(c)は電力制御部97の回路模式図である。また、図4(b)は、発熱体54b1、54b2の長手方向の中心線(図4(a)中の一点鎖線で示すa)におけるヒータ54の断面を示す図である。
図3左側から未定着のトナー像Tnを保持した用紙Pが、定着ニップ部Nにおいて図中左から右に向けて搬送されながら加熱されることにより、トナー像Tnが用紙Pに定着される。実施例1における定着装置50は、定着フィルムとしての円筒状のフィルム51と、フィルム51を保持するニップ形成部材52と、フィルム51と共に定着ニップ部Nを形成する加圧ローラ53と、用紙Pを加熱するためのヒータ54とにより構成されている。
第1の回転体であるフィルム51は加熱回転体としての定着フィルムである。実施例1では、フィルム51は、基層、弾性層、離型層の3層からなる。基層として、例えばポリイミドを用いている。基層の上に、シリコーンゴムからなる弾性層、PFAからなる離型層を用いている。基層の厚みは例えば50μm、弾性層の厚みは例えば200μm、離型層の厚みは例えば20μmである。フィルム51の外径は例えば18mmである。フィルム51の回転によるニップ形成部材52及びヒータ54とフィルム51との間に生じる摩擦力を低減するために、フィルム51の内面には、グリスが塗布されている。
ニップ形成部材52はフィルム51を内側からガイドするとともに、フィルム51を介して加圧ローラ53との間で定着ニップ部Nを形成する役割を果たす。ニップ形成部材52は剛性・耐熱性・断熱性を有する部材であり、液晶ポリマー等により形成されている。フィルム51はこのニップ形成部材52に対して外嵌されている。第2の回転体である加圧ローラ53は加圧回転体としてのローラである。加圧ローラ53は、鋼からなる芯金53a、シリコーンゴムからなる弾性層53b、PFA材料からなる離型層53c、からなる。芯金53aの直径は例えば12mm、弾性層53bの厚みは例えば3mm、離型層53cの厚みは例えば50μmである。加圧ローラ53の直径は例えば20mmである。加圧ローラ53は、両端を回転可能に保持されており、定着モータ100(図2参照)によって回転駆動される。また、加圧ローラ53の回転により、フィルム51は従動回転する。加熱部材であるヒータ54は、ニップ形成部材52に保持され、フィルム51の内面と接している。基板54a、発熱体54b1、54b2、保護ガラス層54e、定着温度センサ59については後述する。
(ヒータ)
ヒータ54について、図4(a)、図4(b)を用いて詳しく説明する。ヒータ54は、アルミナからなる基板54a、銀ペーストからなる発熱体54b1、54b2、導体54c、接点54d1~54d3、ガラスからなる保護ガラス層54e、からなる。基板54a上に、発熱体54b1、54b2、導体54c、接点54d1~54d3が形成され、その上に発熱体54b1、54b2とフィルム51との絶縁を確保するために保護ガラス層54eが形成されている。発熱体54b1と発熱体54b2を区別なく発熱体54bと表記することもある。基板54aの長さ(長手方向の長さ)は例えば250mm、幅(短手方向の長さ)は例えば7mm、厚みは例えば1mmである。発熱体54b、導体54cの厚みは例えば10μm、接点54dの厚みは例えば20μm、保護ガラス層54eの厚みは例えば50μmである。
第1の発熱体である発熱体54b1と第2の発熱体である発熱体54b2とは、長手方向の長さ(以下、サイズともいう)が異なっている。実施例1のヒータ54は、発熱体54b1、54b2を少なくとも有している。具体的には、発熱体54b1の長手方向の長さがL1であり、発熱体54b2の長手方向の長さがL2であり、長さL1と長さL2は、L1>L2の関係になっている。発熱体54b1の長手方向における長さL1は、例えばL1=222mmである。発熱体54b2の長手方向における長さL2は、例えばL2=185mmである。発熱体54b1、54b2の抵抗値はそれぞれ例えば20Ω、24Ωとする。発熱体54b1の長さL1は、この画像形成装置によって印刷する(又は、搬送する)ことが可能な用紙Pのうち最大の幅(以下、最大通紙幅という)を有する用紙Pを定着可能な長さになっている。発熱体54b1は導体54cを介して接点54d1、54d3に電気的に接続されており、発熱体54b2は導体54cを介して接点54d2、54d3に電気的に接続されている。すなわち、接点54d3は、発熱体54b1、54b2に共通して接続されている接点である。
定着温度センサ59は、基板54aに対して保護ガラス層54eと反対の面に位置し、かつ発熱体54b1、54b2の長手方向における中心位置aに設置され、基板54aに200gf(グラム重)で押圧されている。定着温度センサ59は例えばサーミスタであり、ヒータ54の温度を検知し、検知結果をCPU94に出力する。CPU94は、定着温度センサ59の検知結果に基づいて、定着処理時の温度を制御する。実施例1では、電力制御部97は、例えば180℃で定着装置50の温度制御を行う。
(電力制御部)
図4(c)は定着装置50の制御回路である電力制御部97の模式図である。定着装置50の電力制御部97は、発熱体54b1、54b2(ヒータ54)、交流電源55、トライアック56、発熱体切り替え器57からなる。トライアック56は、交流電源55から発熱体54b1、54b2へ電力を供給する際に導通し、交流電源55から発熱体54b1、54b2への電力の供給を遮断する際に非導通となる。トライアック56は、電力のヒータ54への供給を接続又は遮断する接続手段として機能する。CPU94は定着温度センサ59の検知結果である温度情報に基づいて、発熱体54b1、54b2を目標温度(例えば上述した180℃)に制御するために必要な電力を算出し、トライアック56を導通又は非導通に制御する。
また、発熱体切り替え器57は、実施例1では例えばC接点リレーである。具体的には、発熱体切り替え器57は、交流電源55に接続された接点57aと、接点54d1に接続された接点57b1と、接点54d2に接続された接点57b2と、を有する。発熱体切り替え器57は、CPU94の制御によって、接点57aと接点57b1とが接続された状態と、接点57aと接点57b2とが接続された状態と、のいずれか一方の状態となる。発熱体切り替え器57の切替えによって、発熱体54b1、54b2のどちらに電力を供給するかを排他的に選択する。すなわち、発熱体切り替え器57は、ヒータ54を発熱体54b1及び発熱体54b2のいずれか一方に切り替える。発熱体切り替え器57はCPU94からの信号を受けて切替えを行う。C接点リレーである発熱体切り替え器57の接点溶着を防止するため、発熱体切り替え器57の切替えは、トライアック56が非導通となっている状態(発熱体54b1又は発熱体54b2への電力供給が遮断されている状態)で行われる。
[発熱体の切替え動作]
実施例1では、紙間時間において発熱体54bの切替えが行われる。ここで、紙間時間とは、先行する用紙P(第1の記録材)の後端が定着ニップ部Nを通過した時点から、用紙Pに連続して定着ニップ部Nを通過する後続の用紙P(第2の記録材)の先端が定着ニップ部Nに突入するまでの時間をいう。また、紙間とは、先行する用紙Pの後端と後続の用紙Pの先端との間の距離をいう。以下、紙間時間において発熱体54b1から発熱体54b2に切り替える動作を説明する。
CPU94は、先行する用紙Pの先端が定着ニップNの下流側に設けられたセンサSを通過した時間を、センサSの検知結果に基づき取得する。CPU94は、先行する用紙Pの先端がセンサSを通過した時間、用紙Pの搬送方向における長さ及びプロセススピードに基づいて、この用紙Pの後端が定着ニップ部を通過するタイミングt1を算出する。CPU94は、タイマ94aを参照し、先行する用紙Pの後端が定着ニップ部Nを通過するタイミングt1になった時点、言い換えれば紙間になった時点で、電力制御部97を介してトライアック56をオフし、発熱体54b1への電力の供給を遮断する。
CPU94は、タイミングt1から20msが経過したタイミングt2に、電力制御部97を介して発熱体切り替え器57に発熱体54bの切り替え信号を送信する。そうすると、タイミングt2から更に200msが経過したタイミングt3に、発熱体切り替え器57による発熱体54b1から発熱体54b2への切替えが完了する。CPU94は、タイミングt3から100ms経過したタイミングt4に、トライアック56を用いて発熱体54b2への電力の供給を開始する。ここでは、発熱体切り替え器57の動作時間に誤差が生じた場合であっても確実に発熱体切り替え器57の接点溶着を回避するために、タイミングt3からタイミングt4の間に100msを設けている。タイミングt1からタイミングt4までの合計時間は320ms(=20ms+200ms+100ms)であり、この時間が紙間時間に収まるように設定される。これは、タイミングt1からタイミングt4までの時間が紙間時間よりも長くなると、次のような現象が起こるからである。すなわち、タイミングt4になるまで後続する用紙Pの先端付近を発熱体54b2によって加熱することができなくなり、後続の用紙Pにおいて定着不良が発生するおそれがあるためである。
ここで、発熱体54b1の長手方向の長さ(以下、幅という)以下であり発熱体54b2の幅以上である幅(以下、紙幅という)を有する用紙Pを中間サイズ紙という。ただし、中間サイズ紙の中でもA4サイズの紙幅210mm以上の紙幅の用紙P(A4サイズ、LTR(レター)サイズ、LGL(リーガル)サイズ等)を大サイズ紙という。また、発熱体54b2の幅未満である用紙Pを小サイズ紙という。
[印刷動作]
図5はCPU94が印刷命令を受けてから印刷を終了するまでのシーケンスを示したものである。実施例1では、用紙Pの紙サイズ情報と後述するカウント値とに基づいて、発熱体54bの切替えタイミングを設定する。実施例1における紙サイズ情報とは、PC110に入力された用紙Pの定型サイズの情報(以下、定型サイズ情報という)である。
CPU94は、印刷命令を受信するとステップ(以下、Sとする)701以降の処理を実行する。S701でCPU94は、PC110から用紙Pの紙サイズ情報、すなわち実施例1では定型サイズ情報を取得する。S702でCPU94は、後述するカウント値を取得する。S703でCPU94は、S701で取得した紙サイズ情報(実施例1では定型サイズ情報)とS702で取得したカウント値とに応じて、発熱体54bの切替えタイミングを示す後述する表1を参照し、発熱体54bの切替えタイミングを取得する。S704でCPU94は、S703で取得した発熱体54bの切替えタイミングに従ってヒータ54を制御しつつ、用紙Pへの印刷を行う。なお、ここでいう印刷とは、主に、複数の用紙Pに連続して行う印刷をいう。
(発熱体54bの切替えタイミング)
CPU94は、S703において、図5のシーケンスにより選択される大サイズ紙、中間サイズ紙、及び小サイズ紙を定着ニップ部Nにおいて通過させる際、言い換えれば用紙Pに定着処理を行う際に次の情報を取得する。すなわち、CPU94は、複数の用紙Pへの定着処理における発熱体54bの切替えタイミングを、メモリ95に記憶された表1の情報を参照することにより取得する。
Figure 0007305357000001
表1は大サイズ紙、中間サイズ紙及び小サイズ紙の代表的な定型サイズ紙と、発熱体54b1又は発熱体54b2に電力を供給する枚数の比率の一覧を示した表である。表1の1列目には用紙Pのサイズ分類(大サイズ紙等)、2列目には定型サイズ紙の名称(A4等)、3列名には用紙Pのサイズ(A4の場合は、幅W=210mm、長さZ=297mm等)を示す。表1の4列目にはCold状態からプリントを開始する場合に強制的に発熱体54b1を用いて印刷する所定枚数(A4の場合は3枚等)を示す。なお、Cold状態とは、印刷を開始する前の時点で、後述するカウント値が後述する第1の目標カウント値(所定値)未満(所定値未満)の場合をいう。なお、カウント値が第1の目標カウント値以上(所定値以上)の場合をHot状態という。表1の5列目には、電力を供給する枚数の比率を示し、この比率は、ゾーン1とゾーン2とに分けられる。また、各ゾーンにおいて、発熱体54b1と発熱体54b2とが用いられる用紙Pの枚数の比率が示される。例えば、中間サイズ紙でかつゾーン1の場合は、発熱体54b1と発熱体54b2との比率は5対1である。これは、5枚の用紙Pに発熱体54b1を用いて定着処理が行われ、その後1枚の用紙Pに発熱体54b2を用いて定着処理が行われる、という処理が繰り返されることを表す。なお、表1に示す情報、すなわち、紙サイズ情報及びカウント値に基づく発熱体54bの切替え制御、言い換えればどの発熱体54bを何枚の用紙Pに対して用いるかをパターン化した情報を、以下、発熱体パターンということもある。表1では、カウント値が第1の目標カウント値以上となった場合に、カウント値が第1の目標カウント値未満の場合よりも、発熱体54b1を用いて定着処理を行う用紙Pの枚数が少なくなるように設定されている。
表1の大サイズ紙の行に示すように、比率の列において、発熱体54b1では「1」、発熱体54b2では「-」と表記されているのは、発熱体54b1のみを用いて印刷が行われ、発熱体54b2を用いた印刷は行われないことを表している。中間サイズ紙では、比率の列において、発熱体54b1では「5」、発熱体54b2では「1」と表記されている場合(ゾーン1)、発熱体54b1のみを用いて5枚印刷が行われ、次に発熱体54b2のみを用いて1枚印刷が行われることを表している。
小サイズ紙では、比率の列において、発熱体54b1では「-」、発熱体54b2では「1」と表記されている。ここで、小サイズ紙では発熱体54b1が「-」となっているが、Cold状態から印刷を開始する際には、最初の3枚は強制的に発熱体54b1を用いて印刷が行われ、その後は発熱体54b2のみを用いて印刷が行われることを意味している。最初の3枚に対して強制的に発熱体54b1を使用して印刷が行われる理由は、次の理由による。すなわち、このようにすることで、発熱体54b1によって定着ニップ部N内の長手方向における全領域に均一に熱を伝え、フィルム51の内面のグリスを均一に軟化させる。これにより、フィルム51とヒータ54との間の摺動負荷が不均一になることによるフィルム51の変形を防止するためである。小サイズ紙の4枚目以降で発熱体54b2を使用する理由は、非通紙部が広い発熱体54b1よりも非通紙部が狭い発熱体54b2を用いることで可能な限り非通紙部昇温の発生量を抑え、小サイズ紙の生産スピードを高めるためである。
次にCPU94によって用紙Pが中間サイズ紙と判断された場合について説明する。実施例1で用いた中間サイズ紙は16Kサイズ(幅195mm、長さ267mm)の用紙Pである。上述したフィルム51の変形を防止する観点から、いずれの定型サイズ紙においてもCold状態から印刷する際には強制的に発熱体54b1を用いて3枚印刷される。また、中間サイズ紙を印刷する際には、ゾーン1とゾーン2といった各ゾーンに応じた発熱体54bの切替えタイミングを設定する。例えば、ゾーン1では、発熱体54b1を用いて5枚の中間サイズ紙に定着処理が行われた後、発熱体54b2を用いて1枚の中間サイズ紙に定着処理が行われる。また例えば、ゾーン2では、発熱体54b1を用いて4枚の中間サイズ紙に定着処理が行われた後、発熱体54b2を用いて1枚の中間サイズ紙に定着処理が行われる。
[表1の切替えタイミングを用いた連続印刷]
図6はCPU94が表1を参照して連続印刷を行った場合の発熱体54bの切替え動作を説明する図である。図6で(i)は大サイズ紙に連続印刷を行った場合を示す。図6で(ii)、(iii)は中間サイズ紙に連続印刷を行った場合で、(ii)はCold状態から印刷を開始した場合を示し、(iii)はHot状態から印刷を開始した場合を示す。図6で(iv)は小サイズ紙に連続印刷を行った場合を示す。いずれも、黒丸は発熱体54b1を用いたことを示し、白丸は発熱体54b2を用いたことを示し、横軸は印刷枚数を示す。
次にカウント予測方式とゾーンについて説明する。実施例1では定着装置50の各部材(フィルム51、加圧ローラ53、ニップ形成部材52等)の温度を予測するために、カウント予測方式を採用している。カウント値は、1枚の用紙Pに定着処理を行う毎に+1だけ加算され、定着処理が行われる用紙Pの枚数が多いほどカウント値は大きくなる。一方、連続印刷の定着処理が終了した後の待機状態では、定着装置50の各部材が自然と冷えていくのに対応して、カウント値も時間の経過と共にカウントダウンされる。具体的には、事前に定着装置50の各部材の冷却特性を調べておき、経過時間を関数とした演算式を用いてカウント値が減算される。カウント値は、用紙Pに連続して定着処理が行われている間は用紙Pの枚数に応じて増加し、連続した定着処理が終了した後はヒータ54の温度の低下に応じて減少するようにカウントされる。このように、カウント値を管理することにより、定着装置50の各部材の温度を予測することができる。カウント値の管理はCPU94により行われる。カウント値は上述したようにCold状態とHot状態の判断に用いられるほか、以下に説明するゾーン1、ゾーン2の判断にも用いられる。
実施例1では、カウント値が0の状態から第1の目標カウント値までの間をゾーン1といい、第1の目標カウント値から第2の目標カウント値までの間をゾーン2といい、各ゾーンに合わせて発熱体54bの切替え頻度(表1の比率)を変化させる。なお、ゾーンは2つに限定することはなく、複数設けてもよい。実施例1では、第1の目標カウント値を例えば30、第2の目標カウント値を例えば100とする。Cold状態(カウント値が0)から印刷が開始されると、30枚印刷した時点でカウント値が第1の目標カウント値である30に到達する。このため、30枚目でゾーン1が終了し、31枚目からはゾーン2に切り替わる。すなわち、CPU94は、カウント値が第1の目標カウント値に到達した時点で非通紙部昇温が高温になったと判断し、発熱体54b1から発熱体54b2に切り替える。
図6では、合計50枚の印刷を行っているため、用紙Pの印刷が50枚に到達した時点ではカウント値は50であり、第2の目標カウント値である100に到達しないため、ゾーン2のまま終了している。なお、連続印刷が100枚を超える場合には、カウント値が第2の目標カウント値である100に到達したタイミングで、言い換えれば100枚目でゾーン2が終了し、101枚目から再びゾーン1に切り替わる。すなわち、CPU94は、カウント値が第2の目標カウント値に到達した時点で非通紙部の昇温が緩和されたと判断し、再び発熱体54b2から発熱体54b1へと切り替える。
また、図6に示すように、中間サイズ紙の印刷開始前のカウント値が30未満の場合、すなわち、Cold状態である場合と、30以上の場合、すなわち、Hot状態である場合とで、異なる切替えタイミングを設けている。この理由は、Cold状態に比べてHot状態の方がフィルム51の非通紙部の表面温度が高い傾向にあるため、Hot状態のときはCold状態のときよりも発熱体54bの切替え頻度を高くして非通紙部昇温を抑制する必要があるためである。図6(iii)のHot状態のときは、印刷開始前にカウント値が30以上であるのでゾーン2と判断され、ゾーン2の発熱体54bの切替えタイミングで印刷が行われる。なお、図6(iii)では、例えば印刷開始前のカウント値を30とすると、その後50枚の連続印刷が行われカウント値が80となるが、第2の目標カウント値である100未満であるため、ゾーン2のまま終了している。
(中間サイズ紙を50枚印刷した場合)
実施例1ではCold状態から50枚印刷した場合について説明する。図6(ii)に示すように、Cold状態のとき、ゾーン1においては発熱体54b1を使用して5枚印刷が行われた後、発熱体54b2に切り替えて1枚印刷が行われ、再び発熱体54b1に切り替えるというシーケンスで印刷が行われる。カウント値が30以上になると第1の目標カウント値以上となるため、ゾーン1からゾーン2に切り替わる。続いてゾーン2においては発熱体54b1を使用して4枚印刷が行われた後、発熱体54b2に切り替えて1枚印刷が行われ、再び発熱体54b1に切り替えるというシーケンスで50枚まで印刷が行われる。図6(iii)に示すHot状態の場合は、印刷開始からゾーン2のシーケンスで50枚まで印刷が行われる。また、実施例1では、紙間時間を450msとし、16Kサイズの中間サイズ紙を1分間で19枚の生産スピードで印刷する。
図7はヒータ54と用紙Pの長手方向における位置関係を示した図である。特に、中間サイズ紙の用紙Pとして、16Kサイズ(幅W=195mm、長さZ=267mm)を示している。実施例1では、発熱体54b1の長さL1=222mmであり、用紙Pの幅W=195mmであるので、発熱体54b1の両端部のそれぞれ幅H=13.5mmの領域において非通紙部昇温が発生する。幅Hは非通紙部の幅であり、以下、非通紙部幅Hという。
図8は、図6(ii)の中間サイズ紙をCold状態から印刷開始した場合で、図7の非通紙部昇温が発生する幅Hの位置に相当するフィルム51の表面温度の最高温度をサーモビューアで測定し、印刷枚数毎にプロットしたグラフである。黒丸は発熱体54b1を用いたことを示し、白丸は発熱体54b2を用いたことを示す。図8の横軸には印刷枚数(枚)を示し、縦軸には非通紙部温度(℃)を示す。1枚目から5枚目までは発熱体54b1を用いているため非通紙部幅Hにおいて非通紙部昇温が発生し、5枚目時点で約196℃まで昇温している。その後、6枚目は発熱体54b2のみを用いている。図7において発熱体54b2の長さL2はL2=185mmであり、用紙Pの幅WがW=195mmであるので、発熱体54b2の各端部は用紙Pの各端部よりもそれぞれM=5mmだけ短い。以下、Mを非加熱幅Mという。したがって、発熱体54b2による非通紙部は存在しないため、6枚目では非通紙部昇温が発生しない。
また図7に示す用紙Pの両端部の各領域Kでは、発熱体54b2が用紙Pを直接加熱することができない領域(以下、非加熱領域Kという)である。このように、6枚目の印刷においては非加熱領域Kが生じるため、5枚目までに幅Hの領域で発生していた非通紙部昇温による熱がフィルム51、加圧ローラ53及びヒータ54等を介して用紙Pの非加熱領域Kへと伝導する。これにより、幅Hの領域の温度を低下させることができる。この結果、図8に示すように、6枚目を定着ニップ部Nにおいて通過させることで、フィルム51の非通紙部の温度を約174℃まで低下させることができる。また、非加熱領域Kは発熱体54b2によって直接加熱することはできないが、上述したように、幅Hで発生している非通紙部昇温の熱を利用することにより、用紙Pの非加熱領域Kにおいても良好な定着性を得ることができる。以後、上述した制御により50枚まで印刷を行ったところ、フィルム51の非通紙部の最高温度を約226℃に抑えることができ、フィルム51の破損を防止するための目標温度である235℃(図8中破線)を下回らせることができる。
以上、実施例1の制御を行うことにより、良好な定着性を確保しながら非通紙部昇温を抑制することができるため、中間サイズ紙である16Kサイズ紙を1分間で19枚という高い生産スピードで50枚連続印刷することができる。このため、中間サイズ紙50枚を連続印刷するために要した時間は、約156秒であった。
(比較例1)
比較例1で適用する画像形成装置の構成において、実施例1と同様のものには、同一符号を用いて説明する。図9は比較例1で使用したヒータ54と用紙Pの長手方向における位置関係を示したものである。比較例1で使用したヒータ54は従来から用いられる基本的な構成をしたものであり、2本の発熱体54b3はともに実施例1の発熱体54b1と同じ長さL1=222mmとなっている。2本の発熱体54b3は導体54cにより電気的に直列に接続されており、接点54d4と接点54d5との間に電力を供給することで2本の発熱体54b3が発熱する。電気的に直列に接続された2本の発熱体54b3の合計の抵抗値を20Ωとする。
比較例1では、実施例1と同じく16Kサイズ紙を連続して50枚印刷する際に発熱体54b3のみを使用した場合について説明する。比較例1では発熱体54b3の長さを実施例1と同じくL1=222mmとしたことから、16Kサイズ紙の幅Wが幅W=195mmであるので、実施例1と同じく幅H=13.5mmの領域で非通紙部昇温が発生する。なお、比較例1では発熱体54b2のような発熱体54b3よりも幅の狭い発熱体がないため、非加熱幅Mは存在しない。
図10は比較例1のヒータ54を用いて16Kサイズ紙を50枚連続印刷した場合の、非通紙部幅Hの位置に相当するフィルム51の表面温度の最高温度を印刷枚数毎にプロットしたグラフである。黒丸は発熱体54b3を用いたことを示す。図10の横軸、縦軸等は図8と同様である。ゾーン1で示された1枚目から10枚目までは、実施例1と同様に紙間時間450ms、1分間に19枚の生産スピード(生産性)で印刷を行った。しかしながら、非通紙部温度が10枚目で220℃に到達してしまったため、ゾーン2で示された11枚目からは紙間時間を1500msに拡大し、1分間に14枚の生産スピードに落とすことで非通紙部昇温を抑制しなければならなかった。その結果、比較例1では、中間サイズ紙に50枚連続印刷するために要した時間は、約198秒となった。
以上説明したように、実施例1では、中間サイズ紙を印刷する際に、用紙Pの紙サイズ情報とカウント値とに応じて発熱体54b1と発熱体54b2とを切り替える制御を行う。具体的には、発熱体54bに電力が供給されている状態において、発熱体54b1により第1の枚数の用紙Pの定着処理を行う。発熱体切り替え器57により、発熱体54b1に電力が供給されている状態から発熱体54b2に電力が供給されている状態に切り替えられた状態において、発熱体54b2により第1の枚数より少ない第2の枚数の用紙Pに定着処理を行う。これにより、非通紙部昇温を抑制することができ、スループットを下げることを防止することができるため、比較例1の構成よりも50枚印刷する時間を42秒短縮することができる。
以上、実施例1によれば、定着ニップ部に中間サイズ紙を通過させた場合でも、スループットを下げることなく非通紙部昇温を抑制することができる。
実施例2で適用する画像形成装置の構成において、実施例1と同様のものには、同一符号を付し、説明を省略する。図11は印刷命令を受けてから印刷を終了するまでのシーケンスを示したものである。図11のS801、S802、S804の処理は、実施例1の図5のS701、S702、S704の処理と同様であり、説明を省略する。なお、実施例2では、S801で取得する紙サイズ情報は用紙Pの幅(長手方向の長さ)の情報である。S803でCPU94は、S801で取得した紙サイズ情報である用紙Pの幅の情報とS802で取得したカウント値とに応じて、発熱体54bの切替え制御(発熱パターン)を参照し取得する。上述したように、実施例2における紙サイズ情報は用紙Pの幅の情報(以下、紙幅情報という)である。実施例2では、PC110に紙幅情報が入力されることにより、表2に示した紙幅Wに対応した発熱体54bの切替えタイミングが設定される。
Figure 0007305357000002
表2の1列目には用紙Pのサイズ分類(大サイズ紙等)、2列目には用紙Pの紙幅W(mm)(例えば210>W≧208等)を示す。表2の3列目にはCold状態からプリントを開始した場合に強制的に発熱体54b1を用いて印刷する枚数(例えば3枚等)を示す。実施例1と同じくフィルム51の変形を防止する観点から、いずれの紙幅WにおいてもCold状態から印刷する際には強制的に発熱体54b1を例えば3枚印刷する。表2の4列目には、電力を供給する枚数の比率を示し、この比率は、実施例1の表1と同様にゾーン1とゾーン2とに分けられる。また、各ゾーンにおいて、発熱体54b1と発熱体54b2とが用いられる用紙Pの枚数の比率が示される。
実施例2では、定型サイズ紙以外の中間サイズ紙が指定された場合でも、取得した紙幅情報に対応した発熱体54bの切替えタイミングが適用されることを特徴とする。なお、紙幅情報に加えて用紙Pの搬送方向における長さの情報も含めることで、紙サイズのエリアを複数設け、そのエリア毎に最適な発熱体54bの切替えタイミングを設定する方法をとってもよい。
[表2の切替え制御を用いた連続印刷]
実施例2で用いた用紙Pは紙幅Wが16Kサイズ紙と同じ幅195mm、長さZがLGLサイズと同じ355.6mmの用紙Pである。この用紙PをCold状態から連続して50枚印刷する場合について説明する(後述する図13)。図12は、中間サイズ紙について、CPU94が表2を参照して連続印刷を行った場合の、Cold状態及びHot状態における発熱体54bの切替え動作を説明する図である。図12で(i)、(ii)は中間サイズ紙に連続印刷を行った場合で、(i)はCold状態から印刷を開始した場合を示し、(ii)はHot状態から印刷を開始した場合を示す。また、紙間時間は実施例1が450msであったのに対して実施例2では550msと長めに設定され、実施例2の中間サイズ紙を1分間で14枚の生産スピードで印刷する。
CPU94は、紙幅情報に基づき紙幅WをW=195mmとして取得し、表2からゾーン1では発熱体54b1を用いて4枚の中間サイズ紙に定着処理を行い、その後発熱体54b2を用いて1枚の中間サイズ紙に定着処理を行うという制御を行う。また、表2からゾーン2では発熱体54b1を用いて3枚の中間サイズ紙に定着処理を行い、その後発熱体54b2を用いて1枚の中間サイズ紙に定着処理を行うという制御を行う。なお、その他(黒丸等、カウント値、第1の目標カウント値等)については実施例1と同様である。
図13は図7の非通紙部幅Hの位置に相当するフィルム51の表面温度の最高温度を印刷枚数毎にプロットしたグラフであり、横軸、縦軸等は実施例1の図8と同様である。上述した制御(表2の切替え制御)を用いて50枚の中間サイズ紙に連続印刷を行ったところ、図13に示すように、フィルム51の非通紙部の最高温度を約226℃に抑えることができる。また、実施例1と同様に、50枚の中間サイズ紙の全ての非加熱領域Kにおいて良好な定着性が得られている。
以上、実施例2の制御を行うことにより、長さがLGLサイズと同様に長く非通紙部昇温の影響が大きい中間サイズ紙であっても、良好な定着性を確保しながら非通紙部昇温を抑制することができる。そして、このような中間サイズ紙においても、1分間で14枚という高い生産スピードを保ちつつ、50枚の連続印刷を行うことができる。このように、実施例2によれば、紙幅情報を活用して紙幅情報に対応した発熱体54bの切替えタイミングを適用することで、紙幅Wによらず高い生産スピードを得ることができる。
以上、実施例2によれば、定着ニップ部に中間サイズ紙を通過させた場合でも、スループットを下げることなく非通紙部昇温を抑制することができる。
実施例3で適用する画像形成装置の構成において、実施例1と同様のものには、同一符号を付し、説明を省略する。図14は印刷命令を受けてから印刷を終了するまでのシーケンスを示したものである。図14のS901、S902、S904の処理は、実施例1の図5のS701、S702、S704の処理と同様であり、説明を省略する。S903でCPU94は、S901で取得した紙サイズ情報とS902で取得したカウント値とに応じて、発熱体54bの切替え制御(発熱パターン)を参照し取得する。
実施例3における紙サイズ情報は、図7に示す非通紙部幅Hと用紙Pの長さZとの積(H×Z)、及び、非加熱幅Mと用紙Pの長さZとの積(M×Z)すなわち非加熱領域Kの面積である。より具体的には、PC110に紙サイズ情報が入力されることにより、CPU94は発熱体54b1の長さL1及び発熱体54b2の長さL2と比較して非通紙部幅Hと非加熱幅Mとを算出することができる。また、CPU94は、紙サイズ情報から用紙Pの長さZの情報を取得することにより、用紙Pを1枚印刷したときの用紙Pが定着ニップ部Nを通過する時間を算出することができる。実施例3では、用紙Pの長さZから用紙Pが定着ニップ部Nを通過する時間を算出することなく、単に用紙Pの長さZを用いている。
これらの情報が得られることにより、CPU94は、用紙Pを1枚印刷する毎に定着ニップ部Nで発生する非通紙部昇温の程度E1と、非加熱領域Kの定着に必要な熱の程度及び非加熱幅Hを冷却する程度である程度E2とを予測することができる。実施例3では、程度E1をE1=非通紙部幅H×用紙Pの長さZとして予測し、程度E2をE2=非加熱幅M×用紙Pの長さZとして予測する。第1の程度である程度E1は、用紙Pの幅に基づいて発熱体54b1を用いて定着処理を行った場合に発熱体54b1と用紙Pとが接しない部分(非通紙部)において発生する温度上昇の程度である。第2の程度である程度E2は、用紙Pの幅に基づいて発熱体54b2を用いて定着処理を行った場合に発熱体54b2によって用紙Pを加熱しない部分(非加熱領域K)に要する熱の程度及び非通紙部を冷却する程度である。このように、実施例3の構成を用いることで、定型サイズ紙以外のいかなるサイズの中間サイズ紙であっても、程度E1及び程度E2を求めることにより最適なパフォーマンスが得られるように発熱体54bの切替えタイミングを設定することができる。
[表3の切替え制御を用いた連続印刷]
以下、実施例3の中間サイズ紙を連続印刷する場合を例にして実施例3の制御について具体的に説明する。実施例3で用いた用紙Pは紙幅Wが16Kサイズ紙と同じ幅の195mm、長さZがLGLサイズの半分である178mmの用紙Pである。この用紙PをCold状態から連続して50枚印刷する。印刷を開始する前に、CPU94は、PC110に入力された紙サイズ情報から、非通紙部幅H=13.5mm、非加熱幅M=5mmを算出する。更にCPU94は、それらの値を用いて程度E1=非通紙部幅H×用紙Pの長さZ=2403mm、程度E2=非加熱幅M×用紙Pの長さZ=890mmを算出する。
Figure 0007305357000003
表3は、ゾーン1及びゾーン2において、非通紙部昇温を抑制する観点と非加熱領域Kで良好な定着性が得られるという観点から、設定された表である。すなわち、発熱体54b1から発熱体54b2へと切り替えるべきE1目標積算値と、発熱体54b2から発熱体54b1へと切り替えるべきE2目標積算値を記した表である。ここで、E1目標積算値とは、発熱体54b1から発熱体54b2へと切り替えるべき程度E1の積算値(以下、E1積算値という)をいう。E2目標積算値とは、発熱体54b2から発熱体54b1へと切り替えるべき程度E2の積算値をいう。表3の1列目には各積算値を示し、2列目にはゾーン1における各積算値の目標積算値を示し、3列目にはゾーン2における各目標積算値を示す。例えば、ゾーン1では、E1積算値のE1目標積算値は20000mmであり、E2積算値のE2目標積算値は2000mmである。CPU94は、これらの目標積算値に対して、連続印刷のn枚目で目標積算値に到達し、n+1枚目で目標積算値を超えるということを算出することにより、発熱体54bの切替えタイミングを設定する。
具体的には、実施例3のゾーン1において、発熱体54b1を用いて定着処理が行われた場合には、上述した程度E1=2403mmの場合、n=8枚のときにE1積算値=19224mm(=2403mm×8枚)と算出される。また、n+1=9枚のときにE1積算値=21627mm(=2403mm×9枚)と算出される。以上のことから、CPU94は、表3のゾーン1におけるE1積算値のE1目標積算値である20000以下となるn=8枚目に印刷枚数が到達したときに、発熱体54b1から発熱体54b2に切り替えるように、発熱体54bの切替えタイミングを設定する。
同じく実施例3のゾーン1において、発熱体54b2を用いて定着処理が行われた場合には、上述した程度E2=890mmの場合、n=2枚のときにE2積算値=1780mm(=890mm×2枚)と算出される。また、n+1=3枚のときにE2積算値=2670mm(=890mm×3枚)と算出される。以上のことから、CPU94は、表3のゾーン1におけるE2積算値のE2目標積算値である2000以下となるn=2枚目に印刷枚数が到達したときに、発熱体54b2から発熱体54b1に切り替えるように、発熱体54bの切替えタイミングを設定する。
更に、ゾーン2においては、発熱体54b1を用いて定着処理が行われた場合には、上述した程度E1=2403mmの場合、n=7枚のときにE1積算値=16821mm(=2403mm×7枚)と算出される。また、n+1=8枚のときにE1積算値=19224mm(=2403mm×8枚)と算出される。以上のことから、CPU94は、表3のE1積算値のE1目標積算値である18000以下となるn=7枚目に印刷枚数が到達したときに発熱体54b1から発熱体54b2に切り替えるように、発熱体54bの切替えタイミングを設定する。また、ゾーン2において、発熱体54b2を用いて連続印刷を行った場合には、E2目標積算値がゾーン1のE2目標積算値と同じ2000である。このため、CPU94は、ゾーン1と同じくn=2枚のときに発熱体54b2から発熱体54b1に切り替えるように、発熱体54bの切替えタイミングを設定する。
このように印刷を開始する前に、CPU94は、程度E1と程度E2を算出し、表3の各目標積算値と比較することで発熱体54bを切り替えるべき枚数nを算出する。その結果、図15に示すような発熱体54bの切替えタイミングが決定される。図15で(i)、(ii)は中間サイズ紙に連続印刷を行った場合で、(i)はCold状態から印刷を開始した場合を示し、(ii)はHot状態から印刷を開始した場合を示す。なお、Hot状態から印刷する場合はCold状態のゾーン2を適用している。図15(i)に示すように、中間サイズ紙にCold状態から定着処理を行う場合、ゾーン1では発熱体54b1を用いて8枚の中間サイズ紙に定着処理が行われ、次に発熱体54b2を用いて2枚の中間サイズ紙に定着処理が行われる。CPU94はカウント値が30以上となると、ゾーン1からゾーン2へと移行する。言い換えれば、CPU94は、用紙Pに連続して定着処理を行っている間に、カウント値が30以上となった場合は、発熱体54b1と発熱体54b2との切替えタイミングを変更する。
ゾーン2では、発熱体54b1を用いて7枚の中間サイズ紙に定着処理が行われ、次に発熱体54b2を用いて2枚の中間サイズ紙に定着処理が行われる。図15(ii)に示すように、中間サイズ紙にHot状態から定着処理を行う場合、印刷開始からゾーン2であり、発熱体54b1を用いて7枚の中間サイズ紙に定着処理が行われ、次に発熱体54b2を用いて2枚の中間サイズ紙に定着処理が行われる。
また、実施例3では、紙間時間は、例えば紙間時間=0.0834×E1+149.4(単位はms)のように、程度E1に基づいて算出される。実施例3の中間サイズ紙の場合、程度E1=2403mmであることから、紙間時間は350msとなる。この計算式は、非通紙部昇温の程度E1から最適な紙間時間を求めたものである。この結果、実施例3の制御を行うことで、1分間で28枚という生産スピードで中間サイズ紙の連続印刷が行われる。
ここで、実施例2の制御を用いて実施例3のLGLサイズの半分の長さの中間サイズ紙を印刷した場合について説明する。実施例2の制御は紙幅情報に基づいているため、実施例3の中間サイズ紙においても実施例2と同じ発熱体54bの切替え頻度及び紙間(550ms)が設定され、その紙間時間から1分間で25枚という生産スピードで印刷が行われる。なお、実施例2の表2では、紙幅W(=195mm)の中間サイズ紙の「200>W≧194」のゾーン1(発熱体54b1が4、発熱体54b2が1)とゾーン2(発熱体54b1が3、発熱体54b2が1)が用いられる。
図16(b)は実施例3の中間サイズ紙に対して実施例2の制御を用いた場合の図7の非通紙部幅Hの位置に相当するフィルム51の表面温度の最高温度を印刷枚数毎にプロットしたグラフである。図16(b)に示すように、中間サイズ紙を50枚連続印刷している際に非通紙部の最高温度を193℃と非常に低く抑えることができている。この理由は発熱体54bの切替え頻度の高さと長い紙間時間(550ms)を用いていること、更に中間サイズ紙の長さがLGLサイズの半分と短いことから1分あたりの紙間時間が多く得られるため、定着ニップ部Nを冷却する機会が増えたことである。
しかしながら、発熱体切り替え器57の耐久性の観点から、切替え回数の増加は望ましくなく、最小限の切替え回数に留めることが望ましい。更に、1分あたりの印刷の生産スピードを向上させるといった観点から、必要最小限の紙間時間を設定することが望ましい。以上のような観点を鑑みて、実施例3の構成がより望ましいケースがあると考えられる。
図16(a)は実施例3の制御を用いて中間サイズ紙を50枚連続印刷した場合の図7の非通紙部幅Hの位置に相当するフィルム51の表面温度の最高温度を印刷枚数毎にプロットしたグラフである。フィルム51の非通紙部の最高温度は、フィルム51の破壊が発生しない226℃に抑えることができる。また、実施例1と同様に、50枚全ての中間サイズ紙の非加熱領域Kにおいて良好な定着性が得られる。
以上、実施例3の構成により、中間サイズ紙の紙幅W及び長さZに最適な発熱体54bの切替え頻度と紙間時間とを設定することができ、非加熱領域Kにおける良好な定着性を確保しながら非通紙部昇温を抑制することができる。上述したように、実施例2の紙幅情報に基づいて制御を行った場合は、実施例3の中間サイズ紙を1分間で25枚という生産スピードで印刷することができる。これに対して、実施例3の制御を行った場合は、1分間で28枚という生産スピードで印刷することができ、更なる生産スピードの向上を実現できる。また、中間サイズ紙の50枚の印刷中における発熱体54b1と発熱体54b2との切替え頻度は、実施例2の制御では21回であったのに対し、実施例3では10回まで減らすことができる。
以上、実施例3によれば、定着ニップ部に中間サイズ紙を通過させた場合でも、スループットを下げることなく非通紙部昇温を抑制することができる。
実施例4で適用する画像形成装置の構成において、実施例1と同様のものには、同一符号を付し、説明を省略する。図17は実施例4の定着装置50の断面模式図を示している。実施例1と異なり実施例4ではヒータ54の裏面とニップ形成部材52との間に均熱部材120を設けている。均熱部材120は、発熱体54b1の長手方向における端部と発熱体54b2の長手方向における端部とを接続する部材である。なお、その他の構成については実施例1の図3と同様であり、説明を省略する。
図18(a)はヒータ54の長手方向における均熱部材120の位置を示した図であり、説明上、ヒータ54とは搬送方向において位置をずらして示している。なお、図7で説明した構成と同じ構成には同じ符号を付し説明を省略する。均熱部材120は、発熱体54b1の端部から発熱体54b2の端部までの位置に設けられている。均熱部材120の材質としては、例えば、熱伝導率が230W/(m・K)のアルミ板(JIS合金呼称:A1050)が用いられる。均熱部材120のサイズは、長手方向の長さが18.5mm、搬送方向の長さSがS=7mm(ヒータ54の幅と同じ)、厚み0.3mmである。均熱部材120の一部は折り曲げられ、位置決め部(不図示)が形成されており、その位置決め部によって均熱部材120はニップ形成部材52に取り付けられている。実施例4の構成を用いることで、均熱部材120によって非通紙部幅Hにおける非通紙部昇温の熱を効率よく非加熱領域Kへと伝熱することができるため、非通紙部昇温の緩和効果と非加熱領域Kの定着性向上効果の2つの効果が得られる。
実施例4では、実施例1と同じ16Kサイズの中間サイズ紙を連続して50枚印刷する場合について説明する。また、実施例1と同じく16Kサイズという定型サイズを印刷するという情報に基づいて、実施例1と同様の発熱体54bの切替えタイミングを用いてCold状態から50枚印刷を行った。ただし、均熱部材120による非通紙部昇温の緩和効果を鑑みて、実施例1の紙間時間が450msであったのに対し、実施例4では紙間時間を330msとした。その結果、1分間あたりの生産スピードは実施例1が19枚であったのに対し、実施例4では20枚に向上した。
図18(b)は図18(a)の非通紙部幅Hの位置に相当するフィルム51の表面温度の最高温度を印刷枚数毎にプロットしたグラフである。均熱部材120を有する構成で、上述した制御(表1の制御)を用いて50枚まで中間サイズ紙の連続印刷を行ったところ、フィルム51の非通紙部の最高温度を217℃に抑えられている。また、実施例1と同等以上に、50枚全ての用紙Pの非加熱領域Kにおいて良好な定着性が得られた。
なお、実施例4で説明した発熱体54bの切替え制御の方法は一例であり、各種中間サイズ紙の定型サイズ、紙幅W、又は紙幅Wと紙の長さZの両方に最適に設定された制御を用いればよい。すなわち、均熱部材120を有する構成に実施例1から実施例3で説明した制御を適用してもよい。また、発熱体54bの長さや本数、均熱部材120の厚み、長さ等は一例であり、記載された数値に限定されるものではない。また、均熱部材120の材質は実施例4で説明したアルミ以外の金属やグラファイトシートのような高熱伝導シートでもよい。
以上、実施例4によれば、定着ニップ部に中間サイズ紙を通過させた場合でも、スループットを下げることなく非通紙部昇温を抑制することができる。
[変形例]
更に、発熱体54bの長さや本数は、上述した実施例で記載された数値に限定されるものではない。例えば、図19に示すように、異なる3種類の長さの発熱体54b1、発熱体54b2、及び発熱体54b3をそれぞれ2本、1本及び1本設けたヒータ54であってもよい。なお、変形例においては、発熱体54b2及び発熱体54b3が第2の発熱体として機能し、詳細には、発熱体54b2が第3の発熱体、発熱体54b3が第4の発熱体として機能する。発熱体54b1は、基板54aの短手方向の一方の端部に配置された一方の発熱体54b1と、他方の端部に配置された他方の発熱体54b1とである。基板54aの短手方向において、一方の発熱体54b1、発熱体54b2、発熱体54b3、他方の発熱体54b1の順に配置されている。
変形例の加熱装置に用いられるヒータ及びヒータ制御回路である電力制御部97を図19に示す。図19(a)にヒータ54及び電力制御部97を示し、図19(b)にヒータ54のp-p’断面を示す。ヒータ54は主としてセラミック等で形成された基板54aの上(基板上)に実装された発熱体54b1~54b3、接点54d1~54d4、絶縁ガラス等の保護ガラス層54eで構成される。発熱体54b1~54b3は、商用交流電源等の交流電源55からの電力供給により発熱する抵抗体である。第1の接点である接点54d1及び第2の接点である接点54d2は、基板54aの長手方向における一方の端部に設けられる。第3の接点である接点54d3及び第4の接点である接点54d4は、基板54aの長手方向における他方の端部に設けられる。このように、基板54aの両端部に設けられる接点(電極)の数を、例えば2ずつと同じにする。保護ガラス層54eは、交流電源55にほぼ同電位である発熱体54b1~54b3からユーザーを絶縁するために設けられる。
例えば、発熱体54b1、発熱体54b2及び発熱体54b3の長さは、それぞれレターサイズの幅215.9mm、B5サイズの幅182mm及びA5サイズの幅148mmよりも数mm程度長く設定される。このように、発熱体54bを複数設けておくことにより、より様々なサイズの中間サイズ紙に対応することができるようになる。すなわち、レターサイズとB5サイズとの間の中間サイズ紙を通紙する場合は、発熱体54b1と発熱体54b2とを交互に切り替えればよい。また、B5サイズとA5サイズとの間の中間サイズ紙を通紙する場合は、発熱体54b1と発熱体54b3とを交互に切り替えればよい。
接点54d1は、第1のスイッチ手段であるトライアック56aを介して交流電源55の第1の極に接続される。接点54d2は、第2のスイッチ手段であるトライアック56bを介して交流電源55の第1の極に接続される。接点54d3は、第3のスイッチ手段であるトライアック56cを介して交流電源55の第1の極に接続される。接点54d4はトライアック等を介することなく交流電源55の第2の極に接続される。接点54d2と接点54d4とは、第1の切替手段であるa接点構成の電磁リレー57aを介して接続される。電磁リレー57aは、接点54d2と接点54d4との電気的な経路(電力供給経路)を接続状態(以下、短絡状態ともいう)又は開放状態にする。
次に、発熱体54b1と発熱体54b2、及び発熱体54b1と発熱体54b3、をそれぞれ交互に切り替えて電力供給を行う場合の方法を説明する。図20に、3種類の長さの発熱体54b1、54b2及び54b3を設けたヒータ54と電力制御部97を用いる場合の、発熱体54b1~54b3への3通りの電流経路(電気的な経路であり電力供給経路でもある)を示す。なお、図20に示す電流経路はほんの一例であり、その他の電流経路構成でも構わない。
(発熱体54b1への電力供給)
交流電源55から発熱体54b1に電力供給する場合の電流は、図20(a)の太線で示すルートで流れる。ヒータ54の温度をサーミスタ等の温度検知素子(不図示)で検知し、その温度情報に基づいてマイクロコンピュータ(不図示)からの指示に基づきトライアック56aが動作することで発熱体54b1が所定温度になるように制御される。発熱体54b1への電力供給はトライアック56b、56c及びa接点構成の電磁リレー57aに依らない。すなわち、発熱体54b1に電力供給する場合には、電磁リレー57aは開放状態であっても短絡状態であってもよい。なお、図20(a)では、一例として電磁リレー57aは開放状態となっている。
(発熱体54b2への電力供給)
交流電源55から発熱体54b2に電力供給する場合の電流は、図20(b)の太線で示すルートで流れる。発熱体54b2に電力供給を行う場合には、a接点構成の電磁リレー57aの接点を開放状態に設定する。開放状態のa接点構成の電磁リレー57aの接点インピーダンスは発熱体54b2より十分に大きいため、a接点構成の電磁リレー57aにはほぼ電流が流れず発熱体54b2のみを発熱させることができる。発熱体54b2に供給される電力はトライアック56bにより制御される。
(発熱体54b3への電力供給)
交流電源55から発熱体54b3に電力供給する場合の電流は、図20(c)の太線で示すルートで流れる。発熱体54b3に電力供給を行う場合には、a接点構成の電磁リレー57aの接点を短絡状態に設定することで、電流はほぼ全て発熱体54b3に流れる。短絡状態のa接点構成の電磁リレー57aの接点インピーダンスは発熱体54b2より十分に小さいため、発熱体54b2に電流がほぼ流れず発熱体54b3のみを発熱させることができる。発熱体54b3に供給される電力はトライアック56cにより制御される。
[電力供給経路の切り替え]
発熱体54b1への電力供給経路(図20(a))と発熱体54b2への電力供給経路(図20(b))との切り替えは、予めa接点構成の電磁リレー57aの接点を開放状態にしておく。これにより、トライアック56aとトライアック56bの無接点スイッチのみによって独立して制御することができる。したがって、電力供給経路(図20(a))と電力供給経路(図20(b))との間をシームレスに状態遷移したり、電力供給経路(図20(a))とともに電力供給経路(図20(b))を使用したりすることが可能である。
発熱体54b1への電力供給経路(図20(a))と発熱体54b3への電力供給経路(図20(c))も同様である。上述したように、電力供給経路(図20(a))では、電磁リレー57aは開放状態でも短絡状態でもよい。このため、予めa接点構成の電磁リレー57aの接点を短絡状態にしておけば、以下のようなことが可能である。すなわち、電力供給経路(図20(a))と電力供給経路(図20(c))との間をシームレスに状態遷移したり、電力供給経路(図20(a))とともに電力供給経路(図20(c))を使用したりすることが可能である。
一方、発熱体54b2の電力供給経路(図20(b))と発熱体54b3の電力供給経路(図20(c))とを切り替える際には、a接点構成の電磁リレー57aの状態を切り替えなければならない。このため、電力供給経路(図20(b))とともに発熱体54b3への電力供給経路(図20(c))は使用できない。すなわち、電力供給経路(図20(b))及び電力供給経路(図20(c))のいずれか一方しか使用できず、これらは排他的である。
しかし電力供給経路(図20(b))と電力供給経路(図20(c))の間を遷移させたい場合は、次のように実施すればよい。例えば、電力供給経路(図20(b))→電力供給経路図(図20(a))→電力供給経路(図20(c))や、電力供給経路(図20(c))→電力供給経路(図20(a))→電力供給経路(図20(b))というように状態遷移させればよい。いずれも、電力供給経路(図20(b))と電力供給経路(図20(c))との間に、電力供給経路(図20(a))を経由させればよい。電力供給経路(図20(a))が使用されている間に、a接点構成の電磁リレー57aの状態を開放状態から短絡状態へ、又は短絡状態から開放状態へ切り替えておく。これにより、a接点構成の電磁リレー57aの接点の状態が安定するまで待つために、ヒータ54への電力供給が停止されて用紙Pに必要な熱量を供給できないというような事態を防ぐことができる。
電磁リレー57aは、a接点構成の電磁リレーに限らず、b接点構成の電磁リレー、c接点構成の電磁リレー等、有接点スイッチを用いても構わない。更に、電磁リレー57aは、ソリッドステートリレー(SSR)、フォトモスリレー、トライアック等の無接点スイッチを用いても構わない。
以上、変形例によれば、定着ニップ部に中間サイズ紙を通過させた場合でも、スループットを下げることなく非通紙部昇温を抑制することができる。
50 定着装置
54 ヒータ
54b1、54b2 発熱体
57 発熱体切り替え器
94 CPU
P 用紙

Claims (20)

  1. 細長い基板と、複数の第1の発熱体と、前記第1の発熱体よりも前記基板の長手方向の長さが短い第2の発熱体と、前記第2の発熱体よりも前記長手方向の長さが短い第3の発熱体とを少なくとも有するヒータと、
    電力が供給される発熱体を、前記第1の発熱体、前記第2の発熱体、及び前記第3の発熱体のいずれかに切り替える切替手段と、
    前記切替手段を制御する制御手段と、
    を備え、記録材上の未定着のトナー像に定着処理を行う定着装置であって、
    前記基板の短手方向において、一方の前記第1の発熱体、前記第2の発熱体、前記第3の発熱体、他方の前記第1の発熱体の順に前記基板上に配置されており、
    前記制御手段は、記録材の前記長手方向における長さが第1の長さである場合は、前記第1の発熱体により前記定着処理を行わせ、記録材の前記長手方向における長さが前記第1の長さより短い第2の長さである場合は、前記第2の発熱体、又は前記第3の発熱体のいずれか一方により前記定着処理を行わせ、記録材の前記長手方向における長さが第3の長さである場合は、前記第1の発熱体と前記第2の発熱体を切り替えて前記定着処理を行わせ、又は前記第1の発熱体と前記第3の発熱体を切り替えて前記定着処理を行わせ、
    前記第3の長さは、前記第1の長さより短く、前記第2の長さより長いことを特徴とする定着装置。
  2. 前記制御手段は、記録材に連続して前記定着処理が行われている間は記録材の枚数に応じて増加し、連続した前記定着処理が終了した後は前記ヒータの温度の低下に応じて減少するようにカウントされるカウント値に基づいて、前記第1の発熱体と前記第2の発熱体、又は前記第1の発熱体と前記第3の発熱体を切り替えるタイミングを設定することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記制御手段は、記録材の定型サイズの情報と前記カウント値とに基づいて、前記タイミングを設定することを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記制御手段は、記録材の幅の情報と前記カウント値とに基づいて、前記タイミングを設定することを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
  5. 前記制御手段は、記録材の幅及び長さの情報と前記カウント値とに基づいて、前記タイミングを設定することを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
  6. 前記制御手段は、
    前記記録材の前記幅に基づいて前記第1の発熱体を用いて前記定着処理を行った場合に前記第1の発熱体と前記記録材とが接しない部分において発生する温度上昇の第1の程度を求め、
    前記記録材の前記幅に基づいて前記第2の発熱体又は前記第3の発熱体を用いて前記定着処理を行った場合に前記第2の発熱体又は前記第3の発熱体によって前記記録材を加熱しない部分の前記定着処理のために要する熱の程度及び前記接しない部分を冷却する程度である第2の程度を求め、
    前記第1の程度及び前記第2の程度に基づいて、前記タイミングを設定することを特徴とする請求項5に記載の定着装置。
  7. 前記制御手段は、先行して前記定着処理が行われる第1の記録材の後端と前記第1の記録材に連続して定着処理が行われる後続の第2の記録材の先端との間の距離に応じた時間を、前記第1の程度に基づいて決定することを特徴とする請求項6に記載の定着装置。
  8. 前記制御手段は、前記記録材に連続して前記定着処理を行う前に、前記カウント値が所定値未満である場合には、前記第1の発熱体を用いて所定枚数の記録材に前記定着処理を行ってから設定した前記タイミングに従って前記切替手段を制御することを特徴とする請求項2から請求項7のいずれか1項に記載の定着装置。
  9. 前記制御手段は、前記記録材に連続して前記定着処理を行っている間に、前記カウント値が前記所定値以上となった場合は、前記タイミングを変更することを特徴とする請求項8に記載の定着装置。
  10. 前記制御手段は、前記カウント値が前記所定値以上となった場合に、前記カウント値が前記所定値未満の場合よりも、前記第1の発熱体を用いて前記定着処理を行う前記記録材の枚数が少なくなるように前記タイミングを変更することを特徴とする請求項9に記載の定着装置。
  11. 前記制御手段は、前記記録材に連続して前記定着処理を行う前に、前記カウント値が前記所定値以上である場合には、設定した前記タイミングに従って前記切替手段を制御することを特徴とする請求項8から請求項10のいずれか1項に記載の定着装置。
  12. 前記第1の発熱体の前記長手方向における端部と前記第2の発熱体又は前記第3の発熱体の前記長手方向における端部とを接続する均熱部材を備えることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の定着装置。
  13. 前記第1の発熱体に電力が供給されている状態において、前記第1の発熱体により第1の枚数の記録材の定着処理を行い、
    前記切替手段により、前記第1の発熱体に電力が供給されている状態から前記第2の発熱体又は前記第3の発熱体に電力が供給されている状態に切り替えられた状態において、前記第2の発熱体又は前記第3の発熱体により前記第1の枚数より少ない第2の枚数の記録材に定着処理を行うことを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の定着装置。
  14. 一方の前記第1の発熱体及び他方の前記第1の発熱体の一方の端部が電気的に接続された第1の接点と、
    一方の前記第1の発熱体、他方の前記第1の発熱体及び前記第2の発熱体の他方の端部が電気的に接続された第4の接点と、
    前記第2の発熱体及び前記第3の発熱体の一方の端部が電気的に接続された第2の接点と、
    前記第3の発熱体の他方の端部が電気的に接続された第3の接点と、
    を備えることを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の定着装置。
  15. 前記第1の発熱体の前記長手方向の長さは、LTRサイズの記録材の前記長手方向の長さに対応した長さであり、前記第2の発熱体又は前記第3の発熱体の前記長手方向の長さは、B5サイズの記録材の前記長手方向に対応した長さであることを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の定着装置。
  16. 第1の発熱体と、前記第1の発熱体よりも長手方向の長さが短い第2の発熱体と、を少なくとも有するヒータと、
    電力が供給される発熱体を、前記第1の発熱体及び前記第2の発熱体のいずれか一方に切り替える切替手段と、
    前記切替手段を制御する制御手段と、
    を備え、記録材上の未定着のトナー像に定着処理を行う定着装置であって、
    前記制御手段は、記録材の前記長手方向における長さが第1の長さである場合は、前記第1の発熱体により前記定着処理を行わせ、記録材の前記長手方向における長さが前記第1の長さより短い第2の長さである場合は、前記第2の発熱体により前記定着処理を行わせ、記録材の前記長手方向における長さが第3の長さである場合は、前記第1の発熱体と前記第2の発熱体を切り替えて前記定着処理を行わせ、
    前記第3の長さは、前記第1の長さより短く、前記第2の長さより長く、
    前記制御手段は、
    記録材に連続して前記定着処理が行われている間は記録材の枚数に応じて増加し、連続した前記定着処理が終了した後は前記ヒータの温度の低下に応じて減少するようにカウントされるカウント値、及び、記録材の幅及び長さの情報に基づいて、前記第1の発熱体と前記第2の発熱体を切り替えるタイミングを設定し、
    前記記録材の前記幅に基づいて前記第1の発熱体を用いて前記定着処理を行った場合に前記第1の発熱体と前記記録材とが接しない部分において発生する温度上昇の第1の程度を求め、前記記録材の前記幅に基づいて前記第2の発熱体を用いて前記定着処理を行った場合に前記第2の発熱体によって前記記録材を加熱しない部分の前記定着処理のために要する熱の程度及び前記接しない部分を冷却する程度である第2の程度を求め、前記第1の程度及び前記第2の程度に基づいて、前記タイミングを設定することを特徴とする定着装置。
  17. 前記ヒータにより加熱される第1の回転体と、
    前記第1の回転体とともにニップ部を形成する第2の回転体と、
    を備えることを特徴とする請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の定着装置。
  18. 前記第1の回転体は、フィルムであることを特徴とする請求項17に記載の定着装置。
  19. 前記ヒータは、前記フィルムの内部空間に配置されており、前記ヒータと前記第2の回転体により前記フィルムを挟持しており、記録材上の画像は前記フィルムと前記第2の回転体の間に形成されたニップ部で前記フィルムを介して加熱されることを特徴とする請求項18に記載の定着装置。
  20. 記録材に未定着のトナー像を形成する画像形成手段と、
    前記画像形成手段により記録材に形成された前記未定着のトナー像を記録材上に定着させる請求項1から請求項19のいずれか1項に記載の定着装置と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
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