JP2020115186A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
Description
図1は実施例1の定着装置を搭載した一例の画像形成装置である、インライン方式のカラー画像形成装置を示す構成図である。図1を用いて電子写真方式のカラー画像形成装置の動作を説明する。なお、第1ステーションをイエロー(Y)色のトナー画像形成用のステーション、第2ステーションをマゼンタ(M)色のトナー画像形成用のステーションとしている。また、第3ステーションをシアン(C)色のトナー画像形成用のステーション、第4ステーションをブラック(K)色のトナー画像形成用のステーションとしている。
図2は画像形成装置の動作を説明するブロック図であり、この図を参照しながら画像形成装置の印刷動作について説明する。ホストコンピュータであるPC110は、画像形成装置の内部にあるビデオコントローラ91に対して印刷指令を出力し、印刷画像の画像データをビデオコントローラ91に転送する役割を担う。
次に、実施例1における定着装置50の構成について図3、図4を用いて説明する。ここで、長手方向とは、後述する用紙Pの搬送方向と略直交する加圧ローラ53の回転軸方向のことである。また、搬送方向に略直交する方向(長手方向)の用紙Pの長さを幅という。図3は、定着装置50の断面模式図、図4(a)はヒータ54の模式図、図4(b)はヒータ54の断面模式図、図4(c)は電力制御部97の回路模式図である。また、図4(b)は、発熱体54b1、54b2の長手方向の中心線(図4(a)中の一点鎖線で示すa)におけるヒータ54の断面を示す図である。
ヒータ54について、図4(a)、図4(b)を用いて詳しく説明する。ヒータ54は、アルミナからなる基板54a、銀ペーストからなる発熱体54b1、54b2、導体54c、接点54d1〜54d3、ガラスからなる保護ガラス層54e、からなる。基板54a上に、発熱体54b1、54b2、導体54c、接点54d1〜54d3が形成され、その上に発熱体54b1、54b2とフィルム51との絶縁を確保するために保護ガラス層54eが形成されている。発熱体54b1と発熱体54b2を区別なく発熱体54bと表記することもある。基板54aの長さ(長手方向の長さ)は例えば250mm、幅(短手方向の長さ)は例えば7mm、厚みは例えば1mmである。発熱体54b、導体54cの厚みは例えば10μm、接点54dの厚みは例えば20μm、保護ガラス層54eの厚みは例えば50μmである。
図4(c)は定着装置50の制御回路である電力制御部97の模式図である。定着装置50の電力制御部97は、発熱体54b1、54b2(ヒータ54)、交流電源55、トライアック56、発熱体切り替え器57からなる。トライアック56は、交流電源55から発熱体54b1、54b2へ電力を供給する際に導通し、交流電源55から発熱体54b1、54b2への電力の供給を遮断する際に非導通となる。トライアック56は、電力のヒータ54への供給を接続又は遮断する接続手段として機能する。CPU94は定着温度センサ59の検知結果である温度情報に基づいて、発熱体54b1、54b2を目標温度(例えば上述した180℃)に制御するために必要な電力を算出し、トライアック56を導通又は非導通に制御する。
実施例1では、紙間時間において発熱体54bの切替えが行われる。ここで、紙間時間とは、先行する用紙P(第1の記録材)の後端が定着ニップ部Nを通過した時点から、用紙Pに連続して定着ニップ部Nを通過する後続の用紙P(第2の記録材)の先端が定着ニップ部Nに突入するまでの時間をいう。また、紙間とは、先行する用紙Pの後端と後続の用紙Pの先端との間の距離をいう。以下、紙間時間において発熱体54b1から発熱体54b2に切り替える動作を説明する。
図5はCPU94が印刷命令を受けてから印刷を終了するまでのシーケンスを示したものである。実施例1では、用紙Pの紙サイズ情報と後述するカウント値とに基づいて、発熱体54bの切替えタイミングを設定する。実施例1における紙サイズ情報とは、PC110に入力された用紙Pの定型サイズの情報(以下、定型サイズ情報という)である。
CPU94は、S703において、図5のシーケンスにより選択される大サイズ紙、中間サイズ紙、及び小サイズ紙を定着ニップ部Nにおいて通過させる際、言い換えれば用紙Pに定着処理を行う際に次の情報を取得する。すなわち、CPU94は、複数の用紙Pへの定着処理における発熱体54bの切替えタイミングを、メモリ95に記憶された表1の情報を参照することにより取得する。
図6はCPU94が表1を参照して連続印刷を行った場合の発熱体54bの切替え動作を説明する図である。図6で(i)は大サイズ紙に連続印刷を行った場合を示す。図6で(ii)、(iii)は中間サイズ紙に連続印刷を行った場合で、(ii)はCold状態から印刷を開始した場合を示し、(iii)はHot状態から印刷を開始した場合を示す。図6で(iv)は小サイズ紙に連続印刷を行った場合を示す。いずれも、黒丸は発熱体54b1を用いたことを示し、白丸は発熱体54b2を用いたことを示し、横軸は印刷枚数を示す。
実施例1ではCold状態から50枚印刷した場合について説明する。図6(ii)に示すように、Cold状態のとき、ゾーン1においては発熱体54b1を使用して5枚印刷が行われた後、発熱体54b2に切り替えて1枚印刷が行われ、再び発熱体54b1に切り替えるというシーケンスで印刷が行われる。カウント値が30以上になると第1の目標カウント値以上となるため、ゾーン1からゾーン2に切り替わる。続いてゾーン2においては発熱体54b1を使用して4枚印刷が行われた後、発熱体54b2に切り替えて1枚印刷が行われ、再び発熱体54b1に切り替えるというシーケンスで50枚まで印刷が行われる。図6(iii)に示すHot状態の場合は、印刷開始からゾーン2のシーケンスで50枚まで印刷が行われる。また、実施例1では、紙間時間を450msとし、16Kサイズの中間サイズ紙を1分間で19枚の生産スピードで印刷する。
比較例1で適用する画像形成装置の構成において、実施例1と同様のものには、同一符号を用いて説明する。図9は比較例1で使用したヒータ54と用紙Pの長手方向における位置関係を示したものである。比較例1で使用したヒータ54は従来から用いられる基本的な構成をしたものであり、2本の発熱体54b3はともに実施例1の発熱体54b1と同じ長さL1=222mmとなっている。2本の発熱体54b3は導体54cにより電気的に直列に接続されており、接点54d4と接点54d5との間に電力を供給することで2本の発熱体54b3が発熱する。電気的に直列に接続された2本の発熱体54b3の合計の抵抗値を20Ωとする。
実施例2で用いた用紙Pは紙幅Wが16Kサイズ紙と同じ幅195mm、長さZがLGLサイズと同じ355.6mmの用紙Pである。この用紙PをCold状態から連続して50枚印刷する場合について説明する(後述する図13)。図12は、中間サイズ紙について、CPU94が表2を参照して連続印刷を行った場合の、Cold状態及びHot状態における発熱体54bの切替え動作を説明する図である。図12で(i)、(ii)は中間サイズ紙に連続印刷を行った場合で、(i)はCold状態から印刷を開始した場合を示し、(ii)はHot状態から印刷を開始した場合を示す。また、紙間時間は実施例1が450msであったのに対して実施例2では550msと長めに設定され、実施例2の中間サイズ紙を1分間で14枚の生産スピードで印刷する。
以下、実施例3の中間サイズ紙を連続印刷する場合を例にして実施例3の制御について具体的に説明する。実施例3で用いた用紙Pは紙幅Wが16Kサイズ紙と同じ幅の195mm、長さZがLGLサイズの半分である178mmの用紙Pである。この用紙PをCold状態から連続して50枚印刷する。印刷を開始する前に、CPU94は、PC110に入力された紙サイズ情報から、非通紙部幅H=13.5mm、非加熱幅M=5mmを算出する。更にCPU94は、それらの値を用いて程度E1=非通紙部幅H×用紙Pの長さZ=2403mm2、程度E2=非加熱幅M×用紙Pの長さZ=890mm2を算出する。
更に、発熱体54bの長さや本数は、上述した実施例で記載された数値に限定されるものではない。例えば、図19に示すように、異なる3種類の長さの発熱体54b1、発熱体54b2、及び発熱体54b3をそれぞれ2本、1本及び1本設けたヒータ54であってもよい。なお、変形例においては、発熱体54b2及び発熱体54b3が第2の発熱体として機能し、詳細には、発熱体54b2が第3の発熱体、発熱体54b3が第4の発熱体として機能する。発熱体54b1は、基板54aの短手方向の一方の端部に配置された一方の発熱体54b1と、他方の端部に配置された他方の発熱体54b1とである。基板54aの短手方向において、一方の発熱体54b1、発熱体54b2、発熱体54b3、他方の発熱体54b1の順に配置されている。
交流電源55から発熱体54b1に電力供給する場合の電流は、図20(a)の太線で示すルートで流れる。ヒータ54の温度をサーミスタ等の温度検知素子(不図示)で検知し、その温度情報に基づいてマイクロコンピュータ(不図示)からの指示に基づきトライアック56aが動作することで発熱体54b1が所定温度になるように制御される。発熱体54b1への電力供給はトライアック56b、56c及びa接点構成の電磁リレー57aに依らない。すなわち、発熱体54b1に電力供給する場合には、電磁リレー57aは開放状態であっても短絡状態であってもよい。なお、図20(a)では、一例として電磁リレー57aは開放状態となっている。
交流電源55から発熱体54b2に電力供給する場合の電流は、図20(b)の太線で示すルートで流れる。発熱体54b2に電力供給を行う場合には、a接点構成の電磁リレー57aの接点を開放状態に設定する。開放状態のa接点構成の電磁リレー57aの接点インピーダンスは発熱体54b2より十分に大きいため、a接点構成の電磁リレー57aにはほぼ電流が流れず発熱体54b2のみを発熱させることができる。発熱体54b2に供給される電力はトライアック56bにより制御される。
交流電源55から発熱体54b3に電力供給する場合の電流は、図20(c)の太線で示すルートで流れる。発熱体54b3に電力供給を行う場合には、a接点構成の電磁リレー57aの接点を短絡状態に設定することで、電流はほぼ全て発熱体54b3に流れる。短絡状態のa接点構成の電磁リレー57aの接点インピーダンスは発熱体54b2より十分に小さいため、発熱体54b2に電流がほぼ流れず発熱体54b3のみを発熱させることができる。発熱体54b3に供給される電力はトライアック56cにより制御される。
発熱体54b1への電力供給経路(図20(a))と発熱体54b2への電力供給経路(図20(b))との切り替えは、予めa接点構成の電磁リレー57aの接点を開放状態にしておく。これにより、トライアック56aとトライアック56bの無接点スイッチのみによって独立して制御することができる。したがって、電力供給経路(図20(a))と電力供給経路(図20(b))との間をシームレスに状態遷移したり、電力供給経路(図20(a))とともに電力供給経路(図20(b))を使用したりすることが可能である。
54 ヒータ
54b1、54b2 発熱体
57 発熱体切り替え器
94 CPU
P 用紙
Claims (20)
- 第1の発熱体と、前記第1の発熱体よりも長手方向の長さが短い第2の発熱体と、を少なくとも有するヒータと、
電力が供給される発熱体を、前記第1の発熱体及び前記第2の発熱体のいずれか一方に切り替える切替手段と、
前記切替手段を制御する制御手段と、
を備え、記録材上の未定着のトナー像に定着処理を行う定着装置であって、
前記第1の発熱体の前記長手方向における長さよりも短く前記第2の発熱体の前記長手方向における長さよりも長い、前記長手方向における長さである幅を有する記録材に連続して前記定着処理を行う場合に、
前記制御手段は、前記記録材のサイズに関する情報に基づいて、前記切替手段により前記第1の発熱体と前記第2の発熱体とを切り替えるタイミングを設定することを特徴とする定着装置。 - 前記制御手段は、更に、前記記録材に連続して前記定着処理が行われている間は前記記録材の枚数に応じて増加し、連続した前記定着処理が終了した後は前記ヒータの温度の低下に応じて減少するようにカウントされるカウント値に基づいて、前記タイミングを設定することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記記録材のサイズに関する情報とは、前記記録材の定型サイズの情報であり、
前記制御手段は、前記定型サイズの情報と前記カウント値とに基づいて、前記タイミングを設定することを特徴とする請求項2に記載の定着装置。 - 前記記録材のサイズに関する情報とは、前記記録材の前記幅の情報であり、
前記制御手段は、前記記録材の前記幅の情報と前記カウント値とに基づいて、前記タイミングを設定することを特徴とする請求項2に記載の定着装置。 - 前記記録材のサイズに関する情報とは、前記記録材の前記幅及び前記記録材の搬送方向の長さの情報であり、
前記制御手段は、前記記録材の前記幅及び前記長さと前記カウント値とに基づいて、前記タイミングを設定することを特徴とする請求項2に記載の定着装置。 - 前記制御手段は、
前記記録材の前記幅に基づいて前記第1の発熱体を用いて前記定着処理を行った場合に前記第1の発熱体と前記記録材とが接しない部分において発生する温度上昇の第1の程度を求め、
前記記録材の前記幅に基づいて前記第2の発熱体を用いて前記定着処理を行った場合に前記第2の発熱体によって前記記録材を加熱しない部分の前記定着処理のために要する熱の程度及び前記接しない部分を冷却する程度である第2の程度を求め、
前記第1の程度及び前記第2の程度に基づいて、前記タイミングを設定することを特徴とする請求項5に記載の定着装置。 - 前記制御手段は、先行して前記定着処理が行われる第1の記録材の後端と前記第1の記録材に連続して定着処理が行われる後続の第2の記録材の先端との間の距離に応じた時間を、前記第1の程度に基づいて決定することを特徴とする請求項6に記載の定着装置。
- 前記制御手段は、前記記録材に連続して前記定着処理を行う前に、前記カウント値が所定値未満である場合には、前記第1の発熱体を用いて所定枚数の記録材に前記定着処理を行ってから設定した前記タイミングに従って前記切替手段を制御することを特徴とする請求項2から請求項7のいずれか1項に記載の定着装置。
- 前記制御手段は、前記記録材に連続して前記定着処理を行っている間に、前記カウント値が前記所定値以上となった場合は、前記タイミングを変更することを特徴とする請求項8に記載の定着装置。
- 前記制御手段は、前記カウント値が前記所定値以上となった場合に、前記カウント値が前記所定値未満の場合よりも、前記第1の発熱体を用いて前記定着処理を行う前記記録材の枚数が少なくなるように前記タイミングを変更することを特徴とする請求項9に記載の定着装置。
- 前記制御手段は、前記記録材に連続して前記定着処理を行う前に、前記カウント値が前記所定値以上である場合には、設定した前記タイミングに従って前記切替手段を制御することを特徴とする請求項8から請求項10のいずれか1項に記載の定着装置。
- 前記第1の発熱体の前記長手方向における端部と前記第2の発熱体の前記長手方向における端部とを接続する均熱部材を備えることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の定着装置。
- 前記第1の発熱体に電力が供給されている状態において、前記第1の発熱体により第1の枚数の記録材の定着処理を行い、
前記切替手段により、前記第1の発熱体に電力が供給されている状態から前記第2の発熱体に電力が供給されている状態に切り替えられた状態において、前記第2の発熱体により前記第1の枚数より少ない第2の枚数の記録材に定着処理を行うことを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の定着装置。 - 前記第2の発熱体は、第3の発熱体と、前記第3の発熱体よりも前記長手方向における長さが短い第4の発熱体と、を含むことを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の定着装置。
- 前記第1の発熱体、前記第3の発熱体、及び前記第4の発熱体が配置される基板を備え、
前記第1の発熱体は、前記基板の短手方向の一方の端部に配置された一方の前記第1の発熱体と、他方の端部に配置された他方の前記第1の発熱体とであり、
前記短手方向において、前記一方の第1の発熱体、前記第3の発熱体、前記第4の発熱体、前記他方の第1の発熱体の順に配置されていることを特徴とする請求項14に記載の定着装置。 - 前記一方の第1の発熱体及び前記他方の第1の発熱体の一方の端部が電気的に接続された第1の接点と、
前記一方の第1の発熱体、前記他方の第1の発熱体及び前記第3の発熱体の他方の端部が電気的に接続された第4の接点と、
前記第3の発熱体及び前記第4の発熱体の一方の端部が電気的に接続された第2の接点と、
前記第4の発熱体の他方の端部が電気的に接続された第3の接点と、
を備えることを特徴とする請求項15に記載の定着装置。 - 前記ヒータにより加熱される第1の回転体と、
前記第1の回転体とともにニップ部を形成する第2の回転体と、
を備えることを特徴とする請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の定着装置。 - 前記第1の回転体は、フィルムであることを特徴とする請求項17に記載の定着装置。
- 前記ヒータは、前記フィルムの内面に接するように設けられており、
前記ニップ部は、前記フィルムを介して前記ヒータと前記第2の回転体とにより形成されていることを特徴とする請求項18に記載の定着装置。 - 記録材に未定着のトナー像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段により前記記録材に形成された前記未定着のトナー像を前記記録材上に定着させる請求項1から請求項19のいずれか1項に記載の定着装置と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
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