JP2022160076A - 液体吐出装置 - Google Patents

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Abstract

Figure 2022160076000001
【課題】吐出動作を開始するまでの時間を短くする。
【解決手段】プリンタの制御装置は、インクジェットヘッドに複数のノズルから記録用紙に向けてインクを吐出させる吐出動作を実行するときに、吐出動作に先立って検査用駆動を行わせ、検査用駆動にて信号処理回路から出力される判定用信号に基づく異常ノズルの数が閾値以上と判定された場合には、吐出動作に先立って回復処理を行わせ、回復処理が行われた場合は吐出動作が終了した後に、検査用駆動を実行させ、回復処理が行われていない場合は吐出動作が終了した後に、検査用駆動を実行させない。
【選択図】図7

Description

本発明は、ノズルから液体を吐出する液体吐出装置に関する。
特許文献1には、複数のノズルからインクが正常に吐出されるか否かを検査するヘッド検査(検査用駆動)を実行し、異常が発生しているノズルがあるときは、その異常ノズルが回復するまでの間、印刷ヘッドのクリーニング(回復動作)とヘッド検査とを交互に所定回数繰り返し、クリーニングでノズルの異常が回復された場合は、印刷処理(吐出動作)を実行する画像形成装置について記載されている。
特開2007-136858号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の画像形成装置においては、異常が発生しているノズルがあるときは印刷ヘッドのクリーニングを行い、その後、再度ヘッド検査を実行し、ノズルの異常が回復された場合に印刷処理が実行されるため、クリーニングを実行することで、ノズルの異常が回復したにもかかわらず、印刷処理の前には必ずヘッド検査を実行する。このため、クリーニング後、ヘッド検査を行うための時間分、待つ必要があり、印刷処理を開始するまでの時間が長くなる問題がある。
そこで、本発明の目的は、吐出動作を開始するまでの時間を短くすることが可能な液体吐出装置を提供することである。
本発明の液体吐出装置は、第1の観点によると、液体を吐出する複数のノズルを有する液体吐出ヘッドと、前記複数のノズルが液体の吐出に異常のある異常ノズルであるか否かを確認するための検査用駆動を前記液体吐出ヘッドに行わせた際に、前記複数のノズルが前記異常ノズルであるか否かを示す判定用信号を出力する信号出力部と、前記ノズルから液体を排出させる回復動作を行う回復手段と、制御装置と、を備えている。そして、前記制御装置は、前記液体吐出ヘッドに前記複数のノズルから被吐出媒体に向けて液体を吐出させる吐出動作を実行するときに、前記吐出動作に先立って前記検査用駆動を行わせ、前記検査用駆動にて前記信号出力部から出力される前記判定用信号に基づく前記異常ノズルの数が閾値以上と判定された場合には、前記吐出動作に先立って前記回復手段に前記回復動作を行わせ、前記回復動作が行われた場合は前記吐出動作が終了した後に、前記検査用駆動を実行させ、前記回復動作が行われていない場合は前記吐出動作が終了した後に、前記検査用駆動を実行させない。
また、本発明の液体吐出装置は、第2の観点によると、液体を吐出する複数のノズルを有する液体吐出ヘッドと、前記複数のノズルが液体の吐出に異常のある異常ノズルであるか否かを確認するための検査用駆動を前記液体吐出ヘッドに行わせた際に、前記複数のノズルが前記異常ノズルであるか否かを示す判定用信号を出力する信号出力部と、前記ノズルから液体を排出させる回復動作を行う回復手段と、制御装置と、を備えている。そして、前記制御装置は、前記液体吐出ヘッドに前記複数のノズルから被吐出媒体に向けて液体を吐出させる吐出動作を実行するときに、前記吐出動作に先立って前記検査用駆動を行わせ、前記検査用駆動にて前記信号出力部から出力される前記判定用信号に基づく前記異常ノズルの数が閾値以上と判定された場合には、前記吐出動作に先立って前記異常ノズルの数が前記閾値未満であると判定されるまでの間に前記回復動作と前記検査用駆動とを交互に繰り返し、前記回復動作を所定回数実行した場合、前記吐出動作を行わせ、前記吐出動作直前の前記検査用駆動から前記吐出動作が行われるまでに前記回復動作が行われた場合は、前記吐出動作が終了した後に前記検査用駆動を実行させ、前記吐出動作直前の前記検査用駆動から前記吐出動作が行われるまでに前記回復動作が行われていない場合は、前記吐出動作が終了した後に前記検査用駆動を実行させない。
また、本発明の液体吐出装置は、第3の観点によると、液体を吐出する複数のノズルを有する液体吐出ヘッドと、前記複数のノズルが液体の吐出に異常のある異常ノズルであるか否かを確認するための検査用駆動を前記液体吐出ヘッドに行わせた際に、前記複数のノズルが前記異常ノズルであるか否かを示す判定用信号を出力する信号出力部と、前記ノズルから液体を排出させる回復動作を行う回復手段と、時刻を示す時刻信号を出力する時計部と、記憶部と、制御装置と、を備えている。そして、前記制御装置は、前記時計部から出力された所定時刻である前記時刻信号を受信したときに前記検査用駆動を行わせ、前記検査用駆動にて前記信号出力部から出力される前記判定用信号に基づく前記異常ノズルの数が閾値以上と判定された場合には、前記回復動作を行わせる必要があることを示すフラグ情報を前記記憶部に記憶させ、前記検査駆動の後であって、前記液体吐出ヘッドに前記複数のノズルから被吐出媒体に向けて液体を吐出させる吐出動作を実行するときに、前記記憶部に前記フラグ情報が記憶されている場合には、前記吐出動作に先立って前記回復手段に前記回復動作を行わせ、前記回復動作が行われた場合は前記吐出動作が終了した後に、前記検査用駆動を実行させ、前記回復動作が行われていない場合は前記吐出動作が終了した後に、前記検査用駆動を実行させない。
本発明の液体吐出装置の第1の観点によると、回復動作を実行した場合、吐出動作が開始されるまでの間に、検査用駆動が実行されずに、吐出動作が終了した後に、検査用駆動が実行される。このため、直前の回復動作を終了してから吐出動作が開始されるまでの間に検査用駆動が実行されない分だけ、吐出動作を開始するまでの時間が短くなる。また、吐出動作が終了してから検査用駆動が実行されるため、回復動作を実行した後の異常ノズルの数が閾値以上であるか否かを判定することが可能となる。
また、本発明の液体吐出装置の第2の観点によると、回復動作を所定回数まで実行した場合、吐出動作が開始されるまでの間に、検査用駆動が実行されずに、吐出動作が終了した後に、検査用駆動が実行される。このため、直前の回復動作を終了してから吐出動作が開始されるまでの間に検査用駆動が実行されない分だけ、吐出動作を開始するまでの時間が短くなる。また、吐出動作が終了してから検査用駆動が実行されるため、回復動作を実行した後の異常ノズルの数が閾値以上であるか否かを判定することが可能となる。また、吐出動作前に回復動作を所定回数まで繰り返し行うことが可能になるため、異常ノズルの数を減らした状態で吐出動作を実行することが可能となる。
また、本発明の液体吐出装置の第3の観点によると、回復動作を実行した場合、吐出動作が開始されるまでの間に、検査用駆動が実行されずに、吐出動作が終了した後に、検査用駆動が実行される。このため、直前の回復動作を終了してから吐出動作が開始されるまでの間に検査用駆動が実行されない分だけ、吐出動作を開始するまでの時間が短くなる。また、吐出動作が終了してから検査用駆動が実行されるため、回復動作を実行した後の異常ノズルの数が閾値以上であるか否かを判定することが可能となる。また、所定時刻であることを示す時刻信号を受信することで検査用駆動が行われる。
本発明の第1実施形態に係るプリンタの概略構成図である。 キャップ内に配置された検出用電極、及び、検出用電極と高電圧電源回路及び信号処理回路との接続関係を説明するための図である。 (a)はノズルからインクが吐出された場合の判定用信号を示す図であり、(b)はノズルからインクが吐出されなかった場合の判定用信号を示す図である。 プリンタの電気的構成を示すブロック図である。 プリンタの待機時の動作を示すフローチャートである。 図5に示す第1検査処理及び図7に示す第2検査処理の流れを示すフローチャートである。 プリンタの記録時の動作を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係るプリンタの記録時の動作を示すフローチャートである。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。
<プリンタの全体構成>
図1に示すように、第1実施形態に係るプリンタ1(本発明の「液体吐出装置」)は、キャリッジ2、サブタンク3、インクジェットヘッド4(本発明の「液体吐出ヘッド」)、プラテン5、搬送ローラ6,7、メンテナンスユニット8などを含む。
キャリッジ2は、走査方向に延びた2本のガイドレール11,12に支持されている。キャリッジ2は、図示しないベルトなどを介してキャリッジモータ86(図4参照)に接続されており、キャリッジモータ86を駆動させると、キャリッジ2がガイドレール11,12に沿って走査方向に移動する。なお、以下では、図1に示すように、走査方向の右側及び左側を定義して説明を行う。
サブタンク3は、キャリッジ2に搭載されている。ここで、プリンタ1は、カートリッジホルダ13を含み、カートリッジホルダ13に4つのインクカートリッジ14が取り外し可能に装着されている。4つのインクカートリッジ14は、走査方向に並んでおり、走査方向の右側に配置されたものから、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタのインク(本発明の「液体」)を貯留している。サブタンク3は、4本のチューブ15を介してカートリッジホルダ13に装着された4つのインクカートリッジ14と接続されている。これにより、4つのインクカートリッジ14からサブタンク3に上記4色のインクが供給される。
インクジェットヘッド4は、キャリッジ2に搭載され、サブタンク3の下端部に接続されている。インクジェットヘッド4には、サブタンク3から上記4色のインクが供給される。また、インクジェットヘッド4は、その下面であるノズル面4aに形成された複数のノズル10からインクを吐出する。より詳細に説明すると、複数のノズル10は、走査方向と直交する搬送方向に配列されることによってノズル列9を形成しており、ノズル面4aにおいて、4列のノズル列9が走査方向に並んでいる。複数のノズル10からは、走査方向の右側のノズル列9を構成するものから、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタのインクが吐出される。
プラテン5は、インクジェットヘッド4の下方に配置され、複数のノズル10と対向している。プラテン5は、走査方向に記録用紙P(本発明の「被吐出媒体」)の全長にわたって延び、記録用紙Pを下方から支持する。搬送ローラ6は、インクジェットヘッド4及びプラテン5よりも搬送方向の上流側に配置されている。搬送ローラ7は、インクジェットヘッド4及びプラテン5よりも搬送方向の下流側に配置されている。搬送ローラ6,7は、図示しないギヤなどを介して搬送モータ87(図4参照)に接続されている。搬送モータ87を駆動させると、搬送ローラ6,7が回転し、記録用紙Pが搬送方向に搬送される。
メンテナンスユニット8は、キャップ71と、吸引ポンプ72と、廃液タンク73とを含む。キャップ71は、プラテン5よりも走査方向の右側に配置されている。そして、キャリッジ2を、プラテン5よりも走査方向の右側のメンテナンス位置に位置させると、複数のノズル10がキャップ71と対向する。
また、キャップ71は、キャップ昇降機構88(図4参照)によって昇降可能となっている。そして、キャリッジ2を上記メンテナンス位置に位置させることによって複数のノズル10とキャップ71とを対向させた状態で、キャップ昇降機構88によりキャップ71を上昇させると、キャップ71の上端部がノズル面4aに密着し、複数のノズル10がキャップ71に覆われる。なお、キャップ71はノズル面4aに密着することで複数のノズル10を覆うものであることには限られない。キャップ71は、例えば、インクジェットヘッド4のノズル面4aの周囲に配置される図示しないフレーム等に密着することで、複数のノズル10を覆うものであってもよい。
吸引ポンプ72はチューブポンプなどであり、キャップ71及び廃液タンク73と接続されている。そして、メンテナンスユニット8では、上述したように複数のノズル10がキャップ71によって覆われた状態で吸引ポンプ72を駆動させると、複数のノズル10からインクジェットヘッド4内のインクを排出させる、いわゆる吸引パージ(本発明の「回復動作」)を行うことができる。吸引パージによって排出されたインクは廃液タンク73に貯留される。
なお、ここでは、便宜上、キャップ71が全てのノズル10をまとめて覆い、吸引パージにおいて、全てのノズル10からインクジェットヘッド4内のインクを排出させるものとして説明を行ったが、これには限られない。例えば、キャップ71が、ブラックインクを吐出する最も右側のノズル列9を構成する複数のノズル10を覆う部分と、カラーインク(イエロー、シアン、マゼンタのインク)を吐出する左側3列のノズル列9を構成する複数のノズル10を覆う部分とを別々に有し、吸引パージにおいて、インクジェットヘッド4内のブラックインク及びカラーインクのいずれかを選択的に排出させることができるようになっていてもよい。あるいは、例えば、キャップ71が、ノズル列9毎に個別に設けられ、吸引パージにおいて、ノズル列9毎に個別に、ノズル10からインクを排出させることができるようになっていてもよい。
また、図2に示すように、キャップ71内には、矩形の平面形状を有する検出用電極76が配置されている。検出用電極76は、抵抗79を介して高電圧電源回路77に接続されている。そして、検出用電極76には、後述する検査用駆動の際に、高電圧電源回路77により所定の電位(例えば600V程度)が付与される。一方で、インクジェットヘッド4は、グランド電位に保持されている。これにより、インクジェットヘッド4と検出用電極76との間に所定の電位差が生じる。検出用電極76には、信号処理回路78が接続されている。信号処理回路78は、微分回路などを含み、検出用電極76から出力される電位の信号に対して、微分処理を含む処理を行った信号出力する。すなわち、信号処理回路78から出力される信号は、検出用電極76の電位に対応する電位の信号である。ただし、信号処理回路78から出力される信号は、電流の信号であってもよい。なお、本実施形態では、検出用電極76と高電圧電源回路77と信号処理回路78と抵抗79とを合わせたものが、本発明の「信号出力部」に相当する。
キャリッジ2を上記メンテンナンス位置に位置させた後、高電圧電源回路77により、インクジェットヘッド4と、検出用電極76との間に電位差を生じさせる。このとき、後述する検査用駆動を行わせていない状態では、信号処理回路78から出力される信号(非駆動時信号)の値は、図3(a),(b)に示すように、所定の基準値V0となる。
そして、本実施形態では、キャリッジ2を上記メンテンナンス位置に位置させた後、高電圧電源回路77により、インクジェットヘッド4と、検出用電極76との間には電位差を生じさせ、ノズル10から検出用電極76に向けてインクを吐出させるようにインクジェットヘッド4を駆動させる検査用駆動を行わせる。
検査用駆動において、ノズル10がインクの吐出に異常のある異常ノズルでなければ、ノズル10から帯電したインクが吐出される。これにより、帯電したインクが検出用電極76に近づき、検出用電極76にインクが着弾するまで、検出用電極76の電位が変化する。そして、帯電したインクが検出用電極76に着弾した後、検出用電極76の電位が減衰しながらインクの吐出前の電位に戻る。
このとき、信号処理回路78から出力される信号(本発明の「判定用信号」)は、図3(a)に示すように、ノズル10からのインクの吐出開始の時点から上昇して、基準値V0よりも高い最大値V1に達し、その後、低下して基準値V0よりも低い最小値V2に達する。その後、減衰しながら増減して基準値V0に収束する。
一方、ノズル10が異常ノズルである場合には、検査用駆動を行っても、ノズル10からインクが吐出されない。そのため、検出用電極76の電位が信号処理回路78から出力される信号(判定用信号)は、図3(b)に示すように、所定の基準値V0から変化しない。
このように、本実施形態では、ノズル10が異常ノズルであるか否かによって、判定用駆動を行ったときに信号処理回路78から出力される信号が異なる。そして、本実施形態では、このことを利用して、後述するようにノズル10が異常ノズルであるか否かを判定する。
<プリンタの電気的構成>
次に、プリンタ1の電気的構成について説明する。図4に示すように、プリンタ1は、制御装置80を有している。制御装置80は、CPU(Central Processing Unit)81、ROM(Read Only Memory)82、RAM(Random Access Memory)83、フラッシュメモリ(本発明の「記憶部」)84、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)85などからなる。制御装置80は、キャリッジモータ86、インクジェットヘッド4、搬送モータ87、キャップ昇降機構88、吸引ポンプ72、高電圧電源回路77等の動作を制御する。また、制御装置80には、信号処理回路78から判定用信号が入力される。
また、プリンタ1は、以上で説明した構成のほかに、時計部68を有している。制御装置80は、時計部68から時刻を示す時刻信号を受信する。プリンタ1には、図示しないコンセントから電源供給が行われ、制御装置80及び時計部68に電力供給が行われる。
なお、制御装置80は、CPU81のみが各種処理を行うものであってもよいし、ASIC85のみが各種処理を行うものであってもよいし、CPU81とASIC85とが協働して各種処理を行うものであってもよい。また、制御装置80は、1つのCPU81が単独で処理を行うものであってもよいし、複数のCPU81が処理を分担して行うものであってもよい。また、制御装置80は、1つのASIC85が単独で処理を行うものであってもよいし、複数のASIC85が処理を分担して行うものであってもよい。
<待機時の制御>
続いて、プリンタ1において、待機時の制御装置80による制御について説明する。プリンタ1では、上記待機時に、制御装置80が図5のフローに沿って処理を行う。
図5のフローについてより詳細に説明すると、制御装置80は、時計部68から受信した時刻信号が所定時刻であることを示しているか否かを判定する(S101)。時計部68から受信した時刻信号が所定時刻であることを示していない場合(S101:NO)、S101を繰り返す。本実施形態における所定時刻は、AM6:00などの早朝に設定されているが、特に限定するものではない。
一方、時計部68から受信した時刻信号が所定時刻であることを示している場合(S101:YES)、制御装置80は、時計部68からの時刻信号と、フラッシュメモリ84に記憶された検査履歴情報とに基づいて、1日の間に第1検査処理を実行したかを判定する(S102)。本実施形態における1日とは、AM0:00~次の日のAM0:00までをいうが、24時間であれば、開始時間と終了時間は適宜設定してもよい。本実施形態における制御装置80は、S102において、検査履歴情報の中に、AM0:00~所定時刻(AM6:00)までの間に第1検査処理を1度でも実行しているかを判定する。
第1検査処理が1度も実行されていない場合(S102:NO)、制御装置80は、第1検査処理を実行する(S103)。また、第1検査処理が1度でも実行されている場合(S102:YES)、制御装置80は、待機時のフローを終了する。
<第1検査処理>
ここで第1検査処理について、図6を参照しつつ以下に説明する。第1検査処理では、制御装置80は、まず、キャリッジモータ86を制御して、キャリッジ2をメンテナンス位置に移動させる(S201)。なお、図6のフローの開始の時点で、キャリッジ2がメンテナンス位置に位置している場合には、S201においてキャリッジ2をメンテナンス位置に位置させた状態を維持する。
次に、制御装置80は、高電圧電源回路77を制御して、検出用電極76に電圧を印加することによって、検出用電極76とインクジェットヘッド4との間に電位差を生じさせる(S202)。
次に、制御装置80は、インクジェットヘッド4の複数のノズル10のうち1つのノズル10を、異常ノズルであるか否かを判定する対象である対象ノズルに設定する(S203)。このとき、回復不能ノズル(後述する)に設定されたノズル10は、対象ノズルから除外する。回復不能ノズルとは、ノズル10内のインクの乾燥が進み、当該ノズル10からインク吐出が不能となったノズル、及び、ノズル10が損傷し、当該ノズル10からインクが不吐出又は所定方向に吐出されない状態となったノズルなどをいい、回復動作としての吸引パージを繰り返し行っても回復しない可能性が高いと判断されたノズルである。
次に、制御装置80は、検査用駆動処理を実行する(S204)。S204では、制御装置80は、インクジェットヘッド4に、対象ノズルからインクを吐出させるための検査用駆動を行わせる。このとき、制御装置80は、時計部68からの時刻信号に基づいて、検査用駆動が行われた時刻の情報である検査履歴情報をフラッシュメモリ84に記憶させる。
次に、制御装置80は、S204によって検査用駆動が行われたときに、信号処理回路78から出力された判定用信号に基づいて、判定用信号の第1期間T1における最大値Va1と最小値Vb1との差[Va1-Vb1]が閾値Vt以上であるか否かを判定する(S205)。
ここで、第1期間T1とは、図3(a)に示すように、判定期間Tの一部であり、検査用駆動が行われてノズル10からインクが吐出されたときに、判定用信号の値が最大値V1になると想定される第1タイミングU1と、判定用信号の値が最小値V2になると想定される第2タイミングU2とを含み得る期間である。なお、判定期間Tとは、図3(a)に示すような、検査用駆動の開始の時点を起点とし、検査用駆動によってノズル10からインクが吐出された場合に、信号処理回路78から出力される信号が十分に減衰するまでの期間のことである。また、本実施形態では、プリンタ1の製造段階などにおいて、実験などによって第1タイミングU1及び第2タイミングU2を取得し、これに基づいて、第1期間T1の情報をフラッシュメモリ84に記憶させている。
判定用信号の上記最大値Va1と上記最小値Vb1との差[Va1-Vb1]が閾値Vt以上の場合(S205:YES)、制御装置80は、対象ノズルが異常ノズルでないことをフラッシュメモリ84に記憶させる(S206)。このとき、対象ノズルにおける変数Cの値を0にリセットする。なお、ここでいう変数Cとは、対象ノズルの状態に関するパラメータであって、回復不能ノズルとなりうるパラメータ条件に達したか否かを判定するための変数であり、ノズル10毎に記憶している。本実施形態においては、変数Cが回復不能ノズル用の閾値に達することがパラメータ条件に達したことである。
判定用信号の上記最大値Va1と上記最小値Vb1との差[Va1-Vb1]が閾値Vt未満の場合(S205:NO)、制御装置80は、対象ノズルが異常ノズルであることをフラッシュメモリ84に記憶させる(S207)。このとき、対象ノズルにおける変数Cの値を1増加させる(本発明の「第2パラメータ情報」)。
次に、制御装置80は、回復不能ノズルのパラメータ条件に達したか否かを判定する(S208)。つまり、制御装置80は、フラッシュメモリ84に記憶された変数Cが回復不能ノズル用の閾値に達するか否かを判定する。
変数Cが回復不能ノズル用の閾値に達した場合(S208:YES)、制御装置80は、フラッシュメモリ84に対象ノズル(異常ノズル)を回復不能ノズルと記憶して設定する(S209)。つまり、異常ノズルから回復不能ノズルに設定することにより、異常ノズルから除外する。
S206又はS209の後、制御装置80は、インクジェットヘッド4の全てのノズル10について、異常ノズルであるか否かの検査が完了したか否かを判定する(S210)。異常ノズルであるか否かの検査が完了していないノズル10が存在する場合には(S210:NO)、制御装置80は、対象ノズルを、異常ノズルであるか否かの検査が完了していないいずれかのノズル10に変更し(S211)、S204に戻る。このときも、回復不能ノズルに設定されたノズル10は、対象ノズルから除外する。
インクジェットヘッド4の全てのノズル10について、異常ノズルであるか否かの検査が完了している場合には(S210:YES)、制御装置80は、高電圧電源回路77を制御して、検出用電極76への電圧の印加を解除する(S212)。こうして、S104に進む。
制御装置80は、S104において、フラッシュメモリ84に記憶された異常ノズルの数が閾値以上であるか否かを判定する。このとき、回復不能ノズルとして設定されているノズル10については、異常ノズルに含まず、除外する。フラッシュメモリ84に閾値以上の異常ノズルが記憶されている場合(S104:YES)、制御装置80は、フラッシュメモリ84に回復フラグ情報を記憶させる(S105)。なお、回復フラグ情報とは、異常ノズルの数が閾値以上である場合に、後に吸引パージを実行させてノズル10の異常を回復させるために、フラッシュメモリ84に記憶させるフラグ情報である。
S104において、フラッシュメモリ84に記憶された異常ノズルの数が閾値未満である場合(S104:NO)、制御装置80は、フラッシュメモリ84に回復フラグ情報が記憶されている場合は、回復フラグ情報を消去する(S106)。こうして、待機時のフローを終了する。
<記録時の制御>
続いて、プリンタ1において記録用紙Pに記録を行うときの制御について説明する。プリンタ1では、記録用紙Pに記録を行うことを指示する記録指令信号を受信したときに、制御装置80が、図7のフローに沿って処理を行う。記録指令信号は、プリンタ1で記録用紙Pに記録を行うことを指示する信号であって、外部機器などから制御装置80に送信される。
図7のフローについてより詳細に説明すると、制御装置80は、まず、記録指令信号を受信したか否かを判定する(S301)。記録指令信号を受信していない場合(S301:NO)、S301を繰り返す。記録指令信号を受信した場合(S301:YES)、制御装置80は、S102と同様に、時計部68からの時刻信号と、フラッシュメモリ84に記憶された検査履歴情報とに基づいて、1日の間に第1検査処理を実行したかを判定する(S302)。
第1検査処理が1度も実行されていない場合(S302:NO)、制御装置80は、S103と同様な、第1検査処理を実行する(S303)。この後、制御装置80は、S104~S106と同様なS304~S306を実行する。
第1検査処理が1度でも実行されている場合(S302:YES)、制御装置80は、フラッシュメモリ84に回復フラグ情報が記憶されているかを判定する(S307)。
S305の後、及び、S307においてフラッシュメモリ84に回復フラグ情報が記憶されている場合(S307:YES)、制御装置80は、回復処理を実行する(S308)。
本実施形態における回復処理では、制御装置80は、吸引パージを行わせる。そして、吸引パージの完了後、制御装置80は、回復処理を実行したことを示す回復実行フラグ情報をフラッシュメモリ84に記憶させる。
S306,S308の後、及び、S307においてフラッシュメモリ84に回復フラグ情報が記憶されていない場合(S307:NO)、制御装置80は、印刷処理を実行する(S309)。つまり、制御装置80は、受信した記録指令信号に基づいて、図示しない給紙機構、及び、搬送モータ87を制御して、給紙機構に記録用紙Pを供給させるとともに、搬送ローラ6,7に、記録用紙Pを、記録用紙Pの最初の記録パスで画像が記録される領域がインクジェットヘッド4の複数のノズル10と対向する位置まで搬送させる。そして、制御装置80は、キャリッジモータ86を制御してキャリッジ2を走査方向に移動させつつ、インクジェットヘッド4を制御して複数のノズル10から記録用紙Pに向けてインクを吐出させる記録パス、を行わせる(本発明の「吐出動作」)。
この後、制御装置80は、1枚の記録用紙Pへの記録が完了していない場合には、搬送モータ87を制御して、搬送ローラ6,7に記録用紙Pを所定距離搬送させ、再度、記録パスを行わせる動作を1枚の記録用紙Pへの記録が完了するまで繰り返し行う。1枚の記録用紙Pへの画像の記録が完了した場合には、制御装置80は、搬送モータ87を制御して、搬送ローラ6,7に記録が完了した記録用紙Pを排出させる。
次に、制御装置80は、S301で受信した記録指令信号とは別の記録指令信号を受信していないか否かを判定する。つまり、制御装置80は、S309での印刷処理(吐出動作)の後の後述の第2検査処理を実行するよりも前に、別の記録指令信号を受信していないかを判定する。別の記録指令信号を受信している場合(S310:YES)、制御装置80は、S309と同様に、受信した別の記録指令信号に基づいて、印刷処理を実行する。
S311の後、及び、S310において別の記録指令信号を受信していない場合(S310:NO)、制御装置80は、フラッシュメモリ84に回復実行フラグ情報が記憶されているかを判定する(S312)。
フラッシュメモリ84に回復実行フラグ情報が記憶されていない場合(S312:NO)、制御装置80は、記録時のフローを終了する。このように本実施形態において、制御装置80は、フラッシュメモリ84に回復実行フラグ情報が記憶されていない場合、すなわち、回復処理が行われていない場合、印刷処理後に後述の第2検査処理を実行させない。一方、フラッシュメモリ84に回復実行フラグ情報が記憶されている場合(S312:YES)、制御装置80は、第2検査処理を実行する(S313)。
第2検査処理とは、受信した記録指令信号に伴う印刷処理(吐出動作)の後であって、当該印刷処理の前に回復処理が行われたときに行われる検査処理である。第2検査処理は、図6に示す第1検査処理とほぼ同様の処理であるため、異なる点についてだけ説明し、同様のものについては説明を省略する。
本実施形態における第2検査処理は、第1検査処理のS205における判定用信号における期間が異なる。つまり、第2検査処理におけるS205においては、制御装置80は、信号処理回路78から出力された判定用信号に基づいて、判定用信号の第2期間T2における最大値Va2と最小値Vb2との差[Va2-Vb2]が閾値Vt以上であるか否かを判定する。
ここで、第2期間T2とは、図3(a)に示すように、判定期間Tの一部であり、第1期間T1と同様に、第1タイミングU1と、第2タイミングU2とを含み得る期間である。また、第2期間T2は、第1期間T1よりも長い期間である。このため、第2検査処理におけるS205での判定時間が、第1検査処理よりも長くなるものの、期間が長い分だけ、第1タイミングU1及び第2タイミングU2が想定よりも多少前後にずれても最大値Va2と最小値Vb2を精度よく検出することが可能となる。したがって、当該ノズルが異常ノズルであるか否かを精度よく判定することが可能となる。また、第2期間T2の情報もフラッシュメモリ84に記憶されている。
また、本実施形態における第2検査処理は、第1検査処理のS207における対象ノズルにおける変数Cの値の増加値が異なる。つまり、第2検査処理においては、変数Cの値を2増加させる(本発明の「第1パラメータ情報」)。なお、第2検査処理の第1検査処理と異なる点については、図6中に括弧書きで示す。
次に、制御装置80は、フラッシュメモリ84に記憶されている回復実行フラグ情報を消去する(S314)。この後、制御装置80は、S304,s306と同様なS315,S316を実行する。なお、S315において、フラッシュメモリ84に閾値以上の異常ノズルが記憶されていても(S315:YES)、フラッシュメモリ84にはすでに前回の回復フラグ情報が記憶されているため、回復フラグ情報を記憶させる処理は省略する。こうして、記録時のフローが終了する。
以上に述べたように、本実施形態のプリンタ1によると、S308において回復処理(回復動作)を実行した場合、S309の印刷処理(吐出動作)が開始されるまでの間に、検査用駆動が実行されずに、S309の印刷処理が終了した後に、S313において検査用駆動が実行される。このため、直前の回復処理を終了してから印刷処理が開始されるまでの間に検査用駆動が実行されない分だけ、印刷処理を開始するまでの時間が短くなる。また、S309の印刷処理が終了してからS313において検査用駆動が実行されるため、S308の回復処理を実行した後の異常ノズルの数が閾値以上であるか否かを判定すること(S315)が可能となる。また、所定時刻であることを示す時刻信号を受信することでS103の第1検査処理(検査用駆動)が行われる。
また、第2検査処理を実行する前に、別の記録指令信号を受信した場合(S310:YES)には、S309の印刷処理の後の第2検査処理(S313)に先立ってS311の印刷処理を実行する。これにより、別の記録指令信号を受信してからS311の印刷処理(別の吐出動作)を開始するまでの時間が短くなる。
また、第2期間T2が第1期間T1よりも長いため、第2検査処理の検査用駆動によりノズル10が異常ノズルであるか否かを判定するために要する時間が、印刷処理(S309)の前の第1検査処理(S103,S303)の検査用駆動によりノズル10が異常ノズルであるか否かを判定するために要する時間よりも長い。これにより、S309の印刷処理に実行する第2検査処理の検査用駆動での異常ノズルの判定精度を向上させることが可能となる。なお、変形例として、第1期間T1と第2期間T2とが同じであってもよい。また、別の変形例として、第1期間T1が第2期間T2よりも長くてもよい。
また、第2検査処理において異常ノズルであると判定されたノズル10の状態に関するパラメータとして、変数Cの値に2を増加させる(第1パラメータ情報)。そして、S208において、変数Cの値が回復不能ノズル用の閾値に達した場合(S208:YES)、制御装置80は、フラッシュメモリ84に対象ノズルを回復不能ノズルと記憶して設定する(S209)。これにより、異常ノズルのうち、回復処理を実行しても回復不能なノズルを回復不能ノズルとして設定可能となる。
本実施形態においては、異常ノズルと連続して判定される対象ノズルの変数Cの値を増加させ、当該値が閾値に達することで、回復不能ノズルに設定しているが、異常ノズルと連続して判定される対象ノズルの変数Cの値を減少させ、当該値が閾値に達することで、回復不能ノズルに設定してもよい。また、第2検査処理において異常ノズルと判定された場合の方が、変数Cの増加値が多く加算されているが、第1検査処理と同じ値を加算してもよく、適宜設定すればよい。
また、変数Cの増加値は、第2検査処理において異常ノズルと判定された場合の方が第1検査処理において異常ノズルと判定された場合よりも多く、回復不能ノズルとなりうるパラメータ条件(閾値)に達しやすくなっている。これにより、回復不能ノズルの設定を効果的に行うことができる。なお、変形例として、第2検査処理において異常ノズルと判定された場合の方が、変数Cの増加値が多く加算されている(すなわち、第1検査処理よりも第2検査処理の方が重み付けされている)が、第1検査処理と同じ値を加算してもよく、適宜設定すればよい。また、別の変形例として、第1検査処理においては、変数Cの値を増加させなくてもよい。つまり、第2検査処理において異常ノズルと判定された場合のみ、パラメータ条件に達しやすいように、変数Cの値を変化させればよい。
また、制御装置80は、S209において、異常ノズルから回復不能ノズルに設定することにより、異常ノズルから除外する。これにより、回復不能ノズル以外のノズルについて、異常ノズルを効果的に検知することが可能となる。
続いて、第2実施形態に係るプリンタについて、図8を参照しつつ以下に説明する。本実施形態におけるプリンタは、第1実施形態のプリンタ1の記録時の制御の一部が異なるだけであり、それ以外は同様である。このため、第1実施形態と同様なものについては、同符号で示し説明を省略する。
<記録時の制御>
本実施形態におけるプリンタでは、制御装置80が図8のフローに沿って処理を行う。制御装置80は、まず、上述のS301と同様なS401を実行する。記録指令信号を受信していない場合(S401:NO)、S401を繰り返す。記録指令信号を受信した場合(S401:YES)、制御装置80は、上述のS307と同様なS402を実行する。
S402においてフラッシュメモリ84に回復フラグ情報が記憶されていない場合(S402:NO)、制御装置80は、上述のS303と同様な第1検査処理を実行する(S403)。この後、上述のS304~S306と同様なS404~S406を実行する。S406の後は、S409に進む。
S405の後、及び、S402においてフラッシュメモリ84に回復フラグ情報が記憶されている場合(S402:YES)、制御装置80は、回復処理を実行する(S407)。このとき、制御装置80は、回復処理を実行したことを示す回復実行フラグ情報をフラッシュメモリ84に記憶させる。また、本実施形態においては、制御装置80は、回復処理が行われる度に、変数Dを1増加させる。ここでいう変数Dとは、回復処理が何回実行されたかをカウントする値であり、フラッシュメモリ84に記憶される。
次に、制御装置80は、回復処理の実行回数が所定回数に達したか否かを判定する(S408)。つまり、制御装置80は、変数Dが所定回数(例えば、3回)の値に達したか否かを判定する。回復処理の実行回数が所定回数に達していない場合(S408:NO)、S403に戻る。
S406の後、及び、S408において、回復処理の実行回数が所定回数に達した場合(S408:YES)、制御装置80は、S309と同様な印刷処理を実行する(S409)。このように制御装置80は、S407の回復処理が所定回数実行していない場合、S409の印刷処理に先立って、S404で異常ノズルの数が閾値未満であると判定されるまでの間に回復処理(S407)と第1検査処理(S403)とを交互に実行させる。そして、回復処理(S407)が所定回数実行すると、S409の印刷処理に進む。
次に、制御装置80は、回復処理の回数である変数Dを0にリセットする(S410)。この後、制御装置80は、上述のS310~S312と同様なS411~S413を実行する。
フラッシュメモリ84に回復実行フラグ情報が記憶されていない場合(S413:NO)、制御装置80は、記録時のフローを終了する。このように本実施形態においても、制御装置80は、フラッシュメモリ84に回復実行フラグ情報が記憶されていない場合、すなわち、回復処理が行われていない場合、印刷処理後に第2検査処理を実行させない。
一方、フラッシュメモリ84に回復実行フラグ情報が記憶されている場合(S413:YES)、制御装置80は、上述のS313と同様な第2検査処理を実行する(S414)。その後、上述のS314~S316と同様なS415~S417を実行する。こうして、記録時のフローを終了する。
以上に述べたように、本実施形態のプリンタによると、S407の回復処理を所定回数まで実行した場合、S409の印刷処理(吐出動作)が開始されるまでの間に、検査用駆動が実行されずに、S409の印刷処理が終了した後に、S414において検査用駆動が実行される。このため、直前の回復処理を終了してから印刷処理が開始されるまでの間に検査用駆動が実行されない分だけ、印刷処理を開始するまでの時間が短くなる。また、S409の印刷処理が終了してからS414において検査用駆動が実行されるため、S407の回復処理を実行した後の異常ノズルの数が閾値以上であるか否かを判定すること(S416)が可能となる。なお、上述した第1実施形態と同様な構成については同じ効果を得ることができる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。上述の各実施形態における検査用駆動の契機が、所定時刻を示す時刻信号、及び、記録指令信号の受信であったが、これら以外の契機によって第1検査処理を行うための検査用駆動が実行されてもよい。この場合、時計部68を有していなくてもよい。
また、上述の各実施形態では、回復不能ノズルのパラメータ条件に達した場合(S208:YES)、S209において対象ノズルを回復不能ノズルに設定しているが、特に回復不能ノズルに設定しなくてもよい。
また、上述の各実施形態では、S203,S211においてインクジェットヘッド4の複数のノズル10のうち1つのノズル10を、異常ノズルであるか否かを判定する対象である対象ノズルに設定しているがこれに限らない。2以上のノズルを対象ノズルに設定して検査用駆動処理(S204)を行ってもよい。このとき、対象ノズルの数に応じて閾値を設定すればよい。例えば、対象ノズルの数が多いほど、閾値を大きな値に設定すればよい。
また、上述の各実施形態では、インクジェットヘッド4の全てのノズル10について、検査用駆動を行わせたが、これには限られない。例えば、各ノズル列9における1つおきのノズル10等、インクジェットヘッド4の一部のノズル10についてのみ、検査用駆動を行わせ、それ以外のノズル10については、当該検査用駆動時に信号処理回路78から出力された判定用信号に基づいて、異常ノズルであるか否かを推定してもよい。
また、上述の実施形態では、ノズル10から検出用電極76に向けてインクを吐出させたときの検出用電極76の電位に応じて、信号処理回路78が異常ノズルであるか否かに応じた信号を出力したが、これには限られない。
例えば、鉛直方向に延びた検出用電極を配置し、ノズル10から検出用電極と対向する領域を通過するようにインクを吐出させたときの検出用電極の電位に応じて、信号処理回路から、異常ノズルであるか否かに応じた信号を出力してもよい。あるいは、ノズル10から吐出されたインクを検出する光センサ(本発明の「信号出力部」)を設け、光センサから、異常ノズルであるか否かに応じた信号を出力してもよい。
あるいは、例えば、特許第4929699号公報に記載されているのと同様に、インクジェットヘッドのノズルが形成されたプレートに、ノズルからインクが吐出されたときの電圧の変化を検出する電圧検出回路(本発明の「信号出力部」)を接続して、電圧検出回路から制御装置80に、異常ノズルであるか否かに応じた信号を出力するようにしてもよい。
あるいは、例えば、特許第6231759号公報に記載されているのと同様に、インクジェットヘッドの基板を、温度検知素子(本発明の「信号出力部」)を備えたものとしてもよい。そして、インクの吐出のために第1印加電圧を印加してヒータを駆動した後に、インクが吐出されないように第2印加電圧を印加してヒータを駆動し、第2印加電圧を印加してから、その後、所定時間が経過するまでの間の、温度検知素子で検知された温度の変化に基づいて、ノズル10が異常ノズルであるか否かに応じた信号を出力するようにしてもよい。
また、以上の例では、インクが吐出されないノズル10を異常ノズルと判定したが、これには限られない。例えば、ノズル10からのインクの吐出方向が正常であるか否かに応じた信号を出力する信号出力部を設け、この信号出力部からの信号に基づいて、吐出方向に異常のあるノズル10を異常ノズルと判定してもよい。
また、インクが吐出されないこと以外の異常ノズルの状態に応じた信号を出力する信号出力部を設け、信号出力部からの信号に基づいて、異常ノズルの状態に関する情報を取得してもよい。異常ノズルの状態とは、例えば、異常ノズルにおいて、インクの吐出方向に異常がある、しぶきが発生する、気泡が混入している、紙粉が詰まっている等の状態のことである。このとき、検査用駆動としては、ノズル10からインクを吐出させない程度にインクに圧力を付与し、当該ノズル10近傍のインクを振動させてもよい。そして、このノズル10近傍のインクの振動状況に応じた信号を信号出力部から出力させて、異常ノズルの状態に関する情報を取得してもよい。
また、回復処理において吸引パージを行わせたが、これには限られない。例えば、サブタンク3とインクカートリッジ14とを接続するチューブ15の途中部分に加圧ポンプが設けられていてもよい。あるいは、プリンタにインクカートリッジと接続された加圧ポンプが設けられていてもよい。そして、複数のノズル10がキャップ71で覆われた状態で、上記加圧ポンプを駆動させることで、インクジェットヘッド4内のインクを加圧してノズル10からインクジェットヘッド4内のインクを排出させる、いわゆる加圧パージを行ってもよい。
さらには、回復処理において、吸引ポンプ72による吸引と加圧ポンプによる加圧の両方を行わせてもよい。
また、パージによって異常ノズルを回復させることにも限られない。例えば、インクジェットヘッド4にノズル10からインクを排出させるフラッシングによって、異常ノズルを回復させてもよい。あるいは、パージとフラッシングの両方によって異常ノズルを回復させてもよい。あるいは、異常ノズルの数などに応じて、パージ及びフラッシングのいずれかを選択的に行わせることによって異常ノズルを回復させてもよい。
また、キャリッジとともに走査方向に移動しつつ複数のノズルからインクを吐出する、いわゆるシリアルヘッドを備えたプリンタに本発明を適用した例について説明したが、これには限られない。例えば、走査方向に記録用紙Pの全長にわたって延びたいわゆるラインヘッドを備えたプリンタに本発明を適用することも可能である。
また、ノズルからインクを吐出して記録用紙Pに記録を行うプリンタに本発明を適用した例について説明したが、これには限られない。Tシャツ、屋外広告用のシート、スマートフォン等の携帯端末のケース、段ボール、樹脂部材など、記録用紙以外の被記録媒体に画像を記録するプリンタにも適用され得る。また、インク以外の液体、例えば、液体状にした樹脂や金属を吐出する液体吐出装置にも適用され得る。
1 プリンタ(液体吐出装置)
4 インクジェットヘッド(液体吐出ヘッド)
8 メンテナンスユニット(回復手段)
10 ノズル
68 時計部
76 検出用電極(信号出力部の一部)
77 高電圧電源回路(信号出力部の一部)
78 信号処理回路(信号出力部の一部)
79 抵抗(信号出力部の一部)
80 制御装置
84 フラッシュメモリ(記憶部)

Claims (8)

  1. 液体を吐出する複数のノズルを有する液体吐出ヘッドと、
    前記複数のノズルが液体の吐出に異常のある異常ノズルであるか否かを確認するための検査用駆動を前記液体吐出ヘッドに行わせた際に、前記複数のノズルが前記異常ノズルであるか否かを示す判定用信号を出力する信号出力部と、
    前記ノズルから液体を排出させる回復動作を行う回復手段と、
    制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、
    前記液体吐出ヘッドに前記複数のノズルから被吐出媒体に向けて液体を吐出させる吐出動作を実行するときに、
    前記吐出動作に先立って前記検査用駆動を行わせ、
    前記検査用駆動にて前記信号出力部から出力される前記判定用信号に基づく前記異常ノズルの数が閾値以上と判定された場合には、前記吐出動作に先立って前記回復手段に前記回復動作を行わせ、
    前記回復動作が行われた場合は前記吐出動作が終了した後に、前記検査用駆動を実行させ、
    前記回復動作が行われていない場合は前記吐出動作が終了した後に、前記検査用駆動を実行させない、ことを特徴とする液体吐出装置。
  2. 液体を吐出する複数のノズルを有する液体吐出ヘッドと、
    前記複数のノズルが液体の吐出に異常のある異常ノズルであるか否かを確認するための検査用駆動を前記液体吐出ヘッドに行わせた際に、前記複数のノズルが前記異常ノズルであるか否かを示す判定用信号を出力する信号出力部と、
    前記ノズルから液体を排出させる回復動作を行う回復手段と、
    制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、
    前記液体吐出ヘッドに前記複数のノズルから被吐出媒体に向けて液体を吐出させる吐出動作を実行するときに、
    前記吐出動作に先立って前記検査用駆動を行わせ、
    前記検査用駆動にて前記信号出力部から出力される前記判定用信号に基づく前記異常ノズルの数が閾値以上と判定された場合には、前記吐出動作に先立って前記異常ノズルの数が前記閾値未満であると判定されるまでの間に前記回復動作と前記検査用駆動とを交互に繰り返し、
    前記回復動作を所定回数実行した場合、前記吐出動作を行わせ、
    前記吐出動作直前の前記検査用駆動から前記吐出動作が行われるまでに前記回復動作が行われた場合は、前記吐出動作が終了した後に前記検査用駆動を実行させ、
    前記吐出動作直前の前記検査用駆動から前記吐出動作が行われるまでに前記回復動作が行われていない場合は、前記吐出動作が終了した後に前記検査用駆動を実行させない、ことを特徴とする液体吐出装置。
  3. 前記制御装置は、
    前記吐出動作の後の前記検査用駆動を実行する場合であって、前記吐出動作の後の前記検査用駆動よりも前に、前記吐出動作とは別の吐出動作を行わせるための信号を受信した場合には、前記吐出動作の後の前記検査用駆動に先立って前記別の吐出動作を実行することを特徴とする請求項1又は2に記載の液体吐出装置。
  4. 前記吐出動作の後の前記検査用駆動により前記ノズルが前記異常ノズルであるか否かを判定するために要する時間は、前記吐出動作の前の前記検査用駆動により前記ノズルが前記異常ノズルであるか否かを判定するために要する時間よりも長いことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  5. 記憶部をさらに備え、
    前記制御装置は、
    前記吐出動作の後の前記検査用駆動により前記異常ノズルと判定された前記ノズルについて、前記ノズルの状態に関するパラメータを第1パラメータ情報として前記記憶部に記憶させ、
    前記記憶部に記憶された前記第1パラメータ情報が、所定条件に達した前記ノズルを、回復不能ノズルとして設定することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  6. 前記制御装置は、
    前記吐出動作の前の前記検査用駆動により前記異常ノズルと判定された前記ノズルについて、前記ノズルの状態に関するパラメータを第2パラメータ情報として前記記憶部に記憶させ、
    前記記憶部に記憶された前記第1パラメータ情報と前記第2パラメータ情報とにより、所定条件に達した前記ノズルを、前記回復不能ノズルとして設定し、
    前記第1パラメータ情報は、前記ノズルの状態が同じ前記第2パラメータ情報に比べてより所定条件に達しやすいよう設定されることを特徴とする請求項5に記載の液体吐出装置。
  7. 前記制御装置は、
    前記回復不能ノズルとして設定された前記ノズルを、前記検査用駆動により判定された前記異常ノズルから除外することを特徴とする請求項5又は6に記載の液体吐出装置。
  8. 液体を吐出する複数のノズルを有する液体吐出ヘッドと、
    前記複数のノズルが液体の吐出に異常のある異常ノズルであるか否かを確認するための検査用駆動を前記液体吐出ヘッドに行わせた際に、前記複数のノズルが前記異常ノズルであるか否かを示す判定用信号を出力する信号出力部と、
    前記ノズルから液体を排出させる回復動作を行う回復手段と、
    時刻を示す時刻信号を出力する時計部と、
    記憶部と、
    制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、
    前記時計部から出力された所定時刻である前記時刻信号を受信したときに前記検査用駆動を行わせ、
    前記検査用駆動にて前記信号出力部から出力される前記判定用信号に基づく前記異常ノズルの数が閾値以上と判定された場合には、前記回復動作を行わせる必要があることを示すフラグ情報を前記記憶部に記憶させ、
    前記検査駆動の後であって、前記液体吐出ヘッドに前記複数のノズルから被吐出媒体に向けて液体を吐出させる吐出動作を実行するときに、前記記憶部に前記フラグ情報が記憶されている場合には、前記吐出動作に先立って前記回復手段に前記回復動作を行わせ、
    前記回復動作が行われた場合は前記吐出動作が終了した後に、前記検査用駆動を実行させ、
    前記回復動作が行われていない場合は前記吐出動作が終了した後に、前記検査用駆動を実行させない、ことを特徴とする液体吐出装置。
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