JP6248514B2 - 画像形成装置並びにノズルの診断及び吐出回復方法 - Google Patents

画像形成装置並びにノズルの診断及び吐出回復方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6248514B2
JP6248514B2 JP2013205085A JP2013205085A JP6248514B2 JP 6248514 B2 JP6248514 B2 JP 6248514B2 JP 2013205085 A JP2013205085 A JP 2013205085A JP 2013205085 A JP2013205085 A JP 2013205085A JP 6248514 B2 JP6248514 B2 JP 6248514B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nozzles
diagnosis
discharge
nozzle
liquid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013205085A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015066890A (ja
Inventor
今西 洋介
洋介 今西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Brother Industries Ltd filed Critical Brother Industries Ltd
Priority to JP2013205085A priority Critical patent/JP6248514B2/ja
Publication of JP2015066890A publication Critical patent/JP2015066890A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6248514B2 publication Critical patent/JP6248514B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)

Description

本発明は、記録媒体に向けて液体を吐出する複数のノズルを有する記録ヘッドを備えた画像形成装置に関し、より詳細には、画像形成装置のノズルのインク吐出状態を診断し、診断結果に応じてノズルの良好な吐出状態を回復させるための吐出回復動作を行う技術に関する。
インクジェット式画像形成装置には、記録媒体の搬送方向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)にノズルが配列されたライン式記録ヘッドを備えたものがある。ライン式記録ヘッドでは、主走査方向の1ライン分の印字を一度に行うことができる。しかし、インク滴が吐出されないノズルや、インク滴の吐出方向、吐出量がばらつくノズルがあると、そのノズルから打滴されるべきドットが打滴されなかったり、打滴位置がずれてしまったりすることがある。これにより、記録媒体に形成された画像に副走査方向のスジ、ムラが発生し、画像品質が低下することがある。そこで、記録媒体への画像形成を開始する前に、吐出状態が不良のノズルを発見し、ノズルの良好な吐出状態を回復させるための技術が知られている。
例えば、特許文献1では、ライン式記録ヘッドにおいて、各色の記録ヘッド間の搬送方向下流側に、打滴結果を撮像するためのイメージセンサを含む印字検出部が設けられたものが示されている。特許文献1においては、各記録ヘッドにより記録媒体に色別のテストパターンを印字し、このテストパターンの画像を各記録ヘッドの直後に備えられたイメージセンサで読み取り、このテストパターンの画像を解析することにより各記録ヘッド内の吐出不良ノズルが検出される。吐出不良ノズルが検出されると、記録ヘッドではこのノズルの回復動作が行われる。回復動作では、ノズルにキャップを被せ、ノズル内に詰まったインクをキャップに吐出させるつばはき、ノズル面の拭き取り清掃を行うワイピング、吸引ポンプにより詰まったノズルに詰まったインクを吸い出すインク吸引などが行われる。
特許文献1に記載のテストパターンは、走査方向に沿って1ラインを形成するように、全ノズルからインク滴を吐出させるような打滴パターンである。なお、上記テストパターンは、最小ドット間隔以下のサイズのドットを印字する態様であるが、最小ドットサイズのよりも大きいサイズのドットを印字し、打滴ノズルを変えながら、複数列に分けてテストパターンを印字する態様もある。
特開2006−205742号公報
上記特許文献1のテストパターンを含めた従来のテストパターンでは、ノズル毎の異常の有無(すなわち、吐出・不吐出)を診断することができるが、ノズル毎の異常の程度(すなわち、どのくらいの量の液体を吐出すればノズルの吐出状態を回復できるのかの度合い)を知ることはできない。したがって、ノズルの回復動作では、ノズル毎の異常の程度に関係なく、一律にパージ動作が行われる。しかしながら、パージ動作を行わずとも、フラッシング動作でノズルの吐出状態を回復できることがある。このような場合は、ノズルから過剰な液体が排出されることとなり、また、パージ動作後のワイピング及びフラッシング動作により、必要以上のメンテナンス時間や液体が消費されることとなる。
なお、この明細書において「パージ動作」とは、記録ヘッドのノズルが目詰まりした際などに、ノズル内の液体に圧力を作用させてノズルから液体を強制的に排出させる動作を意味する。また、この明細書において「フラッシング動作」とは、主に記録ヘッドのノズルの乾燥を防止するためなどに、ノズルから液体を空吐出する動作を意味する。パージ動作でノズルから排出される液体量は、フラッシング動作でノズルから排出される液体量よりも多い。一般に、パージ動作では、ノズルのキャップと、液体の排出と、ノズルのアンキャップとが順に行われる。さらに、パージ動作の後には、ノズル面を清掃するワイピングと、ノズルの乾燥を防ぐための予備フラッシング動作とが行われる。
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、記録媒体に向けて液体を吐出する複数のノズルを有する記録ヘッドを備えた画像形成装置において、複数のノズルの各々について異常の程度に応じた適切な吐出回復動作を行うことを目的とする。
本発明に係るノズルの診断及び吐出回復方法は、
複数のノズルを有し、これらノズルの各々から複数種のドットサイズに対応する量の液体の吐出ができる記録ヘッドを備えた画像形成装置において、前記複数のノズルの液体吐出状態の診断及び良好な液体吐出状態の回復を行う方法であって、
前記複数種のドットサイズのうち一つのサイズに対応する量の液体を前記複数のノズルから記録媒体へ向けて吐出して、前記記録媒体にテストパターンの画像を形成することを、前記複数種のドットサイズのうち最小のドットサイズが最後となる順序で前記複数種のドットサイズの全てに対してそれぞれ行うことと、
前記記録媒体上の前記テストパターンの画像をイメージセンサで読み取ることと、
前記イメージセンサで読み取られた画像を解析して、前記複数のノズルの各々についてノズル吐出状態を診断することと、
前記ノズル吐出状態の診断結果に応じて前記記録ヘッドの吐出回復動作を行うこととを含み、
前記ノズル吐出状態を診断することが、前記複数のノズルの各々について正常と異常を判別する第1の診断を行うことと、前記第1の診断の結果に基づいて前記複数のノズルの吐出が正常でない場合に第2の診断を行うこととを含み、
前記第2の診断において、前記複数のノズルの各々について、着弾に成功した最小のドットサイズに基づいて前記吐出回復動作でノズルから排出される液体排出量を決定するものである。
また、本発明に係る画像形成装置は、
複数のノズルを有し、これらノズルの各々から複数種のドットサイズに対応する量の液体の吐出ができる記録ヘッドと、
前記複数種のドットサイズのうち一つのサイズに対応する量の液体を前記複数のノズルから記録媒体に向けて吐出して前記記録媒体にテストパターンの画像を形成することを、前記複数種のドットサイズのうち最小のドットサイズが最後となる順序で前記複数種のドットサイズの全てに対してそれぞれ行うように前記記録ヘッドを動作させる、テストパターン形成手段と、
前記記録媒体上の前記テストパターンの画像を読み取るイメージセンサと、
前記イメージセンサで読み取られた画像を解析して、前記複数のノズルの各々についてノズル吐出状態を診断するノズル診断手段と、
前記ノズル吐出状態の診断結果に応じて前記記録ヘッドが吐出回復動作を行うように前記記録ヘッドを制御する回復動作制御手段とを備え、
前記ノズル診断手段は、前記複数のノズルの各々について正常と異常を判別する第1の診断を行う第1の診断部と、前記第1の診断部の診断結果に基づいて前記複数のノズルの吐出が正常でない場合に第2の診断を行う第2の診断部とを有し、
前記第2の診断において、前記複数のノズルの各々について、着弾に成功した最小のドットサイズに基づいて前記吐出回復動作でノズルから排出される液体排出量を決定するものである。
上記ノズルの診断及び吐出回復方法、及び、画像形成装置によれば、複数のノズルの各々について、良好な吐出状態を回復させるために必要な液体排出量が決定される。つまり、第2の診断により決定された液体排出量に基づけば、第1の診断で異常と判断されたノズルでも、パージ動作を行わずにフラッシング動作でノズルの吐出状態を回復できるか否かがわかる。よって、複数のノズルの各々について、異常の程度に応じた適切な吐出回復動作(フラッシング動作又はパージ動作)を選択することができる。フラッシング動作のみでノズルの吐出状態を回復することができれば、パージ動作を行う場合と比較して、メンテナンス時間が短縮され、画像形成に使用されずに廃棄される液体(インク)を削減できる。
本発明によれば、複数のノズルの各々について異常の程度に応じた適切な吐出回復動作を行うことができる。
本発明の画像形成装置の一実施形態に係るインクジェット式プリンタの内部構造を示す概略側面図である。 図1のプリンタに含まれるヘッドのヘッド本体を示す平面図である。 図2の一点鎖線で囲まれた領域を示す拡大図である。 図3に示すIV−IV線に沿った部分断面図である。 制御手段の機能ブロック図である。 テストパターンの第1例を示す図である。 テストパターンの第2例を示す図である。 第2の診断の流れを示すフローチャートである。 吐出回復処理の流れを示すフローチャートである。 記録媒体に形成されたフラッシング画像の一例を示している。
以下、本発明の好適な実施の形態について、本発明に係る画像形成装置の一実施形態であるインクジェット式プリンタ10に本発明を適用して説明する。図1は本発明の画像形成装置の一実施形態に係るインクジェット式プリンタ10の内部構造を示す概略側面図である。
プリンタ10は、直方体形状の筐体11を有する。筐体11の内部には、筐体11の下部に設けられた給紙部23から、筐体11の天板上部に設けられた排紙部4までの搬送経路5が形成されている。給紙部23は、筐体11に着脱可能に設けられた給紙トレイ24と、給紙トレイ24に収容された記録媒体と接触して記録媒体を搬送経路5へ送り出す給紙ローラ25などで構成されている。
搬送経路5は、画像形成が行われる画像形成領域52と、給紙部23から画像形成領域52へ記録媒体を搬送する供給領域51と、画像形成領域52から排紙部4へ記録媒体を搬送する排出領域53とに分けることができる。供給領域51は、複数のガイド31及び送りローラ対32などで形成されている。排出領域53は、複数のガイド33、送りローラ対34,35などで形成されている。
画像形成領域52は、搬送機構40によって形成されている。搬送機構40は、2つのベルトローラ41,42、これらのベルトローラ41,42に巻回された無端状の搬送ベルト43、剥離プレート45、プラテン46、及びニップローラ47などで構成されている。搬送ベルト43の上面が搬送経路5の画像形成領域52である。剥離プレート45は、搬送経路5の画像形成領域52と排出領域53との間に設けられ、搬送ベルト43に弱粘着している記録媒体を搬送ベルト43から剥離する。プラテン46は、2つのベルトローラ41,42の間に設けられ、搬送ベルト43の上側ループを内側から支えている。ニップローラ47は、給紙部23から搬送されてきた記録媒体を搬送ベルト43の外周面に押さえ付けながら回転して、記録媒体を送り出す。
搬送経路5の画像形成領域52の上方であって、プラテン46と上下に対向する位置には、ブラックインクを吐出する記録ヘッド1が設けられている。記録ヘッド1は、ヘッドホルダ15を介して筐体11に支持されている。記録ヘッド1の下面は、複数の吐出口85(図3参照)が配列された吐出面1aである。ヘッドホルダ15は、ヘッド昇降機構39(図5参照)によって昇降され、これにより、記録ヘッド1が画像形成位置と退避位置とに昇降移動する。図1に示すように、画像形成位置の記録ヘッド1は、吐出面1aと搬送ベルト43との間に記録に適した所定の間隙が形成される。退避位置の記録ヘッド1は、搬送ベルト43から画像形成位置以上の間隔で離隔する。退避位置では、記録ヘッド1と搬送ベルト43との間の空間を、後述するワイパ361が移動可能である。
搬送経路5の記録ヘッド1より上流側には、用紙センサ26が設けられている。用紙センサ26は、搬送経路5に沿って搬送される記録媒体の先端を検知する。用紙センサ26の検知信号は、記録ヘッド1の吐出動作と搬送機構40の記録媒体搬送動作との同期に用いられる。
搬送経路5の記録ヘッド1より下流側には、イメージセンサ16が設けられている。イメージセンサ16として、例えば、密着イメージセンサ(CIS)を採用することができる。このイメージセンサ16は、後述する吐出回復処理において、記録媒体に形成されたテストパターン画像を読み取り、テストパターン画像のデータを生成する。イメージセンサ16で生成されたテストパターン画像のデータは、制御手段100へ送られて解析される。
ワイパユニット36は、図5に示すように、ワイパ361とワイパ移動機構362とで構成されている。ワイパ361は、吐出面1aの幅より若干長い板状の弾性部材(例えば、ゴム)をフレームに取り付けたものである。ワイパ移動機構362は、ワイパ361を吐出面1aの下で主走査方向に移動させる手段であって、駆動源であるモータ(不図示)を備えている。
クリーナユニット37は、洗浄液塗布部材371、ブレード372及び移動機構373(図5参照)で構成されている。移動機構373は、洗浄液塗布部材371及びブレード372を搬送ベルト43の外周面に離接移動させるものである。クリーナユニット37は、搬送ベルト43の外周面に洗浄液を塗布し、汚れ(インク等)を洗浄液ごと掻きとることで、搬送ベルト43をクリーニングする。
筐体11の下部には、ブラックインクを貯留するインクカートリッジ22が筐体11に着脱可能に装着されている。インクカートリッジ22は、記録ヘッド1にチューブ(図示せず)及びポンプ38(図5参照)を介して接続されている。
次に、図2〜図4を参照して、記録ヘッド1について詳細に説明する。図3では説明の都合上、アクチュエータユニット81の下方にあって破線で描くべき圧力室83、アパーチャ84及び吐出口85が実線で描かれている。記録ヘッド1は、図2に示されたヘッド本体3に加えて、リザーバ、フレキシブルプリント配線基板(FPC)、制御基板等(いずれも図示せず)が積層された積層体である。リザーバには、チューブ及びポンプ38を介してインクカートリッジ22から供給されたインクが貯溜されている。制御基板で調整された信号は、FPC上のドライバICで駆動信号に変換されてから、ヘッド本体3のアクチュエータユニット81へ出力される。アクチュエータユニット81が駆動されると、リザーバから供給されたインクが吐出口85から吐出される。
ヘッド本体3は、圧力室83を含むインクの流路が形成された流路ユニット82と、圧力室83に吐出圧を付与するアクチュエータを備えたアクチュエータユニット81とを備えている。図4に示すように、流路ユニット82は、複数の金属プレートの積層体である。流路ユニット82の上面には、図2に示すように、複数のインク供給口86bが開口している。リザーバのインクは、インク供給口86bから流路ユニット82内に供給される。流路ユニット82の内部には、インク供給口86bを一端とするマニホールド流路86、及び、マニホールド流路86から分岐した複数の副マニホールド流路86aが形成されている。さらに、各副マニホールド流路86aの出口からアパーチャ84及び圧力室83を経て吐出口85に至る複数の個別インク流路90が形成されている。流路ユニット82の下面は、吐出面1aであって、多数の吐出口85がマトリクス状に配置されている。これら吐出口85は、主走査方向に所定の距離ずつ離れて並んでいる。
次に、アクチュエータユニット81について説明する。アクチュエータユニット81は、流路ユニット82の上面に固定されている。図2に示すように、1つのヘッド本体3に4つのアクチュエータユニット81が設けられている。各アクチュエータユニット81は、それぞれ台形の平面形状を有しており、インク供給口86bを避けるよう主走査方向に千鳥状に配置されている。アクチュエータユニット81は、ピエゾ式アクチュエータであって、圧力室83内のインクに選択的な吐出エネルギーを与える圧力室83ごとのアクチュエータとして機能する。
ここで、制御手段100について説明する。制御手段100は、プリンタ10各部の動作を制御してプリンタ10全体の動作を司る。制御手段100は、外部装置(プリンタ10と接続されたPC等)から供給された印刷信号に基づいて、プリンタ10の画像形成動作、即ち、記録媒体の搬送動作、記録媒体の搬送に同期したインク吐出動作などの画像形成に係る動作を制御する。
また、制御手段100は、プリンタ10の記録ヘッド1の吐出回復動作を制御する。吐出回復動作には、インク排出動作(液体排出動作)、吐出面1aのワイピング動作、搬送ベルト43のクリーニング動作等が含まれる。インク排出動作には、パージ動作とフラッシング動作がある。パージ動作では、ポンプ38の駆動により、記録ヘッド1へのインク供給系統から記録ヘッド1内のインクに圧力を加え、記録ヘッド1内のインクを吐出口85から強制的に排出する、いわゆる、押しパージが行われる。パージ動作では、アクチュエータユニット81は駆動されない。一方、フラッシング動作では、アクチュエータユニット81が駆動されて、吐出口85からインクが空吐出される。
ワイピング動作では、記録ヘッド1の吐出面1aがワイパ361によって払拭される。ワイピング動作は、パージ動作後に行われ、吐出面1a上の残留したインクなどの異物が取り除かれる。また、クリーニング動作では、搬送ベルト43がクリーナユニット37によって払拭される。クリーニング動作は、パージ動作及びフラッシング動作後に行われ、搬送ベルト43上のインクなどの異物が除去される。
制御手段100は、CPU(Central Processing Unit)の他、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit )、I/F(Interface)、I/O(Input/output Port)等を有している(いずれも図示せず)。ROMには、CPUが実行するプログラム、各種固定データ等が記憶されている。CPUが実行するプログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROM、メモリカード等の各種記憶媒体に保存されており、これらの記憶媒体からROMにインストールされる。RAMには、プログラム実行時に必要なデータが一時的に記憶される。ASICでは、画像データの書き換え、並び替え等(例えば、信号処理や画像処理)が行われる。I/Fは、外部装置(プリンタ10に接続されたパーソナルコンピュータ等)とのデータ送受信を行う。I/Oは、各種センサの検出信号の入力/出力を行う。制御手段100では、ROMに記憶されたプログラム等のソフトウェアとCPU等のハードウェアとが協働することにより、以下に説明する制御手段100の各機能を実現する処理を行うように構成されている。なお、制御手段100は単一のCPUにより各処理を実行してもよいし、複数のCPU或いはCPUと特定のASICの組み合わせにより各処理を実行してもよい。
図5は制御手段の機能ブロック図である。図5に示すように、制御手段100は、搬送制御部71、画像データ記憶部72、データ書込部73、ヘッド制御部74、及びメンテナンス制御部96としての機能を備えている。
搬送制御部71は、外部装置から受信した印刷信号に基づいて、記録媒体が搬送経路5に所定速度で搬送されるように、給紙ローラ25、送りローラ対32,34,35、及び搬送機構40の動作を制御する。
ヘッド制御部74は、記録ヘッド1からインクを吐出するために、アクチュエータユニット81の各アクチュエータの駆動を制御する。ヘッド制御部74は、駆動データ記憶部741と駆動部742とを含む。駆動データ記憶部741は、各アクチュエータの駆動形態を指示する駆動データ(後述の、画像データやフラッシングデータ)を記憶する。駆動部742は、ドライバICを含み、駆動データに基づいて、各アクチュエータを駆動する駆動信号を出力する。ヘッド制御部74は、用紙センサ26の出力に基づいて、記録媒体の搬送と同期したタイミングで駆動信号を出力する。
画像データ記憶部72は、外部装置からの印刷信号に含まれる画像データを記憶する。画像データは、各吐出口85について、ドットサイズ(極小、小、中、大の5段階のいずれか)やドット形成位置等を複数の印字周期にわたって示すものである。なお、1印字周期は、記録ヘッド1と記録媒体とが、用紙の搬送方向における印刷の解像度に対応した単位距離だけ相対移動するのに要する時間である。また、本実施形態では、ドットサイズの大,中,小,極小は、吐出総量15pl,10pl,5pl,2.5plのインクでそれぞれ形成される。
データ書込部73は、画像データ記憶部72に記憶された画像データを、ヘッド制御部74の駆動データ記憶部741に書き込む。このように画像データが駆動データとして駆動データ記憶部741に書き込まれると、ヘッド制御部74は、駆動データに基づいて各アクチュエータを駆動する駆動信号を出力する。この結果、各アクチュエータが動作し、アクチュエータに対応するノズルから液滴が吐出され、記録媒体に画像が形成される。
メンテナンス制御部96は、記録ヘッド1のメンテナンス動作を制御する。メンテナンス制御部96は、更に、第1診断部75、第2診断部76、フラッシング動作制御部77、テストパターン記録部78、及び画像読取制御部79、ワイピング動作制御部93、クリーニング動作制御部94、及びパージ動作制御部95としての機能を有している。
第1診断部75は、テストパターン画像データに基づいて、記録ヘッド1の複数のノズルの各々について、吐出の正常と異常を判別する第1の診断を行う。
第2診断部76は、第1の診断の結果に基づいて、複数のノズルの各々について、吐出回復のための液体排出量を決定する第2の診断を行う。吐出回復のための液体排出量とは、ノズルの吐出性能を回復させるための液体排出動作(パージ動作又はフラッシング動作)において、ノズルを所望の吐出特性まで回復させるために要するインク排出量である。
フラッシング動作制御部77は、フラッシングデータを生成するデータ生成部771と、フラッシングデータをヘッド制御部74の駆動データ記憶部741へ書き込む書込部772とを有している。フラッシングデータは、ノズルごとのフラッシング動作を指示するデータであり、これにはノズルごと液体排出量が含まれる。なお、フラッシング動作における各ノズルからの液体吐出回数は、ノズルごとに決定された液体排出量に基づいて設定される。本実施形態においては、フラッシング動作の各回の吐出には小ドットサイズの液滴(液滴量5pl)が採用されて、吐出回数を増減することによりノズルから液体排出量のインクが吐出される。
テストパターン記録部78は、所定のテストパターンデータを記憶した記憶部781と、テストパターンデータをヘッド制御部74の駆動データ記憶部741に書き込む書込部782とを含む。テストパターン記録部78は、テストパターン印字の指令を受けると、記憶部781に記憶されたテストパターンデータを、ヘッド制御部74の駆動データ記憶部741に書き込む。これにより、ヘッド制御部74は、テストパターンデータに基づいて、各アクチュエータを駆動する駆動信号を出力する。この結果、各アクチュエータがテストパターンデータに基づいて動作し、各アクチュエータと対応するノズルからインクが吐出される。
テストパターンデータに基づいて記録ヘッド1からインクが吐出され、そのインクが着弾した記録媒体にテストパターン画像が形成される。画像読取制御部79は、テストパターン画像を読み取り、テストパターン画像データを生成するように、イメージセンサ16を制御する。イメージセンサ16で生成されたテストパターン画像データは、RAM等のメモリに一時的に記憶されて、後述する診断に利用される。
ワイピング動作制御部93は、ワイパユニット36によるワイピング動作を制御する。クリーニング動作制御部94は、クリーナユニット37によるクリーニング動作を制御する。パージ動作制御部95は、ポンプ38によるパージ動作を制御する。
〔テストパターン〕
ここで、所定のテストパターンについて説明する。なお、この明細書において「テストパターンデータ」とは、テストパターン画像を記録媒体に形成させるようなデータである。
図6には、好ましいテストパターンの第1例が示されており、図7には好ましいテストパターンの第2例が示されている。テストパターンは、複数種のドットサイズの各々について、ドットサイズに対応する量の液体を各ノズルから所定数だけ吐出させるようなデータである。なお、1ドットのドットサイズ(着弾した記録媒体上での液体の大きさ)を、液玉の数を変えて調整するタイプの記録ヘッドと、液玉の体積を変えて調整するタイプの記録ヘッドとが知られている。前者の場合は、記録媒体上で1ドットのドットサイズを形成するために複数の液滴が吐出されるが、この明細書では、この複数の液滴を1滴としてカウントする。そして、実際にノズルから吐出される液滴の数に関わらず、ドットサイズ大の1ドットを形成するために吐出されるインクを「大滴」といい、ドットサイズ中の1ドットを形成するために吐出されるインクを「中滴」といい、ドットサイズ小の1ドットを形成するために吐出されるインクを「小滴」といい、ドットサイズ極小の1ドットを形成するために吐出されるインクを「極小滴」いうこととする。
第1例に係るテストパターンデータは、記録ヘッド1の各ノズルから、所定数(例えば20発)の小滴、所定数の中滴、所定数の大滴、及び所定数の極小滴を、それぞれ順に吐出させるような画像データである。第2例に係るテストパターンデータは、記録ヘッド1の各ノズルから、所定数(例えば20発)の大滴、所定数の中滴、所定数の小滴、及び所定数の極小滴を、それぞれ順に吐出させるような画像データである。
第1例及び第2例のテストパターンデータでは、全種類のドットサイズのドットを形成できることを保証するために、各ノズルから大滴、中滴、小滴及び極小滴(即ち、全種類のドットサイズに対応する量の液滴)の吐出を行わせる。
また、第1例及び第2例のテストパターンデータでは、最も少ない量の液滴(極小滴)の吐出を、最後に行わせる。これによって、それまでの小滴、中滴、及び大滴の吐出をノズルの吐出回復用の液体排出として位置付けることができる。つまり、テストパターン画像形成のためのインクの吐出が、ノズルの吐出回復のためのインク排出も兼ねている。
また、上記第1例及び第2例のテストパターンデータでは、記録媒体に形成されたドットサイズ大、中、小、極小のドットを別々に認識できるように、大滴、中滴、小滴、及び極小滴を別々に吐出させる。例えば、第1例のテストパターンデータによれば、1つのノズルから、小滴を20発吐出し、中滴を20発吐出し、大滴を20発吐出し、最後に極小滴を20発吐出する。この結果、記録媒体上には、ドットサイズ大のドット群、ドットサイズ中のドット群、ドットサイズ小のドット群、ドットサイズ極小のドット群の順に画像が形成される。よって、記録媒体上に形成されたドットに基づいて、ドットサイズごとの記録媒体への液滴の着弾(吐出)の成否を、容易に判別することができる。
〔第1の診断〕
次に、第1診断部75が行う第1の診断について説明する。第1の診断では、記録媒体に形成されたテストパターン画像、即ち、イメージセンサ16が読み取ったテストパターン画像データに基づいて、各ノズルの吐出の正常と異常とを判別する。このために、第1診断部75は、まず、ノズルから吐出された各液滴が記録媒体に着弾しているか否かを判別する。例えば、ノズルの吐出が正常な場合は、ノズルから所定数(例えば、20個)の液滴が吐出されると、記録媒体には所定数のドットが形成されるはずである。しかし、ノズルの吐出が異常な場合は、ノズルから所定数(例えば、20個)の液滴が吐出されても、記録媒体には所定数よりも少ないドットが形成される。そこで、第1診断部75は、記録ヘッド1から吐出された液滴のうち、記録媒体に着弾したものとしなかったものとを判別し、これに基づいて、ドットサイズ別の着弾の成否(即ち、ドット形成の成否)を判別する。このドットサイズ別の着弾の成否を判別は、各ノズルについて行われる。各ノズルのドットサイズ別の着弾の成否の判別結果は、ROM等のメモリに一時的に記憶される。次表1では、或るノズルから吐出された20発の液滴のうち記録媒体に着弾したものを○、着弾しなかったものを×で表し、着弾の成否を判別した例(a-1〜5)が示されている。
Figure 0006248514
本実施形態に係る第1診断部75では、連続して吐出された所定数の液滴のうち、最後に吐出された液滴が記録媒体に着弾し、且つ、最後に吐出された液滴から遡って連続するN発(例えば、N=5)の液滴が記録媒体に着弾したときに、そのドットサイズの着弾を成功と判別し、それ以外では着弾を失敗と判別する。但し、着弾の成功を判別する条件は、上記に限定されない。
上記表1において、例(a-1)では、或るドットサイズについて、前半の連続する12発の液滴が記録媒体に着弾せず、後半の連続する8発の液滴が記録媒体に着弾してドットを形成しているので、そのドットサイズの着弾は成功と判別される。また、例(a-2)では、別のドットサイズについて、前半の連続する18発の液滴が記録媒体に着弾せず、後半の連続する2発の液滴が記録媒体に着弾してドットを形成しているので、別のドットサイズの着弾は失敗と判別される。このようにして、第1診断部75は、各ノズルにおいて、ドットサイズ別の着弾の成否を判別する。
更に、第1診断部75は、或るノズルにおいて、全てのドットサイズの着弾が成功と判別された場合に、そのノズルの吐出を正常と判別し、それ以外を異常と判別する。このようにして、第1診断部75は、全てのノズルについて、ノズルの吐出の正常と異常とを判別する。
〔第2の診断〕
続いて、第2の診断について説明する。第2診断部76では、各ノズルにおいて、ドットサイズ別の着弾の成否を判別することと、ドットサイズ別の着弾の成否に基づいて吐出の異常の程度を判別すること、吐出の異常の程度に基づいて吐出回復のための液体排出量を決定することとが行われる。
ドットサイズ別の着弾の成否を判別する際に、上記第1の診断と同じ手法を用いることができる。したがって、上記第1の診断で既に各ノズルについて、ドットサイズ別の着弾の成否が判別されている場合には、着弾の成否の判別を省略することができる。
第2診断部76は、吐出の異常の程度を判別するに際し、各ノズルについて、ドットサイズ別の着弾の成否の組み合わせに基づいて、異常の程度を判別する。図8は第2の診断の流れを示すフローチャートである。なお、第2診断部76は、各ノズルにおいて第2の診断を行うが、図8では1つのノズルに対して行われる第2の診断の流れが示されている。
まず、第2診断部76は、記憶されたドットサイズ別の着弾の成否を参照し、全種類のドットサイズについて着弾が成功している場合は(ステップS1でYES)、そのノズルの吐出は正常であるので、吐出回復のための液体排出量をゼロと決定する(ステップS2)。また、第2診断部76は、全種類のドットサイズのうち少なくとも1以上のドットサイズにおいて、着弾が失敗している場合は(ステップS1でNO)、ドットサイズ別の着弾の成否の組み合わせに基づいて異常の程度を判別し、異常の程度に基づいて吐出回復のための液体排出量を決定する。本実施形態では、次表2に示されるように、異常の程度を、最悪レベル、レベルA〜B、異常なしの7段階に分け、異常の程度のそれぞれに対応して吐出回復のための液体排出量が定められている。異常の程度は、最悪レベルが最も大きく、続いてレベルA、レベルB、レベルC、レベルD、レベルEの順に大きい。異常の程度は、ノズルの吐出口の開口面積のうち詰まっている面積の大きさや、固化したインクの固着の程度などに相関している。また、液体排出量は、パージ量>a>b>c>d>予備フラッシング量の関係を有する。a〜dは、例えば、aを大滴の液体量、bを中滴の液体量、cを小滴の液体量、dを極小滴の液体量とすることができる。なお、aを中滴50滴に相当する液体量、bを中滴40滴に相当する液体量、cを中滴30滴に相当する液体量、dを中滴20滴に相当する液体量などとしてもよい。
Figure 0006248514
具体的には、次の流れで異常の程度と液体排出量が決定される。まず、ドットサイズ別の着弾の成否を参照し、全種類のドットサイズにおいて着弾が失敗している場合に(ステップS3でYES)、異常の程度は最悪レベルと判別され、液体排出量は所定のパージ量に決定される(ステップS4)。次に、ドットサイズ極小の着弾の成否を参照し、ドットサイズ極小で着弾が成功している場合に(ステップS5でYES)、異常の程度はレベルEと判別され、液体排出量はレベルEに対応した予備フラッシング量に決定される(ステップS6)。続いて、ドットサイズ大の着弾の成否を参照し、ドットサイズ大で着弾が失敗している場合は(ステップS7でNO)、異常の程度はレベルAと判別され、液体排出量はレベルAに対応した液体量aに決定される(ステップS10)。ドットサイズ大で着弾が成功している場合は(ステップS7でYES)、ドットサイズ中の着弾の成否を参照し(ステップS8)、ドットサイズ中で着弾が失敗している場合に(ステップS8でNO)、異常の程度はレベルBと判別され、液体排出量はレベルBに対応した液体量bに決定される(ステップS10)。ドットサイズ中で着弾が成功している場合は(ステップS8でYES)、ドットサイズ小の着弾の成否を参照し(ステップS9)、ドットサイズ小で着弾が失敗している場合に(ステップS9でNO)、異常の程度はレベルCと判別され、液体排出量はレベルCに対応した液体量cに決定される(ステップS10)。ドットサイズ小で着弾が成功している場合に(ステップS9でYES)、異常の程度はレベルDと判別され、液体排出量はレベルDに対応した液体量dに決定される(ステップS13)。
以上の通り、複数種のドットサイズのうち着弾が成功した最小のドットサイズ、即ち、複数種の液滴サイズのうち記録媒体への着弾が成功した最小の液滴のサイズに基づいて、異常の程度が判別され、異常の程度に対応して吐出回復のための液体排出量が決定される。
なお、1つ以上のノズルにおいて、吐出回復のための液体排出量がパージ量に決定された場合、パージ動作ではノズルごとに液体排出量を変化させることはできないので、記録ヘッド1の全てのノズルの液体排出量がパージ量に決定される。したがって、1つ以上のノズルにおいて吐出回復のための液体排出量がパージ量に決定された場合、吐出回復動作においてパージ動作が行われる。
また、吐出回復のための液体排出量が液体量a〜d及び予備フラッシング量のいずれかである場合は、吐出回復動作においてフラッシングが行われ、ノズルごとに決定された液体排出量の液体が排出される。したがって、異常の程度が最悪レベルと判別されたノズルが記録ヘッド1に存在しない場合には、吐出回復動作ではフラッシング動作が行われる。
第2診断部76は、上記の流れに沿って異常の程度の判別と吐出回復のための液体排出量を導き出すことができるが、例えば、次表3,4に示すような、ドットサイズ別の着弾の成否の組み合わせと異常の程度との関係を示すルックアップテーブルを記憶部に記憶し、このルックアップテーブルを参照して各ノズルについて異常の程度の判別と吐出回復のための液体排出量を決定することもできる。
次の表3では、第1例に係るテストパターンを用いたときの、ドットサイズ別の着弾の成否の組み合わせと異常の程度との関係が示されている。表3において、左一列目はドットサイズが示され、上一行目はノズル番号が示されている。この表において、○は着弾の成功、×は着弾の失敗がそれぞれ示されている。
Figure 0006248514
吐出の着弾の成否と異常の程度との関係は、テストパターンに応じて定められる。次の表4では、第2例に係るテストパターンを用いたときの、ドットサイズ別の着弾の成否の組み合わせと異常の程度との関係が示されている。表4において、左一列目はドットサイズが示され、上一行目はノズル番号が示されている。この表において、○は着弾の成功、×は着弾の失敗がそれぞれ示されている。
Figure 0006248514
〔吐出回復処理〕
ここで、吐出回復処理の流れを、図9を参照しながら説明する。図9は、制御手段100が行う吐出回復処理の流れを示すフローチャートである。まず、制御手段100は、記録媒体上にテストパターンの画像形成を行うように、記録ヘッド1及び搬送機構40を動作させる(ステップS31)。次に、制御手段100は、イメージセンサ16にてテストパターン画像を読み取り、テストパターン画像データを作成する(ステップS32)。続いて、制御手段100は、テストパターン画像データを用いて、第1の診断を行う(ステップS33)。第1の診断では、記録ヘッド1の複数のノズルの各々について吐出の正常と異常とが判別される。いずれかのノズルにおいて吐出の異常がある場合(ステップS33でNO)、制御手段100は、第2の診断を行う(ステップS34)。第2の診断では、複数のノズルの各々について、第1の診断の結果に基づいて吐出の異常の程度が判別され、吐出の異常の程度に応じて吐出回復のための液体排出量が決定される。
全てのノズルにおいて吐出の異常がない場合(ステップS33でYES)、即ち、吐出回復のための液体排出量がゼロの場合、記録ヘッド1の全てのノズルは良好な状態にあるため、吐出回復動作は行われない。
吐出回復動作において、まず、制御手段100は、吐出回復のための液体排出動作が、パージ動作であるかフラッシング動作であるかを決定する。このために、制御手段100は、第2の診断結果の液体排出量を参照し、吐出回復のための液体排出量がパージ量である場合は(ステップS35でYES)、吐出回復のための液体排出動作をパージ動作に決定する。他の場合は(ステップS35でNO)、吐出回復のための液体排出動作をフラッシング動作に決定する。
吐出回復のための液体排出動作をパージ動作に決定した場合、制御手段100は、パージ動作を行うようにプリンタ10を動作させる(ステップS36)。パージ動作では、各ノズルから液体が排出され、この結果、各ノズルの吐出が回復する。パージ動作のあとで、ワイピング動作が行われるように、制御手段100は、ポンプ38、ヘッド昇降機構39及びワイパユニット36を制御する(ステップS37)。
吐出回復のための液体排出動作をフラッシング動作に決定した場合、制御手段100は、第2の診断結果を利用して、フラッシングデータを作成する(ステップS38)。フラッシングデータは、各ノズルが、第2の診断において各ノズルにつき決定された液体排出量の液体の吐出を行うように作成される。作成されたフラッシングデータは、駆動データ記憶部741へ出力され、このフラッシングデータに基づいてフラッシング動作が行われる(ステップS39)。フラッシング動作では、各ノズルが、第2の診断において各ノズルにつき決定された液体排出量の液体の吐出を行い、この結果、各ノズルの吐出が回復する。
本実施形態において、パージ動作及びフラッシング動作では、搬送ベルト43へ向けてノズルから液体が排出される。そこで、制御手段100は、フラッシング動作、又は、パージ動作及びワイピング動作が行われた後に、搬送ベルト43のクリーニング動作を行う(ステップS40)。クリーニング動作では、洗浄液塗布部材371及びブレード372を搬送ベルト43と当接する位置へ移動させ、搬送ベルト43を時計回りに走行させる。これにより、搬送ベルト43の外周面に洗浄液が均一に塗布され、外周面上のインクなどの異物が、洗浄液と共にブレード372で掻き取られる。以上で、制御手段100による吐出回復処理が終了する。
以上説明した通り、本実施形態に係るプリンタ10では、ノズルの吐出回復処理において、ノズルの吐出異常の程度に応じて、フラッシング動作及びパージ動作のいずれかが選択的に実行される。この結果、フラッシング動作が選択される場合は、パージ動作が選択される場合と比較して、吐出回復動作に要する時間を低減することができる。また、フラッシング動作では、各ノズルから、吐出異常の程度に対応した吐出回復に必要とされる液体量の液体の吐出が行われるので、吐出回復動作で一律にパージ動作が行われる場合と比較して、画像形成以外の目的で消費されるインク量を削減することができる。また、ノズルの吐出回復処理で、ノズルの吐出異常の程度に応じた液体量の液体が吐出されることによって、ノズルの吐出が確実に回復する結果、吐出性能が安定し、画像品質の低下を抑制することができる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。
例えば、制御手段100は、第2の診断において、ノズルの吐出の異常の程度を判別することと、吐出回復のための液体排出量を決定することとを行うが、吐出回復のための液体排出量を決定することのみが行われてもよい。
また、例えば、パージ動作及びフラッシング動作では、搬送ベルト43に向けて液体が排出されるが、記録ヘッド1の下方に吐出面1aを封止するキャップを設けて、キャップ内に液体を排出するようにしてもよい。この場合、パージ動作は、記録ヘッド1の吐出面1aをキャップで封止し、キャップ内を負圧にすることによりノズルからインクを吸引する吸引パージ動作であってもよい。
また、例えば、吐出回復動作に係るフラッシング動作では、搬送ベルト43に向けて液体が吐出されるが、搬送機構40により搬送される記録媒体に向けて液体が吐出されてもよい。この場合、更に、吐出回復動作に係るフラッシング動作において、吐出回復の確認を行ってもよい。吐出回復の確認を行う場合には、例えば、次に示すようにフラッシングデータが作成される。
図10は、フラッシングデータに基づいてフラッシング動作を行い、そのときに記録媒体に形成された画像(フラッシング画像)を示している。フラッシング画像は、各ノズルが、第2の診断において各ノズルにつき決定された液体排出量の液体の吐出を行うことにより形成された吐出回復用画像61と、この吐出回復用画像の下流側において、各ノズルから極小滴の液体の吐出を行うことにより形成された確認用画像62とで構成されている。つまり、フラッシングデータは、各ノズルが、第2の診断において各ノズルにつき決定された液体排出量の液体の吐出を行い、そのあとで、各ノズルの吐出状態を確認するために、各ノズルから極小滴の液体の吐出を行うようなデータとなるように作成される。
そして、上記フラッシングデータに基づいてフラッシング動作が行われる場合には、搬送機構40により搬送される記録媒体に向けて液体の吐出が行われ、記録媒体に形成された画像のうち確認用画像がイメージセンサ16により読み取られる。そして、制御手段100により、確認用画像データが解析され、例えば、前述の第1の診断と同様の手順でノズルの吐出の正常と異常とが判別され、この判別結果が筐体11に設けられた表示部などに表示出力されるようにすることができる。
なお、本発明は、ライン式・シリアル式のいずれの記録ヘッド1を備えた画像形成装置にも適用可能であり、また、プリンタに限定されず、ファクシミリやコピー機等にも適用可能である。さらに、インク以外の液体を吐出させることで記録を行う画像形成装置にも適用可能である。さらに、本発明は、インクの吐出方式にかかわらず適用できる。例えば、本実施の形態では、圧電素子を用いたが、抵抗加熱方式でも、静電容量方式でもよい。
1 記録ヘッド
10 インクジェット式プリンタ(画像形成装置)
12 吐出口
16 イメージセンサ
40 搬送機構
72 画像データ記憶部
73 データ書込部
74 ヘッド制御部
75 第1診断部
76 第2診断部
77 フラッシング動作制御部
78 テストパターン記録部
79 画像読取制御部
95 パージ動作制御部
100 制御手段

Claims (8)

  1. 複数のノズルを有し、これらノズルの各々から複数種のドットサイズに対応する量の液体の吐出ができる記録ヘッドを備えた画像形成装置において、前記複数のノズルの液体吐出状態の診断及び良好な液体吐出状態の回復を行う方法であって、
    前記複数種のドットサイズのうち一つのサイズに対応する量の液体を前記複数のノズルから記録媒体へ向けて吐出して、前記記録媒体にテストパターンの画像を形成することを、前記複数種のドットサイズのうち最小のドットサイズが最後となる順序で前記複数種のドットサイズの全てに対してそれぞれ行うことと、
    前記記録媒体上の前記テストパターンの画像をイメージセンサで読み取ることと、
    前記イメージセンサで読み取られた画像を解析して、前記複数のノズルの各々についてノズル吐出状態を診断することと、
    前記ノズル吐出状態の診断結果に応じて前記記録ヘッドの吐出回復動作を行うこととを含み、
    前記ノズル吐出状態を診断することが、
    前記複数のノズルの各々について正常と異常を判別する第1の診断を行うことと、
    前記第1の診断の結果に基づいて前記複数のノズルの吐出が正常でない場合に第2の診断を行うこととを含み、
    前記第2の診断において、前記複数のノズルの各々について、着弾に成功した最小のドットサイズに基づいて前記吐出回復動作でノズルから排出される液体排出量を決定する、
    ノズルの診断及び吐出回復方法。
  2. 前記第2の診断を行うことが、
    前記複数種のドットサイズの各々の吐出に関する前記記録媒体への着弾の成否を判別することと、前記着弾の成否に基づいて異常の程度を判別することと、前記異常の程度に基づいて前記液体排出量を決定することとを含む、請求項1に記載のノズルの診断及び吐出回復方法。
  3. 前記第2の診断において、前記複数のノズルのうち1以上のノズルについて、前記複数種のドットサイズのうち全てのサイズの吐出に関する着弾の失敗を判別すると、前記複数のノズルの全ての前記液体排出量を所定のパージ量に決定し、
    前記吐出回復動作においてパージ動作を行い、前記複数のノズルの全てから前記所定のパージ量の液体を排出する、請求項2に記載のノズルの診断及び吐出回復方法。
  4. 前記第2の診断において、前記複数のノズルの全てについて、前記複数種のドットサイズのいずれか1以上のサイズの吐出に関する着弾の成功を判別すると、前記複数のノズルの各々について前記液体排出量を前記異常の程度に応じたフラッシング量に決定し、
    前記吐出回復動作においてフラッシング動作を行い、前記複数のノズルの各々から対応する前記フラッシング量の液体を排出する、請求項2又は3に記載のノズルの診断及び吐出回復方法。
  5. 複数のノズルを有し、これらノズルの各々から複数種のドットサイズに対応する量の液体の吐出ができる記録ヘッドと、
    前記複数種のドットサイズのうち一つのサイズに対応する量の液体を前記複数のノズルから記録媒体に向けて吐出して前記記録媒体にテストパターンの画像を形成することを、前記複数種のドットサイズのうち最小のドットサイズが最後となる順序で前記複数種のドットサイズの全てについてそれぞれ行うように前記記録ヘッドを動作させる、テストパターン記録手段と、
    前記記録媒体上の前記テストパターンの画像を読み取るイメージセンサと、
    前記イメージセンサで読み取られた画像を解析して、前記複数のノズルの各々についてノズル吐出状態を診断するノズル診断手段と、
    前記ノズル吐出状態の診断結果に応じて前記記録ヘッドが吐出回復動作を行うように前記記録ヘッドを制御する回復動作制御手段とを備え、
    前記ノズル診断手段は、前記複数のノズルの各々について正常と異常を判別する第1の診断を行う第1の診断部と、前記第1の診断部の診断結果に基づいて前記複数のノズルの吐出が正常でない場合に第2の診断を行う第2の診断部とを有し、
    前記第2の診断において、前記複数のノズルの各々について、着弾に成功した最小のドットサイズに基づいて前記吐出回復動作でノズルから排出される液体排出量を決定する、
    画像形成装置。
  6. 前記第2の診断部が、前記複数種のドットサイズの各々の吐出に関する前記記録媒体への着弾の成否の判別することと、前記着弾の成否に基づいて異常の程度を判別することと、前記異常の程度に基づいて前記液体排出量を決定することとを行う、請求項に記載の画像形成装置。
  7. 前記第2の診断部が、前記複数のノズルのうち1以上のノズルにおいて、前記複数種のドットサイズの全てのサイズの吐出に関する着弾の失敗を判別すると、前記複数のノズルの全ての前記液体排出量を所定のパージ量に決定し、
    前記記録ヘッドが、前記吐出回復動作においてパージ動作を行い、前記複数のノズルの全てから前記所定のパージ量の液体を排出する、請求項に記載の画像形成装置。
  8. 前記第2の診断部が、前記複数のノズルの全てにおいて、前記複数種のドットサイズのいずれか1以上のサイズの吐出に関する着弾の成功を判別すると、前記複数のノズルの各々について前記液体排出量を前記異常の程度に応じたフラッシング量に決定し、
    前記記録ヘッドが、前記吐出回復動作においてフラッシング動作を行い、前記複数のノズルの各々から対応する前記フラッシング量の液体を排出する、請求項又はに記載の画像形成装置。
JP2013205085A 2013-09-30 2013-09-30 画像形成装置並びにノズルの診断及び吐出回復方法 Active JP6248514B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013205085A JP6248514B2 (ja) 2013-09-30 2013-09-30 画像形成装置並びにノズルの診断及び吐出回復方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013205085A JP6248514B2 (ja) 2013-09-30 2013-09-30 画像形成装置並びにノズルの診断及び吐出回復方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015066890A JP2015066890A (ja) 2015-04-13
JP6248514B2 true JP6248514B2 (ja) 2017-12-20

Family

ID=52834114

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013205085A Active JP6248514B2 (ja) 2013-09-30 2013-09-30 画像形成装置並びにノズルの診断及び吐出回復方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6248514B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7183835B2 (ja) * 2019-02-05 2022-12-06 セイコーエプソン株式会社 液体吐出装置、および、液体吐出装置によるテストパターン画像の読み取り方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4032360B2 (ja) * 2003-09-03 2008-01-16 富士フイルム株式会社 インクジェット記録装置及び吐出不良検出方法
JP2012000904A (ja) * 2010-06-18 2012-01-05 Seiko Epson Corp 液滴吐出装置及び液滴吐出ヘッドの検査方法
JP5710334B2 (ja) * 2011-03-28 2015-04-30 株式会社Screenホールディングス インクジェット印刷装置及びそのノズルクリーニング方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015066890A (ja) 2015-04-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5176570B2 (ja) 記録装置および制御方法
JP5012182B2 (ja) 液体滴吐出装置及び液体吐出方法
JP2007253408A (ja) 液体吐出ヘッドの吐出回復装置並びにこれを備えた画像形成装置
JP5927978B2 (ja) 液体吐出装置
EP1952991B1 (en) Ink jet printing apparatus and ink jet printing method
JP6485039B2 (ja) 液体吐出装置
US20210155001A1 (en) Inkjet recording apparatus for recording images by ejecting ink on recording media
US8733891B2 (en) Inkjet recording apparatus
JP5526624B2 (ja) 画像印刷装置及び画像印刷方法
US7240983B2 (en) Inkjet recording apparatus and preliminary discharge control method
JP5012650B2 (ja) 記録装置
JP5790271B2 (ja) 液体吐出装置
JP4003755B2 (ja) 画像形成装置並びにノズル回復方法
US8926057B2 (en) Liquid ejection apparatus
JP5126331B2 (ja) 液体吐出装置、制御装置、及びプログラム
JP6248514B2 (ja) 画像形成装置並びにノズルの診断及び吐出回復方法
JP6056134B2 (ja) インクジェット記録装置
JP5263212B2 (ja) 液体吐出装置及びその検査方法並びにプログラム
US8944561B2 (en) Liquid ejection apparatus
JP5948943B2 (ja) 画像記録装置
JP2008087217A (ja) インクジェット記録装置
JP2019018355A (ja) 記録ヘッド及びそれを備えたインクジェット記録装置
JP2009184122A (ja) 記録装置および制御方法
JP2011101968A (ja) インクジェット記録装置
WO2018131226A1 (ja) 記録ヘッド及びそれを備えたインクジェット記録装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160927

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170621

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170627

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170828

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171024

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171106

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6248514

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150