JP2022131463A - 液体吐出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】異常ノズルであるか否かをより精度よく判定する。
【解決手段】信号処理回路から異常ノズルであるか否かを判定するための判定用信号が出力される。ノズルから正常にインクが吐出された場合、判定用信号は、判定期間Tのうち、第1タイミングU1において最大となり、その後のタイミングU2において最小となると想定される。判定用信号の、第1タイミングU1含む連続する第1期間T1における最大値Vaと、第2タイミングU2を含み、且つ、第1タイミングを含まない連続する第2期間T2における最小値Vbとの差(Va-Vb)が、閾値Vt以上の場合に、ノズルが異常ノズルでないと判定し、閾値Vt未満の場合に、ノズルが異常ノズルであると判定する。
【選択図】図3
【解決手段】信号処理回路から異常ノズルであるか否かを判定するための判定用信号が出力される。ノズルから正常にインクが吐出された場合、判定用信号は、判定期間Tのうち、第1タイミングU1において最大となり、その後のタイミングU2において最小となると想定される。判定用信号の、第1タイミングU1含む連続する第1期間T1における最大値Vaと、第2タイミングU2を含み、且つ、第1タイミングを含まない連続する第2期間T2における最小値Vbとの差(Va-Vb)が、閾値Vt以上の場合に、ノズルが異常ノズルでないと判定し、閾値Vt未満の場合に、ノズルが異常ノズルであると判定する。
【選択図】図3
Description
本発明は、ノズルから液体を吐出する液体吐出装置に関する。
ノズルから液体を吐出する液体吐出装置の一例として、特許文献1には、ノズルからインクを吐出して記録を行うプリンタが記載されている。特許文献1のプリンタでは、インクを良好に吐出できるか否かを調べる吐出検査を行う。吐出検査では、ヘッドのピエゾ素子に駆動信号を印加したときに検出される検出信号の振幅(最高電位と最低電位との差)が閾値を超えたか否かに基づいて、インクが良好に吐出できるか否かを判定する。
また、特許文献1のプリンタでは、ノイズの有無を判定するノイズ検査を行っており、ノイズ検査でノイズがないと判定されたときに、吐出検査の結果に基づいて、インクが良好に吐出できるか否かを判定する。
特許文献1では、上述したように、ノイズ検査を行い、ノイズがないと判定されたときに、吐出検査の結果に基づいて、インクが良好に吐出できるか否かを判定する。しかしながら、特許文献1のようなプリンタでは、例えば、交流電源から常にある程度のノイズが含まれる等、実際には、ノイズがない状態で吐出検査を行うことが難しいことがある。
また、特許文献1のように、ヘッドのピエゾ素子に駆動信号を印加したときに検出される検出信号の振幅が閾値を超えたか否かに基づいて、インクが良好に吐出できるか否かを判定する場合、検出信号に大きなノイズが含まれていると、インクが良好に吐出できるか否かを精度よく判定することができないことがある。
本発明の目的は、ノイズの影響を抑えて異常ノズルであるか否かをより精度よくに判定することが可能な液体吐出装置を提供することである。
本発明の液体吐出装置は、液体を吐出するノズルを有する液体吐出ヘッドと、前記ノズルが液体の吐出に異常のある異常ノズルであるか否かを確認するための検査用駆動を前記液体吐出ヘッドに行わせたときに、前記異常ノズルであるか否かを判定するための判定用信号を出力する信号出力部と、制御装置と、を備え、前記判定用信号は、前記ノズルが前記異常ノズルでない場合に前記検査用駆動の開始時点を起点とする判定期間において値が変化する信号であり、前記判定期間は、第1期間と、前記第1期間と異なる第2期間を有し、前記制御装置は、前記第1期間における前記判定用信号の最大値、及び、前記第2期間における前記判定用信号の最小値のうち、少なくとも一方に基づいて、前記ノズルが前記異常ノズルであるか否かを判定する。
第1期間における判定用信号の最大値、及び、第2期間における判定用信号の最小値の、少なくとも一方に基づいて異常ノズルであるか否かを判定する。この場合、第1期間を異常ノズルでない場合に判定用信号の値がある程度大きくなると推定される期間に設定すれば、ノイズによって第1期間外のタイミングに判定用信号の値が大きくなっても、この値は、異常ノズルであるか否かの判定に用いられない。あるいは、第2期間を異常ノイズでない場合に判定用信号の値がある程度小さくなると推定される期間に設定すれば、ノイズによって第2期間外のタイミングに判定用信号の値が小さくなっても、この値は、異常ノズルであるか否かの判定に用いられない。これらのことから、本発明では、判定用信号にノイズが含まれている場合でも、上記最大値及び上記最小値のうち少なくとも一方に基づいて、ノズルが異常ノズルであるか否かをより精度よくに判定することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。
<プリンタの全体構成>
図1に示すように、本実施形態に係るプリンタ1(本発明の「液体吐出装置」)は、キャリッジ2、サブタンク3、インクジェットヘッド4(本発明の「液体吐出ヘッド」)、プラテン5、搬送ローラ6,7、メンテナンスユニット8、コンセント19などを備えている。
図1に示すように、本実施形態に係るプリンタ1(本発明の「液体吐出装置」)は、キャリッジ2、サブタンク3、インクジェットヘッド4(本発明の「液体吐出ヘッド」)、プラテン5、搬送ローラ6,7、メンテナンスユニット8、コンセント19などを備えている。
キャリッジ2は、走査方向に延びた2本のガイドレール11,12に支持されている。キャリッジ2は、図示しないベルトなどを介してキャリッジモータ86(図4参照)に接続されており、キャリッジモータ86を駆動させると、キャリッジ2がガイドレール11,12に沿って走査方向に移動する。なお、以下では、図1に示すように、走査方向の右側及び左側を定義して説明を行う。
サブタンク3は、キャリッジ2に搭載されている。ここで、プリンタ1は、カートリッジホルダ13を備えており、カートリッジホルダ13に4つのインクカートリッジ14が取り外し可能に装着されている。4つのインクカートリッジ14は、走査方向に並んでおり、走査方向の右側に配置されたものから、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタのインク(本発明の「液体」)を貯留している。サブタンク3は、4本のチューブ15を介してカートリッジホルダ13に装着された4つのインクカートリッジ14と接続されている。これにより、4つのインクカートリッジ14からサブタンク3に上記4色のインクが供給される。
インクジェットヘッド4は、キャリッジ2に搭載され、サブタンク3の下端部に接続されている。インクジェットヘッド4には、サブタンク3から上記4色のインクが供給される。また、インクジェットヘッド4は、その下面であるノズル面4aに形成された複数のノズル10からインクを吐出する。より詳細に説明すると、複数のノズル10は、走査方向と直交する搬送方向に配列されることによってノズル列9を形成しており、ノズル面4aにおいて、4列のノズル列9が走査方向に並んでいる。複数のノズル10からは、走査方向の右側のノズル列9を構成するものから、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタのインクが吐出される。
プラテン5は、インクジェットヘッド4の下方に配置され、複数のノズル10と対向している。プラテン5は、走査方向に記録用紙P(本発明の「被吐出媒体」)の全長にわたって延び、記録用紙Pを下方から支持する。搬送ローラ6は、インクジェットヘッド4及びプラテン5よりも搬送方向の上流側に配置されている。搬送ローラ7は、インクジェットヘッド4及びプラテン5よりも搬送方向の下流側に配置されている。搬送ローラ6,7は、図示しないギヤなどを介して搬送モータ87(図4参照)に接続されている。搬送モータ87を駆動させると、搬送ローラ6,7が回転し、記録用紙Pが搬送方向に搬送される。
メンテナンスユニット8は、キャップ71と、吸引ポンプ72と、廃液タンク73とを備えている。キャップ71は、プラテン5よりも走査方向の右側に配置されている。そして、キャリッジ2を、プラテン5よりも走査方向の右側のメンテナンス位置に位置させると、複数のノズル10がキャップ71と対向する。
また、キャップ71は、キャップ昇降機構88(図4参照)によって昇降可能となっている。そして、キャリッジ2を上記メンテナンス位置に位置させることによって複数のノズル10とキャップ71とを対向させた状態で、キャップ昇降機構88によりキャップ71を上昇させると、キャップ71の上端部がノズル面4aに密着し、複数のノズル10がキャップ71に覆われる。なお、キャップ71はノズル面4aに密着することで複数のノズル10を覆うものであることには限られない。キャップ71は、例えば、インクジェットヘッド4のノズル面4aの周囲に配置される図示しないフレーム等に密着することで、複数のノズル10を覆うものであってもよい。
吸引ポンプ72はチューブポンプなどであり、キャップ71及び廃液タンク73と接続されている。そして、メンテナンスユニット8では、上述したように複数のノズル10がキャップ71によって覆われた状態で吸引ポンプ72を駆動させると、複数のノズル10からインクジェットヘッド4内のインクを排出させる、いわゆる吸引パージを行うことができる。吸引パージによって排出されたインクは廃液タンク73に貯留される。
なお、ここでは、便宜上、キャップ71が全てのノズル10をまとめて覆い、吸引パージにおいて、全てのノズル10からインクジェットヘッド4内のインクを排出させるものとして説明を行ったが、これには限られない。例えば、キャップ71が、ブラックインクを吐出する最も右側のノズル列9を構成する複数のノズル10を覆う部分と、カラーインク(イエロー、シアン、マゼンタのインク)を吐出する左側3列のノズル列9を構成する複数のノズル10を覆う部分とを別々に備えており、吸引パージにおいて、インクジェットヘッド4内のブラックインク及びカラーインクのいずれかを選択的に排出させることができるようになっていてもよい。あるいは、例えば、キャップ71が、ノズル列9毎に個別に設けられ、吸引パージにおいて、ノズル列9毎に個別に、ノズル10からインクを排出させることができるようになっていてもよい。
また、図2に示すように、キャップ71内には、矩形の平面形状を有する検出用電極76が配置されている。検出用電極76は、抵抗79を介して高電圧電源回路77に接続されている。そして、検出用電極76には、後述する判定用駆動の際に、高電圧電源回路77により所定の電位(例えば600V程度)が付与される。一方で、インクジェットヘッド4は、グランド電位に保持されている。これにより、インクジェットヘッド4と検出用電極76との間に所定の電位差が生じる。検出用電極76には、信号処理回路78が接続されている。信号処理回路78は、微分回路などを含み、検出用電極76から出力される電位の信号に対して、微分処理を含む処理を行った信号出力する。すなわち、信号処理回路78から出力される信号は、検出用電極76の電位に対応する電位の信号である。ただし、信号処理回路78から出力される信号は、電流の信号であってもよい。なお、本実施形態では、検出用電極76と高電圧電源回路77と信号処理回路78と抵抗79とを合わせたものが、本発明の「信号出力部」に相当する。
キャリッジ2を上記メンテンナンス位置に位置させた後、高電圧電源回路77により、インクジェットヘッド4と、検出用電極76との間に電位差を生じさる。このとき、後述する検査用駆動を行わせていない状態では、ノイズがなければ、信号処理回路78から出力される信号(非駆動時信号)の値は、図3(a),(b)に示すように、所定の基準値V0となる。
そして、本実施形態では、キャリッジ2を上記メンテンナンス位置に位置させた後、高電圧電源回路77により、インクジェットヘッド4と、検出用電極76との間には電位差を生じさせ、ノズル10から検出用電極76に向けてインクを吐出させるようにインクジェットヘッド4を駆動させる検査用駆動を行わせる。
検査用駆動において、ノズル10がインクの吐出に異常のある異常ノズルでなければ、ノズル10から帯電したインクが吐出される。これにより、帯電したインクが検出用電極76に近づき、検出用電極76にインクが着弾するまで、検出用電極76の電位が変化する。そして、帯電したインクが検出用電極76に着弾した後、検出用電極76の電位が減衰しながらインクの吐出前の電位に戻る。
このとき、信号処理回路78から出力される信号(判定用信号)は、ノイズがなければ、図3(a)に示すように、ノズル10からのインクの吐出開始の時点から上昇して、基準値V0よりも高い最大値V1に達し、その後、低下して基準値V0よりも低い最小値V2に達する。その後、減衰しながら増減して基準値V0に収束する。
一方、ノズル10が異常ノズルである場合には、検査用駆動を行っても、ノズル10からインクが吐出されない。そのため、検出用電極76の電位が信号処理回路78から出力される信号(判定用信号)は、ノイズがなければ、図3(b)に示すように、所定の基準値V0から変化しない。
このように、本実施形態では、ノズル10が異常ノズルであるか否かによって、判定用駆動を行ったときに信号処理回路78から出力される信号が異なる。そして、本実施形態では、このことを利用して、後述するようにノズル10が異常ノズルであるか否かを判定する。
コンセント19は、商用電源等の交流電源90(図4参照)に接続可能である。そして、プリンタ1では、コンセント19が挿されて交流電源90に接続されることによって、プリンタ1に交流電力が供給される。
<プリンタの電気的構成>
次に、プリンタ1の電気的構成について説明する。図4に示すように、プリンタ1は、制御装置80を備えている。制御装置80は、CPU(Central Processing Unit)81、ROM(Read Only Memory)82、RAM(Random Access Memory)83、フラッシュメモリ84、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)85などからなる。制御装置80は、キャリッジモータ86、インクジェットヘッド4、搬送モータ87、キャップ昇降機構88、吸引ポンプ72、高電圧電源回路77等の動作を制御する。また、制御装置80は、信号処理回路78から判定用信号を受信する。
次に、プリンタ1の電気的構成について説明する。図4に示すように、プリンタ1は、制御装置80を備えている。制御装置80は、CPU(Central Processing Unit)81、ROM(Read Only Memory)82、RAM(Random Access Memory)83、フラッシュメモリ84、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)85などからなる。制御装置80は、キャリッジモータ86、インクジェットヘッド4、搬送モータ87、キャップ昇降機構88、吸引ポンプ72、高電圧電源回路77等の動作を制御する。また、制御装置80は、信号処理回路78から判定用信号を受信する。
なお、制御装置80は、CPU81のみが各種処理を行うものであってもよいし、ASIC85のみが各種処理を行うものであってもよいし、CPU81とASIC85とが協働して各種処理を行うものであってもよい。また、制御装置80は、1つのCPU81が単独で処理を行うものであってもよいし、複数のCPU81が処理を分担して行うものであってもよい。また、制御装置80は、1つのASIC85が単独で処理を行うものであってもよいし、複数のASIC85が処理を分担して行うものであってもよい。
<検査指示信号の受信時の処理>
次に、ノズル10が異常ノズルであるか否かを検査することを指示する検査指示信号を受信したときの制御装置80の処理の流れについて説明する。制御装置80が検査指示信号を受信するときとは、例えば、ユーザが、プリンタ1の図示しない操作部、プリンタに接続されたPC等を操作して、ノズル10が異常ノズルであるか否かを検査することを指示することによって、制御装置80に検査指示信号が送信されたときである。
次に、ノズル10が異常ノズルであるか否かを検査することを指示する検査指示信号を受信したときの制御装置80の処理の流れについて説明する。制御装置80が検査指示信号を受信するときとは、例えば、ユーザが、プリンタ1の図示しない操作部、プリンタに接続されたPC等を操作して、ノズル10が異常ノズルであるか否かを検査することを指示することによって、制御装置80に検査指示信号が送信されたときである。
検査指示信号を受信したときに、制御装置80は、図5のフローに沿って処理を行う。制御装置80は、まず、キャリッジモータ86を制御して、キャリッジ2をメンテナンス位置に移動させる(S101)。なお、図5のフローの開始の時点で、キャリッジ2がメンテナンス位置に位置している場合には、S101においてキャリッジ2をメンテナンス位置に位置させた状態を維持する。
続いて、制御装置80は、高電圧電源回路77を制御して、検出用電極76に電圧を印加することによって、検出用電極76とインクジェットヘッド4との間に電位差を生じさせる(S102)。続いて、制御装置80は、所定期間分、信号処理回路78から出力される非駆動時信号を取得する(S103)。ここで、所定期間は、非駆動時信号に大きなノイズが含まれているか否かを判定するために非駆動時信号を取得する時間である。非駆動時信号に大きなノイズが含まれているか否かより精度よく判定する観点から、所定時間を、例えば判定期間T以上の時間など、ある程度長い時間としてもよい。あるいは、非駆動時信号に大きなノイズが含まれているか否かの判定に必要な時間を短くする観点から、所定時間を、例えば判定期間Tよりも短い時間としてもよい。ここで、判定期間Tとは、図3(a)に示すような、検査用駆動の開始の時点を起点とし、検査用駆動によってノズル10からインクが吐出された場合に、信号処理回路78から出力される信号が十分に減衰するまでの期間のことである。
続いて、制御装置80は、S103で取得した非駆動時信号の最大値Vnaと最小値Vnbとの差[Vna-Vna]が所定値Vntよりも小さいか否かを判定する(S104)。最大値Vnaと最小値Vnbとの差[Vna-Vnb]が所定値Vnt以上の場合には(S104:NO)、最初の非駆動時信号の開始から所定時間が経過していなければ(S105:NO)、S103に戻る。最大値Vnaと最小値Vnbとの差[Vna-Vnb]が所定値Vnt以上であり(S104:NO)、最初の非駆動時信号の開始から所定時間が経過している場合には(S105:YES)、制御装置80は、エラー信号を出力し(S106)、処理を終了する。エラー信号は、例えば、プリンタ1の図示しない表示部、又は、プリンタ1に接続されたPCのディスプレイに、エラーメッセージを表示させるための信号である。
最大値Vnaと最小値Vnbとの差[Vna-Vnb]が所定値Vnt未満の場合には(S104:YES)、制御装置80は、インクジェットヘッド4の複数のノズル10のうち1つのノズル10を、異常ノズルであるか否かを判定する対象である対象ノズルに設定する(S107)。
続いて、制御装置80は、検査用駆動処理を実行する(S108)。S108では、制御装置80は、インクジェットヘッド4に、対象ノズルからインクを吐出させるための検査用駆動を行わせる。
続いて、制御装置80は、S108によって検査用駆動が行われたときに、信号処理回路78から出力された判定用信号に基づいて、判定用信号の第1期間T1における最大値Vaと、判定用信号の第2期間T2における最小値Vbとの差[Va-Vb]が閾値Vt以上であるか否かを判定する(S109)。
ここで、第1期間T1とは、図3(a)に示すように、判定期間Tの一部であり、ノイズがない状態で検査用駆動が行われてノズル10からインクが吐出されたときに、判定用信号の値が最大値V1になると想定される第1タイミングU1を含む、連続する期間である。また、第2期間T2とは、判定期間Tの一部であり、ノイズがない状態で検査用駆動が行われてノズル10からインクが吐出されたときに、判定用信号の値が最小値V2になると想定される第2タイミングU2を含み、且つ、第1期間T1とは重ならない連続する期間である。また、本実施形態では、プリンタ1の製造段階などにおいて、実験などによって第1タイミングU1及び第2タイミングU2を取得し、これに基づいて、第1期間T1及び第2期間T2の情報をフラッシュメモリ84に記憶させている。
判定用信号の上記最大値Vaと上記最小値Vbとの差[Va-Vb]が閾値Vt以上の場合には(S109:YES)、制御装置80は、対象ノズルが異常ノズルでないことをフラッシュメモリ84に記憶させる(S110)。判定用信号の上記最大値Vaと上記最小値Vbとの差[Va-Vb]が閾値Vt未満の場合には(S109:NO)、制御装置80は、対象ノズルが異常ノズルであることをフラッシュメモリ84に記憶させる(S111)。
S110又はS111で対象ノズルが異常ノズルであるか否かをフラッシュメモリ84に記憶させた後、制御装置80は、インクジェットヘッド4の全てのノズル10について、異常ノズルであるか否かの検査が完了したか否かを判定する(S112)。異常ノズルであるか否かの検査が完了していないノズル10が存在する場合には(S112:NO)、制御装置80は、対象ノズルを、異常ノズルであるか否かの検査が完了していないいずれかのノズル10に変更し(S113)、S108に戻る。
インクジェットヘッド4の全てのノズル10について、異常ノズルであるか否かの検査が完了している場合には(S112:YES)、制御装置80は、高電圧電源回路77を制御して、検出用電極76への電圧の印加を解除する(S114)。続いて、制御装置80は、インクジェットヘッド4の複数のノズル10について、S110又はS111でフラッシュメモリ84に記憶させた情報に基づいて、異常ノズルが存在するか否かを判定する(S115)。
異常ノズルが存在しない場合には(S115:NO)、そのまま、処理を終了する。異常ノズルが存在する場合には(S115:YES)、制御装置80は、パージ処理を実行してから(S116)、処理を終了する。パージ処理では、制御装置80は、吸引ポンプ72を制御して吸引パージを行わせる。これにより、異常ノズルを回復させることができる。
なお、パージ処理では、異常ノズルの数等によらず一律に吸引パージを行わせてもよいし、異常ノズルの数が多いほどインクの排出量が多くなるように吸引パージを行わせるなどしてもよい。
<効果>
本実施形態では、判定期間Tのうち、第1期間T1における判定用信号の最大値Vaと、判定期間Tのうち第1期間T1と異なる第2期間T2における判定用信号の最小値Vbとに基づいて、異常ノズルであるか否かを判定する。この場合、第1期間T1を判定用信号の値が大きくなると推定される期間に設定すれば、ノイズによって第1期間T1外のタイミングに判定用信号の値が大きくなっても、この値は、異常ノズルであるか否かの判定に用いられない。また、第2期間T2を判定用信号の値が小さくなると推定される期間に設定すれば、ノイズによって第2期間T2外のタイミングに判定用信号の値が小さくなっても、この値は、異常ノズルであるか否かの判定に用いられない。これらのことから、本実施形態では、判定用信号にノイズが含まれている場合でも、最大値Vaと最小値Vbとに基づいて、ノズル10が異常ノズルであるか否かをより精度よく判定することができる。
本実施形態では、判定期間Tのうち、第1期間T1における判定用信号の最大値Vaと、判定期間Tのうち第1期間T1と異なる第2期間T2における判定用信号の最小値Vbとに基づいて、異常ノズルであるか否かを判定する。この場合、第1期間T1を判定用信号の値が大きくなると推定される期間に設定すれば、ノイズによって第1期間T1外のタイミングに判定用信号の値が大きくなっても、この値は、異常ノズルであるか否かの判定に用いられない。また、第2期間T2を判定用信号の値が小さくなると推定される期間に設定すれば、ノイズによって第2期間T2外のタイミングに判定用信号の値が小さくなっても、この値は、異常ノズルであるか否かの判定に用いられない。これらのことから、本実施形態では、判定用信号にノイズが含まれている場合でも、最大値Vaと最小値Vbとに基づいて、ノズル10が異常ノズルであるか否かをより精度よく判定することができる。
また、本実施形態では、第1期間T1を、ノイズがなく、ノズルが異常ノズルでない場合に判定用信号の値が最大になると推定される第1タイミングU1を含む連続した期間としている。また、第2期間T2を、ノイズがなく、ノズルが異常ノズルでない場合に判定用信号の値が最小になると推定される第2タイミングU2を含み、且つ、第1タイミングU1を含まない連続した期間としている。これにより、判定用信号の、第1期間T1における最大値Vaと、第2期間T2における最小値Vbとに基づいて、ノズル10が異常ノズルであるか否かをより精度よく判定することができる。
また、本実施形態では、判定用信号の、第1期間T1における最大値Vaと、第2期間T2における最小値Vbとの差[Va-Vb]が、閾値Vt以上であるか否かに基づいて、ノズル10が異常ノズルであるか否かをより精度よくに判定することができる。
また、本実施形態では、検査指示信号を受信したときに、非駆動時信号を受信する。そして、非駆動時信号の最大値Vnaと最小値Vnbとの差[Vna-Vnb]が所定値Vnt未満である場合には、検査用駆動処理を実行する。これにより、判定用信号に大きなノイズが含まれる可能性が低いときに検査用駆動を行わせて、ノズル10が異常ノズルであるか否かをより精度よくに判定することができる。
一方、非駆動時信号の最大値Vnaと最小値Vnbとの差[Vna-Vnb]が所定値Vnt以上である場合には、検査用駆動処理を実行しない。これにより、判定用信号に大きなノイズが含まれる可能性が高いときには、検査用駆動を行わせないようにして、誤判定を防止することができる。
<変形例>
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態には限られず、特許請求の範囲に記載の限りにおいて様々な変更が可能である。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態には限られず、特許請求の範囲に記載の限りにおいて様々な変更が可能である。
上述の実施形態では、非駆動時信号の最大値Vnaと最小値Vnbとの差[Vna-Vnb]が所定値Vnt未満であるという条件を、検査用駆動を行わせるか否かを判定するための所定条件に設定したが、これには限られない。
非駆動時信号の最大値Vna及び最小値Vnbについての別の条件を、検査用駆動を行わせるか否かを判定するための所定条件に設定してもよい。別の条件とは、例えば、非駆動時信号の最大値Vnaと基準値V0との差の絶対値|Vna-V0|、及び、非駆動時信号の最小値Vnbと基準値V0との差の絶対値|Vnb-V0|の両方が、所定値よりも小さいという条件である。
また、非駆動時信号の最大値Vna及び最小値Vnbについての所定条件を満たすか否かに基づいて、検査用駆動を行わせるか否かを判定することにも限られない。
変形例1では、制御装置80が、検査指示信号を受信したときに、図6のフローに沿って処理を行う。
より詳細に説明すると、制御装置80は、上述の実施形態と同様のS101~S103の処理を実行する。ただし、変形例1では、S103において、判定期間Tよりも長い期間についての、非駆動時信号を取得する。
続いて、制御装置80は、S103で取得した非駆動時信号が周期的に繰り返される信号であるか否かを判定する(S201)。
ここで、プリンタ1では、交流電源90から電力が供給されている。そのため、交流電源から付与される交流電圧に起因するノイズの影響により、非駆動時信号には、この交流電圧の周期に応じた一定の周期で繰り返される信号が含まれる。交流電圧の周期とは、例えば、交流電源が50Hzである場合に1/50秒、交流電源が60Hzの電源である場合に1/60秒である。また、交流電圧の周期に応じた一定の周期とは、判定期間Tよりも長い周期であり、例えば、交流電圧の周期の整数倍の周期である。
したがって、非駆動時信号に含まれるノイズが、主に交流電圧に起因して発生するノイズであり、ほかに大きなノイズが含まれていない場合には、非駆動時信号は、上記一定の周期で繰り返される信号となる。一方、非駆動時信号に、交流電圧に起因して発生するノイズ以外に、環境変化などによって突発的に生じた大きなノイズを含む場合には、非駆動時信号は、上記一定の周期で繰り返される信号とはならない。
S201では、非駆動時信号が上記一定の周期で繰り返される信号でいるか否かを判定することによって、非駆動時信号に突発的な大きなノイズが含まれているか否かを判定する。また、S201では、例えば、非駆動時信号から、上記一定の周期毎の複数の信号を抽出し、抽出した複数の信号の対応するタイミングでの値を取得する。そして、これらの値のばらつきが所定範囲内である場合に、非駆動時信号が周期的に繰り返される信号であると判定する。一方、これらの値のばらつきが所定範囲を超えている場合に、非駆動時信号が周期的に繰り返される信号でないと判定する。
非駆動時信号が周期的に繰り返される信号でない場合には(S201:NO)、S105に進む。非駆動時信号が周期的に繰り返される信号である場合には(S201:YES)、制御装置80は、続いて、非駆動時信号の、最小ノイズ期間の情報を取得する(S202)。
最小ノイズ期間とは、非駆動時信号の周期内における、判定期間Tと同じ長さの期間であって、非駆動時信号の最大値と最小値との差が最も小さくなる期間である。S202では、制御装置80は、例えば、非駆動時信号の、判定期間Tと同じ長さの、互いに異なる複数の期間の各々について、最大値と最小値とを取得し、これら複数の期間のうち、最大値と最小値との差が最も小さい期間の情報を、最小ノイズ期間の情報として取得する。
そして、制御装置80は、以下、上述の実施形態と同様、S107~S116の処理を実行する。ただし、変形例1ではS107において、判定期間が、非駆動時信号の周期における最小ノイズ期間と一致するように、インクジェットヘッド4に検査用駆動を行わせる。
ノイズが交流電源90から付与される交流電圧によるものである場合、非駆動時信号が、交流電圧の周期に対応した一定の周期で繰り返される信号となる。変形例1では、判定期間Tが、最小ノイズ期間と一致するように検査用駆動を行わせる。これにより、ノイズが極力少ない期間に検査用駆動を行わせることができ、ノズル10が異常ノズルであるか否かをより精度よく判定することができる。
ただし、ノイズが周期的なものでない場合、検査用駆動の前に最小ノイズ期間の情報を取得して、判定期間Tがノイズ期間と一致するように検査用駆動を行わせても、検査用駆動時のノイズを小さくできないことがある。
そこで、変形例1では、非駆動時信号が一定の周期で繰り返される信号である場合には、判定期間Tが、最小ノイズ期間と一致するように、液体吐出ヘッドに前記検査用駆動を行わせる。これにより、上述したように、信号処理回路78から出力される信号に周期的なノイズが含まれている場合に、ノイズが極力少ない期間に検査用駆動を行わせることによって、ノズルが異常ノズルであるかをより精度よく判定することができる。
一方で、非駆動時信号が一定の周期で変化するものでない場合には、検査用駆動処理を実行しない。これにより、信号処理回路78から出力される信号に周期的でないノイズが含まれている可能性の高いタイミングで検査用駆動を行わせないようにして、誤判定を防止することができる。
また、変形例1では、非駆動時信号が周期的に繰り返される信号であるか否かを判定し、非駆動時信号が周期的に繰り返される信号であると判定した場合にのみ、最小ノイズ期間の情報を取得したが、これには限られない。非駆動時信号に突発的な大きなノイズが含まれる可能性はそれほど高くないため、例えば、非駆動時信号が周期的に繰り返される信号であるか否かを判定せずに、最小ノイズ期間の情報を取得してもよい。
また、上述の実施形態及び変形例1では、判定用信号におけるノイズが極力小さくなるようなタイミングで検査用駆動を行わせたが、これには限られない。例えば、上述の実施形態において、S103~S106がなく、S102の処理後、S107に進むようにしてもよい。
また、上述の実施形態では、判定用信号の上記最大値Vaと上記最小値Vbとの差[Va-Vb]が閾値Vt以上であるか否かに基づいて、ノズル10が異常ノズルであるか否かを判定したが、これには限られない。
変形例2では、検査指示信号を受信したときに、制御装置80が、図7のフローに沿って処理を行う。ただし、変形例2では、S101~S107,S112~S116の処理は、上述の実施形態と同様であるので、図7では、S101~S107,S112~S116の図示を省略している。
より詳細に説明すると、変形例2では、制御装置80は、S107で対象ノズルを設定した後、変数Nの値を0にリセットする(S301)。変数Nは、同じノズル10について検査用駆動を繰り返した回数に対応する。続いて、制御装置80は、上述の実施形態のS108と同様の検査用駆動処理を実行し(S302)、変数Nの値を1増加させる。
判定用信号の上記最大値Vaと上記最小値Vbとの差[Va-Vb]が第1閾値Vt1以上の場合には(S304:YES)、制御装置80は、対象ノズルが異常ノズルでないことをフラッシュメモリ84に記憶させる(S110)。ここで、第1閾値Vt1は、上述の実施形態の閾値Vtよりも大きい値である。
判定用信号の上記最大値Vaと上記最小値Vbとの差[Va-Vb]が第1閾値Vt1未満で(S304:NO)、且つ、第2閾値Vt2未満の場合には(S305:NO)、制御装置80は、対象ノズルが異常ノズルであることをフラッシュメモリ84に記憶させる(S111)。ここで、第2閾値Vt2は、第1閾値Vt1及び上述の実施形態の閾値Vtのいずれよりも小さい値である。
判定用信号の上記最大値Vaと上記最小値Vbとの差[Va-Vb]が第1閾値Vt1未満で(S304:NO)、且つ、第2閾値Vt2以上の場合(S305:YES)、変数Nが所定値Nt未満の場合には(S306:NO)、S302に戻る。
これにより、変数Nが所定値Ntに達するまでは、判定用信号の上記最大値Vaと上記最小値Vbとの差[Va-Vb]が第1閾値Vt1未満で、且つ、第2閾値Vt2以上である間、同じノズル10についての検査用駆動が繰り返し行われ、S304,S305の判定が行われる。
そして、上記のように、同じノズル10についての検査用駆動が繰り返し行われて、変数Nが所定値Ntに達したときに(S306:YES)、制御装置80は、判定用信号の上記最大値Vaと上記最小値Vbとの差[Va-Vb]が閾値Vt以上の場合には(S307:YES)、対象ノズルが異常ノズルでないことをフラッシュメモリ84に記憶させる(S110)。一方、判定用信号の上記最大値Vaと上記最小値Vbとの差[Va-Vb]が閾値Vt未満の場合には(S307:NO)、対象ノズルが異常ノズルであることをフラッシュメモリ84に記憶させる(S111)。そして、S110又はS111で対象ノズルが異常ノズルであるか否かをフラッシュメモリ84に記憶させた後、S112に進む。
変形例2では、判定用信号の最大値Vaと最小値Vbとの差[Va-Vb]が第1閾値Vt1以上である場合に、ノズル10が異常ノズルであるとより精度よく判定することができる。また、判定用信号の最大値Vaと最小値Vbとの差[Va-Vb]が第2閾値Vt2未満である場合に、ノズル10が異常ノズルでないとより精度よく判定することができる。一方、判定用信号の最大値Vaと最小値Vbとの差[Va-Vb]が第1閾値Vt1未満且つ第2閾値Vt2以上である場合には、判定用信号に大きなノイズが含まれている可能性が高い。したがって、この場合には、ノズル10が異常ノズルであるか否かを判定しないことにより、誤判定を防止することができる。
さらに、変形例2では、判定用信号の最大値Vaと最小値Vbとの差[Va-Vb]が第1閾値Vt1未満且つ第2閾値Vt2以上である場合、すなわち、判定用信号に大きなノイズが含まれている可能性が高い場合に、再度の検査用駆動を行わせ、当該再度の検査用駆動時に信号出力部から出力される判定用信号の最大値Vaと最小値Vbとの差に基づいて、ノズル10が異常ノズルであるかを判定する。これにより、ノズル10が異常ノズルであるか否かをより精度よく判定することができる。
また、変形例2では、変数Nが所定値Ntに達するまでについてのみ、判定用信号の上記最大値Vaと上記最小値Vbとの差[Va-Vb]が第1閾値Vt1未満で、且つ、第2閾値Vt2以上である間、同じ対象ノズルについての検査用駆動が繰り返し行わせたが、これには限られない。例えば、判定用信号の上記最大値Vaと上記最小値Vbとの差[Va-Vb]が、第1閾値Vt1以上となるか、第2閾値Vt2未満となるまで、検査用駆動を繰り返し行わせ続けてもよい。
また、変形例2では、判定用信号の上記最大値Vaと上記最小値Vbとの差[Va-Vb]が第1閾値Vt1未満で、且つ、第2閾値Vt2以上である場合に、再度検査用駆動を行わせて、S304,S305の判定を行ったが、これには限られない。例えば、判定用信号の上記最大値Vaと上記最小値Vbとの差[Va-Vb]が第1閾値Vt1未満で、且つ、第2閾値Vt2以上である場合に、再度の検査用駆動を行わせずに、異常ノズルであるか否かが判定不能であったことをフラッシュメモリ84に記憶させてもよい。
また、変形例2において、上記のように、同じノズル10についての検査用駆動が繰り返し行われて、変数Nが所定値Ntに達したときに(S307:YES)、異常ノズルであるか否かが判定不能であったことをフラッシュメモリ84に記憶させてもよい。
また、以上の例では、判定用信号の、第1期間T1における最大値Vaと、第2期間T2における最小値Vbとの差[Va-Vb]に基づいて、ノズル10が異常ノズルであるか否かを判定したが、これには限られない。
変形例3では、検査指示信号を受信したときに、制御装置80が、図8のフローに沿って処理を行う。ただし、変形例3では、S101~S108,S112~S116の処理は、上述の実施形態と同様であるので、図8では、S101~S108,S112~S116の図示を省略している。
図8のフローについてより詳細に説明すると、制御装置80は、上述の実施形態と同様、S108において検査用駆動処理を実行した後、判定用信号の、第1期間T1における最大値Vaが閾値Vat以上であるか否か、及び、第2期間T2における最小値Vbが閾値Vbt以下であるか否かを判定する(S401,S402)。
最大値Vaが閾値Vat以上であり(S401:YES)、且つ、最小値Vbが閾値Vbt以下である場合(S402:YES)、制御装置80は、対象ノズルが異常ノズルでないことをフラッシュメモリ84に記憶させる(S110)。
最大値Vaが閾値Vatよりも小さい場合(S401:NO)、及び、最小値Vbが閾値Vbtよりも大きい場合(S402:NO)には、制御装置80は、対象ノズルが異常ノズルであることをフラッシュメモリ84に記憶させる(S111)。
また、以上の例では、判定用信号の、第1期間T1における最大値Vaと、第2期間T2における最小値Vbの両方に基づいて、ノズル10が異常ノズルであるか否かを判定したが、これには限られない。
例えば、変形例3において、S401,S402のうちS401の判定のみを行い、最大値Vaが閾値Vat以上である場合に(S401:YES)対象ノズルが異常ノズルでないことをフラッシュメモリ84に記憶させ、最大値Vaが閾値Vatよりも小さい場合に(S401:NO)対象ノズルが異常ノズルであることをフラッシュメモリ84に記憶させてもよい。
あるいは、変形例3において、S401,S402のうちS402の判定のみを行い、最小値Vbが閾値Vbt以下である場合に(S402:YES)対象ノズルが異常ノズルでないことをフラッシュメモリ84に記憶させ、最小値Vbが閾値Vbtよりも大きい場合に(S402:NO)対象ノズルが異常ノズルであることをフラッシュメモリ84に記憶させてもよい。
また、以上の例では、第1期間T1を、ノイズがない状態で検査用駆動が行われてノズル10からインクが吐出されたときに、判定用信号の値が最大値V1になると想定される第1タイミングU1を含む、連続する期間とした。また、第2期間T2を、ノイズがない状態で検査用駆動が行われてノズル10からインクが吐出されたときに、判定用信号の値が最小値V2になると想定される第2タイミングU2を含み、且つ、第1期間T1とは重ならない連続する期間とした。しかしながら、これには限られない。
変形例4では、図9に示すように、第1期間T1を、ノイズがない状態で検査用駆動が行われてノズル10からインクが吐出されたときに、判定用信号の値が基準値V0よりも大きくなると想定される最初の期間とする。また、第2期間T2を、ノイズがない状態で検査用駆動が行われてノズル10からインクが吐出されたときに、判定用信号の値が基準値V0よりも小さくなると想定される最初の期間とする。
変形例4では、第1期間T1を、ノイズがなく、ノズルが異常ノズルでない場合に判定用信号の値が基準値V0よりも大きくなると推定される期間としているので、判定用信号の第1期間T1における最大値Vaに基づいて、ノズル10が異常ノズルであるか否かをより精度よく判定することができる。
また、変形例4では、第2期間T2を、ノイズがなく、ノズルが異常ノズルでない場合に判定用信号の値が基準値V0よりも小さくなると推定される期間としているので、判定用信号の第2期間T2における最小値に基づいて、ノズル10が異常ノズルであるか否かをより精度よく判定することができる。
また、以上の例では、異常ノズルを回復させるために吸引パージを行わせたが、これには限られない。例えば、サブタンク3とインクカートリッジ14とを接続するチューブ15の途中部分に加圧ポンプが設けられていてもよい。あるいは、プリンタにインクカートリッジと接続された加圧ポンプが設けられていてもよい。そして、複数のノズル10がキャップ71で覆われた状態で、上記加圧ポンプを駆動させることで、インクジェットヘッド4内のインクを加圧してノズル10からインクジェットヘッド4内のインクを排出させる、いわゆる加圧パージを行ってもよい。
さらには、パージにおいて、吸引ポンプ72による吸引と加圧ポンプによる加圧の両方を行わせてもよい。
また、パージによって異常ノズルを回復させることにも限られない。例えば、インクジェットヘッド4にノズル10からインクを排出させるフラッシングによって、異常ノズルを回復させてもよい。あるいは、パージとフラッシングの両方によって異常ノズルを回復させてもよい。あるいは、異常ノズルの数などに応じて、パージ及びフラッシングのいずれかを選択的に行わせることによって異常ノズルを回復させてもよい。
また、上述の実施形態では、S107、S113においてインクジェットヘッド4の複数のノズル10のうち1つのノズル10を、異常ノズルであるか否かを判定する対象である対象ノズルに設定しているがこれに限らない。2以上のノズルを対象ノズルに設定して検査用駆動処理(S108)を行ってもよい。このとき、対象ノズルの数に応じて閾値を設定すればよい。例えば、対象ノズルの数が多いほど、閾値を大きな値に設定すればよい。
また、上述の実施形態では、インクジェットヘッド4の全てのノズル10について、検査用駆動を行わせたが、これには限られない。例えば、各ノズル列9における1つおきのノズル10等、インクジェットヘッド4の一部のノズル10についてのみ、検査用駆動を行わせ、それ以外のノズル10については、当該検査用駆動時に信号処理回路78から出力された判定用信号に基づいて、異常ノズルであるか否かを推定してもよい。
また、上述の実施形態では、ノズル10から検出用電極76に向けてインクを吐出させたときの検出用電極76の電位の変化に基づいて、信号処理回路78から、異常ノズルであるか否かに応じた信号を出力したが、これには限られない。
例えば、鉛直方向に延びた検出用電極を配置し、ノズル10から検出用電極と対向する領域を通過するようにインクを吐出させたときの検出用電極の電位の変化に応じて、信号処理回路から、異常ノズルであるか否かに応じた信号を出力してもよい。あるいは、ノズル10から吐出されたインクを検出する光センサ(本発明の「信号出力部」)を設け、光センサから、異常ノズルであるか否かに応じた信号を出力してもよい。
あるいは、例えば、特許第4929699号公報に記載されているのと同様に、インクジェットヘッドのノズルが形成されたプレートに、ノズルからインクが吐出されたときの電圧の変化を検出する電圧検出回路(本発明の「信号出力部」)を接続して、電圧検出回路から、異常ノズルであるか否かに応じた信号を出力するようにしてもよい。
あるいは、例えば、特許第6231759号公報に記載されているのと同様に、インクジェットヘッドの基板を、温度検知素子(本発明の「信号出力部」)を備えたものとしてもよい。そして、インクの吐出のために第1印加電圧を印加してヒータを駆動した後に、インクが吐出されないように第2印加電圧を印加してヒータを駆動し、第2印加電圧を印加してから、その後、所定時間が経過するまでの間の、温度検知素子で検知された温度の変化に基づいて、ノズルが異常ノズルであるか否かに応じた信号を出力するようにしてもよい。
また、以上の例では、信号出力部が、ノズル10からインクが吐出されたか否かに応じた信号を出力するものであったが、これには限られない。
例えば、インクが吐出されないこと以外の異常ノズルの状態に応じた信号を出力する信号出力部を設けてもよい。異常ノズルの状態とは、例えば、異常ノズルにおいて、インクの吐出方向に異常がある、しぶきが発生する、気泡が混入している、紙粉が詰まっている等の状態のことである。
また、以上では、キャリッジとともに走査方向に移動しつつ複数のノズルからインクを吐出する、いわゆるシリアルヘッドを備えたプリンタに本発明を適用した例について説明したが、これには限られない。例えば、走査方向に記録用紙Pの全長にわたって延びたいわゆるラインヘッドを備えたプリンタに本発明を適用することも可能である。
また、以上では、ノズルからインクを吐出して記録用紙Pに記録を行うプリンタに本発明を適用した例について説明したが、これには限られない。Tシャツ、屋外広告用のシート、スマートフォン等の携帯端末のケース、段ボール、樹脂部材など、記録用紙以外の被記録媒体に画像を記録するプリンタにも適用され得る。また、インク以外の液体、例えば、液体状にした樹脂や金属を吐出する液体吐出装置にも適用され得る。
1 プリンタ
4 インクジェットヘッド
10 ノズル
76 検出用電極
77 高電圧電源回路
78 信号処理回路
79 抵抗
80 制御装置
84 フラッシュメモリ
90 交流電源
4 インクジェットヘッド
10 ノズル
76 検出用電極
77 高電圧電源回路
78 信号処理回路
79 抵抗
80 制御装置
84 フラッシュメモリ
90 交流電源
Claims (11)
- 液体を吐出するノズルを有する液体吐出ヘッドと、
前記ノズルが液体の吐出に異常のある異常ノズルであるか否かを確認するための検査用駆動を前記液体吐出ヘッドに行わせたときに、前記異常ノズルであるか否かを判定するための判定用信号を出力する信号出力部と、
制御装置と、を備え、
前記判定用信号は、前記ノズルが前記異常ノズルでない場合に前記検査用駆動の開始時点を起点とする判定期間において値が変化する信号であり、
前記判定期間は、第1期間と、前記第1期間と異なる第2期間を有し、
前記制御装置は、
前記第1期間における前記判定用信号の最大値、及び、前記第2期間における前記判定用信号の最小値のうち、少なくとも一方に基づいて、前記ノズルが前記異常ノズルであるか否かを判定することを特徴とする液体吐出装置。 - 記憶部、を備え、
前記記憶部は、前記第1期間の情報を記憶し、
前記第1期間は、前記判定期間のうち、前記ノズルが前記異常ノズルでない場合に、前記判定用信号の値が、前記検査用駆動が行われていないときに前記信号出力部から出力される信号である非駆動時信号の値よりも大きくなると推定される最初の期間であり、
前記制御装置は、
前記記憶部に記憶された前記第1期間における前記判定用信号の最大値に基づいて、前記ノズルが前記異常ノズルであるか否かを判定することを特徴とする請求項1の液体吐出装置。 - 記憶部、を備え、
前記記憶部は、前記第2期間の情報を記憶し、
前記第2期間は、前記判定期間のうち、前記ノズルが前記異常ノズルでない場合に、前記判定用信号の値が、前記検査用駆動が行われていないときに前記信号出力部から出力される信号である非駆動時信号の値よりも小さくなると推定される最初の期間であり、
前記制御装置は、
前記記憶部に記憶された前記第2期間における前記判定用信号の最小値に基づいて、前記ノズルが前記異常ノズルであるか否かを判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の液体吐出装置。 - 記憶部、を備え、
前記記憶部は、前記第1期間の情報と、前記第2期間の情報とを記憶し、
前記第1期間は、前記判定期間のうち、前記ノズルが前記異常ノズルでない場合に、前記判定用信号の値が最大になると推定される第1タイミングを含む連続した期間であり、
前記第2期間は、前記判定期間のうち、前記ノズルが前記異常ノズルでない場合に、前記判定用信号の値が最小になると推定される第2タイミングを含み、且つ、前記第1タイミングを含まない連続した期間であり、
前記制御装置は、
前記記憶部に記憶された前記第1期間における前記判定用信号の最大値と、前記記憶部に記憶された前記第2期間における前記判定用信号の最小値とに基づいて、前記ノズルが前記異常ノズルであるか否かを判定することを特徴とする請求項1液体吐出装置。 - 前記制御装置は、
前記第1期間における前記判定用信号の最大値と、前記第2期間における前記判定用信号の最小値との差が、閾値以上の場合に、前記ノズルが前記異常ノズルでないと判定し、
前記第1期間における前記判定用信号の最大値と、前記第2期間における前記判定用信号の最小値との差が、前記閾値未満の場合に、前記ノズルが前記異常ノズルであると判定することを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の液体吐出装置。 - 前記制御装置は、
前記第1期間における前記判定用信号の最大値と、前記第2期間における前記判定用信号の最小値との差が、第1閾値以上の場合に、前記ノズルが前記異常ノズルでないと判定し、
前記第1期間における前記判定用信号の最大値と、前記第2期間における前記判定用信号の最小値との差が、前記第1閾値よりも小さい第2閾値未満の場合に、前記ノズルが前記異常ノズルであると判定し、
前記第1期間における前記判定用信号の最大値と、前記第2期間における前記判定用信号の最小値との差が、前記第1閾値未満で且つ前記第2閾値以上の場合に、前記ノズルが前記異常ノズルであるか否かの判定を行わないことを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の液体吐出装置。 - 前記制御装置は、
前記第1期間における前記判定用信号の最大値と、前記第2期間における前記判定用信号の最小値との差が、前記第1閾値未満で且つ前記第2閾値以上である場合に、
前記液体吐出ヘッドに、再度の前記検査用駆動を行わせ、
当該再度の前記検査用駆動の際に前記信号出力部から出力された前記判定用信号の、前記第1期間における最大値と、前記第2期間における最小値との差に基づいて、前記ノズルが前記異常ノズルであるか否かを判定することを特徴とする請求項6に記載の液体吐出装置。 - 前記制御装置は、
前記検査用駆動を行わせることを指示する検査指示信号を受信したときに、
前記検査用駆動が行われていない状態で前記信号出力部から出力される信号である非駆動時信号を取得し、
前記非駆動時信号の、所定期間における最大値及び最小値のうち、少なくとも一方に関する所定条件を満たす場合には、前記液体吐出ヘッドに前記検査用駆動を行わせ、
前記所定条件を満たさない場合には、前記液体吐出ヘッドに前記検査用駆動を行わせないことを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の液体吐出装置。 - 前記所定条件は、
前記非駆動時信号の、前記所定期間における最大値と最小値との差が、所定値未満であるという条件であることを特徴とする請求項8に記載の液体吐出装置。 - 交流電源から電力が供給され、
前記検査用駆動が行われていない状態で前記信号出力部から出力される信号である非駆動時信号が、交流電源から付与される交流電圧の周期に応じた一定の周期で繰り返される信号を含み、
前記制御装置は、
前記検査用駆動を行わせることを指示する検査指示信号を受信したときに、
前記非駆動時信号の周期内の、前記判定期間と同じ長さの期間であって、前記非駆動時信号の最大値と最小値との差が最も小さくなる最小ノイズ期間の情報を取得し、
前記判定期間が、前記非駆動時信号の周期における前記最小ノイズ期間と一致するように、前記液体吐出ヘッドに前記検査用駆動を行わせることを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の液体吐出装置。 - 前記制御装置は、
前記非駆動時信号が一定の周期で繰り返される信号であるか否かを判定し、
前記非駆動時信号が一定の周期で繰り返される信号である場合には、
前記判定期間が、前記非駆動時信号の周期における前記最小ノイズ期間と一致するように、前記液体吐出ヘッドに前記検査用駆動を行わせ、
前記非駆動時信号が一定の周期で繰り返される信号でない場合には、
前記液体吐出ヘッドに前記検査用駆動を行わせないことを特徴とする請求項10に記載の液体吐出装置。
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