JP2007076181A - 液滴吐出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 広い範囲の温度、湿度下で安定に液滴を吐出でき、高温高湿下においても、直径の過大な液滴が吐出されることのない液滴吐出装置の提供。
【解決手段】周囲の温湿度を検出する温湿度検出手段と、予め定められた温湿度条件である常温常湿条件下と同一の液滴吐出条件が得られる駆動条件と温湿度との関係が記憶された記憶手段と、前記温湿度検出手段における検出結果に対応する駆動条件を前記記憶手段から呼び出して圧電素子を駆動する駆動制御手段とを備える液滴吐出装置。
【選択図】 図4

Description

本発明は、液滴吐出装置にかかり、特に、高温高湿下においても常温常湿下と同様の条件で液滴を吐出できる液滴吐出装置に関する。
圧電素子を用いたインクジェット記録装置においては、周囲の温度や湿度が高くなると、インクの粘度が低下するために、インクの流動性が上昇するとともに、圧電素子の変異量が大きくなる。また、圧電素子の電極間の抵抗が減少し、駆動電流が増加する。
インクの流動性が上昇すると、同一の駆動電圧を圧電素子に印加したときに記録ヘッドから吐出されるインク滴が大きくなるから、ドット径も大きくなり、画質が劣化する。同様に、圧電素子の変異量が大きくなると、記録ヘッドから吐出されるインク滴も大きくなり、画質が劣化する。更に、駆動電圧が同一の場合に駆動電流が増加すると、リーク電流も増加し、圧電素子の絶縁破壊が起こる可能性がある。
そこで、圧電素子の周囲の温湿度を検出して得られた検出結果に基づいて圧電素子の駆動条件を制御することが検討された。このようなインクジェット記録装置としては、
(1)温度検知手段と湿度検知手段と予備吐出手段とを有し、温度検知手段と湿度検知手段との検知結果に基づいて前記予備吐出手段を制御するもの(特許文献1)、
(2)湿度検出手段を配置し、前記湿度検出手段で高湿度状態であると検出したときに電界強度の時間的な積算量が小さくなるように駆動波形を制御するもの(特許文献2)、
(3)インクジェットヘッドの圧力発生部材の近傍に湿度検出手段を配置するか、または圧力発生部材そのものを湿度検出手段として使用し、前記湿度検出手段における検出結果に基づいて前記インクジェットヘッドの駆動制限を行ったり、ヘッド除湿を行ったりするもの(特許文献3)、
(4)飛翔インクの流速を検出し、その流速が常に一定になるように検出値に応じてヘッド駆動電圧を制御して温度補償を行うようにしたもの(特許文献4)、
(5)電歪素子に印加する電圧を温度変化に応じて変化させるもの(特許文献5)、
(6)インクジェット記録ヘッドの温度または室温を検出する温度検出手段と、前記温度検出手段の出力に基づいて圧電体への印過電圧を制御する制御手段とを備えるもの(特許文献6)、
(7)環境温度の変化に応じて電気−機会振動変換素子に加える電気信号の振幅を制御する駆動制御回路を具備するもの(特許文献7)、
(8)印字ヘッドの静電容量を測定し、その結果に基づいて印字ヘッドの駆動電圧を選択するもの(特許文献8)、
(9)圧電素子の静電容量を検出し、検出した静電容量に従って圧電素子駆動信号の波形を制御手段によって変化させるもの(特許文献9)
などがある。
特開2000−108353号公報 特開2000−190528号公報 特開平5−220954号公報 特開昭55−073566号公報 特開昭56−60261号公報 特開昭56−136373号公報 特開昭56−55263号公報 特開平11−099648号公報 特開平03−146346号公報
インクジェット記録装置においては、このように温度または湿度のどちらかを検出し、得られた検出結果に基づいて圧電素子の振幅を制御している。
しかしながら、上記特許文献2〜9に記載のインクジェット記録装置においては、温度と湿度との両方を検出しているわけではないから、高温高湿時においては、大きなインク滴が吐出されてドットが拡大することによる画質の低下が避けられなかった。
また、特許文献1に記載のインクジェット吐出装置においては、温度と湿度とを検出しているが、前記検出結果は予備吐出手段の制御に用いられるのみであり、記録ヘッドの制御には直接は使用されていない。
本発明は、上記問題を解決すべく成されたものであり、広い範囲の温度、湿度下で安定に液滴を吐出でき、高温高湿下においても、直径の過大な液滴が吐出されることのない液滴吐出装置の提供を目的とする。
請求項1に記載の発明は、圧電素子を駆動して液滴を吐出する液滴吐出装置であって、周囲の温湿度を検出する温湿度検出手段と、予め定められた温湿度条件である常温常湿条件下と同一の液滴吐出条件が得られる駆動条件と温湿度との関係が記憶された記憶手段と、前記温湿度検出手段における検出結果に対応する駆動条件を前記記憶手段から呼び出して圧電素子を駆動する駆動制御手段とを備えてなることを特徴とする液滴吐出装置に関する。
前記液滴吐出装置においては、複数の温湿度の組み合わせと、常温常湿条件下と同一の液滴吐出条件が得られる駆動条件との関係を予め記憶装置に記憶させておき、前記温湿度検出手段における温湿度の検出結果に対応する駆動条件を前記記憶手段から呼び出して圧電素子を駆動している。
したがって、高温高湿度下、低温高湿度下、高温低湿度下、低温低湿度下のいずれにおいても常温常湿度下と同様の液滴吐出条件が得られるから、高温高湿度下において、吐出される液滴の径が過大になることが防止される。また、リーク電流が増加して圧電素子の絶縁破壊が起こることも防止される。
請求項2に記載の発明は、前記記憶手段において、所定個数の温度区分と、所定個数の湿度区分と、前記温度区分と湿度区分との組み合わせの夫々に対応する駆動条件との関係として前記温湿度と駆動条件の関係が記憶されてなる請求項1に記載の液滴吐出装置に関する。
前記液滴吐出装置においては、複数の温度区分および湿度区分からなるマトリクスの夫々に対応して駆動条件が記憶されている。
したがって、駆動制御手段においては、温湿度検出手段で検出した周囲の温度および湿度を前記マトリクスに当て嵌め、前記温度および湿度が当て嵌まるマトリクスに対応する駆動条件を記憶手段から呼び出せばよいから、駆動制御手段において周囲の温度および湿度に対して最適な駆動条件を求めるロジックが簡略化できる。
請求項3に記載の発明は、前記駆動制御手段が、前記温湿度検出手段で検出された温度が、前記記憶手段に記憶された温度区分の何れに属するかを判定し、前記温度が属すると判定された温度区分に対応する駆動条件を前記記憶手段から呼び出して駆動条件の仮選択を行ない、次に、前記温湿度検出手段で検出された湿度が、前記記憶手段に記憶された湿度区分の何れに属するかを判定し、先に仮選択された駆動条件のうちの、前記湿度が属すると判定された湿度区分に対応するものを駆動条件として本選択する請求項2に記載の液滴吐出装置に関する。
前記液滴吐出手段においては、先ず、温度の検出結果に基づいて駆動条件を駈り選択し、次に湿度の検出結果に基づき、先に仮選択された駆動条件の中から本選択を行う。
したがって、前記温湿度検出手段で温度と湿度とを同時にサンプリングしなくてもよいから、短時間で大きく変動する温度については短い周期で検出を行い、短時間ではそれ程大きく変動しない湿度については、比較的長い間隔で検出を行うなどの運転条件を採ることができる。
請求項4に記載の発明は、前記記憶手段においては、前記駆動条件として、前記圧電素子を駆動する交番電流の波形である駆動波形が記憶されてなり、前記駆動制御手段においては、前記温湿度検出手段で検出された温湿度に対応する駆動波形を前記記憶手段から呼び出す請求項1〜3の何れか1項に記載の液滴吐出装置に関する。
圧電素子を駆動する駆動条件のうち、吐出される液滴の径に最も影響を及ぼすのは、駆動波形であると考えられる。
前記液滴吐出装置においては、駆動条件として駆動波形を用いているから、吐出される液滴の径を最も効果的に制御できる。
請求項5に記載の発明は、前記記憶手段において、前記駆動波形の規定条件として、前記圧電素子を駆動する交番電流の電圧である駆動電圧が記憶されてなる請求項4に記載の液滴吐出装置に関する。
圧電素子を駆動して液滴を吐出する液滴吐出装置においては、吐出される液滴の径は、圧電素子の振幅によって最も大きく影響されると考えられる。
ここで、駆動波形は、駆動電圧の他、初期電圧、駆動後電圧、周期、電圧の立上がりおよび立下りの勾配などによって規定されるが、これらの条件のうちで、圧電素子の振幅に最も大きな影響を及ぼすものは駆動電圧であると考えられる。
前記液滴吐出装置においては、駆動波形の規定条件として駆動電圧を用いているから、吐出される液滴の径を最も効果的に制御できると考えられる。
請求項6に記載の発明は、前記記憶手段において、前記駆動電圧の上下限値を同じ割合で変化させることにより駆動波形を変更している請求項5に記載の液滴吐出装置に関する。
圧電素子を駆動して液滴を吐出する液滴吐出装置においては、正の駆動電圧が印加されると液滴を吐出する吐出室に吐出液が吸引され、負の駆動電圧が印加されると吐出室から吐出液が液滴として吐出される。
したがって、駆動電圧の上限値と下限値とにより、吐出室への吐出液の吸引量と、吐出室からの吐出液の吐出量とが規定される。
前記液滴吐出装置においては、駆動電圧の上限値と下限値とを同一の割合で変化させることにより、駆動波形を変更しているから、駆動電圧と吐出液の吸引量と吐出量との間に一定の関係が成立する。
したがって、吐出液の吐出量をより正確に制御できる。
請求項7に記載の発明は、前記記憶手段において、高温、常温、低温の3つの温度区分と、高湿、常湿、低湿の3つの湿度区分とが記憶されてなり、駆動電圧の上下限値の絶対値は、高温と高湿との組み合わせである高温高湿下では、常温と常湿との常温常湿下の駆動電圧よりも低く、高温と低湿との組み合わせである高温低湿下、および低温と高湿との組み合わせである低温高湿下では、前記高温高湿下よりも高く、常温常湿下よりも低く、低温と低湿との組み合わせである低温低湿下では、常温常湿下よりも高く設定されてなる請求項6に記載の液滴吐出装置に関する。
前記液滴吐出手段においては、駆動電圧の上下限値の差を高温高湿下についてはEhh、高温低湿下についてはEhl、低温高湿下についてはElh、低温低湿下についてはEll、常温常湿下についてはEmmとすると、
hh<Ehl、Elh<Emm
の関係が成り立つように駆動電圧を設定している。
ここで、駆動電圧の上下限値の差が大きければ吐出液の吐出量は大きく、前記上下限値が小さければ吐出液の吐出量は小さくなる。
したがって、高温低湿下および低温高湿下では常温常湿下よりも吐出液の吐出量を小さく設定でき、高温高湿下では、高温低湿下および低温高湿下よりも吐出液の吐出量を更に小さく設定できる。そして、低温低湿下では常温常湿下よりも吐出液の吐出量を大きく設定できる。
請求項8に記載の発明は、前記温湿度検出手段が周囲の温度を測定する温度センサおよび湿度を測定する湿度センサである請求項1〜7の何れか1項に記載の液滴吐出装置に関する。
前記液滴吐出装置においては、周囲の温度および湿度を温度センサおよび湿度センサで実際に測定し、その結果に基づいて記憶手段から最適な駆動条件を読み出しているから、実際の温湿度に基づいた駆動条件の設定が可能である。
請求項9に記載の発明は、圧電素子を駆動して液滴を吐出する液滴吐出装置であって、液滴を吐出しないときの前記圧電素子の静電容量を測定する静電容量測定手段と、前記液滴として吐出される吐出液の温度を測定する吐出液温度測定手段と、常温常湿下における静電容量および吐出液温度下と同様の液滴吐出条件が得られる圧電素子の駆動条件と前記静電容量と前記吐出液の温度との関係とが記憶されてなる記憶手段と、前記静電容量測定手段で測定された圧電素子の静電容量と前記吐出液温度測定手段で測定された吐出液温度とに対応する駆動条件を前記記憶手段から選択して圧電素子を駆動する駆動制御手段とを備えてなることを特徴とする液滴吐出装置に関する。
圧電素子を駆動して液滴を吐出する液滴吐出装置においては、周囲の温度および湿度の少なくとも一方が上昇すれば、圧電素子の静電容量も増大する。一方、周囲の温度および湿度が低下すれば、圧電素子の静電容量も減少する。
そして、吐出液の温度が上昇すると吐出液の粘度が低下するから、同一の駆動電圧を圧電素子に印加したときに吐出される液滴の径も増大する。一方、吐出液の温度が低下すると吐出液の粘度は増大するから、液滴の径も縮小する。
前記液滴吐出装置においては、周囲の温湿度を測定し、得られた測定値に基づいて最適な駆動条件を選択する代わりに、圧電素子の静電容量と吐出液の温度とに基づいて最適な駆動条件を選択しているから、請求項1に記載の液滴吐出装置と同様に、温度や湿度によらず、常温常湿下と同様の吐出条件で液滴を吐出できる。また、周囲の温湿度を測定する必要がない。
請求項10に記載の発明は、前記記憶手段においては、前記駆動条件として、前記圧電素子を駆動する交番電流の波形である駆動波形が記憶されてなり、前記駆動制御手段においては、前記静電容量測定手段で測定された圧電素子の静電容量と前記吐出液温度測定手段で測定された吐出液温度とに対応する駆動波形を前記記憶手段から呼び出す請求項9に記載の液滴吐出装置に関する。
請求項4のところで述べたように、圧電素子を駆動する駆動条件のうち、吐出される液滴の径に最も影響を及ぼすのは、駆動波形であると考えられる。
前記液滴吐出装置においては、駆動条件として駆動波形を用いているから、吐出される液滴の径を最も効果的に制御できる。
請求項11に記載の発明は、前記記憶手段においては、前記駆動波形の規定条件として、前記圧電素子を駆動する交番電流の電圧である駆動電圧が記憶されてなる請求項10に記載の液滴吐出装置に関する。
請求項5のところで述べたように、圧電素子を駆動して液滴を吐出する液滴吐出装置においては、吐出される液滴の径は、圧電素子の振幅によって最も大きく影響されると考えられる。そして、圧電素子の振幅に最も大きな影響を及ぼすものは駆動電圧であると考えられる。
前記液滴吐出装置においては、駆動波形の規定条件として駆動電圧を用いているから、吐出される液滴の径を最も効果的に制御できると考えられる。
請求項12に記載の発明は、前記記憶手段において、前記駆動電圧の上下限値を同じ割合で変化させることにより、異なる駆動波形を設定する請求項11に記載の液滴吐出装置に関する。
請求項6の液滴吐出装置と同様、前記液滴吐出装置においても、駆動電圧の上限値と下限値とを同一の割合で変化させることにより、駆動波形を変更しているから、駆動電圧と吐出液の吸引量と吐出量との間に一定の関係が成立する。
したがって、吐出液の吐出量をより正確に制御できる。
請求項13に記載の発明は、前記温湿度検出手段、前記静電容量測定手段、および前記吐出液温度測定手段は、遅くとも液滴吐出装置の立ち上げ時には動作を開始する請求項1〜12の何れか1項に記載の液滴吐出装置に関する。
前記液滴吐出装置においては、前記温湿度検出手段、前記静電容量測定手段、および前記吐出液温度測定手段は、遅くとも液滴吐出装置の立ち上げ時には動作を開始するから、液滴の吐出開始時から、液滴の径が温湿度や吐出液温度によらずに一定になるように制御される。
以上説明したように本発明によれば、広い範囲の温度、湿度下で安定に液滴を吐出でき、高温高湿下においても、直径の過大な液滴が吐出されることのない液滴吐出装置が提供される。
1.実施形態1
本発明に係る液滴吐出装置の一例であるインクジェット記録装置の一例について以下に説明する。
実施形態1に係るインクジェット記録装置12は、図1に示すように、筐体14と、筐体14内の底部に設けられ、用紙Pを供給する給紙トレイ16と、給紙トレイ16から供給された用紙Pに画像を記録する画像記録部30と、画像記録部30で画像が記録された用紙Pが排出される排紙トレイ46とを有する。
画像記録部30と給紙トレイ16との間には、所定の給紙経路22に沿って用紙Pを搬送する一群の給紙ローラ対20が設けられ、画像記録部30と排紙トレイ46との間には、所定の排紙経路44に沿って用紙Pを搬送する一群の排紙ローラ対42が設けられている。また、最も上流側の給紙ローラ対20と給紙トレイ16との間には、用紙Pを1枚づつ取り出すピックアップローラ18が設けられている。
画像記録部30と給紙トレイ16との間には、また、画像記録部30で上側の面に画像が記録され、排紙経路44に送り出された用紙Pを、搬送経路52に沿って画像記録部30の入り口に戻す一群のローラ対50が設けられている。
インクジェット記録装置12は、さらに、画像記録部30、給紙ローラ対20、および排紙ローラ対42などを制御する中央制御コンピュータ10を有する。
画像記録部30は、図1〜図3に示すように、黄色(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色に対応する4個の記録ヘッド32およびインクを不溶化する固定液(L)を吐出する1個の記録ヘッド32からなる記録ヘッドアレイ31と、5個の記録ヘッド32においてインクが吐出される吐出領域SEを通過するように記録用紙Pを搬送する搬送コンベア29とを備える。記録ヘッド32は、圧電素子を駆動することにより、インクを滴状に吐出して印字を行うものであり、インクは本発明における吐出液に相当し、インク滴は液滴に相当する。そして記録ヘッド32は、前記液滴吐出装置における吐出ヘッドに相当する。
記録ヘッド32のノズル面32Nには、インクを吐出するノズルが多数開口している。
記録ヘッドアレイ31の両側には、記録ヘッド32のメンテナンス操作を行うメンテナンスユニット34が、各記録ヘッド32に対応するように4個配設されている。メンテナンス時には、図2に示すように、記録ヘッドアレイ31が上方に移動し、搬送ベルト28との間に形成された隙間にメンテナンスユニット34が移動して入り込む。そして、ノズル面32Nに対向した状態で所定のメンテナンス動作(吸引、ダミージェット、ワイピング、キャッピングなど)を行う。
記録ヘッドアレイ31の上方には、記録ヘッド32にインクを供給するインクボトル54が、各記録ヘッド32に対して1個づつ、計4個設けられている、
記録ヘッドアレイ31の上流側には、帯電ローラ36が配置されている。帯電ローラ36は、従動ローラ26との間で搬送ベルト28と用紙Pとを挟みつつ従動し、用紙Pを搬送ベルト28に押圧する押圧位置と、搬送ベルト28から離間した離間位置とのいずれかをとる。押圧位置においては、帯電ローラ36と従動ローラ26との間に所定の電位差が生じるから、用紙Pに電化を与えて搬送ベルト28上に静電吸着させることができる。
搬送コンベア29は、図1〜図4に示すように、駆動ローラ24、張架ローラ25、および従動ローラ26と、これらのローラに張架される搬送ベルト28とからなる。駆動ローラ24は、用紙搬送方向aに沿って下流側に位置する。従動ローラ26は、搬送ベルト28に対して用紙搬送方向aに沿って最も上流側に位置して搬送ベルト28を回転駆動する。
搬送ベルト28は、シームレスベルトであっても、帯状体を環状に接合したシームドベルトであってもよい。
画像記録部30、給紙ローラ対20、排紙ローラ対42、ピックアップローラ18は中央制御コンピュータ10によって制御される。
また、インクジェット記録装置12内部の温度および湿度を測定する温湿度センサ60が筐体14の内部に設けられている。
中央制御コンピュータ10は、記録ヘッド32を制御する記録ヘッド制御コンピュータ11を有する。
記録ヘッド制御コンピュータ11は、図2に示すように、温湿度センサ60で測定された温度および湿度の測定結果が一時記憶される記憶装置111と、記録ヘッド32を駆動する駆動条件に関する駆動条件データが記憶されている記憶装置112と、記憶装置111および記憶装置112から呼び出したデータに基づいて駆動ヘッド32を制御、駆動する駆動制御装置110とを有する。温湿度センサ60、記憶装置112、および駆動制御装置110は、夫々本発明における温湿度検出手段、記憶手段、および駆動制御手段に相当する。
駆動制御装置110は、温湿度センサ60から測定結果が入力されるとともに、入力された測定結果を記憶装置111に記憶させるデータ授受部110Aと、記憶装置111から測定結果を呼び出して記憶装置112に記憶された駆動条件データと比較し、前記測定結果に対応する駆動条件データを記憶装置112から選択する解析制御装置110Bと、解析制御装置110Bで選択された駆動条件データに基づいて駆動波形を生成する波形形成装置110Cと、波形形成装置110Cで生成された駆動波形に基づいて記録ヘッド32に駆動電圧を印加する電圧印加装置110Dとを備える。
記憶装置112に記憶された駆動条件データとしては、図3に示すように、高温(30℃より高い)、中温(15〜30℃)、低温(15℃未満)の3つの温度区分と、高湿(相対湿度70%より高)、中湿(相対湿度20〜70%)、低湿(相対湿度20%未満)の3つの湿度区分とからなる9個のマトリクスの夫々について、駆動条件A〜Iを設定したものがある。
駆動条件A〜Iとしては、駆動電圧の上下限値、初期電圧、圧電素子を駆動した後の駆動後電圧、駆動電圧を印加する周期、電圧の立上がりおよび立下りの勾配などの駆動波形を規定する諸要件の組み合わせがある。
駆動条件A〜Iは、たとえば以下のように設定できる。即ち、高温に対応する駆動条件A、B、C、中温に対応する駆動条件D、E、F,および低温に対応する駆動条件G、H、Iの夫々のグループにおいては、湿度が低い程、同一波形を印加したときの記録ヘッド32からの吐出量が大きくなるように駆動条件が設定されている。同様に、高湿に対応する駆動条件A、D、G、中湿に対応する駆動条件B、E、H、および低湿に対応する駆動条件C、F、Iの夫々のグループにおいては、温度が低い程、同一波形を印加したときの記録ヘッド32からの吐出量が大きくなるように駆動条件が設定されている。ここで、中温中湿に対応する駆動条件Eは、常温常湿、即ち25℃、相対湿度50%の時の駆動条件である。
以下、インクジェット記録装置12の作用について説明する。
インクジェット記録装置12を起動すると、温湿度センサ60も同時に起動される。
図4に示すように、データ授受部110Aにおいては、温湿度センサ60で測定された温度および湿度の測定結果を所定時間ごとにサンプリングする。
データ授受部110Aは、温湿度センサ60における温度測定値をサンプリングすると、記憶装置111に記憶させる。
解析制御装置110Bは、記憶装置111から前記温度測定値を読み出し、記憶装置112に記憶された駆動条件データと比較する。ここで、記憶装置111に記憶された温度が高温のときは、解析制御装置110Bは、図3に示すマトリクスにおいて高温に対応する駆動条件A〜Cを選択する。同様に、解析制御装置110Bは、記憶装置111に記憶された温度が中温のときは、中温に対応する駆動条件D〜Fを選択し、記憶装置111に記憶された温度が低温のときは、低温に対応する駆動条件G〜Iを選択する。
このようにして解析制御装置110Bによって駆動条件が仮選択されたら、データ授受部110Aは、温湿度センサ60における湿度測定値をサンプリングして記憶装置111に記憶させる。
解析制御装置110Bは、記憶装置111から前記湿度測定値を読み出し、先に仮選択された駆動条件、たとえば駆動条件A〜Cの何れが前記湿度測定値に対応するかを判定する。ここで、前記湿度測定値が、図3における高湿の範囲内であれば、駆動条件A〜Cのうちの高湿に対応する駆動条件Aを選択する。同様に、前記湿度測定値が中湿の範囲内であれば、駆動条件A〜Cのうちの中湿に対応する駆動条件Bを選択し、前記湿度測定値が低湿の範囲内であれば、駆動条件A〜Cのうちの低湿に対応する駆動条件Cを選択する。
このようにして駆動条件が本選択されたら、波形形成装置110Cにおいては、本選択された駆動条件に応じた波形を生成する。
そして、電圧印加装置110Dにおいては、波形形成装置110Cで生成された波形を電圧の時間変化データに変換して記録ヘッド32における圧電素子駆動部に入力する。圧電素子駆動部は、入力されたデータに基づいて圧電素子に電圧を印加して圧電素子を駆動させ、ノズルからインクを吐出させる。
実施形態1に係るインクジェット記録装置12においては、温湿度センサ60で測定された温度および湿度に基づいて記憶装置112から最適な駆動条件を選択し、選択した駆動条件に基づいて記録ヘッド32を駆動する。
具体的には、温度または湿度が高いときは、常温常湿のときに比較して同一波形を印加したときのインクヘッド32における吐出量が小さくなり、温度または湿度が低いときは、常温常湿のときに比較してように、前記吐出量が大きくなるように駆動条件が設定される。前記駆動条件としては、たとえば駆動電圧の上下限値がある。
したがって、記録ヘッドアレイ31の周囲の温度および湿度が高い場合および低い場合のいずれにおいても、常温常湿下と同様の吐出条件でインクを吐出できるから、高温高湿下においても、インク滴の径が増大してドットが大きくなり、画質が低下することが防止される。
また、高温高湿下で、圧電素子におけるリーク電流が増加して絶縁破壊が生じることも防止される。
更に、温度の測定結果に基づいて駆動条件を仮選択し、次に仮選択された駆動条件から、湿度の測定結果に基づいて駆動条件を本選択しているから、データ授受部110Aにおいては、温度と湿度とを同時にサンプリングする必要がない。ここで温度は短時間で大きく変化するが、湿度は短時間では大きく変化しないから、たとえば温度については5分に1回サンプリングし、湿度については1時間に1回サンプリングするというように、湿度に比較して温度を頻繁にサンプリングすることが一般的である。前記インクジェット記録装置12においては、このような場合においても、なんら支障なく駆動条件を選択することができる。
2.実施形態2
実施形態1に係るインクジェット記録装置12においては、記録ヘッド制御コンピュータ11の備える記憶装置112に、駆動条件として駆動電圧を記憶させ、これを用いて記録ヘッド32におけるインク吐出を制御することもできる。
実施形態2においては、駆動条件データとして、図5に示すように、高温(30℃より高い)、中温(15〜30℃)、低温(15℃未満)の3つの温度区分と、高湿(相対湿度70%より高)、中湿(相対湿度20〜70%)、低湿(相対湿度20%未満)の3つの湿度区分とからなる9個のマトリクスの夫々について、駆動電圧が記憶されている。
図5に示す駆動条件データにおいては、高温に対応する行は、左から右に向かって高湿、中湿、低湿の3つの区分に分けられ、夫々駆動電圧(上限値)として11V、13V、13Vが割り振られている。同様に、中温に対応する行および低温に対応する行も左から右に向かって高湿、中湿、低湿の3つの区分に分けられている。そして、中温に対応する行における高湿、中湿、低湿の3つの区分には、夫々駆動電圧(上限値)として13V、15V、15Vが割り振られ、低温に対応する行における高湿、中湿、低湿の3つの区分には、夫々駆動電圧(上限値)として15V、15V、17Vが割り振られている。
解析制御装置110Bは、実施形態1の場合と同様に、一時記憶された温度および湿度を記憶装置111から呼び出し、記憶装置112に記憶された図5に示すマトリクスから前記温湿度に対応する駆動電圧を呼び出す。
解析制御装置110Bが駆動電圧を呼び出したら、波形形成装置110Cにおいては、呼び出した駆動電圧に基づいて図6に示すような駆動波形を生成する。ここで、高温高湿時、中温中湿時(常温常湿時)、および低温低湿時を例にとって波形形成装置110Cで生成される駆動波形について説明する。
図6に示すように、波形形成装置110Cにおいては、高温高湿時、中温中湿時、低温低湿時の何れの場合においても、駆動電圧Vが、同一の初期電圧Vprから下限値Vminに向かって同一の勾配で立下り、所定時間の間下限値Vminで保持され、下限値Vminから上限値Vmaxに向かって同一の勾配で立ち上り、上限値Vmaxで所定時間保持されたあと、同一の駆動後電圧Vfnに向かって同一の勾配で立ち下る波形が生成される。なお、周期も同一である。
そして、図5に示すように、高温高湿時、中温中湿時、低温低湿時の駆動電圧は、夫々11V、15V、17Vであるから、図6において一点鎖線、実線、および二点鎖線で示されるように、波形形成装置110Cは、高温高湿時、中温中湿時、低温低湿時の夫々について駆動電圧Yの上限値Vmaxを夫々11V、15V、17Vと設定し、下限値Vminを、たとえば7V、3V、1Vに設定する。したがって、駆動電圧Yの上限値Vmaxについては、高温高湿時は中温中湿時よりも4V低く、低温低湿時は、中温中湿時よりも2V高く設定する。反対に、駆動電圧の下限値Vminについては、高温高湿時は中温中湿時よりも4V高く、低温低湿時は、中温中湿時よりも2V低く設定する。このように、高温高湿時および低温低湿時においては、駆動電圧Yの上限値Vmaxおよび下限値Vminの何れについても、中温中湿時に比較して同じ電圧だけ変更される。
波形形成装置110Cにおいて上記のように駆動波形が生成されたら、実施形態1のときと同様に、電圧印加装置110Dにおいては、波形形成装置110Cで生成された波形を電圧の時間変化データに変換して記録ヘッド32における圧電素子駆動部に入力する。圧電素子駆動部は、入力されたデータに基づいて圧電素子に電圧を印加して圧電素子を駆動させ、ノズルからインクを吐出させる。
高温高湿時においては、中温中湿時に比較して駆動電圧Vの上限値Vmaxが低く、下限値Vminが高く設定されるから圧電素子の変異量が小さくなる。一方、低温低湿時には、中温中湿時に比較して駆動電圧Vの上限値Vmaxが高く、下限値Vminが低く設定されるから圧電素子の変異量が大きくなる。
ここで、前述のように、初期電圧Vpr、駆動電圧の立ち上り、立下りの勾配、および駆動後電圧Vfnの何れも、高温高湿時、中温中湿時、および低温低湿時の何れにおいても同一に設定されているから、圧電素子の初期変異、変異速度、およびインク吐出後の変異の何れも同一である。
したがって、駆動電圧の上限値Vmaxをより高く、下限値Vminをより低く設定して圧電素子の振幅を増大させれば、インクの吐出量も増大し、駆動電圧の上限値Vmaxをより低く、下限値Vminをより高く設定して圧電素子の振幅を減少させれば、インクの吐出量も減少する。
このように、高温高湿時においては中温中湿時よりもインク吐出量が小さくなり、低温低湿時にはインク吐出量がより大きくなるように、駆動電圧の上限値Vmaxおよび下限値Vminを設定することにより、高温高湿時および低温低湿時のいずれにおいても、常温常湿下と同様の吐出条件でインクを吐出できるから、高温高湿下においても、インク滴の径が増大してドットが大きくなり、画質が低下することが防止される。
また、高温高湿時および低温低湿時のいずれにおいても、駆動電圧Yの上限値Vmaxおよび下限値Vminを中温中湿時に比較して同じ電圧だけ変更しているから、駆動電圧Yとインク吐出量との関係は一定に保持される。
更に、波形形成装置110Cにおいては、駆動電圧Yの上限値Vmaxおよび下限値Vminを変更することによって異なる波形を生成させているから、波形形成装置110Cにおいて波形を生成するのに使用されるロジックは単純なものであってよい。
3.実施形態3
本発明に係る液滴吐出装置の一例であるインクジェット記録装置の別の例について以下に説明する。
実施形態3に係るインクジェット記録装置121は、図7に示すように、温湿度センサ60に代え、固定液(L)を吐出する記録ヘッド32(32L)の圧電素子の静電容量を測定する静電容量センサ61と、インクボトル54内部に設けられ、インクの温度を測定するインク温度センサ62とを備える。インク温度センサ62は、Y、M、C、Kの各色毎に1個づつ設けられている。以下、Y色インクを収容するインクボトル54に設けられたインク温度センサ62をインク温度センサ62Y、M色インクを収容するインクボトル54に設けられたインク温度センサ62をインク温度センサ62M、C色インクを収容するインクボトル54に設けられたインク温度センサ62をインク温度センサ62C、K色インクを収容するインクボトル54に設けられたインク温度センサ62をインク温度センサ62Kと称することがある。また、黄色(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の夫々のインクを吐出する記録ヘッド32を以下、記録ヘッド32Y、記録ヘッド32M、記録ヘッド32C、記録ヘッド32Kということがある。
中央制御コンピュータ10は、実施形態1と同様に駆動制御装置110、記憶装置111、記憶装置112を備える。そして、駆動制御装置110は、データ授受部110A、解析制御装置110B、波形形成装置110C、電圧印加装置110Dを備える。
しかし、図8に示すように、データ授受部110Aにおいては、静電容量センサ61およびインク温度センサ62(62Y〜62K)の測定結果をサンプリングする。データ授受部110Aでサンプリングされた測定結果は、記憶装置111に一時記憶される。そして、電圧印加装置110Dにおいては、データ授受部110Aにおいてインク温度センサ62Y〜62Kの何れの測定結果をサンプリングしたかというデータに基づき、記録ヘッド32Y〜32Kの何れを駆動するかを決定する。
記憶装置112に記憶された駆動条件データとしては、図9に示すように、インク温度高(30℃より高い)、インク温度中(15〜30℃)、インク温度低(15℃未満)の3つのインク温度区分と、圧電素子の静電容量高(常温常湿時の静電容量より5%高い)、中(常温常湿時の静電容量と同一)、低(常温常湿時の静電容量より5%低い)の3つの静電容量区分とからなる9個のマトリクスの夫々について、駆動条件A〜Iを設定したものがある。
駆動条件A〜Iの設定方法については実施形態1のところで述べたとおりである。
なお、駆動条件A〜Iを設定する代わりに、図11に示すように記録ヘッド32Y〜32Kにおける駆動電圧を設定してもよい。駆動電圧の設定方法については、実施形態2のところで述べたとおりである。
以下、インクジェット記録装置12の作用について説明する。
インクジェット記録装置12を起動すると、静電容量センサ61およびインク温度センサ62も同時に起動される。
そして、図10に示すように、データ授受部110Aにおいては、静電容量センサ61で測定された圧電素子の静電容量およびインク温度センサ62(62Y〜62K)で測定されたY〜Kの各色のインクの温度を所定時間ごとにサンプリングする。
データ授受部110Aは、これらの測定値をサンプリングすると、記憶装置111に記憶させる。
解析制御装置110Bは、記憶装置111から静電容量センサ61における静電容量の測定値を読み出し、前記測定値が、記憶装置112に記憶された駆動条件データにおける静電容量のどの区分に相当するかを判定する。そして、静電容量の測定値が、図9の駆動条件データにおける静電容量高の区分に相当するときは、解析制御装置110Bは、当該区分に対応する駆動条件A、D、Gを選択する。同様に、静電容量の測定値が、図9の駆動条件データにおける静電容量中の区分に相当するときは、当該区分に対応する駆動条件B、E、Hを選択し、静電容量低の区分に相当するときは、当該区分に対応する駆動条件C、F、Iを選択する。なお、前記駆動条件A〜Iから駆動条件を仮選択する代わりに、図11に示すマトリクスから駆動電圧を仮選択してもよい。
このようにして解析制御装置110Bによって駆動条件が仮選択されたら、データ授受部110Aは、インク温度センサ62Y、62M、62C、62Kにおけるインク温度測定値をサンプリングして記憶装置111に記憶させる。
解析制御装置110Bは、記憶装置111から前記インク温度測定値を読み出し、先に仮選択された駆動条件、たとえば駆動条件A、D,Iの何れが前記インク温度測定値に対応するかを判定する。ここで、インク温度測定値が、図9または図11における高湿の範囲内であれば、駆動条件A、D,Gのうちの高湿に対応する駆動条件Aを選択する。同様に、前記インク温度測定値が中湿の範囲内であれば、駆動条件A、D、Gのうちの中温に対応する駆動条件Dを選択し、前記インク温度測定値が低湿の範囲内であれば、駆動条件A、D,Gのうちの低温に対応する駆動条件Gを選択する。
このようにして駆動条件が本選択されたら、波形形成装置110Cにおいては、本選択された駆動条件に応じた波形を生成する。
波形形成装置110Cで生成される波形としては、たとえば図12に示すものが挙げられる。
インク温度中、静電容量中の時の波形を図12において実線Aで示す。
記録ヘッド32の圧電素子の静電容量が大きな場合、即ち高温高湿時には、同図において二点鎖線Bで示すように、初期電圧Vpr、駆動後電圧Vfn、および立ち上り、立下りの勾配はそのまま保持し、下限電圧Vminをより高く、上限電圧Vmaxをより低く設定する。同様に、記録ヘッド32の圧電素子の静電容量が小さな場合、即ち低温低湿時には、同図において破線Cで示すように、初期電圧Vpr、駆動後電圧Vfn、および立ち上り、立下りの勾配をそのまま保持して、下限電圧Vminをより低く、上限電圧Vmaxをより高く設定する。なお、下限電圧Vminと上限電圧Vmaxとは同じ電圧だけ変化させる。これにより、高温高湿時には圧電素子の振幅が小さくなり、低温低湿時には圧電素子の振幅は大きくなる。
前記静電容量が大きくてインク温度も高い場合は、同図において一点鎖線Dで示すように、下限電圧Vminと上限電圧Vmaxとは静電容量が大きい場合と同一に保持し、初期電圧Vprおよび駆動後電圧Vfnをオフセットする。これにより、圧電素子の振動時の始点および終点がオフセットされて振幅が大きくなるから、インク温度が低または中のときと同様の吐出条件でインクが吐出される。
このようにして波形形成装置110Cで波形が形成されたら、電圧印加装置110Dにおいては前記波形を電圧の時間変化データに変換するとともに、データ授受部110Aでインク温度センサ62Y〜62Kの何れの測定結果をサンプリングしたかのいうデータに基づき、記録ヘッド32Y〜32Kの何れに電圧の時間変化データを入力するかを決定して前記記録ヘッド32における圧電素子駆動部に入力する。
記録ヘッド32における圧電素子駆動部は、入力されたデータに基づいて圧電素子に電圧を印加して圧電素子を駆動させ、ノズルからインクを吐出させる。
実施形態3に係るインクジェット記録装置12においては、静電容量センサ61で測定された記録ヘッド32における圧電素子の静電容量、およびインク温度線さ62Y〜62Kで測定されたインク温度に基づいて記憶装置112から最適な駆動条件を選択し、選択した駆動条件に基づいて記録ヘッド32を駆動する。ここで、圧電素子の静電容量が高い場合は高温高湿時に、低い場合は低温低湿時に相当する。
したがって、記録ヘッドアレイ31の周囲の温度および湿度が高い場合および低い場合だけでなく、高温高湿時においてインク温度が高い場合においても、常温常湿下と同様の吐出条件でインクを吐出できる。したがって、高温高湿下だけでなく、インク温度が高い場合においても、インク滴の径が増大してドットが大きくなり、画質が低下することが防止される。
また、高温高湿下で、圧電素子におけるリーク電流が増加して絶縁破壊が生じることも防止される。
更に、圧電素子の静電容量の測定結果に基づいて駆動条件を仮選択し、次に仮選択された駆動条件から、インク温度の測定結果に基づいて駆動条件を本選択しているから、データ授受部110Aにおいては、静電容量とインク温度とを同時にサンプリングする必要がない。ここで圧電素子の静電容量は、周囲の温湿度の変化により、比較的短時間で大きく変化するが、インク温度は、インクの熱容量が大きなため短時間では大きく変化しないから、たとえば静電容量については5分に1回サンプリングし、インク温度については1時間に1回サンプリングするというように、静電容量とインク温度とを異なるタイミングでサンプリングすることが多い。インクジェット記録装置121においては、このような場合においても、なんら支障なく駆動条件を選択することができる。
更に、4個のインクボトル54の夫々についてインク温度を測定し、その結果に基づいて記録ヘッド32Y〜32Kの駆動条件を選択しているから、高温高湿時および低温低湿時の何れにおいてもY、M、C、Kの4色の色バランスが保持される。
本発明の液滴吐出装置は、用紙にインクを吐出して印字するインクジェット記録装置だけでなく、基板上に回路を印刷する回路印刷装置も包含する。
図1は、実施形態1に係るインクジェット記録装置の全体的な構成を示す概略図である。 図2は、図1に示すインクジェット記録装置の備える中央制御コンピュータの構成の概略を示すブロック図である。 図3は、図2に示す中央制御コンピュータにおける記録ヘッド制御コンピュータの記憶装置に記憶されている駆動条件データの一例を示すマトリクス図である。 図4は、前記記録ヘッド制御コンピュータにおいて、温湿度の測定結果に基づいて駆動条件を選択する手順を示す説明図である。 図5は、前記記録ヘッド制御コンピュータの記憶装置に記憶されている駆動条件データの別の例を示すマトリクス図である。 図6は、前記記録ヘッド制御コンピュータの記憶装置において生成される駆動波形の一部を示す波形図である。 図7は、実施形態3に係るインクジェット記録装置の全体的な構成を示す概略図である。 図8は、図7に示すインクジェット記録装置の備える中央制御コンピュータの構成の概略を示すブロック図である。 図9は、図8に示す中央制御コンピュータにおける記録ヘッド制御コンピュータの記憶装置に記憶されている駆動条件データの一例を示すマトリクス図である。 図10は、前記記録ヘッド制御コンピュータにおいて、温湿度の測定結果に基づいて駆動条件を選択する手順を示す説明図である。 図11は、前記記録ヘッド制御コンピュータの記憶装置に記憶されている駆動条件データの別の例を示すマトリクス図である。 図12は、前記記録ヘッド制御コンピュータの記憶装置において生成される駆動波形の一部を示す波形図である。
符号の説明
10 中央制御コンピュータ
11 記録ヘッド制御コンピュータ
12 インクジェット記録装置
14 筐体
16 給紙トレイ
18 ピックアップローラ
20 給紙ローラ対
20 相対湿度
22 給紙経路
24 駆動ローラ
25 張架ローラ
26 従動ローラ
28 搬送ベルト
29 搬送コンベア
30 画像記録部
31 記録ヘッドアレイ
32 記録ヘッド
32Y 記録ヘッド
32M 記録ヘッド
32C 記録ヘッド
32K 記録ヘッド
32N ノズル面
34 メンテナンスユニット
36 帯電ローラ
54 インクボトル
60 温湿度センサ
61 静電容量センサ
62 インク温度センサ
62Y インク温度センサ
62M インク温度センサ
62C インク温度センサ
62K インク温度センサ
110 駆動制御装置
110A データ授受部
110B 解析制御装置
110C 波形形成装置
110D 電圧印加装置
111 記憶装置
112 記憶装置
121 インクジェット記録装置

Claims (13)

  1. 圧電素子を駆動して液滴を吐出する液滴吐出装置であって、
    周囲の温湿度を検出する温湿度検出手段と、
    予め定められた温湿度条件である常温常湿条件下と同一の液滴吐出条件が得られる駆動条件と温湿度との関係が記憶された記憶手段と、
    前記温湿度検出手段における検出結果に対応する駆動条件を前記記憶手段から呼び出して圧電素子を駆動する駆動制御手段と
    を備えてなることを特徴とする液滴吐出装置。
  2. 前記記憶手段においては、所定個数の温度区分と、所定個数の湿度区分と、前記温度区分と湿度区分との組み合わせの夫々に対応する駆動条件との関係として前記温湿度と駆動条件の関係が記憶されてなる請求項1に記載の液滴吐出装置。
  3. 前記駆動制御手段は、
    前記温湿度検出手段で検出された温度が、前記記憶手段に記憶された温度区分の何れに属するかを判定し、
    前記温度が属すると判定された温度区分に対応する駆動条件を前記記憶手段から呼び出して駆動条件の仮選択を行ない、
    次に、前記温湿度検出手段で検出された湿度が、前記記憶手段に記憶された湿度区分の何れに属するかを判定し、
    先に仮選択された駆動条件のうちの、前記湿度が属すると判定された湿度区分に対応するものを駆動条件として本選択する
    請求項2に記載の液滴吐出装置。
  4. 前記記憶手段においては、前記駆動条件として、前記圧電素子を駆動する交番電流の波形である駆動波形が記憶されてなり、
    前記駆動制御手段においては、前記温湿度検出手段で検出された温湿度に対応する駆動波形を前記記憶手段から呼び出す請求項1〜3の何れか1項に記載の液滴吐出装置。
  5. 前記記憶手段においては、前記駆動波形の規定条件として、前記圧電素子を駆動する交番電流の電圧である駆動電圧が記憶されてなる請求項4に記載の液滴吐出装置。
  6. 前記記憶手段においては、前記駆動電圧の上下限値を同じ割合で変化させることにより、駆動波形を変更している請求項5に記載の液滴吐出装置。
  7. 前記記憶手段においては、高温、常温、低温の3つの温度区分と、高湿、常湿、低湿の3つの湿度区分とが記憶されてなり、
    駆動電圧の上下限値の絶対値は、
    高温と高湿との組み合わせである高温高湿下では、常温と常湿との常温常湿下の駆動電圧よりも低く、
    高温と低湿との組み合わせである高温低湿下、および低温と高湿との組み合わせである低温高湿下では、前記高温高湿下よりも高く、常温常湿下よりも低く、
    低温と低湿との組み合わせである低温低湿下では、常温常湿下よりも高く
    設定されてなる請求項6に記載の液滴吐出装置。
  8. 前記温湿度検出手段は、周囲の温度を測定する温度センサおよび湿度を測定する湿度センサである請求項1〜7の何れか1項に記載の液滴吐出装置。
  9. 圧電素子を駆動して液滴を吐出する液滴吐出装置であって、
    液滴を吐出しないときの前記圧電素子の静電容量を測定する静電容量測定手段と、
    前記液滴として吐出される吐出液の温度を測定する吐出液温度測定手段と、
    常温常湿下における静電容量および吐出液温度下と同様の液滴吐出条件が得られる圧電素子の駆動条件と前記静電容量と前記吐出液の温度との関係とが記憶されてなる記憶手段と、
    前記静電容量測定手段で測定された圧電素子の静電容量と前記吐出液温度測定手段で測定された吐出液温度とに対応する駆動条件を前記記憶手段から選択して圧電素子を駆動する駆動制御手段とを
    備えてなることを特徴とする液滴吐出装置。
  10. 前記記憶手段においては、前記駆動条件として、前記圧電素子を駆動する交番電流の波形である駆動波形が記憶されてなり、
    前記駆動制御手段においては、前記静電容量測定手段で測定された圧電素子の静電容量と前記吐出液温度測定手段で測定された吐出液温度とに対応する駆動波形を前記記憶手段から呼び出す請求項9に記載の液滴吐出装置。
  11. 前記記憶手段においては、前記駆動波形の規定条件として、前記圧電素子を駆動する交番電流の電圧である駆動電圧が記憶されてなる請求項10に記載の液滴吐出装置。
  12. 前記記憶手段においては、前記駆動電圧の上下限値を同じ割合で変化させることにより、駆動波形を変更している請求項11に記載の液滴吐出装置。
  13. 前記温湿度検出手段、前記静電容量測定手段、および前記吐出液温度測定手段は、遅くとも液滴吐出装置の立ち上げ時には動作を開始する請求項1〜12の何れか1項に記載の液滴吐出装置。
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