JP2022156876A - 樹脂複合積層体、樹脂複合積層体の製造方法および伸縮性デバイス - Google Patents

樹脂複合積層体、樹脂複合積層体の製造方法および伸縮性デバイス Download PDF

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Abstract

【課題】ウレタン樹脂層とポリイミド樹脂層とが剥離しにくく、折り曲げても折り目が付きにくい樹脂複合積層体およびその製造方法を提供する。【解決手段】ウレタン結合およびシロキサン結合を有し、重量平均分子量が52,200~260,000であって溶媒に可溶なウレタン樹脂を含むウレタン樹脂層と、イミド結合を有するポリイミド樹脂を含むポリイミド樹脂層とを有し、ウレタン樹脂層とポリイミド樹脂層との間のピール強度が、幅10mm当たり1.6N以上である、樹脂複合積層体とする。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂複合積層体、樹脂複合積層体の製造方法および伸縮性デバイスに関する。
近年、ウエアラブルデバイスが注目を集めている。ウエアラブルデバイスは、人体の特定部位の特性を測定し、モニタリングするものである。ウエアラブルデバイスは、洋服に内蔵したり、皮膚に直接貼り付けたりして用いられる。ウエアラブルデバイスは、スポーツ科学、ヘルスケアの分野など、幅広い分野での応用が期待されている。
ウエアラブルデバイスは、人間の動きに追従し、ストレスのない装着性が得られるように、伸縮性を有する伸縮性デバイスであることが望ましい。また、ウエアラブルデバイスには、電極、配線、電子部品、センサーなどが備えられる。このため、ウエアラブルデバイスにおいて、電極、配線、電子部品、センサーなどが設置されるシート層、これらを封止する封止層に用いる素体は、十分な耐熱性を考慮する必要がある。
耐熱性の良好な樹脂として、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂がある。しかし、耐熱性の良好な樹脂は、柔軟性が不十分であることが多い。
また、柔軟性の良好な樹脂として、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂がある。しかし、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂において、伸縮性が良好である種類に分類されるものは、いずれも、電子部品が備えられるウエアラブルデバイスの素体の材料として使用するには耐熱性が不十分である。
特許文献1には、ポリイミドフィルムと、前記ポリイミドフィルムの少なくとも一面上にウレタンアクリレート化合物から形成された素子保護層とを含むポリイミドカバー基板が記載されている。
特許文献2には、トリメリット酸誘導体と芳香族ジイソシアネート成分から構成されるアミドイミドユニット(i)と、トリシクロデカンジメタノールと芳香族ジイソシアネート成分から構成されるウレタンユニット(ii)を含有するウレタン変性ポリイミド系樹脂(A)、シクロヘキサノンおよびシクロペンタノンからなる群より選ばれた1種以上の有機溶剤(B)を含有するウレタン変性ポリイミド系樹脂溶液が記載されている。
特許文献3には、基板と、該基板上に搭載された電子部品とを備える電子部品搭載基板と、前記基板および前記電子部品のうちの少なくとも一部を被覆する樹脂層と、前記樹脂層を介して前記基板および前記電子部品のうちの少なくとも一部を被覆する封止用フィルムとを有する封止用フィルム被覆電子部品搭載基板が記載されている。また、特許文献3には、前記樹脂層は、溶剤可溶性樹脂を主材料として構成され、前記封止用フィルムは、樹脂材料を主材料として構成され、JISK6251に準拠して求められる軟化点における伸び率が150%以上3500%以下であることが記載されている。
特表2016-521216号公報 特許第6070911号公報 特開2019-134095号公報
伸縮性デバイスの素体として、十分な伸縮性および耐熱性を有する材料が要求されている。このような材料として、伸縮性の良好なウレタン樹脂を含むウレタン樹脂層と、耐熱性の良好なポリイミド樹脂を含むポリイミド樹脂層とを積層した樹脂複合積層体を用いることが考えられる。
しかし、このような樹脂複合積層体は、伸縮させると、ウレタン樹脂層とポリイミド樹脂層とが剥離しやすいという問題がある。また、このような樹脂複合積層体は、折り曲げると折り目が付きやすいため、伸縮性デバイスの素体として使用しにくかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ウレタン樹脂層とポリイミド樹脂層とが剥離しにくく、折り曲げても折り目が付きにくい樹脂複合積層体およびその製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、本発明の樹脂複合積層体を含み、折り曲げても折り目が付きにくく、十分な伸縮性および耐熱性を有する素体を有する伸縮性デバイスを提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。
その結果、溶媒に可溶な特定のウレタン樹脂を含むウレタン樹脂層と、ポリイミド樹脂を含むポリイミド樹脂層とを有し、ウレタン樹脂層とポリイミド樹脂層との間のピール強度が、幅10mm当たり1.6N以上である樹脂複合積層体とすればよいことを見出し、本発明を想到した。
すなわち、本発明は以下の事項に関する。
[1] ウレタン結合およびシロキサン結合を有し、重量平均分子量が52,200~260,000であって溶媒に可溶なウレタン樹脂を含むウレタン樹脂層と、
イミド結合を有するポリイミド樹脂を含むポリイミド樹脂層とを有し、
前記ウレタン樹脂層と前記ポリイミド樹脂層との間のピール強度が、幅10mm当たり1.6N以上である、樹脂複合積層体。
[2] 前記ウレタン樹脂が、下記一般式(11)、(21)または(31)で表される基と、ウレタン結合と、シロキサン結合と、を有する、[1]に記載の樹脂複合積層体。
Figure 2022156876000001
(式中、Zはアルキル基であり、前記アルキル基中の1個又は2個以上の水素原子は、シアノ基、カルボキシ基又はメトキシカルボニル基で置換されていてもよく、2個以上の前記置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。Zはアルキル基である。Zはアリール基である。Rは水素原子又はハロゲン原子である。符号*を付した結合は、一般式(11)、(21)又は(31)で表される基の結合先との間で形成される。)
[3] 前記ポリイミド樹脂が、前記溶媒に可溶である、[1]または[2]に記載の樹脂複合積層体。
[4] 前記ポリイミド樹脂が、シリコーン変性ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、芳香族ポリイミド樹脂、エポキシ変性ポリイミド、ウレタン変性ポリイミドから選ばれるいずれか1種である、[1]~[3]のいずれかに記載の樹脂複合積層体。
[5] 前記ポリイミド樹脂層の厚みが10μm以下である、[1]~[4]のいずれかに記載の樹脂複合積層体。
[6] 幅10mm当たりの引張強度が4.35N以下である、[1]~[5]のいずれかに記載の樹脂複合積層体。
[7] [1]~[6]のいずれかに記載の樹脂複合積層体の製造方法であり、
前記ポリイミド樹脂を含むポリイミド樹脂組成物を、乾燥により固化させた固化物、半硬化させた半硬化物、一部のみ硬化させた一部硬化物から選ばれるいずれか一種からなる固化層を形成する固化層形成工程と、
前記固化層上に、前記ウレタン樹脂と前記溶媒とを含むウレタン樹脂組成物を塗布して乾燥固化させることにより、前記ウレタン樹脂層と前記ポリイミド樹脂層とを形成するとともに、前記ウレタン樹脂層と前記ポリイミド樹脂層とに接して中間層を形成する中間層形成工程とを有する樹脂複合積層体の製造方法。
[8] 前記ポリイミド樹脂が、前記溶媒に可溶なものであり、
前記中間層形成工程において、前記ウレタン樹脂組成物を塗布することにより、前記固化層に含まれる前記ポリイミド樹脂を前記溶媒に溶解させる、[7]に記載の樹脂複合積層体の製造方法。
[9] [1]~[6]のいずれかに記載の樹脂複合積層体を含む素体を有する伸縮性デバイス。
本発明の樹脂複合積層体は、ウレタン結合およびシロキサン結合を有し、重量平均分子量が52,200~260,000であって溶媒に可溶なウレタン樹脂を含むウレタン樹脂層と、イミド結合を有するポリイミド樹脂を含むポリイミド樹脂層とを有し、ウレタン樹脂層とポリイミド樹脂層との間のピール強度が、幅10mm当たり1.6N以上である。このため、本発明の樹脂複合積層体は、ウレタン樹脂層とポリイミド樹脂層との密着性が良好であり、剥離しにくい。しかも、本発明の樹脂複合積層体は、折り曲げても折り目が付きにくい。
また、本発明の樹脂複合積層体は、ウレタン結合およびシロキサン結合を有し、重量平均分子量が52,200~260,000であるウレタン樹脂を含むウレタン樹脂層を有するので、伸縮性が良好である。さらに、本発明の樹脂複合積層体は、イミド結合を有するポリイミド樹脂を含むポリイミド樹脂層を有するので、耐熱性が良好である。これらのことから、本発明の樹脂複合積層体は、伸縮性デバイスの素体として好適である。
本発明の樹脂複合積層体の製造方法では、ポリイミド樹脂を含むポリイミド樹脂組成物を、乾燥により固化させた固化物、半硬化させた半硬化物、一部のみ硬化させた一部硬化物から選ばれるいずれか一種からなる固化層を形成し、固化層上に、ウレタン樹脂と溶媒とを含むウレタン樹脂組成物を塗布して乾燥固化させる。このため、本発明の樹脂複合積層体の製造方法によれば、ウレタン樹脂層と、ポリイミド樹脂層と、ウレタン樹脂層とポリイミド樹脂層とに接して形成され、ウレタン樹脂がポリイミド樹脂層に入り込んでウレタン樹脂層およびポリイミド樹脂層と一体化された中間層とを有する本発明の樹脂複合積層体を製造できる。
本発明の伸縮性デバイスは、本発明の樹脂複合積層体を含む素体を有する。したがって、本発明の伸縮性デバイスは、折り曲げても折り目が付きにくく、十分な伸縮性および耐熱性を有する。
本発明の一実施形態に係る樹脂複合積層体の一例を示す断面模式図である。 本発明の一実施形態に係る伸縮性デバイスの一例を示す模式図である。
本発明者らは、上記課題を解決するために、以下に示すように鋭意研究を重ねた。
すなわち、本発明者らは、ウレタン樹脂層とポリイミド樹脂層とを積層してなる樹脂複合積層体を伸縮させることにより、ウレタン樹脂層とポリイミド樹脂層との間で剥離する原因に着目し、検討した。樹脂複合積層体の剥離の原因は、ウレタン樹脂層とポリイミド樹脂層との伸縮性が異なるため、伸縮時におけるウレタン樹脂層とポリイミド樹脂層との引張応力の差が大きいことである。
したがって、樹脂複合積層体を剥離しにくいものとする方法として、ポリイミド樹脂層の伸縮性を向上させて、ウレタン樹脂層とポリイミド樹脂層との伸縮性の差を小さくすることが考えられる。しかしながら、従来のポリイミド樹脂は、伸縮性の良好なものであっても、ウレタン樹脂と比較して伸縮性が非常に小さいものであった。すなわち、従来、ポリイミド樹脂として、ウレタン樹脂との伸縮性の差が小さいものはなかった。
また、樹脂複合積層体の剥離を防ぐ方法として、ウレタン樹脂層とポリイミド樹脂層との密着性を向上させることが考えられる。通常、ポリイミド樹脂層は、ポリイミド樹脂を含む樹脂組成物を基材上に塗布し、熱硬化させる方法により作製する。しかし、樹脂複合積層体を製造するために、ウレタン樹脂層上でポリイミド樹脂を熱硬化させると、ウレタン樹脂層が劣化する。このため、ウレタン樹脂層とポリイミド樹脂層とを積層してなる樹脂複合積層体を製造する場合、剥離可能な基材上にポリイミド樹脂層を形成し、基材から剥離したポリイミド樹脂層をウレタン樹脂層上に貼り付ける方法を用いる。しかし、ウレタン樹脂層にポリイミド樹脂層を貼り付ける方法では、ウレタン樹脂層とポリイミド樹脂層との密着性は十分には得られなかった。
また、樹脂複合積層体の剥離を防ぐ方法として、ウレタン樹脂層とポリイミド樹脂層との間に、ウレタン樹脂とポリイミド樹脂の両方を含む樹脂中間層を設け、伸縮時におけるウレタン樹脂層とポリイミド樹脂層との引張応力の差を緩和することが考えられる。しかし、硬化前のウレタン樹脂とポリイミド樹脂とを混合すると、硬化反応が妨げられてしまうため、樹脂中間層を形成することは困難である。
そこで、本発明者は、溶媒に溶解させたウレタン樹脂を含む樹脂組成物に着目し、以下に示すように、鋭意検討した。
すなわち、本発明者は、ウレタン結合およびシロキサン結合を有し、重量平均分子量(Mw)が52,200~260,000であって溶媒に可溶なウレタン樹脂を含むウレタン樹脂組成物を、基材上に塗布して乾燥固化させることにより、十分な伸縮性を有するウレタン樹脂層が得られることを見出した。
そして、本発明者は、基材に代えて、基材上で熱硬化させる方法により作製したポリイミド樹脂層上に、上記のウレタン樹脂組成物を塗布して固化させる方法により、樹脂複合積層体を製造した。しかし、得られた樹脂複合積層体では、ウレタン樹脂層とポリイミド樹脂層との剥離を抑制できなかった。具体的には、ウレタン樹脂層とポリイミド樹脂層との間のピール強度は、1.6N未満であった。また、この樹脂複合積層体は、折り曲げることによって折り目が付きやすいものであった。
これは、基材上で熱硬化させる方法により作製したポリイミド樹脂層上に、上記のウレタン樹脂組成物を塗布しても、ポリイミド樹脂層中にウレタン樹脂が入り込まないためであると推定される。その結果、ウレタン樹脂層とポリイミド樹脂層との間に、ウレタン樹脂とポリイミド樹脂の両方を含む中間層が形成されず、ウレタン樹脂層とポリイミド樹脂層との密着性が十分に得られなかったものと推定される。
そこで、本発明者は、ウレタン樹脂組成物を塗布する被塗布面の状態に着目し、さらに鋭意検討を重ねた。その結果、ポリイミド樹脂を含む樹脂組成物を、乾燥により固化させた固化物、半硬化させた半硬化物、一部のみ硬化させた一部硬化物から選ばれるいずれか一種からなる固化層上に、上記のウレタン樹脂組成物を塗布して乾燥固化させればよいことを見出した。このようにして得られた樹脂複合積層体は、ウレタン樹脂層とポリイミド樹脂層との間のピール強度が1.6N以上であり、ウレタン樹脂層とポリイミド樹脂層との密着性が良好であった。これは、ウレタン樹脂がポリイミド樹脂層に入り込んでウレタン樹脂層およびポリイミド樹脂層と一体化された中間層が、ウレタン樹脂層とポリイミド樹脂層とに接して形成されたためであると推定される。
さらに、本発明者らは、このようにして得られた樹脂複合積層体が、ウレタン樹脂層とポリイミド樹脂層とが剥離しにくく、折り曲げても折り目が付きにくいものであって、十分な伸縮性および耐熱性を有することを確認し、本発明を想到した。
以下、本発明の樹脂複合積層体、樹脂複合積層体の製造方法および伸縮性デバイスについて、図面を用いて詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図は、本発明の特徴を分かり易くするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等が実際と同じであるとは限らない。
[樹脂複合積層体]
図1は、本発明の一実施形態に係る樹脂複合積層体の一例を示す断面模式図である。本実施形態の樹脂複合積層体10は、図1に示すように、ウレタン樹脂層21と、ポリイミド樹脂層22と、ウレタン樹脂層21とポリイミド樹脂層22との間に形成された中間層23とを有する。樹脂複合積層体10は、ウレタン樹脂層とポリイミド樹脂層との間のピール強度が、幅10mm当たり1.6N以上のものである。樹脂複合積層体10は、屈曲もしくは伸縮可能である。
「ウレタン樹脂層」
ウレタン樹脂層21は、ウレタン結合およびシロキサン結合を有するウレタン樹脂を含む。ウレタン樹脂は、1分子中に、ウレタン結合及びシロキサン結合を共に有するものが好ましい。ウレタン樹脂は、ウレタン結合を有しているため、柔軟性が高い。また、ウレタン樹脂は、シロキサン結合を有しているため、ウレタン結合の加水分解が抑制される。
ウレタン樹脂層21に含まれるウレタン樹脂は、溶媒に可溶である。ウレタン樹脂層21は、ウレタン樹脂と溶媒とを含むウレタン樹脂組成物を塗布して固化させることにより形成されたものである。
ウレタン樹脂は、溶媒であるN-メチル-2-ピロリドン(NMP)、γ-ブチロラクトン(GBL)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)、メチルエチルケトン(MEK)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(BCA)、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、アセトン、エタノール、メタノール、乳酸エチル、乳酸ブチル、トルエン、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチルに可溶であることが好ましい。ウレタン樹脂は、ポリイミド樹脂を可溶な溶媒であるN-メチル-2-ピロリドン(NMP)、γ-ブチロラクトン(GBL)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)から選ばれるいずれか一種以上に可溶であることが好ましい。
ウレタン樹脂は、重量平均分子量(Mw)が52,200~260,000のものであり、61,000~250,000のものであることが好ましい。ウレタン樹脂層21に含まれるウレタン樹脂の重量平均分子量(Mw)が52,200以上であるので、十分な強度を有するウレタン樹脂層21となる。また、ウレタン樹脂の重量平均分子量(Mw)が260,000以下であるので、十分な伸縮性を有するウレタン樹脂層21となる。また、ウレタン樹脂の重量平均分子量(Mw)が260,000以下であるので、溶媒に溶解させることができる。
本明細書において、「重量平均分子量」とは、特に断りのない限り、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により測定されるポリスチレン換算値を意味する。
ウレタン樹脂層21に含まれるウレタン樹脂は、下記一般式(11)、(21)または(31)で表される基と、ウレタン結合と、シロキサン結合と、を有するものであることが好ましい。
Figure 2022156876000002
(式中、Zはアルキル基であり、前記アルキル基中の1個又は2個以上の水素原子は、シアノ基、カルボキシ基又はメトキシカルボニル基で置換されていてもよく、2個以上の前記置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。Zはアルキル基である。Zはアリール基である。Rは水素原子又はハロゲン原子である。符号*を付した結合は、一般式(11)、(21)又は(31)で表される基の結合先との間で形成される。)
ウレタン樹脂層21に含まれるウレタン樹脂は、ウレタン結合及び重合性不飽和結合を有する樹脂と、シロキサン結合及び重合性不飽和結合を有する樹脂とを用い、さらに、一般式(11)、(21)又は(31)で表される基の由来となる、可逆的付加-開裂連鎖移動重合(Reversible Addition Fragmentation Chain Transfer Polymerization、本明細書においては、「RAFT重合」と略記することがある)を行うための、RAFT剤を用いて、重合反応を行って得られたものである。
RAFT重合を行うことによって、重合中の樹脂が架橋構造を形成する過程でゲル化することが避けられ、目的とする重合度及び架橋状態の樹脂成分が得られる。すなわち、ウレタン樹脂層21に含まれるウレタン樹脂は、重合度及び架橋状態のばらつきが小さい。
ウレタン樹脂の製造に用いる前記ウレタン結合及び重合性不飽和結合を有する樹脂は、オリゴマー(本実施形態においては、「樹脂(a)」と称することがある)である。
また、ウレタン樹脂の製造に用いる前記シロキサン結合及び重合性不飽和結合を有する樹脂は、オリゴマー(本実施形態においては、「樹脂(b)」と称することがある)である。
ウレタン樹脂は、樹脂(a)及び樹脂(b)が、これらの重合性不飽和結合において重合して生成した重合体である。
樹脂(a)は、ウレタン結合及び重合性不飽和結合を有していればよく、特に限定されない。樹脂(a)としては、例えば、ウレタン結合を有し、かつ重合性不飽和結合を有する基として、(メタ)アクリロイル基を有するもの等が挙げられる。具体的には、樹脂(a)として、ウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及び「メタクリレート」の両方を包含する概念である。(メタ)アクリレートと類似の用語についても同様である。例えば、「(メタ)アクリロイル基」とは、「アクリロイル基」及び「メタクリロイル基」の両方を包含する概念である。
樹脂(a)の重量平均分子量(Mw)は、3000~50000であることが好ましく、15000~50000であることがより好ましい。このような重量平均分子量の樹脂(a)を用いることで、特性のより良好なウレタン樹脂が得られる。
樹脂(b)は、シロキサン結合及び重合性不飽和結合を有していればよく、特に限定されない。樹脂(b)としては、例えば、重合性不飽和結合を有する基として、(メタ)アクリロイル基を有する、公知の各種シリコーン樹脂等が挙げられる。具体的には、樹脂(b)として、例えば、ポリジメチルシロキサン等のポリジアルキルシロキサンの片末端又は両末端に、(メタ)アクリロイル基が結合している、変性ポリジアルキルシロキサン等が挙げられる。
樹脂(b)の数平均分子量(Mn)は、400~10000であることが好ましく、5000~10000であることがより好ましい。このような数平均分子量の樹脂(b)を用いることで、特性のより良好なウレタン樹脂が得られる。
一般式(11)中、Zはアルキル基である。Zにおけるアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれであってもよく、直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましく、直鎖状であることがより好ましい。
における、直鎖状又は分岐鎖状の前記アルキル基の炭素数は、1~12であることが好ましい。このようなアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、1-メチルブチル基、2-メチルブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、2-エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基等が挙げられる。Zにおける、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基の炭素数は、例えば、1~8、1~5、及び1~3のいずれかであってもよい。
における環状のアルキル基は、単環状及び多環状のいずれであってもよく、単環状であることが好ましい。
における、環状のアルキル基の炭素数は、3~6であることが好ましい。このようなアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
におけるアルキル基中の1個又は2個以上の水素原子は、シアノ基(-CN)、カルボキシ基(-C(=O)-OH)又はメトキシカルボニル基(-C(=O)-OCH)で置換されていてもよいし、置換されていなくてもよい。
におけるアルキル基中の2個以上の水素原子が、シアノ基、カルボキシ基又はメトキシカルボニル基で置換されている場合、2個以上の前記置換基は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。水素原子が、シアノ基、カルボキシ基又はメトキシカルボニル基で置換されている場合、アルキル基中のすべての水素原子が置換されていてもよいが、置換されていない水素原子が存在することが好ましい。アルキル基中の水素原子の置換数は、1又は2であることが好ましく、1であることがより好ましい。
における、水素原子がシアノ基、カルボキシ基又はメトキシカルボニル基で置換されているアルキル基としては、例えば、1-カルボキシエチル基(-CH(CH)COOH)、2-カルボキシエチル基(-CHCHCOOH)、4-カルボキシ-2-シアノ-sec-ブチル基(-C(CH)(CN)CHCHCOOH)、2-シアノ-4-メトキシカルボニル-sec-ブチル基(-C(CH)(CN)CHCHCOOCH)、1-シアノ-1-メチルエチル基(-C(CH)(CN)CH)、シアノメチル基(-CHCN)、1-シアノ-1-メチル-n-プロピル基(-C(CH)(CN)CHCH)、2-シアノ-2-プロピル基(-C(CH)(CN)CH)等が挙げられ、2-カルボキシエチル基であることが好ましい。
は、ドデシル基(n-ドデシル基)又は2-カルボキシエチル基であることが好ましい。
一般式(21)中、Zはアルキル基である。Zにおけるアルキル基としては、Zにおける前記アルキル基と同様のものが挙げられる。
におけるアルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましく、直鎖状であることがより好ましい。Zにおける、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基の炭素数は、例えば、1~12、1~8、1~5、及び1~3のいずれかであってもよい。Zは、メチル基であることが好ましい。
一般式(21)中、Zはアリール基である。Zにおけるアリール基は、単環状及び多環状のいずれであってもよく、単環状であることが好ましい。
におけるアリール基の炭素数は、6~12であることが好ましい。このようなアリール基としては、例えば、フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、o-トリル基、m-トリル基、p-トリル基、キシリル基(ジメチルフェニル基)等が挙げられる。Zは、フェニル基であることが好ましい。
一般式(31)中、Rは水素原子又はハロゲン原子である。
におけるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、塩素原子であることが好ましい。Rは、水素原子又は塩素原子であることが好ましい。
一般式(11)、(21)又は(31)中、符号*を付した結合は、前記一般式(11)、(21)又は(31)で表される基の結合先、すなわち、樹脂(a)及び樹脂(b)の重合体中の末端部、との間で形成される。
一般式(11)で表される基の由来となる、RAFT剤としては、例えば、下記一般式(1)で表される化合物(本明細書においては、「RAFT剤(1)」と略記することがある)が挙げられる。
Figure 2022156876000003
(式中、Rはアルキル基であり、前記アルキル基中の1個又は2個以上の水素原子は、シアノ基、カルボキシ基又はメトキシカルボニル基で置換されていてもよく、2個以上の前記置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。Zは前記一般式(11)中のZと同じである。)
一般式(1)中のRにおける、1個又は2個以上の水素原子が、シアノ基、カルボキシ基又はメトキシカルボニル基で置換されていてもよいアルキル基としては、前記Zにおける、1個又は2個以上の水素原子が、シアノ基、カルボキシ基又はメトキシカルボニル基で置換されていてもよいアルキル基と同様のものが挙げられ、Rにおける水素原子の置換の態様も、Zにおける水素原子の置換の態様と同様である。
は、1-カルボキシエチル基、4-カルボキシ-2-シアノ-sec-ブチル基、1-シアノ-1-メチルエチル基)、2-シアノ-4-メトキシカルボニル-sec-ブチル基、シアノメチル基、又は2-シアノ-2-プロピル基であることが好ましい。
前記一般式(1)中のZは、前記一般式(11)中のZと同じである。
RAFT剤(1)を用いた場合、重合反応により、樹脂(a)及び樹脂(b)の重合体中の、前記一般式(11)で表される基が結合していない末端部に、一般式Rで表される基が結合する。
一般式(21)で表される基の由来となる、RAFT剤としては、例えば、下記一般式(2)で表される化合物(本明細書においては、「RAFT剤(2)」と略記することがある)が挙げられる。
Figure 2022156876000004
(式中、Rはアルキル基であり、前記アルキル基中の1個又は2個以上の水素原子は、シアノ基、カルボキシ基又はメトキシカルボニル基で置換されていてもよく、2個以上の前記置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。Z及びZは、前記一般式(21)中のZ及びZと同じである。)
一般式(2)中のRにおける、1個又は2個以上の水素原子が、シアノ基、カルボキシ基又はメトキシカルボニル基で置換されていてもよいアルキル基としては、前記Zにおける、1個又は2個以上の水素原子が、シアノ基、カルボキシ基又はメトキシカルボニル基で置換されていてもよいアルキル基と同様のものが挙げられ、Rにおける水素原子の置換の態様も、Zにおける水素原子の置換の態様と同様である。
は、シアノメチル基であることが好ましい。
前記一般式(2)中のZ及びZは、前記一般式(21)中のZ及びZと同じである。
RAFT剤(2)を用いた場合、重合反応により、樹脂(a)及び樹脂(b)の重合体中の、前記一般式(21)で表される基が結合していない末端部に、一般式Rで表される基が結合する。
一般式(31)で表される基の由来となる、前記RAFT剤としては、例えば、下記一般式(3)で表される化合物(本明細書においては、「RAFT剤(3)」と略記することがある)が挙げられる。
Figure 2022156876000005
(式中、Rはアルキル基であり、前記アルキル基中の1個又は2個以上の水素原子は、シアノ基、カルボキシ基又はメトキシカルボニル基で置換されていてもよく、2個以上の前記置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。Rは、前記一般式(31)中のZと同じである。)
一般式(3)中のRにおける、1個又は2個以上の水素原子が、シアノ基、カルボキシ基又はメトキシカルボニル基で置換されていてもよいアルキル基としては、前記Zにおける、1個又は2個以上の水素原子が、シアノ基、カルボキシ基又はメトキシカルボニル基で置換されていてもよいアルキル基と同様のものが挙げられ、Rにおける水素原子の置換の態様も、Zにおける水素原子の置換の態様と同様である。
は、シアノメチル基、又は1-シアノ-1-メチル-n-プロピル基であることが好ましい。
前記一般式(3)中のRは、前記一般式(31)中のRと同じである。
RAFT剤(3)を用いた場合、重合反応により、樹脂(a)及び樹脂(b)の重合体中の、前記一般式(31)で表される基が結合していない末端部に、一般式Rで表される基が結合する。
ウレタン樹脂の原料としては、樹脂(a)と、樹脂(b)の他に、これらに該当しない他の重合性成分を用いてもよい。
他の重合性成分としては、例えば、重合性不飽和結合を有するモノマー又はオリゴマー等が挙げられる。他の重合性成分として、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸sec-ブチル、(メタ)アクリル酸tert-ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸n-オクチル、(メタ)アクリル酸n-ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
ウレタン樹脂の原料としては、上述した成分の他に、必要に応じて、1種または2種以上の他の非重合性成分を用いてもよい。他の非重合性成分は、目的に応じて任意に選択でき、非導電性成分であることが好ましい。
ウレタン樹脂層21に含まれるウレタン樹脂は、例えば、以下に示す方法により製造できる。
樹脂(a)と、樹脂(b)と、RAFT剤(すなわち、RAFT剤(1)、RAFT剤(2)又はRAFT剤(3))と、重合開始剤(本明細書においては、「重合開始剤(c)」と称することがある)と、溶媒と、必要に応じて用いられる他の重合性成分と、必要に応じて用いられる他の非重合性成分と、を配合した原料混合物を調製し、前記原料混合物において重合反応を行い、ウレタン樹脂を生成させる方法により製造できる。
原料混合物の含有する樹脂(a)は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。原料混合物において、原料混合物の溶媒以外の成分中(言い換えると「固形分中」)の樹脂(a)の含有量は、60~99質量%であることが好ましく、80~98質量%であることがより好ましい。前記含有量が60質量%以上であると、柔軟性の良好なウレタン樹脂が得られる。前記含有量が99質量%以下であると、優れた強度を有するウレタン樹脂が得られる。
原料混合物の含有する樹脂(b)は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。原料混合物において、樹脂(b)の含有量は、樹脂(a)の含有量100質量部に対して、0.2~25質量部であることが好ましく、0.2~20質量部であることがより好ましく、0.2~17質量部であることがさらに好ましい。前記含有量が0.2質量部以上であると、ウレタン樹脂の撥水性がより明りょうに向上する。前記含有量が25質量部以下であると、樹脂(b)の過剰使用が避けられ、ウレタン樹脂層21が必要以上に固くなったり、ウレタン樹脂層21の均一性が低下したりすることが避けられる。
原料混合物の含有するRAFT剤(RAFT剤(1)~(3))は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、通常は1種のみで十分である。原料混合物において、RAFT剤の含有量は、樹脂(a)の含有量100質量部に対して、0.03~5質量部であることが好ましく、0.03~4.5質量部であることがより好ましく、0.03~4質量部であることがさらに好ましい。前記含有量が0.03質量部以上であると、RAFT剤を用いたことによる効果が、より顕著に得られる。前記含有量が5質量部以下であると、RAFT剤の過剰使用が避けられる。
重合開始剤(c)としては、公知のものを用いることができ、特に限定されない。重合開始剤(c)としては、例えば、ジメチル-2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオネート)、アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。原料混合物の含有する重合開始剤(c)は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、通常は1種のみで十分である。
原料混合物において、重合開始剤(c)の含有量は、樹脂(a)の含有量100質量部に対して、0.5~5質量部であることが好ましく、0.7~4質量部であることがより好ましく、0.9~3質量部であることがさらに好ましい。前記含有量が0.5質量部以上であると、重合反応がより円滑に進行する。前記含有量が5質量部以下であると、重合開始剤(c)の過剰使用が避けられる。
溶媒は、原料混合物の調製時に用いる上述の各配合成分、および重合反応物との反応性を示さないものであれば、特に限定されないが、各配合成分の溶解性が、良好なものを用いることが好ましい。
溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン(MEK)、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセタート、酢酸ブチル、酢酸エチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等が挙げられる。原料混合物の含有する溶媒は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
重合反応後に得られた反応液を、そのままウレタン樹脂層21を形成する際にウレタン樹脂組成物として用いる場合、溶媒として、メチルエチルケトン(MEK)、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセタート、酢酸ブチル、乳酸ブチルを用いることが好ましい。
溶媒の使用量は、原料混合物において、溶媒以外の成分の合計含有量が、原料混合物の総量に対して、5~30質量%となる量であることが好ましく、10~25質量%となる量であることがより好ましい。溶媒の使用量がこのような範囲であることで、特性がより良好な前記樹脂成分(I)が、より円滑に得られる。
原料混合物が含有する他の重合性成分は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。他の重合性成分を用いる場合、原料混合物において、他の重合性成分の含有量は、樹脂(a)の含有量100質量部に対して、5~55質量部であることが好ましく、10~50質量部であることがより好ましく、15~45質量部であることがさらに好ましい。前記含有量が5質量部以上であると、他の重合性成分を用いたことによる効果が、より顕著に得られる。前記含有量が55質量部以下であると、ウレタン樹脂の伸縮性がより一層良好となる。
原料混合物において、樹脂(a)と、樹脂(b)と、RAFT剤と、重合開始剤(c)と、他の重合性成分を用いる場合には他の重合性成分と、の合計含有量は、原料混合物の溶媒以外の成分の合計含有量100質量部に対して、90~100質量部であることが好ましく、95~100質量部であることがより好ましく、例えば、97~100質量部、及び99~100質量部のいずれかであってもよい。前記含有量が90質量部以上であると、本発明の効果がより顕著に得られる。
ウレタン樹脂を合成するための重合反応は、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス等の不活性ガスの雰囲気下で行うことが好ましい。
重合反応を行うときの温度(反応温度)は、70~110℃であることが好ましく、80~100℃であることがより好ましい。
重合反応の時間(反応時間)は、使用する原料の種類、反応温度に応じて適宜調節すればよく、例えば、5~240分とすることができる。
本実施形態においては、RAFT剤(1)、(2)又は(3)を用いて、樹脂(a)と樹脂(b)の重合反応を行うことにより、重合反応を安定して進めることができる。すなわち、組成、分子量分布、構造等がある一定範囲内に納まる様に、安定的にウレタン樹脂を合成できる。特に、重合反応中の反応速度が適度に調節されるため、反応が急激に進行して、反応液の粘度が急激に上昇し、架橋構造を形成する過程で、ゲル化する不具合を抑制できる。したがって、本実施形態においては、目的とする重合度及び架橋状態のウレタン樹脂が安定して得られる。
ラジカル重合を行う方法としては、RAFT剤を用いたRAFT重合以外にも、原子移動ラジカル重合(Atom Transfer Radical Polymerization:ATRP)、ニトロキシドを介した重合(Nitroxide-mediated Polymerization:NMP)が知られている。しかし、ATRPには、遷移金属を含む触媒を高濃度にして重合反応を行う必要があるという欠点がある。また、NMPには、重合反応の制御が難しく、汎用性が低いという欠点がある。これらの方法は、これらの欠点のため、本実施形態のウレタン樹脂の製造には適さない。
これに対して、本実施形態においては、RAFT剤(1)、(2)又は(3)を用いたRAFT重合を選択することにより、目的とする特性を有するウレタン樹脂を、高い汎用性で安定して製造できる。
本実施形態において、ウレタン樹脂層21を形成する際に用いるウレタン樹脂組成物は、ウレタン樹脂と溶媒を含む。
本実施形態においては、ウレタン樹脂を合成するために重合反応後に得られた反応液をそのまま、ウレタン樹脂層21を形成する際にウレタン樹脂組成物として用いてもよいし、得られた反応液に対して公知の後処理を行ったものをウレタン樹脂組成物として用いてもよい。また、反応液を公知の精製方法により精製してウレタン樹脂のみを取り出し、溶媒と混合してウレタン樹脂組成物として用いてもよい。
ウレタン樹脂層21は、必要に応じて、ウレタン樹脂以外のその他の樹脂を含んでいてもよい。その他の樹脂としては、伸縮性が良好であって溶媒に可溶であるものを用いることが好ましく、例えば、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、フッ素系樹脂などが挙げられる。
ウレタン樹脂層21は、厚みが10~1000μmであることが好ましく、20~300μmであることがより好ましい。ウレタン樹脂層21の厚みが10μm以上であると、十分な強度を有し、かつ、伸縮性の良好な樹脂複合積層体10となる。ウレタン樹脂層21の厚みが1000μm以下であると、ウレタン樹脂組成物を塗布して乾燥固化させることにより、容易にウレタン樹脂層21を形成でき、しかも、十分な伸縮性を有する樹脂複合積層体10となる。
「ポリイミド樹脂層」
ポリイミド樹脂層22は、イミド結合を有するポリイミド樹脂を含む。ポリイミド樹脂は、イミド結合を有しているため、耐熱性が良好である。
ポリイミド樹脂層22は、ポリイミド樹脂を含むポリイミド樹脂組成物を、乾燥により固化させた固化物、半硬化させた半硬化物、一部のみ硬化させた一部硬化物から選ばれるいずれか一種からなる固化層上に、ウレタン樹脂層21を形成した後、必要に応じて硬化させることにより形成されたものである。
ポリイミド樹脂層22に含まれるポリイミド樹脂は、ウレタン樹脂層21に含まれるウレタン樹脂が可溶な溶媒に、可溶であることが好ましい。この場合、例えば、ポリイミド樹脂を含むポリイミド樹脂組成物を、基材上に塗布して乾燥により固化させることにより、ポリイミド樹脂層22を形成できる。したがって、ポリイミド樹脂を熱硬化させる必要がなく、基材に、ポリイミド樹脂を熱硬化させることに起因する損傷を生じさせずに、ポリイミド樹脂層22を形成できる。また、上記の方法により、ポリイミド樹脂層22を形成できるため、厚みの薄いポリイミド樹脂層22を容易に形成できる。その結果、ウレタン樹脂層とポリイミド樹脂層との密着性が良好なものとなり、折り曲げても、より折り目が付きにくく、より一層剥離しにくい樹脂複合積層体10が得られる。
さらに、ポリイミド樹脂が、ウレタン樹脂層21に含まれるウレタン樹脂が可溶な溶媒に可溶である場合、以下に示す効果が得られる。すなわち、ポリイミド樹脂を含むポリイミド樹脂組成物の固化層上に、溶媒に溶解させたウレタン樹脂を含むウレタン樹脂組成物を塗布することにより、溶媒中にウレタン樹脂とポリイミド樹脂の両方を溶解させつつ固化させることができる。その結果、固化層中にウレタン樹脂が拡散し、ウレタン樹脂層21とポリイミド樹脂層22との間に、ウレタン樹脂とポリイミド樹脂の両方を含み、ウレタン樹脂がポリイミド樹脂層22に入り込んで、ウレタン樹脂層21およびポリイミド樹脂層22と一体化された中間層23が、容易かつ確実に形成される。したがって、より一層剥離しにくく、折り曲げても折り目が付きにくい樹脂複合積層体10が得られる。
また、ポリイミド樹脂が、ウレタン樹脂層21に含まれるウレタン樹脂が可溶な溶媒に可溶である場合、ポリイミド樹脂組成物として、硬化剤を含まないものを用いることができる。
ポリイミド樹脂は、芳香族ポリイミド樹脂、シリコーン変性ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、エポキシ変性ポリイミド樹脂、ウレタン変性ポリイミド樹脂から選ばれるいずれか1種であることが好ましい。これらのポリイミド樹脂は、耐熱性および伸縮性が良好であるので、より一層剥離しにくく、耐熱性に優れる樹脂複合積層体10となる。
ポリイミド樹脂としては、芳香族ポリイミド樹脂、シリコーン変性ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂から選ばれるいずれか一種を用いることがより好ましい。
芳香族ポリイミド樹脂としては、脂肪族炭化水素鎖もしくは脂環式骨格を有する芳香族ポリイミド樹脂などが挙げられる。芳香族ポリイミド樹脂は、分子構造に共役系が多く含まれるため、ポリイミド樹脂の中でも特に耐熱性に優れる。また、芳香族ポリイミド樹脂は、他の化合物と容易に結合できる。このため、芳香族ポリイミド樹脂として、必要に応じて、官能基が導入されることにより、耐熱性以外の機能が付与されたものを用いてもよい。
シリコーン変性ポリイミド樹脂としては、例えば、BPDA(3,3‘,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸ニ無水物)を重合してなる骨格を有し、骨格にシリコーン構造が導入されたものを用いることができる。
シリコーン変性ポリイミド樹脂としては、具体的には、下記一般式(5)で表されるポリイミド樹脂などを用いることができる。
Figure 2022156876000006
(式中、Rは、芳香族炭化水素基であり、R´は-Si-O-Si-または-C-Si-O-Si-C-からなる繰り返し単位であり、繰り返し数は1以上である。nは、5~400である。)
式(5)で表されるポリイミド樹脂は、シロキサン結合を有することに由来する疎水性と良好な機械特性とを有する。ポリイミド樹脂が、式(5)で表されるシリコーン変性ポリイミド樹脂である場合、ウレタン樹脂層21とポリイミド樹脂層22とのとの密着性がより一層良好であり、かつ優れた引張特性を有する樹脂複合積層体10となる。式(5)で表されるポリイミド樹脂において、繰り返し単位R´の繰り返し数は、1以上である。R´の繰り返し数の上限は、ポリイミド樹脂層22に要求される耐熱性を確保できる範囲であればよく、樹脂複合積層体10の用途などに応じて適宜決定できる。
ポリアミドイミド樹脂としては、例えば、4,4′-ジフェニルメタンジイソシアネートなどのジイソシアネート化合物と、トリメリット酸無水物などの三塩基酸無水物とを反応させて得たポリアミドイミドなどが挙げられる。
ポリイミド樹脂層22は、必要に応じて、ポリイミド樹脂以外のその他の樹脂を含んでいてもよい。その他の樹脂としては、耐熱性が良好であって溶媒に可溶であるものを用いることが好ましく、例えば、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。
ポリイミド樹脂層22は、厚みが1~10μmであることが好ましく、3~10μmであることがより好ましい。ポリイミド樹脂層22の厚さが1μm以上であると、より耐熱性の良好な樹脂複合積層体10となる。ポリイミド樹脂層22の厚さが10μm以下であると、ウレタン樹脂層21とポリイミド樹脂層22との密着性がより一層良好となり、折り曲げても、より折り目が付きにくい樹脂複合積層体10となる。また、ポリイミド樹脂層22の厚さが10μm以下であると、ポリイミド樹脂を含むポリイミド樹脂組成物を塗布し、乾燥させて固化させる方法を用いてポリイミド樹脂層22を形成する場合に、乾燥温度を低くできる。したがって、ポリイミド樹脂組成物を乾燥させることに起因する損傷を防止できる。また、上記の方法を用いてポリイミド樹脂層22を形成する場合に、短時間でポリイミド樹脂組成物に含まれる溶媒を除去することができ、効率よくポリイミド樹脂層22を形成できる。
「中間層」
中間層23は、図1に示すように、ウレタン樹脂層21とポリイミド樹脂層22との間に形成されている。中間層23は、ウレタン樹脂層21とポリイミド樹脂層22とに接して形成されている。中間層23は、ウレタン樹脂層21とポリイミド樹脂層22との間の全面に形成されていてもよいし、一部のみ形成されていてもよい。中間層23は、ウレタン樹脂がポリイミド樹脂層22に入り込んで、ウレタン樹脂層21およびポリイミド樹脂層22と一体化されたものである。中間層23は、ウレタン樹脂層21とポリイミド樹脂層22との密着性を向上させて、ウレタン樹脂層21とポリイミド樹脂層22とが剥離しにくく、折り曲げても折り目が付きにくい樹脂複合積層体10とする。
中間層23は、ウレタン樹脂とポリイミド樹脂とを含む。中間層23は、ウレタン樹脂層21およびポリイミド樹脂層22に含まれる樹脂が、ウレタン樹脂およびポリイミド樹脂以外のその他の樹脂を含んでいる場合、ウレタン樹脂層21およびポリイミド樹脂層22に含まれる樹脂に対応するその他の樹脂を含んでいてもよい。
本実施形態の樹脂複合積層体10は、ウレタン樹脂層21とポリイミド樹脂層22との間のピール強度が幅10mm当たり1.6N以上であり、3.5N以上であることが好ましい。ピール強度が幅10mm当たり1.6N以上である樹脂複合積層体10は、ウレタン樹脂層21とポリイミド樹脂層22とが剥離しにくく、折り曲げても折り目が付きにくいものであり、伸縮性デバイスの素体として好適である。
ウレタン樹脂層21とポリイミド樹脂層22との間のピール強度は、幅10mm当たり50N以下であることが好ましく、10N以下であることがより好ましい。ピール強度が幅10mm当たり50N以下である樹脂複合積層体10は、ウレタン樹脂層21とポリイミド樹脂層22との間に中間層23を形成することに伴うポリイミド樹脂層22の強度低下が少なくて済むため、良好な引張強度を有する。
樹脂複合積層体10が幅10mm未満のものである場合には、ピール強度の測定値から幅10mmでのピール強度に換算した値を、幅10mm当たりのピール強度とする。
本実施形態の樹脂複合積層体10は、幅10mm当たりの引張強度が0.2~4.35Nであることが好ましく、0.3~1.0Nであることがより好ましい。引張強度が幅10mm当たり0.2N以上であると、十分な強度を有する樹脂複合積層体10となる。引張強度が幅10mm当たり4.35N以下である樹脂複合積層体10は、柔軟性が良好であり、折り曲げたり伸縮させたりしても応力が分散されて掛かりづらい上、ウレタン樹脂層21とポリイミド樹脂層22との間に応力差が生じにくい。このため、ウレタン樹脂層21とポリイミド樹脂層22とが剥離しにくく、折り曲げても折り目が付きにくく、伸縮性デバイスの素体として好適である。
樹脂複合積層体10が幅10mm未満のものである場合には、引張強度の測定値から幅10mmでの引張強度に換算した値を、幅10mm当たりの引張強度とする。
本実施形態の樹脂複合積層体10は、幅10mm当たりの伸びが20~100%であることが好ましく、40~80%であることがより好ましい。伸びが幅10mm当たり20%以上である樹脂複合積層体10は、伸縮性が良好であり、伸縮性デバイスの素体として好適である。伸びが幅10mm当たり100%以下である樹脂複合積層体10は、伸縮させることによるポリイミド樹脂層22の破断が生じにくく、好ましい。
樹脂複合積層体10が幅10mm未満のものである場合には、伸びの測定値から幅10mmでの伸びに換算した値を、幅10mm当たりの伸びとする。
本実施形態の樹脂複合積層体10は、厚さが1~2000μmであることが好ましく、例えば、5~1000μmであってもよい。樹脂複合積層体10の厚さが1μm以上であると、樹脂複合積層体10の強度が良好となる。樹脂複合積層体10の厚さが2000μm以下であると、樹脂複合積層体10の柔軟性が良好となる。
[樹脂複合積層体の製造方法]
本実施形態の樹脂複合積層体10は、例えば、以下に示す製造方法により製造できる。
「固化層形成工程」
本実施形態の樹脂複合積層体10を製造するには、まず、ポリイミド樹脂を含むポリイミド樹脂組成物を製造する。ポリイミド樹脂組成物は、例えば、ポリイミド樹脂と溶媒とを混合し、ポリイミド樹脂を溶媒に溶解させることにより得られる。
次に、ポリイミド樹脂組成物を、基材上に塗布し、乾燥により固化させた固化物、半硬化させた半硬化物、一部のみ硬化させた一部硬化物から選ばれるいずれか一種からなる固化層を形成する。
基材としては、公知の剥離可能な基材を用いることができる。また、予め製造した樹脂複合積層体10、または樹脂複合積層体10を含む素体を、基材として用いてもよい。この場合、樹脂複合積層体10が複数枚積層された積層体を容易に製造できる。この方法は、樹脂複合積層体10を含む素体が複数枚積層された伸縮性デバイスを製造する場合などに好適である。
ポリイミド樹脂組成物の塗布方法は、特に限定されるものではなく、例えば、各種コーター又はワイヤーバー等を用いる公知の方法で塗工できる。
固化層の状態は、ポリイミド樹脂組成物の組成、塗布したポリイミド樹脂組成物の乾燥条件または硬化条件を適宜調整することにより、乾燥により固化させた固化物、半硬化させた半硬化物、一部のみ硬化させた一部硬化物から選ばれるいずれかの状態とすることができる。
ポリイミド樹脂組成物を乾燥により固化させる場合、乾燥温度は、70~250℃であることが好ましく、例えば、80~110℃であってもよい。前記乾燥温度が70℃以上であると、樹脂複合積層体10を効率よく製造できる。前記乾燥温度が250℃以下であると、ポリイミド樹脂組成物を乾燥させることによって基材が傷むことがなく、温度変化に伴う固化層の収縮を抑制しつつ、溶媒を除去できる。
ポリイミド樹脂組成物の乾燥時間は、前記乾燥温度に応じて適宜設定することができ、例えば、1~120分間とすることができ、1~60分間であることが好ましい。前記乾燥時間がこのような範囲であると、良好な特性を有する固化物を効率的に製造できる。
ポリイミド樹脂組成物を乾燥させることによる固化(固化層の形成)の完了は、例えば、熱重量分析を行い、乾燥に供しているポリイミド樹脂組成物の質量に変化が認められなくなったことにより、確認できる。
ポリイミド樹脂組成物を半硬化させた半硬化物とする場合、例えば、70~150℃で乾燥させた後、窒素雰囲気下で、180~300℃に加熱して硬化させることが好ましい。半硬化物とする場合、硬化させるための加熱時間を5~90分間とすることが好ましく、5~30分間とすることがより好ましい。前記乾燥温度、加熱温度、加熱時間がこのような範囲であると、良好な特性を有する固化物を効率的に製造できる。
ポリイミド樹脂組成物を半硬化させた半硬化物とする場合、半硬化物(固化層)が形成されたことは、例えば、以下に示すいずれか1つ以上の方法を用いて確認できる。熱重量分析を行い、熱重量曲線を硬化膜と比較する。引張試験行い、引張強度を硬化膜と比較する。電気絶縁性試験を行い、電気絶縁性を硬化膜と比較する。半硬化物は、硬化膜と比較して電気絶縁性が低いことを考慮して使用する必要がある。
ポリイミド樹脂組成物を、一部のみ硬化させ、残部が半硬化物である一部硬化物とする場合、例えば、70~150℃で乾燥させた後、窒素雰囲気下、180~350℃で20~120分間熱硬化させることが好ましい。前記乾燥温度、加熱温度、加熱時間がこのような範囲であると、良好な特性を有する固化物を効率的に製造できる。
ポリイミド樹脂組成物を一部のみ硬化させ、残部が半硬化物である一部硬化物とする場合、一部硬化物(固化層)が形成されたことは、例えば、熱重量分析によって得た熱重量曲線、引張試験によって得た引張強度の値、電気絶縁性試験によって得た電気絶縁性の値のうち、いずれか1つ以上により確認できる。
「中間層形成工程」
次に、固化層上の一部または全部に、ウレタン樹脂と溶媒とを含むウレタン樹脂組成物を塗布して固化させる。このことにより、固化層中にウレタン樹脂が入り込みつつ固化する。その結果、ウレタン樹脂層21とポリイミド樹脂層22とが形成されるとともに、ウレタン樹脂層21とポリイミド樹脂層22との間に、ウレタン樹脂層21およびポリイミド樹脂層22と一体化された中間層23が形成される。
ウレタン樹脂組成物の塗布方法は、特に限定されるものではなく、例えば、各種コーター又はワイヤーバー等を用いる公知の方法を用いることができる。
ウレタン樹脂組成物を固化させる方法としては、例えば、ウレタン樹脂組成物が塗布された固化層を乾燥する方法を用いることができる。
ウレタン樹脂組成物の乾燥温度は、25~150℃であることが好ましく、例えば、70~120℃であってもよい。前記乾燥温度が25℃以上であると、樹脂複合積層体10を効率よく製造できる。前記乾燥温度が150℃以下であると、乾燥温度が過剰に高温であることによって、樹脂複合積層体10が変形するなどのダメージが生じにくく、好ましい。
ウレタン樹脂組成物の乾燥時間は、前記乾燥温度に応じて適宜設定すればよく、10~120分であることが好ましく、10~90分であることがより好ましい。前記乾燥時間がこのような範囲であると、良好な特性の樹脂複合積層体10を効率的に製造できる。
ウレタン樹脂組成物を乾燥させることによる固化(樹脂複合積層体10の形成)の完了は、例えば、乾燥に供している樹脂複合積層体10の質量に明確な変化が認められなくなったことによって、確認できる。
本実施形態の製造方法では、ポリイミド樹脂が、ウレタン樹脂層組成物に含まれる溶媒に可溶なものであり、中間層形成工程において、ウレタン樹脂組成物を塗布することにより、固化層に含まれるポリイミド樹脂を溶媒に溶解させることが好ましい。この場合、ウレタン樹脂組成物を塗布することにより、溶媒中にウレタン樹脂とポリイミド樹脂の両方を溶解させつつ固化させることができる。その結果、ウレタン樹脂とポリイミド樹脂の両方を含み、ウレタン樹脂がポリイミド樹脂層22に入り込んでウレタン樹脂層21およびポリイミド樹脂層22と一体化された中間層23を容易かつ確実に形成でき、より一層剥離しにくく、折り曲げても折り目が付きにくい樹脂複合積層体10が得られる。
本実施形態においては、中間層形成工程の後に、必要に応じて、ポリイミド樹脂層22に含まれるポリイミド樹脂組成物を硬化させる工程を行ってもよい。
本実施形態の樹脂複合積層体10は、ウレタン結合およびシロキサン結合を有し、重量平均分子量が52,200~260,000であって溶媒に可溶なウレタン樹脂を含むウレタン樹脂層21と、イミド結合を有するポリイミド樹脂を含むポリイミド樹脂層22とを有し、ウレタン樹脂層21とポリイミド樹脂層22との間のピール強度が、幅10mm当たり1.6N以上のものである。そして、本実施形態の樹脂複合積層体10は、ウレタン樹脂層21とポリイミド樹脂層22とに接して形成され、ウレタン樹脂がポリイミド樹脂層22に入り込んでウレタン樹脂層21およびポリイミド樹脂層22と一体化された中間層23を有する。このため、本実施形態の樹脂複合積層体10は、ウレタン樹脂層21とポリイミド樹脂層22との密着性が良好であり、剥離しにくく、折り曲げても折り目が付きにくい。
また、本実施形態の樹脂複合積層体10は、ウレタン結合およびシロキサン結合を有し、重量平均分子量が52,200~260,000であるウレタン樹脂を含むウレタン樹脂層21を有するので、伸縮性が良好である。しかも、本実施形態の樹脂複合積層体10は、イミド結合を有するポリイミド樹脂を含むポリイミド樹脂層22を有するので、耐熱性が良好である。具体的には、200℃+数十℃以上の耐熱性を有する。したがって、本実施形態の樹脂複合積層体10は、伸縮性デバイスの素体として好適である。
本実施形態の樹脂複合積層体10の製造方法では、ポリイミド樹脂組成物を、乾燥により固化させた固化物、半硬化させた半硬化物、一部のみ硬化させた一部硬化物から選ばれるいずれか一種からなる固化層をする固化層形成工程と、固化層上に、ウレタン樹脂と溶媒とを含むウレタン樹脂組成物を塗布して固化させることにより、ウレタン樹脂層21とポリイミド樹脂層22とに接して中間層23を形成する中間層形成工程とを有する。このため、本実施形態の樹脂複合積層体10の製造方法によれば、ウレタン樹脂層21と、ポリイミド樹脂層22と、ウレタン樹脂がポリイミド樹脂層22に入り込んでウレタン樹脂層21およびポリイミド樹脂層22と一体化された中間層23とを有する本実施形態の樹脂複合積層体10を製造できる。
[伸縮性デバイス]
図2は、本発明の一実施形態に係る伸縮性デバイスの一例を示す模式図である。
図2示す本実施形態の伸縮性デバイス1は、第1シート11と第2シート12と第3シート13と第4シート14とが、この順に厚さ方向に積層されて構成されている。本明細書においては、これら4層(枚)のシートをまとめて「第1シート11~第4シート14」と記載することがある。
第1シート11~第4シート14は、全て、上述した樹脂複合積層体10を含む素体である。
第1シート11は、樹脂複合積層体10の第2シート12側の面に、配線とともに電極111が設けられて、構成されている。
第2シート12は、樹脂複合積層体10中に、銅めっき部材121が埋め込まれるか、又は貼付されることで、構成されている。第2シート12には、他のシートの配線と接続するためのビア又は接続部が設けられている。
第3シート13は、樹脂複合積層体10中に、電子部品131が埋め込まれるか、又は実装されることで、構成されている。第3シート13には、他のシートの配線と接続するためのビア又は接続部が設けられている。
第4シート14は、樹脂複合積層体10のみで構成されている。
伸縮性デバイス1に備えられている配線及び電極111、銅めっき部材121並びに電子部品131は、当該分野で公知のものを用いることができる。
第1シート11~第4シート14が積層された状態では、第1シート11上の配線及び電極111が、第2シート12中の銅めっき部材121と接触し、銅めっき部材121は、第3シート13中の電子部品131と接触している。第4シート14は、配線及び電極111、銅めっき部材121並びに電子部品131が露出しない様に、第1シート11、第2シート12及び第3シート13上に設けられており、封止層として機能する。
伸縮性デバイス1は、例えば、第1シート11と、第2シート12と、第3シート13と、第4シート14とを、これらの配置順がこの順となるように積層することにより製造できる。
伸縮性デバイス1の製造時における、これらシートの積層順は、特に限定されない。
第1シート11は、例えば、樹脂複合積層体10の一方の面に、印刷法によって、配線及び電極111を形成するための導電性組成物を付着させ、乾燥させて、導電層を形成することで、製造できる。
第2シート12は、例えば、第1シート11の配線及び電極111の形成面に、銅めっき部材121を配置し、これを基材として用いて、第1シート11の配線及び電極111の形成面に、上述した製造方法を用いて樹脂複合積層体10を形成することにより製造できる。このとき、銅めっき部材121は、第2シート12中で貫通させる。
また、第2シート12は、第1シート11の配線及び電極111の形成面に、樹脂複合積層体10を形成し、樹脂複合積層体10上に銅めっき部材121を貼付する方法を用いて製造してもよい。
第3シート13は、例えば、第2シート12の第1シート11側とは反対側の面に、電子部品131を配置し、これを基材として用いて、第2シート12の第1シート11側とは反対側の面(すなわち、電子部品131の配置面)に、樹脂複合積層体10を形成することにより製造できる。このとき、電子部品131は、第3シート13中で貫通させる。
第4シート14は、第3シート13を基材として用いて、第3シート13の第2シート12側とは反対側の面に、樹脂複合積層体10を形成することにより製造できる。
以上の工程により、図2に示す本実施形態の伸縮性デバイス1が得られる。
本実施形態の伸縮性デバイスは、図2に示す伸縮性デバイス1に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、一部の構成が変更、削除又は追加されたものであってもよい。
例えば、本実施形態の伸縮性デバイス1は、4枚のシートを有しているが、1枚のみであってもよいし、4枚以外の複数枚であってもよく、伸縮性デバイス中のシートの数は、伸縮性デバイスの目的に応じて任意に設定できる。
また、本実施形態の伸縮性デバイス1では、樹脂複合積層体10を含むシートが、配線、電極、銅めっき部材又は電子部品を備えているが、これら以外の構成を備えていてもよい。
本実施形態の伸縮性デバイス1は、基材層を有していてもよい。基材層は、伸縮性デバイス1の目的に応じて任意に選択でき、公知のものであってもよく、特に限定されない。
基材層としては、例えば、伸縮性デバイス1を使用対象に貼付するための粘着剤層を有する剥離シート等が挙げられる。剥離シートは、伸縮性デバイス1の一方の面又は両面に貼付することによって、保管中の伸縮性デバイス1を保護し、かつ、伸縮性デバイス1の使用時には、伸縮性デバイス1から容易に剥離できる。
本実施形態の伸縮性デバイス1は、本実施形態の樹脂複合積層体10を含む素体を有する。したがって、本実施形態の伸縮性デバイス1は、折り曲げても折り目が付きにくく、十分な伸縮性および耐熱性を有する。このため、本実施形態の伸縮性デバイス1は、伸び縮みを繰り返す使用環境において使用され、折り曲げ、巻きなどの曲面が変わり応力が掛かる用途、体の動きに合わせて伸縮する用途などに好適である。また、本実施形態の伸縮性デバイスは、素体に電子部品、薄膜センサーなどを実装する場合、高い電力を使用する場合にも好適である。よって、本実施形態の伸縮性デバイス1は、ウエアラブルデバイス等に好適に利用できる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。
以下、具体的実施例により、本発明についてさらに詳しく説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
ウレタン樹脂組成物の製造に用いた原料を以下に示す。
・樹脂(a)
(a)-1:ウレタンアクリレートオリゴマー(製品名:UN-5500、根上工業社製)
・樹脂(b)
(b)-1:片末端がメタクリロイル基で修飾されたメタクリレート変性ポリジメチルシロキサン(製品名:サイラプレーン(登録商標)FM-0721、JNC社製)
・重合開始剤(c)
(c)-1:ジメチル 2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオネート)、アゾ重合開始剤(製品名:V601、富士フイルム和光純薬社製)
・RAFT剤
(1)-1:下記式(1)-1で表されるRAFT剤(富士フイルム和光純薬社製)
・溶媒
MEK:メチルエチルケトン
Figure 2022156876000007
<ウレタン樹脂組成物の製造>
[合成例1]
樹脂(a)-1(100質量部)と、樹脂(b)-1(2質量部)と、重合開始剤(c)-1(1.2質量部)と、RAFT剤(1)-1(2.946質量部)と、MEKと、をフラスコ内に秤量し、常温下で撹拌機を用いてこれらを混合することにより、原料混合物を得た。MEKの使用量は、MEK以外の成分の合計含有量が、原料混合物の総量に対して、24.6質量%となるように調節した。
次いで、液体窒素を用いて、得られた原料混合物を冷却し、固化させ、密閉したフラスコ内を真空脱気した。次いで、窒素雰囲気下で、オイルバスを用いて、前記原料混合物を溶解させ、引き続き撹拌しながら昇温し、90℃で55分間重合反応を行った。
その後、反応生成物を、MEKを用いて希釈することにより、ウレタン樹脂を24.6質量%含有する合成例1のウレタン樹脂組成物を製造した。
[合成例2]
MEKに代えて、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)を用いて、反応生成物を希釈することにより、合成例1と同じウレタン樹脂を24.6質量%含有する合成例2のウレタン樹脂組成物を製造した。
[合成例3]
重合開始剤(c)-1の使用量を0.8質量部とした原料混合物を用いたことと、重合反応時間を180分間としたこと以外は、合成例1と同様にして、重合反応を行った。
その後、反応生成物を、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)を用いて希釈することにより、ウレタン樹脂を24.6質量%含有する合成例3のウレタン樹脂組成物を製造した。
[合成例4]
重合開始剤(c)-1の使用量を1.6質量部とした原料混合物を用いたことと、重合反応時間を30分間としたこと以外は、合成例1と同様にして、重合反応を行った。
その後、反応生成物を、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)を用いて希釈することにより、ウレタン樹脂を24.6質量%含有する合成例4のウレタン樹脂組成物を製造した。
合成例1~合成例4において反応生成物の希釈に使用した溶媒(希釈溶媒)を、表1に示す。
Figure 2022156876000008
<ポリイミド樹脂層の製造>
[製造例1]
芳香族ポリイミドを主体骨格に持ち、脂肪族炭化水素鎖もしくは脂環式骨格からなる芳香族ポリイミド樹脂を、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)に溶解し、ポリイミド樹脂を0.5~10質量%含有する製造例1のポリイミド樹脂組成物を製造した。
製造例1のポリイミド樹脂組成物を、スプレーコーターを用いて剥離フィルム上に塗布し、90℃で60分間乾燥させることにより、硬化反応を行うことなく固化させた。この操作を繰り返し行うことにより、剥離フィルム上に製造例1の固化層を形成した。
ポリイミド樹脂組成物を乾燥させることによる固化(固化層の形成)の完了は、熱重量分析を行い、乾燥に供しているポリイミド樹脂組成物の質量に変化が2質量%以下となったことによって確認した。
[製造例2]
BPDA(3,3‘,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸ニ無水物)と、シリコーン構造を有するモノマーとを重合し、シリコーン構造をポリイミド鎖に結合したシリコーン変性ポリイミド樹脂を得た。得られたシリコーン変性ポリイミド樹脂をN-メチル-2-ピロリドン(NMP)に溶解し、ポリイミド樹脂を0.5~10質量%含有する製造例2のポリイミド樹脂組成物を製造した。
製造例2のポリイミド樹脂組成物を、アプリケータを用いてガラス基板上に塗布し、80℃で30分間乾燥させた。その後、窒素雰囲気下の乾燥炉内で、200℃で30分間硬化反応を行い、室温まで冷却し、水中でガラス基板から剥離して、半硬化させた半硬化物からなる製造例2の固化層を形成した。
ポリイミド樹脂組成物を半硬化させることによって半硬化物(固化層)が形成されたことは、製造例2の固化層から3つの試験体を採取し、それぞれ電気絶縁性の試験を行って、ポリイミド樹脂組成物の硬化膜における電気絶縁性の試験の結果と比較することによって確認した。
[製造例3]
ジフェニル化合物と、芳香族カルボン酸とを重合し、イソシアネート化合物であるポリアミドイミド樹脂を得た。得られたポリアミドイミド樹脂をN-メチル-2-ピロリドン(NMP)に溶解し、ポリイミド樹脂を0.5~10質量%含有する製造例3のポリイミド樹脂組成物を製造した。
製造例3のポリイミド樹脂組成物を、アプリケータを用いてガラス基板上に塗布し、80℃で30分間乾燥させた。その後、窒素雰囲気下の乾燥炉内で、200℃で30分間硬化反応を行い、室温まで冷却し、水中でガラス基板から剥離して、硬化させた硬化物からなる製造例3の固化層を形成した。
ポリイミド樹脂組成物を硬化させることによって硬化物(固化層)が形成されたことは、製造例3の固化層から3つの試験体を採取し、それぞれ引張試験を行って、ポリイミド樹脂組成物の硬化膜における引張試験の結果と比較することによって確認した。
<樹脂複合積層体の製造>
[実施例1]
厚さ10μmの製造例1の固化層上に、合成例1のウレタン樹脂組成物を塗布し、80℃で10分間乾燥させることにより、実施例1の樹脂複合積層体を得た。
[実施例2]
厚さ10μmの製造例2の固化層上に、合成例1のウレタン樹脂組成物を塗布し、80℃で10分間乾燥させることにより、実施例2の樹脂複合積層体を得た。
[実施例3]
厚さ17μmの製造例1の固化層上に、合成例2のウレタン樹脂組成物を塗布し、80℃で10分間乾燥させることにより、実施例3の樹脂複合積層体を得た。
[実施例4]
厚さ10μmの製造例1の固化層上に、合成例2のウレタン樹脂組成物を塗布し、80℃で10分間乾燥させることにより、実施例4の樹脂複合積層体を得た。
[実施例5]
厚さ10μmの製造例1の固化層上に、合成例3のウレタン樹脂組成物を塗布し、80℃で10分間乾燥させることにより、実施例5の樹脂複合積層体を得た。
[実施例6]
厚さ10μmの製造例1の固化層上に、合成例4のウレタン樹脂組成物を塗布し、80℃で10分間乾燥させることにより、実施例6の樹脂複合積層体を得た。
実施例1~実施例6において、ウレタン樹脂組成物を乾燥させることによる固化の完了は、熱重量分析を行い、乾燥に供しているウレタン樹脂組成物の質量に変化が認められなくなったことによって確認した。
[比較例1]
ウレタン変性エポキシ樹脂組成物を、アプリケータを用いて金属箔上に塗布し、80℃で30分間乾燥させた後、130℃で60分間加熱することにより硬化させて厚み100μmのウレタン変性エポキシ樹脂層を作製した。
ウレタン変性エポキシ樹脂組成物としては、ウレタン構造を含むビズフェノールA型エポキシ樹脂を溶媒に溶解させてなる、ウレタン変性エポキシ樹脂を20~50質量%含有するものを用いた。
このようにして得られたウレタン変性エポキシ樹脂層を、厚さ10μmの製造例1の固化層上に積層することにより、比較例1の樹脂複合積層体を得た。
[比較例2]
溶媒に不溶なウレタン樹脂を含む、厚み100μmのウレタン樹脂硬化物を用意した。溶媒に不溶なウレタン樹脂としては、ヘキサンジイソシアネートと、4,4-ジフェニルメタンジイソシアネートと、ポリエーテル化合物とを重合したものを用いた。
そして、別に作製した厚さ10μmの製造例1の固化層上に、ウレタン樹脂硬化物を設置して、50℃、1000kgf/cmの条件で圧着する方法により、固化層上にウレタン樹脂硬化物を貼り付け、比較例2の樹脂複合積層体を得た。
[比較例3]
厚さ10μmの製造例3の固化層(ポリイミド樹脂層)上に、合成例1のウレタン樹脂組成物を塗布し、80℃で10分間乾燥させることにより、比較例3の樹脂複合積層体を得た。
比較例3において、ウレタン樹脂組成物を乾燥させることによる固化の完了は、熱重量分析を行い、乾燥に供しているウレタン樹脂組成物の質量に変化が認められなくなったことによって確認した。
このようにして得られた実施例1~実施例6、比較例1~比較例3の樹脂複合積層体について、ウレタン樹脂層(比較例1についてはウレタン変性エポキシ樹脂層)の厚み、ポリイミド樹脂層の厚み、ポリイミド樹脂組成物中に含まれる溶媒を、表1に示す。
また、実施例1~実施例6、比較例1~比較例3の樹脂複合積層体について、以下に示す方法により、ウレタン樹脂の重量平均分子量(Mw)、幅10mm当たり伸びおよび引張強度を測定した。その結果を表1に示す。
「ウレタン樹脂の重量平均分子量(Mw)の測定」
樹脂複合積層体を、溶媒であるジエチレングリコールモノブチルエーテル(BCA)に入れて混合しながら加熱して溶解し、15質量%の樹脂溶液とした。得られた樹脂溶液を、テトラヒドロフラン(THF)を用いて50倍に希釈し、バイブレータにより振動を付与して10時間混合した後、ポリテトラフルオロエチレン(PTFA)フィルターを用いて濾過した。PTFAフィルターを通過した溶液を、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法によりウレタン樹脂の重量平均分子量を測定するための測定サンプルとした。
重量平均分子量の測定は、3本のGPC用カラム(製品名:Shodex(登録商標)LF-404、昭和電工社製)を直列に連結し、分子量測定装置(製品名:Shodex(登録商標)GPC-104、昭和電工社製)を用いて行った。GPC用カラムの温度を40℃に設定し、テトラヒドロフラン(THF)を移動相として用い、上記で得られた測定サンプルの重量平均分子量(Mw)を測定した。重量平均分子量は、あらかじめ作成しておいた検量線を用いて算出した。
なお、比較例2の樹脂複合積層体は、PTFAフィルターを用いて樹脂溶液を濾過する際の濾過圧が高かったため、上記方法によって測定した重量平均分子量(Mw)の測定結果における誤差が大きい可能性がある。
「幅10mm当たりの伸び」
各樹脂複合積層体から、幅10mm、長さ35mmの帯状の測定サンプルを5つずつ切り出した。各測定サンプルについて、それぞれ以下に示す方法により、伸びを算出し、その平均値を伸びとした。
測定器の上下にある掴み部に金属基板を挟み、測定箇所が幅10mm、長さ10mmとなるように、測定サンプルを金属基板に両面テープで固定した。その後、測定サンプルを、引張試験機(商品名:オートグラフAGS-5kNX、株式会社島津製作所製)を用いて引張速度10mm/minで引っ張った。そして、破断したときの測定サンプルの長さを測定し、その長さから引っ張る前の長さ10mmを差し引き、伸びを算出した。
「幅10mm当たりの引張強度」
各樹脂複合積層体から、幅10mm、長さ35mmの帯状の測定サンプルを5つずつ切り出した。各測定サンプルについて、それぞれ以下に示す方法により、引張強度の最大値を算出し、その平均値を引張強度とした。
測定器の上下にある掴み部に金属基板を挟み、測定箇所が幅10mm、長さ10mmとなるように、測定サンプルを金属基板に両面テープで固定した。その後、測定サンプルを、引張試験機(商品名:オートグラフAGS-5kNX、株式会社島津製作所製)を用いて引張速度10mm/minで引っ張った。そして、測定サンプルの引張強度の最大値を測定した。
また、実施例1~実施例6、比較例1~比較例3の樹脂複合積層体に対応するサンプルをそれぞれ作製し、以下に示す方法により、幅10mm当たりのピール強度を測定した。その結果を表1に示す。
「幅10mm当たりのピール強度」
固化層上にウレタン樹脂組成物を塗布する前に、固化層上の被塗布面の端部に剥離可能な非粘着性テープを設置したこと以外は、実施例1~実施例6、比較例3の樹脂複合積層体と同様にして、ウレタン樹脂層とポリイミド樹脂層との間の一部に非粘着性テープが配置された実施例1~実施例6、比較例3のサンプルを作製した。
また、固化層上にウレタン変性エポキシ樹脂層を積層する前に、固化層上の被積層面の端部に剥離可能な非粘着性テープを設置したこと以外は、比較例1の樹脂複合積層体と同様にして、ウレタン変性エポキシ樹脂層とポリイミド樹脂層との間の一部に非粘着性テープが配置された比較例1のサンプルを作製した。
また、固化層上にウレタン樹脂硬化物を設置する前に、固化層上の被設置面の端部に剥離可能な非粘着性テープを設置したこと以外は、比較例2の樹脂複合積層体と同様にして、ウレタン樹脂層とポリイミド樹脂層との間の一部に非粘着性テープが配置された比較例2のサンプルを作製した。
各サンプルを帯状に切断し、長さ方向略中心部から一方の端部までの領域のみ非粘着性テープが配置された幅10mm、長さ100mmの試験片を得た。
各試験片のウレタン樹脂層側の面を、樹脂基板上に、空気が入らないように両面テープを用いて固定した。そして、試験片から非粘着性テープを剥離し、ポリイミド樹脂層側の面の端部を、ウレタン樹脂層側の面の端部と反対方向に、引張試験機(商品名:FTN-13A、アイコーエンジニアリング株式会社製)を用いて引張速度5.0mm/minで引っ張り、始点と終点を除いた安定な部分の引張強度を5点測定し、その平均値をピール強度とした。
また、実施例1~実施例6、比較例1~比較例3の樹脂複合積層体について、以下に示す方法により、折り目が付くか否かを観察し、以下に示す基準により評価した。その結果を表1に示す。
「折り目 ウレタン樹脂層側」
各樹脂複合積層体を、ウレタン樹脂層側の面が内側となるように谷折りし、折り曲げ線を挟んで隣り合う二面のなす角度(曲げ角度)が0°、折り曲げ線の曲げ半径Rが0.01mm以下となる条件で、折り曲げ線を挟んで隣り合う二面同士を押し付け、1秒以上接触させた。その後、折り曲げ線を挟んで隣り合う二面同士を押し付ける力を開放し、折り曲げ線を挟んで隣り合う二面のなす角度が180°となるまで静置し、ウレタン樹脂層側の表面に折り目(折り曲げた跡)が付いたか否かを目視にて観察した。
「折り目 ポリイミド樹脂層側」
各樹脂複合積層体を、ポリイミド樹脂層側の面が内側となるように谷折りし、折り曲げ線を挟んで隣り合う二面のなす角度(曲げ角度)が0°、折り曲げ線の曲げ半径Rが0.01mm以下となる条件で、折り曲げ線を挟んで隣り合う二面同士を押し付け、1秒以上接触させた。その後、折り曲げ線を挟んで隣り合う二面同士を押し付ける力を開放し、折り曲げ線を挟んで隣り合う二面のなす角度が180°となるまで静置し、ポリイミド樹脂層側の表面に折り目(折り曲げた跡)が付いたか否かを目視にて観察した。
「折り目評価」
A:ウレタン樹脂層側とポリイミド樹脂層側の両方とも折り目が付かない。
B:ウレタン樹脂層側の折り目が付き、ポリイミド樹脂層側の折り目が付かない。
C:ウレタン樹脂層側とポリイミド樹脂層側の両方とも折り目が付いた。
表1に示すように、実施例1~実施例6の樹脂複合積層体は、ピール強度が1.6N以上であり、ウレタン樹脂層とポリイミド樹脂層とが剥離しにくいものであった。
また、実施例1~実施例6の樹脂複合積層体は、折り目評価がAまたはBであった。
一方、ウレタン樹脂層に代えてウレタン変性エポキシ樹脂層を有する比較例1、溶媒に不溶なウレタン樹脂を含むウレタン樹脂層をポリイミド樹脂層に貼り付けた比較例2、硬化させた硬化物からなるポリイミド樹脂層を用いたため中間層を有さない比較例3は、いずれもピール強度が不十分であり、折り目評価がCであった。
本発明は、伸縮性デバイスとその製造に利用可能である。
1・・・伸縮性デバイス、10・・・樹脂複合積層体、11・・・第1シート、12・・・第2シート、13・・・第3シート、14・・・第4シート、111・・・電極、121・・・銅めっき部材、131・・・電子部品

Claims (9)

  1. ウレタン結合およびシロキサン結合を有し、重量平均分子量が52,200~260,000であって溶媒に可溶なウレタン樹脂を含むウレタン樹脂層と、
    イミド結合を有するポリイミド樹脂を含むポリイミド樹脂層とを有し、
    前記ウレタン樹脂層と前記ポリイミド樹脂層との間のピール強度が、幅10mm当たり1.6N以上である、樹脂複合積層体。
  2. 前記ウレタン樹脂が、下記一般式(11)、(21)または(31)で表される基と、ウレタン結合と、シロキサン結合と、を有する、請求項1に記載の樹脂複合積層体。
    Figure 2022156876000009
    (式中、Zはアルキル基であり、前記アルキル基中の1個又は2個以上の水素原子は、シアノ基、カルボキシ基又はメトキシカルボニル基で置換されていてもよく、2個以上の前記置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。Zはアルキル基である。Zはアリール基である。Rは水素原子又はハロゲン原子である。符号*を付した結合は、一般式(11)、(21)又は(31)で表される基の結合先との間で形成される。)
  3. 前記ポリイミド樹脂が、前記溶媒に可溶である、請求項1または請求項2に記載の樹脂複合積層体。
  4. 前記ポリイミド樹脂が、シリコーン変性ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、芳香族ポリイミド樹脂、エポキシ変性ポリイミド、ウレタン変性ポリイミドから選ばれるいずれか1種である、請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の樹脂複合積層体。
  5. 前記ポリイミド樹脂層の厚みが10μm以下である、請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の樹脂複合積層体。
  6. 幅10mm当たりの引張強度が4.35N以下である、請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の樹脂複合積層体。
  7. 請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の樹脂複合積層体の製造方法であり、
    前記ポリイミド樹脂を含むポリイミド樹脂組成物を、乾燥により固化させた固化物、半硬化させた半硬化物、一部のみ硬化させた一部硬化物から選ばれるいずれか一種からなる固化層を形成する固化層形成工程と、
    前記固化層上に、前記ウレタン樹脂と前記溶媒とを含むウレタン樹脂組成物を塗布して乾燥固化させることにより、前記ウレタン樹脂層と前記ポリイミド樹脂層とを形成するとともに、前記ウレタン樹脂層と前記ポリイミド樹脂層とに接して中間層を形成する中間層形成工程とを有する樹脂複合積層体の製造方法。
  8. 前記ポリイミド樹脂が、前記溶媒に可溶なものであり、
    前記中間層形成工程において、前記ウレタン樹脂組成物を塗布することにより、前記固化層に含まれる前記ポリイミド樹脂を前記溶媒に溶解させる、請求項7に記載の樹脂複合積層体の製造方法。
  9. 請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の樹脂複合積層体を含む素体を有する伸縮性デバイス。
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