JP6878948B2 - ポリイミドフィルム積層体 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリイミドフィルム積層体に関する。
一般に、ポリイミド樹脂は芳香族テトラカルボン酸無水物と芳香族ジアミンとから得られ、分子の剛直性、共鳴安定化、強い化学結合により優れた耐熱性、耐薬品性、機械物性、電気特性を有するため、成形材料、複合材料、電気・電子部品、光学材料、ディスプレイ、航空宇宙等の分野において幅広く用いられている。さらに、フレキシブル表示装置用の材料フィルムとしても使用が検討されている。
しかし、ポリイミドフィルムは、柔軟性を有するものの、高表面硬度性について性能が不十分である。
ポリイミドフィルムの表面に高硬度性を付与すべく、ハードコート層を形成した具体案が提案されている。特許文献1には、ポリアミドフィルム共重合体を含むプラスチック基材、及びその少なくとも一方の面にハードコーティング層を含む表示装置用ウィンドウフィルムが開示されている。特許文献2には、透明ポリイミドフィルム、及びその少なくとも一方の面に、シリコン酸化物層、及びアクリレート基及び1分子当たり2〜5個のイソシアネート基を含むポリイソシアネートの硬化層を含む透明ポリイミド基板が開示されている。
特開2016−125063号公報 特表2016−501144号公報
しかしながら、特許文献1及び2に開示されたポリイミドフィルム積層体では、柔軟性及び高表面硬度性を兼ね備えることは困難であった。
すなわち、本発明が解決しようとする課題は、柔軟性及び高表面硬度性を有する、ポリイミドフィルム積層体を提供することにある。
発明者等は鋭意検討した結果、特定のポリイミド樹脂層とプライマー層とを有する積層体が、柔軟性及び高表面硬度性を有する、ポリイミドフィルム積層体を形成できることを見出した。これらの知見に基づき本発明に至った。
すなわち、本発明は、ポリイミド樹脂層と、該ポリイミド樹脂層の少なくとも一方の面にプライマー層とを有する、ポリイミドフィルム積層体であって、ポリイミド樹脂層が、芳香族テトラカルボン酸二無水物、及び脂肪族テトラカルボン酸二無水物から選ばれる少なくとも1種のテトラカルボン酸二無水物に由来する構成単位Aと、脂肪族ジアミン、及び芳香族ジアミンから選ばれる少なくとも1種のジアミン化合物に由来する構成単位Bとを有するポリイミド樹脂を含み、プライマー層が、アクリル系樹脂、及びウレタンアクリレート系樹脂から選ばれる少なくとも1種を含む、ポリイミドフィルム積層体に関する。
本発明は、柔軟性及び高表面硬度性を有する、ポリイミドフィルム積層体を提供する。
本発明のポリイミドフィルム積層体は、ポリイミド樹脂層と、該ポリイミド樹脂層の少なくとも一方の面にプライマー層とを有する。
前記ポリイミド樹脂層は、芳香族テトラカルボン酸二無水物、及び脂肪族テトラカルボン酸二無水物から選ばれる少なくとも1種のテトラカルボン酸二無水物に由来する構成単位Aと、脂肪族ジアミン、及び芳香族ジアミンから選ばれる少なくとも1種のジアミン化合物に由来する構成単位Bとを有するポリイミド樹脂を含む。
前記プライマー層は、アクリル系樹脂、及びウレタンアクリレート系樹脂から選ばれる少なくとも1種を含む。
本発明に用いるポリイミド樹脂は、芳香族テトラカルボン酸二無水物、及び脂肪族テトラカルボン酸二無水物から選ばれる少なくとも1種のテトラカルボン酸二無水物に由来する構成単位Aと、脂肪族ジアミン、及び芳香族ジアミンから選ばれる少なくとも1種のジアミン化合物に由来する構成単位Bとを有する。
〔構成単位A〕
本発明に係るポリイミド樹脂に含まれる構成単位Aは、芳香族テトラカルボン酸二無水物、及び脂肪族テトラカルボン酸二無水物から選ばれる少なくとも1種のテトラカルボン酸二無水物に由来する構成単位である。
構成単位Aは、芳香族テトラカルボン酸二無水物に由来する構成単位を含むことが好ましく、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物に由来する構成単位(A−1)を含むことがより好ましい。4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物は、下記一般式(a−1)で表される化合物である。
構成単位Aが構成単位(A−1)を含むことで、ポリイミド樹脂の低吸水性、透明性が向上する。ポリイミド樹脂が低吸水性の特性を有していると、ポリイミドフィルム積層体としたときに該積層体の表面硬度が向上すると考えられる。
Figure 0006878948
構成単位Aに対する構成単位(A−1)の割合は、好ましくは30モル%以上であり、より好ましくは40モル%以上であり、更に好ましくは50モル%以上であり、より更に好ましくは60モル%以上であり、より更に好ましくは80モル%以上であり、より更に好ましくは100モル%である。
構成単位Aは、耐熱性、機械物性(弾性率)の観点から、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物に由来する構成単位(A−2)を含むことが好ましい。3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物は、下記式(a−2)で表される化合物である。
Figure 0006878948
構成単位Aに対する構成単位(A−2)の割合は、低吸水性、透明性の観点から、70モル%以下が好ましく、60モル%以下がより好ましい。
構成単位Aが、構成単位(A−1)及び(A−2)を含む場合には、構成単位(A−1)と構成単位(A−2)とのモル比は、低吸水性、透明性の観点から、30:70〜99:1が好ましく、40:60〜99:1がより好ましく、40:60〜95:5が更に好ましく、40:60〜60:40が特に好ましい。
本発明に係るポリイミド樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲で、構成単位A中に、上記構成単位(A−1)〜(A−2)以外の構成単位として、式(a−1)〜(a−2)で表される化合物以外のテトラカルボン酸二無水物に由来する構成単位を含んでいてもよい。
本発明に係るポリイミド樹脂を構成する構成単位A中の、構成単位(A−1)及び(A−2)の合計が占める割合は、低吸水性、透明性の観点から、好ましくは70〜100モル%、より好ましくは85〜100モル%、更に好ましくは99〜100モル%、より更に好ましくは100モル%である。
〔構成単位B〕
本発明に係るポリイミド樹脂に含まれる構成単位Bは、脂肪族ジアミン、及び芳香族ジアミンから選ばれる少なくとも1種のジアミンに由来する構成単位である。
構成単位Bは、炭素数4〜15の脂環式基を有するジアミンに由来する構成単位を含むことが好ましく、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンに由来する構成単位(B−1)、及び1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンに由来する構成単位(B−2)の少なくとも1種を含むことがより好ましい。1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンは、下記式(b−1)で表される化合物であり、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンは、下記式(b−2)で表される化合物である。
構成単位Bは、炭素数4〜15の脂環式基を有するジアミンに由来する構成単位を含むことで、低吸水性、透明性が向上する。
ここで脂環式基とは、炭素原子が環状に結合した構造を有する脂肪族炭化水素基である。
Figure 0006878948
式(b−1)及び(b−2)で表される化合物のシス:トランス比は、耐有機溶剤性、耐熱性の観点から、それぞれ、0:100〜100:0が好ましく、0:100〜80:20がより好ましく、0.1:99.9〜70:30が更に好ましく、0.5:99.5〜60:40がより更に好ましく、1:99〜20:80がより更に好ましい。
ポリイミド樹脂の構成単位B中の、構成単位(B−1)及び(B−2)の合計が占める割合は、低吸水性、透明性の観点から、10〜100モル%が好ましく、20〜90モル%がより好ましく、30〜80モル%が更に好ましく、40〜70モル%がより更に好ましく、40〜60モル%が特に好ましい。
炭素数4〜15の脂環式基を有するジアミンに由来する構成単位中の、構成単位(B−1)及び(B−2)の合計が占める割合は、低吸水性、透明性の観点から、60モル%以上が好ましく、80モル%以上がより好ましく、90モル%以上が更に好ましく、100モル%がより更に好ましい。
脂環式基を有するジアミンの炭素数は、4〜15であり、好ましくは6〜12であり、より好ましくは6〜8である。
構成単位Bは、耐熱性、機械物性の観点から、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジンに由来する構成単位(B−3)を含むことが好ましい。2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジンは、下記式(b−3)で表される化合物である。
Figure 0006878948
構成単位Bが構成単位(B−3)を含む場合には、構成単位Bに対する構成単位(B−3)の割合は、低吸水性の観点から、10〜90モル%が好ましく、20〜80モル%がより好ましく、30〜70モル%が更に好ましく、40〜60モル%がより更に好ましい。
構成単位Bが構成単位(B−3)を含む場合には、炭素数4〜15の脂環式基を有するジアミンに由来する構成単位と構成単位(B−3)とのモル比は、低吸水性、耐有機溶剤性、変形回復率の観点から、10:90〜99:1が好ましく、20:80〜90:10がより好ましく、40:60〜85:15が更に好ましく、40:60〜60:40が特に好ましい。
本発明に係るポリイミド樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲で、構成単位(B−1)、(B−2)及び(B−3)以外の構成単位を含んでいてもよい。
本発明に係るポリイミド樹脂を構成する構成単位B中の、構成単位(B−1)、(B−2)及び(B−3)の合計が占める割合は、好ましくは70〜100モル%、より好ましくは85〜100モル%、更に好ましくは99〜100モル%、より更に好ましくは100モル%である。
構成単位A及び構成単位Bの組み合わせとしては、低吸水性、透明性の観点から、構成単位Aが、構成単位(A−1)及び(A−2)から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、構成単位(A−1)及び(A−2)からなる、又は構成単位(A−1)からなることがより好ましい。そして、低吸水性、透明性の観点から、構成単位Bが、構成単位(B−1)、(B−2)及び(B−3)から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、構成単位(B−1)及び(B−2)から選ばれる少なくとも1種と構成単位(B−3)とからなることがより好ましく、構成単位(B−1)及び(B−3)からなる、又は構成単位(B−2)及び(B−3)からなることが更に好ましい。
〔ポリイミド樹脂の製造方法〕
本発明に係るポリイミド樹脂は、ジアミン成分とテトラカルボン酸成分を反応させることにより得られる。ジアミン成分及びテトラカルボン酸成分は、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
テトラカルボン酸成分としては、芳香族テトラカルボン酸、脂肪族テトラカルボン酸又はそれらの誘導体が挙げられる。
テトラカルボン酸の誘導体としては、該テトラカルボン酸の無水物又はアルキルエステルが挙げられる。
テトラカルボン酸のアルキルエステルとしては、アルキルの炭素数が1〜3であることが好ましく、例えば、テトラカルボン酸のジメチルエステル、ジエチルエステル、及びジプロピルエステルが挙げられる。
テトラカルボン酸成分は、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸及びその誘導体、並びに3,3’、4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸及びその誘導体から選択される少なくとも1つを含むことが好ましく、好ましくは4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物、及び3,3’、4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物から選択される少なくとも1つを含むことがより好ましい。
テトラカルボン酸成分として、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸及びその誘導体から選択される少なくとも1つを含んでいてもよい。この中で、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物が好ましい。1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物は、下記式(a−3)で表される化合物である。
Figure 0006878948
1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸及びその誘導体を含む場合に、その使用量は、透明性の観点から、全テトラカルボン酸成分に対して、10〜100モル%が好ましい。
上記以外のテトラカルボン酸成分としては、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸、ピロメリット酸、2,3,5,6−トルエンテトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸等の芳香族テトラカルボン酸及びそれらの誘導体;1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸、1,2,4,5−シクロペンタンテトラカルボン酸、ビシクロ[2.2.2]オクタ−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸、ジシクロヘキシルテトラカルボン酸、シクロペンタノンビススピロノルボルナンテトラカルボン酸又はこれらの位置異性体等の環式脂肪族テトラカルボン酸及びそれらの誘導体;並びに、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4−ペンタンテトラカルボン酸等又はこれらの位置異性体等の非環式脂肪族テトラカルボン酸及びそれらの誘導体が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらのテトラカルボン酸成分の使用量は、全テトラカルボン酸成分に対して、好ましくは20モル%以下、より好ましくは10モル%以下、更に好ましくは1モル%以下、より更に好ましくは0モル%である。
ジアミン成分は、芳香族ジアミン、脂肪族ジアミン又はこれらの混合物のいずれでもよい。なお、本発明において“芳香族ジアミン”とは、アミノ基が芳香族環に直接結合しているジアミンを表し、その構造の一部に脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、その他の置換基(例えば、ハロゲン原子、スルホニル基、カルボニル基、酸素原子等。)を含んでいてもよい。“脂肪族ジアミン”とは、アミノ基が脂肪族炭化水素基又は脂環式炭化水素基に直接結合しているジアミンを表し、その構造の一部に芳香族炭化水素基、その他の置換基(例えば、ハロゲン原子、スルホニル基、カルボニル基、酸素原子等。)を含んでいてもよい。
芳香族ジアミンとしては、例えばp−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、ベンジジン、o−トリジン、m−トリジン、ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、オクタフルオロベンジジン、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジフルオロ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,6−ジアミノナフタレン、1,5−ジアミノナフタレン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(2−メチル−4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(2,6−ジメチル−4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−(2−メチル−4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−(2,6−ジメチル−4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(2−メチル−4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(2,6−ジメチル−4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4−(2−メチル−4−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4−(2,6−ジメチル−4−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)エーテル、ビス(4−(2−メチル−4−アミノフェノキシ)フェニル)エーテル、ビス(4−(2,6−ジメチル−4−アミノフェノキシ)フェニル)エーテル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−メチル−4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2,6−ジメチル−4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2−メチル−4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2,6−ジメチル−4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、
2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−メチル−4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−エチル−4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(2,6−ジメチル−4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(2−メチル−4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(2,6−ジメチル−4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、α,α’−ビス(4−アミノフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(2−メチル−4−アミノフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(2,6−ジメチル−4−アミノフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(3−アミノフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−アミノフェニル)−1,3−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(2−メチル−4−アミノフェニル)−1,3−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(2,6−ジメチル−4−アミノフェニル)−1,3−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(3−アミノフェニル)−1,3−ジイソプロピルベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、9,9−ビス(2−メチル−4−アミノフェニル)フルオレン、9,9−ビス(2,6−ジメチル−4−アミノフェニル)フルオレン、1,1−ビス(4−アミノフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(2−メチル−4−アミノフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(2,6−ジメチル−4−アミノフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−アミノフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(2−メチル−4−アミノフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(2,6−ジメチル−4−アミノフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−アミノフェニル)4−メチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(4−アミノフェニル)ノルボルナン、1,1−ビス(2−メチル−4−アミノフェニル)ノルボルナン、1,1−ビス(2,6−ジメチル−4−アミノフェニル)ノルボルナン、1,1−ビス(4−アミノフェニル)アダマンタン、1,1−ビス(2−メチル−4−アミノフェニル)アダマンタン、1,1−ビス(2,6−ジメチル−4−アミノフェニル)アダマンタン等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中で、低吸水性、透明性の観点から、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、1,4−ビス(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、及び4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニルが好ましく、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジンがより好ましい。
2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジンの使用量は、全ジアミン成分に対して、好ましくは10〜90モル%、より好ましくは20〜80モル%、更に好ましくは30〜70モル%、より更に好ましくは40〜60モル%である。
ジアミン成分として、1,4−ビス(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、及び4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニルを用いる場合には、組み合わせるテトラカルボン酸成分としては、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸及びその誘導体を含むことが好ましい。1,4−ビス(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、及び4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニルの合計使用量は、全ジアミン成分に対して、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上、更に好ましくは100モル%である。
2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、1,4−ビス(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、及び4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル以外の芳香族ジアミンの使用量は、全ジアミン成分に対して、好ましくは20モル%以下、より好ましくは10モル%以下、更に好ましくは1モル%以下、より更に好ましくは0モル%である。
脂肪族ジアミンとしては、例えばエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ポリエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、ポリプロピレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、1,4−ビス(2−アミノ−イソプロピル)ベンゼン、1,3−ビス(2−アミノ−イソプロピル)ベンゼン、イソフォロンジアミン、ノルボルナンジアミン、シロキサンジアミン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、2,3−ビス(アミノメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,5−ビス(アミノメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,6−ビス(アミノメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,2−ビス(4,4’−ジアミノシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4’−ジアミノメチルシクロヘキシル)プロパン等が挙げられる。
脂肪族ジアミンは、炭素数4〜15の脂環式基を有するジアミンが好ましく、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、イソフォロンジアミン、ノルボルナンジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)イソプロピリデン等の脂肪族ジアミンからなる群から選択される少なくとも1つがより好ましく、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、及び1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンからなる群から選択される少なくとも1つが更に好ましい。
炭素数4〜15の脂環式基を有するジアミンの使用量は、全ジアミン成分に対して、低吸水性、透明性の観点から、好ましくは10〜100モル%、より好ましくは20〜90モル%、更に好ましくは30〜80モル%、より更に好ましくは40〜70モル%であり、より更に好ましくは40〜60モル%である。
炭素数4〜15の脂環式基を有するジアミン以外の脂肪族ジアミンの使用量は、全ジアミン成分に対して、好ましくは10モル%以下、より好ましくは5モル%以下、更に好ましくは1モル%以下、より更に好ましくは0モル%である。
本発明に係るポリイミド樹脂を製造する際、テトラカルボン酸成分とジアミン成分との仕込み量比は、テトラカルボン酸成分1モルに対してジアミン成分が0.9〜1.1モルであることが好ましい。
本発明に係るポリイミド樹脂を製造する際、前記テトラカルボン酸成分、前記ジアミン成分の他に、末端封止剤を用いてもよい。末端封止剤としてはモノアミン類あるいはジカルボン酸類が好ましい。導入される末端封止剤の仕込み量としては、テトラカルボン酸成分1モルに対して0.0001〜0.1モルが好ましく、0.001〜0.06モルがより好ましい。モノアミン類末端封止剤としては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ベンジルアミン、4−メチルベンジルアミン、4−エチルベンジルアミン、4−ドデシルベンジルアミン、3−メチルベンジルアミン、3−エチルベンジルアミン、アニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン等が挙げられる。これらのうち、ベンジルアミン、アニリンが好ましい。ジカルボン酸類末端封止剤としては、ジカルボン酸類が好ましく、その一部を閉環していてもよい。例えば、フタル酸、無水フタル酸、4−クロロフタル酸、テトラフルオロフタル酸、2,3−ベンゾフェノンジカルボン酸、3,4−ベンゾフェノンジカルボン酸、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸、シクロペンタン−1,2−ジカルボン酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸等が挙げられる。これらのうち、フタル酸、無水フタル酸が好ましい。
前述のテトラカルボン酸成分とジアミン成分とを反応させる方法には特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。
具体的な反応方法としては、(1)テトラカルボン酸成分、ジアミン成分、及び反応溶剤を反応器に仕込み、室温〜80℃で0.5〜30時間撹拌し、アミノカルボン酸を生成させ、その後に昇温してイミド化反応を行う方法、(2)ジアミン成分及び反応溶剤を反応器に仕込んで溶解させた後、テトラカルボン酸成分を仕込み、必要に応じて室温〜80℃で0.5〜30時間撹拌し、その後に昇温してイミド化反応を行う方法、(3)テトラカルボン酸成分、ジアミン成分、及び反応溶剤を反応器に仕込み、直ちに昇温してイミド化反応を行う方法等が挙げられる。
本発明に係るポリイミド樹脂の製造に用いられる反応溶剤は、イミド化反応を阻害せず、生成するポリイミド樹脂を溶解できるものであればよい。例えば、非プロトン性溶剤、フェノール系溶剤、エーテル系溶剤、カーボネート系溶剤等が挙げられる。
非プロトン性溶剤の具体例としては、N,N−ジメチルイソブチルアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルカプロラクタム、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、テトラメチル尿素等のアミド系溶剤、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等のラクトン系溶剤、ヘキサメチルホスホリックアミド、ヘキサメチルホスフィントリアミド等の含リン系アミド系溶剤、ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の含硫黄系溶剤、アセトン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等のケトン系溶剤、ピコリン、ピリジン等のアミン系溶剤、酢酸(2−メトキシ−1−メチルエチル)等のエステル系溶剤等が挙げられる。
フェノール系溶剤の具体例としては、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール等が挙げられる。
エーテル系溶剤の具体例としては、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)エタン、ビス〔2−(2−メトキシエトキシ)エチル〕エーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等が挙げられる。
また、カーボネート系溶剤の具体例としては、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等が挙げられる。
上記反応溶剤の中でも、非プロトン性溶剤が好ましく、アミド系溶剤又はラクトン系溶剤がより好ましい。また、上記の反応溶剤は単独で又は2種以上混合して用いてもよい。
イミド化反応では、ディーンスターク装置などを用いて、製造時に生成する水を除去しながら反応を行うことが好ましい。このような操作を行うことで、重合度及びイミド化率をより上昇させることができる。
上記のイミド化反応においては、公知のイミド化触媒を用いることができる。イミド化触媒としては、塩基触媒又は酸触媒が挙げられる。
塩基触媒としては、ピリジン、キノリン、イソキノリン、α−ピコリン、β−ピコリン、2,4−ルチジン、2,6−ルチジン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、イミダゾール、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン等の有機塩基触媒、水酸化カリウムや水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基触媒が挙げられる。
また、酸触媒としては、クロトン酸、アクリル酸、トランス−3−ヘキセノイック酸、桂皮酸、安息香酸、メチル安息香酸、オキシ安息香酸、テレフタル酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸等が挙げられる。上記のイミド化触媒は単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記触媒の中でも、取り扱い性の観点から、塩基触媒が好ましく、有機塩基触媒がより好ましく、トリエチルアミンが更に好ましい。
上記触媒を用いる場合、イミド化反応の温度は、反応率及びゲル化等の抑制の観点から、好ましくは120〜250℃、より好ましくは160〜190℃である。また、反応時間は、生成水の留出開始後、好ましくは0.5〜10時間である。
なお、イミド化触媒を用いない場合のイミド化反応の温度は、好ましくは200〜350℃である。
〔ポリイミド樹脂〕
本発明に係るポリイミド樹脂の数平均分子量は、得られるポリイミドフィルムの機械的強度の観点から、好ましくは5,000〜100,000である。なお、ポリイミド樹脂の数平均分子量は、ゲルろ過クロマトグラフィー等により測定することができる。
本発明に係るポリイミド樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲で、種々の添加剤を混合してポリイミド樹脂組成物としてもよい。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、光安定剤、界面活性剤、難燃剤、可塑剤、高分子化合物等が挙げられる。
高分子化合物としては、本発明に係るポリイミド樹脂以外のポリイミド、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリエーテルスルホン、ポリカルボン酸、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリブチレン、ポリプロピレン、ポリアクリルアミド、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。
後述するポリイミドフィルムを形成する際に、本発明に係るポリイミド樹脂を含む溶液を用いることが好ましい。前記ポリイミド樹脂を含む溶液の固形分濃度は、後述するポリイミドフィルムを形成する際の作業性等に応じて適宜選択することができ、ポリイミド樹脂の製造に用いられる反応溶剤を揮発させて濃縮する、または、有機溶剤を添加することにより該ポリイミド樹脂を含む溶液の固形分濃度や粘度を調整してもよい。該有機溶剤は、ポリイミド樹脂を溶解させることができるものであれば特に限定されない。
前記ポリイミド樹脂を含む溶液の固形分濃度は5〜60質量%が好ましく、10〜45質量%がより好ましい。ポリイミド樹脂の粘度は1〜200Pa・sが好ましく、5〜150Pa・sがより好ましい。
本発明のポリイミドフィルム積層体は、ポリイミド樹脂層と、該ポリイミド樹脂層の少なくとも一方の面にプライマー層とを有する。柔軟性及び高表面硬度性の観点から、プライマー層が、ポリイミド樹脂層の両面に設けられていることが好ましい。
〔ポリイミド樹脂層〕
本発明に係るポリイミド樹脂層は、本発明に係るポリイミド樹脂を用いてなるポリイミドフィルムからなることが好ましい。
前記ポリイミドフィルムの作製方法には特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。例えば、前記ポリイミド樹脂を含む溶液、又は前記ポリイミド樹脂を含む溶液と既述の種々の添加剤とを含む樹脂組成物を、ガラス板、金属板、プラスチックなどの平滑な支持体上に塗布、又はフィルム状に成形した後、該有機溶剤を除去する方法等が挙げられる。
前記ポリイミド樹脂を含む溶液は、重合法により得られるポリイミド樹脂溶液そのものであってもよい。また、前記ポリイミド樹脂溶液に対してポリイミド樹脂が溶解する溶媒として前記で例示された化合物から選ばれる少なくとも1種を混合したものでもよい。上記のようにポリイミド樹脂を含む溶液の固形分濃度や粘度を調整することにより、ポリイミドフィルムの厚さを容易に制御することができる。
前記支持体の表面に、必要に応じて離形剤を塗布してもよい。上記支持体に前記ポリイミド樹脂を含む溶液を塗布した後、加熱して溶媒成分を蒸発させる方法としては、以下の方法が好ましい。すなわち、120℃以下の温度で溶剤を蒸発させて自己支持性フィルムとした後、該自己支持性フィルムを支持体より剥離し、該自己支持性フィルムの端部を固定し、用いた溶媒成分の沸点以上350℃以下の温度で乾燥してポリイミドフィルムを製造することが好ましい。また、窒素雰囲気下で乾燥することが好ましい。乾燥雰囲気の圧力は、減圧、常圧、加圧のいずれでもよい。
本発明に係るポリイミド樹脂層の厚みは用途等に応じて適宜選択することができるが、好ましくは10〜200μm、より好ましくは10〜100μm、更に好ましくは10〜80μmの範囲である。ポリイミド樹脂層の厚みが10〜200μmであることで、自立膜としての実用的な使用が可能となる。
〔プライマー層〕
プライマー層は、アクリル系樹脂、及びウレタンアクリレート系樹脂から選ばれる少なくとも1種を含む。前記プライマー層を有することで、ポリイミドフィルムが持つ柔軟性を損なうことなく、積層体の表面硬度を高めることができる。これらの中でも、高表面硬度性の観点から、ウレタンアクリレート系樹脂が好ましい。
アクリル系樹脂としては、(メタ)アクリル系単量体の単独又は共重合体、及び(メタ)アクリル系単量体と(メタ)アクリル系単量体以外の共重合性単量体との共重合体等が挙げられる。ここで、(メタ)アクリル系単量体とは、アクリル系単量体、又はメタクリル系単量体を表す。
(メタ)アクリル系単量体として、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。ここで(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを表す。
(メタ)アクリル系単量体以外の共重合性単量体としては、具体的には、スチレン、α−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン等の芳香族ビニル系モノマーが挙げられる。
アクリル系樹脂としては市販品を用いることもできる。
ウレタンアクリレート系樹脂としては、例えば、イソシアネート化合物にヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート、イソシアネート化合物に多価アルコールを反応させて得られるウレタンプレポリマーに、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート、前記ウレタンプレポリマーに(メタ)アクリロイル基含有イソシアネート化合物を反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。ここで、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基、又はメタクリロイル基を表す。ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートを用いてウレタン(メタ)アクリレートを製造する場合は、ウレタンプレポリマーの末端はイソシアネート基となるように制御する。一方、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートの代わりに(メタ)アクリロイル基含有イソシアネート化合物を使用する場合は、ウレタンプレポリマーの末端はヒドロキシ基となるように制御する。
ウレタンアクリレート系樹脂としては市販品を用いることもでき、例えば株式会社トクシキ製AUP−3110,AUP−3120等を用いることができる。
イソシアネート化合物としては、メチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソプロピリデンジシクロヘキシルジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート;α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香環を有する脂肪族ジイソシアネート;トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート等が挙げられる。イソシアネート化合物は、単独または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
多価アルコールとしては、一般的に芳香族、脂肪族および脂環式のポリオールのほか、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール等が使用される。
脂肪族および脂環式のポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール等の脂肪族ジオール;1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA等の脂環族ジオール;グリセリン、2−メチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルペンタン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、2−メチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ペンタン、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−3−ブタノール等の脂肪族トリオール;テトラメチロールメタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、キシリトール等のヒドロキシ基を4つ以上有するポリオール等が挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、前記ポリオールと多塩基性カルボン酸またはその無水物との脱水縮合反応により得られるものである。多塩基性カルボン酸の具体的な化合物としては、コハク酸、無水コハク酸、アジピン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などが挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘプタメチレングリコール等のポリアルキレングリコールのほか、前記ポリオールまたはフェノール類とアルキレンオキサイドとの反応により得られるポリオキシアルキレン変性ポリオール等が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては前記ポリオールとジアルキルカーボネート、アルキレンカーボネート、ジフェニルカーボネート等のカーボネート化合物との反応により得られるものが挙げられる。
ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートは、単独または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(メタ)アクリロイル基含有イソシアネート化合物としては、例えば、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとイソホロンジイソシアネートとの反応物、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートとイソホロンジイソシアネートとの反応物、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートとイソホロンジイソシアネートとの反応物等が挙げられる。
ウレタンアクリレート系樹脂の重量平均分子量は、2,500〜100,000が好ましく、3,000〜70,000がより好ましく、5,000〜50,000が更に好ましい。
プライマー層の厚みは、好ましくは0.1〜30μm、より好ましくは1〜20μm、更に好ましくは5〜15μmである。
プライマー層の厚みが0.1〜30μmであると、ポリイミドフィルムが持つ柔軟性を損なうことなく、積層体の表面硬度が向上する。
プライマー層を形成する方法としては、特に限定されないが、プライマー層形成用材料をポリイミド樹脂層の少なくとも一方の面に塗布した後に硬化する方法が好ましい。
プライマー層形成用材料としては、アクリル系樹脂、及びウレタンアクリレート系樹脂以外の成分として、(メタ)アクリル系単量体、ラジカル重合開始剤等が含まれていてもよい。
塗布方法としては特に限定されないが、ダイコーター、コンマコーター、カーテンコーター、グラビアコーター、ロールコーター、スプレーコーター、スピンコーター、インクジェットなど、従来公知の方法を用いることができる。
硬化方法としては特に限定されないが、活性エネルギー線を照射及び/又は加熱する方法が好ましい。活性エネルギー線としては、赤外線、可視光線、紫外線、X線、電子線、α線、β線、γ線等が挙げられる。装置コストや生産性の観点から電子線又は紫外線を利用することが好ましい。
加熱により硬化する場合の硬化温度は、好ましくは30〜150℃であり、より好ましくは40〜120℃、更に好ましくは50〜100℃である。
硬化する際には、空気、窒素やアルゴン等の不活性ガスのいずれの雰囲気下であってもよいが、酸素阻害を抑制するため不活性ガス下またはフィルムやガラスと金属金型との間の密閉空間で照射するのが望ましい。
〔ハードコート層〕
本発明のポリイミドフィルム積層体は、耐擦傷性等を付加するために、プライマー層のポリイミド樹脂層側とは反対側の面に、さらにハードコート層が設けられていてもよい。
ハードコート層の形成材料、形成方法及びその厚みは、特に制限されず、目的に応じて適宜選択することができる。ハードコート層には金属酸化物粒子や紫外線吸収剤を含むことができる。
ハードコート層としては、特に制限はなく、例えば、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル系樹脂、アミド系樹脂、及びフッ素系樹脂等が挙げられる。ハードコート層の厚みとしては、1〜50μmが好ましい。
本発明のポリイミドフィルム積層体は、各種部材用のフィルムとして好適に用いられる。具体的には、カラーフィルター、フレキシブルディスプレイ、半導体部品、光学部材等が挙げられる。
以下実施例により本発明を具体的に説明する。但し本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。
本実施例において、固形分濃度及びフィルム厚さは下記のようにして求めた。
(1)固形分濃度:
ポリイミド樹脂の固形分濃度の測定は、アズワン株式会社製、小型電気炉MMF−1で試料を300℃×30minで加熱し、加熱前後の試料重量差から算出した。
(2)フィルム厚さ:
フィルム厚さの測定は、株式会社ミツトヨ製、マイクロメーターを用いて測定した。
本実施例で用いたポリイミドフィルム及びポリイミドフィルム積層体の物性は以下に示す方法によって測定した。
(1)表面硬度
表面硬度を鉛筆硬度測定法により評価した。新東科学株式会社製、表面性試験機HEIDON Type:14FWを用い、移動速度100mm/min、荷重750gの条件で、鉛筆を測定面に対して角度45°で押すように取り付け鉛筆硬度を測定した。欠陥によって痕が生じるまで、鉛筆の硬さを順次増し、痕が生じない鉛筆の硬さを鉛筆硬度とした。
(2)耐クリープ性
専用治具を用い、積層体フィルムを折り曲げた時の半径が3mmになるようにセットし、60℃、90%RH、240hの環境下におき、取り出した時のフィルムの傾き(戻りの角度)を評価した。
(3)耐折り曲げ性
専用の装置を用い、積層体フィルムを折り曲げた時の半径が3mmになるようにセットし、50万回繰り返し折り曲げた後に、フィルムにクラック(割れ)が発生するか評価した。○:クラックなし、×:クラックあり。
[製造例1]
ステンレス製半月型攪拌翼、窒素導入管、冷却管を取り付けたディーンスターク装置、温度計、ガラス製エンドキャップを備えた300mLの5つ口丸底フラスコに、ジアミン成分として1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン(三菱ガス化学株式会社製、trans比85%)5.010g(0.035モル)及び2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(和歌山精化工業株式会社製)11.280g(0.035モル)、有機溶媒としてγ−ブチロラクトン(三菱化学株式会社製)54.22g、イミド化触媒としてトリエチルアミン(関東化学株式会社製)0.356gを投入し、系内温度70℃、窒素雰囲気下、回転数200rpmで攪拌して溶液を得た。これにテトラカルボン酸成分として4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物(ダイキン株式会社製)31.295g(0.070モル)と有機溶媒であるγ−ブチロラクトン(三菱化学株式会社製)13.55gを一括で添加した後、マントルヒーターで加熱し、約20分かけて反応系内温度を190℃まで上げた。留去される成分を捕集し、回転数を粘度上昇に合わせて調整しつつ、反応系内温度を190℃に保持して2時間還流することでポリイミド溶液を得た。その後、反応系内温度が120℃まで冷却したらN,N−ジメチルアセトアミド(三菱ガス化学株式会社製)112.95gを添加して、さらに約3時間攪拌して均一化し、固形分濃度20質量%のポリイミド樹脂溶液(A)を得た。
続いて、ポリイミド樹脂溶液(A)をガラス基板上に塗布し、60℃で30分、100℃で1時間保持し、溶媒を揮発させることで自己支持性を有する無色透明な一次乾燥フィルムを得、さらに該フィルムをステンレス枠に固定し、280℃で窒素雰囲気下、2時間乾燥することにより溶媒を除去し、厚み30μmのフィルムを得た。得られたフィルムのFT−IR分析により原料ピークの消失及びイミド骨格に由来するピークの出現を確認した。このポリイミドフィルムの鉛筆硬度は6B未満であった。
[製造例2]
ステンレス製半月型攪拌翼、窒素導入管、冷却管を取り付けたディーンスターク装置、温度計、ガラス製エンドキャップを備えた300mLの5つ口丸底フラスコに、ジアミン成分として1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン(三菱ガス化学株式会社製、trans比30%)5.690g(0.040モル)及び2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(和歌山精化工業株式会社製)12.810g(0.040モル)、有機溶媒としてγ−ブチロラクトン(三菱化学株式会社製)49.42g、イミド化触媒としてトリエチルアミン(関東化学株式会社製)0.406gを投入し、系内温度70℃、窒素雰囲気下、回転数200rpmで攪拌して溶液を得た。これにテトラカルボン酸成分として4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物(ダイキン株式会社製)17.837g(0.040モル)、3,3’、4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(三菱化学株式会社製)11.813g(0.040モル)と有機溶媒であるγ−ブチロラクトン(三菱化学株式会社製)12.35gを一括で添加した後、マントルヒーターで加熱し、約20分かけて反応系内温度を190℃まで上げた。留去される成分を捕集し、回転数を粘度上昇に合わせて調整しつつ、反応系内温度を190℃に保持して2時間還流することでポリイミド溶液を得た。その後、反応系内温度が120℃まで冷却したらN,N−ジメチルアセトアミド(三菱ガス化学株式会社製)102.949gを添加して、さらに約3時間攪拌して均一化し、固形分濃度20質量%のポリイミド樹脂溶液(B)を得た。
続いて、ポリイミド樹脂溶液(B)をガラス基板上に塗布し、60℃で30分、100℃で1時間保持し、溶媒を揮発させることで自己支持性を有する無色透明な一次乾燥フィルムを得、さらに該フィルムをステンレス枠に固定し、280℃で窒素雰囲気下、2時間乾燥することにより溶媒を除去し、厚み30μmのフィルムを得た。得られたフィルムのFT−IR分析により原料ピークの消失及びイミド骨格に由来するピークの出現を確認した。このポリイミドフィルムの鉛筆硬度は6Bであった。
[実施例1]
製造例2でポリイミド樹脂溶液(B)から得られた厚さ30μmのフィルム上に、両面にプライマー溶液(株式会社トクシキ製 AUP−1510)を硬化後の厚み10μmになるように塗工し、70℃で5分間乾燥させた後、UV照射機に投入し硬化させポリイミドフィルム積層体を得た。評価結果を表1に示す。
[実施例2]
製造例1で合成したポリイミド樹脂溶液(A)から製造例1と同様の方法で得られた厚さ50μmのフィルム上に、両面にプライマー溶液(株式会社トクシキ製 AUP−1510)を硬化後の厚み10μmになるように塗工し、70℃で5分間乾燥させた後、UV照射機に投入し硬化させポリイミドフィルム積層体を得た。評価結果を表1に示す。
[実施例3]
実施例1において、プライマー溶液を株式会社トクシキ製のAUP−1510の変わりに、AUP−1564を使用したこと以外は実施例1と同様にして、実施例3のポリイミドフィルム積層体を得た。評価結果を表1に示す。
[実施例4]
実施例3において、ポリイミド樹脂溶液(B)から得られたフィルムの厚みを40μmとしたこと以外は実施例3と同様にして、実施例4のポリイミドフィルム積層体を得た。評価結果を表1に示す。
[実施例5]
実施例1において、プライマー溶液を株式会社トクシキ製のAUP−1510の変わりに、AUP−1565を使用したこと以外は実施例1と同様にして、実施例5のポリイミドフィルム積層体を得た。評価結果を表1に示す。
[実施例6]
実施例5において、ポリイミド樹脂溶液(B)から得られたフィルムの厚みを40μmとしたこと以外は実施例5と同様にして、実施例6のポリイミドフィルム積層体を得た。評価結果を表1に示す。
[実施例7]
実施例2において、ポリイミド樹脂溶液(A)から得られたフィルムの厚みを30μmとしたこと、そして、プライマー溶液を株式会社トクシキ製のAUP−1510の変わりに、AUP−1396を使用して硬化後の厚み5μmになるように塗工したこと以外は実施例2と同様にして、実施例7のポリイミドフィルム積層体を得た。評価結果を表1に示す。
[実施例8]
実施例7において、プライマー溶液を株式会社トクシキ製のAUP−1396の変わりに、アイカ工業株式会社製Z−850Lを使用して硬化後の厚み2μmになるように塗工したこと以外は実施例7と同様にして、実施例8のポリイミドフィルム積層体を得た。評価結果を表1に示す。
[実施例9]
実施例7において、プライマー溶液を株式会社トクシキ製のAUP−1396の変わりに、アイカ工業株式会社製Z−819Lを使用して硬化後の厚み1μmになるように塗工したこと以外は実施例7と同様にして、実施例9のポリイミドフィルム積層体を得た。評価結果を表1に示す。
Figure 0006878948
表中の略号は以下のとおりである。
6FDA:4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物〔式(a−1)で表される化合物〕
BPDA:3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物〔式(a−2)で表される化合物〕
1,4−BAC:trans比85%:1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン〔シス:トランス=15:85(モル比)、式(b−1)で表される化合物〕
1,3−BAC:trans比30%:1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン〔シス:トランス=70:30(モル比)式(b−2)で表される化合物〕
TFMB:2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン〔式(b−3)で表される化合物〕
AUP−1510:株式会社トクシキ製、ウレタンアクリレート系樹脂
AUP−1564:株式会社トクシキ製、ウレタンアクリレート系樹脂
AUP−1565:株式会社トクシキ製、ウレタンアクリレート系樹脂
AUP−1396:株式会社トクシキ製、ウレタンアクリレート系樹脂
Z−850L:アイカ工業株式会社製、ウレタンアクリレート系樹脂
Z−819L:アイカ工業株式会社製、ウレタンアクリレート系樹脂
表1から、実施例1〜9のポリイミドフィルム積層体は、ポリイミド樹脂からなるフィルムと比べて表面硬度性が向上し、柔軟性及び高表面硬度性のいずれも良好でバランスがとれている。

Claims (7)

  1. ポリイミド樹脂層と、該ポリイミド樹脂層の少なくとも一方の面にプライマー層とを有する、ポリイミドフィルム積層体であって、
    ポリイミド樹脂層が、芳香族テトラカルボン酸二無水物、及び脂肪族テトラカルボン酸二無水物から選ばれる少なくとも1種のテトラカルボン酸二無水物に由来する構成単位Aと、脂肪族ジアミン、及び芳香族ジアミンから選ばれる少なくとも1種のジアミン化合物に由来する構成単位Bとを有するポリイミド樹脂を含み、
    プライマー層が、アクリル系樹脂(ただし、分子内にウレタン結合を有さない)、及びウレタンアクリレート系樹脂から選ばれる少なくとも1種を含み、
    構成単位Aが、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物、及びビフェニルテトラカルボン酸二無水物から選ばれる少なくとも1種のテトラカルボン酸二無水物に由来する構成単位を含み、
    構成単位Bが、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンに由来する構成単位及び1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンに由来する構成単位からなる群より選ばれる少なくとも1種と、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジンに由来する構成単位とからなる、ポリイミドフィルム積層体。
  2. 構成単位Aが、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物、及びビフェニルテトラカルボン酸二無水物に由来する構成単位からなる、又は4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物に由来する構成単位からなる、請求項に記載のポリイミドフィルム積層体。
  3. 構成単位Bが、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、及び1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンに由来する構成単位からなる、又は2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、及び1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンに由来する構成単位からなる、請求項又はに記載のポリイミドフィルム積層体。
  4. プライマー層がウレタンアクリレート系樹脂を含む、請求項1〜のいずれかに記載のポリイミドフィルム積層体。
  5. ポリイミド樹脂層の厚みが、10〜200μmである、請求項1〜のいずれかに記載のポリイミドフィルム積層体。
  6. プライマー層の厚みが、0.1〜30μmである、請求項1〜のいずれかに記載のポリイミドフィルム積層体。
  7. プライマー層のポリイミド樹脂層側とは反対側の面に、さらにハードコート層を有する、請求項1〜のいずれかに記載のポリイミドフィルム積層体。
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