JP2022074055A - 美容方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】皮膚外部からの刺激及び/又は内部からの刺激から皮膚を適切に保護する美容方法を提供すること。【解決手段】平均繊維径0.01~7μmの繊維を含む堆積物からなる被膜を皮膚上に適用し、1~12時間保持する工程(工程I)を有する、皮膚を保護することによる美容方法。【選択図】なし

Description

本発明は、皮膚を保護することによる美容方法に関する。
身体は外部から種々の刺激を絶えず受けており、皮膚はこれらの影響から身体内部を保護し、内部環境を維持する重要な役割を果たしている。当該皮膚の外部からの刺激としては、物理的・化学的刺激などがあり、皮膚はこれらの刺激から身体を保護する機能を有している。
物理的・化学的刺激としては、花粉や、ばい煙、粉塵などの大気有害物質などが付着することによって引き起こされる刺激が挙げられる。また、最近は、感染症予防のためにマスクを長時間着用することによる皮膚の擦れを原因とする皮膚トラブルが発生している。
また、皮膚の内部から皮脂や汗が皮膚上に過剰に分泌された場合には皮膚上において、ニキビ、あせも、脂漏性湿疹、落屑、肌理の乱れ、毛穴目立ち、不全角化の亢進などの皮膚トラブルが発生することがある。
従来、皮膚、特に顔面に付着した汚れや皮脂などを除去するための清浄用シートとして、油性物質吸収ドライシート(特許文献1)、水性組成物含浸ウェットシート(特許文献2)、皮膚洗浄用シート(特許文献3)などが知られている。また、花粉、大気有害物質に対しても、マスクの着用が行われる。
特開平11-290127号公報 特開2002-255737号公報 特開2001-314342号公報
しかしながら、前記シート製剤では、汚れや皮脂などを十分に除去できない場合がある。また、前記のように感染症予防や、花粉、大気有害物質に対するマスクの着用により、皮膚トラブルが発生している。
従って、本発明は、皮膚外部からの刺激及び/又は内部からの刺激から皮膚を適切に保護する美容方法を提供するものである。
そこで本発明者等は、皮膚の保護方法について種々検討した結果、皮膚トラブルが生じる部位に特定の繊維径の繊維を含む堆積物を皮膚に適用し、一定時間保持すれば、当該堆積物が長時間皮膚を保護し、種々の皮膚トラブルの発生を防止できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、平均繊維径0.01~7μmの繊維を含む堆積物からなる被膜を皮膚上に適用し、1~12時間保持する工程(工程I)を有する、皮膚を保護することによる美容方法を提供するものである。
本発明のように平均繊維径0.01~7μmの繊維を含む堆積物からなる被膜を皮膚上に適用し、1~12時間保持すれば、外部からの刺激物質の被膜への付着が皮膚への付着に比べて抑制されるとともに、外部からの刺激物質を当該被膜が吸着して皮膚への到達を防ぎ、当該被膜は皮膚から容易に除去できる。また、皮脂などの皮膚内部から過剰に分泌された成分の刺激に対しては、不飽和脂肪酸などの皮膚のトラブルの原因となる物質を選択的に吸着除去できる。また、長時間のマスク着用による皮膚の擦れによる皮膚トラブルを防止できる。
本発明で好適に用いられる静電スプレー装置の構成を示す概略図である。 静電スプレー装置を用いて静電スプレー法を行う様子を示す模式図である。 繊維の堆積物からなる被膜を形成した人工皮革への粉塵(黒鉛粉末)の付着率を示す図である。エフェクター:乳液処理、FF:繊維の堆積物からなる被膜形成、fixer:液剤処理、UV:市販のサンスクリーン(商品名:エスト UVプロテクトセラム、花王社製)処理。 繊維の堆積物からなる被膜を剥離した後の人工皮革表面への粉塵(黒鉛粉末)の残存率を示す図である。エフェクター:乳液処理、FF:繊維の堆積物からなる被膜形成、fixer:液剤処理、UV:市販のサンスクリーン(商品名:エスト UVプロテクトセラム、花王社製)処理。 マスク着用による擦れに対する繊維の堆積物からなる被膜形成の効果を示す図である。FF:繊維の堆積物からなる被膜形成。 繊維の堆積物からなる被膜形成による分泌皮脂吸着効果を示す図である。FF:繊維の堆積物からなる被膜形成。 繊維の堆積物からなる被膜形成による分泌皮脂吸着効果を示す図である。FF:繊維の堆積物からなる被膜形成。
本発明の美容方法は、平均繊維径0.01~7μmの繊維を含む堆積物からなる被膜を皮膚上に適用し、1~12時間保持する工程(工程I)を有する、皮膚を保護することによる美容方法である。
本発明方法が適用される皮膚は、保護が必要とされる皮膚であり、具体的には、皮膚外部からの刺激を受ける機会が多い皮膚及び/又は皮膚内部からの刺激を受ける機会が多い皮膚である。ここで、本発明方法が適用される皮膚は、身体全体の皮膚を意味するのではなく、皮膚外部からの刺激及び/又は皮膚内部からの刺激を受ける機会が多いことがわかっており、保護が必要とされる部位の皮膚である。具体的には、顔、首、手、足などの日中衣服に覆われる機会が少ない部位の皮膚や、顔、腋など皮脂や汗が過剰に分泌される機会の多い部位の皮膚である。
皮膚外部からの刺激としては、物理的・化学的刺激などが挙げられる。
物理的・化学的刺激としては、花粉や、大気有害物質などの微細な物質による皮膚刺激、またマスク着用による皮膚刺激などが挙げられる。
花粉としては、スギ、ヒノキ、ハンノキ、シラカンバなどの樹木の花粉、カモガヤ、ハルガヤ、ブタクサなどの草の花粉などが挙げられる。
大気有害物質としては、硫黄酸化物、ばいじん、窒素酸化物などのばい煙、粉じん、自動車排出ガス、ベンゼン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンなどの有害大気汚染物質、揮発性有機化合物(VOC)等を含む粒子、黄砂などの大気中に浮遊する有害物質(PM2.5を含む)などが挙げられる。
より具体的には、花粉自動測定器により計測された、1時間平均の花粉数(個/m3)が、20以上、より好ましくは50以上、さらに好ましくは100以上、よりさらに好ましくは300以上、よりさらに好ましくは500以上、よりさらに好ましくは1000以上の時に使用するのが好ましい。
また、空気質指数(Air Quality Index)が、51以上、より好ましくは101以上、さらに好ましくは151以上、よりさらに好ましくは201以上、よりさらに好ましくは301以上の時に使用するのが好ましい。
また、高温多湿な環境下において使用するのが好ましい。さらに、気温が、25℃以上、より好ましくは30℃以上、さらに好ましくは35℃以上であり、且つ湿度が40%以上、より好ましくは50%以上、さらに好ましくは60%以上の時に使用するのが好ましい。
マスク着用による皮膚刺激としては、マスク着用による擦れなどの皮膚刺激が挙げられる。
ここで、マスクとしては、口及び鼻部分を覆う衛生用マスクであり、アラミド繊維、ガラス繊維、セルロース繊維、ナイロン繊維、ビニロン繊維、ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリオレフィン繊維、レーヨン繊維、コットン繊維、ウレタン等の素材で形成されたマスクが挙げられる。
皮膚内部からの刺激としては、皮膚から過剰分泌された成分による刺激、例えば皮脂及び/又は汗による刺激が挙げられる。皮脂は、大部分がトリグリセリド、ワックスエステル、スクアレンで構成されるが、トリグリセリドは皮膚の常在菌によって分解されるので、分泌される皮脂には、脂肪酸、ワックスエステル、ステロールエステル、コレステロール、コレステロールエステル、スクアレンが含まれる。脂肪酸のうち、飽和脂肪酸より不飽和脂肪酸の方が多く、不飽和脂肪酸は炎症などの原因となっていると言われている。また、皮脂が太陽光などによって酸化されて生じる過酸化脂質も炎症などの原因となっていると言われている。
本発明方法によれば、これらの皮膚外部からの刺激及び/又は皮膚内部からの刺激に対して、皮膚を保護することができる。
具体的には、皮膚外部からの刺激のうち、物理的・化学的刺激、例えば、花粉、大気有害物質などの微細な物質による皮膚刺激に対しては、本発明により、平均繊維径0.01~7μmの繊維を含む堆積物からなる被膜を皮膚上に適用し、1~12時間保持すれば、外部からの刺激物質の被膜への付着が皮膚への付着に比べて抑制されるとともに、外部からの刺激物質を当該被膜が吸着して皮膚への到達を防ぎ、当該被膜は皮膚から容易に除去できる。
また、皮膚外部からの刺激のうち、マスク着用による皮膚刺激に対しては、平均繊維径0.01~7μmの繊維を含む堆積物からなる被膜を皮膚上に適用し、1~12時間保持すれば、皮膚の擦れによる皮膚トラブルを防止できる。
皮脂などの皮膚内部からの刺激に対しては、平均繊維径0.01~7μmの繊維を含む堆積物からなる被膜を皮膚上に適用し、1~12時間保持すれば、不飽和脂肪酸などの皮膚のトラブルの原因となる物質を選択的に吸着除去できる。
より具体的には、Tゾーン(額と鼻のまわりの部分)などの皮脂の分泌量が多い場所に使用するのが好ましい。また、肌タイプが脂性肌の人に使用するのが好ましい。
また直接物理的・化学的刺激を引き起こすものではないが、本発明方法により、細菌、真菌、ウイルス(インフルエンザウイルス、SARSコロナウイルス、MERSコロナウイルス、SARSコロナウイルス2(新型コロナウイルス))などの皮膚への付着も抑制できると考えられる。
本明細書において、皮膚保護効果というときは、上記の効果を意味する。
本発明の工程Iは、平均繊維径0.01~7μmの繊維を含む堆積物からなる被膜を皮膚上に適用し、1~12時間保持する工程である。
工程Iで形成される被膜は、平均繊維径0.01~7μmの繊維を含む堆積物からなる被膜である。
被膜に含まれる繊維は、平均繊維径0.01μm以上7μm以下であるのが好ましく、さらに平均繊維径0.05μm以上がより好ましく、0.1μm以上がさらに好ましく、また、5μm以下がより好ましく、3μm以下がさらに好ましい。工程Iで形成される被膜をこのような細い繊維の堆積物とすることにより、前記皮膚保護効果が得られる。
ここで、平均繊維径は、繊維の平均太さであり、円相当直径である。この繊維の太さは、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)観察によって、繊維を10000倍に拡大して観察し、その二次元画像から欠陥(繊維の塊、繊維の交差部分、液滴)を除き、繊維を任意に10本選び出し、繊維の長手方向に直交する線を引き、繊維径を直接読み取ることで測定することができる。
前記繊維の長さは、特に制限されるものではないが、平均繊維径の10倍以上であることが好ましく、20倍以上であることがより好ましく、50倍以上であることがさらに好ましい。繊維の長さの上限は特に制限はなく、100倍以上の場合を連続繊維と規定し、連続繊維であればよい。
繊維の堆積物からなる被膜の坪量は、0.1g/m2以上であることが好ましく、0.2g/m2以上であることがより好ましく、0.5g/m2以上であることがさらに好ましく、1g/m2以上であることがよりさらに好ましい。また30g/m2以下であることが好ましく、25g/m2以下であることがより好ましく、20g/m2以下であることがさらに好ましく、15g/m2以下であることがよりさらに好ましい。例えば被膜の坪量は、0.1g/m2以上30g/m2以下であることが好ましく、0.2g/m2以上25g/m2以下であることがより好ましく、0.5g/m2以上20g/m2以下であることがさらに好ましく、1g/m2以上15g/m2以下であることがよりさらに好ましい。被膜の坪量をこのように設定することで、前記皮膚保護効果を向上させることができる。
工程Iとしては、皮膚上に、前記繊維の堆積物からなる被膜を形成できる手段であれば限定されないが、具体的には、次の(I-1)~(I-3)の手段が挙げられる。
(I-1)次の成分(a)及び(b)を含有する組成物Xを皮膚上に静電スプレーする手段。
(a)水、アルコール及びケトンから選ばれる1種又は2種以上の揮発性物質、
(b)繊維の堆積物を含有する被膜の形成能を有するポリマー
(I-2)エレクトロスピニング又はメルトブローにより得られた平均繊維径0.01~7μmの繊維の堆積物からなる被膜を貼付する手段。
(I-3)次の成分(c)及び(d)を含有する組成物Zを塗布する手段。
(c)油剤及び20℃で液状のポリオールから選ばれる1種又は2種以上
(d)平均繊維径0.01~7μm、アスペクト比(平均繊維長/平均繊維径)10~1000の繊維
まず、前記手段(I-1)について説明する。
手段(I-1)における被膜の形成方法は、静電スプレー法を採用している。静電スプレー法は、組成物に正又は負の高電圧を印加して該組成物を帯電させ、帯電した該組成物を対象物に向けて噴霧する方法である。噴霧された組成物はクーロン反発力によって微細化を繰り返しながら空間に広がり、その過程で、又は対象物に付着した後に、揮発性物質である溶媒が乾燥することで、対象物の表面に繊維の堆積物を含有する被膜を形成する。
この手段(1)は、例えばWO2018/194143、WO2018/194140、WO2019/103974などに記載の方法、装置を用いて行うことができる。
前記手段(I-1)に用いられる組成物Xに含まれる成分(a)は、水、アルコール及びケトンから選ばれる1種又は2種以上の揮発性物質である。
成分(a)の揮発性物質は、液体の状態において揮発性を有する物質である。組成物Xにおいて成分(a)は、電界内に置かれた該組成物Xを十分に帯電させた後、ノズル先端から皮膚に向かって吐出され、成分(a)が蒸発していくと、組成物Xの電荷密度が過剰となり、クーロン反発によってさらに微細化しながら成分(a)がさらに蒸発していき、最終的に繊維の堆積物からなる乾いた被膜を皮膚上に形成させる目的で配合される。この目的のために、揮発性物質はその蒸気圧が20℃において0.01kPa以上、106.66kPa以下であることが好ましく、0.13kPa以上、66.66kPa以下であることがより好ましく、0.67kPa以上、40.00kPa以下であることがさらに好ましく、1.33kPa以上、40.00kPa以下であることがより一層好ましい。
成分(a)の揮発性物質のうち、アルコールとしては例えば一価の鎖式脂肪族アルコール、一価の環式脂肪族アルコール、一価の芳香族アルコールが好適に用いられる。一価の鎖式脂肪族アルコールとしてはC1~C6アルコールが、一価の環式脂肪族アルコールとしてはC4~C6環式アルコールが、一価の芳香族アルコールとしてはベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール等がそれぞれ挙げられる。それらの具体例としては、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、フェニルエチルアルコール、n-プロパノール、n-ペンタノールなどが挙げられる。これらのアルコールは、これらから選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。
成分(a)の揮発性物質のうち、ケトンとしてはジC1-C4アルキルケトン例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。これらのケトンは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
成分(a)の揮発性物質は、より好ましくはエタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール及び水から選ばれる1種又は2種以上であり、より好ましくはエタノール及びブチルアルコールから選ばれる1種又は2種以上であり、そしてさらに好ましくは少なくともエタノールを含む揮発性物質である。
成分(a)の揮発性物質は、電荷を付与する観点から、より好ましくは水を含む。揮発性物質の全量に対して水の含有量は、電荷付与の観点から、0.01質量%以上であることが好ましく、0.04質量%以上であることが好ましく、繊維形成性の観点から、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
組成物Xにおける成分(a)の含有量は、繊維形成性の観点から、30質量%以上であることが好ましく、55質量%以上であることがさらに好ましく、60質量%以上であることが一層好ましい。また、組成物Xにおける成分(a)の含有量は、繊維形成性の観点から、98質量%以下であることが好ましく、96質量%以下であることがさらに好ましく、94質量%以下であることが一層好ましく、油やポリオール等を含有する場合には、90質量%以下であることが好ましく、85質量%以下であることが好ましい。組成物Xにおける成分(a)の含有量は、30質量%以上98質量%以下であることが好ましく、55質量%以上96質量%以下であることがさらに好ましく、60質量%以上94質量%以下であることが一層好ましい。また、組成物Xがポリオール又は油剤を含有する場合には、組成物Xにおける成分(a)の含有量は、30質量%以上90質量%以下であることが好ましく、55質量%以上90質量%以下であることがさらに好ましく、60質量%以上90質量%以下であることが一層好ましい。この割合で組成物X中に成分(a)を含有することは、静電スプレー法を行うときに組成物Xの揮発性の観点から好ましい。
また、エタノールは成分(a)の揮発性物質の全量に対して、50質量%以上であることが好ましく、65質量%以上であることがさらに好ましく、80質量%以上であることが一層好ましい。また100質量%以下であることが好ましい。エタノールは成分(a)の揮発性物質の全量に対して、50質量%以上100質量%以下であることが好ましく、65質量%以上100質量%以下であることがさらに好ましく、80質量%以上100質量%以下であることが一層好ましい。
成分(b)である繊維の堆積物を含有する被膜の形成能を有するポリマーは、一般に、成分(a)の揮発性物質に溶解することが可能な物質である。ここで、溶解するとは20℃において分散状態にあり、その分散状態が目視で均一な状態、好ましくは目視で透明又は半透明な状態であることを言う。
(b)繊維の堆積物を含有する被膜の形成能を有するポリマーとしては、成分(a)の揮発性物質の性質に応じて適切なものが用いられる。具体的には、このポリマーは水溶性の繊維形成性ポリマーと水不溶性の繊維形成性ポリマーとに大別される。本明細書において「水溶性ポリマー」とは、1気圧・23℃の環境下において、ポリマー1gを秤量したのちに、10gのイオン交換水に浸漬し、24時間経過後、浸漬したポリマーの0.5g以上が水に溶解する性質を有するものをいう。一方、本明細書において「水不溶性ポリマー」とは、1気圧・23℃の環境下において、ポリマー1g秤量したのちに、10gのイオン交換水に浸漬し、24時間経過後、浸漬したポリマーの0.5g以上が溶解しない性質を有するものをいう。
水溶性の繊維形成性ポリマーとしては、例えばプルラン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ポリ-γ-グルタミン酸、変性コーンスターチ、β-グルカン、グルコオリゴ糖、ヘパリン、ケラト硫酸等のムコ多糖、セルロース、ペクチン、キシラン、リグニン、グルコマンナン、ガラクツロン酸、サイリウムシードガム、タマリンド種子ガム、アラビアガム、トラガントガム、大豆水溶性多糖、アルギン酸、カラギーナン、ラミナラン、寒天(アガロース)、フコイダン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の天然高分子、部分鹸化ポリビニルアルコール(架橋剤と併用しない場合)、低鹸化ポリビニルアルコール、水溶性ナイロン、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリル酸ナトリウム等の合成高分子などが挙げられる。これらの水溶性ポリマーは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの水溶性ポリマーのうち、被膜の製造が容易である観点から、プルラン、並びに部分鹸化ポリビニルアルコール、低鹸化ポリビニルアルコール、水溶性ナイロン、ポリビニルピロリドン及びポリエチレンオキサイド等の合成高分子から選ばれる1種又は2種以上を用いることが好ましい。水溶性ポリマーとしてポリエチレンオキサイドを用いる場合、その数平均分子量は、5万以上300万以下であることが好ましく、10万以上250万以下であることが一層好ましい。
一方、水不溶性の繊維形成性ポリマーとしては、例えば被膜形成後に不溶化処理できる完全鹸化ポリビニルアルコール、架橋剤と併用することで被膜形成後に架橋処理できる部分鹸化ポリビニルアルコール、ポリ(N-プロパノイルエチレンイミン)グラフト-ジメチルシロキサン/γ-アミノプロピルメチルシロキサン共重合体等のオキサゾリン変性シリコーン、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ツエイン(とうもろこし蛋白質の主要成分)、ポリエステル、ポリ乳酸(PLA)等のポリエステル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリメタクリル酸樹脂等のアクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂などが挙げられる。これらの水不溶性ポリマーは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの水不溶性ポリマーのうち、被膜形成後に不溶化処理できる完全鹸化ポリビニルアルコール、架橋剤と併用することで被膜形成後に架橋処理できる部分鹸化ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ(N-プロパノイルエチレンイミン)グラフト-ジメチルシロキサン/γ-アミノプロピルメチルシロキサン共重合体等のオキサゾリン変性シリコーン、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート及びツエインから選ばれる1種又は2種以上を用いることが好ましく、ポリブチラール樹脂及びポリウレタン樹脂から選ばれる1種又は2種以上を用いることがより好ましい。
組成物Xにおける成分(b)の含有量は、2質量%以上であることが好ましく、4質量%以上であることがさらに好ましく、6質量%以上であることが一層好ましい。また50質量%以下であることが好ましく、45質量%以下であることがさらに好ましく、40質量%以下であることが一層好ましい。組成物Xにおける成分(b)の含有量は、2質量%以上50質量%以下であることが好ましく、4質量%以上45質量%以下であることがさらに好ましく、6質量%以上40質量%以下であることが一層好ましい。この割合で組成物X中に成分(b)を配合することは、繊維の堆積物からなる被膜を形成し、当該被膜により前記皮膚保護効果が奏される観点で好ましい。
組成物X中の成分(a)と成分(b)の含有量の比率((a)/(b))は、静電スプレー法を行うときに成分(a)を十分に揮発させることができる観点から、0.5以上40以下が好ましく、1以上30以下がより好ましく、1.3以上25以下がさらに好ましい。
また、組成物X中のエタノールと成分(b)の含有量の比率(エタノール/(b))は、静電スプレー法を行うときにエタノールを十分に揮発させることができる観点から、0.5以上40以下が好ましく、1以上30以下がより好ましく、1.3以上25以下がさらに好ましい。
さらに、組成物X中にグリコールを含有することができる。グリコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。静電スプレー法を行うときに成分(a)を十分に揮発させることができる観点から、組成物X中に10質量%以下が好ましく、8質量%以下がより好ましい。
さらに、水は、繊維形成性と導電性の観点から、(a)の揮発性物質の全量に対して50質量%未満であることが好ましく、45質量%以下であることがさらに好ましく、10質量%以下であることが一層好ましく、5質量%以下であることがより一層好ましく、0.2質量%以上であることが好ましく、0.4質量%以上であることがより好ましい。
組成物X中には、上述した成分(a)及び成分(b)のみが含まれていてもよく、あるいは成分(a)及び成分(b)に加えて他の成分が含まれていてもよい。他の成分としては、例えば、ジメチコン等のシリコーン油、イソドデカン等の炭化水素油、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、ジカプリン酸ネオペンチルグルコール、ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグルコール、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル等のエステル油、グリセリン等の20℃で液体のポリオール、界面活性剤、UV防御剤、香料、忌避剤、酸化防止剤、安定剤、防腐剤、制汗剤、各種ビタミン、粉体等が挙げられる。なお、これらの各剤は、各剤としての用途に限られず、目的に応じて他の用途、例えば制汗剤を香料として使用することができる。あるいは、他の用途との併用として、例えば制汗剤と香料としての効果を奏するものとして使用することができる。組成物X中に他の成分が含まれる場合、当該他の成分の含有割合は、0.1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上20質量%以下であることがさらに好ましい。
手段(I-1)においては、組成物Xを前記皮膚保護が必要な部位の皮膚に直接静電スプレーして皮膚表面に繊維の堆積物からなる被膜を形成する。
静電スプレー法を行う場合、組成物Xとして、その粘度が、25℃において、好ましくは1mPa・s以上、より好ましくは10mPa・s以上、さらに好ましくは50mPa・s以上であるものを用いる。また粘度が、25℃において、好ましくは5000mPa・s以下、より好ましくは2000mPa・s以下、さらに好ましくは1500mPa・s以下であるものを用いる。組成物Xの粘度は、25℃において、好ましくは1mPa・s以上5000mPa・s以下であり、より好ましくは10mPa・s以上2000mPa・s以下であり、さらに好ましくは50mPa・s以上1500mPa・s以下である。この範囲の粘度を有する組成物Xを用いることで、静電スプレー法によって繊維の堆積物を含有する多孔性被膜を首尾よく形成することができる。繊維の堆積物を含有する多孔性被膜の形成は、前記皮膚保護効果を得る観点から有利なものである。組成物Xの粘度は、E型粘度計を用いて25℃で測定される。E型粘度計としては例えば、例えば東京計器株式会社製のE型粘度計を用いることができる。その場合のローターとしては、ローターNo.43を用いることができる。
組成物Xは静電スプレー法によって、ヒトの皮膚に直接噴霧される。静電スプレー法は、静電スプレー工程において、静電スプレー装置を用いて、皮膚に組成物Xを静電スプレーして、被膜を形成する工程を含む。該静電スプレー装置は、組成物Xを収容する容器と、組成物Xを吐出するノズルと、容器中に収容されている組成物Xをノズルに供給する供給装置と、ノズルに電圧を印加する電源とを備える。図1には、本発明で好適に用いられる静電スプレー装置の構成を表す概略図が示されている。図1に示す静電スプレー装置10は、低電圧電源11を備えている。低電圧電源11は、数Vから十数Vの電圧を発生させ得るものである。静電スプレー装置10の可搬性を高める目的で、低電圧電源11は1個又は2個以上の電池からなることが好ましい。また、低電圧電源11として電池を用いることで、必要に応じ取り替えを容易に行えるという利点もある。電池に代えて、ACアダプタ等を低電圧電源11として用いることもできる。図2には、自分の皮膚に静電スプレーする様子を示した。
次に、手段(I-2)について説明する。
手段(I-2)は、エレクトロスピニング又はメルトブローにより得られた平均繊維径0.01~7μmの繊維の堆積物からなる被膜を貼付する工程である。
この手段(I-2)に用いられる平均繊維径0.01~7μmの繊維の堆積物からなる被膜としては、前記成分(a)及び(b)を含有する組成物Xを用いて、基板上にエレクトロスピニング又はメルトブローすることにより得られるものが好ましい。エレクトロスピニング手段も、前記静電スプレー手段と同様に行うことができる。ただし、エレクトロスピニング時の電圧等は、皮膚上にエレクトロスピニングするものでないため、高電圧であってもよい。基板としては、金属、樹脂などが用いられる。また、メルトブロー手段は、樹脂を融点以上の温度で溶融し、溶融樹脂の吐出口周囲に熱風も吐出させながら吐出させて、前述の平均繊維径の繊維の堆積物からなる皮膜を形成することができる。
エレクトロスピニング又はメルトブローにより得られた平均繊維径0.01~7μmの繊維の堆積物からなる被膜は、前記皮膚保護が必要な部位の皮膚上に貼付すればよい。
手段(I-1)又は(I-2)を採用する場合には、工程Iの前又は後に、(C)油剤及びポリオールから選ばれる1種又は2種以上の成分を含有する組成物Yを塗布する工程を行うのが、工程Iによって形成される被膜により良好な透明性を付与し、耐久性(耐擦過性、伸張性など)を向上させる観点から、好ましい。また、この組成物Yには、工程Iによって形成される被膜の耐久性を向上させる観点から、さらに接着性ポリマーを含有していてもよい。マスク着用による皮膚刺激からの保護の場合には、さらにマスクの装着工程(IV)が行われる。
この組成物Yに含まれる油剤としては、液状油(20℃において液体の油)から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
本発明における液状油は、20℃において液体の油であり、流動性のある半固形のものも含む。液状油としては、炭化水素油、エステル油、高級アルコール、シリコ-ン油、脂肪酸等が挙げられる。これらのうち、塗布時の滑らかさ、被膜の耐擦過性及び伸張性の点から、炭化水素油、エステル油、シリコーン油が好ましい。また、これらの液状油から選ばれる1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記液状の炭化水素油としては、流動パラフィン、スクワラン、スクワレン、n-オクタン、n-ヘプタン、シクロヘキサン、軽質イソパラフィン、流動イソパラフィン、水添ポリイソブテン、ポリブテン、ポリイソブテン等が挙げられ、使用感の観点から流動パラフィン、軽質イソパラフィン、流動イソパラフィン、スクワラン、スクワレン、n-オクタン、n-ヘプタン、シクロヘキサンが好ましく、流動パラフィン、スクワランがより好ましい。また、被膜の耐擦過性、伸張性の観点から、炭化水素油の30℃における粘度は、好ましくは1mPa・s以上であり、より好ましくは3mPa・s以上である。また、被膜の耐擦過性、伸張性の観点から、イソドデカン、イソヘキサデカン、水添ポリイソブテンの液剤中の合計の含有量は、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下であり、さらに好ましくは1質量%以下であり、よりさらに好ましくは0.5質量%以下であり、含有しなくてもよい。
同様に、被膜の耐擦過性、伸張性の観点から、エステル油及びシリコーン油の30℃における粘度は、好ましくは1mPa・s以上であり、より好ましくは3mPa・s以上である。
ここでの粘度は、30℃においてBM型粘度計(トキメック社製、測定条件:ローターNo.1、60rpm、1分間)により測定される。なお、同様の観点から、セチル-1,3-ジメチルブチルエーテル、ジカプリルエーテル、ジラウリルエーテル、ジイソステアリルエーテル等のエーテル油の液剤中の合計の含有量は、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下であり、さらに好ましくは1質量%以下である。
前記エステル油としては、直鎖又は分岐鎖の脂肪酸と、直鎖又は分岐鎖のアルコール又は多価アルコールからなるエステルが挙げられる。具体的には、ミリスチン酸イソプロピル、イソオクタン酸セチル、オクタン酸イソセチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、オレイン酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、イソノナン酸エチルヘキシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、イソステアリン酸イソステアリル、12-ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジ2-エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N-アルキルグリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジイソステアリン酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ2-ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリット、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2-エチルヘキサノエート、2-エチルヘキシルパルミテート、ナフタレンジカルボン酸ジエチルヘキシル、安息香酸(炭素数12~15)アルキル、セテアリルイソノナノエート、トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリン、(ジカプリル酸/カプリン酸)ブチレングリコール、ジ(カプリル酸/カプリン酸)プロピレングリコール、トリイソステアリン酸グリセリル、トリ2-ヘプチルウンデカン酸グリセリル、トリヤシ油脂肪酸グリセリル、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オレイル、パルミチン酸2-ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸-2-オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ2-ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバシン酸ジ2-エチルヘキシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、アジピン酸2-ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸ジ2-エチルヘキシル、クエン酸トリエチル、パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル、ジピバリン酸トリプロピレングリコール等が挙げられる。
これらの中では、被膜を皮膚に密着させる観点及び皮膚に塗布した際の感覚に優れる点から、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ステアリン酸イソセチル、イソノナン酸イソノニル、イソステアリン酸イソセチル、セテアリルイソノナノエート、アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸ジ2-エチルヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリンから選ばれる1種が好ましく、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、安息香酸(炭素数12~15)アルキル、トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリンから選ばれる少なくとも1種がより好ましく、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリンから選ばれる少なくとも1種がさらに好ましい。
また、エステル油としては、上記エステル油を含む植物油、動物油を用いることが可能であり、例えばオリーブ油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、メドフォーム油、ヒマシ油、紅花油、ヒマワリ油、アボカド油、キャノーラ油、キョウニン油、米胚芽油、米糠油などが挙げられる。
高級アルコールとしては、炭素数12~20の液状の高級アルコールが挙げられ、分岐脂肪酸を構成要素とする高級アルコールが好ましく、具体的にはイソステアリルアルコール、オレイルアルコール等が挙げられる。
液状のシリコーン油としては、直鎖シリコーン、環状リシコーン、変性シリコーンが挙げられ、例えば、ジメチルポリシロキサン、ジメチルシクロポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、フェニル変性シリコーン、高級アルコール変性オルガノポリシロキサン等が挙げられる。
組成物Y中の油剤の含有量は、被膜の耐擦過性、伸張性及び使用感の点から、1質量%以上20質量%以下が好ましく、2質量%以上18質量%以下がより好ましく、3質量%以上16質量%以下がさらに好ましい。
組成物Yに用いられるポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール等のアルキレングリコール類;ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、分子量1000以下のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン等のグリセリン類等が挙げられる。これらのうち、被膜の耐擦過性、伸張性の観点から、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、ジプロピレングリコール、分子量1000以下のポリエチレングリコール、グリセリン、ジグリセリンが好ましく、さらにプロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンがより好ましく、グリセリン類が一層好ましい。
組成物Y中のポリオールの含有量は、被膜の耐擦過性、伸張性の観点から1質量%以上40質量%以下が好ましく、1質量%以上30質量%以下がより好ましく、3質量%以上25質量%以下がさらに好ましく、5質量%以上20質量%以下がさらに好ましく、10質量%以上20質量%以下がよりさらに好ましい。
組成物Yに用いられる接着性ポリマーは、静電スプレーにより皮膚上に形成された被膜の耐擦過性の向上、伸張性の向上に寄与する。接着性ポリマーとしては、一般に接着剤又は粘着剤として使用されるものを用いることができる。例えば、ゴム系接着性ポリマー、シリコーン系接着性ポリマー、アクリル系接着性ポリマー、ウレタン系接着性ポリマーが挙げられ、これらから選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。また接着性ポリマーとしては、非イオン性ポリマー、アニオン性ポリマー、カチオン性ポリマー及び両性ポリマーから選択される少なくとも1種を使用することができる。接着性ポリマーは、成分(b)のポリマー以外のポリマーが好ましい。
接着性ポリマーは、被膜の耐擦過性と伸張性を向上させる観点から、接着性の良好なものが選択される。接着性ポリマーとしては、JISK6850を参照して測定された最大引張せん断荷重が1N以上のポリマーが好ましく、3N以上のポリマーがより好ましく、5N以上のポリマーがさらに好ましい。また、接着性を確保する観点から8N以上のポリマーがよりさらに好ましい。また、最大引張せん断荷重は、好ましくは200N以下、より好ましくは150N以下、さらに好ましくは100N以下である。具体的には、ゴム系接着性ポリマー、シリコーン系接着性ポリマー、アクリル系接着性ポリマー、ウレタン系接着性ポリマーから選ばれる1種又は2種以上を用いることが好ましく、また、非イオン性ポリマー、アニオン性ポリマー、カチオン性ポリマー及び両性ポリマーから選択される少なくとも1種を使用することが好ましい。
ポリマーの接着性(最大引張せん断荷重)は、次のようにして測定できる。20mgのポリマー溶液(10%エタノール溶液もしくは飽和溶液)を1枚のポリカーボネート基板(スタンダードテストピース社製、カーボグラス ポリッシュクリア、10cm×2.5cm×2.0mm)の端の1.25cm×2.5cmの範囲に塗布し、もう1枚のポリカーボネート基板と張り合わせて、12時間以上乾燥する。Orientec社製テンシロンUTC-100Wを用いて引張速度5mm/minでポリカーボネート基板の両端を引張り、最大引張せん断荷重を測定する。
組成物Y中の接着性ポリマーを含有する場合の含有量は、被膜の耐擦過性、伸張性の観点から、5質量%以上20質量%以下が好ましく、より好ましくは6質量%以上である。また、より好ましくは15質量%以下であり、さらに好ましくは12質量%以下であり、よりさらに好ましくは10質量%以下である。具体的には、5質量%以上15質量%以下が好ましく、5質量%以上12質量%以下がより好ましく、5質量%以上10質量%以下がさらに好ましい。
組成物Yを皮膚に塗布する工程(工程III)は、工程Iの前であっても後であってもよい。また組成物Yを皮膚に塗布する手段は、手指等で皮膚に塗布する手段、アプリケータを用いて皮膚に塗布する手段等が挙げられる。なお、組成物Xと組成物Yとは、異なる組成である。エレクトロスピニングされる組成物Xと、その前又は後に皮膚に塗布する組成物Yとは組成が異なる別の処方であり、仮に組成物Yを静電スプレーして皮膜を形成しても、組成物Xと同じ繊維を含む堆積物を形成するものではない。
次に、手段(I-3)について説明する。
手段(I-3)は、次の成分(c)及び(d)を含有する組成物Zを塗布する手段である。
(c)油剤及び20℃で液状のポリオールから選ばれる1種又は2種以上
(d)平均繊維径0.01~7μm、アスペクト比(平均繊維長/平均繊維径)10~1000の繊維
組成物Zに用いられる成分(c)の油剤及びポリオールとしては、前記組成物Yに用いられる油剤及びポリオールが挙げられる。
すなわち、この組成物Zに含まれる油剤としては、液状油(20℃において液体の油)から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
この液状油は、20℃において液体の油であり、流動性のある半固形のものも含む。液状油としては、炭化水素油、エステル油、高級アルコール、シリコ-ン油、脂肪酸等が挙げられる。これらのうち、塗布時の滑らかさ、被膜の耐擦過性及び伸張性の点から、炭化水素油、エステル油、シリコーン油が好ましい。また、これらの液状油から選ばれる1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。炭化水素油、エステル油、高級アルコール、シリコーン油、脂肪酸などの具体例も、前記組成物Yの例として挙げたものを例示することができる。
組成物Z中の油剤の含有量は、被膜の耐擦過性、伸張性及び使用感の点から、1質量%以上20質量%以下が好ましく、2質量%以上18質量%以下がより好ましく、3質量%以上16質量%以下がさらに好ましい。
組成物Zに用いられるポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール等のアルキレングリコール類;ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、分子量1000以下のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン等のグリセリン類等が挙げられる。これらのうち、被膜の耐擦過性、伸張性の観点から、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、ジプロピレングリコール、分子量1000以下のポリエチレングリコール、グリセリン、ジグリセリンが好ましく、さらにプロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンがより好ましく、グリセリン類が一層好ましい。
組成物Z中のポリオールの含有量は、被膜の耐擦過性、伸張性の観点から1質量%以上40質量%以下が好ましく、1質量%以上30質量%以下がより好ましく、3質量%以上25質量%以下がさらに好ましく、5質量%以上20質量%以下がさらに好ましく、10質量%以上20質量%以下がよりさらに好ましい。
また、組成物Zには、揮発性成分を含有するのが、組成物Zを皮膚に塗布したとき、皮膚上に繊維の堆積物を形成させる観点で、好ましい。
組成物Zに用いられる揮発性成分としては、水、アルコール、揮発性シリコーン、揮発性炭化水素などから選ばれる1種以上が好ましい
アルコールとしては例えば一価の鎖式脂肪族アルコール、一価の環式脂肪族アルコール、一価の芳香族アルコールが好適に用いられる。一価の鎖式脂肪族アルコールとしてはC1-C6アルコール、一価の環式アルコールとしてはC4-C6環式アルコール、一価の芳香族アルコールとしてはベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール等がそれぞれ挙げられる。それらの具体例としては、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、フェニルエチルアルコール、n-プロパノール、n-ペンタノールなどが挙げられる。これらのアルコールは、これらから選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。
揮発性シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、環状シリコーンが挙げられる。
揮発性成分の含有量は、組成物Zの塗布性、被膜の均一性の観点から、組成物Z中に15~90質量%が好ましく、組成物Zを皮膚に塗布する際の使用感の観点から、20質量%以上がより好ましく、30質量%以上がさらに好ましく、また組成物Zを皮膚に塗布した後の繊維の堆積物の形成性の観点、被膜の耐久性の観点から、87質量%以下が好ましく、85質量%以下がより好ましい。
組成物Zに含まれる繊維は、(d)平均繊維径0.01~7μm、アスペクト比(平均繊維長/平均繊維径)10~1000の繊維である。
当該成分(d)は、形成された被膜中で繊維の堆積物を形成し、被膜に均一性及び密着性を付与する。なお、被膜中で繊維が堆積物を形成しているか否かは走査型電子顕微鏡等により確認できる。また、堆積物とは、被膜中に分散した繊維同士が互いに交点を持つことによって、間隙を持つようにした状態であり、該間隙に組成物に含有される成分を保持し得る状態である。
組成物Zに用いられる繊維の平均繊維径は、形成された被膜の均一性の観点から、0.01μm以上7μm以下である。また、前記繊維の平均繊維径は、被膜の密着性やフィット性の観点から、好ましくは0.05μm以上であり、より好ましくは0.1μm以上であり、さらに好ましくは0.2μm以上であり、よりさらに好ましくは0.3μm以上であり、また好ましくは5μm以下であり、より好ましくは4μm以下であり、さらに好ましくは3μm以下である。繊維径は、例えば走査型電子顕微鏡観察によって、繊維を2000倍又は5000倍に拡大して観察し、その二次元画像から欠陥(例えば、繊維の塊、繊維の交差部分)を除いた繊維を任意に100本選び出し、繊維の長手方向に直交する線を引き繊維径を直接読み取ることにより測定できる。平均繊維径は、これらの測定値の相加平均を求めて、平均繊維径とした。
繊維の長さは、形成された被膜の均一性の観点から、平均繊維長として20μm以上500μm以下が好ましい。より好ましくは30μm以上であり、さらに好ましくは40μm以上であり、また、より好ましくは400μm以下であり、さらに好ましくは250μm以下であり、よりさらに好ましくは200μm以下である。平均繊維長は、繊維長さを、例えば走査型電子顕微鏡観察によって、繊維の長さに応じて、250倍ないし750倍に拡大して観察し、その二次元画像から欠陥(例えば、繊維の塊、繊維の交差部分)を除いた繊維を任意に100本選び出し、繊維の長手方向に線を引き繊維長を直接読み取ることで測定することができる。平均繊維長はこれらの測定値の相加平均を求めて、平均繊維長とした。
繊維のアスペクト比(平均繊維長/平均繊維径)は、形成された被膜の均一性、均一な繊維の堆積物を形成による被膜耐久性の観点から、10以上1000以下であり、15以上がより好ましく、20以上がさらに好ましく、25以上がよりさらに好ましく、また500以下がより好ましく、400以下がさらに好ましく、300以下がよりさらに好ましい。
組成物Zにおいては、形成された被膜中において繊維が堆積物を形成し、被膜の均一性、密着性を良好にするため、(平均繊維径2)/平均繊維含有量(μm2/質量%)が0.005~7の範囲であることが好ましい。
この値は、繊維の堆積物の均一性の観点から、好ましくは0.02以上、より好ましくは0.03以上、さらに好ましくは0.05以上であり、また、被膜中で十分に繊維の堆積物を形成する観点から、好ましくは6以下、より好ましくは5以下、さらに好ましくは4以下であり、よりさらに好ましくは3以下である。この値、即ち(平均繊維径2)/平均繊維含有量(μm2/質量%)は、組成物Zに含まれる繊維の累積長さの指標であり、この数値が大きくなるほど累積長さが短くなることを意味する。
成分(d)の繊維は、繊維形成性ポリマーを種々の公知の紡糸技術によって得られた繊維を粉砕処理することによって製造することができる。ここで、繊維形成性ポリマーは、通常、熱可塑性又は溶剤に可溶性の鎖状高分子である。繊維形成性ポリマーのうち、水不溶性ポリマーを使用するのが組成物Z中で繊維の形状を維持する点で好ましい。また、紡糸法としては、エレクトロスピニング法(電界紡糸法)が、繊維径の小さい繊維を得る点で好ましい。
組成物Zには、前記成分(c)、(d)及び揮発性成分以外に、界面活性剤、防腐剤、種々の粉体、ポリオール以外の保湿剤、水溶性ポリマー、アミノ酸、色素等を含有することができる。
組成物Zを皮膚に塗布すれば、皮膚表面上に均一性に優れた繊維の堆積物を含有する被膜を形成させることができる。組成物Zの皮膚への塗布手段としては、手指による塗布、スプレーによる塗布、ローラーやスポンジ等の道具を用いた塗布等が挙げられる。手で塗れる範囲としては20℃における粘度は、5~50,000mPa・sであることが好ましい。
本発明の工程Iは、前記のように、平均繊維径0.01~7μmの繊維を含む堆積物からなる被膜を皮膚上に適用した後、当該皮膚上の被膜を1~12時間保持する。
被膜の保持時間は、皮膚外部からの刺激及び皮膚内部からの刺激の種類によって相違するが、1時間以上が前記皮膚保護効果を得る観点から好ましく、2時間以上がより好ましく、3時間以上がさらに好ましく、4時間以上がよりさらに好ましい。また、刺激成分の十分な被膜への吸着作用、被膜の持続性の点から、保持時間は、12時間以下が好ましく、10時間以下がより好ましく、8時間以下がさらに好ましい。具体的には、1時間以上12時間以下が好ましく、2時間以上10時間以下がより好ましく、3時間以上8時間以下がさらに好ましく、4時間以上8時間以下がよりさらに好ましい。
上記の時間被膜を皮膚上に保持することにより、皮膚外部からの刺激、例えば花粉や、大気有害物質の付着が抑制されると共に、被膜に花粉や、大気有害物質が吸着される。また、マスク着用による皮膚への擦れによる皮膚トラブルが防止される。また、皮膚内部からの皮脂や汗は、被膜に吸着され、特に皮脂中の不飽和脂肪酸が選択的に被膜に吸着される。
皮膚上の被膜を1~12時間保持した後は、当該被膜を皮膚から除去するのが、前記皮膚保護効果の観点から好ましい。被膜を除去することにより、被膜に吸着された花粉や、大気有害物質、皮脂成分などを皮膚から容易に除去することができる。
上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下の被膜の製造方法及び組成物を開示する。
<1>平均繊維径0.01~7μmの繊維を含む堆積物からなる被膜を皮膚上に適用し、1~12時間保持する工程(工程I)を有する、皮膚を保護することによる美容方法。
<2>さらに、皮膚上に適用した被膜を除去する工程(工程II)を有する<1>記載の美容方法。
<3>さらに、工程I及び/又は工程IIの前又は後に、水、ポリオール及び20℃で液体の油剤から選ばれる1種又は2種以上を含有する液剤を前記皮膚に適用する工程(工程III)を有する<1>又は<2>記載の美容方法。
<4>工程Iが、次の工程I-1、工程I-2及び工程I-3から選ばれる工程である<1>~<3>のいずれかに記載の美容方法。
(I-1)次の成分(a)及び(b)を含有する組成物Xを皮膚上に静電スプレーする工程。
(a)水、アルコール及びケトンから選ばれる1種又は2種以上の揮発性物質
(b)繊維の堆積物を含有する被膜の形成能を有するポリマー
(I-2)エレクトロスピニング又はメルトブローにより得られた平均繊維径0.01~7μmの繊維の堆積物からなる被膜を貼付する工程。
(I-3)次の成分(c)及び(d)を含有する組成物Zを塗布する工程。
(c)油剤及び20℃で液状のポリオールから選ばれる1種又は2種以上
(d)平均繊維径0.01~7μm、アスペクト比(平均繊維長/平均繊維径)10~1000の繊維
<5>皮膚の保護が、皮膚外部からの刺激を受ける皮膚の保護及び/又は皮膚内部からの刺激に対する保護である<1>~<4>のいずれかに記載の美容方法。
<6>皮膚外部からの刺激が、花粉、大気有害物質から選ばれる成分の付着によって引き起こされる皮膚刺激である<5>記載の美容方法。
<7>皮膚外部からの刺激が、マスクの着用によって引き起こされる皮膚刺激である<5>記載の美容方法。
<8>皮膚内部からの刺激が、皮脂及び汗から選ばれる皮膚分泌成分によって引き起こされる皮膚刺激である<5>記載の美容方法。
<9>さらに、マスクを装着する工程(工程IV)を有する<1>~<8>のいずれかに記載の美容方法。
<10>花粉自動測定器により計測された、1時間平均の花粉数(個/m3)が、20以上、より好ましくは50以上、さらに好ましくは100以上、よりさらに好ましくは300以上、よりさらに好ましくは500以上、よりさらに好ましくは1000以上の時に使用される<1>~<9>のいずれかに記載の美容方法。
<11>空気質指数(Air Quality Index)が、51以上、より好ましくは101以上、さらに好ましくは151以上、よりさらに好ましくは201以上、よりさらに好ましくは301以上の時に使用される<1>~<10>のいずれかに記載の美容方法。
<12>高温多湿な環境下において使用される<1>~<11>のいずれかに記載の美容方法。
<13>気温が、25℃以上、より好ましくは30℃以上、さらに好ましくは35℃以上であり、且つ湿度が40%以上、より好ましくは50%以上、さらに好ましくは60%以上の時に使用される<1>~<12>のいずれかに記載の美容方法。
<14>Tゾーン(額と鼻のまわりの部分)などの皮脂の分泌量が多い場所に使用される<1>~<13>のいずれかに記載の美容方法。
<15>肌タイプが脂性肌の人に使用される<1>~<14>のいずれかに記載の美容方法。
<16>工程(I-1)に用いられる組成物Xが、成分(a)を30質量%以上98質量%以下、成分(b)を2質量%以上50質量%以下含有する組成物である<4>~<15>のいずれかに記載の美容方法。
<17>工程(I-2)で得られる被膜が、成分(a)及び成分(b)を含有する組成物Xを、基板上にエレクトロスピニング又はメルトブローすることにより得られる平均繊維径0.01~7μmの繊維の堆積物からなる被膜である<4>~<15>のいずれかに記載の美容方法。
(a)水、アルコール及びケトンから選ばれる1種又は2種以上の揮発性物質
(b)繊維の堆積物を含有する被膜の形成能を有するポリマー
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。実施例中の%は、質量%を示す。また、実施例中で静電スプレーによって形成された被膜は、繊維を含む堆積物であり、その平均繊維径は0.8μmであることを確認している。
合成例1(ポリ(N-プロピオニルエチレンイミン)変性シリコーンの製造)
硫酸ジエチル19.0g(0.12モル)と2-エチル-2-オキサゾリン81.0g(0.82モル)を脱水した酢酸エチル203.0gに溶解し、窒素雰囲気下8時間加熱還流し、末端反応性ポリ(N-プロピオニルエチレンイミン)を合成した。数平均分子量をGPCにより測定したところ、1100であった。ここに、側鎖一級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン(重量平均分子量32000、アミン当量2000)300gの33%酢酸エチル溶液を一括して加え、10時間加熱還流した。反応混合物を減圧濃縮し、N-プロピオニルエチレンイミン-ジメチルシロキサン共重合体を、淡黄色ゴム状固体(390g、収率97%)として得た。最終生成物のオルガノポリシロキサンセグメントの含有率は質量75%であり、重量平均分子量は40000であった。溶媒としてメタノールを使用した塩酸による中和滴定の結果、約20モル%のアミノ基が残存していることがわかった。この接着性ポリマーは、JISK6850を参照して測定された最大引張せん断荷重8.6Nであった。
実施例1(粉塵の付着抑制効果)
人工皮革(5cmx4cm)表面に、表1の組成の乳液塗布(2mg/cm2)、乳液塗布+繊維を含む堆積物からなる被膜形成、又は乳液塗布+繊維を含む堆積物からなる被膜形成+表2の組成の液剤塗布(2mg/cm2)を行い、12~16時間乾燥した。なお、繊維を含む堆積物からなる被膜形成及び液剤塗布は、乳液が乾燥した後に行った。次いで、人工皮革の前記処理を行った表面の初期L1、a1、b1値を測色計で測定した。
前記処理を行った人工皮革に粉塵(黒鉛粉末、5.4μm)50mgを1分間で落下して曝露した。粉塵曝露後に、再度人工皮革表面のL1、a1、b1値を測色計で測定し、曝露前後の色差変化ΔEsampleを測定した。
Figure 2022074055000001
Figure 2022074055000002
表1中の記号は、以下を示す。
*1:シリコーン KSG-16(信越化学工業株式会社製)
Figure 2022074055000003
繊維を含む堆積物からなる被膜形成は、表3の組成の組成物Xを用いて、静電スプレーして行った。
電圧 14.5KV
流量 0.08mL/min
ノズルから人工皮革までの距離14cm
スプレー時間 10秒
室温20℃、湿度45%RH
Figure 2022074055000004
曝露前後の色差変化に基づいて、乳液塗布の場合を基準に粉塵(黒鉛粉末)の付着率を求めた。その結果を、図3に示す。
図3より、乳液塗布の場合に比べて、繊維を含む堆積物からなる被膜形成することにより皮膚への粉塵付着が顕著に抑制されることが判明した。
次に、上記の被膜を人工皮革から剥離し、剥離後の人工皮革表面の色差を測定して、人工皮革表面の粉塵残存率を測定した。結果を図4に示す。
その結果、皮膚上に繊維を含む堆積物からなる被膜を形成することにより、大気中の粉塵の皮膚表面への付着を99%以上抑制できることが判明した。
次に、前記人工皮革表面に付着した粉塵(黒鉛粉末)の擦りに対する影響を観察した。
乳液を塗布して乾燥した人工皮革に粉塵を付着させた表面を擦った場合には、粉塵が乳液で形成された塗膜に埋もれてしまうことがわかった。一方、乳液を塗布して乾燥後、繊維を含む堆積物からなる被膜を形成させた人工皮革表面は、擦ることにより粉塵が当該被膜表面に広がることはなく、点々と分布していることがわかった。すなわち、繊維を含む堆積物からなる被膜形成により、粉塵は当該被膜表面に存在するのではなく、当該被膜中にトラップされていることがわかった。
実施例2(マスク着用による皮膚刺激に対する効果1)
男女5名の顔右側半分に、前記表1記載の乳液塗布、又は乳液塗布+前記表3の組成物による繊維を含む堆積物からなる被膜形成を行った。その後、市販のポリウレタン製立体マスクを、4時間着用した。マスク着用前、マスク着用直後、及び4時間マスク着用後の皮膚の上に残留した乳液(残留量を定量するためにUV吸収剤を配合)の吸光度を測定し、マスク着用による擦れに対する保護効果を測定した。
その結果を図5に示す。図5より、乳液だけを塗布した皮膚は、4時間のマスク着用により吸光度が36%低下してしまった。一方、繊維を含む堆積物からなる被膜形成を行った皮膚は、4時間のマスク着用後もほとんど吸光度が低下せず、マスク着用による擦れに対して強い抵抗性を示した。
また、乳液塗布後に繊維を含む堆積物からなる被膜形成を行った皮膚は、乳液だけを塗布した皮膚に比べて、皮膚全体の吸光度が均一になることも分かった。これは、この被膜形成の前に塗布した乳液が被膜中に均一に分布する結果と考えられる。
実施例3(マスク着用による皮膚刺激に対する効果2)
女性10名の顔右側半分に、前記表1記載の乳液塗布、又は乳液塗布+前記表3の組成物による繊維を含む堆積物からなる被膜形成を、夜に行った。そして、日中は、市販のポリウレタン製立体マスクを着用して2週間通常の生活をした。
被験者に対し、マスク内側の肌の水分量変化、pH変化、表面形状の変化、毛穴の状態の変化を測定した。
その結果、繊維を含む堆積物からなる被膜形成を行った被験者は、乳液だけ使用した被験者に比べて、口元の水分量は同等であったが、目元側の頬の水分量は有意に増加した。pHについては、両者間に差はなかった。
繊維を含む堆積物からなる被膜形成を行った被験者は、乳液だけ使用した被験者に比べて、1週目で落屑が改善され、2週目で肌のキメや毛穴、赤みの改善が確認できた。
また、繊維を含む堆積物からなる被膜形成を行った被験者は、乳液だけ使用した被験者に比べて、毛穴の大きさ、個数が有意に改善した。
また、この試験を行った被験者にアンケートを行った結果、8割の被験者が繊維を含む堆積物からなる被膜形成により、肌の状態が改善したと答えた。また、マスク着用による摩擦を改善した、マスク着用による過剰な皮脂の発生が少なくなると答えた被験者が多かった。
実施例4(皮脂分泌に対する効果1)
男性20名が、洗顔料を用いて顔を洗顔後、前記表1の乳液を塗布した。その後、顔の右側に実施例1と同様にして、繊維を含む堆積物からなる被膜形成を行った。4時間静置後、顔の左側(コントロール)については、ケミカルピーリング(CP)によるふき取りにより、皮脂を回収した。一方、顔の右側(繊維を含む堆積物からなる被膜形成側)については、被膜を剥離して回収し、剥離後の肌からシガレットペーパーによるふき取りで皮脂を回収した。回収した皮脂について、総皮脂量(Total Sebum)、不飽和脂肪酸割合などを測定した。
結果を、図6及び図7に示す。図6及び図7より、皮脂の70%以上が繊維を含む堆積物からなる被膜に吸着しており、かつ不飽和脂肪酸が選択的に繊維を含む堆積物からなる被膜形成に吸着していることがわかった。
実施例5(皮脂分泌に対する効果2)
(1)モデル皮脂として、オレイン酸:オリーブ油:スクアレン=2:2:3の混合物を用いた。IR-ATR上にモデル皮脂0.2μLを滴下し、スペクトルを測定した。IR-ATRはPerkin Elmer社製のSpectrum Twoを用い、反射回数1回、測定波数4000-650cm-1、分解能4cm-1、積算回数4回で測定した。
(2)繊維を含む堆積物からなる被膜の作成方法
繊維を含む堆積物からなる被膜は、ポリビニルブチラール(積水化学製 S-LEC B BM-1 12%のエタノール溶液)を30kVの電圧で、1時間、3mL/hr若しくは1mL/hrの速度で、15cm×60cmの範囲に吹き付けて作成したものを2cm×2cmの範囲に切りとって使用した。1分間ATR上に貼り付け、ATR上のモデル皮脂と接触させたのちに、繊維を含む堆積物からなる被膜を剥離し、残った皮脂のIRスペクトルを測定した。(試験4)
(3)繊維を含む堆積物からなる被膜の吹き付け方法
電圧14.5kVの小型デバイスを用いて、ATRのΦ2cmの範囲に10秒間、直接吹き付けた。その後、1分静置した後に、繊維を含む堆積物からなる被膜を剥離し、残った皮脂のIRスペクトルを測定した。(試験1~3)
(4)あぶらとりがみとしては、Softymo超速吸収あぶらとり紙Naを使用した。1分間皮脂と接触させたのちに、繊維を含む堆積物からなる被膜を剥離し、残った油のIRスペクトルを測定した。得られたIRスペクトルのC=O結合部分を2つのガウス関数でフィッティングし、得られたピーク強度から、吸油後の皮脂成分の残存率を算出した。(比較1)
結果を、表4に示す。
Figure 2022074055000005
表4より、繊維を含む堆積物からなる被膜は、皮脂の吸収率が脂取り紙に比べて高い。また、エステル油に比べて、脂肪酸を選択的に吸収することがわかる。
実施例6
洗顔し、右頬のみに繊維を含む堆積物からなる被膜を直接形成し、左頬には何もしなかった。4時間、頬を触らないように過ごしたのち、左頬の素肌及び、右頬の繊維を含む堆積物からなる被膜を剥離したのちの素肌から、皮脂を採取した。また、右頬から剥離した繊維を含む堆積物からなる被膜中に移行した皮脂の分析も行った。繊維を含む堆積物からなる被膜の形成は、ポリビニルブチラール(BM-1)12質量%、エタノール88%の処方を用いた。デバイスの電圧は10kVで30秒間紡糸した。
皮脂の採取には、1.7cm×1.7cmのシガレットペーパー(商品名:Rizla/Blue)を用い、頬の2か所から採取を行い、2枚に含まれる皮脂成分の分析を行った。なお、シガレットペーパーは使用前にガラス瓶に入れ、クロロホルム/メタノール=1/1(体積比)溶液を適当量加えて超音波処理(約10分)後、溶媒を除去した。この操作を2~3回繰り返し、最終的に窒素気流下でシガレットペーパーを乾燥させてから用いた。また、皮脂の採取の際には、前述の処理を施したシガレットペーパーを5mLスクリュー管(商品名:マルエム/No.2)の底面で10秒間押し付け、皮脂を採取した。
皮脂を採取した2枚のシガレットペーパーを CHCl/Methanol=1/1 (体積比)溶液1mLに浸漬させ、10分間超音波処理した。栓付試験管に内部標準混合液(TAG(トリアシルグリセロール)群の内部標準物質としてのTAG-C39:0、DAG(ジアシルグリセロール)群の内部標準物質としてのDAG-C26:0、FFA(遊離脂肪酸)群の内部標準物質としてのFFA-C12:0-d3、WE(ワックスエステル)群の内部標準物質としてのWE-C28:1、ChE(コレステロールエステル)群の内部標準物質としてのChE-C10:0、及びSQの内部標準物質としてのChE-C2:0の混合溶液)200μLを加え、窒素気流下にて溶媒留去した。ここに、前記皮脂の抽出液(全量1mL)を栓付試験管に移し、皮脂試料溶液を調製した。
調製した皮脂試料溶液をフローインジェクション法により下記質量分析装置に導入し、下記の条件下でDirect-MS/MSを行い、各種脂質(TAG、FFA)の検出及び定量を行った。
(Direct-MS/MS条件)
装置:LC/1200シリーズ、質量分析計/6460トリプル四重極(全てAgilent製)
移動相:15mmol/L酢酸アンモニウム含有クロロホルム/メタノール=1/1(体積比)
移動相流速:0.2mL/min
注入量:1μL
検出:イオン化法=ESI、乾燥ガス温度=300℃、乾燥ガス流量=5L/min、ネブライザー圧力=45psi、シースガス温度=250℃、シースガス流量=11L/min、ネブライザー電圧=0V、キャピラリー電圧=3500V
(質量分析装置の検出モード)
トリグリセリド(TAG):中性分子として脱離した脂肪酸から分子を検出する
FFA:Scan(Negative ion mode)
TAGについては、C38~C39の不飽和度0~1、C40~C41の不飽和度0~2、C42~C43の不飽和度0~3、C44~C45及びC51の不飽和度0~4、C46~C50及びC52~C57の不飽和度0~5のものの総量をトリグリセリド量とした。
FFAについては、C12~C30の不飽和度0~2のものの総量を脂肪酸量とした。
その結果、4時間後の素肌に比べて、繊維を含む堆積物からなる被膜剥離後の素肌の脂肪酸量は約1/3に減少し、トリグリセリド量は減少傾向にあった。繊維を含む堆積物からなる被膜は、エステル油に比べて脂肪酸を選択的に吸収することがわかった。
10 静電スプレー装置
11 低電圧電源
12 高電圧電源
13 補助的電気回路
14 マイクロギヤポンプ
15 容器
16 ノズル
17 管路
18 フレキシブル管路
19 電流制限抵抗
20 筐体

Claims (15)

  1. 平均繊維径0.01~7μmの繊維を含む堆積物からなる被膜を皮膚上に適用し、1~12時間保持する工程(工程I)を有する、皮膚を保護することによる美容方法。
  2. さらに、皮膚上に適用した被膜を除去する工程(工程II)を有する請求項1記載の美容方法。
  3. さらに、工程I及び/又は工程IIの前又は後に、水、ポリオール及び20℃で液体の油剤から選ばれる1種又は2種以上を含有する液剤を前記皮膚に適用する工程(工程III)を有する請求項1又は2記載の美容方法。
  4. 工程Iが、次の工程I-1、工程I-2及び工程I-3から選ばれる工程である請求項1~3のいずれか1項記載の美容方法。
    (I-1)次の成分(a)及び(b)を含有する組成物Xを皮膚上に静電スプレーする工程。
    (a)水、アルコール及びケトンから選ばれる1種又は2種以上の揮発性物質
    (b)繊維の堆積物を含有する被膜の形成能を有するポリマー
    (I-2)エレクトロスピニング又はメルトブローにより得られた平均繊維径0.01~7μmの繊維の堆積物からなる被膜を貼付する工程。
    (I-3)次の成分(c)及び(d)を含有する組成物Zを塗布する工程。
    (c)油剤及び20℃で液状のポリオールから選ばれる1種又は2種以上
    (d)平均繊維径0.01~7μm、アスペクト比(平均繊維長/平均繊維径)10~1000の繊維
  5. 皮膚の保護が、皮膚外部からの刺激及び/又は皮膚内部からの刺激に対する保護である請求項1~4のいずれか1項記載の美容方法。
  6. 皮膚外部からの刺激が、花粉、大気有害物質から選ばれる成分の付着によって引き起こされる皮膚刺激である請求項5記載の美容方法。
  7. 皮膚外部からの刺激が、マスクの着用によって引き起こされる皮膚刺激である請求項5記載の美容方法。
  8. 皮膚内部からの刺激が、皮脂及び汗から選ばれる分泌成分によって引き起こされる皮膚刺激である請求項5記載の美容方法。
  9. さらに、マスクを装着する工程(工程IV)を有する請求項1~8のいずれか1項記載の美容方法。
  10. 花粉自動測定器により計測された、1時間平均の花粉数(個/m3)が、20以上の時に使用される請求項1~9のいずれか1項記載の美容方法。
  11. 空気質指数(Air Quality Index)が、51以上の時に使用される請求項1~10のいずれか1項記載の美容方法。
  12. 高温多湿な環境下において使用される請求項1~11のいずれか1項記載の美容方法。
  13. 気温が、25℃以上であり、且つ湿度が40%以上の時に使用される請求項1~12のいずれか1項記載の美容方法。
  14. 皮脂の分泌量が多い場所に使用される請求項1~13のいずれか1項記載の美容方法。
  15. 肌タイプが脂性肌の人に使用される請求項1~14のいずれか1項記載の美容方法。
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