JP2021006522A - 被膜形成性皮膚外用組成物 - Google Patents

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幸恵 藤田
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幸恵 藤田
愛 桝本
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愛 桝本
佑次 望月
Yuji Mochizuki
佑次 望月
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Abstract

【課題】本発明は、被膜形成性の組成物において、形成される被膜が患部を保護し、肌にしっかり密着しながらも、高い柔軟性を有することで使用感に優れて違和感もなく、動きや擦れに強くて剥がれにくい皮膜を形成する組成物を提供することを課題とする。【解決手段】上記課題を解決するための本発明は、A)セルロース系高分子(a1)及びビニル系高分子(a2)を含む被膜形成高分子(B)多価アルコール、並びに(C)揮発性溶媒を含有する、被膜形成性皮膚外用組成物である。【選択図】なし

Description

本発明は、被膜形成性皮膚外用組成物に関する。
虫さされ薬やニキビ薬は、痒みや炎症を抑える作用に加えて、かきむしりや接触による肌への二次被害を防ぐ作用を有することも重要な要素のひとつである。上記のような虫さされ薬やニキビ薬として、例えば、パッチタイプのものが知られている。上記パッチタイプのものは、痒みや炎症を抑える薬効成分を含ませた粘着性のシートを患部に貼付することで、患部を保護しながら症状を改善させることができる。しかし、この製剤は、患部を保護する機能には優れているものの、貼付部位が蒸れたり、粘着剤が原因の肌荒れが生じたり、貼付部位の周囲に痒みが生じたりと、患部を含めた周辺の肌への負担が大きくなることがあった。また、上記パッチタイプ以外に、このような製剤に使用され得る技術として、皮膚に塗布すると薄い皮膜が形成されるジェル状の組成物(特許文献1参照)、接触皮膚炎を予防するためのバリヤーフィルム組成物も知られている(特許文献2参照)。しかし、これらの技術により形成される皮膜は、擦るとすぐ剥がれたり、経時的なよれ等も生じ易く、患部を十分に保護できるほどの強度を有していない。また上記被膜は柔軟性が不十分であるため、動きにより密着性が低下し、容易に剥がれる等の不都合があった。
一方、爪の疾病を局所的に治療するための治療薬を含む爪ラッカーは過去においていくつか知られている。特許文献3には、抗真菌剤と水不溶性フィルム形成剤を含む、抗真菌活性を有する爪ラッカーが開示されている。また、特許文献4には、爪と皮膚の疾病のために有用な薬効成分、酸性化剤、揮発性溶媒及びポリマーフィルム形成剤を含むラッカー組成物が開示されている。しかし、これらのラッカー組成物等に係る発明は、厚く固い爪プレートへの薬効成分の取り込みを高めることを課題としたものであり、肌に使用した際の使用感、密着性、柔軟性等の課題については解決されていない。
特開2004−75540号公報 特表2000−510827号公報 米国特許第5,264,206号 特表2002−509867号公報
このような状況下、本発明は、被膜形成性の組成物において、形成される被膜が患部を保護し、肌にしっかり密着しながらも、高い柔軟性を有することで使用感に優れて違和感もなく、動きや擦れに強くて剥がれにくい皮膜を形成することができ、塗布性にも優れる組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、被膜形成高分子としてのセルロース系高分子及びビニル系高分子、多価アルコール、並びに揮発性溶媒を含有する組成物が、患部を含む部位に塗布することで、患部を十分に保護し、しっかり密着しながらも、高い柔軟性を有することで使用感に優れて違和感もなく、動きや擦れに強く、剥がれにくい被膜を形成できることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明の要旨は以下の通りである。
[1](A)セルロース系高分子(a1)及びビニル系高分子(a2)を含む被膜形成高分子、
(B)多価アルコール、並びに
(C)揮発性溶媒
を含有する、被膜形成性皮膚外用組成物。
[2]ビニル系高分子(a2)が、少なくとも耐塩性ビニル系高分子を含む、[1]に記載の被膜形成性皮膚外用組成物。
[3]セルロース系高分子(a1)が、結晶セルロース、セルロース末、ヒドロキシアルキルセルロース類、アルキルセルロース類、及びこれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を含み、ビニル系高分子(a2)が、ビニルアルコール系高分子、ビニルピロリドン系高分子、及びこれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を含む、[1]又は[2]に記載の被膜形成性皮膚外用組成物。
[4]セルロース系高分子(a1)が、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、及びカルボキシメチルセルロースからなる群より選択される少なくとも1種であり、ビニル系高分子(a2)が、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン及びこれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を含む、[1]から[3]のいずれかに記載の被膜形成性皮膚外用組成物。
[5]被膜形成性皮膚外用組成物におけるセルロース系高分子(a1)とビニル系高分子(a2)の含有量の合計が、被膜形成性皮膚外用組成物全体の0.1重量%以上20重量%以下であり、かつ、被膜形成性皮膚外用組成物中のセルロース系高分子(a1)とビニル系高分子(a2)の含有比が、セルロース系高分子(a1)の含有量を1重量部としたときに、ビニル系高分子(a2)が0.01〜50重量部となることを特徴とする、[1]から[4]のいずれかに記載の被膜形成性皮膚外用組成物。
[6](D)薬効成分をさらに含む、[1]から[5]のいずれかに記載の被膜形成性皮膚外用組成物。
[7](D)薬効成分が、抗ヒスタミン剤、鎮痒剤、抗炎症剤、清涼化剤、局所麻酔剤、殺菌消毒剤、角質軟化剤、組織修復剤、ビタミン剤、及び鎮痛消炎剤からなる群より選択される少なくとも1種である、[6]に記載の被膜形成性皮膚外用組成物。
[8](D)薬効成分として抗ヒスタミン剤、鎮痒剤、抗炎症剤、清涼化剤、及び局所麻酔剤からなる群より選択される少なくとも1種を含み、かゆみ止め用である、[7]に記載の被膜形成性皮膚外用組成物。
[9](D)薬効成分として殺菌消毒剤、抗炎症剤、角質軟化剤、組織修復剤、及びビタミン剤からなる群より選択される少なくとも1種を含み、ニキビ用である、[7]に記載の被膜形成性皮膚外用組成物。
[10](D)薬効成分として抗炎症剤、鎮痛消炎剤、及び清涼化剤からなる群より選択される少なくとも1種を含み、鎮痛消炎用である、[7]に記載の被膜形成性皮膚外用組成物。
[11](E)顔料をさらに含む、[1]から[10]のいずれかに記載の被膜形成性皮膚外用組成物。
[12]薬効成分として組織修復剤、及びビタミン剤からなる群より選択される少なくとも1種を含み、さらに(E)顔料を含む、傷痕隠し用又はコンシーラー用である、[11]に記載の被膜形成性皮膚外用組成物。
本発明の被膜形成性皮膚外用組成物によると、形成される被膜が患部を保護し、肌にしっかり密着しながらも、高い柔軟性を有することで使用感に優れて違和感もなく、動きや擦れに強くて剥がれにくい皮膜を形成することができる。また、本発明の被膜形成性皮膚外用組成物は、塗布性にも優れる。
図1は、本発明の被膜形成性皮膚外用組成物(e)又は従来の外用組成物(a−d)を塗布した上に、日焼け止め(ファンデーション)を重ねて塗布した際の状態の写真である。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書中で使用される用語は、特に言及しない限り、当該技術分野で通常用いられる意味で解釈される。
<被膜形成性皮膚外用組成物>
本発明の被膜形成性皮膚外用組成物は、(A)セルロース系高分子(a1)及びビニル系高分子(a2)を含む被膜形成高分子、(B)多価アルコール、並びに(C)揮発性溶媒を含有することを特徴とする。これらの成分を含有することで、本発明の被膜形成性皮膚外用組成物は、患部を含む部位に塗布すると、患部を十分に保護し、しっかり密着しながらも、高い柔軟性を有することで使用感に優れて違和感もなく、動きや擦れに強く、剥がれにくい被膜を形成することができる。本発明の被膜形成性皮膚外用組成物は、上記(A)〜(C)の必須成分に加えて、薬効を奏する(D)薬効成分や(E)顔料を含んでいてもよい。さらに、本発明の効果を損なわない範囲で、基剤・担体となる成分や、その他の任意成分を含んでいてもよい。以下に、(A)〜(E)の成分、基剤・担体成分、その他の任意成分について詳細に説明する。なお、各成分として具体的に例示されている化合物が重複している場合には、いずれかの成分として含まれていればよい。
[(A)被膜形成高分子]
本発明の被膜形成性皮膚外用組成物は、(A)被膜形成高分子として2種類の高分子を含むことを特徴としている。この2種類の高分子とは、(a1)セルロース系高分子及び(a2)ビニル系高分子である。
(a1)セルロース系高分子
本発明の被膜形成性皮膚外用組成物に用いることができるセルロース系高分子としては、被膜形成能を有し、後述する(a2)ビニル系高分子と組み合わせて用いたときに、優れた効果を奏するものであれば特に限定されない。本発明の被膜形成性皮膚外用組成物に用いることができるセルロース系高分子には、セルロース及び又はセルロースを部分的に変性したセルロース誘導体が挙げられる。例えば、結晶セルロース、セルロース末、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のヒドロキシアルキルセルロース類;メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース等アルキルセルロース類が挙げられる。また、本発明の被膜形成性皮膚外用組成物に用いることができるセルロース系高分子には、上記の高分子の塩も含まれる。このような塩としては、例えば、有機塩基との塩(例えば、アミン塩、アルギニン等の塩基性アンモニウム塩等)、無機塩基との塩(例えば、アンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩等)等が挙げられ、中でもナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩がより好ましく、ナトリウム塩が特に好ましい塩である。
本発明に用いることができるセルロース系高分子は、置換基の置換度や分子量に制限はないが、例えば、重量平均分子量0.5万〜100万、好ましくは1万〜50万、さらに好ましくは1万〜10万程度のものを使用することができる。
これらのうち、(a1)セルロース系高分子としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムが好ましく、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロースがより好ましく、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースがさらに好ましく、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロースが特に好ましい。
なお、(a1)セルロース系高分子としては、上記の化合物の1種または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらのセルロース系高分子は、市販のものを用いることができ、例えば、HEC CFシリーズ(住友精化社製)、HEC ダイセルシリーズ(ダイセル社製)、メトローズシリーズ(信越化学工業社製)、サンジェロースシリーズ(大同化成工業社製)、NISSO HPCシリーズ(日本曹達社製)等を使用することができる。なお、これらの市販品の1種または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の被膜形成性皮膚外用組成物における(a1)セルロース系高分子の含有量としては、被膜形成性皮膚外用組成物の総重量に対して、0.001重量%以上10重量%以下であり、0.01重量%以上5重量%以下であることが好ましく、0.05重量%以上4重量%以下であることがより好ましく、0.1重量%以上3重量%以下であることがさらに好ましく、0.5重量%以上2.5重量%以下であることが特に好ましい。(a1)セルロース系高分子を上記の範囲で含むことにより、本発明の被膜形成性皮膚外用組成物を皮膚に塗布して形成される被膜を、十分な強度を有するものとすることができる。
(a2)ビニル系高分子
本発明の被膜形成性皮膚外用組成物に用いることができるビニル系高分子としては、被膜形成性を有し、(a1)セルロース系高分子と組み合わせて用いたときに、優れた効果を奏するものであれば特に限定されないが、例えば、;ポリビニルピロリドンなどのビニルピロリドン系高分子;ポリビニルアルコール(完全又は部分ケン化物)などのビニルアルコール系高分子;(アクリル酸ジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマー、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーなどの側鎖にジメチルタウリンを有する高分子等の耐塩性高分子が挙げられる。また、本発明の被膜形成性皮膚外用組成物に用いることができるビニル系高分子には、上記の高分子の塩も含まれる。塩の種類については、(a1)セルロース系高分子の塩と同様の有機塩基との塩、無機塩基との塩等が挙げられる。本発明に用いることができるビニル系高分子は、その分子量に制限はないが、例えば重量平均分子量0.5万〜500万、好ましくは1万〜300万、より好ましくは1万〜100万程度のものを使用することができる。ポリビニルピロリドンのK値(粘性特性値)については、特に制限されないが、10〜150程度のものを好ましく使用することができる。また、これらの化合物の1種または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらのうち、(a2)ビニル系高分子としては、ビニルピロリドン系高分子、ビニルアルコール系高分子、側鎖にジメチルタウリンを有する高分子等の耐塩性高分子が好ましく、ビニルピロリドン系高分子、ビニルアルコール系高分子がより好ましく、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール(完全又は部分ケン化物)がさらに好ましく、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール(部分ケン化物)が特に好ましく、ポリビニルピロリドンがより特に好ましく、ポリビニルピロリドンK25、ポリビニルピロリドンK30、ポリビニルピロリドンK90がさらに特に好ましい。
これらのビニル系高分子は、市販のものを用いることができ、例えば、コリドンシリーズ、ルビスコールシリーズ(BASF社製)、ポリビニルピロリドン(日本触媒社製)、PVPシリーズ(ISPジャパン社製)、ゴーセノールシリーズ(三菱ケミカル社製)等を使用することができる。なお、これらの市販品の1種または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の被膜形成性皮膚外用組成物における(a2)ビニル系高分子の含有量としては、被膜形成性皮膚外用組成物の総重量に対して、0.001重量%以上15重量%以下であり、0.01重量%以上10重量%以下であることが好ましく、0.05重量%以上5重量%以下であることがより好ましく、0.1重量%以上5重量%以下であることがさらに好ましく、0.5重量%以上5重量%以下であることが特に好ましい。(a2)ビニル系高分子を上記の範囲で含むことにより、本発明の被膜形成性皮膚外用組成物を皮膚に塗布して形成される被膜を、肌への密着性、柔軟性に優れるものとすることができる。
本発明の被膜形成性皮膚外用組成物における(a1)セルロース系高分子と(a2)ビニル系高分子の含有量の合計は、被膜形成性皮膚外用組成物の総重量に対して、0.1重量%以上20重量%以下であり、0.5重量%以上15重量%以下であることが好ましく、0.5重量%以上12重量%以下であることがより好ましく、1重量%以上10重量%以下であることがさらに好ましく、2重量%以上8重量%以下であることが特に好ましい。(a1)セルロース系高分子と(a2)ビニル系高分子とを合計で、上記範囲で含むことにより、本発明の被膜形成性皮膚外用組成物を皮膚に塗布して形成される被膜を、肌への密着性、柔軟性に優れるものとすることができる。
本発明の被膜形成性皮膚外用組成物において、(a1)セルロース系高分子と(a2)ビニル系高分子の含有比率は、被膜形成性皮膚外用組成物中の(a1)セルロース系高分子の総量を1重量部とすると、(a2)ビニル系高分子が0.01〜50重量部であり、0.05〜40重量部であることが好ましく、0.1〜20重量部であることがさらに好ましく、0.2〜10重量部であることが特に好ましい。(a1)セルロース系高分子と(a2)ビニル系高分子の含有比率を上記の数値範囲とすることで、本発明の被膜形成性皮膚外用組成物を皮膚に塗布して形成される被膜を、十分な強度を有すると共に、肌への密着性、柔軟性に優れるものとすることができる。これにより、患部を十分に保護でき、肌にしっかり密着しながらも高い柔軟性を有することで違和感もなく、動きや擦れに強く剥がれ難い製品とすることが可能となる。
本発明の被膜形成性皮膚外用組成物における(A)被膜形成高分子の(a1)セルロース系高分子と(a2)ビニル系高分子の組合わせとしては、例えば、下記表に示す組合わせが好ましいものとして挙げられる。
[(B)多価アルコール]
本発明の被膜形成性皮膚外用組成物に用いる多価アルコールとしては、例えば、グリセリン(濃グリセリン)、ジグリセリン、トリグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、イソプレングリコール、1、3−ブチレングリコール、1,3−プロパンジオール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マンニトール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(ポロクサマー)等が挙げられる。
これらのうち、(B)多価アルコールとしては、1、3−ブチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセリン(濃グリセリン)、ポリエチレングリコール(PEG)、ジプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(ポロクサマー)、ペンタンジオール、ヘキサンジオールが好ましく、グリセリン(濃グリセリン)、ポリエチレングリコール(PEG)、ジプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(ポロクサマー)がより好ましく、ポリエチレングリコール(PEG)、グリセリン(濃グリセリン)がさらに好ましい。
ポリエチレングリコール(PEG)は、置換基の置換度や分子量に制限はないが、重量平均分子量100〜5万、好ましくは400〜2万、さらに好ましくは400〜1万、さらにより好ましくは400〜6000程度のものを使用することができる。また、これらのポリエチレングリコールは、市販のものを用いることができ、1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。なかでも、本発明の効果をより一層高める観点から、マクロゴール6000、マクロゴール4000、PEG1500、マクロゴール400が好ましい。
本発明の被膜形成性皮膚外用組成物における(B)多価アルコールの含有量としては、被膜形成性皮膚外用組成物の総重量に対して、0.001重量%以上20重量%以下であり、0.01重量%以上8.0重量%以下であることが好ましく、0.05重量%以上5.0重量%以下であることがより好ましく、0.1重量%以上4重量%以下であることがさらに好ましい。(B)多価アルコールを上記の範囲で含むことにより、本発明の被膜形成性皮膚外用組成物を皮膚に塗布して形成される被膜の、肌への密着性、柔軟性を向上させることができる。
本発明の被膜形成性皮膚外用組成物において、(A)セルロース系高分子と(B)多価アルコールの含有比率は、被膜形成性皮膚外用組成物中の(A)セルロース系高分子の総量を1重量部とすると、(B)多価アルコールが0.001〜5重量部であり、0.01〜3重量部であることが好ましく、0.05〜2重量部であることがさらに好ましい。(A)セルロース系高分子と(B)多価アルコールの含有比率を上記の数値範囲とすることで、本発明の被膜形成性皮膚外用組成物を皮膚に塗布して形成される被膜を、十分な強度を有すると共に、肌への密着性、柔軟性に優れるものとすることができる。
[(C)揮発性溶媒]
本発明の被膜形成性皮膚外用組成物に用いる揮発性溶媒としては、水よりも速く蒸発する液状物質であれば特に限定されないが、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノールのような低沸点アルコール、軽質流動イソパラフィン等の低沸点炭化水素油、低重合度のジメチルポリシロキサン、メチルトリメチコン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等の低沸点の鎖状若しくは環状シリコーン油、低沸点パーフルオロポリエーテル等の低沸点フッ素化合物等が挙げられる。これらの揮発性溶媒は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。なお、(C)揮発性溶媒は、無水であることが好ましいが、水を含んでいてもよく、その場合の水の含有量は30%未満であり、10%未満であることが好ましく、2%未満であることがより好ましい。本発明の被膜形成性皮膚外用組成物を皮膚に塗布した後に揮発して皮膚の表面に被膜が形成されるものである。
これらのうち、本発明の被膜形成性皮膚外用組成物に用いる揮発性溶媒としては、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノールのような低沸点アルコールが好ましく、エタノール、イソプロピルアルコールがより好ましく、無水エタノールがさらに好ましい。
本発明の被膜形成性皮膚外用組成物における(C)揮発性溶媒の使用量は特に規定されるものではないが、皮膚外用組成物としての適度な流動性を保持するために、被膜形成性皮膚外用組成物中、1重量%〜99重量%であり、2重量%〜90重量%であることが好ましく、5重量%〜80重量%であることがより好ましく、10重量%〜70重量%であることがさらに好ましく、15重量%〜60重量%であることが特に好ましい。
[(D)薬効成分]
本発明の被膜形成性皮膚外用組成物は、医薬品、医薬部外品等の範疇に属するものであってもよく、様々な用途に用いることができる。そのため本発明の被膜形成性皮膚外用組成物は、各用途に合わせた(D)薬効成分を含むことができる。そのような(D)薬効成分としては、薬理活性成分、生理活性成分、栄養成分等を含むことができる。(D)薬効成分の種類は特に制限されないが、例えば、抗ヒスタミン剤、鎮痒剤、抗炎症剤、清涼化剤、局所麻酔剤、殺菌消毒剤、角質軟化剤、組織修復剤、皮膚保護剤、ビタミン剤、鎮痛消炎剤、抗ウイルス剤、育毛・発毛促進剤、抗シワ剤、血行促進剤、美白剤、制汗剤等が挙げられる。これらのうち、本発明の被膜形成性皮膚外用組成物として有効に活用され得るという観点から、抗ヒスタミン剤、鎮痒剤、抗炎症剤、清涼化剤、局所麻酔剤、殺菌消毒剤、角質軟化剤、組織修復剤、ビタミン剤、鎮痛消炎剤がより好ましい。
上記抗ヒスタミン剤としては、例えば、クロルフェニラミン、ジフェンヒドラミン並びにこれらの塩及びそれらの誘導体等が挙げられる。塩としては、塩酸塩、マレイン酸塩、サリチル酸塩が特に好ましい。中でも塩酸ジフェンヒドラミン、ジフェンヒドラミン、サリチル酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、クロルフェニラミンからなる群より選択される1種又は2種以上が好ましく、塩酸ジフェンヒドラミン、ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミンからなる群より選択される1種又は2種以上がより好ましく、塩酸ジフェンヒドラミン、ジフェンヒドラミン、からなる群より選択される1種又は2種以上がさらに好ましい。抗ヒスタミン剤を配合する場合、本発明の皮膚外用組成物の全量に対して、0.001〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましく、0.1〜3質量%がさらに好ましく、0.5〜2質量%がさらにより好ましい。
上記鎮痒剤としては、例えば、クロタミトン等が挙げられる。鎮痒剤を配合する場合、本発明の皮膚外用組成物の全量に対して、0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜8質量%がより好ましく、1〜5質量%がさらに好ましい。
上記抗炎症剤としては、例えば、アラントイン及びその誘導体(例えば、アルクロキサ、アラントインなど)、トラネキサム酸、グリチルリチン酸若しくはその誘導体又はそれらの塩(例えば、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウムなど)、グリチルレチン酸若しくはその誘導体又はそれらの塩(例えば、グリチルレチン酸、グリチルレチン酸ステアリルなど)、酸化亜鉛、アミノカプロン酸、アズレン及びその誘導体(例えば、グアイアズレン、アズレンなど)、サリチル酸又はその誘導体、ステロイド類若しくはその誘導体又はそれらの塩(例えば、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロンなど)、ウフェナマート、ブフェキサマク、イブプロフェンピコノール、アゼライン酸等が挙げられる。中でも、アラントイン、トラネキサム酸、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム、グリチルレチン酸、グリチルレチン酸ステアリル、アミノカプロン酸、グアイアズレン、アズレンスルホン酸ナトリウム、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、吉草酸酢酸プレドニゾロン、酢酸ヒドロコルチゾン、酢酸デキサメタゾン、サリチル酸グリコール、ウフェナマート、イブプロフェンピコノール、アゼライン酸から選ばれる1種又は2種以上が好ましく、アラントイン、トラネキサム酸、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸モノアンモニウム、グリチルレチン酸ステアリル、アミノカプロン酸、吉草酸酢酸プレドニゾロン、酢酸デキサメタゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、ウフェナマート、イブプロフェンピコノール、アゼライン酸から選ばれる1種又は2種以上がより好ましく、アラントイン、トラネキサム酸、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルレチン酸、グリチルレチン酸ステアリル、吉草酸酢酸プレドニゾロン、酢酸デキサメタゾン、イブプロフェンピコノールがさらに好ましい。
抗炎症剤を配合する場合、本発明の皮膚外用組成物の全量に対して、0.0001〜10質量%が好ましく、0.001〜8質量%がより好ましく、0.01〜5質量%がさらに好ましく、0.01〜2質量%がさらにより好ましい。
特に抗炎症剤として、ステロイド類若しくはその誘導体又はそれらの塩を配合する場合、本発明の皮膚外用組成物の全量に対して、0.0001〜2質量%が好ましく、0.001〜1質量%がより好ましく、0.01〜0.5質量%がさらに好ましい。
特に抗炎症剤として、アラントイン、トラネキサム酸、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルレチン酸、グリチルレチン酸ステアリルを配合する場合、本発明の皮膚外用組成物の全量に対して、0.0001〜5質量%が好ましく、0.001〜2質量%がより好ましく、0.01〜1質量%がさらに好ましい。
特に抗炎症剤として、イブプロフェンピコノール、ウフェナマート、ブフェキサマクを配合する場合、本発明の皮膚外用組成物の全量に対して、0.01〜10質量%が好ましく、0.1〜8質量%がより好ましく、1〜5質量%がさらに好ましい。
上記清涼化剤としては、例えば、メントール及びその誘導体、カンフル、クロロブタノール、ボルネオール、ゲラニオール、シネオール、アネトール、リモネン、オイゲノール等のテルペン類(これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。);ユーカリ油、ベルガモット油、ペパーミント油、クールミント油、スペアミント油、ウイキョウ油、ハッカ油、ケイヒ油、ローズ油、テレビン油等の精油等が挙げられる。中でもl−メントール、dl−メントール、メンチルグリセリルエーテル、乳酸メンチル、メンチル3−ヒドロキシブチレート、メントキシプロパンジオール、dl−カンフル、ユーカリ油、ペパーミント油、ハッカ油、テレビン油から選ばれる1種又は2種以上が好ましく、l−メントール、メンチルグリセリルエーテル、乳酸メンチル、メントキシプロパンジオール、dl−カンフル、ユーカリ油、ペパーミント油、ハッカ油から選ばれる1種又は2種以上がより好ましく、l−メントール、メンチルグリセリルエーテル、乳酸メンチル、dl−カンフル、ユーカリ油、ハッカ油から選ばれる1種又は2種以上がさらに好ましい。清涼化剤を配合する場合、本発明の皮膚外用組成物の全量に対して、0.0001〜10質量%が好ましく、0.001〜8質量%がより好ましく、0.01〜5質量%がさらに好ましく、0.1〜2質量%がさらにより好ましい。
上記局所麻酔剤は、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、ジブカイン、およびそれらの薬学的に許容される塩、およびアミノ安息香酸エチルからなる群より選択される1種または2種以上が挙げられる。塩としては、塩酸塩が特に好ましい。中でもリドカイン、塩酸リドカイン、ジブカイン、塩酸ジブカイン、アミノ安息香酸エチルからなる群より選択される1種または2種以上が好ましく、リドカイン、塩酸リドカイン、アミノ安息香酸エチルからなる群より選択される1種または2種以上好ましい。局所麻酔剤を配合する場合、本発明の皮膚外用組成物の全量に対して、0.001〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましく、0.1〜2質量%がさらに好ましい。
上記殺菌消毒剤としては、例えば、クロルヘキシジン、サリチル酸、塩化ベンザルコニウム、アクリノール、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、クレゾール、グルコン酸及びその誘導体、ポピドンヨード、ヨウ化カリウム、ヨウ素、イソプロピルメチルフェノール、トリクロカルバン、トリクロサン、ジンクピリチオン、感光素101号、感光素201号、塩酸アルキルジアミノグリシン、塩化セチルピリジニウム、ピロクトンオラミン、ミコナゾール若しくはその塩等が挙げられる。中でもサリチル酸、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、グルコン酸、グルコン酸クロルヘキシジン、イソプロピルメチルフェノール、ジンクピリチオン、塩化セチルピリジニウム、ピロクトンオラミン、ミコナゾール若しくはその塩から選ばれる1種又は2種以上が好ましく、サリチル酸、塩化ベンザルコニウム、イソプロピルメチルフェノール、塩化セチルピリジニウムから選ばれる1種又は2種以上がより好ましい。殺菌消毒剤を配合する場合、本発明の皮膚外用組成物の全量に対して、0.00001〜10質量%が好ましく、0.001〜5質量%がより好ましく、0.01〜2質量%がさらに好ましい。
上記角質軟化剤としては、例えば、尿素、乳酸、乳酸ナトリウム、グリコール酸、サリチル酸等が好ましいものとして挙げられる。角質軟化剤を配合する場合、本発明の皮膚外用組成物の全量に対して、0.00001〜20質量%が好ましく、0.001〜10質量%がより好ましく、0.01〜5質量%がさらに好ましく、0.1〜5質量%がよりさらに好ましい。
上記組織修復剤としては、例えば、アラントイン、ヘパリン類似物質等が挙げられる。本発明の皮膚外用組成物の全量に対して、0.001〜10質量%、好ましくは、0.001〜5質量%、より好ましくは、0.05〜3質量%、さらに好ましくは、0.1〜1質量%である。
上記皮膚保護剤としては、例えば、コロジオン、ヒマシ油等が挙げられる。
上記ビタミン剤類としては、水溶性ビタミン及び油溶性ビタミンのいずれであってもよく、例えば、ビタミンB6類;パントテン酸類;ニコチン酸類;ビタミンB2類;ビタミンB12類;ビタミンC類;ビタミンE類;ビタミンA類;ピロロキノリンキノン又はその塩、ヘスペリジン類、ユビキノン、α−リポ酸などのビタミン様作用因子などが挙げられる。ビタミン剤を配合する場合、本発明の皮膚外用組成物の全量に対して、0.00001〜10質量%が好ましく、0.001〜5質量%がより好ましく、0.005〜3質量%がさらに好ましく、0.01〜2質量%がさらにより好ましい。
上記ビタミン剤類としては、塩酸ピリドキシン、パントテニルアルコール(パンテノール)、ニコチン酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸アミド、リボフラビン、シアノコバラミン;アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、及びそれらの塩;酢酸dl−α−トコフェロール、dl−α−トコフェロール、δ―トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロールカルシウム、ビタミンA類及びその誘導体、プロビタミンA類;ピロロキノリンキノン又はその塩;ヘスペリジン、グルコシルヘルペリジン;ユビデカレノンから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、塩酸ピリドキシン、パントテニルアルコール(パンテノール)、ニコチン酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸アミド、リボフラビン、シアノコバラミン;アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、アスコルビン酸−2−グルコシド、3−O−エチルアスコルビン酸、2−O−エチルアスコルビン酸、グリセリルアスコルビン酸、ビスグリセリルアスコルビン酸、アルキルグリセリルアスコルビン酸、イソステアリルアスコルビルリン酸2ナトリウム、ジパルミチン酸L−アスコルビル、テトラ2−ヘキシルデカン酸アスコルビル、パルミチン酸アスコルビルリン酸3ナトリウム、アスコルビン酸メチルシラノール;酢酸dl−α−トコフェロール、dl−α−トコフェロール、δ―トコフェロール、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸カリウム;レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、プロピオン酸レチノール、リノール酸レチノール、水添レチノール、レチノイン酸、レチノイン酸トコフェリル、α−カロテン、β−カロテン、γ−カロテン、クリプトキサンチン、リコピン、ゼアキサンチン;ピロロキノリンキノン又はその塩;グルコシルヘルペリジン;ユビデカレノンから選ばれる1種又は2種以上がより好ましく、塩酸ピリドキシン、パンテノール、パントテニルエチルエーテル;ニコチン酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸アミド;リボフラビン;シアノコバラミン;アスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、アスコルビン酸−2−グルコシド、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、2−O−エチルアスコルビン酸、3−O−エチルアスコルビン酸、テトラ2−ヘキシルデカン酸アスコルビル;酢酸dl−α−トコフェロール、δ―トコフェロール;パルミチン酸レチノール、酢酸レチノール、プロピオン酸レチノール、水添レチノール;ピロロキノリンキノン2ナトリウム塩;グルコシルヘルペリジン;ユビデカレノンから選ばれる1種又は2種以上がさらに好ましく、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、テトラ2−ヘキシルデカン酸アスコルビル、δ―トコフェロール、酢酸レチノール、ピロロキノリンキノン2ナトリウム塩から選ばれる1種又は2種以上がさらに好ましく、塩酸ピリドキシン、パンテノール、ニコチン酸アミド、リボフラビン、シアノコバラミン、アスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、アスコルビン酸−2−グルコシド、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、3−O−エチルアスコルビン酸、テトラ2−ヘキシルデカン酸アスコルビル、酢酸dl−α−トコフェロール、δ―トコフェロール、パルミチン酸レチノール、水添レチノール、ピロロキノリンキノン2ナトリウム塩から選ばれる1種又は2種以上がさらにより好ましく、パンテノール、ニコチン酸アミド、アスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、アスコルビン酸−2−グルコシド、3−O−エチルアスコルビン酸、酢酸dl−α−トコフェロール、パルミチン酸レチノール、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、テトラ2−ヘキシルデカン酸アスコルビル、δ―トコフェロール、ピロロキノリンキノン2ナトリウム塩から選ばれる1種又は2種以上が特に好ましい。
医薬品用途でビタミン剤を配合する場合、本発明の皮膚外用組成物の全量に対して、0.001〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましく、0.01〜5質量%がさらに好ましく、0.1〜5質量%が特に好ましく、0.5〜2質量%が最も好ましい。
その他用途でビタミン剤を配合する場合、本発明の皮膚外用組成物の全量に対して、0.00001〜10質量%が好ましく、0.001〜5質量%がより好ましく、0.01〜3質量%がさらに好ましく、0.05〜2質量%が特に好ましく、0.1〜1質量%が最も好ましい。
上記鎮痛消炎剤としては、例えば、アセトアミノフェン、メフェナム酸、ジクロフェナク、フルフェナム酸、アスピリン、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、イブプロフェン、ナプロキセン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、アンフェナクナトリウム、インドメタシン、ピロキシカム、ロキソプロフェン、フェルビナク、ベンザダック、およびそれらの薬学的に許容される塩からなる群より選択される1種または2種以上が挙げられる。塩としては、アルカリ金属、塩酸塩等が挙げられ、ナトリウム塩、塩酸塩が好ましい。中でもアセトアミノフェン、ジクロフェナクナトリウム、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、イブプロフェン、ケトプロフェン、インドメタシン、ピロキシカム、ロキソプロフェンナトリウム、フェルビナクおよびそれらの薬学的に許容される塩からなる群より選択される1種または2種以上がより好ましく、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、フェルビナク、ジクロフェナクナトリウム、ロキソプロフェンナトリウム、インドメタシンからなる群より選択される1種または2種以上がさらに好ましい。
鎮痛消炎剤を配合する場合、本発明の皮膚外用組成物の全量に対して、0.001〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましく、0.1〜3質量%がさらに好ましく、0.1〜2質量%が特に好ましい。
上記抗ウイルス剤としては、例えば、アシクロビル、ペンシクロビル、ガンシクロビル、ビダラビン、ファムシクロビル、バラシクロビル、アメナメビルおよびそれらの薬学的に許容される塩からなる群より選ばれる少なくとも1種または2種以上が挙げられる。前記塩の例としては、塩酸又はリン酸等の鉱酸の塩、マレイン酸又はメタンスルホン酸等の有機酸の塩、ナトリウム又はカリウム等のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩が挙げられる。中でもアシクロビル、ペンシクロビル、ビダラビン、ファムシクロビル、バラシクロビル、アメナメビルおよびそれらの薬学的に許容される塩からなる群より選択される1種または2種以上が好ましく、アシクロビル、ビダラビンからなる群より選択される1種または2種以上がより好ましい。
抗ウイルス剤を配合する場合、本発明の皮膚外用組成物の全量に対して、0.001〜5質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましく、0.1〜5質量%がさらに好ましく、1〜5質量%が特に好ましい。
上記育毛・発毛促進剤としては、例えば、ミノキシジル、カルプロニウム塩化物、フィナステリド、ヒノキチオール、パントテニルエチルエーテル等が挙げられる。
上記抗シワ剤としては、例えば、加水分解大豆タンパク、ニコチン酸アミド、レチノール、レチナール、レチノイン酸、3−デヒドロレチノール、3−デヒドロレチナール、3−デヒドロレチノイン酸、水添レチノール、レチノイン酸トコフェリル、などのビタミンA類及びその誘導体であるパルミチン酸レチノール、プロピオン酸レチノール、リノール酸レチノール、酢酸レチノールなどのビタミンA誘導体類、α−カロテン、β−カロテン、γ−カロテン、クリプトキサンチンなどのプロビタミンA類、グリコール酸、アシル化グルコサミン、カイネチン、ビタミンC、ビタミンE、アロエ、コラーゲン、加水分解コラーゲン、水溶性コラーゲン、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、アセチルヒアルロン酸、ペプチド類(カプロオイルテトラペプチド−3、オリゴペプチド−24など)等が挙げられる。中でも、加水分解大豆タンパク、ニコチン酸アミド、パルミチン酸レチノール、プロピオン酸レチノール、酢酸レチノール、カイネチン、コラーゲン、加水分解コラーゲン、水溶性コラーゲン、ヒアルロン酸ナトリウム、アセチルヒアルロン酸、カプロオイルテトラペプチド−3、オリゴペプチド−24からなる群より選択される1種または2種以上が好ましく、加水分解大豆タンパク、ニコチン酸アミド、パルミチン酸レチノール、酢酸レチノール、加水分解コラーゲン、水溶性コラーゲン、アセチルヒアルロン酸、からなる群より選択される1種または2種以上が好ましい。
その含有量は、適宜選択できるが、上記抗シワ剤がニコチン酸アミドの場合、本発明の皮膚外用組成物の全量に対して、0.001〜10質量%が好ましく、0.01〜8質量%がより好ましく、0.1〜5質量%がさらに好ましく、0.5〜3質量%がより好ましい。上記抗シワ剤がビタミンA類誘導体の場合、本発明の皮膚外用組成物の全量に対して、0.0001〜1質量%が好ましく、0.001〜0.8質量%がより好ましく、0.01〜0.5質量%がさらに好ましい。
上記抗シワ剤がニコチン酸アミド、ビタミンA類誘導体以外の場合、例えば0.0001〜10質量%であり、0.0005〜5質量%が好ましく、0.001〜1質量%がより好ましく、0.005〜0.5質量%がさらに好ましい。
上記血行促進剤としては、トコフェロール類、ニコチン酸ベンジル、アルニカチンキ、ヘパリン類似物質、ポリエチレンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。中でも、酢酸トコフェロール、ニコチン酸トコフェロール、ヘパリン類似物質、ポリエチレンスルホン酸ナトリウムが好ましく、酢酸トコフェロール、ヘパリン類似物質がより好ましい。
血行促進剤を配合する場合、本発明の皮膚外用組成物の全量に対して、0.0001〜5質量%が好ましく、0.001〜3質量%がより好ましく、0.01〜2質量%がさらに好ましく、0.05〜1質量%がさらにより好ましく、0.1〜0.5質量%がさらに好ましい。
上記美白剤としては、例えば、プラセンタ;アルブチン;コウジ酸;エラグ酸;フィチン酸;トラネキサム酸;ルシノール;カモミラET;ハイドロキノン;4−メトキシサリチル酸カリウム塩;リノール酸及びその誘導体;アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、テトラ2−ヘキシルデカン酸アスコルビル、2−O−エチルアスコルビン酸、3−O−エチルアスコルビン酸、アスコルビン酸硫酸エステル2ナトリウム、アスコルビン酸−2−グルコシド、イソステアリルアスコルビルリン酸2ナトリウム、パルミチン酸アスコルビルリン酸3ナトリウム、グリセリルアスコルビン酸、ビスグリセリルアスコルビン酸、ヘキシル3―グリセリルアスコルビン酸、3−グリセリルアスコルビン酸、ミリスチル3−グリセリルアスコルビン酸、3−ラウリルグリセリルアスコルビン酸、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸カリウム、及びマレイン酸アスコルビルトコフェリルからなる群より選ばれる1種又は2種以上が好ましく、プラセンタ;アルブチン;コウジ酸;フィチン酸;トラネキサム酸;ハイドロキノン;アスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、テトラ2−ヘキシルデカン酸アスコルビル、2−O−エチルアスコルビン酸、3−O−エチルアスコルビン酸、アスコルビン酸グルコシドからなる群より選ばれる1種又は2種以上がさらに好ましく、プラセンタ;アルブチン;トラネキサム酸;ハイドロキノン;アスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、テトラ2−ヘキシルデカン酸アスコルビル、3−O−エチルアスコルビン酸、アスコルビン酸グルコシドからなる群より選ばれる1種又は2種以上がさらにより好ましく、プラセンタ;アルブチン;トラネキサム酸;アスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、3−O−エチルアスコルビン酸、アスコルビン酸グルコシドからなる群より選ばれる1種又は2種以上が特に好ましい。
美白剤を配合する場合、本発明の皮膚外用組成物の全量に対して、0.001〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましく、0.1〜5質量%がさらに好ましく、0.5〜2質量%が特に好ましい。
上記制汗剤としては、例えば、ミョウバン、クロロヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、アラントインアルミニウム塩、パラフェノールスルホン酸亜鉛等の金属塩等が挙げられる。中でも、ミョウバン、クロロヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、アラントインアルミニウム塩、パラフェノールスルホン酸亜鉛が好ましく、パラフェノールスルホン酸亜鉛がより好ましい。
制汗剤を配合する場合、本発明の皮膚外用組成物の全量に対して、0.001〜5質量%が好ましく、0.01〜3質量%がより好ましく、0.1〜1質量%がさらに好ましい。
[(E)顔料]
本発明の被膜形成性皮膚外用組成物は、(E)顔料をさらに含むことで、あざ、瘢痕、ニキビ痕、掻き毟り痕等をカバーするために用いることができる。そのような(E)顔料としては、例えば、粉体であり、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類等が挙げられる。具体的には、酸化チタン、黒酸化チタン、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、無水ケイ酸、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、合成マイカ、セリサイト、タルク、カオリン、炭化珪素、硫酸バリウム、窒化硼素等の無機粉体類、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆マイカ、酸化鉄被覆マイカ、酸化鉄被覆マイカチタン、有機顔料被覆マイカチタン、アルミニウムパウダー等の光輝性粉体類、ナイロンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体パウダー、塩化ビニリデン−メタクリル酸共重合体パウダー、ポリエチレンパウダー、ポリエチレンテレフタレートパウダー、ポリスチレンパウダー、オルガノポリシロキサンエラストマーパウダー、ポリメチルシルセスキオキサンパウダー、ポリウレタンパウダー、ウールパウダー、シルクパウダー、結晶セルロースパウダー、N−アシルリジンパウダー等の有機粉体類、有機タール系顔料、有機色素のレーキ顔料等の色素粉体類、微粒子酸化チタン被覆マイカチタン、微粒子酸化亜鉛被覆マイカチタン、硫酸バリウム被覆マイカチタン、酸化チタン含有無水ケイ酸、酸化亜鉛含有無水ケイ酸等の複合粉体等が挙げられ、これらを1種又は2種以上を用いることができる。尚、これら粉体は、フッ素化合物、シリコーン化合物、界面活性剤等の通常公知の処理剤により表面処理を施して用いても良い。
(E)顔料を配合する場合、本発明の皮膚外用組成物の全量に対して、0.001〜10質量%が好ましく、0.005〜5質量%がより好ましく、0.01〜3質量%がさらに好ましい。
(基剤又は担体)
本発明の被膜形成性皮膚外用組成物は、その必須成分及び上記で説明した他の成分等を、医薬品、医薬部外品、化粧品等に通常使用される基剤又は担体、及び必要に応じて添加剤と共に常法に従い混合して、必要に応じて乳化又は可溶化を行い、各種の用途に応じた製剤形態の組成物とすることができる。
上記基剤又は担体としては、例えば、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ゲル化炭化水素(プラスチベース等)、オゾケライト、α−オレフィンオリゴマー、軽質流動パラフィン等の炭化水素;メチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリエーテル変性シリコーン、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリグリセリン変性シリコーン、ポリエーテル変性分岐シリコーン、ポリグリセリン変性分岐シリコーン、アクリルシリコーン、フェニル変性シリコーン、シリコーンレジン等のシリコーン油;ヤシ油、オリーブ油、コメヌカ油、シアバター等の油脂;ホホバ油、ミウロウ、キャンデリラロウ、ラノリン等のロウ類;セタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、フィトステロール、コレステロール等の高級アルコール;カラギーナン;ポリビニルブチラート;ジオキサン;ブチレングリコールアジピン酸ポリエステル;アジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット等のエステル類;デキストリン、マルトデキストリン等の多糖類;カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル等のグリコールエーテル;水等が挙げられる。以上説明した基剤又は担体は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。またそれらの使用量は当業者に公知の範囲から適宜選択される。
(任意成分)
本発明の被膜形成性皮膚外用組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、化粧品、医薬品、医薬部外品等に添加される公知の成分、例えば、(D)成分以外の血行促進成分、収斂剤、紫外線散乱剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、安定化剤、抗酸化成分、着色剤、パール光沢付与剤、分散剤、キレート剤、pH調整剤、保存剤、増粘剤、刺激低減剤、(D)成分以外の抗炎症性成分、(D)成分以外の殺菌消毒性成分(抗菌性成分)、(D)成分以外の角質軟化性成分、温感成分、(D)成分以外の発毛促進性成分、保湿成分、(D)成分以外抗シワ剤、抗糖化成分、細胞賦活化成分、(D)成分以外の美白成分等を添加することができる。これらの添加剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。
上記(D)成分として以外に配合可能な血行促進成分としては、例えば、カフェイン、トウガラシチンキ、アセチルコリン、イクタモール、カンタリスチンキ、ガンマーオリザノール、カプサイシン、ショオウキョウチンキ、ジンゲロン、セファランチン、グルコシルヘスペリジン、ヘスペリジン、ヒノキチオール、ガンマーオリザノール、植物(例えば、オタネニンジン、アシタバ、アルニカ、イチョウ、ウイキョウ、エンメイソウ、オランダカシ、カミツレ、ローマカミツレ、カロット、ゲンチアナ、ゴボウ、コメ、サンザシ、シイタケ、ショウガ、セイヨウサンザシ、セイヨウネズ、センキュウ、センブリ、タイム、チョウジ、チンピ、トウガラシ、トウキ、トウニン、トウヒ、ニンジン、ニンニク、ブッチャーブルーム、ブドウ、ボタン、マロニエ、メリッサ、ユズ、ヨクイニン、リョクチャ、ローズマリー、ローズヒップ、チンピ、トウキ、トウヒ、モモ、アンズ、クルミ、トウモロコシ等)に由来する成分が挙げられる。中でも、ガンマーオリザノール、グルコシルヘスペリジンが好ましく、ガンマーオリザノールがより好ましい。
上記収斂剤としては、例えば、ミョウバン、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウムカリウム、塩基性乳酸アルミニウム亜鉛等の金属塩、タンニン酸、クエン酸、乳酸、コハク酸などの有機酸、植物(例えば海藻、タイム、紅茶、ウーロン茶、緑茶、オトギリソウ、ハマメリス、ビワ、ボタンピ、ユキノシタ、ルイボス、レンゲソウ、アーティチョーク、カミツレ、ユーカリ、レモン、ローズマリー、ワレモコウ、サルビアなど)に由来する成分等が挙げられる。
上記紫外線散乱剤としては、例えば、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、ケイ酸チタン、ケイ酸亜鉛、無水ケイ酸、ケイ酸セリウム、含水ケイ酸等の無機化合物や、それらの無機化合物を含水ケイ酸、水酸化アルミニウム、マイカやタルク等の無機粉体で被覆したり、ポリアミド、ポリエチレン、ポリエステル、ポリスチレン、ナイロン等の樹脂粉体に複合化したもの、さらにシリコーン油や脂肪酸アルミニウム塩等で処理したもの等が挙げられる。中でも、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄等の無機化合物や、これらの無機化合物を水酸化アルミニウム、含水ケイ酸、マイカやタルク等の無機粉体やシリコーン油で被覆したものが好ましい。
上記紫外線吸収剤としては、例えば、サリチル酸−2−エチルヘキシル、サリチル酸ホモメンチル、又はサリチル酸エチレングリコール等のサリチル酸系紫外線吸収剤;ジパラメトキシケイ皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル;パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤;4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン等のベンゾイルメタン系紫外線吸収剤;2−[4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエステル等の安息香酸エステル誘導体紫外線吸収剤;ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル;2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾ−ル−2イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール];2,4−ビス−[{4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ}−フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、2,4,6−トリス[4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジン等のトリアジン誘導体;ジメチコジエチルベンザルマロネート等のベンザルマロナート誘導体紫外線吸収剤;2−シアノ−3,3−ジフェニルプロパ−2−エン酸2−エチルヘキシルエステル等のオクトクリレン紫外線吸収剤;2−フェニルベンゾイミダゾ−ル−5−スルホン酸、フェニルジベンゾイミダゾ−ルテトラスルホン酸二ナトリウム等のイミダゾ−ルスルホン酸誘導体紫外線吸収剤;2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸及びその塩、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシベンゾフェノン、又はテトラヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体紫外線吸収剤等が挙げられる。中でも、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、2−[4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエステル、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル、2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾ−ル−2イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]、2,4−ビス−[{4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ}−フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジン、ジメチコジエチルベンザルマロネート、2−シアノ−3,3−ジフェニルプロパ−2−エン酸2−エチルヘキシルエステル、及び2−フェニルベンゾイミダゾ−ル−5−スルホン酸からなる群より選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
上記界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤等のいずれでもよく、例えば、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル類;モノステアリン酸ポリエチレングリコール等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40(HCO−40)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50(HCO−50)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60(HCO−60)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油80等の硬化ヒマシ油誘導体;モノラウリル酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート20)、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート60)、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート80)、イソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンモノヤシ油脂肪酸グリセリル;イソステアリン酸グリセリル等のグリセリン脂肪酸エステル類;モノステアリン酸ポリグリセリル等のポリグリセリン脂肪酸エステル類;グリセリンアルキルエーテル;アルキルグルコシド;ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル類;ステアリルアミン、オレイルアミン等のアミン類;ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン等のシリコーン系界面活性剤等が挙げられる。
上記安定化剤としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール等が挙げられる。
抗酸化成分としては、例えば、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、エリソルビン酸及びその塩、アスコルビン酸及びその塩、フラボノイド、グルタチオン、グルタチオンペルオキシダーゼ、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ、カタラーゼ、スーパーオキサイドジスムターゼ、チオレドキシン、タウリン、チオタウリン、ヒポタウリン、L−システイン塩酸塩、コエンザイムQ10等のユビキノン類、セサミン等のリグナン、クルクミン、カプサイシン、ジンゲロール、レスベラトロール、アントシアニン、シアニジン、ビルベリーエキスおよびこれらの類縁体もしくは誘導体、植物(例えばオトギリソウ、カッコン、ビルベリー、オウゴン、クダモノトケイソウ、グレープフルーツ、シャクヤク、シモツケソウ、シソ、スイカズラ、セージ、セイヨウノコギリソウ、ゼニアオイ、シモツケソウ、ソウハクヒ、チョウジ、チンピ、ヒメフウロ、ビワ、ベニバナ、ボタンピ、ホップ、ユーカリ、ユキノシタ、ルイボス、レモングラス、ダイズ、ヨモギ、メマツヨイグサ、ローズマリー、ラベンダーなど)に由来する成分等が挙げられる。
上記着色剤としては、例えば、天然色素等が挙げられる。
上記パール光沢付与剤としては、例えばジステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸トリエチレングリコール等が挙げられる。
上記分散剤としては、例えば、ピロリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸架橋コポリマー、有機酸等が挙げられる。
上記キレート剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸(エデト酸)、エチレンジアミン四酢酸塩(ナトリウム塩(エデト酸ナトリウム:日本薬局方、EDTA−2Naなど)、カリウム塩など)、フィチン酸、グルコン酸、ポリリン酸、メタリン酸等が挙げられる。
上記pH調整剤としては、例えば無機酸(リン酸、塩酸、硫酸等)、有機酸(乳酸、乳酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸ナトリウム等)、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、二酸化炭素、無機塩基(水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等)、有機塩基(トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等)等が挙げられる。
上記保存剤としては、例えば、安息香酸、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ベンジル、パラオキシ安息香酸メチル、フェノキシエタノール、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、ソルビン酸又はその塩等が挙げられる。
上記増粘剤としては、例えば、グアーガム、ペクチン、プルラン、ゼラチン、ローカストビーンガム、カラギーナン、寒天、グルコマンナン、カードラン、ジェランガム、キサンタンガム、ポリエチレングリコール、ベントナイト、アルギン酸、アルギン酸プロピレングリコール、マクロゴール、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム等が挙げられる。
上記刺激低減剤としては、例えば、ゼラチン、アラビアゴム、プルラン、アルファー化デンプン、カンテン、トラガント、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、甘草エキス、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン等が挙げられる。
上記(D)成分として以外に配合可能な抗炎症性成分としては、例えば、植物(例えば、コンフリー、オウレン、ドクダミ、カミツレ、ビルベリー、イザヨイバラ、エンメイソウなど)に由来する成分等が挙げられる。
上記(D)成分として以外で配合可能な殺菌消毒性成分(抗菌性成分)としては、例えば、パラベン、安息香酸及びその塩、フェノキシエタノール、カプリル酸グリセリル、カプリン酸グリセリン、エチルヘキシルグリセリン、ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル、カプリルヒドロキサム酸、フェネチルアルコール、メチルイソチアゾリノン、ソルビン酸及びその塩、デヒドロ酢酸及びその塩、炭素数5〜10のアルカンジオール(例えば、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオールなど)、植物(例えば、アロエ、クララ、ローズマリー、クワ、ユーカリ、キナ、チョウジなど)に由来する成分等が挙げられる。好ましくは、安息香酸ナトリウム、パラベン、フェノキシエタノール、エチルヘキシルグリセリン、ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル、カプリルヒドロキサム酸、ソルビン酸カリウム、ローズマリーエキス、ユーカリエキス、アロエエキス、キナエキス、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオールから選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
上記(D)成分として以外で配合可能な角質軟化性成分としては、例えば、ラノリン、フィチン酸、リンゴ酸、クエン酸、フルーツ酸、酒石酸、コハク酸、シュウ酸、グルコン酸、フェルラ酸、イオウ乳酸、フィチン酸等の有機酸、尿素等が挙げられる。
温感成分としては、例えば、ノニル酸ワニリルアミド、ピペリン、トウガラシチンキ、ショウキョウチンキ、オランダカラシ、カンタリスチンキ、サンショウエキス、アリルイソチオシアネート(マスタード、ワサビ等の辛味成分)、カンフル、チモール、オイゲノール、カルバクロール、シンナムアルデヒド、又はニコチン酸ベンジル等が挙げられる。
上記(D)成分として以外で配合可能な育毛および/または発毛促進性成分としては、例えば、安息香酸ベンジル、オイゲノール、センブリエキス、トウキエキス、シコンエキス、オウゴンエキス、サンショウエキス、トウガラシエキス、クジンエキス、グリチルリチン酸ジカリウム、クマザサエキス、ジュウヤクエキス、レイシエキス、アデノシン三リン酸ナトリウム、海藻エキス、ワカメメカブエキス及びイチョウ葉エキスが挙げられる。
保湿成分としては、例えば、コンドロイチン硫酸又はその塩(コンドロイチン硫酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸カリウム、デルマタン硫酸ナトリウム、デルマタン硫酸カリウム等);グリセリン、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオールなどの多価アルコール;ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マルトース・ショ糖縮合物(グルコオリゴ糖)、加水分解キシラン(キシロオリゴ糖)などの糖アルコール;PPG−17ブテス−17、PPG−25ソルビトール、ポリオキシアルキレンアルキルグルコシド、PEG/PPG/ポリブチレングリコール−8/5/3グリセリン、ポリオキシアルキレンジグリセリルなどのアルキレンオキシド;乳酸、乳酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、尿素などのNMF由来成分;植物(たとえば、アロエ、海藻、カッコン、クロレラ、レモングラス、カミツレ、ハマメリス、チャ、シソ、グレープフルーツ、アマチャヅルなど)に由来する成分;ヒアルロン酸(加水分解ヒアルロン酸、低分子ヒアルロン酸等を含む);ヒアルロン酸の塩(例えば、ヒアルロン酸ナトリウム、ヒアルロン酸亜鉛、低分子ヒアルロン酸亜鉛等);ヒアルロン酸誘導体(アセチル化ヒアルロン酸又はその塩(例えば、アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム、アセチル化ヒアルロン酸亜鉛等)、架橋型ヒアルロン酸誘導体(ヒアルロン酸クロスポリマーNa等)、カルボキシメチルヒアルロン酸Na、不飽和ヒアルロン酸又はその塩、加水分解ヒアルロン酸アルキル(C12−13)グリセリル、カチオン化ヒアルロン酸誘導体(ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウム等)、ヒアルロン酸ジメチルシラノール等);アラニン、セリン、アスパラギン酸、グリシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、グルコサミン、テアニン、アルギニンなどのアミノ酸及びその誘導体;グリコシルトレハロース、トレハロース;セラミド、グルコシルセラミド、コレステロール、フィトステロール、コレステロール誘導体、フィトステロール誘導体、;レシチン、水素添加レシチン等のリン脂質;2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体液、ポリメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン等の2−メタクロイルオキシホスホリルコリン含有重合体;コラーゲン、エラスチン、ケラチン、キチン、キトサン等とそれらの加水分解物;ヒドロキシエチルウレア等が挙げられる。
上記(D)成分として以外で配合可能な抗シワ剤としては、例えば、植物(アーティチョーク、イザヨイバラ、海藻、ビルベリー、シラカバ、セイヨウオオバコ、トウキ、オウゴン、オトギリソウ、コンフリー、ニーム、ノバラ、ヒオウギ、ヒメフウロ、ボダイジュ、ボタンピ、マロニエ、ローズマリー、ヤグルマソウ)に由来する成分、パンガミン酸、ウルソール酸、ウコンエキス、スフィンゴシン誘導体、ケイ素、ケイ酸、N−メチル−L−セリン、メバロノラクトン、等が挙げられる。
抗糖化成分としては、例えば、ブドレジャアキシラリス葉エキス、ウメ果実エキス、エーデルワイスエキス、イチョウエキス、サクラ葉エキス、ザクロエキス、セイヨウオオバコエキス、セイヨウサンザシエキス、シャクヤクエキス、ドクダミエキス、ビルベリー葉エキス、緑茶エキス、紅茶エキス、マロニエエキス、ローマカミツレエキス、ヨモギエキス等の植物エキス、月見草油、アムラーの果実、果汁又はそれらの抽出物、L−アルギニン、L−リジン、加水分解カゼイン、加水分解性タンニン、カルノシン等が挙げられる。
細胞賦活化成分としては、例えば、γ−アミノ酪酸、ε−アミノカプロン酸などのアミノ酸類:レチノール、チアミン、リボフラビン、塩酸ピリドキシン、パントテン酸、ピロロキノリンキノン類などのビタミン類;グルコン酸、フィチン酸、グリコール酸、乳酸などのα−ヒドロキシ酸類;タンニン、フラボノイド、サポニン、アラントイン、プラセンタ、プロテオグリカン、感光素301号、植物(たとえば、ビルベリー、ダイズ、レモングラス、アロエベラ、クロレラ、ヒオウギ、ヨクイニン、カミツレ、ドクダミ、ホップ、ニンジンなど)に由来する成分;ローヤルゼリー、ローヤルゼリーエキス;ホエイ、ヨーグルトエキス、加水分解乳タンパク等の乳清由来エキス、酵母エキス等が挙げられる。
上記(D)成分として以外で配合可能な美白成分としては、例えば、植物(たとえば、イリス(アイリス)、アーモンド、アロエ、アセロラ、ウーロン茶、エイジツ、オウゴン、オウレン、オトギリソウ、オドリコソウ、海藻、カッコン、クチナシ、クジン、クロレラ、コメ、コメハイガ、オリザノール、コメヌカ、サイシン、サンショウ、シソ、シャクヤク、センキュウ、ソウハクヒ、ダイズ、納豆、茶、トウキ、トウキンセンカ、ハマメリス、ベニバナ、ボタンピ、ヨクイニン、アセンヤク、キウイ、クロマメ、ゲンチアナ、ゲンジン、セージ、ダイコン、ツツジ、パセリ、ヒイラギ、ホップ、タイム、チョウジ、チンピ、カンゾウ、カミツレ、プルーン、シモツケソウ、ムラサキシキブ、ソウズク、グレーブフルーツ、トゲナシ、レモン、キウイ、マツ、ニーム、アーティチョーク、スギナ、オオバク、メマツヨイグサ、ビルベリー、ヒメフウロ、アッケシソウ、セイヨウシロヤナギ、ユキノシタ、ツボクサ、ローズマリー、ラベンダー、サンシュユ等)に由来する成分が挙げられる。
本発明の被膜形成性皮膚外用組成物の調製方法は、特に制限されず、通常の皮膚外用組成物を調製するのに必要な各種成分を適宜選択、配合して、常法により調製することができる。また、本発明の被膜形成性皮膚外用組成物の皮膚への適用量や用法は特に制限されず、通常、1日あたり1回〜数回、適量を皮膚等の外皮上の、患部を含む領域に塗布して用いることができる。
本発明の被膜形成性皮膚外用組成物は、通常pH2〜9の液性を備えていればよいが、皮膚に対する低刺激性、及び皮膚使用感の良さという観点から、pH3〜8であることが好ましく、pH4〜8であることがより好ましく、pH5〜8であることが特に好ましい。なお、このpHはpH調整剤の使用により調整することができる。
本発明の被膜形成性皮膚外用組成物の粘度は、500〜100,000mPaの粘度を備えていればよいが、指取り性や塗布しやすさなどの観点から、1,000〜80,000mPaであることが好ましく、2,000〜50,000mPaであることがより好ましく、4,000〜20,000mPaであることが特に好ましい。
(製剤形態)
本発明の被膜形成性皮膚外用組成物の形態は特に限定されず、例えば、液剤、懸濁剤、乳化剤(乳液及びクリーム)、ゲル剤、ローション剤、ミスト剤、エアゾール剤等が挙げられる。これらの製剤は、常法、例えば第17改正日本薬局方製剤総則に記載の方法等に従い製造することができる。
<本発明の被膜形成性皮膚外用組成物の特徴>
本発明の被膜形成性皮膚外用組成物の代表的な特徴をまとめると以下のとおりである。
(密着保護性)
本発明の被膜形成性皮膚外用組成物によると、密着性の高い被膜を形成することができ、また外部からの刺激や擦れにも強いため剥がれにくく、長時間の成膜性を有する。そのため、外部要因(汚れ、二次感染等)から塗布部を十分に保護することができる。これにより、しっかり患部を保護または隠ぺいすることができるため、液体絆創膏・液体手袋・液体包帯・疑似皮膚といった傷口の保護としての使用やコンシーラーのように種々の痕を隠すような用途に使用することができる。また、製剤自身が被膜となるため、有効成分が患部に密着し、配合する成分の効果を患部に集中して届けることができる。それにより、ニキビ治療、虫さされや接触性のかぶれ(衣服・靴・金属などとの接触)によるかゆみを効果的に治療・改善することができ、掻きむしりによるさらなる皮膚へのダメージや二次感染による患部の悪化、患部の範囲拡大を防ぐことができ、水イボや飛び火・湿疹に対しても有効である。特にニキビに関して、具体的には初期の炎症を起こした状態である赤ニキビには殺菌剤等のニキビ有効成分を配合し、症状を抑えつつ、さらに顔料を含有させたコンシーラータイプとすることで治療しながら患部を目立たなくするような使用が考えられる。また、さらに炎症が進んだ赤ニキビや膿をもったような黄ニキビにはつぶしたり、触ったりが悪化の原因となるため、ニキビ有効成分を配合し、患部に触れることによる皮膚ダメージや二次感染を防ぐための保護膜としての使用が有効となりうる。また、密着性が高いため、小児に塗布した場合でも、うっかり被膜を触っても容易に剥がれることはない。さらに、貼付・テープ剤の着脱時は、表面を傷つけたり、角質を一緒にはがしてしまうなど、肌・患部へのストレス、ダメージ、刺激等の問題が懸念される。本発明の被膜形成性皮膚外用組成物によると、貼付・テープ剤の着脱の必要がないため、肌・患部へのダメージが低く、肌・患部に優しい保護剤として活用することができる。そのため、炎症やかぶれなどの症状のある患部だけでなく、バリア機能が低下した状態の肌・アトピー肌・敏感肌・過敏肌に対する外部刺激(擦れ・摩擦・刺激物等)からの保護剤としても好適に用いることができる。
(柔軟性、ストレッチ性)
本発明の被膜形成性皮膚外用組成物によると、形成される被膜はしなやかでストレッチ性の高い柔軟性を持っているため、動きによらず、違和感なく、優れた使用感と密着性を維持される。特に皮膚に追従した柔軟性、ストレッチ性を有することから、目元、手指、肩・肘・膝等の関節部など塗布部位を問わずに使用することができ、動きがある患部に適用したとしても、長時間ひび割れたりよれたり剥がれることなく、良好な使用感を維持できる。そのため、皮膚に発生する様々な症状の改善、治療、予防および外部要因からの保護のために、幅広く使用することができる。例えば、ポイント美容、鎮痛消炎用薬での使用が考えられる。また皮膜の強さと柔軟性のバランスがよいため、手指、膝、肘、肩などの関節等を含めた可動部に塗布しても、動きや触れることにより剥がれたり、よれることなく、長時間皮膜を保持することができる。本発明の被膜形成性皮膚外用組成物によって形成される被膜は、種々の手作業等にも影響がない程のしなやかさとはがれ難さを有しているため、指腹や指先だけでなく、深爪、甘皮周りの保護にも有効である。
(耐摩擦性)
本発明の被膜形成性皮膚外用組成物により形成される被膜は、外部摩擦に対して耐性を有することから、メイク製剤や日焼け止め製剤等をその上から塗布しても被膜によれ・破れ・はがれなどが生じることはなく、また被膜の密着性の高さおよび長時間の成膜性により、上から塗布する製剤への影響がないため、メイクや日焼け止め製剤が塗布時や経時的によれることもなく、均一に塗布することができる。本発明の被膜形成性皮膚外用組成物によると、形成される被膜は外部からの刺激・擦れにも非常に強いため、長時間の密着性を損なったり、ヨレ・剥がれが起こることなく、高い成膜性を有している。これにより、衣服の下に塗布した場合や子供がうっかりひっかいたり、擦ったりしても皮膜性や・有効成分による有効性を損なうことはない。特に虫さされや衣服・金属との擦れなどの外部刺激によるかぶれ・かゆみ、ニキビ、筋肉痛などの消炎鎮痛に有効である。化粧かぶれ、汗かぶれ、皮脂かぶれ、尿かぶれ、花粉・PM2.5などの微粒子の付着による炎症からの保護も可能であり、さらにこれらとの接触を防ぎ、皮膚への付着および浸透を防ぐことができる。また、マスク着用時のムレ、マスクの本体、縁部分、ゴムとの擦れやマスクの材質による接触性皮膚炎(マスクニキビ、マスク皮膚炎等)、(脇、股、バストトップ、背中、ウエスト等における)衣服・下着着用時に生じるムレ、擦れ、それらにより生じるかぶれ、湿疹を防ぎ、症状を抑えることも可能である。このように、炎症やかぶれの原因との接触、付着、浸透を防ぎ、皮膚をしっかり保護することで、さらなる炎症を防ぎ、肌の正常化を促すことができる。さらにスキンケアでは、シミ・そばかす等の美白、目元用の抗シワ、クマ対策などのポイント使いへの適用も可能である。
(洗い流せる性質)
本発明の被膜形成性皮膚外用組成物により形成される被膜は、一定の耐水性を保持しながらも、容易に洗い流すことができるため、配合する成分や塗布部位の状況によって必要に応じた投与が可能であり、従来の接着剤に起因する患部を含めた周辺部位の肌荒れ・かぶれ等の心配もなく、肌への負担が非常に少ない。
(塗布性)
患部に対して最小限の範囲への薬効成分の塗布が可能となるため、薬効成分による不要な肌への負担も抑えることができる。また、本発明の被膜形成性皮膚外用組成物によると、持ち歩きしやすいチューブやボトル等の仕様に充填することが可能であり、必要な時に使用することができる。また本発明では、肩・肘・膝・背中などの製剤を塗布又はシート剤等を貼付しづらいような場所に対しても、塗布または貼付時の被膜のよれを懸念することなく、患部に均一に密着した被膜をつくることができる。
本発明の被膜形成性皮膚外用組成物は、上記のような特徴を有することから、好適な用途が種々考えられる。この皮膚外用組成物にさらに薬効成分や顔料を加えた場合の用途として、例えば、患部の保護(傷や床ずれやアトピー肌の保護、液体絆創膏・液体手袋・液体包帯・疑似皮膚等)、かゆみ止め(虫さされ・湿疹・かぶれや、衣服・マスク・金属等との擦れ等)、治療・感染防止用(水イボ・老人性疣贅・とびひ・湿疹・蕁麻疹・ニキビ等)、制汗、摩擦低減用(靴擦れ・衣服や、マスクの擦れ・金属物との接触や擦れ等)、消炎鎮痛用(首・肩・足・膝・背中等)、コンシーラー(傷痕・シミ・そばかす・痣・イボ・ニキビ湿疹痕などの隠ぺいと保護)、ポイント美容(シミ・そばかす対策の美白、顔又は目元用抗シワ対策、クマ改善)等が挙げられる。以下に、具体的な用途について詳細に説明する。
<本発明の被膜形成性皮膚外用組成物の用途>
(かゆみ止め用)
本発明の被膜形成性皮膚外用組成物は、薬効成分として抗ヒスタミン剤、鎮痒剤、抗炎症剤、清涼化剤、局所麻酔剤等を含有した虫さされ用の製剤として好適に使用される。本発明は、上述の(A)〜(C)成分に加えて、(D)薬効成分として、抗ヒスタミン剤、鎮痒剤、抗炎症剤、清涼化剤及び局所麻酔剤、からなる群より選択される少なくとも1種の成分を含む、かゆみ止め用組成物も含む。例えば、かゆみ止め用組成物としては、虫さされ、じんましん、湿疹、かぶれ、衣服やマスク(本体、縁部分、ゴム)との擦れやこれらを着用時に生じるムレによるかゆみなどを対象とすることが考えられる。また、耳まわりのかぶれ、荒れ、切れによるかゆみ、バストトップや頭皮のかゆみ、汗や皮脂や尿かぶれによるかゆみ、花粉やPM2.5などの微粒子との接触や皮膚への浸透によるかぶれにかゆみなどにも有効である。本発明のかゆみ止め用組成物によると、患部に塗布して形成される被膜が虫さされ部位の必要箇所を無駄なくカバーでき、患部にしっかり密着しながらも、高い柔軟性を有することで使用感に優れて違和感もない。また、被膜が患部の動きに追従できるため、動きや擦れに強く、手指、手首、首、肘、膝、股などの動きの多い部位に塗布しても剥がれにくく、何回も貼り直しをする必要がない。さらに、水で簡単に洗い流すことができる点も優れている。
(ニキビ用)
本発明の被膜形成性皮膚外用組成物は、薬効成分として殺菌消毒剤、抗炎症剤、角質軟化剤、組織修復剤、ビタミン剤等を含有したニキビ用の製剤として好適に使用される。本発明は、上述の(A)〜(C)成分に加えて、(D)薬効成分として、殺菌消毒剤、抗炎症剤、角質軟化剤、組織修復剤、ビタミン剤からなる群より選択される少なくとも1種の成分を含む、ニキビ用組成物も含む。本発明のニキビ用組成物によると、患部に塗布して形成される被膜が必要箇所を無駄なくカバーでき、患部にしっかり密着しながらも、高い柔軟性を有することで使用感に優れて違和感もない。また、被膜が患部の動きに追従できるため、顔の動きによっても剥がれにくく、貼り直しによる二次かぶれや不快な肌のつっぱりを感じることがない。さらに、水で簡単に洗い流すことができる点も優れている。具体的には初期の炎症を起こした状態である赤ニキビには殺菌剤等のニキビ有効成分を配合し、症状を抑えつつ、さらに顔料を含有させたコンシーラータイプとすることで治療しながら患部を目立たなくするような使用が考えられる。また、さらに炎症が進んだ赤ニキビや膿をもったような黄ニキビにはつぶしたり、触ったりが悪化の原因となるため、ニキビ有効成分を配合し、患部に触れることによる皮膚ダメージや二次感染を防ぐための保護膜としての使用が有効となりうる。また、密着性が高く、外部からの擦れに高い体制を示すため、本発明のニキビ用組成物でニキビをカバーした上に、メイク・日焼け止め製剤等を塗布する場合も、被膜・メイク・紫外線防止のいずれも損なうことはない。
(傷痕隠し用、コンシーラー用)
本発明の被膜形成性皮膚外用組成物は、上述の(A)〜(C)成分に加えて、組織修復剤(ヘパリン類似物質)、ビタミン剤、美白剤等の(D)薬効成分、着色剤としての(E)顔料等を含有した傷痕隠し用、又はコンシーラー用の製剤として好適に使用される。本発明は、上述の(A)〜(C)成分に加えて、組織修復剤(ヘパリン類似物質)、ビタミン剤、美白剤等の(D)薬効成分、及び着色剤としての(E)顔料を含む、傷痕隠し用、コンシーラー組成物も含む。これらが含む(D)成分としては、組織修復剤(ヘパリン類似物質)、ビタミン剤、美白剤から成る群から選択される少なくとも1種であることが好ましく、組織修復剤(ヘパリン類似物質)、ビタミン剤からなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましい。本発明の傷痕隠し用組成物又はコンシーラー用組成物によると、シミ、そばかす、あざ、瘢痕、ニキビ痕、イボ(老人性疣贅等)、掻き毟り痕、クマ等の患部に塗布して形成される被膜が必要箇所を無駄なくカバーでき、患部にしっかり密着しながらも、高い柔軟性を有することで使用感に優れて違和感もない。また、被膜が患部の動きにしなやかに追従できるため、顔(目元等のシワがある箇所を含む)やその他の皮膚の動きによってもよれることなく、剥がれにくく、不快な肌のつっぱりを感じることがない。さらに、一定の耐水性を保持しながらも簡単に洗い流すことができる点も優れている。また、本発明の傷痕隠し用組成物、コンシーラー用組成物は、着色剤としての顔料粉体を含むことで、肌色に近い色であざ、瘢痕、ニキビ痕、イボ(老人性疣贅等)、掻き毟り痕等をカバーして物理的に隠し、含まれる組織修復剤、ビタミン剤、美白剤等の薬効成分により患部を治療し、痕を目立たなくすることができるため、コンシーラー等の皮膚隠ぺい用製剤、ポイントメイクなどに好適に使用できる。また、本発明の傷痕隠し用組成物を塗布してできる被膜の上から、メイクを施すこともできる。
(消炎鎮痛用)
本発明の被膜形成性皮膚外用組成物は、抗炎症剤、鎮痛消炎剤、清涼化剤等を含有した消炎鎮痛用の製剤として好適に使用される。本発明は、上述の(A)〜(C)成分に加えて、(D)薬効成分として抗炎症剤、鎮痛消炎剤、清涼化剤からなる群より選択される少なくとも1種の成分を含む、消炎鎮痛用組成物も含む。本発明の消炎鎮痛用組成物によると、炎症や痛みのある患部に塗布して形成される被膜が必要箇所を無駄なくカバーでき、患部にしっかり密着しながらも、高い柔軟性を有することで使用感に優れて違和感もない。また、外的摩擦に対しても耐性を有している上に、被膜が患部のこまかな動きにもしなやかに追従できるため、肩、肘、膝、皮膚や筋肉などの動きの多い部位に塗布しても剥がれにくく、何回も貼り直しをする必要がない。また、頭皮に塗布しても、透明であるため目立たず、毛髪の邪魔にならずに塗布することができ、塗布後も追随効果により、髪型への影響もなく、違和感も生じ難いという利点がある。頭皮は、最も汗をかき、菌が増殖しやすい環境であるため、汗にも強く、長時間剥がれることがない本発明の被膜形成性皮膚外用組成物は、菌の増殖を防ぐことができ、頭皮のできものにも有効に用いることができる。さらに、水で簡単に洗い流すことができる点も優れている。
(メイク用化粧料、日焼け止め製剤等を上から塗布することが可能な組成物としての用途)
上述の用途を含む様々な用途で、本発明の被膜形成性皮膚外用組成物を顔、腕、手、足等に塗布し、被膜が形成された後は、その上からメイク用化粧料、日焼け止め製剤等を塗布することが可能である。メイク用化粧料や日焼け止め製剤は下地の製剤によっては、配合される粉体の凝集が発生し、いわゆるメイクよれ(製剤よれ)を発生させてしまうことがある。しかし、本発明の被膜形成性皮膚外用組成物は、外部摩擦に強く、高い密着性と、しなやかな柔軟性を持つため、塗布する製剤によって皮膜自体がよれることもなく、また上に塗布するメイク用化粧料、日焼け止め製剤においても粉体の凝集が起こらないため、よれることなく、患部を保護しながらメイク用化粧料や日焼け止め製剤を均一にきれいに塗布することが可能である。なお、疎水性粉体を含まないタイプのメイク用化粧料、日焼け止め製剤についても、問題なく被膜の上から塗布することができる。なお、本発明の被膜形成性皮膚外用組成物自体も、皮膚に塗布する際によれを起こさないという特徴も有している。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
[試験1]
下記の表2及び3に記載の処方に従い、常法にて、実施例1〜12及び比較例1〜5の組成物を調製した。各表中の数値の単位は、特に断りがない限り重量(%)である。6名の専門パネラーの手の甲の2cm×2cmの面積の部分に対し、各試験製剤を適量(約0.05g)塗布・乾燥した時の被膜の状態について、以下の項目・基準に従って4段階でスコアをつけ、数値を平均した。結果を同じ表に示す。また、下記の方法に従って、粘度変化率を測定し、さらに製剤安定性も評価した。
膜のべたつき 0:全くない 〜 3:ある
膜のつっぱり感 0:全くない 〜 3:ある
膜のよれ・はがれやすさ 0:全くない 〜 3:ある
膜のひっかき耐性 0:ある 〜 3:ない
膜の乾燥感 0:全くない 〜 3:ある
肌との一体感 0:感じる 〜 3:感じない
スコア2以上であると被膜として十分な機能がないと判断される。総合評価は、全てのスコアの合計値であり、数値が低いものほど優れていることを示す。評価結果を表2及び3に合わせて示す。
総合評価基準
0 〜 6未満 :被膜として大変優秀な機能を有する
6以上 〜 12未満 :被膜として十分な機能を有する
12以上 〜 15未満 :被膜として機能が低い
15以上 :被膜として十分な機能がない
(粘度変化率)
実施例1〜12について、各処方製剤をガラス瓶に20mL充填し、60℃で1週間保存した。保存前後のサンプルの粘度をB型粘度計(BL形)(型式TV−10M、東機産業(株)製)を用い、製剤に合わせたロータを選択して、25℃で6rpmの回転数にて1分間測定した。そして、粘度変化率を下記式により求めた。結果を同じ表に示す。

粘度変化率= 100−(保存後粘度/初期粘度)×100
(製剤安定性)
各組成物を60℃で1週間保存後、製剤安定性を下記の基準により評価し、評価結果を同じ表に示した。
製剤安定性評価基準
◎:分離、離しょうは確認されず、全体的に均一な製剤であった。
○:表面に多少の離しょうはみられたが、使用感に大きな影響はなく、問題ない製剤で
あった。
△:分離、離しょうがみられた。
×:製剤に大きく分離がみられ、全体に均一でなく、製剤として成り立たない状態であ
った。
表3より、ヒドロキシプロピルメチルセルロースとポリビニルピロリドンを組み合わせることで、しっかり密着しながらも、高い柔軟性を有することで使用感に優れて違和感もなく、動きや擦れに強く、剥がれにくい被膜を形成することができていた。
表3より、疎水化ヒドロキシプロピルセルロースとポリビニルピロリドン(実施例10)、ヒドロキシエチルセルロースとポリビニルピロリドン(実施例11)、メチルセルロースとポリビニルアルコール(実施例12)を組み合わせることで、しっかり密着しながらも、高い柔軟性を有することで使用感に優れて違和感もなく、動きや擦れに強く、剥がれにくい被膜を形成することができていた。一方、セルロース系高分子を他の多糖類に変更すると(比較例1〜5)、高分子が硬化したり製剤が分離したりし、製剤として成り立たなかった。
[試験例2]
下記の表4に記載の処方に従い、常法にて、実施例13〜19の組成物を調製した。表中の数値の単位は、特に断りがない限り重量(%)である。6名の専門パネラーの手の甲の2cm×2cmの面積の部分に対し、各試験製剤を適量(約0.05g)塗布・乾燥した時の被膜の状態について、[試験例1]の項目に加え、さらに前腕内側の2cm×2cmの面積の部分に対し、各試験製剤を適量(約0.05g)塗布し、8時間経過後に以下の項目・基準について4段階でスコアをつけ、数値を平均した。
膜の持続性(0:ある 〜 3:ない)
評価基準:1未満 : 長時間の持続性あり
:1〜2未満: 長時間の持続性はややあり。
:2以上 : 長時間の持続性がない
表4より、実施例13−19の組成物のように(D)薬効成分、(E)顔料を追加しても被膜の機能は落ちることがないことが示された。また、実施例13−19はいずれも長時間経過後も患部に被膜は存在していることが分かった。しかし、後述の比較例6、9については経時的に剥がれ・よれが生じてきて、長時間の使用には耐えられないことが分かった。したがって、実施例の組成物によると、長時間動いたり擦れたりしても、傷がついたり剥がれることのない被膜を形成することができていた。
[試験例3]
表5に記載の処方に従い、常法にて、比較例6〜9の組成物を調製した。試験には上記試験例2で調整した実施例16、18〜19の組成物も使用した。表中の数値の単位は、特に断りがない限り重量(%)である。これらの組成物を使用して、上述の使用感の試験、持続性試験に加えて、以下に説明する耐水性試験、製剤よれ試験を行った。それぞれの結果は、表5に合わせて示す。また、製剤よれの結果(写真)は、図1(a〜dはそれぞれ比較例6〜9、eは実施例16)にも示す。
比較例7の組成物は、8時間後、形成される被膜が極めて薄く、被膜としての存在感を感じることができない状態であり、保護・カバー力に乏しいものであった。使用感についての項目のうち、膜のべたつき、膜の乾燥感以外については、評価ができなかった。また、膜感も長時間持続せず、製剤よれ試験においてもメイクがよれて均一に塗布することができず、被膜としての効果はないと判断した。また、比較例8の組成物は、乾燥感が経時的にみられ、被膜にヒビや剥がれが生じた。さらに、比較例6、9については、上述のとおり、経時的に剥がれ・よれが生じてきて、長時間の使用には耐えられないことが分かった。
(耐水性試験)
3名の専門パネラーの手の甲の2cm×2cmの面積の部分に対し、実施例16、18〜19の組成物を適量(約0.05g)塗布し、乾燥させ、被膜を形成させた。その後、被膜に対して約20cmの位置からミスト容器に入れた水道水をスプレーした後の被膜の状態を観察した。
表5に示すとおり、実施例16、18〜19の組成物によって形成される被膜は、多少の水にぬれた場合でも被膜自体がはがれたり、よれることはなく、一定の耐水性を保持していることが分かった(◎)。その一方で、被膜を取り除きたい場合には、手でこする程度で、水で容易に洗い流すことも可能であった。表中の「n.d.」は、試験を行っていないことを示している(比較例6〜9)。
(製剤のよれ評価試験)
人工皮革に約10mgの製剤を直径約2cmに塗り広げ、室温にて一晩乾燥させた。その後、約20mgの日焼け止め(ファンデーション)を直径約3cmに塗り重ね、皮膜の状態を観察した。塗り重ねた日焼け止め等が均一に塗布できるか(よれない)、不均一となり製剤よれが生じるか(よれる)を評価した。
(A)成分が1種類しか含まれていない比較例6、7、9、及び(B)成分が配合されていない比較例8では、上から塗布する製剤により、製剤よれが生じた。一方、実施例16、18〜19の組成物では、上から塗布する製剤を均一に塗布することができ、製剤よれは生じなかった。
以下に、本発明の被膜形成性皮膚外用組成物(医薬品、医薬部外品、化粧品)の製剤処方例を示す。
本発明の被膜形成性皮膚外用組成物によると、形成される被膜が患部を十分に保護し、肌にしっかり密着しながらも、高い柔軟性を有することで使用感に優れて違和感もなく、動きや擦れに強くて剥がれにくいことから、虫さされ薬、ニキビ薬のみならず、その他皮膚に発生する様々な症状の改善、治療、予防のために、幅広く使用することができる。本発明の被膜形成性皮膚外用組成物によると、しっかり患部を保護することで、かゆみ止めの場合は掻きむしりを防ぐことができ、また患部に擦れても肌に傷がつくことはない。さらにこの被膜は、水で容易に洗い流すことができるため、必要に応じた投与が可能であり、従来の接着剤に起因する肌荒れ等の心配もなく、肌への負担が非常に少ない。また、患部に対して最小限の範囲への薬効成分の塗布が可能となるため、薬効成分による不要な肌への負担も抑えることができる。さらには、十分に強い皮膜を保持できることから、皮膜の上からメイク製剤・日焼け止め製剤等を使用することも可能である。しなやかな柔軟性を持つため、皮膜自体がよれることも、また上に塗布するメイク・日焼け止め製剤がよれることもなく、きれいに製剤を塗布することが可能である。

Claims (12)

  1. (A)セルロース系高分子(a1)及びビニル系高分子(a2)を含む被膜形成高分子、
    (B)多価アルコール、並びに
    (C)揮発性溶媒
    を含有する、被膜形成性皮膚外用組成物。
  2. ビニル系高分子(a2)が、少なくとも耐塩性ビニル系高分子を含む、請求項1に記載の被膜形成性皮膚外用組成物。
  3. セルロース系高分子(a1)が、結晶セルロース、セルロース末、ヒドロキシアルキルセルロース類、アルキルセルロース類、及びこれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を含み、ビニル系高分子(a2)が、ビニルアルコール系高分子、ビニルピロリドン系高分子、及びこれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1又は2に記載の被膜形成性皮膚外用組成物。
  4. セルロース系高分子(a1)が、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、及びカルボキシメチルセルロースからなる群より選択される少なくとも1種であり、ビニル系高分子(a2)が、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン及びこれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の被膜形成性皮膚外用組成物。
  5. 被膜形成性皮膚外用組成物におけるセルロース系高分子(a1)とビニル系高分子(a2)の含有量の合計が、被膜形成性皮膚外用組成物全体の0.1重量%以上20重量%以下であり、かつ、被膜形成性皮膚外用組成物中のセルロース系高分子(a1)とビニル系高分子(a2)の含有比が、セルロース系高分子(a1)の含有量を1重量部としたときに、ビニル系高分子(a2)が0.01〜50重量部となることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の被膜形成性皮膚外用組成物。
  6. (D)薬効成分をさらに含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の被膜形成性皮膚外用組成物。
  7. (D)薬効成分が、抗ヒスタミン剤、鎮痒剤、抗炎症剤、清涼化剤、局所麻酔剤、殺菌消毒剤、角質軟化剤、組織修復剤、ビタミン剤、及び鎮痛消炎剤からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項6に記載の被膜形成性皮膚外用組成物。
  8. (D)薬効成分として抗ヒスタミン剤、鎮痒剤、抗炎症剤、清涼化剤、及び局所麻酔剤からなる群より選択される少なくとも1種を含み、かゆみ止め用である、請求項7に記載の被膜形成性皮膚外用組成物。
  9. (D)薬効成分として殺菌消毒剤、抗炎症剤、角質軟化剤、組織修復剤、及びビタミン剤からなる群より選択される少なくとも1種を含み、ニキビ用である、請求項7に記載の被膜形成性皮膚外用組成物。
  10. (D)薬効成分として抗炎症剤、鎮痛消炎剤、及び清涼化剤からなる群より選択される少なくとも1種を含み、鎮痛消炎用である、請求項7に記載の被膜形成性皮膚外用組成物。
  11. (E)顔料をさらに含む、請求項1から10のいずれか1項に記載の被膜形成性皮膚外用組成物。
  12. 薬効成分として組織修復剤、及びビタミン剤からなる群より選択される少なくとも1種を含み、さらに(E)顔料を含む、傷痕隠し用又はコンシーラー用である、請求項11に記載の被膜形成性皮膚外用組成物。
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