JP2021165284A - アクネ菌バイオフィルム破壊組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】アクネ菌の繁殖を阻止し、ニキビを根本から改善する薬剤、すなわちバイオフィルム破壊組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】イソプロピルメチルフェノール、サリチル酸、グリチルリチン酸、イブプロフェンピコノール、スルファジアジン及びそれらの塩、エタノール、レゾルシン、イオウ、及び過酸化ベンゾイルからなる群から選ばれた少なくとも1種のアクネ菌バイオフィルム破壊成分(A)を含有するアクネ菌バイオフィルム破壊組成物。
【選択図】図2

Description

本発明は、アクネ菌バイオフィルム破壊組成物に関するもので、特に、アクネ菌の繁殖を阻止し、ニキビを根本から改善するアクネ菌バイオフィルム破壊組成物に関するものである。
ニキビは、面皰、丘疹、結節、膿疱を生じ、毛包の炎症を伴う恐れのある皮膚疾患であり、その発症部位は主に顔、胸、背中である。そして、ニキビの主たる原因菌は、皮膚の常在菌であるアクネ菌(Propionibacterium acnes、P. acnes)であることが知られている。
嫌気性の細菌であるアクネ菌は、毛包の奥深くに生息しており、毛包に溜まった皮脂を養分として増殖し、炎症を生じさせ、炎症により毛包内には膿が溜まり皮疹となる。このような症状を治療する為に、皮脂の産生抑制、感染防止、炎症抑制、角化正常化等を目的とした種々の外用剤や経口剤等が開発されている。
ところで、細菌の中にはバイオフィルムと呼ばれる細菌分泌物(多糖類等)の集積物を形成し、粘性を伴って被着体に付着するものがある。例えば、シンクのぬめりは細菌が形成したバイオフィルムであることが知られている。また、歯と歯の間や、歯と歯肉との境目に生じるプラークはバイオフィルムの一種と考えられている。
アクネ菌もバイオフィルムを形成することが知られている。バイオフィルムは、アクネ菌から分泌された多糖類等が集積しているために、抗菌剤等の薬剤が内部に浸透しにくく、殺菌効果が薄れる。よって、バイオフィルム形成の有無は、種々の細菌感染の病原性に影響を与えることから(非特許文献1)、バイオフィルムに対して効果が高い抗菌剤の開発も進められており、黄色ブドウ球菌、ミュータンス菌、大腸菌等に効果的な抗菌製剤が既に開示されている(特許文献1)。
また、アミノ糖誘導体が緑膿菌バイオフィルムを除去または破壊作用を示し、難治性感染症を呈するバイフィルム感染症の治療剤として知られている(特許文献2)。
特許第3717960号公報 特許第3769040号公報
Tom Coenyeら、Infectious Disorders-Drug Targets, 2008, 8, P.156-159
しかしながら、毛包の奥深くにバイオフィルムを形成するアクネ菌に対して、そのバイオフィルムを破壊する製剤の開発は、未だに充分なされていない。よって、本発明は、このようなバイオフィルムを破壊する効果が高い製剤を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、イソプロピルメチルフェノール、サリチル酸、グリチルリチン酸、イブプロフェンピコノール、スルファジアジン及びそれらの塩、エタノール、レゾルシン、イオウ、及び過酸化ベンゾイルからなる群から選ばれた少なくとも1種のアクネ菌バイオフィルム破壊成分(A)を含有するバイオフィルム破壊組成物を第1の要旨とする。
また、本発明は、上記アクネ菌バイオフィルム破壊成分(A)が、イソプロピルメチルフェノール、スルファジアジン及びそれらの塩、エタノール、レゾルシン、及び過酸化ベンゾイルからなる群から選ばれた少なくとも1種であることを第2の要旨とする。さらに、(A)成分に加え、クロロブタノール、没食子酸プロピル、乳酸ナトリウム、及びオレンジ油からなる群から選ばれた少なくとも1種の破壊補助成分(B)を含有することを第3の要旨とする。
そして、上記アクネ菌バイオフィルム破壊成分(A)が、イソプロピルメチルフェノール、サリチル酸、グリチルリチン酸、イブプロフェンピコノール、スルファジアジン及びそれらの塩、レゾルシン、イオウ、及び過酸化ベンゾイルからなる群から選ばれた少なくとも1種であり、上記(A)成分の含有量がアクネ菌バイオフィルム破壊組成物全体の0.05〜8重量%であることを第4の要旨とし、上記アクネ菌バイオフィルム破壊成分(A)がエタノールであり、上記エタノールの含有量がアクネ菌バイオフィルム破壊組成物全体の2.5〜50重量%であることを第5の要旨とする。
また、皮膚に適用される、上記第1〜5の要旨のアクネ菌バイオフィルム破壊組成物であることを第6の要旨とする。
すなわち、本発明者らは、アクネ菌が形成するバイオフィルムについて研究を重ねた結果、アクネ菌への殺菌効果がある成分であっても、アクネ菌バイオフィルム破壊効果を有しない成分を確認する一方、アクネ菌バイオフィルム破壊効果を有するバイオフィルム破壊組成物を見出し、このバイオフィルム破壊組成物を用いると、アクネ菌のバイオフィルムを破壊して、ニキビを根本から改善できることを見出し本発明に到達した。
すなわち、本発明のバイオフィルム破壊組成物は、イソプロピルメチルフェノール、サリチル酸、グリチルリチン酸、イブプロフェンピコノール、スルファジアジン及びそれらの塩、エタノール、レゾルシン、イオウ、及び過酸化ベンゾイルからなる群から選ばれた少なくとも1種のバイオフィルム破壊成分(A)を含有することから、アクネ菌のバイオフィルム破壊に優れた効果を有する。
また、バイオフィルム破壊組成物中の上記アクネ菌バイオフィルム破壊成分(A)が、イソプロピルメチルフェノール、スルファジアジン及びそれらの塩、エタノール、レゾルシン、及び過酸化ベンゾイルからなる群から選ばれた少なくとも1種であると、いわゆる殺菌効果を有しながら、殺菌効果とは異なるアクネ菌のバイオフィルム破壊効果も有する。
アクネ菌バイオフィルム破壊組成物が、(A)成分に加え、さらに、クロロブタノール、没食子酸プロピル、乳酸ナトリウム、及びオレンジ油からなる群から選ばれた少なくとも1種の破壊補助成分(B)を含有するものであると、アクネ菌のバイオフィルム破壊効果がより一層向上したり、上記バイオフィルム破壊成分(A)含有量が低くても、充分なバイオフィルム破壊効果がみられたりする。
上記アクネ菌バイオフィルム破壊成分(A)が、イソプロピルメチルフェノール、サリチル酸、グリチルリチン酸、イブプロフェンピコノール、スルファジアジン及びそれらの塩、レゾルシン、イオウ、及び過酸化ベンゾイルからなる群から選ばれた少なくとも1種である場合、バイオフィルム破壊効果の観点から、その含有量は、アクネ菌バイオフィルム破壊組成物全体の0.05〜8重量%であることが好ましい。
上記アクネ菌バイオフィルム破壊成分(A)がエタノールである場合、バイオフィルム破壊効果の観点から、上記エタノールの含有量は、アクネ菌バイオフィルム破壊組成物全体の2.5〜50重量%であることが好ましい。
上記アクネ菌バイオフィルム破壊組成物は、皮膚に適用されることが好ましい。
図1(a)は実施例1品及び比較例1品のアクネ菌バイオフィルム破壊試験のバイオフィルム残存率の結果を示すグラフであり、図1(b)は実施例1品及び比較例1品の細菌生菌率の結果を示すグラフである。 図2(a)は参考例1品(コントロールにおけるアクネ菌バイオフィルム形成)の光学顕微鏡写真を示し、図2(b)は実施例1品の光学顕微鏡写真を示す。 図3は、実施例2〜9品及び比較例2品の、アクネ菌バイオフィルム破壊試験の結果を示すグラフである。 図4は、実施例1−1〜実施例1−4品の、イソプロピルメチルフェノール濃度変化におけるアクネ菌バイオフィルム破壊試験の結果を示すグラフである。 図5は、実施例2−1〜実施例2−5品の、エタノール濃度変化におけるアクネ菌バイオフィルム破壊試験の結果を示すグラフである。 図6は、実施例3−1〜実施例3−5品の、レゾルシン濃度変化におけるアクネ菌バイオフィルム破壊試験の結果を示すグラフである。 図7は、アクネ菌バイオフィルム破壊成分(A)及び破壊補助成分(B)を含有する実施例10〜13品の、アクネ菌バイオフィルム破壊試験の結果を示すグラフである。 図8は、アクネ菌バイオフィルム破壊成分(A)及び破壊補助成分(B)を含有する実施例14〜16品の、アクネ菌バイオフィルム破壊試験の結果を示すグラフである。
つぎに、本発明の実施の形態について詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の実施の形態に限定するものではない。
本発明のアクネ菌バイオフィルム破壊組成物は、イソプロピルメチルフェノール、サリチル酸、グリチルリチン酸、イブプロフェンピコノール、スルファジアジン及びそれらの塩、エタノール、レゾルシン、イオウ、及び過酸化ベンゾイルからなる群から選ばれた少なくとも1種のアクネ菌バイオフィルム破壊成分(A)を含有する。ここで、アクネ菌バイオフィルム破壊とは、微生物(アクネ菌)により形成されたバイオフィルムを減少させることを意味する。上記バイオフィルムの減少は公知の方法により検出されるものであるが、後述の試験例に記載の方法であれば、バイオフィルム残存率が80%以下に減少することが望ましく、さらに60%以下、特に50%以下、殊に40%以下が好ましい。以下、アクネ菌バイオフィルム破壊を「BF破壊」と略すことがある。
以下、BF破壊組成物の必須成分であるBF破壊成分(A)について詳述する。
<BF破壊成分(A)>
BF破壊成分(A)は、イソプロピルメチルフェノール、サリチル酸、グリチルリチン酸、イブプロフェンピコノール、スルファジアジン及びそれらの塩、エタノール、レゾルシン、イオウ、及び過酸化ベンゾイルをいい、中でも、BF破壊効果の観点から、イソプロピルメチルフェノール及びその塩、エタノール、レゾルシンが好ましく、さらにイソプロピルメチルフェノール及びその塩が好ましい。
これらのBF破壊成分(A)は、単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
(I)また、(A)成分の中でも、イソプロピルメチルフェノール、スルファジアジン及びそれらの塩、エタノール、レゾルシン、及び過酸化ベンゾイルについては、従来から殺菌成分として知られており、殺菌効果だけでなく、殺菌とは異なるバイオフィルム破壊効果を有することから、好ましく用いられる。
(II)さらに、(A)成分の中でも、サリチル酸及びその塩、イオウについては、従来から角質柔軟成分として知られており、バイオフィルム破壊効果とは異質な角質柔軟効果をバイオフィルム破壊効果と共に有することから、好ましく用いられる。
(III)そして、(A)成分の中でも、グリチルリチン酸、イブプロフェンピコノール及びそれらの塩については、従来から抗炎症成分として知られており、抗炎症効果と共にバイオフィルム破壊効果を有することから、好ましく用いられる。
また、(A)成分のイソプロピルメチルフェノールは種々の位置異性体が知られており、本発明にはそのいずれを用いてもよい。具体的に、イソプロピルメチルフェノールの位置異性体としては、3−メチル−4−イソプロピルフェノール〔ビオゾールとも呼ばれる〕、2−イソプロピル−5−メチルフェノール〔チモールとも呼ばれる〕、又は2−メチル−5−イソプロピルフェノール〔カルバクロールとも呼ばれる〕等が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の効果発現の観点から、好ましくは3−メチル−4−イソプロピルフェノールである。
(A)成分のイソプロピルメチルフェノールの塩としては、薬理学的に許容される塩であればよく、例えば、硫酸、塩酸又はリン酸等の鉱酸の塩、マレイン酸又はメタンスルホン酸等の有機酸の塩、ナトリウム又はカリウム等のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩などが挙げられる。
また、(A)成分のサリチル酸の塩としては、薬学的に許容される塩であればよく、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩のようなアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩;亜鉛塩;鉄塩;アンモニウム塩;アルギニン、リジン、ヒスチジン、オルニチンのような塩基性アミノ酸との塩;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンのようなアミンとの塩などが挙げられる。
さらに、(A)成分のグリチルリチン酸の塩としては、薬理学的に許容される塩であればよく、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩のようなアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩;チルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、ピペラジン、ピロリジン、トリピリジン、ピコリン等のアミンとの塩などが挙げられる。これらの中でも、本発明の効果発現の観点から、グリチルリチン酸のアルカリ金属塩、更には、グリチルリチン酸二カリウムが好ましい。
そして、(A)成分のイブプロフェンピコノールの塩としては、薬理学的に許容される塩であればよく、例えば、硫酸、塩酸又はリン酸等の鉱酸の塩、マレイン酸又はメタンスルホン酸等の有機酸の塩、ナトリウム又はカリウム等のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩などが挙げられる。
また、(A)成分のスルファジアジンの塩としては、薬理学的に許容される塩であればよく、例えば、硫酸、塩酸又はリン酸等の鉱酸の塩、マレイン酸又はメタンスルホン酸等の有機酸の塩、ナトリウム、カリウム又は銀等の金属塩などが挙げられる。
〔(A)成分含有量〕
(I)上記BF破壊成分(A)のうち、難水溶性成分及び水溶性固体成分の含有量は、BF破壊組成物全体の0.05〜8重量%であることが、効果の観点から好ましい。BF破壊成分(A)のうち、難水溶性成分としては、イソプロピルメチルフェノール、サリチル酸、イブプロフェンピコノール、スルファジアジン及びそれらの塩、レゾルシン、イオウ、及び過酸化ベンゾイルがあげられ、水溶性固体成分としてはグリチルリチン酸及びその塩があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
中でも、イソプロピルメチルフェノール及びその塩の少なくとも一方の含有量は、BF破壊組成物全体の0.05〜1.5重量%であることが好ましく、0.3〜1重量%であることが特に好ましい。これら範囲内であれば優れたバイオフィルム破壊効果を奏する一方、0.05重量%未満ではバイオフィルム破壊効果が相対的に低くなる傾向がみられ、1.5重量%を超えると製剤の匂い強度が高く実用性に適さない傾向がみられる。
また、レゾルシンの含有量は、BF破壊組成物全体の0.5〜4重量%であることが特に好ましい。この範囲内であれば優れたバイオフィルム破壊効果を奏する一方、0.5重量%未満ではバイオフィルム破壊効果が不充分となる傾向がみられ、4重量%を超えると製剤に着色が生じ、実用性に適さない傾向がみられる。
(II)上記BF破壊成分(A)のうち、水溶性液体成分の含有量は、BF破壊組成物全体の2.5〜50重量%であることが、効果の観点から好ましく、特に2.5〜30重量%が好ましい。これら範囲内であれば優れたバイオフィルム破壊効果を奏する一方、2.5重量%未満では、バイオフィルム破壊効果が不充分となる傾向がみられ、30重量%を超えると匂いの強度が高く実用性に適さない傾向がみられる。BF破壊成分(A)のうち、水溶性液体成分としては、エタノールがあげられる。
<破壊補助成分(B)>
つぎに、本発明のバイオフィルム破壊組成物は、上記(A)成分だけでなく、破壊補助成分(B)を含有することも好ましい。ここで破壊補助成分とは、アクネ菌バイオフィルムの破壊を補助するための成分をいう。
破壊補助成分(B)としては、例えば、クロロブタノール、没食子酸プロピル、乳酸ナトリウム、及びオレンジ油等があげられ、中でも、クロロブタノール、没食子酸プロピル、乳酸ナトリウムがさらに好ましい。これらの破壊補助成分(B)は、単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
上記クロロブタノールは防腐剤として、没食子酸プロピルは食品の酸化防止剤として、乳酸ナトリウムは保湿成分として、オレンジ油は食品や飲料に添加されたり、香水、洗剤等にも添加されたりする添加剤としてこれまで使用されている。破壊補助成分(B)は、このようにBF破壊成分(A)とは全く異質の成分であるが、(A)成分と併用することにより、バイオフィルム破壊効果を効果的に補強するようになる。さらに、補強効果が高いため、(A)成分の含有量が低く不充分となる傾向がみられる場合でも、バイオフィルム破壊効果が充分に得られるようになる。
上記破壊補助成分(B)の含有量は、BF破壊組成物全体の0.001〜10重量%であることが効果及び実用性の観点から好ましく、さらに0.01〜5重量%であることが好ましい。
<その他の成分>
その他、種々の目的に応じて、保湿成分、多価アルコール、スクラブ剤、紫外線吸収成分、紫外線散乱成分、(A)成分以外の抗炎症剤、収斂成分、ビタミン類、ペプチド又はその誘導体、アミノ酸又はその誘導体、洗浄成分、(A)成分以外の殺菌成分、角質柔軟成分、細胞賦活化成分、老化防止成分、血行促進作用成分、美白成分等のその他の成分を、本発明の効果を損なわない範囲で含んでいてもよい。なかでも、多価アルコール、ビタミン類、(A)成分以外の抗炎症剤を含有することが好ましい。なお、これらのその他の成分は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記保湿成分としては、例えば、ジグリセリントレハロース;ヒアルロン酸ナトリウム、ヘパリン類似物質、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、ケラチン、キチン、キトサン等の高分子化合物;グリシン、アスパラギン酸、アルギニン等のアミノ酸;尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等の天然保湿因子;セラミド、コレステロール、リン脂質等の脂質;カミツレエキス、ハマメリスエキス、チャエキス、シソエキス等の植物抽出エキス等が挙げられる。
上記多価アルコールとしては、炭素数2〜10のものが好ましく、例えば、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、イソプレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マンニトール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、ネオペンチルグリコール等が挙げられる。
これらの中でも、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、イソプレングリコール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マンニトール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオールが好ましく、グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、イソプレングリコール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マンニトール、ペンタンジオール、ヘキサンジオールがより好ましい。
上記スクラブ剤としては、例えば、アプリコット核粉末、アーモンド殻粉末、アンズ核粉末、塩化ナトリウム粒、オリーブ核粉末、海水乾燥物粒、キャンデリラワックス、くるみ殻粉末、さくらんぼ核粉末、サンゴ粉末、炭粉末、はしばみ殻粉末、ポリエチレン粉末、無水ケイ酸等が挙げられる。
上記紫外線吸収成分としては、例えば、オクチルトリアゾン、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸オクチル、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸等が挙げられる。
上記紫外線散乱成分としては、例えば、含水ケイ酸、ケイ酸亜鉛、ケイ酸セリウム、ケイ酸チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化チタン、酸化鉄、無水ケイ酸等の無機化合物、これらの無機化合物を含水ケイ酸、水酸化アルミニウム、マイカやタルク等の無機粉体で被覆したり、ポリアミド、ポリエチレン、ポリエステル、ポリスチレン、ナイロン等の樹脂粉体に複合化したもの、さらにシリコーン油や脂肪酸アルミニウム塩等で処理したもの等が挙げられる。
上記(A)成分以外の抗炎症剤としては、アラントイン及びその誘導体、グリチルレチン酸及びその誘導体、アズレン及びその誘導体、植物(例えば、コンフリー)に由来する成分、酸化亜鉛、酢酸トコフェロール、アミノカプロン酸、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン並びにそれらの塩等が挙げられる。なかでも、アラントイン及びその誘導体、グリチルレチン酸及びその誘導体、アズレン及びその誘導体、アミノカプロン酸が好ましく、アラントイン、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、アラントインジヒドロキシアルミニウム、グリチルレチン酸、グリチルレチン酸ステアリル、イプシロンアミノカプロン酸、アズレン、グアイアズレン及びそれらの塩がさらに好ましく、アラントイン、が特に好ましい。なお、「誘導体」とは、記載の化合物のエステル、エーテル、アルキル化物、配糖体等をいう。
上記収斂成分としては、例えば、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、塩化アルミニウム、スルホ石炭酸亜鉛、タンニン酸等が挙げられる。
上記ビタミン類としては、例えば、dl−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロールカルシウム等のビタミンE類;リボフラビン、フラビンモノヌクレオチド、フラビンアデニンジヌクレオチド、リボフラビン酪酸エステル、リボフラビンテトラ酪酸エステル、リボフラビン5’−リン酸エステルナトリウム、リボフラビンテトラニコチン酸エステル等のビタミンB2類;ニコチン酸、ニコチン酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸メチル、ニコチン酸β−ブトキシエチル、ニコチン酸1−(4−メチルフェニル)エチル、ニコチン酸アミド等のニコチン酸類;アスコルビゲン−A、アスコルビン酸ステアリン酸エステル、アスコルビン酸パルミチン酸エステル、ジパルミチン酸L−アスコルビル等のビタミンC類;メチルヘスペリジン、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール等のビタミンD類;フィロキノン、ファルノキノン等のビタミンK類;γ−オリザノール、ジベンゾイルチアミン、ジベンゾイルチアミン塩酸塩、チアミン塩酸塩、チアミンセチル塩酸塩、チアミンチオシアン酸塩、チアミンラウリル塩酸塩、チアミン硝酸塩、チアミンモノリン酸塩、チアミンリジン塩、チアミントリリン酸塩、チアミンモノリン酸エステルリン酸塩、チアミンモノリン酸エステル、チアミンジリン酸エステル、チアミンジリン酸エステル塩酸塩、チアミントリリン酸エステル、チアミントリリン酸エステルモノリン酸塩等のビタミンB1類;塩酸ピリドキシン、酢酸ピリドキシン、塩酸ピリドキサール、5’−リン酸ピリドキサール、塩酸ピリドキサミン等のビタミンB6類;シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、デオキシアデノシルコバラミン等のビタミンB12類;葉酸、プテロイルグルタミン酸等の葉酸類;パントテン酸、パントテン酸カルシウム、パントテニルアルコール(パンテノール)、D−パンテサイン、D−パンテチン、補酵素A、パントテニルエチルエーテル等のパントテン酸類;ビオチン、ビオシチン等のビオチン類;アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、デヒドロアスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム等のアスコルビン酸誘導体であるビタミンC類;カルニチン、フェルラ酸、α−リポ酸、オロット酸等のビタミン様作用因子等が挙げられる。
上記ペプチド又はその誘導体としては、例えば、ケラチン分解ペプチド、加水分解ケラチン、コラーゲン、魚由来コラーゲン、アテロコラーゲン、ゼラチン、エラスチン、エラスチン分解ペプチド、コラーゲン分解ペプチド、加水分解コラーゲン、塩化ヒドロキシプロピルアンモニウム加水分解コラーゲン、エラスチン分解ペプチド、コンキオリン分解ペプチド、加水分解コンキオリン、シルク蛋白分解ペプチド、加水分解シルク、ラウロイル加水分解シルクナトリウム、大豆蛋白分解ペプチド、加水分解大豆蛋白、小麦蛋白、小麦蛋白分解ペプチド、加水分解小麦蛋白、カゼイン分解ペプチド、アシル化ペプチド(パルミトイルオリゴペプチド、パルミトイルペンタペプチド、パルミトイルテトラペプチド等)等が挙げられる。
上記アミノ酸又はその誘導体としては、例えば、ベタイン(トリメチルグリシン)、プロリン、ヒドロキシプロリン、アルギニン、リジン、セリン、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、β−アラニン、スレオニン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、シスチン、メチオニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、ヒスチジン、タウリン、γ−アミノ酪酸、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸、カルニチン、カルノシン、クレアチン等が挙げられる。
上記洗浄成分としては、例えば、ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸カリウム、パルミチン酸カリウム又はステアリン酸カリウム等のアルカリ金属塩、アルカノールアミド塩又はアミノ酸塩等から選ばれる石けん類;ココイルグルタミン酸Na、ココイルメチルタウリンNa等のアミノ酸系界面活性剤;ラウレス硫酸Na等のエーテル硫酸エステル塩;ラウリルエーテル酢酸Na等のエーテルカルボン酸塩;アルキルスルホコハク酸エステルNa等のスルホコハク酸エステル塩;ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド等の脂肪酸アルカノールアミド;ラウリルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム等のモノアルキルリン酸エステル塩;ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン及びラウロイルアミドエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルベタインヒドロキシプロピルリン酸ナトリウム等のベタイン型両性界面活性剤;ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム等のアミノ酸型両性界面活性剤等が挙げられる。
上記(A)成分以外の殺菌成分としては、例えば、クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、アクリノール、塩化ベンゼトニウム、クレゾール、グルコン酸及びその誘導体、ポピドンヨード、ヨウ化カリウム、ヨウ素、トリクロカルバン、トリクロサン、感光素101号、感光素201号、パラベン、フェノキシエタノール、1,2−ペンタンジオール、塩酸アルキルジアミノグリシン、ピロクトオラミン、ミコナゾール等が挙げられる。
上記角質柔軟成分としては、例えば、乳酸、グルコン酸、クエン酸、リンゴ酸、フルーツ酸、フィチン酸、尿素、イオウ等が挙げられる。
上記細胞賦活化成分としては、例えば、γ−アミノ酪酸、ε-アミノカプロン酸等のアミノ酸類;レチノール、チアミン、リボフラビン、塩酸ピリドキシン、パントテン酸類等のビタミン類;グリコール酸、乳酸等のα−ヒドロキシ酸類;タンニン、フラボノイド、サポニン、感光素301号等が挙げられる。
上記老化防止成分としては、例えば、パンガミン酸、カイネチン、ウルソール酸、ウコンエキス、スフィンゴシン誘導体、ケイ素、ケイ酸、N−メチル−L−セリン、メバロノラクトン等が挙げられる。
上記血行促進作用成分としては、植物(例えば、オタネニンジン、アシタバ、アルニカ、イチョウ、ウイキョウ、エンメイソウ、オランダカシ、カミツレ、ローマカミツレ、カロット、ゲンチアナ、ゴボウ、コメ、サンザシ、シイタケ、ショウガ、セイヨウサンザシ、セイヨウネズ、センキュウ、センブリ、タイム、チョウジ、チンピ、トウガラシ、トウキ、トウニン、トウヒ、ニンジン、ニンニク、ブッチャーブルーム、ブドウ、ボタン、マロニエ、メリッサ、ユズ、ヨクイニン、リョクチャ、ローズマリー、ローズヒップ、モモ、アンズ、クルミ、トウモロコシ等)に由来する成分;アセチルコリン、イクタモール、カンタリスチンキ、ガンマーオリザノール、セファランチン、トラゾリン、ニコチン酸トコフェロール、グルコシルヘスペリジン等が挙げられる。
上記美白成分としては、例えば、トコフェロール、トラネキサム酸等が挙げられる。
<BF破壊組成物の製造方法>
本発明のBF破壊組成物の製造方法は特に制限されず、必須成分である(A)成分、並びに必要に応じて(B)成分の他、通常の、医薬組成物等を製造するのに必要な各種成分(上記その他の成分、後述する基剤又は担体、添加剤等)を適宜選択、配合して、常法により、製造することができる。
なお、本発明のBF破壊組成物は乳化を行った組成物であってもよいし、可溶化させた組成物であってもよい。その場合水中油型でも油中水型のいずれでもよいが、本発明の効果発現の観点及び当該BF破壊組成物の使用感(べたつき、のび、しっとり感等)の観点から水中油型の組成物であることが好ましい。
<BF破壊組成物の用途>
本発明のBF破壊組成物においては、以上説明したとおり、BF破壊成分(A)を含有しているため、アクネ菌バイオフィルムを破壊し、ニキビの根本治療に特に有効な医薬組成物として使用することができ、とりわけ皮膚に適用される外用剤として好適に使用することができる。外用剤としては、液剤、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤、リニメント剤、ローション剤、エアゾール剤、パウダー剤、シート剤等の形態により、公知の方法で製剤化することができる。好ましくは、液剤、懸濁剤、乳剤、クリーム剤の形態、更に好ましくは液剤、乳剤、クリーム剤の形態である。
なお、本発明のBF破壊組成物の用法・用量等は特に制限されず、使用対象の年齢や症状の程度等によって異なるが、通常、一日数回(例えば、朝と晩の一日2回程度)、適量(例えば、約0.01〜1g程度)を皮膚等の外皮(特に、症状の気になる患部、例えばニキビの発生する部位)に適用(例えば、塗布、噴霧、貼付)する等して用いることができる。具体的には、顔、唇周囲、頭皮、首、胸、背中、腹部、腕、口腔、腋、臀部、陰部等の皮膚表面の局所投与のために用いることができる。様々なニキビの状態に対して局所投与することができ、例えば、微小面皰(角栓発生、初期の角栓詰まり)や、いわゆる吹き出物(大人ニキビ)、白色ニキビ(白色丘疹)、黒ニキビ(開放面皰)や、炎症を伴う赤色ニキビ(赤色丘疹)または黄色ニキビ(化膿ニキビ)に対して、予防及び/又は治療剤として用いることができる。アクネ菌が毛包内または毛包周囲において増殖し、バイオフィルムを形成している場合に有効に用いられる。
大人ニキビでよく見られる乾燥肌では、過剰な皮脂分泌や角栓詰まりを生じやすく、そうした周囲環境の変化やストレスがアクネ菌によるバイオフィルム形成を増大させるおそれがある。また、バイオフィルム形成が増大すると、バイオフィルムにより守られたアクネ菌が繰り返しニキビ症状を発症させやすくなることが懸念される。そして、バイオフィルム形成の増大は、リパーゼ活性上昇を招き、リパーゼが皮脂中のトリグリセリドを分解して遊離脂肪酸を産生し、毛包内に炎症を引き起こすことが知られている。従って、本発明のバイオフィルム形成抑制剤は、より具体的には、本発明のBF破壊組成物は、ニキビの治療又は予防のために用いられ、更に具体的には、乾燥肌におけるニキビの治療又は予防のため、繰り返しがちなニキビの治療又は予防のため、又は、毛包内における炎症を伴うニキビの治療又は予防のために用いることができる。
<製剤>
本発明のBF破壊組成物は、その必須成分及び上記で説明したその他の成分等を、医薬品等に通常使用される基剤又は担体、及び必要に応じて、後述する添加剤と共に常法に従い混合して、必要に応じて乳化又は可溶化を行い、各種の製剤形態のBF破壊組成物とすることができる。
上記基剤又は担体としては、例えば、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ゲル化炭化水素(プラスチベース等)、オゾケライト、α−オレフィンオリゴマー、軽質流動パラフィン等の炭化水素;メチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリエーテル変性シリコーン、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリグリセリン変性シリコーン、ポリエーテル変性分岐シリコーン、ポリグリセリン変性分岐シリコーン、アクリルシリコーン、フェニル変性シリコーン、シリコーンレジン等のシリコーン油;ヤシ油、オリーブ油、コメヌカ油、シアバター等の油脂;ホホバ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、ラノリン等のロウ類;セタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、フィトステロール、コレステロール等の高級アルコール;エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリビニルピロリドン;カラギーナン;ポリビニルブチラート;ポリエチレングリコール;ジオキサン;ブチレングリコールアジピン酸ポリエステル;アジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット等のエステル類;デキストリン、マルトデキストリン等の多糖類;カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子;エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル等のグリコールエーテル;水等が挙げられる。本発明のBF破壊組成物が多価アルコールを含む場合、多価アルコールは基剤又は担体としての役割も果たす場合がある。なかでも、本発明のBF破壊組成物は水及び/又は低級アルコールを含むものとすることが好ましく、水を含むものとすることがより好ましい。
本発明のBF破壊組成物が水及び低級アルコール以外の基剤又は担体を含む場合、上記基剤又は担体としては、例えば、高級アルコール、炭化水素、油脂、エステル類、シリコーン油、ロウ類、ビニル系高分子が好ましく、高級アルコール、エステル油、シリコーン油、ビニル系高分子がより好ましい。これらの成分の中では、セタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、ジメチコン、シクロメチコン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、カルボキシビニルポリマーがさらに好ましい。
以上説明した基剤又は担体は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、それらの使用量は当業者に公知の範囲から適宜選択される。
<製剤形態>
本発明のBF破壊組成物の製剤形態は特に限定されず、例えば、軟膏剤、液剤、懸濁剤、乳化剤(乳液及びクリーム)、ゲル剤、リニメント剤、ローション剤、パップ剤、エアゾール剤、固形剤等が挙げられる。これらのうち、液状〜半固体状の製剤形態が好ましく、特に、液剤、ローション剤、軟膏剤、ゲル剤、乳化剤に適用すると有用である。これらの製剤は、常法、例えば第16改正日本薬局方製剤総則に記載の方法等に従い製造することができる。
<添加剤>
本発明のBF破壊組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、医薬品に添加される公知の添加剤、例えば、界面活性剤、安定化剤、酸化防止剤、着色剤、パール光沢付与剤、分散剤、キレート剤、pH調整剤、清涼化剤、保存剤、増粘剤、刺激低減剤等を添加することができる。なかでも、清涼化剤、増粘剤を添加することが好ましい。これらの添加剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。
上記界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤等のいずれでもよく、例えば、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル類;モノステアリン酸プロピレングリコール等のプロピレングリコール脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40(HCO−40)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50(HCO−50)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60(HCO−60)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油80等の硬化ヒマシ油誘導体;モノラウリル酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート20)、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート60)、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート80)、イソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンモノヤシ油脂肪酸グリセリル;グリセリンアルキルエーテル;アルキルグルコシド;ポリオキシエチレンセチルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル;ステアリルアミン、オレイルアミン等のアミン類;ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン等のシリコーン系界面活性剤等が挙げられる。これらのうち、非イオン性界面活性剤が好ましく、硬化ヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルがより好ましい。
上記安定化剤としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール等が挙げられる。
上記酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ソルビン酸、亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、エリソルビン酸、L−システイン塩酸塩等が挙げられる。
上記着色剤としては、例えば、無機顔料、天然色素等が挙げられる。
上記パール光沢付与剤としては、例えば、ジステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸トリエチレングリコール等が挙げられる。
上記分散剤としては、例えば、ピロリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸架橋コポリマー、有機酸等が挙げられる。
上記キレート剤としては、例えば、EDTA・2ナトリウム塩、EDTA・カルシウム・2ナトリウム塩等が挙げられる。
上記pH調整剤としては、例えば、無機酸(塩酸、硫酸等)、有機酸(乳酸、乳酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸ナトリウム等)、無機塩基(水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等)、有機塩基(トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等)等が挙げられる。なかでも、無機塩基及び/又は有機塩基が好ましく、水酸化カリウム、トリエタノールアミンがより好ましい。
上記清涼化剤としては、例えば、メントール、カンフル、ボルネオール、ゲラニオール、シネオール、アネトール、リモネン、オイゲノール等のテルペン類(これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。);ユーカリ油、ベルガモット油、ペパーミント油、クールミント油、スペアミント油、ウイキョウ油、ハッカ油、ケイヒ油、ローズ油、テレビン油等の精油等が挙げられる。
上記保存剤としては、例えば、安息香酸、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ベンジル、パラオキシ安息香酸メチル、フェノキシエタノール等が挙げられる。
上記増粘剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー等のビニル系増粘剤、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース等のセルロース系増粘剤、グアーガム、ペクチン、プルラン、ゼラチン、ローカストビーンガム、カラギーナン、寒天、キサンタンガム、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体、ポリエチレングリコール、ベントナイト、アルギン酸、アルギン酸プロピレングリコール、マクロゴール、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマー等が挙げられる。これらのうち、ビニル系増粘剤、セルロース系増粘剤が好ましく、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロースがより好ましい。
上記刺激低減剤としては、例えば、甘草エキス、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
なお、本発明のBF破壊組成物のBF破壊効果は、後記のBF破壊試験によってバイオフィルム残存率(以下「BF残存率」と略すことがある)を測定することにより確認することができる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されない。
<試験1:BF破壊試験>
アクネ菌がバイオフィルムを形成した培地に、実施例品等のサンプル添加後のBF残存率を測定して、バイオフィルム破壊効果を確認する。
具体的には、48穴丸底ウェルプレートに、強化クロストリジア(RCM)斜面培地で3日間37℃、嫌気培養したアクネ菌(P. acnes)懸濁液が10(CFU/mL)菌液になるように接種した各試験溶液を、1ウェルあたり500μLずつ分注する。37℃で28時間嫌気培養し、菌をウェルに付着させ、バイオフィルムを形成させる。菌液を破棄し、各ウェルを500μLのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を用いて2回洗浄する。
各サンプルを1ウェルあたり500μL分注後、24時間嫌気培養する。培養後、各ウェルを500μLのPBSで2回洗浄する。メタノール(和光純薬工業社製)を1ウェルあたり500μLずつ分注し、15分間静置後、メタノールを除去し、乾燥させる。
1ウェルあたり0.5重量%クリスタルバイオレット(関東化学社製)100μLで20分間染色した。クリスタルバイオレット溶液を除去し、各ウェルを500μLの精製水で2回洗浄後、33重量%酢酸 (和光純薬工業社製) 150μLで付着したクリスタルバイオレットを溶解させ、振とう機(Shaking Incubator SI-300、アズワン社製)を用いて、300rpm, 5分振とうする。各ウェルの抽出液を96穴平面プレートに1ウェルあたり100μLずつ分注して、マイクロプレートリーダー(モレキュラーデバイス社製、Versa max)を用いてクリスタルバイオレットが吸光度を示す590nmでの吸光度を測定してサンプルOD590値とする。
2.5重量%ジメチルスルホキシド(DMSO、和光純薬工業社製)を含有するRCM培地をコントロールとして用意し、このバイオフィルム形成量に対する比を用いて、下記の式(1)にてバイオフィルム残存率を算出する。
式(1):バイオフィルム残存率(%) = サンプルOD590値/コントロールOD590値×100
統計学的有意差の検定はDunnett testを用いて、P値を算出した。n数は6で実験を実施する。
<試験2:細菌生存率測定>
細菌生存率は、Cell Titer-Blue Cell Viability Assay kit(Promega社製)を用いて測定する。
具体的には48穴丸底ウェルプレートにRCM斜面培地で3日間37℃、嫌気培養したアクネ菌(P. acnes)懸濁液が10(CFU/mL)菌液になるように接種した各試験溶液を、1ウェルあたり500μLずつ分注する。37℃で28時間嫌気培養し、菌をウェルに付着させ、バイオフィルムを形成させる。菌液を破棄し、各ウェルを500μLのPBSを用いて2回洗浄する。
各サンプルを1ウェルあたり500μL分注後、24時間嫌気培養する。各ウェルを500μLのPBSで2回洗浄する。500μL生理食塩水(大塚製薬社製)及び100μL Cell Titer blue(Promega社製)を各ウェルに分注後、37℃で1時間嫌気培養した後、蛍光マイクロプレートリーダー(モレキュラーデバイス社製、Flex station)にて蛍光測定(Ex:560nm, Em:590nm)を実施する。
2.5重量%DMSO(和光純薬工業社製)を含有するRCM培地をコントロールとして用意し、この蛍光値に対する比を用いて、下記の式(2)にて細菌生存率を算出する。
式(2):細菌生存率(%) = サンプル蛍光値/コントロール蛍光値×100
統計学的有意差の検定はDunnett testを用いて、P値を算出した。n数は6で実験を実施する。
まず、実施例に先立って、下記に示す参考例1(コントロール)を準備し、これに(A)成分、必要に応じて(B)成分を含有する実施例・比較例を調製した。
〔参考例1〕
コントロールとして、2.5重量%DMSOを準備した。
〔実施例1、比較例1〕
上記参考例1のコントロールに、下記表1の(A)成分含有量となるように配合したBF破壊組成物をそれぞれ調製する。
Figure 2021165284
上記参考例1品、実施例1品及び比較例1品について、前記のBF破壊試験及び細菌生存率測定を行った。それらのBF破壊試験の結果を上記表1に示すと共に図1(a)に示し、細菌生存率測定の結果を図1(b)に示す。
細菌生存率測定の結果、図1(b)から、従来より殺菌成分として知られている実施例1品及び比較例1品の細菌生存率がほぼ0%となっており、これらの殺菌効果を確認した。
一方BF破壊試験の結果、表1及び図1(a)から、実施例1品は、BF残存率は29%に減少し、BF破壊を効果的に行えていることが分かった。これに対し、アクネ菌殺菌剤として知られるアゼライン酸を配合した比較例1品は、BF残存率は89%であり、BF破壊効果がほとんどないことが分かった。このように、アクネ菌殺菌剤であっても、BF破壊成分(A)ではないものがあり、本発明者らは、鋭意検討の結果、数多くの成分の中から、ニキビの根本治療のためのBF破壊できるBF破壊成分(A)を見出すに至ったことが分かる。
<試験3:BF破壊状態観察>
上記試験1のBF破壊試験で用いた、バイオフィルムをクリスタルバイオレットにて染色した後の参考例1(コントロール)と実施例1の結果を、光学顕微鏡(Carl Zeiss社製)にて、倍率 50倍(接眼レンズ ×10、対物レンズ ×5)の条件により観察し、参考例1品の光学顕微鏡写真を図2(a)に示し、実施例1品の光学顕微鏡写真を図2(b)に示した。
この結果、図2から分かるように、参考例1品においてクリスタルバイオレットにて染色されたバイオフィルムが広範に存在していたのに対し、実施例1品では、クリスタルバイオレットの染色量が大幅に減少し、バイオフィルムが破壊されていたことが分かった。
〔実施例2〜9、比較例2〕
つぎに、上記コントロールに、下記表2の(A)成分含有量となるように配合したBF破壊組成物をそれぞれ調製した。
Figure 2021165284
上記実施例2〜9品及び比較例2品について、上記試験1のBF破壊試験を行った。その結果を、上記表2に示すと共に図3に示す。表2及び図3より、比較例2品は、BF残存率が98%でバイオフィルムが殆ど減少しておらず、上記比較例1と同様、ニキビ有効成分として知られているが、BF破壊効果は全くないことが分かった。これに対し、実施例2〜9品は、いずれもBF残存率が60%を下回り、BF破壊効果を発現していることが分かった。
つぎに、BF破壊成分(A)の一つであるイソプロピルメチルフェノール(IPMP)濃度変化におけるBF破壊効果について検討した。
〔実施例1−1〜実施例1−4〕
上記コントロールに、下記表3のIPMP(A)含有量となるように配合したBF破壊組成物をそれぞれ調製した。
Figure 2021165284
上記実施例1−1〜実施例1−4品について、上記試験1のBF破壊試験を行った。その結果を、上記表3に示すと共に図4に示す。表3及び図4より、実施例1−1品〜実施例1−4品は、それぞれBF残存率が30%、29%、11%、10%であり、一定のBF破壊効果を発現していることが分かった。
また、BF破壊成分(A)の一つであるエタノール濃度変化におけるBF破壊効果について検討した。
〔実施例2−1〜実施例2−5〕
上記コントロールに、下記表4のエタノール(A)含有量となるように配合したBF破壊組成物をそれぞれ調製した。
Figure 2021165284
上記実施例2−1〜実施例2−5品について、上記試験1のBF破壊試験を行った。その結果を、上記表4に示すと共に図5に示す。表4及び図5より、実施例2−1〜実施例2−5品は、いずれも、BF残存率が60%を下回り、一定のBF破壊効果を発現していることが分かった。
さらに、BF破壊成分(A)の一つであるレゾルシン濃度変化におけるBF破壊効果について検討した。
〔実施例3−1〜実施例3−5〕
上記コントロールに、下記表5のレゾルシン(A)含有量となるように配合したBF破壊組成物をそれぞれ調製した。
Figure 2021165284
上記実施例3−1〜実施例3−5品について、上記試験1のBF破壊試験を行った。その結果を、上記表5に示すと共に図6に示す。表5及び図6より、実施例3−1〜実施例3−5品は、いずれも、BF残存率が40%以下を示し、一定のBF破壊効果を発現していることが分かった。
BF破壊組成物に、BF破壊成分(A)と、さらに破壊補助成分(B)を含有する場合のBF破壊効果について検討した。
〔実施例10〜13〕
上記コントロールに、下記表6の(A)成分含有量および(B)成分含有量となるように配合したBF破壊組成物をそれぞれ調製した。
Figure 2021165284
上記実施例10〜13品について、上記試験1のBF破壊試験を行った。その結果を、上記表6に示すと共に図7に示す。表6、図7及び図4より、0.025重量%の低濃度IPMP含有組成物であっても、上記破壊補助成分(B)を併用することにより、優れたBF破壊効果を奏する0.1重量%のIPMP含有組成物と同程度のBF破壊効果を発現することが分かった。
〔実施例14〜16〕
上記コントロールに、下記表7の(A)成分含有量および(B)成分含有量となるよう配合したBF破壊組成物をそれぞれ調製した。
Figure 2021165284
上記実施例14〜16品について、上記試験1のBF破壊試験を行った。その結果を、上記表7と共に図8に示す。表7、図8及び図6より、BF破壊効果が不充分となる傾向にある0.25重量%の低濃度レゾルシン含有組成物であっても、上記破壊補助成分(B)を併用することにより、優れたBF破壊効果を奏する0.5重量%のレゾルシン含有組成物等と同程度のBF破壊効果を発現することが分かった。
(製剤例)
以下、本発明のアクネ菌バイオフィルム破壊組成物の製剤処方例を下記表8及び表9に示す。
Figure 2021165284
Figure 2021165284
本発明のBF破壊組成物は、バイオフィルム破壊できることから、ニキビの根本治療に有効な外用医薬品、外用医薬部外品、化粧品等の外用組成物として、非常に有効である。

Claims (6)

  1. イソプロピルメチルフェノール、サリチル酸、グリチルリチン酸、イブプロフェンピコノール、スルファジアジン及びそれらの塩、エタノール、レゾルシン、イオウ、及び過酸化ベンゾイルからなる群から選ばれた少なくとも1種のアクネ菌バイオフィルム破壊成分(A)を含有するアクネ菌バイオフィルム破壊組成物。
  2. 上記アクネ菌バイオフィルム破壊成分(A)が、イソプロピルメチルフェノール、スルファジアジン及びそれらの塩、エタノール、レゾルシン、及び過酸化ベンゾイルからなる群から選ばれた少なくとも1種である請求項1記載のアクネ菌バイオフィルム破壊組成物。
  3. さらに、クロロブタノール、没食子酸プロピル、乳酸ナトリウム、及びオレンジ油からなる群から選ばれた少なくとも1種の破壊補助成分(B)を含有する請求項1又は2記載のアクネ菌バイオフィルム破壊組成物。
  4. 上記アクネ菌バイオフィルム破壊成分(A)が、イソプロピルメチルフェノール、サリチル酸、グリチルリチン酸、イブプロフェンピコノール、スルファジアジン及びそれらの塩、レゾルシン、イオウ、及び過酸化ベンゾイルからなる群から選ばれた少なくとも1種であり、上記(A)成分の含有量がアクネ菌バイオフィルム破壊組成物全体の0.05〜8重量%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のアクネ菌バイオフィルム破壊組成物。
  5. 上記アクネ菌バイオフィルム破壊成分(A)がエタノールであり、上記エタノールの含有量がアクネ菌バイオフィルム破壊組成物全体の2.5〜50重量%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のアクネ菌バイオフィルム破壊組成物。
  6. 皮膚に適用される、請求項1〜5のいずれか一項に記載のアクネ菌バイオフィルム破壊組成物。
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