JP6745091B2 - バイオフィルム形成抑制剤 - Google Patents

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Description

本発明は、アクネ菌等の微生物によるバイオフィルム形成を抑制することができる製剤に関する。
ニキビ(ざ瘡)は、面皰、丘疹、結節、膿疱を生じ、ときに毛包の炎症を伴う皮膚疾患であり、主に顔、胸、背中にみられる。ニキビは、皮膚の常在菌であるアクネ菌(Propionibacterium acnes、P. acnes)が主たる原因菌であることが知られている。
アクネ菌は、嫌気性の細菌であるため、毛包の奥深くに生息している。アクネ菌は毛包に溜まった皮脂を栄養源として増殖し、悪化すると炎症を引き起こす。炎症により、毛包内には膿が溜まり皮疹となる。アクネ菌の関与が知られているニキビとしては、思春期などに見られやすい尋常性ざ瘡、膿疱を主体とする膿疱性ざ瘡、嚢腫を主体とする嚢腫性ざ瘡、尋常性ざ瘡の重症例である集簇性ざ瘡、電撃性ざ瘡等がある。このようなニキビの治療には、皮脂の産生抑制、感染防止、炎症抑制、角化正常化等を目的として、種々の外用剤や経口剤等が開発されている。
細菌の中には、バイオフィルムと呼ばれる細菌分泌物(多糖類等)の集積物を形成し、粘性を伴って被着体に付着し続けるものがある。身近な例としては、シンクのぬめりは細菌がバイオフィルムを形成したものであることが知られている。また、歯と歯の間や、歯と歯肉との境目に生じるプラークはバイオフィルムの一種として考えられている。
アクネ菌もバイオフィルムを形成することが知られている。バイオフィルムには、アクネ菌から分泌された多糖類等が集積しているために、抗菌剤等の薬剤が内部に浸透しにくく、効果が薄れてしまう。よって、バイオフィルム形成の有無は、種々の細菌感染の病原性に影響を与える(非特許文献1)。バイオフィルムやプラークなどに対して効果が高い抗菌剤の開発も進められており、特許文献1では、黄色ブドウ球菌、ミュータンス菌、大腸菌等に効果的な抗菌製剤が開示されている。
特許第3717960号公報
Tom Coenyeら、Research in Microbiology 158 (2007) 386-392
しかしながら、微生物によるバイオフィルム形成、とりわけ毛包の奥深くにバイオフィルムを形成するアクネ菌に対して、そのバイオフィルム形成を抑制する製剤の開発は、未だに十分なされていない。よって、本発明は、このようなバイオフィルム形成を抑制する効果が高い製剤を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、バイオフィルムを形成する微生物、とりわけニキビの原因菌であるアクネ菌によるバイオフィルム形成に対し、塩基性アミノ酸類が特に顕著な抑制効果を発揮することを見出した。本発明は、このような知見に基づいて、更に検討を重ねることによって完成したものである。
すなわち、本発明は、塩基性アミノ酸類を含有する、バイオフィルム形成抑制剤に関する。
上記のバイオフィルム形成抑制剤は、アクネ菌のバイオフィルム形成を抑制するために用いられ得る。
上記塩基性アミノ酸類は、アルギニン、ヒスチジン、リジン及びオルニチンからなる群より選択される少なくとも1種以上であり得る。
上記塩基性アミノ酸類は、L体のアミノ酸類であり得る。
上記のバイオフィルム形成抑制剤は、皮膚又は口腔内に適用され得る。
上記のバイオフィルム形成抑制剤は、ニキビの治療又は予防のために用いられ得る。
上記のバイオフィルム形成抑制剤は、乾燥肌におけるニキビの治療又は予防のために用いられ得る。
上記のバイオフィルム形成抑制剤は、繰り返しがちなニキビの治療又は予防のために用いられ得る。
上記のバイオフィルム形成抑制剤は、毛包内における炎症を伴うニキビの治療又は予防のために用いられ得る。
上記のバイオフィルム形成抑制剤のpHは、3.0〜8.0であり得る。
上記のバイオフィルム形成抑制剤は、さらに界面活性剤を含有し得る。
上記のバイオフィルム形成抑制剤は、尋常性ざ瘡、膿疱性ざ瘡、嚢腫性ざ瘡、集簇性ざ瘡又は電撃性ざ瘡に対して用いられ得る。
本発明によれば、微生物、とりわけアクネ菌により形成されるバイオフィルム形成を効果的に抑制することができる。
pH7に調整した各種アミノ酸類配合製剤を用いてバイオフィルム形成抑制率(%)を評価した結果を示すグラフである。 pH5に調整した各種アミノ酸類配合製剤を用いてバイオフィルム形成抑制率(%)を評価した結果を示すグラフである。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書中で使用される用語は、特に他を言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられている点が理解されるべきである。
本発明は、塩基性アミノ酸類を含有する、バイオフィルム形成抑制剤に関する。
本発明のバイオフィルム形成抑制剤は、種々の微生物によるバイオフィルム形成を抑制するために用いられ得る。バイオフィルムを形成する微生物としては、特に限定されないが、例えば、アクネ菌、ミュータンス菌、表皮ブドウ球菌、黄色ブドウ球菌、大腸菌等の細菌や、白癬菌、カンジタ菌、マラセチア菌、黒カビ菌(例えば、コウジカビ菌、クラドスポリウム菌)等の真菌等を挙げることができる。より一層高い効果が期待できるという観点から、本発明のバイオフィルム形成抑制剤は、好ましくは細菌に対して用いられ、より好ましくはアクネ菌又はミュータンス菌に対して用いられ、特に好ましくはアクネ菌に対して用いられる。
本明細書において、「バイオフィルム形成抑制」とは、完全であるか、部分的であるかにかかわらず、微生物がバイオフィルムを形成することを阻害すること、または形成されるバイオフィルムの成長速度を低減することをいう。アクネ菌のバイオフィルムの形成抑制を検出する場合、その方法は公知の方法であれば限定はされないが、後述の試験例に記載の方法であれば、バイオフィルムの形成抑制率が少なくとも20%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましく、40%以上であることが更に好ましく、50%以上であることが更により好ましく、60%以上であることが特に好ましい。
本明細書において、「アクネ菌」とは、Propionibacterium acnes(P. acnes)またはその遺伝学的類縁体若しくはそれらの突然変異体をいう。
本明細書において、「ミュータンス菌」とは、Streptococcus mutans(S. mutans)またはその遺伝学的類縁体若しくはそれらの突然変異体をいう。
本明細書において、「表皮ブドウ球菌」とは、Staphylococcus epidermidis(S. epidermidis)またはその遺伝学的類縁体若しくはそれらの突然変異体をいう。
本明細書において、「黄色ブドウ球菌」とは、Staphylococcus aureus(S. aureus)またはその遺伝学的類縁体若しくはそれらの突然変異体をいう。
本明細書において、「大腸菌」とは、Escherichia coli(E. coli)またはその遺伝学的類縁体若しくはそれらの突然変異体をいう。バイオフィルムを形成する大腸菌であれば、表面抗原(O抗原及びH抗原)の種類は制限されない。
本明細書において、「白癬菌」とは、Trichophyton rubrum(T. rubrum)、Trichophyton mentagrophytes(T. mentagrophytes)、Trichophyton tonsurans(T. tonsurans)等が含まれる白癬菌属真菌またはその遺伝学的類縁体若しくはそれらの突然変異体をいう。
本明細書において、「カンジタ菌」とは、Candida albicans(C. albicans)等が含まれるカンジタ属真菌またはその遺伝学的類縁体若しくはそれらの突然変異体をいう。
本明細書において、「マラセチア菌」とは、Malassezia furfur(M. furfur)
、Malassezia globosa(M. globosa)、Malassezia restricta(M. restricta)、Malassezia pachydermatis(M. pachydermatis)、Malassezia dermatis(M. dermatis)、Malassezia japonica(M. japonica)、Malassezia yamatoensis(M. yamatoensis)等が含まれるマラセチア属真菌またはその遺伝学的類縁体若しくはそれらの突然変異体をいう。
本明細書において、「コウジカビ菌」とは、Aspergillus oryzae(A. oryzae)等が含まれるコウジカビ属真菌またはその遺伝学的類縁体若しくはそれらの突然変異体をいう。
本明細書において、「クラドスポリウム菌」とは、Cladosporium cladosporioides(C. cladosporioides)、Cladosporium sphaerospermum(C. sphaerospermum)等が含まれるクラドスポリウム属真菌またはその遺伝学的類縁体若しくはそれらの突然変異体をいう。
本明細書において、塩基性アミノ酸類としては、バイオフィルム形成に対して抑制効果を有している限り、限定はされないが、アルギニン、リジン、ヒスチジン、オルニチン、δ−ヒドロキシリジン、アルカノールアミン(トロメタモール、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等)、スルホアルキルピペラジン(HEPES、1,4−ビス(2−スルホエチル)ピペラジン、1,4−ビス(3−スルホプロピル)ピペラジン、1,4−ビス(4−スルホブチル)ピペラジン等)、スルホアルキルアルキレンジアミン(N,N’−ビス(3−スルホプロピル)エチレンジアミン等)、イプシロンアミノカプロン酸、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(AMP)、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、メグルミンなどの有機アミン、尿素及びクレアチニン、またはこれらの薬学的に許容される塩等が挙げられる。本発明において、塩基性アミノ酸類は、L体及び/又はD体のいずれを用いてもよいが、好ましくはL体が用いられる。
塩基性アミノ酸類としては、効果的にバイオフィルム形成(とりわけ、アクネ菌のバイオフィルム形成)を抑制する観点から、塩基性アミノ酸が好ましく、アルギニン、ヒスチジン、リジン及びオルニチンからなる群より選択される少なくとも1種以上の成分がより好ましく、アルギニンおよび/またはヒスチジンが更に好ましく、アルギニンが特に好ましい。塩基性アミノ酸類は、公知の方法により合成して使用しても、市販品を入手して使用してもよい。また、塩基性アミノ酸類は、1種単独で用いてもよく、2種以上を任意に組み合わせて用いてもよい。また、バイオフィルム形成抑制剤における塩基性アミノ酸類は、抗生物質ではないため、臨床的に1種または複数の抗生物質に対して、部分的にまたは完全に耐性を有する微生物に対しても有効である。また、アクネ菌は、本来的には皮膚の常在菌であり、皮膚を弱酸性に保つことで他の病原菌の侵入や繁殖を抑える役割を備えている。よって、抗生物質等の強力な薬剤により、過度にアクネ菌を殺菌・抑制することは、却って皮膚に負担が生じる場合がある。アクネ菌のバイオフィルム形成を抑制することにより、種々の薬剤の浸透力を高め、強力な薬剤によらずとも、効果的にアクネ菌を殺菌・抑制することが可能となる。または、アクネ菌のバイオフィルム形成を抑制することにより、種々の薬剤(例えば、後述するような抗アクネ菌剤を含む抗菌剤、角質・皮脂溶解剤、抗炎症剤、抗生物質、鎮痒剤、局所麻酔剤、ビタミン類、創傷治療剤等)を少ない投与量で用いることが可能となる。
本明細書において、塩基性アミノ酸類の薬学的に許容される塩とは、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、有機塩基等との塩が例示され、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、又はジエタノールアミン、エチレンジアミン等との塩が挙げられる。さらには、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)ピペラジン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、エタノールアミン、N−メチルグルカミン、L−グルカミン等のアミンの塩;また、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の鉱酸の塩;メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸、マンデル酸、ケイ皮酸、乳酸、グリコール酸、グルクロン酸、アスコルビン酸、ニコチン酸、サリチル酸等の有機酸との塩;又はアスパラギン酸、グルタミン酸などの酸性アミノ酸との塩なども挙げられる。「薬学的に許容される塩」には、塩の溶媒和物又は水和物を含んでいてもよい。
塩基性アミノ酸類の含有量は、バイオフィルム形成をより効果的に抑制することができる観点から、一例として、製剤の全量に対して、0.0001重量%以上とすることができ、0.001重量%以上であることが好ましく、0.005重量%以上であることがより好ましく、0.01重量%以上であることが更に好ましく、0.05重量%以上であることが特に好ましく、0.1重量%以上であることが最も好ましい。また、塩基性アミノ酸類の含有量は、一例として、製剤の全量に対して、30重量%以下とすることができ、25重量%以下とすることが好ましく、20重量%以下とすることが更に好ましく、15重量%以下とすることが特に好ましく、10重量%以下とすることが最も好ましい。塩基性アミノ酸類の含有量は、一例として、製剤の全量に対して、0.0001重量%〜30重量%とすることができ、0.001重量%〜25重量%とすることが好ましく、0.005重量%〜20重量%とすることが更に好ましく、0.01重量%〜15重量%とすることが特に好ましく、0.1重量%〜10重量%とすることが最も好ましい。
本発明において、バイオフィルム形成抑制剤のpHは、配合成分の種類及び含有量、用途、製剤形態、使用方法等に応じて適宜設定される。一例として、アクネ菌に対するバイオフィルム形成抑制剤として用いる場合、そのpHは、塩基性アミノ酸類がアクネ菌のバイオフィルムをより効果的に抑制することができる観点から、限定はされないが、pH3.0〜8.0とすることができ、pH3.1〜7.8であることが好ましく、pH3.2〜7.6であることが更に好ましく、pH3.3〜7.4であることが更により好ましく、pH3.4〜7.2であることが特に好ましく、pH3.5〜7であることが最も好ましい。
本発明において、バイオフィルム形成抑制剤の粘度は、配合成分の種類及び含有量、用途、製剤形態、使用方法等に応じて適宜設定される。アクネ菌のバイオフィルム形成抑制剤の粘度は、バイオフィルム内に有効成分が浸透し、且つ患部に製剤が留まることの観点から、限定はされないが、好ましくは0.001mPa・s〜500000mPa・sであり、より好ましくは0.005mPa・s〜450000mPa・sとすることができ、更に好ましくは0.01mPa・s〜400000mPa・sとすることができ、特に好ましくは0.05mPa・s〜350000mPa・sとすることができ、最も好ましくは0.1mPa・s〜300000mPa・sとすることができる。粘度の測定は、公知の方法であれば特に限定はされないが、回転粘度計(RB−80H型粘度計、東機産業社製、ローター;H7、回転数;10rpm)で測定した20℃における粘度とすることができる。
本明細書において、バイオフィルム形成抑制剤は、医薬品、医薬部外品または化粧品として公知の形態であれば、特に限定されないが、特には外用剤として用いることができる。このような外用剤は、液剤、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤、リニメント剤、ローション剤、エアゾール剤、パウダー剤、不織布等のシートにバイオフィルム形成抑制剤を含浸させたシート剤等の形態により、公知の方法で製剤化することができる。好ましくは、液剤、懸濁剤、乳剤、クリーム剤の形態とするのがよく、更に好ましくは液剤、乳剤、クリーム剤の形態である。このような形態に製剤化することにより、バイオフィルム形成を効果的に抑制することができる。
本明細書において、バイオフィルム形成抑制剤は、顔、唇周囲、頭皮、首、胸、背中、腹部、腕、口腔、腋、臀部、陰部等の皮膚表面の局所投与のために用いることができる。アクネ菌のバイオフィルム形成抑制剤として用いる場合には、様々なニキビの状態に対して局所投与することができ、例えば、微小面皰(角栓発生、初期の角栓詰まり)や、いわゆる吹き出物(大人ニキビ)、白色ニキビ(白色丘疹)、黒ニキビ(開放面皰)や、炎症を伴う赤色ニキビ(赤色丘疹)または黄色ニキビ(化膿ニキビ)に対して、予防及び/又は治療剤として用いることができる。また、アクネ菌のバイオフィルム形成抑制剤は、尋常性ざ瘡、膿疱性ざ瘡、嚢腫性ざ瘡、集簇性ざ瘡、電撃性ざ瘡に対して、予防及び/又は治療剤として用いることができる。ざ瘡は、毛包が皮脂や角質の栓によって、開いているか、閉じられているかによって、開放性または閉塞性と呼ばれることがあるが、アクネ菌のバイオフィルム形成抑制剤は、いずれのざ瘡に対しても用いることができる。アクネ菌のバイオフィルム形成抑制剤は、アトピー性皮膚炎により引き起こされるざ瘡に対しても用いることができる。また、アクネ菌は、サルコイドーシスの原因菌としても知られているため、サルコイドーシスの肉芽腫性病変を生じている皮膚の患部においても、予防及び/又は治療剤として用いることができる。本明細書において、アクネ菌のバイオフィルム形成抑制剤は、アクネ菌が毛包内または毛包周囲において増殖し、バイオフィルムを形成している場合に有効に用いられる。
大人ニキビでよく見られる乾燥肌では、過剰な皮脂分泌や角栓詰まりを生じやすく、そうした周囲環境の変化やストレスがアクネ菌によるバイオフィルム形成を増大させるおそれがある。また、バイオフィルム形成が増大すると、バイオフィルムにより守られたアクネ菌が繰り返しニキビ症状を発症させやすくなることが懸念される。そして、バイオフィルム形成の増大は、リパーゼ活性上昇を招き、リパーゼが皮脂中のトリグリセリドを分解して遊離脂肪酸を産生し、毛包内に炎症を引き起こすことが知られている。従って、本発明のバイオフィルム形成抑制剤は、このような乾燥肌におけるニキビの治療及び/又は予防、繰り返しがちなニキビの治療及び/又は予防、毛包内における炎症を伴うニキビの治療及び/又は予防のために効果的に用いることができる。アクネ菌のバイオフィルム抑制剤は、このような予防及び/又は治療を目的として、医薬品、医薬部外品または化粧品として用いることができる。
バイオフィルム形成抑制剤を局所投与する場合には、バイオフィルム形成抑制剤が収容された容器から直接患部に投与することも可能であり、または必要量を指先に取り、患部に投与することも可能である。また、衛生上の観点から、バイオフィルム形成抑制剤を、清潔なスポンジ、綿棒、布、ティッシュ、皮膚用パッチ等に必要量取り、患部に投与することも可能である。
本明細書において、バイオフィルム形成抑制剤の有効投与量は、配合成分の種類及び含有量、用途や製剤形態に応じて適宜設定され得るが、顔、唇周囲、頭皮、首、胸、背中、腹部、腕、口腔、腋、臀部、陰部等の皮膚表面に塗布する場合には、1日数回(例えば1〜3回程度)又は痒みや痛み等の症状が現れた際に、単位面積あたり1回、約5〜100mg/cm程度である。使用するタイミングは適宜設定され得るが、例えば患部を洗浄後(顔に使う場合には洗顔後等)の清潔な肌に使用するのが好ましい。
本明細書において、バイオフィルム形成抑制剤は症状が現れる前後に使用することができる。例えば、アクネ菌のバイオフィルム形成抑制剤は、アクネ菌に起因する症状が現れる前後において投与することが可能である。アクネ菌に起因する症状が現れる前にアクネ菌のバイオフィルム形成抑制剤を患部に投与することにより、アクネ菌のバイオフィルム形成を阻害することが可能となる。また、アクネ菌に起因する症状が現れた後にアクネ菌のバイオフィルム形成抑制剤を患部に投与することにより、形成されるバイオフィルムの成長速度を低減することが可能となる。
本明細書において、バイオフィルム抑制剤は、さらに界面活性剤を含有することができる。
界面活性剤としては、例えば、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタンのようなソルビタン脂肪酸エステル類;モノステアリン酸プロピレングリコールのようなプロピレングリコール脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40(HCO−40)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50(HCO−50)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60(HCO−60)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油80などの硬化ヒマシ油誘導体;モノラウリル酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート20)、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート60)、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート80)、イソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタンのようなポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンモノヤシ油脂肪酸グリセリル;グリセリンアルキルエーテル;アルキルグルコシド;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテルのようなポリオキシアルキレンアルキルエーテル類;ステアリルアミン、オレイルアミンのようなアミン類;ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンのようなシリコーン系界面活性剤;ラウリン酸塩、パルミチン酸塩、ココイルグルタミン酸塩、ヤシ油メチルアラニン塩、アシルメチルタウリン塩、ポリオキシエチレンラウリル硫酸塩のようなアニオン性界面活性剤、ラウリルジアミノエチルグリシン塩、ヤシ油脂肪酸ベタイン塩などの両性界面活性剤、ポリオキシエチレンラウリルアルコールエーテルなどの非イオン性界面活性剤などが挙げられる。好ましくは、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテル類である。界面活性剤は、公知の方法により合成して使用しても、市販品を入手して使用してもよい。また、界面活性剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を任意に組み合わせて用いてもよい。
バイオフィルム形成抑制剤に界面活性剤を含有させる場合、界面活性剤の含有量については、界面活性剤の種類、他の成分の種類や量等に応じて適宜設定できる。界面活性剤の含有量は、一例として、製剤の全量に対して、0.0001重量%以上とすることができ、0.001重量%以上であることが好ましく、0.002重量%以上であることがより好ましく、0.005重量%以上であることが更に好ましく、0.01重量%以上であることが特に好ましく、0.05重量%以上であることが最も好ましい。また、界面活性剤の含有量は、一例として、製剤の全量に対して、30重量%以下とすることができ、25重量%以下とすることが好ましく、20重量%以下とすることが更に好ましく、15重量%以下とすることが特に好ましく、10重量%以下とすることが最も好ましい。界面活性剤の含有量は、一例として、製剤の全量に対して、0.0001重量%〜30重量%とすることができ、0.001重量%〜25重量%とすることが好ましく、0.002重量%〜20重量%とすることが更に好ましく、0.01重量%〜15重量%とすることが特に好ましく、0.05重量%〜10重量%とすることが最も好ましい。
本明細書において、アクネ菌のバイオフィルム形成抑制剤は、公知のニキビ治療薬成分を含むこともできるし、又は別々の製剤として公知のニキビ治療薬と併用して用いることもできる。公知のニキビ治療薬は、限定はされないが、抗アクネ菌剤を含む抗菌剤、角質・皮脂溶解剤、抗炎症剤、抗生物質、鎮痒剤、局所麻酔剤、ビタミン類、創傷治療剤等が挙げられる。本発明では、バイオフィルム形成抑制剤中に公知のニキビ治療薬を配合して一緒に効果を発揮させることもできる。また、アクネ菌のバイオフィルム形成抑制剤を公知のニキビ治療薬と併用して用いる場合の投与方法は、本発明の効果を奏する限りにおいては限定されないが、アクネ菌のバイオフィルム形成抑制剤によりバイオフィルムを抑制した後に、公知のニキビ治療薬を投与することで、公知のニキビ治療薬の浸透を高めることもできる。
抗アクネ菌剤を含む抗菌剤としては、例えば、サリチル酸、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸メチル、アセチルサリチル酸、イオウ、過酸化ベンゾイル、ピロクトンオラミン、ジンクピリチオン、クリムバゾール、リロピロックス、ケトコナゾール、イトラコナゾール、グアイアズレン、カマズレン、クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、アクリノール、エタノール、塩化ベンゼトニウム、クレゾール、グルコン酸及びその誘導体、ポピドンヨード、ヨウ化カリウム、ヨウ素、イソプロピルメチルフェノール、トリクロカルバン、トリクロサン、感光素101号、感光素201号、パラベン、フェノキシエタノール、1,2−ペンタンジオール、塩酸アルキルジアミノグリシン、ピロクトオラミン、ミコナゾール、ナジフロキサシン、ホモスルファミン、スルファジアジン、レゾルシン(レゾルシノールともいう)等が挙げられる。
角質溶解剤としては、例えば、サリチル酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、レゾルシン(レゾルシノールともいう)等が挙げられる。
抗炎症剤としては、ステロイド系抗炎症剤または非ステロイド系抗炎症剤のいずれも用いることができる。具体的には、アラントイン、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸又はその薬学的に許容できる塩、吉草酸酢酸デキサメタゾン、デキサメタゾン、吉草酸酢酸プロドニゾロン(プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル)、酢酸プロドニゾロン、プロドニゾロン、酢酸ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン、ウフェナマート、ブフェキサマク、イブプロフェンピコノール、サリチル酸グリコールが例示されるが、これに限定されない。さらに、例えば、インドメタシン、ジクロフェナク、ピロキシカム、イプシロン−アミノカプロン酸、ベルベリン、リゾチーム、アズレン、ブロメライン、セラペプターゼ、セミアルカリプロティナーゼ、及びそれらの薬学的に許容される塩が例示される。
抗生物質としては、例えば、マクロライド系抗生物質、リンコマイシン系抗生物質、アミノグリコシド系抗生物質、クロラムフェニコール系抗生物質等のいずれも用いることができる。マクロライド系抗生物質としては、例えば、エリスロマイシン、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、チルミコシン、タイロシン等が例示され、リンコマイシン系抗生物質としてはクリンダマイシン、リンコマイシン等が例示され、アミノグリコシド系抗生物質としては硫酸ゲンタマイシン等が例示され、クロラムフェニコール系抗生物質としては、クロラムフェニコール等が例示される。
鎮痒剤としては、例えば、d-カンフル、dl-カンフル、メントール、フェノール、クロタミトン等が挙げられる。
局所麻酔剤としては、例えば、塩酸ジブカイン、塩酸イソチペンジル、塩酸リドカイン、テーカイン、ジブカイン、リドカイン、パラアミノ安息香酸エチル等が挙げられる。
ビタミン類としては、レチノール、レチナール、レチノイン酸及びこれらの誘導体(例えば、パルミチン酸レチノール、トレチノイン)等のビタミンA類;ニコチン酸、ニコチン酸アミド、ニコチン酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸メチル、ニコチン酸β−ブトキシエチル、ニコチン酸1−(4−メチルフェニル)エチル等のニコチン酸類;パントテン酸、パントテン酸カルシウム、パントテニルアルコール(パンテノール)、D−パンテサイン、D−パンテチン、補酵素A、パントテニルエチルエーテル等のパントテン酸類;dl−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロールカルシウム等のビタミンE類;アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、デヒドロアスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、アスコルビゲン−A、アスコルビン酸ステアリン酸エステル、アスコルビン酸パルミチン酸エステル、ジパルミチン酸L−アスコルビル等のアスコルビン酸誘導体であるビタミンC類;チアミン塩酸塩、チアミンセチル塩酸塩、チアミンチオシアン酸塩、チアミンラウリル塩酸塩、チアミン硝酸塩、チアミンモノリン酸塩、チアミンリジン塩、チアミントリリン酸塩、チアミンモノリン酸エステルリン酸塩、チアミンモノリン酸エステル、チアミンジリン酸エステル、チアミンジリン酸エステル塩酸塩、チアミントリリン酸エステル、チアミントリリン酸エステルモノリン酸塩、ジベンゾイルチアミン、ジベンゾイルチアミン塩酸塩等のビタミンB1類;リボフラビン、フラビンモノヌクレオチド、フラビンアデニンジヌクレオチド、リボフラビン酪酸エステル、リボフラビンテトラ酪酸エステル、リボフラビン5’−リン酸エステルナトリウム、リボフラビンテトラニコチン酸エステル等のビタミンB2類;塩酸ピリドキシン、酢酸ピリドキシン、塩酸ピリドキサール、5’−リン酸ピリドキサール、塩酸ピリドキサミン等のビタミンB6類;ビオチン、ビオチシン等のビオチン類;シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、デオキシアデノシルコバラミン等のビタミンB12類;葉酸、プテロイルグルタミン酸等の葉酸類;メチルヘスペリジン、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロールなどのビタミンD類;フィロキノン、ファルノキノン等のビタミンK類;アダパレン(ビタミンA様作用因子)、カルニチン、フェルラ酸、α−リポ酸、オロット酸等のビタミン様作用因子などが挙げられる。
(公知のニキビ治療薬との組合せの例)
本発明では、バイオフィルム形成抑制能を有する塩基性アミノ酸類と共に、公知のニキビ治療薬を組み合わせて用いることが好ましい。このように組み合わせて用いられ得る公知のニキビ治療薬としては、特に限定されないが、好ましくは、抗菌剤(例えば、サリチル酸、イオウ、イソプロピルメチルフェノール、エタノール、ホモスルファミン、スルファジアジン、ナジフロキサシン、過酸化ベンゾイル、レゾルシン)、角質溶解剤(例えば、サリチル酸、グリコール酸、レゾルシン)、抗生物質(例えば、クリンダマイシン)、ビタミン類(例えば、アダパレン)を挙げることができる。
本明細書において、バイオフィルム形成抑制剤は、医薬品、医薬部外品、化粧品等として用いられる場合、本発明の効果を損なわない範囲で、公知の基剤又は担体と共に混合して製剤化することができる。その他に、バイオフィルム形成抑制剤には、例えば、界面活性剤、油分、アルコール類、増粘剤、防腐剤、抗酸化剤、酸化防止剤、保存剤、キレート剤、pH調整剤、安定化剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤、分散剤、香料、着色剤、色素、水等の添加剤を配合することができる。これらの添加剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
基剤又は担体としては、流動パラフィン、スクワラン、ゲル化炭化水素(プラスチベースなど)、オゾケライト、α−オレフィンオリゴマー、軽質流動パラフィンのような炭化水素;メチルポリシロキサン、架橋型メチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン、架橋型アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、架橋型ポリエーテル変性シリコーン、架橋型アルキルポリエーテル変性シリコーン、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリエーテル変性シリコーン、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリグリセリン変性シリコーン、ポリエーテル変性分岐シリコーン、ポリグリセリン変性分岐シリコーン、アクリルシリコン、フェニル変性シリコーン、シリコーンレジンのようなシリコーン油;ポリエチレングリコール;ジオキサン;ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリットのようなエステル類;エタノール、イソプロパノールのような低級アルコール;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルのようなグリコールエーテル;ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリン、イソプレングリコールなどの多価アルコール;水などの水系基剤などが挙げられる。
基剤又は担体は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
油分としては、天然動植物油脂類、炭化水素油、エステル油、シリコーン油、高級アルコール、高級脂肪酸、動植物や合成の精油などが挙げられる。
天然動植物油脂類としては、例えば、アボガド油、アマニ油、アーモンド油、オリーブ油、カカオ油、牛脂、キリ油、小麦胚芽油、ゴマ油、米胚芽油、米糠油、サフラワー油、大豆油、月見草油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、馬脂、パーシック油、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、ヒマワリ油、豚脂、ブドウ油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ミンク油、綿実油、モクロウ、ヤシ油、硬化ヤシ油、落花生油、ラノリン、卵黄油、ローズヒップ油等が挙げられる。
炭化水素油としては、パラフィン系炭化水素、オレフィン系炭化水素が用いられ、例えば、スクワラン、スクワレン、セレシン、パラフィン、プリスタン、マイクロクリスタリンワックス、流動パラフィン、ワセリン等が挙げられる。
エステル油としては、合成エステル類、高級アルコールと高級脂肪酸とのエステル類が用いられ、例えば、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、イソステアリン酸イソステアリル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、2−エチルヘキサン酸セチル、ジ−2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、コハク酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、乳酸セチル、乳酸テトラデシル、ミリスチン酸イソプリピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、オレイン酸フィトステリル、リンゴ酸ジイソステアリル、パラメトキシケイ皮酸エステル、テトラロジン酸ペンタエリスリット等が挙げられる。
シリコーン油としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、オクタメチルシクロペンタシロキサン、デカメチルシクロヘキサシロキサン、ステアロキシシリコーン等の高級アルコキシ変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、高級脂肪酸エステル変性シリコーン等が挙げられる。
高級アルコールとしては、例えば、オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、セタノール、ベヘニルアルコール等が挙げられる。
高級脂肪酸としては、飽和又は不飽和の直鎖もしくは分岐鎖の炭素数12〜22の脂肪酸を用いることができ、例えば、イソステアリン酸、オキシステアリン酸、オレイン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ベヘニン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、ラノリン酸、リノール酸、リノレン酸等が挙げられる。
増粘剤としては、例えば、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体、ポリエチレングリコール、ベントナイト、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマーなどが挙げられる。
防腐剤の好適な例としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸などが挙げられる。
抗酸化剤の好適な例としては、例えば亜硫酸塩、アスコルビン酸などが挙げられる。
酸化防止剤としては、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール、ソルビン酸、亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、エリソルビン酸、L−システイン塩酸塩などが挙げられる。
保存剤としては、安息香酸、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ベンジル、パラオキシ安息香酸メチル、フェノキシエタノールなどが挙げられる。
キレート剤としては、EDTA・2ナトリウム塩、EDTA・カルシウム・2ナトリウム塩などが挙げられる。
pH調整剤としては、無機酸(塩酸、硫酸など)、有機酸(乳酸、乳酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸ナトリウムなど)、無機塩基(水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなど)、有機塩基(トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンなど)などが挙げられる。
安定化剤としては、ポリアクリル酸ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソールなどが挙げられる。
溶解補助剤の好適な例としては、例えばポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D−マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどが挙げられる。
懸濁化剤の好適な例としては、例えばステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリンなどの界面活性剤;例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどの親水性高分子などが挙げられる。
等張化剤の好適な例としては、例えば塩化ナトリウム、グリセリン、D−マンニトールなどが挙げられる。
緩衝剤の好適な例としては、例えばリン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩などの緩衝液などが挙げられる。
無痛化剤の好適な例としては、例えばベンジルアルコールなどが挙げられる。
分散剤としては、例えば、ピロリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸架橋コポリマー、有機酸等が挙げられる。
着色剤としては、無機顔料、天然色素などが挙げられる。
本明細書において、バイオフィルム形成抑制剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の有効成分を含むことができる。有効成分の具体例としては、例えば、保湿成分、パール光沢付与剤、コンディショニング剤、血行促進成分、収斂成分、紫外線吸収成分、紫外線散乱成分、洗浄成分、ペプチド又はその誘導体、アミノ酸又はその誘導体、細胞賦活化成分などが挙げられる。
保湿成分としては、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジグリセリンのような多価アルコール;トレハロース、キシリトール、オリゴ糖のような糖類;ヒアルロン酸ナトリウム、ヘパリン類似物質、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、ケラチン、キチン、キトサンのような高分子化合物;グリシン、アスパラギン酸、アルギニンのようなアミノ酸;乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウムのような天然保湿因子;セラミド、コレステロール、リン脂質のような脂質;カミツレエキス、ハマメリスエキス、チャエキス、シソエキス、ヨクイニンエキスのような植物抽出エキスなどが挙げられる。
パール光沢付与剤としては、例えば、ジステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸トリエチレングリコールなどが挙げられる。
コンディショニング剤としては、例えば、カチオン化セルロース、カチオン化澱粉、カチオン化フェヌグリークガム、カチオン化グアーガム、カチオン化タラガム、カチオン化ローカストビーンガム、カチオン化キサンタンガム、ジアリル四級アンモニウム塩/アクリルアミド共重合物、ポリクオタニウム、ビニルイミダゾリウムトリクロライド/ビニルピロリドン共重合体、ヒドロキシエチルセルロース/ジメチルジアリルアンモニウムクロライド共重合体、ビニルピロリドン/四級化ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体、ポリビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート共重合体、ポリビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート/ビニルカプロラクタム共重合体、ビニルピロリドン/メタクリルアミドプロピル塩化トリメチルアンモニウム共重合体、アルキルアクリルアミド/アクリレート/アルキルアミノアルキルアクリルアミド/ポリエチレングリコールメタクリレート共重合体、アジピン酸/ジメチルアミノヒドロキシプロピルエチレントリアミン共重合体等が挙げられる。
血行促進剤としては、例えば、アセチルコリン、イクタモール、カフェイン、カプサイシン、カンタリスチンキ、ガンマーオリザノール、ショオウキョウチンキ、ジンゲロン、セファランチン、センブリエキス、タンニン酸、トウガラシチンキ、トラゾリン、ニコチン酸トコフェロール、ニコチン酸ベンジルエステル等が挙げられる。
収斂成分としては、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、アラントインヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、スルホ石炭酸亜鉛及びタンニン酸等が挙げられる。
紫外線吸収成分としては、オクチルトリアゾン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸オクチル、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、メトキシケイヒ酸オクチル、メトキシケイヒ酸エチルヘキシルなどが挙げられる。
紫外線散乱成分としては、含水ケイ酸、ケイ酸亜鉛、ケイ酸セリウム、ケイ酸チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化チタン、酸化鉄、無水ケイ酸等の無機化合物、それらの無機化合物を含水ケイ酸、水酸化アルミニウム、マイカやタルク等の無機粉体で被覆したり、ポリアミド、ポリエチレン、ポリエステル、ポリスチレン、ナイロン等の樹脂粉体に複合化したもの、さらにシリコン油や脂肪酸アルミニウム塩等で処理したものなどが挙げられる。
洗浄成分としては、ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸カリウム、パルミチン酸カリウム又はステアリン酸カリウムなどのアルカリ金属塩、アルカノールアミド塩又はアミノ酸塩などの石けん類、ココイルグルタミン酸ナトリウム、ココイルメチルタウリンナトリウムなどのアミノ酸系界面活性剤、ラウレス硫酸ナトリウムなどのエーテル硫酸エステル塩、ラウリルエーテル酢酸ナトリウムなどのエーテルカルボン酸塩、アルキススルホコハク酸エステルナトリウムなどのスルホコハク酸エステル塩、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸時エタノールアミドなどの脂肪酸アルカノールアミド、ラウリルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウムなどのモノアルキルリン酸エステル塩、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン及びラウロイルアミドエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルベタインヒドロキシプロピルリン酸ナトリウムなどのベタイン型両性界面活性剤、ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウムなどのアミノ酸型両性界面活性剤などが挙げられる。
ペプチド又はその誘導体としては、ケラチン分解ペプチド、加水分解ケラチン、コラーゲン、魚由来コラーゲン、アテロコラーゲン、ゼラチン、エラスチン、エラスチン分解ペプチド、コラーゲン分解ペプチド、加水分解コラーゲン、塩化ヒドロキシプロピルアンモニウム加水分解コラーゲン、エラスチン分解ペプチド、コンキオリン分解ペプチド、加水分解コンキオリン、シルク蛋白分解ペプチド、加水分解シルク、ラウロイル加水分解シルクナトリウム、大豆蛋白分解ペプチド、加水分解大豆蛋白、小麦蛋白、小麦蛋白分解ペプチド、加水分解小麦蛋白、カゼイン分解ペプチド、アシル化ペプチド(パルミトイルオリゴペプチド、パルミトイルペンタペプチド、パルミトイルテトラペプチド等)などが挙げられる。
アミノ酸又はその誘導体としては、ベタイン(トリメチルグリシン)、プロリン、ヒドロキシプロリン、セリン、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、β−アラニン、スレオニン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、シスチン、メチオニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、タウリン、γ−アミノ酪酸、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸、カルニチン、カルノシン、クレアチン等が挙げられる。
細胞賦活化成分としては、γ-アミノ酪酸、ε-アミノカプロン酸などのアミノ酸類、レチノール、チアミン、リボフラビン、塩酸ピリドキシン、パントテン酸類などのビタミン類、グリコール酸、乳酸などのα-ヒドロキシ酸類、タンニン、フラボノイド、サポニン、アラントイン、感光素301号などが挙げられる。
以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
(製剤の調製)
表1又は2に示す組成のバイオフィルム形成抑制剤を常法に従って調製した。具体的には、各成分を表1又は2に記載の濃度で生理食塩水(大塚製薬社製)に添加した。常温下で攪拌し、塩酸又は水酸化ナトリウム水溶液によりpH7又はpH5に調節して均一な製剤を得た。
(アクネ菌のバイオフィルム形成阻害試験)
本試験は、L−ヒスチジン(和光純薬工業社製)、L−アルギニン(和光純薬工業社製)、グリシン(和光純薬工業社製)、L−グルタミン酸(和光純薬工業社製)を用いて実施した。具体的には、96穴丸底プレートに、アクネ菌(P.acnes)懸濁液が10(CFU/mL)菌液になるように接種した各試験溶液を、1ウェルあたり100μLずつ分注後、36℃で4日間にわたり嫌気培養した。培養後、各ウェルを200μLの精製水で2回洗浄し、0.5%クリスタルバイオレット100μLで20分間染色した。各ウェルを200μLの精製水で3回洗浄後、33%酢酸160μLを用いて、プレートに付着したクリスタルバイオレットを溶解させた。マイクロプレートリーダー(モレキュラーデバイス社、Versa max)を用いてクリスタルバイオレットが吸光度を示す590nmでの吸光度を測定してバイオフィルム形成量とした。pH7又は5に調整した生理食塩水(大塚製薬社製)をコントロールとして用意し、このバイオフィルム形成量に対する比を用いて、下記の式にてバイオフィルム形成抑制率を算出した。統計学的有意差の検定はDunnett testを用いてP値を算出した(n=6)。この結果を表1〜2及び図1〜2に示す。
[数1]
バイオフィルム形成抑制率(%)=100−各試験溶液での残存バイオフィルムの吸光度/コントロールの吸光度×100(%)
Figure 0006745091
Figure 0006745091
上記結果に示されるように、pH7において、アルギニン、ヒスチジン等の塩基性アミノ酸類により、アクネ菌のバイオフィルム形成が顕著に抑制された。一方、塩基性アミノ酸ではない中性アミノ酸のグリシンや酸性アミノ酸のグルタミン酸では、アクネ菌のバイオフィルムの抑制効果は見られなかった。また、pH5においても、塩基性アミノ酸類により、アクネ菌のバイオフィルムが顕著に抑制された。この結果により、例えば、塩基性アミノ酸類を、他の公知のニキビ治療薬と併用した場合、公知のニキビ治療薬のアクネ菌への浸透を高め、治療効果を高めることが可能となる。
(参考試験例:抗菌試験)
本試験は、L−アルギニン(和光純薬工業社製)、L−ヒスチジン(和光純薬工業社製)を用いて実施した。上記実施例と同様に各試験溶液を調製後(pH7)、96穴丸底プレートに、アクネ菌(P.acnes)懸濁液を10(CFU/mL)菌液になるように接種した各試験溶液を1ウェルあたり100μLずつ分注し、36℃で4日にわたり嫌気培養を行った。培養後、96穴丸底プレートの製剤100μL(n=3)を収集後、生理食塩水(大塚製薬)で10倍〜1000倍希釈し、GAM寒天培地(日水製薬)に播種し、寒天平板表面塗抹法で生菌数を求めた。また、pH7に調整した生理食塩水(大塚製薬社製)をコントロールとして用意し、試験溶液を用いる場合と同様に処理して生菌数を求めた。この結果を表3に示す。
Figure 0006745091
上記結果に示されるように、アルギニン、ヒスチジン等の塩基性アミノ酸類に、アクネ菌に対する抗菌作用は認められなかった。従って、本発明のバイオフィルム形成抑制剤は、殺菌能を示すものではなく、バイオフィルム形成抑制能を有するものであることが示された。
(製剤例)
以下、本発明のバイオフィルム形成抑制剤の製剤処方例を示す。処方例1〜4はローション剤であり、処方例5〜8はクリーム剤(水中油型)の例である。いずれも常法に従って調製される。これらの処方例は、アクネ菌等の微生物によるバイオフィルム形成を抑制するために用いることが可能である。
Figure 0006745091
Figure 0006745091

Claims (5)

  1. アクネ菌のバイオフィルム形成に起因して発症するニキビ症状の治療又は予防のための、アルギニン及びその塩、並びに、ヒスチジン及びその塩からなる群より選択される1種以上を含有し、
    pHが、5.0〜7.0であることを特徴とする、バイオフィルム形成抑制剤(ただし、口腔用組成物を除く)。
  2. 乾燥肌におけるニキビ症状の治療又は予防のために用いられる、請求項1に記載のバイオフィルム形成抑制剤。
  3. 前記ニキビ症状が、アクネ菌のバイオフィルム形成に起因する繰り返しがちなニキビである、請求項1又は2に記載のバイオフィルム形成抑制剤。
  4. 毛包内における炎症を伴うニキビ症状の治療又は予防のために用いられる、請求項1〜3のいずれか一項に記載のバイオフィルム形成抑制剤。
  5. 抗菌剤と組み合わせて用いられるための、アルギニン及びその塩、並びに、ヒスチジン及びその塩からなる群より選択される1種以上を含有し、
    pHが、5.0〜7.0であることを特徴とする、前記抗菌剤のアクネ菌のバイオフィルムに対する浸透促進剤(ただし、口腔用組成物、並びに、抗菌剤としてエチルパラベン又はフェノキシエタノール含有するものを除く)。
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