JP2018127445A - 外用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】組成物中の成分の析出または容器への吸着が抑制された、安定性に優れた外用組成物を提供する。【解決手段】(A)抗真菌剤、および(B)組成物全量に対して、サリチル酸またはその塩を含有する外用組成物を調製する。抗真菌剤は、アミン系抗真菌剤、アゾール系抗真菌剤、およびモルフォリン系抗真菌剤からなる群より選択される少なくとも1種であり得る。【選択図】なし

Description

本発明は、外用組成物に関する。より詳細には、抗真菌剤を含有する外用組成物に関する。
真菌の生育を阻害する抗真菌剤は、真菌感染に起因する様々な疾患や症状を治療、予防、改善するために広く用いられている。一般的に、抗真菌剤を含有する外用組成物が使用されており、特には、それぞれの局所への塗布に適した製剤が用いられている。
医薬品は定められた期間、有効成分の安定性を保つことが必要であり、製剤としての安定性を保つこともまた、重要である。配合成分が製剤化された後、種々の環境条件(例えば、高温下や低温下、露光下、多湿環境下等)で経時的に不安定となって、その含量が大きく低下すると、該成分が所期の効果を発揮し得なくなることが懸念される。とりわけ、配合成分の用量を厳密に管理すべき医薬組成物においては、より高度な製剤安定性が要求される(特許文献1)。また、この有効成分が一定した所望の効果を発揮するためにも、製剤としての安定性を高め、製造工程や市場流通工程での性状変化を可能な限り減らすことが重要である。
特開2015−10059号公報
しかしながら、抗真菌剤を含有する外用組成物を安定に保つための有効な手段については、十分に知られていない状況である。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、抗真菌剤を含有する安定な外用組成物を提供することを目的とする。
前記課題に鑑み、本発明者らは、鋭意検討を行った結果、一定濃度のサリチル酸又はその塩と抗真菌剤を共存させることで、外用組成物に安定性が付与されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記に掲げる外用組成物を提供する。
項1.
(A)抗真菌剤ならびに
(B)組成物全量に対して1〜20質量%のサリチル酸および/またはその塩を含有する外用組成物。
項2.
前記(A)抗真菌剤が、アミン系抗真菌剤である、項1に記載の外用組成物。
項3.
前記(A)抗真菌剤が、テルビナフィンおよびその塩からなる群より選択される少なくとも1種である、項1または項2に記載の外用組成物。
項4.
前記(A)抗真菌剤の含有量が、組成物全量に対して、0.01〜25質量%である、項1〜3のいずれか1項記載の外用組成物。
項5.
さらに、(C)尿素を含有する、項1〜4のいずれか1項記載の外用組成物。
項6.
前記(C)尿素の含有量が、組成物全量に対して、1〜30質量%である、項5記載の外用組成物。
項7.
かかとに用いられる為の、項1〜6のいずれか1項記載の外用組成物。
項8.
さらに、抗ヒスタミン剤、局所麻酔剤、抗炎症剤、および殺菌剤からなる群より選択される少なくとも1種を含有する、項1〜7のいずれか1項記載の外用組成物。
項9.
項1〜8のいずれか1項記載の外用組成物が、該外用組成物と接する部分の一部又は全部がポリオレフィン樹脂で構成された容器に収容されてなる、外用組成物。
また、本発明は、下記に掲げる方法を提供する。
項10.
外用組成物中に、(A)抗真菌剤、ならびに(B)サリチル酸および/またはその塩を共存させることにより、析出を抑制する方法。
項11.
外用組成物中に、(A)抗真菌剤、ならびに(B)サリチル酸および/またはその塩を共存させ、
該外用組成物と接触する部分の一部又は全部がポリオレフィン樹脂で成形された容器に収容することにより、該抗真菌剤の容器への吸着を抑制する方法。
項12.
外用組成物中に、(A)抗真菌剤、ならびに(B)サリチル酸および/またはその塩を共存させ、
該外用組成物の保存による硬度低下を抑制する方法。
本発明によれば、安定性に優れた外用組成物を提供することができる。
図1は、テルビナフィン塩酸塩を含有する組成物(比較例1)とテルビナフィン塩酸塩およびサリチル酸を含有する組成物(実施例1−1乃至1−4)の白濁の程度を検証した結果を示す図である。
本発明は、(A)抗真菌剤ならびに(B)サリチル酸および/またはその塩を含有する外用組成物に関する。
[(A)抗真菌剤(抗真菌成分)]
抗真菌剤とは、真菌の生育を阻害または抑制するか、真菌を殺菌する機能を有する物質であり、真菌感染に起因する様々な疾患や症状を治療、予防、改善するために用いられている。
本発明の抗真菌剤の種類としては、例えば、アリルアミン系抗真菌剤、ベンジルアミン系抗真菌剤、またはチオカルバミン系抗真菌剤などのアミン系抗真菌剤、イミダゾール系抗真菌剤またはトリアゾール系抗真菌剤などのアゾール系抗真菌剤、又はモルフォリン系抗真菌剤などが例示される。
本発明のアミン系抗真菌剤として、アミンを共通に有する抗真菌剤として周知の化合物であって、薬学的又は生理学的に許容可能な任意のアミン系抗真菌剤を使用することができる。アミン系抗真菌剤として、例えば、テルビナフィンまたはナフチフィン等のアリルアミン系抗真菌剤、ブテナフィン等のベンジルアミン系抗真菌剤、トルナフタート、リラナフタート等のチオカルバミン系抗生物質が挙げられる。中でも、代表的には、アリルアミン系抗真菌剤が好ましく用いられ、その中で、特に好ましくは、テルビナフィン、またはテルビナフィン塩酸塩等のテルビナフィンの塩が挙げられる。
本発明のアゾール系抗真菌剤としては、アゾール骨格(1つ以上の窒素原子を含む複素5員環化合物)を共通に有する抗真菌剤として周知の化合物であって、薬学的又は生理学的に許容可能な任意のアゾール系抗真菌剤を使用することができる。アゾール系抗真菌剤としては、例えば、イミダゾール環(2個の窒素原子を含む複素5員環)を有するイミダゾール系抗真菌剤、トリアゾール環(3個の窒素原子を含む複素5員環)を有するトリアゾール系抗真菌剤等を挙げることができる。より具体的には、ミコナゾール、ラノコナゾール、ルリコナゾール、イソコナゾール、ケトコナゾール、クロトリマゾール、ネチコナゾール、スルコナゾール、ビホナゾール、オキシコナゾール、エコナゾール及びこれらの塩等のイミダゾール系抗真菌剤;フルコナゾール、イトラコナゾール、ホスフルコナゾール、ボリコナゾール、エフィコナゾール、ブトコナゾール、フェンチコナゾール、セルタコナゾール及びこれらの塩等のトリアゾール系抗真菌剤を挙げることができ、本発明に好適に使用することができる。
本発明のモルフォリン系抗真菌剤としては、モルフォリンを共通に有する抗真菌剤として周知の化合物であって、薬学的又は生理学的に許容可能な任意のモルフォリン系抗真菌剤を使用することができる。モルフォリン系抗真菌剤として、代表的には、アモロルフィンまたはその塩が例示される。これらの(A)成分は、すべて、1種単独で用いてもよく、2種以上を任意に組み合わせて用いてもよい。
(A)抗真菌剤の総含有量は、外用組成物全量に対して、好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは、0.1質量%以上、さらに好ましくは0.3質量%以上、特に好ましくは0.5質量%以上である。(A)抗真菌剤の総含有量は、外用組成物全量に対して、好ましくは、25質量%以下であり、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは8質量%以下、特に好ましくは5質量%以下、さらにより好ましくは3質量%以下、特に好ましくは2%以下である。外用組成物全量に対して、(A)抗真菌剤の総含有量は、好ましくは0.01質量%〜25質量%であり、より好ましくは0.1質量%〜10質量%、更に好ましくは0.3質量%〜5質量%、特に好ましくは0.5質量%〜2質量%である。中でも1質量%が最も好ましい。
[(B)サリチル酸およびその塩]
サリチル酸およびその塩としては、公知の物質を用いることができ、特に制限されない。サリチル酸の塩としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容される限り、特に制限されず、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、有機塩基等との塩が例示される。サリチル酸塩は、例えば、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸カルシウム、サリチル酸マグネシウム及びサリチル酸カリウム、サリチル酸アンモニウム、サリチル酸リチウム、サリチル酸亜鉛等が挙げられる。(B)サリチル酸およびその塩としては、本発明の効果を顕著に奏する観点から、サリチル酸、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸カルシウム、サリチル酸マグネシウム及びサリチル酸カリウムが好ましく、サリチル酸がより好ましい。サリチル酸及びその塩は合成して用いてもよく、市販品を用いてもよい。
これらの(B)成分は、すべて、1種単独で用いてもよく、2種以上を任意に組み合わせて用いてもよい。
(B)サリチル酸またはその塩の総含有量は、外用組成物全量に対して、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは、1.3質量%以上、さらに好ましくは1.5質量%以上であり、さらにより好ましくは2質量%以上である。(B)サリチル酸またはその塩の総含有量は、外用組成物全量に対して、好ましくは、20質量%以下であり、より好ましくは18質量%以下、さらに好ましくは15質量%以下、特に好ましくは10質量%以下である。外用組成物全量に対して、(B)サリチル酸またはその塩の総含有量は、好ましくは1質量%〜20質量%であり、より好ましくは1.3質量%〜15質量%、更に好ましくは1.5質量%〜10質量%であり、さらにより好ましくは2〜10質量%である。
本発明の外用組成物において、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、(A)成分に対する(B)成分の配合比率は、例えば、(A)成分の総含有量1質量部に対して、(B)成分の総含有量が0.05〜2000質量部とすることができ、0.1〜500質量部が好ましく、0.1〜200質量部が好ましく、0.5〜100質量部がより好ましく、1〜50質量部とすることがさらに好ましく、2〜10質量部とすることがさらにより好ましい。
限定はされないが、本発明の好ましい態様では、(A)抗真菌剤0.01〜25質量%、および(B)サリチル酸またはその塩1〜20質量%を含有する外用組成物とすることが特に好ましい。
本発明においては、(A)抗真菌剤ならびに(B)サリチル酸および/またはその塩の他に、その機能を損なわない範囲で、医薬品、医薬部外品、化粧品等として用いられ得る、公知の任意の成分を、外用組成物に含有させることができる。任意の成分として、特に好ましくは、(C)尿素を含有させることができる。
[(C)尿素]
本発明に任意に含有させることができる尿素は、その原料等は特に限定されない。公知の製造方法で、合成することも可能であり、市販品を用いることもできる。
(C)尿素の含有量は、外用組成物全量に対して、通常0.1質量%以上であり、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは、3質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上である。(C)尿素の総含有量は、外用組成物全量に対して、好ましくは、30質量%以下であり、より好ましくは28質量%以下、さらに好ましくは25質量%以下、特に好ましくは20質量%以下であり、さらに特に好ましくは15質量%以下であり、最も好ましくは10質量%以下である。外用組成物全量に対して、(C)尿素の総含有量は、好ましくは1質量%〜30質量%であり、より好ましくは3質量%〜25質量%、更に好ましくは5質量%〜20質量%である。
本発明の外用組成物において、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、(A)成分に対する(C)成分の配合比率は、例えば、(A)成分の総含有量1質量部に対して、(C)成分の総含有量が0.1〜3000質量部とすることができ、0.3〜300質量部、0.5〜100質量部、1〜20質量部とすることも可能である。
本発明の外用組成物には、さらに、(A)抗真菌剤ならびに(B)サリチル酸および/またはその塩以外の任意の成分を含ませることができる。このような任意成分は、その1種または2種以上を適宜組み合わせることも可能である。
このような任意の成分として、代表的には、抗ヒスタミン剤が挙げられる。
本発明の外用組成物に任意成分として含まれる抗ヒスタミン剤としては、限定はされないが、ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、イソチペンジル、ケトチフェン、ベポタスチン、ジメンヒドリナート、シプロヘプタジン、ジフェニルピラリン、プロメタジン、イプロヘプチン、エメダスチン、クレマスチン、アゼラスチン、レボカバスチン、ヒドロキシジン、メキタジン、ロラタジン、フェキソフェナジン、セチリジン、オキサトミド、テルフェナジン、エピナスチン、アステミゾール、エバスチン、ジフェニルイミダゾール、またはこれらの化合物の塩が例示される。上記化合物の塩としては、薬理学的に又は生理学的に許容されることを限度として、特に制限されなく、例えば、上記で(A)成分及び(B)成分について例示したような有機酸塩、無機酸塩、金属塩等の各種の塩が挙げられる。
抗ヒスタミン剤としての好ましい例は、ジフェニルピラリン、ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、ジフェニルイミダゾール、またはそれらの塩であり、より好ましい例は、ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、またはそれらの塩であり、さらに好ましい例は、塩酸ジフェンヒドラミン、サリチル酸ジフェンヒドラミン、ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、マレイン酸クロルフェニラミンである。これらの薬剤から1種または2種以上を適宜組み合わせて使用することもできる。
抗ヒスタミン剤の含有量は、外用組成物の全量に対して、0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上が更により好ましく、0.5質量%以上が特に好ましい。また、抗ヒスタミン剤の含有量は、外用組成物の全量に対して、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、2質量%以下がさらに好ましい。上記の範囲であれば、医薬部外品、医薬品等の通常使用量で、前述した本発明の効果が十分に得られる。
本発明において、(A)成分に対する抗ヒスタミン剤の含有量の比率としては、特に限定されないが、(A)成分の総量が1質量部に対して抗ヒスタミン剤が総量で、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上、さらに好ましくは0.1質量部以上である。また、(A)成分に対する抗ヒスタミン剤の含有量の比率としては、
(A)成分の総量が1質量部に対して抗ヒスタミン剤が総量で、好ましくは20質量部以下、より好ましくは10質量部以下であり、さらに好ましくは5質量部以下であり、特に好ましくは2質量部以下である。
本発明の外用組成物には、局所麻酔剤を含有させることもできる。局所麻酔剤として、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、ジブカイン、ブピバカイン、メピバカイン、ロピバカイン、レボブピバカイン、オキシポリエトキシドデカン、およびそれらの薬学的に許容される塩、またはアミノ安息香酸エチルが例示される。限定はされないが、特に好ましくは、塩酸ジブカインまたはリドカインが例示される。これらの薬剤から1種または2種以上を適宜組み合わせて使用することもできる。
局所麻酔剤の含有量は、外用組成物の全量に対して、0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上が更により好ましい。また、局所麻酔剤の含有量は、外用組成物の全量に対して、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、6質量%以下がさらに好ましい。上記の範囲であれば、医薬部外品、医薬品等の通常使用量で、前述した本発明の効果が十分に得られる。
本発明において、(A)成分に対する局所麻酔剤の含有量の比率としては、特に限定されないが、(A)成分の総量が1質量部に対して局所麻酔剤が総量で、このましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.05質量部以上、さらに好ましくは0.5質量部以上である。また、(A)成分に対する局所麻酔剤の含有量の比率としては、(A)成分の総量が1質量部に対して局所麻酔剤が総量で、好ましくは30質量部以下、より好ましくは15質量部以下であり、さらに好ましくは、10質量部以下であり、特に好ましくは、6質量部以下である。
本発明の外用組成物には、抗炎症剤を含有させることもできる。抗炎症剤は、吉草酸酢酸プレドニゾロン、酢酸デキサメタゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、またはそれらの薬理学的に許容される塩などのステロイド系抗炎症薬、アラントイン、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸、アルジオキサ、ウフェナマート、ブフェキサマク、イブプロフェンピコノール、インドメタシン、ジクロフェナク、ピロキシカム、イプシロン−アミノカプロン酸、ベルベリン、リゾチーム、アズレンスルホン酸ナトリウム、ジメチルイソプロピルアズレン、ブロメライン、セラペプターゼ、セミアルカリプロティナーゼ、またはそれらの薬理学的に許容される塩などの非ステロイド系抗炎症薬が例示される。これらの薬剤のうち、非ステロイド系抗炎症薬が好ましく、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸、アラントインがより好ましく、グリチルレチン酸が特に好ましい。これらの薬剤から1種または2種以上を適宜組み合わせて使用することもできる。
抗炎症剤の含有量は、外用組成物の全量に対して、0.001質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上が更により好ましい。また、抗炎症剤の含有量は、外用組成物の全量に対して、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。上記の範囲であれば、医薬部外品、医薬品等の通常使用量で、前述した本発明の効果が十分に得られる。
本発明において、(A)成分に対する抗炎症剤の含有量の比率としては、特に限定されないが、(A)成分の総量が1質量部に対して抗炎症剤が総量で、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上である。また、(A)成分に対する抗炎症剤の含有量の比率としては、(A)成分の総量が1質量部に対して抗炎症剤が総量で、好ましくは50質量部以下、より好ましくは20質量部以下である。
本発明の外用組成物には、殺菌剤を含有させることもできる。殺菌剤としては、イソプロピルメチルフェノール、塩化デカリニウム、酢酸デカリニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩酸クロルへキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、塩化セチルピリジニウム、安息香酸ナトリウム、エタノール、クロロブタノール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、硫酸オキシキノリン、フェネチルアルコール、ベンジルアルコール、アクリノール、ヒノキチオール、レゾルシン、安息香酸ベルベリン、またはビグアニド化合物が例示される。これらの薬剤から1種または2種以上を適宜組み合わせて使用することもできる。
殺菌剤の含有量は、外用組成物の全量に対して、通常0.0001質量%であり、0.001質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上が更により好ましい。また、殺菌剤の含有量は、外用組成物の全量に対して、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、5質量%以下がさらに好ましい。上記の範囲であれば、医薬部外品、医薬品等の通常使用量で、前述した本発明の効果が十分に得られる。
本発明において、(A)成分に対する殺菌剤の含有量の比率としては、特に限定されないが、(A)成分の総量が1質量部に対して殺菌剤が総量で、通常0.0001質量部以上であり、好ましくは0.001質量部以上であり、より好ましくは0.01質量部以上であり、さらに好ましくは0.l質量部以上である。また、(A)成分に対する殺菌剤の含有量の比率としては、(A)成分の総量が1質量部に対して殺菌剤が総量で、好ましくは50質量部以下、より好ましくは20質量部以下であり、さらに好ましくは10質量部以下であり、さらにより好ましくは5質量部以下である。
本発明の外用組成物には、さらに、任意の局所刺激剤等を含有させることも可能である。このような局所刺激剤としては、メントール(l-メントール、dl−メントールなど)、カンフル(d-カンフル、dl-カンフルなど)、ボルネオールなどのテルペノイド、テルペノイドを含有する精油(ハッカ油)、クロタミトン、イクタモール、モクタール、チモール、またはその薬理学的に許容される塩が例示される。これらの薬剤から1種または2種以上を適宜組み合わせて使用することもできる。
本明細書でいう「塩」は、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、有機塩基等との塩が例示され、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、またはジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン等との塩が挙げられる。また、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸の塩;メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸、マンデル酸、ケイ皮酸、乳酸、グリコール酸、グルクロン酸、アスコルビン酸、ニコチン酸、サリチル酸等の有機酸との塩;又はアスパラギン酸、グルタミン酸などの酸性アミノ酸との塩なども挙げられる。なお、「塩」には、塩の溶媒和物または水和物を含んでいてもよい。特に(A)成分の塩の形態としては、特に限定はされないが、好ましくは無機酸の塩であり、より好ましくは塩酸塩または硝酸塩などである。
[容器]
本発明の外用組成物を充填する容器は特に限定されない。医薬品外用剤、医薬部外品、化粧品用の容器として用いられるものであればよい。このような容器材質として、例えば、外用組成物との接触面の一部又は全部、好ましくは全部が、ポリオレフィン樹脂、アクリル酸樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フッ素樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ABS樹脂、AS樹脂、ポリアセタール、変性ポリフェニレンエーテル、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリイミド、セルロースアセテート、アルミニウム、及びガラスからなる群より選ばれる少なくとも1種の材料で構成されている容器が挙げられる。
本発明の効果をより顕著に奏し、組成物の経時的な吸着を阻止することができる点で、ポリエチレン(PE)(高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超高分子量ポリエチレンなどを含む)、ポリプロピレン(PP)(アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、アタクチックポリプロピレンなどを含む)、及びエチレン・プロピレンコポリマー、ポリメチルペンテン、ポリブテンー1、1,2-ポリブタジエンのようなポリオレフィン樹脂が好ましく、ポリエチレンまたはポリプロピレンがより好ましい。
容器の形状は、チューブ、ロールボールアプリケーター、搾りだし容器または、蓋付き広口ビンなどであることが好ましく、特には広口ビンであることが好ましい。
[剤形]
本発明の外用組成物は、医薬品、医薬部外品等として幅広く利用可能な任意の形態で提供される。好ましくは、皮膚外用剤として利用可能な製剤として提供される。本発明の外用組成物は、公知の形態であれば、特に限定されないが、例えば、クリーム剤、液剤、懸濁剤、乳剤、ゲル剤、ローション剤、エアゾール剤、ミスト剤などの水性外用組成物の形態で提供されることが好ましく、クリーム剤、液剤、懸濁剤、乳剤、ローション剤、ミスト剤であることがより好ましい。特にはクリーム剤であることが好ましい。ここで、水性外用組成物とは、組成物全量に占める水分の割合が10質量%以上、好ましくは、20質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上の剤形を指す。
この他に、軟膏剤、パウダー剤、不織布等のシートに本発明の外用組成物を含浸させたシート剤等の形態により、公知の方法で製剤化することもできる。
乳剤、クリーム剤、ローション剤等の形態で外用組成物を製剤化する場合、限定はされないが、油性基剤と水性基剤とを含む形態とすることもできる。この場合、W/O型でもよく、O/W型でもよいが、本発明の効果をより顕著に奏する観点からO/W型が好ましい。
製剤は、第16改正日本薬局方総則に従い、又はこれに準拠して、各成分を混合することにより製造できる。
[製造方法]
本発明の外用組成物は、公知の方法により製造することができる。必要に応じて、滅菌工程を含めることができる。
[基剤または担体]
本発明の外用組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、医薬品、医薬部外品、化粧品等として用いられ得る、公知の基剤又は担体と共に混合して製剤化することができる。その他に、本発明の外用組成物には、例えば、界面活性剤、油分、アルコール類、高級脂肪酸、増粘剤、防腐剤、抗酸化剤、酸化防止剤、保存剤、キレート剤、pH調整剤、安定化剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤、分散剤、香料、着色剤、色素等の添加剤を配合することができる。これらの添加剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
基剤又は担体としては、流動パラフィン、スクワラン、ゲル化炭化水素(プラスチベースなど)、オゾケライト、α−オレフィンオリゴマー、軽質流動パラフィンのような炭化水素;メチルポリシロキサン、架橋型メチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン、架橋型アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、架橋型ポリエーテル変性シリコーン、架橋型アルキルポリエーテル変性シリコーン、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリエーテル変性シリコーン、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリグリセリン変性シリコーン、ポリエーテル変性分岐シリコーン、ポリグリセリン変性分岐シリコーン、アクリルシリコン、フェニル変性シリコーン、シリコーンレジンのようなシリコーン油;ジオキサン;ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリットのようなエステル類;イソプロパノールのような低級アルコール;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルのようなグリコールエーテル;ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリン、イソプレングリコールなどの多価アルコール;精製水などの水系基剤などが挙げられる。
基剤又は担体は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
界面活性剤としては、例えば、非イオン性界面活性剤が挙げられる。非イオン性界面活性剤としては、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタンのようなソルビタン脂肪酸エステル類;モノステアリン酸プロピレングリコールのようなプロピレングリコール脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40(HCO−40)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50(HCO−50)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60(HCO−60)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油80などの硬化ヒマシ油誘導体;モノラウリル酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート20)、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート60)、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート80)、イソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタンのようなポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンモノヤシ油脂肪酸グリセリル;グリセリンアルキルエーテル;アルキルグルコシド;ポリオキシエチレンセチルエーテルのようなポリオキシアルキレンアルキルエーテル;ステアリルアミン、オレイルアミンのようなアミン類;ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンのようなシリコーン系界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリルアルコールエーテルなどが例示される。
界面活性剤としては、この他に、ラウリン酸塩、パルミチン酸塩、ココイルグルタミン酸塩、ヤシ油メチルアラニン塩、アシルメチルタウリン塩、ポリオキシエチレンラウリル硫酸塩のようなアニオン性界面活性剤、ラウリルジアミノエチルグリシン塩、ヤシ油脂肪酸ベタイン塩などの両性界面活性剤などが挙げられる。
油分としては、天然動植物油脂類、炭化水素油、エステル油、シリコーン油、高級アルコール、高級脂肪酸、動植物や合成の精油などが挙げられる。
天然動植物油脂類としては、例えば、アボガド油、アマニ油、アーモンド油、オリーブ油、カカオ油、牛脂、キリ油、小麦胚芽油、ゴマ油、米胚芽油、米糠油、サフラワー油、大豆油、月見草油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、馬脂、パーシック油、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、ヒマワリ油、豚脂、ブドウ油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ミンク油、綿実油、モクロウ、ミツロウ、サラシミツロウ、ヤシ油、硬化ヤシ油、落花生油、ラノリン、卵黄油、ローズヒップ油等が挙げられる。
炭化水素油としては、パラフィン系炭化水素、オレフィン系炭化水素が用いられ、例えば、スクワラン、スクワレン、セレシン、パラフィン、プリスタン、マイクロクリスタリンワックス、流動パラフィン、ワセリン等が挙げられる。
エステル油としては、合成エステル類、高級アルコールと高級脂肪酸とのエステル類が用いられ、例えば、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、イソステアリン酸イソステアリル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、2−エチルヘキサン酸セチル、ジ−2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、コハク酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、乳酸セチル、乳酸テトラデシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、オレイン酸フィトステリル、リンゴ酸ジイソステアリル、パラメトキシケイ皮酸エステル、テトラロジン酸ペンタエリスリット等が挙げられる。
シリコーン油としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、オクタメチルシクロペンタシロキサン、デカメチルシクロヘキサシロキサン、ステアロキシシリコーン等の高級アルコキシ変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、高級脂肪酸エステル変性シリコーン等が挙げられる。
アルコールとしては、イソプロパノールなどの低級アルコール;オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、セタノール、ベヘニルアルコール等の高級アルコールが挙げられる。
高級脂肪酸としては、飽和又は不飽和の直鎖もしくは分岐鎖の炭素数12〜22の脂肪酸を用いることができ、例えば、イソステアリン酸、オキシステアリン酸、オレイン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ベヘニン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、ラノリン酸、リノール酸、リノレン酸等が挙げられる。
増粘剤としては、例えば、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体、ポリエチレングリコール、ベントナイト、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマーなどが挙げられる。
防腐剤の好適な例としては、例えば、安息香酸、酢酸、フェノール、ヨードチンキ、パラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸などが挙げられる。
抗酸化剤の好適な例としては、例えば亜硫酸塩、アスコルビン酸などが挙げられる。
酸化防止剤としては、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、エリソルビン酸、L−システイン塩酸塩などが挙げられる。
保存剤としては、安息香酸、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ベンジル、パラオキシ安息香酸メチル、フェノキシエタノールなどが挙げられる。
キレート剤としては、EDTA・2ナトリウム塩、EDTA・カルシウム・2ナトリウム塩などが挙げられる。本発明の効果を顕著に奏する観点から、本発明の外用組成物は、EDTA・2ナトリウム塩をさらに含むことが好ましい。
pH調整剤としては、無機酸(塩酸、硫酸など)、有機酸(乳酸、乳酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸ナトリウムなど)、無機塩基(水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなど)、有機塩基(トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンなど)などが挙げられる。
安定化剤としては、ポリアクリル酸ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソールなどが挙げられる。
溶解補助剤としては、例えばポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D−マンニトール、安息香酸ベンジル、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどが挙げられる。
懸濁化剤としては、例えばステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、モノステアリン酸グリセリンなどの界面活性剤;例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセル・BR>香[ス、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの親水性高分子などが挙げられる。
等張化剤としては、例えば塩化ナトリウム、グリセリン、D−マンニトールなどが挙げられる。
緩衝剤としては、例えばリン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩などの緩衝液などが挙げられる。
無痛化剤としては、例えばベンジルアルコールなどが挙げられる。
分散剤としては、例えば、ピロリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸架橋コポリマー、有機酸等が挙げられる。
着色剤としては、無機顔料、天然色素などが挙げられる。
本発明の外用組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、さらに、その他の有効成分を含むこともできる。このような成分の具体例としては、例えば、保湿成分、パール光沢付与剤、コンディショニング剤、スクラブ剤、血行促進成分、収斂成分、洗浄成分、ペプチド又はその誘導体、アミノ酸又はその誘導体、細胞賦活化成分などが挙げられる。
保湿成分としては、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジグリセリンのような多価アルコール;トレハロース、キシリトール、オリゴ糖のような糖類;ヒアルロン酸ナトリウム、ヘパリン類似物質、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、ケラチン、キチン、キトサンのような高分子化合物;グリシン、アスパラギン酸、アルギニンのようなアミノ酸;乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウムのような天然保湿因子;セラミド、コレステロール、リン脂質のような脂質;カミツレエキス、ハマメリスエキス、チャエキス、シソエキスのような植物抽出エキスなどが挙げられる。
パール光沢付与剤としては、例えば、ジステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸トリエチレングリコールなどが挙げられる。
コンディショニング剤としては、例えば、カチオン化セルロース、カチオン化澱粉、カチオン化フェヌグリークガム、カチオン化グアーガム、カチオン化タラガム、カチオン化ローカストビーンガム、カチオン化キサンタンガム、ジアリル四級アンモニウム塩/アクリルアミド共重合物、ポリクオタニウム、ビニルイミダゾリウムトリクロライド/ビニルピロリドン共重合体、ヒドロキシエチルセルロース/ジメチルジアリルアンモニウムクロライド共重合体、ビニルピロリドン/四級化ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体、ポリビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート共重合体、ポリビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート/ビニルカプロラクタム共重合体、ビニルピロリドン/メタクリルアミドプロピル塩化トリメチルアンモニウム共重合体、アルキルアクリルアミド/アクリレート/アルキルアミノアルキルアクリルアミド/ポリエチレングリコールメタクリレート共重合体、アジピン酸/ジメチルアミノヒドロキシプロピルエチレントリアミン共重合体等が挙げられる。
スクラブ剤としては、例えば、アプリコット核粉末、アーモンド殻粉末、アンズ核粉末、塩化ナトリウム粒、オリーブ核粉末、海水乾燥物粒、キャンデリラワックス、くるみ殻粉末、さくらんぼ核粉末、サンゴ粉末、炭粉末、はしばみ殻粉末、ポリエチレン末、無水ケイ酸等が挙げられる。
血行促進剤としては、例えば、アセチルコリン、カフェイン、カプサイシン、カンタリスチンキ、ガンマーオリザノール、ショオウキョウチンキ、ジンゲロン、セファランチン、センブリエキス、タンニン酸、トウガラシチンキ、トラゾリン、ニコチン酸トコフェロール、ニコチン酸ベンジルエステル等が挙げられる。
収斂成分としては、硫酸亜鉛、ヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、スルホ石炭酸亜鉛及びタンニン酸等が挙げられる。
洗浄成分としては、ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸カリウム、パルミチン酸カリウム又はステアリン酸カリウムなどのアルカリ金属塩、アルカノールアミド塩又はアミノ酸塩などの石けん類、ココイルグルタミン酸ナトリウム、ココイルメチルタウリンナトリウムなどのアミノ酸系界面活性剤、ラウレス硫酸ナトリウムなどのエーテル硫酸エステル塩、ラウリルエーテル酢酸ナトリウムなどのエーテルカルボン酸塩、アルキススルホコハク酸エステルナトリウムなどのスルホコハク酸エステル塩、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミドなどの脂肪酸アルカノールアミド、ラウリルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウムなどのモノアルキルリン酸エステル塩、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン及びラウロイルアミドエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルベタインヒドロキシプロピルリン酸ナトリウムなどのベタイン型両性界面活性剤、ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウムなどのアミノ酸型両性界面活性剤などが挙げられる。
ペプチド又はその誘導体としては、ケラチン分解ペプチド、加水分解ケラチン、コラーゲン、魚由来コラーゲン、アテロコラーゲン、ゼラチン、エラスチン、エラスチン分解ペプチド、コラーゲン分解ペプチド、加水分解コラーゲン、塩化ヒドロキシプロピルアンモニウム加水分解コラーゲン、エラスチン分解ペプチド、コンキオリン分解ペプチド、加水分解コンキオリン、シルク蛋白分解ペプチド、加水分解シルク、ラウロイル加水分解シルクナトリウム、大豆蛋白分解ペプチド、加水分解大豆蛋白、小麦蛋白、小麦蛋白分解ペプチド、加水分解小麦蛋白、カゼイン分解ペプチド、アシル化ペプチド(パルミトイルオリゴペプチド、パルミトイルペンタペプチド、パルミトイルテトラペプチド等)などが挙げられる。
アミノ酸又はその誘導体としては、ベタイン(トリメチルグリシン)、プロリン、ヒドロキシプロリン、アルギニン、リジン、セリン、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、β−アラニン、スレオニン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、シスチン、メチオニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、ヒスチジン、タウリン、γ−アミノ酪酸、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸、カルニチン、カルノシン、クレアチン等が挙げられる。
細胞賦活化成分としては、γ-アミノ酪酸、ε-アミノカプロン酸などのアミノ酸類、レチノール、チアミン、リボフラビン、塩酸ピリドキシン、パントテン酸類などのビタミン類、グリコール酸、乳酸などのα-ヒドロキシ酸類、タンニン、フラボノイド、サポニン、感光素301号などが挙げられる。
[pH]
本発明の外用組成物のpHは、(A)成分の種類、他の配合成分の種類及び含有量、製剤形態、使用方法等に応じて適宜設定され、生理学的又は薬学的に許容できる範囲であれば制限されないが、例えば、pH2〜9とすることができ、好ましくは、約3〜8、より好ましくは、約5〜7とすることができる。
[用途]
本発明の外用組成物は、限定はされないが、好ましくは、水虫またはタムシ、カンジダ症などの治療に用いられる。本発明の外用組成物は、腕、手、足全般の他、体表全般に使用することができ、特には、手又は足の指、手又は足の指の間、あるいはひじやかかとにおける水虫またはタムシの治療に用いられる。特に好ましくは、かかと用に用いられ、水虫に適用され得る。
水虫は、白癬菌を原因菌とする皮膚の症状である。症状と特徴としては、かゆみ、小さなブツブツ、皮むけ、角質の硬化、粉吹き、かかとのガサガサなどがある。また、かさぶたなどの症状として現れる場合もある。足または手の爪水虫などの症状も現れる場合がある。白癬菌は特に皮膚の角質の成分のケラチンが存在する角質の厚い部分にできやすく、かかとに特に症状が現れることがある。
タムシは、白癬菌を原因菌とする皮膚の症状である。皮膚上に小さな赤い輪ができ、徐々に広がる症状がある。かゆみを伴い、水虫と類似するが、タムシは皮膚の薄い箇所にできやすい。
カンジダ症は、カンジダ菌を原因菌とし、手の皮膚表面のガサガサ、指の間の皮膚むけ、爪の根元の白への変色などが症状として現れる。また、おむつかぶれのような症状が現れる場合もある。口の中、唇、体表、消化管、膣などに症状が現れる場合がある。
本発明の外用組成物は、限定はされないが、白癬菌による症状、癜風、カンジダ症、指間びらん症、間擦疹等の治療に用いられ得る。
本発明の外用組成物は、限定はされないが、かかと用のクリーム剤として水虫治療薬として提供されることが好ましい。
また、本発明の外用組成物の使用方法は、皮膚の状態、年齢、性別などによって異なるが、例えば以下の方法とすればよい。即ち、1日数回(例えば、約1〜5回、好ましくは1〜3回、より好ましくは1回)、適量(例えば、約0.5〜2g)を皮膚(例えば、かかと)に適用すればよい。また、抗真菌剤(例えばテルビナフィンまたはその塩)の1日使用量が、例えば約5〜20mgとなるように組成物を皮膚(例えば、かかと)に適用すればよい。適用方法は、剤型に合わせて行い、好ましくは塗布とする。適用期間は、例えば約30日間以上とすることが好ましい。
[安定化方法]
本発明では、(A)抗真菌剤、ならびに(B)サリチル酸および/またはその塩を共存させることにより、抗真菌剤の析出を抑制することができ、製剤中の成分を均一な状態で保持し、また、所望の効果を奏するための方法が提供される。本発明において、このような抗真菌剤の析出を抑制するためには、上記の本発明の外用組成物における各成分の濃度、pH、製剤、容器材質の条件等と同様の条件を採用する。
[硬度低下抑制方法]
本発明では、外用組成物に、(A)抗真菌剤、ならびに(B)サリチル酸および/またはその塩を共存させることにより、該外用組成物の保存後の硬度低下を抑制することができ、製剤中の成分を良好に保持するための方法が提供される。本発明において、このような硬度低下を抑制するためには、上記の本発明の外用組成物における各成分の濃度、pH、製剤、容器材質の条件等と同様の条件を採用する。硬度低下抑制は、特には、本発明の外用組成物が、クリーム剤である場合に、有用である。
[容器への吸着抑制]
本発明では、外用組成物中に(A)抗真菌剤、および(B)サリチル酸またはその塩を共存させることにより、該抗真菌剤の容器への吸着を抑制する方法が提供される。本発明において、このような容器への吸着を抑制するためには、上記の本発明の外用組成物における各成分の濃度、pH、製剤、容器材質の条件等と同様の条件を採用する。ここで、吸着の抑制とは、容器への抗真菌剤への吸着率が、外用組成物を、容器と接触させて60℃1日保存後において、容器への吸着が、組成物全体に含まれる抗真菌剤の量の20%以下、好ましくは10%以下である場合を指す。本発明の外用組成物は、特に、ポリオレフィン樹脂容器への抗真菌剤の吸着抑制に優れる。ここで、ポリオレフィン容器としては、ポリエチレン(PE)(高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超高分子量ポリエチレンなどを含む)、ポリプロピレン(PP)(アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、アタクチックポリプロピレンなどを含む)、及びエチレン・プロピレンコポリマー、ポリメチルペンテン、又はポリブテンー1、1,2-ポリブタジエンが好ましく、特には、ポリエチレンまたはポリプロピレンがより好ましい。さらに、PEとしてはHDPEが特に好ましい。
次に、実施例や試験例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例や試験例に限定されるものではない。
[実施例]
表1〜表3および表5に示す実施例の組成の外用組成物を、常法に従って調製した。
[比較例]
同様にして、表1〜表3および表5に示す比較例の外用組成物を、常法に従って調製した。なお、水分量は、表1〜3および表5中で、25〜39質量%程度である。
[試験例1.濁りに関する評価試験]
実施例および比較例の組成物各15mLを、高密度ポリエチレン(HDPE)製容器に充填し、遮光下60℃で約15時間保存した。その後、組成物をガラス製ねじ口ビン(容量20mL)に移し替えた。保存後の組成物の性状を目視で観察し、下記の基準に従って各組成物の濁りの程度を評価した。その後、96wellプレート(平底、ポリスチレン製)に0.2mLずつガラス製メスピペットで分注して、マイクロプレートリーダー装置(モレキュラーデバイス社製VersaMax)にて、660nmの吸光度を測定し、濁度の指標とした。
結果を表1に合わせて示す。
さらに、この時の結果を写真にしたものを図1に示す。
<濁りの評価基準>
◎:まったく濁りがなく澄明である
○:やや濁っているが背景は容易に確認可能である
△:濁っているがなんとか背景は確認可能である
×:濁っており背景が全く確認できない
テルビナフィン塩酸塩を含有する場合には、白濁が発生するのに対し、さらにサリチル酸を共存させる場合には、白濁が抑制されていることが確認された。
また、比較例1の組成物を、ガラス製ねじ口ビン(容量20mL)に充填して同様に操作したものと、上記のHDPE製容器で保存したものを、どちらもガラス製ねじ口ビン(容量20mL)に移し、目視にて比較したところ、HDPE製容器に保存したものの方が白濁がより顕著に発生する傾向が確認された。
[試験例2.容器吸着試験1]
表2に示す組成物を、高密度ポリエチレン(HDPE)製容器(容量15mL)とガラス製ねじ口ビン(容量20mL)に各々15mLずつ充填し、遮光下60℃で1日保存した。保存前後の各サンプル中のテルビナフィン塩酸塩含有量をHPLCを用いて測定し、HDPE製容器に対する吸着率(%)を算出した。
(式1)吸着率(%)=100−テルビナフィン塩酸塩の残存率(%)
テルビナフィン塩酸塩を含有する場合には、容器へテルビナフィンが吸着するのに対し、さらにサリチル酸を共存させる場合には、吸着が抑制されていることが確認された。
一方、ガラス製ねじ口ビンに充填した製剤では、残存率が100%であった。従って、サリチル酸の配合により、テルビナフィン塩酸塩のHDPE製容器への吸着が抑制されていることがわかる。
[試験例3.容器吸着試験2]
下記表3に示す実施例3および比較例3の組成物を、高密度ポリエチレン(HDPE)製容器(容量15mL)に15mL充填し、遮光下60℃で1日保存した。保存前後の各サンプル中のブテナフィン塩酸塩含有量を、HPLCを用いて測定し、サリチル酸無配合サンプル(比較例3)に対するサリチル酸配合サンプル(実施例3)のブテナフィン塩酸塩の残存率比を、式2に基づき算出した。
(式2)
残存率比={(サリチル酸配合サンプルの残存率)/(サリチル酸無配合サンプルの残存率)}
算出した結果、残存率比は1.8となった。従ってサリチル酸を含有するサンプルはサリチル酸を含有しないサンプルよりもブテナフィン塩酸塩の残存量が高いことが確認された。つまり、サリチル酸の配合により、ブテナフィン塩酸塩のHDPE製容器への吸着が抑制されていることがわかる。
[試験例4 ペレット吸着試験]
表3に示す実施例3の組成物8gを、ガラス瓶(容量30mL)に入れ、さらに、HDPE製、又はポリプロピレン(PP)製の球状ペレット8g(直径約3mm)を混合して充填し、遮光下60℃で1日保存した。表3に示す比較例3の組成物についても同様の実験に供した。保存前後の各組成物中のブテナフィン塩酸塩含有量を、HPLCを用いて測定した。サリチル酸無配合の組成物(比較例3)に対するサリチル酸配合組成物(実施例3)のブテナフィン塩酸塩の残存率比を、式2に基づき、各樹脂ペレットについて算出した。
得られた結果を表4に示す。いずれも残存率比は1を上回り、サリチル酸を含有する組成物では、サリチル酸を含有しない組成物よりもブテナフィン塩酸塩の残存量が高いことが確認された。従って、サリチル酸の配合により、ブテナフィン塩酸塩のHDPE製ペレット、PP製ペレットへの吸着が抑制されていることがわかる。
[試験例5.硬度の低下抑制]
クリーム剤においては製剤の硬度安定性を保つことが重要となる。そのため、本発明をクリーム剤に適用した場合の硬度安定性を評価した。
具体的には、表5に示した各成分を所定量(質量%)で混合し、次いで、加熱撹拌しながら溶解して均一のクリーム剤を得た。なお、実施例4−1、4−2、及び比較例4は「その他の添加物」として、乳酸、水酸化ナトリウム、香料、グリシン、エデト酸ナトリウム水和物、プロピレングリコール、流動パラフィン、ジメチルポリシロキサン、パルミチン酸イソプロピル、セトマクロゴール、セタノール、ステアリン酸、ステアリン酸ソルビタン、パルミチン酸、乳酸セチル、パラフィン、サラシミツロウ、カルボキシビニルポリマーをそれぞれ各製剤で共通量含有している。続いて該クリーム剤を約25℃に冷却して実施例及び比較例のサンプルとした。該サンプルをプラスチック製55gジャーにすりきれで入れ、レオメーター(Sun RHEO METER サン科学社製)でテーブル移動速度2cm/minおよびφ20(圧縮弾性)アダプターの条件で測定した場合のアダプター底面の1cm進入時までの最高値を測定値とした。単位はgである。その後、サンプルを60℃の恒温槽に移し、1週間保温した。1週間後、60℃で保温していたサンプルを取り出して25℃で恒温化し、再度測定を行った。測定後、以下の式3に従い硬度低下率を算出した。
(式3)
硬度低下率(%)=〔{(スタート品の硬度)―(エージング品の硬度)}/(スタート品の硬度)〕×100
結果を表5に合わせて示す。
比較例4の場合には硬度が大きく低下したのに対し、さらにサリチル酸を含有する実施例4−1および実施例4−2の組成物の場合には硬度の低下が抑制されていることが確認された。加えて、グリチルレチン酸を共存させた場合には、硬度低下がより抑制されていることが確認された。
従って、サリチル酸の配合や、サリチル酸とグリチルレチン酸との共存により、テルビナフィン塩酸塩含有のクリーム剤の安定性が向上していることがわかる。
以下、本発明の製剤処方例を示す。表6〜表10に記載の処方で、外用組成物を常法により調製した。これらの製剤は、かかとに有効に用いられる。すべての製剤は、PP製容器に収容して用いることも可能である。

Claims (11)

  1. (A)抗真菌剤ならびに
    (B)組成物全量に対して、1〜20質量%のサリチル酸および/またはその塩を含有する外用組成物。
  2. 前記(A)抗真菌剤が、アミン系抗真菌剤である、請求項1記載の外用組成物。
  3. 前記(A)抗真菌剤が、テルビナフィンおよびその塩からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1または2に記載の外用組成物。
  4. 前記(A)抗真菌剤の含有量が、組成物全量に対して0.01〜25質量%である、請求項1〜3のいずれか1項記載の外用組成物。
  5. さらに、(C)尿素を含有する、請求項1〜4のいずれか1項記載の外用組成物。
  6. 前記(C)尿素の含有量が、組成物全量に対して1〜30質量%である、請求項5記載の外用組成物。
  7. かかとに用いられる為の、請求項1〜6のいずれか1項記載の外用組成物。
  8. さらに、抗ヒスタミン剤、局所麻酔剤、抗炎症剤、および殺菌剤からなる群より選択される少なくとも1種を含有する、請求項1〜7のいずれか1項記載の外用組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項記載の外用組成物が、該外用組成物と接する部分の一部又は全部がポリオレフィン樹脂で構成された容器に収容されてなる、外用組成物。
  10. 外用組成物中に、(A)抗真菌剤、ならびに(B)サリチル酸および/またはその塩を共存させることにより、抗真菌剤の析出を抑制する方法。
  11. 外用組成物中に、(A)抗真菌剤、ならびに(B)サリチル酸および/またはその塩を共存させ、
    該外用組成物と接触する部分の一部又は全部がポリオレフィン樹脂で成形された容器に収容することにより、該抗真菌剤の容器への吸着を抑制する方法。
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