JP2022069328A - タイヤ用ゴム組成物、トレッドゴム及び冬用タイヤ - Google Patents

タイヤ用ゴム組成物、トレッドゴム及び冬用タイヤ Download PDF

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Abstract

Figure 2022069328000001
【課題】冬用タイヤのトレッドゴムに好適で、耐破壊性を向上させたタイヤ用ゴム組成物を提供する。
【解決手段】スチレン系エラストマーを含むエラストマー成分と、長軸方向に垂直な断面における長径方向の前記断面の長さA及び前記長径方向に垂直な短径方向の前記断面の長さBとの比(A/B)が2より大きい短繊維状樹脂Dと、を含み、前記エラストマー成分中の、ブタジエンゴムの含有率が0~60質量%で、前記スチレン系エラストマーの含有率が10~60質量%であり、前記ブタジエンゴム及び前記スチレン系エラストマーの総量に対して、含有されるスチレン量が0.8~11質量%であることを特徴とする、タイヤ用ゴム組成物である。
【選択図】図1

Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物、トレッドゴム及び冬用タイヤに関するものである。
従来、通常の路面上に加え、氷上でも安全に走行するための冬用タイヤとして、トレッドゴムに発泡ゴム層を設けたスタッドレスタイヤが使用されており、トレッドゴムに発泡ゴム層を設けることで、タイヤの氷上性能が向上することが知られている。
例えば、前記発泡ゴム層に短繊維状樹脂を含有するゴム組成物を使用したスタッドレスタイヤが知られており、該スタッドレスタイヤにおいては、短繊維状樹脂が溶融したり、抜け落ちたりすることで空洞が生じ、該空洞が氷路面上の水膜を取り込み、タイヤ表面が氷路面に密着して、スリップを抑制することができる。
また、特開2018-188586号公報(特許文献1)には、長軸方向に垂直な断面における長径方向の前記断面の長さA及び前記長径方向に垂直な短径方向の前記断面の長さBとの比A/Bが1より大きい短繊維状樹脂(扁平樹脂)を含有するゴム組成物を用いたスタッドレスタイヤが開示されており、該スタッドレスタイヤにおいては、扁平樹脂に起因する空洞の吸水力が向上することで、タイヤの氷上性能が更に向上する。
特開2018-188586号公報
しかしながら、本発明者が検討したところ、上記特許文献1に開示のように、扁平な短繊維状樹脂を配合したゴム組成物をタイヤのトレッドゴムに適用することで、タイヤの氷上性能が向上するものの、耐破壊性(タフネス)が低くなることが分かった。
そこで、本発明は、上記従来技術の問題を解決し、スタッドレスタイヤ等の冬用タイヤのトレッドゴムに好適で、耐破壊性を向上させたタイヤ用ゴム組成物を提供することを課題とする。
また、本発明は、かかるタイヤ用ゴム組成物を用いて、耐破壊性を向上させたトレッドゴム及び冬用タイヤを提供することを更なる課題とする。
上記課題を解決する本発明の要旨構成は、以下の通りである。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、スチレン系エラストマーを含むエラストマー成分と、
長軸方向に垂直な断面における長径方向の前記断面の長さA及び前記長径方向に垂直な短径方向の前記断面の長さBとの比(A/B)が、2より大きい短繊維状樹脂と、
を含み、
前記エラストマー成分中の、ブタジエンゴムの含有率が0~60質量%で、前記スチレン系エラストマーの含有率が10~60質量%であり、
前記ブタジエンゴム及び前記スチレン系エラストマーの総量に対して、含有されるスチレン量が0.8~11質量%であることを特徴とする。
かかる本発明のタイヤ用ゴム組成物は、耐破壊性が向上している。
本発明のタイヤ用ゴム組成物の好適例においては、前記短繊維状樹脂と前記スチレン系エラストマーの含有質量比率(短繊維状樹脂/スチレン系エラストマー)が、0.6~10%である。この場合、該タイヤ用ゴム組成物を適用したタイヤの氷上性能と耐破壊性とのバランスが特に良好である。
本発明のタイヤ用ゴム組成物の他の好適例においては、前記スチレン系エラストマーが、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、スチレン/ブタジエン/スチレン(SBS)ブロック共重合体、スチレン/イソプレン/スチレン(SIS)ブロック共重合体、スチレン/ブタジエン/イソプレン/スチレン(SBIS)ブロック共重合体、スチレン/イソプレン(SI)ブロック共重合体、スチレン/ブタジエン/イソプレン(SBI)ブロック共重合体、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン(SEBS)ブロック共重合体、スチレン/エチレン/プロピレン/スチレン(SEPS)ブロック共重合体、スチレン/エチレン/エチレン/プロピレン/スチレン(SEEPS)ブロック共重合体、スチレン/エチレン/ブチレン(SEB)ブロック共重合体、スチレン/エチレン/プロピレン(SEP)ブロック共重合体、スチレン/エチレン/エチレン/プロピレン(SEEP)ブロック共重合体からなる群から選択される少なくとも1種である。この場合、タイヤ用ゴム組成物の耐破壊性が更に向上する。
本発明のタイヤ用ゴム組成物の他の好適例においては、前記エラストマー成分が、更に、天然ゴム及び合成イソプレンゴムからなる群から選択される少なくとも1種のイソプレン骨格ゴムを含む。この場合、タイヤ用ゴム組成物のモジュラスを最適化できる。
ここで、前記イソプレン骨格ゴムと、前記スチレン系エラストマーの質量比(イソプレン骨格ゴム:スチレン系エラストマー)が、9:1~3:7であることが好ましい。この場合、タイヤ用ゴム組成物の耐破壊性が更に向上する。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、更に、シリカを含むことが好ましく、また、該シリカの含有量が、前記エラストマー成分100質量部に対して25~90質量部であることが好ましい。この場合、タイヤ用ゴム組成物の硬さとヒステリシスロスのバランスが向上し、また、混練作業性が良好である。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、更に、空隙導入剤を含むことが好ましい。この場合、該タイヤ用ゴム組成物を適用したタイヤの氷上性能を向上させることができる。
ここで、前記空隙導入剤が、発泡剤、硫酸金属塩、熱膨張性マイクロカプセル、多孔質セルロース、リグニン誘導体からなる群から選択されることが好ましい。この場合、該タイヤ用ゴム組成物を適用したタイヤの氷上性能を更に向上させることができる。
また、本発明のトレッドゴムは、上記のタイヤ用ゴム組成物からなることを特徴とする。かかる本発明のトレッドゴムは、耐破壊性が向上している。
また、本発明の冬用タイヤは、上記のトレッドゴムを具えることを特徴とする。かかる本発明の冬用タイヤは、耐破壊性が向上している。
本発明によれば、スタッドレスタイヤ等の冬用タイヤのトレッドゴムに好適で、耐破壊性を向上させたタイヤ用ゴム組成物を提供することができる。
また、本発明によれば、かかるタイヤ用ゴム組成物を用いて、耐破壊性を向上させたトレッドゴム及び冬用タイヤを提供することができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物の好適例に含まれる短繊維状樹脂(扁平樹脂)の一例の模式図である。 二軸押出機に取り付けられるダイの一例の縦断面図である。 二軸押出機に取り付けられるダイの他の一例の縦断面図である。
以下に、本発明のタイヤ用ゴム組成物、トレッドゴム及び冬用タイヤを、その実施形態に基づき、詳細に例示説明する。
<タイヤ用ゴム組成物>
本発明のタイヤ用ゴム組成物(「タイヤ用エラストマー組成物」と呼ぶこともできる。)は、スチレン系エラストマーを含むエラストマー成分と、長軸方向に垂直な断面における長径方向の前記断面の長さA及び前記長径方向に垂直な短径方向の前記断面の長さBとの比(A/B)が、2より大きい短繊維状樹脂(以下、「扁平樹脂」と呼ぶことがある。)と、を含む。前記エラストマー成分は、ブタジエンゴムを任意選択的に含み、即ち、前記エラストマー成分は、ブタジエンゴムを含んでも、含まなくてもよい。
また、本発明のタイヤ用ゴム組成物においては、前記エラストマー成分中の、ブタジエンゴムの含有率が0~60質量%で、前記スチレン系エラストマーの含有率が10~60質量%であり、前記ブタジエンゴム及び前記スチレン系エラストマーの総量に対して、含有されるスチレン量が0.8~11質量%である。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、前記扁平樹脂を含むことで、タイヤに適用した際に、氷上での水膜除去効果が向上し、タイヤの氷上性能を向上させることができる。従って、本発明のタイヤ用ゴム組成物は、スタッドレスタイヤ等の冬用タイヤのトレッドゴムに好適である。
一方、タイヤ用ゴム組成物が扁平樹脂を含む場合、扁平樹脂と扁平樹脂との間隔(主に、エラストマー成分からなる)が狭くなり易いため、亀裂が入り易い。これに対して、本発明のタイヤ用ゴム組成物は、エラストマー成分がスチレン系エラストマーを含み、スチレン部分を有することで、亀裂を起こり難くすることができる。
また、エラストマー成分中の、ブタジエンゴムの含有率を60質量%以下とし(ブタジエンゴムを含まなくてもよい)、スチレン系エラストマーの含有率を10~60質量%の範囲とし、更に、ブタジエンゴム及びスチレン系エラストマーの総量に対して、含有されるスチレン量を0.8~11質量%の範囲とすることで、スチレン部分が適度に含まれることとなり、ゴム組成物の耐破壊性を向上させることができる。
従って、本発明のタイヤ用ゴム組成物は、耐破壊性が向上している。
(エラストマー成分)
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、エラストマー成分を含む。ここで、エラストマー成分(エラストマー)とは、常温(25℃)でゴム弾性を示す弾性体であり、一般的なゴムや熱可塑性エラストマーを包含する。
前記エラストマー成分は、スチレン系エラストマーを含む。ここで、「スチレン系エラストマー」とは、単量体単位としてスチレン由来の単位を含むエラストマーである。該スチレン系エラストマーとしては、例えば、スチレン単位を含むゴム(スチレン系ゴム)や、スチレン単位を含む熱可塑性エラストマー(スチレン系熱可塑性エラストマー)等が挙げられる。なお、エラストマー成分は、1種単独でもよいし、2種以上のブレンドでもよい。
前記スチレン系ゴムとしては、スチレン由来の単位を含む共役ジエン系ゴムが好ましく、該スチレン由来の単位を含む共役ジエン系ゴムとしては、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、スチレン-イソプレンゴム(SIR)等が挙げられる。これらスチレン系ゴムは、変性されていても、変性されていなくてもよい。
前記スチレン系熱可塑性エラストマー(TPS)は、スチレン系重合体ブロック(ハードセグメント)と、共役ジエン系重合体ブロック(ソフトセグメント)とを有し、スチレン系重合体部分が物理架橋を形成して橋かけ点となり、一方、共役ジエン系重合体ブロックがゴム弾性を付与する。共役ジエン系重合体ブロック(ソフトセグメント)の二重結合は、一部又は全部が水素化されていてもよい。前記スチレン系熱可塑性エラストマー(TPS)としては、スチレン/ブタジエン/スチレン(SBS)ブロック共重合体、スチレン/イソプレン/スチレン(SIS)ブロック共重合体、スチレン/ブタジエン/イソプレン/スチレン(SBIS)ブロック共重合体、スチレン/ブタジエン(SB)ブロック共重合体、スチレン/イソプレン(SI)ブロック共重合体、スチレン/ブタジエン/イソプレン(SBI)ブロック共重合体、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン(SEBS)ブロック共重合体、スチレン/エチレン/プロピレン/スチレン(SEPS)ブロック共重合体、スチレン/エチレン/エチレン/プロピレン/スチレン(SEEPS)ブロック共重合体、スチレン/エチレン/ブチレン(SEB)ブロック共重合体、スチレン/エチレン/プロピレン(SEP)ブロック共重合体、スチレン/エチレン/エチレン/プロピレン(SEEP)ブロック共重合体等が挙げられる。
前記スチレン系エラストマーとしては、タイヤ用ゴム組成物の耐破壊性を更に向上させる観点から、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、スチレン/ブタジエン/スチレン(SBS)ブロック共重合体、スチレン/イソプレン/スチレン(SIS)ブロック共重合体、スチレン/ブタジエン/イソプレン/スチレン(SBIS)ブロック共重合体、スチレン/イソプレン(SI)ブロック共重合体、スチレン/ブタジエン/イソプレン(SBI)ブロック共重合体、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン(SEBS)ブロック共重合体、スチレン/エチレン/プロピレン/スチレン(SEPS)ブロック共重合体、スチレン/エチレン/エチレン/プロピレン/スチレン(SEEPS)ブロック共重合体、スチレン/エチレン/ブチレン(SEB)ブロック共重合体、スチレン/エチレン/プロピレン(SEP)ブロック共重合体、スチレン/エチレン/エチレン/プロピレン(SEEP)ブロック共重合体が好ましく、これらの中でも、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)が特に好ましい。これらスチレン系エラストマーは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記エラストマー成分は、上述のスチレン系エラストマーの他に、更に、他のエラストマーを含んでもよい。該他のエラストマーとしては、スチレン単位を含まないゴムや、スチレン単位を含まない熱可塑性エラストマーが挙げられる。
前記スチレン単位を含まないゴムとしては、天然ゴム(NR)、合成イソプレンゴム(IR)等のイソプレン骨格ゴム;ブタジエンゴム(BR)、エチレン-プロピレン-ジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、アクリロニリトル-ブタジエンゴム(NBR)等が挙げられる。
前記スチレン単位を含まない熱可塑性エラストマーとしては、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、アミド系熱可塑性エラストマー(TPA)、ウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)、エステル系熱可塑性エラストマー(TPC)、動的架橋型熱可塑性エラストマー(TPV)等が挙げられる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物においては、前記エラストマー成分中の、ブタジエンゴムの含有率が0~60質量%で、前記スチレン系エラストマーの含有率が10~60質量%である。なお、本発明のタイヤ用ゴム組成物において、エラストマー成分は、ブタジエンゴムを含んでも、含まなくてもよく、ブタジエンゴムは必須成分ではなく、任意成分である。但し、ブタジエンゴム含む場合においても、エラストマー成分中の、ブタジエンゴムの含有率は60質量%以下であることを要し、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下であり、また、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上である。エラストマー成分中のスチレン系エラストマーの含有率が10質量%以上であることで、タイヤ用ゴム組成物の耐破壊性が向上し、60質量%以下であることで、他のエラストマー成分の割合を確保して、タイヤ用ゴム組成物の物性のバランスを向上させ易くなる。なお、エラストマー成分中のスチレン系エラストマーの含有率は、12質量%以上が好ましく、15質量%以上が更に好ましく、また、50質量%以下が好ましく、40質量%以下が更に好ましい。
本発明のタイヤ用ゴム組成物においては、前記ブタジエンゴム及び前記スチレン系エラストマーの総量に対して、含有されるスチレン量(スチレン由来の単位の含有量)が0.8~11質量%である。該スチレン量が0.8質量%以上であることで、タイヤ用ゴム組成物の耐破壊性が向上し、11質量%以下であることで、氷上性能を確保することができる。また、耐破壊性の観点から、該スチレン量は、1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることが更に好ましく、氷上性能の観点から、該スチレン量は、10質量%以下であることが好ましく、8質量%以下であることが更に好ましい。
前記タイヤ用ゴム組成物は、前記エラストマー成分が、更に、天然ゴム及び合成イソプレンゴムからなる群から選択される少なくとも1種のイソプレン骨格ゴムを含むことが好ましい。この場合、タイヤ用ゴム組成物のモジュラスを最適化でき、タイヤに用いるのに特に適度な硬さとすることができる。
なお、前記エラストマー成分中の、イソプレン骨格ゴムの含有率は、0質量%でもよいが、30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることが更に好ましく、また、90質量%以下であることが好ましく、80質量%以下であることが更に好ましい。
前記イソプレン骨格ゴムと、前記スチレン系エラストマーの質量比(イソプレン骨格ゴム:スチレン系エラストマー)は、9:1~3:7であることが好ましい。該質量比がこの範囲の場合、タイヤ用ゴム組成物の耐破壊性が更に向上する。
(扁平樹脂)
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、長軸方向に垂直な断面における長径方向の前記断面の長さA及び前記長径方向に垂直な短径方向の前記断面の長さBとの比(A/B)が、2より大きい短繊維状樹脂(以下、「扁平樹脂」と呼ぶことがある。)を含む。図1に、扁平樹脂の一例の模式図を示す。
図1には、楕円柱状の短繊維状樹脂D(扁平樹脂)が示されている。短繊維状樹脂Dは、長軸方向bに垂直な断面Sを有しており、断面Sにおいて最も径の長い長径方向aの距離を長さAという。また、断面Sにおいて長径方向aに垂直な短径方向の断面Sの距離を長さBという。ここで、断面Sの短径の長さBに対する断面Sの長径の長さA、即ち、A/Bは、2より大きい。
なお、図1では、断面形状が楕円状のものを示しているが、本発明においては、A/Bが2より大きければ、断面形状は特に制限されず、楕円形、長方形、多角形、不定形等のいずれでもよい。
前記扁平樹脂は、A/Bが2より大きければ、長軸方向に垂直な断面(図1の断面S)の形状、面積、及び、長軸方向の長さ(図1の長さC)は特に制限されない。タイヤ用ゴム組成物を加硫して得た加硫ゴムの吸水力を向上させる観点から、扁平樹脂は、短繊維状である。
具体的には、扁平樹脂の長軸方向に垂直な断面(図1の断面S)の面積は、タイヤ用ゴム組成物を加硫して得た加硫ゴムの吸水力をより向上させる観点から、平均面積が、0.000001~0.5mmであることが好ましく、0.00002~0.2mmであることがより好ましい。
扁平樹脂の長軸方向に垂直な断面(図1の断面S)の形状は、楕円形、三角形、長方形、多角形、不定形等のいずれであってもよいが、加硫ゴムの吸水力を向上させる観点から、楕円形又は長方形であることが好ましく、楕円形であることがより好ましい。
扁平樹脂の長軸方向の長さ(図1の長さC)の平均長さは、0.1~500mmであることが好ましく、0.1~7mmであることがより好ましい。
扁平樹脂の断面積と長軸方向の長さが上記範囲であることで、加硫ゴムの吸水力がより向上すると共に、短繊維状樹脂同士が必要以上に絡まり難く、ゴム組成物内で良好に分散し易い。
扁平樹脂の長軸方向に垂直な断面(図1の断面S)の平均面積、及び扁平樹脂の長軸方向の長さ(図1の長さC)の平均長さは、無作為に選んだ100個の樹脂の平均値である。また、扁平樹脂の長さA、長さB及び長さCは、樹脂を、光学顕微鏡を用いて、20~400倍で観察することにより、測定することができる。
A/Bは、加硫ゴムの吸水力をより大きくする観点から、2.01以上であることが好ましく、2.1以上であることがより好ましく、2.2以上であることがより好ましい。A/Bの上限は特に制限されないが、上記好ましい断面積の短繊維状樹脂において、A/Bが10を超える樹脂を製造することは困難である。従って、A/Bは、製造上の観点から、10以下であることが好ましく、加硫ゴムの吸水力をより大きくする観点から、9以下であることがより好ましい。
また、扁平樹脂の断面の長径の長さAは、加硫ゴムの吸水力をより大きくする観点から、樹脂100個の平均値として、0.001~2mmであることが好ましく、0.005~0.5mmであることがより好ましい。
また、扁平樹脂の断面の長径の長さAに対する扁平樹脂の長軸方向の長さ(図1の長さC)の比C/Aは、通常10~4000、好ましくは50~2000である。
本発明のタイヤ用ゴム組成物中の扁平樹脂の含有量は、当該タイヤ用ゴム組成物を加硫して得た加硫ゴムの吸水力を大きくし、形成された空洞による良好な排水性を高める観点から、エラストマー成分100質量部に対し、0.1質量部以上であることが好ましく、1質量部以上であることが更に好ましく、また、加硫ゴムの耐久性を保持する観点から、100質量部以下であることが好ましい。更に、同様の観点から、扁平樹脂の含有量は、エラストマー成分100質量部に対し、0.1~50質量部であることがより好ましく、0.5~5質量部であることが特に好ましい。
前記扁平樹脂は、親水性樹脂と、前記エラストー成分に対して親和性を有する樹脂からなり、該親水性樹脂を被覆する被覆層と、を有する複合樹脂であることが好ましい。つまり、扁平樹脂は、芯材となる親水性樹脂と、芯材の親水性樹脂を被覆する被覆層と、を有する複合樹脂であって、被覆層がエラストマー成分に対して親和性を有する樹脂からなることが好ましい。
扁平樹脂がかかる構成であることで、扁平樹脂がゴム組成物中に分散し易く、加硫ゴムに形成される扁平樹脂由来空洞の壁面の一部又は全部に膜状に付着すると考えられる。よって、空洞の壁面の少なくとも一部が親水化され易くなる。その結果、空洞に水が入り易くなり、毛管現象による吸水力が、より一層大きくなると考えられる。
加硫ゴムの空洞は、扁平樹脂(短繊維状樹脂)として、ゴム組成物の加硫温度よりも低い融点を有する樹脂を用い、ゴム組成物の加硫により、扁平樹脂が溶融して生じたり、加硫ゴムが路面等で擦られて、扁平樹脂が加硫ゴムから剥がれ落ちて生じたりする。加硫ゴムが路面等で擦られて、扁平樹脂が加硫ゴムから剥がれ落ちて生じた空洞は、空洞壁面が親水化され難いことから、加硫ゴム及びタイヤの空洞は、扁平樹脂が親水性樹脂を含む複合樹脂が溶融して生じた空洞であることが好ましい。
以下、親水性樹脂とエラストマー成分に対して親和性を有する樹脂について説明する。
--親水性樹脂--
親水性樹脂とは、水に対する接触角が5~80度である樹脂をいう。親水性樹脂の水に対する接触角は、親水性樹脂を平滑な板状に成形した試験片を用意し、協和界面化学(株)製の自動接触角計DM-301を用い、25℃、相対湿度55%条件下で、試験片の表面に水を滴下して、その直後に真横から観察したときに、試験片表面が成す直線と水滴表面の接線とが成す角度を測定することにより求めることができる。
親水性樹脂としては、分子内に親水性基を有する樹脂が挙げられ、具体的には、酸素原子、窒素原子、及び硫黄原子から選択される少なくとも1つを含む樹脂であることが好ましい。例えば、-OH、-COOH、-OCOR(Rはアルキル基)、-NH、-NCO、及び-SHからなる群より選ばれる少なくとも1種の置換基を含む樹脂が挙げられる。これらの置換基の中でも、-OH、-COOH、-OCOR、-NH、及び-NCOが好ましい。
上記のように、親水性樹脂は、水に対する接触角が小さく、水に対して親和性があることが好ましいが、親水性樹脂は、水に不溶であることが好ましい。親水性樹脂が水に不溶であることで、加硫ゴム表面及びタイヤ表面に水が付着したときに、水に親水性樹脂が溶け込んでしまうことを防ぐことができ、扁平樹脂由来の空洞の吸水力を保持することができる。
以上のような、水に対する接触角が小さく、一方で、水に不溶である親水性樹脂としては、より具体的には、ポリビニルアルコール系樹脂(エチレン-ビニルアルコール共重合体、ビニルアルコール単独重合体等)、アクリル系樹脂(ポリ(メタ)アクリル酸樹脂或いはそのエステル樹脂等)、ポリアミド樹脂(脂肪族ポリアミド系樹脂、芳香族ポリアミド系樹脂等)、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエチレングリコール樹脂、カルボキシビニル共重合体、スチレン-マレイン酸共重合体、ポリビニルピロリドン樹脂、ビニルピロリドン-酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。これらの中でも、ポリビニルアルコール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、エチレン-ビニルアルコール共重合体が特に好ましい。
--エラストマー成分に対して親和性を有する樹脂--
エラストマー成分に対して親和性を有する樹脂とは、ゴム組成物に含まれるエラストマー成分の溶解性パラメータ(SP値;Solubility Parameter)に近いSP値を有する樹脂をいう。互いのSP値が近いほど親和性が高く、相溶し易くなる。SP値差は、エラストマー成分のSP値(SP1)と、樹脂のSP値(SP2)との差(|SP1-SP2|)が2.0MPa1/2以下であることが好ましい。エラストマー成分及び樹脂のSP値は、Fedors法に従って算出することができる。
エラストマー成分に対して親和性を有する樹脂は、ゴム組成物の最高加硫温度よりも低い融点を有する低融点樹脂であることが好ましい。
扁平樹脂が、かかる被覆層を有することで、親水性樹脂自体が有する水との親和性を有効に保持しつつ、複合樹脂近傍のエラストマー成分との良好な親和性を発揮することができる。
また、扁平樹脂が被覆層を有することで、更に、ゴム組成物が発泡剤を含有する場合は、加硫時には融解し難い親水性樹脂を補足し、複合樹脂由来の空洞の形成を促進することができる。即ち、ゴム組成物中の複合樹脂の良好な分散を確保して、加硫ゴムとなったときには親水性樹脂に起因する排水性効果を充分に発揮させつつ、複合樹脂由来の空洞による排水溝としての機能をも充分に発揮させることができる。
また、低融点樹脂が、ゴム組成物の加硫時に溶融することで、流動性を帯びた被覆層となってエラストマー成分と複合樹脂との接着を図ることに寄与し、良好な排水性と耐久性とが付与されたタイヤを容易に実現することができる。
なお、被覆層の厚みは、ゴム組成物中の親水性樹脂の含有量、複合樹脂の平均径等によって変動し得るが、通常0.001~10μmであり、好ましくは0.001~5μmである。被覆層が上記範囲の厚みであることで、壁面が親水化した空洞と毛管現象との相乗効果が得られ易い。
複合樹脂の被覆層は、親水性樹脂の全表面にわたって形成されていてもよいし、親水性樹脂の一部の表面に形成されていてもよい。具体的には、少なくとも複合樹脂の全表面積の50%を占める割合で被覆層が形成されていることが好ましい。
低融点樹脂は、その融点が、ゴム組成物の加硫最高温度よりも低い樹脂であり、加硫最高温度とは、ゴム組成物の加硫時にゴム組成物が達する最高温度を意味する。例えば、モールド加硫の場合には、ゴム組成物がモールド内に入ってからモールドを出て冷却されるまでに、ゴム組成物が達する最高温度を意味し、かかる加硫最高温度は、例えば、ゴム組成物中に熱電対を埋め込むこと等により測定することができる。
低融点樹脂の融点の上限としては、特に制限はないものの、以上の点を考慮して選択するのが好ましく、一般的には、ゴム組成物の加硫最高温度よりも、10℃以上低いことが好ましく、20℃以上低いことがより好ましい。ゴム組成物の工業的な加硫温度は、一般的には最高で約190℃程度であるが、例えば、加硫最高温度がこの190℃に設定されている場合には、低融点樹脂の融点としては、通常190℃以下の範囲で選択され、180℃以下が好ましく、170℃以下がより好ましい。
なお、扁平樹脂の融点は、それ自体公知の融点測定装置等を用いて測定することができ、例えば、示差走査熱量測定(DSC測定)装置を用いて測定した融解ピーク温度を前記融点とすることができる。
低融点樹脂としては、具体的には、低融点樹脂中において、極性成分が全成分に対して50質量%以下である樹脂が好ましく、ポリオレフィン系樹脂であることがより好ましい。極性成分が全成分に対して上記範囲内である樹脂であると、エラストマー成分とのSP値の差が適度であるとともに、加硫最高温度よりも適度に低い融点を有しており、エラストマー成分との良好な親和性を充分に確保することができる。更に、ゴム組成物が発泡剤を含有する場合には、加硫時に容易に被覆層が溶融して、加硫ゴムの発泡を促進することができる。従って、ゴム組成物中における複合樹脂の分散性を向上しつつ、複合樹脂由来の空洞を形成し易い。
上記ポリオレフィン系樹脂としては、分岐状、直鎖状等のいずれであってもよい。また、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体の分子間を金属イオンで架橋したアイオノマー樹脂であってもよい。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリスチレン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-エチルアクリレート共重合体、エチレン-プロピレン-ジエン三元共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、並びにこれらのアイオノマー樹脂等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
低融点樹脂からなる被覆層で被覆された親水性樹脂からなる複合樹脂を製造するには、低融点樹脂及び親水性樹脂を、混合ミルを用いてブレンドし、溶融紡糸して未延伸糸を形成して、かかる未延伸糸を熱延伸しながら繊維状にする方法を採用することができる。
また、図2及び図3に示すようなダイ1を具えた二軸押出機を用いて、各々同時に押し出した後、同様にして繊維状にする方法を採用してもよい。この場合、ダイ出口2からは親水性樹脂が、ダイ出口3からは低融点樹脂が各々同時に押し出され、これから未延伸糸が形成されることとなる。
低融点樹脂及び親水性樹脂の混合ミル又はホッパーへの投入量は、得られる複合樹脂の長さ(図1の長さC)、断面積等によっても変動し得るが、親水性樹脂100質量部に対し、低融点樹脂を好ましくは5~300質量部、より好ましくは10~150質量部とする。低融点樹脂及び親水性樹脂を上記範囲内の量で、混合ミル又はホッパーに投入することにより、親水性樹脂の表面に被覆層が形成され易い。
前記タイヤ用ゴム組成物においては、前記短繊維状樹脂と前記スチレン系エラストマーの含有質量比率(短繊維状樹脂/スチレン系エラストマー)が、0.6~10%であることが好ましい。該含有質量比率がこの範囲内の場合、該タイヤ用ゴム組成物を適用したタイヤの氷上性能と耐破壊性とのバランスが特に良好である。
(充填剤)
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、更に、充填剤を含むことが好ましい。該充填剤を含むことで、タイヤ用ゴム組成物の硬さが向上する。該充填剤としては、シリカ、カーボンブラック、水酸化アルミニウム等が挙げられる。これら充填剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、充填剤の含有量は、前記エラストマー成分100質量部に対して、10~150質量部の範囲が好ましく、20~100質量部がより好ましく、50~90質量部の範囲がより一層好ましい。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、シリカを含むことが好ましい。充填剤として、シリカを含むことで、タイヤ用ゴム組成物の硬さとヒステリシスロスのバランスが向上し、タイヤに用いた際に、タイヤの氷上性能が更に向上する。
前記シリカの含有量は、前記エラストマー成分100質量部に対して25~90質量部の範囲が好ましい。シリカの含有量が、エラストマー成分100質量部に対して25質量部以上であれば、タイヤ用ゴム組成物の硬さが十分に向上し、また、90質量部以下であれば、タイヤ用ゴム組成物の混練作業性が良好である。
(空隙導入剤)
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、更に、空隙導入剤を含むことが好ましい。ゴム組成物が空隙導入剤を含有することで、ゴム組成物を加硫して得た加硫ゴムが表面又は内部、あるいは表面及び内部に空隙を有することとなるため、当該加硫ゴムを用いたタイヤは、柔軟性を有し、氷路面に密着し易くなると共に、タイヤ表面の空隙に、路面上の水が吸い込まれ、氷路面から水が排除され易くなる。そのため、該タイヤ用ゴム組成物を適用したタイヤは、氷上性能(氷上ブレーキ制動性能)を向上させることができる。
ここで、前記空隙導入剤が、発泡剤、硫酸金属塩、熱膨張性マイクロカプセル、多孔質セルロース、リグニン誘導体からなる群から選択されることが好ましい。この場合、ゴム組成物を加硫して得た加硫ゴムに、十分に空隙を形成することができ、該タイヤ用ゴム組成物を適用したタイヤの氷上性能を更に向上させることができる。これらの中でも、タイヤの氷上性能の観点から、発泡剤が好ましい。前記空隙導入剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記空隙導入剤の含有量は、特に限定されるものではないが、氷上性能(氷上ブレーキ制動性能)及び操縦安定性の観点から、前記エラストマー成分100質量部に対して0.1~20質量部が好ましく、1~10質量部がより好ましい。
--発泡剤--
ゴム組成物が発泡剤を含有することにより、ゴム組成物の加硫中に、発泡剤によって加硫ゴムに気泡が生じ、加硫ゴムを発泡ゴムとすることができる。発泡ゴムは柔軟性を有するため、加硫ゴムを用いたタイヤ表面は、氷路面に密着し易くなる。また、気泡により加硫ゴム表面及びタイヤ表面に気泡由来の穴(発泡孔)が生じ、水を排水する水路として機能する。
前記発泡剤としては、具体的には、例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)、ジニトロソペンタスチレンテトラミン、ベンゼンスルホニルヒドラジド誘導体、p,p’-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、二酸化炭素を発生する重炭酸アンモニウム、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、窒素を発生するニトロソスルホニルアゾ化合物、N,N’-ジメチル-N,N’-ジニトロソフタルアミド、トルエンスルホニルヒドラジド、p-トルエンスルホニルセミカルバジド、p,p’-オキシビスベンゼンスルホニルセミカルバジド等が挙げられる。これらの中でも、製造加工性の観点から、アゾジカルボンアミド(ADCA)、及びジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)が好ましい。これら発泡剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
また、発泡剤のゴム組成物中の含有量は、特に限定されるものではないが、エラストマー成分100質量部に対して1~10質量部が好ましく、2~8質量部がより好ましい。
ゴム組成物は、更に、発泡助剤として尿素、ステアリン酸亜鉛、ベンゼンスルフィン酸亜鉛、亜鉛華等を用いてもよい。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。発泡助剤を併用することにより、発泡反応を促進して反応の完結度を高め、経時的に不要な劣化を抑制することができる。
発泡剤を含有するゴム組成物を加硫した後に得られる加硫ゴムにおいて、その発泡率は、通常1~50%、好ましくは5~40%である。発泡剤を配合した場合、発泡率が50%以下であることで、ゴム表面の空隙も大きくなり過ぎず、充分な接地面積を確保できる。また、排水溝として有効に機能する気泡の形成を確保しつつ、気泡の量を適度に保持できる。従って、耐久性を損なうおそれもない。ここで、加硫ゴムの発泡率とは、平均発泡率Vsを意味し、具体的には次式(1)により算出される値を意味する。
Vs=(ρ/ρ-1)×100(%) (1)
式(1)中、ρは加硫ゴム(発泡ゴム)の密度(g/cm)を示し、ρは加硫ゴム(発泡ゴム)における固相部の密度(g/cm)を示す。なお、加硫ゴムの密度及び加硫ゴムの固相部の密度は、エタノール中の加硫ゴムの質量と空気中の加硫ゴムの質量を測定し、これから算出される。また、発泡率は、発泡剤及び発泡助剤等の種類、量等により適宜変化させることができる。
--硫酸金属塩--
ゴム組成物が硫酸金属塩を含有すると、ゴム組成物を加硫して得られるタイヤ表面から硫酸金属塩が突出し、研磨性であるという不利益なしでクロー(claw)機能を果す。その後、引続いて、ゴムマトリックスから硫酸金属塩が漸次退出することで空洞が生じ、氷表面の水膜を排出するための貯蔵容積および通路として機能する。これらの条件下においては、タイヤ表面(例えば、トレッドの表面)と氷との接触はもはや潤滑ではなく、従って、摩擦係数が改良される。
硫酸金属塩としては、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等が挙げられ、硫酸マグネシウムが好ましい。
硫酸金属塩は、マイクロメートルサイズの粒子であることが好ましい。具体的には、平均粒度及び中央値粒度(双方とも質量で示す)が、1μm~1mmであることが好ましく、中央値粒度が、2μm~800μmであるがより好ましい。
平均粒度及び中央値粒度が、1μm以上であることで、目標とする技術的効果(即ち、適切な微細粗さの形成)が得られ易い。また、平均粒度及び中央値粒度が、1mm以下であることで、特にゴム組成物をトレッドとして使用する場合、審美性の低下を抑制し(トレッド表面上に明白過ぎる粒子が出現することを抑制することができる)、融氷上のグリップ性能を損ないにくい。
これらの全ての理由により、硫酸金属塩の中央値粒度は、2μm~500μmであることが好ましく、5μm~200μmであることがより好ましい。この特に好ましい粒度範囲は、一方での所望の表面粗さと他方でのゴム組成物と氷との良好な接触と間の最適な妥協点に相応しているようである。
更にまた、上記の理由と同じ理由により、ゴム組成物中の硫酸金属塩の含有量は、エラストマー成分100質量部に対し、好ましくは5~40質量部、より好ましくは10~35質量部である。
粒度の分析及び微小粒子の中央値粒度(または実質的に球形であると想定しての微小粒子の平均直径)の算出のための、例えば、レーザー回析による種々の既知の方法が応用可能である(例えば、規格ISO-8130-13または規格JIS K5600-9-3を参照されたい)。
また、機械的篩分けによる粒度分析も、簡単に勝つ好ましく使用し得る。その操作は、規定量のサンプル(例えば、200g)を、振動テーブル上で、種々の篩直径により(例えば、1.26に等しい累進比に従い、1000、800、630、500、400、・・・、100、80および63μmのメッシュにより)、30分間篩分けすることからなる。各篩において集めた超過サイズを精密天秤で秤量し、物質の総質量に対する各メッシュ直径における超過サイズの%を、その秤量から推定し、最後に、中央値粒度(又は中央値直径)又は平均粒度(又は平均直径)を粒度分布のヒストグラムから既知の方法で算出する。
--熱膨張性マイクロカプセル--
熱膨張性マイクロカプセルは、熱可塑性樹脂で形成された殻材中に、熱膨張性物質を内包した構成からなる。熱膨張性マイクロカプセルの殻材は、ニトリル系重合体により形成することができる。
また、マイクロカプセルの殻材中に内包する熱膨張性物質は、熱によって気化または膨張する特性をもち、例えば、イソアルカン、ノルマルアルカン等の炭化水素からなる群から選ばれる少なくとも1種類が例示される。イソアルカンとしては、イソブタン、イソペンタン、2-メチルペンタン、2-メチルヘキサン、2,2,4-トリメチルペンタン等を挙げることができ、ノルマルアルカンとしては、n-ブタン、n-プロパン、n-ヘキサン、n-ヘプタン、n-オクタン等を挙げることができる。これらの炭化水素は、それぞれ単独で使用しても複数を組み合わせて使用してもよい。熱膨張性物質の好ましい形態としては、常温で液体の炭化水素に、常温で気体の炭化水素を溶解させたものがよい。このような炭化水素の混合物を使用することにより、未加硫タイヤの加硫成形温度域(150℃~190℃)において、低温領域から高温領域にかけて十分な膨張力を得ることができる。
このような熱膨張性マイクロカプセルとしては、例えば、スェーデン国エクスパンセル社製の商品名「EXPANCEL 091DU-80」、「EXPANCEL 092DU-120」等、或いは、松本油脂製薬社製の商品名「マツモトマイクロスフェアー F-85D」、「マツモトマイクロスフェアー F-100D」等を使用することができる。
熱膨張性マイクロカプセルのゴム組成物中の含有量は、エラストマー成分100質量部に対し、0.1~10質量部であることが好ましく、0.5~5質量部であることがより好ましい。
--多孔質セルロース--
ゴム組成物が多孔質セルロース(好ましくは、多孔質セルロース粒子)を含有すると、ゴム組成物を加硫して得られるタイヤ表面に多孔質セルロースが露出している場合、氷路面上の水が多孔質セルロースに吸収され、タイヤと路面との間の水を除去することができる。また、多糖類であるセルロースの存在により、タイヤと氷路面上の水との相互作用が生じるため、変性ポリオキシアルキレングリコールによるタイヤと水との相互作用をより高めることもできる。
多孔質セルロースは、空隙率75~95%という多孔質構造を持つセルロースであり、ゴム組成物に配合することにより、氷上性能を著しく向上させることができる。多孔質セルロースの空隙率が75%以上であることにより、氷上性能の向上効果に優れ、また、空隙率が95%以下であることにより、粒子の強度を高めることができる。該空隙率は、より好ましくは80~90%である。
多孔質セルロースの空隙率は、一定質量の試料(即ち、多孔質セルロース)の体積をメスシリンダーで測定し、嵩比重を求めて、下記式(2)から求めることができる。
空隙率[%]={1-(試料の嵩比重[g/ml])/(試料の真比重[g/ml])}×100 (2)
ここで、セルロースの真比重は1.5である。
多孔質セルロースが多孔質セルロース粒子である場合、該多孔質セルロース粒子の粒径は、特に限定しないが、耐摩耗性の観点から、平均粒径が1000μm以下のものが好ましく用いられる。平均粒径の下限は、特に限定されないが、5μm以上であることが好ましい。平均粒径は、より好ましくは100~800μmであり、更に好ましくは200~800μmである。
多孔質セルロース粒子としては、長径/短径の比が1~2である球状粒子が好ましく用いられる。このような球状構造の粒子を用いることにより、ゴム組成物中への分散性を向上して、氷上性能の向上、耐摩耗性等の維持に寄与することができる。長径/短径の比は、より好ましくは1.0~1.5である。
多孔質セルロース粒子の平均粒径と、長径/短径の比は、次のようにして求められる。即ち、多孔質セルロース粒子を顕微鏡で観察して画像を得て、この画像を用いて、粒子の長径と短径(長径と短径が同じ場合には、ある軸方向の長さとこれに直交する軸方向の長さ)を100個の粒子について測定し、その平均値を算出することで平均粒径が得られ、また、長径を短径で割った値の平均値により長径/短径の比が得られる。
このような多孔質セルロース粒子としては、レンゴー株式会社から「ビスコパール」として市販されており、また、特開2001-323095号公報、特開2004-115284号公報等に記載されており、それらを好適に用いることができる。
多孔質セルロースのゴム組成物中の含有量は、エラストマー成分100質量部に対し、0.3~20質量部であることが好ましい。含有量が0.3質量部以上であることにより、氷上性能の向上効果を高めることができ、また、20質量部以下であることにより、ゴム硬度が高くなり過ぎるのを抑えることができ、耐摩耗性の低下を抑制することができる。多孔質セルロース粒子の含有量は、より好ましくは1~15質量部であり、更に好ましくは3~15質量部である。
--リグニン誘導体--
前記リグニン誘導体としては、リグニンスルホン酸、リグニンスルホン酸塩、等が好適である。リグニン誘導体は、サルファイトパルプ法、クラフトパルプ法のいずれにより得られたものでもよい。
リグニン誘導体は、リグニン及び/又はその分解物の少なくとも一部がスルホ基(スルホン基)で置換されているリグニンスルホン酸及び/又はリグニンスルホン酸塩を含むものであり、リグニンスルホン酸のスルホ基は、電離していない状態でもよいし、スルホ基の水素が金属イオン等のイオンに置換されていてもよい。
リグニンスルホン酸塩としては、リグニンスルホン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アルコールアミン塩等が挙げられる。中でも、リグニンスルホン酸のアルカリ金属塩(カリウム塩、ナトリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩、リチウム塩、バリウム塩等)が好ましい。
前記リグニン誘導体のゴム組成物中の含有量は、エラストマー成分100質量部に対し、0.3~20質量部であることが好ましい。含有量が0.3質量部以上であることにより、氷上性能の向上効果を高めることができ、また、20質量部以下であることにより、ゴム硬度が高くなり過ぎるのを抑えることができ、耐摩耗性の低下を抑制することができる。リグニン誘導体の含有量は、より好ましくは1~15質量部であり、更に好ましくは3~15質量部である。
(軟化剤)
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、更に、軟化剤を含むことが好ましい。軟化剤を含むことで、ゴム組成物の混練作業性が向上する。
軟化剤としては、プロセスオイル、潤滑油、ナフテンオイル、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリン等の石油系軟化剤;ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、ヤシ油等の脂肪油系軟化剤;蜜ロウ、カルナバロウ、ラノリン等のワックス類;液状ポリマー等が挙げられる。これら軟化剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、軟化剤としては、液状ポリマーを用いることが好ましい。
タイヤの氷上性能を向上させる観点から、液状ポリマーの重量平均分子量は、6,000以上であることが好ましく、7,000以上であることがより好ましく、8,000以上であることが更に好ましい。同様の観点から、液状ポリマーの重量平均分子量は、20,000以下であることが好ましく、14,500以下であることがより好ましい。
ゴム組成物は、液状ポリマー及びアクリル樹脂からなる群より選択される少なくとも一種を含有していてもよい。
ゴム組成物が液状ポリマー及びアクリル樹脂からなる群より選択される少なくとも一種を含有する場合には、液状ポリマー及びアクリル樹脂の合計量は、エラストマー成分100質量部に対して1質量部以上であることが好ましい。これによって、ゴム組成物をタイヤに適用した場合、タイヤの氷上性能を向上させつつ、低燃費性及び破壊特性を確保し易い。
同様の観点から、液状ポリマー及びアクリル樹脂の合計量は、エラストマー成分100質量部に対して、5質量部以上であることがより好ましく、7質量部以上であることが更に好ましい。また、同様の観点から、液状ポリマー及びアクリル樹脂の合計量は、エラストマー成分100質量部に対して、35質量部以下であることが好ましく、30質量部以下であることがより好ましく、25質量部以下であることが更に好ましい。
液状ポリマーは、特に制限されず、例えば、液状ポリイソプレン、液状ポリブタジエン、液状スチレン-ブタジエン共重合体等のジエン系液状ポリマー、液状ポリブテン、液状シリコーンポリマー、シラン系液状ポリマー等が挙げられる。中でも、液状ポリブタジエンを用いることが好ましい。使用する液状ポリマーは、1種類であっても、2種類以上であってもよい。
ゴム組成物が天然ゴム(NR)等のイソプレン骨格ゴムを含む場合、液状ポリブタジエンは、ビニル結合量が20%以上であることが好ましい。液状ポリブタジエンのビニル結合量が20%以上であることで、イソプレン骨格ゴム相に偏在し易くなる。液状ポリブタジエンを、イソプレン骨格ゴム相により偏在し易くする観点から、液状ポリブタジエンのビニル結合量は30%以上であることが好ましく、40%以上がより好ましく、45%以上がより好ましく、50%以上が更に好ましい。また、ゴム組成物の硬度上昇抑制の観点から、液状ポリブタジエンのビニル結合量は70%以下であることが好ましく、65%以下であることがより好ましく、59%以下であることが更に好ましい。
前記軟化剤の合計量は、タイヤの氷上性能及び耐破壊性の観点から、前記エラストマー成分100質量部に対して、1質量部以上であることが好ましく、5質量部以上であることがより好ましく、7質量部以上であることが更に好ましく、10質量部以上であることが特に好ましく、また、35質量部以下であることが好ましく、30質量部以下であることがより好ましく、25質量部以下であることが更に好ましい。
(その他の成分)
本発明のタイヤ用ゴム組成物には、上述したエラストマー成分、短繊維状樹脂(扁平樹脂)、充填剤、空隙導入剤、軟化剤の他、ゴム工業界で通常使用される配合剤、例えば、ステアリン酸、老化防止剤、シランカップリング剤、酸化亜鉛(亜鉛華)、加硫促進剤、加硫剤等を、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択して配合してもよい。これら配合剤としては、市販品を好適に使用することができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物がシリカを含む場合、該シリカの効果を向上させるために、シランカップリング剤を含むことが好ましい。該シランカップリング剤としては、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2-メルカプトエチルトリメトキシシラン、2-メルカプトエチルトリエトキシシラン、3-トリメトキシシリルプロピル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3-トリエトキシシリルプロピル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2-トリエトキシシリルエチル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3-トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3-トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3-トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3-トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、ビス(3-ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、3-メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシリルプロピル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド等が挙げられる。該シランカップリング剤の含有量は、前記シリカ100質量部に対して2~20質量部の範囲が好ましく、5~15質量部の範囲が更に好ましい。
前記加硫剤としては、硫黄等が挙げられる。該加硫剤の含有量は、前記エラストマー成分100質量部に対して、硫黄分として0.1~10質量部の範囲が好ましく、1~4質量部の範囲が更に好ましい。
前記加硫促進剤としては、チアゾール系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤等が挙げられる。これら加硫促進剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。該加硫促進剤の含有量は、前記エラストマー成分100質量部に対して、0.1~5質量部の範囲が好ましく、0.2~3質量部の範囲が更に好ましい。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、例えば、バンバリーミキサーやロール等を用いて、エラストマー成分に、短繊維状樹脂(扁平樹脂)と、必要に応じて適宜選択した各種配合剤とを配合して混練した後、熱入れ、押出等することにより製造することができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、タイヤの種々の構成部材に利用できる。特には、本発明のタイヤ用ゴム組成物は、タイヤのトレッドゴムとして好適である。
<トレッドゴム>
本発明のトレッドゴムは、上記のタイヤ用ゴム組成物からなることを特徴とする。かかる本発明のトレッドゴムは、上記のタイヤ用ゴム組成物からなるため、タイヤに適用することで、タイヤの耐破壊性及び氷上性能を向上させることができる。
なお、本発明のトレッドゴムは、新品タイヤに適用してもよいし、更生タイヤに適用してもよい。
<冬用タイヤ>
本発明の冬用タイヤは、上記のトレッドゴムを具えることを特徴とする。かかる本発明の冬用タイヤは、上記のトレッドゴムを具えるため、優れた耐破壊性及び氷上性能を有する。なお、本発明の冬用タイヤとしては、スタッドレスタイヤ等が挙げられる。
本発明の冬用タイヤは、適用するタイヤの種類に応じ、未加硫のゴム組成物を用いて成形後に加硫して得てもよく、又は予備加硫工程等を経た半加硫ゴムを用いて成形後、さらに本加硫して得てもよい。なお、本発明の冬用タイヤは、好ましくは空気入りタイヤであり、空気入りタイヤに充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
<ゴム組成物の調製及び評価>
表1に示す配合処方に従い、通常のバンバリーミキサーを用いて、ゴム組成物を製造した。得られたゴム組成物に対して、下記の方法で耐破壊性を評価した。結果を表1に示す。
また、比較例3及び実施例1のゴム組成物を加硫して得た加硫ゴムに対して、上記式(1)に従って発泡率を算出し、更に、下記の方法で氷上性能を評価した。結果を表2に示す。
(1)耐破壊性
得られたゴム組成物を、常法で加硫して、加硫ゴムを作製し、JIS K 6251:2004に準拠して、ダンベル状3号型試験片を作製した。該試験片に対して、JIS K 6251:2004に準拠して、引張試験を行い、温度25℃における切断時引張応力(TB)を測定し、比較例1の切断時引張応力(TB)を100として、それぞれ指数表示した。指数値が大きい程、切断時引張応力(TB)が大きく、耐破壊性が良好であることを示す。
(2)氷上性能
一辺が25mmの正方形で、厚さ2mmの加硫ゴムを、-2℃の固定した氷上に押しつけて往復させるときに発生する摩擦力をロードセルで検出し、動摩擦係数μを算出した。表2においては、比較例3の動摩擦係数μを100として、指数表示した。指数値が大きい程、動摩擦係数μが大きく、氷上性能が良好であることを示す。
Figure 2022069328000002
*1 NR: 天然ゴム、TSR20
*2 BR-1: 未変性のブタジエンゴム、宇部興産株式会社製、商品名「UBEPOL BR150L」
*3 BR-2: 以下の方法により製造した変性のブタジエンゴム(変性BR)
*4 SBR: 以下の方法により製造した変性のスチレン-ブタジエンゴム(変性SBR)
<変性BRの合成方法>
(1)触媒の調製
乾燥し、窒素置換された、ゴム詮付容積100ミリリットルのガラスびんに、以下の順番に、ブタジエンのシクロヘキサン溶液(15.2質量%)7.11g、ネオジムネオデカノエートのシクロヘキサン溶液(0.56モル/リットル)0.59ミリリットル、メチルアルミノキサンMAO(東ソーアクゾ株式会社製、商品名「PMAO」)のトルエン溶液(アルミニウム濃度として3.23モル/リットル)10.32ミリリットル、水素化ジイソブチルアルミニウム(関東化学株式会社製)のヘキサン溶液(0.90モル/リットル)7.77ミリリットルを投入し、室温で2分間熟成した後、塩素化ジエチルアルミニウム(関東化学株式会社製)のヘキサン溶液(0.95モル/リットル)1.45ミリリットルを加え室温で、時折攪拌しながら15分間熟成した。こうして得られた触媒溶液中のネオジムの濃度は、0.011モル/リットルであった。
(2)中間重合体の製造
約900ミリリットル容積のゴム栓付きガラスびんを乾燥し、窒素置換し、乾燥精製されたブタジエンのシクロヘキサン溶液および乾燥シクロヘキサンを各々投入し、ブタジエン12.5質量%のシクロヘキサン溶液が400g投入された状態とした。次に、前記(1)で調製した触媒溶液2.28ミリリットル(ネオジム換算0.025mmol)を投入し、50℃温水浴中で1.0時間重合を行い、中間重合体を製造した。得られた重合体のミクロ構造は、シス-1,4-結合量95.5%、トランス-1,4-結合含有量3.9%、ビニル結合含有量0.6%であった。
(3)変性処理
3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラ濃度が1.0モル/リットルのヘキサン溶液を、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシランがネオジムに対して23.5モル当量になるように、前記(2)で得た重合液に投入し、50℃にて60分間処理した。
次いで、ソルビタントリオレイン酸エステル(関東化学株式会社製)を1.2ミリリットル加えて、さらに60℃で1時間変性反応を行った後、重合系に老化防止剤2,2’-メチレン-ビス(4-エチル-6-t-ブチルフェノール)(NS-5)のイソプロパノール5質量%溶液2ミリリットルを加えて反応の停止を行い、さらに微量のNS-5を含むイソプロパノール中で再沈殿を行ない、ドラム乾燥することにより、変性ポリブタジエン(変性BR)を得た。変性BRには、マクロゲルは認められず、100℃ムーニー粘度(ML1+4:100℃)は59であった。変性処理後のミクロ構造も上記中間重合体のミクロ構造と同様であった。
<変性SBRの合成方法>
乾燥し、窒素置換した800mLの耐圧ガラス容器に、1,3-ブタジエンのシクロヘキサン溶液及びスチレンのシクロヘキサン溶液を、1,3-ブタジエン67.5g及びスチレン7.5gになるように加え、2,2-ジテトラヒドロフリルプロパン0.6mmolを加え、0.8mmolのn-ブチルリチウムを加えた後、50℃で1.5時間重合を行った。この際の重合転化率がほぼ100%となった重合反応系に対し、変性剤としてN,N-ビス(トリメチルシリル)-3-[ジエトキシ(メチル)シリル]プロピルアミンを、0.72mmol添加し、50℃で30分間変性反応を行った。その後、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール(BHT)のイソプロパノール5質量%溶液2mLを加えて反応を停止させ、常法に従い乾燥して変性SBRを得た。得られた変性SBRのミクロ構造を測定した結果、結合スチレン量が10質量%、ブタジエン部分のビニル結合量が40%であった。
*5 オイル: 軟化剤、出光興産株式会社製、商品名「ダイアナプロセスオイル NS-28」
*6 短繊維状樹脂(断面円形): 特開2012-219245号公報に開示の製造例3に従い、二軸押出機を2台用い、ホッパーにポリエチレン[日本ポリエチレン製、ノバテックHJ360(MFR5.5、融点132℃)]40質量部と、エチレン-ビニルアルコール共重合体[クラレ製、エバールF104B(MFR4.4、融点183℃)]40質量部とを投入し、ダイ出口から各々同時に押し出して、常法に従って得られた繊維を長さ2~4mmにカットして、ポリエチレンからなる被覆層が形成された親水性短繊維を作製した。得られた親水性短繊維は、長軸方向に垂直な断面における長径方向の断面の長さA及び該長径方向に垂直な短径方向の断面の長さBとの比A/Bが1.0である。
*7 短繊維状樹脂(断面楕円状): 断面が楕円状の短繊維状樹脂、国際公開第2018/207472号の実施例4で使用の樹脂4(扁平樹脂)、エチレン-ビニルアルコール共重合体(クラレ社製、商品名「エバールF104B」)からなる親水性繊維の表面に、ポリエチレン(日本ポリエチレン社製、商品名「ノバテックHJ360」)からなる被覆層が形成されている短繊維、長軸方向に垂直な断面における長径方向の断面の長さA及び該長径方向に垂直な短径方向の断面の長さBとの比A/B=2.01~10の間で制御、長さAの平均値=0.05mm、長軸方向に垂直な断面の平均面積=0.0007mm、長軸方向の長さCの平均値=3mm
*8 充填剤(カーボンブラック): N134相当グレード
*9 充填剤(シリカ): 東ソー・シリカ社製、CTAB=155m/g
*10 シランカップリング剤: 信越化学工業株式会社製、商品名「ABC-856」
*11 樹脂: 三井石油化学社製、商品名「ハイレッツG-100X」
*12 ステアリン酸: 新日本理化社製、商品名「50S」
*13 亜鉛華: ハクスイテック社製、商品名「酸化亜鉛2種」、粉末品
*14 加硫促進剤: 大内新興化学工業社製、商品名「ノクセラーCZ-G」を含む総量1.5質量部
*15 加硫剤: 鶴見化学工業株式会社製、商品名「サルファックス5」
*16 老化防止剤: 住友化学社製、商品名「アンチゲン」
*17 発泡剤: ニジトロソペンタメチレンテトラミン
Figure 2022069328000003
表1から、比較例2のゴム組成物は、扁平樹脂を含むことで、比較例1のゴム組成物に比べて、耐破壊性が低下していることが分かる。
また、表1及び表2から、比較例3のゴム組成物は、スチレン系エラストマーを含むことで、比較例1のゴム組成物に比べて、耐破壊性が向上しているものの、扁平樹脂を含まないため、実施例1のゴム組成物に比べて、氷上性能が低下していることが分かる。
これに対して、本発明に従う実施例1のゴム組成物は、扁平樹脂とスチレン系エラストマーを含むため、比較例1のゴム組成物に比べて、耐破壊性が向上しており、また、驚くべきことに、比較例3のゴム組成物よりも耐破壊性に優れることが分かる。
a:短繊維状樹脂の長軸方向に垂直な断面における長径方向、 b:短繊維状樹脂の長軸方向、 S:短繊維状樹脂の長軸方向に垂直な断面、 A:短繊維状樹脂の長軸方向に垂直な断面における長径方向の断面の長さ、 B:長軸方向に垂直な断面における長径方向に垂直な短径方向の断面の長さ、 C:短繊維状樹脂の長軸方向の長さ、 D:短繊維状樹脂、 1:二軸押出機のダイ、 2:親水性樹脂用ダイ出口、 3:エラストマー成分に対して親和性を有する樹脂用ダイ出口

Claims (10)

  1. スチレン系エラストマーを含むエラストマー成分と、
    長軸方向に垂直な断面における長径方向の前記断面の長さA及び前記長径方向に垂直な短径方向の前記断面の長さBとの比(A/B)が、2より大きい短繊維状樹脂と、
    を含み、
    前記エラストマー成分中の、ブタジエンゴムの含有率が0~60質量%で、前記スチレン系エラストマーの含有率が10~60質量%であり、
    前記ブタジエンゴム及び前記スチレン系エラストマーの総量に対して、含有されるスチレン量が0.8~11質量%であることを特徴とする、タイヤ用ゴム組成物。
  2. 前記短繊維状樹脂と前記スチレン系エラストマーの含有質量比率(短繊維状樹脂/スチレン系エラストマー)が、0.6~10%である、請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 前記スチレン系エラストマーが、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、スチレン/ブタジエン/スチレン(SBS)ブロック共重合体、スチレン/イソプレン/スチレン(SIS)ブロック共重合体、スチレン/ブタジエン/イソプレン/スチレン(SBIS)ブロック共重合体、スチレン/イソプレン(SI)ブロック共重合体、スチレン/ブタジエン/イソプレン(SBI)ブロック共重合体、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン(SEBS)ブロック共重合体、スチレン/エチレン/プロピレン/スチレン(SEPS)ブロック共重合体、スチレン/エチレン/エチレン/プロピレン/スチレン(SEEPS)ブロック共重合体、スチレン/エチレン/ブチレン(SEB)ブロック共重合体、スチレン/エチレン/プロピレン(SEP)ブロック共重合体、スチレン/エチレン/エチレン/プロピレン(SEEP)ブロック共重合体からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1又は2に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. 前記エラストマー成分が、更に、天然ゴム及び合成イソプレンゴムからなる群から選択される少なくとも1種のイソプレン骨格ゴムを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  5. 前記イソプレン骨格ゴムと、前記スチレン系エラストマーの質量比(イソプレン骨格ゴム:スチレン系エラストマー)が、9:1~3:7である、請求項4に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  6. 更に、シリカを含み、該シリカの含有量が、前記エラストマー成分100質量部に対して25~90質量部である、請求項1~5のいずれか一項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  7. 更に、空隙導入剤を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  8. 前記空隙導入剤が、発泡剤、硫酸金属塩、熱膨張性マイクロカプセル、多孔質セルロース、リグニン誘導体からなる群から選択される、請求項7に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  9. 請求項1~8のいずれか一項に記載のタイヤ用ゴム組成物からなることを特徴とする、トレッドゴム。
  10. 請求項9に記載のトレッドゴムを具えることを特徴とする、冬用タイヤ。
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