JP2022043374A - 組成物、膜、膜付き基材、膜付き基材の製造方法、スプレー、ウェットワイパー、及び抗菌剤粒子 - Google Patents
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Abstract
【課題】抗肺炎桿菌活性に優れる組成物を提供する。また、上記組成物により形成される膜及び膜付き基材、並びに、上記組成物を含むスプレー及びウェットワイパーを提供する。また、上記組成物を用いた膜付き基材の製造方法を提供する。
【解決手段】抗菌剤粒子を含む組成物であって、
上記抗菌剤粒子は、銀と、非晶質のケイ酸アルミニウム及び非晶質のケイ酸アルミニウム塩からなる群より選ばれる1種以上と、を含み、
上記抗菌剤粒子の平均粒子径は、100nm以上300nm未満であり、
上記銀の含有量は、上記抗菌剤粒子の全質量に対して2.0~40.0質量%である、組成物。
【選択図】なし
【解決手段】抗菌剤粒子を含む組成物であって、
上記抗菌剤粒子は、銀と、非晶質のケイ酸アルミニウム及び非晶質のケイ酸アルミニウム塩からなる群より選ばれる1種以上と、を含み、
上記抗菌剤粒子の平均粒子径は、100nm以上300nm未満であり、
上記銀の含有量は、上記抗菌剤粒子の全質量に対して2.0~40.0質量%である、組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、組成物、膜、膜付き基材、膜付き基材の製造方法、スプレー、ウェットワイパー、及び抗菌剤粒子に関する。
銀担持無機酸化物を含有し、抗菌性を有する組成物が知られている。
例えば、特許文献1には、「抗菌剤微粒子、バインダ及び溶媒を含有する抗菌液であって、上記抗菌剤微粒子が、銀担持無機酸化物を含み、上記バインダが、少なくとも1種のシロキサン結合を有する化合物を含み、上記溶媒が、アルコール及び水を含み、上記抗菌液の全質量に対する固形分濃度が5質量%未満であり、上記抗菌液の全固形分量に対する上記シロキサン結合を有する化合物の含有量が60質量%以上である、抗菌液。」が記載されている。特許文献1の実施例欄では、具体的には、銀担持リン酸ガラスが使用されている。
例えば、特許文献1には、「抗菌剤微粒子、バインダ及び溶媒を含有する抗菌液であって、上記抗菌剤微粒子が、銀担持無機酸化物を含み、上記バインダが、少なくとも1種のシロキサン結合を有する化合物を含み、上記溶媒が、アルコール及び水を含み、上記抗菌液の全質量に対する固形分濃度が5質量%未満であり、上記抗菌液の全固形分量に対する上記シロキサン結合を有する化合物の含有量が60質量%以上である、抗菌液。」が記載されている。特許文献1の実施例欄では、具体的には、銀担持リン酸ガラスが使用されている。
ところで、一般的な尿臭発生メカニズムは、排泄直後の尿は無臭に近く、経時とともに尿素が空気中又は人体の菌によりアンモニアに分解されることで発生する。一方、尿路感染患者(例えば、膀胱炎及び腎盂腎炎等)の尿は、体内にて菌(主として肺炎桿菌)による分解が発生するため排泄直後からアンモニア臭が強く、経時ととともに尿中に存在する菌によりさらに分解が加速されることにより、アンモニア臭気が強くなる。
本発明者は、特許文献1に記載された組成物を適用して、肺炎桿菌を含む尿の臭気の抑制を試みたところ、上記組成物では経時的に増大する臭気を抑制することが不十分であることを明らかとした。言い換えると、特許文献1に記載された組成物は、抗肺炎桿菌活性を更に改善する必要があることを明らかとした。
そこで、本発明は、抗肺炎桿菌活性に優れる組成物を提供することを課題とする。
また、本発明は、上記組成物により形成される膜及び膜付き基材、並びに、上記組成物を含むスプレー及びウェットワイパーを提供することも課題とする。
また、本発明は、上記組成物を用いた膜付き基材の製造方法を提供することも課題とする。
また、本発明は、上記組成物に用いられ得る抗菌剤粒子を提供することを課題とする。
また、本発明は、上記組成物により形成される膜及び膜付き基材、並びに、上記組成物を含むスプレー及びウェットワイパーを提供することも課題とする。
また、本発明は、上記組成物を用いた膜付き基材の製造方法を提供することも課題とする。
また、本発明は、上記組成物に用いられ得る抗菌剤粒子を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、所定の抗菌剤粒子を含む組成物によれば上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、以下の構成により上記目的を達成することができることを見出した。
すなわち、以下の構成により上記目的を達成することができることを見出した。
〔1〕 抗菌剤粒子を含む組成物であって、
上記抗菌剤粒子は、銀と、非晶質のケイ酸アルミニウム及び非晶質のケイ酸アルミニウム塩からなる群より選ばれる1種以上と、を含み、
上記抗菌剤粒子の平均粒子径は、100nm以上300nm未満であり、
上記銀の含有量は、上記抗菌剤粒子の全質量に対して2.0~40.0質量%である、組成物。
〔2〕 上記銀の含有量が、上記抗菌剤粒子の全質量に対して20.0質量%超40.0質量%以下である、〔1〕に記載の組成物。
〔3〕 上記抗菌剤粒子において、上記抗菌剤粒子の全質量に対する銀の含有量X質量%と、上記抗菌剤粒子の全質量に対する銅の含有量Y質量%とが、下記式(1A)~下記式(1C)で表される不等式をいずれも満たす、〔1〕に記載の組成物。
1.35×X+Y≦27 ・・・式(1A)
2.0≦X≦20.0 ・・・式(1B)
0≦Y≦25.0 ・・・式(1C)
〔4〕 上記抗菌剤粒子において、上記抗菌剤粒子の全質量に対する銀の含有量X質量%と、上記抗菌剤粒子の全質量に対する銅の含有量Y質量%とが、下記(2A)~下記(2D)で表される不等式をいずれも満たす、〔3〕に記載の組成物。
1.35×X+Y≦27 ・・・式(2A)
3.0×X-Y≧6.0 ・・・式(2B)
2.0≦X≦20.0 ・・・式(2C)
0≦Y≦16.5 ・・・式(2D)
〔5〕 上記抗菌剤粒子において、上記抗菌剤粒子の全質量に対する銀の含有量X質量%と、上記抗菌剤粒子の全質量に対する銅の含有量Y質量%とが、下記(3A)~下記(3D)で表される不等式をいずれも満たす、〔4〕に記載の組成物。
1.35×X+Y≦27 ・・・式(3A)
3.0×X-Y≧24 ・・式(3B)
8.0≦X≦20.0 ・・・式(3C)
0≦Y≦12.0 ・・・式(3D)
〔6〕 上記抗菌剤粒子において、上記抗菌剤粒子の全質量に対する銀の含有量X質量%と、上記抗菌剤粒子の全質量に対する銅の含有量Y質量%とが、下記(4A)~下記(4D)で表される不等式をいずれも満たす、〔4〕に記載の組成物。
1.35×X+Y≦27 ・・・式(4A)
3.0×X-Y≧6.0 ・・・式(4B)
2.0≦X≦20.0 ・・・式(4C)
0≦Y≦3.0 ・・・式(4D)
〔7〕 上記抗菌剤粒子において、上記抗菌剤粒子の全質量に対する銀の含有量X質量%と、上記抗菌剤粒子の全質量に対する銅の含有量Y質量%とが、下記(5A)~下記(5D)で表される不等式をいずれも満たす、〔4〕に記載の組成物。
1.35×X+Y≦27 ・・・式(5A)
3.0×X-Y≧24 ・・・式(5B)
8.0≦X≦20.0 ・・・式(5C)
0≦Y≦3.0 ・・・式(5D)
〔8〕 上記抗菌剤粒子において、上記抗菌剤粒子の全質量に対する銀の含有量X質量%と、上記抗菌剤粒子の全質量に対する銅の含有量Y質量%とが、下記(6A)~下記(6D)で表される不等式をいずれも満たし、
更に、分散剤を含む、〔4〕に記載の組成物。
1.35×X+Y≦27 ・・・式(6A)
3.0×X-Y≧6.0 ・・・式(6B)
3.0<X≦20.0 ・・・式(6C)
3.0<Y≦16.5 ・・・式(6D)
〔9〕 上記抗菌剤粒子において、上記抗菌剤粒子の全質量に対する銀の含有量X質量%と、上記抗菌剤粒子の全質量に対する銅の含有量Y質量%とが、下記(7A)~下記(7D)で表される不等式をいずれも満たし、
更に、分散剤を含む、〔4〕に記載の組成物。
1.35×X+Y≦27 ・・・式(7A)
3.0×X-Y≧24 ・・・式(7B)
9.0<X≦20.0 ・・・式(7C)
3.0<Y≦12.0 ・・・式(7D)
〔10〕 上記抗菌剤粒子において、上記抗菌剤粒子の全質量に対する銀の含有量X質量%と、上記抗菌剤粒子の全質量に対する銅の含有量Y質量%とが、下記(8A)~下記(8D)で表される不等式をいずれも満たす、〔3〕に記載の組成物。
1.35×X+Y≦27 ・・・式(8A)
3.0×X-Y≦6.0 ・・・式(8B)
0≦X<8.0 ・・・式(8C)
0≦Y≦25.0 ・・・式(8D)
〔11〕 更に、分散剤を含む、請求項10に記載の組成物。
〔12〕 更に、溶媒を含み、
上記溶媒が、水及びエタノールを含む、〔1〕~〔11〕のいずれかに記載の組成物。
〔13〕 更に、バインダー又はバインダー前駆体を含み、
上記バインダー前駆体がシリケート系化合物を含む、〔1〕~〔12〕のいずれかに記載の組成物。
〔14〕 更に、有機金属触媒を含み、
上記有機金属触媒が、アルミニウムキレート化合物を含む、〔13〕に記載の組成物。
〔15〕 〔13〕又は〔14〕に記載の組成物を用いて形成される膜。
〔16〕 基材と、〔15〕に記載の膜とを有する、膜付き基材。
〔17〕 〔13〕又は〔14〕に記載の組成物を基材の表面に塗布して、組成物層を形成する工程と、
上記組成物層を硬化させて、膜を得る工程と、を含む、膜付き基材の製造方法。
〔18〕 スプレー容器と、上記スプレー容器に収納された〔1〕~〔14〕のいずれかに記載の組成物と、を有するスプレー。
〔19〕 基布と、上記基布に含浸させた〔1〕~〔14〕のいずれかに記載の組成物と、を有するウェットワイパー。
〔20〕 銀と、非晶質のケイ酸アルミニウム及び非晶質のケイ酸アルミニウム塩からなる群より選ばれる1種以上と、を含む抗菌剤粒子であって、
上記抗菌剤粒子の平均粒子径は、100nm以上300nm未満であり、
上記銀の含有量は、上記抗菌剤粒子の全質量に対して2.0~40.0質量%である、抗菌剤粒子。
上記抗菌剤粒子は、銀と、非晶質のケイ酸アルミニウム及び非晶質のケイ酸アルミニウム塩からなる群より選ばれる1種以上と、を含み、
上記抗菌剤粒子の平均粒子径は、100nm以上300nm未満であり、
上記銀の含有量は、上記抗菌剤粒子の全質量に対して2.0~40.0質量%である、組成物。
〔2〕 上記銀の含有量が、上記抗菌剤粒子の全質量に対して20.0質量%超40.0質量%以下である、〔1〕に記載の組成物。
〔3〕 上記抗菌剤粒子において、上記抗菌剤粒子の全質量に対する銀の含有量X質量%と、上記抗菌剤粒子の全質量に対する銅の含有量Y質量%とが、下記式(1A)~下記式(1C)で表される不等式をいずれも満たす、〔1〕に記載の組成物。
1.35×X+Y≦27 ・・・式(1A)
2.0≦X≦20.0 ・・・式(1B)
0≦Y≦25.0 ・・・式(1C)
〔4〕 上記抗菌剤粒子において、上記抗菌剤粒子の全質量に対する銀の含有量X質量%と、上記抗菌剤粒子の全質量に対する銅の含有量Y質量%とが、下記(2A)~下記(2D)で表される不等式をいずれも満たす、〔3〕に記載の組成物。
1.35×X+Y≦27 ・・・式(2A)
3.0×X-Y≧6.0 ・・・式(2B)
2.0≦X≦20.0 ・・・式(2C)
0≦Y≦16.5 ・・・式(2D)
〔5〕 上記抗菌剤粒子において、上記抗菌剤粒子の全質量に対する銀の含有量X質量%と、上記抗菌剤粒子の全質量に対する銅の含有量Y質量%とが、下記(3A)~下記(3D)で表される不等式をいずれも満たす、〔4〕に記載の組成物。
1.35×X+Y≦27 ・・・式(3A)
3.0×X-Y≧24 ・・式(3B)
8.0≦X≦20.0 ・・・式(3C)
0≦Y≦12.0 ・・・式(3D)
〔6〕 上記抗菌剤粒子において、上記抗菌剤粒子の全質量に対する銀の含有量X質量%と、上記抗菌剤粒子の全質量に対する銅の含有量Y質量%とが、下記(4A)~下記(4D)で表される不等式をいずれも満たす、〔4〕に記載の組成物。
1.35×X+Y≦27 ・・・式(4A)
3.0×X-Y≧6.0 ・・・式(4B)
2.0≦X≦20.0 ・・・式(4C)
0≦Y≦3.0 ・・・式(4D)
〔7〕 上記抗菌剤粒子において、上記抗菌剤粒子の全質量に対する銀の含有量X質量%と、上記抗菌剤粒子の全質量に対する銅の含有量Y質量%とが、下記(5A)~下記(5D)で表される不等式をいずれも満たす、〔4〕に記載の組成物。
1.35×X+Y≦27 ・・・式(5A)
3.0×X-Y≧24 ・・・式(5B)
8.0≦X≦20.0 ・・・式(5C)
0≦Y≦3.0 ・・・式(5D)
〔8〕 上記抗菌剤粒子において、上記抗菌剤粒子の全質量に対する銀の含有量X質量%と、上記抗菌剤粒子の全質量に対する銅の含有量Y質量%とが、下記(6A)~下記(6D)で表される不等式をいずれも満たし、
更に、分散剤を含む、〔4〕に記載の組成物。
1.35×X+Y≦27 ・・・式(6A)
3.0×X-Y≧6.0 ・・・式(6B)
3.0<X≦20.0 ・・・式(6C)
3.0<Y≦16.5 ・・・式(6D)
〔9〕 上記抗菌剤粒子において、上記抗菌剤粒子の全質量に対する銀の含有量X質量%と、上記抗菌剤粒子の全質量に対する銅の含有量Y質量%とが、下記(7A)~下記(7D)で表される不等式をいずれも満たし、
更に、分散剤を含む、〔4〕に記載の組成物。
1.35×X+Y≦27 ・・・式(7A)
3.0×X-Y≧24 ・・・式(7B)
9.0<X≦20.0 ・・・式(7C)
3.0<Y≦12.0 ・・・式(7D)
〔10〕 上記抗菌剤粒子において、上記抗菌剤粒子の全質量に対する銀の含有量X質量%と、上記抗菌剤粒子の全質量に対する銅の含有量Y質量%とが、下記(8A)~下記(8D)で表される不等式をいずれも満たす、〔3〕に記載の組成物。
1.35×X+Y≦27 ・・・式(8A)
3.0×X-Y≦6.0 ・・・式(8B)
0≦X<8.0 ・・・式(8C)
0≦Y≦25.0 ・・・式(8D)
〔11〕 更に、分散剤を含む、請求項10に記載の組成物。
〔12〕 更に、溶媒を含み、
上記溶媒が、水及びエタノールを含む、〔1〕~〔11〕のいずれかに記載の組成物。
〔13〕 更に、バインダー又はバインダー前駆体を含み、
上記バインダー前駆体がシリケート系化合物を含む、〔1〕~〔12〕のいずれかに記載の組成物。
〔14〕 更に、有機金属触媒を含み、
上記有機金属触媒が、アルミニウムキレート化合物を含む、〔13〕に記載の組成物。
〔15〕 〔13〕又は〔14〕に記載の組成物を用いて形成される膜。
〔16〕 基材と、〔15〕に記載の膜とを有する、膜付き基材。
〔17〕 〔13〕又は〔14〕に記載の組成物を基材の表面に塗布して、組成物層を形成する工程と、
上記組成物層を硬化させて、膜を得る工程と、を含む、膜付き基材の製造方法。
〔18〕 スプレー容器と、上記スプレー容器に収納された〔1〕~〔14〕のいずれかに記載の組成物と、を有するスプレー。
〔19〕 基布と、上記基布に含浸させた〔1〕~〔14〕のいずれかに記載の組成物と、を有するウェットワイパー。
〔20〕 銀と、非晶質のケイ酸アルミニウム及び非晶質のケイ酸アルミニウム塩からなる群より選ばれる1種以上と、を含む抗菌剤粒子であって、
上記抗菌剤粒子の平均粒子径は、100nm以上300nm未満であり、
上記銀の含有量は、上記抗菌剤粒子の全質量に対して2.0~40.0質量%である、抗菌剤粒子。
本発明によれば、抗肺炎桿菌活性に優れる組成物を提供できる。
また、本発明によれば、上記組成物により形成される膜及び膜付き基材、並びに、上記組成物を含むスプレー及びウェットワイパーを提供できる。
また、本発明によれば、上記組成物を用いた膜付き基材の製造方法を提供できる。
また、本発明によれば、上記組成物に用いられ得る抗菌剤粒子を提供できる。
また、本発明によれば、上記組成物により形成される膜及び膜付き基材、並びに、上記組成物を含むスプレー及びウェットワイパーを提供できる。
また、本発明によれば、上記組成物を用いた膜付き基材の製造方法を提供できる。
また、本発明によれば、上記組成物に用いられ得る抗菌剤粒子を提供できる。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に制限されるものではない。
なお本明細書における基(原子群)の表記において、置換、及び無置換を記していない表記は、本発明の効果を損ねない範囲で、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。このことは、各化合物についても同義である。
また、本明細書において、「(メタ)アクリレート」はアクリレート、及びメタクリレートの双方、又はいずれかを表し、「(メタ)アクリル」はアクリル、及びメタクリルの双方、又はいずれかを表し、「(メタ)アクリロイル」はアクリロイル、及びメタクリロイルの双方、又はいずれかを表す。
また、本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値、及び上限値として含む範囲を意味する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に制限されるものではない。
なお本明細書における基(原子群)の表記において、置換、及び無置換を記していない表記は、本発明の効果を損ねない範囲で、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。このことは、各化合物についても同義である。
また、本明細書において、「(メタ)アクリレート」はアクリレート、及びメタクリレートの双方、又はいずれかを表し、「(メタ)アクリル」はアクリル、及びメタクリルの双方、又はいずれかを表し、「(メタ)アクリロイル」はアクリロイル、及びメタクリロイルの双方、又はいずれかを表す。
また、本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値、及び上限値として含む範囲を意味する。
[組成物]
本発明の組成物の特徴点としては、以下に示す条件(1)~(3)をいずれも備えた抗菌剤粒子(以下「特定抗菌剤粒子」ともいう。)を含む点が挙げられる。
(1)銀と、非晶質のケイ酸アルミニウム及び非晶質のケイ酸アルミニウム塩からなる群より選ばれる1種以上と、を含む。
(2)平均粒子径が、100nm以上300nm未満である。
(3)上記銀の含有量が、抗菌剤粒子の全質量に対して2.0~40.0質量%である。
本発明の組成物の特徴点としては、以下に示す条件(1)~(3)をいずれも備えた抗菌剤粒子(以下「特定抗菌剤粒子」ともいう。)を含む点が挙げられる。
(1)銀と、非晶質のケイ酸アルミニウム及び非晶質のケイ酸アルミニウム塩からなる群より選ばれる1種以上と、を含む。
(2)平均粒子径が、100nm以上300nm未満である。
(3)上記銀の含有量が、抗菌剤粒子の全質量に対して2.0~40.0質量%である。
上記組成物は、特定抗菌剤粒子を含むことにより、抗肺炎桿菌活性に優れる。言い換えると、肺炎桿菌を含む尿の経時的に増大する臭気を抑制できる組成物を提供できる。
これは、詳細には明らかではないが、本発明者らは以下のように推測している。
特定抗菌剤粒子は、主として、粒子中に含まれる銀によって肺炎桿菌に対する抗菌作用を示す。今般、本発明者らは、非晶質のケイ酸アルミニウム又は非晶質のケイ酸アルミニウム塩を担持体とした場合、他の担持体と比較すると、担持し得る銀量がより多いことを明らかとした。また、上記銀の含有量が、抗菌剤粒子の全質量に対して2.0質量%以上であり、且つ、抗菌剤粒子の平均粒子径が、100nm以上300nm未満である場合、肺炎桿菌に対する抗菌作用が著しく優れることを明らかとした。このことは、本明細書の実施例欄(特に、比較例112~115の結果)からも明らかである。
一方で、抗菌剤粒子中の銀の含有量の上限値としては、40.0質量%以下が好ましい。非晶質のケイ酸アルミニウム及び非晶質のケイ酸アルミニウム塩は、それ自体が、アンモニアに対する消臭作用を示すと推測される。ここで、抗菌剤粒子中の銀の含有量が40.0質量%を超えると、非晶質のケイ酸アルミニウム及び非晶質のケイ酸アルミニウム塩のアンモニアに対する吸着サイトが減少することにより、アンモニアに対する消臭性が低下する懸念がある。また、抗菌剤粒子中の銀の含有量が40.0質量%を超えると、組成物中に遊離の銀が発生しやすく、組成物が経時安定性に劣る懸念がある。
これは、詳細には明らかではないが、本発明者らは以下のように推測している。
特定抗菌剤粒子は、主として、粒子中に含まれる銀によって肺炎桿菌に対する抗菌作用を示す。今般、本発明者らは、非晶質のケイ酸アルミニウム又は非晶質のケイ酸アルミニウム塩を担持体とした場合、他の担持体と比較すると、担持し得る銀量がより多いことを明らかとした。また、上記銀の含有量が、抗菌剤粒子の全質量に対して2.0質量%以上であり、且つ、抗菌剤粒子の平均粒子径が、100nm以上300nm未満である場合、肺炎桿菌に対する抗菌作用が著しく優れることを明らかとした。このことは、本明細書の実施例欄(特に、比較例112~115の結果)からも明らかである。
一方で、抗菌剤粒子中の銀の含有量の上限値としては、40.0質量%以下が好ましい。非晶質のケイ酸アルミニウム及び非晶質のケイ酸アルミニウム塩は、それ自体が、アンモニアに対する消臭作用を示すと推測される。ここで、抗菌剤粒子中の銀の含有量が40.0質量%を超えると、非晶質のケイ酸アルミニウム及び非晶質のケイ酸アルミニウム塩のアンモニアに対する吸着サイトが減少することにより、アンモニアに対する消臭性が低下する懸念がある。また、抗菌剤粒子中の銀の含有量が40.0質量%を超えると、組成物中に遊離の銀が発生しやすく、組成物が経時安定性に劣る懸念がある。
また、今般、本発明者らは、特定抗菌剤粒子が、更に銅を含む場合、組成物は、抗肺炎桿菌活性に優れるだけでなく、硫化水素に対する消臭性にも優れることを確認している。なお、硫化水素は、便臭の原因物質の一つに該当する。
更に、本発明者らは、特定抗菌剤粒子が、他のグラム陰性細菌に対する抗菌作用を示すことも確認している。
以下に、上記組成物に含まれる各成分について詳述する。
〔特定抗菌剤粒子〕
上記組成物は、以下に示す条件(1)~(3)をいずれも備えた抗菌剤粒子(特定抗菌剤粒子)を含む。
(1)銀と、非晶質のケイ酸アルミニウム及び非晶質のケイ酸アルミニウム塩からなる群より選ばれる1種以上と、を含む。
(2)平均粒子径が、100nm以上300nm未満である。
(3)上記銀の含有量が、抗菌剤粒子の全質量に対して2.0~40.0質量%である。
〔特定抗菌剤粒子〕
上記組成物は、以下に示す条件(1)~(3)をいずれも備えた抗菌剤粒子(特定抗菌剤粒子)を含む。
(1)銀と、非晶質のケイ酸アルミニウム及び非晶質のケイ酸アルミニウム塩からなる群より選ばれる1種以上と、を含む。
(2)平均粒子径が、100nm以上300nm未満である。
(3)上記銀の含有量が、抗菌剤粒子の全質量に対して2.0~40.0質量%である。
以下に、特定抗菌剤粒子について説明する。
特定抗菌剤粒子は、銀と、非晶質のケイ酸アルミニウム及び非晶質のケイ酸アルミニウム塩らなる群より選ばれる1種以上と、を含む。特定抗菌剤粒子は、肺炎桿菌を含むグラム陰性細菌に対して抗菌作用を示す。特定抗菌剤粒子としては、なかでも、非晶質のケイ酸アルミニウム及び非晶質のケイ酸アルミニウム塩からなる群より選ばれる1種以上の担持体と、上記担持体に担持された銀とを含む構造が好ましい。
特定抗菌剤粒子は、銀と、非晶質のケイ酸アルミニウム及び非晶質のケイ酸アルミニウム塩らなる群より選ばれる1種以上と、を含む。特定抗菌剤粒子は、肺炎桿菌を含むグラム陰性細菌に対して抗菌作用を示す。特定抗菌剤粒子としては、なかでも、非晶質のケイ酸アルミニウム及び非晶質のケイ酸アルミニウム塩からなる群より選ばれる1種以上の担持体と、上記担持体に担持された銀とを含む構造が好ましい。
特定抗菌剤粒子中に含まれる非晶質のケイ酸アルミニウム及び非晶質のケイ酸アルミニウム塩としては、例えば、非晶質のケイ酸アルミニウム、及び非晶質のケイ酸アルミニウムのアルカリ金属塩等が挙げられる。
上記アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、及びセシウム等が挙げられ、ナトリウムが好ましい。
非晶質のケイ酸アルミニウム塩中、アルカリ金属塩の含有量は、非晶質のケイ酸アルミニウム塩の全質量に対して0.5質量%以下が好ましく、0.1質量%以下がより好ましい。なお、下限値としては特に制限されないが、例えば、0.01質量%以上である。
上記アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、及びセシウム等が挙げられ、ナトリウムが好ましい。
非晶質のケイ酸アルミニウム塩中、アルカリ金属塩の含有量は、非晶質のケイ酸アルミニウム塩の全質量に対して0.5質量%以下が好ましく、0.1質量%以下がより好ましい。なお、下限値としては特に制限されないが、例えば、0.01質量%以上である。
上記ケイ酸アルミニウム及びケイ酸アルミニウム塩において、Al2O3の含有量に対するSiO2の含有量の質量比(SiO2/Al2O3)は、2.0~10.0が好ましく、4.0~8.0がより好ましい。Al2O3の含有量に対するSiO2の含有量の質量比(SiO2/Al2O3)が10.0以下の場合、担持し得る銀量及び銅量が多いため、特定抗菌剤粒子の抗肺炎桿菌活性がより優れる。一方、Al2O3の含有量に対するSiO2の含有量の質量比(SiO2/Al2O3)が2.0以上の場合、特定抗菌剤粒子は、pHが中性領域でも表面電荷がゼロに近づかずに凝集しにくく、また抗肺炎桿菌活性がより優れる。つまり、上記ケイ酸アルミニウム及びケイ酸アルミニウム塩において、Al2O3の含有量に対するSiO2の含有量の質量比(SiO2/Al2O3)が2.0~10.0の場合、上記組成物中の特定抗菌剤粒子は、凝集が抑制されており、且つ、抗肺炎桿菌活性がより優れる。
なお、ケイ酸アルミニウム及びケイ酸アルミニウム塩中のAl2O3の含有量及びSiO2の含有量は、マイクロウェーブ灰化装置を用いて抗菌剤粒子又は抗菌剤粒子分散液を灰化した後、ICP-MS(誘導結合プラズマ質量分析計。例えば、アジレント・テクノロジー社製、Agilent7700s)によって定量されるケイ素及びアルミニウムの含有量から換算して求めることができる。
なお、ケイ酸アルミニウム及びケイ酸アルミニウム塩中のAl2O3の含有量及びSiO2の含有量は、マイクロウェーブ灰化装置を用いて抗菌剤粒子又は抗菌剤粒子分散液を灰化した後、ICP-MS(誘導結合プラズマ質量分析計。例えば、アジレント・テクノロジー社製、Agilent7700s)によって定量されるケイ素及びアルミニウムの含有量から換算して求めることができる。
特定抗菌剤粒子中に含まれる銀の形態としては特に制限されないが、金属銀、銀イオン、及び銀塩(錯体を含む)等の形態が挙げられる。
銀塩としては、例えば、酢酸銀、アセチルアセトン酸銀、アジ化銀、銀アセチリド、ヒ酸銀、安息香酸銀、フッ化水素銀、臭素酸銀、臭化銀、炭酸銀、塩化銀、塩素酸銀、クロム酸銀、クエン酸銀、シアン酸銀、シアン化銀、(cis,cis-1,5-シクロオクタジエン)-1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロアセチルアセトン酸銀、ジエチルジチオカルバミン酸銀、フッ化銀(I)、フッ化銀(II)、7,7-ジメチル-1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロ-4,6-オクタンジオン酸銀、ヘキサフルオロアンチモン酸銀、ヘキサフルオロヒ酸銀、ヘキサフルオロリン酸銀、ヨウ素酸銀、ヨウ化銀、イソチオシアン酸銀、シアン化銀カリウム、乳酸銀、モリブデン酸銀、硝酸銀、亜硝酸銀、酸化銀(I)、酸化銀(II)、シュウ酸銀、過塩素酸銀、ペルフルオロ酪酸銀、ペルフルオロプロピオン酸銀、過マンガン酸銀、過レニウム酸銀、リン酸銀、ピクリン酸銀一水和物、プロピオン酸銀、セレン酸銀、セレン化銀、亜セレン酸銀、スルファジアジン銀、硫酸銀、硫化銀、亜硫酸銀、テルル化銀、テトラフルオロ硼酸銀、テトラヨードムキュリウム酸銀、テトラタングステン酸銀、チオシアン酸銀、p-トルエンスルホン酸銀、トリフルオロメタンスルホン酸銀、トリフルオロ酢酸銀、バナジン酸銀、ヒスチジン銀錯体、メチオニン銀錯体、システイン銀錯体、アスパラギン酸銀錯体、ピロリドンカルボン酸銀錯体、オキソテトラヒドロフランカルボン酸銀錯体、及びイミダゾール銀錯体等が挙げられる。
上記銀の含有量は、抗菌剤粒子の全質量に対して2.0~40.0質量%である。
なお、抗菌剤粒子中の銀の含有量は、マイクロウェーブ灰化装置を用いて抗菌剤粒子又は抗菌剤粒子分散液を灰化した後、ICP-MS(誘導結合プラズマ質量分析計。例えば、アジレント・テクノロジー社製、Agilent7700s)によって定量できる。
なお、抗菌剤粒子中の銀の含有量は、マイクロウェーブ灰化装置を用いて抗菌剤粒子又は抗菌剤粒子分散液を灰化した後、ICP-MS(誘導結合プラズマ質量分析計。例えば、アジレント・テクノロジー社製、Agilent7700s)によって定量できる。
また、特定抗菌剤粒子は、組成物の消臭性がより向上する点で、更に銅を含むことが好ましい。
特定抗菌剤粒子中に含まれる銅の形態としては特に制限されないが、金属銅、銅イオン、及び銅塩(錯体を含む)等の形態が挙げられる。
特定抗菌剤粒子中に含まれる銅の形態としては特に制限されないが、金属銅、銅イオン、及び銅塩(錯体を含む)等の形態が挙げられる。
銅塩としては、例えば、酢酸銅、アセチルアセトン酸銅、アジ化銅、銅アセチリド、ヒ酸銅、安息香酸銅、フッ化水素銅、臭素酸銅、臭化銅、炭酸銅、塩化銅、塩素酸銅、クロム酸銅、クエン酸銅、シアン化銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、フッ化銅(I)、フッ化銅(II)、ヘキサフルオロリン酸銅、ヨウ素酸銅、ヨウ化銅、イソチオシアン酸銅、シアン化銅カリウム、乳酸銅、モリブデン酸銅、硝酸銅、亜硝酸銅、酸化銅(I)、酸化銅(II)、シュウ酸銅、過塩素酸銅、リン酸銅、プロピオン酸銅、セレン酸銅、セレン化銅、亜セレン酸銅、硫酸銅、硫化銅、亜硫酸銅、テルル化銅、テトラフルオロ硼酸銅、タングステン酸銅、チオシアン酸銅、ビス(p-トルエンスルホン酸)銅、トリフルオロメタンスルホン酸銅、トリフルオロ酢酸銅、及びバナジン酸銅等が挙げられる。
特定抗菌剤粒子中の銅の含有量の上限値としては特に制限されないが、水及びエタノール等の分散媒に対する特定抗菌剤粒子の分散性がより優れる点、及び組成物中に遊離の銅が発生しにくく組成物の経時安定性がより優れる点で、抗菌剤粒子の全質量に対して25.0質量%以下が好ましく、12.0質量%以下がより好ましく、3.0質量%以下が更に好ましい。
なお、抗菌剤粒子中の銅の含有量の測定方法としては、抗菌剤粒子中の銀の含有量の測定方法として既に説明した方法が適用できる。
なお、抗菌剤粒子中の銅の含有量の測定方法としては、抗菌剤粒子中の銀の含有量の測定方法として既に説明した方法が適用できる。
特定抗菌剤粒子の平均粒子径の下限値は、100nm以上であり、150nm以上が好ましい。また、特定抗菌剤粒子の平均粒子径の上限値は、300nm未満であり、250nm以下が好ましく、200nm以下がより好ましい。
組成物がより抗肺炎桿菌活性に優れる点で、なかでも、特定抗菌剤粒子の平均粒子径は、100~200nmが好ましい。
なお、特定抗菌剤粒子の平均粒子径は、50%体積累積径(D50)を意図する。特定抗菌剤粒子の平均粒子径は、粒径アナライザー(例えば、大塚電子社製「FPER-1000」)を用いて測定できる。
組成物がより抗肺炎桿菌活性に優れる点で、なかでも、特定抗菌剤粒子の平均粒子径は、100~200nmが好ましい。
なお、特定抗菌剤粒子の平均粒子径は、50%体積累積径(D50)を意図する。特定抗菌剤粒子の平均粒子径は、粒径アナライザー(例えば、大塚電子社製「FPER-1000」)を用いて測定できる。
以下において、特定抗菌剤粒子の好適態様について説明する。
今般、本発明者らは、後述する工程1と工程2又は工程3とを含む特定抗菌剤粒子の製造方法(なお、銅供給源として酢酸銅、銀供給源として酢酸銀又は硝酸銀を使用した。)により特定抗菌剤粒子を種々作製して検討したところ、特定抗菌剤粒子は、銀の含有量及び銅の含有量に起因する好適形態があることを明らかとしている。
以下において、特定抗菌剤粒子の好適態様について説明する。
なお、下記態様Xとは、特定抗菌剤粒子中の銀の含有量が20.0質量%超40.0質量%以下である場合(銀を高濃度で含む場合)に該当し、下記態様Yとは、特定抗菌剤粒子中の銀の含有量が2.0~20.0質量%である場合(銀を低濃度で含む場合)に該当する。
ここで、態様Yにおける式(1A)は、特定抗菌剤粒子が担持し得る銀及び銅の実質的な限界含有量を示している。今般の発明者らの検討によれば、抗菌剤粒子の全質量に対する銀の含有量が2.0~20.0質量%(式(1B)に該当)である場合、後述する工程2及び工程3における混合液中の銀濃度及び銅濃度を種々調整しても、得られる抗菌剤粒子中の銅の含有量は式(1A)を満たす場合が多いこと(つまり、上記式(1A)が特定抗菌剤粒子が担持し得る銀及び銅の実質的な限界含有量を示すこと)を明らかとしている。
今般、本発明者らは、後述する工程1と工程2又は工程3とを含む特定抗菌剤粒子の製造方法(なお、銅供給源として酢酸銅、銀供給源として酢酸銀又は硝酸銀を使用した。)により特定抗菌剤粒子を種々作製して検討したところ、特定抗菌剤粒子は、銀の含有量及び銅の含有量に起因する好適形態があることを明らかとしている。
以下において、特定抗菌剤粒子の好適態様について説明する。
なお、下記態様Xとは、特定抗菌剤粒子中の銀の含有量が20.0質量%超40.0質量%以下である場合(銀を高濃度で含む場合)に該当し、下記態様Yとは、特定抗菌剤粒子中の銀の含有量が2.0~20.0質量%である場合(銀を低濃度で含む場合)に該当する。
ここで、態様Yにおける式(1A)は、特定抗菌剤粒子が担持し得る銀及び銅の実質的な限界含有量を示している。今般の発明者らの検討によれば、抗菌剤粒子の全質量に対する銀の含有量が2.0~20.0質量%(式(1B)に該当)である場合、後述する工程2及び工程3における混合液中の銀濃度及び銅濃度を種々調整しても、得られる抗菌剤粒子中の銅の含有量は式(1A)を満たす場合が多いこと(つまり、上記式(1A)が特定抗菌剤粒子が担持し得る銀及び銅の実質的な限界含有量を示すこと)を明らかとしている。
<態様X>
特定抗菌剤粒子が態様Xである場合とは、特定抗菌剤粒子において、銀の含有量が、抗菌剤粒子の全質量に対して20.0質量%超40.0質量%以下である態様に該当する。組成物が抗肺炎桿菌活性により優れる点、並びに水及びエタノール等の分散媒に対する特定抗菌剤粒子の分散性がより優れる点で、銀の含有量は、抗菌剤粒子の全質量に対して、20.0質量%超30.0質量%以下であることが好ましい。
特定抗菌剤粒子が上記態様Xである場合、特定抗菌剤粒子は、着色を抑制する点で、銅を実質的に含まないことが好ましい。なお、ここでいう「銅を実質的に含まない」とは、特定抗菌剤粒子中、抗菌剤粒子の全質量に対して銅の含有量が0.1質量%未満であることを意図する。
特定抗菌剤粒子が態様Xである場合とは、特定抗菌剤粒子において、銀の含有量が、抗菌剤粒子の全質量に対して20.0質量%超40.0質量%以下である態様に該当する。組成物が抗肺炎桿菌活性により優れる点、並びに水及びエタノール等の分散媒に対する特定抗菌剤粒子の分散性がより優れる点で、銀の含有量は、抗菌剤粒子の全質量に対して、20.0質量%超30.0質量%以下であることが好ましい。
特定抗菌剤粒子が上記態様Xである場合、特定抗菌剤粒子は、着色を抑制する点で、銅を実質的に含まないことが好ましい。なお、ここでいう「銅を実質的に含まない」とは、特定抗菌剤粒子中、抗菌剤粒子の全質量に対して銅の含有量が0.1質量%未満であることを意図する。
<態様Y>
特定抗菌剤粒子が態様Yである場合とは、特定抗菌剤粒子において、抗菌剤粒子の全質量に対する銀の含有量X質量%と、抗菌剤粒子の全質量に対する銅の含有量Y質量%とが、下記式(1A)~下記式(1C)で表される不等式をいずれも満たす態様に該当する。
1.35×X+Y≦27 ・・・式(1A)
2.0≦X≦20.0 ・・・式(1B)
0≦Y≦25.0 ・・・式(1C)
特定抗菌剤粒子が態様Yである場合とは、特定抗菌剤粒子において、抗菌剤粒子の全質量に対する銀の含有量X質量%と、抗菌剤粒子の全質量に対する銅の含有量Y質量%とが、下記式(1A)~下記式(1C)で表される不等式をいずれも満たす態様に該当する。
1.35×X+Y≦27 ・・・式(1A)
2.0≦X≦20.0 ・・・式(1B)
0≦Y≦25.0 ・・・式(1C)
態様Yとしては、態様Y1及び態様Y2が挙げられる。
態様Y、態様Y1、及び態様Y2の特定抗菌剤粒子としては、銅を含まなくてもよいし、含んでいてもよいが、組成物の硫化水素に対する消臭性がより優れる点で、銅を含むことが好ましく、抗菌剤粒子の全質量に対する銅の含有量の下限値が0.1質量%以上であることが好ましい。なお、後述する態様Y1A、態様Y1B、及び態様Y1Cの特定抗菌剤粒子についても、組成物の硫化水素に対する消臭性がより優れる点で、銅を含むことが好ましく、抗菌剤粒子の全質量に対する銅の含有量の下限値が0.1質量%以上であることが好ましい。
なお、態様Y、態様Y1、態様Y2、態様Y1A、態様Y1B、及び態様Y1Cの特定抗菌剤粒子は、分散安定性に優れるという点では、銅を実質的に含まないことが好ましい。ここでいう「銅を実質的に含まない」とは、抗菌剤粒子の全質量に対する銅の含有量の上限値が0.01質量%以下を意図し、0質量%であることが好ましい。
以下、態様Y1及び態様Y2について各々説明する。
態様Y、態様Y1、及び態様Y2の特定抗菌剤粒子としては、銅を含まなくてもよいし、含んでいてもよいが、組成物の硫化水素に対する消臭性がより優れる点で、銅を含むことが好ましく、抗菌剤粒子の全質量に対する銅の含有量の下限値が0.1質量%以上であることが好ましい。なお、後述する態様Y1A、態様Y1B、及び態様Y1Cの特定抗菌剤粒子についても、組成物の硫化水素に対する消臭性がより優れる点で、銅を含むことが好ましく、抗菌剤粒子の全質量に対する銅の含有量の下限値が0.1質量%以上であることが好ましい。
なお、態様Y、態様Y1、態様Y2、態様Y1A、態様Y1B、及び態様Y1Cの特定抗菌剤粒子は、分散安定性に優れるという点では、銅を実質的に含まないことが好ましい。ここでいう「銅を実質的に含まない」とは、抗菌剤粒子の全質量に対する銅の含有量の上限値が0.01質量%以下を意図し、0質量%であることが好ましい。
以下、態様Y1及び態様Y2について各々説明する。
(態様Y1)
特定抗菌剤粒子が態様Y1である場合とは、特定抗菌剤粒子において、抗菌剤粒子の全質量に対する銀の含有量X質量%と、抗菌剤粒子の全質量に対する銅の含有量Y質量%とが、下記(2A)~下記(2D)で表される不等式をいずれも満たす態様に該当する。
1.35×X+Y≦27 ・・・式(2A)
3.0×X-Y≧6.0 ・・・式(2B)
2.0≦X≦20.0 ・・・式(2C)
0≦Y≦16.5 ・・・式(2D)
特定抗菌剤粒子が態様Y1である場合とは、特定抗菌剤粒子において、抗菌剤粒子の全質量に対する銀の含有量X質量%と、抗菌剤粒子の全質量に対する銅の含有量Y質量%とが、下記(2A)~下記(2D)で表される不等式をいずれも満たす態様に該当する。
1.35×X+Y≦27 ・・・式(2A)
3.0×X-Y≧6.0 ・・・式(2B)
2.0≦X≦20.0 ・・・式(2C)
0≦Y≦16.5 ・・・式(2D)
特定抗菌剤粒子が上記態様Y1である場合、特定抗菌剤粒子としては、態様Y1A~態様Y1Eが挙げられる。
以下において、態様Y1A~態様Y1Eについて説明する。
以下において、態様Y1A~態様Y1Eについて説明する。
・態様Y1A
特定抗菌剤粒子が態様Y1Aである場合とは、特定抗菌剤粒子において、抗菌剤粒子の全質量に対する銀の含有量X質量%と、抗菌剤粒子の全質量に対する銅の含有量Y質量%とが、下記(3A)~下記(3D)で表される不等式をいずれも満たす態様が該当する。
1.35×X+Y≦27 ・・・式(3A)
3.0×X-Y≧24 ・・式(3B)
8.0≦X≦20.0 ・・・式(3C)
0≦Y≦12.0 ・・・式(3D)
特定抗菌剤粒子が態様Y1Aである場合とは、特定抗菌剤粒子において、抗菌剤粒子の全質量に対する銀の含有量X質量%と、抗菌剤粒子の全質量に対する銅の含有量Y質量%とが、下記(3A)~下記(3D)で表される不等式をいずれも満たす態様が該当する。
1.35×X+Y≦27 ・・・式(3A)
3.0×X-Y≧24 ・・式(3B)
8.0≦X≦20.0 ・・・式(3C)
0≦Y≦12.0 ・・・式(3D)
・態様Y1B
特定抗菌剤粒子が態様Y1Bである場合とは、特定抗菌剤粒子において、抗菌剤粒子の全質量に対する銀の含有量X質量%と、抗菌剤粒子の全質量に対する銅の含有量Y質量%とが、下記(4A)~下記(4D)で表される不等式をいずれも満たす態様が該当する。
1.35×X+Y≦27 ・・・式(4A)
3.0×X-Y≧6.0 ・・・式(4B)
2.0≦X≦20.0 ・・・式(4C)
0≦Y≦3.0 ・・・式(4D)
特定抗菌剤粒子が態様Y1Bである場合とは、特定抗菌剤粒子において、抗菌剤粒子の全質量に対する銀の含有量X質量%と、抗菌剤粒子の全質量に対する銅の含有量Y質量%とが、下記(4A)~下記(4D)で表される不等式をいずれも満たす態様が該当する。
1.35×X+Y≦27 ・・・式(4A)
3.0×X-Y≧6.0 ・・・式(4B)
2.0≦X≦20.0 ・・・式(4C)
0≦Y≦3.0 ・・・式(4D)
・態様Y1C
特定抗菌剤粒子が態様Y1Cである場合とは、特定抗菌剤粒子において、抗菌剤粒子の全質量に対する銀の含有量X質量%と、抗菌剤粒子の全質量に対する銅の含有量Y質量%とが、下記(5A)~下記(5D)で表される不等式をいずれも満たす態様が該当する。。
1.35×X+Y≦27 ・・・式(5A)
3.0×X-Y≧24 ・・・式(5B)
8.0≦X≦20.0 ・・・式(5C)
0≦Y≦3.0 ・・・式(5D)
特定抗菌剤粒子が態様Y1Cである場合とは、特定抗菌剤粒子において、抗菌剤粒子の全質量に対する銀の含有量X質量%と、抗菌剤粒子の全質量に対する銅の含有量Y質量%とが、下記(5A)~下記(5D)で表される不等式をいずれも満たす態様が該当する。。
1.35×X+Y≦27 ・・・式(5A)
3.0×X-Y≧24 ・・・式(5B)
8.0≦X≦20.0 ・・・式(5C)
0≦Y≦3.0 ・・・式(5D)
・態様Y1D
特定抗菌剤粒子が態様Y1Dである場合とは、特定抗菌剤粒子において、抗菌剤粒子の全質量に対する銀の含有量X質量%と、抗菌剤粒子の全質量に対する銅の含有量Y質量%とが、下記(6A)~下記(6D)で表される不等式をいずれも満たす態様が該当する。
1.35×X+Y≦27 ・・・式(6A)
3.0×X-Y≧6.0 ・・・式(6B)
3.0<X≦20.0 ・・・式(6C)
3.0<Y≦16.5 ・・・式(6D)
特定抗菌剤粒子が態様Y1Dである場合とは、特定抗菌剤粒子において、抗菌剤粒子の全質量に対する銀の含有量X質量%と、抗菌剤粒子の全質量に対する銅の含有量Y質量%とが、下記(6A)~下記(6D)で表される不等式をいずれも満たす態様が該当する。
1.35×X+Y≦27 ・・・式(6A)
3.0×X-Y≧6.0 ・・・式(6B)
3.0<X≦20.0 ・・・式(6C)
3.0<Y≦16.5 ・・・式(6D)
・態様Y1E
特定抗菌剤粒子が態様Y1Eである場合とは、特定抗菌剤粒子において、抗菌剤粒子の全質量に対する銀の含有量X質量%と、抗菌剤粒子の全質量に対する銅の含有量Y質量%とが、下記(7A)~下記(7D)で表される不等式をいずれも満たす態様が該当する。
1.35×X+Y≦27 ・・・式(7A)
3.0×X-Y≧24 ・・・式(7B)
9.0≦X≦20.0 ・・・式(7C)
3.0<Y≦12.0 ・・・式(7D)
特定抗菌剤粒子が態様Y1Eである場合とは、特定抗菌剤粒子において、抗菌剤粒子の全質量に対する銀の含有量X質量%と、抗菌剤粒子の全質量に対する銅の含有量Y質量%とが、下記(7A)~下記(7D)で表される不等式をいずれも満たす態様が該当する。
1.35×X+Y≦27 ・・・式(7A)
3.0×X-Y≧24 ・・・式(7B)
9.0≦X≦20.0 ・・・式(7C)
3.0<Y≦12.0 ・・・式(7D)
特定抗菌剤粒子は、銅の含有量が増加するにつれて、水及びエタノール等の分散媒に対する分散性が劣る傾向がある。このため、特定抗菌剤粒子が上記態様Y1D及び上記態様Y1Eに該当する場合、上記組成物は、特定抗菌剤粒子の表面に吸着し得る分散剤を含むことが好ましい。つまり、特定抗菌剤粒子は、分散剤によって表面修飾されていることが好ましい。なお、分散剤としては、後段において、特定抗菌剤粒子の製造方法に際して使用し得る分散剤として例示したものが挙げられる。
(態様Y2)
特定抗菌剤粒子が態様Y2である場合とは、特定抗菌剤粒子において、抗菌剤粒子の全質量に対する銀の含有量X質量%と、抗菌剤粒子の全質量に対する銅の含有量Y質量%とが、下記(8A)~下記(8D)で表される不等式をいずれも満たす態様が該当する。
1.35×X+Y≦27 ・・・式(8A)
3.0×X-Y≦6.0 ・・・式(8B)
0≦X<8.0 ・・・式(8C)
0≦Y≦25.0 ・・・式(8D)
特定抗菌剤粒子が態様Y2である場合とは、特定抗菌剤粒子において、抗菌剤粒子の全質量に対する銀の含有量X質量%と、抗菌剤粒子の全質量に対する銅の含有量Y質量%とが、下記(8A)~下記(8D)で表される不等式をいずれも満たす態様が該当する。
1.35×X+Y≦27 ・・・式(8A)
3.0×X-Y≦6.0 ・・・式(8B)
0≦X<8.0 ・・・式(8C)
0≦Y≦25.0 ・・・式(8D)
特定抗菌剤粒子が上記態様Y2に該当する場合、特定抗菌剤粒子は、水及びエタノール等の分散媒に対する分散性が劣る傾向がある。このため、特定抗菌剤粒子が上記態様Y2に該当する場合、上記組成物は、特定抗菌剤粒子の表面に吸着し得る分散剤を含むことが好ましい。つまり、特定抗菌剤粒子は、分散剤によって表面修飾されていることが好ましい。なお、分散剤としては、後段において、特定抗菌剤粒子の製造方法に際して使用し得る分散剤として例示したものが挙げられる。
特定抗菌剤粒子としては、組成物が抗肺炎桿菌活性により優れる点で、銀の含有量X質量%が8.0≦X≦20.0であることが好ましい。特定抗菌剤粒子としては、なかでも、組成物が抗肺炎桿菌活性により優れる点、水及びエタノール等の分散媒に対する特定抗菌剤粒子の分散性がより優れる点、並びに組成物の硫化水素に対する消臭性がより優れる点で、態様Y1Cであるか、又は、態様Y1Eであり且つ上記組成物が特定抗菌剤粒子の表面に吸着し得る分散剤を含むことが好ましい。
上記組成物中における特定抗菌剤粒子の含有量としては特に制限されないが、一般に、組成物の全固形分に対して、その下限値は、0.1質量%以上が好ましく、1.0質量%以上がより好ましく、5.0質量%以上が更に好ましく、10質量%以上が特に好ましい。また、その上限値は、90質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましく、50質量%以下が更に好ましく、40質量%以下が特に好ましい。
特定抗菌剤粒子は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の特定抗菌剤粒子を併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
特定抗菌剤粒子は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の特定抗菌剤粒子を併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
<特定抗菌剤粒子の製造方法>
特定抗菌剤粒子の製造方法としては特に制限されないが、例えば、下記工程1と、工程2又は工程3と、を含む製造方法が好ましい。
工程1:非晶質のケイ酸アルミニウム及び非晶質のケイ酸アルミニウム塩の担持体分散液を調製する工程
工程2:銀供給源又は銀供給源を含む溶液と、工程1で得られた担持体分散液とを混合する工程
工程3:銀供給源又は銀供給源を含む溶液と、銅供給源又は銅供給源を含む溶液と、工程1で得られた担持体分散液とを混合する工程
特定抗菌剤粒子の製造方法としては特に制限されないが、例えば、下記工程1と、工程2又は工程3と、を含む製造方法が好ましい。
工程1:非晶質のケイ酸アルミニウム及び非晶質のケイ酸アルミニウム塩の担持体分散液を調製する工程
工程2:銀供給源又は銀供給源を含む溶液と、工程1で得られた担持体分散液とを混合する工程
工程3:銀供給源又は銀供給源を含む溶液と、銅供給源又は銅供給源を含む溶液と、工程1で得られた担持体分散液とを混合する工程
工程1において、非晶質のケイ酸アルミニウム及び非晶質のケイ酸アルミニウム塩の分散媒としては特に制限されないが、例えば、水、及びアルコール(例えば、エタノール)が好ましく、水がより好ましい。
工程2及び工程3において、銀供給源としては、例えば、銀塩が挙げられる。銀塩としては、上述したものが挙げられ、なかでも、工程1において好適に使用され得る分散媒である水及びアルコールに対する溶解性の観点から、酢酸銀、及び硝酸銀が好ましい。
また、銀供給源を含む溶液としては、例えば、銀塩を溶解させた水溶液等が挙げられる。
また、銀供給源を含む溶液としては、例えば、銀塩を溶解させた水溶液等が挙げられる。
工程3において、銅供給源としては、例えば、銅塩が挙げられる。銅塩としては、上述したものが挙げられ、なかでも、工程1において好適に使用され得る分散媒である水及びアルコールに対する溶解性の観点から、酢酸銅、硫酸銅、及び硝酸銅が好ましい。
また、銅供給源を含む溶液としては、例えば、銅塩を溶解させた水溶液等が挙げられる。
また、銅供給源を含む溶液としては、例えば、銅塩を溶解させた水溶液等が挙げられる。
工程2及び工程3の混合の際、液中の銀濃度及び銅濃度を適切に調整することにより、銀の含有量及び銅の含有量が所定値に調整された特定抗菌剤粒子が得られる。なお、工程3は、特定抗菌剤粒子中の銀の含有量が所定範囲に調整されやすい点で、銅供給源又は銅供給源を含む溶液と工程1で得られた担持体分散液とを混合した後、上記混合液と銀供給源又は銀供給源を含む溶液とを混合する工程であることが好ましい。
また、工程3においては、分散剤を使用することが好ましい。分散剤を使用することで、抗菌剤粒子は、表面が分散剤により修飾されることによって分散性安定性が向上する。分散剤は、銀供給源を含む溶液、銅供給源を含む溶液、又は工程1で得られた担持体分散液にあらかじめ添加されていてもよいし、銀供給源又は銀供給源を含む溶液と、銅供給源又は銅供給源を含む溶液と、工程1で得られた担持体分散液とを混合する際に、別途添加されてもよいし、工程3で銀又は銀と銅を担持した担持体(抗菌剤粒子)が得られた後に添加されてもよい。
分散剤としては特に制限されず、公知の分散剤が挙げられる。分散剤としては、なかでも、特定抗菌粒子に対する親和性の観点から、塩基性の吸着基を含む分散剤(例えば、BYK社の商品名DISPERBYK(登録商標)-185等)、酸性の吸着基を含む分散剤(例えば、BYK社の商品名DISPERBYK(登録商標)-190等)、並びに塩基性の吸着基及び酸性の吸着基いずれも含む分散剤(例えば、BYK社の商品名DISPERBYK(登録商標)-180等)が好ましく、塩基性の吸着基を含む分散剤がより好ましい。
分散剤を使用する場合、分散剤の含有量としては、工程3で得られる混合液の全質量に対して、0.001~0.5質量%が好ましい。
また、工程3においては、分散剤を使用することが好ましい。分散剤を使用することで、抗菌剤粒子は、表面が分散剤により修飾されることによって分散性安定性が向上する。分散剤は、銀供給源を含む溶液、銅供給源を含む溶液、又は工程1で得られた担持体分散液にあらかじめ添加されていてもよいし、銀供給源又は銀供給源を含む溶液と、銅供給源又は銅供給源を含む溶液と、工程1で得られた担持体分散液とを混合する際に、別途添加されてもよいし、工程3で銀又は銀と銅を担持した担持体(抗菌剤粒子)が得られた後に添加されてもよい。
分散剤としては特に制限されず、公知の分散剤が挙げられる。分散剤としては、なかでも、特定抗菌粒子に対する親和性の観点から、塩基性の吸着基を含む分散剤(例えば、BYK社の商品名DISPERBYK(登録商標)-185等)、酸性の吸着基を含む分散剤(例えば、BYK社の商品名DISPERBYK(登録商標)-190等)、並びに塩基性の吸着基及び酸性の吸着基いずれも含む分散剤(例えば、BYK社の商品名DISPERBYK(登録商標)-180等)が好ましく、塩基性の吸着基を含む分散剤がより好ましい。
分散剤を使用する場合、分散剤の含有量としては、工程3で得られる混合液の全質量に対して、0.001~0.5質量%が好ましい。
特定抗菌剤粒子の平均粒径は、従来公知の方法により調節でき、例えば、乾式粉砕及び湿式粉砕等の方法を採用できる。乾式粉砕においては、例えば、乳鉢、ジェットミル、ハンマーミル、ピンミル、回転ミル、振動ミル、遊星ミル、及びビーズミル等が適宜用いられる。また、湿式粉砕においては、各種ボールミル、高速回転粉砕機、ジェットミル、ビーズミル、超音波ホモジナイザー、及び高圧ホモジナイザー等が適宜用いられる。
例えば、ビーズミルにおいては、メディアとなるビーズの径、種類、及び混合量等を調節することで平均粒径を制御できる。
例えば、ビーズミルにおいては、メディアとなるビーズの径、種類、及び混合量等を調節することで平均粒径を制御できる。
〔その他の成分〕
上記組成物は本発明の効果を奏する範囲内において、その他の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては、例えば、溶媒、バインダー前駆体及びバインダーからなる群より選ばれる成分、紫外線吸収剤、防腐剤、pH調整剤、消泡剤、重合開始剤、触媒、光触媒性材料、充填剤、老化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、接着性付与剤、レベリング剤、艶消し剤、光安定剤、染料、顔料、香料、並びに分散安定剤等の公知の添加剤が挙げられる。
上記組成物は、なかでも、溶媒、バインダー前駆体及びバインダーからなる群より選ばれる成分、界面活性剤(レベリング剤)、及び有機金属触媒を含むことが好ましい。
上記組成物は本発明の効果を奏する範囲内において、その他の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては、例えば、溶媒、バインダー前駆体及びバインダーからなる群より選ばれる成分、紫外線吸収剤、防腐剤、pH調整剤、消泡剤、重合開始剤、触媒、光触媒性材料、充填剤、老化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、接着性付与剤、レベリング剤、艶消し剤、光安定剤、染料、顔料、香料、並びに分散安定剤等の公知の添加剤が挙げられる。
上記組成物は、なかでも、溶媒、バインダー前駆体及びバインダーからなる群より選ばれる成分、界面活性剤(レベリング剤)、及び有機金属触媒を含むことが好ましい。
<溶媒>
上記組成物は、溶媒を含んでいてもよい。
上記組成物中における溶媒の含有量としては特に制限されないが、組成物がより優れた塗布性を有する点で、組成物の固形分が、0.001~80質量%に調整されるのが好ましく、0.01~10質量%に調整されるのがより好ましく、0.1~5.0質量%に調整されるのが更に好ましい。
溶媒は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の溶媒を併用する場合、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
上記組成物は、溶媒を含んでいてもよい。
上記組成物中における溶媒の含有量としては特に制限されないが、組成物がより優れた塗布性を有する点で、組成物の固形分が、0.001~80質量%に調整されるのが好ましく、0.01~10質量%に調整されるのがより好ましく、0.1~5.0質量%に調整されるのが更に好ましい。
溶媒は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の溶媒を併用する場合、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
溶媒としては特に制限されず、水及び/又は有機溶媒が挙げられる。有機溶媒としては、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、sec-ブタノール、tert-ブタノール、n-ペンタノール、イソペンタノール、フェニルエチルアルコール、カプリルアルコール、ラウリルアルコール、及びミリスチルアルコール等のアルコール系溶媒;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、及びジプロピレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、及びエチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、及びエチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジイソプロピルエーテル、及びジ-n-ブチルエーテル等のエーテル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、及びメチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n-ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n-アミル、酢酸イソアミル、酢酸ヘキシル、プロピオン酸エチル、及びプロピオン酸ブチル等のエステル系溶媒;10%安息香酸デナトニウムアルコール溶液、ゲラニオール、八アセチル化ショ糖、ブルシン、リナロール、リナリールアセテート、及び酢酸等の親水性溶媒;が挙げられる。
組成物が抗肺炎桿菌活性により優れる点で、溶媒として、水及びアルコールからなる群より選ばれる溶媒を1種以上含むことが好ましく、水及びアルコールをいずれも含むことがより好ましい。
溶媒中における水の含有量としては特に制限されないが、溶媒の全質量に対して、例えば、0.001~100質量%であり、0.001~80質量%が好ましく、0.01~75質量%がより好ましく、5~75質量%が更に好ましい。
一方、組成物が溶媒としてアルコールを含む場合、特定抗菌剤粒子中の金属原子の溶媒への過度な溶出を抑制しやすい利点がある。
アルコールとしては、エタノールを含むことが好ましい。
上記組成物中、特定抗菌剤粒子の沈降を抑制する観点から、アルコールの含有量は、組成物全質量に対して、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、45質量%以上が更に好ましい。上限は特に制限されないが、例えば、99質量%以下が好ましい。
また、溶媒中におけるアルコールの含有量としては特に制限されないが、溶媒の全質量に対して、0.001~100質量%が好ましく、0.01~90質量%がより好ましく、5~60質量%が更に好ましく、5~50質量%が特に好ましい。
アルコールとしては、エタノールを含むことが好ましい。
上記組成物中、特定抗菌剤粒子の沈降を抑制する観点から、アルコールの含有量は、組成物全質量に対して、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、45質量%以上が更に好ましい。上限は特に制限されないが、例えば、99質量%以下が好ましい。
また、溶媒中におけるアルコールの含有量としては特に制限されないが、溶媒の全質量に対して、0.001~100質量%が好ましく、0.01~90質量%がより好ましく、5~60質量%が更に好ましく、5~50質量%が特に好ましい。
<バインダー前駆体及びバインダーからなる群より選ばれる成分>
上記組成物は、バインダー前駆体及びバインダーからなる群より選ばれる成分を含むことが好ましい。なお、バインダー前駆体とは、縮合及び重合等の硬化反応によりバインダーを形成可能な材料を意味する。また、バインダーは、特定抗菌剤粒子を支持可能な膜を形成できる材料を意味する。
上記組成物がバインダー前駆体及びバインダーからなる群より選ばれる成分を含む場合、上記組成物により形成される膜において、特定抗菌剤粒子は、バインダーに固定化されて優れた抗肺炎桿菌活性を示す。
上記組成物は、バインダー前駆体及びバインダーからなる群より選ばれる成分を含むことが好ましい。なお、バインダー前駆体とは、縮合及び重合等の硬化反応によりバインダーを形成可能な材料を意味する。また、バインダーは、特定抗菌剤粒子を支持可能な膜を形成できる材料を意味する。
上記組成物がバインダー前駆体及びバインダーからなる群より選ばれる成分を含む場合、上記組成物により形成される膜において、特定抗菌剤粒子は、バインダーに固定化されて優れた抗肺炎桿菌活性を示す。
上記組成物中におけるバインダー前駆体及びバインダーからなる群より選ばれる成分の含有量としては特に制限されないが、組成物の全固形分に対して、その下限値は1.0質量%以上が好ましく、20.0質量%以上がより好ましく、30.0質量%以上が更に好ましい。また、その上限値は、99.8質量%以下が好ましく、90.0質量%以下がより好ましく、80.0質量%以下が更に好ましい。
なお、バインダー前駆体及びバインダーからなる群より選ばれる成分は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の成分を併用する場合、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
なお、バインダー前駆体及びバインダーからなる群より選ばれる成分は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の成分を併用する場合、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
また、得られる膜の抗肺炎桿菌活性がより優れる点で、バインダー前駆体及びバインダーからなる群より選ばれる成分は、親水性を示すことが好ましい。つまり、上記バインダー前駆体は、親水性バインダー前駆体であることが好ましく、及び上記バインダーは、親水性バインダーであることが好ましい。
親水性バインダーとしては、ガラス基板上に上記親水性バインダーからなる膜を形成した場合、例えば、水接触角が60°以下となるもの好ましく、50°以下となるものが好ましい。水接触角の下限については特に制限されないが、一般に5°以上が好ましい。なお、水接触角は、JIS R 3257:1999の静滴法に基づいて測定を行う。測定には、協和界面科学株式会社製FAMMS DM-701を用いる。
バインダー前駆体及びバインダーからなる群より選ばれる成分としては特に制限されないが、親水性バインダー前駆体及び親水性バインダーからなる群より選ばれる成分が好ましく、堅牢性がより優れる点で、シリケート系化合物、親水性基を有するモノマー(以下、「親水性モノマー」ともいう。)、及び親水性基を有するポリマー(以下、「親水性ポリマー」ともいう。)からなる群から選択される少なくとも1種がより好ましい。
なお、親水性基を有するモノマーとは、親水性基と重合性基とを有する化合物を意味する。親水性モノマーは、上記組成物が後述する重合開始剤を含有する場合、重合して親水性ポリマーを形成する。
以下に、シリケート系化合物、親水性モノマー、及び親水性ポリマーについて、それぞれ説明する。
なお、親水性基を有するモノマーとは、親水性基と重合性基とを有する化合物を意味する。親水性モノマーは、上記組成物が後述する重合開始剤を含有する場合、重合して親水性ポリマーを形成する。
以下に、シリケート系化合物、親水性モノマー、及び親水性ポリマーについて、それぞれ説明する。
(シリケート系化合物)
本明細書において、シリケート系化合物とは、ケイ素原子に加水分解性基が結合した化合物、その加水分解物、及びその加水分解縮合物からなる群から選択される化合物であり、例えば、下記式(1)で表される化合物、その加水分解物、及びその加水分解縮合物からなる群から選択される少なくとも1種が挙げられる。
式(1) Si-(OR)4
上記式(1)中、Rは、炭素数1~4のアルキル基を表し、同一でも異なってもよい。
本明細書において、シリケート系化合物とは、ケイ素原子に加水分解性基が結合した化合物、その加水分解物、及びその加水分解縮合物からなる群から選択される化合物であり、例えば、下記式(1)で表される化合物、その加水分解物、及びその加水分解縮合物からなる群から選択される少なくとも1種が挙げられる。
式(1) Si-(OR)4
上記式(1)中、Rは、炭素数1~4のアルキル基を表し、同一でも異なってもよい。
上記式(1)で表わされる化合物としては、テトラメチルシリケート、テトラエチルシリケート、テトラ-n-プロピルシリケート、テトラ-i-プロピルシリケート、テトラ-n-ブチルシリケート、テトラ-i-ブチルシリケート、テトラ-t-ブチルシリケート、メチルエチルシリケート、メチルプロピルシリケート、メチルブチルシリケート、エチルプロピルシリケート、及びプロピルブチルシリケート等が挙げられる。
式(1)で表される化合物の加水分解物とは、式(1)で表される化合物中のOR基が加水分解して得られる化合物を意図する。なお、上記加水分解物は、OR基のすべてが加水分解されているもの(完全加水分解物)であっても、OR基の一部が加水分解されているもの(部分加水分解物)であってもよい。つまり、上記加水分解物は、完全加水分解物、若しくは、部分加水分解物、又は、これらの混合物であってもよい。
また、式(1)で表される化合物の加水分解縮合物とは、式(1)で表される化合物中のOR基が加水分解し、得られた加水分解物を縮合して得られる化合物を意図する。なお、上記加水分解縮合物としては、すべてのOR基が加水分解され、かつ、加水分解物がすべて縮合されているもの(完全加水分解縮合物)であっても、一部のOR基が加水分解され、一部の加水分解物が縮合しているもの(部分加水分解縮合物)であってもよい。つまり、上記加水分解縮合物は、完全加水分解縮合物、若しくは、部分加水分解縮合物、又は、これらの混合物であってもよい。
なお、加水分解縮合物の縮合度としては、1~100が好ましく、1~20がより好ましく、3~15が更に好ましい。
また、式(1)で表される化合物の加水分解縮合物とは、式(1)で表される化合物中のOR基が加水分解し、得られた加水分解物を縮合して得られる化合物を意図する。なお、上記加水分解縮合物としては、すべてのOR基が加水分解され、かつ、加水分解物がすべて縮合されているもの(完全加水分解縮合物)であっても、一部のOR基が加水分解され、一部の加水分解物が縮合しているもの(部分加水分解縮合物)であってもよい。つまり、上記加水分解縮合物は、完全加水分解縮合物、若しくは、部分加水分解縮合物、又は、これらの混合物であってもよい。
なお、加水分解縮合物の縮合度としては、1~100が好ましく、1~20がより好ましく、3~15が更に好ましい。
式(1)で表される化合物は、水成分とともに混合されることにより、少なくとも一部が加水分解された状態となる。式(1)で表される化合物の加水分解物は、式(1)で表される化合物を水成分と反応させ、ケイ素に結合したOR基をヒドロキシ基に変化させることにより得られる。加水分解に際しては必ずしも全てのOR基が反応する必要はないが、塗布後に親水性を発揮するためにはなるべく多くのOR基が加水分解されることが好ましい。また、加水分解に際して最低限必要な水成分の量は式(1)で表される化合物のOR基と等しいモル量となるが、反応を円滑に進めるには大過剰の量の水が存在することが好ましい。
なお、上記シリケート系化合物の加水分解反応は室温でも進行するが、反応促進のために加温してもよい。また反応時間は長い方がより反応が進むため好ましい。また、触媒の存在下であれば半日程度でも加水分解物を得ることが可能である。
なお、一般に加水分解反応は可逆反応であり、系から水が除かれると上記シリケート系化合物の加水分解物はヒドロキシ基間で縮合を開始してしまう。従って、上記シリケート系化合物に大過剰の水を反応させて加水分解物の水溶液を得た場合、そこから加水分解物を無理に単離せずに水溶液のまま用いることが好ましい。
なお、一般に加水分解反応は可逆反応であり、系から水が除かれると上記シリケート系化合物の加水分解物はヒドロキシ基間で縮合を開始してしまう。従って、上記シリケート系化合物に大過剰の水を反応させて加水分解物の水溶液を得た場合、そこから加水分解物を無理に単離せずに水溶液のまま用いることが好ましい。
上記シリケート系化合物の好適態様としては、式(X)で表される化合物が挙げられる。
ここで、式(X)中、R1~R4はそれぞれ独立に炭素数1~4のアルキル基を表す。また、nは2~100の整数を表す。
nは、3~15が好ましく、5~10がより好ましい。
nは、3~15が好ましく、5~10がより好ましい。
上記シリケート系化合物の市販品としては、例えば、コルコート社製「エチルシリケート48」、及び三菱化学社製「MKCシリケート MS51」等が挙げられる。
なお、シリケート系化合物は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
なお、シリケート系化合物は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
(親水性を有するモノマー(親水性モノマー))
親水性基としては特に制限されず、例えば、ポリオキシアルキレン基(例えば、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、オキシエチレン基とオキシプロピレン基がブロック又はランダム結合したポリオキシアルキレン基)、アミノ基、カルボキシ基、カルボキシ基のアルカリ金属塩、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミド基、カルバモイル基、スルホンアミド基、スルファモイル基、スルホン酸基、及びスルホン酸基のアルカリ金属塩等が挙げられる。親水性モノマー中における親水性基の数は特に制限されないが、得られる膜がより親水性を示す点より、2個以上が好ましく、2~6個がより好ましく、2~3個が更に好ましい。
親水性基としては特に制限されず、例えば、ポリオキシアルキレン基(例えば、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、オキシエチレン基とオキシプロピレン基がブロック又はランダム結合したポリオキシアルキレン基)、アミノ基、カルボキシ基、カルボキシ基のアルカリ金属塩、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミド基、カルバモイル基、スルホンアミド基、スルファモイル基、スルホン酸基、及びスルホン酸基のアルカリ金属塩等が挙げられる。親水性モノマー中における親水性基の数は特に制限されないが、得られる膜がより親水性を示す点より、2個以上が好ましく、2~6個がより好ましく、2~3個が更に好ましい。
重合性基としては特に制限されず、例えば、ラジカル重合性基、カチオン重合性基、及びアニオン重合性基等が挙げられる。ラジカル重合性基としては、(メタ)アクリロイル基、アクリルアミド基、ビニル基、スチリル基、及びアリル基等が挙げられる。カチオン重合性基としては、ビニルエーテル基、オキシラニル基、及びオキセタニル基等が挙げられる。なかでも、重合性基としては、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
親水性モノマー中における重合性基の数は特に制限されないが、得られる膜の機械的強度がより優れる点で、2個以上が好ましく、2~6個がより好ましく、2~3個が更に好ましい。
親水性モノマー中における重合性基の数は特に制限されないが、得られる膜の機械的強度がより優れる点で、2個以上が好ましく、2~6個がより好ましく、2~3個が更に好ましい。
親水性モノマーの重合により形成される親水性ポリマーの主鎖の構造は特に制限されず、例えば、ポリウレタン、ポリ(メタ)アクリレート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、及びポリウレア等が挙げられる。
親水性モノマーは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
親水性モノマーは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
(親水性を有するポリマー(親水性ポリマー))
親水性ポリマーとしては特に制限されず、公知のものを使用できる。なお、親水性基の定義は、上述したとおりである。
親水性ポリマーとしては、上記親水性モノマーを重合して得られるポリマーが挙げられる。それ以外にも、例えば、セルロース系化合物が挙げられる。セルロース系化合物とは、セルロースを母核とする化合物を意図し、例えば、カルボキシメチルセルロースのほか、トリアセチルセルロースを原料とするナノファイバー等が挙げられる。
親水性ポリマーの重量平均分子量は特に制限されないが、溶解性等取扱い性がより優れる点で、1,000~1,000,000が好ましく、10,000~500,000がより好ましい。なお、本明細書において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定でのポリスチレン換算値として定義される。
親水性ポリマーは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
親水性ポリマーとしては特に制限されず、公知のものを使用できる。なお、親水性基の定義は、上述したとおりである。
親水性ポリマーとしては、上記親水性モノマーを重合して得られるポリマーが挙げられる。それ以外にも、例えば、セルロース系化合物が挙げられる。セルロース系化合物とは、セルロースを母核とする化合物を意図し、例えば、カルボキシメチルセルロースのほか、トリアセチルセルロースを原料とするナノファイバー等が挙げられる。
親水性ポリマーの重量平均分子量は特に制限されないが、溶解性等取扱い性がより優れる点で、1,000~1,000,000が好ましく、10,000~500,000がより好ましい。なお、本明細書において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定でのポリスチレン換算値として定義される。
親水性ポリマーは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
<重合開始剤>
上記組成物が親水性モノマーを含む場合、上記組成物は、重合開始剤を含むことが好ましい。
重合開始剤としては特に制限されず、公知の重合開始剤が使用できる。
重合開始剤としては、例えば、熱重合開始剤、及び光重合開始剤等が挙げられる。
重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、及びフェニルフォスフィンオキシド等の芳香族ケトン類;α-ヒドロキシアルキルフェノン系化合物(BASF社製、IRGACURE184、127、2959、及びDAROCUR1173等);フェニルフォスフィンオキシド系化合物(モノアシルフォスフィンオキサイド:BASF社製 IRGACURE TPO、ビスアシルフォスフィンオキサイド:BASF社製 IRGACURE 819);等が挙げられる。
なかでも、反応効率の観点で、光重合開始剤が好ましい。
上記組成物が親水性モノマーを含む場合、上記組成物は、重合開始剤を含むことが好ましい。
重合開始剤としては特に制限されず、公知の重合開始剤が使用できる。
重合開始剤としては、例えば、熱重合開始剤、及び光重合開始剤等が挙げられる。
重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、及びフェニルフォスフィンオキシド等の芳香族ケトン類;α-ヒドロキシアルキルフェノン系化合物(BASF社製、IRGACURE184、127、2959、及びDAROCUR1173等);フェニルフォスフィンオキシド系化合物(モノアシルフォスフィンオキサイド:BASF社製 IRGACURE TPO、ビスアシルフォスフィンオキサイド:BASF社製 IRGACURE 819);等が挙げられる。
なかでも、反応効率の観点で、光重合開始剤が好ましい。
上記組成物中における重合開始剤の含有量としては特に制限されないが、親水性モノマー100質量部に対して、0.1~15質量部が好ましく、1~6質量部がより好ましい。
なお、重合開始剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の重合開始剤を併用する場合、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
なお、重合開始剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の重合開始剤を併用する場合、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
<触媒>
上記組成物がシリケート系化合物を含有する場合、組成物は、シリケート系化合物の縮合を促進する触媒(以下「反応触媒」ともいう。)を含んでいてもよい。
上記組成物がシリケート系化合物を含有する場合、組成物は、シリケート系化合物の縮合を促進する触媒(以下「反応触媒」ともいう。)を含んでいてもよい。
触媒としては特に制限されないが、アルカリ触媒及び有機金属触媒等が挙げられる。
アルカリ触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及び水酸化テトラメチルアンモニウム等が挙げられる。
有機金属触媒としては、アルミニウムビス(エチルアセトアセテート)モノ(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、及びアルミニウムエチルアセトアセテートジイソプロピレート等のアルミキレート化合物、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、及びジルコニウムビス(ブトキシ)ビス(アセチルアセトネート)等のジルコニウムキレート化合物、チタニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、及びチタニウムビス(ブトキシ)ビス(アセチルアセトネート)等のチタンキレート化合物、並びに、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、及びジブチルスズジオクチエート等の有機スズ化合物等が挙げられる。
なかでも、より優れた本発明の効果を有する組成物が得られる点で、触媒としては、有機金属触媒が好ましく、なかでも、アルミニウムキレート化合物、又はジルコニウムキレート化合物がより好ましく、アルミニウムキレート化合物が更に好ましい。
アルカリ触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及び水酸化テトラメチルアンモニウム等が挙げられる。
有機金属触媒としては、アルミニウムビス(エチルアセトアセテート)モノ(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、及びアルミニウムエチルアセトアセテートジイソプロピレート等のアルミキレート化合物、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、及びジルコニウムビス(ブトキシ)ビス(アセチルアセトネート)等のジルコニウムキレート化合物、チタニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、及びチタニウムビス(ブトキシ)ビス(アセチルアセトネート)等のチタンキレート化合物、並びに、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、及びジブチルスズジオクチエート等の有機スズ化合物等が挙げられる。
なかでも、より優れた本発明の効果を有する組成物が得られる点で、触媒としては、有機金属触媒が好ましく、なかでも、アルミニウムキレート化合物、又はジルコニウムキレート化合物がより好ましく、アルミニウムキレート化合物が更に好ましい。
触媒の含有量は、組成物の全固形分100質量部に対して、0.1~20質量部が好ましく、0.2~15質量部がより好ましく、0.3~10質量部が更に好ましい。
なお、触媒は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の触媒を併用する場合、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
なお、触媒は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の触媒を併用する場合、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
<界面活性剤>
上記組成物は、界面活性剤を含んでいてもよい。界面活性剤は組成物の塗布性を向上する作用を有する。
界面活性剤は特に制限されず、例えば、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及び両性型界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤の含有量は特に制限されないが、組成物の全固形分100質量部に対して、0.01質量部以上が好ましい。なお、界面活性剤の含有量の上限値は特に制限されないが、組成物の全固形分100質量部に対して、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましく、4質量部以下が更に好ましい。
なお、界面活性剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合は、それらの合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
上記組成物は、界面活性剤を含んでいてもよい。界面活性剤は組成物の塗布性を向上する作用を有する。
界面活性剤は特に制限されず、例えば、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及び両性型界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤の含有量は特に制限されないが、組成物の全固形分100質量部に対して、0.01質量部以上が好ましい。なお、界面活性剤の含有量の上限値は特に制限されないが、組成物の全固形分100質量部に対して、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましく、4質量部以下が更に好ましい。
なお、界面活性剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合は、それらの合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリエチレングリコールモノラウリルエーテル、ポリエチレングリコールモノステアリルエーテル、ポリエチレングリコールモノセチルエーテル、ポリエチレングリコールモノラウリルエステル、及びポリエチレングリコールモノステアリルエステルが挙げられる。
イオン性界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、及びアルキルリン酸塩等のアニオン性界面活性剤;アルキルトリメチルアンモニウム塩、及びジアルキルジメチルアンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤;アルキルカルボキシベタイン等の両性型界面活性剤が挙げられる。
<香料>
上記組成物は、香料を含んでいてもよい。
香料として、長谷川香料社製のフレーバーH-1、H-2、H-3、H-4、H-6、H-9、H-10、H-11、H-12、H-13、H-14、高砂香料工業社製のフレーバーT-100、T-101、T-102、T-103、T-104、T-105、T-106、T-107、EDA-171、曽田香料社製フレーバーS-201、理研香料工業社製フレーバーDA-40等を含んでもよい。
香料の含有量は、組成物の全質量に対して、0.01~5質量%が好ましい。
上記組成物は、香料を含んでいてもよい。
香料として、長谷川香料社製のフレーバーH-1、H-2、H-3、H-4、H-6、H-9、H-10、H-11、H-12、H-13、H-14、高砂香料工業社製のフレーバーT-100、T-101、T-102、T-103、T-104、T-105、T-106、T-107、EDA-171、曽田香料社製フレーバーS-201、理研香料工業社製フレーバーDA-40等を含んでもよい。
香料の含有量は、組成物の全質量に対して、0.01~5質量%が好ましい。
<造膜剤>
上記組成物は、造膜剤を含んでいてもよい。造膜剤としては、例えば、熱可塑性樹脂が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、最低造膜温度が0~35℃の樹脂が好ましく、公知の熱可塑性樹脂が使用できる。例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素化ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、セルロースアシレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、シクロオレフィンコポリマーからなる樹脂、フルオレン環変性ポリカーボネート樹脂、脂環変性ポリカーボネート樹脂、及びフルオレン環変性ポリエステル樹脂等が挙げられる。なかでも、(メタ)アクリル樹脂、又はウレタン樹脂が好ましい。
なお、熱可塑性樹脂は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。上記組成物が、造膜剤として熱可塑性樹脂を含む場合、熱可塑性樹脂の含有量は、熱可塑性樹脂の種類等に応じて適宜調節すればよいが、例えば、組成物の全固形分に対して、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。
上記組成物は、造膜剤を含んでいてもよい。造膜剤としては、例えば、熱可塑性樹脂が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、最低造膜温度が0~35℃の樹脂が好ましく、公知の熱可塑性樹脂が使用できる。例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素化ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、セルロースアシレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、シクロオレフィンコポリマーからなる樹脂、フルオレン環変性ポリカーボネート樹脂、脂環変性ポリカーボネート樹脂、及びフルオレン環変性ポリエステル樹脂等が挙げられる。なかでも、(メタ)アクリル樹脂、又はウレタン樹脂が好ましい。
なお、熱可塑性樹脂は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。上記組成物が、造膜剤として熱可塑性樹脂を含む場合、熱可塑性樹脂の含有量は、熱可塑性樹脂の種類等に応じて適宜調節すればよいが、例えば、組成物の全固形分に対して、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。
<消臭剤>
上記組成物は、消臭剤を含んでいてもよい。
上記消臭剤としては、例えば、活性炭、ゼオライト、リン酸ジルコニウム、リン酸ガラス、及びハイドロキシアパタイト等が挙げられる。
上記組成物は、消臭剤を含んでいてもよい。
上記消臭剤としては、例えば、活性炭、ゼオライト、リン酸ジルコニウム、リン酸ガラス、及びハイドロキシアパタイト等が挙げられる。
<抗菌剤>
上記組成物は、特定抗菌剤以外のその他の抗菌剤を含んでいてもよい。
上記抗菌剤としては、例えば、公知の銀含有抗菌剤等が挙げられる。
上記組成物は、特定抗菌剤以外のその他の抗菌剤を含んでいてもよい。
上記抗菌剤としては、例えば、公知の銀含有抗菌剤等が挙げられる。
〔組成物のpH〕
上記組成物のpHは特に制限されないが、実使用環境で使用者の手荒れ等を考慮した場合、pHを適切な範囲に調整することが好ましい。
上記組成物のpHは、一般的に、2.0~12.0が好ましく、特定抗菌剤粒子が酸又はアルカリにより溶解しにくい又は変質しにくい点で、3.0~11.0がより好ましく、6.0~8.0が更に好ましい。なお、組成物のpHの調整方法としては、上記組成物に、酸又はアルカリを配合する方法が挙げられる。
なお、pHは、市販のpH測定メータ(例えば、東亜ディーケーケー社製のpHメータ HM-30R等)を用いて測定できる。
上記組成物のpHは特に制限されないが、実使用環境で使用者の手荒れ等を考慮した場合、pHを適切な範囲に調整することが好ましい。
上記組成物のpHは、一般的に、2.0~12.0が好ましく、特定抗菌剤粒子が酸又はアルカリにより溶解しにくい又は変質しにくい点で、3.0~11.0がより好ましく、6.0~8.0が更に好ましい。なお、組成物のpHの調整方法としては、上記組成物に、酸又はアルカリを配合する方法が挙げられる。
なお、pHは、市販のpH測定メータ(例えば、東亜ディーケーケー社製のpHメータ HM-30R等)を用いて測定できる。
〔組成物の比重〕
上記組成物の比重は特に制限されないが、0.5~1.2が好ましい。
上記組成物の比重は特に制限されないが、0.5~1.2が好ましい。
〔組成物の粘度〕
上記組成物の粘度は特に制限されず、用途に応じて調整すればよい。
例えば、塗布性又はスプレー等に適用する場合、組成物の25℃における粘度は、300cP(センチポアズ:1cp=1mPa・s)以下が好ましく、200cP以下がより好ましく、0.1~150cPが更に好ましい。
また、抗肺炎桿菌活性効果を長時間持続させる場合は、組成物の25℃における粘度は、250cP以上が好ましく、300cP以上がより好ましく、400cP以上が更に好ましい。なお、その上限は、例えば、500cP以下である。
なお、粘度は、東機産業社製VISCOMETER TUB-10、又は、セコニック社製SEKONIC VISCOMETERを用いて測定できる。
上記組成物の粘度は特に制限されず、用途に応じて調整すればよい。
例えば、塗布性又はスプレー等に適用する場合、組成物の25℃における粘度は、300cP(センチポアズ:1cp=1mPa・s)以下が好ましく、200cP以下がより好ましく、0.1~150cPが更に好ましい。
また、抗肺炎桿菌活性効果を長時間持続させる場合は、組成物の25℃における粘度は、250cP以上が好ましく、300cP以上がより好ましく、400cP以上が更に好ましい。なお、その上限は、例えば、500cP以下である。
なお、粘度は、東機産業社製VISCOMETER TUB-10、又は、セコニック社製SEKONIC VISCOMETERを用いて測定できる。
〔ゼータ電位〕
上記組成物のゼータ電位は、特に制限されないが、組成物中において、粒状物が適度に分散して耐沈降性により優れることを考慮すると、適切な範囲に調整することが好ましい。上記組成物のゼータ電位は、80mV~-80mVが好ましく、70mV~-70mVがより好ましく、60mV~-60mVが更に好ましい。
なお、ゼータ電位は、公知の方法を用いて測定することができ、分散液をガラス製の専用測定セルに所定量導入し、大塚電子社製 ELSZ1EASを用いて測定することができる。
上記組成物のゼータ電位は、特に制限されないが、組成物中において、粒状物が適度に分散して耐沈降性により優れることを考慮すると、適切な範囲に調整することが好ましい。上記組成物のゼータ電位は、80mV~-80mVが好ましく、70mV~-70mVがより好ましく、60mV~-60mVが更に好ましい。
なお、ゼータ電位は、公知の方法を用いて測定することができ、分散液をガラス製の専用測定セルに所定量導入し、大塚電子社製 ELSZ1EASを用いて測定することができる。
〔組成物の製造方法〕
なお、上記組成物は、更に、本発明の効果を奏する範囲において、必要に応じてその他の添加剤を含んでいてもよい。
上記組成物は、上述した必須成分及び任意成分を、適宜混合することによって調製できる。なお、上記成分の混合の順番は特に制限されない。
なお、上記組成物は、更に、本発明の効果を奏する範囲において、必要に応じてその他の添加剤を含んでいてもよい。
上記組成物は、上述した必須成分及び任意成分を、適宜混合することによって調製できる。なお、上記成分の混合の順番は特に制限されない。
〔組成物の用途〕
上記組成物を用いて膜を形成できる。
上記膜の形成方法は特に制限されないが、上記組成物を所望の基材、又は物品に塗布して塗膜を形成し、これを乾燥又は硬化して膜とする方法(塗布法)が好ましい。
上記組成物を所望の基材、又は物品に塗布する方法は特に制限されない。例えば、スプレー、ロールコータ、グラビアコータ、スクリーン、スピンコータ、フローコータ、インクジェット、静電塗装、及びワイプが挙げられる。なかでも、既存の物品の表面に、需要に応じて膜を形成して処理(オンデマンド処理)ができる点で、スプレー、又はワイプが好ましく、ワイプがより好ましい。
ワイプによる膜の形成方法としては特に制限されず、公知の方法を用いることができる。例えば、以下の方法が挙げられる。まず、上記組成物を不織布等の基布に含浸させ、その後、上記基布で基材、又は物品の表面を拭く。これにより、基材、又は物品表面に上記組成物による塗膜が形成される。その後、形成された塗膜を乾燥又は硬化して膜を得る。
上記組成物を用いて膜を形成できる。
上記膜の形成方法は特に制限されないが、上記組成物を所望の基材、又は物品に塗布して塗膜を形成し、これを乾燥又は硬化して膜とする方法(塗布法)が好ましい。
上記組成物を所望の基材、又は物品に塗布する方法は特に制限されない。例えば、スプレー、ロールコータ、グラビアコータ、スクリーン、スピンコータ、フローコータ、インクジェット、静電塗装、及びワイプが挙げられる。なかでも、既存の物品の表面に、需要に応じて膜を形成して処理(オンデマンド処理)ができる点で、スプレー、又はワイプが好ましく、ワイプがより好ましい。
ワイプによる膜の形成方法としては特に制限されず、公知の方法を用いることができる。例えば、以下の方法が挙げられる。まず、上記組成物を不織布等の基布に含浸させ、その後、上記基布で基材、又は物品の表面を拭く。これにより、基材、又は物品表面に上記組成物による塗膜が形成される。その後、形成された塗膜を乾燥又は硬化して膜を得る。
[膜]
本発明の膜は、上述した組成物を用いて形成される膜である。
以下において、膜の製造方法について詳述する。
本発明の膜は、上述した組成物を用いて形成される膜である。
以下において、膜の製造方法について詳述する。
〔膜の製造方法〕
本発明の膜は、例えば、上記組成物を乾燥又は硬化して得られる。上記組成物としては、既に説明したとおりである。
なお、上記組成物がバインダー前駆体を含む場合、上記膜は、組成物の塗膜(組成物層)を硬化して得られる。言い換えると、上記膜は、上記組成物層の硬化処理によって、組成物層中のバインダー前駆体をバインダーとすることにより得られる。
これに対して、上記組成物がバインダーのみを含む場合、組成物に対して硬化処理を実施する必要はない。
本発明の膜は、例えば、上記組成物を乾燥又は硬化して得られる。上記組成物としては、既に説明したとおりである。
なお、上記組成物がバインダー前駆体を含む場合、上記膜は、組成物の塗膜(組成物層)を硬化して得られる。言い換えると、上記膜は、上記組成物層の硬化処理によって、組成物層中のバインダー前駆体をバインダーとすることにより得られる。
これに対して、上記組成物がバインダーのみを含む場合、組成物に対して硬化処理を実施する必要はない。
〔膜の膜厚〕
膜の膜厚としては特に制限されないが、0.001~50μmが好ましく、0.01~10μmがより好ましい。
なお、上記膜厚とは、膜のサンプル片を樹脂に包埋して、ミクロトームで断面を削り出し、削り出した断面を走査電子顕微鏡で観察し測定する。膜の任意の10点の位置における厚みを測定し、それらを算術平均した値を意図する。
膜の膜厚としては特に制限されないが、0.001~50μmが好ましく、0.01~10μmがより好ましい。
なお、上記膜厚とは、膜のサンプル片を樹脂に包埋して、ミクロトームで断面を削り出し、削り出した断面を走査電子顕微鏡で観察し測定する。膜の任意の10点の位置における厚みを測定し、それらを算術平均した値を意図する。
[膜付き基材]
本発明の実施形態に係る膜付き基材は、基材と、組成物を用いて形成される膜と、を有する。膜付き基材としては、基材と、組成物を用いて形成される膜とを有する積層体であればよく、基材の片側の表面上に膜を有してもよいし、基材の両側の表面上に膜を有してもよい。
本発明の実施形態に係る膜付き基材は、基材と、組成物を用いて形成される膜と、を有する。膜付き基材としては、基材と、組成物を用いて形成される膜とを有する積層体であればよく、基材の片側の表面上に膜を有してもよいし、基材の両側の表面上に膜を有してもよい。
基材は、膜を支持する役割を果たし、その種類は特に制限されない。
基材の形状は特に制限されないが、板状、フィルム状、シート状、チューブ状、繊維状、及び粒子状が挙げられる。
基材を構成する材料は特に制限されず、例えば、金属、ガラス、セラミックス、及びプラスチック(樹脂)が挙げられる。なかでも、取り扱い性の点から、プラスチックが好ましい。言い換えれば、基材としては、樹脂基材が好ましい。
基材の形状は特に制限されないが、板状、フィルム状、シート状、チューブ状、繊維状、及び粒子状が挙げられる。
基材を構成する材料は特に制限されず、例えば、金属、ガラス、セラミックス、及びプラスチック(樹脂)が挙げられる。なかでも、取り扱い性の点から、プラスチックが好ましい。言い換えれば、基材としては、樹脂基材が好ましい。
本発明の膜付き基材の製造方法は、上述の組成物を用いて基材上に膜を製造する方法に該当し、以下の工程を有する。
(1)組成物が、バインダー前駆体を含む場合、下記工程Aと、下記工程Bとを有することが好ましい
(2) 組成物が、実質的にバインダーのみを含む場合、下記工程Aを有することが好ましい。
(工程A)基材の表面に、組成物を塗布して、組成物層を形成する工程
(工程B)組成物層を硬化処理させて、膜を得る工程
以下に、工程A及び工程Bについて説明する。
(1)組成物が、バインダー前駆体を含む場合、下記工程Aと、下記工程Bとを有することが好ましい
(2) 組成物が、実質的にバインダーのみを含む場合、下記工程Aを有することが好ましい。
(工程A)基材の表面に、組成物を塗布して、組成物層を形成する工程
(工程B)組成物層を硬化処理させて、膜を得る工程
以下に、工程A及び工程Bについて説明する。
(工程A)
工程Aは、基材の表面に、組成物を塗布して、組成物層を形成する工程である。なお、組成物がバインダーを含む場合、基材の表面上に所定の膜が形成される。
基材の表面に組成物を塗布する方法は特に制限されず、公知の塗布法を用いることができる。
工程Aは、基材の表面に、組成物を塗布して、組成物層を形成する工程である。なお、組成物がバインダーを含む場合、基材の表面上に所定の膜が形成される。
基材の表面に組成物を塗布する方法は特に制限されず、公知の塗布法を用いることができる。
組成物層の膜厚は特に制限されないが、乾燥膜厚として、0.001~10μmが好ましい。
また、組成物を塗布した後、溶媒を除去するために加熱処理を行ってもよい。その場合の加熱処理の条件は特に制限されず、例えば、加熱温度としては、50~200℃が好ましく、加熱時間としては、15~600秒が好ましい。
なお、工程Aにおいて用いることができる基材としては、既に説明した基材の形態と同様である。
また、組成物を塗布した後、溶媒を除去するために加熱処理を行ってもよい。その場合の加熱処理の条件は特に制限されず、例えば、加熱温度としては、50~200℃が好ましく、加熱時間としては、15~600秒が好ましい。
なお、工程Aにおいて用いることができる基材としては、既に説明した基材の形態と同様である。
(工程B)
工程Bは、組成物層を硬化させて、膜を得る工程である。つまり、組成物層中に含まれるバインダー前駆体を縮合又は重合等の硬化反応によりバインダーとする工程である。
組成物層を硬化させる方法は特に制限されないが、例えば、加熱処理及び/又は露光処理が挙げられる。
露光処理は特に制限されないが、例えば、紫外線ランプにより100~600mJ/cm2の照射量の紫外線を照射して組成物層を硬化する形態が挙げられる。
紫外線照射の場合、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、及びメタルハライドランプ等の光線から発する紫外線等が利用できる。
加熱処理の温度は特に制限されないが、例えば、50~150℃が好ましく、80~120℃がより好ましい。
工程Bは、組成物層を硬化させて、膜を得る工程である。つまり、組成物層中に含まれるバインダー前駆体を縮合又は重合等の硬化反応によりバインダーとする工程である。
組成物層を硬化させる方法は特に制限されないが、例えば、加熱処理及び/又は露光処理が挙げられる。
露光処理は特に制限されないが、例えば、紫外線ランプにより100~600mJ/cm2の照射量の紫外線を照射して組成物層を硬化する形態が挙げられる。
紫外線照射の場合、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、及びメタルハライドランプ等の光線から発する紫外線等が利用できる。
加熱処理の温度は特に制限されないが、例えば、50~150℃が好ましく、80~120℃がより好ましい。
<スプレー>
本発明の実施形態に係るスプレーは、スプレー容器と、スプレー容器に収納された組成物と、を有する。組成物としては、既に説明したとおりである。
本発明のスプレーとしては、組成物と噴射剤とを所定の容器に充填した形態が一例として挙げられる。用いられる噴射剤は特に制限されないが、例えば、液化石油ガスが挙げられる。
本発明の実施形態に係るスプレーは、スプレー容器と、スプレー容器に収納された組成物と、を有する。組成物としては、既に説明したとおりである。
本発明のスプレーとしては、組成物と噴射剤とを所定の容器に充填した形態が一例として挙げられる。用いられる噴射剤は特に制限されないが、例えば、液化石油ガスが挙げられる。
<ウェットワイパー>
本発明実施形態に係るウェットワイパーは、基布と、基布に含浸させた組成物と、を有する。上記組成物としては、既に説明したとおりである。
本発明実施形態に係るウェットワイパーは、基布と、基布に含浸させた組成物と、を有する。上記組成物としては、既に説明したとおりである。
基布は特に制限されず、天然繊維で形成されたものであっても、化学繊維で形成されたものであってもよい。
天然繊維としては、例えば、パルプ、綿、麻、亜麻、羊毛、キヤメル、カシミヤ、モヘヤ、及び絹が挙げられる。
化学繊維の材料としては、レーヨン、ポリノジック、アセテート、トリアセテート、ナイロン、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリアルキレンパラオキシベンゾエート、及びポリクラールが挙げられる。
なかでも、これらの基布のうち、組成物が含浸しやすい点で、親水性の基布が好ましい。親水性の基布とは、例えば、水酸基、アミノ基、カルボキシ基、アミド基、及びスルホニル基等の親水性基を有する繊維を含む基布である。親水性の基布としては、具体的には、植物性繊維、綿、パルプ、動物性繊維、レーヨン、ナイロン、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、及びポリビニルアルコールが挙げられる。
上記ウェットワイパーの基布としては、不織布、布、タオル、ガーゼ、及び脱脂綿が挙げられ、不織布が好ましい。
また、基布の目付(単位面積当たりの質量)は、100g/m2以下が好ましい。上記組成物を基布に含浸させる際の含浸量は、基布の質量に対して1倍以上の量が好ましい。
天然繊維としては、例えば、パルプ、綿、麻、亜麻、羊毛、キヤメル、カシミヤ、モヘヤ、及び絹が挙げられる。
化学繊維の材料としては、レーヨン、ポリノジック、アセテート、トリアセテート、ナイロン、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリアルキレンパラオキシベンゾエート、及びポリクラールが挙げられる。
なかでも、これらの基布のうち、組成物が含浸しやすい点で、親水性の基布が好ましい。親水性の基布とは、例えば、水酸基、アミノ基、カルボキシ基、アミド基、及びスルホニル基等の親水性基を有する繊維を含む基布である。親水性の基布としては、具体的には、植物性繊維、綿、パルプ、動物性繊維、レーヨン、ナイロン、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、及びポリビニルアルコールが挙げられる。
上記ウェットワイパーの基布としては、不織布、布、タオル、ガーゼ、及び脱脂綿が挙げられ、不織布が好ましい。
また、基布の目付(単位面積当たりの質量)は、100g/m2以下が好ましい。上記組成物を基布に含浸させる際の含浸量は、基布の質量に対して1倍以上の量が好ましい。
以下に実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、及び処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により制限的に解釈されるべきものではない。
[各種成分]
以下に、実施例及び比較例で使用する各種成分について説明する。
以下に、実施例及び比較例で使用する各種成分について説明する。
〔抗菌剤粒子〕
実施例及び比較例で使用する抗菌剤粒子は、以下に示す製造方法により製造したものを使用した。
実施例及び比較例で使用する抗菌剤粒子は、以下に示す製造方法により製造したものを使用した。
<実施例1~2の抗菌剤粒子(銀担持ケイ酸アルミニウム粒子)の製造方法>
(ケイ酸アルミニウム粒子の微粒子化)
非晶質のケイ酸アルミニウム(「キョーワード700PEL」、協和化学工業(株)製)と純水とを混合し、固形分濃度が2.0質量%の混合物を調製した。次いで、得られた混合物1.8gとφ0.1mmのジルコニアビーズ0.5gとをセントチューブ(マルエム社製)に入れ、撹拌装置(TAITEC社製、Delta MiXer Se-08)を用いて強度6で96時間撹拌した。
上記手順により、微細化されたケイ酸アルミニウム粒子を含む分散液Aを得た。
なお、分散液中のケイ酸アルミニウム粒子の平均粒子径としては、抗菌剤粒子の平均粒子径が表1に示す数値となるように、平均粒子径が約170~約230nmとなる範囲で各実施例毎(実施例1~26)及び各比較例毎(比較例1~3)に調整した。
(ケイ酸アルミニウム粒子の微粒子化)
非晶質のケイ酸アルミニウム(「キョーワード700PEL」、協和化学工業(株)製)と純水とを混合し、固形分濃度が2.0質量%の混合物を調製した。次いで、得られた混合物1.8gとφ0.1mmのジルコニアビーズ0.5gとをセントチューブ(マルエム社製)に入れ、撹拌装置(TAITEC社製、Delta MiXer Se-08)を用いて強度6で96時間撹拌した。
上記手順により、微細化されたケイ酸アルミニウム粒子を含む分散液Aを得た。
なお、分散液中のケイ酸アルミニウム粒子の平均粒子径としては、抗菌剤粒子の平均粒子径が表1に示す数値となるように、平均粒子径が約170~約230nmとなる範囲で各実施例毎(実施例1~26)及び各比較例毎(比較例1~3)に調整した。
ここで、ケイ酸アルミニウム粒子の上記平均粒子径は、粒径アナライザー(大塚電子社製「FPER-1000」)を用いて測定し、ヒストグラム法にて算出した値(50%体積累積径(D50))である。
なお、ケイ酸アルミニウム粒子が非晶質であることは、XRD(X線回折)により同定した。具体的には、装置:SmartLab(RIGAKU製)、測定条件:40kV、30mA、反射配置にて測定し、非晶質に特徴的な20°~30°付近のブロードなピークのみが観察されたことから、非晶質であると同定した。
(抗菌剤粒子(銀担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液の作製)
上記ケイ酸アルミニウム粒子分散液Aに純水と1mol/L硝酸銀水溶液(富士フイルム和光純薬社製)とを、粒子濃度が0.25質量%、銀濃度が表1に記載の濃度(例えば、実施例1では80,000質量ppm)となるように混合した。
次いで、得られた混合物をスターラーを用いて24時間撹拌し、撹拌後の液を遠心分離した後、上澄みを除去することにより、沈殿物を得た。得られた沈殿物に純水を加えて、固形分濃度(粒子濃度)が0.5質量%となるように調整することで、抗菌剤粒子(銀担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液を得た。
上記ケイ酸アルミニウム粒子分散液Aに純水と1mol/L硝酸銀水溶液(富士フイルム和光純薬社製)とを、粒子濃度が0.25質量%、銀濃度が表1に記載の濃度(例えば、実施例1では80,000質量ppm)となるように混合した。
次いで、得られた混合物をスターラーを用いて24時間撹拌し、撹拌後の液を遠心分離した後、上澄みを除去することにより、沈殿物を得た。得られた沈殿物に純水を加えて、固形分濃度(粒子濃度)が0.5質量%となるように調整することで、抗菌剤粒子(銀担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液を得た。
≪抗菌剤粒子の物性≫
得られた抗菌剤粒子について、下記記載の方法により、平均粒子径、並びに銀の含有量及び銅の含有量を求めた。各測定結果については、表中に示す。
(1)平均粒子径の測定
抗菌剤粒子の粒子径は、粒径アナライザー(大塚電子社製「FPER-1000」)を用いて測定し、ヒストグラム法にて平均粒子径(50%体積累積径(D50))を算出した。
(2)銀の含有量及び銅の含有量の測定
マイクロウェーブ灰化装置(UltraWAVE、260℃)を用いて抗菌剤粒子分散液を灰化し、ICP-MS(アジレント・テクノロジー社製、Agilent7700s)により、抗菌剤粒子中の銀の含有量及び銅の含有量を測定した。
(3)ケイ酸アルミニウム及びケイ酸アルミニウム塩中のAl2O3の含有量及びSiO2の含有量の測定
マイクロウェーブ灰化装置(UltraWAVE、260℃)を用いて抗菌剤粒子分散液を灰化した後、ICP-MS(アジレント・テクノロジー社製、Agilent7700s)によって定量されるケイ素及びアルミニウムの含有量から換算して求めた。
得られた抗菌剤粒子について、下記記載の方法により、平均粒子径、並びに銀の含有量及び銅の含有量を求めた。各測定結果については、表中に示す。
(1)平均粒子径の測定
抗菌剤粒子の粒子径は、粒径アナライザー(大塚電子社製「FPER-1000」)を用いて測定し、ヒストグラム法にて平均粒子径(50%体積累積径(D50))を算出した。
(2)銀の含有量及び銅の含有量の測定
マイクロウェーブ灰化装置(UltraWAVE、260℃)を用いて抗菌剤粒子分散液を灰化し、ICP-MS(アジレント・テクノロジー社製、Agilent7700s)により、抗菌剤粒子中の銀の含有量及び銅の含有量を測定した。
(3)ケイ酸アルミニウム及びケイ酸アルミニウム塩中のAl2O3の含有量及びSiO2の含有量の測定
マイクロウェーブ灰化装置(UltraWAVE、260℃)を用いて抗菌剤粒子分散液を灰化した後、ICP-MS(アジレント・テクノロジー社製、Agilent7700s)によって定量されるケイ素及びアルミニウムの含有量から換算して求めた。
<実施例3~5、及び実施例12の抗菌剤粒子(銀担持ケイ酸アルミニウム粒子)の製造方法>
(抗菌剤粒子(銀担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液の作製)
上記ケイ酸アルミニウム粒子分散液Aに純水と酢酸銀(富士フイルム和光純薬社製)とを加え、粒子濃度が0.25質量%、銀濃度が表1に記載の濃度(例えば、実施例3では4,000質量ppm)となるように混合した。
次いで、得られた混合物をスターラーを用いて24時間撹拌し、撹拌後の液を遠心分離した後、上澄みを除去することにより、沈殿物を得た。得られた沈殿物に純水を加えて、固形分濃度(粒子濃度)が0.5質量%となるように調整することで、抗菌剤粒子(銀担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液を得た。
得られた抗菌剤粒子分散液中の抗菌剤粒子について、上述した方法により平均粒子径、並びに銀の含有量及び銅の含有量を測定した。各測定結果については、表中に示す。
(抗菌剤粒子(銀担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液の作製)
上記ケイ酸アルミニウム粒子分散液Aに純水と酢酸銀(富士フイルム和光純薬社製)とを加え、粒子濃度が0.25質量%、銀濃度が表1に記載の濃度(例えば、実施例3では4,000質量ppm)となるように混合した。
次いで、得られた混合物をスターラーを用いて24時間撹拌し、撹拌後の液を遠心分離した後、上澄みを除去することにより、沈殿物を得た。得られた沈殿物に純水を加えて、固形分濃度(粒子濃度)が0.5質量%となるように調整することで、抗菌剤粒子(銀担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液を得た。
得られた抗菌剤粒子分散液中の抗菌剤粒子について、上述した方法により平均粒子径、並びに銀の含有量及び銅の含有量を測定した。各測定結果については、表中に示す。
<実施例6~11の抗菌剤粒子(銀及び銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)の製造方法>
(抗菌剤粒子(銀及び銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液の作製)
上記ケイ酸アルミニウム粒子分散液Aに純水と酢酸銅(II)(富士フイルム和光純薬社製)とを加え、粒子濃度が0.25質量%、銅濃度が表1に記載の濃度(例えば、実施例6では200質量ppm)となるように混合した。
次いで、得られた混合物をスターラーを用いて24時間撹拌し、撹拌後の液を遠心分離した後、上澄みを除去することにより、沈殿物を得た。
得られた沈殿物に純水を加えて固形分濃度を0.5質量%に調整した後、調製後の分散液と酢酸銀(富士フイルム和光純薬社製)とを、粒子濃度が0.25質量%、銀濃度が表1に記載の濃度(例えば、実施例6では4,000質量ppm)となるように混合した。
次いで、得られた混合物をスターラーを用いて24時間撹拌し、撹拌後の液を遠心分離した後、上澄みを除去することにより、沈殿物を得た。得られた沈殿物に純水を加えて、固形分濃度(粒子濃度)が0.5質量%となるように調整することで、抗菌剤粒子(銀及び銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液を得た。
得られた抗菌剤粒子分散液中の抗菌剤粒子について、上述した方法により平均粒子径、並びに銀の含有量及び銅の含有量を測定した。各測定結果については、表1中に示す。
(抗菌剤粒子(銀及び銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液の作製)
上記ケイ酸アルミニウム粒子分散液Aに純水と酢酸銅(II)(富士フイルム和光純薬社製)とを加え、粒子濃度が0.25質量%、銅濃度が表1に記載の濃度(例えば、実施例6では200質量ppm)となるように混合した。
次いで、得られた混合物をスターラーを用いて24時間撹拌し、撹拌後の液を遠心分離した後、上澄みを除去することにより、沈殿物を得た。
得られた沈殿物に純水を加えて固形分濃度を0.5質量%に調整した後、調製後の分散液と酢酸銀(富士フイルム和光純薬社製)とを、粒子濃度が0.25質量%、銀濃度が表1に記載の濃度(例えば、実施例6では4,000質量ppm)となるように混合した。
次いで、得られた混合物をスターラーを用いて24時間撹拌し、撹拌後の液を遠心分離した後、上澄みを除去することにより、沈殿物を得た。得られた沈殿物に純水を加えて、固形分濃度(粒子濃度)が0.5質量%となるように調整することで、抗菌剤粒子(銀及び銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液を得た。
得られた抗菌剤粒子分散液中の抗菌剤粒子について、上述した方法により平均粒子径、並びに銀の含有量及び銅の含有量を測定した。各測定結果については、表1中に示す。
<実施例13~14の抗菌剤粒子(銀及び銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)の製造方法>
(抗菌剤粒子(銀及び銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液の作製)
上記ケイ酸アルミニウム粒子分散液Aに純水と酢酸銀(富士フイルム和光純薬社製)とを加え、粒子濃度が0.25質量%、銀濃度が表1に記載の濃度(例えば、実施例13では4,000質量ppm)となるように混合した。
次いで、得られた混合物をスターラーを用いて24時間撹拌し、撹拌後の液を遠心分離した後、上澄みを除去することにより、沈殿物を得た。
得られた沈殿物に純水を加えて固形分濃度を0.5質量%に調整した後、調製後の分散液と酢酸銅(II)(富士フイルム和光純薬社製)とを、粒子濃度が0.25質量%、銅濃度が表1に記載の濃度(例えば、実施例13では5,000質量ppm)となるように混合した。
次いで、得られた混合物をスターラーを用いて24時間撹拌し、撹拌後の液を遠心分離した後、上澄みを除去することにより、沈殿物を得た。得られた沈殿物に純水を加えて、固形分濃度(粒子濃度)が0.5質量%となるように調整することで、抗菌剤粒子(銀及び銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液を得た。
得られた抗菌剤粒子分散液中の抗菌剤粒子について、上述した方法により平均粒子径、並びに銀の含有量及び銅の含有量を測定した。各測定結果については、表1中に示す。
(抗菌剤粒子(銀及び銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液の作製)
上記ケイ酸アルミニウム粒子分散液Aに純水と酢酸銀(富士フイルム和光純薬社製)とを加え、粒子濃度が0.25質量%、銀濃度が表1に記載の濃度(例えば、実施例13では4,000質量ppm)となるように混合した。
次いで、得られた混合物をスターラーを用いて24時間撹拌し、撹拌後の液を遠心分離した後、上澄みを除去することにより、沈殿物を得た。
得られた沈殿物に純水を加えて固形分濃度を0.5質量%に調整した後、調製後の分散液と酢酸銅(II)(富士フイルム和光純薬社製)とを、粒子濃度が0.25質量%、銅濃度が表1に記載の濃度(例えば、実施例13では5,000質量ppm)となるように混合した。
次いで、得られた混合物をスターラーを用いて24時間撹拌し、撹拌後の液を遠心分離した後、上澄みを除去することにより、沈殿物を得た。得られた沈殿物に純水を加えて、固形分濃度(粒子濃度)が0.5質量%となるように調整することで、抗菌剤粒子(銀及び銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液を得た。
得られた抗菌剤粒子分散液中の抗菌剤粒子について、上述した方法により平均粒子径、並びに銀の含有量及び銅の含有量を測定した。各測定結果については、表1中に示す。
<実施例15~17の抗菌剤粒子(銀担持ケイ酸アルミニウム粒子)の製造方法>
(分散剤を含む抗菌剤粒子(銀担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液の作製)
実施例1で得られた固形分濃度(粒子濃度)が0.5質量%の抗菌剤粒子(銀担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液に、表1中に示す分散剤(例えば、実施例15では、分散剤として、「BYK185」(ビックケミー株式会社製)を使用した。)を終濃度0.05質量%となるように添加し、分散剤含有分散液を得た。
次いで、上記分散剤含有分散液1.8gと、φ0.1mmのジルコニアビーズ0.5gとをセントチューブ(マルエム社製)に入れ、撹拌装置(TAITEC社製、Delta MiXer Se-08)を用いて強度6で6時間撹拌し、分散剤を含む抗菌剤粒子(銀担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液を得た。
得られた分散剤を含む抗菌剤粒子分散液中の抗菌剤粒子について、上述した方法により平均粒子径、並びに銀の含有量及び銅の含有量を測定した。各測定結果については、表1中に示す。
(分散剤を含む抗菌剤粒子(銀担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液の作製)
実施例1で得られた固形分濃度(粒子濃度)が0.5質量%の抗菌剤粒子(銀担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液に、表1中に示す分散剤(例えば、実施例15では、分散剤として、「BYK185」(ビックケミー株式会社製)を使用した。)を終濃度0.05質量%となるように添加し、分散剤含有分散液を得た。
次いで、上記分散剤含有分散液1.8gと、φ0.1mmのジルコニアビーズ0.5gとをセントチューブ(マルエム社製)に入れ、撹拌装置(TAITEC社製、Delta MiXer Se-08)を用いて強度6で6時間撹拌し、分散剤を含む抗菌剤粒子(銀担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液を得た。
得られた分散剤を含む抗菌剤粒子分散液中の抗菌剤粒子について、上述した方法により平均粒子径、並びに銀の含有量及び銅の含有量を測定した。各測定結果については、表1中に示す。
<実施例18、実施例20、及び実施例22の抗菌剤粒子(銀及び銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)の製造方法>
(分散剤を含む抗菌剤粒子(銀及び銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液の作製)
実施例8で得られた固形分濃度(粒子濃度)が0.5質量%の抗菌剤粒子(銀及び銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液に、表1中に示す分散剤(例えば、実施例18では、分散剤として、「BYK185」(ビックケミー株式会社製)を使用した。)を終濃度0.05質量%となるように添加し、分散剤含有分散液を得た。
次いで、上記分散剤含有分散液1.8gと、φ0.1mmのジルコニアビーズ0.5gとをセントチューブ(マルエム社製)に入れ、撹拌装置(TAITEC社製、Delta MiXer Se-08)を用いて強度6で6時間撹拌し、分散剤を含む抗菌剤粒子(銀及び銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液を得た。
得られた分散剤を含む抗菌剤粒子分散液中の抗菌剤粒子について、上述した方法により平均粒子径、並びに銀の含有量及び銅の含有量を測定した。各測定結果については、表1中に示す。
(分散剤を含む抗菌剤粒子(銀及び銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液の作製)
実施例8で得られた固形分濃度(粒子濃度)が0.5質量%の抗菌剤粒子(銀及び銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液に、表1中に示す分散剤(例えば、実施例18では、分散剤として、「BYK185」(ビックケミー株式会社製)を使用した。)を終濃度0.05質量%となるように添加し、分散剤含有分散液を得た。
次いで、上記分散剤含有分散液1.8gと、φ0.1mmのジルコニアビーズ0.5gとをセントチューブ(マルエム社製)に入れ、撹拌装置(TAITEC社製、Delta MiXer Se-08)を用いて強度6で6時間撹拌し、分散剤を含む抗菌剤粒子(銀及び銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液を得た。
得られた分散剤を含む抗菌剤粒子分散液中の抗菌剤粒子について、上述した方法により平均粒子径、並びに銀の含有量及び銅の含有量を測定した。各測定結果については、表1中に示す。
<実施例19、実施例21、及び実施例23の抗菌剤粒子(銀及び銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)の製造方法>
(分散剤を含む抗菌剤粒子(銀及び銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液の作製)
実施例11で得られた固形分濃度(粒子濃度)が0.5質量%の抗菌剤粒子(銀及び銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液に、表1中に示す分散剤(例えば、実施例19では、分散剤として、「BYK185」(ビックケミー株式会社製)を使用した。)を終濃度0.05質量%となるように添加し、分散剤含有分散液を得た。
次いで、上記分散剤含有分散液1.8gと、φ0.1mmのジルコニアビーズ0.5gとをセントチューブ(マルエム社製)に入れ、撹拌装置(TAITEC社製、Delta MiXer Se-08)を用いて強度6で6時間撹拌し、分散剤を含む抗菌剤粒子(銀及び銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液を得た。
得られた分散剤を含む抗菌剤粒子分散液中の抗菌剤粒子について、上述した方法により平均粒子径、並びに銀の含有量及び銅の含有量を測定した。各測定結果については、表1中に示す。
(分散剤を含む抗菌剤粒子(銀及び銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液の作製)
実施例11で得られた固形分濃度(粒子濃度)が0.5質量%の抗菌剤粒子(銀及び銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液に、表1中に示す分散剤(例えば、実施例19では、分散剤として、「BYK185」(ビックケミー株式会社製)を使用した。)を終濃度0.05質量%となるように添加し、分散剤含有分散液を得た。
次いで、上記分散剤含有分散液1.8gと、φ0.1mmのジルコニアビーズ0.5gとをセントチューブ(マルエム社製)に入れ、撹拌装置(TAITEC社製、Delta MiXer Se-08)を用いて強度6で6時間撹拌し、分散剤を含む抗菌剤粒子(銀及び銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液を得た。
得られた分散剤を含む抗菌剤粒子分散液中の抗菌剤粒子について、上述した方法により平均粒子径、並びに銀の含有量及び銅の含有量を測定した。各測定結果については、表1中に示す。
<実施例24~26の抗菌剤粒子(銀及び銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)の製造方法>
(分散剤を含む抗菌剤粒子(銀及び銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液の作製)
実施例13で得られた固形分濃度(粒子濃度)が0.5質量%の抗菌剤粒子(銀及び銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液に、表1中に示す分散剤(例えば、実施例24では、分散剤として、「BYK185」(ビックケミー株式会社製)を使用した。)を終濃度0.05質量%となるように添加し、分散剤含有分散液を得た。
次いで、上記分散剤含有分散液1.8gと、φ0.1mmのジルコニアビーズ0.5gとをセントチューブ(マルエム社製)に入れ、撹拌装置(TAITEC社製、Delta MiXer Se-08)を用いて強度6で6時間撹拌し、分散剤を含む抗菌剤粒子(銀及び銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液を得た。
得られた分散剤を含む抗菌剤粒子分散液中の抗菌剤粒子について、上述した方法により平均粒子径、並びに銀の含有量及び銅の含有量を測定した。各測定結果については、表1中に示す。
(分散剤を含む抗菌剤粒子(銀及び銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液の作製)
実施例13で得られた固形分濃度(粒子濃度)が0.5質量%の抗菌剤粒子(銀及び銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液に、表1中に示す分散剤(例えば、実施例24では、分散剤として、「BYK185」(ビックケミー株式会社製)を使用した。)を終濃度0.05質量%となるように添加し、分散剤含有分散液を得た。
次いで、上記分散剤含有分散液1.8gと、φ0.1mmのジルコニアビーズ0.5gとをセントチューブ(マルエム社製)に入れ、撹拌装置(TAITEC社製、Delta MiXer Se-08)を用いて強度6で6時間撹拌し、分散剤を含む抗菌剤粒子(銀及び銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液を得た。
得られた分散剤を含む抗菌剤粒子分散液中の抗菌剤粒子について、上述した方法により平均粒子径、並びに銀の含有量及び銅の含有量を測定した。各測定結果については、表1中に示す。
<実施例27の抗菌剤粒子(銀及び銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)の製造方法>
10Lステンレス製反応器に、0.52モル/LのNa2O及び1.67モル/LのSiO2を含有する水溶液1,360mLを投入し、攪拌下に、0.32モル/Lの硫酸アルミニウム水溶液3,490mLを定量ポンプを用いて60分で投入した。なお、反応は25℃で実施した。得られた反応液を95℃で1時間加熱し熟成した。熟成後のスラリーをろ過、純水で洗浄し、75℃で20時間乾燥し、粉砕した。
粉砕物について、上述した手法で分析し、SiO2/Al2O3(質量比)が1.2のケイ酸アルミニウムが得られたことを確認した。その後、得られたケイ酸アルミニウムを実施例1と同様の方法で微粒子化した。
微細化後のケイ酸アルミニウムを用いた以外は実施例8と同様の方法により抗菌剤粒子(銀及び銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液を得た。
得られた抗菌剤粒子分散液中の抗菌剤粒子について、上述した方法により平均粒子径、並びに銀の含有量及び銅の含有量を測定した。各測定結果については、表1中に示す。
なお、XRD(X線回折)によりケイ酸アルミニウム粒子が非晶質であることを同定した。
10Lステンレス製反応器に、0.52モル/LのNa2O及び1.67モル/LのSiO2を含有する水溶液1,360mLを投入し、攪拌下に、0.32モル/Lの硫酸アルミニウム水溶液3,490mLを定量ポンプを用いて60分で投入した。なお、反応は25℃で実施した。得られた反応液を95℃で1時間加熱し熟成した。熟成後のスラリーをろ過、純水で洗浄し、75℃で20時間乾燥し、粉砕した。
粉砕物について、上述した手法で分析し、SiO2/Al2O3(質量比)が1.2のケイ酸アルミニウムが得られたことを確認した。その後、得られたケイ酸アルミニウムを実施例1と同様の方法で微粒子化した。
微細化後のケイ酸アルミニウムを用いた以外は実施例8と同様の方法により抗菌剤粒子(銀及び銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液を得た。
得られた抗菌剤粒子分散液中の抗菌剤粒子について、上述した方法により平均粒子径、並びに銀の含有量及び銅の含有量を測定した。各測定結果については、表1中に示す。
なお、XRD(X線回折)によりケイ酸アルミニウム粒子が非晶質であることを同定した。
<実施例28の抗菌剤粒子(銀及び銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)の製造方法>
0.16モル/Lの硫酸アルミニウム水溶液を227mL使用した以外は実施例27と同様の方法により、SiO2/Al2O3(質量比)が11のケイ酸アルミニウムを得た。微細化したケイ酸アルミニウムを作製した。
微細化後のケイ酸アルミニウムを用いた以外は実施例8と同様の方法により抗菌剤粒子(銀及び銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液を得た。
得られた抗菌剤粒子分散液中の抗菌剤粒子について、上述した方法により平均粒子径、並びに銀の含有量及び銅の含有量を測定した。各測定結果については、表1中に示す。
なお、XRD(X線回折)によりケイ酸アルミニウム粒子が非晶質であることを同定した。
0.16モル/Lの硫酸アルミニウム水溶液を227mL使用した以外は実施例27と同様の方法により、SiO2/Al2O3(質量比)が11のケイ酸アルミニウムを得た。微細化したケイ酸アルミニウムを作製した。
微細化後のケイ酸アルミニウムを用いた以外は実施例8と同様の方法により抗菌剤粒子(銀及び銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液を得た。
得られた抗菌剤粒子分散液中の抗菌剤粒子について、上述した方法により平均粒子径、並びに銀の含有量及び銅の含有量を測定した。各測定結果については、表1中に示す。
なお、XRD(X線回折)によりケイ酸アルミニウム粒子が非晶質であることを同定した。
<比較例1~2の抗菌剤粒子(銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)の製造方法>
(抗菌剤粒子(銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液の作製)
酢酸銀を酢酸銅(II)(富士フイルム和光純薬社製)に変更し、酢酸銅(II)の添加時における銅濃度を表1に示す数値とした以外は実施例3の抗菌剤粒子分散液の作製方法に準じて、比較例1及び比較例2の抗菌剤粒子分散液を作製した。
(抗菌剤粒子(銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液の作製)
酢酸銀を酢酸銅(II)(富士フイルム和光純薬社製)に変更し、酢酸銅(II)の添加時における銅濃度を表1に示す数値とした以外は実施例3の抗菌剤粒子分散液の作製方法に準じて、比較例1及び比較例2の抗菌剤粒子分散液を作製した。
<比較例3の抗菌剤粒子(銀及び銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)の製造方法>
(抗菌剤粒子(銀及び銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液の作製)
酢酸銀の添加時における銀濃度、及び酢酸銅(II)の添加時における銅濃度を表1に示す数値に変更した以外は実施例13の抗菌剤粒子分散液の作製方法に準じて、比較例3の抗菌剤粒子分散液を作製した。
(抗菌剤粒子(銀及び銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液の作製)
酢酸銀の添加時における銀濃度、及び酢酸銅(II)の添加時における銅濃度を表1に示す数値に変更した以外は実施例13の抗菌剤粒子分散液の作製方法に準じて、比較例3の抗菌剤粒子分散液を作製した。
<比較例4の抗菌剤粒子(銀担持ケイ酸アルミニウム粒子)の製造方法>
(抗菌剤粒子(銀担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液の作製)
ケイ酸アルミニウム粒子分散液Aにおいて、微細化処理を実施していないケイ酸アルミニウム(「キョーワード700PEL」、協和化学工業(株)製)を使用した以外は実施例1と同様の方法により、抗菌剤粒子(銀担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液を作製した。
(抗菌剤粒子(銀担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液の作製)
ケイ酸アルミニウム粒子分散液Aにおいて、微細化処理を実施していないケイ酸アルミニウム(「キョーワード700PEL」、協和化学工業(株)製)を使用した以外は実施例1と同様の方法により、抗菌剤粒子(銀担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液を作製した。
<比較例5の抗菌剤粒子(銀担持ケイ酸アルミニウム粒子)の製造方法>
(抗菌剤粒子(銀担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液の作製)
ケイ酸アルミニウム粒子分散液Aのかわりに、微細化処理を実施していないケイ酸アルミニウム(「キョーワード700PEL」、協和化学工業(株)製)を使用した以外は実施例4と同様の方法により、抗菌剤粒子(銀担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液を作製した。
(抗菌剤粒子(銀担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液の作製)
ケイ酸アルミニウム粒子分散液Aのかわりに、微細化処理を実施していないケイ酸アルミニウム(「キョーワード700PEL」、協和化学工業(株)製)を使用した以外は実施例4と同様の方法により、抗菌剤粒子(銀担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液を作製した。
<比較例6の抗菌剤粒子(銀及び銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)の製造方法>
(抗菌剤粒子(銀及び銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液の作製)
ケイ酸アルミニウム粒子分散液Aのかわりに、微細化処理を実施していないケイ酸アルミニウム(「キョーワード700PEL」、協和化学工業(株)製)を使用した以外は実施例8と同様の方法により、抗菌剤粒子(銀及び銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液を作製した。
(抗菌剤粒子(銀及び銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液の作製)
ケイ酸アルミニウム粒子分散液Aのかわりに、微細化処理を実施していないケイ酸アルミニウム(「キョーワード700PEL」、協和化学工業(株)製)を使用した以外は実施例8と同様の方法により、抗菌剤粒子(銀及び銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液を作製した。
<比較例7の抗菌剤粒子(銀及び銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)の製造方法>
(抗菌剤粒子(銀及び銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液の作製)
ケイ酸アルミニウム粒子分散液Aのかわりに、微細化処理を実施していないケイ酸アルミニウム(「キョーワード700PEL」、協和化学工業(株)製)を使用した以外は実施例11と同様の方法により、抗菌剤粒子(銀及び銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液を作製した。
(抗菌剤粒子(銀及び銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液の作製)
ケイ酸アルミニウム粒子分散液Aのかわりに、微細化処理を実施していないケイ酸アルミニウム(「キョーワード700PEL」、協和化学工業(株)製)を使用した以外は実施例11と同様の方法により、抗菌剤粒子(銀及び銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液を作製した。
<比較例8の抗菌剤粒子(銀担持ケイ酸アルミニウム粒子)の製造方法>
(抗菌剤粒子(銀担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液の作製)
ケイ酸アルミニウム粒子分散液Aのかわりに、更に微細化して平均粒子径を小さくしたケイ酸アルミニウム(「キョーワード700PEL」、協和化学工業(株)製)を使用した以外は実施例1と同様の方法により、抗菌剤粒子(銀担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液を作製した。
(抗菌剤粒子(銀担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液の作製)
ケイ酸アルミニウム粒子分散液Aのかわりに、更に微細化して平均粒子径を小さくしたケイ酸アルミニウム(「キョーワード700PEL」、協和化学工業(株)製)を使用した以外は実施例1と同様の方法により、抗菌剤粒子(銀担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液を作製した。
<比較例9の抗菌剤粒子(銀担持ケイ酸アルミニウム粒子)の製造方法>
(抗菌剤粒子(銀担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液の作製)
ケイ酸アルミニウム粒子分散液Aのかわりに、更に微細化して平均粒子径を小さくしたケイ酸アルミニウム(「キョーワード700PEL」、協和化学工業(株)製)を使用した以外は実施例4と同様の方法により、抗菌剤粒子(銀担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液を作製した。
(抗菌剤粒子(銀担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液の作製)
ケイ酸アルミニウム粒子分散液Aのかわりに、更に微細化して平均粒子径を小さくしたケイ酸アルミニウム(「キョーワード700PEL」、協和化学工業(株)製)を使用した以外は実施例4と同様の方法により、抗菌剤粒子(銀担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液を作製した。
<比較例10の抗菌剤粒子(銀及び銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)の製造方法>
(抗菌剤粒子(銀及び銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液の作製)
ケイ酸アルミニウム粒子分散液Aのかわりに、更に微細化して平均粒子径を小さくしたケイ酸アルミニウム(「キョーワード700PEL」、協和化学工業(株)製)を使用した以外は実施例8と同様の方法により、抗菌剤粒子(銀及び銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液を作製した。
(抗菌剤粒子(銀及び銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液の作製)
ケイ酸アルミニウム粒子分散液Aのかわりに、更に微細化して平均粒子径を小さくしたケイ酸アルミニウム(「キョーワード700PEL」、協和化学工業(株)製)を使用した以外は実施例8と同様の方法により、抗菌剤粒子(銀及び銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液を作製した。
<比較例11の抗菌剤粒子(銀及び銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)の製造方法>
(抗菌剤粒子(銀及び銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液の作製)
ケイ酸アルミニウム粒子分散液Aのかわりに、更に微細化して平均粒子径を小さくしたケイ酸アルミニウム(「キョーワード700PEL」、協和化学工業(株)製)を使用した以外は実施例11と同様の方法により、抗菌剤粒子(銀及び銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液を作製した。
(抗菌剤粒子(銀及び銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液の作製)
ケイ酸アルミニウム粒子分散液Aのかわりに、更に微細化して平均粒子径を小さくしたケイ酸アルミニウム(「キョーワード700PEL」、協和化学工業(株)製)を使用した以外は実施例11と同様の方法により、抗菌剤粒子(銀及び銅担持ケイ酸アルミニウム粒子)分散液を作製した。
<比較例12~14の抗菌剤粒子の製造方法>
(抗菌剤粒子分散液の作製)
ケイ酸アルミニウム粒子かわりに表1に示す担持体を使用した以外は実施例9と同様の方法により、抗菌剤粒子分散液を作製した。
表1中の「担持体」欄における略語は、下記のとおりである。
・「シリカ微粒子」:サイシリア710(富士シリシア社製)を微粒子化したもの。
・「ゼオライト微粒子」:ダッシュライト7MH(シナネンゼオミック社製)を微粒子化したもの。
・「リン酸ジルコニウム」:ケスモンNS-10(東亞合成社製)
(抗菌剤粒子分散液の作製)
ケイ酸アルミニウム粒子かわりに表1に示す担持体を使用した以外は実施例9と同様の方法により、抗菌剤粒子分散液を作製した。
表1中の「担持体」欄における略語は、下記のとおりである。
・「シリカ微粒子」:サイシリア710(富士シリシア社製)を微粒子化したもの。
・「ゼオライト微粒子」:ダッシュライト7MH(シナネンゼオミック社製)を微粒子化したもの。
・「リン酸ジルコニウム」:ケスモンNS-10(東亞合成社製)
<比較例15の抗菌剤粒子分散液>
表1に示す平均粒子径に調整された銀担持リン酸ガラス(富士ケミカル社製、エタノール希釈:固形分濃度0.5質量%に調整)を使用した。
表1に示す平均粒子径に調整された銀担持リン酸ガラス(富士ケミカル社製、エタノール希釈:固形分濃度0.5質量%に調整)を使用した。
以下、表1中に実施例及び比較例で使用する抗菌剤粒子を示す。
表1中の「分散剤」欄における略語は、下記のとおりである。
・「BYK180」:DISPERBYK(登録商標)-180(固形分濃度100質量%、BYK社製)
・「BYK185」:DISPERBYK(登録商標)-185(固形分濃度52質量%、BYK社製)
・「BYK190」:DISPERBYK(登録商標)-190(固形分濃度100質量%、BYK社製)
表1中の「分散剤」欄における略語は、下記のとおりである。
・「BYK180」:DISPERBYK(登録商標)-180(固形分濃度100質量%、BYK社製)
・「BYK185」:DISPERBYK(登録商標)-185(固形分濃度52質量%、BYK社製)
・「BYK190」:DISPERBYK(登録商標)-190(固形分濃度100質量%、BYK社製)
また、表1中の抗菌剤粒子分散液欄の「担持体SiO2/Al2O3[質量比]」とは、担持体における、Al2O3の含有量に対するSiO2の含有量の質量比を意図する。
また、表1中の抗菌剤粒子分散液欄の「Ag含有量[質量%]」とは、抗菌剤粒子の全質量に対する銀の含有量を意図する。
また、表1中の抗菌剤粒子分散液欄の「Cu含有量[質量%]」とは、抗菌剤粒子の全質量に対する銅の含有量を意図する。
また、表1中の抗菌剤粒子分散液欄の「Ag含有量[質量%]」とは、抗菌剤粒子の全質量に対する銀の含有量を意図する。
また、表1中の抗菌剤粒子分散液欄の「Cu含有量[質量%]」とは、抗菌剤粒子の全質量に対する銅の含有量を意図する。
また、表1において使用される担持体のうち、「ゼオライト微粒子」及び「リン酸ジルコニウム」はいずれも「晶質(結晶性)」に該当し、「非晶質」には該当しない。
また、表1の備考欄は、抗菌剤粒子が態様X及び態様Yのいずれの態様に該当するかを示している。更に、抗菌剤粒子が態様Yに該当する場合、態様Y1A~態様Y1Eのいずれの態様に該当するかを示している。態様X及び態様Y(態様Y1A~態様Y1E)については、既述のとおりである。
なお、態様Y1Bは態様Y1Cを包含する態様であるが、下記表1において「態様Y1B」と表される場合、抗菌剤粒子が、態様Y1Bに該当するが態様Y1Cには該当しないことを意図する。また、態様Y1Dは態様Y1Eを包含する態様であるが、下記表1において「態様Y1D」と表される場合、抗菌剤粒子が、態様Y1Dに該当するが態様Y1Eには該当しないことを意図する。
なお、態様Y1Bは態様Y1Cを包含する態様であるが、下記表1において「態様Y1B」と表される場合、抗菌剤粒子が、態様Y1Bに該当するが態様Y1Cには該当しないことを意図する。また、態様Y1Dは態様Y1Eを包含する態様であるが、下記表1において「態様Y1D」と表される場合、抗菌剤粒子が、態様Y1Dに該当するが態様Y1Eには該当しないことを意図する。
〔溶媒〕
・水
・エタノール(富士フイルム和光純薬社製)
・水
・エタノール(富士フイルム和光純薬社製)
〔バインダー及びバインダー前駆体〕
・シリケート系バインダー(バインダー前駆体に該当する。「MKC(登録商標)シリケートMS51」、三菱化学社製。表中の「MS51」に該当する。)
・アクリル系樹脂バインダー(バインダーに該当する。「ニューコートFH-3100HN」、新中村化学工業社製)
・ポリウレタン系樹脂バインダー(バインダーに該当する。「スーパーフレックスE-2000」、第一工業製薬社製)
・ポリエステル系樹脂バインダー(バインダーに該当する。「プラスコートZ592」、互応化学製)
・シリケート系バインダー(バインダー前駆体に該当する。「MKC(登録商標)シリケートMS51」、三菱化学社製。表中の「MS51」に該当する。)
・アクリル系樹脂バインダー(バインダーに該当する。「ニューコートFH-3100HN」、新中村化学工業社製)
・ポリウレタン系樹脂バインダー(バインダーに該当する。「スーパーフレックスE-2000」、第一工業製薬社製)
・ポリエステル系樹脂バインダー(バインダーに該当する。「プラスコートZ592」、互応化学製)
〔有機金属触媒〕
・アルミキレートD(アルミニウムビス(エチルアセトアセテート)モノ(アセチルアセトネート)、エタノール希釈:固形分濃度1質量%、川研ファインケミカル社製。表中の「AlキレートD」に該当する。)
・アルミキレートD(アルミニウムビス(エチルアセトアセテート)モノ(アセチルアセトネート)、エタノール希釈:固形分濃度1質量%、川研ファインケミカル社製。表中の「AlキレートD」に該当する。)
[実施例101:抗菌組成物の調製]
容器中でエタノール26質量部を攪拌しながら、純水16.9質量部、シロキサン化合物であるバインダ(三菱化学社製「MKC(登録商標)シリケート」MS51」、固形分濃度が100質量%)0.4質量部、アルミキレートD(アルミニウムビス(エチルアセトアセテート)モノ(アセチルアセトネート)、エタノール希釈:固形分濃度1質量%)1.3質量部、ノニオン性界面活性剤(日本エマルジョン社製「エマレックス715」、純水希釈:固形分濃度0.5質量%)3.3質量部、及びアニオン性界面活性剤(日油株式会社製「ラピゾールA-90」、純水希釈:固形分濃度0.2質量%)0.8質量部を順次加えた後、作製した抗菌剤粒子分散液(固形分濃度0.5質量%)50質量部を加えて、20分間攪拌した。得られた液を純水で130倍希釈し、抗菌組成物を得た。
容器中でエタノール26質量部を攪拌しながら、純水16.9質量部、シロキサン化合物であるバインダ(三菱化学社製「MKC(登録商標)シリケート」MS51」、固形分濃度が100質量%)0.4質量部、アルミキレートD(アルミニウムビス(エチルアセトアセテート)モノ(アセチルアセトネート)、エタノール希釈:固形分濃度1質量%)1.3質量部、ノニオン性界面活性剤(日本エマルジョン社製「エマレックス715」、純水希釈:固形分濃度0.5質量%)3.3質量部、及びアニオン性界面活性剤(日油株式会社製「ラピゾールA-90」、純水希釈:固形分濃度0.2質量%)0.8質量部を順次加えた後、作製した抗菌剤粒子分散液(固形分濃度0.5質量%)50質量部を加えて、20分間攪拌した。得られた液を純水で130倍希釈し、抗菌組成物を得た。
[実施例102~137:抗菌組成物の調製]
抗菌剤粒子分散液、バインダー又はバインダー前駆体、及び有機金属触媒を表2に示す材料及び配合量とした以外は実施例101と同様の方法により、実施例102~137の組成物を調製した。
抗菌剤粒子分散液、バインダー又はバインダー前駆体、及び有機金属触媒を表2に示す材料及び配合量とした以外は実施例101と同様の方法により、実施例102~137の組成物を調製した。
[比較例101~114:抗菌組成物の調製]
抗菌剤粒子分散液、バインダー又はバインダー前駆体、及び有機金属触媒を表2に示す材料及び配合量とした以外は実施例101と同様の方法により、比較例101~114の組成物を調製した。
抗菌剤粒子分散液、バインダー又はバインダー前駆体、及び有機金属触媒を表2に示す材料及び配合量とした以外は実施例101と同様の方法により、比較例101~114の組成物を調製した。
[比較例115:抗菌組成物の調製]
比較例15の抗菌剤粒子分散液(固形分濃度0.5質量%)を使用した以外は実施例101と同様の方法により、比較例115の組成物を調製した。
比較例15の抗菌剤粒子分散液(固形分濃度0.5質量%)を使用した以外は実施例101と同様の方法により、比較例115の組成物を調製した。
[評価]
次いで、得られた組成物に対して下記の評価を実施した。
次いで、得られた組成物に対して下記の評価を実施した。
〔抗肺炎桿菌性評価〕
5cm×3cmの抗菌試験用標準布(一般財団法人 繊維評価技術協会)に上記組成物を0.2g塗布し、室温で1日間乾燥させることで抗菌試験用サンプルを作製した。
作製したサンプルを用いて、JIS Z2801:2010に準拠して肺炎桿菌の菌種を用いて抗菌試験を実施し、下記評価基準により肺炎桿菌に対する抗菌性を評価した。抗肺炎桿菌活性値が高いほど良好である。結果は、表2の「抗肺炎桿菌活性」欄に示した。
「5」:抗肺炎桿菌活性値が3.0以上である。
「4」:抗肺炎桿菌活性値が2.5以上、3.0未満である。
[3]:抗肺炎桿菌活性値が1.5以上、2.5未満である。
「2」:抗肺炎桿菌活性値が1.0以上、1.5未満である。
「1」:抗肺炎桿菌活性値が0以上、1.0未満である。
5cm×3cmの抗菌試験用標準布(一般財団法人 繊維評価技術協会)に上記組成物を0.2g塗布し、室温で1日間乾燥させることで抗菌試験用サンプルを作製した。
作製したサンプルを用いて、JIS Z2801:2010に準拠して肺炎桿菌の菌種を用いて抗菌試験を実施し、下記評価基準により肺炎桿菌に対する抗菌性を評価した。抗肺炎桿菌活性値が高いほど良好である。結果は、表2の「抗肺炎桿菌活性」欄に示した。
「5」:抗肺炎桿菌活性値が3.0以上である。
「4」:抗肺炎桿菌活性値が2.5以上、3.0未満である。
[3]:抗肺炎桿菌活性値が1.5以上、2.5未満である。
「2」:抗肺炎桿菌活性値が1.0以上、1.5未満である。
「1」:抗肺炎桿菌活性値が0以上、1.0未満である。
〔消臭性評価〕
(1)硫化水素に対する消臭効果の確認
5cm×3cmの抗菌試験用標準布(一般財団法人 繊維評価技術協会)に上記組成物を0.2g塗布し、室温で1日間乾燥させることで消臭試験用サンプルを作製した。
作製したサンプルを5Lのテトラバッグに入れ、テトラバッグ内に濃度20体積ppmの硫化水素ガス3Lを封入した。2時間経過後、検知管にてテトラバッグ内における硫化水素濃度を測定し、硫化水素消臭率を算出した。次いで、下記評価基準に基づいて、硫化水素に対する消臭性の評価を実施した。消臭率が高いほど良好である。結果は、表2の「消臭率(H2S)」欄に示した。
「5」:消臭率90%以上
「4」:消臭率70%以上、90%未満
[3]:消臭率40%以上、70%未満
「2」:消臭率0%超、40%未満
「1」:消臭率0%以下
(1)硫化水素に対する消臭効果の確認
5cm×3cmの抗菌試験用標準布(一般財団法人 繊維評価技術協会)に上記組成物を0.2g塗布し、室温で1日間乾燥させることで消臭試験用サンプルを作製した。
作製したサンプルを5Lのテトラバッグに入れ、テトラバッグ内に濃度20体積ppmの硫化水素ガス3Lを封入した。2時間経過後、検知管にてテトラバッグ内における硫化水素濃度を測定し、硫化水素消臭率を算出した。次いで、下記評価基準に基づいて、硫化水素に対する消臭性の評価を実施した。消臭率が高いほど良好である。結果は、表2の「消臭率(H2S)」欄に示した。
「5」:消臭率90%以上
「4」:消臭率70%以上、90%未満
[3]:消臭率40%以上、70%未満
「2」:消臭率0%超、40%未満
「1」:消臭率0%以下
(2)アンモニアに対する消臭効果の確認
5cm×3cmの抗菌試験用標準布(一般財団法人 繊維評価技術協会)に上記組成物を0.2g塗布し、室温で1日間乾燥させることで消臭試験用サンプルを作製した。
作製したサンプルを5Lのテトラバッグに入れ、テトラバッグ内に濃度100体積ppmのアンモニアガス3Lを封入した。2時間経過後、検知管にてテトラバッグ内におけるアンモニア濃度を測定し、アンモニア消臭率を算出した。次いで、下記評価基準に基づいて、アンモニアに対する消臭性の評価を実施した。消臭率が高いほど良好である。結果は、表2の「消臭率(NH3)」欄に示した。
「5」:消臭率90%以上
「4」:消臭率70%以上、90%未満
[3]:消臭率40%以上、70%未満
「2」:消臭率0%超、40%未満
「1」:消臭率0%以下
5cm×3cmの抗菌試験用標準布(一般財団法人 繊維評価技術協会)に上記組成物を0.2g塗布し、室温で1日間乾燥させることで消臭試験用サンプルを作製した。
作製したサンプルを5Lのテトラバッグに入れ、テトラバッグ内に濃度100体積ppmのアンモニアガス3Lを封入した。2時間経過後、検知管にてテトラバッグ内におけるアンモニア濃度を測定し、アンモニア消臭率を算出した。次いで、下記評価基準に基づいて、アンモニアに対する消臭性の評価を実施した。消臭率が高いほど良好である。結果は、表2の「消臭率(NH3)」欄に示した。
「5」:消臭率90%以上
「4」:消臭率70%以上、90%未満
[3]:消臭率40%以上、70%未満
「2」:消臭率0%超、40%未満
「1」:消臭率0%以下
〔分散性評価〕
組成物をスターラーを用いて2時間撹拌した後、12時間静置した。次いで、目視にて、組成物中の抗菌剤粒子の分散性を判断した。
[3]:抗菌剤粒子が全て分散している。
「2」:抗菌剤粒子が一部沈殿した。
「1」:抗菌剤粒子が全て沈殿した。
組成物をスターラーを用いて2時間撹拌した後、12時間静置した。次いで、目視にて、組成物中の抗菌剤粒子の分散性を判断した。
[3]:抗菌剤粒子が全て分散している。
「2」:抗菌剤粒子が一部沈殿した。
「1」:抗菌剤粒子が全て沈殿した。
以下に、表2を示す。
表2の結果から、実施例の組成物は、抗肺炎桿菌活性に優れることが明らかである。
また、実施例101と実施例102の対比から、特定抗菌剤粒子が態様Xに該当する場合、特定抗菌剤粒子中の銀の含有量が、抗菌剤粒子の全質量に対して20.0質量%超30.0質量%以下である場合、組成物は、抗肺炎桿菌活性により優れ、更に分散性にも優れることが明らかである。
また、実施例101と実施例115~117との対比から、特定抗菌剤粒子が態様Xに該当するとき、組成物が特定抗菌剤粒子の表面を修飾し得る分散剤を含んでいる場合には、組成物は、抗肺炎桿菌活性により優れることが確認された。
また、実施例101と実施例102の対比から、特定抗菌剤粒子が態様Xに該当する場合、特定抗菌剤粒子中の銀の含有量が、抗菌剤粒子の全質量に対して20.0質量%超30.0質量%以下である場合、組成物は、抗肺炎桿菌活性により優れ、更に分散性にも優れることが明らかである。
また、実施例101と実施例115~117との対比から、特定抗菌剤粒子が態様Xに該当するとき、組成物が特定抗菌剤粒子の表面を修飾し得る分散剤を含んでいる場合には、組成物は、抗肺炎桿菌活性により優れることが確認された。
また、実施例103~実施例107の対比から、特定抗菌剤粒子が態様Yに該当する場合、特定抗菌剤粒子中の銀の含有量が、抗菌剤粒子の全質量に対して8.0~20.0質量%である場合、組成物は、抗肺炎桿菌活性により優れることが明らかである。
また、実施例101~実施例114の結果から、特定抗菌剤粒子が銅を含む場合、組成物は、更に硫化水素に対する消臭性にも優れることが明らかである。
また、実施例108と実施例118、実施例120及び実施例122との対比、並びに実施例111と実施例119、実施例121及び実施例123との対比、実施例114及び実施例124~126との対比から、特定抗菌剤粒子が態様Yに該当するとき、組成物が特定抗菌剤粒子の表面を修飾し得る分散剤を含んでいる場合には、組成物中の特定抗菌剤粒子の分散性がより向上することが確認された。
また、実施例108と実施例127及び実施例128との対比から、非晶質ケイ酸アルミニウムにおいて、Al2O3の含有量に対するSiO2の含有量の質量比(SiO2/Al2O3)が2.0~10.0の場合、組成物中の特定抗菌剤粒子の分散性及び抗肺炎桿菌活性がより向上することが確認された。
また、実施例101~実施例114の結果から、特定抗菌剤粒子が銅を含む場合、組成物は、更に硫化水素に対する消臭性にも優れることが明らかである。
また、実施例108と実施例118、実施例120及び実施例122との対比、並びに実施例111と実施例119、実施例121及び実施例123との対比、実施例114及び実施例124~126との対比から、特定抗菌剤粒子が態様Yに該当するとき、組成物が特定抗菌剤粒子の表面を修飾し得る分散剤を含んでいる場合には、組成物中の特定抗菌剤粒子の分散性がより向上することが確認された。
また、実施例108と実施例127及び実施例128との対比から、非晶質ケイ酸アルミニウムにおいて、Al2O3の含有量に対するSiO2の含有量の質量比(SiO2/Al2O3)が2.0~10.0の場合、組成物中の特定抗菌剤粒子の分散性及び抗肺炎桿菌活性がより向上することが確認された。
表2の結果から、比較例の組成物は、抗肺炎桿菌活性が所望の要求を満たさないことは明らかである。
Claims (20)
- 抗菌剤粒子を含む組成物であって、
前記抗菌剤粒子は、銀と、非晶質のケイ酸アルミニウム及び非晶質のケイ酸アルミニウム塩からなる群より選ばれる1種以上と、を含み、
前記抗菌剤粒子の平均粒子径は、100nm以上300nm未満であり、
前記銀の含有量は、前記抗菌剤粒子の全質量に対して2.0~40.0質量%である、組成物。 - 前記銀の含有量が、前記抗菌剤粒子の全質量に対して20.0質量%超40.0質量%以下である、請求項1に記載の組成物。
- 前記抗菌剤粒子において、前記抗菌剤粒子の全質量に対する銀の含有量X質量%と、前記抗菌剤粒子の全質量に対する銅の含有量Y質量%とが、下記式(1A)~下記式(1C)で表される不等式をいずれも満たす、請求項1に記載の組成物。
1.35×X+Y≦27 ・・・式(1A)
2.0≦X≦20.0 ・・・式(1B)
0≦Y≦25.0 ・・・式(1C) - 前記抗菌剤粒子において、前記抗菌剤粒子の全質量に対する銀の含有量X質量%と、前記抗菌剤粒子の全質量に対する銅の含有量Y質量%とが、下記(2A)~下記(2D)で表される不等式をいずれも満たす、請求項3に記載の組成物。
1.35×X+Y≦27 ・・・式(2A)
3.0×X-Y≧6.0 ・・・式(2B)
2.0≦X≦20.0 ・・・式(2C)
0≦Y≦16.5 ・・・式(2D) - 前記抗菌剤粒子において、前記抗菌剤粒子の全質量に対する銀の含有量X質量%と、前記抗菌剤粒子の全質量に対する銅の含有量Y質量%とが、下記(3A)~下記(3D)で表される不等式をいずれも満たす、請求項4に記載の組成物。
1.35×X+Y≦27 ・・・式(3A)
3.0×X-Y≧24 ・・式(3B)
8.0≦X≦20.0 ・・・式(3C)
0≦Y≦12.0 ・・・式(3D) - 前記抗菌剤粒子において、前記抗菌剤粒子の全質量に対する銀の含有量X質量%と、前記抗菌剤粒子の全質量に対する銅の含有量Y質量%とが、下記(4A)~下記(4D)で表される不等式をいずれも満たす、請求項4に記載の組成物。
1.35×X+Y≦27 ・・・式(4A)
3.0×X-Y≧6.0 ・・・式(4B)
2.0≦X≦20.0 ・・・式(4C)
0≦Y≦3.0 ・・・式(4D) - 前記抗菌剤粒子において、前記抗菌剤粒子の全質量に対する銀の含有量X質量%と、前記抗菌剤粒子の全質量に対する銅の含有量Y質量%とが、下記(5A)~下記(5D)で表される不等式をいずれも満たす、請求項4に記載の組成物。
1.35×X+Y≦27 ・・・式(5A)
3.0×X-Y≧24 ・・・式(5B)
8.0≦X≦20.0 ・・・式(5C)
0≦Y≦3.0 ・・・式(5D) - 前記抗菌剤粒子において、前記抗菌剤粒子の全質量に対する銀の含有量X質量%と、前記抗菌剤粒子の全質量に対する銅の含有量Y質量%とが、下記(6A)~下記(6D)で表される不等式をいずれも満たし、
更に、分散剤を含む、請求項4に記載の組成物。
1.35×X+Y≦27 ・・・式(6A)
3.0×X-Y≧6.0 ・・・式(6B)
3.0<X≦20.0 ・・・式(6C)
3.0<Y≦16.5 ・・・式(6D)
- 前記抗菌剤粒子において、前記抗菌剤粒子の全質量に対する銀の含有量X質量%と、前記抗菌剤粒子の全質量に対する銅の含有量Y質量%とが、下記(7A)~下記(7D)で表される不等式をいずれも満たし、
更に、分散剤を含む、請求項4に記載の組成物。
1.35×X+Y≦27 ・・・式(7A)
3.0×X-Y≧24 ・・・式(7B)
9.0<X≦20.0 ・・・式(7C)
3.0<Y≦12.0 ・・・式(7D) - 前記抗菌剤粒子において、前記抗菌剤粒子の全質量に対する銀の含有量X質量%と、前記抗菌剤粒子の全質量に対する銅の含有量Y質量%とが、下記(8A)~下記(8D)で表される不等式をいずれも満たす、請求項3に記載の組成物。
1.35×X+Y≦27 ・・・式(8A)
3.0×X-Y≦6.0 ・・・式(8B)
0≦X<8.0 ・・・式(8C)
0≦Y≦25.0 ・・・式(8D) - 更に、分散剤を含む、請求項10に記載の組成物。
- 更に、溶媒を含み、
前記溶媒が、水及びエタノールを含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の組成物。 - 更に、バインダー又はバインダー前駆体を含み、
前記バインダー前駆体がシリケート系化合物を含む、請求項1~12のいずれか1項に記載の組成物。 - 更に、有機金属触媒を含み、
前記有機金属触媒が、アルミニウムキレート化合物を含む、請求項13に記載の組成物。 - 請求項13又は14に記載の組成物を用いて形成される膜。
- 基材と、請求項15に記載の膜とを有する、膜付き基材。
- 請求項13又は14に記載の組成物を基材の表面に塗布して、組成物層を形成する工程と、
前記組成物層を硬化させて、膜を得る工程と、を含む、膜付き基材の製造方法。 - スプレー容器と、前記スプレー容器に収納された請求項1~14のいずれか1項に記載の組成物と、を有するスプレー。
- 基布と、前記基布に含浸させた請求項1~14のいずれか1項に記載の組成物と、を有するウェットワイパー。
- 銀と、非晶質のケイ酸アルミニウム及び非晶質のケイ酸アルミニウム塩からなる群より選ばれる1種以上と、を含む抗菌剤粒子であって、
前記抗菌剤粒子の平均粒子径は、100nm以上300nm未満であり、
前記銀の含有量は、前記抗菌剤粒子の全質量に対して2.0~40.0質量%である、抗菌剤粒子。
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