JPH09273062A - 抗菌性複合不織布及びその製造方法 - Google Patents
抗菌性複合不織布及びその製造方法Info
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- JPH09273062A JPH09273062A JP8104831A JP10483196A JPH09273062A JP H09273062 A JPH09273062 A JP H09273062A JP 8104831 A JP8104831 A JP 8104831A JP 10483196 A JP10483196 A JP 10483196A JP H09273062 A JPH09273062 A JP H09273062A
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- antibacterial
- nonwoven fabric
- woven fabric
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 柔軟で吸水性、保水性、耐洗濯性、抗菌性及
び抗菌持続性に優れ、しかも紙粉の発生が少なく、繰り
返し使用可能な抗菌性複合不織布及びその製造方法の提
供。 【解決手段】 スパンボンド不織布と、多数のパルプ繊
維とが相互に交絡、一体化した複合不織布に抗菌剤を含
有せしめた抗菌性複合不織布であって、該複合不織布が
水不溶性で、ガス転移温度が−50〜+20℃の合成高
分子の自己架橋型樹脂を、該複合不織布を構成するパル
プ繊維の絶乾重量に対して2〜17重量%含有し、かつ
無機系抗菌剤を、該複合不織布の絶乾重量に対して0.
03〜2.0重量%含有する。スパンボンド不織布の片
面に、紙シートを積層した後、高圧水柱流を紙シート側
から施し、繊維同士を絡合、複合不織布とし、水分15
〜75重量%で前記合成高分子の自己架橋型樹脂と、無
機系抗菌剤との水分散性混合液を、紙シート面に噴霧塗
布し、乾燥する。
び抗菌持続性に優れ、しかも紙粉の発生が少なく、繰り
返し使用可能な抗菌性複合不織布及びその製造方法の提
供。 【解決手段】 スパンボンド不織布と、多数のパルプ繊
維とが相互に交絡、一体化した複合不織布に抗菌剤を含
有せしめた抗菌性複合不織布であって、該複合不織布が
水不溶性で、ガス転移温度が−50〜+20℃の合成高
分子の自己架橋型樹脂を、該複合不織布を構成するパル
プ繊維の絶乾重量に対して2〜17重量%含有し、かつ
無機系抗菌剤を、該複合不織布の絶乾重量に対して0.
03〜2.0重量%含有する。スパンボンド不織布の片
面に、紙シートを積層した後、高圧水柱流を紙シート側
から施し、繊維同士を絡合、複合不織布とし、水分15
〜75重量%で前記合成高分子の自己架橋型樹脂と、無
機系抗菌剤との水分散性混合液を、紙シート面に噴霧塗
布し、乾燥する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗菌性を全体に均
一に付与した複合不織布及びその製造方法に関する。更
に詳しく述べれば、本発明は、柔軟で吸水性に富み、表
面、内部及び裏面に抗菌性が均一に付与され、手術用着
衣、マスク、シーツ等の医療用品、使い捨て作業着、下
着類、タオル、ワイパー、ふきん等の日用雑貨類に好適
に使用され、接触面(表と裏)は勿論、不織布内部に吸
収された場合でも抗菌作用が発現し得る、抗菌剤を含有
し、パルプ繊維からなる紙シートと疎水性で熱可塑性の
連続長繊維からなるスパンボンド不織布との抗菌性複合
不織布及びその製造方法に関する。
一に付与した複合不織布及びその製造方法に関する。更
に詳しく述べれば、本発明は、柔軟で吸水性に富み、表
面、内部及び裏面に抗菌性が均一に付与され、手術用着
衣、マスク、シーツ等の医療用品、使い捨て作業着、下
着類、タオル、ワイパー、ふきん等の日用雑貨類に好適
に使用され、接触面(表と裏)は勿論、不織布内部に吸
収された場合でも抗菌作用が発現し得る、抗菌剤を含有
し、パルプ繊維からなる紙シートと疎水性で熱可塑性の
連続長繊維からなるスパンボンド不織布との抗菌性複合
不織布及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、不織布は、ワイパー、ふきん、ウ
ェットティシュ等の拭き布用途、テーブルクロス、マッ
ト、枕カバー、トイレタリー用品等の日用雑貨用途、手
術用ガウン、マスク、シーツ等の医療用途、使い捨て作
業着等の衣料用途等、多様な用途に使用されている。近
年、こうした不織布製品に抗菌性を付与した製品に対す
る要望が高まってきている。例えば、病院におけるMR
SA(メシチリン耐性黄色ブドウ状球菌)による院内感
染の危険性は今や社会問題になってきており、医療、介
護用途の基材として抗菌性を付与したものが求められて
いる。
ェットティシュ等の拭き布用途、テーブルクロス、マッ
ト、枕カバー、トイレタリー用品等の日用雑貨用途、手
術用ガウン、マスク、シーツ等の医療用途、使い捨て作
業着等の衣料用途等、多様な用途に使用されている。近
年、こうした不織布製品に抗菌性を付与した製品に対す
る要望が高まってきている。例えば、病院におけるMR
SA(メシチリン耐性黄色ブドウ状球菌)による院内感
染の危険性は今や社会問題になってきており、医療、介
護用途の基材として抗菌性を付与したものが求められて
いる。
【0003】又、医療用途以外の用途に関しても抗菌性
を付与した基材に対する要望は強くなってきている。例
えば、不特定多数の人との接触が予想される用途などで
は、文具、事務用品等の用途でも抗菌性を付与された基
材が求められてきており、更に基材に雑菌が繁殖するこ
とを防ぐことによる防臭効果及び使用時の衛生性を考え
て、使い捨てふきん、タオル等の台所用品、サニタリー
用品、作業用衣料等様々な用途に対しても抗菌性を付与
した基材が求められいる。これら用途に用いられる不織
布としては柔軟性が高いものや吸水性に富んだものが求
められており、従来より様々な不織布が提案されてい
る。
を付与した基材に対する要望は強くなってきている。例
えば、不特定多数の人との接触が予想される用途などで
は、文具、事務用品等の用途でも抗菌性を付与された基
材が求められてきており、更に基材に雑菌が繁殖するこ
とを防ぐことによる防臭効果及び使用時の衛生性を考え
て、使い捨てふきん、タオル等の台所用品、サニタリー
用品、作業用衣料等様々な用途に対しても抗菌性を付与
した基材が求められいる。これら用途に用いられる不織
布としては柔軟性が高いものや吸水性に富んだものが求
められており、従来より様々な不織布が提案されてい
る。
【0004】例えば、吸水性に富んだ不織布として、セ
ルロースパルプ繊維を嵩高に集積した後、合成高分子の
樹脂の水溶性エマルジョンを接着剤として塗布或いは含
浸させて含有せしめて乾燥させた乾式パルプシートが使
用されている。しかしながら、この乾式パルプシートは
嵩高で吸水性も良好であるが、使用されているセルロー
スパルプ繊維が1〜5mmのように短繊維であるため湿
潤強度が低く、濡れた状態での使用の際に破れやすく、
また洗濯しようとしても破れ易く、繰り返し使用が困難
であるという欠点があった。この欠点を改善するために
は、前記高分子の樹脂からなる接着剤を多量に含有させ
る必要があるが、短繊維のみで構成されているため、例
えそのような接着剤で処理しても強度は十分に発現しな
い。更に、接着剤の含有量が多いと、不織布の吸水性や
保水性が低下するとともに、柔軟性が悪化するという欠
点が新たに生じる。
ルロースパルプ繊維を嵩高に集積した後、合成高分子の
樹脂の水溶性エマルジョンを接着剤として塗布或いは含
浸させて含有せしめて乾燥させた乾式パルプシートが使
用されている。しかしながら、この乾式パルプシートは
嵩高で吸水性も良好であるが、使用されているセルロー
スパルプ繊維が1〜5mmのように短繊維であるため湿
潤強度が低く、濡れた状態での使用の際に破れやすく、
また洗濯しようとしても破れ易く、繰り返し使用が困難
であるという欠点があった。この欠点を改善するために
は、前記高分子の樹脂からなる接着剤を多量に含有させ
る必要があるが、短繊維のみで構成されているため、例
えそのような接着剤で処理しても強度は十分に発現しな
い。更に、接着剤の含有量が多いと、不織布の吸水性や
保水性が低下するとともに、柔軟性が悪化するという欠
点が新たに生じる。
【0005】一方、親水性繊維であるレーヨン繊維を集
積してウェブとした後、高圧水柱流(高圧水ジェット
流)の噴射処理を施してレーヨン繊維相互を絡合した不
織布も知られている。しかしながら、かかる高圧水柱流
によって安定的に絡合させるためには、レーヨン繊維の
集積量が多くなければならない。即ち、レーヨン繊維の
集積量の少ないウェブは、もともとレーヨン繊維相互間
に比較的大きな間隙が形成されており、水柱流を施して
も、その水柱流はレーヨン繊維に衝突せず通過してしま
い、その結果水柱流によってレーヨン繊維同士を十分に
絡合させることができない。従って、レーヨン繊維を用
いる拭き布の場合、レーヨン繊維の集積量を多くする必
要があるが、そうすると不織布の製造コストが高いもの
となってしまうという欠点がある。又、レーヨン繊維は
親水性に優れているため水を良く吸収するが、同時に吸
水時に膨潤し、不織布の剛性が極端に低下してしまい、
洗濯時に繊維がほぐれ易くなり不織布が破れるという欠
点がある。この対策として繊維同士を固着するための高
分子の樹脂からなる接着剤を用いる必要があるが、レー
ヨン繊維の集積量が多い場合は接着剤の含有量も必然的
に多くなる。しかしながら、前記接着剤の含有量を多く
すると、保水性が低下するとともに、柔軟性が悪化する
という新たな欠点が生じる。
積してウェブとした後、高圧水柱流(高圧水ジェット
流)の噴射処理を施してレーヨン繊維相互を絡合した不
織布も知られている。しかしながら、かかる高圧水柱流
によって安定的に絡合させるためには、レーヨン繊維の
集積量が多くなければならない。即ち、レーヨン繊維の
集積量の少ないウェブは、もともとレーヨン繊維相互間
に比較的大きな間隙が形成されており、水柱流を施して
も、その水柱流はレーヨン繊維に衝突せず通過してしま
い、その結果水柱流によってレーヨン繊維同士を十分に
絡合させることができない。従って、レーヨン繊維を用
いる拭き布の場合、レーヨン繊維の集積量を多くする必
要があるが、そうすると不織布の製造コストが高いもの
となってしまうという欠点がある。又、レーヨン繊維は
親水性に優れているため水を良く吸収するが、同時に吸
水時に膨潤し、不織布の剛性が極端に低下してしまい、
洗濯時に繊維がほぐれ易くなり不織布が破れるという欠
点がある。この対策として繊維同士を固着するための高
分子の樹脂からなる接着剤を用いる必要があるが、レー
ヨン繊維の集積量が多い場合は接着剤の含有量も必然的
に多くなる。しかしながら、前記接着剤の含有量を多く
すると、保水性が低下するとともに、柔軟性が悪化する
という新たな欠点が生じる。
【0006】上記のような欠点を解決し、柔軟で吸水性
に富んだ不織布を得る方法として、特開平5−2531
60号公報、特開平5−286100号公報、特開平6
ー17364号公報等に提案されている。これらは紙シ
ートを長繊維不織布の上に積層し、紙シート側から高圧
水柱流を施すことにより構成繊維相互を絡合することに
より、所望の複合不織布を得る方法である。例えば、特
開平5−253160号公報には、多数の長繊維が集積
されてなる長繊維ウェブの表面に、JIS P 813
5 に示された方法で25mm幅の試験片について測定
した湿潤引張強さが0.04〜0.6kgfである紙シ
ートを積層した後、紙シートの表面から長繊維ウェブ側
に向けて高圧水柱流を施すことにより、紙シートを構成
するパルプ繊維と長繊維とを絡合させる方法が開示され
ている。
に富んだ不織布を得る方法として、特開平5−2531
60号公報、特開平5−286100号公報、特開平6
ー17364号公報等に提案されている。これらは紙シ
ートを長繊維不織布の上に積層し、紙シート側から高圧
水柱流を施すことにより構成繊維相互を絡合することに
より、所望の複合不織布を得る方法である。例えば、特
開平5−253160号公報には、多数の長繊維が集積
されてなる長繊維ウェブの表面に、JIS P 813
5 に示された方法で25mm幅の試験片について測定
した湿潤引張強さが0.04〜0.6kgfである紙シ
ートを積層した後、紙シートの表面から長繊維ウェブ側
に向けて高圧水柱流を施すことにより、紙シートを構成
するパルプ繊維と長繊維とを絡合させる方法が開示され
ている。
【0007】又、特開平5−286100号公報には、
長繊維不織布の長繊維相互間を自己融着させてなる点融
着区域が間隔を置いて多数配置されており、その個々の
面積は0.01〜4mm2 であり、その総面積は長繊維
不織布表面積に対して2〜20面積%である長繊維不織
布の表面に紙シートを積層し、紙シート側から長繊維不
織布に貫通するように高圧水柱流を施し、構成する繊維
同士を絡合一体化する方法が開示されている。特開平6
ー17364号公報には、多数の長繊維が集積されてな
る長繊維ウェブの表面に、JIS P 8135に示さ
れた方法で25mm幅の試験片について測定した湿潤引
張強さが、0.6kgfを超えて1.5kgf以下の範
囲である紙シートを積層した後、紙シートの表面から長
繊維ウェブ側に向けて高圧水柱流を施すことにより、紙
シートを構成するパルプ繊維と長繊維とを絡合させるこ
とが開示されている。これらの方法により、柔軟かつ嵩
高で、吸水性に富んだ複合不織布を得ることができる。
長繊維不織布の長繊維相互間を自己融着させてなる点融
着区域が間隔を置いて多数配置されており、その個々の
面積は0.01〜4mm2 であり、その総面積は長繊維
不織布表面積に対して2〜20面積%である長繊維不織
布の表面に紙シートを積層し、紙シート側から長繊維不
織布に貫通するように高圧水柱流を施し、構成する繊維
同士を絡合一体化する方法が開示されている。特開平6
ー17364号公報には、多数の長繊維が集積されてな
る長繊維ウェブの表面に、JIS P 8135に示さ
れた方法で25mm幅の試験片について測定した湿潤引
張強さが、0.6kgfを超えて1.5kgf以下の範
囲である紙シートを積層した後、紙シートの表面から長
繊維ウェブ側に向けて高圧水柱流を施すことにより、紙
シートを構成するパルプ繊維と長繊維とを絡合させるこ
とが開示されている。これらの方法により、柔軟かつ嵩
高で、吸水性に富んだ複合不織布を得ることができる。
【0008】更に、特開平7−68720号公報には、
疎水性で熱可塑性の連続長繊維が集積されてなる長繊維
ウェブの片面に、多数のパルプ繊維よりなる紙シートを
積層した後、紙シート側から長繊維ウェブに向けて高圧
水柱流を施すことによりパルプ繊維と長繊維とを絡合さ
せて得られる複合シートに、耐洗濯性を向上させるため
に、水不溶性で樹脂のガラス転移温度が−50〜+20
℃の合成高分子の自己架橋型樹脂を、複合シートの水分
が15〜75重量%において、スプレー方式で複合シー
トの紙シート側から該紙シートの絶乾重量当り2〜17
重量%塗布、乾燥することにより繰り返し洗濯しても再
使用可能なように耐洗濯性を改善する方法が開示されて
いる。この方法により得られる複合不織布は、柔軟で吸
水性に富み、工業用ワイパー、ウェス、カウンタークロ
ス、布巾、雑巾等の用途に好適に用いられる。
疎水性で熱可塑性の連続長繊維が集積されてなる長繊維
ウェブの片面に、多数のパルプ繊維よりなる紙シートを
積層した後、紙シート側から長繊維ウェブに向けて高圧
水柱流を施すことによりパルプ繊維と長繊維とを絡合さ
せて得られる複合シートに、耐洗濯性を向上させるため
に、水不溶性で樹脂のガラス転移温度が−50〜+20
℃の合成高分子の自己架橋型樹脂を、複合シートの水分
が15〜75重量%において、スプレー方式で複合シー
トの紙シート側から該紙シートの絶乾重量当り2〜17
重量%塗布、乾燥することにより繰り返し洗濯しても再
使用可能なように耐洗濯性を改善する方法が開示されて
いる。この方法により得られる複合不織布は、柔軟で吸
水性に富み、工業用ワイパー、ウェス、カウンタークロ
ス、布巾、雑巾等の用途に好適に用いられる。
【0009】一方、不織布という基材に抗菌性を付与す
る方法として内添法や後加工法がよく知られている。内
添法としては、合成繊維を製造する段階で紡糸に用いら
れる原料樹脂に有機系や無機系抗菌剤を練り込む方法
が、特開平3−84066号公報、特開平3−2054
36号公報、特開平4−228608号公報等に開示さ
れている。例えば、特開平3−84066号公報には、
抗菌性金属又はその酸化物を担持した無機系又は有機系
複合粒子を樹脂中に含有させ、この樹脂組成物を溶融紡
糸に供する方法が開示されている。特開平3−2054
36号公報には、抗菌性ゼオライト粒子を含む樹脂組成
物を溶融紡糸することが開示され、更に特開平4−22
8608号公報には、銅置換抗菌性ゼオライトをポリマ
ーの重合が完了する前の段階で添加し、更に水溶性銅化
合物を紡糸前のポリマーに添加した後、紡糸する方法が
開示されている。
る方法として内添法や後加工法がよく知られている。内
添法としては、合成繊維を製造する段階で紡糸に用いら
れる原料樹脂に有機系や無機系抗菌剤を練り込む方法
が、特開平3−84066号公報、特開平3−2054
36号公報、特開平4−228608号公報等に開示さ
れている。例えば、特開平3−84066号公報には、
抗菌性金属又はその酸化物を担持した無機系又は有機系
複合粒子を樹脂中に含有させ、この樹脂組成物を溶融紡
糸に供する方法が開示されている。特開平3−2054
36号公報には、抗菌性ゼオライト粒子を含む樹脂組成
物を溶融紡糸することが開示され、更に特開平4−22
8608号公報には、銅置換抗菌性ゼオライトをポリマ
ーの重合が完了する前の段階で添加し、更に水溶性銅化
合物を紡糸前のポリマーに添加した後、紡糸する方法が
開示されている。
【0010】しかしながら、前記したように長繊維を溶
融紡糸により製造する段階で紡糸原料に抗菌剤を添加す
る内添法は、繊維の内部に取り込まれた抗菌剤は全く抗
菌効果が得られないこと、予備混練することにより抗菌
剤を分散し、含有させた樹脂の熱履歴が重複し、着色の
原因になり易いこと、繊維が細く抗菌剤粒子が比較的大
きい場合、或いは抗菌剤粒子の分散性が悪い場合は溶融
紡糸する段階で糸切れを起こす恐れがあること、更には
抗菌効果を高める目的で抗菌剤を多く添加すると、繊維
の物理的性質が損なわれたり、繊維が不透明になったり
し易く、逆に抗菌剤の添加量が少ないと、抗菌効果が十
分に発揮されないこと等の問題を抱えている。
融紡糸により製造する段階で紡糸原料に抗菌剤を添加す
る内添法は、繊維の内部に取り込まれた抗菌剤は全く抗
菌効果が得られないこと、予備混練することにより抗菌
剤を分散し、含有させた樹脂の熱履歴が重複し、着色の
原因になり易いこと、繊維が細く抗菌剤粒子が比較的大
きい場合、或いは抗菌剤粒子の分散性が悪い場合は溶融
紡糸する段階で糸切れを起こす恐れがあること、更には
抗菌効果を高める目的で抗菌剤を多く添加すると、繊維
の物理的性質が損なわれたり、繊維が不透明になったり
し易く、逆に抗菌剤の添加量が少ないと、抗菌効果が十
分に発揮されないこと等の問題を抱えている。
【0011】後加工法としては、抗菌剤と接着機能を有
するバインダー樹脂とを含むコーティング剤を繊維に付
着させる方法があり、特開平4−194074号公報、
特開平4−255767号公報等に開示されている。例
えば特開平4−194074号公報には、ゼオライト及
び雲母からなる担体に抗菌性金属イオンを担持させた微
粉体をアクリルエマルジョンのような液状固着剤と混合
して、布地を加工する方法が開示されている。又、特開
平4−255767号公報には、(a)合成樹脂エマル
ジョン、(b)コロイド状もしくは微粒子状の金属酸化
物、シリカゲル又はゼオライト、(c)抗菌性金属の錯
イオン、及び(d)水を主成分とするコーティング用組
成物を繊維や布帛に加工することが開示されている。し
かしながら、抗菌剤とバインダー樹脂とを含むコーティ
ング剤を繊維に付着させる方法によれば、抗菌剤を繊維
表面に固着させることは可能であるが、吸水性に富んだ
不織布に十分な抗菌作用を付与するためには、抗菌剤と
バインダーとを不織布の表面、裏面及び内部の全体に均
一に行き渡らせる必要であり、それには多量のコーティ
ング剤を表と裏から塗布しなければならない。そうする
と、柔軟性、吸水性や保水性が損なわれるし、乾燥に多
大のエネルギーが必要となり、不織布を高速度で効率よ
く製造し難くなるという欠点が生じる。
するバインダー樹脂とを含むコーティング剤を繊維に付
着させる方法があり、特開平4−194074号公報、
特開平4−255767号公報等に開示されている。例
えば特開平4−194074号公報には、ゼオライト及
び雲母からなる担体に抗菌性金属イオンを担持させた微
粉体をアクリルエマルジョンのような液状固着剤と混合
して、布地を加工する方法が開示されている。又、特開
平4−255767号公報には、(a)合成樹脂エマル
ジョン、(b)コロイド状もしくは微粒子状の金属酸化
物、シリカゲル又はゼオライト、(c)抗菌性金属の錯
イオン、及び(d)水を主成分とするコーティング用組
成物を繊維や布帛に加工することが開示されている。し
かしながら、抗菌剤とバインダー樹脂とを含むコーティ
ング剤を繊維に付着させる方法によれば、抗菌剤を繊維
表面に固着させることは可能であるが、吸水性に富んだ
不織布に十分な抗菌作用を付与するためには、抗菌剤と
バインダーとを不織布の表面、裏面及び内部の全体に均
一に行き渡らせる必要であり、それには多量のコーティ
ング剤を表と裏から塗布しなければならない。そうする
と、柔軟性、吸水性や保水性が損なわれるし、乾燥に多
大のエネルギーが必要となり、不織布を高速度で効率よ
く製造し難くなるという欠点が生じる。
【0012】又、別の後加工法としては、バインダー樹
脂を用いない方法も知られている。特開昭59−309
63号公報には、金属銅、金属銀又はこれらの酸化物の
粉末の水性分散液と繊維とを接触加熱して、繊維に金属
化合物粉末を付着させた殺菌性繊維が開示されている。
特公平3−45142号公報には、繊維を有機溶媒又は
水系溶剤により膨潤させた後、セラミックス多孔質微粒
子が混合された処理水溶液に浸漬し、浸漬された処理溶
液を加熱、加圧して当該繊維が有する拡張した繊維穴に
前記微細粒子を注入し、次いで抗菌剤(第四級アンモニ
ウム塩、有機窒素化合物、キトサン等)を溶解した処理
溶液に前記微細粒子を固溶するすることからなるセラミ
ックス含有繊維の製造方法が開示されている。しかしな
がら、前記の後加工法は、バインダー成分を用いないた
め抗菌剤の繊維に対する固着力が不足し、抗菌剤が脱落
し易いので、抗菌性の持続や耐洗濯性に欠けるという問
題点がある。更に、抗菌剤とバインダー樹脂を含むコー
ティング剤を繊維に付着させる場合と同様、吸水性に富
んだ基材の表面全体に均一に抗菌性を付与するために多
量の処理水溶液が必要となり、柔軟性が損なわれると共
に、乾燥に多大なエネルギーを必要とし、不織布を効率
よく製造することが困難になるという欠点が生じる。
脂を用いない方法も知られている。特開昭59−309
63号公報には、金属銅、金属銀又はこれらの酸化物の
粉末の水性分散液と繊維とを接触加熱して、繊維に金属
化合物粉末を付着させた殺菌性繊維が開示されている。
特公平3−45142号公報には、繊維を有機溶媒又は
水系溶剤により膨潤させた後、セラミックス多孔質微粒
子が混合された処理水溶液に浸漬し、浸漬された処理溶
液を加熱、加圧して当該繊維が有する拡張した繊維穴に
前記微細粒子を注入し、次いで抗菌剤(第四級アンモニ
ウム塩、有機窒素化合物、キトサン等)を溶解した処理
溶液に前記微細粒子を固溶するすることからなるセラミ
ックス含有繊維の製造方法が開示されている。しかしな
がら、前記の後加工法は、バインダー成分を用いないた
め抗菌剤の繊維に対する固着力が不足し、抗菌剤が脱落
し易いので、抗菌性の持続や耐洗濯性に欠けるという問
題点がある。更に、抗菌剤とバインダー樹脂を含むコー
ティング剤を繊維に付着させる場合と同様、吸水性に富
んだ基材の表面全体に均一に抗菌性を付与するために多
量の処理水溶液が必要となり、柔軟性が損なわれると共
に、乾燥に多大なエネルギーを必要とし、不織布を効率
よく製造することが困難になるという欠点が生じる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】パルプ繊維と連続長繊
維を絡合一体化して得られる複合不織布に抗菌性を付与
するために、連続長繊維を製造する際に前記内添法、即
ち混練により樹脂に抗菌剤を含有させると、複合不織布
の中で連続長繊維の含有比率が小さいため、抗菌作用を
発現させるためには大量の抗菌剤を含有する熱可塑性樹
脂を使用しなければならなくなり、前記したように、そ
のような樹脂を用いて溶融紡糸する際には糸切れが多発
し、安定して連続長繊維からなる不織布を製造すること
ができない。一方、後加工法により前記複合不織布に抗
菌性を付与させるためには、柔軟性、吸水性、保水性等
を損なうことなく、しかも少ない抗菌剤の使用量で不織
布の表面、内部及び裏面の全体に均一に抗菌作用を発現
させることができる不織布及びその製造方法の開発が望
まれているが今日まで実現されていない。
維を絡合一体化して得られる複合不織布に抗菌性を付与
するために、連続長繊維を製造する際に前記内添法、即
ち混練により樹脂に抗菌剤を含有させると、複合不織布
の中で連続長繊維の含有比率が小さいため、抗菌作用を
発現させるためには大量の抗菌剤を含有する熱可塑性樹
脂を使用しなければならなくなり、前記したように、そ
のような樹脂を用いて溶融紡糸する際には糸切れが多発
し、安定して連続長繊維からなる不織布を製造すること
ができない。一方、後加工法により前記複合不織布に抗
菌性を付与させるためには、柔軟性、吸水性、保水性等
を損なうことなく、しかも少ない抗菌剤の使用量で不織
布の表面、内部及び裏面の全体に均一に抗菌作用を発現
させることができる不織布及びその製造方法の開発が望
まれているが今日まで実現されていない。
【0014】本発明の目的は、優れた吸水性、保水性、
柔軟性等の性能を有し、しかも繰り返し洗濯しても優れ
た耐洗濯性と抗菌持続性を示し、繰り返し使用可能な複
合不織布及びその製造方法を提供することにある。
柔軟性等の性能を有し、しかも繰り返し洗濯しても優れ
た耐洗濯性と抗菌持続性を示し、繰り返し使用可能な複
合不織布及びその製造方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、かかる状
況に鑑み、後加工法の有する問題点を解消して、優れた
抗菌性と柔軟性、吸水性、保水性等及び耐洗濯性、繰り
返し使用可能性等を同時に満足する品質性能を付与され
た複合不織布及びその製造方法を開発するために鋭意研
究を重ねた。その結果、特開平7ー67820号公報に
開示されている吸水性、柔軟性、拭き取り性等の拭き布
としての性能を損なうことなく、耐洗濯性を有する前記
複合不織布からなる拭き布を製造する際に、特定の粒子
径を有し、抗菌性金属成分を担持させた無機系微粒子か
らなる抗菌剤微粒子と、加熱により水不溶性となる自己
架橋型樹脂との水分散性の混合液を、前記複合不織布の
水分が特定の範囲にある間にスプレー式で前記複合不織
布の片面である紙シート表面にのみ塗布すると、驚いた
ことに抗菌性金属成分を担持した前記抗菌性微粒子が複
合不織布の表層から厚み方向、即ち内部を通過し、その
裏面へ極めて迅速に、容易に、しかも均一に拡散、浸透
して到達し、即ち前記複合不織布の紙シート面側からの
み加熱により水不溶性となる自己架橋型の樹脂接着剤と
抗菌剤微粒子とからなる塗布液を塗布するだけで不織布
の表面は勿論のこと、厚み方向及び裏面の全体に均一に
抗菌剤を存在させることができ、しかも少ない樹脂含有
量で抗菌剤とパルプ繊維の脱落が防止できるので、吸水
性、保水性、柔軟性等の性能及び耐洗濯性を損なうこと
なく優れた抗菌性を持続できる複合不織布が製造できる
ことを見出し本発明を完成するに至った。
況に鑑み、後加工法の有する問題点を解消して、優れた
抗菌性と柔軟性、吸水性、保水性等及び耐洗濯性、繰り
返し使用可能性等を同時に満足する品質性能を付与され
た複合不織布及びその製造方法を開発するために鋭意研
究を重ねた。その結果、特開平7ー67820号公報に
開示されている吸水性、柔軟性、拭き取り性等の拭き布
としての性能を損なうことなく、耐洗濯性を有する前記
複合不織布からなる拭き布を製造する際に、特定の粒子
径を有し、抗菌性金属成分を担持させた無機系微粒子か
らなる抗菌剤微粒子と、加熱により水不溶性となる自己
架橋型樹脂との水分散性の混合液を、前記複合不織布の
水分が特定の範囲にある間にスプレー式で前記複合不織
布の片面である紙シート表面にのみ塗布すると、驚いた
ことに抗菌性金属成分を担持した前記抗菌性微粒子が複
合不織布の表層から厚み方向、即ち内部を通過し、その
裏面へ極めて迅速に、容易に、しかも均一に拡散、浸透
して到達し、即ち前記複合不織布の紙シート面側からの
み加熱により水不溶性となる自己架橋型の樹脂接着剤と
抗菌剤微粒子とからなる塗布液を塗布するだけで不織布
の表面は勿論のこと、厚み方向及び裏面の全体に均一に
抗菌剤を存在させることができ、しかも少ない樹脂含有
量で抗菌剤とパルプ繊維の脱落が防止できるので、吸水
性、保水性、柔軟性等の性能及び耐洗濯性を損なうこと
なく優れた抗菌性を持続できる複合不織布が製造できる
ことを見出し本発明を完成するに至った。
【0016】本発明の第一は、疎水性で、熱可塑性の連
続長繊維が集積された長繊維ウェブからなるスパンボン
ド不織布と、多数のパルプ繊維とが相互に交絡、一体化
した複合不織布に抗菌剤を含有せしめた抗菌性複合不織
布において、該複合不織布が水不溶性で、ガラス転移温
度が−50〜+20℃の合成高分子の自己架橋型樹脂
を、該複合不織布を構成するパルプ繊維の絶乾重量に対
して2〜17重量%含有し、かつ無機系抗菌剤を、該複
合不織布の絶乾重量に対して0.03〜2.0重量%含
有してなることを特徴とする抗菌性複合不織布である。
続長繊維が集積された長繊維ウェブからなるスパンボン
ド不織布と、多数のパルプ繊維とが相互に交絡、一体化
した複合不織布に抗菌剤を含有せしめた抗菌性複合不織
布において、該複合不織布が水不溶性で、ガラス転移温
度が−50〜+20℃の合成高分子の自己架橋型樹脂
を、該複合不織布を構成するパルプ繊維の絶乾重量に対
して2〜17重量%含有し、かつ無機系抗菌剤を、該複
合不織布の絶乾重量に対して0.03〜2.0重量%含
有してなることを特徴とする抗菌性複合不織布である。
【0017】本発明の第二は、前記無機系抗菌剤が無機
系微粒子に抗菌性金属成分を担持させた抗菌剤微粒子か
ら選ばれた少なくとも1種で、かつ該抗菌剤微粒子の平
均粒子径が3〜300nmの範囲であることを特徴とす
る前記本発明の第一に記載の抗菌性複合不織布である。
系微粒子に抗菌性金属成分を担持させた抗菌剤微粒子か
ら選ばれた少なくとも1種で、かつ該抗菌剤微粒子の平
均粒子径が3〜300nmの範囲であることを特徴とす
る前記本発明の第一に記載の抗菌性複合不織布である。
【0018】本発明の第三は、疎水性で、熱可塑性の連
続長繊維が集積された長繊維ウェブからなるスパンボン
ド不織布の片面に、多数のパルプ繊維よりなる紙シート
を積層した後、該紙シート側から不織布側に向けて高圧
水柱流を施すことにより、パルプ繊維と長繊維を絡合、
一体化させて複合不織布とし、次いで抗菌剤を含有させ
ることからなる抗菌性複合不織布を製造する方法におい
て、高圧水柱流を施した後、複合不織布のJIS P
8127による水分が15〜75重量%において、ガラ
ス転移温度が−50〜+20℃の合成高分子の自己架橋
型樹脂と、無機系抗菌剤との水分散性混合液を、スプレ
ー方式によって前記複合不織布を構成する紙シートの面
側からのみ噴霧塗布し、乾燥することを特徴とする抗菌
性複合不織布の製造方法である。
続長繊維が集積された長繊維ウェブからなるスパンボン
ド不織布の片面に、多数のパルプ繊維よりなる紙シート
を積層した後、該紙シート側から不織布側に向けて高圧
水柱流を施すことにより、パルプ繊維と長繊維を絡合、
一体化させて複合不織布とし、次いで抗菌剤を含有させ
ることからなる抗菌性複合不織布を製造する方法におい
て、高圧水柱流を施した後、複合不織布のJIS P
8127による水分が15〜75重量%において、ガラ
ス転移温度が−50〜+20℃の合成高分子の自己架橋
型樹脂と、無機系抗菌剤との水分散性混合液を、スプレ
ー方式によって前記複合不織布を構成する紙シートの面
側からのみ噴霧塗布し、乾燥することを特徴とする抗菌
性複合不織布の製造方法である。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明においては、長繊維ウェブ
として疎水性で、熱可塑性の連続長繊維が集積された長
繊維ウェブが用いられるが、これは疎水性で、熱可塑性
の樹脂を押出し紡糸機において加熱溶融して多数の口金
から押出して紡糸し、紡出された連続長繊維フィラメン
ト群をエジェクターにより高速高圧エアーで延伸しなが
ら引き取り、開繊し、捕集用の支持体面上に捕集してウ
ェブを形成したものであって、このウェブに熱エンボス
を施して得られる公知のスパンボンド不織布及び熱エン
ボスを施していないフリース状のものを意味する。この
ようにして疎水性で、熱可塑性の樹脂を溶融紡糸して得
られる長繊維には、例えばポリオレフィン系長繊維、ポ
リエステル系長繊維、ポリアミド系長繊維、ポリアクリ
ル酸エステル系長繊維等を挙げることができ適宜選択し
て使用することができる。
として疎水性で、熱可塑性の連続長繊維が集積された長
繊維ウェブが用いられるが、これは疎水性で、熱可塑性
の樹脂を押出し紡糸機において加熱溶融して多数の口金
から押出して紡糸し、紡出された連続長繊維フィラメン
ト群をエジェクターにより高速高圧エアーで延伸しなが
ら引き取り、開繊し、捕集用の支持体面上に捕集してウ
ェブを形成したものであって、このウェブに熱エンボス
を施して得られる公知のスパンボンド不織布及び熱エン
ボスを施していないフリース状のものを意味する。この
ようにして疎水性で、熱可塑性の樹脂を溶融紡糸して得
られる長繊維には、例えばポリオレフィン系長繊維、ポ
リエステル系長繊維、ポリアミド系長繊維、ポリアクリ
ル酸エステル系長繊維等を挙げることができ適宜選択し
て使用することができる。
【0020】本発明において、連続長繊維を使用する理
由は、不織布を構成する長繊維ウェブが短繊維ウェブよ
りも、繊維間が相互に絡合している場合、引張強度や形
態安定性に優れており、更に、長繊維の場合、高圧水柱
流をウェブに施しても、水柱流と共に繊維が流出し難い
からである。本発明のための長繊維の繊度は、1〜7デ
ニール、好ましくは1〜4デニールである。長繊維の繊
度が7デニールを超えると、長繊維ウェブの柔軟性が低
下し、得られる抗菌性複合不織布の使用感や風合いが悪
くなる。逆に、長繊維の繊度が1デニール未満になる
と、長繊維の製造条件が厳密になって、長繊維、ひいて
は長繊維ウェブを高速度で製造し難くなる。
由は、不織布を構成する長繊維ウェブが短繊維ウェブよ
りも、繊維間が相互に絡合している場合、引張強度や形
態安定性に優れており、更に、長繊維の場合、高圧水柱
流をウェブに施しても、水柱流と共に繊維が流出し難い
からである。本発明のための長繊維の繊度は、1〜7デ
ニール、好ましくは1〜4デニールである。長繊維の繊
度が7デニールを超えると、長繊維ウェブの柔軟性が低
下し、得られる抗菌性複合不織布の使用感や風合いが悪
くなる。逆に、長繊維の繊度が1デニール未満になる
と、長繊維の製造条件が厳密になって、長繊維、ひいて
は長繊維ウェブを高速度で製造し難くなる。
【0021】長繊維として疎水性で熱可塑性を有する樹
脂を用いる理由は、押出し紡糸機で所望の繊度の長繊維
が容易に得られ、しかも親水性の繊維の場合に比べて、
水を吸収しても膨潤せず、湿潤強度が低下し難いからで
ある。長繊維ウェブの湿潤強度が低下し難いということ
は、長繊維ウェブからなる抗菌性複合不織布も湿潤強度
が低下し難く、濡れた状態での使用の際や繰り返し使用
するための洗濯時に破れ易いという欠点を解消し得るか
らである。
脂を用いる理由は、押出し紡糸機で所望の繊度の長繊維
が容易に得られ、しかも親水性の繊維の場合に比べて、
水を吸収しても膨潤せず、湿潤強度が低下し難いからで
ある。長繊維ウェブの湿潤強度が低下し難いということ
は、長繊維ウェブからなる抗菌性複合不織布も湿潤強度
が低下し難く、濡れた状態での使用の際や繰り返し使用
するための洗濯時に破れ易いという欠点を解消し得るか
らである。
【0022】本発明に用いられる前記長繊維ウェブの坪
量は、5〜30g/m2 、好ましくは、5〜20g/m
2 である。長繊維ウェブの坪量が30g/m2 を超える
と、長繊維ウェブの片面にパルプ繊維からなる紙シート
を積層して、紙シート側から長繊維ウェブからなる不織
布側に向けて高圧水柱流を施しても、紙シートを構成す
るパルプ繊維が、長繊維ウェブの表面( 紙シートと当接
していない面) に殆ど移動し難くなり、厚み方向、即ち
紙シート側から不織布側における吸水性に差が出てくる
ようになるので適さない。逆に、長繊維ウェブの坪量が
5g/m2 未満では、長繊維ウェブの形態安定性が低下
し、得られる抗菌性複合不織布の湿潤強度が低下する
上、長繊維相互間の間隙が大きくなって、そのような長
繊維ウェブの上に前記紙シートを積層し、その上から高
圧水柱流を噴射した時に、その間隙からパルプ繊維が流
失し、無駄になる上、噴射処理後の排水を回収した場
合、その中にパルプ繊維が大量に混入するので、その処
理にも困るようになる。
量は、5〜30g/m2 、好ましくは、5〜20g/m
2 である。長繊維ウェブの坪量が30g/m2 を超える
と、長繊維ウェブの片面にパルプ繊維からなる紙シート
を積層して、紙シート側から長繊維ウェブからなる不織
布側に向けて高圧水柱流を施しても、紙シートを構成す
るパルプ繊維が、長繊維ウェブの表面( 紙シートと当接
していない面) に殆ど移動し難くなり、厚み方向、即ち
紙シート側から不織布側における吸水性に差が出てくる
ようになるので適さない。逆に、長繊維ウェブの坪量が
5g/m2 未満では、長繊維ウェブの形態安定性が低下
し、得られる抗菌性複合不織布の湿潤強度が低下する
上、長繊維相互間の間隙が大きくなって、そのような長
繊維ウェブの上に前記紙シートを積層し、その上から高
圧水柱流を噴射した時に、その間隙からパルプ繊維が流
失し、無駄になる上、噴射処理後の排水を回収した場
合、その中にパルプ繊維が大量に混入するので、その処
理にも困るようになる。
【0023】本発明において使用する長繊維ウェブは、
前記したように、熱エンボスにより長繊維相互間が自己
融着した、いわゆるスパンボンド長繊維不織布であって
も良いし、長繊維相互間が結合していないフリース状の
長繊維不織布であっても良い。しかしながら、本発明で
は、とりわけ前記の長繊維不織布のうちでも、長繊維相
互間が自己融着した点融着部が、散点状に多数配置され
たスパンボンド不織布を使用するのが好ましい。この理
由は、長繊維相互間が自己融着している点融着部を持つ
長繊維不織布は、形態安定性に優れると共に、点融着部
以外の部分においては長繊維相互間が自己融着されてお
らず、自由な状態で集積されているため、優れた柔軟性
が得られ、しかもパルプ繊維と良好に絡合し易いからで
ある。
前記したように、熱エンボスにより長繊維相互間が自己
融着した、いわゆるスパンボンド長繊維不織布であって
も良いし、長繊維相互間が結合していないフリース状の
長繊維不織布であっても良い。しかしながら、本発明で
は、とりわけ前記の長繊維不織布のうちでも、長繊維相
互間が自己融着した点融着部が、散点状に多数配置され
たスパンボンド不織布を使用するのが好ましい。この理
由は、長繊維相互間が自己融着している点融着部を持つ
長繊維不織布は、形態安定性に優れると共に、点融着部
以外の部分においては長繊維相互間が自己融着されてお
らず、自由な状態で集積されているため、優れた柔軟性
が得られ、しかもパルプ繊維と良好に絡合し易いからで
ある。
【0024】本発明では、まず前記長繊維ウェブからな
る不織布の上にパルプ繊維からなる紙シートを積層し、
その上から高圧水ジェット流からなる高圧水柱流を噴射
し、繊維同士を絡合、一体化して得られる複合不織布が
準備される。前記のようにして準備した長繊維ウェブの
片面に、公知のパルプ繊維よりなる紙シートを積層す
る。この紙シートとしては、公知の種々の任意のものを
使用することができるが、紙シートのJIS P 81
24による坪量は、10〜200g/m2 の範囲が好ま
しい。紙シートの坪量が10g/m2 未満では、パルプ
繊維の絶対量が少なくなり、得られる抗菌性複合不織布
に十分な吸水性や保水性を与え難くなり、逆に、坪量が
200g/m2 を超えると、得られる抗菌性複合不織布
の全体の坪量が大きくなり過ぎて、抗菌性複合不織布の
柔軟性が低下する。
る不織布の上にパルプ繊維からなる紙シートを積層し、
その上から高圧水ジェット流からなる高圧水柱流を噴射
し、繊維同士を絡合、一体化して得られる複合不織布が
準備される。前記のようにして準備した長繊維ウェブの
片面に、公知のパルプ繊維よりなる紙シートを積層す
る。この紙シートとしては、公知の種々の任意のものを
使用することができるが、紙シートのJIS P 81
24による坪量は、10〜200g/m2 の範囲が好ま
しい。紙シートの坪量が10g/m2 未満では、パルプ
繊維の絶対量が少なくなり、得られる抗菌性複合不織布
に十分な吸水性や保水性を与え難くなり、逆に、坪量が
200g/m2 を超えると、得られる抗菌性複合不織布
の全体の坪量が大きくなり過ぎて、抗菌性複合不織布の
柔軟性が低下する。
【0025】紙シートを構成するパルプ繊維としては、
針葉樹或いは広葉樹木材をクラフト法、サルファイト
法、ソーダ法、ポリサルファイト法等で蒸解して得られ
る針葉樹及び/又は広葉樹の未晒パルプ繊維或いは晒パ
ルプ繊維のような化学パルプ、又は前記針葉樹木材から
のグランドパルプ繊維、サーモメカニカルパルプ繊維等
の機械パルプ繊維を、単独で、又は前記化学パルプと混
合して使用することができる。針葉樹パルプ繊維と広葉
樹パルプ繊維の重量配合比は、針葉樹パルプ繊維:広葉
樹パルプ繊維の絶乾重量比が100〜20:0〜80、
好ましくは100〜40:0〜60の範囲である。広葉
樹パルプ繊維が全パルプ繊維重量の80重量%を超える
と、そのような配合比率からなる紙シートを長繊維ウェ
ブに積層した後、高圧水柱流を紙シート面から噴射して
処理を施した際に、パルプ繊維が水と一緒に流出する量
が増加するばかりでなく、繊維同士を絡合した後の複合
不織布の柔軟性が低下するから適さない。
針葉樹或いは広葉樹木材をクラフト法、サルファイト
法、ソーダ法、ポリサルファイト法等で蒸解して得られ
る針葉樹及び/又は広葉樹の未晒パルプ繊維或いは晒パ
ルプ繊維のような化学パルプ、又は前記針葉樹木材から
のグランドパルプ繊維、サーモメカニカルパルプ繊維等
の機械パルプ繊維を、単独で、又は前記化学パルプと混
合して使用することができる。針葉樹パルプ繊維と広葉
樹パルプ繊維の重量配合比は、針葉樹パルプ繊維:広葉
樹パルプ繊維の絶乾重量比が100〜20:0〜80、
好ましくは100〜40:0〜60の範囲である。広葉
樹パルプ繊維が全パルプ繊維重量の80重量%を超える
と、そのような配合比率からなる紙シートを長繊維ウェ
ブに積層した後、高圧水柱流を紙シート面から噴射して
処理を施した際に、パルプ繊維が水と一緒に流出する量
が増加するばかりでなく、繊維同士を絡合した後の複合
不織布の柔軟性が低下するから適さない。
【0026】本発明に用いられる前記紙シートのJIS
P 8118による密度は、0.65g/cm3 以下
である。紙シートの密度が0.65g/cm3 を超える
と、紙シートの側から高圧水柱流を施した場合に、パル
プ繊維の運動が抑制されるので、長繊維とパルプ繊維の
繊維同士の絡合、一体化が不十分になり、絡合後のシー
トの柔軟性が低下する。しかしながら、紙シートの密度
を小さくしようとしても限度があり、その下限はティッ
シュペーパーのように柔らかい状態の0.20g/cm
3 程度である。前記紙シートは、前記パルプ繊維を水に
懸濁させたスラリーを用いて公知の湿式抄紙機において
抄紙してドライヤーで乾燥した後得られるが、抄紙の際
に、必要に応じて、例えば、ポリアミド・エピクロルヒ
ドリン樹脂或いはその変成物、ポリアミン・エピクロル
ヒドリン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂等の湿潤紙力増
強剤をスラリー中に添加して用いても良い。
P 8118による密度は、0.65g/cm3 以下
である。紙シートの密度が0.65g/cm3 を超える
と、紙シートの側から高圧水柱流を施した場合に、パル
プ繊維の運動が抑制されるので、長繊維とパルプ繊維の
繊維同士の絡合、一体化が不十分になり、絡合後のシー
トの柔軟性が低下する。しかしながら、紙シートの密度
を小さくしようとしても限度があり、その下限はティッ
シュペーパーのように柔らかい状態の0.20g/cm
3 程度である。前記紙シートは、前記パルプ繊維を水に
懸濁させたスラリーを用いて公知の湿式抄紙機において
抄紙してドライヤーで乾燥した後得られるが、抄紙の際
に、必要に応じて、例えば、ポリアミド・エピクロルヒ
ドリン樹脂或いはその変成物、ポリアミン・エピクロル
ヒドリン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂等の湿潤紙力増
強剤をスラリー中に添加して用いても良い。
【0027】この紙シートは、予め準備した長繊維ウェ
ブからなる不織布の片面に積層されるが、この時にJI
S P 8124による長繊維ウェブの坪量と紙シート
の絶乾坪量との比は、長繊維ウェブ:紙シートが1:1
〜1:19となるように調整する。長繊維ウェブ:紙シ
ートとの坪量の比が1:1を超えて紙シートの比が減少
すると、長繊維の量に対して、相対的にパルプ繊維の量
が少なくなり、得られる抗菌性複合不織布の吸水性や保
水性が低下する。又、長繊維に対して、廉価なパルプ繊
維の量が少なくなることによって、得られる抗菌性複合
不織布自体の製造コストが高くなるので適さない。逆
に、長繊維ウェブ:紙シートが1:19を超えて、紙シ
ートの比が増加すると、紙シートを構成するパルプ繊維
の全てが強固に絡合し難くなり、その結果、得られる抗
菌性複合不織布を水に湿潤させて使用した場合、パルプ
繊維が脱落し易くなるので適さない。
ブからなる不織布の片面に積層されるが、この時にJI
S P 8124による長繊維ウェブの坪量と紙シート
の絶乾坪量との比は、長繊維ウェブ:紙シートが1:1
〜1:19となるように調整する。長繊維ウェブ:紙シ
ートとの坪量の比が1:1を超えて紙シートの比が減少
すると、長繊維の量に対して、相対的にパルプ繊維の量
が少なくなり、得られる抗菌性複合不織布の吸水性や保
水性が低下する。又、長繊維に対して、廉価なパルプ繊
維の量が少なくなることによって、得られる抗菌性複合
不織布自体の製造コストが高くなるので適さない。逆
に、長繊維ウェブ:紙シートが1:19を超えて、紙シ
ートの比が増加すると、紙シートを構成するパルプ繊維
の全てが強固に絡合し難くなり、その結果、得られる抗
菌性複合不織布を水に湿潤させて使用した場合、パルプ
繊維が脱落し易くなるので適さない。
【0028】長繊維ウェブの片面に紙シートを積層した
後、紙シートの表面から長繊維ウェブ側に向けて高圧水
柱流を噴射して処理を施す際には、積層体の紙シート側
から長繊維ウェブ側へ高圧水柱流が貫通するように噴射
するのである。このような高圧水柱流は、微細な孔径、
例えば直径が0.01〜0.3mmのノズル孔を通して
高い水圧、例えば、20〜180kg/cm2 の圧力で
水を噴出させて得られる高圧水ジェット流である。この
高圧水柱流を網目構造を有するエンドレスに回転してい
る支持体上に前記積層体を乗せて紙シート表面に施す
と、高圧水柱流は、まず紙シートに衝突して紙シートを
長繊維ウェブ上に密着させ、次いでこの密着した状態
で、紙シートの支持体の網目構造の交差部、即ち縦糸と
横糸が交差するナックル部に衝突する水柱流が噴射方向
と直角方向に流出し、その上の紙シート部分において部
分的な破壊が生じ、その部分の紙シートを構成するパル
プ繊維を単離させ、パルプ繊維に曲げや捩れ等の変形を
起こさせると共に、パルプ繊維に運動エネルギーが十分
に与えられ、ランダムな運動を生じさせる。その結果、
これらの複合作用によって、パルプ繊維と長繊維ウェブ
中の長繊維とが絡み合い、更に、この高圧水柱流によっ
て長繊維同士も絡合することになるのである。
後、紙シートの表面から長繊維ウェブ側に向けて高圧水
柱流を噴射して処理を施す際には、積層体の紙シート側
から長繊維ウェブ側へ高圧水柱流が貫通するように噴射
するのである。このような高圧水柱流は、微細な孔径、
例えば直径が0.01〜0.3mmのノズル孔を通して
高い水圧、例えば、20〜180kg/cm2 の圧力で
水を噴出させて得られる高圧水ジェット流である。この
高圧水柱流を網目構造を有するエンドレスに回転してい
る支持体上に前記積層体を乗せて紙シート表面に施す
と、高圧水柱流は、まず紙シートに衝突して紙シートを
長繊維ウェブ上に密着させ、次いでこの密着した状態
で、紙シートの支持体の網目構造の交差部、即ち縦糸と
横糸が交差するナックル部に衝突する水柱流が噴射方向
と直角方向に流出し、その上の紙シート部分において部
分的な破壊が生じ、その部分の紙シートを構成するパル
プ繊維を単離させ、パルプ繊維に曲げや捩れ等の変形を
起こさせると共に、パルプ繊維に運動エネルギーが十分
に与えられ、ランダムな運動を生じさせる。その結果、
これらの複合作用によって、パルプ繊維と長繊維ウェブ
中の長繊維とが絡み合い、更に、この高圧水柱流によっ
て長繊維同士も絡合することになるのである。
【0029】本発明の抗菌性複合不織布は、前記積層体
に高圧水柱流を施し、複合不織布とした後、該不織布の
JIS P 8127による水分が15〜75重量%、
好ましくは30〜70重量%に調整されて、水不溶性で
接着機能を有する合成高分子からなる樹脂エマルジョン
或いはラテックスと、抗菌性金属成分を担持している無
機系微粒子の水分散液との混合物を、紙シート側からの
みスプレー方式により塗布することを必須条件として製
造される。驚いたことに、前記条件下でスプレー方式に
より前記混合物を紙シート面に塗布すると、少ない塗布
量で、しかも片面に塗布するだけで、抗菌性金属成分を
担持する無機系微粒子は、合成高分子の樹脂エマルジョ
ンとともに紙シート表面側から不織布層を通過し、不織
ウェブ側にまで拡散して到達し、複合不織布全体に均一
に分布し、こうして抗菌剤を両面と内層に均一に含有す
る複合不織布とすることが見い出されたのである。
に高圧水柱流を施し、複合不織布とした後、該不織布の
JIS P 8127による水分が15〜75重量%、
好ましくは30〜70重量%に調整されて、水不溶性で
接着機能を有する合成高分子からなる樹脂エマルジョン
或いはラテックスと、抗菌性金属成分を担持している無
機系微粒子の水分散液との混合物を、紙シート側からの
みスプレー方式により塗布することを必須条件として製
造される。驚いたことに、前記条件下でスプレー方式に
より前記混合物を紙シート面に塗布すると、少ない塗布
量で、しかも片面に塗布するだけで、抗菌性金属成分を
担持する無機系微粒子は、合成高分子の樹脂エマルジョ
ンとともに紙シート表面側から不織布層を通過し、不織
ウェブ側にまで拡散して到達し、複合不織布全体に均一
に分布し、こうして抗菌剤を両面と内層に均一に含有す
る複合不織布とすることが見い出されたのである。
【0030】しかしながら、スプレー方式で塗布する場
合であっても、前記複合不織布の水分が75重量%を超
える条件で塗布すると、不織布内部に水分が過剰に存在
するため合成高分子の樹脂と抗菌性金属を担持する無機
系微粒子が紙シート側より浸透して長繊維ウェブ側まで
到達するのに時間が長くなり、従って不均一な分布のま
ま乾燥することになり、しかも複合不織布に水分が多い
状態で乾燥することになるので乾燥に多大のコストを要
し、結局抗菌作用がばらつき、製造コストが高いものに
なる。逆に、前記複合不織布の水分が15重量%未満の
ように低い条件で、スプレー方式で前記混合物を紙シー
ト表面から塗布した場合には、複合不織布の乾燥には有
利となるが、合成高分子の樹脂エマルジョンと抗菌性金
属成分を担持する無機系微粒子は、複合不織布の内部へ
の浸透が困難となり、長繊維ウェブ側まで拡散して到達
しないので、紙シート側へ集中して塗布液が溜まるの
で、柔軟性が損なわれるとともにパルプ繊維の強固な固
定が不十分となり、抗菌性金属成分を担持した無機系微
粒子の不織布層内における分布も不均一となるので適さ
ない。もしこのような状態を避けようとすれば、前記混
合物の塗布量を増やさなければならないが、そうすると
結果的に抗菌性複合不織布の柔軟性、吸水性、保水性が
低下するので適さない。
合であっても、前記複合不織布の水分が75重量%を超
える条件で塗布すると、不織布内部に水分が過剰に存在
するため合成高分子の樹脂と抗菌性金属を担持する無機
系微粒子が紙シート側より浸透して長繊維ウェブ側まで
到達するのに時間が長くなり、従って不均一な分布のま
ま乾燥することになり、しかも複合不織布に水分が多い
状態で乾燥することになるので乾燥に多大のコストを要
し、結局抗菌作用がばらつき、製造コストが高いものに
なる。逆に、前記複合不織布の水分が15重量%未満の
ように低い条件で、スプレー方式で前記混合物を紙シー
ト表面から塗布した場合には、複合不織布の乾燥には有
利となるが、合成高分子の樹脂エマルジョンと抗菌性金
属成分を担持する無機系微粒子は、複合不織布の内部へ
の浸透が困難となり、長繊維ウェブ側まで拡散して到達
しないので、紙シート側へ集中して塗布液が溜まるの
で、柔軟性が損なわれるとともにパルプ繊維の強固な固
定が不十分となり、抗菌性金属成分を担持した無機系微
粒子の不織布層内における分布も不均一となるので適さ
ない。もしこのような状態を避けようとすれば、前記混
合物の塗布量を増やさなければならないが、そうすると
結果的に抗菌性複合不織布の柔軟性、吸水性、保水性が
低下するので適さない。
【0031】本発明に用いられる合成高分子の樹脂とし
ては特開平7ー67820号公報に開示されているよう
に、自己架橋型で加熱乾燥した後は、水不溶性となって
接着機能を有するものである必要がある。樹脂が加熱乾
燥後において水に可溶性である場合、抗菌性不織布を水
で洗濯して再使用する時に樹脂が溶出してパルプ繊維の
脱落が生じ、結果的に抗菌性複合不織布の吸水性や保水
性を低下させるとともに、含有されている抗菌性金属成
分を担持した無機系微粒子も脱落するため、抗菌性の持
続が劣ることとなるので適さない。又、前記の樹脂が自
己架橋型でない場合、何回も繰り返し洗濯を行うと徐々
に樹脂の強度低下が生じ、パルプ繊維が脱落するように
なり、いわゆる耐洗濯性に劣るため、前記したように、
洗濯を繰り返して再使用している間に徐々に抗菌性複合
不織布の吸水性や保水性の低下が生じるとともに、抗菌
剤を担持した無機微粒子も脱落して、抗菌性を持続でき
なくなる。このような合成高分子の樹脂のガラス転移温
度は、−50〜+20℃、好ましくは−45〜+10℃
である。前記樹脂のガラス転移温度が+20℃を超えて
高くなると、樹脂の剛性が高くなるため、結果的に、樹
脂を塗布した複合不織布の柔軟性が減少するので適さな
い。逆に、前記樹脂のガラス転移温度が−50℃未満で
は、樹脂の粘着性が高くなるので、樹脂を塗布した後の
抗菌性複合不織布の表面にべとつきが生じるので適さな
い。
ては特開平7ー67820号公報に開示されているよう
に、自己架橋型で加熱乾燥した後は、水不溶性となって
接着機能を有するものである必要がある。樹脂が加熱乾
燥後において水に可溶性である場合、抗菌性不織布を水
で洗濯して再使用する時に樹脂が溶出してパルプ繊維の
脱落が生じ、結果的に抗菌性複合不織布の吸水性や保水
性を低下させるとともに、含有されている抗菌性金属成
分を担持した無機系微粒子も脱落するため、抗菌性の持
続が劣ることとなるので適さない。又、前記の樹脂が自
己架橋型でない場合、何回も繰り返し洗濯を行うと徐々
に樹脂の強度低下が生じ、パルプ繊維が脱落するように
なり、いわゆる耐洗濯性に劣るため、前記したように、
洗濯を繰り返して再使用している間に徐々に抗菌性複合
不織布の吸水性や保水性の低下が生じるとともに、抗菌
剤を担持した無機微粒子も脱落して、抗菌性を持続でき
なくなる。このような合成高分子の樹脂のガラス転移温
度は、−50〜+20℃、好ましくは−45〜+10℃
である。前記樹脂のガラス転移温度が+20℃を超えて
高くなると、樹脂の剛性が高くなるため、結果的に、樹
脂を塗布した複合不織布の柔軟性が減少するので適さな
い。逆に、前記樹脂のガラス転移温度が−50℃未満で
は、樹脂の粘着性が高くなるので、樹脂を塗布した後の
抗菌性複合不織布の表面にべとつきが生じるので適さな
い。
【0032】本発明に使用される樹脂としては、顔料塗
工や各種の貼合せのために接着剤として用いられている
合成高分子からなる樹脂で、例えば、ポリアクリル酸エ
ステル、ポリメタクリル酸エステル、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合物、スチレン−ブタジエン共重合物、ニトリ
ル−ブタジエン共重合物、ポリエステル樹脂、ポリウレ
タン樹脂等を挙げることができ、これらの樹脂は単独で
或いは2種以上を混合して水系エマルジョン、ラテック
ス、水や溶剤に溶解した水溶液として用いられ、何れに
しても複合不織布に塗布した後、加熱乾燥することによ
って、自己架橋し、水不溶性となるものである。更に、
必要に応じて使用に際し、架橋剤、触媒等の助剤を添加
して併用してもよい。
工や各種の貼合せのために接着剤として用いられている
合成高分子からなる樹脂で、例えば、ポリアクリル酸エ
ステル、ポリメタクリル酸エステル、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合物、スチレン−ブタジエン共重合物、ニトリ
ル−ブタジエン共重合物、ポリエステル樹脂、ポリウレ
タン樹脂等を挙げることができ、これらの樹脂は単独で
或いは2種以上を混合して水系エマルジョン、ラテック
ス、水や溶剤に溶解した水溶液として用いられ、何れに
しても複合不織布に塗布した後、加熱乾燥することによ
って、自己架橋し、水不溶性となるものである。更に、
必要に応じて使用に際し、架橋剤、触媒等の助剤を添加
して併用してもよい。
【0033】本発明では、接着機能を有する前記合成高
分子の樹脂の含有量は、複合不織布を構成する紙シート
の絶乾重量に対して2〜17重量%である。樹脂の含有
量が17重量%を超えると、紙シートを構成するパルプ
繊維の表面全体に樹脂皮膜が形成されるので、紙シート
の剛性が高くなり、結果的に、抗菌性複合不織布の柔軟
性が低下し、更に、樹脂は疎水性であるため、パルプ繊
維の親水性を低下させ、ひいては抗菌性複合不織布の吸
水性や保水性を低下させるので適さない。本発明では、
JIS L 1906による吸水速度が5秒以内で示さ
れる吸水性であれば実用的に問題ない。逆に、樹脂の含
有量が2重量%未満では、パルプ繊維量に対して樹脂量
が不足するため、パルプ繊維と無機系抗菌剤微粒子とを
しっかりと固定することができず、洗濯時にパルプ繊維
の脱落が生じてしまい、抗菌性複合不織布として必要な
吸水性や保水性を低下させるので、繰り返し再使用がで
きないから適さない。
分子の樹脂の含有量は、複合不織布を構成する紙シート
の絶乾重量に対して2〜17重量%である。樹脂の含有
量が17重量%を超えると、紙シートを構成するパルプ
繊維の表面全体に樹脂皮膜が形成されるので、紙シート
の剛性が高くなり、結果的に、抗菌性複合不織布の柔軟
性が低下し、更に、樹脂は疎水性であるため、パルプ繊
維の親水性を低下させ、ひいては抗菌性複合不織布の吸
水性や保水性を低下させるので適さない。本発明では、
JIS L 1906による吸水速度が5秒以内で示さ
れる吸水性であれば実用的に問題ない。逆に、樹脂の含
有量が2重量%未満では、パルプ繊維量に対して樹脂量
が不足するため、パルプ繊維と無機系抗菌剤微粒子とを
しっかりと固定することができず、洗濯時にパルプ繊維
の脱落が生じてしまい、抗菌性複合不織布として必要な
吸水性や保水性を低下させるので、繰り返し再使用がで
きないから適さない。
【0034】一方、接着機能を有する合成高分子の樹脂
と混合して用いられる抗菌性金属成分を担持した無機系
微粒子(以下抗菌剤微粒子という)は、抗菌性を示す金
属成分と、抗菌性を示す金属成分以外の負の電荷を有す
る無機系単一酸化物の微粒子との混合物或いは化合物の
形でコロイド状微粒子を形成した単一酸化物コロイド粒
子及び/又は抗菌性金属成分が、抗菌性金属成分以外の
負の電荷を有する無機系複合酸化物の微粒子の表面に結
合して形成された複合酸化物コロイド粒子である。とり
わけ、複合酸化物コロイド粒子は、使用した際に長時間
にわたり抗菌作用を持続させる上で好ましい。前記単一
酸化物コロイド粒子としては、公知のSiO2 、TiO
2 、ZrO2、Fe2 O3 、Sb2 O5 、WO3 等が例
示され、複合酸化物コロイド粒子としては、前記各酸化
物と他の1種以上の無機酸化物とが結合したコロイド粒
子、例えば、公知のSiO2 ・Al2 O3 、SiO2 ・
B2 O3 、SiO2 ・P2 O5、TiO2 ・CeO2 、
TiO2 ・ZrO2 、SiO2 ・ZrO2 、SnO2 ・
Sb2 O5 、SiO2 ・Al2 O3 ・TiO2 、SiO
2 ・TiO2 ・CeO2、TiO2 ・SiO2 ・ZrO
2 、SiO2 ・Al2 O3 ・MgO、SiO2 ・Al2
O3 ・CaO、SiO2 ・TiO2 ・Fe2 O3 等を挙
げることができ、これらの中から適宜選択して単独で或
いは2種以上を組み合わせて本発明のために用いられ
る。
と混合して用いられる抗菌性金属成分を担持した無機系
微粒子(以下抗菌剤微粒子という)は、抗菌性を示す金
属成分と、抗菌性を示す金属成分以外の負の電荷を有す
る無機系単一酸化物の微粒子との混合物或いは化合物の
形でコロイド状微粒子を形成した単一酸化物コロイド粒
子及び/又は抗菌性金属成分が、抗菌性金属成分以外の
負の電荷を有する無機系複合酸化物の微粒子の表面に結
合して形成された複合酸化物コロイド粒子である。とり
わけ、複合酸化物コロイド粒子は、使用した際に長時間
にわたり抗菌作用を持続させる上で好ましい。前記単一
酸化物コロイド粒子としては、公知のSiO2 、TiO
2 、ZrO2、Fe2 O3 、Sb2 O5 、WO3 等が例
示され、複合酸化物コロイド粒子としては、前記各酸化
物と他の1種以上の無機酸化物とが結合したコロイド粒
子、例えば、公知のSiO2 ・Al2 O3 、SiO2 ・
B2 O3 、SiO2 ・P2 O5、TiO2 ・CeO2 、
TiO2 ・ZrO2 、SiO2 ・ZrO2 、SnO2 ・
Sb2 O5 、SiO2 ・Al2 O3 ・TiO2 、SiO
2 ・TiO2 ・CeO2、TiO2 ・SiO2 ・ZrO
2 、SiO2 ・Al2 O3 ・MgO、SiO2 ・Al2
O3 ・CaO、SiO2 ・TiO2 ・Fe2 O3 等を挙
げることができ、これらの中から適宜選択して単独で或
いは2種以上を組み合わせて本発明のために用いられ
る。
【0035】本発明に用いられる抗菌性を示す金属成分
としては、公知の銀、銅、亜鉛、錫、水銀、鉛、ビスマ
ス、カドミウム、クロム等を挙げることができるが、抗
菌作用と人体に対する安全性の観点から銀、銅、亜鉛の
中から選択される1種以上の化合物、例えば酸化物をア
ンモニア水に溶解して、アンミン錯塩水溶液として無機
系酸化物の微粒子と混合され、該微粒子に担持されて用
いられるのが望ましい。抗菌性金属成分として用いられ
る銅イオンは青色を呈するが、銀イオンは無色である。
しかしながら、銀イオンは光化学反応や酸化作用により
金属銀の凝集体或いは酸化物となり、褐色又は黒色に変
色する。従って、特に紫外線の光化学反応による銀成分
の変色を防止するためには、チタン、ジルコニウム、セ
リウム、亜鉛等を銀成分と組み合わせて使用することが
望ましい。これは、チタン、ジルコニウム、セリウム及
び亜鉛成分が紫外線吸収剤として作用して、銀成分の変
色を防止する効果を有しているからである。
としては、公知の銀、銅、亜鉛、錫、水銀、鉛、ビスマ
ス、カドミウム、クロム等を挙げることができるが、抗
菌作用と人体に対する安全性の観点から銀、銅、亜鉛の
中から選択される1種以上の化合物、例えば酸化物をア
ンモニア水に溶解して、アンミン錯塩水溶液として無機
系酸化物の微粒子と混合され、該微粒子に担持されて用
いられるのが望ましい。抗菌性金属成分として用いられ
る銅イオンは青色を呈するが、銀イオンは無色である。
しかしながら、銀イオンは光化学反応や酸化作用により
金属銀の凝集体或いは酸化物となり、褐色又は黒色に変
色する。従って、特に紫外線の光化学反応による銀成分
の変色を防止するためには、チタン、ジルコニウム、セ
リウム、亜鉛等を銀成分と組み合わせて使用することが
望ましい。これは、チタン、ジルコニウム、セリウム及
び亜鉛成分が紫外線吸収剤として作用して、銀成分の変
色を防止する効果を有しているからである。
【0036】抗菌性金属成分はイオンの形で用いられ、
その量は前記無機系の酸化物微粒子重量当り酸化物換算
で0.1〜25重量%、好ましくは0.1〜15重量%
の範囲内である。抗菌性金属成分が0.1重量%より少
ない場合は、使用に際して多量の抗菌性微粒子を用いな
いと抗菌作用が十分に発現しない。又、抗菌性金属成分
が25重量%を超えて多くなると前記無機系酸化物微粒
子と結合しない抗菌性金属イオンが多くなり、液と一緒
に挙動を共にするので、抗菌性微粒子をろ過分別した
り、複合不織布に塗布されても該不織布を洗濯して再使
用する間に脱落して無駄となるので適さない。
その量は前記無機系の酸化物微粒子重量当り酸化物換算
で0.1〜25重量%、好ましくは0.1〜15重量%
の範囲内である。抗菌性金属成分が0.1重量%より少
ない場合は、使用に際して多量の抗菌性微粒子を用いな
いと抗菌作用が十分に発現しない。又、抗菌性金属成分
が25重量%を超えて多くなると前記無機系酸化物微粒
子と結合しない抗菌性金属イオンが多くなり、液と一緒
に挙動を共にするので、抗菌性微粒子をろ過分別した
り、複合不織布に塗布されても該不織布を洗濯して再使
用する間に脱落して無駄となるので適さない。
【0037】以上説明したようにして製造され、本発明
に好適に用いられる抗菌性微粒子の大きさは、コロイド
粒子の次元の粒子径を有し、平均粒子径が3〜300n
m、好ましくは3〜150nm、更に好ましくは5〜1
20nmの範囲である。平均粒子径が300nmよりも
大きくなると、合成高分子の自己架橋型樹脂と混合して
スプレー方式で複合不織布の紙シート面に塗布した場合
に複合不織布の紙シート面から、複合不織布の不織布面
まで、液と一緒に抗菌剤微粒子が均一に拡散、浸透し難
くなるので適さない。抗菌剤微粒子は、その平均粒子径
が小さいほど好ましいが、3nm未満のものは公知技術
では製造が困難である。
に好適に用いられる抗菌性微粒子の大きさは、コロイド
粒子の次元の粒子径を有し、平均粒子径が3〜300n
m、好ましくは3〜150nm、更に好ましくは5〜1
20nmの範囲である。平均粒子径が300nmよりも
大きくなると、合成高分子の自己架橋型樹脂と混合して
スプレー方式で複合不織布の紙シート面に塗布した場合
に複合不織布の紙シート面から、複合不織布の不織布面
まで、液と一緒に抗菌剤微粒子が均一に拡散、浸透し難
くなるので適さない。抗菌剤微粒子は、その平均粒子径
が小さいほど好ましいが、3nm未満のものは公知技術
では製造が困難である。
【0038】本発明に使用できる抗菌剤微粒子は、例え
ば、特開平5−132309号公報に開示されている方
法に準じて複合酸化物コロイド溶液を製造する際に、抗
菌性金属イオンを添加して調製することができる。即
ち、アルカリ金属、アンモニウム又は有機塩基の珪酸塩
と、アルカリ可溶性の無機化合物と、抗菌性金属成分の
水溶液とを、pH10以上のアルカリ水溶液中に同時に
添加し、抗菌性金属成分を含有する無機系酸化物コロイ
ド粒子からなる抗菌剤微粒子を生成させるのである。
又、特開昭63−270620号公報に開示された方法
により化粧料を製造する際に、抗菌性金属成分を添加し
て本発明に使用できる抗菌剤微粒子を調製することもで
きる。即ち、含水チタン酸のゲル及び/又はゾルに過酸
化水素を加えて得られるチタン酸水溶液に抗菌性金属成
分の水溶液を混合し、次いで珪酸液、シリカゾル等の珪
素化合物又は含水酸化ジルコニウムのゲル或いはゾル等
のジルコニウム化合物、又はそれらの混合物の存在下
に、加熱して調製する。
ば、特開平5−132309号公報に開示されている方
法に準じて複合酸化物コロイド溶液を製造する際に、抗
菌性金属イオンを添加して調製することができる。即
ち、アルカリ金属、アンモニウム又は有機塩基の珪酸塩
と、アルカリ可溶性の無機化合物と、抗菌性金属成分の
水溶液とを、pH10以上のアルカリ水溶液中に同時に
添加し、抗菌性金属成分を含有する無機系酸化物コロイ
ド粒子からなる抗菌剤微粒子を生成させるのである。
又、特開昭63−270620号公報に開示された方法
により化粧料を製造する際に、抗菌性金属成分を添加し
て本発明に使用できる抗菌剤微粒子を調製することもで
きる。即ち、含水チタン酸のゲル及び/又はゾルに過酸
化水素を加えて得られるチタン酸水溶液に抗菌性金属成
分の水溶液を混合し、次いで珪酸液、シリカゾル等の珪
素化合物又は含水酸化ジルコニウムのゲル或いはゾル等
のジルコニウム化合物、又はそれらの混合物の存在下
に、加熱して調製する。
【0039】更に、特開平6−80527号公報に開示
された抗菌性無機酸化物コロイド溶液からなる抗菌剤微
粒子を本発明に用いることができる。この製造方法で
は、負の電荷を有する無機酸化物コロイド粒子が分散し
たコロイド溶液に抗菌性金属成分としての酸化物をアン
モニア水に溶解して得られるアンミン錯塩の水溶液を添
加して、前記無機酸化物コロイド粒子の表面に抗菌性金
属成分を付着させ、担持させるのである。この無機系抗
菌剤微粒子は、合成高分子の自己架橋型樹脂のエマルジ
ョン、ラテックス或いは水溶液と混合し、混合液として
調製され、複合不織布を構成する紙シートの面側からス
プレー方式によって塗布し、乾燥することにより、複合
不織布全体に均一に含有させられる。
された抗菌性無機酸化物コロイド溶液からなる抗菌剤微
粒子を本発明に用いることができる。この製造方法で
は、負の電荷を有する無機酸化物コロイド粒子が分散し
たコロイド溶液に抗菌性金属成分としての酸化物をアン
モニア水に溶解して得られるアンミン錯塩の水溶液を添
加して、前記無機酸化物コロイド粒子の表面に抗菌性金
属成分を付着させ、担持させるのである。この無機系抗
菌剤微粒子は、合成高分子の自己架橋型樹脂のエマルジ
ョン、ラテックス或いは水溶液と混合し、混合液として
調製され、複合不織布を構成する紙シートの面側からス
プレー方式によって塗布し、乾燥することにより、複合
不織布全体に均一に含有させられる。
【0040】この複合不織布中に含有される抗菌剤微粒
子は、複合不織布の絶乾重量当り0.03〜2.0重量
%、好ましくは0.05〜1.0重量%の範囲である。
前記抗菌剤微粒子の含有量が0.03重量%未満では、
所望の抗菌効果が得られない。又、含有量が2重量%を
超えて多くても、得られる抗菌効果は頭打ちとなる上、
抗菌剤微粒子は不織布や紙シートに比べて高価であり、
経済的に不利となる。本発明で用いられる抗菌剤微粒子
は、前記したように粒子径が小さく、スプレー方式で合
成高分子の自己架橋型樹脂と混合して複合不織布の紙シ
ート側から塗布すると、前記複合不織布の内部、即ち厚
み方向に均一に、しかも容易に拡散、浸透し、その反対
面(紙シートと非当接面)の不織布表面まで到達し、そ
して前記微粒子は比表面積が大きいため複合不織布を構
成するパルプ繊維や合成連続長繊維との密着性が高く、
これらの繊維に強く密着し、その状態で加熱乾燥するこ
とにより自己架橋型樹脂により繊維表面に強固に貼着さ
れ、このようにして製造された抗菌性複合不織布は、繰
り返し水に曝されても貼着された抗菌性微粒子は脱落せ
ず、抗菌作用の持続性に優れるのである。
子は、複合不織布の絶乾重量当り0.03〜2.0重量
%、好ましくは0.05〜1.0重量%の範囲である。
前記抗菌剤微粒子の含有量が0.03重量%未満では、
所望の抗菌効果が得られない。又、含有量が2重量%を
超えて多くても、得られる抗菌効果は頭打ちとなる上、
抗菌剤微粒子は不織布や紙シートに比べて高価であり、
経済的に不利となる。本発明で用いられる抗菌剤微粒子
は、前記したように粒子径が小さく、スプレー方式で合
成高分子の自己架橋型樹脂と混合して複合不織布の紙シ
ート側から塗布すると、前記複合不織布の内部、即ち厚
み方向に均一に、しかも容易に拡散、浸透し、その反対
面(紙シートと非当接面)の不織布表面まで到達し、そ
して前記微粒子は比表面積が大きいため複合不織布を構
成するパルプ繊維や合成連続長繊維との密着性が高く、
これらの繊維に強く密着し、その状態で加熱乾燥するこ
とにより自己架橋型樹脂により繊維表面に強固に貼着さ
れ、このようにして製造された抗菌性複合不織布は、繰
り返し水に曝されても貼着された抗菌性微粒子は脱落せ
ず、抗菌作用の持続性に優れるのである。
【0041】本発明の抗菌性複合不織布は、手術着や使
い捨て作業着としてそのままの生地を加工して用いられ
るが、防水性能が必要とされる場合、フィルム等を貼合
わせて使用することもできる。例えば、本発明の抗菌性
複合不織布の紙シート側或いは不織布面の片面にフィル
ムをホットメルト接着剤で貼り合わせることで、シーツ
等の医療用基材や使い捨て作業着等に使用することがで
きる。使い捨て作業着としては、抗菌性複合不織布を裏
層に、フィルム面を表層となるように縫製した構成とす
ることで、表層のフィルムが着衣表面からの汚れを防
ぎ、裏層では着用者の汗を吸収し、かつ裏層での雑菌の
繁殖を防止することができる。更に、貼合わせに使用す
るフィルムとして透湿性を有する微多孔フィルムを用い
ると、裏層から吸収した着用者の汗等を、透湿性微多孔
フィルムを通して外部に発散できるため、抗菌防臭効果
をもつ快適な作業着が得られる。
い捨て作業着としてそのままの生地を加工して用いられ
るが、防水性能が必要とされる場合、フィルム等を貼合
わせて使用することもできる。例えば、本発明の抗菌性
複合不織布の紙シート側或いは不織布面の片面にフィル
ムをホットメルト接着剤で貼り合わせることで、シーツ
等の医療用基材や使い捨て作業着等に使用することがで
きる。使い捨て作業着としては、抗菌性複合不織布を裏
層に、フィルム面を表層となるように縫製した構成とす
ることで、表層のフィルムが着衣表面からの汚れを防
ぎ、裏層では着用者の汗を吸収し、かつ裏層での雑菌の
繁殖を防止することができる。更に、貼合わせに使用す
るフィルムとして透湿性を有する微多孔フィルムを用い
ると、裏層から吸収した着用者の汗等を、透湿性微多孔
フィルムを通して外部に発散できるため、抗菌防臭効果
をもつ快適な作業着が得られる。
【0042】又、フィルムの片面に抗菌性複合不織布を
貼り合わせ、更にその反対面に同様に別の抗菌性複合不
織布或いは吸水性に富み、抗菌性を有しない不織布、例
えば本発明の基材として使用されるようなパルプと長繊
維とが絡合、一体化した複合不織布、を貼り合わせて、
フィルムを中層としたサンドウィッチ状として使用する
こともできる。このような貼り合わせ基材は、手術着、
使い捨て作業着等に好適に使用でき、抗菌性複合不織布
が表層になるように縫製した構成とすることで、フィル
ムにより手術中に付着した血液等の液体を内層に透過さ
せないばかりでなく、表層の抗菌性複合不織布には付着
した液体を吸収し、抗菌作用を発現させることもでき
る。
貼り合わせ、更にその反対面に同様に別の抗菌性複合不
織布或いは吸水性に富み、抗菌性を有しない不織布、例
えば本発明の基材として使用されるようなパルプと長繊
維とが絡合、一体化した複合不織布、を貼り合わせて、
フィルムを中層としたサンドウィッチ状として使用する
こともできる。このような貼り合わせ基材は、手術着、
使い捨て作業着等に好適に使用でき、抗菌性複合不織布
が表層になるように縫製した構成とすることで、フィル
ムにより手術中に付着した血液等の液体を内層に透過さ
せないばかりでなく、表層の抗菌性複合不織布には付着
した液体を吸収し、抗菌作用を発現させることもでき
る。
【0043】上記のように、本発明の抗菌性不織布とフ
ィルムを貼り合わせて使用する場合には、使用目的に応
じて様々なフィルムを使用することができるが、手術
着、使い捨て作業着、シーツ等の用途に用いる場合、発
汗等により身体から生じる水分を、水蒸気として外部に
発散させ、外部からの水や血液の透過を防ぐようにする
ため、透湿性微多孔フィルムを使用することが好まし
い。前記の張り合わせようのフィルムの厚さは、フィル
ムの材質、用途等により適宜選択することができるが、
10〜100μmの範囲内で用いられる。フィルムの厚
さが10μm未満ではフィルムの強度が弱く、貼り合わ
せ加工が困難になるばかりでなく、シーツ、手術着等に
使用した時にフィルム部分が破れ易くなるため好ましく
ない。又、フィルムの厚さが100μmを超えると、フ
ィルムの剛度が大きくなり過ぎ、抗菌性複合不織布の風
合いを損ねるので好ましくない。フィルムと抗菌性複合
不織布等を貼合せる方法としては公知の様々な方法を用
いることができるが、フィルムとして透湿性微多孔フィ
ルムを用いる場合、その機能を十分に活用するために、
ホットメルト接着剤等による貼り合わせが好ましい。
ィルムを貼り合わせて使用する場合には、使用目的に応
じて様々なフィルムを使用することができるが、手術
着、使い捨て作業着、シーツ等の用途に用いる場合、発
汗等により身体から生じる水分を、水蒸気として外部に
発散させ、外部からの水や血液の透過を防ぐようにする
ため、透湿性微多孔フィルムを使用することが好まし
い。前記の張り合わせようのフィルムの厚さは、フィル
ムの材質、用途等により適宜選択することができるが、
10〜100μmの範囲内で用いられる。フィルムの厚
さが10μm未満ではフィルムの強度が弱く、貼り合わ
せ加工が困難になるばかりでなく、シーツ、手術着等に
使用した時にフィルム部分が破れ易くなるため好ましく
ない。又、フィルムの厚さが100μmを超えると、フ
ィルムの剛度が大きくなり過ぎ、抗菌性複合不織布の風
合いを損ねるので好ましくない。フィルムと抗菌性複合
不織布等を貼合せる方法としては公知の様々な方法を用
いることができるが、フィルムとして透湿性微多孔フィ
ルムを用いる場合、その機能を十分に活用するために、
ホットメルト接着剤等による貼り合わせが好ましい。
【0044】以上説明したように、本発明の抗菌性複合
不織布は、そのままで、マスク、シーツ等の医療用品、
使い捨て作業着、下着類、或いはタオル、ワイパー、ふ
きん等の日用雑貨類に好適に使用しうるが、抗菌性複合
不織布をフィルムの片面或いは両面に貼り合わせたもの
は、手術着、シーツ等の医療用基材や使い捨て作業着等
の用途に好適に使用しうる。
不織布は、そのままで、マスク、シーツ等の医療用品、
使い捨て作業着、下着類、或いはタオル、ワイパー、ふ
きん等の日用雑貨類に好適に使用しうるが、抗菌性複合
不織布をフィルムの片面或いは両面に貼り合わせたもの
は、手術着、シーツ等の医療用基材や使い捨て作業着等
の用途に好適に使用しうる。
【0045】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、勿論本発明はこれらの実施例のみに限定さ
れるものではない。なお、以下において%とあるのは特
に断らない限り重量%を示す。
説明するが、勿論本発明はこれらの実施例のみに限定さ
れるものではない。なお、以下において%とあるのは特
に断らない限り重量%を示す。
【0046】実施例1 ポリプロピレン長繊維が集積され、且つこのポリプロピ
レン長繊維相互間が熱エンボスにより自己融着された点
融着区域を多数もつ長繊維不織布からなるスパンボンド
不織布を準備した。この不織布を構成する長繊維の繊度
は、2.3デニールであり、長繊維不織布の坪量は、1
4g/m2 であった。点融着区域は0.07mm2 の大
きさで、不織布の全表面積当り10面積%であった。こ
の長繊維不織布の表面に、針葉樹晒クラフトパルプ繊維
を用いて湿式抄紙して得られた紙シートを積層した。こ
の紙シートは、JIS P 8124に示された方法で
測定した坪量が35g/m2 であり、密度は0.52g
/cm3 であった。 次いで、紙シートが上に位置し、
長繊維不織布が下に位置するようにして、金網で形成さ
れた移送コンベア上に載置し、この積層物を20m/分
の速度で移送させながら、孔径0.12mmのノズル孔
が0.64mm間隔で千鳥状に並んでいる高圧水柱流噴
出装置を用いて、40kg/cm2 の水圧で高圧水柱流
を噴出させ、紙シートの表面から不織布側に高圧水柱流
を通過させた。
レン長繊維相互間が熱エンボスにより自己融着された点
融着区域を多数もつ長繊維不織布からなるスパンボンド
不織布を準備した。この不織布を構成する長繊維の繊度
は、2.3デニールであり、長繊維不織布の坪量は、1
4g/m2 であった。点融着区域は0.07mm2 の大
きさで、不織布の全表面積当り10面積%であった。こ
の長繊維不織布の表面に、針葉樹晒クラフトパルプ繊維
を用いて湿式抄紙して得られた紙シートを積層した。こ
の紙シートは、JIS P 8124に示された方法で
測定した坪量が35g/m2 であり、密度は0.52g
/cm3 であった。 次いで、紙シートが上に位置し、
長繊維不織布が下に位置するようにして、金網で形成さ
れた移送コンベア上に載置し、この積層物を20m/分
の速度で移送させながら、孔径0.12mmのノズル孔
が0.64mm間隔で千鳥状に並んでいる高圧水柱流噴
出装置を用いて、40kg/cm2 の水圧で高圧水柱流
を噴出させ、紙シートの表面から不織布側に高圧水柱流
を通過させた。
【0047】以上のようにして、紙シートを構成するパ
ルプ繊維と、長繊維不織布を構成する長繊維とが絡合し
て、両者が一体化した複合不織布を得た。この複合不織
布を二軸で加圧が可能なプレスロールへ導入、通過さ
せ、脱水した。得られた複合不織布の水分は、JISP
8127による方法で測定し、40%であった。次
に、接着機能を有する合成高分子の樹脂として自己架橋
型アクリル樹脂のエマルジョン(日本ゼオン社製、商品
番号:LX851C、樹脂のガラス転移温度=-20℃)
と、抗菌剤微粒子として銀成分を含み、下記のようにし
て調製された複合酸化物コロイド溶液との混合液からな
るスプレー塗布液を準備し、小型スプレーガンを用い
て、前記複合不織布の紙シート側へこの塗布液を噴霧塗
布した後、120℃で乾燥して抗菌性複合不織布を得
た。
ルプ繊維と、長繊維不織布を構成する長繊維とが絡合し
て、両者が一体化した複合不織布を得た。この複合不織
布を二軸で加圧が可能なプレスロールへ導入、通過さ
せ、脱水した。得られた複合不織布の水分は、JISP
8127による方法で測定し、40%であった。次
に、接着機能を有する合成高分子の樹脂として自己架橋
型アクリル樹脂のエマルジョン(日本ゼオン社製、商品
番号:LX851C、樹脂のガラス転移温度=-20℃)
と、抗菌剤微粒子として銀成分を含み、下記のようにし
て調製された複合酸化物コロイド溶液との混合液からな
るスプレー塗布液を準備し、小型スプレーガンを用い
て、前記複合不織布の紙シート側へこの塗布液を噴霧塗
布した後、120℃で乾燥して抗菌性複合不織布を得
た。
【0048】抗菌剤微粒子の調製 硫酸チタンを純水に溶解し、TiO2 として1.0%を
含む水溶液を得た。この水溶液に、攪拌しながら15%
固形分濃度のアンモニア水を徐々に添加し、白色スラリ
ー液とし、このスラリー液を濾過、水洗浄し、含水チタ
ン酸のケーキを得た。このケーキの絶乾換算31.4g
に、純水と33%濃度の過酸化水素水219.8gを加
え、80℃で緩く攪拌しながら14時間加熱し、TiO
2 として1.0%のチタン酸溶液3136gを得た。こ
のチタン酸溶液は、黄褐色透明でpHは8.2であっ
た。次に、15%濃度のアンモニア水21.3gを純水
618.1gで希釈したアンモニア水溶液中に酸化銀
0.64gを添加、溶解して、銀のアンミン錯塩水溶液
とし、更にこの水溶液に、炭酸ジルコニウムアンモニウ
ム15.4gを純水169.9g溶解したものを添加し
た。この混合水溶液を前記チタン酸溶液に加え、次いで
20%濃度のシリカゾル38.7gを加えた後、150
℃で36時間緩く攪拌して保持し、淡乳白色で透明な銀
成分を担持した複合酸化物コロイド溶液からなる抗菌剤
微粒子を得た。前記複合酸化物コロイド溶液のpHは
7.5、固形分濃度は12.0%、コロイド粒子の平均
粒子径は5.5nmであった。
含む水溶液を得た。この水溶液に、攪拌しながら15%
固形分濃度のアンモニア水を徐々に添加し、白色スラリ
ー液とし、このスラリー液を濾過、水洗浄し、含水チタ
ン酸のケーキを得た。このケーキの絶乾換算31.4g
に、純水と33%濃度の過酸化水素水219.8gを加
え、80℃で緩く攪拌しながら14時間加熱し、TiO
2 として1.0%のチタン酸溶液3136gを得た。こ
のチタン酸溶液は、黄褐色透明でpHは8.2であっ
た。次に、15%濃度のアンモニア水21.3gを純水
618.1gで希釈したアンモニア水溶液中に酸化銀
0.64gを添加、溶解して、銀のアンミン錯塩水溶液
とし、更にこの水溶液に、炭酸ジルコニウムアンモニウ
ム15.4gを純水169.9g溶解したものを添加し
た。この混合水溶液を前記チタン酸溶液に加え、次いで
20%濃度のシリカゾル38.7gを加えた後、150
℃で36時間緩く攪拌して保持し、淡乳白色で透明な銀
成分を担持した複合酸化物コロイド溶液からなる抗菌剤
微粒子を得た。前記複合酸化物コロイド溶液のpHは
7.5、固形分濃度は12.0%、コロイド粒子の平均
粒子径は5.5nmであった。
【0049】スプレー方式による塗布 塗布液は、前記自己架橋型アクリル樹脂が固形分換算で
30%、無機系抗菌剤微粒子が固形分換算で3%となる
ように調製した。一方塗布は、次に示す方法で行った。
まず、フラットタイプのスプレーノズル(チップ番号:
600011、スプレーイングシステムスジャパン社
製)が複合不織布の流れ方向と直角の方向(クロス方
向)に35cm間隔で並んで設けてあるスプレー塗布装
置で、前記ノズルと複合不織布の表面との間を50cm
に調整して固定したものを2系列準備し、それぞれの系
列のノズルが互いに千鳥状になるように配置した。次い
で、水分が40%の複合不織布をオンラインで前記スプ
レー塗布装置の下を20m/分で移送させながら、5k
g/cm2 の圧力で前記塗布液を複合不織布の表面のみ
に噴霧し、その後120℃の温度に維持された公知のス
ルードライヤーに1分間通し、JIS法による水分が
0.04%の抗菌性複合不織布を得た。この抗菌性複合
不織布のアクリル樹脂の含有量は絶乾ベースで0.8g
/m2(パルプ繊維の重量当り2.3%)で、無機系抗
菌剤微粒子の含有量は0.1g/m2 (複合不織布重量
当り0.24%)であった。
30%、無機系抗菌剤微粒子が固形分換算で3%となる
ように調製した。一方塗布は、次に示す方法で行った。
まず、フラットタイプのスプレーノズル(チップ番号:
600011、スプレーイングシステムスジャパン社
製)が複合不織布の流れ方向と直角の方向(クロス方
向)に35cm間隔で並んで設けてあるスプレー塗布装
置で、前記ノズルと複合不織布の表面との間を50cm
に調整して固定したものを2系列準備し、それぞれの系
列のノズルが互いに千鳥状になるように配置した。次い
で、水分が40%の複合不織布をオンラインで前記スプ
レー塗布装置の下を20m/分で移送させながら、5k
g/cm2 の圧力で前記塗布液を複合不織布の表面のみ
に噴霧し、その後120℃の温度に維持された公知のス
ルードライヤーに1分間通し、JIS法による水分が
0.04%の抗菌性複合不織布を得た。この抗菌性複合
不織布のアクリル樹脂の含有量は絶乾ベースで0.8g
/m2(パルプ繊維の重量当り2.3%)で、無機系抗
菌剤微粒子の含有量は0.1g/m2 (複合不織布重量
当り0.24%)であった。
【0050】実施例2 実施例1と同様にしてパルプ繊維と長繊維とが絡合、一
体化した複合不織布を製造し、プレスロールへ導入し、
JIS P 8127による水分が40%となるように
プレスした後、接着機能を有する合成高分子の樹脂とし
て自己架橋型アクリルのエマルジョン(日本ゼオン社
製、商品番号:LX851C、樹脂のガラス転移温度=-
20℃)に代えて、自己架橋型SBRのラテックス(荒
川化学工業社製、商品番号:AE940、ガラス転移温
度=-30℃)を使用した以外は実施例1と同様にして調
製したスプレー塗布液を用いて、スプレー塗布を行っ
た。得られた抗菌性複合不織布のSBRの含有量は絶乾
ベースで5.5g/m2 (パルプ繊維の重量当り15.
7%)、無機系抗菌剤微粒子の含有量は0.69g/m
2 (複合不織布の重量当り1.3%)になるように、ス
プレー噴霧量を調整したこと以外、実施例1と同様にし
て抗菌性複合不織布を得た。
体化した複合不織布を製造し、プレスロールへ導入し、
JIS P 8127による水分が40%となるように
プレスした後、接着機能を有する合成高分子の樹脂とし
て自己架橋型アクリルのエマルジョン(日本ゼオン社
製、商品番号:LX851C、樹脂のガラス転移温度=-
20℃)に代えて、自己架橋型SBRのラテックス(荒
川化学工業社製、商品番号:AE940、ガラス転移温
度=-30℃)を使用した以外は実施例1と同様にして調
製したスプレー塗布液を用いて、スプレー塗布を行っ
た。得られた抗菌性複合不織布のSBRの含有量は絶乾
ベースで5.5g/m2 (パルプ繊維の重量当り15.
7%)、無機系抗菌剤微粒子の含有量は0.69g/m
2 (複合不織布の重量当り1.3%)になるように、ス
プレー噴霧量を調整したこと以外、実施例1と同様にし
て抗菌性複合不織布を得た。
【0051】実施例3 ポリプロピレン長繊維が集積され、且つこのポリプロピ
レン長繊維相互間が熱エンボスにより自己融着された点
融着区域を多数もつ長繊維不織布からなるスパンボンド
不織布を準備した。この不織布を構成する長繊維の繊度
は、1.7デニールであり、長繊維不織布の坪量は、2
0g/m2 であった。点融着区域は0.07mm2 の大
きさで、不織布の全表面積当り10面積%であった。こ
の長繊維不織布の表面に、針葉樹晒クラフトパルプ繊維
を用いて湿式抄紙して得られた紙シートを積層した。こ
の紙シートは、JIS P 8124に示された方法で
測定した坪量が55g/m2 であり、密度は0.52g
/cm3 であった。 次いで、紙シートが上に位置し、
長繊維不織布が下に位置するようにして、金網で形成さ
れた移送コンベア上に載置し、この積層物を20m/分
の速度で移送させながら、孔径0.15mmのノズル孔
が1.0mm間隔で千鳥状に並んでいる高圧水柱流噴出
装置を用いて、60kg/cm2 の水圧で高圧水柱流を
噴出させ、紙シートの表面から不織布側に高圧水柱流を
通過させた。
レン長繊維相互間が熱エンボスにより自己融着された点
融着区域を多数もつ長繊維不織布からなるスパンボンド
不織布を準備した。この不織布を構成する長繊維の繊度
は、1.7デニールであり、長繊維不織布の坪量は、2
0g/m2 であった。点融着区域は0.07mm2 の大
きさで、不織布の全表面積当り10面積%であった。こ
の長繊維不織布の表面に、針葉樹晒クラフトパルプ繊維
を用いて湿式抄紙して得られた紙シートを積層した。こ
の紙シートは、JIS P 8124に示された方法で
測定した坪量が55g/m2 であり、密度は0.52g
/cm3 であった。 次いで、紙シートが上に位置し、
長繊維不織布が下に位置するようにして、金網で形成さ
れた移送コンベア上に載置し、この積層物を20m/分
の速度で移送させながら、孔径0.15mmのノズル孔
が1.0mm間隔で千鳥状に並んでいる高圧水柱流噴出
装置を用いて、60kg/cm2 の水圧で高圧水柱流を
噴出させ、紙シートの表面から不織布側に高圧水柱流を
通過させた。
【0052】以上のようにして、紙シートを構成するパ
ルプ繊維と、長繊維不織布を構成する長繊維とが絡合し
て、両者が一体化した複合不織布を得た。この複合不織
布を二軸で加圧が可能なプレスロールへ導入、通過さ
せ、脱水した。得られた複合不織布の水分は、JIS
P 8127による方法で測定し、60%であった。次
に、接着機能を有する合成高分子の樹脂として自己架橋
型アクリル樹脂のエマルジョン(大日本インキ化学社
製、商品番号:AN678A、樹脂のガラス転移温度=
−25℃)と、無機系抗菌剤として銀成分を含み、下記
のようにして調製された複合酸化物コロイド溶液との混
合液からなるスプレー塗布液を準備し、実施例1と同様
にして小型スプレーガンを用いて、前記複合不織布の紙
シート側へこの塗布液を噴霧塗布した後、120℃で乾
燥して抗菌性複合不織布を得た。
ルプ繊維と、長繊維不織布を構成する長繊維とが絡合し
て、両者が一体化した複合不織布を得た。この複合不織
布を二軸で加圧が可能なプレスロールへ導入、通過さ
せ、脱水した。得られた複合不織布の水分は、JIS
P 8127による方法で測定し、60%であった。次
に、接着機能を有する合成高分子の樹脂として自己架橋
型アクリル樹脂のエマルジョン(大日本インキ化学社
製、商品番号:AN678A、樹脂のガラス転移温度=
−25℃)と、無機系抗菌剤として銀成分を含み、下記
のようにして調製された複合酸化物コロイド溶液との混
合液からなるスプレー塗布液を準備し、実施例1と同様
にして小型スプレーガンを用いて、前記複合不織布の紙
シート側へこの塗布液を噴霧塗布した後、120℃で乾
燥して抗菌性複合不織布を得た。
【0053】抗菌剤微粒子の調製 SiO2 濃度が20%のコロイド溶液20gと純水38
0gの混合物を80℃に加温した。この反応母液のpH
は10.7であり、この母液にSiO2 として濃度が
1.5%の珪酸ソーダ水溶液1500gとAl2 O3 と
して濃度が0.5%のアルミン酸ソーダ水溶液1500
gとを同時に添加して、pH12.3のシリカ・アルミ
ナ複合酸化物コロイド溶液とした後、限外濾過膜で濃縮
して固形分濃度2.2%の無機系複合酸化物のコロイド
溶液を調製した。一方、酸化銀0.08gを20gの水
に懸濁し、次いで濃度が15%のアンモニア水を酸化銀
が溶解するまで加え、銀の酸化物としての濃度が、0.
5%となるように水を加えて調製した。この銀アンミン
錯塩水溶液を、前記コロイド溶液に添加して混合し、十
分に攪拌して銀成分を担持したシリカ・アルミナ複合酸
化物コロイド溶液とし、次いでこれを限外濾過膜で濃縮
して、濃度が3%の銀ーシリカ・アルミナ複合酸化物コ
ロイド溶液からなる抗菌剤微粒子を得た。このコロイド
粒子の平均粒子径は10.7nmであった。
0gの混合物を80℃に加温した。この反応母液のpH
は10.7であり、この母液にSiO2 として濃度が
1.5%の珪酸ソーダ水溶液1500gとAl2 O3 と
して濃度が0.5%のアルミン酸ソーダ水溶液1500
gとを同時に添加して、pH12.3のシリカ・アルミ
ナ複合酸化物コロイド溶液とした後、限外濾過膜で濃縮
して固形分濃度2.2%の無機系複合酸化物のコロイド
溶液を調製した。一方、酸化銀0.08gを20gの水
に懸濁し、次いで濃度が15%のアンモニア水を酸化銀
が溶解するまで加え、銀の酸化物としての濃度が、0.
5%となるように水を加えて調製した。この銀アンミン
錯塩水溶液を、前記コロイド溶液に添加して混合し、十
分に攪拌して銀成分を担持したシリカ・アルミナ複合酸
化物コロイド溶液とし、次いでこれを限外濾過膜で濃縮
して、濃度が3%の銀ーシリカ・アルミナ複合酸化物コ
ロイド溶液からなる抗菌剤微粒子を得た。このコロイド
粒子の平均粒子径は10.7nmであった。
【0054】スプレー方式による塗布 塗布液は、前記自己架橋型アクリル樹脂が固形分換算で
30%、無機系抗菌剤微粒子が固形分換算で0.3%と
なるように調製した。一方塗布は、前記したように実施
例1と同様にして行ない、この抗菌性複合不織布のアク
リル樹脂の含有量は絶乾ベースで4.6g/m2 (パル
プ繊維の重量当り8.3%)で、抗菌剤微粒子の含有量
は0.07g/m2 (複合不織布重量当り0.10%)
であった。
30%、無機系抗菌剤微粒子が固形分換算で0.3%と
なるように調製した。一方塗布は、前記したように実施
例1と同様にして行ない、この抗菌性複合不織布のアク
リル樹脂の含有量は絶乾ベースで4.6g/m2 (パル
プ繊維の重量当り8.3%)で、抗菌剤微粒子の含有量
は0.07g/m2 (複合不織布重量当り0.10%)
であった。
【0055】抗菌性複合不織布とフィルムの貼り合わせ 厚さ35μmの透湿性微多孔フィルム(トクヤマ社製
商品番号:PH35)の片面に実施例3で得られた抗菌
性複合不織布を貼り合わせた。貼合わせは、透湿性微多
孔フィルム表面に、130℃で溶融したホットメルト型
接着剤(カネボウエヌエスシー社製 ME7)を塗布し
た後、該抗菌性複合不織布の不織布面側とフィルムを貼
り合わせて行った。ホットメルト型接着剤の塗布には、
ファイバー状カーテンスプレーコーターを用い、ホット
メルト型接着剤の塗布量は、3g/m2 であった。
商品番号:PH35)の片面に実施例3で得られた抗菌
性複合不織布を貼り合わせた。貼合わせは、透湿性微多
孔フィルム表面に、130℃で溶融したホットメルト型
接着剤(カネボウエヌエスシー社製 ME7)を塗布し
た後、該抗菌性複合不織布の不織布面側とフィルムを貼
り合わせて行った。ホットメルト型接着剤の塗布には、
ファイバー状カーテンスプレーコーターを用い、ホット
メルト型接着剤の塗布量は、3g/m2 であった。
【0056】実施例4 抗菌剤微粒子として平均粒子径が100nmで抗菌性金
属成分として銀を、酸化物コロイド粒子としてTiO2
を用いた無機系抗菌剤微粒子のコロイド溶液(商品名:
ATOMY BALL-L、触媒化成工業社製、抗菌性金属成分:対
酸化物コロイド粒子重量当り4.5%、コロイド溶液の
濃度:1.5%)を用いたこと以外は、実施例1と同様
にして抗菌性複合不織布を作製した。
属成分として銀を、酸化物コロイド粒子としてTiO2
を用いた無機系抗菌剤微粒子のコロイド溶液(商品名:
ATOMY BALL-L、触媒化成工業社製、抗菌性金属成分:対
酸化物コロイド粒子重量当り4.5%、コロイド溶液の
濃度:1.5%)を用いたこと以外は、実施例1と同様
にして抗菌性複合不織布を作製した。
【0057】実施例5 塗布液を、自己架橋型アクリル樹脂が固形分換算で15
%、無機系抗菌剤微粒子が固形分換算で2.4%となる
ように調製し、不織布へのアクリル樹脂の含有量が2.
3g/m2 (パルプ繊維の重量当り4.2%)、抗菌剤
微粒子の含有量が1.1g/m2 (複合不織布重量当り
1.8%)となるようにスプレー量を調整し塗布したこ
と以外は、実施例3と同様にして抗菌性複合不織布を得
た。
%、無機系抗菌剤微粒子が固形分換算で2.4%となる
ように調製し、不織布へのアクリル樹脂の含有量が2.
3g/m2 (パルプ繊維の重量当り4.2%)、抗菌剤
微粒子の含有量が1.1g/m2 (複合不織布重量当り
1.8%)となるようにスプレー量を調整し塗布したこ
と以外は、実施例3と同様にして抗菌性複合不織布を得
た。
【0058】比較例1 複合不織布を二軸で加圧が可能なプレスロールへ導入、
通過させてJISP8127による水分を9%としたこ
と、自己架橋型アクリル樹脂の複合不織布への含有量を
絶乾ベースで7g/m2 (パルプ繊維の重量当り20
%)、抗菌剤微粒子の含有量を固形分で0.53g/m
2 (複合不織布重量当り1.3%)となるように塗布液
を調整し、噴霧したこと以外は、実施例1と同様にして
抗菌性複合不織布を得た。
通過させてJISP8127による水分を9%としたこ
と、自己架橋型アクリル樹脂の複合不織布への含有量を
絶乾ベースで7g/m2 (パルプ繊維の重量当り20
%)、抗菌剤微粒子の含有量を固形分で0.53g/m
2 (複合不織布重量当り1.3%)となるように塗布液
を調整し、噴霧したこと以外は、実施例1と同様にして
抗菌性複合不織布を得た。
【0059】比較例2 複合シートを二軸で加圧が可能なプレスロールへ導入、
通過させてJISP8127による複合不織布の水分を
80%としたこと以外は、実施例3と同様にして抗菌性
複合不織布を得た。
通過させてJISP8127による複合不織布の水分を
80%としたこと以外は、実施例3と同様にして抗菌性
複合不織布を得た。
【0060】比較例3 スプレー塗布液を、自己架橋型アクリル樹脂が固形分換
算で30%、抗菌剤微粒子が固形分換算で0.05%と
なるように調製し、複合不織布へのアクリル樹脂の固形
分としての含有量を絶乾ベースで4.6g/m2 (パル
プ繊維の重量当り8.3%)、抗菌剤微粒子の固形分と
しての塗布量を0.01g/m2 (複合不織布重量当り
0.014%)としたこと以外は、実施例3と同様にし
て抗菌性複合不織布を得た。
算で30%、抗菌剤微粒子が固形分換算で0.05%と
なるように調製し、複合不織布へのアクリル樹脂の固形
分としての含有量を絶乾ベースで4.6g/m2 (パル
プ繊維の重量当り8.3%)、抗菌剤微粒子の固形分と
しての塗布量を0.01g/m2 (複合不織布重量当り
0.014%)としたこと以外は、実施例3と同様にし
て抗菌性複合不織布を得た。
【0061】比較例4 スプレー塗布液を、自己架橋型アクリル樹脂が固形分換
算で10%、抗菌剤微粒子を固形分換算で2.9%とな
るように調製し、複合不織布へのアクリル樹脂の固形分
としての塗布量を絶乾ベースで2.7g/m2 (パルプ
繊維の重量当り7.7%)、抗菌剤粒子の固形分として
の含有量を1.0g/m2 (複合不織布重量当り2.5
%)としたこと以外は、実施例1と同様にして抗菌性複
合不織布を得た。
算で10%、抗菌剤微粒子を固形分換算で2.9%とな
るように調製し、複合不織布へのアクリル樹脂の固形分
としての塗布量を絶乾ベースで2.7g/m2 (パルプ
繊維の重量当り7.7%)、抗菌剤粒子の固形分として
の含有量を1.0g/m2 (複合不織布重量当り2.5
%)としたこと以外は、実施例1と同様にして抗菌性複
合不織布を得た。
【0062】比較例5 接着機能を有する合成高分子の自己架橋型樹脂として自
己架橋型エチレン・塩化ビニル共重合体の樹脂エマルジ
ョン(住友化学社製、商品番号:SE−1310、樹脂
のガラス転移温度=+30℃)を用いたこと以外は、実
施例1と同様にして抗菌性複合不織布を得た。
己架橋型エチレン・塩化ビニル共重合体の樹脂エマルジ
ョン(住友化学社製、商品番号:SE−1310、樹脂
のガラス転移温度=+30℃)を用いたこと以外は、実
施例1と同様にして抗菌性複合不織布を得た。
【0063】比較例6 接着性を有する合成高分子の樹脂として自己架橋型では
ない酢酸ビニル・エチレン・塩化ビニル共重合体の樹脂
エマルジョン(住友化学社製、商品番号:S−840、
樹脂のガラス転移温度=+3℃)を用いたこと以外は、
実施例3と同様にして抗菌性複合不織布を得た。
ない酢酸ビニル・エチレン・塩化ビニル共重合体の樹脂
エマルジョン(住友化学社製、商品番号:S−840、
樹脂のガラス転移温度=+3℃)を用いたこと以外は、
実施例3と同様にして抗菌性複合不織布を得た。
【0064】比較例7 Na―Y型ゼオライトを水に懸濁させて、固形分濃度が
5%のスラリー400gを調製して70℃に加温し、こ
れに濃度5%の硝酸銀(AgNO3 )水溶液9.2gを
添加し、更に加温してこの温度で1時間放置し、銀のイ
オン交換を行わせた。次いで、このスラリーを分別ろ過
し、60℃の温水でケーキを十分に洗浄した後120℃
の実験室循環式乾燥器で乾燥し、更に電気炉において5
50℃で1時間焼成して粉末状のゼオライト系抗菌剤微
粒子を作製した。この微粒子は酸化物換算で1.5%銀
成分を担持しており、平均粒子径は500nmであっ
た。この抗菌剤微粒子を用いて、自己架橋型アクリル樹
脂のエマルジョン(大日本インキ化学社製、商品番号:
AN678A、樹脂のガラス転移温度−25℃)との混
合液(固形分換算のアクリル樹脂濃度30%、抗菌剤微
粒子濃度0.3%)からなる塗布液を調製したこと以外
は、実施例3と同様にして小型スプレーガンを用いて噴
霧塗布し、乾燥して抗菌性複合不織布を得た。
5%のスラリー400gを調製して70℃に加温し、こ
れに濃度5%の硝酸銀(AgNO3 )水溶液9.2gを
添加し、更に加温してこの温度で1時間放置し、銀のイ
オン交換を行わせた。次いで、このスラリーを分別ろ過
し、60℃の温水でケーキを十分に洗浄した後120℃
の実験室循環式乾燥器で乾燥し、更に電気炉において5
50℃で1時間焼成して粉末状のゼオライト系抗菌剤微
粒子を作製した。この微粒子は酸化物換算で1.5%銀
成分を担持しており、平均粒子径は500nmであっ
た。この抗菌剤微粒子を用いて、自己架橋型アクリル樹
脂のエマルジョン(大日本インキ化学社製、商品番号:
AN678A、樹脂のガラス転移温度−25℃)との混
合液(固形分換算のアクリル樹脂濃度30%、抗菌剤微
粒子濃度0.3%)からなる塗布液を調製したこと以外
は、実施例3と同様にして小型スプレーガンを用いて噴
霧塗布し、乾燥して抗菌性複合不織布を得た。
【0065】実施例1〜5及び比較例1〜7で得られた
抗菌性複合不織布及び該不織布とフィルムの貼合わせた
もの(実施例3)を下記の試験法により試験し、その品
質を評価した。 (1)柔軟性 抗菌性複合不織布の柔軟性を手触りによる官能で評価し
た。官能評価は、次の5段階で行い、5人のモニターに
よる平均値(小数点以下四捨五入)で表示した。 5・・・ 柔軟性に極めて優れる。 4・・・ 柔軟性に優れる。 3・・・ 柔軟性は普通であった。 2・・・ 柔軟性にやや劣っていた。 1・・・ 柔軟性に劣っていた。
抗菌性複合不織布及び該不織布とフィルムの貼合わせた
もの(実施例3)を下記の試験法により試験し、その品
質を評価した。 (1)柔軟性 抗菌性複合不織布の柔軟性を手触りによる官能で評価し
た。官能評価は、次の5段階で行い、5人のモニターに
よる平均値(小数点以下四捨五入)で表示した。 5・・・ 柔軟性に極めて優れる。 4・・・ 柔軟性に優れる。 3・・・ 柔軟性は普通であった。 2・・・ 柔軟性にやや劣っていた。 1・・・ 柔軟性に劣っていた。
【0066】(2)吸水性 吸水性としてはJIS L 1096の6.26.1滴
下法に示された方法で、抗菌性複合不織布の紙面側から
の吸水速度(秒)を同一試料について3回測定し、平均
値(小数点2桁を四捨五入)で評価した。数値の小さい
ものほど吸水性が良好で、5秒以内であれば実用上問題
ない。 (3)保水性 保水性としては次の方法による保水率を求め、数値の大
小で評価した。抗菌性複合不織布を100mm×100
mmの大きさに裁断して供試試料にした。始めにJIS
P 8124に従って試料の絶乾質量(W0)を測定
し、次に250mm×150mm×30mmの琺瑯びき
容器に蒸留水を入れ、その中に25℃で前記試料を1分
間浸漬し、次いでピンセットで試料を水中から取り出し
1分間水をしたたり落とした後、その試料の質量(W
1)を測定し、保水率を式(1)で求めた。試験は3回
行い、小数点以下四捨五入して平均値を求めた。 保水率(%)={(W1―W0)/W0}×100 ・・・(1)
下法に示された方法で、抗菌性複合不織布の紙面側から
の吸水速度(秒)を同一試料について3回測定し、平均
値(小数点2桁を四捨五入)で評価した。数値の小さい
ものほど吸水性が良好で、5秒以内であれば実用上問題
ない。 (3)保水性 保水性としては次の方法による保水率を求め、数値の大
小で評価した。抗菌性複合不織布を100mm×100
mmの大きさに裁断して供試試料にした。始めにJIS
P 8124に従って試料の絶乾質量(W0)を測定
し、次に250mm×150mm×30mmの琺瑯びき
容器に蒸留水を入れ、その中に25℃で前記試料を1分
間浸漬し、次いでピンセットで試料を水中から取り出し
1分間水をしたたり落とした後、その試料の質量(W
1)を測定し、保水率を式(1)で求めた。試験は3回
行い、小数点以下四捨五入して平均値を求めた。 保水率(%)={(W1―W0)/W0}×100 ・・・(1)
【0067】(4)耐洗濯性 耐洗濯性としては次の方法による重量減少率を求め、数
値の大小で評価した。抗菌性複合不織布を10cm×1
0cmの大きさに断裁して、その10枚を試料として用
い、JIS P 8124に従って試料の絶乾質量(W
0)を測定し、次に洗濯機(電気洗濯機SW―56型、
三洋電機社製)に30リットルの水を入れ、標準洗いに
て10分間洗濯し、その後取り出して手絞りで脱水した
後実験室用熱風循環式乾燥機で105℃で60分間乾燥
した。この操作を繰り返し、洗濯を5回繰り返し、最後
に乾燥した試料の絶乾質量(W10)を測定し、式
(2)により重量減少率を求め、耐洗濯性は、この重量
減少率が2.5%以内であれば実用上問題ないと評価し
た。試験は3回繰り返し、小数点以下2桁を四捨五入
し、平均値で示した。 重量減少率(%)={(W0―W10)/W0}×100 ・・・(2)
値の大小で評価した。抗菌性複合不織布を10cm×1
0cmの大きさに断裁して、その10枚を試料として用
い、JIS P 8124に従って試料の絶乾質量(W
0)を測定し、次に洗濯機(電気洗濯機SW―56型、
三洋電機社製)に30リットルの水を入れ、標準洗いに
て10分間洗濯し、その後取り出して手絞りで脱水した
後実験室用熱風循環式乾燥機で105℃で60分間乾燥
した。この操作を繰り返し、洗濯を5回繰り返し、最後
に乾燥した試料の絶乾質量(W10)を測定し、式
(2)により重量減少率を求め、耐洗濯性は、この重量
減少率が2.5%以内であれば実用上問題ないと評価し
た。試験は3回繰り返し、小数点以下2桁を四捨五入
し、平均値で示した。 重量減少率(%)={(W0―W10)/W0}×100 ・・・(2)
【0068】(5)紙粉発生状況 紙粉発生状況をみるため、次の方法によって手揉み試験
を行い、発生した紙粉量を目視にて官能評価した。抗菌
性複合不織布を15cm×15cmの大きさに断裁し、
書道用墨汁(呉竹精昇堂製、墨滴)に浸漬後、吊り下げ
て液滴を除去し、風乾し、この試料を実験室用熱風循環
式乾燥機で120℃で5分間乾燥し、黒色に染色した抗
菌性複合不織布を作製し、試料とした。次に、試料の紙
分発生状況を評価する側、即ち紙シート側或いは不織布
側が表になる様に二折りして両手で持ち、無風状態の室
内に水平に置いた白紙を用意し、この白紙の15cm上
方で試料の評価する側同士を擦る合わせるように40回
手揉みし、白紙上に落ちた黒色の紙粉量を目視による官
能で評価した。
を行い、発生した紙粉量を目視にて官能評価した。抗菌
性複合不織布を15cm×15cmの大きさに断裁し、
書道用墨汁(呉竹精昇堂製、墨滴)に浸漬後、吊り下げ
て液滴を除去し、風乾し、この試料を実験室用熱風循環
式乾燥機で120℃で5分間乾燥し、黒色に染色した抗
菌性複合不織布を作製し、試料とした。次に、試料の紙
分発生状況を評価する側、即ち紙シート側或いは不織布
側が表になる様に二折りして両手で持ち、無風状態の室
内に水平に置いた白紙を用意し、この白紙の15cm上
方で試料の評価する側同士を擦る合わせるように40回
手揉みし、白紙上に落ちた黒色の紙粉量を目視による官
能で評価した。
【0069】官能評価は、次の5段階で行い、紙シート
側と不織布側について、それぞれ3回試験し、小数点以
下四捨五入して平均値を求めた。紙粉発生性の評価が、
紙シート側と不織布側ともに平均値が4以上であれば、
実用上問題ない。 5・・・ 紙粉の発生が極めて少ない。 4・・・ 紙粉の発生量が少ない。 3・・・ 紙粉の発生量が普通である。 2・・・ 紙粉の発生量がやや多い。 1・・・ 紙粉の発生量が著しく多い。
側と不織布側について、それぞれ3回試験し、小数点以
下四捨五入して平均値を求めた。紙粉発生性の評価が、
紙シート側と不織布側ともに平均値が4以上であれば、
実用上問題ない。 5・・・ 紙粉の発生が極めて少ない。 4・・・ 紙粉の発生量が少ない。 3・・・ 紙粉の発生量が普通である。 2・・・ 紙粉の発生量がやや多い。 1・・・ 紙粉の発生量が著しく多い。
【0070】(6)抗菌性 被検菌株は、繊維製品の試験によく用いられる菌種で、
一般的な環境下で存在するもので、グラム陰性菌のうち
代表的な肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae IF012732)
と、グラム陽性菌のうち代表的な黄色ブドウ状球菌(St
aphylococcus aureus IF012732)の2種類を用いた。培
地は、前培養には普通ブイヨン培地を、本培養には普通
寒天培地を用いた。それぞれの培地の組成は下記に示す
とおりである。
一般的な環境下で存在するもので、グラム陰性菌のうち
代表的な肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae IF012732)
と、グラム陽性菌のうち代表的な黄色ブドウ状球菌(St
aphylococcus aureus IF012732)の2種類を用いた。培
地は、前培養には普通ブイヨン培地を、本培養には普通
寒天培地を用いた。それぞれの培地の組成は下記に示す
とおりである。
【0071】(普通ブイヨン培地) 肉エキス 5g ヘプトン 10g 塩化ナトリウム 5g 蒸留水 1000ml pH 7.0 (普通寒天培地) 肉エキス 5g ヘプトン 10g 塩化ナトリウム 5g 寒天 15g 蒸留水 1000ml pH 7.0
【0072】試験の手順としては、まず供試菌株を普通
ブイヨン培地で37℃で24時間培養し、その培養液
を、高圧蒸気で殺菌済みの下記に示したリン酸緩衝液で
菌濃度104個/ミリリットルに希釈した試験菌液を調
製した。この液の75ミリリットルを三角フラスコに入
れ、これに160℃、2時間で乾熱滅菌した絶乾重量
0.75gの試験片を入れた。用いたリン酸緩衝液は次
のように調製した。即ち、リン酸二水素カリウム34g
を精製水500mlに溶解し、これに4%水酸化ナトリ
ウム溶液175mlを加えてpH7.2に調整後、精製
水を加えて全量を1000mlとして保存液とする。保
存液は5℃以下で保存し、保存限界は2カ月とする。使
用の際には、この保存液を800倍に希釈し、高圧蒸気
滅菌する。その後、この三角フラスコを振とう器にか
け、340rpm、28℃、60分間の条件で振とうし
て菌液中の菌と試験片を十分に接触させた。次に、菌液
の10倍から100,000倍までの範囲で10倍希釈
列を作り、それぞれの濃度の菌液1ミリリットルと普通
寒天培地15ミリリットルを用いて混釈法でプレートを
作った。その後37℃の培養器で48時間培養した後、
コロニーを数え、接触前の菌数に対する減菌率を計算で
求め、抗菌性を評価した。減菌率の高いものほど抗菌性
が強いといえるが、減菌率が80%以上あれば実用的に
抗菌性があると評価した。
ブイヨン培地で37℃で24時間培養し、その培養液
を、高圧蒸気で殺菌済みの下記に示したリン酸緩衝液で
菌濃度104個/ミリリットルに希釈した試験菌液を調
製した。この液の75ミリリットルを三角フラスコに入
れ、これに160℃、2時間で乾熱滅菌した絶乾重量
0.75gの試験片を入れた。用いたリン酸緩衝液は次
のように調製した。即ち、リン酸二水素カリウム34g
を精製水500mlに溶解し、これに4%水酸化ナトリ
ウム溶液175mlを加えてpH7.2に調整後、精製
水を加えて全量を1000mlとして保存液とする。保
存液は5℃以下で保存し、保存限界は2カ月とする。使
用の際には、この保存液を800倍に希釈し、高圧蒸気
滅菌する。その後、この三角フラスコを振とう器にか
け、340rpm、28℃、60分間の条件で振とうし
て菌液中の菌と試験片を十分に接触させた。次に、菌液
の10倍から100,000倍までの範囲で10倍希釈
列を作り、それぞれの濃度の菌液1ミリリットルと普通
寒天培地15ミリリットルを用いて混釈法でプレートを
作った。その後37℃の培養器で48時間培養した後、
コロニーを数え、接触前の菌数に対する減菌率を計算で
求め、抗菌性を評価した。減菌率の高いものほど抗菌性
が強いといえるが、減菌率が80%以上あれば実用的に
抗菌性があると評価した。
【0073】(7)抗菌持続性 (4)「耐洗濯性」の試験法に準じて試料を作製し、そ
の10枚を試料として用い、洗濯機(電気洗濯機SW―
56型、三洋電機社製)に30リットルの水を入れ、標
準洗いにて10分間洗濯し、その後取り出して手絞りで
脱水した後実験室用熱風循環式乾燥機で105℃で60
分間乾燥した。この操作を繰り返し、洗濯を5回繰り返
した後に乾燥したもの及び同様にして洗濯を10回繰り
返した後に乾燥したものを、(6)「抗菌性」の評価法
に従って抗菌性を評価した。この場合も、求めた減菌率
が80%以上あれば抗菌性があると評価した。得られた
結果を表1に示した。
の10枚を試料として用い、洗濯機(電気洗濯機SW―
56型、三洋電機社製)に30リットルの水を入れ、標
準洗いにて10分間洗濯し、その後取り出して手絞りで
脱水した後実験室用熱風循環式乾燥機で105℃で60
分間乾燥した。この操作を繰り返し、洗濯を5回繰り返
した後に乾燥したもの及び同様にして洗濯を10回繰り
返した後に乾燥したものを、(6)「抗菌性」の評価法
に従って抗菌性を評価した。この場合も、求めた減菌率
が80%以上あれば抗菌性があると評価した。得られた
結果を表1に示した。
【0074】
【表1】
【0075】表1から分かるように、本発明の抗菌性複
合不織布は、柔軟性、吸水性、保水性等の性能を低下さ
せずに、紙粉の発生が表、裏面とも極めて少なく、耐洗
濯性と抗菌持続性に極めて優れている(実施例1〜
5)。これに対して、塗布液をスプレー塗布する前の複
合不織布の水分が少ない場合(比較例1)は、抗菌性複
合不織布の不織布面(塗布の反対面)からの紙粉の発生
が極端に多い。これは、紙シート側で測定した吸水性が
著しく悪いことから明きらかなように、塗布液を塗布し
ても塗布液が厚み方向に完全に浸透せず、紙シート(塗
布)面側に多く留まって、分布が不均一になったことに
起因する。そのため風合い(柔軟性)と耐洗濯性が劣
り、抗菌性は優れるが、洗濯を繰り返すことに抗菌持続
性が段々に劣るようになる。
合不織布は、柔軟性、吸水性、保水性等の性能を低下さ
せずに、紙粉の発生が表、裏面とも極めて少なく、耐洗
濯性と抗菌持続性に極めて優れている(実施例1〜
5)。これに対して、塗布液をスプレー塗布する前の複
合不織布の水分が少ない場合(比較例1)は、抗菌性複
合不織布の不織布面(塗布の反対面)からの紙粉の発生
が極端に多い。これは、紙シート側で測定した吸水性が
著しく悪いことから明きらかなように、塗布液を塗布し
ても塗布液が厚み方向に完全に浸透せず、紙シート(塗
布)面側に多く留まって、分布が不均一になったことに
起因する。そのため風合い(柔軟性)と耐洗濯性が劣
り、抗菌性は優れるが、洗濯を繰り返すことに抗菌持続
性が段々に劣るようになる。
【0076】水分が多過ぎる複合不織布の紙シート面に
塗布液をスプレー塗布すると(比較例2)、塗布液が厚
み方向に完全に拡散、浸透するのに時間がかかり過ぎ、
その途中で乾燥されるため、厚さ方向での樹脂と抗菌性
微粒子の分布が不均一になる。そのため、水分が低過ぎ
る場合と同様に、紙粉の発生が顕著になり、しかも表裏
差が顕著になり、抗菌性には優れるが、吸水性、耐洗濯
性及び抗菌持続性が顕著に悪い。
塗布液をスプレー塗布すると(比較例2)、塗布液が厚
み方向に完全に拡散、浸透するのに時間がかかり過ぎ、
その途中で乾燥されるため、厚さ方向での樹脂と抗菌性
微粒子の分布が不均一になる。そのため、水分が低過ぎ
る場合と同様に、紙粉の発生が顕著になり、しかも表裏
差が顕著になり、抗菌性には優れるが、吸水性、耐洗濯
性及び抗菌持続性が顕著に悪い。
【0077】抗菌剤微粒子の含有量が少ないと(比較例
3)、柔軟性、吸水性、保水性及び耐洗濯性は極めて優
れ、紙分の発生も殆どないが、抗菌性が、不十分とな
り、抗菌剤微粒子の含有量が多いと(比較例4)、柔軟
性、吸水性、保水性、耐洗濯性、抗菌性及び抗菌持続性
が極めて優れ、紙分の発生も少ないが、本発明の抗菌性
複合不織布の性能と殆ど変わらず、抗菌剤微粒子を無駄
に使用したことになり、不経済である。
3)、柔軟性、吸水性、保水性及び耐洗濯性は極めて優
れ、紙分の発生も殆どないが、抗菌性が、不十分とな
り、抗菌剤微粒子の含有量が多いと(比較例4)、柔軟
性、吸水性、保水性、耐洗濯性、抗菌性及び抗菌持続性
が極めて優れ、紙分の発生も少ないが、本発明の抗菌性
複合不織布の性能と殆ど変わらず、抗菌剤微粒子を無駄
に使用したことになり、不経済である。
【0078】一方、合成高分子の樹脂のガラス転移温度
が高いと(比較例5)、他の特性は優れているが、得ら
れる複合不織布の剛性が高くなって柔軟性を損ない、結
果的機械的な摩擦で紙粉の発生が顕著に多くなった。自
己架橋型でない樹脂を用いると(比較例6)、他の特性
は優れているが、繰り返し洗濯を行うことにより、パル
プ繊維と抗菌剤微粒子が脱落し、耐洗濯性と抗菌持続性
が著しく悪くなり、繰り返し使用ができない。抗菌剤微
粒子の平均粒子径が大きいと(比較例7)、他の特性は
優れているが、抗菌剤微粒子が樹脂とともに不織布の厚
み方向に均一に拡散、浸透せず、大半は紙シート側に残
留し、そこでは抗菌剤微粒子を固着させるための樹脂量
が不十分となるため、水で洗濯を繰り返すことにより微
粒子が脱落し易くなり、抗菌持続性が劣る。
が高いと(比較例5)、他の特性は優れているが、得ら
れる複合不織布の剛性が高くなって柔軟性を損ない、結
果的機械的な摩擦で紙粉の発生が顕著に多くなった。自
己架橋型でない樹脂を用いると(比較例6)、他の特性
は優れているが、繰り返し洗濯を行うことにより、パル
プ繊維と抗菌剤微粒子が脱落し、耐洗濯性と抗菌持続性
が著しく悪くなり、繰り返し使用ができない。抗菌剤微
粒子の平均粒子径が大きいと(比較例7)、他の特性は
優れているが、抗菌剤微粒子が樹脂とともに不織布の厚
み方向に均一に拡散、浸透せず、大半は紙シート側に残
留し、そこでは抗菌剤微粒子を固着させるための樹脂量
が不十分となるため、水で洗濯を繰り返すことにより微
粒子が脱落し易くなり、抗菌持続性が劣る。
【0079】
【発明の効果】本発明は、その表面、内部及び裏面に抗
菌性が付与され、柔軟で吸水性、保水性、耐洗濯性、抗
菌性及び抗菌持続性に優れ、しかも紙粉の発生が殆どな
く、手術用着衣、マスク、シーツなどの医療用品、使い
捨て作業着、下着類、タオル、ワイパー、ふきん等の日
用雑貨類に好適に使用され、不織布の接触面(表と裏)
は勿論、内部に吸収されたものに対しても抗菌作用を発
現する抗菌性複合不織布及びその製造方法を提供すると
いう効果を奏する。
菌性が付与され、柔軟で吸水性、保水性、耐洗濯性、抗
菌性及び抗菌持続性に優れ、しかも紙粉の発生が殆どな
く、手術用着衣、マスク、シーツなどの医療用品、使い
捨て作業着、下着類、タオル、ワイパー、ふきん等の日
用雑貨類に好適に使用され、不織布の接触面(表と裏)
は勿論、内部に吸収されたものに対しても抗菌作用を発
現する抗菌性複合不織布及びその製造方法を提供すると
いう効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D04H 3/16 D04H 3/16 D06M 11/00 D06M 11/00 15/19 15/19 11/12 (72)発明者 城野 勝博 福岡県北九州市若松区北湊町13−2 触媒 化成工業株式会社若松工場内 (72)発明者 田中 敦 福岡県北九州市若松区北湊町13−2 触媒 化成工業株式会社若松工場内
Claims (3)
- 【請求項1】 疎水性で、熱可塑性の連続長繊維が集積
された長繊維ウェブからなるスパンボンド不織布と、多
数のパルプ繊維とが相互に交絡、一体化した複合不織布
に抗菌剤を含有せしめた抗菌性複合不織布において、該
複合不織布が水不溶性で、ガラス転移温度が−50〜+
20℃の合成高分子の自己架橋型樹脂を、該複合不織布
を構成するパルプ繊維の絶乾重量に対して2〜17重量
%含有し、かつ無機系抗菌剤を、該複合不織布の絶乾重
量に対して0.03〜2.0重量%含有してなることを
特徴とする抗菌性複合不織布。 - 【請求項2】 前記無機系抗菌剤が無機系微粒子に抗菌
性金属成分を担持させた抗菌剤微粒子から選ばれた少な
くとも1種で、かつ該抗菌剤微粒子の平均粒子径が3〜
300nmの範囲であることを特徴とする請求項1記載
の抗菌性複合不織布。 - 【請求項3】 疎水性で、熱可塑性の連続長繊維が集積
された長繊維ウェブからなるスパンボンド不織布の片面
に、多数のパルプ繊維よりなる紙シートを積層した後、
該紙シート側から不織布側に向けて高圧水柱流を施すこ
とにより、パルプ繊維と長繊維を絡合、一体化させて複
合不織布とし、次いで抗菌剤を含有させることからなる
抗菌性複合不織布を製造する方法において、高圧水柱流
を施した後、複合不織布のJIS P 8127による
水分が15〜75重量%において、ガラス転移温度が−
50〜+20℃の合成高分子の自己架橋型樹脂と、無機
系抗菌剤との水分散性混合液を、スプレー方式によって
前記複合不織布を構成する紙シートの面側からのみ噴霧
塗布し、乾燥することを特徴とする抗菌性複合不織布の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8104831A JPH09273062A (ja) | 1996-04-03 | 1996-04-03 | 抗菌性複合不織布及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP8104831A JPH09273062A (ja) | 1996-04-03 | 1996-04-03 | 抗菌性複合不織布及びその製造方法 |
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JPH09273062A true JPH09273062A (ja) | 1997-10-21 |
Family
ID=14391330
Family Applications (1)
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JP8104831A Pending JPH09273062A (ja) | 1996-04-03 | 1996-04-03 | 抗菌性複合不織布及びその製造方法 |
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