JPH06248549A - 不織布 - Google Patents

不織布

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Publication number
JPH06248549A
JPH06248549A JP5032887A JP3288793A JPH06248549A JP H06248549 A JPH06248549 A JP H06248549A JP 5032887 A JP5032887 A JP 5032887A JP 3288793 A JP3288793 A JP 3288793A JP H06248549 A JPH06248549 A JP H06248549A
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JP
Japan
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sheet
fiber
long
antibacterial
fibers
Prior art date
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JP5032887A
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English (en)
Inventor
Junji Osawa
純二 大澤
Eriko Kabasawa
江梨子 樺澤
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
New Oji Paper Co Ltd
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Publication date
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  • Cleaning Implements For Floors, Carpets, Furniture, Walls, And The Like (AREA)
  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 外観、感触、柔軟性があり、安全で、高い抗
菌性を発揮し、安価に製造できる使い捨てに好適な抗菌
性不織布を提供する。 【構成】 多数の長繊維を集積してなる長繊維不織布の
表面に繊維シートを積層し、該シート側から該長繊維不
織布側に貫通するように、高圧水柱流を施すことにより
該シートを構成する繊維と長繊維不織布を構成する長繊
維とを絡合させてなる不織布において、該繊維シートが
水に不溶性、或いは溶解度が低く実質的に水に不溶性の
抗菌剤を含有させたパルプ繊維からなる不織布である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗菌性を有する不織布
に関する。更に詳しく述べるならば、本発明は、多数の
長繊維を集積してなる長繊維不織布の表面に、抗菌性を
有し、水に不溶或いは溶解度が低く実質的に不溶な化合
物を担持させたシートを積層した後、該シートの表面か
ら長繊維不織布側に向けて高圧水柱流を施すことにより
該シートを構成する繊維と該長繊維とを絡合させること
からなる抗菌性を有する不織布に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より使い捨て手拭き布として、不織
布やパルプ繊維を嵩高に集積してなる乾式パルプシート
に水や薬剤等を染み込ませたもの(特開昭62-194824号
公報、特開昭62-236516号公報、特開昭63ー63419号公
報、特開昭63ー275311号公報、特開平1-25821号公報、特
開平3-16542号公報、特開平3-37017号公報、特開平3ー16
8118号公報等)が広く利用されている。
【0003】また、空調用や掃除機のフィルターのよう
な乾式利用の不織布としては、抗菌性を付与するのに有
機系抗菌剤をシート表面に塗布したり、繊維に固着させ
たりする方法(実開昭59ー167538号公報)、更に金属繊
維を織り込む方法(実開昭63ー77612号公報)或いは銀イ
オンを含有するゼオライト粒子のような抗菌剤を混入さ
せる方法(特開平2ー264078号公報)等が開示されてい
る。
【0004】ところが含浸のような処理で抗菌性を付与
した場合、抗菌剤を繊維内部に含有させたわけではない
ので、その抗菌効果と持続性に問題があった。また、有
機系抗菌剤を付着させた繊維製品は、その抗菌作用の持
続性も乏しい上に、含浸のような処理では抗菌剤自体が
加工及び使用時に脱落する懸念があるため人体に対する
安全性が高くないという欠点があった。
【0005】金属銅の繊維を織込んだものも抗菌性が発
揮できるイオン状態になっていないためにその抗菌効果
は非常に小さいという問題点があった。また、銀イオン
を含有するゼオライト粒子を混入させた繊維製品は、そ
の抗菌効果が小さい上に粒子自体の吸湿性が大きいため
取扱が困難であり、製品の加工性や保管性に劣るという
欠点があった。
【0006】一方、抗菌性を有する繊維としてセルロー
ス繊維内部に抗菌性のある無機物を担持せしめた無機物
担持繊維を調製する技術(特開平3-146766号公報、特開
平3-152295号公報、特開平1-18193号公報、特開平4-242
99号公報、特開平4-57964号公報等)が知られている。
【0007】即ち、特定な水溶性無機塩またはガスと反
応して水に不溶性、または難溶性の無機化合物を生成す
る少なくとも一種の水溶性無機化合物の水溶液にセルロ
ースのような親水性繊維材料を含浸し、この含浸した親
水性繊維材料を特定の水溶性無機化合物の水溶液に再度
含浸して、または含浸することなく特定のガスを接触さ
せて気相において処理し、それによって前記親水性繊維
材料の繊維内部及び表面に水不溶性または難溶性の無機
化合物を析出させて担持させる方法である。
【0008】更に、シリカゲルのようなケイ素化合物を
担持させた繊維をアルミン酸塩を含む水溶液に含浸後、
銅、銀及び亜鉛の水溶性塩から選ばれた少なくとも一種
類を含む水溶液で処理することにより得られる抗菌性を
有する繊維(特願平3-266008号公報)が開示されてい
る。これらの抗菌性を有する繊維よりなる製品は抗菌剤
の脱落の恐れがほとんどないので、人体に対して安全で
あり、抗菌効果の持続性も得られる。しかしながら、こ
れらの繊維のみを用いてシートを形成しても不織布とし
ての風合いや二次加工性に劣るという欠点がある。
【0009】また、拭き布の製造法として、合成繊維ウ
ェブと紙シートを水流を用いて交絡させる技術(Resear
ch disclosure,17060,June 1978)が開示されている。
この方法で得られたシートは、拭き布としての風合いと
二次加工性の面では優れているが、これといった抗菌処
理はなされていないので衛生面での使用の目的には適さ
ないという欠点があった。
【0010】不織布はおむつやシーツのようにディスポ
ーザブルな衛生用品として、生体の肌に直接接触した状
態で使用されることも多く、不織布のこのような使用目
的のためには従来技術の欠点を克服した上で、安全かつ
安価に抗菌性を付与する必要があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、かかる
現状に鑑み、鋭意研究した結果、抗菌剤を担持させたセ
ルロースパルプを含有する繊維材料からなるシートを熱
可塑性樹脂からなり、疏水性を有する長繊維不織布に積
層した後、高圧水流で交絡させてなる不織布は、衛生材
料として極めて優れることを見出し、本発明を完成させ
るに至った。
【0012】本発明は、高い抗菌性を発揮するが、抗菌
剤の脱落の恐れがほとんどないため人体には無害であ
り、しかも製品の風合い、加工性、保管性等に優れた抗
菌性不織布を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、多数の長繊維
を集積してなる長繊維不織布の表面に繊維シートを積層
し、該シート側から該長繊維不織布側に貫通するよう
に、高圧水柱流を施すことにより該シートを構成する繊
維と長繊維不織布を構成する長繊維とを絡合させてなる
不織布において、該繊維シートが水に不溶性、或いは溶
解度が低く実質的に水に不溶性の抗菌剤を含有させたパ
ルプ繊維からなることを特徴とする不織布である。
【0014】本発明においては、長繊維不織布上に積層
される抗菌性シートを構成する抗菌性を有する繊維は、
原料繊維であるパルプ繊維内部に抗菌性を有する無機物
を担持せしめた無機物担持繊維であっても良く、これを
調製する方法としては、特開平3-146766号公報、特開平
3-152295号公報、特開平1-18193号公報、特開平4-24299
号公報、特開平4-57964号公報等に開示の公知の方法を
挙げることができ、適宜選択して用いられる。
【0015】即ち、特定な水溶性無機塩またはガスと反
応して水に不溶性、または難溶性の無機化合物を生成す
る少なくとも一種の水溶性無機化合物の水溶液にセルロ
ースのような親水性繊維材料を含浸させ、この含浸させ
た親水性繊維材料を特定の水溶性の無機化合物の水溶液
に再び含浸させ、または含浸させることなく特定のガス
と接触させて気相で処理し、それによって前記親水性繊
維の内部及び表面に水不溶性または難溶性の無機化合物
を析出させて担持させる方法である。
【0016】また、抗菌性を有する繊維としてJournal
of Colloid and Interface Science,Vol.110,No.1,Marc
h1986 ,82〜87頁に記載の方法により調製した抗菌性を
有する金属コロイドを吸着、固定化したパルプ繊維を用
いることも可能である。
【0017】更に、シリカゲルのようなケイ素化合物を
担持させた繊維をアルミン酸塩を含む水溶液に含浸後、
銅、銀及び亜鉛の水溶性塩から選ばれた少なくとも一種
類を含む水溶液で処理して得られる抗菌性を有する繊維
(特願平3-266008号公報参照)を用いても良い。
【0018】本発明において使用する無機物担持繊維の
製造のために用いられるセルロースパルプは、広葉樹及
び針葉樹木材から得られるサルファイトパルプ(S
P)、アルカリパルプ(AP)、クラフトパルプ(K
P)等の化学パルプ、セミケミカルパルプ、セミメカニ
カルパルプ、機械パルプ等が挙げられ、脱墨された二次
繊維である新聞紙、上級紙、情報用紙からの脱墨故紙パ
ルプ(DIP)も使用可能である。また、パルプは、未
漂白パルプ、漂白パルプの区別および叩解、未叩解の区
別なく使用可能であるが、どちらかといえば軽度の叩解
をしたパルプが好ましい。
【0019】抗菌性を有する水不溶性の無機化合物を前
記セルロースパルプに担持させるには少しでも表面積が
大きい方が良く、叩解したパルプが適しているが、半
面、無機担持繊維からなる抗菌性シートを長繊維不織布
に積層し、水柱流による交絡処理のためには未叩解のパ
ルプの方が適している。
【0020】更に、前記のパルプに代わってレーヨンの
ような再生繊維、セルロース誘導体繊維やポリビニルア
ルコール、ポリアクリルアミド等の親水性合成高分子繊
維も無機物担持繊維のために使用可能であるが、品質と
コストからみると針葉樹漂白クラフトパルプ(NBK
P)が最も適している。
【0021】また、長繊維不織布に積層する前記無機担
持繊維からなる抗菌性シートの坪量は任意に決定しうる
事項であるが、特にJIS P8124に示された方法で測定
した坪量が10〜100g/m2が望ましい。坪量が10g/m2未満
であるとパルプ繊維の絶対量が少なく、得られる抗菌性
不織布に十分な吸水性や保水性を与え難くなるから不適
である。逆に、前記シートの坪量が100g/m2を越える
と、パルプ繊維の絶対量が多すぎて、前記シートと長繊
維不織布を積層し、高圧水柱流を施した際に、一本一本
のパルプ繊維と長繊維を絡合しうる程度に十分な運動量
を与えることが困難になるので不適である。
【0022】本発明において使用する長繊維不織布を構
成する疎水性の長繊維としては、加熱することによっ
て、長繊維が軟化または溶融するものであればどのよう
なものでも使用しうる。この軟化または融解によって、
長繊維表面が粘着性を呈し長繊維相互間が自己融着し
て、点融着区域が形成されるのである。使用しうる長繊
維の具体例としては、ナイロンのようなポリアミド系樹
脂で形成された長繊維、ポリアクリル酸エステル系樹脂
で形成された長繊維、ポリプロピレンやポリエチレン等
のポリオレフィン系樹脂で形成された長繊維、ポリエチ
レンテレフタレートのようなポリエステル系樹脂で形成
された長繊維等が挙げられる。
【0023】本発明において、長繊維を使用する理由
は、繊維間が絡合している場合、長繊維は短繊維よりも
引張り強度や形態安定性に優れているからである。その
上、長繊維の場合、積層した後高圧水柱流を施しても、
繊維が水柱流と共に流出しにくいからである。
【0024】疎水性の長繊維の繊度は1〜4デニールであ
るのが好ましく、特に1.5〜3デニールであるのが最も好
ましい。疎水性の長繊維の繊度が4デニールを超える
と、疎水性の長繊維の曲げ剛度が高くなりすぎて、ウエ
ットティシュの如く拭く目的で使用した場合の柔軟性が
低下するので不適である。逆に、疎水性の長繊維の繊度
が1デニール未満になると前記長繊維の製造条件が厳し
くなって高速度で製造し難くなり現実的でない。
【0025】前記長繊維は公知の方法で不織布として得
られるが、この長繊維不織布の坪量は、5〜30g/m2であ
る。長繊維不織布の坪量が30g/m2を超えると、抗菌性シ
ートと長繊維不織布の積層体に抗菌性シート側から長繊
維不織布側に向けて高圧水柱流を施しても抗菌性シート
を構成するパルプ繊維が長繊維不織布の裏面(抗菌性シ
ートと当接していない面、即ち非当接面)に移動し難く
なり、得られる不織布の片面にのみパルプ繊維が偏在し
た状態となって、長繊維不織布の非当接面はパルプ繊維
が少ないので吸水性が低下するから不適である。
【0026】逆に、長繊維不織布の坪量が5g/m2未満に
なると、長繊維不織布の形態安定性が低下し、得られる
不織布の湿潤強度が低下する傾向が生じる。更に、疎水
性長繊維相互間の間隙が大きくなって、高圧水柱流を施
した際に、その間隙からパルプ繊維が流出してしまい、
交絡処理後の高圧水柱流による排水を回収した場合、そ
の中にパルプ繊維が大量に混入するので不適である。
【0027】本発明において使用する長繊維不織布は、
疎水性の長繊維相互間が自己融着した、いわゆる長繊維
不織布であっても良いし、また疎水性の長繊維相互間が
結合していないフリース状の長繊維不織布であっても良
い。しかしながら、特に前者の不織布のうちでも、疎水
性の長繊維相互間が自己融着した点融着区域が、散点状
に多数配置されたものを使用するのが好ましい。この理
由は、疎水性の長繊維相互間が自己融着している点融着
区域をもつため、形態安定性に優れると共に、点融着区
域以外においては疎水性の長繊維相互間が自己融着され
ておらず、自由な状態で集積されているため、柔軟性に
優れ、且つパルプ繊維と良好に絡合し易いからである。
【0028】以上説明した如く、水柱流による交絡行処
理の前に長繊維不織布と抗菌性シートとは、積層されて
積層体となるが、この積層体中における長繊維不織布と
紙シートの坪量の比は、長繊維不織布:抗菌性シートが
1:1〜19となるようにするのが好ましい。長繊維不織
布:抗菌性シートが1:1未満になると、疎水性の長繊維
の量に対して、相対的にパルプの量が少なくなり、得ら
れる抗菌性不織布の吸水性や保水性が低下するので不適
である。また、疎水性の長繊維に対して、廉価なパルプ
繊維の量が少なくなることによって、得られる抗菌性シ
ート自体が高価になるという欠点が生じる。
【0029】逆に、長繊維不織布:抗菌性シートが1:19
を超えて、抗菌性シートの坪量が大きくなると、抗菌性
シートを構成するパルプ繊維の全てが強固に疎水性長繊
維と絡合し難くなり、得られる抗菌性不織布を湿潤させ
て使用した場合に、パルプ繊維が脱落しやすくなるので
不適である。また、相対的に疎水性の長繊維の量が少な
くなって、得られる抗菌性不織布の引張り強度が低下す
る。
【0030】本発明では、長繊維不織布の表面に抗菌性
シートを積層した後、抗菌性シートの表面から長繊維不
織布側に向けて高圧水柱流を施し、繊維間同士の交絡を
行なわしめるが、前記した如く、この処理法は合成繊維
と紙シートを水流交絡させて複合素材を得る方法として
公知の方法である。
【0031】即ち、積層体の抗菌性シート側から長繊維
不織布側へ高圧水柱流が貫通するようにして、高圧水柱
流を施すのである。この高圧水柱流は、ノズルピッチが
5〜20個/cmで設けられている孔径0.01〜0.3mmの微細な
直径のノズル孔を通して、10〜150kg/cm2の高圧で水を
噴出させて得られるものである。
【0032】この高圧水柱流を積層体に施すと、高圧水
柱流は、まず抗菌性シートに衝突する。そして、抗菌性
シートは、長繊維不織布上に密着し、次いでこの密着し
た状態で、抗菌性シートの部分破壊が生じ、抗菌性シー
トを構成するパルプ繊維を単離させ、パルプ繊維に曲げ
や捩れ等の変形を起こさせると共に、パルプ繊維に運動
エネルギーを十分に与え、このパルプ繊維にランダムな
運動を生じさせる。その結果、これらの複合作用によっ
て、パルプ繊維と長繊維不織布中の長繊維とが絡みあ
い、更に、このパルプ繊維によって長繊維同士も絡合す
ることになるのである。
【0033】本発明の抗菌性不織布は、抗菌剤の脱落の
恐れがないため安全性が高く、抗菌性の経時低下はほと
んどなく、長期間効力が持続する上、保水性と耐水性を
兼ね備えており、風合い、加工性に優れたものである。
【0034】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明は勿論これらに限定されるものでは
ない。実施例及び比較例において、%は重量%を、gは
絶乾gを示す。
【0035】実施例1 フリーネス550mlCSFに叩解した針葉樹漂白クラフトパル
プ(NBKP)25gを0.01%濃度の銀コロイド溶液1000m
lに1時間撹拌しながら含浸した後、取り出して水道水で
洗浄し、実験室手抄マシンで40g/m2の抗菌性シートを作
製した。このシートの銀含有率は0.4%であった。
【0036】用いた銀コロイド溶液の調製は、Journal
of Colloid and Interface Science,Vol.110,No.1,Marc
h 1986 ,82〜87頁に記載の方法に従った。即ち、0.17%
濃度の硝酸銀水溶液100mlをイオン交換水780mlで希釈
し、これに界面活性剤として1%ステアリルトリメチル
アンモニウムクロライドの20mlを添加した。次に、この
溶液を激しく撹拌しながら、0.15%濃度の水素化ホウ素
ナトリウム100mlを添加し、更に15分間撹拌し、還元し
て銀コロイド溶液を調製した。
【0037】次に繊度2.5デニールのポリプロピレン長
繊維を多数集積してウェブを形成した。そして、このウ
ェブを加熱された凹凸ロールとプレーンロールの間に導
入して、凹凸ロールの凸部によってウェブを熱圧着し
た。凸部により圧着された区域において、長繊維相互間
を自己融着させて、長繊維不織布を得た。得られた長繊
維不織布は、多数の点融着区域が間隔をおいて配置され
てなるものであった。そして、個々の点融着区域の面積
は、0.3mm2であり、すべての点融着区域の総面積は、長
繊維不織布の表面積に対して7面積%であった。
【0038】尚、長繊維不織布の坪量は20g/m2であっ
た。この長繊維不織布の表面に、前記の抗菌シートを積
層した。そして、抗菌シートが上に位置し、長繊維不織
布が下に位置するようにして、金網で形成された移送コ
ンベア上に載置した。次いで、この積層体を、30m/分
の速度で移送させながら、孔径0.1mmのノズル孔が1mm間
隔で並んでいる高圧水柱流装置を用いて、50kg/cm2
水圧で高圧水柱流を噴出させ、抗菌シートの表面に高圧
水柱流を施した。以上のようにして、抗菌シートを構成
しているパルプ繊維と、長繊維不織布を構成している長
繊維とが絡合して、一体化された抗菌性不織布を得た。
【0039】実施例2 フリーネス550mlCSFに叩解したNBKP30gを10%硝酸
銀水溶液250mlに浸漬し、10分間撹拌した。次にこのパ
ルプをpHを3に調整した0.4%塩化ナトリウム水溶液に10
分間、撹拌しながら浸漬し、水に不溶性の塩化銀をパル
プに担持させた。その後脱液、洗浄し、得られた繊維を
用いて実験室用手抄マシンで坪量40g/m2の抗菌性シー
トを作製した。このシートの銀含有率は10.0%であっ
た。このようにして得られた抗菌性シートを実施例1と
同様にして長繊維不織布に積層し、水柱流による絡合処
理を施して抗菌性不織布を得た。
【0040】実施例3 実施例2で得られた10%硝酸銀に浸漬した後のパルプを
0.4%水酸化ナトリウム水溶液に10分間、撹拌しながら
浸漬し、水に不溶性の酸化銀をパルプに担持させた。そ
の後、脱液、洗浄して、得られた繊維を用いて実験室手
抄マシンで坪量40g/m2の抗菌性シートを作製した。こ
のシートの銀含有率は4.7%であった。このようにして
得られたシートを実施例1と同様にして長繊維不織布に
積層し、水柱流による絡合処理を施して抗菌性不織布を
得た。
【0041】実施例4 実施例2で得られた塩化銀担持パルプ10%とフリーネス
550mlに叩解したNBKP90%を混合して得られた繊維
を用いて実験室手抄マシンで40g/m2の抗菌性シートを
作製し、実施例1と同様にして長繊維不織布に積層し、
水柱流による絡合処理を施して抗菌性不織布を得た。
【0042】実施例5 実施例2で得られた塩化銀担持パルプ10%の代わりに実
施例3で得られた酸化銀担持パルプ10%を用いた以外実
施例4と同様にして抗菌性不織布を得た。
【0043】実施例6 特願平3-266088号公報に記載の方法で抗菌繊維を調製
し、抗菌性シートを作製した。即ち、NBKP1kgを分
割してタッピー式ビーターでフリーネス350mlCSFに叩解
し、その後パルプ濃度30%に濃縮し、3号珪酸ナトリウ
ム(モル比3.1、42ボーメ)水溶液5リットルに3時間浸
漬した。次いで浸漬したパルプを固形分40%までプレス
で脱液し、1N硫酸水溶液5リットルに室温で1時間浸漬し
た。その後、パルプを脱液、水洗した。このパルプの珪
酸含有率は35%であった。
【0044】この珪酸担持パルプをパルプ濃度30%に脱
液し、1%のアルミン酸ナトリウム水溶液5000mlに1時間
浸漬し、水洗後、再びパルプを濃度30%に脱水し、0.5
%の硫酸銅水溶液5リットルに1時間浸漬した。含浸を終
了したパルプは水洗し、実験室手抄マシンで40g/m2
抗菌性シートを作製した。このようにして得られたシー
トを実施例1と同様にして長繊維不織布に積層し、水柱
流による絡合処理を施して抗菌性不織布を得た。
【0045】比較例1 フリーネス550mlに叩解したNBKP30gを10%硫酸銅水
溶液300mlに浸漬した。1時間撹拌した後、脱液して硫酸
銅担持パルプを得た。このようにして得られたパルプを
用いて実験室手抄マシンでで坪量40g/m2のシートを作
製した。得られたシートの硫酸銅含有率は0.2%であっ
た。このようにして得られたシートを実施例1と同様に
して長繊維不織布に積層し、水柱流による絡合処理を施
して不織布を得た。
【0046】比較例2 フリーネス550mlCSFに叩解したNBKP25gを0.033%の
硝酸銀水溶液に浸漬し、1時間撹拌した後、水道水で洗
浄した。このパルプを用いて実験室手抄マシンで坪量40
g/m2のシートを作製した。得られたシートの銀含有率
は0.2%であった。このようにして得られたシートを実
施例1と同様にして長繊維不織布に積層し、水柱流によ
る絡合処理を施して不織布を得た。
【0047】比較例3 フリーネス550mlに叩解したNBKPを用いて実験室手
抄マシンで坪量40g/m2のシートを作製し、実施例1と
同様にして長繊維不織布に積層し、水柱流による絡合処
理を施して不織布を得た。
【0048】実施例及び比較例において得られた不織布
の抗菌性に関する評価を以下に記載の方法で行い、その
結果を表1に示した。
【0049】抗菌性の試験 長繊維不織布に積層する前の抗菌シートおよび絡合処理
後の不織布シートの抗菌性をJIS L-1902繊維製品の
抗菌性試験方法に準じて評価した。供試菌株として、繊
維製品の試験によく用いられる菌種であること及び一般
的な環境下で存在し、病原性が低いことを考慮して、グ
ラム陰性菌のうち代表的な大腸菌(Escherichia coli J
M109)とグラム陽性菌のうち代表的な黄色ブドウ状球菌
(Staphylococcus aureus 209P IFO12732)の二種類を
用いた。培地は、前培養は普通ブイヨン培地を、本培養
では普通寒天培地を用いた。それぞれの培地の組成を以
下に示した。
【0050】手順としては、まず供試菌株を普通ブイヨ
ン培地で37℃で24時間前培養し、その培養液で高圧蒸気
殺菌済みの生理食塩水(0.85%塩化ナトリウム水溶液)
で10,000倍の希釈液を用意した。次に、予め用意してお
いた普通寒天の平板培地に160℃、1時間乾熱滅菌した試
験片(2.8cm×2.8cm角)を張り付け、菌の懸濁液0.1ml
を接種し、滅菌済みコンラージ棒で培養面に均等に広げ
た。そして37℃の培養器で一昼夜培養した後の試験片上
(コロニーの有無)及び試験片周辺(阻止帯の有無)の
菌の繁殖の仕方で抗菌性を評価した。
【0051】 普通寒天培地の組成 普通ブイヨン培地の組成 肉エキス 5g 肉エキス 5g ペプトン 10g ペプトン 10g 塩化ナトリウム 5g 塩化ナトリウム 5g 寒天 15g 蒸留水 1000ml 蒸留水 1000ml pH 7.0 pH 7.0
【0052】
【表1】
【0053】表1から分かるように、本発明の不織布
は、細菌に対し優れた抗菌性を示す(実施例1〜7参
照)が、単に硫酸銅水溶液に含浸したパルプからのシー
ト(比較例1)や硝酸銀水溶液に含浸したパルプからの
シート(比較例2)は大量の水を使う水柱流による絡合
という加工法を経る不織布には適さないことが分かる。
即ち、単に含浸せしめてパルプ繊維に付着しただけの水
溶性の化合物は、不織布の製造過程でその殆どが流出し
てしまうからである。
【0054】
【発明の効果】本発明の不織布は、抗菌剤の脱落の恐れ
がないため、人体に対する安全性が高く、抗菌性の経時
低下はほとんどなく、長期間効力が持続し、セルロース
パルプの保水性、ポリプロピレンのような長繊維不織布
の耐水性を兼ね備えており、風合い、加工性に優れたも
のである。またこの不織布は、それ自体に抗菌性をもた
せているので、使い捨て手拭き、ウェットテッシュー、
ワイパー、使い捨て雑巾等として利用できる他、空調機
や掃除機等の各種フィルターにも利用可能であり、ま
た、有機系抗菌剤を使用していないので、おむつやシー
ツといったディスポーザブルな衛生用品にも好適である
という効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D04H 1/42 K 7199−3B D 7199−3B 1/62 7199−3B D06M 23/00

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の長繊維を集積してなる長繊維不織
    布の表面に繊維シートを積層し、該シート側から該長繊
    維不織布側に貫通するように、高圧水柱流を施すことに
    より該シートを構成する繊維と長繊維不織布を構成する
    長繊維とを絡合させてなる不織布において、該繊維シー
    トが水に不溶性、或いは溶解度が低く実質的に水に不溶
    性の抗菌剤を含有させたパルプ繊維からなることを特徴
    とする不織布。
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